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それは散り逝く者への子守唄(半リレー)

1レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 14:58 ID:0uOxJwL6
半リレーとは…
まず普通のリレー小説は、皆さんが任意で参加できる。自由度の高い小説ですが。
  この半リレー小説というのは、基本は皆様が書いていらっしゃる。長編小説です。
  ではどこら辺が「半」なのかというと、上で書いてますが「小説書いてみたいけど…長編を書く自身無いよ〜」また「書こうと思うけど、ちょっと練習してみたい」
  など、ちょっと書いてみたい!という願望を叶えようというものです。つまりちょっと興味で書きたいと思ったら…。一言言っていただければ貴方も参加できるというわけです。
  簡単に言っちゃえば許可が必要か否か…の違いなのですが…。

※本人が学生のため更新が少し遅れてしまうかもしれませんがご了承ください。
※荒らし行為or他人様の名前を無断で使い悪事行為をされた方には遠慮しません。
 管理人様に即通告。場合によっては警察沙汰も辞さないつもりです。
※「小説書いてみたいけど…長編を書く自身無いよ〜」また「書こうと思うけど、ちょっと練習してみたい」など…。ちょっと参加してみたいという人は申し出ていただいて私が確認しましたら参加OKです!!

 京翔学院中学校3−1組生徒名簿
男子1番石田 琢磨  女子1番愛 姫
男子2番上原 瑞樹  女子2番青原 ナミ
男子3番架原 恭司  女子3番天美 奈津子
男子4番川上 健斗  女子4番上鶴 稚奈
男子5番川久保 一真 女子5番小平 月子
男子6番菅原 仁   女子6番澤野 花実
男子7番桐生 雅貴  女子7番高木 かりん
男子8番幻双 匠   女子8番高杉 賀子
男子9番高杉 未来  女子9番谷 朝香
男子10番月草 弘法  女子10番廿楽 澪
男子11番西島 雅樹  女子11番七海 きき
男子12番前田 優   女子12番成瀬 あすみ
男子13番水島 翔吾  女子13番花原 京香
男子14番如月 奈壱斗 女子14番伏吹 光
男子15番山師 達樹  女子15番眞鍋 柳子
男子16番山田 浩二  女子16番夜野 紫苑
           女子17番吉田 佳林

2蜜 </b><font color=#FF0000>(u5UmjW1o)</font><b>:2004/01/18(日) 15:52 ID:4oG8l/3.
名簿完成おめでとうございます。
本編開始も楽しみにしてます。頑張って下さい。

3レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:11 ID:0uOxJwL6
☆一学期中間試験成績席次☆ 五教科得点/100×5
1高杉 賀子  481/500【学年トップ】  21吉田 佳林 279
2川久保 一真 453           22架原 恭司 267  
3小平 月子 435           23天美 奈津子260    
4水島 翔吾 429           24川上 健斗 258
5上鶴 稚奈 410           25如月 奈壱斗254
6前田 優 392【今回は頑張った】  26青原 ナミ 251【長く風邪引いてた…。】
7菅原 仁   388【国語学年トップ】  27西島 雅樹 250
8夜野 紫苑  384           28澤野 花実 247
9月草 弘法  380           29水島 翔吾 245
10七海 きき  377           30愛 姫   240
11谷 朝香   360           31山師 達樹 231【学期怪我をした】
12成瀬 あすみ 351           32高木 かりん 201
13花原 京香  344           33上原 瑞樹  195
14伏吹 光   330           
15高杉 未来  322【姉のおかげ…(笑)】
16山田 浩二  317
17桐生 雅貴  310
18眞鍋 柳子  300
19幻双 匠   291
20石田 琢磨  284

4レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:12 ID:0uOxJwL6
何と無く成績表を作ってみました(え

5レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 16:54 ID:0uOxJwL6
000 Prologue-1 中学男子バスケットボール全国大会会場にて…

 京翔学院はバスケットの名門校として有名である。
そして今回も京翔学院の3年連続全国制覇で間違いない…。と思われていたが、
会場のスコアボードには
『準決勝第二試合…ハーフタイム。京翔学院中28-112槙田第三中』
残り半分で84点差をひっくり返せるか…
誰もがあきらめていた。
「まだ終わってねぇ…まだ…終わってねぇよ」
と部長である水島 翔吾(男子13番)が全員に叱咤をしている。
「でもよ…ハァ…あいつら…背ぇ…高すぎだろ…」
と菅原 仁(男子6番)が返した。平均身長が15cmも違うのだ、嘆くのも当然といえば当然である。
「いいか!お前ら何逃げ腰になってるんだ!うちらには全国一のスピードがある。いいか…まだ半分だ…あきらめるんじゃない!」
そんな部員達の話を聞いていた顧問である夏野が、声を張り上げ一人一人の背中を叩いていった。
「よし…第三クォーターのメンバー発表するぞ…前田、菅原、水島。お前らは引き続き頼む。それから木野に変わって川久保。大下(副部長である)。この5人でいくぞ」
「はい!!」
部員達の声が会場内に響き渡った。
メンバーは円陣を組み水島
「俺たちはまだ終わっちゃいない!いくぞ!」
「おう!」
メンバーは円陣を組み水島(男子13番)の一言に
前田 優(男子12番)、菅原 仁(男子6番)川久保 一真(男子5番)そして大下は答えた。
そして…彼らはコートへと駆けていった――


応援席にはレギュラー以外の男子バスケ部の面々と先程女子の試合が終わった

6レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 17:26 ID:0uOxJwL6
001 Prologue-2 見守る者達

応援席にはレギュラー以外の男子バスケ部の面々と先程女子の試合が終わった高杉 賀子(女子8番)と眞鍋 柳子(女子15番)そして天美 奈津子(女子3番)とそして多分姉に連れてこられたのであろう高杉 未来(男子9番)が居た。
「ねぇ…ちょっと…マズくない…?」
今までの試合の流れを見ていた天美がそう言うと、
「どうしたんだろ…みんな…いつもより動きが悪い気がするよ…」
先程から点数が入るたびに一喜一憂していた賀子もちと不安気に言った。
「ほんとよね〜菅原とかいつもの感じと違うしね〜オイコラ!!なにやってんだぁぁ!!!」
と、眞鍋が吼えた…。
「うるさい…眠れんだろ…」
突っ込んだのはイスをベットにしている未来だった…。
「・・・」
呆れる天美。そして…「寝ちゃ駄目でしょ」と起こす賀子。
こんな未来を抜かした三人はこれでもたった今4-182という大差で女子バスケ部の決勝進出を決めてきたバスケの強者である。
「まぁ…みんなを信じようよ…ほらハーフタイム終わったし…」
未来をなんとか起こした賀子がそう言った。
「お…川久保君ようやく登場ね…」
と眞鍋が背番号を見ただけで言い当てた。
「ということは…もしかして…ウチの男子4人も出てるわね…」
「そりゃ楽しみだな…」
と起きたての未来が眼を擦りながら呟いた。
「みんながんばれ〜」
賀子はコートにいる男子達に手を振っていた。



この試合…124-130という近年稀に見る白熱した戦いになった。
そしてその年槙田第三中は悲願の初優勝を手にした――

7かかかーー!!:2004/01/18(日) 19:39 ID:STusIzus
読ませて頂きました!!
面白いです。      これからも頑張ってください!!

8koko:2004/01/18(日) 20:51 ID:V3oztwr2
名簿完成そして本編開始おめでとうございます。
あまり関係ないことかもしれませんが成績表に水島翔吾が二人いますよ
たぶん廿楽澪さんと間違えてると思います。

9秋菜:2004/01/18(日) 21:09 ID:lKWyL5nw
名簿完成&本編開始おめでとうございます☆
おもしろいです!!これからも頑張って下さいね!
応援してます♪

10レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/18(日) 21:33 ID:0uOxJwL6
>kokoさん
…マジッすね。すいません
>かかかーー!!さん、秋葉さん
どうもっす
頑張りますんでよろしくです。

11ここす:2004/01/19(月) 20:13 ID:STusIzus
楽しいっス!!

12インビシブル:2004/01/19(月) 20:58 ID:xysNQTEk
結構面白いですねw頑張ってください

13レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 21:38 ID:0uOxJwL6
002 ここから始まる物語〜The tale which begins from here〜

 ここ、京翔学院中学校の3−1はエリートクラスと言われていた。
三年間学年トップを維持し続けている高杉 賀子(女子8番)や夜野 紫苑(女子16番)。それに、成瀬 あすみ(女子12番)に上鶴 稚奈(女子4番)そして月草 弘法(男子男子10番)など、生徒会の主要メンバーもこのクラスに集中しているくらいだ。
無論勉強だけではない。全国トップクラスを誇る京翔学院の男女バスケのレギュラーもこのクラスは有している。まさに文武両道が上手く整った、ある意味理想的なクラスである。

 「残念だったね…バスケ」
「悔しいけど全力でぶつかったからね…それで負けたんだから仕方ないよ」
賀子は、登校してきた、前田 優(男子12番)の姿を見つけると話しかけてきた。
向こうのほうでは、そんな優を睨む幻双 匠(男子8番)如月 奈壱斗(男子14番)が居た。
今日は8月31日。修学旅行の事前指導である。中学三年にとっては明日は、長崎への修学旅行の日である。
皆。長期休み明けで、上原 瑞樹(男子2番)のように「ダルい…冬休みよ…さっさと来い」
と言いながら机に突っ伏している奴も居れば、長期休みの積もり積もったネタ話を披露している奴も居た。もちろん二週間前にあったバスケの全国大会の話をしている奴もいた。
そんな他愛も無い時間が20分くらい過ぎた頃だろうか――
ちょうど担任の松野が教室に入ってきた。

