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('A`)はドクトラセブンのようです
1
:
名無しさん
:2018/07/27(金) 13:30:00 ID:2b9l/F6s0
第一話『侵略〇―チューバ―』
地球は狙われている
今、宇宙に漂う幾千の星から
恐るべき侵略の魔の手が
( ^Д^)「はーい!地球のお猿さんたち!」
( ^Д^)「話題の〇―チューバ―、プギャー星人だよ!」
( ^Д^)「今日も地球侵略のための動画をうpするぜ!」
( ^Д^)「というわけで今話題のゲーム、チェーン・ソウ・デスマッチPC版やっていきたいと思います。」
このチェーン・ソウ・デスマッチとは非対称対戦ホラーゲームである。
一般市民4人犯罪者1人に分かれ、一般市民は時間内にマップから脱出、犯罪者は逃げられないように一般市民を痛めつけて捕まえるゲームだ。
466
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:19:13 ID:QOpG40xs0
その後も
(,,゚Д゚)「ボイラー直すのにどれだけ時間かかってんだよ!」
(,,゚Д゚)「!!」
(,,゚Д゚)「オラァァァ!」
(,,゚Д゚)「ふう。」
('A`)「せんべいあるけど食べる?」
(,,゚Д゚)「おお、ありがと。」
爪#'ー`)「まだ直らんのかぁぁぁ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「おい!テメーら!!!!」
ξ゚⊿゚)ξ「もう少し詰めろ。私が入れないだろ。」
( ;<●><●>)「……」
コタツを囲ってみんなで楽しそうにくつろいでいる。
爪'ー`)「TVあるじゃん!紅白見ようぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「は?ガキ使に決まってんだろ!老害に決定権はねぇ!」
( ;<●><●>)「あの…みなさん?」
( ;<●><●>)「私は地球を侵略しに来たワカッテマス星人なんですが……」
( ^ω^)「隊長!!」
爪'ー`)「どうした!」
( ^ω^)「この冷蔵庫ビールがありますよ!」
爪'ー`)「いいねぇ!みんなで一杯やりながら年を越そう。」
( ;<●><●>)「こいつらマジ……」
467
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:19:38 ID:QOpG40xs0
侵略者の言葉などに耳を貸さずに忘年会でもやっているのかと思うくらい盛り上がりだす。
普段の厳格な彼らからは想像もできない光景だ。
これほどまでに人間をダメにしてしまう。それがコタツだ。
( ;<●><●>)「まぁ、結果的には大成功だから良しとするか。」
少し納得がいかないようだが、結果がすべてなのだ。
( <●><●>)「しかし、電気屋で売ってた普通のコタツなのにそんなにいいのか?」
一瞬自分も入ってみようかと思ったが、本能的に一度入ったら二度と出られない、そう感じたのでやめた。
( <●><●>)「さて、今残っている隊員はジョルジュだけということは……ワカッテマス!」
( <●><●>)「情報によるとジョルジュはおっぱいが大好きだという。そこでお前らだ!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「地球人の一人くらい私たちにかかればどうということはございません。お任せを!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「もうすぐでこの星は私たちのものですね!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私が軽く始末してくる!ここで待ってな!」
身長が高くスタイル抜群でセクシーな服装のB,C。なのよりもその豊満な胸は素晴らしい。
逆に身長も低く断崖絶壁な胸のAはワカッテマス星人に寄り添っている。一番のお気に入りのようだ。
( <●><●>)「フハハハハハ!お前たちはそこで地球が侵略される瞬間を見ているがいい!!」
ξ゚⊿゚)ξ「年の終わりに地球の終わりが来るとはなかなか乙なものじゃないか。」
(*^ω^)「いい体してんじゃんそこのネーチャン!こっちで一緒に飲まない?」
(,,゚Д゚)「隊長、いい感じに熱燗ができましたよ。」
爪*'ー`)「いやー俺はここで働いてからみんなで楽しく年を越すなんて初めてだよ。」
(*'A`)「あー、コタツ最高!!」
( <●><●>)「……」
ジョルジュの元に魔の手が迫る!
468
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:20:10 ID:QOpG40xs0
_
( ゚∀゚)「みんな遅いな。何かあったか?」
_
(;゚∀゚)「まさか宇宙人が侵入しているんじゃ!?」
一人作戦室に残されたジョルジョは異変に気付いたが、時すでに遅く刺客がやってきていた。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「ハーイ!そこのお兄さん私といいことしない?」
_
(;゚∀゚)「?!」
謎の美女がジョルジョにゆっくりと近寄っていく。その手にはナイフを隠し持っているとは知らずに。
ジョルジョの視線はその豊満な胸に集中している。
( <●><●>)「大好きなおっぱいを見つめながら死ぬといい!フハハハハハ!」
手に持った端末からその様子を眺めている。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ウフフ、もう落ちたも当然ですね。」
(*^ω^)「俺もいいことしてほしいぜ!」
(*'A`)「俺も。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B(こいつらマジ?)
仲間たちはのんきにしているとも知らずに状況が呑み込めていないジョルジョ。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「最高の気分で天国に逝けるよ!」
_
( ∀ )「……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C(もらった!)
そうナイフで突き刺そうとした時だった。
_
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」
ナイフより早くジョルジョが光線銃を抜き引き金を引いた。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「グワァァ!!」
あっけなくその場に倒れこむ。
( ;<●><●>)「ば、バカな!完全におっぱいに意識がいっていたはず!!」
469
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:20:40 ID:QOpG40xs0
_
( ∀ )「何故だ……」
_
( ;∀;)「何故パットなんて使うんだ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ……気づいたのね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「私みたいな女は胸が大きくないと誰も相手しないのよ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「だからパットを使って偽ったとしてでも男に相手にしてほしくてさ……」
_
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
_
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形がとか色とかそんなのじゃないんだ。」
_
( ;∀;)「たとえなくてもおっぱいに感謝することを忘れちゃダメなんだ!!」
_
( ;∀;)「そんな初歩的なこともわからない男どもがこの地球に、宇宙には多すぎる……」
_
( ;∀;)「どうしててここでもおっぱいが泣かなきゃいけないんだ!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「なんだ、あんたにもっと早く会えていればこんなことにはならなかったのにね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆C「うっ……」
_
( ∀ )「許さねぇ!」
_
(#;∀;)「どこのどいつだか知らんが絶対に許さない!!」
ジョルジョの悲痛な叫びが響いた。
470
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:21:10 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「嘘だろあいつパットを使ってたのかよ!」
( #<●><●>)「騙されたぜまったく!」
ξ;゚⊿゚)ξ「ジョルジョのやついったい何言ってんだ?」
('A`)「あいつやべえな。」
(,,゚Д゚)「おっぱい話になるとあいつスイッチはいるからなぁ。」
( ^ω^)「俺が風俗嬢は顔が不細工でもおっぱいさえデカけりゃイけるって話してたら小一時間説教されたよ。」
爪*'ー`)「そんなことより誰か芋焼酎のお湯割り作って。」
(,,゚Д゚)「了解!」
ブッ
オイ誰だよ屁したの!!
うわくせえ!
何食ったらこんなに臭いんだ!!
( <●><●>)「こいつらはこいつらでまったく緊張感ないし。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「フン!ならば今度は私が行ってくるよ!」
( <●><●>)「お前の胸は本物だろうな!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「これ見てそんなこと言えんのかい?」
そう言いながらBは胸元を大きく開く。
疑いようのない大きな乳が見える。
(*<●><●>)「ふーん!良い胸だ!」
(*'A`)「眼福眼福!」
(*^ω^)「ヘイ!ネーチャン!もっとこっち向いて!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ちょっと待ってな!サクッと始末してくるぜ!」
そう言ってワカッテマス取り巻き美人三人衆Bはジョルジュの元へと向かう。
ξ゚⊿゚)ξ「ピザでも頼まねぇ?」
(*'A`)「いいね注文しよう!」
(*^ω^)「おいおい、俺が余計ピザになっちまうよ!」
471
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:21:37 ID:QOpG40xs0
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「やっと見つけたよ!地球征服とCの敵をとらせてもらうよ!」
_
( ゚∀゚)「!!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私の完璧な体を見ながら息絶えな!!」
悩殺ポーズをとりながらジョルジョに襲い掛かる。
_
(#゚∀゚)「バカヤロー!!」
あっという間にジョルジョは光線銃でワカッテマス取り巻き美人三人衆Bを打ち抜く。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「ギャアァァァ!」
_
( ∀ )「何故だ……」
_
( ;∀;)「何故おっぱいにシリコンを入れるんだ……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「なんだ……気づいたんだね……」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆B「私みたいな女は胸が大きくないと(ry
_
( ;∀;)「そんなのは男の風上にも置けない奴らが悪いんだ。」
_
( ;∀;)「おっぱいは大きいだとか小さいだとか、形が(ry
先ほどと同じやり取りの後、ワカッテマス取り巻き美人三人衆Bは息絶えた。
( #<●><●>)「あいつも偽乳かよ!!」
( #<●><●>)「もう何も信じれん!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「待って。あなたには私がいるでしょう。」
( <●><●>)「ああ、すまない。そうだったなお前がいたな。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「確かに私は胸がないけど、それなら信じられるでしょ?」
( <●><●>)「フッ、お前になら嘘をつかれても俺は大丈夫さ!なぜって愛してるからだ!」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「もう、ワカッテマスったら。」
濃厚な接吻をし始める二人。
472
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:22:05 ID:QOpG40xs0
(,,゚Д゚)「お熱いねぇお二人さん。」
(#'A`)「ケッ!リア充が!!」
(*^ω^)「俺までムラムラしてきたぜ!」
爪*'ー`)「あと十年若ければ俺もはそこに混ざれたんだがな。年取るって怖い。」
ξ゚⊿゚)ξ「場所を考えろよ。獣かテメーら。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ふう。」
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「じゃぁちょっと待っててね」
( <●><●>)「君がすぐに戻ってくるのは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!!」 キリッ
すぐさまジョルジュの元へと向かうワカッテマス取り巻き美人三人衆A。
_
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「お前がジョルジョだな!貴様の(#゚∀゚)「このクソヤローがぁ!!」
有無を言わさず光線銃で打ち抜く。
ワカッテマス取り巻き美人三人衆A「ギョエェェ!」
_
(#゚∀゚)「テメー男だろ!!おっぱい見ればすぐわかんだよ!!」
_
(#゚∀゚)「ペッ」
死体に唾を吐きかける。
( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」
( ;<●><●>)「あいつ男だったのかよ!!通りでガードが堅いかと思ったが……」
( ;<●><●>)「オエェェェェェェ!!」
(*'∀`)「ハハハハハ!ざまぁ!!」
(,,゚Д゚)「まさかの展開だな。」
( ^ω^)「俺も昔ナンパした奴にチンコがついてた時は焦ったな。」
473
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:22:33 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「ちくしょう!!なんて日だ!」
ワカッテマス星人がうろたえているとついにジョルジョがこの場にたどり着いた。
_
( ゚∀゚)「みんな助けに来たぞ!」
_
(;゚∀゚)「え?コタツ?」
そこでジョルジョが見たのは、みんな楽しそうにコタツでくつろいでいる光景だった。
TVを見ながらビール飲んでる。そんな異様な光景だった。
もっとせっぽ詰まった状況だと思っていたが彼らにしたらそうではないらしい。
( <●><●>)「助けに来た?あなたわかってますか?地球人と宇宙人の力の差を?」
_
(;゚∀゚)「?!」
一瞬で距離を詰めると手刀で光線銃をはたき落して蹴り飛ばす。
とっさに腕でガードするジョルジョだったがそんなもの関係ない勢いで吹き飛ばされる。
_
(;゚∀゚)「ウゲェッ!」
( <●><●>)「わかってますあなた?地球人がどれだけ弱いか?」
(,,゚Д゚)「つ、強い!」
( ^ω^)「これやばいんちゃうん?」
ξ゚⊿゚)ξ「何やってんだよジョルジョ!その程度の攻撃でやられてんなよ!相手はたいしてことないぞ!」
爪*'ー`)「いいねえこれ。年末らしく格闘技を見てるみたい。」
('A`)「おら立て!殴り返せよ!」
('A`)「もっとこう……ああ!」
爪*'ー`)「誰かセコンドついてやれよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?いやよ!コタツから出たくない。」
('A`)「俺も。」
( ^ω^)「隊長どうぞセコンド。」
(,,゚Д゚)「見てるだけで十分っスよ。」
474
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:01 ID:QOpG40xs0
_
(;゚∀゚)「うぅ……」
何とか立ち上がるが、一方的にボコられるジョルジョ。
( <●><●>)「んん?さっきは絶対に許さないとか言ってたようだが、この程度なんですかぁ?」
( *<●><●>)「フーッ!!地球人がこの程度だというのは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
_
(; ∀ )「……」
一方的にボコボコに殴られていたジョルジョ。ついに限界を迎えて倒れようとしていた。
だがその時にジョルジョの身に映るものがあった。
ξ゚⊿゚)ξ
ツンヌのおっぱいだった。
('A`)「は?ツンヌのおっぱい?」
('∀`)「断崖絶壁、まな板、洗濯板と比喩するものはあれどこれがおっぱいだなんてナッシング!!ギャハハハハ!」
ξ#゚⊿゚)ξ (;'∀`)「あ……いえなんでもないです……」
アァ!ヤメテェー!!
オラァァァ!!
ウギャァァァァ!!
475
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:34 ID:QOpG40xs0
_
(;゚∀ )(そうだ!おっぱいだ!)
