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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
179
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/29(火) 09:13:30
前スレでも少し書きましたが、爬虫類を操るウタ・ハッピーソングの登場予定はありませんね。
脱退の理由が語られることもないと思います。
180
:
名無し募集中。。。
:2016/03/29(火) 12:33:04
出ないと分かっていたけど…うたちゃん
鬼女って自分で言うのかよwそれにしてもKAST強くなったなぁ現在と一緒で(フルーツ)ジュース封印したからかな?
181
:
名無し募集中。。。
:2016/03/29(火) 13:09:02
改造手術を受けたのか??
182
:
名無し募集中。。。
:2016/03/30(水) 00:06:02
それだと前回のマツーラと変わんないから何か別の意味でサイボーグ感出してくるんじゃないか?
183
:
名無し募集中。。。
:2016/03/30(水) 01:42:52
サイボーグはカリンでしょ?
184
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/30(水) 08:56:46
「ひどい!大女ってひどい!」
「トモまで猿って言った!!」
「ちょっと、そこは軽く流してよ……」
トモが勝手につけた異名に、KASTの面々はカンカンだ。
この仲間割れの隙をついて、マイはリカコを狙おうとするが
KASTの中で唯一、つけられた異名を気に入っているカリンに服を掴まれてしまう。
「えへへ、サイボーグだってー」
(この人、やっぱり私のスピードについていってる!)
カリンはサイボーグ。
とは言っても本当に身体が機械で出来ているという訳ではない。
かつてサイボーグと呼ばれた傭兵は全身を鋼鉄で強化していたが、
カリンの肉体は正真正銘、生身のものだ。
ではどの辺りがサイボーグなのか?
その理由は、ジュースを捨てたカリンの本来の能力にあった。
「離してくださいよ!えい!」
マイは超至近距離からの蹴りをカリンの腹へとぶつけていく。
さっきは耐えられてしまったが、同じ部位への2発目はさすがに有効と考えたのだろう。
しかしカリンの表情は少しも曇ったりはしない。
瞬き一つしないのだ。
「え?……痛くないんですか?」
「うーん、よく分からないかな。」
「な、なにそれ……」
人は高揚すると脳内麻薬が分泌されて痛みを感じにくくなるものだが、
カリンのそれは人一倍効果が強かった。
機械が痛がらないのと同じように、戦闘時のカリンは常に無痛なのである。
グレープジュースを飲んで脳機能がおかしくなった時はこの特性が弱体化しがちだが、
今のカリンはシラフのまま。
ゆえにウサギの蹴り程度では苦しむこともない。
(こんな人、相手にしてらんない!)
「あっ、行っちゃダメ。」
カリンを恐れたマイは脱兎の如き速度で逃走を図るが、
またも回り込まれて、今度は正面から両腕を掴まれる。
まるでカリンだけ時の流れが速くなっているようだ、とマイは思った。
数ヶ月前まではカリンは味方のサポートばかりしていたので今回のスピードファイターっぷりは見られなかったが、
幼い頃から訓練を受け続けてきたカリンにとって、この速度で動くことくらい朝飯前なのだ。
その速さは、カリンに内蔵されている時計が「チクタク」と進んでいるようだと形容されている。
その辺りもサイボーグと呼ばれる所以なのかもしれない、
(もう!この人、本当に邪魔だなぁ!!
だったら上に逃げてやる!!)
マイはウサギの跳躍力で上方向へとジャンプすることでカリンを振り切ろうとした。
耐久とスピードに優れたサイボーグでも、マイを掴む腕の力までは強くないと気づいていたので、
今度こそ本当に邪魔者から逃れられると踏んだのだ。
サイボーグに飛行機能まで備わっていたら万事休すだったが、幸いにもそれは無かった。
もっとも、それで逃げられるほどKASTは甘く無いワケだが。
「リンカ、ここからは私に任せて。」
「!」
185
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/30(水) 08:57:40
マイが跳びあがった上方向には、既にアーリー・ザマシランの腕が伸びていた。
そしてカリンとは比較にならぬ程の握力でマイの両肩を掴み、宙ぶらりんにする。
アーリーはたまたまここに居たわけではない。マイが上に跳ぶしかないことを予測していたのである。
カリンがアレコレ手を尽くしたので、マイの退路は自ずと限定される。
ならばアーリーはその先に手を置いてやれば良いだけ。
この詰め方はさしずめ将棋のよう。
マイのCHOICEもCHANCEも読まれていたということだ。
その様子を上空から見ていたマナカは、不思議に思う。
(あのアーリーって人は戦略とは無縁と聞いていたけど……話が違う?)
敵を囲むだけの視野の狭い戦い方をするアーリーはもういない。
ジュースを飲まない選択をしたアーリーの視野はすべてを見渡すほど広いのだ。
だからこそKAST、そして番長のためにすべき次の行動が見えている。
それはマイをぐるんぐるんにブン回して鳥を追っ払うことに他ならなかった。
「とりゃーーーーー!!」
「いやあああああああ!」
両肩を掴んだまま、ジャイアントスイングをするかのようにマイを振り回すことで
無数に集まる鳥たちを散らしていく。
これはマイにダメージを与えつつも、味方のサポートまで可能な攻撃手段だと言えるだろう。
そして決定打を与えるべく、アーリーはマイを掴む手を解放する。
「キー!飛ばすよ!」
「はいよ!」
大回転による遠心力のおかげでマイは激しい勢いで吹っ飛ばされてしまったが、
サユキ・サルベの自己流カンフーの飛び蹴りは、その勢いすらも越えていた。
連日の早朝ランニングの結果、サユキの身体はジュースを飲まずとも十分に軽くなっている。
持ち前の猿のようなすばしっこさも相まって、空中戦はお手の物なのだ。
そんなサユキの蹴りを受けたマイは、無惨にも地に落とされることとなる。
「くそぉ……」
これだけの猛攻を受けてもまだ意識があるのは日々の訓練の賜物なのだろうが、
むしろマイはプライドの方をひどく傷つけられていた。
今まで体術で遅れをとった経験なんて数えるほどしか無かったので、相当悔しがっているのである。
「マナカちゃん……ごめん。」
「マイちゃん!?なんで謝るの?」
「そのリカコって子を倒すのさ……後回しにしてもいい?」
「そういうことね……マイちゃんの好きにしていいよ。」
186
:
名無し募集中。。。
:2016/03/30(水) 14:16:39
無痛ってサイボーグってよりもゾンビじゃ…この作者の事だからきっと終盤かなりエグいシーンがでてきそうw
それにしてもこれだけのネタ入れられるの凄いわ First Squeeze!網羅してるんじゃないか?
187
:
名無し募集中。。。
:2016/03/30(水) 17:17:07
無痛ゾンビの倒し方はだいたいお約束なわけだが…
そんなテンプレ展開になるのかどうかも楽しみだ
188
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/31(木) 12:58:20
仲間の意思を汲み取ったマナカは、KASTの相手をマイに任せることにした。
となると天敵リカコのいる番長の相手をする形になるわけだが、
500の白ハトを従えるマナカにはいくらでもやりようがあった。
「番長さんはたった3人なんですよね。 そんなので私の攻撃を受けきれますか?」
天使の翼で空飛ぶマナカンの指示通り、ハト達は一斉にカナナン、メイ、リカコへと飛びかかった。
その加速力はまるでミサイルののよう。
硬いクチバシの一つ一つが番長たちの身を切り裂いていく。
「くっ……結構キツイな。」
「せっかくアーリーが追っ払ってくれたのに、これじゃ意味がないじゃない!」
カナナンの算盤「ゴダン」や、メイのガラスの仮面「キタジマヤヤ」、
そしてリカコの固形石鹸「ダイスキダー」は鳥からの攻撃を防ぐにはあまりにも無力だった。
タケの鉄球「ブイナイン」、ムロタンの透明盾「クリアファイル」、マホのスナイパーライフル「天体望遠鏡」ならば明らかに有効だっただけに、
メンバーの組み合わせがこうなってしまったことを呪うしかない。
そしてこの状況では、戦士として最も日の浅いリカコは案の定パニックに陥っていた。
「リカコは最高に気分悪いです悪い悪い悪い悪い。
今噛んだ鳥でてこい!おまえ食す*\(^o^)/*
食せないね……お腹壊すね……
鳥さんは嫌い。ぶたさんは好き……ぶたさんはどうしていない?……」
戦意喪失しつつあるリカコだったが、ここで先輩であるカナナンとメイが声を投げかける。
自らも血を流しながらのエールに、リカコは心を打たれたようだ。
「しょぼくれてる場合やないで!この状況を打破できるのはリカコしかおらんのやから!」
「ムロタンとマホは私とタケを前に、最後まで攻めてたよ……リカコはどうする?」
「!!」
ハッとしたリカコは、カバンの中から固形石鹸と少量の水を取り出し、物凄い勢いで擦り始める。
彼女の石鹸の扱いはプロ級。
固形石鹸を数秒で液体石鹸に変えてしまうことくらいは容易いのだ。
そしてそうして作り上げた液体を、ガムシャラに周囲へと撒き散らす。
「おりゃああああああ!!(^o^)」
189
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/03/31(木) 12:59:10
アルバムネタはまだ温存してますよ。
好きなアルバムの一つなので、ちょくちょく使っていくつもりです。
190
:
名無し募集中。。。
:2016/03/31(木) 14:15:23
シャボンカッター!
