[
板情報
|
カテゴリランキング
]
したらばTOP
■掲示板に戻る■
全部
1-100
最新50
|
1-
101-
201-
301-
401-
501-
601-
701-
801-
901-
この機能を使うにはJavaScriptを有効にしてください
|
レス数が900を超えています。1000を超えると投稿できなくなるよ。
SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部
217
:
◆V9ncA8v9YI
:2016/04/16(土) 04:18:24
たった1秒の嵐で一気に体勢を崩されたマナカだったが
台風の中心にいたメイの顔を見るに、焦る必要はないと思い始める。
(ふぅん、どうやら嵐を起こすのは結構疲れるみたいね。)
マナカの想像通り、メイの1秒演技はかなりの体力を消耗していた。
ほんの僅かとはいえ食卓の騎士と同等のオーラを発するのだから
それに似合ったエネルギーが費やされてしまうのである。
よって、当分は雨風が来ることはないとマナカは確信する。
そう思ったマナカは、まだ動けるカラスを何十匹も招集していく。
それらを集めて巨大な怪鳥と化したマナカは、
カナナンもメイもリカコも全部引っ括めて空へと連れ去ろうとしているのだ。
「初めっからこうすれば良かったんだ……みんな仲良く、天まで登りましょ?」
カラスの羽ばたきでフワリと浮いたマナカは
アンジュの番長らを捕まえるべく、低空かつ高速で飛翔する。
長い下積み時代を経験したマナカは、ずっと空に憧れていた。
そして今、マナカは本当に天まで登る能力を手に入れている。
この力さえあれば番長だって一網打尽に出来る。そう信じているのだ。
だが、この時マナカは気づいていなかった。
長い下積みを経て、天まで登ることができたのは彼女だけではなかったのだ。
「待ってーーー!」
「え!?」
嵐の余波に乗ったまま、マナカのところまで飛んできたのはKASTの1人、カリン・ダンソラブ・シャーミンだった。
トモの「命令の上書き」によって、ターゲットをマイからマナカへと変えていたのである。
そしてカリンは風に吹かれてゆらりゆられて到達するなり、マナカにしがみつく。
それだけでマナカにとっては邪魔だというのに、
更にカリンは身体を大きく揺さぶったのだ。
「ちょ、ちょっと!そんな揺らされたら上手く飛べない……」
「うん。だって貴方を落とすために揺らしてるんだもん。」
「くっ……だったらこうしますよ!」
マナカは指をパチンと鳴らし、カラスに急上昇するよう指示を出した。
2人分の体重なのでやや重くはあるが、あっという間に5m、10mと高度を上げてみせる。
もしも落下すればちょっとやそっとの怪我では済まないような高さだ。
こうなれば流石のカリンもビビるだろうとマナカは考えた。
しかし、その考えはケーキよりもタルトよりも大甘だった。
「刺すね。」
「は?……」
気づいた頃にはマナカの横っ腹には激痛が走っていた。
何か鋭利なものによって刺された感触が確かに残っている。
「どう?私の武器。釵(さい)って言うんだよ。」
その武器はカリンの小さな手で簡単に握れるほどに軽く小さいが、
先端は針のように鋭く尖っている。
この釵、その名も「美顔針」を速いスピードで何度も刺すのがカリン本来の戦闘スタイルなのである。
だが今のこの状況ではそう何回も刺す必要はないだろう。
密着しながら、深くまでしっかりと刺すだけでマナカは苦しんでくれる。
それはもう飛んでいられないくらいに苦しいはずだ。
「何やってるんですか……もう天まで登れないかもしれないってのに……」
「私はそれで良いと思ってるよ。」
「正気ですか?……2人まとめて地面に落ちるってことですよ?」
「うん。やっぱり私、大地が好きだから。」
やがてマナカは痛みに耐えられなくなり、
2人はまるでダイビングでもするかのように堕ちていった。
新着レスの表示
名前:
E-mail
(省略可)
:
※書き込む際の注意事項は
こちら
※画像アップローダーは
こちら
(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)
スマートフォン版
掲示板管理者へ連絡
無料レンタル掲示板