「はーい。全員座れ〜。別にいいな〜。大体の話は明日の始業式で話すからな〜。さて…明日は修学旅行の日だが…お前ら何か忘れてないか?」
「?」
生徒のほとんどは、頭上にクエスチョンマークが出ていたが、ああ。あれか――と思い出す生徒も中には居た。
「はい。一学期期末試験の答案だ…。全教科まとめてあるからな〜」
はぁ――と息を吐いたのは高木 かりん(女子7番)。
彼女は理解している。松野がただ答案を返すわけが無い――と。
「もちろん、今回も成績優良者順に返すからな〜」
「え゛え゛〜っ」
「はいはい。最初からえ゛〜なんていうなら勉強して来い」
「よし返すぞ〜。高杉 賀子」
「はい」
「次〜川久保 一真に上鶴 稚奈それから小平 月子」
「はい・・・」「は〜い」「あ…ここやはり間違ってたか…」
ちなみに反応は小平 月子(女子5番)、上鶴 稚奈(女子4番)、川久保 一真(男子5番)の順である。
「で次が…おお今回は頑張ったな高杉 未来」
「え゛…マジ」
「マジだ」
松野の歯がキラリと光った。
「つっしゃあ〜」
「はいはい騒ぐのもいいが次〜水島 翔吾に夜野 紫苑。んで菅原 仁〜」
「ま…コレぐらいね・・・」
と呟いたのは夜野 紫苑(女子16番)である。

14レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 22:00 ID:0uOxJwL6
「うわっ…ここ馬鹿してるし!」
教室の端で頭を抑えているのは水島 翔吾(男子13番)。
「あ・・・国語97点か…」
97点で納得していないのは菅原 仁(男子6番)。
「んで…七海 ききに前田 優か…。」
と・・・次々に呼ばれていった。
そして――
時は来た――
一学期のベストオブバカの決定をする時が――
まだ呼ばれていないのは――
上原 瑞樹(男子2番)。愛 姫(女子1番)。高木 かりん(女子7番)の3人。
「今回はそこそこ頑張った!」「ううっ…ビリなんかになったらまた、ききに勉強しなよ〜とかなまったるい声で小うるさく注意されちゃう」「別っに〜どうでもいいし」
なんとなく情けない闘気が渦巻く教室で――
「さて…ワースト3だが31位高木 かりん。」
「はーい☆」
マジデスカと言いたげな上原を横目にうれしそうに答案を取りにいく高木であった。
ゴクッ――
ここからだ…
「32位…は愛 姫」
チーン。                        
山師 達樹(男子15番)が2連覇おめでとうと、冷ややかな視線を送っていた。

上原 瑞樹は思った――
俺って――
可哀想――

と――

15レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 22:47 ID:0uOxJwL6
ここすさん。インビシブルさんどうもです。

16ビーズ:2004/01/19(月) 23:02 ID:2ZJtVyVI
つまり他人任せだけど権利は自分にあるってことですよね??
なんか・・・微妙

という個人意見^^;

17レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/19(月) 23:07 ID:0uOxJwL6
>ビーズさんへ
いえ…もし他の方が書かれた場合は、それぞれの話の著作権は各個人にあります。

18秋菜:2004/01/20(火) 00:08 ID:5NYYjbfQ
面白いです!生徒紹介もしっかりとしてあって分かりやすいです☆
次回も期待しています!!頑張って下さいね^^

19レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/20(火) 22:26 ID:Sop2x8vE
003 僕達の修学旅行1〜My study travellingⅠ〜

 9月1日。晴れ。今日はようやく待ちに待った修学旅行の日。
そして――
運命の歯車が狂いだす日――

京翔学院中校庭にて――
ちなみにバスの到着を待っているのだが・・・。
「ねぇねぇ天美ちゃん…旅館について…夜になったら…しようね…」
伏吹 光(女子14番)が相変わらずのあま〜い声で、天美 奈津子を口説いている。
「なんつうか…淫靡に聞こえるのは俺だけだろうか…」
隣で伏吹達のやり取りを聞いていた上原が呟いた。
「いや…俺もだ。後で部屋を覗きにでも行くか・・・」
そんな呟きに答えるのは石田 琢磨(男子1番)。
「部屋覗いたら・・・・・・」
そう言い、藁人形をちらりとみせる小平。
「・・・スイマセンでした・・・」
「にこっ・・・」
微笑すると何事も無く去っていく小平に、石田と上原は恐怖を覚えたのは言うまでも無く――
ちなみに生徒会の面々は何かと忙しいらしくこの場には居なかった。
「あっ・・・バス来ましたよ〜せんせ〜。」
ずっと校門を見ていた。青原 ナミ(女子2番/ちなみに本日も胸元のボタンを閉じてなく何回生活指導の先生に怒られたか・・・)
が、修学旅行に参加する先生を呼びにいった。

日は紅く―――
空はどこまでも蒼く―――
そして―――
僕らは―――
そのバスに乗った―――


事態が明らかに畏怖すべき時に当って、これを恐れぬということは、明智に乏しいか、
これを欠いているかの徴(しるし)ともなるわけだな
ラブレー【ラブレー第四之書 パンタグリュエル物語】より

20おk:2004/01/21(水) 14:15 ID:RSdDUxP6
やっとはじまった!

21レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 11:01 ID:TNHSuqUY
004 僕達の修学旅行2〜My study travellingⅡ〜

 そのバスは確実に悪夢へと進んでいた――
「な、な、なぁ旅館についたらなにするよ?」
「おおwお約束な質問だな♪。やっぱそーだな・・・・・・」
「そんなことで本気で悩むなよ…」
先ほどからバスの後方で騒いでいるのは山師と石田である。

その2,3列ほど前の席では小平が恒例のタロット占いをしていた。
「ねぇねぇ…でた?」
「・・・逆位置の運命の輪」
「どんな意味なの?」
「悪化、不運な方向への展開、幸運の後の落とし穴、タイミングを逃す、見込み違い、すれ違い。歯車の回転がどこかで狂ったかのように、悪い方向へと物事が進んで行く・・・」
「え゛マジ」
伏吹が驚いたように変な声を上げた。
「マジ・・・」
小平はそんな事も気にせずただ返答するだけだった…。

優は、賀子と話していた。
「ねぇ前田くんってさ好きな娘とかいるの?」
「へ?い・・・いや別に・・・いないけど」
「そーなんだ…」
「まぁ…そのうちできると思うけどね」
「なーに二人でこそこそと話してんのよっ!!」
「あっ!姫!そんなに強く蹴ったらだめでしょ!」
そんな中。愛 姫とその保護者(失礼)こと七海 ききの二人が話に入ってきた。
「で何話してたのよ」
「いや…賀子が好きな娘はいるのか?って…」
「で・・・どうなのよ?」
「いや…いないけど…」
「ツマンナイ人生してるわね〜」
「わわっ!姫失礼だよ」
二人の圧倒的なオーラに賀子もただただ圧倒されている。
「で…姫は何しに来たんだ?」
優がようやく話を変えることに成功した。
「え・・・ああ・・・なんか眠いから。話でもしようかなと思って…ホラ七海も賀子も…皆も寝ちゃってるからさ…」
「何か…おかしくないか?」
「何がよ…」
「い・・・や・・・」
意識がそこで飛んだ。
「えっ?ちょっと優ぅ?ねぇ…優?おーい起きなさいよ」
「まったく・・・もういいや私も寝ちゃえ・・・」

22レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 11:50 ID:TNHSuqUY
>おkさんへ
お待たせしてしまいスイマセン

23流し読み:2004/01/22(木) 13:01 ID:ScnSRuEo
しょうがないですね。止まってるようなので少し書いてあげますw

そう言い終えると、姫は持っていたコップを落とし、唐突にだらりと上半身を前に倒した。
姫の落としたカップからこぼれたジュースは床をつたって、散らばっていたタロットカードを湿らせた。
頭が座席の後部についている飲み物を置くカップに衝突したが、そのまま姫の意識は戻らなかった。
バスに乗っていた他の生徒たちも、同様に意識を失っていった。
座席の上についている送風口から、ある種の気体が放出されているのに気づいた者は、誰もいなかった。
暖気と混ざり合いながらバス内に拡散していったのは、亜酸化窒素と呼ばれる気体だった。
この気体は主に医療用に使われ、全身麻酔などの用途に広く用いられているものだった。
亜酸化窒素はすべての生徒が意識を失った後も、バス内をくまなく覆うよう噴霧されつづけた。

24流し読み:2004/01/22(木) 13:19 ID:ScnSRuEo
五分後、ガスマスクをつけてハンドルを握っていた運転手は、ブレーキを軽く踏んでバスのスピードを緩めた。
そして、同じようにマスクを装着したバスガイドの方を向き、左手の親指で肩越しに後ろの座席を指した。
「全員、確認してくれ」
マスク越しに、低くくぐもった声が発せられた。
それを聞くと、バスガイドは顔を大きく動かしてうなずいた。
バスガイドは、乗り降りする階段の近くにある、ビデオなどをしまって置くための収納ボックスを開けた。
そこにはビデオデッキや、ゲームなどに使うスケッチブックなどが収められていたが、バスガイドが取り出したのは別の物だった。
口と鼻を塞ぐマスクのついた、スプレー缶だ。
それは睡眠状態になっていない生徒の意識を奪うために用意された、亜酸化窒素の吸入器だった。
さらにバスガイドは、ビデオデッキのかたわらから、伸縮式の警棒を取った。
手に握って腕を振った。
すると、警棒は金属音を響かせながら、即座に伸びて護身用具となった。
運転手は足元についていたレバーを操作し、バス内の亜酸化窒素を除去するための外気を取り入れた。
彼女がそれを使った時に火花が起こり、亜酸化窒素に引火する可能性があるからだ。
検知器に連動している緑色のランプが点灯し、残留する亜酸化窒素が無くなった事を知らせた。
バスガイドは腰のホルダーにスプレー缶を装着すると、警棒を構えながら、バスの前後に伸びる長い通路を歩いて行った。

25流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/22(木) 13:24 ID:ScnSRuEo
一応、トリップつけます。
忙しくてこれ以上は関われないと思うので、後は勝手に書いて下さいw

26レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 16:28 ID:TNHSuqUY
>流し読みさん
別に止まってませんが…それと許可無く書かないでいただきたい。
ですが…、止まっていると判断出来た状況ならば謝りますが
勝手に書き込むのはこれっきりにしていただきたい。

27得たい人:2004/01/22(木) 17:57 ID:tZPVM0HA
もうリレーできないんでレベッカさん一人で書いたらどうですか?

28レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 18:00 ID:TNHSuqUY
>得たい人さん
そうすっね…考えときます。

29レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 20:55 ID:TNHSuqUY
せっかく書いてもらったからそれに繋げるか…

30レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 21:54 ID:TNHSuqUY
005 目覚め〜Waking〜

 優は目覚めると異変に気が付いた。
ここはバスの中じゃないと(んなもの見りゃわかるのだが)そして、目の前には兵士らしき人物がいて。
とりあえず
「此処。何処ですか?」
聞いてみる事にした。
すると部屋の端に居た。責任者らしき女性が歩いてきた。
「此処?此処はね…ふふっ…日本から遠く離れた島だよ☆」
微笑みながらその女性は答えた。
「は?」
(まて、確かに長崎には島はそこそこ多いが…日本から遠く離れた島?五島列島の一つか?というか…島なんて目的地にあったっけ?)
そして彼が出した答え。それは、
まさか――
いや…そんな訳無い。これは夢だ。夢なら寝てしまおう――
でも…
「あら…寝ちゃ駄目だめだよ☆…」
この女が寝かせてくれない――
「なんでですか…」
「ふふ…これから大切なお話があるからね〜」
大切な話?予定地変更とか?――
「あら…それなりに皆起きたみたいだね☆…ごめんね〜みんな寝ている子を起こしてくれないかな☆」
いろいろな場所から「あいつ。誰だよ」「ねぇ此処は何処?」
など声が上がっている。

「はい〜はい。皆いろいろと質問があると思うけど、今は話を聞いてね〜☆」
そう言って教卓(らしきもの)をバンバンと2回叩いた。
「単刀直入に言うね〜☆みんなには…殺し合いをしてもらいま〜す☆」
やはりそうだったか――
あれ?でも首輪が無い?どうしてだ?
「ふざけんな!何が殺し合いだ!そんなのは本だけの話だろ!」
そう、叫んだのは山田 浩二(男子16番)。
「そうね…本来なら本だけの話、でも〜ね☆ある程度のお金を警察と政府に払えばぁ〜。無かった事にするぐらいできるのよ☆金持ちの道楽ってやつだよ☆」
金持ちの道楽?
なんてこった・・・
「で…でも首輪が無いじゃないか!!」
いまだに信じることができないのか、山田がさらに続けた。
「ふふ・・・君はよく知ってるね〜☆そう本来のBRなら首輪をつけてたよね〜☆で〜も、そうすると首輪がなにかのマチガイで取れちゃうかもしれないから〜☆爆弾は…君達のお腹の中にありま〜す☆」
そう言ってその女は自分のお腹を指した。
「あ…でも☆吐いたり…その…排泄行為なんかじゃ出ないから安心してね☆」
「でも・・・・・・」
ようやく山田は黙った。
「それじゃ公平に武器と出発順をくじで決めたいと思いま〜す☆それじゃ出席番号順にこの二つのくじをひいてね〜☆」

最悪だ――
本当にBRみたいだ――

くじをひいている琢磨を見ながら優は思った。

31レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 22:56 ID:TNHSuqUY
配布武器と出発順(出席番号前に表記)
4男子1番石田 琢磨 ColtM1911A1    
21男子2番上原 瑞樹 オートボウガン
8男子3番架原 恭司 スペツナズナイフ 
15男子4番川上 健斗 BerettaM92FS
20男子5番川久保 一真 100円ライター
12男子6番菅原 仁 火炎放射器
25男子7番桐生 雅貴 手榴弾
28男子8番幻双 匠 ピアノ線
1男子9番高杉 未来  もずく
33男子10番月草 弘法 IngramM11
16男子11番西島 雅樹 スタンガン
6男子12番前田 優   RemingtonM31
31男子13番水島 翔吾 水鉄砲
11男子14番如月 奈壱斗 コンバットナイフ
30男子15番山師 達樹 配布アイテムリスト
2男子16番山田 浩二  偽典

18女子1番愛 姫 S&WM29 9女子13番花原 京香 毒薬
24女子2番青原 ナミ 日本刀 22女子14番伏吹 光  釘バット
29女子3番天美 奈津子 大鎌 13女子15番眞鍋 柳子 折り畳み式槍
3女子4番上鶴 稚奈 DesartEagle.44Magnum   26女子16番夜野 紫苑 札束
32女子5番小平 月子 出刃包丁 17女子17番吉田 佳林 クマのぬいぐるみ型爆弾
14女子6番澤野 花実  Hi-StandardDerringer
23女子7番高木 かりん 富和工業64式小銃
7女子8番高杉 賀子 医療セット
5女子9番谷 朝香 手裏剣
27女子10番廿楽 澪   伸縮式特殊警棒
19女子11番七海 きき 人物探知機
10女子12番成瀬 あすみ 硫酸入り水鉄砲

32レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/22(木) 22:57 ID:TNHSuqUY
うわっ・・・分かりにくい…スイマセンです。

33紅桜 </b><font color=#FF0000>(GVAYuYFg)</font><b>:2004/01/22(木) 23:16 ID:77k.nu46
私の夜野紫苑の支給武器札束ってのがナイスです(笑)

34インビシブル:2004/01/23(金) 05:49 ID:xysNQTEk
あちきの山下達樹も配布アイテムリストは結構使いやすそうですねw

35流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/23(金) 11:29 ID:ScnSRuEo
>別に止まってませんが…それと許可無く書かないでいただきたい。
>ですが…、止まっていると判断出来た状況ならば謝りますが
>勝手に書き込むのはこれっきりにしていただきたい。

ははあ、それは申し訳ありませんでしたねw
長編を書く自信の無い人が書く時には、レベッカさんからアドバイスを受けるようにして参加するような意味だと思っていたので。
では、私が書いた部分(23番と24番)は無視して貰ってもかまいません。

36レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 17:15 ID:X/AEvWjI
>流し読みさん。

理解していただいて幸いです。
また、僕はまだまだ教わるほうです。
それとせっかく書いてもらったので23、24番は使わせていただきます。

37レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 17:56 ID:1PN.Uxp2
それぞれの武器説明

☆ColtM1911A1☆一般的にはコルトガバメントという名前の呼ばれ方が有名。1911年に米軍に正式採用され米国政府が認証した、と言う意味でガバメント(Goverment=政府)と呼ばれる。
        口径.45ACP 装填数7+1

☆オートボウガン☆大型のボウガン。赤松 義生が持っていたものよりさらに大きくなり威力が増強されたがその分扱いにくい。

☆スペツナズナイフ☆旧ソ連軍の使用した発射式暗殺用ナイフ。鍔にあたる部分にあるスイッチを押す事で刀を前方に飛ばす事ができる。

☆BerettaM92FS☆現代軍用拳銃の傑作のひとつ。15発と装弾数が多い。1911A1の後継としても米陸軍にも採用された。(採用名M9)。
        口径9mm×19 装填数15+1

☆100円ライター☆人類の知恵の象徴である火を最も簡単におこすための道具。ちなみに火遊びは厳禁

☆火炎放射器☆可燃性の液体を圧縮空気にてスプレーすると同時に点火装置で着火して火炎を放射する装置。射程は短いが制圧力は高い。

☆手榴弾☆言わずとしてたパイナップル。安全ピンを抜き投げればボーンッ!。ちなみに威力の高いアメリカ製。

☆ピアノ線☆強強度ワイアーの総称。何処からともなく必殺仕事人のテーマでも流れてきそうなアイテム。ちなみに、現在のピアノ線は最新技術により恐ろしいまでの強度を獲得している。

☆もずく☆褐藻類モズク科。血液浄化、抗癌性などが指摘されており、注目を集めている。ローカロリー。

☆IngramM11☆イングラムM10の改良型。小型化し連射速度か上がったが扱いづらい。
       口径.38ACP 装弾数32+1
補足IngramM10:コンパクトなサブマシンガン。弾をばら撒いて敵を制圧するタイプの銃なので命中精度は悪い。射速が早く約2秒で弾薬を撃ちつくす。
       口径.38ACP 装填数30+1

38レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 18:23 ID:1PN.Uxp2
☆スタンガン☆高圧電流を相手に流し込み、相手に手足の麻痺などを引き起こす武器。

☆RemingtonM31☆ポンプアクション式の散弾銃。小さな球弾を大量にばらまくので近距離ならかなり有利。
       口径12Ga  装填数4+1

☆水鉄砲☆ただの水鉄砲。最近の水鉄砲って・・・すごいよね・・・。

☆コンバットナイフ☆米陸軍に採用されている軍用ナイフ。グリップから刃まで反射防止のために漆黒に塗られている。サバイバル用品としてもかなり優秀な一品。

☆配布アイテムリスト☆今あなたのご覧になってるモノ。ちなみに正式的なものは写真と所持者の名簿付き。使い方によっては銃にも匹敵する武器(アイテム?)

☆偽典☆聖典の写本。叩かれると痛い。「――かつて悩めた人よ、かつて憂いた人よ・・・」

☆S&WM29☆通称『44マグナム』。映画「ダーティハリー」において主人公キャラのハンが使った事で一躍有名になったリボルバー銃。
     口径.44Mag 装填数6

☆日本刀☆一見なんの変哲もない刀だが、その刃にはトリカブトの毒が塗ってあるのでかすり傷でも逝っちゃいます。南無南無〜。

☆大鎌☆よくゲームやマンガなどで死神が持っているあの鎌。せっかくなので再現してみました。ただものすごく重いよ?振れる?

