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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

207 ◆V9ncA8v9YI:2016/04/09(土) 13:54:37
サユキの攻撃を受けてはまずいと本能で理解したマイは、咄嗟にアーリーの腕に噛み付いた。
欲を言えば切断するまで顎に力を入れ続けたいところだが
ヌンチャクによる打撃を回避することが目的なので、アーリーが激痛で腕の力を弱めたところで止めておく。
そして自身に対する拘束が緩むなり、マイは体勢を低くしてサユキの脚部に飛び掛かった。
この人間がとるには難しい四つん這いの動きをすることで
ヌンチャクを掻い潜ると同時に、サユキのふくらはぎを噛んでみせたのだ。
これでアーリーの腕の力を奪った。サユキの機動力も奪った。
既に動けぬトモが何度か矢を飛ばしているが、全く当たらないので怖くもなんともない。
唯一動けるカリンも他のメンバーと比較したら非力なので、
ガチンコのパワー勝負を仕掛ければ負けようがない。
KAST全員への勝利を確信したマイはドヤ顔でサユキから離れていく。
後は付かず離れず、自分のペースで嚙みつきにいけば不慮の事故で大逆転されることもないのだ。

「ふーっ、ちょっと苦戦したけどやっぱり私の勝ちみたいですね。」

全力を出した自分は強い。
マイはそう再認識することでますます己を鼓舞していく。
しかし、そんなマイの表情を曇らせる要素が一点あった。
こんな絶望的な状況にもかかわらず、サユキが悔しそうな顔を全くしていないのだ。
むしろ笑っているように見える。

「あー、そういうことだったの。 やっと分かったよ。」
「……何がですか? 意味が分からないんですけど。」
「ううん、いや、こっちの話。」
「関係ない話は後にして欲しいなぁ……」
「関係なら無くもないんだけどね。」
「は?」

マイがキョトンとするのを横目に、サユキはカリンに声をかけていく。
敵に勝利するための指示を出そうとしているのだ。

「カリン!その子の動きをあと一回だけ止めてくれる?」
「え?……私の力じゃちょっとしか止められないと思うけど……」
「いいのいいの。後は勝手にやってくれるみたいだからさ。」
「?」


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