_
(; ∀ )「うおぉぉぉぉぉ!!」
( <●><●>)「急になんだい?叫んだところでどうにもならないことは……」
_
( <●><●>)「ワカッテm(#゚∀゚)「オラァァァ!!」
ジョルジョが全力で殴りつける。
( ;<●><●>)「グォ!!」
地球人のパンチくらいどうということはないと受けてみると予想外の威力でふらつく。
チャンスとばかりに猛ラッシュで殴り続けるジョルジョ。
_
(#゚∀゚)「地球人の!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「漢の!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「いいや俺の一番の武器はこの拳だ!!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「俺の拳はおっぱいを揉むために!」 バキッ
_
(#゚∀゚)「そしてそのおっぱいを守るために振るうんだ!!」
( ;<●><●>)「グワァァ!!」
( ;<●><●>)(なんだこの力は?!地球人にこんなに強いなんて……)
壮大に吹っ飛ばされるワカッテマス星人。
( ;<○><○>)「こ、こんなの…ワカラナイ……」
( <○><○>)「」
_
(;゚∀゚)「はぁはぁ…」
_
(;゚∀゚)「やったぜ!」
_
(;゚∀゚)「この装置のせいでみんな出られなかったんだな。」
バリア発生装置のボタンを押して解除する。
_
( ゚∀゚)「これで出られるぞ!」
476
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:23:59 ID:QOpG40xs0
爪'ー`)「よくやったジョルジョ!お前ならやれると信じてたぞ!」
( ^ω^)「ジョルジョはいざって時に頼りになるな!」
(,,゚Д゚)「知識だけじゃないのがジョルジョだぜ!」
('A`)「俺はジョルジョが主人公だとずっと思ってた!」
ξ゚⊿゚)ξ「マジジョルジョ神!」
「ジョルジョ!ジョルジョ!ジョルジョ!」
_
( ゚∀゚)「よせやいみんな!」
みんなジョルジョを囲んで褒めたたえてくれる――
そう思っていた。
だが現実はそう甘くないのだ。
ξ゚⊿゚)ξ「はいここで革命!」
(;'A`)「アアアアアアア!オワタ……」
爪;'ー`)「この終盤まで待っていたのか……」
(,,゚Д゚)「ツンヌは神か!生き返った!!」
(;^ω^)「クッソ、大貧民はそりゃぁうれしいよな……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!」
どこで見つけたのかトランプで大富豪をしていた。
_
(;゚∀゚)「あの……みんな?」
爪'ー`)「うん?あ、もう終わってたのか。お疲れ。」
ξ゚∀゚)ξ「フーッ!大富豪だぜ!」
(; A )「OH……」
ξ゚⊿゚)ξ「終わったんならついでにボイラー直して来いよ。」
_
(;゚∀゚)「え……?」
477
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:24:30 ID:QOpG40xs0
( ^ω^)「お、もうすぐ新年じゃん!」
(,,゚Д゚)「年明けと同時にビールイッキしようぜ!」
爪'ー`)「いいねぇ乗った!」
ξ゚⊿゚)ξ「オラ、早くいって来いよ。ついでに作戦室が温かくなったら呼べよ。」
_
(;゚∀゚)「……はい。」
一人寂しくボイラーを直しに向かう。
自分も一緒にコタツに入ろうかと思ったがあまりに温度差に諦めた。それに俺までだらけてしまったらまずいだろうし……
自慢したいわけではなかったが、少しくらいは褒められたかった。
何か思っていた展開と違った。
心まで冷め切ってしまったジョルジョはこの冷え切った基地を歩いて行った。
その背中は哀愁が漂う。
(,,゚Д゚)「ん?」
(,,゚Д゚)「おい大変だみんな!さっきの宇宙人の死体がない!」
( ^ω^)「なんだまだ生きてたのか、しぶといな。」
ξ゚⊿゚)ξ「ジョルジョ!しっかりトドメ……もういないか。」
爪'ー`)「じゃあここにいる誰かがいかないとな。」
('A`)「は?俺は絶対嫌だぞ!ここに住むんだ!」
さっきまで楽しそうに仲良くやっていたのに突然静寂が訪れた。
皆が皆早く誰か行けよ!というオーラを醸し出していたのだ。
そんな時意外な人物が一番最初に動いた。
ξ゚⊿゚)ξ
ツンヌだった。
478
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:25:01 ID:QOpG40xs0
ξ゚⊿゚)ξ「いや〜ん、ツンヌ宇宙人こわーい!」
ξ゚∀^)ξ「テヘペロ!」
突然のブリッ子。
爪'ー`)「仕方ないここは俺が……」
爪;'ー`)「ゴホッゴホッ……」
爪'ー`)「あー、やっぱ歳には勝てないかなー。」
突然の仮病。
( ^ω^)「仕方ないジャンケンで決めるぞ。」
('A`)「フン、最後はどんなことがあろうと主人公が勝つんだよ!」
(,,゚Д゚)「さっきのジャンケンはスローで欠伸が出たぜ!また余裕で見切ってやる!」
( ^ω^)「目をつぶっていても勝てるよ。幸運の女神は俺についてるからな!」
いくぞ!ジャーンケーン――
( ;<●><●>)「ゲホゲホ……」
( ;<●><●>)「地球人を侮っていた……」
( ;<●><●>)「だが十分な収穫はあったぞ!」
( ;<●><●>)「地球人はコタツの前では無力になるのだ!」
ワカッテマス星人が乗る円盤は地球圏を飛び出し宇宙をさまよっていた。
( <●><●>)「今度はコタツをさらには配置して地球人全員を無力化してやる。」
( <●><●>)「フハハハハハ!」
( ;<●><●>)「?!」
ワカッテマス星人はレーダーに映る影に気づいた。
('A`)
ドクトラセブンだ。
479
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:25:35 ID:QOpG40xs0
( ;<●><●>)「クソ!!」
必死に円盤からレーザー攻撃をするがドクトラセブンには効いていない。
('A`)「デュワ!」
必殺のドクリュウム光線を発射する。
( ;<●><●>)「あー、これはもうどうしよもないことは……」
( <●><●>)「ワカッテマス!」 キリッ
あっけなく爆発するワカッテマス星人の円盤。
こうしてワカッテマス星人の地球侵略は幕を閉じたのです。
しかし恐ろしい侵略者でした。あのヴィプトラ警備隊を壊滅一歩手前まで追い込んだのですから。
そしてコタツ。
ただの日用品がここまで恐ろしい侵略兵器になろうとは……
どんな物も使いよう一つで恐ろしい侵略兵器になりえるのです。
皆さんも物を使うときは気をつけましょう。
侵略者はいつどんなものを使ってくるのかわからないのですから。
第十六話『氷点下零度の戦い』
終わり
480
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 02:29:01 ID:QOpG40xs0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
少し早いですが、今年の更新は今回までの予定です。
今年は皆様にだいぶお世話になりました。
来年もよろしくお願いします。
良いお年を。
481
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 09:28:54 ID:Cpz9s8tM0
乙
482
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 11:45:38 ID:WA9n3wVI0
清々しいクズ共だ
483
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 17:39:33 ID:yBR5sdGM0
緊張感なさすぎだろw
でもコタツと布団は悪魔的だから仕方ないね
484
:
名無しさん
:2018/12/08(土) 19:30:14 ID:2BFQNR..0
乙です
485
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:04:40 ID:SCd38K/s0
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
これから投下していきます。
486
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:05:19 ID:SCd38K/s0
第十七話『怪しい老人』
(´・_・`)「ああ、今日も疲れた。」
夕方、一人の社畜が帰路についていた。
今日も嫌いな上司に罵倒されこき使われて肉体も精神もボロボロだ。
しかし、そんな彼にも支えがあった。
(´・_・`)「今日も君のおかげで一日何とか頑張れたよタチャンカ!」
そう言いながら彼はスマホでアイドルの画像を気持ち悪い顔でニヤニヤしながら覗いていた。
タチャンカ、ゲームのキャラクターだ。
普通の人が見れば気持ち悪いだろうが、彼からしたら唯一心の支え。
そしてそのゲームを通じて知り合った人たちだけが彼の数少ない友達なのだ。
だから彼からしたらタチャンカこそが人生のすべてである。
(´・_・`)「でもいやだなぁ、あのうるさい上司さえいなければ……」
そう愚痴をこぼしながらいつも通る公園を歩いていると、見知らぬ老人がどこからともなく現れた。
/ ,' 3「もし、そこのお方。何かお困りのようですね。」
その老人は小汚い恰好をして、フードを深々とかぶっていたのでシワシワで歯が何本も抜けた口元くらいしか見ることができない。
しかし、この辺では全く見たことがない。ホームレスか何かか?そう思った。
(;´・_・`)「な、なんですあなた?」
/ ,' 3「あっしはしがない商人です。この地球をフラフラ回りながら商いをしてましてね。」
/ ,' 3「あなたのような方にとっておきの商品があるのですよ。」
どこからともなく飴の入った袋を取り出すと、それを手渡してきた。
487
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:05:49 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「その飴をなめると幸運があなたに舞い降りるでしょう。」
/ ,' 3「一袋三十個入りなので毎朝忘れずに舐めてくだせぇ。」
(;´・_・`)「いやこんなのいらないよ。」
/ ,' 3「それはお試し品ですからお代は結構。次の袋からお代をいただきますので。」
/ ,' 3「それではあなたに幸あらんことを。」
(;´・_・`)「ちょっと!」
(;´・_・`)「?!」
スッと霧のように消え姿が見えなくなってしまった。
(;´・_・`)「なんだったんだ今の……?」
夢のような出来事であったが、確かに手にはあの飴が入った袋が握られていた。
(;´・_・`)「……」
不気味ではあったが、不思議とその飴を捨てることはできなかった。いつか必要になる気がして。
そのまま家に帰ったが、その飴をなめることはないまま数日が過ぎていく。
何も変わらない日常。仕事では上司に怒られては叩かれての繰り返しだ。
ただそんな仕事が忙しい日々を送っていたある日、珍しく寝坊をしてしまった。
朝食を用意している時間もなく急いで支度を済ませたが、何かエネルギーになるものをと思ってずっと置いてあったあの飴玉を一つなめることにした。
(;´・_・`)「変なもの入ってないよな?」
少し警戒したが時間が惜しいのでそのまま口の中へ。
なんともいえない味がしたが食えないことはない。
(´・_・`)「幸運が舞い降りる……か。」
488
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:06:17 ID:SCd38K/s0
数日前だが不思議とあの老人に言われたことを鮮明に覚えている。
しかし、ただの戯言だと思いそのまま出社した。
どうせ今日も上司にいろいろ言われてしんどいんだろうな――
そう思った。
(;´・_・`)「え?上司が事故で入院?」
会社に着くなりみんなその話題でもちきりだ。
何やら信号無視をした上司が車にひかれて大けがを負ったようだ。
命に別状はないようだが、当分会社には来れないそうだ。
それを聞いて小さくガッツポーズをした。
その日は本当にいい日であった。
いやな上司はいなくなり、休憩時間にたまたま会社に偉い人と雑談をする機会があるとえらく気にいられたのだ。
そのまま別の部署に異動することとなった。自分がずっと行きたかったところだ。
その後はあの飴をなめて会社に行くことにした。
それからはいいことばかりの毎日だ。
どこからどう見ても地味でさえてない上にキモオタの代表なような自分であったが、新しい部署の仲間は親切に接してくれた。
それどころかよく遊びに誘ってくれ、服のコーディネートまでやってくれたのだ。
彼らはどう見てもリア充で自分とは真逆な存在なはずなのに、なぜか会話が弾むのだ。頭の中に次になんてしゃべったらいいのか浮かんでくる。
これもあの飴の効果なのかな?
飴をなめるようになってから人生がまるで変った。
仕事終わりや休みの日はリア充の仲間たちと遊びに出かけ、ついには女の子ともデートに行くようになっていた。
今までの自分では考えられないようなことだ。女の子との会話もベストなセリフがスラスラ浮かんでくる。
そして頭に浮かんだことを行動するとすべて大正解というようになんでもうまくいった。
(´・_・`)「なんて幸せなんだ。」
これが幸せなんだということがよくわかる。
だが、その反面失われた時間があった。
今まで心の支えにしていたタチャンカだ。
タチャンカのゲームや動画を見る時間はなくなったし、そのつながりの友達ともまったく連絡を取っていなかったのだ。
489
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:06:43 ID:SCd38K/s0
(´・_・`)「……」
(´・_・`)「まぁいいか。」
(;´・_・`)「?!」
タチャンカのことをふと思い出した拍子に大事なことに気が付いた。
飴がもうないのだ。この飴がなくなったら自分はどうなるのだ?そう思うと恐怖でいてもたってもいられなかった。
夜遅かったが、慌てて家を飛び出してあの老人がいた公園へと向かう。
(;´・_・`)「はぁはぁ…」
真夜中の公園をひたすら探す。
だが冷静に考えればこんな時間にいるはずがないのだ。
(;´・_・`)「あ、明日の夕方ならいるかな?」
なんとしてもあの飴を手に入れなければ……
そう考えていた瞬間だ。
/ ,' 3「あっしをお探しですかいお客さん?」
突然背後から声がした。
(;´・_・`)「ヒッ?!」
馬鹿な周りには誰もいなかったのに?!
/ ,' 3「へっへっへ。お客さんはこれをお求めですかな?」
そう言うとあの飴の袋を取り出した。
(;´・_・`)「あ、あぁそれだ!それを売ってくれ。」
/ ,' 3「ええ、お売りしやしょう。でも今度はただじゃありやせんぜ。」
(;´・_・`)「いくらだ?」
たとえ数万だろうが払うつもりだ。それだけ出す価値があるのだあの飴には。
/ ,' 3「お金はいりやせん。」
(;´・_・`)「金は要らないだと?」
490
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:07:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ええ。たった一つの物をいただければこの飴を一生分差し上げやすよ。」
(;´・_・`)「何が欲しいって言うんだ?」
/ ,' 3「あなたの大事なものでっせ。それは命より大事なもの。」
命より大事なものだと?
何かとてつもなく恐ろしいものを盗られるのでは?
恐怖のあまり身体が強直する。
/ ,' 3「そう、あなたの心の支えの等身大のタチャンカフィギュアですな。」
(;´・_・`)「な!」
等身大のタチャンカフィギュア。
これは自分の人生で唯一誇れる持ち物だ。
世界でたった数体しか存在せず、一体数百万した代物だ。
借金をしてでも購入し、これのおかげでヴィプマス仲間ではかなり有名になれた。
背中のボタンを押せばタチャンカのメイン曲が流れそれ以外にもタチャンカやカリンカも聞くことができる。
毎日これを眺め、辛いときは何度も話を聞いてもらった。
一人暮らしも彼女がいれば寂しくなかったのだ。それくらいに自分にとって大切なものでこれこそ自分の誇りそのもの”だった”。
(;´・_・`)「……」
(;´・_・`)「……」
(;´・_・`)「ほ……」
(;´・_・`)「本当に”そんなものでいいのか”?」
/ ,' 3「あっしはそれさえいただければ十分でっせお客さん。」
(´・_・`)「いやー助かる。最近はむしろ邪魔だったんだよあれ。無駄に場所取るし。何よりあんなのあったら女の子を家に上げられないよ。」
/ ,' 3「では取引成立でございますな。」
(´・_・`)「これでずっとあの飴が手に入るなら最高だよ!」
/ ,' 3「これから毎月この飴があなたの元へと届きますよ。たとえどこに引っ越そうそとね。」
ニヤリと笑う怪しい老人。
491
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:07:51 ID:SCd38K/s0
地味な青年の小練ショーンは喜んで自分の家へと帰っていった。
きっと彼のこれからは何一つ困らないで幸せな人生を歩んでいくことでしょう。
あの飴のおかげで。
そして気づくことなく一生を終えることでしょう。これから歩む人生は本当の彼自身のものではないことに。
何より彼は一番大切なものを永遠に失ったことに。
/ ,' 3「しかし困った。こんなデカい物どうしたものですかね。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「ネットで売りやすか。」
そんな怪しい老人がいることも知らずに今日もヴィプトラ警備隊の作戦室は騒がしい。
('A`)「!!」
('A`)「オイ見ろジョルジョ!タチャンカの等身大フィギュアがネットオークションで売ってるぜ!!」
_
( ゚∀゚)「な、なんだってー!!」
_
( ゚∀゚)「ウオォォォ!!マジじゃん!」
('A`)「しかし今すでに500万円か……」
_
(;゚∀゚)「ぐぅむ……だがたとえ借金をしてでも手に入れなければ!」
('A`)「二人で力を合わせれば行けるか?」
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「お前ら仕事中に何してんだ?」
('A`)「隊長!仕事どころではありませんよ!なんたってあのタチャンカのフィギュアですよ!」
_
( ゚∀゚)「地球防衛より大切なことです!!」
爪#'ー`)「あぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「フィギュアとかお前ら何キモイことしてんだよ。」
(#'A`)「お前にタチャンカの何がわかる!!ジョルジョ言ってやれ!」
492
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:09:10 ID:SCd38K/s0
_
(#゚∀゚)「本当、タチャンカのタの字もわからないやつが我々の高等な会話に入ってくるというのがおこがましい。タチャンカとはヴィプマスタ―という大人気アイドルプロデュースゲームに登場するキャラクターの一人。
出身はロシア・サンクトペテルブルクでアイドルで公表されている年齢17。しかし本当の年齢は29だ。声優はヴィプ坂すみれ。タチャンカは愛称で、本名はアレクサンドル・セナフィエフ。男の名前だが、
それは男のようにたくましく育ってほしいという軍人の父親の願いが込められてつけられた。事実、女であっても厳しく育てられ現在は身長/体重:183cm/99.8kにまで育つ。その肉体はまるで肉の鎧。
偉大な父の跡を継ごうとロシア軍に入隊。そして特殊部隊:スペツナズに長年所属。彼女に転機が訪れたのは日本での作戦実行中にたまたま見たヴィプ海やヴィプ月が行うライブを見て心を奪われる。
その後周りの反対を押し切り日本語を勉強して来日。念願だったヴィッププロダクションに所属するようになる。本名のアレクサンドル・セナフィエフではあまりにもイカツイということでヴィプ槻にタチャンカ
の愛称を名付けられた。それからの彼女の活躍はすさまじく軍隊で鍛え上げた肉体から繰り広げられるダンスは誰よりも機敏でパワーあふれるパフォーマンスをする。コサックダンスを得意とするが、
一番の得意なダンスはタチャンカダンス。密輸した彼女専用装備のRP-46軽機関銃をステージにセットして激しく銃身を上下左右に振りまくる。このキレッキレっぷりは彼女の人気の高さの秘訣だ。
普段は空包だっが、アンコールやハイテンションの時は実弾をぶっ放して会場を沸かせる。ただこのタチャンカはステージ上だけでなく普段からフルフェイスマスクを被っており素顔を見たものはいない。
そういったお茶目な面やミステリアスな一面のおかげでヴィプマスでも常に人気上位。そのため、彼女をメインに置いた映画が上映され賛否を呼んだ。なぜ賛否かというと、映画終盤でライブを行うはずであったが、
ライブ会場がテロリストたちに占拠されてしまう。タチャンカはテロリストを皆殺しにしようとしたが、ヴィプ海やヴィプ月といったメンバーが歌で彼らの心を救おうと提案して対立。甘っちょろいことを言う他のメンバーに
タチャンカがブチギレ乱闘騒ぎ。なお一方的にタチャンカが他メンバーをボコボコにしたもよう。そのせいで大量のタチャンカアンチを作ってしまったのだ。その後はたった一人でテロリストたちを一人一人始末していくが、
ボロボロになった他のメンバーたちが最後の力を振り絞りライブを始める。それを聞いたタチャンカやテロリストたちは涙して心が浄化され手を取り合いステージ上の他のメンバーを応援した。
その時に最初に見たアイドルのライブの光景を思い出したタチャンカは自分が間違っていたことに気が付いて他のメンバーに謝罪。アンコールでタチャンカダンスを披露。だがダンス中、間違って実弾で改心したテロリストたちを射殺。
初の素顔見せをテヘペロっと最高の笑顔で締めた。銀髪で色白、透き通った青い瞳で頬には以前の戦闘で負った傷があるが、その傷を隠すためにマスクをしているのではなくただ単にいつ戦闘があっても頭を抜かれないようにするためと、
大勢の人に見られるのが慣れておらず恥ずかしいからなのだ。映画自体は繁盛したが、ボコボコにされた他のメンバーファンがタチャンカを許せずにタチャンカファンと壮絶なレスバトルを長年続けた。さすがにまずいと思ったスタッフや
タチャンカの中の人が謝罪して、DVDではその暴力シーンがカットされる事態が発生して終息した。今も大量のアンチはいるが、甘っちょろい考えに唾を吐きかけるくらい気嫌いして割と短気なところがタチャンカの魅力の一つ。
最近あったテレビアニメシリーズでも生意気な後輩に対してはロシア方式のけじめをつけさせ病院送りにしたり。抜けているところはとことん抜けているが、いざというときは頼りになる。そういったところがおれは大好きですね。
いつかタチャンカの故郷を聖地巡礼したいとは思うんですがなかなか時間が取れなくて。でも自分なりにタチャンカの機銃、RP-46軽機関銃を自作してみたりはしましたよ。ファンなら当たり前のことですが。でもタチャンカで一番重要な
エピソードといえばあれは外せないですね。スマホのアプリでタチャンカに追加された一番最初のエピソードで――――
493
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:09:41 ID:SCd38K/s0
_
(#゚∀゚)「―――」
(;'A`)爪;'ー`)ξ;゚⊿゚)ξ(;^ω^)(;゚Д゚)「……」
その後もジョルジョはしゃべることしゃべること。
よくその早口で下噛まないなとかお前いつ呼吸してんだというくらいしゃべる。
ξ;゚⊿゚)ξ「あ、うん、すごいねー、タチャンカすごいねー。」
あのツンヌが引いた。
いやさすがのツンヌでもこれは何も言う気になれないようだ。
_
(#゚∀゚)「まったく何にも知らない素人風情がタチャンカのことで口を挟むな!これくらいむしろ一般常識だぞ!」
_
(#゚∀゚)「だよなドクオ!」
(;'A`)「!!」
(;'A`)「……」
(;'A`)「……」
(;'∀`)「あ……あぁ、そうだな……」
必死の作り笑いをするしかなかった。
今まで自分はヴィプマスにおいてかなりのオタクだと思っていたのに……
ひょっとしたら上位にいるのではとか考えていたが間違いだったようだ。
494
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:10:18 ID:SCd38K/s0
(;'A`)(俺はただのニワカだ…)
(;'A`)(下手したら一般人に毛が生えた程度か?)
