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( ・∀・)たちは多趣味を謳歌するようです
17
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:08:09 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「悩むなら、最初のナイフは、ユーティリティ、ケーパー、リーフ、クリップ、ドロップ、のどれか選べばいいと思う」
lw´‐ _‐ノv「ちなみに、さっきの各部名称画像は、上がククリ、下がクリップを意識したそうですよ」
( ・∀・)「逆にナイフによく見る、エッジが直線で構成されたタイプは使いにくいからやめとけ」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「曲線だと、カッター板などで刃を立てた状態から、寝かすだけで切れるからね」
lw´‐ _‐ノv「カッターにない利点だ!」
( ・∀・)「しかし、この戦闘用ナイフってのがまたアレでな」
lw´‐ _‐ノv「? 何がアレなんですか?」
( ・∀・)「戦闘用のナイフってのは存在するんだ。ただ、ナイフメーカーが出す戦闘用ナイフが実態を伴っていないというか……」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「まず、戦闘用の刃物って人気があるんだよ。特に日本とかアメリカとか」
lw´‐ _‐ノv「まあ、世間一般ではナイフといえば武器ですからね」
( ・∀・)「ナイフメーカーも売りたいから戦闘用のナイフを作るんだよ」
lw´‐ _‐ノv「それは当たり前でしょうね、人気があるんだから」
( ・∀・)「で、ナイフメーカーとしては、兵士が戦場で使うことを想定し、戦闘上有用なナイフ、という建前があるんだよ」
18
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:14:15 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「建前?」
( ・∀・)「建前。タクティカルナイフは軍や警察に正式採用されるようなガチなのから、絶対に戦場では使えないだろうクソナイフまである」
lw´‐ _‐ノv「えっ戦闘用なのに戦場では使えないの!?」
( ・∀・)「見た目かっこいいと売れるからね。だから、絶対に武器にしたくはないカランビットとか、使い道がホントにないのもある」
lw´‐ _‐ノv「ダメじゃん」
( ・∀・)「タントーとかはそんなのが多い。しかし、ちゃんとガチで戦闘設計してるのや、パクリ元がガチだったりする」
lw´‐ _‐ノv「ああ、戦場では使えなくても、馬鹿に持たせると危ないのね」
( ・∀・)「そういうのって、大抵知識のないDQNかヲタが護身用って言って持つもんだからさ」
lw´‐ _‐ノv「おおう、ある種の厨二病か」
( ・∀・)「実用ナイフとして優れてるのもあるから、一概にクソとも言えないのがまた厄介だな」
lw´‐ _‐ノv「モララーさんのいう実用って、日用品ってことですよね?」
( ・∀・)「うん。日用品として優れてる戦闘用ナイフモドキ」
lw´‐ _‐ノv「もはやなにがなんだか」
19
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:14:56 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、形状の話に戻して、フォールディングナイフなら、個人的に好みが最も別れるだろう部分はロック機構だな」
lw´‐ _‐ノv「ロック機構というと?」
( ・∀・)「畳んだナイフを開いたとして、それをどう固定するかだ」
lw´‐ _‐ノv「というといっぱいあるんですか?」
( ・∀・)「まあね。代表的なのは肥後守、バックロック、ライナー(フレーム)ロック」
lw´‐ _‐ノv「肥後守?」
( ・∀・)「和式ナイフなんだが、ロック機構がない。代わりに背に突起があって、オープンすると柄と水平になるからそこを握りこむ」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「はい写真」
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/9/92/Higonokami_kanekoma_regular_A02.JPG
lw´‐ _‐ノv「わあ、単純」
20
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:15:36 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「これはこれで収集家がいるほど人気の有るジャンルなんだよね」
lw´‐ _‐ノv「ロック機構がない分安そうですしね」
( ・∀・)「高い鋼材使ってるいい奴もあるけど、同じ鋼材使ってるナイフと比較しても安い」
lw´‐ _‐ノv「他はどんな感じです?」
( ・∀・)「バックロックはさっきのフォールディングハンター#110が原初となるロック機構」
lw´‐ _‐ノv「これはどんな構造のロック?」
( ・∀・)「構造を詳しくいうと多分混乱するけど、いい?」
lw´‐ _‐ノv「簡単にお願いします」
( ・∀・)「構造を無視して使い方で言えば、ナイフを開こうとすると閉じる方向にテンションがかかってる」
lw´‐ _‐ノv「つまり、ちょっと力を込めないと開かない?」
( ・∀・)「うん。だから、不意に開かない。で開くと動かなくなり、ハンドルの背にあるバーを押し込むとロックが外れる」
lw´‐ _‐ノv「で、バーを抑えながら刀身を閉じる。と」
( ・∀・)「そうそう」
21
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:16:43 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「厳密に構造を言うと、ハンドルの背側にシーソーみたいに真ん中をピン止めしたバーが仕込んである」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「バーの先端側には突起があって、刃には突起と同じ凹みがあるから、ナイフを開くとそこと噛み合う」