☆DesartEagle.44Magnum☆.44マグナム弾を使用。.357バージョンであった。パワー不足が解消されている。安定した威力と性能を誇る。

☆出刃包丁☆分厚い刃を持つ和包丁。その重さを利用して魚や鳥を骨ごと叩き切ったり、捌いたりする。

☆Hi-StandardDerringer☆ハンドバッグなどに忍ばせたりする拳銃として有名。小口径だがマグナム弾を使用する。トリガーが重い上に2発のみしか装填できないため撃ち合いには不向き。メリルの愛銃としても有名。

☆富和工業64式小銃☆日本国産の自動小銃。他国の銃と比べて数倍の値がする高級品。命中精度は高いが、部品点数が多く整備面に弱点を抱える。
          口径7.62mm×51 装填数20+1

39レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 18:49 ID:1PN.Uxp2
☆医療セット☆普通の学校においてある普通の救急セット。

☆手裏剣☆日本の忍者が使った言われる。菱形手裏剣。刃の部分に遅効性の毒が塗ってある。使いこなすには熟練の腕が必要。

☆伸縮式特殊警棒☆世界中の警察官が装備している殴打武器。持ち運びやすさの割に威力は大きい。

☆人物探知機☆携帯電話型探知機。参加者に対応した番号が表示される。

☆硫酸入り水鉄砲☆H2Oの代わりにH2SO4が入った水鉄砲。おもちゃとおもって油断したら。火傷するよ〜。

☆毒薬☆シアン化カリウムの入ったビン。料理に入れてしまえばかってに向こうが死んでくれます。

☆釘バット☆バットに大量の釘を打ち込んだもの。一昔前はハリセン、100tハンマーに並ぶツッコミ道具だった。

☆折り畳み式槍☆折り畳んでコンパクトに収納できる槍。かさばりません。

☆札束☆相手を買収するもよし株成金の如く燃やして明かりにするも良し。

☆クマのぬいぐるみ型爆弾☆一見可愛らしいぬいぐるみだが、その正体は小型爆弾。小さい建物なら吹き飛ばせるほどの爆発力を持つ

40レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/23(金) 19:25 ID:1PN.Uxp2
006 ゲーム開始は満月の夜と共に〜A game start is the night of a full moon〜

 「え〜と今、それぞれのアイテムの準備しているから、ちょっと待っててね〜☆」
すべてのくじを収集、確認した女が言った。
「ちなみにルールはみんな知ってるかな?知らない人もいるみたいだからね☆最初にこの島は日本から遠く離れてま〜す☆あと禁止エリアって言うのがあるんだけど…まぁそれは後でね☆ちなみに期限3日。期限を過ぎると皆ボ〜ンだからね☆ちなみに放送は毎日4回。さっき言った禁止エリアもこれに関わってくるからね。この島は100のエリアに分類されてます☆各放送ではそれまでの死者とどの位置が危ないか放送されま〜す☆なんで危ないかって?そんなの決まってるじゃない!禁止エリアに入ったらボーン!だからね☆Are you OK?ごめんね〜おねいさん説明下手だから分かりにくかったでしょ☆でもそのうち分かるからね☆」
「あっ!そういえば名前言ってなかったね〜☆私の名前は『秋小路 夢』っていうからよろしくね☆」
甲高い声で一人騒いでるな…
そうとだけしか優は思わなかった。

果たして俺は…七原 秋也のようになれるだろうか?

いや…どうだろう…

でも…これだけは言える…

絶対に皆で脱出してやる…と。

そんなこんなで何分過ぎただろうか…
いまだにあの秋小路とかいう女は喋り続けている。
最近の政治はどうだとか、最新のリップの色が気に入らないだとか、はっきり言ってどうでもいい…
そんな時だった。
二人の兵士がデイバックの積んである荷台を持ってきた。

いよいよか――

「はい☆準備できたみたいだね〜☆」
「それでは9月2日午前0時05分BR開始〜☆」

「それでは出発番号1番高杉 未来君!」
「はい…」
賀子が心配そうに見つめている。
そんな未来は皆に一礼すると走って出て行った――

殺し合いは今始まった――

【残り33人】

41レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/24(土) 17:14 ID:cbTvtxcM
007 そして僕の番が来て・・・〜And my watch comes...〜

 「次は〜出発番号4番石田 琢磨君☆」
だが琢磨は動かなかった。
「何をしている!早くしろ!」
兵士の一人が叫んだ。
それでも琢磨は動かなかった。
「俺はこんなクソゲームになんか乗らない!」
「あらら〜☆早速出ましたか〜☆」
秋小路が困ったようにこめかみに指を当てていた。
「しかたないですね〜☆」
秋小路が静かに右手を上げた。
同時に部屋に居た全ての兵士が琢磨に銃を向けた。
「いまなら☆まだ間に合うよ〜☆」
「琢磨!」
達樹が心配そうに見ている。
室内に緊張が走る。
「どうしますか?あと5数えるまでに答えをお願いしますね☆」

「5」
「琢磨!いいから行け!」
「嫌だ!俺は…俺は…」

「4」
「頼む行ってくれ…」
「みんなは理不尽だと思わないのかよ!」

「3」
その時意外な人物が語りだした。
「行け・・・今お前が死んでも何もならん…理不尽なのは分かっている…。だけど死ぬな!生きろ!」
翔吾だった。

翔吾が語る間にもカウントは進んだ。
「2」
「生きてこいつらに仕返しをすれば良い…だから今は、生きろ!」
「・・・・・・」

「1」
「分った…行きゃいいんだろ」
兵士達が静かに銃を下ろした。
「はぁ〜い☆ヒヤヒヤしたけど理解してくれて、おねーさんうれしいです☆」
「けっ…」
そう言い残しデイバックを受け取った琢磨は出て行った。

42レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/24(土) 17:24 ID:cbTvtxcM
「え〜と☆無駄な時間を過ごしてしまいましたが・・・次は、出発番号5番谷 朝香さん☆」
「はい」
いつもの、授業で当てられた時のように朝香は静かに立ち上がった。
そして…
「私は殺しなんてしないから」
そう言い残し駆け足で出て行った。

「はい無駄な努力がんばってね〜☆」
この女は…
「え〜と次は出発番号6番前田 優君☆」
「はい」

何故だろう――
秋小路までの距離が長く感じられた――
「はいデイバックね〜☆」
「・・・・・・」
「あ〜ら怖い怖い☆」
俺は一回秋小路を睨み。
「俺は皆を信じてるからな」
静かに俺は出て行った――

嘲笑う匠を背にして――

絶対にみんなでこの島を脱出してやる――


【残り33人】

43kurosuke:2004/01/24(土) 21:08 ID:S4m7G/ZI
こうして、レベッカさんの小説を連続して読めると嬉しいですね。
いろいろと大変な事はあると思いますが頑張って下さい。
一番最初の成績表を載せるところとか、面白いアイデアだと思います

44レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 01:56 ID:sTyt9QSA
>korosukeさんへ
うれしいです。これからもよろしくお願いします。

45レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 12:40 ID:fdVy.dow
007 姉の憂鬱〜An elder sister is melancholy〜

 優は、校門の前に居た。
とにかく誰かと協力して脱出を謀りたい。
俺の前に出て行ったのは
未来、浩二、上鶴さん、それから琢磨に、谷さんの5人だ。
できれば上鶴さんに会いたい。
彼女はクラスでもかなりの人気者だ…
彼女が協力してくれれば、自然と人も集まる。
だが…彼女は今何処に…
次に出てくるのは誰だ?
もうそろそろのはず――
人影が見えた。
誰だ?
「あれ?前田君」
「賀子か…」
うん、賀子なら大当たりだ――
「賀子。一緒にこのゲームを止めないか?」
「うん…いいけど…未来を知らない?」
「ごめん…分らない」
「ううん…いいよ前田君が悪いわけじゃないからね」
その時だった。
「死ねぇ前田、高杉ぃ!!」
驚いて振り返るとそこに居たのは架原 恭司(男子3番)だった。
恭司の右手には月光で鈍く光るナイフ。
「お…い恭司…嘘だろ…」
「ちょっと架原君…」
とっさに賀子を俺の後ろへと庇う
「何が信じてるだ…誰も助けてくれるわけないだろ戯言もいい加減にしろ!」
かすかに恭司は震えている。
怖いのだ、こいつも――
この状況が――
ちらりと花原が見えた。
俺は逃げろと目配せをした。
状況が読めたのか花原も静かに頷いた。

46レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 12:54 ID:fdVy.dow
よし――
なんとか他の奴を巻き込まずに済んだ。
恭司も花原には気づいていない。
「さぁ…死んでくれよ前田…高杉」
ごくりと一度唾を飲む
やけに時間が長く感じる――

「前田君!!高杉さん避けて!!」
えっ!?成瀬?…と花原――
「うぎゃゃっアチィ」
「これは硫酸よ…さぁ架原ぁ!前田君と高杉さんから離れなさい!!」
「ちっ…」
背中をさすりながら架原は闇へと消えた。
「大丈夫?」
心配そうに成瀬 あすみ(女子12番)が駆け寄る。
「ああ…大丈夫だ」
「うん平気だよ…でもどうして?」
「花原さんが必死で私に助けを呼んだのよ…」
京香も静かに頷いた。
「とにかく此処をいったん離れよう」
「そうね…」

このゲームに乗ってしまった奴がいた――

もしまた架原に遭遇した時、俺は彼女達を守れるだろうか――

恭司…なんでだよ…

俺、分らねぇよ…

【残り33人】

47もやし </b><font color=#FF0000>(VhibhzPQ)</font><b>:2004/01/25(日) 19:23 ID:shj2zV8M
やっぱレベッカさんも文章、上手いですね〜。
それで、結局この小説はリレーではなくレベッカさん所有の長編、ということになるのでしょうか。

48レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/25(日) 19:31 ID:b1mIVVLo
>もやしさん
すいません、そうなっちゃいますね。本当にすいません

49レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/26(月) 20:05 ID:L.tj0ICw
008 ききの場合〜In case of KIKI〜

 優達が校門前から去ってからもうすでに数分が経とうとしていた。
その間もいろいろな生徒がこの門を駆けて行った。
そして次で19人目、すなわち出発番号19七海 きき。
「はう…姫の後だったら待っててもらえばよかったよ〜」
出発の順番はくじなのでそれもまた運である。
「そういえば〜。私のアイテムって探知機だったような」
そう言いデイバックを漁り始める。
中には食料、懐中電灯、コンパス、文房具、地図が入っていた。
そして奥のほうに液晶の付いた機械を見つけた。
「ああっ〜。これかぁ〜」
ボタンをぽちっとな――
するとこの島の地図と青のシンボルの近くに数字。そして赤のシンボルの近くに数字と2種類のマークとその他のこの島の施設の記号が現れた。
「青は男子…だよねぇ」
まわりには自分しかいないが呟く。
すると島の中央部に進む大量のシンボルが目に付いた。
「青の12、赤の8、赤の12、赤の13か…まぁいいや…今は姫を探さないと」
「え〜と赤の1は…何処だろ?」
「あっあった、って姫…もしかして走ってる…?」
ものすごい勢いで移動する赤の1。
特に誰かに追いかけられているというわけでもなさそうだが…
そんなことは過保護のききには関係なかった。
姫が危ない――

滅多に走らない姫が走ってるなんて――

誤解とは恐ろしいものである――

単に地図を最大まで拡大しているから速く移動しているように見えるだけなのだが、機械オンチの彼女にそれが分かるわけなく――

姫――

今助けるからね――

決意――

理由はともかく彼女は決意した――

【残り33人】

50レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/27(火) 18:10 ID:EQ8SOoMk
009 狂った獣がそこに1〜Deviates the animal which thereⅠ〜