(;^ω^)「あ、隊長!ここの防衛範囲について質問がありまして……」
爪;'ー`)「うん、なにかな?」
_
(#゚∀゚)「でもいいかタチャンカは―――」
いまだに一人で語っている。
仕方ないのでみんな違うことをし始めるのだ。
(,,゚Д゚)「よ、よし!ドクオ、パトロールに行こうぜ!」
('A`)「あぁ、行こう!」
ギコからの助け舟だ。
面倒な奴はほっとくのが一番。
ヴィプンターで適当にパトロールをして公園で一休み。
(,,゚Д゚)「フーッ平和はいいぜ!」
「もし、そこのお方。」
(,,゚Д゚)「?」
/ ,' 3「あなたはヴィプトラ警備隊のギコ隊員じゃありやせんか。」
495
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:10:50 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「何か用かじいさん?」
薄汚い老人がギコの前に現れた。
かなり匂うが、顔色一つ変えずに接するギコ。
/ ,' 3「あっしはしがない商人です。どうですギコ隊員にいい商品がありやすぜ。」
(,,゚Д゚)「?」
老人は懐からおもちゃの光線銃のようなものを取り出しギコに差し出す。
/ ,' 3「これは不思議な銃でして狙った相手はたとえどんな奴であろうと一発でしかも確実に当てて仕留めることができる銃でございます。」
(,,゚Д゚)「は?」
/ ,' 3「これはお試し品ですから弾は十発。でももしギコ隊員のお持ちのその光線銃をいただけるなら無限に撃てる正規品をお渡ししやすぜ?」
(,,゚Д゚)「……」
ボケた老人のたわごとか?
いやだが目は本気だ。
(,,-Д-)「フーッ。」
(,,゚Д゚)「いいかじいさん、あんたの話が本当だったとしても俺はそんなものいらない。」
/ ,' 3「?!」
/ ,' 3「なぜですかい?!」
(,,゚Д゚)「もし俺がその銃で活躍したところでそれはおれの実力じゃない。その銃の力だ。」
(,,゚Д゚)「その銃に頼りきってちゃそれがなくなったとき俺は何もできなくなる。」
(,,゚Д゚)「だからいらない。むしろそんなものに頼らなくてもその銃に負けないくらいにならないとな。」
(,,゚Д゚)「何より俺の銃はヴィプトラ警備隊に入った時からの相棒だ。」
(,,-Д-)「こいつとはいくつもの死闘を戦って来たからな。血と汗が染みこんでるんだ。」
(,,゚Д゚)「これこそ俺の誇りなんだよ。そう簡単に誰かに渡せないね。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「へっへっへ。あなたは本当のことを仰ってますね。目を見ればわかりやす。」
496
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:11:18 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「ではこちらの缶ジュースはどうです。今喉乾いてるでしょう。」
(,,゚Д゚)「おお、ありがたいね。いくら?」
/ ,' 3「500円です。」
(,,゚Д゚)「は?ちょっと高くない?」
/ ,' 3「いえいえ、あっしのような浮浪者はちょっと値を釣り上げて物を売らないと生きていけないのですよ。」
(,,゚Д゚)「いやでもそれくらいなら自販機で……」
/ ,' 3「そうですかい。ギコ隊員は地球は守っても、あっしのような弱者までは守るつもりはないということですかい。」
/ ,' 3「あぁ、今日も残飯をあさらなきゃなぁ……まともな食い物なんてもう何日も……」」
(;゚Д゚)「グググ……」
(,,゚Д゚)「ああ、もう仕方ない買ってやるよ!はい500円!」
/ ,' 3「へっへっへ。毎度ありギコ隊員。」
そう言うとスッと姿を消す老人。
(,,゚Д゚)「ちくしょういいようにやられたぜ。」
('A`)「どうしたギコ?」
トイレを済ませたドクオがギコの元へとやってきた。
(,, Д )「はぁ…カモられた……なんでああいう時ノーと言えないんだ……」
('A`)「?」
('A`)「ん?あれは?」
遠くへ歩いていく怪しい老人の背後が見える。
('∀`)「ほぅこれはこれは。」
497
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:12:31 ID:SCd38K/s0
夕方先ほどの公園。
/ ,' 3「今日はもう商いは終いにしやしょう。」
あの老人が商売をやめて片付けをしている。
('∀`)「やあやあ、アラマキ星人さんよぉ商売繁盛かい?」
/ ,' 3「?!」
('A`)「おっと妙な動きをするなよ。この地球になんのようだ?侵略にでも来たのか?」
光線銃を構えながらドクオが問う。
/ ,' 3「これはこれはドクトラセブンの旦那、あっしのことはご存知じゃありやせんか?」
('A`)「ああ知ってるとも。アラマキ星人、宇宙で最弱な肉体を持ちどんなやつにもこびへつらう。」
('A`)「まさに下っ端も下っ端。強者や上の者たちに不思議な道具を売りながらなんとか生かしてもらえている哀れな連中さ。」
/ ,' 3「ええ、おっしゃる通りですよ。ですからこの星を侵略するつもりなんてこれっぽっちもありやせん。」
/ ,' 3「ただこの星で商いができればいいんですよ。」
('A`)「フーム、どうしたものかな。」
/ ,' 3「なら旦那にとびっきりの商品を差し上げましょう。」
('A`)「ほう、なんだ?」
/ ,' 3「このヴィプトラブレスレットですよ。」
('A`)「なんだこれ?」
/ ,' 3「これを付けたものは無敵になれるんですよ。」
/ ,' 3「あなたの同期にヴィプトラマン弱って方がいたでしょう。」
('A`)「ああいたな。」
/ ,' 3「その方はヒーローランキングで最下位争いをする程度だったんですが、これをつけたとたんに上位争いに食い込むほどの実力者になられたんです。」
498
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:13:03 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「な!まじか!」
('A`)「え、ちなみに俺はヒーローランキングで何位?」
/ ,' 3「旦那はランキング外でっせ。」
(;'A`)「え?」
/ ,' 3「圏外も圏外。存在自体知られてないんじゃないんですかい?」
(;'A`)「は、はー、ランキングとかどうでもいいし……そんなのにこだわってるのはまちがいだしー」
必死の負け犬の遠吠え。
/ ,' 3「それはさておきこのヴィプトラブレスレットを差し上げますからあっしが地球で商いするのを許してくだせぇ。」
/ ,' 3「もし少しでも侵略していると思ったのならその時始末してくれて結構ですから。」
('A`)「それならいいだろう。じゃあそれは貰っていくぞ。」
/ ,' 3「でも旦那、忘れないでくだせぇあっしとの約束を。」
/ ,' 3「商売において一番大切なことは信用でっせ。それがなきゃ商売できやせん。」
/ ,' 3「だからあっしは絶対地球を侵略しませんよ。なんで旦那もあっしが侵略していると思わない限り……」
/ ,' 3「あっしを攻撃したりするのはなしですよ。」
('A`)「OK、それでいこう。」
/ ,' 3「それではあっしは失礼させてもらいやす。」
/ ,' 3「でもお忘れないように。約束は絶対ですよ。」
とくにその時のことを気にしないで返事をした。
すでに左腕につけたヴィプトラブレスレットのことで頭がいっぱいだったのだ。
いいものを手に入れた。
それからのドクトラセブンの活躍はすさまじかった。
499
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:13:38 ID:SCd38K/s0
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」
一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」
町では忍者の宇宙人が建物を破壊していた。
|/゚U゚|「今日からこの星は拙者のものでござる。」
激しく忍者をする忍者星人。汚いなさすが忍者きたない。
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民D「いや待てあれを見ろ!」
('A`)「デュワ!」
一般市民ABCD「ドクトラセブンだ!」
(#'A`)「ダァァァ!!」
有無を言わせない先手必勝。
アイス・ラッガーを忍者めがけて投げつける。
|/゚U゚|「ギャアァァ!!」
一瞬にして盾に真っ二つ。
がしかし、ボンッと音とともに丸太に変わる。
変わり身の術だ。
(;'A`)「な!」
慌てて左右を見渡すが忍者の姿がない。
その時ドクトラセブンの影が動き出す。
|/゚U゚| ニヤリ
激しく忍者が影に化けていたのだ。
さっさと後ろから羽交い絞めにするとドラゴンスープレックスを決める。
(;'A`)「グワァァ!!」
すぐさまドクトラセブンと距離を置きクナイを大量に投げつける。
少しずつ削っていく作戦だ。
汚いなさすが忍者きたない。
500
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:14:15 ID:SCd38K/s0
(;'A`)「ウググ……」
なかなか反撃できないドクトラセブンだがここで動いた。
左手首に付いているヴィプトラブレスレットを外し高々と掲げる。
ピカッと一瞬光ると激しく忍者の動きを封じる。
|;/゚U゚|「な、なんだ体が動かん?!」
('A`)「デュワァァァ!」
そして激しく忍者めがけてヴィプトラブレスレットを投げる。
投げられたヴィプトラブレスレットは光の刃となって激しく忍者をバラバラに解体した。
|;/゚U゚|「サヨナラーーー!!」
しめやかに爆発四散。
('A`)「ふぅ。」
('A`)「デュワ!」
一息つくと空へと旅立っていく。
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」
一般市民C「今回もあっという間に瞬殺だったな。」
一般市民D「やっぱヒーローはこのくらい強くあってもらわないと。」
それから数日後。
一般市民A「うわー怪獣だ!!怪獣がでたぞー!」
一般市民E「ひぃぃいすごく寒いぃ!!」
雪だるまの怪獣「ゴオォォォ!!」
町で暴れる雪だるまの怪獣は冷凍ガスを吐き続ける。
雪だるまの宇宙人「いいぞ!我が雪だるま怪獣ユーキダルーマ!このまま地球を氷の星へと変えるのだ!!」
雪だるまの怪獣の足元には人間サイズの雪だるまの星人がわめいている。
どうやらこの雪だるまの宇宙人が連れてきた怪獣らしい。
そしてこの冷凍ガスのせいで町中は氷漬けだ。
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民D「いや待てあれを見ろ!」
501
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:14:43 ID:SCd38K/s0
('A`)「デュワ!」
一般市民ACDE「ドクトラセブンだ!」
ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」
有無を言わせない先手必勝。
雪だるまの怪獣の政党ガス攻撃だ。
(;'A`)「グワァァ!!」
一瞬にして氷漬けにされるドクトラセブン。
一般市民C「あぁドクトラセブンが…」
一般市民D「地球の終わりだぁ……」
雪だるまの星人「フハハハハハ!どうだ地球人ども!」
雪だるまの星人「お前たちの頼みの綱のドクトラセブンはこの様だ絶望するがいい!!」
雪だるまの星人「さぁユーキダルーマよ!氷漬けのドクトラセブンを粉々に粉砕してやれ!!」
ユーキダルーマ「ゴオォォォ!!」
勝利を確信した雪だるまの怪獣が氷漬けのドクトラセブンを攻撃しようとした時左手首のヴィプトラブレスレットが光る。
一瞬にして解凍されるドクトラセブン。
('A`)「デュワ!」
一般市民A「やった!ドクトラセブンが生き返ったぞ!!」
一般市民E「そうだよ怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」
ユーキダルーマ「ギギギ…」
ユーキダルーマ「ウオォォォ!!」
もう一度強力な冷凍ガスを噴き出す。
('A`)「デュワ!」
サッとヴィプトラブレスレットを盾に変身させて冷凍ガスを吸い始めるドクトラセブン。
502
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:15:12 ID:SCd38K/s0
ユーキダルーマ「!!」
('A`)「デュワァ!」
吸い込んだ冷凍ガスを何倍にも強力にして盾から放出する。
ユーキダルーマ「ギィヤァァァ!!」
今度は逆に雪だるま怪獣ユーキダルーマが氷漬けになる。
(#'A`)「ダァァァ!」
盾に変身させたヴィプトラブレスレットを元に戻して怪獣めがけて投げつける。
エネルギー弾となったブレスレットが怪獣に当たると大爆発を起こした。
雪だるまの星人「バ、バカな!俺のユーキダルーマが……」
跡形もなく吹き飛んだ。
('A`)「デュワ。」
仕事を終えたブレスレットは投げつけたときよりも早くドクトラセブンの左手首に戻る。
('A`) ギロッ
雪だるまの星人「ひっ……」
(#'A`)「ダァァァ!」
ドクトラセブンの指先から放たれたレーザー光線が雪だるまの星人に直撃して焼き尽くす。
雪だるまの星人「ヒギィィィィ!!」
これがドクトラセブン必殺のハンドビームだ。
('A`)「デュワァ!」
一仕事終えたドクトラセブンは颯爽と空へと飛び立っていく。
503
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:15:40 ID:SCd38K/s0
一般市民A「さすがはドクトラセブンだぜ!」
一般市民C「しかし今日は焦ったよ。危なかったんじゃないか?」
一般市民E「馬鹿言え怪獣ごときの冷凍ガスでバラバラにされるヒーローがいてたまるか!」
一般市民E「大事なことだからもう一度言うが、怪獣ごときの冷凍ガス氷漬けにされて体をバラバラにもぎ取られるヒーローがいてたまるか!」
このようにドクトラセブンはあっという間にして無敵のヒーローに早変わりしたのだった。
そしてそれはドクオでいる時でも同じである。
爪'ー`)「素晴らしいなドクオ!最近の活躍は身を見張るものがあるぞ!」
('∀`)「いやーそれほどでもないですよ!」
気持ち悪い顔をニヤケ笑いすることでさらに気持ち悪くするドクオ。
( ^ω^)「ここ数週間の宇宙人撃破数ダントツの一位だからな。スゲーなおい!」
(,,゚Д゚)「いつの間にそんな努力してたんだ?」
('∀`)「ただ単に眠っていた俺の力が目覚めただけだよ。」
('∀`)「なんて言うか頭で考えた理想の動きに体がついてきてるって言うか……あーこのレベルの話をしてもみんなには無理か。」
( ^ω^)「おぉ、言ってくれるじゃないか。」
(,,゚Д゚)「こりゃあ負けてられない!俺もドクオに習って努力しなくちゃな!!」
('∀`)「俺のレベルに来ようったってそりゃぁ無理な話だな!」
('∀`)「ハハハハハ!」
_
( ゚∀゚)「クソォ、ちょっと前まで俺より成績悪かったのに……」
('∀`)「そうできる人間をひがむなってジョルジョ!」
_
(;゚∀゚)「グググ……」
爪'ー`)「まぁみんなもドクオに追いつけるよう頑張ってくれたまえ。」
('∀`)「フハハハハハ!やっと俺の時代がきたんだ!!」
504
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:16:11 ID:SCd38K/s0
左腕で光線銃を撃てば目をつぶっていたって百発百中一撃必殺。
敵を追っていてもブレスレットからエネルギーが常に補充され疲れることなく全力疾走でどこまでも追える。
重いものを持つ時ですらブレスレットの力で軽々持ち上げる。
そんなパーフェクトドクオに成ったのだ。
('∀`)「これが……これがおれの実力なんだ!!どんな奴が相手でも負ける気がしねぇ!!」
天狗になったドクオ。
そんな天狗なドクオがいる作戦室にボロボロになったギコが運ばれてきた。
(,, Д )「」
(;^ω^)「馬鹿!いくら何でも無茶しすぎだって!!」
_
(;゚∀゚)「もう少し戦う相手は考えようぜ……」
ブーンとジョルジョが肩を抱えながら運んできた。
('∀`)「どうしたギコ、侵略宇宙人ごときに敗北したか?まったくダサいな!」
(,, Д )「」
ξ゚⊿゚)ξ「まったくだ。ギコ程度の分際でこの私に格闘訓練の相手を頼むとは百年はえぇ!!」
(;'A`)「え?」
( ^ω^)「なんでも最近ドクオに追いつくために必死でいろいろトレーニングとかしてるみたいだぜ。」
_
( ゚∀゚)「でもいくら何でもツンヌはまずい。」
ξ゚⊿゚)ξ「つまらんサンドバックだった。」
ξ゚∀゚)ξ「おいドクオ今度はお前が相手になれ!ここんところ調子いいんだろ?」
(;'A`)「い、いや……」
ちらりとブレスレットを見つめる。
すごい勢いで振動していた。
どうやら『戦うな!』と必死で訴えているようだ。
ブレスレットでも勝てないのか?ブレスレットでも勝てないなと納得した。
(;'A`)「ほら、格闘戦なんてほとんどないだろ。だからそんな意味ない訓練しても意味ないさ。」
必死に言い訳をしておく。そうだ今は銃撃戦がほとんどなのだから生身で格闘する必要なんてない!