lw´‐ _‐ノv「で、動かない? いや、シーソー倒せば動くでしょ」
( ・∀・)「バーの反対側は、バネが上に持ち上げてるから刃がロックされるんだ」
lw´‐ _‐ノv「なるほど。で、ハンドルのロッキングバーを、バネごと押し返すと外れる仕組みか」
( ・∀・)「そんな感じ。刀身からシーソーを固定するバネには力が伝わらないし、柄に金属バーが入るから強固かつシンプルで非常に信頼性が高い」
lw´‐ _‐ノv「欠点は?」
( ・∀・)「精度が低かったり組み立てが下手だと、衝撃で勝手に開く事がある」
lw´‐ _‐ノv「あっぶねえ!」
( ・∀・)「よほど酷いナイフだけだけどな。あとバーがハンドルの後端にくる構造上、しまう時は基本両手になる」
lw´‐ _‐ノv「それ、欠点なの?」
( ・∀・)「そもそもカッターは片手で出せて、仕舞えるし、次のライナーロックも片手操作が基本だ」
22
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:18:02 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「ライナーってのはどんななん?」
( ・∀・)「刀身の形と同じ切り込みがライナーにあって、内部のバネで内側にテンションが掛かってるんだ」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「ナイフを開くと、刀身柄側形状とライナーの切れ込みの形が同じだから、内側にライナーが飛び出てくる」
lw´‐ _‐ノv「あー。それで刀身が内側に戻ろうとしてもライナーが引っかかるのか?」
( ・∀・)「そう。ライナーを外側に戻しつつ畳むと閉じれる」
lw´‐ _‐ノv「利点は?」
( ・∀・)「片手で開閉操作が余裕。刀身にはサムスタッドという突起があって、それを親指で弾いて開けるのも多い」
lw´‐ _‐ノv「しまう時も当然片手で出来そうだしね」
( ・∀・)「あとは安価というのもポイント高い。逆に欠点も多い。ただひとつに集約するなら信頼性の低さといえる」
lw´‐ _‐ノv「と、いうと? 確かに構造上弱そうだけども」
( ・∀・)「まずライナー、つまりハンドル材の補強が内側に曲がるわけだから、強度が大幅に犠牲になる」
lw´‐ _‐ノv「そりゃそうだ」
( ・∀・)「ハンドル材によっては、ライナーが一部なくなるのでそこが撓む。また、軽く開く関係で、構造次第では勝手に開きやすい」
lw´‐ _‐ノv「刃物使ってる時に一部撓むのは怖いですね」
( ・∀・)「安価だと樹脂は多いしな。更にもし撓む場合、握力が極端に強いとロックが突然解除されることが稀にある」
lw;‐ _‐ノv「うげ」
( ・∀・)「なので俺は嫌いだ! 逆に片手操作性の高さから好きな奴も多い。好みばかりは使ってみるしかないけどな」
23
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:18:43 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あとはメーカー独自の機構も結構ある。これは俺好みが多いな」
lw´‐ _‐ノv「ほほう」
( ・∀・)「とはいえ、メーカーの違いにも関係するし一々やってくのは面倒なので、触れない」
lw´‐ _‐ノv「はい」
( ・∀・)「次はハンドル材の違いについてだ。主に人工素材系と天然素材系がある」
lw´‐ _‐ノv「人工素材は樹脂ですよね? 天然素材は?」
( ・∀・)「大きく分けて、木・角・骨・貝・革、変わったものでは化石の牙やマッコウクジラの歯、べっ甲なんかも使われるな」
lw´‐ _‐ノv「革? 巻くんですか?」
( ・∀・)「いや、積み革といってワッシャーにした革を何枚も接着剤を塗りつつ積み重ねて固める」
lw´‐ _‐ノv「ハンドル材全部が革なのか」
( ・∀・)「使い込めば味も出るし、接着剤で適度に固く、革特有の滑りにくさもあるが、強度は低いし水濡れに弱く不衛生だな」
lw´‐ _‐ノv「まあ、カビそうですしね」
( ・∀・)「多くて人気も高いのは当然木だな。傷がつきやすいのが欠点だが、アイアンウッドなどの硬い木を使うため、強度はかなり高い」
24
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:19:35 ID:C4k1uWoA0
恐いカップルだなあ
25
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:20:04 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「木で多いのはココボロ、ウォールナット、黒檀、紫檀、アイアンウッド、花梨のコブ」
lw´‐ _‐ノv「こぶ?」
( ・∀・)「花梨の根にできるコブ。渦巻いたべっ甲のような木目で非常に硬く人気があるが希少だ。あとはデザートアイアンウッドも見る」
lw´‐ _‐ノv「なにそれ強そう」
( ・∀・)「砂漠で立ち枯れた木が50年から数百年掛けて炭化したもの。経年変化、特に曲がりや反りが少なく、非常に硬い」
lw´‐ _‐ノv「ああ、既に変化し終わった木なのね。貝ってのは?」
( ・∀・)「内側の真珠層を貼り付けたものだ。白蝶貝や黒蝶貝。偶にアワビの仲間が使われる。キラキラして綺麗だぞ」
lw´‐ _‐ノv「脆そう」
( ・∀・)「ぶっちゃけ脆いな。大抵小さいポケットナイフやネックレスナイフなどの強度が不要なナイフに使われる」
lw´‐ _‐ノv「角ってのはなに?」
( ・∀・)「鹿の角かな。他の角は稀にしか見ない。角じゃないけど、牛のスネ骨を加工したものも似た感じになる」
lw´‐ _‐ノv「おおーかっこよさそう」
( ・∀・)「鹿の角はナイフに最適な天然素材の一つだ。ただ、表面の溝に汚れがたまるのと、長時間水に付けるとふやける」