 恭司はとにかく走っていた。
行き先も分からなければ、何処を走っているかも分からないが
とにかく背中を一度水で冷やしたい――
それだけが彼を動かしていた。

くそ…硫酸なんて…予想外だった

背中がまだいてぇ…

成瀬…次見つけたときは容赦しねぇ…

その時彼が耳にしたのは水の音。

ちょうどいい小川か…湖か…
視界が開けたところにあったのは湖だった。
とても水が綺麗で、こんな夜中でもかなり深いところまで透けて見えている。
それに今宵は満月。
湖に浮かび揺れる満月。
一度人を殺しかけた恭司もこの幽玄かつ荘厳な風景に
ただゴクリとつばを飲み見惚れていた。
しかし見惚れているわけにもいかない、恭司は再び現実世界に戻った。
背中を一度冷やそう――

湖の水をすくい背中にかける

気持ちよかった。

ただ彼の背後に分厚い本を持った――

偽典を持った山田 浩二(男子16番)がいる事を気づくのは――

まだ…無理なようだ――

【残り33人】

51レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/28(水) 19:01 ID:QYmOEEh2
010 狂った獣がそこに2〜Deviates the animal which thereⅡ〜

「うらぁぁぁぁっっ」
浩二は覚悟を決め恭司に飛び掛かった。
ガスッ―――
後頭部に渾身の一撃の偽典。
不意打ちは見事に成功だった。
「あ・・・く・・・っ」
恭司は気を失った。

「はぁはぁ…死んだか?」
浩二は手首を探った。

いや――

生きてる――

やはりこんな分厚いだけの本じゃ人は殺せないか――

しかたない――

浩二は恭司の頭を掴み、そのまま湖に沈めた。

ブクブクとあわがたっている。

恭司は目を覚ましたのかもがいている――

だが――

浩二は離さない――

運悪く恭司はナイフをデイバックにしまっていた。
くそ…俺の負けか――
恭司の意識はそこで途絶えた。

「ふう…ようやくくたばったか…俺を馬鹿にしてきた奴はこうなる運命なんだよ…クククッ」

湖に浮かぶ満月。
そこに浮かぶひとつの死体――
ゲームは始まったばかり――


【残り32人 男子3番架原 恭司 死亡】

52レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/30(金) 18:20 ID:SocouCr.
011 弟の悲劇〜Tragedy of younger brother〜

 未来は、灯台にいた。せいかくに言えば灯台の休憩室のベットの上。
やっぱ姉さんを待ってたほうが良かったかな――
でも…いつ出てくるか分からない――
やっぱり危険だよな――
そんな事を考えながらデイバックをちらりと見る。
俺の当たったアイテム――
人を殺すことも、傷つけることも無い。
ある意味平和な物――
ただひとつだけ許せない――

何故『もずく』!?

俺『もずく』だけは食えないのによ――

かったるい――

まったく…『もずく』なんて…ただ酸っぱくて、なんかヌメヌメ(※めかぶと混ざってます)してるし…ていうか『もずく』って海草のどの位置だよ!!

はぁ――

俺って可愛そう――

姉さん…俺…やっぱりこれだけは食えません。

もうくじで『もずく』の文字を見た瞬間――

姉さん。事件です!!――

って思ったよ…マジで…

はぁとため息を一つ――

寝よう――

そしてこれが夢であると願おうか――

なんて…詩的(?)にしめてみたり――

灯台に近づく一つの影を彼は知らずに眠りに就く
来るのは天使か悪魔か――

それは神のみぞ知る

【残り32人】

53流し読み </b><font color=#FF0000>(PZlFKFj6)</font><b>:2004/01/31(土) 15:33 ID:ScnSRuEo
書かせてくださいw

54レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/01/31(土) 18:07 ID:SocouCr.
>流し読みさん
お気持ちはありがたいのですが、
一応普通の長編としてやることに決めましたので…。
ご了承ください

55レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/01(日) 00:19 ID:SocouCr.
012 賢明に、そしてゆっくりと。早く走るやつは転ぶ〜Wisely, and slow; they stumble that run fast〜

 生きるとは何のことか――生きるとは、死にかけているようなものを
     絶えず自分から突き放していくことである。
                       【ニーチェ『華やかな知識』】


「それじゃ最後になっちゃったけど出発番号33番月草 弘法クン☆」
「・・・」
弘法は無言で立ち上がった――
「はい、これデイバックね、いってらっしゃい☆」

そんなやり取りから約5分が経っていた。
今まで全ての奴の出発時の表情を見てきた――

多分――匠と浩二…それから夜野会長…

この3人は、あの時の表情からして…確実にこのゲームに乗ってしまっただろう
俺は――
優を信じたい、助けてやりたい――
多分…匠はいち早く奈壱斗を探しそして優をいち早く殺すだろう――

いや――

一人で行ったかもしれない――

匠もなんだかんだ言って友人の事を考えている――

そんな奴が友の手を汚す選択をするだろうか?

するはずがない――

俺は――

絶対に優を殺させない――

絶対に――

「俺たちは脱出す・・・」

シュッッ――

何かが頬を擦った――

血?

今の音からして――

銃ではない――

ソレハマンゲツニハンシャシタ――

ピ、ピアノ線――

木と木の間に綺麗に張ってあるピアノ線――

さすがに某奪還屋の仲間の糸使いように綺麗には張ってないが…

「よぉ…」
その声は何処からともなく聞こえた
「その声は匠!?」
「ご名答」
何処だ?何処にいる?木の上か?草むらか?
ガサッッ――
草むらが動いた――
パァァァン――
俺は容赦なく撃った
幸いにも俺のアイテムは銃――
ピアノ線になんか負けるわけがない――

トサッ――
後ろから物音がした。
「残念、正解は木の上でした」

なに!?

振り返ろうとしたときには――

自分の首にピアノ線が巻きついていた――

「いいもん持ってんじゃん…それ…俺にくれよ…」
「だめだ…お前なんかにやったら…」
「そうか…じゃさよなら」
キュッ…ブシャャャャァッッ――

沢山の返り血を浴びながら…匠は狂ったように笑った――
静かに…
静かに…

【残り31人 男子10番月草 弘法 死亡】

56レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/01(日) 22:09 ID:SocouCr.
013 そして僕らは…〜And as for us...〜

 恭司に襲われてから僕らはただ闇雲に歩いていた。
皆無口に…淡々と歩いていた。

もうこのゲームに乗ってしまっている奴が居た――

それだけで皆を黙らせるに十分すぎる事だった。
「これから…どうしよっか?」
おもむろに話し始めたのは賀子だった。
「俺は…今は何処か…拠点にする場所を見つけたい」
俺は静かに言った
「まだゲームに乗ってない奴だって居る!恭司だってもしかしたら説得できるかもしれない」
その恭司はすでに亡き者なのだが、それを知る術は無く。
「浩二や琢磨がその例だ!!」
「そうだよね…私も前田君を信じるよ」
賀子は笑顔でそう言ってくれた
嬉しかった――
「そうね…私達が中心になればきっとみんなも」
成瀬さんもつづく
そして花原さんも静かに頷いてくれた

俺は本当に良い友達を持ったと思う――

「みんな…ありがとう」
俺は素直に感謝の言葉を漏らした。
「なに言ってんの…感謝したいのは私達のほうよ」
「へ?」
「あの時…前田君が『俺は皆を信じてるからな』なんて…言ってくれなかったら私達は…もっと大変な事になってたかもしれないし…」
ご丁寧に成瀬は俺の真似(全然似てないけど)もしてくれた。
というか他人に自分の真似をされると結構恥ずかしい――
くすくすと花原も笑っている

そうだよな・・・皆、殺し合いなんてしたくないはずだ――

俺はやっぱり信じてる、皆…生きて帰ろうぜ!!

そう決意したのと同時に…遠くに民家が見えた。
よかった…あそこで一度休もう――
俺の足取りは軽かった―――

【残り31人】

57レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 01:31 ID:SocouCr.
あ…途中から「さん」づけじゃなくなってる…(遅

58そわーん:2004/02/02(月) 20:10 ID:STusIzus
楽しいぞ!!

59レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 20:30 ID:HfcA16Lg
>そわーんさん
マジで嬉しいです。これからもよろしくです。

60レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 21:21 ID:HfcA16Lg
014 本の世界だと信じていたから〜It believed that it is the world of the book〜
 
 上鶴 稚奈(女子4番)は灯台を見つけそれを目指して歩いていた。

それは放課後、伏吹さんが紹介してくれた本だった
「ねぇねぇ稚奈ちゃん☆この本面白いから読んでみなよ〜♪」
そう言って手渡された一冊の厚い本。
タイトルは
『BATTLE ROYALE』
「いいけど…私…読むの遅いから…返すの遅くなっちゃうよ?」
「いーよいーよ、そんなの気にしないから。まーまー読んでみなって」
「うん、分かったよありがとうね」
本を読む事は嫌いじゃなかった、しかもちょうど新しいのを買おうかとしていたところだったから助かったと思った。
その時はただカバンに入れそのまま生徒会の集まりに出た。
私はすっかり忘れていた――
家に帰って、次の日の準備をしている時に見つけた

そうだった借りてたんだったっけ――

多分明日、感想を聞いてくるだろう――

少し呼んでおかないと――

そして彼女はその本を開いた。
まず表紙を捲ると地図が書いてあった。
物語の舞台だろうか?
でも…禁止エリアの進行ってなんだろう?まぁいいや…呼んでくうちにわかるよね

『生徒はミカンじゃないんです』
あ…金八先生だ…第何期だったっけ…まぁいいや

え…バトルロイヤルって…プロレス?・・・ああなんだ、試合形式の一つか…でも…何で?
そして…ページを捲る。
本編は始まった――
そこからは彼女の想像を超えた世界だった。
表現のリアルさに彼女は吐き気もした…
でも確実にその世界にのめり込んでいった―――
そして…気づいた時には朝だった。
そして今読んでいるのは…旗上が滝口に「スカートの下も調べろ」と言っているシーンだった(ちなみに本小説P457上6行目)
ちなみに…そのシーンで彼女は、
(光子怖いけど…スカートはね…)
と思ったのは…別の話で――

その日の授業は辛かった…のも言わなくても分かるわけで…
それでも伏吹さんに感想を言ったら…喜んでくれた。

それは本だから…客観的に見れるわけで…
そんな金持ちの道楽の為に…私たちは殺し合いをさせられている…
「考えなくちゃ…脱出する方法…考えなくちゃ」
そして…彼女は灯台の目の前に居た――

内海さん見たいにはならないよね…――
そう考えてる自分に苦笑した


【残り31人】

61さいたま </b><font color=#FF0000>(zqJxReHw)</font><b>:2004/02/02(月) 21:28 ID:OAsEqacg
初めて読ませていただきました。(と言ってもまだ最初の部分だけですが・・・これからどんどん読ませていただきますね。)面白いですね。特に最初の成績表なんかも
アイディアが良く出ていますね。本文もとても良いので、頑張って下さい。

62レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/02(月) 21:37 ID:HfcA16Lg
>さいたまさん
ありがとうございます!!
私もさいたまさんの文章を読ませてもらってます☆

63レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/03(火) 21:43 ID:NIwIxlw.
015 灯台にて〜At lighthouse〜

 未来は、夢の中に居た。
灯台の休憩所にしては珍しくフカフカのベットだ。
そんなベットがあって…
少々睡魔が来ていて…
疲れていたら…

そりゃもう眠るしかねぇよ!!