191
:
名無し募集中。。。
:2016/03/31(木) 20:01:08
ほぉ…
マナカの目には番長のあの子はうつってない…と
192
:
名無し募集中。。。
:2016/04/01(金) 07:47:04
しーっ!
193
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/01(金) 12:58:18
鳥たちは上手く飛ぶことが出来なくなり、次々続々と地に落ちてしまう。
羽根が濡れた状態での飛行はただでさえ難しいというのに
液体石鹸なんてかけられたのだから、もう低空飛行さえも困難だろう。
その光景を見て焦ったマナカは、天使の翼を構成するハト達に高度上昇の指示を出す。
「もっと高く上がって! あの石鹸がかからないところまで!!」
自分まで飛べなくなるという最悪の事態を恐れたマナカは、
元いた地上10mの高さより更に上にいくことでリカコの攻撃を逃れようとした。
地に足のつく状況で番長たちに対抗できる自信がないため
高いところにいるというアドバンテージだけはとにかく死守なくてはならないのだ。
だがマナカがそういう行動をとることも、カナナンは想定済みだった。
「よくやったリカコ。お次はシャボン玉や。いけるか?」
「さっきのネバネバしたシャボン玉ですか?(u_u)(u_u)」
「ううん、今度は小さくて細かいシャボンで辺り一面を覆い尽くしたれ!とびっきりアワアワなヤツやで!」
「(<_<)」
リカコはカバンから複数ののストローを取り出しては、ひとまとめにして息を吹きかけていく。
そうすることによってシャボン玉が大量発生し、あっという間に番長たちや地に落ちた鳥たちを覆い尽くす。
覆ったとは言っても近くに寄れば相手がいることが分かる程度の視覚障壁ではあるが、
遥か高いところにいるマナカンからしてみれば何も見えないも同然だ。
番長たちの位置はもちろん、味方の鳥がどこにいるかも分からない。
これでは指示の出しようがないのだ。
「えっ……うそ……どうしよう。」
ここでマナカは二択に迫られる。
このまま上空という安全圏に居続けるべきか、
それとも危険を冒してシャボンの中に突撃するべきか。
194
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/02(土) 17:19:24
マナカが二者択一を迫られている一方で、仲間であるマイは地に寝かされていた。
それどころかトモ・フェアリークォーツに肩を踏みつけられてしまっている。
踏み込みがひどく強いので、少しも動ける気がしない。
「私たちを倒すって、息巻いてなかったっけ?」
「くそう……」
マイ・セロリサラサ・オゼキングは己の戦闘能力の高さを信じていた。
1対1の素手での勝負なら(水中戦でない場合に限り)カントリーガールズの誰にだって負けない自信もある。
だから果実の国のKASTくらいは自分ひとりでなんとかなると考えていたのだ。
ところが蓋を開けてみればどうだ。父から受け継いだウサギの力では4人のチームワークに全く歯が立たない。
いやそれどころかトモ、サユキ、カリン、アーリーの誰か一人とタイマン勝負をしたとして勝てたのだろうか?
それを考えると寒気がしてくる。頭の中が嫌な思いでいっぱいになる。
そうして精神が不安定になったところをトモは見逃さなかった。
「そんじゃ終わりにしよっか。グッパイ〜」
ボウ「デコピン」はしっかりと握られ、矢の先はマイの額へと向けられていた。
いくらトモの弓の腕がイマイチとは言ってもこれだけ近ければ絶対に当たる。
そうなったが最期。カントリーは大切な仲間を一人失うこととなってしまうだろう。
それは絶対に避けたいと判断したマイは必死で首から上を横方向へと動かした。
この程度の回避で射撃から逃れられるかどうかは分からないが、とにかく生きることに必死だったのだ。
その必死さが新たな隙を生む。
「弓はね、射るだけの道具じゃないんだよ。」
トモは掴んでいた矢を放しては、マイの額にボウを強く振り下ろす。
トモにとってボウは鈍器も同然。
予想外の攻撃をマイが避けられるはずもなく、脳天に直撃してしまう。
「ああ゛っ……もうっっ!!」
ここまでのペースは完全にトモが掴んでいた。
後は4人がかりで押さえつければ難なく勝利といったとこだろう。
そうなったらまだマナカに手こずっている番長たちをサポートすることだって出来たはずだ。
ところが、状況はここで大きく転換する。
195
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/02(土) 17:23:40
「え?……トモ、何してんの?……」
サユキはつい声を漏らしてしまった。
マイの肩を踏みつけていたはずのトモが、そのマイをみすみすと逃がしたのだから
そのような言葉を発してしまうのも無理ないことだろう。
はじめはマイを舐めきっての行動かもと思ったが、そのような類ではないとすぐに確信する。
何故か?それはトモの脚から大量の血液が噴出していたからだ。
まるで何か凶暴な動物に噛み千切られたかのように。
「きゃああああ!トモ大丈夫なの!?」
「カリン落ち着いて、私は大丈夫……いや、やっぱりちょっと不味いかも。
私じゃなくて、KASTのみんながさ……」
KASTが驚くのと同じタイミングで、番長たちも信じられないといった顔をしている。
こっちもこっちで完全なる勝ちムードが一転して覆されたことに対して動揺していたのだ。
「なんやあの姿は……」
「とても、禍々しい……」
マナカに二択を投げかけるところまでは確かに上手くいっていた。
だがその後にマナカが白ハトたちを開放し、代わりの鳥を呼び寄せることは予想外だった。
その新たな鳥は白ハトと違って劣悪な環境でも生きていけるし、飛ぶことだって出来る。
つまりは羽に多少の石鹸水が付着してようが飛行能力は衰えないのである。
「この姿、ですか?……"ブラック・マナカン"ですよ。」
マナカ・ビッグハッピーは黒装束を着るかのように、大量のカラスを纏っている。
この姿になったマナカに慈悲はない。性格までもが黒々としたカラスのように凶暴化するのだ。
そして、凶暴になったのはマナカだけではなかった。
「お父さんから習ったもう一つの力、見せてあげるんだから!」
マイはネコのように、いや、ライオンのように獲物を狙う目をしていた。
彼女の父はウサギの戦い方を研究したこともあったが、どちらかと言えばライオンであった時期の方が長い。
その時に培った技術やノウハウをマイに奥の手として教えていたのだ。
獅子としての闘争心を呼び起こされたマイの実力は、何段階も上昇する。
もうKASTに遅れをとったりはしない。
196
:
名無し募集中。。。
:2016/04/03(日) 07:08:02
やはりモモコの弟子!奥の手を隠し持ってたかwまだまだ隠し持ってそう…アザマナカンとかww
197
:
◆JVrUn/uxnk
:2016/04/03(日) 14:05:26
そうか!だからウサギとライオンか!
すげー勝手にすっきりしたw
198
:
名無し募集中。。。
:2016/04/03(日) 17:25:39
実際は宇宙人ていう設定らしいけどなw
199
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/05(火) 08:42:06
「へー!カントリーの子達ってみんな二つの戦闘形態を持ってるんだ!」
「は、はぃ……そうです……モモち先輩に教わりました……」
マナカやマイが戦っている場所からいくらか離れたところで、
カントリーの一員であるチサキ・ココロコ・レッドミミーが質問に応対していた。
チサキは元から人見知りな方ではあるが、今日はいつも以上に声が震えている。
やはり、ベリーズ戦士団のチナミと話すのは特別緊張するのだろう。
そこにミヤビも割って入ってきたものだから大慌てだ。
「君たちはいい育ち方をしてるね。
戦い方が2つあれば敵を惑わすことが出来るし、
それに奥の手があると思うだけで精神的に優位に振る舞える。」
「あははは、ミヤビがモモを褒めるのって珍しいね。」
「違う!今のはカントリーの子たちを褒めたんだよ!」
「はいはい、後でモモにちゃんと言っておくからね。」
リサ・ロードリソースの猛毒ガエルによる防御形態、
マナカ・ビッグハッピーの黒カラスを纏ったブラックマナカン、
そしてマイ・セロリサラサ・オゼキングのライオン形態。
これらのような第二の刃を備えていることをミヤビは評価していた。
もっとも、第二の刃どころか第六、第七の刃まで用意しているモモコを賞賛する気は全く無いようだが。
「あ、そういえばモモはどこに行ったんだろ?」
「知らないよ、さっき出かけてからそれっきり。
まったく、そろそろ船が出るというのに……」
現在、彼女らはとある建物の中に潜伏しているのだが
ベリーズと一緒の部屋にいるというだけでチサキはとても居心地悪く感じていた。
1人でも殺人級オーラを放つ達人が何人も揃っているのだから当然の感想だ。
いくらフレンドリーに話されても辛いものは辛い。
(1人じゃもたない……マナカちゃんもマイちゃんも早く帰ってきてよ〜
リサちゃんはマーサー王様とサユ王様に食事を運びに行ったきり戻ってこないし……
あぁ〜せめてモモち先輩でもいいから一緒に居て欲しい!)