lw´‐ _‐ノv「まあ、木と鹿角以外の天然素材は正直飾り要素が強そうですね」
( ・∀・)「木よりも手には馴染む物も多いんだけどね」
26
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:22:38 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「人工素材は主にマイカルタ、ザイテル、G10、メタルかな」
lw´‐ _‐ノv「マイケル田?」
( ・∀・)「何それ苗字?」
lw´‐ _‐ノv「マイケル田中のアダ名じゃね?」
( ・∀・)「誰だよマイケル田中……。マイカルタはキャンパスなどの母材をフェノール樹脂で積層加熱成形したもの」
lw´‐ _‐ノv「フェノール樹脂って合板をくっつけてる奴だっけ?」
( ・∀・)「そうそれ。基本は麻のキャンパスだけど、それ以外にもリネンや紙、木なんかを母材としてるタイプもある」
lw´‐ _‐ノv「ほうほう」
( ・∀・)「特徴はキャンパスの粗さからくるグリップ性の良さと、フェノール樹脂の強度。積層特有の木目のような模様も人気がある」
lw´‐ _‐ノv「母材が入った樹脂ってかなり強度高いよね」
( ・∀・)「うむ。樹脂といえど、相当な強度があると考えていい。欠点はそこそこの重さと、加熱成形なので高熱で溶ける」
lw´‐ _‐ノv「普通に使ってて高熱が出ることなんてあるの?」
( ・∀・)「ダンボール切ってる時に擦ってテープ剥がそうとしたりして、摩擦熱で溶けることが稀に」
lw´‐ _‐ノv「それは擦る方が悪いのでは?」
( ・∀・)「ハイその通りです。でも梱包開けるのに高いナイフなんて使わないからいいの」
27
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:25:25 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「ザイテルは織り込んだガラス繊維をナイロン樹脂で固めたもの。デュポンの商標が一般化したもので、正式名称はFRN」
lw´‐ _‐ノv「なんか、ちゃちいというか、おもちゃみたい」
( ・∀・)「玩具のプラスチックってナイロン樹脂だからね。でもガラス繊維が入ると非常に強度が増す」
lw´‐ _‐ノv「でも撓むよ?」
( ・∀・)「それが衝撃強度も摩擦強度も上がってるんだなぁ。非常に軽いし、適度な摩擦があり、薄くても強いから一つの究極体と言える」
lw´‐ _‐ノv「すげー」
( ・∀・)「最大の欠点にして弱点は、ロマンぢからが残念すぎることだ」
lw´‐ _‐ノv「ああ、ナイフがカッターに勝つ唯一の部分が……」
( ・∀・)「ぶっちゃけ玩具のプラスチックと見た目が大差ないからね。それが有利に働くこともある」
lw´‐ _‐ノv「そんなことあるの?」
( ・∀・)「実用性が高い割にチャチいから、一般人に恐怖心を与えにくい」
lw´‐ _‐ノv「あ、キャンプとかで持ってても、カッターや包丁の延長みたいに見えるのか!」
( ・∀・)「そう、デザインによってはなんか業務用のカッターのすごい奴に見える!」
lw´‐ _‐ノv「ナイフに関してやたらと厳しい世の中で、これはでかい!」
( ・∀・)「業務用もクソもないし、ナイフもカッターも危険度は同じだけどな。無理解の壁を超えやすいんだ」
28
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:26:29 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あとG10。織り込んだガラス繊維をエポキシ樹脂で高圧成形したもの。これも賛否両論あるけど俺は好きだ」
lw´‐ _‐ノv「……あ! これは見たことあるぞ。たぶんプリント基板だ」
( ・∀・)「うむ。紙を母材にしたペーパーマイカルタやG10は、元々電子基板用の素材なのだ」
lw´‐ _‐ノv「色が黒いから一瞬わかんなかったぜ」
( ・∀・)「プリント基板は緑が多いからね。ちなみに、軍人が装備用で好むナイフは、大半がこれだったりする」
lw´‐ _‐ノv「ほー、なんで?」
( ・∀・)「前2つと違って、熱に強いし、ダントツの強度と摩耗耐性。かつ、極寒地でも冷たくならない。そしてグリップもいい」
lw´‐ _‐ノv「なるほど、信頼性の高さか」
( ・∀・)「欠点は前2つよりかなり重いこと。グリップが重いと重心が手元寄りになる」
lw´‐ _‐ノv「手元じゃ何が悪いんです?」
( ・∀・)「重心は後で説明するが、操作性が向上する」
lw´‐ _‐ノv「いいことじゃないですか」
( ・∀・)「代わりに、叩きつける時威力が下がる」
lw´‐ _‐ノv「ああ」
( ・∀・)「この辺は好みだが、細かい作業用でもナイフ全体の重量も増すから注意が必要だ」
lw´‐ _‐ノv「なるほど」
29
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:28:16 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、樹脂では比較的高価なのと、強度と引き換えにほとんど曲がらないほど硬く、馴染みにくい欠点もあるな」
lw´‐ _‐ノv「高価といえど、寿命が長いから取り返せるんじゃね?」
( ・∀・)「いや、強度や摩耗耐性が数百年レベルで高いといえど、ザイテルだって数十年は保つし、どうみても過剰」
lw´‐ _‐ノv「ちなみに、モラさんがG10が好きな理由は?」
( ・∀・)「俺は手が乾燥気味で滑りやすいんだが、G10は俺の手にベストなグリップ性だから」
lw´‐ _‐ノv「すげえ個人的理由だった」
( ・∀・)「柄の好みはそんなもんだ。あとはメタル系だが、所謂金属の柄だな。総じて摩擦性が悪いが強度が高い」
lw´‐ _‐ノv「重そう」
( ・∀・)「航空アルミやチタンも多いよ」
lw´‐ _‐ノv「おお、それなら軽いね!」
( ・∀・)「欠点は、高価かつ硬いから手に馴染まず、極寒地ではチタン以外冷たい」
lw´‐ _‐ノv「チタン冷たくないの?」
( ・∀・)「限度があるが、チタンは熱伝導性が異常なまでに低いから冷たく感じないよ。滑るから嫌いだけど」