そんな考えに到った未来の思考。

ガタッ…キィィィッ
「あの〜誰か居ますかぁ?」
入ってきたのはもちろん稚奈。
「くぅ〜くぅ〜」
「・・・高杉君?」
「くぅ〜」
体を揺さぶるがまったく起きる気配がない
「お〜い」
「くぅ〜」
「ねぇねぇ…」
「くぅ〜」
「…ま!いっか寝かせてあげよう」
もちろん稚奈には人を殺すなんて考えは微塵もない。
それに高杉くんならきっと信頼してもいい――
そんな風に思っていた。
「…姉さん…だから…もずくは…」
「えっ!?」
なぜか分からないが…凄く夢の中でピンチらしい…。寝顔がそれを物語っている。
「ほら…布団しっかり被らないと…」
布団をしっかりとかけてあげる
「なかなか…可愛い寝顔なんだ…高杉くん…」
我ながら随分と恥ずかしい事してるな〜と思う。
私の本命は…違う人だけど…
まぁ…起きるまで…ちょっと私も寝ちゃお―――

なんで…上鶴さんが来てるんだよ!!――
起きるに起きれねぇ――
ちなみに稚奈に布団をかぶせられたあたりから起きていた。
うわっ…ていうか…やっぱ上鶴さん美人だ――
って!!そうじゃなくて!!!!
え〜と…どう起きれば…自然だろうか…
って!!
上鶴さん…
ベットに腰掛けて眠るつもりですかっ!!

ちなみに未来の足の辺りに座り、横の壁に頭を押さえて寝ている。

うわっ!!しかもこっちに倒れてきたし――
トスッ――
ちょうど…彼の太ももの辺りに彼女の頭がある状態になった。

というか…上鶴さん可愛いです…
そして…もうちょっと自分を大切にしてください…

姉さん。事件です!!
僕の理性が保ちません!!マジで…


【残り31人】

64:2004/02/03(火) 23:24 ID:STusIzus
楽しいです!! 毎日書いてくれてるし、最高です♪

そして・・・未来君ある意味ピンチだー!!

がんばって!!

65レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 00:50 ID:/mMdrp5g
>本さん
どうもです!
これからもよろしくです!!
はたして稚奈ちゃんは貞操(失礼)を守れるのかっ!!
どうぞお楽しみに〜♪

66レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 20:46 ID:R1ACi/Kw
016 彼方と夜の虹に〜You and in rainbow of night〜

 谷 朝香(女子9番)は、森の中を彷徨っていた。
まだ外は暗い。そして懐中電灯も無しに光のあまり差し込まない森を歩いたいた。
満月の光は深いところではまったく入ってきてなかった。
危険な行為だが安全な行為でもある。
まず周りが見えないという事は、相手からも私が見えないという事――
それ故に安全な面もある――
森といってもたかだか島の中にある森なのだ――
だが、
無駄な体力を消費し、自分が地図上の何処に居るのか分からなくなる。
それは危険な行為でもある――
BestではないがBetterである。かつWorstではないがWorseでもある。
そんな選択を彼女はした。
無論、この選択をする前にいろいろな行動を思考した。
それでも…彼女は自分の命を取った。
下手に見つかりやすいところを歩いて襲われたら元も子もないと―――
私は確かに見た――
私が部屋を出るとき―――
匠のあの目を――
私は見た――
殺意に満ちたあの目を――
匠は…必ず殺る――
私の武器は手裏剣。
こんなのを上手く扱えるわけが無い。
つまり、今の私は丸腰同然。
相手がハズレのアイテムだとしても…返り討ちに遭うことも想定される。
そんな危険な真似は出来ない…
出来るわけがない…
それにしても…眠くなってきちゃった…
マズい…この状況は…
駄目・・・こんな状況下で…眠ったら…
ドサッッ――

終わったわね…私――



そこで彼女の意識は途絶えた―――


【残り31人】

67インビシブル:2004/02/04(水) 21:14 ID:wniIGyRo
結構面白いです!
しばらくきてなかったので初めから一気に読みました

68レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/04(水) 21:16 ID:R1ACi/Kw
>インビシブルさん
嬉しいです!今後ともよろしくお願いします☆

69レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 20:34 ID:GiM.n0QA
017 理性〜Reason〜

 あれから何分たったでしょうか…
未だに…彼女は僕の太ももを枕にしております…
そして…
僕の理性は崩壊寸前でございます。
俺も15歳の男…アレには興味があるわけで…
そして…目の前には極上の美少女が無防備に僕の太ももを枕に…寝ているわけで…
姉さん…刑務所まで…迎えに来てください。
そして…
いただきます!










って!!駄目じゃん!!それ…
危うく、本当に文字通りやってしまう所でした…。
起きてくれっ!!
今度は念じてみましょうか…
「う〜ん」
おっ!起きたか!?
「これ…食べてもいい?」
して欲しいけど…駄目です!!
ていうか…そんなお約束な寝言ってありですか!!

まだまだ彼女は起きそうに無く―――

そして…理性は…


【残り31人】

70レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 20:35 ID:GiM.n0QA
下品ネタになってしまった

71レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 21:02 ID:GiM.n0QA
018 紅の満月〜Full moon of crimson〜

 夜野 紫苑(女子16番)は、堂々と道を歩いていた。
彼女のアイテムは札束。
はっきり言って何に使えばいいのか分からないアイテム。
だが…
彼女の考えはこうだ。
相手が何を持っているのか分からないのに襲ってくる馬鹿はいない、それに私のアイテムは札束。優や一真、賀子みたいな、いわゆる真面目な人たちは引っかからないだろうが、瑞樹みたいな…奴は必ず買収できる
それは、冷静にクラスの面子の性格を考えた結果である。
そんな時、声をかけられた。
「よっ!夜野さん」
「その声は…川上君ね」
相手の顔は見ていないが声を聞けば一通りだれだか分かる。
「相変わらず…だな」
紫苑の答えに声の主も冷静な…そして低い声になる。
「それで…なんの用かしら?」
「一緒に行動しないか?」
「その行為に私に何のメリットがあるのかしら?」
「俺のアイテムは銃だ」
「ふふっ…」
その答えに紫苑は微笑する
「ええ…いいわよ」
「ありがとな…」
そして紫苑は声の主、川上 健斗(男子4番)の方を向いた。
「で…夜野さん…アンタのアイテムは?」
「期待しないほうがいいわ」
「なんだよ…」
「コレよコレ」
そう言って札束を見せる
「・・・大変だな」
「ありがと」
「でもよ…うまく使えばって事も…」
「ええ…そうゆうこと」
「んで…まずどうする?」
「そうね…洞窟かなんかを見つけたいわ」
「なんで…わざわざ?」
「はぁ…いい?民家や診療所なんかにいたら誰がくるかわからないじゃない」
「・・・さいですか」
「じゃ…やっぱ海岸線を…」
「そうね…」
「じゃ…善は急げというし…行くか?」
「そうね…行きましょうか」

こうして…一人の頭脳派と体育会系の――
夜野 紫苑と川上 健斗というコンビが生まれた。
彼らのアイテム…
札束とベレッタ。
紫苑にしてみれば良い護衛ができた。
川上にしてみればクラス屈指の頭脳で脱出できるかも…と希望ができた。
この二人に死角はあるのか?

それは神のみぞ知る―――

【残り31人】

72キング:2004/02/05(木) 22:00 ID:STusIzus
いいね〜!!楽しいよ♪

未来君が特にいい!!

73秋菜:2004/02/05(木) 22:41 ID:1DK6V2iI
面白いです!!何か中学生の雰囲気がよく伝わってきますね☆
続きも楽しみにしています!頑張って下さい♪

74レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/05(木) 23:20 ID:GiM.n0QA
>キングさん
どうもです!
未来君…どうなるんでしょうかねぇ。
お楽しみに☆


>秋菜さん

嬉しいです☆雰囲気は多分私が学生だから…ではないでしょうか☆

75インビシブル:2004/02/06(金) 04:00 ID:wniIGyRo
頭脳と体育系のペア・・・.
かなり衝突しそうですが面白いですねー

76レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/06(金) 21:05 ID:GiM.n0QA
019 姫の愚痴〜Grumble of HIME〜

 愛 姫―――
それが彼女の名前。両親は『お姫様のように美しくあれ』ということでつけた名だが…
どこぞやのフランス王妃の如くわがままに育ちました。
もうBefore After付きそうなくらいの激しい変化ですよ・・・・・・。
幼稚園まで激しく素直だったのに…
まぁ…それは置いといて―――