(,, Д )「意味ないことなんてないさ……」
(;'A`)「!」
ボロボロだったギコが口を開く。
505
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:16:39 ID:SCd38K/s0
(,, Д )「もし光線銃が使えない状況で戦わないといけない状況がきたとしたら?」
(,, Д )「お前は尻尾をまいて逃げるのか?」
(,, Д )「そうじゃないだろ!武器がなくても挑まなきゃいけないんだぜ俺たちは!!」
(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「弱いくせに吠えるじゃん。」
(; Д )「こ、これからツンヌにも負けないように頑張るんだよ……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!それならもう一ラウンドやるか!!」
(; Д )「今はちょっと……」
( ^ω^)「そういう意気込みは大事だが、人類最強にいきなり挑むのは無謀だろ。」
('A`)「まったくだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「人類最強?私がか?」
('A`)「え?違うの?」
ξ゚⊿゚)ξ「私より強い奴は少なくとも私が知ってる限り数人はいるぞ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)('A`)(,, Д )「は?!」
ξ゚⊿゚)ξ「親父や兄貴にはまだ負け越してるしな。他にも二、三人ほど負け越してるし。」
(;'A`)「もうその人たちが防衛隊になればいいんじゃない?」
ξ゚⊿゚)ξ「お前その気持ち悪い頭には何も入ってないのか?」
ξ゚⊿゚)ξ「結局のところ対宇宙人戦はほとんどが銃撃戦だぜ。生身の格闘戦なんて一割もないだろ。」
('A`)「いやでもツンヌいつも素手で倒してんじゃん。」
ξ゚⊿゚)ξ「ありゃー『この俺が地球人ごときに素手で負けるはずがな!!』って考えてるアホな奴らだからな。」
506
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:17:21 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「実際、巨大化できる奴に巨大化されたら手も足も出ねぇよ。だから私が相手してんのは頭に血が上った馬鹿ばかりになるな。」
ξ゚∀゚)ξ「おかげでいつも死闘を楽しませてもらってるがな!カッカッカッ!」
ξ゚⊿゚)ξ「むしろ下手に実力差を感じて遠距離戦に徹される方が面倒だ。一応距離を詰めて戦おうと思えば戦えるんだろうけど面倒臭すぎる。」
ξ゚∀゚)ξ「そういうやつが相手の時は誰かに任せて私は飲み行くけどな!」
( ^ω^)「おま!!じゃあこの前の宇宙人はそういうやつか!!道理で連絡があった場所に行ってもツンヌの姿がないと思った!!」
ξ゚⊿゚)ξ「ま、そうやって実戦を積みながら人類最強を目指しているわけよ私は!ついでにストレス発散にもなるし。」
('A`)「君は地球を守る目的でヴィプトラ警備隊になったんじゃないわけ?」
( ^ω^)「おいおい!ツンヌがそんな崇高な考えしてるわけないだろ!」
('A`)「そりゃそうだ。」
_
( ゚∀゚)「むしろそういう理由の方が安心するぜ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)('∀`)「ハハハハハ」
それから数週間後。
爪'ー`)「さすがドクオだな!今週もトップの成績じゃないか!」
爪'ー`)「そしてギコ!頑張ったな。ドクオと並ぶ成績だ!」
('A`)「……」
(,,゚Д゚)「いえいえ、俺のトレーニングに付き合ってくれたみんなのおかげですよ。」
(,,゚Д゚)「それにドクオ一人に頼りきりじゃドクオに何かあった時に何もできなくなりますからね!」
('A`)「……」
('A`)(こいつマジか?地球人でこの俺に並ぶだなんて……)
( ^ω^)「あれだけ頑張ってりゃな!」
_
( ゚∀゚)「ドクオとギコのエースさえいれば安泰ですね!」
爪'ー`)「馬鹿言え。お前ら二人もそのエースと同じくらい頑張るんだよ!!」
_
(;゚∀゚)(;^ω^)「ゲッ……」
507
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:17:53 ID:SCd38K/s0
ξ゚⊿゚)ξ「宇宙人撃破数はよくても格闘戦は全然だけどな。」
ξ゚⊿゚)ξ「あれぇー?私に負けないように頑張るんじゃなかったのぉー?」
(;゚Д゚)「それはまだこれから……」
ξ゚∀゚)ξ「カッカッカッ!オゥ早くしろよ!」
(;゚Д゚)「そうだドクオ、パトロール行こうぜ!」
('A`)「あぁ。」
そうして二人はヴィプンターでパトロールに出かけた。
何事もなく巡回をしているとあの公園にたどり着く。
少し休もうと公園を散歩することにした二人だが……
/ ,' 3「おや、ギコ隊員お久しぶりです。」
(,,゚Д゚)「ああ、いつしかののじいさん。元気にしてたか?」
/ ,' 3「えぇ、おかげさまで。ところでギコ隊員、またジュースでも――
そんな会話をしている時、その公園でサッカーをしていた少年たちが蹴ったボールがアラマキ星人に当たった。
/ ,' 3「おっと……」
よろけて倒れた拍子にかぶっていたフードが捲れた。
(,,゚Д゚)「大丈夫か?じいさ――
(,,゚Д゚)「!」
そのフードはアラマキ星人を人間に擬態させるものであった。
それが捲れた今、アラマキ星人の本当の顔があらわになる。
赤鬼のように真っ赤な肌で頭には二本の角。
それを見た一般市民たちは騒ぎだす。
(,,゚Д゚)「貴様宇宙人だったのか!!」
すぐさま光線銃を構える。
どちゅん!
アラマキ星人が煙球を地面に投げつけ、その煙に紛れて逃げ出す。
(,,゚Д゚)「ゲホゲホッ、ドクオそっちに行ったぞ!仕留めるんだ!!」
('A`)「ん?」
508
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:18:28 ID:SCd38K/s0
なんと間の悪いことでしょう。
アラマキ星人の逃げた先にはちょうどドクオがいたのでした。
/ ,' 3(旦那、約束ですぜ)
(;'A`)(……!)
あの時の約束を思い出す。
が、こうもギコや一般市民が見ている前でやすやすと宇宙人を見逃すわけには……
なにより最近はギコに追いつかれてきた。ここらで少し差を作らねばと考えていた時だったのだ。
(;'A`)「うおぉわぁぁぁ!」
ヤケクソ気味にアラマキ星人を打ち抜いた。
あっさりとその場に倒れ絶命する。
(; A )「はぁはぁ…」
(; A )(しまった勢いで……)
(; A )(や、約束が…)
(,,゚Д゚)「流石ドクオだな!」
(;'A`)「え…や……まぁな…」
爪'ー`)「お前なら必ず仕留めると思ったぜ。」
(;'A`)「え?」
( ^ω^)「そりゃぁあのドクオだからな。」
_
( ゚∀゚)「あんな弱っちい宇宙人逃がすはずないよな。」
ξ゚⊿゚)ξ「これからも必ず宇宙人を仕留めてくれるんだよな。」
(;'A`)「な…なんでみんな……?」
ギコと二人できたはずだ。
フォックスやブーン、ジョルジョ、ツンヌがここにいるはずがない。
509
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:18:55 ID:SCd38K/s0
(,,゚Д゚)「どうしたんだいつもみたいに天狗になれよ。」
( ^ω^)「凶悪な侵略者を倒せたんだぞ。」
ξ゚⊿゚)ξ「きたねぇ顔で笑えよ。」
_
( ゚∀゚)「地球に平和が訪れたんぜ。」
爪'ー`)「それがお前のやりたいことだろ。」
<(;'A`)>「やめ……」
みんな頭を抱えうずくまるドクオを取り囲む。
「喜べよ。」
「やったじゃないか。」
「うれしいだろ。」
「成りたい自分じゃないか。」
「強くて羨ましいな。」
<(;'A`)>「やめてくれぇぇぇ!!」
『そうだろ俺すごいだろ』
(;'A`)「!」
聞きなれた声がした。
この声は……
『だって俺は無敵で最強のヒーローだもん』
『どんな奴だって瞬殺だぜ』
(;'A`)「アァ……」
('A`)『それがこの俺ドクトラセブン様だ』
510
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:19:23 ID:SCd38K/s0
自分だ。自分がいた。
ゆっくりとこっちに歩いてくる。
('A`)『弱かった俺なんていなかった』
('A`)『いたとしたらそいつは偽物』
('A`)『なぁそうだろ』
(;'A`)「お前は誰だ!!」
('A`)『俺は俺だよ』
ヴィA`)『お前がよく知っている俺だよ』
(;'A`)「?!」
ヴィプトラ`)『無敵のスーパーヒーロードクトラセブンだ』
ヴィプトラブレスレット『だからもうお前は必要ない』
ヴィプトラブレスレット『さようなら』
(; A )「うわぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
(,,゚Д゚)「大丈夫かドクオ?!」
(;'A`)「はっ!!」
気が付くとそこは基地の医務室だった。」
(,,゚Д゚)「老人に化けていた宇宙人を始末したら突然倒れたんだ。」
(;'A`)「はぁはぁ…ゆ、夢だったのか?」
(,,゚Д゚)「だいぶうなされてたぞ。」
511
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:19:59 ID:SCd38K/s0
(,,-Д-)「……」
(,,゚Д゚)「すまないドクオ。」
(;'A`)「え?なにが?」
(,,゚Д゚)「どうやら今まで俺たちはドクオに頼りすぎたようだ。」
(,,゚Д゚)「その分の疲れが一気に出たんだろう。」
(,,゚Д゚)「ドクオにすべて任せるわけにはいかないと思ってたんだがな……」
(;'A`)「いや……」
疲れなのか?
まるで現実のような夢だった……
いや夢というのはそういうものか。
(;'A`)「大丈夫だ…もう大丈夫だ。」
ビーッ!ビーッ!