lw´‐ _‐ノv「まあ、滑りそうですよね。かなり」
( ・∀・)「この手のナイフはグリップ性改善のため、握りやすい形状や滑り止めなど工夫されてるのも多いね」
30
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:30:07 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「次は刀体の長さについて」
lw´‐ _‐ノv「長いのは極端に言えば鉈?」
( ・∀・)「今回そういうのは除いて、小さい作業用ナイフを中心に扱うので、長くても12cmくらいかな」
lw´‐ _‐ノv「12cmって結構長いけども。ってか銃刀法は大丈夫なの?」
( ・∀・)「大いに問題がある。が、その辺は後で触れる。とりあえず、フォールディングで8cm。シースで6cm以上だとちょっと面倒と覚えてくれ」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「この長さ、地味に重要だ。何故なら日本人の手で使いやすい作業用ナイフの長さはだいたい8cmから6cmと言われる」
lw´‐ _‐ノv「あ、シースだとアウトなんだ」
( ・∀・)「そういうこと! フォールディングが好きな理由の一つはここにある」
lw´‐ _‐ノv「ちなみに長さはどう関係するの?」
( ・∀・)「この程度の長さだと短いほど操作性が上がり、指先の延長のように扱える」
lw´‐ _‐ノv「指との距離が短くなるから?」
( ・∀・)「そそ。原始、ナイフは本来歯や爪でやることをもっと硬い物で代用するために産まれた」
lw´‐ _‐ノv「つまり、その役目を最も果たせるナイフが短いナイフってことか」
( ・∀・)「そんだけ短いと普通は柄も短くなって握りにくいから、握りやすい長さから逆算して6cmが限度ってわけ」
31
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:31:37 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「逆に長いとどうなるの?」
( ・∀・)「菜箸が近いかなー。あれって使ってみると奇妙な力強さがあるでしょ?」
lw´‐ _‐ノv「普通の箸より長いから感覚が伝わりにくいけど、梃子の原理で力が伝わりやすい感じ?」
( ・∀・)「そそ、8cmじゃそこまでの感覚はないけど、力が掛かりやすいし、一度に長い距離切れる」
lw´‐ _‐ノv「刃の長さがそのまま一引きの長さになるからね」
( ・∀・)「ちなみに職人さんが使う柳刃包丁は30cm以上あるけど、それは長い距離を切る必要があるからなんだよ」
lw´‐ _‐ノv「ん? なんでそんな必要が?」
( ・∀・)「刺身は切断面が綺麗なほど舌触りがいい。刃が往復して切断面を歪にしないため、一回で切れるよう長い包丁を使うんだ」
lw´‐ _‐ノv「ああ! ハサミで紙切るとき、2回に分けて切ると、どうしても歪んじゃうあれか」
( ・∀・)「長いナイフも同じで往復回数を減らし、切断面を綺麗にする効果が期待できる」
lw´‐ _‐ノv「でも2cmでそんなに変わるの?」
( ・∀・)「めっちゃ変わる。5cmくらいで握りやすいナイフとか使うとホントに指先で切ってるみたいな感覚が味わえる」
lw´‐ _‐ノv「ほほー」
( ・∀・)「ちなみにこれには重心も影響してるんだけど、その点はあとで説明しよう」
32
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:32:18 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「でも長いと折れやすそうですね」
( ・∀・)「だから、長いほど刀身は厚く、幅広になる傾向がある」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、重たくなる?」
( ・∀・)「当然ね。更に長いほど刃の厚みが増える」
lw´‐ _‐ノv「ああーじゃあ、さっきのカッターの説明みたいに、切ったモノに挟み込まれるんだ」
( ・∀・)「そこでそれを改善するのがグラインドなんだが、これも一応説明しようかな」
lw´‐ _‐ノv「電子回路における信号の帰還経路?」
( ・∀・)「それはグラウンド。分かりづらいボケだな」
lw´‐ _‐ノv「えっ、じゃあ騎乗位の腰振りが良かった?」
( ・∀・)「グラインドだけど違う。ナイフのグラインドってのは刀身を断面図で見た時の側面処理のこと」
lw´‐ _‐ノv「どういうこと?」
33
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:33:09 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「一般的なフラットグラインドは、ナイフの断面はV字だな」
lw´‐ _‐ノv「明らかに断面がV字じゃない奴もあるけど、おおむねV字ですね」
( ・∀・)「対して、ホローグラインドはそれを内側にえぐってγ字になっている」
lw´‐ _‐ノv「ああー、なんとなくわかった。どう違うの? 軽量化?」
( ・∀・)「もあるし、ナイフは薄いほど食い込むが強度が落ちる。ホローは先端側を薄くして食い込みを改善しつつ、強度を保つ方法だ」
lw´‐ _‐ノv「なるほどー」
( ・∀・)「とはいえ、薄刃ほどじゃないが強度は大幅に下がるよ」
lw´‐ _‐ノv「まあ、刃側は薄刃になってるわけですからね。刃こぼれし易いでしょうね」
( ・∀・)「食い込みは抜群だけど、荒い使い道をするなら危ない。形状的に無理があるしね」
34
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:33:57 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「逆にV字を膨らませてハマグリ状にしてるのがコンベックスグラインド」
lw´‐ _‐ノv「これも逆? 繊細な使い方はできないけど、荒い使い方ができる」
