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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

269 ◆V9ncA8v9YI:2016/04/28(木) 01:29:32
交換条件でモモコとマナカ、マイを逃したと言うのに、それが騙されたとあれば大問題だ。
このままアテも無いままマーサー王やサユを探すとなると、絶望でしか無い。
中でも一際SHOCK!を受けていたのは、ベリーズにも剣士としての誇りが残っていると信じていたマイミだった。

「どういうことだ……お前達は本当に変わってしまったのか……」

意気消沈したマイミのオーラは、もはや嵐ではなく小雨のようになっていた。
落ち込み度合いに比例して更に雨は弱まり、やがて雨そのものが降らなくなってしまう。
それに気づいたマーチャンが、不思議がって声を出す。

「あれれ?キュートさんたち、なんか弱く見えますよ。」
「こらマーチャン!おかしなこと言うなよ!」
「だってドゥー聞いてよ。いつもみたいな怖い感じの殺気が無くなってるんだよ?」
「!!」

殺気が無くなってると言われて、マイミはピンときた。
キュート全員のオーラが消えたのではなく、「消された」のだとしたら
今になってもベリーズが見当たらないことの道理が通るのだ。

「アイリ!今は何時だ!?」
「正午まであと10秒前!」
「まずいぞ……みんな!気をつけるんだ!!」

マイミがそう言うが早いか、ゲートブリッジが動き出した。
連合軍が乗っているのもお構いなしに、機械仕掛けの橋はどんどんせり上がっていく。
ほんの数秒で急斜面へと化した足場に、一同は戸惑いを隠せなかった。

「うわ!何!?」
「これはひょっとして……」

橋が開閉する理由は一つしか無い。要は、大型船がそこを通るのだ。
近くにいたことに今まで気づかなかったことが不思議なほどに大きい船が、
分断された橋の間をのうのうと通っていく。
そして正午になったその時、船は橋と橋の中心に位置していた。

「約束すっぽかしたと思った?……そんなワケ無いじゃん。ねぇ。」
「モモの言うことだからそれもあり得ると思ったんだろうね。」
「えーー!?ひどーい。」

橋の柵にしがみつきながら、一同は絶句した。
船の甲板にはモモコだけでなく、ベリーズという曲者集団を束ねるシミハム団長、そしてミヤビ副団長が乗っていたのだ。
これほどの大物が揃って接近していたことに、連合軍たちは気づいていなかったのである、


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