チサキが不安で押し潰されそうになっていることも知らずに、
チナミやミヤビがどんどん質問を投げかけてくる。
2人からしてみればチサキが可愛くて仕方ないのかもしれない。
「チサキちゃんもやっぱり奥の手を持ってるの?」
「というより、そもそもチサキちゃんは普段どんな戦い方をするんだ?」
この問いかけに対して、チサキは少し涙ぐむ。
他のメンバーとの実力差について普段から思うところがあったのだ。
「私はダメなんです。大したことないからモモち先輩から任務を任されないんです……」
「そうなの!?そうには見えないけどなー」
「気を使わないでください、カントリーの皆からも陸や空ではポンコツって言われるんですから……」
「あの子たちがそんな悪口を言うなんて……」
「あ、普段はみんな良い子なんですよ。でも、戦闘だけは別で……」
200
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/05(火) 08:43:53
ご察しの通り、マイが戦い方の元ネタはお父さんが所属していた球団です。
201
:
名無し募集中。。。
:2016/04/05(火) 10:53:49
西の獅子ですね
てかリサがサユ王に食事だと・・・?いろんな意味で危険が危ない!w
202
:
名無し募集中。。。
:2016/04/05(火) 21:54:13
大丈夫だ、そこにはマーサー王もいる!
203
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/06(水) 02:11:04
※あくまでifのお話ということでお願いします。
おまけ更新1
リサ「サユ様、手作りクッキー(睡眠薬入り)をどうぞ。」
サユ「まぁ嬉しい。じゃあそれとそれとそれをちょうだい。」
リサ「もっと召し上がってくれても良いんですよ?」
サユ「ううん。これでもう十分。」
リサ(薬品混じりのクッキーだけ避けられてしまった……)
リサ(よほど睡眠薬に精通していないと見分けがつかないはずなのに、何故?)
おまけ更新2
リサ「サユ様のイラストを描いて楽しもう。」
マーサー王「むっ!その画力は!!」
リサ「な、なんですか?」
マーサー王「◯◯や△△の絵を描いてみてくれないか?」
リサ「あーその作品なら私も好きなんですよ。□□とかも描けますが?」
マーサー王「君とは友達になれそうだとゆいたい。」
204
:
名無し募集中。。。
:2016/04/06(水) 06:10:09
さすがサユ王…一枚上手だったかw
ダメだぁトライアングル見てからマーサー王がゼータ王で脳内変換されるw昔は精悍で美しい王を想像してたのに・・・
205
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/07(木) 12:58:49
ブラック・マナカンは漆黒の翼を広げて急降下する。
無数のシャボンが群がる領域に突入しても、そのスピードは変わらない。
悩みのタネであるリカコを捕縛するまでは決して速度を落とさないつもりなのだ。
「させるか!」
靴の裏にソロバンを取り付けたカナナンの速度も負けてはいなかった。
リカコに危害が及ばぬよう、マナカに対して高速の体当たりを仕掛けようとする。
しかしカナナンがいくら速かろうが鳥との衝突時に発生する抵抗までは無視することができない。
その結果、マナカは誰にも邪魔されることなくリカコを抱きしめることが出来た。
「さぁリカコちゃん、一緒にお空を飛びましょうね。」
「うーーーっ(o_o)高いところコワイデス。。。」
容赦が無くなったマナカは、恋泥棒のように敵を捕まえるや否や、天高くへと飛び立っていく。
無論、高くまで上がったあとはリカコを地へと突き落とすつもりなのだ。
地上にはクッションとなるシャボン玉を膨らますことの出来る人間はもう存在しない。
となればここからはマナカのやりたいように出来ることだろう。
そうなったが最期。番長だけでなく、KASTまで全滅してしまうかもしれない。
「メイ!ここでアレを使うんや……温存してるアレをな!!」
「えっ?……いいけど、そしたらリカコはどうなっちゃうの?……」
「正直、100%安全とは言えない……でも、このまま落とされるよりは希望があるはず……」
206
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/08(金) 12:56:49
KASTの面々もライオンと化したマイに苦戦を強いられていた。
肉食獣の顎の力ならば人間の四肢を噛みちぎることくらいは容易いし、
腕(この場合は前脚と呼ぶのが正しいが)のパワーも普段とは比較にならないほど強くなっている。
しかもマイはウサギのスピードやジャンプ力までも併せ持っているため、
そう簡単に危害を被ることも少なかった。
ライオンの力を発揮する以前は、同程度の速度を誇るカリンが攻撃のキッカケを作っていたのだが……
「ちょっと待って!止まってよ!」
「うるさいなぁ……えい!!」
「キャッ!!」
いくらカリンがチクタクと高速で動こうとも、マイのひと殴りで転ばされてしまう。
興奮状態では痛みを感じにくい体質のカリンであっても、
力負けで押し切られてしまってはどうしようもないのだ。
だがカリンが殴られたことは無意味にはならない。
アーリーがマイを抱きしめて拘束する隙を作ることに成功したのだから。
「はい!もう絶対放さないからね!」
「ぐぐ……苦しい……」
アーリーの抱きしめ力はなんとライオンを超えていた。
この体格差でガッチリと固められてしまったら、流石にもう動けないだろう。
そしてマイの目の前ではサユキがヌンチャク「シュガースポット」をブンブンと振り回していた。
今すぐにでも棍を脳天に叩きつけるつもりだ。
「ちゃんと押さえててよね……今終わらせてやるから。」
サユキ・サルベは自己流カンフーの精度を上げるべく、何時間もの特訓を重ねていた。
抜け駆け何も悪くない。影練習どこも悪くない。
ふくらはぎバリ筋肉って努力の証だい。
今こそその成果を出すために、ヌンチャクによる強烈な打撃を繰り出していく。
「そりゃあっ!!」
207
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/09(土) 13:54:37
サユキの攻撃を受けてはまずいと本能で理解したマイは、咄嗟にアーリーの腕に噛み付いた。
欲を言えば切断するまで顎に力を入れ続けたいところだが
ヌンチャクによる打撃を回避することが目的なので、アーリーが激痛で腕の力を弱めたところで止めておく。
そして自身に対する拘束が緩むなり、マイは体勢を低くしてサユキの脚部に飛び掛かった。
この人間がとるには難しい四つん這いの動きをすることで
ヌンチャクを掻い潜ると同時に、サユキのふくらはぎを噛んでみせたのだ。
これでアーリーの腕の力を奪った。サユキの機動力も奪った。
既に動けぬトモが何度か矢を飛ばしているが、全く当たらないので怖くもなんともない。
唯一動けるカリンも他のメンバーと比較したら非力なので、
ガチンコのパワー勝負を仕掛ければ負けようがない。
KAST全員への勝利を確信したマイはドヤ顔でサユキから離れていく。
後は付かず離れず、自分のペースで嚙みつきにいけば不慮の事故で大逆転されることもないのだ。
「ふーっ、ちょっと苦戦したけどやっぱり私の勝ちみたいですね。」
全力を出した自分は強い。
マイはそう再認識することでますます己を鼓舞していく。
しかし、そんなマイの表情を曇らせる要素が一点あった。
こんな絶望的な状況にもかかわらず、サユキが悔しそうな顔を全くしていないのだ。
むしろ笑っているように見える。
「あー、そういうことだったの。 やっと分かったよ。」
「……何がですか? 意味が分からないんですけど。」
「ううん、いや、こっちの話。」
「関係ない話は後にして欲しいなぁ……」
「関係なら無くもないんだけどね。」
「は?」
マイがキョトンとするのを横目に、サユキはカリンに声をかけていく。
敵に勝利するための指示を出そうとしているのだ。
「カリン!その子の動きをあと一回だけ止めてくれる?」
「え?……私の力じゃちょっとしか止められないと思うけど……」
「いいのいいの。後は勝手にやってくれるみたいだからさ。」
「?」
208
:
名無し募集中。。。
:2016/04/10(日) 15:59:32
文字化けなのか暗号なのか
209
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/11(月) 12:59:23
サユキがカリンに指示を出した辺りで、突然カナナンの叫び声が聞こえてくる。
それはこれから起こりうる現象に対する警告だった。
「KASTのみんな、今すぐ伏せて!!」
「「「「!?」」」」
これからマイの動きを止めにかかる算段だったが、
それよりもカナナンの警告を優先してKAST一同は伏せていく。
彼女ならば的外れなことを口に出さないだろうと判断して、無条件に従ったのだ。
「……よし、準備はええみたいやで、メイ。」
「それでは今宵も1秒演技をお見せいたしましょう。」
「お、おう。まだ夜には少し早いけどな。」
「今回ご紹介するのは、どんな乾燥地帯にも嵐を起こす女戦士のお話。」
メイがガラスの仮面を装着した瞬間、辺り一帯にとてつも無く強い雨風が巻き起こる。
こんな状況で鳥は空など飛べやしないし、ライオンだって狩りを中断する。
メイによる「マイミの演技」は、たったの1秒で敵の体勢を壊滅させて見せたのだ。
「わっ!わっ!落ちちゃう!!」
ブラックマナカンの翼を構成していたカラス達は
雨女によるハリケーンに打ち勝つことが出来ず、そのまま落下してしまった。
こうなればマナカは掴んでいるリカコ諸共、地面に衝突してしまう。
かなり高いところから落ちたので、当たりどころが悪ければ死もあり得るだろう。
それを恐れたマナカは、慌ててリカコを手放した。
重量を半分にすることで、カラスの負担を減らし、またすぐ飛んでもらうことを期待したのだ。
そして地に落ちる寸前でそれは成功する。
「あっぶない……カラスさん達、ありがとね。」
なんとかギリギリのところでカラス達は羽ばたくことが出来ていた。
冷や汗をかかされたが、これでマナカは無傷のままだ。
しかもマナカは咄嗟の判断でリカコを落としている。
これで天敵を戦線から離脱させることが出来た。そう思っていた。
だが、そんなことはカナナンが許さなかった。
「残念やったな……救助済みや。」
「カナナンさんんんんんんんんすっきすっき〜(^o^)」
リカコをお姫様抱っこの要領で抱きかかえているカナナンを見て、マナカは開いた口が塞がらないようだ。
落下地点に素早く到達すればそれも確かに可能なのだが、
それにしても難しい行為だったはず。
「この台風の中で、よくそんなことが……」
「カナはな、嵐の中でボールの軌道を計算したことがあるんやで。」
「へ?……」
「全部計算済みや。これからアンタを倒すまでの流れもな!」
「……!!」
210
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/11(月) 12:59:46
あれ、なんか化けてました?