( ・∀・)「うん。そんな感じ。機械強度が大幅に増すけど、魚とか捌こうとしたら狙った通りに刃が進まなくなる」
lw´‐ _‐ノv「叩きつけるような使い方ってことですか」
( ・∀・)「西洋の剣や鉈に多いね。重量を使う使い方、枝とか木を切るならこれがいい」
lw´‐ _‐ノv「鉈というのはなんとなく納得」
( ・∀・)「刃先の切れ味を使う引き切りにはあまり向いてない、刃先が鈍角になるし、食い込むと刀身が邪魔をする」
lw´‐ _‐ノv「まあ、言われなくてもイメージはできるよ」
( ・∀・)「あと、これはグラインドじゃないけど、ハマグリ刃といって刃先だけをコンベックスグラインドにする高度な砥ぎがある」
lw´‐ _‐ノv「ほほう? 何の意味が?」
( ・∀・)「付け根から刃先まで同じ形にするのはフラットに砥ぐより難しいし、3段階に分けて砥ぐので大変だが、刃持ちと強度、食い込みを飛躍的に上げる」
lw´‐ _‐ノv「んん? 鈍角だから切れ味低下しそうじゃね?」
( ・∀・)「刃先だけだから段差がなくなり食い込みは改善される。そして、ハマグリでも刃付けがしっかりしてば新品カッターより切れる」
lw´‐ _‐ノv「ああ、そっか、なるほど」
35
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:35:44 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「丁寧に砥いだ場合、たいてい切れ味過剰だが、それを鈍角にして和らげるのもハマグリの特徴だ」
lw´‐ _‐ノv「まあ確かに、触れただけで浅く切れるような刃物早々必要ないですね」
( ・∀・)「あと、曲率によっては刃先が鈍角過ぎて切れ味が落ちるけど、緩やかな曲線にすればあまり低下しないよ」
lw´‐ _‐ノv「その辺でも調整できるのか。ちなみに普通の砥ぎはなんて言うんです?」
( ・∀・)「カミソリ刃。純粋な切れ味重視ならこっちだね。刺身を角立てて綺麗に切るとか、髭を綺麗に剃るとか」
lw´‐ _‐ノv「ナイフの仕事じゃねえ」
( ・∀・)「ちなみに俺は、野菜や肉を切る包丁もハマグリで砥ぐ。カミソリに砥ぐのは魚用くらいだ。ナイフは片面ハマグリ」
lw´‐ _‐ノv「でも、難しいんでしょう?」
( ・∀・)「まあ趣味だし。手間がかかっても練習かねてるから問題なし。で、グラインドに戻るが」
lw´‐ _‐ノv「盛大な回り道でしたね」
( ・∀・)「基本的にフラットか、ゆるいホローがいい。極端な用途の専用ナイフは、なんでも1本でやりたい入門時には不要だ!」
lw´‐ _‐ノv「あ、はい」
36
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:36:43 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、これは最初はあまり考えなくていいけど、重心と重量」
lw´‐ _‐ノv「重量は、軽い方がよさそう」
( ・∀・)「そうでもないんだな。重量があると当然チョッピング力が増す」
lw´‐ _‐ノv「チョッピング?」
( ・∀・)「さっきの重量と遠心力を利用した叩きつける切り方。チョップするみたいに腕の遠心力で叩きつける」
lw´‐ _‐ノv「ほうほう」
( ・∀・)「重心も関係してくる。刃先重心の方が遠心力が大きくかかる」
lw´‐ _‐ノv「でもそんな使い方あんまりしなそう」
( ・∀・)「そうなんだよねー。枝を切って進むとかならともかく、インドアじゃほとんど使わない」
lw´‐ _‐ノv「逆に手元重心の利点は?」
( ・∀・)「操作性に関わってくる。手のひらの中心に近いほど重量を感じず、扱いが楽になり、繊細に動かすことができる」
lw´‐ _‐ノv「また梃子の原理だ!」
( ・∀・)「短いナイフが使いやすいのと同じ理由だね。あと、手の外に重心がある場合、緩く握ると手からずり落ちようとする」
lw´‐ _‐ノv「ああ、そりゃそうだ」
( ・∀・)「まあ、重心は写真みて判断するしかないので、これはすぐわかるとは限らんがね」
37
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:37:40 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「ただ、問題が一つある。刀体はほとんどが鋼なので厚みくらいしか変える点がない。だが食い込みと強度にも影響してしまう」
lw´‐ _‐ノv「ということはハンドル側で調整するの?」
( ・∀・)「例えばライナーの有無や肉抜きで変わるが、鋼の刀体と釣り合おうとするため、重量そのものが大きく変わる」
lw´‐ _‐ノv「軽くすると強度が落ちるし、重くすると全体的な重量が思いっきり増えると」
( ・∀・)「うむ。ポケットに入れる場合、あんまり重いと布が疲労して破けることもある。厚みが増えると携帯性も悪いしな」
lw´‐ _‐ノv「つまり、デザインの幅も少ない小型ナイフは手元重心にするか強度を捨てるかの二択ってこと?」
( ・∀・)「そうなんだよ。色んな要素が複雑に絡むし、しかも個人で最適なバランスに好みがある」
lw´‐ _‐ノv「通販で買う場合、重心はわからないからなあ」
( ・∀・)「最終的には実物を手に取って使って行く内にわかっていく。だから最初はあまり気にするな」
lw´‐ _‐ノv「ちなみにモララーさんの好みは?」
( ・∀・)「俺はハンドル重めの手元重心が好きだ。人より力があるから重くて構わないし、剛性の高いハンドルが好きなんだ」
lw´‐ _‐ノv「単なる重量級萌えでは?」
( ・∀・)「そうともいう」
38
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:38:29 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「最後に鋼材の違いだが、これはややこしいぞ」
lw´‐ _‐ノv「産業で」
( ・∀・)「簡単に言うと、硬度、靱性、耐蝕性、耐摩耗性、粘り、加工性がそれぞれ互いに影響しあってる」
lw#‐ _‐ノv「長い!」
(;・∀・)「一行なんだけど!?」