突如として基地の警報が鳴り響いた。
『V地点I市にて巨大宇宙人出現、隊員は至急現場に急行されたし!!』
『繰り返す――
(,,゚Д゚)「やれやれ忙しいな。それじゃぁ行ってくるぜ。」
(;'A`)「待て俺も……」
(,,゚Д゚)「今日くらい休んでいろって。たまには俺たちだけでやり遂げてみせるさ!」
ドクオを置いて行ってしまった。
(;'A`)「馬鹿言え地球人だけで倒せるわけないだろ!!」
懐からドクトラアイを取り出す。
∞⊂('A`)
(∞)「デュワ!」
ドクトラセブンに変身して現場へと向かう。
512
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:20:31 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「フハハハハハ!これからこの星は俺様ポセイドンの物となるのだ!!」
町では侵略宇宙人が暴れていた。
一般市民A「うわー!巨大な宇宙人だ!!」
一般市民B「ひぃぃい!!助けてえ!」
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民F「待てあれを見ろ!」
一般市民ABCF「ドクトラセブンだ!」
('A`)「デュワ!」
一般市民A「これでもう安心だな。」
一般市民G「パパっとやっつけてくれ!」
一般市民F「いやー生であのドクトラセブンの戦いが見れるだなんて最高だよ。」
一般市民B「頑張れドクトラセブン!!」
(゜3゜)「来たかドクトラセブン!ここがお前の墓場になるのだ!!」
ポセイドン星人が逆水平チョップを仕掛ける。
(;'A`)「ぐぉっ」
(#'A`)「なんの!!」
ドクトラセブンも負けじと逆水平チョップを返す。
激しいチョップの応酬が繰り広げられる。
両者の実力は均衡しているようだ。
(;゜3゜)「グゥゥ、ならば!」
チョップ攻撃と見せかけてのラリアット。
(;'A`)「うげぇぇぇ」
派手に吹き飛ぶ。倒れたところに今度はエルボードロップだ。
(; A )「ギャアァァァ!」
513
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:20:57 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「どうしたその程度かぁ!!」
ポセイドン星人は空に飛び立つとそのままドクトラセブンめがけて急降下。
フライングボディプレスで攻撃。
(; A )「あ……が……」
一般市民A「いつもの調子はどうしたんだよ!」
一般市民C「ダメだもうおしまいだ……」
一般市民B「負けるなドクトラセブン!!」
一般市民H「早くブレスレット使えよ!いつもそれで倒してたろ!!」
(゜3゜)「フーッ!!俺様の勝ちだ!!」
勝ち誇るポセイドン星人は両手を高々と掲げて勝利の余韻に浸りながらドクトラセブンの周りを歩き回る。
その油断しているスキを突く。
('A`)「デュワ!」
咄嗟に左手首のブレスレットをつかむ。
が……
(;'A`)「……」
ブレスレットを掴むが固まるドクトラセブン。
(;'A`)「……」
514
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:21:27 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「!」
(゜3゜)「テメー今何しようとしやがった!!」
(゜3゜)「クソがァァァ!」
何度も何度もドクトラセブンを蹴りつける。
(;'A`)「グワァァ……」
一般市民D「なにブレスレット使うのためらってんだよ!!」
一般市民A「あー、こりゃ無理だな。」
一般市民C「さて逃げるか。」
一般市民I「前みたいなザコに戻ってね?」
一般市民B「が…頑張れ頑張れ!!」
(;'A`)「うがぁ!」
(;'A`)(ブレスレットを使えば勝てるだろう)
(;'A`)(だがそれだと……)
ドクトラセブンの額のランプが激しく点滅しだす。
(゜3゜)「フヒーッヒッヒッヒ!!」
勝利の雄たけびを上げ始める。
(; A )「……」
それまで見ていた一般市民たちも殆どが逃げ出していた。
一般市民B「あぁ……そんな負けないで……」
(゜3゜)「これでこの星を手に入れたぞ!!フハハハハハ!」
515
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:21:55 ID:SCd38K/s0
一方その頃現場へと急行するヴィプトラホーク1号。
_
( ゚∀゚)「もうすぐで目的地に着くぞ。」
(,,゚Д゚)「まったく誰かさんがトイレにこもってなければもっと早く行けたんだがな。」
( ^ω^)「いやー、すまんすまん。おかげででっかいのがひねり出せたよ。」
_
( ゚∀゚)「だが情報によるとすでにドクトラセブンが交戦中みたいだぞ。」
( ^ω^)「お、なら俺たちの出番はなしか。良かった良かった。さっさと戻ろうぜ。」
(,,゚Д゚)「いや待て。どうやらまずい状況のようだぞ。」
_
( ゚∀゚)( ^ω^)「!!」
(; A )「……」
(;^ω^)「あらら、撃沈してらっしゃる?」
_
( ゚∀゚)「となると我々だけでどうにかするしかないな。」
(,,゚Д゚)「ドクトラセブンがやられるくらいだ。相当強い奴だぞ。何か作戦を考えよう。」
( ^ω^)「よしきた!なら久しぶりに『アレ』やるぞ!!」
_
( ゚∀゚)「『アレ』と言うと……」
(,,゚Д゚)「『アレ』だな!よし乗った!」
( ^ω^)「そうと決まれば二人とも準備しろ!」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「了解!!」
516
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:22:29 ID:SCd38K/s0
(゜3゜)「さあさあ哀れな地球人の奴隷たちよお前らの守り神ドクトラセブンを公開処刑してやるぞ!」
一般市民B「やめてくれぇぇぇ!!」
(゜3゜)「うんうん、心地の良い叫び声だ!」
(゜3゜)「ウハハハハハ!!」
(゜3゜)「うん?」
ちょうどポセイドン星人の視界にヴィプトラホーク1号が入る。
(゜3゜)「ヴィプトラ警備隊のザコどもめ。無駄なあがきをするつもりか?」
(゜3゜)「これでも食らえ!!」
口から怪光線を発射した。
( ^ω^)「そんなすっとろい攻撃が当たるかよ!」
一瞬にしてα号β号γ号の三機に分離して回避した。
(;゜3゜)「な!!」
三機それぞれからミサイルやレーザーで攻撃する。
圧倒的弾幕。その弾幕の前にはいかなるものも防御するだけで手いっぱいだ。
そして見事な連係。二機で注意をひき、残る一機でスキを突く。
(;゜3゜)「グギギギギ!!ちょこざいな!!」
(; A )「う……」
(;'A`)「はっ!」
気を失っていたドクトラセブンが目を覚ました。
そこには分離したヴィプトラホーク1号に手も足も出ないポセイドン星人がいた。
(,,゚Д゚)「いまがチャンスだぜドクトラセブン!」
ギコが合図を送る。
('A`)「デュワ!」
(;゜3゜)「げっ!」
517
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:22:58 ID:SCd38K/s0
後ろからつかみかかりリフトアップする。
そのまま必殺のドクトラハリケーンで投げ飛ばす。
(;゜3゜)「うげぇ……」
(#'A`)「ダアァァ!!」
トドメに必殺のドクトラショット。
(;゜3゜)「アアアアアアア!!」
情け容赦なしに爆発四散。
(;'A`)「はぁはぁ…」
ヴィプトラ警備隊の援護がなければやられていた。
ギリギリの戦いであった。
分離していたヴィプトラホーク1号も合体して基地へと帰還する。
そしてドクトラセブンも。
一般市民B「……よかった。」
戦いが終わり一般市民たちも戻ってきた。
一般市民A「やっと終わったみたいだな。」
一般市民D「ここ最近すごく強くなったと思ったがそんなことなかったな。」
一般市民C「ただの確変気だったのか?」
一般市民J「えー!またあのクソザコに戻ったの?!幻滅しましたファンやめます。」
一般市民A「面も悪いくせにそのうえ弱いときたらいいとこないだろマジ。」
一般市民B「でもいつも必死に戦ってくれてるよ!」
一般市民A「そうかもしれんが……俺が求めるヒーローって強くてカッコよくないと。」
一般市民D「そうそう。」
一般市民B「……」
518
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:23:27 ID:SCd38K/s0
その日、夜の公園にドクオが一人でいた。
('A`)「……」
ずっと左手首のヴィプトラブレスレットを見つめている。
('A`)「……」
('A`)「……」
('A`)「……」
決心がついたのかそれを外すと地面に置き光線銃で撃ち抜いた。
ヴィプトラブレスレットはパチパチと燃え上がって燃えカスだけが残った。
「旦那よかったのですかい?」
背後から聞いたことのある声がした。
('A`)「やはり生きていたか。」
/ ,' 3「そりゃぁもちろんでっせ。それなりに修羅場は乗り越えて来やした。」
/ ,' 3「死の偽装くらいお手の物ですよ。」
('A`)「そうか……」
/ ,' 3「代わりのヴィプトラブレスレットを用意しやしょうか?」
('A`)「いやいい。」
('A`)「……」
('A`)「きっとあれに頼っていたら俺は俺じゃなくなっていたんだと思う。」
('A`)「もう少しで俺はヴィプトラブレスレット掛け器になるところだった。」
/ ,' 3「……」
('A`)「なによりあれがあったところで俺が強くなってるわけじゃないんだ。」
('A`)「下手したら前より弱く……」
('A`)「ブレスレットをこの先使い続けたとして、もしブレスレットが無い状態で戦わないといけなくなったら」
('A`)「『クソォ、ブレスレットさえあれば……ブレスレットさえあればこんな奴に!!!』って俺は喚いていたと思う。」
519
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:24:01 ID:SCd38K/s0
( A )「俺は弱いよ……」
/ ,' 3「旦那は確かに弱いですよ。」
/ ,' 3「それも最弱。ホントにヴィプトラの戦士なのか疑うくらいに。」
/ ,' 3「マジでクソ雑魚なめくじ。いやそれ以下。クソ雑魚微生物?もっと下か。」
/ ,' 3「あんたヴィプトラ養成学校卒業したんだよね?それでその弱さはヤバイ。」
/ ,' 3「こんなにクソ弱くてダサいの初めて見た。」
/ ,' 3「記念に写真撮ってもいい?SNS乗っけて友達に自慢したい。クソダサ最弱野郎とツーショットって。」
(;'A`)「ちょっと辛辣過ぎない??」
(;'A`)「え、なに?俺に罵声浴びせるために出てきたの?」
/ ,' 3「旦那ダメですぜ現実逃避は。事実はちゃんと受け入れなきゃ。」
(;'A`)「もうちょっとオブラートにお願いしたいんだけど。」
/ ,' 3「それが甘えで逃げだといってるんですよ旦那。」
/ ,' 3「まぁ少々脱線しやしたが、話の続きです。」
/ ,' 3「長年この宇宙で商売してきやしたが、こんなに弱い方は始めてです。」
(;'A`)「……」
/ ,' 3「旦那、ヒーローで一番大切なものは何だと思いやす?」
/ ,' 3「強さですよ。」
('A`)「……」
('A`)「そうだろうな……」
/ ,' 3「勘違いしないでくだせえ。肉体的な強さじゃありやせん。」
/ ,' 3「心の強さですよ。」
('A`)「!」
520
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:24:36 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「肉体的強さってのはそれはヒーローとしたら前提として当たり前ですよ。」
/ ,' 3「今までに肉体的に強い方は腐るほど見て気やした。」
/ ,' 3「旦那と比べ物にならないほどに強い方たちですよ。」
/ ,' 3「でもそういった方たちはすぐに新しい力に飛びついて来やした。」
/ ,' 3「強化アイテムなんてこぞってね。」
/ ,' 3「そして力に溺れていった。その力を求めて争いを始めるなんてよくある話なんてレベルじゃないくらいに。」
/ ,' 3「やがてそういうヒーローだった者たちが宇宙の平和を脅かすものへと変わっていきやした。」
/ ,' 3「そして力を求める方はすぐ勘違いしやす。」
/ ,' 3「あれはヴィプキュアという商品を少女たちに買っていただいたときでしたかね。彼女らはそりゃぁもう楽しそうに自分たちの敵対する勢力と戦っていやした。」
/ ,' 3「今日かアイテムも喜んで使っていただきやしてね。でも闘いが続く中ある日のことでした。ヴィプキュアのサービスを提供する会社が潰れてしまいましてね。」
/ ,' 3「彼女たちは変身できなくなってしまったんです。そしたら彼女たち敵が目の前にいても尻尾巻いて逃げ出しやしてね。まぁその後どうなったか語る必要はないですね。」
/ ,' 3「結局のところそれは彼ら、彼女たちの本当の力じゃないんです。ただの道具の力に過ぎないものだったんですな。」
/ ,' 3「それを自分たちの力だと思い込み、それがなくなればなにもできなくなる方たちばかりで。」
/ ,' 3「少し話がそれやすが、あっしの話をさせてくだせえ。」
旦那も知っての通りあっしは宇宙でも最弱と呼ばれるアラマキ星人です。
そらぁ生きるために必死で周りに媚を売りいろいろな商品を売ることで何とか生きながらえてきやした。
そうして長年生きていろいろな経験を積んだあっしは商売で少し面白いことをするようにしたんです。
人生を満たしていない方に過ぎた力や道具を与えてその方の人生を180度変えるように。
最初の方はなんてことのない料理人でした。でも先祖代々料理屋をしてやして地元の人たちからも愛されてやした。
しかし、心のどこかではもっと店を大きくだとか知名度を上げたいとか考えてたんでしょうね。あっしが最高の料理ができる包丁を差し上げたら喜んで使いなさりましたよ。
店も大賑わいで宇宙でもその名前を知らない人はいないくらいにね。でもそんなに繁盛していても地元の人たちはその店に寄り付かなくなったんです。
気づいたときにはその店の主人はもう作れなかったんですよ。代々受けづいて地元の人たちに愛されていた料理の味を。
あっしはそうやって商品を売った方からお代よりもその方の誇りをいただくことにしやした。
そしたら面白いこと面白いこと。どんな方でも喜んで誇りをお代として渡してくださいやした。
底辺にいたあっしはその光景を見ることに生きがいを感じていやした。
521
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:25:08 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「これまでの星でそうやって商売してましてね。あっしの商品を断る人なんていやせんでした。」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「この星に来るまでね。」
('A`)「?」
/ ,' 3「この地球で初めて出会いましたよ。あっしの商品を断った方に。」
/ ,' 3「あっしの人生で初めてでしたよ。」
/ ,' 3「でもあの方はわかってやした。そんなものに頼っていてはだめになると。自分の力でそのレベルにたどり着かなきゃいけないのだと。」
/ ,' 3「そういう心の強さが必要なんですよ。」
('A`)「やっぱすごいな地球人は……」
/ ,' 3「でもその方は旦那の身近にいますぜ。」
('A`)「え?」
/ ,' 3「ギコ隊員ですよ。ギコ隊員。」
('A`)「あぁ、あいつか。そりゃそうだよな。あいつ自力でヴィプトラブレスレットを使う俺レベルまで来たもんな。」
('A`)「あいつスゲーよ……」
( A )「なのに俺は……」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「旦那、あっしはこの地球でもう一つ初めての経験をしやした。」
/ ,' 3「今まであっしが商品を売った方は誰一人その商品を捨てる方はいませんでしたよ。」
/ ,' 3「むしろ何が何でもその商品にしがみつく方ばかりでね。」
/ ,' 3「旦那も初めての方ですよ。あっしの商品を自分の意思で捨てた方は。」
522
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:25:35 ID:SCd38K/s0
/ ,' 3「一度手に入れた強大な力を捨てるのもまた、心の強さが必要なんですよ。」
/ ,' 3「だから自信を持ってくだせぇ。旦那は自分が思っているよりお強いお方だ。」
(*'A`)「え、そう?」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3「一応言っておきますがあくまで心の強さでっせ。」
/ ,' 3「肉体的強さは――
(;'A`)「あー、わかってるから。もうそれ以上言わなくても!」
/ ,' 3「忘れないでくだせぇ旦那。一番大切なことを。」
/ ,' 3「それさえしっかりわかっていればこの先大事なものを失わないですみますよ。」
('A`)「忘れないように今回のことは。」
/ ,' 3「あっしはこの星にすごく興味がわきました。他にも心の強い方がいるんじゃないのかと。」
/ ,' 3「だから今一度宣言させてもらいましょうか。」
/ ,' 3「あっしは地球を侵略する気はまったくありやせん。」
('A`)「今度はその約束守るよ。」
/ ,' 3「祈っておりやす。この先旦那が自分の実力で戦えることを。」
/ ,' 3「ではあっしは行きますぜ。またどこかでお会いしやしょう。」
('A`)「あぁ、また会おう。」
('A`)「後悔しないよ俺は、ヴィプトラブレスレットを捨てたこと。絶対にだ!」
そう固く誓う。
523
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:26:03 ID:SCd38K/s0
それから数週間後。
爪'ー`)「あー、まぁどうしたと言うか。」
爪'ー`)「あの調子がよかった時期は何だったんだドクオ?」
(;゚Д゚)「大丈夫かドクオ?まだ調子が悪いのか?」
(;゚Д゚)「ひょっとしてスランプとかかな?」
( ^ω^)「確変終了!確変終了!いつも通り平常運転に戻っただけだよな!」
_
( ゚∀゚)「いやー、良かったっ良かった。」
(#'A`)「ギギギギギギギギ!!!!」
ドクオもドクトラセブンも以前通りの実力に戻り今まで通りの評価に戻った。
ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!こいつマジクソ雑魚ナメクジ!!!」
ξ゚∀゚)ξ9m「プギャー!!!」
(#゚A゚)「キィィィィィィィ!!!!」
(#゚A゚)(クソォ!ヴィプトラブレスレットさえあれば!!)
(#゚A゚)(ヴィプトラブレスレットさえあればこんなことにぃぃぃ!!!)
ヴィプトラブレスレットを捨てたことを全力で後悔するドクオであった。
第十七話『怪しい老人』
終わり
524
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 03:28:43 ID:SCd38K/s0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
今後の予定としてあと二話通常回をやった後、前編後編の最終回になります。
あともう少しですが、お付き合いいただければ幸いです。
525
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 04:03:53 ID:EPoWiCx.0
どう転ぶかと思ったけどええ話じゃった
526
:
名無しさん
:2019/01/06(日) 09:40:28 ID:IdqEt8vc0
乙!!
527
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 00:21:13 ID:T3.6Y97Y0
ツンヌが負け越すとかどんな化け物だよw
乙でした
528
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 05:02:20 ID:EL2kZmRw0
おつ
ツンヌが最強じゃないの…?
こいつらを巨大化できる装置を開発したらどんな宇宙人でも勝てるだろ
529
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 05:36:25 ID:9eam0mbw0
>>528
そうだな…………
色々と滅ぶんじゃね?
