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SSスレ「マーサー王物語-ベリーズと拳士たち」第二部

214 ◆V9ncA8v9YI:2016/04/12(火) 12:59:41
たった1秒の嵐の影響で、マイ・セロリサラサ・オゼキングも体勢を大きく崩されていた。
豪雨の如きプレッシャーを直で浴びたので、立つこともままならない。
暴風雨の中にいるのはKASTも同じだが、マイはノンビリしていられなかった。
まだ嵐の余韻も収まらぬうちにカリン・ダンソラブ・シャーミンが走り出していたのだ。
未来へ、さあ走り出せ!とでも言わんばかりの笑顔でこちらに向かってくる。
先ほどサユキに命じられた「マイを止めろ」という指令を果たすために、
サイボーグのように機械的に動いているのだろう。
ところが、ここでトモ・フェアリークォーツが命令を上書きしていく。

「カリン!そのまま跳べ!!」
「!?」

マイを止める最大のチャンスだったにも関わらず、カリンはトモの指示通りあさっての方向へと跳躍していった。
はじめはビビっていたマイも、自身に危害が及ぶ行為ではないと分かるなり声が大きくなる。

「え?……そんな意味不明なことしてて私に勝てるんですか?」
「そうだね。カリンはアンタに勝てない。」
「今更なに言ってるんですか?そんなのとっくに知ってるんですけど。」
「ただし、強力な助っ人がアンタを噛みきっちゃうけどね。」
「!?」

トモがそう言い放った瞬間、マイの首すじから血が噴き出していく。
いや、流血したのはそこだけではない。
マイの両方のスネもとっくに真っ赤に染まっていたのだ。
自分の周りには誰もいないはずなのに、傷だけいつの間にか負っている。
そんな不思議な現象を前にして、マイは恐怖する。

「いやっ!!なんなの!?」
「君さぁ……ちょっと牙を見せすぎだと思うんだよね。」
「ええええ?」

混乱しているところにサユキが変なことを言い出すので、マイは更なるパニック状態に陥ってしまう。

「本当に強い獣は牙を隠すんだってさ。その子のようにね。」
「!!」

またも首をガブリと噛まれたところでマイは思い出した。
アンジュの番長には存在を自在に希薄にできる獣使いがいたという事を。

「リナプー……コワオールド……」
「はーい。呼んだ?」


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