lw´‐ _‐ノv「なんとなく、硬度が高いと切れ味よさそう」
( ・∀・)「硬度だけが高いと折れたり刃毀れしたり、最悪砕けるよ」
lw;‐ _‐ノv「えっ、硬いのに?」
( ・∀・)「硬度ってのは潰れにくさ、引っ掻き耐性、削りにくさに分けられるが、どれもほとんど比例してる」
lw´‐ _‐ノv「つまり、潰れにくいのは傷つきにくいわけね?」
( ・∀・)「うむ。例えば、引っ掻き硬度が最高として知られるダイヤだが、ハンマーで叩くと簡単に砕ける」
lw*‐ _‐ノv「そうなの? やってみようぜ」
( ・∀・)「良いけどダイヤは自分で買えよ?」
lw#‐ _‐ノv「やだよ。なんで砕くためにダイヤ買う必要があるんだ! ワガママ言わないで自分で買いなさい!」
(;・∀・)「さっきから理不尽だな!」
39
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:39:58 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「簡単に言うと、ダイヤは硬度が最高レベルに高いが、靱性、衝撃耐性はそんなに高くないんだ」
lw´‐ _‐ノv「靱性?」
( ・∀・)「イメージしやすいのはガラスやコンクリかな。硬くて脆く、殴れば砕ける」
lw´‐ _‐ノv「ああなるほど、ガラスにひっかき傷をつけるのは大変だ」
( ・∀・)「逆に硬度が低くて靱性が高いのはゴムやバネだね。力が加わった時、弾力で力を逃がす」
lw´‐ _‐ノv「ゴムのハンマーは靭性が高いから使えるのね」
( ・∀・)「そういうこと。鉄の場合、基本的には炭素の量が多いほど硬度が高くなる。だが、その分靱性が下がるんだ」
lw´‐ _‐ノv「ほほう」
( ・∀・)「二つの物質をすり合わせると、硬度が低い方が傷つく。つまり、ある程度、硬度が高くないと刃物として成立しない」
lw´‐ _‐ノv「対象より柔らかい刃物は、切る前に擦り減っちゃうわけですね」
( ・∀・)「だが、靭性が低いと刃こぼれしやすくなる。これを刃物に向いた硬度と靭性のバランス、炭素量に調整した鉄が鋼だ」
lw´‐ _‐ノv「錬成!」
( ・∀・)「あれのオートメイルは靱性重視の低炭素鉄だろうけど、どっから炭素集めてんだろうな?」
lw´‐ _‐ノv「空気中の二酸化炭素。だけじゃ絶対足りないのは事実です」
40
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:40:01 ID:dfKGoGAA0
シューさんの夜のグラインドについて詳しくお願いします
41
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:41:17 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「だが、炭素鋼にはもう一つ欠点がある。それは炭素が多い鋼は錆びやすいことだ」
lw´‐ _‐ノv「耐蝕性が低いと?」
( ・∀・)「そうなる。水がついてたら自然乾燥する前に錆びるくらいだな。つまり、硬度が高いほど錆びと衝撃に弱い」
lw´‐ _‐ノv「刃物としては致命的ですね」
( ・∀・)「また、耐摩耗性も硬度が高いほど高くなりやすいな。硬いから削れない」
lw´‐ _‐ノv「そりゃそうだ」
( ・∀・)「分かりにくいのは次の粘りだが、イメージしやすいのは粘土かな」
lw´‐ _‐ノv「粘土?」
( ・∀・)「粘りのある粘土は引っ張っても千切れず伸びる。粘らないと千切れる」
lw´‐ _‐ノv「それがどう鉄に当てはまるんです?」
( ・∀・)「金属は可塑性。つまり、硬くて人力では中々変形できないが、粘土みたいに変形する素材だ」
lw´‐ _‐ノv「ああ、金箔とか潰した金ですからね」
( ・∀・)「そう、それが粘るってことは、靭性も上がるし、いざ曲がった時の割れにくさなど、総合的な強度が高くなる」
lw´‐ _‐ノv「折れるか曲がるかってことかー」
( ・∀・)「粘る鉄は当然靭性が凄まじく向上する反面、砥ぐ時に悪い影響を与えるが、あとで触れよう」
42
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:42:17 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、鋼材の要素は一長一短、何かを優先すると他の何かが犠牲になる。それらのバランス違いが鋼材の違いだ」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「ところが、これらが最も影響を受けるのは、切れ味じゃない。砥ぎやすさと刃持ちの良さだ」
lw´‐ _‐ノv「硬いと砥ぎにくい、のはそういえば当たり前だ」
( ・∀・)「うん。硬いほど削るのに時間がかかるし、その間一定の角度を保ち続けるのは疲れるし難しい」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、柔らかい方がいいわけか」
( ・∀・)「いや、柔らかく靱性が高いと、今度は削れやすいから刃先がダメになるまでが速い」
lw´‐ _‐ノv「すぐ砥がなきゃいけなくなるのか、それもめんどいな」
( ・∀・)「ただ、切れ味を追及して極端に刃先を薄く削る場合、靱性が高くないといけないから、この点では柔らかい方が有利だ」
lw´‐ _‐ノv「ほー。意外。硬い方が切れ味はいいのかと」
( ・∀・)「いや、そこまで薄い刃はすぐ削れるから砥いだ直後だけ。そんな繊細な切れ味が要求されるのは、刃角の鋭い剃刀くらいだろうね」
lw´‐ _‐ノv「ああ、じゃあ、やっぱり硬い方が切れ味で見れば良さげなのね」
( ・∀・)「鋭角を維持しやすいしな。また、基本的に硬いと加工や鋼材の製造が難しくなる」
lw´‐ _‐ノv「ああ、硬度が高くて靭性が低い、つまりガラスを削って成形するようなもんですからね」
( ・∀・)「うむ。あと、炭素が増えるほど加工時の温度調整がシビアになっていくので、硬い鋼材は高価な傾向があるんだな」
43