211
:
名無し募集中。。。
:2016/04/11(月) 14:02:07
>>207
>後は付かず離れず、自分のペースで
の後が読めないの俺だけ?
212
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/11(月) 15:09:55
機種依存文字だったのかもしれませんね。
すみませんでした。 該当箇所を以下のように読み替えてみてください。
後は付かず離れず、自分のペースでかみつきにいけば不慮の事故で大逆転されることもないのだ。
「ふーっ、ちょっと苦戦したけどやっぱり私の勝ちみたいですね。」
全力を出した自分は強い。
マイはそう再認識することでますます己を鼓舞していく。
しかし、そんなマイの表情を曇らせる要素が一点あった。
こんな絶望的な状況にもかかわらず、サユキが悔しそうな顔を全くしていないのだ。
むしろ笑っているように見える。
「あー、そういうことだったの。 やっと分かったよ。」
「……何がですか? 意味が分からないんですけど。」
「ううん、いや、こっちの話。」
「関係ない話は後にして欲しいなぁ……」
「関係なら無くもないんだけどね。」
「は?」
マイがキョトンとするのを横目に、サユキはカリンに声をかけていく。
敵に勝利するための指示を出そうとしているのだ。
「カリン!その子の動きをあと一回だけ止めてくれる?」
「え?……私の力じゃちょっとしか止められないと思うけど……」
「いいのいいの。後は勝手にやってくれるみたいだからさ。」
「?」
213
:
名無し募集中。。。
:2016/04/11(月) 15:30:26
ありがとう
214
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/12(火) 12:59:41
たった1秒の嵐の影響で、マイ・セロリサラサ・オゼキングも体勢を大きく崩されていた。
豪雨の如きプレッシャーを直で浴びたので、立つこともままならない。
暴風雨の中にいるのはKASTも同じだが、マイはノンビリしていられなかった。
まだ嵐の余韻も収まらぬうちにカリン・ダンソラブ・シャーミンが走り出していたのだ。
未来へ、さあ走り出せ!とでも言わんばかりの笑顔でこちらに向かってくる。
先ほどサユキに命じられた「マイを止めろ」という指令を果たすために、
サイボーグのように機械的に動いているのだろう。
ところが、ここでトモ・フェアリークォーツが命令を上書きしていく。
「カリン!そのまま跳べ!!」
「!?」
マイを止める最大のチャンスだったにも関わらず、カリンはトモの指示通りあさっての方向へと跳躍していった。
はじめはビビっていたマイも、自身に危害が及ぶ行為ではないと分かるなり声が大きくなる。
「え?……そんな意味不明なことしてて私に勝てるんですか?」
「そうだね。カリンはアンタに勝てない。」
「今更なに言ってるんですか?そんなのとっくに知ってるんですけど。」
「ただし、強力な助っ人がアンタを噛みきっちゃうけどね。」
「!?」
トモがそう言い放った瞬間、マイの首すじから血が噴き出していく。
いや、流血したのはそこだけではない。
マイの両方のスネもとっくに真っ赤に染まっていたのだ。
自分の周りには誰もいないはずなのに、傷だけいつの間にか負っている。
そんな不思議な現象を前にして、マイは恐怖する。
「いやっ!!なんなの!?」
「君さぁ……ちょっと牙を見せすぎだと思うんだよね。」
「ええええ?」
混乱しているところにサユキが変なことを言い出すので、マイは更なるパニック状態に陥ってしまう。
「本当に強い獣は牙を隠すんだってさ。その子のようにね。」
「!!」
またも首をガブリと噛まれたところでマイは思い出した。
アンジュの番長には存在を自在に希薄にできる獣使いがいたという事を。
「リナプー……コワオールド……」
「はーい。呼んだ?」
215
:
名無し募集中。。。
:2016/04/12(火) 14:27:21
おーりなぷーがいた事すっかり忘れていたぜ(棒)
さすが省エネ無駄な体力使わず最後美味しいところ持っていくなんてw
216
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/15(金) 07:47:11
続きは夜遅くになりそうです、、、
217
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/16(土) 04:18:24
たった1秒の嵐で一気に体勢を崩されたマナカだったが
台風の中心にいたメイの顔を見るに、焦る必要はないと思い始める。
(ふぅん、どうやら嵐を起こすのは結構疲れるみたいね。)
マナカの想像通り、メイの1秒演技はかなりの体力を消耗していた。
ほんの僅かとはいえ食卓の騎士と同等のオーラを発するのだから
それに似合ったエネルギーが費やされてしまうのである。
よって、当分は雨風が来ることはないとマナカは確信する。
そう思ったマナカは、まだ動けるカラスを何十匹も招集していく。
それらを集めて巨大な怪鳥と化したマナカは、
カナナンもメイもリカコも全部引っ括めて空へと連れ去ろうとしているのだ。
「初めっからこうすれば良かったんだ……みんな仲良く、天まで登りましょ?」
カラスの羽ばたきでフワリと浮いたマナカは
アンジュの番長らを捕まえるべく、低空かつ高速で飛翔する。
長い下積み時代を経験したマナカは、ずっと空に憧れていた。
そして今、マナカは本当に天まで登る能力を手に入れている。
この力さえあれば番長だって一網打尽に出来る。そう信じているのだ。
だが、この時マナカは気づいていなかった。
長い下積みを経て、天まで登ることができたのは彼女だけではなかったのだ。
「待ってーーー!」
「え!?」
嵐の余波に乗ったまま、マナカのところまで飛んできたのはKASTの1人、カリン・ダンソラブ・シャーミンだった。
トモの「命令の上書き」によって、ターゲットをマイからマナカへと変えていたのである。
そしてカリンは風に吹かれてゆらりゆられて到達するなり、マナカにしがみつく。
それだけでマナカにとっては邪魔だというのに、
更にカリンは身体を大きく揺さぶったのだ。
「ちょ、ちょっと!そんな揺らされたら上手く飛べない……」
「うん。だって貴方を落とすために揺らしてるんだもん。」
「くっ……だったらこうしますよ!」
マナカは指をパチンと鳴らし、カラスに急上昇するよう指示を出した。
2人分の体重なのでやや重くはあるが、あっという間に5m、10mと高度を上げてみせる。
もしも落下すればちょっとやそっとの怪我では済まないような高さだ。
こうなれば流石のカリンもビビるだろうとマナカは考えた。
しかし、その考えはケーキよりもタルトよりも大甘だった。
「刺すね。」
「は?……」
気づいた頃にはマナカの横っ腹には激痛が走っていた。
何か鋭利なものによって刺された感触が確かに残っている。
「どう?私の武器。釵(さい)って言うんだよ。」
その武器はカリンの小さな手で簡単に握れるほどに軽く小さいが、
先端は針のように鋭く尖っている。
この釵、その名も「美顔針」を速いスピードで何度も刺すのがカリン本来の戦闘スタイルなのである。
だが今のこの状況ではそう何回も刺す必要はないだろう。
密着しながら、深くまでしっかりと刺すだけでマナカは苦しんでくれる。
それはもう飛んでいられないくらいに苦しいはずだ。
「何やってるんですか……もう天まで登れないかもしれないってのに……」
「私はそれで良いと思ってるよ。」
「正気ですか?……2人まとめて地面に落ちるってことですよ?」
「うん。やっぱり私、大地が好きだから。」
やがてマナカは痛みに耐えられなくなり、
2人はまるでダイビングでもするかのように堕ちていった。
218
:
名無し募集中。。。
:2016/04/16(土) 06:15:48
天までのぼれに風に揺られてサイリウムに針に大地…ってどこまでネタぶっ込むんやw次はあなたの番かな?