さて…そんな激しく無意味な前置きはいいとして…
今彼女は、ある意味危機に陥っている。
目の前には桐生 雅貴(男子7番)、いわゆるいじめっ子という奴だ。
「お前の武器…よこせ」
「いやよ!なんであんたなんかに…」
もしや…『俺のものは俺のもの…お前のものは俺のもの』で有名なジャイアニズムの支持者?
さり気なく失礼な姫…それは皆が理解しているが…
「まぁいい…くそチビ」
「なんですって!!」
「まな板」
「きっーーー!!」
「おお〜誰とも言ってないのに怒ったってことは、認めてるってことだな。関心関心」
「う゛う゛」
「というか…くそチビ…お前のアイテムは何だよ」
「びーーーっだ。誰がアンタなんかに教えるもんですかっ!」
ちなみに…お前らはガキかっ!!というツッコミが激しくしたくなる口喧嘩が始まってからすでに早10分。いまだに解決の糸口すら見えておりません
「言っとくが…答えによっちゃ…」
ちらりとパイナップル…否。手榴弾を見せる、そしてさり気なく…殺意のこもった声で…
効果はてきめんだった――――
「え〜と…私は銃かな」
「ふ〜ん…よこせ」
「嫌」
「よこせって」
「嫌!」
「よこせ!!」
「嫌!!!」
あの…本当に君たち…中学3年?
ちなみに…その時すでに七海 きき(女子11番)が姫の所まで到着していたが…
木の陰から見たのは――
二人仲良く戯れる兄と妹…だったらしい―――

そして…木の陰からやさしく見守る母…

それは余談なのだが―――

こちらも一波乱ありそうであった―――


【残り31人】

77レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/06(金) 21:09 ID:GiM.n0QA
>インビシブルさん
どうもです!!二人にはいろいろともめていただく所存でございまする(笑)

78レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 17:12 ID:GiM.n0QA
020 美しき破壊神〜It is beautiful, it comes, destructive God〜

 伏吹 光(女子14番)、澤野 花実(女子6番)、眞鍋 柳子(女子15番)、青原 ナミ(女子2番)の四名は共に行動していた。
皆女子の中心的グループに所属し、それなりに仲も良い。
彼女らのアイテム。刀に銃、釘バットに槍。
そこそこの戦力である。
「それでさ…まずどーしよっか?」
問いかけたのは柳子。
「私は、かりんを探したいかな…」
「私もそれでいいや、かりん可愛いし」
仲間を増やす派はナミと光。そして今は高木 かりん(女子7番)を探したいと――
だが、花実だけは
「ええっ…かりん…私はちょっとな…」
かりんとそんなに仲の良くない花実にとっては、かなり切実な問題である。
「で…柳子は…どうしたいの?」
「私?私は…そうだねぇ…なんか家とかを見つけたいけど…それは後でいいよ」
「そう?じゃかりん…を…あっ!!小平さんじゃん!!」
見つけたのはナミ
前方には人形のようにほっそりとした。少女―――
小平 月子(女子5番)がいた。
「なにしてんの〜」
手を振る光。
ちなみにここに居る全員占いが好きなため…彼女を呼び止めるのに特に異論は無かった。
「みなさん…どちらへ?」
「きゃ〜☆月子ちゃん今日も可愛い☆」
抱きつく光を無視し、表情一つ変えずに質問する、月子に花実は違和感を覚えた。
「そうねぇ…私は反対なんだけど…かりんを探し…」
グシュッ―――
何かが腹に刺さった。
そして月子は花実の耳元で囁いた。
「あなたの運勢…今日は正位置の死神…でしたよ」
「え…」
「ちょっと…月子ちゃん…なにやってんの…」
ザシュッ――
「あっくぅ…」
柳子から声が漏れる。
次に刺されたのは柳子。
パンッ――
月子の足元の土が跳ねた。
「月子…乗っちゃったんだ…」
ナミの質問に月子は一度微笑んだ。
多分――
肯定の意味だろう。
「ごめんね…月子」
パンッ――
だが…弾は当たらない。
その小さな銃には…もう弾は…
カチッカチッ―――
そんな…なんなのよこの不良品はっ!!――
ナミは自分の不運を恨んだ。
早く…花実と柳子を治療しないと…
だが…
月子は攻撃してこなかった。
それよりも少しずつ間合いをとっている…
「まだ…貴女たちは殺しません…それでは」
追いかけようと光はしたがナミがそれを止めた。
「痛い…痛いよ……」
柳子は生きているみたいだが…花実の息は…すでに無かった。
突然の月子の襲撃――

それが残していったもの――


それは大きな…とても大きな…


虚空感だった――

だが…それよりも…柳子を治療しなければ…
と彼女らは立ち上がった。

【残り30人 女子6番澤野 花実 死亡】

79レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 17:35 ID:GiM.n0QA
021 主の居ない神社にて〜At the shrine where the main thing does not stay〜

 天美 奈津子(女子3番)と如月 奈壱斗(男子14番)は神社に居た。
正確に言えば…一緒に来たわけではない。
奈津子が神社に来たときにはすでに奈壱斗が居た。
別に仲が悪いわけでもなく特に仲が良いわけでもない…
だが…匠を通して話すようにはなった。
奈壱斗から見たら、匠から話しかける事は無かった。常に奈津子が話しかけていた。しかも匠はかったるそうに返事をするだけだった。
しかも中二の時に、付き合ってるんじゃないかあの二人―――と噂になったときも特に匠は否定するわけでも無く…いつも通りに過ごしていた。
「ねぇ…あのさ」
思考を破る一つの声。もちろん奈津子だ。
「なんだ?」
「匠…何処にいるんだろうね…」
「さあな…」
奈津子は、他の男子は君をつけているが、匠だけは呼び捨てで呼んでいた。
「ねぇ…」
「なんだ?」
「私…匠探してくる…」
「いちいち俺に言うな…」
そう奈壱斗が言ったときには走り出していた。
その声が聞こえたか微妙だが――
「まったく…世話の焼ける奴らだ…」
壱奈斗は苦笑すると、そのまま眠りについた。


【残り30人】

80ばんば:2004/02/07(土) 19:24 ID:STusIzus
すごい楽しいです!!
次の展開が楽しみです。

いっぱい書いてねーー!!

81秋菜:2004/02/07(土) 22:58 ID:xICIFFcY
すごい面白いですねー!!
一人一人の個性がすっごく出てます☆
これからどんな展開になってくんでしょう!?
次回を楽しみにしています♪

82レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/07(土) 23:11 ID:/J.TwPy6
>ばんばさん
どうもです!!一応例外を除き一日一話のペースでやっていきたいのでよろしくです。

>秋菜さん
今後の展開をお楽しみに!!

83レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/08(日) 15:39 ID:bXgqV4Bs
022 ツキニネガイヲ〜It requires to the moon〜

 廿楽 澪(女子10番)――――
管理者たちは、彼女の事を監視していた。
島の最南端にある診療所に入ってから30分…
一度も言葉を発していない。
今彼女は一人で行動している。
だか、いくら一人といえど30分以上言葉を発しないのはおかしいのである。
しかも…生命反応はしっかりとある――――
「秋小路様…もう35分になります」
「そう☆ありがとね〜☆…さぁ〜て何を企んでるのかな☆まさか…あなたが注目されるとは思わなかったよ☆廿楽さん☆」
いまだにモニターには変動は無かった。



その本人、体内にある爆弾…について調べていた。
彼女の考えとしてはBRを見る限り、自分の位置、や生命活動、それから自分の声などは管理者側に筒抜けだろう。
なら…ずっと…会話をしなければ、相手…管理者側は故障だと思い、何らかのアクションをするはず…
そこに脱出の糸口があるかもしれない。
引っ込み思案で…皆に迷惑かけてきた私だけど…今は違う…私は皆のためにやるべき事がある…。
それにさっき診療所の倉庫から拡声器を手に入れた。
これで一方的ではあるけれども…皆ともコンタクトがとれる。

絶対に…殺し合いなんてさせない…あの本のような悪夢は絶対に避けなければいけない…

私は…生まれ変わるんだ…
今日から…生まれ変わるんだ…

少女の願いを胸に…
今…運命が動き出す。
2人と怪我人が1人…こちらへと向かって歩いてくる――――


【残り30人】

84レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/08(日) 23:16 ID:bXgqV4Bs
023 伝えたい思いがあるから…俺は逃げない〜Because there is the thinking which we would like to convey... we does not escape〜

 水島 翔吾(男子13番)には好きな人が居る――――
その名は上鶴 稚奈(女子4番)。
それは…2年の時だった。バスケの試合に応援に来ていた彼女を見て――――
それは一目惚れ―――
その時は一瞬…俺もしかして幼女好き…いわゆるロリコ○―――
と嘆いたが…。それでも思いは止まらなかった、止められなかった―――

そう…上鶴が…優の事を好きだとしても…

俺は――――


伝えたい――――






この思いを――――



もう何分経っただろうか…

ちらりと腕時計を見る

AM4:30

まだまだ日の出一時間くらいかかるか――

その時…目の前に誰かの気配がした―――
しかも二人―――

「琢磨!!達樹!!」
その声に影――石田 琢磨(男子1番)と山師 達樹(男子16番)もこちらの存在に気づいたようだった。
駆け寄る3人。
「大丈夫だったか?琢磨、達樹」
「ああ…」
「俺も平気だ」
ほんの数時間しか会っていなかったが――
数年間会えなかった友との再会のように喜べた。
「なぁ…一緒に行動しようぜ」
それは琢磨からの誘い。


だけど―――





俺には―――










やるべき事がある――――




「いや…ごめん…俺、探してる人がいるから」
「そうか?じゃあな…」
俺は足早に立ち去った―――


「なんか…杉村みたいだな…翔吾の奴」
「本当に…そうなったら…あまりにも報われねえよ」
その二人の会話は…俺には聞こえなかった―――



【残り30人】

85レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 16:08 ID:bXgqV4Bs
024 目覚めるとそこには…〜When it awakes, there...〜

 稚奈は、目を覚ました―――
そして目の前には―――





「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!」




バチーンッッッッ!!!








「あはは…ごめんね未来君…」
「いや…気にしてないからイイっす…」
右の頬に赤い手の跡をつけた未来が答えた――
「あ…え〜と…今何時かな?」
ちらりと時計を見る未来―――

AM4:45

「う〜ん…まだご飯には早いけど…お腹空いちゃったし…何か作るね」
「え…あ…でも悪いし…」
「…償わせて…ネ」
「・・・・・・」
だまって頷く未来…
かなりのクリティカルヒットだった―――
とは本人に言えるわけなく…
そして稚奈がベットから降りようとした時―――


バターンッ!


