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それは散り逝く者への子守唄(半リレー)
310
:
レベッカ </b><font color=#FF0000>(db9uPG2s)</font><b>
:2004/05/29(土) 23:29 ID:hfx8yGCs
115 想うこと〜〜
銃の重みというのを、今俺は感じている。
それは物理的な重さではない。精神的な重さだ。
銃には、人の命が詰まっている。
銃は簡単に人を殺めることが出来るからだ。
だが、
やらねばならぬ時もある。
それが今だ―――
静かだ・・・・・・。
雅貴は素直にそう思った。
此処には圧倒的なまでの“死"が張り巡らされている。それにも関わらず静かだ・・・・・・。
相手も・・・翔吾も・・・銃。
どちらが迅いか・・・それで勝負は決まる。
引き金を引けば勝てる。
たったそれだけのことだ。だが・・・それが出来ない。いや・・・『たったそれだけ』というのもいささか可笑しい。
人の命を『たつたそれだけ』と・・・
「ふっ・・・」
自分の愚かさに苦笑する。
翔吾はそんな雅貴に、さらに銃を強く握った。
だが・・・向こうも同じく・・・撃てない。
撃つことなど出来ない。
今更こんな状況にしておいてなに甘えたことを考えてるんだ・・・。
幾ら自己嫌悪に陥ったとしても・・・あと一手が出来ない。
同じく翔吾も・・・笑っていた。
嘲笑・・・。まさにそれだった。
「「なにやってんだろうな・・・」」
ハモった。素晴らしく綺麗に・・・いや奇麗に。
「・・・・・・・・・・・・・・・降ろせ」
「お前からな・・・」
「・・・・・・ちっ」
雅貴は静かに銃を降ろした。
今なら信用できるかもしれない―――
何故か分からないがそう思えた。
「やめて!!二人とも!!!」
それから奈津子が出てきたのはそんなに時間が過ぎては居なかった。
気づいたときには雅貴の銃は火を噴いていた。
そして遅れて聞こえてくる轟音。
倒れる奈津子を見るのは・・・時間を要さなかった。
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