219
:
名無し募集中。。。
:2016/04/16(土) 06:56:07
大地www
220
:
名無し募集中。。。
:2016/04/16(土) 09:54:37
大地くそわろたwww
221
:
名無し募集中。。。
:2016/04/16(土) 20:10:59
だいちぃぃぃ!!!
222
:
名無し募集中。。。
:2016/04/16(土) 20:32:06
コマの武器がくるのかな?
ホワッチャアアアアア
223
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/17(日) 13:40:43
リカコが咄嗟に膨らませた巨大シャボンがクッション代わりとなったため、落ちた2人に大きな被害はなかったが
カリンに刺されて流血しているマナカはもはや戦える状態に無い。
なんとか上半身を起こして、後をマイに託そうとするものの、
そちらでもまた凄惨な光景が飛び込んできていた。
「マイちゃん!?……嘘でしょ……」
KASTを倒すと息巻いていたマイは、首と両足から血を流しながら倒れていた。
その側には2匹の可愛らしい小型犬と、透明化を解除したリナプーが立っている。
ハンカチで口を拭きながら、旧知の仲であるサユキに話しかけているようだ。
「たまに本気出すと疲れる……ねぇ、もう休んでいい?」
「ダメに決まってるでしょ!まだ終わってないんだから。」
「え〜?もう終わりそうじゃない?カリンが上手くやってくれたみたいだし。」
リナプーにチラリと見られて、マナカはゾクッとする。
確かに、現在カントリーが置かれている状況は最悪だ。
番長とKASTに勝てなかったどころか、このままでは本来の目的である足止めすらもままならない。
更にはマーサー王とサユの情報を得る目的で拷問を受ける可能性だってあるだろう。
自分とマイがどこまで耐えられるか、想像するだけでも恐ろしかった。
「失敗する訳にはいかない……絶対に!絶対に!!」
マナカは最後の力を振り絞って、鳥たちに指示を出した。
その指示内容は「とにかく暴れろ」というもの。
後先考えずヤケクソに場をかき乱すことでなんとか岐路を見出そうとしているのだ。
ところが、その思惑もすぐに打ち壊されてしまう。
1秒では済まない嵐の到来で、鳥たちはたちまち飛べなくなる。
「待たせたな!もう大丈夫だ!」
演技などではない、正真正銘本物のマイミがやって来たことにマナカはギョッとした。
伝説の存在が敵として立ちはだかるのはもちろんのこと、
肩にマーチャンを乗せながら涼しい顔でここまでやって来たことにも驚いているのだ。
「流石の腕前だなマーチャン! この義足、前よりずっと走りやすいぞ!」
「えへへへ……」
224
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/17(日) 13:45:36
大地ネタが好評のようで何よりですw
大地役の吉沢さんが仮面ライダーメテオなのは有名ですが、
碧のヘアメイクをやってた人も仮面ライダーバース(後藤)なんですよね。
後者は前情報になかったので驚きましたw
225
:
名無し募集中。。。
:2016/04/17(日) 14:14:01
そうすると愛子が仮面ライダーメテオで碧が仮面ライダーバースになるのか・・・
いつか生鞘で仮面ライダーアマゾンズ書いてほしいわw(完全に色だけだけど)
226
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/18(月) 12:54:47
「おー!凄いことになってる。」
番長やKASTらが戦う平原からいくらか離れた高台で、
少年とも見間違うような短髪少女が双眼鏡を覗き込んでいた。
その短髪少女に対して、長い黒髪の美しい、もう一人の少女が応答する。
「え? 番長とKASTの勝利で順当と思ってましたけど、番狂わせでも起きたんですか?」
「うん、まぁ結果は"ガール"の言う通りなんだけどさ。そこからが凄くて」
「?」
"ガール"とは長髪少女を呼ぶためのコードネームだ。
彼女らは本名を他人に知られてはならないと命じられているため、
互いにコードネームで呼び合っているのである。
ちなみに短髪の方は"ロッカー"と呼ばれている。
「聞いて驚くなよ。 なんと、すっごい美人が登場したんだよ。」
「聞いて損しました。」
「わーごめんごめん!冗談だから冷たくしないで」
「今度ふざけたら"ドグラ"や"タイサ"に言いつけますよ。」
「それだけはご勘弁を……」
「まったく、一応副リーダーなんだからしっかりしてくださいね。」
「はぁい……」
ガールに叱られてシュンとしたロッカーだったが、
すぐに真面目な顔に切り替えて言葉を続けていく。
「でもその美人ってのがさ、キュート戦士団のマイミ団長なんだよ。」
「え!?……思ったより早く着いたんですね。」
「あのマーチャンっていう人の修繕の速さが想像を超えてたってことだね……
それに、後方から大量の馬がやって来ている。
たぶん、残りのキュートや帝国剣士が乗ってるんだ。」
「……事態は深刻ですね。」
どこで情報を得たのかは分からないが、
ロッカーとガールは今回起きた大事件について精通していた。
そして、更に知識を得たいと考えている。
「こんな高台からじゃなくて、もっと近づいてみたいな〜」
「あ……でもそれは……」
「そっか、ガールはそれをつけているんだっけ。」
ガールの足首には、囚人がつけるような鉄球が鎖で結びつけられていた。
そのため速いスピードで移動することが出来ないのである。
「本当にガールは真面目だね……そんなのつける必要ないのに。」
「自分への戒めですし、それに……」
「それに?」
「こうして自分を縛らなかったら、私はロッカーを殺してしまうかもしれない。」
「ははっ、それはお互い様でしょ。」
227
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/18(月) 12:55:50
イクタの続編を書こうにもまずはマーサー王をキッチリと終わらせなきゃですねw
今回でだいぶ話が動きましたが、それでも完結までどれだけかかるか……
228
:
名無し募集中。。。
:2016/04/18(月) 13:59:44
ここに来て新キャラ!?もしやこの二人は・・・
イクタ続編も楽しみだけどまずはマーサー王の完結頑張って下さい
229
:
名無し募集中。。。
:2016/04/18(月) 17:44:15
連載開始から約1年…ついに拳士登場キターーーー!!!
イクタ続編…楽しみだけど早くても開始は5年後くらいかなw
230
:
名無し募集中。。。
:2016/04/18(月) 18:37:27
え!?拳士の方なの?やなふなかと思ってたw
231
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 00:49:37
おいおい…この内容でやなふなだと思われてたなんて聞いたら作者さん泣いちゃうぞ
232
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 06:04:38
あ…ホントだ大佐って書いてあるorz
233
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 07:34:16
それ以前に短髪少女の時点でやなふなはない
234
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/19(火) 09:13:37
今の段階で誰をモチーフにしているのか名言は出来ませんが、
ロッカーとガールの頭に「ジップ」、「おは」を付けると分かるかもしれません
235
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 10:31:05
やっぱりかw
236
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 17:27:42
ロッカーはわかったけどガールはわからなかった…
237
:
名無し募集中。。。
:2016/04/19(火) 18:02:05
ステッピーでわからんか
238
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/20(水) 12:57:19
「おいおい、戦いはもう終わっちまったのか。せっかくジャマダハルの試し切りをしたかったのによ。」
マイミに続いて、オカール、アイリ、ナカサキ、そして帝国剣士らもやってきたためマナカは酷く絶望した。
キュート戦士団が4人も揃っていて、その誰もが整備された武器を使いたくてウズウズしているのだから恐怖でしかない。
この状況では新たな鳥を数千単位で補充できたとしても焼け石に水だろう。
ゆえに、マナカは諦める他に道はなかった。
「降参します……煮るなり焼くなり好きにしてください。」
「そんなことをするつもりはない。ただ、代わりに何点か質問させて欲しい。」
「……………………」
「だんまり、か。」
ここでマナカに出来るのはただ1つ。
ベリーズが不利になるようなことは決して口外しないことだけだ。
この先どんなことをされようとも口を割らない覚悟がマナカには有るし、
そうであろうことはキュート達も感じ取っていた。
「どうする団長?こいつを拷問しても何も出てこなさそうじゃね?」
「困ったな……確かに意思は堅そうだ。」
連合軍としてはなんとしてもマーサー王とサユを救い出す手がかりが欲しかった。
そのためなら不本意ではあるがマナカとマイを傷つけることだって躊躇しない。
しかし、そうまでしても情報を得ることが出来なければ時間の無駄で終わってしまう。
ならばアリアケへと馬を飛ばすのを最優先にするのが良いのかもしれない。
一同が判断に困っていたところに、聞き覚えのある高めの声が聞こえてくる。
「マナカちゃーん、そういう時は無理せず喋っちゃっていいの。
自分の身が一番大事って教えたでしょー?」
「も、モモち先輩!!」
突然のモモコの登場にこの場にいる殆どが度肝を抜かされた。
今回の事件の主犯グループの1人が、ノコノコやって来たのだから驚かないはずもない。
マイミは嵐の勢いをますます強め、激怒した。
「モモコ!貴様何しにここに来たんだ!」
「何って決まってるでしょ。その子たちを迎えに来たの。」
嵐の中だろうとモモコは平然とした顔をしている。
同格の食卓の騎士の放つオーラなど、なんともないのかもしれない。
そんなモモコに対して、ナカサキも奇妙な怪獣を隣に添えながら声をかけていく。
「ちょっとちょっと、連れ戻すって正気?
