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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

209 ◆V9ncA8v9YI:2016/04/11(月) 12:59:23
サユキがカリンに指示を出した辺りで、突然カナナンの叫び声が聞こえてくる。
それはこれから起こりうる現象に対する警告だった。

「KASTのみんな、今すぐ伏せて!!」
「「「「!?」」」」

これからマイの動きを止めにかかる算段だったが、
それよりもカナナンの警告を優先してKAST一同は伏せていく。
彼女ならば的外れなことを口に出さないだろうと判断して、無条件に従ったのだ。

「……よし、準備はええみたいやで、メイ。」
「それでは今宵も1秒演技をお見せいたしましょう。」
「お、おう。まだ夜には少し早いけどな。」
「今回ご紹介するのは、どんな乾燥地帯にも嵐を起こす女戦士のお話。」

メイがガラスの仮面を装着した瞬間、辺り一帯にとてつも無く強い雨風が巻き起こる。
こんな状況で鳥は空など飛べやしないし、ライオンだって狩りを中断する。
メイによる「マイミの演技」は、たったの1秒で敵の体勢を壊滅させて見せたのだ。

「わっ!わっ!落ちちゃう!!」

ブラックマナカンの翼を構成していたカラス達は
雨女によるハリケーンに打ち勝つことが出来ず、そのまま落下してしまった。
こうなればマナカは掴んでいるリカコ諸共、地面に衝突してしまう。
かなり高いところから落ちたので、当たりどころが悪ければ死もあり得るだろう。
それを恐れたマナカは、慌ててリカコを手放した。
重量を半分にすることで、カラスの負担を減らし、またすぐ飛んでもらうことを期待したのだ。
そして地に落ちる寸前でそれは成功する。

「あっぶない……カラスさん達、ありがとね。」

なんとかギリギリのところでカラス達は羽ばたくことが出来ていた。
冷や汗をかかされたが、これでマナカは無傷のままだ。
しかもマナカは咄嗟の判断でリカコを落としている。
これで天敵を戦線から離脱させることが出来た。そう思っていた。
だが、そんなことはカナナンが許さなかった。

「残念やったな……救助済みや。」
「カナナンさんんんんんんんんすっきすっき〜(^o^)」

リカコをお姫様抱っこの要領で抱きかかえているカナナンを見て、マナカは開いた口が塞がらないようだ。
落下地点に素早く到達すればそれも確かに可能なのだが、
それにしても難しい行為だったはず。

「この台風の中で、よくそんなことが……」
「カナはな、嵐の中でボールの軌道を計算したことがあるんやで。」
「へ?……」
「全部計算済みや。これからアンタを倒すまでの流れもな!」
「……!!」


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