530
:
名無しさん
:2019/01/07(月) 20:23:30 ID:5txTNqUg0
明けましておめでとさんさん
いつも楽しく読んでます。今年も期待してまっせ
531
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:50:38 ID:djBPHcOU0
第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』
prrr
( ^ω^)「はい、こちらヴィプトラ警備隊作戦室。どうなされました?」
( ^ω^)「!!」
( ^ω^)「なに!ふむふむ!分かった!」
ガチャリッ
( ^ω^)「隊長!」
爪'ー`)「どうしたブーン?」
( ^ω^)「今、モララー星人を目撃したとの連絡が……」
爪'ー`)「……」
(;'A`)「……」
作戦室にかかってきた電話。
その電話一本で忙しそうにしていた作戦室は静まり返る。
みな黙ってフォックスの方を覗いていた。
表情はいつも通りではあったが、その瞳には怒りが感じられるのだ。
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「場所は?」
( ^ω^)「AA地点にある小さな村の古い駄菓子屋だそうです。」
爪'ー`)「そこはジョルジュとギコが謎の怪電波を探知して調査しに向かった場所だな。」
爪'ー`)「なるほどそういうことか……」
爪'ー`)「HAHAHAHA!!」
爪'ー`)「よし残りの連中も出発するぞ!」
( ^ω^)('A`)ξ゚⊿゚)ξ「了解。」
532
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:51:05 ID:djBPHcOU0
AA地点に向かうヴィプンター内。
ξ゚⊿゚)ξ「チッ、また田舎かよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「つーか全員で行く必要ないんじゃねーの?」
( ^ω^)「いやそこはさ、ツンヌもいろいろ感じようよ。この空気。」
爪'ー`)「……」
('A`)(ホント重っ苦しいこの空気)
(,,゚Д゚)「ギコからヴィプンターへ、ギコからヴィプンターへ。」
先にヴィプトラホーク1号で現場に着いていたギコから通信が入る。
爪'ー`)「こちらヴィプンター。」
(,,゚Д゚)「現在通報があった駄菓子屋の前で待機中。先に中に入り制圧しましょうか?」
(,,゚Д゚)「やはりここは隊長を待ちますか?」
爪'ー`)「いや構わん。大切なのはいち早く奴を仕留めることだ。」
爪'ー`)「何かされる前に仕留めるんだ!」
(,,゚Д゚)「しかし、モララー星人は隊長の因縁の相手では?」
爪'ー`)「フッ、ああそうさ。」
爪'ー`)「奴のことはこの何十年一度だって忘れたことはない。」
爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」
爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」
爪;'ー`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「テメーその話は何度も聞いた。」
533
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:51:31 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「要約してやろうか。」
ξ゚⊿゚)ξ「昔、侵略者追ってた。」
ξ゚⊿゚)ξ「仲間がトラップにかかって死んだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「絶対許さねぇ!」
ξ゚⊿゚)ξ「以上。」
ξ゚⊿゚)ξ「おい、三行で済んだぞ。なんでいつも長々テメーの昔話に付き合わねぇといけねぇんだ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「一回聞けば十分なんだよ。これで何度目だその話!」
ξ゚⊿゚)ξ「なんならもっと簡潔にしてやろうか?」
ξ゚⊿゚)ξ「絶許」
ξ゚⊿゚)ξ「以上。」
ξ゚⊿゚)ξ「おいこら二文字で済むぞ。」
爪;'ー`)「あぁ……うん……ごめんね……」
(;^ω^)「ちょっ……隊長!!我々はその話聞きたいです!!」
(,,゚Д゚)「ええ!隊長の口から何度でも聞きたいですよ!」
('A`)「お願いです隊長!いつものように話してください!」
_
( ゚∀゚)「これから乗り込む我々の士気を高めるためにもぜひ!」
爪*'ー`)「みんなそういうなら仕方ないな。」
爪'ー`)「そうあれはまだ俺が二十台の頃だ……」
爪'ー`)「今もしっかり覚えてる。あれはひどい嵐の夜だっtξ゚⊿゚)ξ「その話長いん?」
_
(;゚∀゚)爪;'ー`)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「……」
ξ゚⊿゚)ξ「大概にしろよテメーら。」
534
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:51:54 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「……」
(;^ω^)(;'A`)「……」
(;'A`)(すごく気まずい)
(;^ω^)(なんていたたまれないんだ)
とても感じ悪いヴィプンター内。
仕方ないので代わりにフォックス隊長の回想。
これはまだ彼が二十台の頃だ。
ひどい嵐の夜、もう使われていない工場で彼は戦友と地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。
(*‘ω‘ *)「オイオイ、モララー星人ってのはこの程度かよ!」
爪'ー`)「はっ!数だけしか能のないのか!」
『ぐわー!!』
『ギャアァァァ!!』
次々と光線銃でモララー星人を仕留めていく若かりし頃のフォックスと戦友ちんぽっぽ。
(*‘ω‘ *)「おいフォックス!お前なん人倒したよ?」
爪'ー`)「ざっと十人だな。お前は?」」
(*‘ω‘ *)「俺も十人だ。」
爪#'ー`)「チッ、同数か……」
(*‘ω‘ *)「この俺についてこれてんだ十分に誇れよ。」
爪#'ー`)「そうはいかねぇんだよ!!」
爪#'ー`)「今日多く倒した方が渡辺に告白する権利を手に入れる約束だろ!!」
爪'ー`)「だから…俺は絶対に勝つんだ!今日お前に!!」
(*‘ω‘ *)「……」
(* -ω- *)「正直俺はそんな勝負どうでもいい。」
爪#'ー`)「なんだと貴様!!」
535
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:52:15 ID:djBPHcOU0
(#・∀・)「チクショウォォォ!!」
(#・∀・)「おのれ地球人ども!!よくも我が同胞たちを!!」
侵略してきたモララー星人最後の生き残りが叫んだ。
(#・∀・)「許さん……許さんぞぉ!!」
(#・∀・)「絶対に復讐してやる!!」
そう言いながらモララー星人は工場から逃げ出していった。
爪'ー`)「おあつらえ向きに一人残ってたじゃないか!」
爪'ー`)「あいつは俺がいただく!!」
無警戒にモララー星人を追いかける。
(*‘ω‘ *)「!!」
(*‘ω‘ *)「待てフォックス!!」
モララー星人が居たあたりに近づくとピーっと言う機械音が聞こえた。
それは小型な爆弾であった。人が近づくと作動するタイプ。
モララー星人が逃げるときに設置していったのだ。
爪;'ー`)「しまっ――
真夜中、そして嵐だったせいで気づきにくいが普段なら……慎重に対応していれば簡単にわかったはずだ。
だがその時のフォックスは焦りから判断を間違えたのだ。
爆発音とともに吹き飛ぶ。
爪;'ー`)「グッ……」
数メートルほど吹き飛んだフォックスだったが、思いのほか軽傷だった。
爪;'ー`)「はっ!」
自分がなぜ軽傷だったかそのわけがすぐにわかった。
(* ω *)「……」
爆発の直前にちんぽっぽがかばってくれたのだ。
そのちんぽっぽは重傷でもう手の施しようがない。
536
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:52:55 ID:djBPHcOU0
爪;'ー`)「おいちんぽっぽ!!しっかりしろぉ!!」
爪;'ー`)「なんで俺なんかかばったんだよ!!」
(* ω *)「お…俺よりお前の方が生きるべき人間だからさ……」
爪;'ー`)「?!」
(* ω *)「お前は俺とは違う……人のためにヴィプトラ警備隊に入って人のために戦える奴だ。」
(* ω *)「なにより人のために泣いて怒って……人を愛せる人間だ……」
爪;'ー`)「馬鹿野郎それくらいお前だって――」
(* ω *)「俺はそんなふうにはできなかった……だって俺は復讐のために戦っていたから……」
(* ω *)「子どもの頃に家族を侵略者どもに殺されたあの日から!」
(* ω *)「その日から俺は一人でも多くの侵略宇宙人をこの手で始末することばかり考えていたんだ……」
(* ω *)「だから死ぬときは戦いの最中だって思ってたよ……」
爪;'ー`)「だからって……」
(* ω *)「ずっと復讐ばかり考えていたが今は悪い気分じゃない……戦友のお前を守れて……」
(* ω *)「お前と渡辺のおかげだよ俺がこうして人間みたいなことを思えるのは……」
(* ω *)「だから勝負がどうとかじゃなくてお前の気持ちを伝えてやれ、待ってるはずだよ彼女は……」
(* ω *)「それに他の奴は馬鹿にしてたが俺は嫌いじゃなかったぜお前の夢……」
爪;'ー`)「俺の夢?」
(* ω *)「前に言ってたろ……いつか…きっといつか宇宙人とか地球人とか関係なく手を繋ぎあえる平和な世界が来るといいって……」
(* ω *)「確かにお花畑みたいな話だけどさ、いつかそんな平和は時代が来る……と…い…い……」
爪;'ー`)「ちんぽっぽ?!」
爪;'ー`)「オイ!!」
爪;'ー`)「……」
爪;ー;)「うわぁぁぁぁぁ!!!」
537
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:53:22 ID:djBPHcOU0
フォックスはひたすら叫んだがその声は嵐に消されてしまった。
その後、血眼になってモララー星人を探すが一向に見つかることはなかった。
地球から逃げたのか今でも侵略の準備をしているのか、はたまた応援が来るのを待っているのか。
そして長い月日が流れた。
だが、時間はフォックスの復讐心を消すことはなかった。
そして現在。
爪'ー`)(ついに見つけたぞモララー星人)
爪'ー`)(長年の恨み……)
爪'ー`)(……)
爪-ー-)(……)
(;^ω^)「もう少しでつきますよ隊長。」
(;'A`)「その村って何か観光名所とかあるのかな?」
(;^ω^)「いやー何にもない村だそうだぜ。」
(;^ω^)「でもそういうところこそ混浴温泉とかありそうだよな。」
(;'∀`)「そりゃぁいい、後で調べてみようぜ!」
重っ苦しい空気を何とか和ませようとする二人。
ξ#゚⊿゚)ξ「テメーら遊びに行くんじゃねぇんだぞ!!」
(;^ω^)(;'A`)「はい……」
ξ゚⊿゚)ξ「これだから田舎に行くのは嫌なんだよ。」
どうやらもうどうしよもないようだ。
538
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:53:46 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「よし、じゃぁ二人で乗り込むぞ!」
_
( ゚∀゚)「できればみんなと合流してからの方がよかったんだが……」
(,,゚Д゚)「ビビってんなよ。感づかれて逃げられたら元も子もないだろ。」
(,,゚Д゚)「突入してこっちの指示に従うようなら拘束、抵抗するようなら攻撃だ!」
_
( ゚∀゚)「了解!」
光線銃を構えた2人が駄菓子屋に乗り込んだ。
(,,゚Д゚)「モララー星人!おとなしく降参しろ!!」
( ・∀・)「おやまぁいらっしゃい。」
肌は青色、髪の毛は赤い、目の色は黄色いモララー星人が出てきた。
( ・∀・)「いつか来るだろうとは思っていたが、今日がその日か……」
( -∀-)「言う通りに従うよ。」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)「!」
思った反応とは違い従順であった。
_
( ゚∀゚)(罠か?)
(,,゚Д゚)(そんな感じではなさそうだが)
逃亡生活に疲れて侵略するのをあきらめたのか?
それともまた違い、まるですべてを受け入れるという覚悟が感じられた。
その後、二人の指示に従い両手に手錠をはめられた。
_
( ゚∀゚)「ジョルジョよりヴィプンターへ。」
爪'ー`)「こちらヴィプンター。」
_
( ゚∀゚)「現在駄菓子屋に突入して標的を確保。」
_
( ゚∀゚)「モララー星人は無抵抗でしたので現在拘束中です。」
爪'ー`)「なに?!」
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「そうか、了解。」
539
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:54:10 ID:djBPHcOU0
( ^ω^)「流石ギコとジョルジョだな!あっという間に制圧するなんて。」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ、面白くねぇ。長年逃げのびたやつだというからどんな奴かと期待してたんだがな。」
('A`)「でもこれであとは隊長が焼くなり煮るなり好きにできますね!」
爪'ー`)「……」
('A`)「?」
('A`)(どうしたんだろ隊長)
( ^ω^)(きっとどうやってギタギタのボコボコにするか考えてるんだよ)
('A`)(ひー、恐ろし)
それからほどなくしてヴィプンターが到着した。
その頃には騒ぎを聞きつけた村人たちが駄菓子屋に集まっていた。
( ^ω^)「ほらほらどいたどいた!後の始末は我々ヴィプトラ警備隊がするからみんな早く帰りなさい!」
村人1「待ってくれ、確かにモララーは宇宙人かもしれないが悪い奴じゃないんだよ!」
村人2「そうだあいつは長年この村でオラたちと平和に暮らしてたんだ!」
子供1「やめてよぉ!僕は毎日ここでお菓子買ってるんだぞ!」
子供2「私だって!」
(;'A`)「ちょっと皆さん落ち着いて……」
ドクオたちが到着するなり村人たちが詰め寄ってきた。
ξ゚⊿゚)ξ「こいつら洗脳でもされてんのか?先にブツのめしとこうぜ!」
_
(;゚∀゚)(;^ω^)(;゚Д゚)(;'A`)「馬鹿やめろツンヌ!!」
ツンヌの殺気を感じた村人たちは逃げるように去っていった。
(;'A`)「みんな知っていたのか?」
( ^ω^)「かくまっていたとなると問題だなぁ。」
(,,゚Д゚)「みんな早く来てくれて助かった。ずっとあんな調子で大変だったんだよ。」
540
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:54:34 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「この村一帯洗脳されてんじゃねぇの?」
ξ゚∀゚)ξ「私が調査して確かめてやろうか!」
_
( ゚∀゚)「いや、手持ちにあった装置で確認してみたがその疑いはない。」
( ^ω^)「するってぇとあのモララー星人は実はいい子ちゃんだって言うのか?」
爪'ー`)「……」
(;^ω^)「そ、そんなはずありませんよね。」
爪'ー`)「まあいい。村人たちが奴のことをどう思っていようが関係ない。我々の仕事をするだけだ。」
爪'ー`)「明日、基地へと連行して裁判にかける。」
爪'ー`)「どうせ死刑だろうがな。」
( ^ω^)「隊長自らの手でケリをつけなくていいんですか?」
爪'ー`)「任務に私情を挟むな!我々はヴィプトラ警備隊だぞ!」
(;^ω^)「す、すみませんでした隊長。」
爪'ー`)「俺が一晩ここに泊まって奴を見張る。みんなは周辺を警戒していてくれ。」
_
( ゚∀゚)(,,゚Д゚)( ^ω^)('A`)「了解!」
ξ゚⊿゚)ξ「テメーが一番私情挟んでんじゃねーかよ。」
ξ゚⊿゚)ξ「裁判なんか必要か?さっさと始末して基地に帰ろうぜ。」
その後、ブーンとドクオは駄菓子屋周辺を警備し始め、
発信源はモララー星人であろうと思われるが、ギコとジョルジョは目的の怪電波の調査にのり出した。
そしてツンヌは早く自分だけ休もうと宿を探す。
('A`)(しかしモララー星人か、生き残りがいたんだな)
('A`)(数十年前にモララー星は侵略されて滅んだって聞いたが)
541
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:55:04 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「……」
爪'ー`)「……」
( ・∀・)「あー、ずっと見つめられても照れるんだが。」
( ・∀・)「どうだい、あんたも食べないか?」
手錠をされていても器用に晩御飯を作るモララー星人。
二人分の料理を用意しちゃぶ台に座る。
( ・∀・)「このみそ汁はモララー星自慢の一品だ。」
( ・∀・)「宇宙の味をどうぞご堪能あれ。」
爪'ー`)「……」
爪'ー`)「お前はこの顔に見覚えがないのか?」
( ・∀・)「……」
( -∀-)「見覚えも何もあの夜のことは一生忘れられないよ。」
爪'ー`)「ならばお前の汚い頭に風穴開けても文句は言わないな。」
( ・∀・)「あぁ。好きなようにしてくれて構わない。」
爪'ー`)「……」
爪#'ー`)「なぜ貴様はそう冷静でいられる!!」
爪#'ー`)「俺は貴様がやったことを一日だって忘れたことはない!!」
( ・∀・)「……」
( ・∀・)「俺もそうさ。あの夜のことは忘れられない。俺はあの夜に一人ぼっちになってしまったんだ。」
爪#'ー`)「?」
542
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:55:38 ID:djBPHcOU0
あの日……地球人たちに復讐を誓ったあの日。
侵略部隊でたった一人生き残った俺は自分たちの円盤に向かいモララー星に連絡を入れたよ。
地球人たちは思っているよりずっと強いからもっと大部隊を送ってくれとな。
だが帰ってきた返事はとんでもないものだったよ。
『いま我々モララー星は侵略されている!!』
『いや違う。もう滅ぼされるんだ!!!』
(;・∀・)「な、なにを言っているんだ本部!」
『いま我々モララー星は偽モナー星人に仕掛けられた強力な爆弾で焼き尽くされようとしている!』
『ここももうじき――
そこで通信が途絶えたよ。
(;・∀・)「本部?本部!!!」
なんとも間抜けな話さ。
自分たちが他の星を侵略している隙を突かれてあっという間に滅ぼされて……
そして俺はたった一人この宇宙に残されてしまったわけだよ。
(# ∀ )「クソォ、クソォオォォ!!」
(# ∀ )「絶対に許さねぇ!!滅ぼしてやる!!こんな地球なんて星滅ぼしてやる!!」
すべてを失った俺はその怒りをこの星に向けたんだ。
一人ぼっち、そう一人ぼっちの侵略者になっても目的を遂行すると。
無我夢中で一人でも多くの地球人をこの世から消してやろうと何も考えずに円盤から飛び出していったね。
(# ∀ )「ウオォォォ!!」
その時は何も見えてなかったよ。いや本当に。
(# ∀ )「!!」