こっちは帝国剣士も番長もKASTも居るってのに、無事に帰れると思ってるの?」
「あら意外。キュートのみんなはその子たちを戦力と思ってるんだ。」
「当然でしょ!連合軍の仲間なんだから。」
「私だってカントリーのみんなは大事な戦力と思ってるの。
どんなことをしたって無事に返してもらうよ。
例えば、ベリーズの情報を売ってでも、ね。」
「!?」
239
:
名無し募集中。。。
:2016/04/20(水) 14:03:13
まさかのモモコの裏切り!・・・ではなくて情報与えたところで勝利は揺らがないって自信何だろうなぁw
240
:
名無し募集中。。。
:2016/04/20(水) 23:44:50
緊迫した場面だろうに奇妙な怪獣という一文が文章としても映像としても何故かクスッとくるw
241
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/21(木) 13:04:38
いくらモモコが強くても、キュート4名を含んだ全員でかかれば難なく倒すことは出来るだろう。
だが、ベリーズの情報を提供してくれると言うのであれば、始末することは出来なくなる。
手がかりゼロの状態な一同にとって、情報は何よりも大事なのだ。
敵を許せぬ気持ちをぐっと抑えて、全体リーダーのマイミが尋ねていく。
「ベリーズの情報を売ると言ったが……いったいどんな情報を?」
「そうね、"明日の正午にベリーズ全員が集合する場所"……とか気にならない?」
「なんだと!そ、そこに王やサユも居るのか!?」
「そこまでは教えられない。 "ベリーズの情報"じゃないからね。
どうする?不服だったらこの話は無しにするけど。」
「いや……ベリーズ全員の居場所だけでも教えてもらえれば十分だ。 それでいいよな?みんな。」
マイミの問いかけに一同は首を振る。
マーサー王とサユが気にならないと言えば嘘になるが、
ベリーズを一網打尽にした後に、2人の居場所もおのずと判明するだろうと推測したのだ。
「分かった。じゃあ教えてあげる。でもその代わり……」
「交換条件という訳だな。要求を言ってみろ。」
「情報を伝えてから10分経つまではこの場から誰一人動かないでね。
手負いのマナカちゃんとマイちゃんを馬に乗せて逃げる訳だから、安全を保証したいの。」
「こちらが約束を破ってすぐに追ってきたらどうする?」
「そしたら困っちゃうけど……まさかそんなことはしないよね?」
「あぁ……騎士としての誇りが傷付く。」
マイミの対応を甘いと感じた者も何人かいたようだが、
ナカサキ、アイリ、オカールが揃って頷いていたので何も言えなかった。
騙し討ちで得る勝利に価値は無いと考えているのかもしれない。
しかし、キュートがそう思っていたとしてもベリーズも同じとは限らない。
特に目の前にいるモモコのことがカノンは信用できなかった。
「い、いいんですか?これ、明らかに怪しいですよ!?
今から教えてもらう場所にベリーズが居るってのが本当だとしても、
私たちをおびき寄せるための罠に決まってるじゃ無いですか!
だったらここでこの人たちを人質に取ったほうが……」
「だからお前たちはダメなんだよ。」
「えっ!?」
オカールの茶々入れに対して、カノンはビクッとしてしまう。
「罠とか関係無いんだよ。 そこにベリーズが雁首揃えて突っ立ってるんなら罠ごと全員ぶっ潰せば良い話だ。
探す手間が省けて明日にでも決着つけられるんならラッキーだろ。
違うか?」
242
:
名無し募集中。。。
:2016/04/21(木) 13:32:52
オカールカッコいいな…前作も罠が有ることを承知の上でマーサー王奪還に行ったんだもんな
243
:
名無し募集中。。。
:2016/04/21(木) 22:05:32
既にモモコに手玉に取られてるとはな…
244
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/22(金) 14:00:24
数十匹の狼に同時に噛まれたような思いをしたカノンは、ヘトヘトになってその場に座り込んでしまう。
残念なことに、カノンはオカールの勢いに対抗するだけの体力を持ち合わせていなかったのだ。
理屈も何も全部抜きで我を通すオカールには、誰一人反論など出来やしない。
「……決まった? じゃあそろそろ言うよ?良い?」
この場にいる全員の視線がモモコに集まった。
モモコもモモコで注目を浴びても緊張する素振りを全く見せず、情報を提供していく。
「アリアケ付近にゲートブリッジっていう橋が最近できたのは知ってる?
明日の正午、その橋の中心部にベリーズ全員が集まるの。」
アリアケと言えばコロシアムやディファ等の施設が有名だっただけに
「橋」のような屋外を指定してきたのは連合軍にとっては意外に思えた。
そして、橋の中心に居るのならばとある作戦がとれると、カナナンは考えていた。
(橋の両側からベリーズを挟み撃ちに出来る……!
ウチらの力は微力やけど、キュートの方々を両サイドから攻めさせたらいけるかもしれん!)
245
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/22(金) 14:00:53
ちょい短めの更新です。
夜ごろまた更新します。
246
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/23(土) 01:52:20
その後の一同は、契約通りにモモコらを無事に帰すことにした。
10分も猶予があれば駿馬サトタは遠く遥か彼方まで駆けていってしまうため
追いかけるのは初めっから無理な話だった。
「すいませんモモち先輩……私たちが不甲斐ないばかりに……」
気を失っているマイを抱きかかえながら、マナカはモモコに謝罪した。
番長とKASTを相手に結果を出すことが出来ず、
しかもベリーズの情報まで渡すこととなったので罪悪感を感じているのだ。
ところが、モモコが怒りや呆れの表情を見せることは無かった。
「んー、まぁこんなもんじゃない?」
「それは、私とマイちゃんがまだ未熟ってことですか……」
「いやいやいや、相手は8人もいたじゃないの。しかも各国の精鋭よ?
まさか本気で勝てると思ってたの?そっちの方がビックリだわ。」
「え……それは……」
「もう一度思い出してみて、私がマナカちゃんとマイちゃんに出した指令は?」
「足止め……です。」
「だったらもうとっくに達成してるじゃない。
番長とKASTどころかキュートに帝国剣士まで"10分"も足止めしてるのよ?」
「それはモモち先輩の話術で……」
「はいはいこの話はもうおしまい! そんなことよりさ、どうだったの?」
「え?何がですか?」
「番長やKASTと戦ってみた感想。」
「……強かったです。私はあの人たちを舐めきってたんだな、と思いました。」
「あははは、それが分かっただけでも任務を与えた甲斐があったのかもね。」
「マイちゃんも同じこと思いましたかね?」
「さぁ……その子プライド高いからなぁ……」
247
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/23(土) 02:01:51
「ねぇガール。連合軍の方もようやく動いたみたいだよ。」
双眼鏡で遠方を見ながら、ロッカーがガールに状況を報告する。
「10分経ったんですね。行き先はやっぱりアリアケですか?」
「うん。間違いなくそっちの方面に向かっていると思う。」
「じゃあ私たちの仕事はひとまずここまで、ってことですね。」
「後はアリアケにいる4人がなんとかしてくれるはずだもんね。
でも、俺たちのやるべき事はまだ終わってないよ。」
「分かってます。今度はモーニング帝国の方に向かわなきゃ……」
「帝国剣士の新人にもキュートのマイミ団長みたいな美人がいたら嬉しいなぁ」
「……」
「うわっ、せめて何かツッコミを入れてよ。」
「気持ち悪いので話しかけないで貰えますか?」
「冷たいなぁ……半年前はよく慕ってくれたのに。」
「記憶にないです。」
「ひどい……」
248
:
名無し募集中。。。
:2016/04/23(土) 06:33:40
この2人の話し方はサバイバーの役のイメージに近いのかな?
249
:
名無し募集中。。。
:2016/04/23(土) 12:05:59
まだもう2人温存するのか!
