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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

195 ◆V9ncA8v9YI:2016/04/02(土) 17:23:40
「え?……トモ、何してんの?……」

サユキはつい声を漏らしてしまった。
マイの肩を踏みつけていたはずのトモが、そのマイをみすみすと逃がしたのだから
そのような言葉を発してしまうのも無理ないことだろう。
はじめはマイを舐めきっての行動かもと思ったが、そのような類ではないとすぐに確信する。
何故か?それはトモの脚から大量の血液が噴出していたからだ。
まるで何か凶暴な動物に噛み千切られたかのように。

「きゃああああ!トモ大丈夫なの!?」
「カリン落ち着いて、私は大丈夫……いや、やっぱりちょっと不味いかも。
 私じゃなくて、KASTのみんながさ……」

KASTが驚くのと同じタイミングで、番長たちも信じられないといった顔をしている。
こっちもこっちで完全なる勝ちムードが一転して覆されたことに対して動揺していたのだ。

「なんやあの姿は……」
「とても、禍々しい……」

マナカに二択を投げかけるところまでは確かに上手くいっていた。
だがその後にマナカが白ハトたちを開放し、代わりの鳥を呼び寄せることは予想外だった。
その新たな鳥は白ハトと違って劣悪な環境でも生きていけるし、飛ぶことだって出来る。
つまりは羽に多少の石鹸水が付着してようが飛行能力は衰えないのである。

「この姿、ですか?……"ブラック・マナカン"ですよ。」

マナカ・ビッグハッピーは黒装束を着るかのように、大量のカラスを纏っている。
この姿になったマナカに慈悲はない。性格までもが黒々としたカラスのように凶暴化するのだ。
そして、凶暴になったのはマナカだけではなかった。

「お父さんから習ったもう一つの力、見せてあげるんだから!」

マイはネコのように、いや、ライオンのように獲物を狙う目をしていた。
彼女の父はウサギの戦い方を研究したこともあったが、どちらかと言えばライオンであった時期の方が長い。
その時に培った技術やノウハウをマイに奥の手として教えていたのだ。
獅子としての闘争心を呼び起こされたマイの実力は、何段階も上昇する。
もうKASTに遅れをとったりはしない。


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