馬鹿みたいに飛び出したらさ、通りかかったトラックに轢かれて一瞬でボロ雑巾だよ。
血もいっぱい吐いた。紫色の血を。
543
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:56:05 ID:djBPHcOU0
それでもフラフラと歩いて気づいたらこの駄菓子屋の前さ。
そしたら何か異変を感じた駄菓子屋の婆さんが出てきたんだ。
丁度いい。せめてこいつだけでも道連れにしよう。そう思った。
イ从゚ ー゚ノi「……」
(#・∀ )「ば…ババア……覚悟しr……」
(; ∀ )「」
そこで俺は気を失った。
次に気が付いたときは居間で寝ていたよ。手当もされてな。
(;・∀・)「ここは?」
イ从゚ ー゚ノi「おやまぁ、気が付きましたかい。」
(;・∀・)「?!」
(;・∀・)「どういうつもりだ!!」
イ从゚ ー゚ノi「?」
(;・∀・)「見てわからないのか?俺は宇宙人だぞ!」
イ从゚ ー゚ノi「そりゃ見ればわかりますよ。」
(;・∀・)「ますますわからん?なぜ俺なんて助けたんだ?」
イ从゚ ー゚ノi「あなたが困っているような顔してましたからね。」
イ从゚ ー゚ノi「困っている人がいたら助ける。当たり前のことじゃ。そこに地球人だとか宇宙人だとかないよ。」
(;・∀・)「???」
イ从゚ ー゚ノi「行くところがないのなら、その怪我が治るまで家にいなさい。」
俺にはその婆さんが言っていることがわからなかったよ。
見ず知らずの人間どころか宇宙人だぜ?助ける意味がない。
そのはずなのに……
544
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:56:28 ID:djBPHcOU0
とりあえず傷が完治するまではこの家にいるつもりだったよ。
場合によってはここを侵略の拠点にしてやろうなんって考えもしたさ。
イ从゚ ー゚ノi「どれ傷の様子はどうじゃ?」
(;・∀・)「いでで!下手に触るなクソばばぁ!!」
イ从゚ ー゚ノi「それだけ言えればそれなりによくはなってるのぉ。」
(;・∀・)「こちらとら重傷なんだからもう少し丁寧に扱え!」
イ从゚ ー゚ノi「腹はすいたか?」
(;・∀・)「!」
そういえばいろいろありすぎてろくに食事をしてなかった。
(;・∀・)「あぁ、何か食い物はあるか?」
イ从゚ ー゚ノi「直ぐに作るから待ってなさい。」
イ从゚ ー゚ノi「それとワシの名前は銀という。お前さん名前は?」
( ・∀・)「俺の名前は……」
( ・∀・)「フンッ!貴様ら地球人ごときに名乗る名前なんてない!」
イ从゚ ー゚ノi「そうかい……」
しばらくして持ってこられた食事は初めて食べた地球の料理だった。
なんともいえない味だったよ。あの頃は。
すぐに恋しくなったね。もう食べられない故郷の味が。
それから数日後、一人で歩けるくらいには回復してトイレに行ったんだ。
途中のお部屋に仏壇があるのを見つけてな。
銀の婆さんにも旦那がいたのかと思ってちょっと覗いてみたんだ。
古い写真にはまだ少し若そうな男が写ってたよ。結婚して早いうちに亡くしたんだなって。
でもまだあったんだ。
そっち写真には比較的きれいで若い夫婦と小さな子供が写っていた。
ああ、子供夫婦と孫も亡くしてたんだな。
少しだけ同情したね。
でもだから俺を助けたんだと思ったんだよ。
残りの余生一人だと寂しいから俺を助けて恩を売って世話をしてもらうって魂胆か。
だから俺にやさしくしてたんだなって。
545
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:56:56 ID:djBPHcOU0
お前の思い通りになるか。怪我が治ったらすぐにここを出て俺の復讐を果たすんだ。
俺の復讐心はまったく消えちゃいなかった。それどころかますます大きくなっていったよ。
そんなことを思っていたら珍しく銀の婆さんの元へと客人がやってきてな。
俺は素早く押し入れに隠れたよ。だから二人の会話がよく聞こえた。
最初はなしていた会話はなんてことのないご近所の噂話さ。
それから次第に銀の婆さんの話になっていったよ。
客人「なぁ銀さんやい。今度この近くに老人ホームができるみたいだけどそっちに行く気はないかい?」
イ从゚ ー゚ノi「……」
イ从゚ ー゚ノi「いやワシはいいよ。」
客人「でも身の回りの世話も大変だろう。それに一人だと何かあった時に……」
イ从゚ ー゚ノi「馬鹿な話だと思うけど、こうしてワシが家にいれば息子家族が帰ってくる気がしてな……」
イ从゚ ー゚ノi「それにまだ学校の帰り道に駄菓子を買ってくれる子供たちがおるから店をたたみたくないんじゃ。」
客人「そうかい。でも気が向いたらいつでも言ってくれ。」
客人「だがな、ちゃんと現実は見なきゃいかんで。」
客人「お前さんの息子家族は宇宙人に殺されたことは忘れちゃいかん。だからもう帰ってこんのだよ。」
イ从゚ ー゚ノi「……」
(;・∀・)「!!!」
その後話を聞いているとよくわかった。
銀の婆さんの息子家族は長い連休の時に泊りがけでこっちに来ようとしていたらしい。
その時に運悪く地球を侵略しに来た宇宙人に襲われとても悲惨な殺され方をした。
それからまたしばらく会話したのちに客人は帰っていった。
(;・∀・)「オイ!さっきの客人の話は本当か?」
イ从゚ ー゚ノi「……」
イ从゚ ー゚ノi「あぁ本当さ……」
(;・∀・)「じゃぁなんで宇宙人の俺を助けたんだ!!」
(;・∀・)「敵だとか恨みだとかそういうのがあったんじゃないのか?!」
546
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:57:26 ID:djBPHcOU0
イ从゚ ー゚ノi「あの時も言ったろあんたが困った顔してたからさ。」
(;・∀・)「そんな訳――
イ从゚ ー゚ノi「ワシもさ家族を亡くしたときお前さんと同じ顔をしてたんだよ。」
イ从゚ ー゚ノi「悲しくて悔しくて許せなくて。そりゃ恨んだりもしたさ。」
(;・∀・)「ならなんで!!」
イ从゚ ー゚ノi「でも一番許せなかったのは宇宙人じゃない、自分自身だったのさ。」
イ从゚ ー゚ノi「あの時ワシが息子たちにたまにはこっちにおいでなんて言わなければ。無理にお願いなんてしなければ。」
イ从゚ ー゚ノi「ずっと悔やんでいたよ。だからせめてもの罪滅ぼしに子供たちにいい思いをしてほしくてこの駄菓子屋をまだ続けているのさ。」
イ从゚ ー゚ノi「だからあんたも許しておやり。自分自身を。」
( ;∀;)「!!」
イ从゚ ー゚ノi「何があったのかわわからないが、あんたの心には復讐心があるのがよくわかる。でもそれは一番許せないやつを隠すためだ。」
イ从゚ ー゚ノi「どんなに自分を恨んでも何にもならないよ。だから許しておやり。」
( ;∀;)「お…俺は地球を侵略しに来たモララー星人だぞ!!……肌の色だって血の色だって違う!!」
俺がそう言うと銀の婆さんは俺をやさしく抱きしめてくれた。
イ从゚ ー゚ノi「でも涙の色は同じじゃないか。肌の色や血の色が違うからなんだって言うのさ。」
イ从゚ ー゚ノi「あんたはあんただろ?」
イ从゚ ー゚ノi「もう自分を責めるのをやめてこれから何をすべきかをよくお考え。」
( ;∀;)「うぅ……うわぁぁぁぁぁ!!!」」
久しぶり泣いたよ。
そうさおれはずっと後悔していた。
更なる利益を求めて他の星を侵略しようだなんて欲をかいたから、他の星を支配して奴隷にしようと考えたから……
そんなことを考えないで一番大切なものを守ろうとすれば防げたのかもしれない。少なくとも一人ぼっちになんて……
バカみたいな自分が一番許せなかったんだ。
547
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:57:52 ID:djBPHcOU0
俺はこの地球に来て初めて理解したよ。
俺たちモララー星人も地球人も何も変わらないんだって。
同じように家族を愛し恋人を愛し友を愛する。
そういった同じ心を持つ同志だってことに。
なのに俺たちは……
( ・∀・)「それから俺はこの村の人たちの役に立つように頑張ったさ。」
( ・∀・)「そしたら徐々に彼らも俺のことを受け入れてくれてね。」
( -∀-)「今はだいぶ前に死んだ銀の婆さんの代わりにこの駄菓子屋をついで子供たちに菓子を売ってたんだ。」
爪'ー`)「……」
( ・∀・)「でも、だから許してくれなんて言う気はない。」
( ・∀・)「いつか俺がしたことが裁かれる日が来るなら受け入れるつもりだったさ。」
( ・∀・)「俺のことは好きにするといい。覚悟はできている。」
爪'ー`)「ケッ、なに自分だけしゃべりたいだけしゃべってんだ。」
爪'ー`)「オイ!ここは喫煙できるのか?」
( ・∀・)「あぁ、好きに吸ってくれ。」
そう言いながら灰皿を取り出す。
爪'ー`)y‐「おぅ、ありがとよ。」
爪'ー`)y‐「フーッ」
爪'ー`)y‐「お前の御託はどうでもいいが、今度は俺が話そう。」
爪'ー`)y‐「これはとんでもねぇ大馬鹿野郎の話さ。」
548
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:58:17 ID:djBPHcOU0
それはひどい嵐の夜、もう使われていない工場でそいつとそいつの戦友は地球を侵略しに来た宇宙人たちと戦っていた。
その日も順調に侵略者たちを倒していったよ。
でもそいつはライバル視していた戦友に一歩及んでいなかった。一度も勝てたことがなかったんだ。
だからくだらない賭け事をしてでも何としても勝とうとした――
ちょうどおあつらえ向きにまだ侵略宇宙人が一人残っていてこれはチャンスだと思ったんだそいつは。
奴を倒せば初めて勝てる。絶対に逃がしてたまるか。
そういった焦りのせいで逃げた侵略宇宙人が仕掛けた罠に気づかなかった。
普段だったら見落とさない物もその時は見えてなかった。
気づいたらもう吹っ飛んでたよ。でも大した怪我じゃなかった。
起き上がって周りを見てようやく状況が呑み込めた。
そいつのことを戦友がかばってくれたんだ。戦友はもう手の施しようがなかったよ。
そして戦友は最後にそいつのことを守れてよかったって言ったんだ。
戦友はそいつのくだらない夢が嫌いじゃないって言ってくれたんだ。
そのお馬鹿野郎は敵も追わずにその場で大泣きしてたよ。
もう息をしていない戦友をずっと抱きしめながら。
そしてずっと憎んで恨んだよその侵略宇宙人を。
誓ったさ、必ず敵をとると。
そうやって自分をごまかしたんだ。他の奴を恨むことで。
大馬鹿野郎は。
ずっと一番に憎んで憎んでぶちのめしたくてボコボコにしてやりたい奴から。
結婚しても、子供ができても、市や早生な時間が訪れても、そいつの心のどこかではそれが許せなかった。
一番憎い奴がなぜ幸せになっている?そう思うたびに逃げた侵略宇宙人を思い浮かべてそいつが憎いと思うようにしていた。
でも何十年と時が経とうとその憎しみは消えなかった。周りにはその侵略宇宙人を絶対に許さないとか言ってるが、本当はもうそんなつもりはないのに。
その大馬鹿野郎が一番許せなかったのは自分自身だったんだ。
あの時の自分の軽率で間抜けなことが許せなかった。
何よりそのせいで同じ釜の飯を食べ、ともに戦い続けた戦友の命を奪ってしまったことが。
その事実を受け入れられなくてずっとごまかし続けたのさ。
心の隅で本当はわかっているくせに。
しまいにゃいまだに自分のことを許せないでいる。
549
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:58:43 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」
爪'ー`)y‐「そんな大馬鹿野郎がこの地球にはいるらしい。」
( ・∀・)「……そうか。」
( ・∀・)「そいつもいつか自分のことを許せるときが来るといいな。」
爪-ー-)y‐「さぁ、来るかねぇ。そんなときが……」
( ・∀・)「いや、いつか来るさ。」
( ・∀・)「俺のようなどうしよもない奴だって許すことができたんだから。」
爪'ー`)y‐「そうか……そうなるといいな。」
( ・∀・)「さて、そろそろ湿っぽい話はやめて飯でもどうだい?この村のいい酒も出すぜ!」
爪'ー`)「そいつはいい。頂こう!」
それから二人は飯を食べながらいろいろ話した。
まるで昔からの親友のように。
爪;'ー`)「おいなんだこのみそ汁!!クソまずいぞ!!他のはなかなかの味なのにこれだけなんだ??」
( ・∀・)「失敬な!それは我がモララー星の郷土料理だぞ!」
( ・∀・)「この味もわからんとはな。いやなら俺が全部食べる。」
爪;'ー`)「それなら無理してでも食うさ……」
飯のは話から……
( ・∀・)「まじであのツンヌって隊員はやばいんじゃないか?ネットの書き込みでもすごい言われようだ。よくあんなの防衛隊に入れたな。」
爪'ー`)「あの時に戻れるなら当時の俺を殴り倒してでも阻止したいぜ。『そいつは入隊させるな!!』って。」
爪'ー`)「本当に自分勝手で上司の俺のいうことなんて全く聞かないんだもん。扱いに困るよ。」
550
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:59:09 ID:djBPHcOU0
部下や仕事の話、趣味や昔話など時間が許す限り喋る。
酒もかなり進み夜もかなり深くなってきた。
爪*'ー`)「もうこんな時間かそろそろ寝ないとな。」
(*・∀・)「おいおい、ヴィプトラ警備隊のフォックス隊長ともあろうものがこの程度の酒でもうギブアップか?」
爪*'ー`)「ハッ、この程度序の口でしかねぇ。哀れなモララー星人が明日護送中にゲロ吐かないように配慮してやってるだけだし!」
(*・∀・)「それならもう一杯乾杯しよう。一気だぞ!」
爪*'ー`)「望むところだ!」
「カンパーイ!!」
爪*'ー`)「本当にうまいなこの酒。」
(*・∀・)「……」
爪*'ー`)「どうした?」
(*-∀-)「いやちょっと考え事をな。」
爪*'ー`)「?」
(*・∀・)「最近たまに夢で見るんだ。滅ぼされた星にいた俺の家族や友達と銀の婆さんや地球の人たちが楽しそうに手を繋ぎ合っている夢を。」
(*-∀-)「自分でも馬鹿な考えだとは思うんだけどさ。いつか……いつか遠い未来にでも何星人とか関係なく一緒に暮らしていける――そんな平和な世界が、時代が来たらいいって。」
爪*'ー`)「!」
(*・∀・)「なぁフォックス、お前は来ると思うか?そんなお花畑な未来が。」
爪*'ー`)「……さぁな。」
(*・∀・)「来るわけないよなー。」
(*・∀・)「ハハ……」
爪*'ー`)「まっ、そんな夢物語を話すよりも飲みが足らんぞ!」
(*・∀・)「明日二日酔いになっても後悔するなよ。」
爪*'ー`)「HAHAHAHA!このフォックス隊長がこの程度で便所が友達になるとでも?」
551
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 22:59:55 ID:djBPHcOU0
翌朝。
( ^ω^)「おはようございます隊員、お迎えに上がりました。」
( ^ω^)「あ、こりゃぁー無理そうだな。」
爪; ー )「ウーン……」
(; ∀ )「お…起きろ…お前の部下が迎えに来たぞ……」
爪; ー )「頭イテー……」
(; ∀ )「ウェ……ちょっとトイレ篭ってくる……」
爪; ー )「待て……俺も吐きそう……」
( ^ω^)「それじゃ外で待ってますんで準備できたら来てくださいね。」
地獄の二日酔いに苦しむ二人を置いて外に停めてあるヴィプンターへ向かう。
('A`)「どうだったブーン?やっぱ無理そうだった?」
( ^ω^)「ああ。出発するまでには当分かかりそうだ。」
ξ゚⊿゚)ξ「まったく、たいそうな身分なことだぜあいつ!普段はエラソーなこと喚いてるくせに自分は侵略宇宙人と楽しく酒飲みやがって!」
ξ#゚⊿゚)ξ「頭ハイメガかよ!!」
('A`)「?」
( ^ω^)「?」
('A`)「でも何はともあれ、あとはモララー星人を基地まで護送するだけの楽な作業だな。」
( ^ω^)「本当な。協力的で助かるぜ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「だから私はさっさと帰りたいんだけど。」
(;'A`)「少しは我慢しろよ。カルシウムが足りてないんじゃない?」
( ^ω^)「のんびり待ってササッと帰って終わりにしようぜこんな楽な仕事。」
(,,゚Д゚)「いや、本当にこれで終わりか?」
('A`)( ^ω^)ξ゚⊿゚)ξ「?」
552
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:00:22 ID:djBPHcOU0
(,,゚Д゚)「妙だとは思わないか?俺とジョルジョが調査に出発してから基地に通報が入るタイミングが良すぎる。」
( ^ω^)「たまたまそういうタイミングで通報が入っただけだろ。それだけのことだ。」
(,,゚Д゚)「だがそうなるとこの村の人たちがモララー星人のことを通報したと言うのか?」
(,,゚Д゚)「昨日この近辺を調査してる間ずっとモララー星人はいい奴だから酷いことしないでくれってそこら辺の人たちから言われ続けたぞ。」
('A`)「警備してる俺たちのところにも来たなそういう人たち。」
(,,゚Д゚)「それだけ信用してる村の人が通報?」
( ^ω^)「中には嫌ってるやつもいるだろうし、たまたま通りかかった人間が通報したとか。」
(,,゚Д゚)「モララー星人が出現したのは何十年も前だぞ。その名前や姿を覚えている人間がどれだけいるか。」
(,,゚Д゚)「まぁ、嫌っている村の奴かもしれない……一応確認で基地に通報があった所を調べてもらったよ。」
(,,゚Д゚)「そしたらこの村に唯一ある公衆電話だぜ。」
('A`)「公衆電話?」
( ^ω^)「ふーむ、確かに妙だな。今の時代通報するために公衆電話なんて使わんだろうしな。」
(,,゚Д゚)「そうなると通報者は携帯電話などを持っていない人物。その上自宅の電話もないときた。」
(,,゚Д゚)「知り合いがいれば電話を借りるなりできるだろうにわざわざ公衆電話を使わなければならない。」
(,,゚Д゚)「こうは考えられないか。そいつは自分の出した怪電波をヴィプトラ警備隊に探知され調査しに来られてまった。」
(,,゚Д゚)「だから自分のことを隠すために丁度見つけたモララー星人になすりつけたと。」
( ^ω^)「他に敵がいるって言うのか?!」
_
( ゚∀゚)「その可能性が高そうだ。」
_
( ゚∀゚)「やっと怪電波の発生源を探知したぜ!」
('A`)「場所は?」
_
( ゚∀゚)「モララー星人のいる駄菓子屋とは違う場所だな。あっちの森の方だ、みんな付いてきてくれ!」
('A`)「よし行こう!」
ξ゚⊿゚)ξ「はぁ?森とか勘弁しろよ!お前らだけでどうにかしろよ!!」
553
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:00:47 ID:djBPHcOU0
四名は探知機が示す方へとへと向かう。
_
( ゚∀゚)9m「あそこだ!」
ジョルジョが指さす方に見知らぬ宇宙人たちがせっせっと作業をしているようだ。
( ^ω^)「みんな一旦隠れろ。」
すぐさま物陰に潜みその様子をうかがう。
( ゚¥゚)「どうやら上手くヴィプトラ警備隊を欺けたようだな。」
( ゚¥゚)「いやー運よくモララー星人の生き残りがいてよかったぜ。」
( ゚¥゚)「もうじきヴィプトラ警備隊も引き上げていくだろうさ。」
( ゚¥゚)「さっさとこの爆弾の設置作業を終わらそうぜ!」
( ゚¥゚)「これで地球も火の海になる。」
('A`)「!」
('A`)(奴らは偽モナー星人!)