残りの拳士の登場が待ち遠しくてたまらん
250
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/23(土) 20:58:52
広大な湾に面した港町「アリアケ」に連合軍らは到着した。
いち早くマーサー王とサユを捜索したいところではあるが
もう夜も遅いため、明日に備えて宿をとらなくてはならなかった。
特に番長とKASTはカントリーとの戦いで血を流したので、しっかりとした休養が必要だ。
そういう事情もあって、決戦の場であるゲートブリッジの下見は帝国剣士のサヤシとアユミンが行うこととなった。
フットワークが軽いのはもちろんのこと
もしも敵に襲われた時でも対処できるように、実力者である2人が選抜されたのだ。
「とは言ってもウチもアユミンも土地勘がないけぇ、迷いそうじゃのぉ……」
「どっちかと言えばオダの奴の方が近いですよねー。」
「うーん。でもウチとオダちゃんが交代したらなんかマズい気がする。」
「んっ?何か言いました。」
「いや、なんでも……」
周囲を警戒しながら、サヤシとアユミンは橋へと向かっていく。
かなり巨大な橋なので遠くからでもよく見えるのだが、
実際に戦う場をしっかりと見ておきたいという思いもあって、近くまで接近する。
そしてあと数分で到着するといったところで、急にアユミンが足を止め出した。
すぐ横でパフォーマンスをしている、とても目立つ女性が気になったのだ。
「ねぇサヤシさん、アレなんですか?都会ではああいうのが流行ってるんですか?
いや、私の地元も都会なんですけどね。」
「ウチの地元も都会じゃけど、ああ言うのは見とらん……」
「でもあの道具は見たことあります。サユ様が演説したり、フク王が就任式で使ってたような……」
「拡声器じゃな。 庶民が持つとは珍しい……」
2人の視線の先には、拡声器で声を周囲に届けている大柄な女性の姿があった。
何故そんなことをしているのかは全くの謎だが、
それなりに人だかりが出来ているのでパフォーマンスとしては成功なのだろう。
ちょっと不思議な話し方をする女性に、サヤシ達もなんだか惹かれてしまう。
「裏ウララのぉ〜楽屋裏情報〜〜パチパチパチパチ〜
今夜お届けするのは、ゲートブリッジの裏情報についてでーす!」
「「え!?」
「その前にCM入りまーす。」
「「ええええ!?」」
251
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/23(土) 21:02:37
ロッカー、ガール、ドグラ、タイサ、そしてウララが拳士なのかどうかはちょっとよく分かりませんが、
Weekend Survivorの影響は結構受けてると思います。
ゲキハロやゲキジョ、ドラマの影響はすぐ受けちゃいますね。
252
:
名無し募集中。。。
:2016/04/23(土) 23:23:25
3人目登場キターーーー!
253
:
名無し募集中。。。
:2016/04/23(土) 23:52:34
えーっとどこからつっこもうか悩む?w
サヤシの変わりにオダになったら…なんだかんだで結婚ですねw
都会って・・・
ウララ〜♪ ウララ〜♪ 裏ウララ〜♪
ウララはブログネタでドグラは読んだ小説かな?
254
:
名無し募集中。。。
:2016/04/24(日) 00:28:44
いろいろあって結婚
255
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/24(日) 04:04:37
おまけ更新「CM」
ウララ「今日のゲストは仮称カミコさんでーす。」
仮称カミコ「本編に登場してないのにCMに出してもらえて光栄です。」
ウララ「仮称カミコさんはアンジュ王国の舎弟らしいですね。なんでも今は1人で雑務をこなしてるとか。」
仮称カミコ「第三部あたりで番長になれるように頑張ってます。」
ウララ「産まれは……なんと!イトシマの辺りなんですか。結構Distanceがありますね。」
仮称カミコ「たまには里帰りをしたいですね。」
ウララ「そんな仮称カミコさんですが、今日は何の宣伝に来たんですか?」
仮称カミコ「私がご紹介するのは、"水筒と、水筒と、水筒と……やかん"です。」
ウララ「これから夏が到来しますし、水分補給が大事になりますね。」
仮称カミコ「はい。4月27日に発売なのでぜひ買ってください。」
ウララ「以上でCMは終わりです。ありがとうございましたー。」
仮称カミコ「はい、ありがとうございました。」
256
:
名無し募集中。。。
:2016/04/24(日) 19:56:46
カミコCMw
257
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/25(月) 12:51:51
「な、なんですか今のCMは!」
「よく分からん茶番じゃったな……」
「どうせなら5月11日に発売される方を宣伝して欲しかったですよね!」
「アユミン???何のこと???」
ワーワー言っているサヤシとアユミンを一瞥しては、DJウララは進行を再開する。
「はい。本日2人目のゲストとしてゲートブリッジの管理者の方をお呼びしています。こんばんは〜」
「こんばんは。」
「管理者さんのお仕事って具体的にどんなことをするんですか?」
「私のすることは一つだけだよ。 大型の船が通る時に、機械を操作して橋を開閉させるんだ。」
「えー!?こんな大きな橋が開閉するんですか?見せてください!」
「ダメダメ。そう簡単には開けないよ。 お偉いさんの申請でもないとね。」
「なるほど。ここはマーサー王国の領土だから、食卓の騎士くらい偉くないと橋を動かさないんですね。」
「君も頑張って勉強して、いつか橋と私を動かせるくらいに偉くなるんだよ。」
「はい!」
「聞きたいことは以上かな?」
「あ、じゃあ橋の上で誰かが喧嘩でもしたらどうするんですか?」
「それは私にはどうしようも出来ないな。」
「ええ!?管理者なのに?」
「その時はマーサー王国の兵士に連絡を入れるよ。悪い奴を懲らしめてもらうんだ。」
「なるほど餅は餅屋ってことですね。教えてくれてありがとうございました。」
「いいえ。」
「裏ウララの楽屋裏情報、そろそろお別れのお時間になりました。
エンディングテーマは4月20日にリリースして絶賛発売中のあの曲です。
それでは、お相手はサクラッコ……じゃないじゃない、お相手はウララでした〜
see you again!」
放送が終わるなり逃げるようにどこかへ飛んで行ってしまうウララを見て、サヤシとアユミンはキョトンとする。
「本当に不思議な感じの子でしたね。」
「うん、でも結構重要な話は聞けた気がする……他のみんなにも教えてあげよう。」
258
:
名無し募集中。。。
:2016/04/25(月) 21:08:54
名前言っちゃってるしwてかCMが本編絡んでくるとは思わなかった
259
:
名無し募集中。。。
:2016/04/26(火) 12:44:58
名前だけだけどタイサが出てきた
どんなキャラなんだろう
誕生日おめで大佐であります
260
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/26(火) 13:59:37
翌朝の作戦会議にて、カナナンはベリーズを挟み撃ちにする提案をした。
橋の上での戦いではそれが最も有効だと考えたのだ。
「ベリーズが正午に橋の中心におるんやったら、この作戦は絶対に成功します。
連合軍を東側と西側に分けて、正午になる5分前にそれぞれが中心に突撃するんです。
こうすれば敵に逃げる隙を与えず、白兵戦に持ち込むことが出来ますよ。どうですか?」
カナナンは不安そうな顔でオカールの方を見た。
これまでの経験上、激怒してひっくり返されるかもしれないことを恐れていたのだ。
ところが、オカールも今回ばかりはそのような反応を見せなかった。
「いいじゃねぇか……ベリーズを思う存分ぶっ潰せるってことだろ。」
「はい!」
「早速東と西のチーム分けをしようぜ。 ただし、先陣切ってダッシュする役割は譲らないけどな。」
「あ、東西両軍の先頭はもともとキュート様にお任せしようと思ってました。
初撃でベリーズに有効打を与えられるのは皆様しかおらへんので……」
「そうそう、そうこなくっちゃな。」
東側からはキュートのマイミとナカサキ、帝国剣士のエリポン、サヤシ、カノン、アユミン、マーチャン、ハル、オダの9名。
西側からはキュートのアイリとオカール、番長のカナナン、リナプー、メイ、リカコ、KASTのトモ、サユキ、カリン、アーリーの10名が配置された。
敵軍はカントリー全員が加わったとしても合計10名であるため数の上では有利に見えるが
伝説の存在である食卓の騎士の人数で言えば向こうに軍配があがるので油断は出来ない。
「そろそろ時間だ!行くぞみんな!!」
マイミの鬨の声と共に連合軍は走りに走っていく。
大切な存在を取り戻すための戦いであるので、誰もが気合は十分だ。
そのため、速度をほとんど落とすことなく東軍も西軍も橋の中央まですぐに到達してしまう。
ところが、そこにはベリーズ達の姿も形も無かった。
「な!?……ベリーズが居ないだと……!」
あと数秒で正午だというのに、ベリーズは約束の地に姿を現さなかった。
橋の途中には誰もいなかった事から、すれ違いということも有り得ない。
つまりは、ベリーズはこの橋の上には存在していなかったということになる。
挟み撃ちを提案したカナナンの顔は、冷や汗でビッショリだ。
「え?……カナたち、騙されたってことですか?」
261
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/26(火) 14:02:21
オマケはあくまでオマケなので
本当にその場に仮称カミコが居たかどうかはご想像にお任せしますw
タイサは他の仲間と比較すると登場が早めになるはずです。
去年のハロステや、ドラマのラーメン大好き小泉さんを見て書きたいと思ってた話をやっと書けますね。
262
:
名無し募集中。。。
:2016/04/26(火) 20:35:07
ドラマの小泉さんとどうコラボするのか楽しみ♪
263
:
名無し募集中。。。
:2016/04/26(火) 22:16:45
橋爆破されたら終わりやん
264
:
名無し募集中。。。
:2016/04/27(水) 06:11:00
もしやその時間に橋の中央(の下)を船で通過する・・・とかじゃないよね?
