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それは散り逝く者への子守唄(半リレー)

309レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>:2004/05/26(水) 23:07 ID:htkmNk.o
114 それぞれの思案〜Thought of each one〜

 紫苑と稚奈は、優、未来、達樹の3人から一歩下がったところを歩いていた。
女性だから・・・という理由もあるだろう。
だが、それだけでもない。
一応、銃も彼らは持っている。
イングラムのようにそれこそ兵隊でも扱い難い代物・・・ではない。
両手で撃てば女性でも扱える代物だ。
しかし・・・問題はそこではない。

物理的な問題ではない・・・精神的な問題である。


そう。


咄嗟に人を殺せるか?


問題はそこだった―――


「俺たちはもう覚悟ができている・・・だから、な?」
そう切り出した。
「だからって・・・『もしもの時は逃げてくれって』そんなの無いんじゃないかなぁ・・・」
「なら・・・撃てるか?」
納得いかない、と頬を膨らませている稚奈に優は続けた。
「銃なんて撃てるよ!!」
「そう?人・・・殺せるかい?」
「っ!!」
灯台で匠達の襲撃の事を思い出していた。

あの時自分はなにをしていた?

戦闘は未来に任せて自分は屋上に隠れていたんじゃないのか?

それなのに・・・銃が撃てる?

何を言ってるの私は?

「・・・・・・」
稚奈は黙ったままであった。
「私は撃てるけど?」
そんな稚奈の横には紫苑。
彼女の瞳は決意が溢れていた。
だが。
だめだ―――
優は首を縦には振らなかった。その一言を残して・・・彼は歩き出していた。



そして今に至る。
紫苑は、納得がいかないと思っていたが、それを顔には出していなかった。
稚奈は、自分の存在意義というものに悩まされていた。無論同じく顔には出していなかったが・・・。



そして・・・それが亀裂の始まりだったのかもしれない。




【残り18名】


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