偽モナー星人とは数十年単位で住んでいる星を別の星へつ移り住む連中だ。
その際に手ごろな星を見つけては協力な爆弾でその星を火の海にして自分たちの住みやすい環境に変えてしまうのだ。
そうやって滅ぼしてきた星は数知れず。
(;'A`)(そうなるとあれは爆弾か……)
_
( ゚∀゚)「何やら物騒なものを仕掛けているようだが。」
(,,゚Д゚)「地球へのプレゼントってわけではなさそうだな。」
( ^ω^)「なんにせよコソコソしている奴らがいいことしてるわけない。一気に制圧するぞ!」
( ^ω^)「準備はいいな!行くぞ!!」
_
( ゚∀゚)('A`)(,,゚Д゚)「オゥ!」
掛け声とともに偽モナー星人に突撃する。
( ;゚¥゚)「?!」
( ;゚¥゚)「しまったヴィプトラ警備隊だ!」
「オラァァァ!!」
「ウギャァァァァ!!」
554
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:01:12 ID:djBPHcOU0
電光石火のごとく数人いた偽モナー星人を始末する。
( ^ω^)「ざっとこんなもんか。」
(,,゚Д゚)「で、これをどうするよ?」
_
( ゚∀゚)「!」
_
( ゚∀゚)「おい待てこれ動いいてるぞ!」
(;'A`)「しまった!」
( ゚¥゚)「残念だったなヴィプトラ警備隊の諸君。この爆弾が作動した以上もう地球はおしまいだ!」
一人生き残っていた偽モナー星人が爆弾を作動したのだ。
( ゚¥゚)「これ一つで地球全体が火の海だ!あと数分の命をせいぜい必死に生きるがいい!」」
( ゚¥゚)「フハハハハハ!」
そう言いながら強大化する偽モナー星人。
(;'A`)「クソォ、どうする?」
( ^ω^)「慌てるな。俺とドクオで応戦するからその隙にジョルジュ、ギコはヴィプトラホーク1号に迎え。」
( ^ω^)「奴を倒さないことには爆弾の解除もできん。」
(,,゚Д゚)「了解、ジョルジュ行こう。」
ブーンとドクオが地上から光線銃で攻撃するがあまり効果は薄いようだ。
( ゚¥゚)「その程度の攻撃が通じるか!これでも食らえ!」
口から毒ガスを吐き出す。
(;^ω^)「うげぇ!これはまずい。一旦後退するぞ!」
ガスの中ヴィプンターの方へと向かうブーン。
('A`)(よし、今なら)
懐からドクトラアイを取り出す。
∞⊂('A`)
(∞)「デュワ!」
555
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:03:26 ID:djBPHcOU0
('A`)「デュワァ!」
( ゚¥゚)「む!ドクトラセブン!」
毒ガスを吐き続けているがものともせずに殴り掛かる。
(#'A`)「ダァァァ!」
何発も何発も。
( ;゚¥゚)「ウグゥ……」
必死の反撃で殴り返してくるが、その勢いを利用して巴投げだ。
投げ飛ばした後は素早く駆け寄り偽モナー星人の両足を持つとジャイアントスイングでさらに投げ飛ばす。
( ;゚¥゚)「こ、この野郎!!」
起き上がった偽モナー星人は飛び蹴りを放つが、サマーソルトキックで迎撃される。
('A`)「デュワァ!」
( ;゚¥゚)「ぐへぇ……」
そしてヴィプトラホーク1号が到着した。
(,,゚Д゚)「攻撃開始!」
ヴィプトラホーク1号のレーザー攻撃が偽モナー星人を襲う。
たまらず転び回る偽モナー星人にしっかりと狙いをつけるドクトラセブン。
必殺のドクトラショットを放ち爆死させる。
( ;゚¥゚)「ひどぉぉぉっぉ!!」
('A`)「ふう。」
一息つくドクトラセブンだが、まだ終わってはいない。
一番まずいものが残っている。
(;'A`)「グググ……」
爆弾の表示を見ると爆発まであとわずかだ。
一発で地球を火の海にできる破壊力を持つ爆弾。
飛んで宇宙に運んでも安全な距離まで運ぶ時間がない。
(;'A`)(ならドクトラワープで……)
しかし、ドクトラワープはエネルギーを激しく消耗するので多用はできない。
つまりそれで遥か遠くの宇宙に運んでもドクトラセブン自身は安全なところまで逃げれない。
556
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:03:58 ID:djBPHcOU0
(;'A`)(ドクトラワープを使えば俺は無事ではいられない)
('A`)(いや、地球のためならこの命惜しくない)キリッ
覚悟を決めるドクトラセブン。
( ・∀・)「待つんだドクトラセブン!」
駄菓子屋から外に出ていたモララー星人が声をかける。
('A`)「!?」
( ・∀・)「君は地球のために自分の命を捨てようとしているね。」
( ・∀・)「大丈夫だ。俺にいい考えがある。」
( ^ω^)「なに?どうするというのだ?」
( ^ω^)「あれを仕掛けていた連中は物の数分で爆発すると言っていたぞ。」
( ・∀・)「駄菓子屋の裏には俺が乗ってきた円盤が隠してある。」
( ・∀・)「そいつにはあと一回分ワープするだけのエネルギーは残っているからそれで爆弾を運ぶのさ。」
爪'ー`)「お前……」
ξ゚⊿゚)ξ「はっ、何を言うかと思えばそうやって自分だけ助かろうって魂胆か。」
ξ#゚⊿゚)ξ「逃がすわけねぇだろうがよ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「なんなら今すぐにでも始末してやろうか?」
爪'ー`)「待てツンヌ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あぁ?」
ξ゚⊿゚)ξ「テメーはその侵略宇宙人を信じるっていうのかよ?!」
爪'ー`)「ああそうだ。」
( ^ω^)「……」
557
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:04:24 ID:djBPHcOU0
ξ#゚⊿゚)ξ「馬鹿かよテメーは!!なに敵の言葉を信じてんだ?」
ξ#゚⊿゚)ξ「今地球が滅ぶかの瀬戸際なんだぜわかってんのか??」
爪'ー`)「わかっている。あいつは信じられる奴だ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「テメーまさか一緒に酒飲んだくらいでそいつとお友達にでもなったって?」
ξ゚⊿゚)ξ「こりゃ笑える。」
ξ゚⊿゚)ξ「人間とゴキブリが友達になれるか?」
ξ#゚⊿゚)ξ「なれるわけねぇよなぁ!!そんな奴がいたら顔が見てみたいぜ!!」
ξ゚⊿゚)ξ「あんな気持ち悪く悍ましくて存在自体許せない生物となんてよぉ!一緒の空間にいるだけでも勘弁だぜ!そんなのと不可能だよなー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「それ以上に不可能なんだよ!!侵略宇宙人とお友達になるなんてなー!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「まさか安っぽくて中身のねぇ感動話でもされて心許したとか言わねぇよな?」
ξ#゚⊿゚)ξ「そんなくだらねぇ話信じねぇよなぁ!!」
爪'ー`)「すべての責任は俺が負う。だから頼むツンヌ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「話になんねー!!」
( ^ω^)「ツンヌ、隊長を信じろ。」
( ^ω^)「大丈夫だ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「チッ、勝手にしろ。」
558
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:04:50 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)「すまない。」
( ・∀・)「大丈夫かフォックス?」
爪'ー`)「漏らすかと思ったよ。」
( ・∀・)「だが聞いていた話よりずっと聞き分けのいい部下じゃないか彼女。」
爪'ー`)「今日はだいぶ機嫌がいいらしい。」
( ・∀・)「でも本当にいいのか?」
爪'ー`)「なんだ嘘ついたのか?」
( ・∀・)「いや。あとのことは任せてくれ。」
( ・∀・)「あ、でも一つ嘘はついたな。」
爪'ー`)「?」
( ・∀・)「昨日のみそ汁はモララー星の味を再現しようと失敗したやつだ。」
( ・∀・)「もう郷土の味を思い出せなくてね。本当はあんな味じゃなかったよ。」
爪;'ー`)「おま……」
( ・∀・)「ははは、そういうことだ。」
そう言いながらモララー星人は円盤へ向かった。
爪'ー`)「まったく……」
その光景を見送る。
559
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:05:15 ID:djBPHcOU0
( ・∀・)「さぁ、何十年ぶりだがちゃんと動いてくれよ円盤ちゃん。」
円盤にたどり着いたモララー星人は急いで円盤を起動させる。
( ・∀・)「よかったまだ生きてる。」
フラフラと上昇し始めた円盤は千鳥足のように不安定になりながら爆弾の上空まで飛んで行った。
(;・∀・)「いやぁ、久しぶりの運転の上に二日酔いときた。一発免停だなこりゃ。」
(;'A`)「……」
( ・∀・)「あ、ちゃんと仕事はこなすから安心してくれ。」
円盤の下から爆弾めがけて光を当てると爆弾が浮き上がり円盤内に収納された。
( ・∀・)「ドクトラセブン、地球のことは頼んだぞ。」
( ・∀・)チラリ
円盤からフォックスの方を見つめる。
( ・∀・)「……」
( -∀-)「さて、そろそろ行くかな。」
( ・∀・)「さらばだ地球よ!」
モララー星人が乗る円盤が光に包まれるとその姿を消した。
爪'ー`)「あばよ、モララー。」
560
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:05:43 ID:djBPHcOU0
偽モナー星(元モララー星)では偽モナー星人が、地球が火の海になるのを今か今かと待ちわびていた。
( ゚¥゚)「もう少ししたらあの青い星が真っ赤に染まるぜ!」
( ゚¥゚)「ヒヒヒヒヒ!楽しみだなぁ!」
( ゚¥゚)「あの美しい星が荒れ果てた大地しかなくなるんだ。最高な光景が見られるぜ!」
地球が滅ぶ瞬間を楽しそうに待っている彼らの元に一機の円盤が現れた。
( ・∀・)「今帰ったぞ我が故郷よ!」
モララー星人が乗る円盤だ。
もうそこはモララー星人が知る自分の星ではなかった。
( ゚¥゚)「なんだありゃぁ?」
( ゚¥゚)「どこの奴だ?」
( ・∀・)「どうも初めまして俺はこのモララー星のモララー星人さ。」
( ・∀・)「君らも一緒に派手に逝こうぜ!」
( ;゚¥゚)「モララー星人?生き残りがいたのか!」
( ;゚¥゚)「まさか復讐に来たのか?!」
( ;゚¥゚)「ひぃぃ!!」
( ・∀・)「だいぶ変わっちまったなこの星も。」
( -∀-)「でもまぁいい人生だったよ。」
( -∀-)(最後に親友もできたしな)
( -∀-)(おれは一人ぼっちじゃなかったんだ)
「あれを打ち落とせー!!」
「亡霊ごときが今更なんのようだ!」
騒ぎ始める偽モナー星人たちだったが、一瞬にして光に包まれた。
偽モナー星、元モララー星はもう一度炎に包まれたのだ。
561
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:06:06 ID:djBPHcOU0
ξ゚⊿゚)ξ「敵を倒して地球が無事で万事解決ってんのはわかる。」
ξ゚⊿゚)ξ「じゃぁ今は何の時間なんだ?」
ξ゚⊿゚)ξ「なんでやること終わって基地に帰らねぇんだ?」
ξ#゚⊿゚)ξ「なんであのおっさんは一人黄昏て哀愁漂わせてんだ?」
('A`)「人間そういうときも必要だよ。」
( ^ω^)「そうそう、今は少しゆっくりしようぜ。」
ξ#゚⊿゚)ξ「私はさっさと基地に帰ってゆっくり休みたいの!なんでこんな何もない田舎で時間つぶさなきゃいけないの?」
ξ#゚⊿゚)ξ「ああぁぁあぁ!!」
ξ#゚⊿゚)ξ「もう我慢ならん!!あのおっさんぶちのめして帰るぞ!!」
('A`)「おっとそうはいかないな。」
( ^ω^)「隊長の元に行きたいなら我々を倒してからにするんだな。」
_
( ゚∀゚)「四対一だ!さすがのツンヌだって人数差はどうしよもない!!」
(,,゚Д゚)「悪いが今日の俺たちは一味違うぜ!」
ξ゚⊿゚)ξ「……」
ξ゚⊿゚)ξ「あー、そう言うならお前らちゃんと遺書は書いただろうな?」
ξ#゚⊿゚)ξ「あの世で後悔するんじゃないぞ!!」
_
(;゚∀゚)(;'A`)(;^ω^)(;゚Д゚)「?!」
手加減を知らない人間、それがツンヌ。
562
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:06:30 ID:djBPHcOU0
爪'ー`)y‐「フーッ」
煙草を吹かすフォックス。
後ろから聞こえる悲痛な断末魔には耳を傾けない。
爪'ー`)y‐「……」
爪'ー`)y‐「平和な世界か……」
昔自分でも夢見たこと。
歳を取るにつれてそれが夢物語だと段々にわかっていく。不可能だと理解していく。
爪'ー`)y‐「でもいつか来るといいなそんな時代が。」
爪'ー`)y‐「そうだろちんぽっぽ、モララー。」
そんな世界は来ないとわかっている。
でもそれでも信じたいのだ。
そんな世界が来ると信じているから戦うのだ。
爪'ー`)y‐「お前たちや俺が信じたその日が来るまで俺は…俺たちは戦い続けるさ……」
一人黄昏るフォックス。その目は寂しそうに遠くを見つめている。
第十八話 『一人ぼっちの宇宙人』
終わり
563
:
名無しさん
:2019/01/23(水) 23:07:06 ID:djBPHcOU0
今回は以上です。
いつもありがとうございます。
564
:
名無しさん
:2019/01/24(木) 00:28:56 ID:CGyEd3F20
そうかなと思ったけど投下したてホクホクの自分の作品ネタぶっこむなよww
それはそうと( ;∀;)イイハナシダナー
565
:
名無しさん
:2019/01/24(木) 07:48:17 ID:GB9YYOLs0
乙です
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