265
:
名無し募集中。。。
:2016/04/27(水) 06:39:39
ベリーズの事だからただ単に遅刻って可能性が高いようなw
266
:
名無し募集中。。。
:2016/04/27(水) 08:22:28
>>264
橋…下、つまり本を…慎(進)行する……ハッ⁉
267
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/27(水) 13:49:12
とても書きにくい流れになってる……w
お昼にあまり時間が取れなかったので続きは夜ごろ書きます。
期待を裏切ることは……出来ないかもしれませんが> <
ちなみに、アップフロントのお偉いさんのことは全然頭にありませんでしたw
以下、オマケ更新
〜マーチャンがマイミの武器と義足を修理している時のお話〜
ナカサキ「ぶっちゃけ若い子達のことどう思う?見込みありそう?」
アイリ「いや〜みんな将来有望で怖い怖い。すぐに追い抜かされちゃいそうですね〜。」
オカール「絶対そんなこと思ってないだろ。 」
アイリ「そんなこと無いよ……例えばサユキちゃん。」
オカール「あの猿っぽい子?」
アイリ「赤ちゃんみたいな顔をしている子。」
オカール「やっぱり猿っぽい子か」
アイリ「前情報だとぽちゃっとしてるって聞いてたけど、今は結構シェイプアップしているし、技のキレも鋭いかもしれないね。」
オカール「そっか、それよりもリナプーって奴の方が脅威に思えたけどな。」
ナカサキ「あら、オカールが若い子を褒めるなんて珍しい。」
オカール「だってよ、アイツらの殆どが狼の殺気でびびっちまってる時にさ」
アイリ「うんうん。」
オカール「リナプーだけ俺の殺気の毛づくろいをして、お手とお座りまで仕込んでたんだ……」
ナカサキ「うえっ……」
アイリ「すごい度胸……」
オカール「恐怖だったぜ……で、ナカサキは?」
ナカサキ「うーん、私は水泳が得意だから、泳ぎながら戦える子がいたら面白いと思うかな」
オカール「前世、魚だもんな。」
ナカサキ「うっさい!怒るよ!」
268
:
名無し募集中。。。
:2016/04/27(水) 23:44:16
やっぱりタイサはラーメン大好きなんだろうな
ラーメン拳法とか使いそうww
269
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/28(木) 01:29:32
交換条件でモモコとマナカ、マイを逃したと言うのに、それが騙されたとあれば大問題だ。
このままアテも無いままマーサー王やサユを探すとなると、絶望でしか無い。
中でも一際SHOCK!を受けていたのは、ベリーズにも剣士としての誇りが残っていると信じていたマイミだった。
「どういうことだ……お前達は本当に変わってしまったのか……」
意気消沈したマイミのオーラは、もはや嵐ではなく小雨のようになっていた。
落ち込み度合いに比例して更に雨は弱まり、やがて雨そのものが降らなくなってしまう。
それに気づいたマーチャンが、不思議がって声を出す。
「あれれ?キュートさんたち、なんか弱く見えますよ。」
「こらマーチャン!おかしなこと言うなよ!」
「だってドゥー聞いてよ。いつもみたいな怖い感じの殺気が無くなってるんだよ?」
「!!」
殺気が無くなってると言われて、マイミはピンときた。
キュート全員のオーラが消えたのではなく、「消された」のだとしたら
今になってもベリーズが見当たらないことの道理が通るのだ。
「アイリ!今は何時だ!?」
「正午まであと10秒前!」
「まずいぞ……みんな!気をつけるんだ!!」
マイミがそう言うが早いか、ゲートブリッジが動き出した。
連合軍が乗っているのもお構いなしに、機械仕掛けの橋はどんどんせり上がっていく。
ほんの数秒で急斜面へと化した足場に、一同は戸惑いを隠せなかった。
「うわ!何!?」
「これはひょっとして……」
橋が開閉する理由は一つしか無い。要は、大型船がそこを通るのだ。
近くにいたことに今まで気づかなかったことが不思議なほどに大きい船が、
分断された橋の間をのうのうと通っていく。
そして正午になったその時、船は橋と橋の中心に位置していた。
「約束すっぽかしたと思った?……そんなワケ無いじゃん。ねぇ。」
「モモの言うことだからそれもあり得ると思ったんだろうね。」
「えーー!?ひどーい。」
橋の柵にしがみつきながら、一同は絶句した。
船の甲板にはモモコだけでなく、ベリーズという曲者集団を束ねるシミハム団長、そしてミヤビ副団長が乗っていたのだ。
これほどの大物が揃って接近していたことに、連合軍たちは気づいていなかったのである、
270
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 06:12:36
正解者いたwなる程シミハムの力で気配を消したのか…でも大型船を見せないようにしたのは誰の能力だろ?
271
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 09:12:19
>>268
死亡確認!とか言っちゃうのかな?w
272
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/28(木) 12:58:25
よくよく見てみると、船に乗っているのはシミハム、ミヤビ、モモコだけではない。
ひどく怯えた表情で小動物のように小ちゃくなっているチサキ・ココロコ・レッドミミーもそこに居たのだ。
こんな最前線に自分が立っているのが嫌で仕方ないのか、さっきから何度も逃走を図ろうとしているものの、
上司であるモモコに服をぎゅーっと掴まれているため動けないようである。
「みんな助けて……」
チサキは船の扉から少しだけ顔を出しているリサ、マナカ、マイにヘルプを求めるが、
さすがにこの状況はカントリー達にはどうしようもならないようだった。
「チサキちゃんしっかりして。そんな感じだとみんなに笑われちゃうでしょ。」
「も、モモち先輩……私に戦いなんて無理ですよ……」
「戦い?そんなのしないよ。」
「えっ?そうなんですか?」
「私たちは橋の中心を船で通るだけ。 平和的でしょ?」
「でも……キュート様とかが許さないんじゃ……」
「うふふ、そうね。 じゃあこっちに飛び乗られる前にさっさと逃げちゃおうか。
チーナーミー!!もう出発していいよーー!」
モモコの大声は船の操縦室にまで届く。
その中には大型線の運転を任されているチナミが居たのだ。
DIYの申し子チナミは、仲良くなった船大工100人を総動員してこの船を作り上げている。
ゆえに動かし方は十分に心得ているのである。
「はいよーー!しゅっぱーつ!!」
船は所詮船なので馬ほど早く移動できるワケでは無いが、
橋の上から飛び乗られることのない位置にはすぐに移ることが出来た。
このまま沖まで向かわれてしまえば連合軍には手出しできなくなってしまう。
挟み撃ちで上手くいくと思っていたカナナンは、ひどく悔しがっていた。
「あぁ〜カナのせいや!挟み撃ちなんか提案したからこんなことに……
みんなに迷惑かけて、ほんまに馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿……」
このまま自虐し続けて落ち込んでいくと思われたカナナンだったが、
意外にも立ち直りは早かった。
クシャクシャの顔をすぐに真顔に戻しては、ハル・チェ・ドゥーに指示を出す。
「しゃあないな、じゃあプランBや。いけるか?」
「当然!!」
ハルは全く躊躇うことなく橋の下の海へと飛び込んでいく。
普通なら溺れてしまいそうな高さだが、ハルはそうはならない。
泳ぎならモーニング帝国一だと日頃から自慢している彼女にとって、これの程度はなんとも無いのだ。
(待っててサユ様!!いま助けに行きますからね!!)
273
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/28(木) 12:59:52
船を見えにくくした、即ち船の存在感を無にしたのもシミハムです。
274
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 17:51:20
マイミが船までキュートを一人ずつ投げてしまえばいいのでは・・・
とか思っちゃったよね
275
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 18:25:39
℃-uteには910…もとい海王ナカサキと言う魚の生まれ変わりもいるから水中戦はいけそうだね
276
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 20:29:52
快獣は元キャラ本来の超能力がそのまま使えれば空も飛べるし他にも色々とできちゃうみたいなんだけどね
277
:
名無し募集中。。。
:2016/04/28(木) 20:32:36
マイミはモモコに掴まえられてるチサキのことを人質だと思ってたりして…(笑)
278
:
名無し募集中。。。
:2016/04/29(金) 15:59:38
> ミヤビ、モモコだけではない。
ひどく怯えた表情で小動物のように小ちゃくなっているチサキ・ココロコ・レッドミミーもそこに居たのだ。
GNOのMCそのまんま…って、思ったけど放送される前に書いたのか!予告なんてあったっけ?たまにこの作者さん未来予知するよね〜w
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