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:43:21 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「それにさっき言ったように錆びやすさは炭素のせいだ。硬いほど炭素が多いから錆びやすいことになる」
lw´‐ _‐ノv「つまり、手入れも大変になると。ステンレスじゃダメなんですかね?」
( ・∀・)「もちろん、ステンレスもあるよ。ステンレスってどんな鋼材だかわかる?」
lw´‐ _‐ノv「錆びない鉄」
( ・∀・)「違う、クロムを13%以上含む鉄主体の広義の合金。クロムが混ざると耐蝕性があがって粘りと硬度が出る」
lw´‐ _‐ノv「そう言うってことは、錆びないわけじゃないの?」
( ・∀・)「アルミと同じでクロムは酸化被膜を形成する。錆びたクロムが薄い透明な膜となって、酸素を防ぐから内部は錆びない」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「しかも、鉄主体だから炭素の影響も受ける」
lw´‐ _‐ノv「つまり、炭素を増やせば鋼みたいになる?」
( ・∀・)「そう、それがハイカーボンステンレス。ステンレス鋼だ」
lw´‐ _‐ノv「錆びない鋼!」
( ・∀・)「じゃ、ないんだよな。炭素鋼よりは遥かに錆びないが、炭素の影響で濡れっぱなしとかなら錆びる」
lw´‐ _‐ノv「ダメじゃん」
( ・∀・)「しかも、クロムは炭素と結びついて炭化物を形成する。これは少量なら切れ味を向上させるが、巨大化すると脆くなる」
lw´‐ _‐ノv「む? じゃあ、炭素はあんまり増やせない?」
( ・∀・)「クロムが硬いから炭素の割には硬いが、炭素鋼には硬度で圧倒的に劣る。それに炭化物が増えると酸化膜が減る」
44
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:44:44 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「他にもクロムには粘りが出る効果があって、一長一短な面がある」
lw´‐ _‐ノv「ん? いいんじゃないの? 強度があがるんじゃなかったっけ?」
( ・∀・)「いや、粘りすぎるんだ」
lw´‐ _‐ノv「ほう?」
( ・∀・)「なので、砥ぐ時に粘るからバリがなかなか取れないし、靭性が高すぎて砥ぐ力から逃げるので、時間がかかる」
lw´‐ _‐ノv「ああ、粘りすぎる粘土を力いっぱいこねてるような感じか」
( ・∀・)「そうそう、そんな感じ。しかも、硬度が低いからすぐ砥ぎが必要になってくる」
lw´‐ _‐ノv「ダメじゃん」
( ・∀・)「まあ、錆びないのは魅力的だし。時間かければ砥げるからな。後は研削力の高い砥石を使えば差は結構縮まる」
lw´‐ _‐ノv「要は使いようか」
( ・∀・)「使いようと言えば、世間一般にステンレス包丁は切れ味が悪いと言われる」
lw´‐ _‐ノv「だからハガネの包丁がいいって聞きますね」
( ・∀・)「これは間違いだ。切れ味はほぼ形状に依存する。ステンレスだろうがハガネだろうが、同じ形なら同じように切れる」
lw´‐ _‐ノv「それは時間を掛けて研がないから?」
( ・∀・)「それもあるし、一定の角度で砥ぎ続けるのは時間がかかるほど難しい。それに粘るので、そもそも同じ形にするのが難しい」
lw´‐ _‐ノv「刃先の状態なんてナノ単位だし、目に見えないから」
( ・∀・)「うん。本人は砥いだつもりでも、実際には全然砥げてないか失敗ってことが起こりやすい。これがステンレスが切れないカラクリだ」
45
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:46:32 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あとは、安物のステンレス包丁やナイフには製造工程の問題があってだなぁ」
lw´‐ _‐ノv「なんか違うの?」
( ・∀・)「基本的にステンレスは鍛造しても効果が薄いし、焼き入れの仕方が違うから板から打ち抜いて刃先を削って作る」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「その刃の付け方が、回転砥石、つまり、ベルトサンダーで削るだけなんだが、安物だとここに時間が掛けられない」
lw´‐ _‐ノv「ああ、綺麗な刃にする時間がないのか」
( ・∀・)「うむ。刃というより斜めに削ってるだけ。そのまま使うと普通切れない。だから、安物包丁は使う前に自分で砥ぐべきなんだ」
lw´‐ _‐ノv「それ以前に、そもそも、包丁を砥がない人は多そうですね」
( ・∀・)「うん。だから、最初から砥げてない包丁を砥がないで使って、安物は切れ味が悪いって言ってる人が多い」
lw´‐ _‐ノv「ああ……」
( ・∀・)「ま、100均包丁を限界まで砥ぎあげて使っても、それはそれでクソだったわけだがな」
lw´‐ _‐ノv「えっさっきの話、砥げば使えるって話じゃないんですか?」
( ・∀・)「いや、グラインダーの摩擦熱で焼きなまされてるのか刃持ちが悪すぎて、切れ味持つのがホント最初の一瞬だけだった」
lw´‐ _‐ノv「流石に100円クオリティだったか」
( ・∀・)「まあ、100円でそれなりに切れるんだから十分凄いけどな」
46
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:48:05 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、製造工程といえば、最終的な硬度は炭素だけでは決まらない」
lw´‐ _‐ノv「少し出てきた焼き入れとか焼き戻しですね」
( ・∀・)「うむ。詳しく書くと複雑なので省くけど、灼熱した鋼はその冷やし方で硬度が思いっきり変化する。炭素が多いほどこの性質は強くなる」
lw´‐ _‐ノv「柔らかくして変形して形が決まったら、最後に硬くする、と」
( ・∀・)「厳密には更に柔らかく戻すけど、そんな感じ」
lw´‐ _‐ノv「戻しちゃうの?」
( ・∀・)「硬すぎるから戻して靭性を強化しバランスを取るんだ」
lw´‐ _‐ノv「ほー」
( ・∀・)「で、炭素が0.3%以下だと硬度が変化しなくなる。だから鋼は0.3%〜2%の炭素を含有する鉄と定められている」