勢いよく開くトビラ


「なになに!!今の悲鳴!!」
高木 かりん(女子7番)が見たのは―――
ベットの上で…話す男女―――


沈黙―――


沈黙―――


沈黙―――


「失礼しました〜」

キィィィィッバタン

職員室から出る要領で出る、かりん

沈黙―――


沈黙―――


沈黙―――

「って待て!!高木っ!!何か誤解して!!」
時すでに遅し―――


未来君の苦労はまだまだ続く―――


【残り30人】

86レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 16:08 ID:bXgqV4Bs
ちなみに夜にもう一話書きます〜

87レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:34 ID:bXgqV4Bs
『それは散り逝く者への子守唄』イメージ曲
http://210.239.46.181/download/67255/songs151/hakarowap2.mp3
八乙女葦菜 『どうかこの手を離さないで』

88レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:34 ID:bXgqV4Bs
あ…しくじった。

89レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 19:52 ID:bXgqV4Bs
↑の二つは気にしないでください…

90ばんば:2004/02/09(月) 20:16 ID:STusIzus
夜の方も楽しみにしてます!!

91キング:2004/02/09(月) 20:16 ID:STusIzus
楽しいよ〜!!

がんばってね〜

92レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 20:38 ID:bXgqV4Bs
025 遭遇〜Encount〜
 
 月子は、途方もなく歩いていた。
柳子達を襲撃してから早10分―――
彼女はひたすらに…ただひたすらに歩いていた。
その姿は…マリオネット―――
一切の人間味が感じられない―――
月子がいる場所だけ18世紀のフランスのような感じだった――
そんな中――
「うりゃゃゃあっ!!」
木の上から人が降ってきた―――
否。
バチバチと音を出すスタンガンを右手に―――
西島 雅樹(男子11番)が降ってきた――
はっきり言って木が折れなかっただけでも奇跡かもしれない――
そんな雅樹の襲撃にも彼女は無表情だった。
いや――
哀れみのこもった笑みを浮べた。
それが雅樹を逆上させた―――
「デブをなめるなぁぁぁ」
突進してくる雅樹。
「くすっ―――貴方は逆位置の戦車ね」
そう呟いた。
そしてスタンガンを華麗なステップで避け懐に飛び込んだ―――


グシュッ―――
グシュッ――――
グシュグシュグシュ―――

計5回刺した―――


返り血を浴びながら彼女は笑みを浮べた―――

「ふふっ…ふふふふっ…」


☆逆位置の戦車〔Ⅶ THE CHARIOT〕の意味☆
コントロールが利かない状態、暴走、スキャンダル、事故、失敗、逃避、早合点、悪戦苦闘、足踏み状態、故障。
 誰かとの会話、争いなどがもとで、トラブルが起きる。助けが欲しいときに助けが得られない。
 突然アイデアや価値のあるものが潰れ、幻想が崩壊し、失望する。全てを放り出したくなる


【残り29人 男子11番西島 雅樹 死亡】

93レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 20:39 ID:bXgqV4Bs
>ばんばさん
どうもです!

>キングさん

ありがとうございます

94秋菜:2004/02/09(月) 20:41 ID:7tdDr6hk
面白いです!!テンポが良くて楽しいですね☆
一人一人の今後がすごく気になります!!
次回も楽しみにしています♪頑張って下さい^^

95レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 21:52 ID:bXgqV4Bs
>秋菜さん
ありがとうございます☆
がんばりますよ〜♪

96レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/09(月) 22:54 ID:bXgqV4Bs
    http://classicmp3.iis.ne.jp/air.mp3←コレを聞きながらお楽しみください
026 生きるべき者は…匠VS月子VS紫苑・健斗1〜As for the person who should live...TAKUMI VS TSUKIKO VS SION&KENT Ⅰ〜

 月子は足を止めた―――
目の前には…血だらけ(返り血)の匠が立っていた。
「くすっ」
月子は微笑した。
とても美しい笑みだ。
「・・・・・・」
そんな月子見て匠は、恐怖を覚えた。

この俺が…怯えている?そんな馬鹿な―――

そして…何も言わずに、月子は右手に包丁を左手にスタンガンを構えた―――

そして…匠もそっと銃を構えた―――

言い知れぬ緊張感が辺りを包む。

この二人に言葉は必要なかった。

そう―――

ただ生きるか…死ぬか…

DEAD or ALIVE

ただそれだけ―――

日の出の太陽が…二人を照らした―――

私は死ねない―――
奈津子に会うまでは負けられない―――

二つの意思が交錯した。
「お前ら…その血…手前ら!!!殺りやがったな!!」
その声の主…
川上 健斗は怒りに体を震わせていた。
「ちょっと…川か…み君」
そして…少し遅れてやって来た紫苑は息を飲んだ…
二人とも全身血だらけだった…
最初は怪我かと思ったが…彼女の冷静な脳は…他人の血と理解した―――
「貴方達…川上君…」
「ああ…」
「私達は…正義の下に…貴方達に宣戦布告するわ」
その様子を見ていた月子は
獲物が増えたと喜んでいた…笑っていた…

もう全てが狂っていた―――

その様子を見ていた匠は
こちらを一度睨み
「俺は死なない…死ねない」
そう呟いた。


何処で間違ってしまったのだろうか?



健斗は静かに銃を…
紫苑は手頃な大きさの石を持った―――


私は死ねない…――月子


俺は…奈津子に会うまでは…死ねない――匠


貴方達を私は永久に許さない――紫苑


お前ら…人間のクズだ…――健斗




奈津子は懸命に走っていた。
嫌な予感がする―――
もう匠に会えないんじゃないか?――
そんな気がして…



ナミ達は懸命に柳子を運んでいた。

あともう少し…あともう少しだから…お願い…死なないで―――


奈壱斗はすでに起きて…
日の出を見ていた―――

匠…奈津子…一緒に帰ろう―――



そして…優は、民家にて賀子達と早めの朝食を取っていた。

もしかしたら…最後の晩餐になるかもしれない―――



未来は…灯台に登り。

島全体を眺めていた―――


姉さん…何で…俺たち戦わなきゃいけないんだろうな?


稚奈は朝食を作りながら…日の出を浴びていた。

優君…会いたいよ―――


姫達は…日の出の美しさにただ見惚れていた。
 

なんで・・・私達殺し合いなんかしてんのよ?―――


川久保 一真(男子5番)は、たまたま見つけてしまった弘法の死体を埋葬していた。

やはり…現実なのだな―――



琢磨達は先程別れた友を・・・


絶対に杉村みたくなるなよ―――



朝香は未だに深い眠りの中だった

その夢の中では―――

皆、修学旅行を楽しんでいた。


澪は…未だに言葉を発しない


私達は帰るんだ―――


浩二は未だに湖に居た


安らかに眠れ―――


かりんは、もう一人のかりんこと吉田 佳林(女子17番)と共に未来達を笑いに行こうとしていた。

まだ…現実はここにある―――
殺し合いなんかしないよね、みんな―――

秘めたる思いを胸に…現実へと…


そして…月子が動き出した―――


運命が今…動き出す―――




【残り29名】

97キング:2004/02/09(月) 23:54 ID:STusIzus
匠君と月子の勝負が楽しみです!!
がんばれ〜

98レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 01:46 ID:bXgqV4Bs
>キングさん

どうもです!!結構長くなるかもしれませんこの戦い…

そしてどんどん乱入が…

99レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 19:23 ID:bXgqV4Bs
027 生きるべき者は…匠VS月子VS紫苑・健斗2〜As for the person who should live...TAKUMI VS TSUKIKO VS SION&KENT Ⅱ〜

月子は微笑みながら匠へと突進した―――
その姿に匠は恐怖を覚えた―――

パァァァン―――

だが外れた―――

月子は弾道を読みながら匠へと近づいている。
彼女の華奢な体つきからは想像もつかないが…彼女は女子の中で体育の成績は五指に入る。
「くすっ…貴方は…私を殺せるかしら?」
マズい―――

匠は一歩退いた―――
その選択は功を奏す。


パァァン


健斗は撃った。

外れはしたが月子は止まった。

チャンスは訪れた―――

匠は銃を構えたが、撃たなかった…いや撃てなかった。

背中に走る激痛―――

「くっ…」
思わず声が漏れた。
「私の事をお忘れなく…」
紫苑だった。
紫苑が…背中に石で強烈な一撃を見舞った。
「なめるなよ…」
匠は怯む事無く撃った。
パァァァン―――
「きゃっっ…くぁ」
撃った弾は紫苑の脇腹を掠めた。
そして休む事無く半歩ほどずれた。
そしてその行動からコンマ一秒で月子の包丁がもと居た場所にあった。

油断も隙もあったもんじゃない―――

パァァン―――

「ッッ…」
健斗の撃った弾は月子の背中を掠める。

この女…川上の行動まで読んでやがる―――

先程から月子の行動には一切の無駄が無かった。

そんな事を考える間も無く。
今度はスタンガンが匠を襲う。
「ちっ…」
それを払い除けると、
半歩後ろと下がる。

ブンッッッ―――

紫苑だ。

だが…勢いをつけ過ぎたのか、よろめいた。

ザシッッッ―――

月子は見逃さなかった。
「きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ」
パァァァァン―――
紫苑の悲痛な叫びが辺りをこだました―――
健斗が撃ったその銃撃音は叫びによって打ち消されたが…

匠は健斗の狙った場所にはすでに居なかった。

くっ…夜野さん…―――

紫苑は立ち上がった。
刺されたが、傷はそんなに深くなかった―――
そして…この二人を止めなければという使命感が彼女を立たせた―――

私は…負けない―――

キュッ

紫苑は首に違和感を覚えた。

なに?これ…

健斗はしまったという顔をした。


匠がピアノ線で紫苑の首を絞めていた。

「さて…銃を捨て…」

バチバチッ―――

言い終わる前に月子のスタンガンが匠を―――

「このアマっ!!!」
匠は全精力をもって月子を叩いた。

その勢いに吹き飛ばされる月子。

パァァァン―――

片手で紫苑を締めながら撃った。

「っあ…」
月子胸に直撃した。
そのまま月子は倒れた。

勝った―――

「さあ川上…銃をこっちによこせ」

匠は勝ち誇ったように健斗に言い放った―――

【残り29名】

100レベッカ </b><font color=#FF0000>(udUg8lNk)</font><b>:2004/02/10(火) 19:40 ID:bXgqV4Bs
登場キャラが多いのは大変だった…


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