lw´‐ _‐ノv「なるほどー」
( ・∀・)「だから、厳密には炭素の量だけで硬度は確定しないんだ」
lw´‐ _‐ノv「というと、やろうと思えば柔らかい鋼材で硬い刃物も作れるの?」
( ・∀・)「柔らかさを戻す行程を抜けばそうなるけど、品質が安定しないし、すごく折れやすい」
lw´‐ _‐ノv「やはり炭素の調整になるわけね」
( ・∀・)「逆にある程度高炭素だと、鋳鉄とほぼ同レベル、炭素が多すぎて切削出来ない鉄と同等の硬度を得られる」
lw´‐ _‐ノv「ほう。鋳鉄っていうとマンホールの蓋とかですか」
( ・∀・)「そう、あとは南部鉄器だね。とはいえ、そんな硬度はプロ用の刺身包丁とかじゃないとまず見ない」
47
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:49:06 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、他に特殊鋼やセミステンレスって呼ばれる鋼もある」
lw´‐ _‐ノv「呼び方的にステンレスと鋼の中間かな?」
( ・∀・)「うむ。ステンレスはクロムが13%以上含まれる鉄主体の合金で、それ以下がセミステンレス」
lw´‐ _‐ノv「いいとこ取りですか」
( ・∀・)「んー少量すぎて耐蝕性が上がらず、ほぼ炭素鋼みたいなのから、逆にほぼステンレスまである」
lw´‐ _‐ノv「そんな少量で意味があるのだろうか?」
( ・∀・)「耐蝕性じゃなくて粘りを強くするため。ステンレスもだけど、特殊鋼はモリブデンやバナジウムなど色んな金属で性質を変えてるんだ」
lw´‐ _‐ノv「あら意外。鋼って鉄だけだと思ってた」
( ・∀・)「そもそも、鉄の原材料にはリンや硫黄なんかも混ざる、その時点で合金だ。それらは脆くなるから極力除くけどな」
lw´‐ _‐ノv「混ざっていいものばかりじゃないのね」
( ・∀・)「それら金属の色んな性質が多数影響しあって、鋼材の性格が変わるんだよ。とはいえ、基本は硬度だけどね」
lw´‐ _‐ノv「なるほどー」
( ・∀・)「個人的には、最初のナイフは柔らかめのセミステンレスがオススメだ。砥ぎやすいし、安価だから使い倒せる」
lw´‐ _‐ノv「砥ぎが簡単だからか」
( ・∀・)「といいつつ、俺の最初のナイフはVG-10。比較的硬めのステンレス鋼だったので、最終的には好みだけどな」
48
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:50:14 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、これは製造方法だけど、粉末治金鋼ってのもある。基本高価な素材だけどな」
lw´‐ _‐ノv「ふんまつ?」
( ・∀・)「粉状の原料をよく撹拌して、型に入れてから融解温度より低温で焼き固める、陶器みたいな鋼材」
lw´‐ _‐ノv「なんか脆そう」
( ・∀・)「確かにナノレベルの気泡ができるから、機械強度は若干落ちるな」
lw´‐ _‐ノv「なのに高価なんですか?」
( ・∀・)「それを補う圧倒的なアドバンテージがある。例えば、さっき言った高クロムと高炭素は両立しない話があるな」
lw´‐ _‐ノv「巨大な化合物ができて、それが邪魔になるんですよね?」
( ・∀・)「そうだ。要は溶けると鉄より先にクロムが炭素を掴まえてしまう。しかし、粉末状態で混ぜるなら!」
lw´‐ _‐ノv「おお! 鉄が捕まえる!」
( ・∀・)「それにより、クロムの粘りや靭性、耐蝕性と炭素鋼の硬度を両立している鋼材、ZDP-189なんてのもある!」
lw´‐ _‐ノv「しかも、元が粉末なら加工も容易そうですね」
( ・∀・)「実際容易らしい。なんと、ZDPは炭素の量も鋳鉄レベルの3%。事実上の鋳造だから出来る荒業だ」
lw´‐ _‐ノv「それ最強なのでは?」
( ・∀・)「まあ、耐蝕性も炭素でかなり下がってるし、粘りによる靭性強化には限界があって落としたら割れる程度に脆いけどな」
lw´‐ _‐ノv「ああー」
( ・∀・)「ちなみに割れなくてもZDP-189は個人的に嫌いだ。粘りと超硬度のせいでくっそ砥ぎづらい! 粉末治金は好きだけどな」
49
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:52:18 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「とりあえず、代表的な鋼材は触れておきたいが、多いからなぁ。炭素鋼だと白紙かSK-5だな」
lw´‐ _‐ノv「紙?」
( ・∀・)「日立金属が砂鉄から作った高品質鋼で、農具用の黄紙、セミステンレス鋼の青紙シリーズと共に、包み紙の色で呼ばれる愛称だよ」
lw´‐ _‐ノv「ほむほむ」
( ・∀・)「黄紙2号から不純物を除いた高純度な炭素鋼が白紙2号。そこにタングステンやクロムを加えて粘りを強化したのが青紙2号」
lw´‐ _‐ノv「2号ってのは?」
( ・∀・)「炭素量のランク。数字が少ない方が炭素が多い。青紙には1号の上のスーパーがある」
lw´‐ _‐ノv「白紙と青紙どちらがいいんですかね?」
( ・∀・)「青紙はクロムが0.5%も入ってないからほぼ炭素鋼とはいえ、クロムが入るので硬度がちょっと下がる」
lw´‐ _‐ノv「あ、やっぱり」
( ・∀・)「その上粘るので砥ぎに時間がかかる」
50
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:53:08 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「頻繁に砥ぐ本職の刺身包丁なら白紙1号を選ぶだろうね」
lw´‐ _‐ノv「まあでも、一般家庭ならそんなに砥がないよね?」
( ・∀・)「うん。家庭では青の方が錆にも多少強いし強度もいい。ただどっちも炭素がかなり多いんだよな」
lw´‐ _‐ノv「なにか、問題があるんですか?」
( ・∀・)「炭素量が高いほど、鍛造の温度管理が難しく、特に1号やスーパーは職人の腕が要求される、らしい。だから高い」
lw´‐ _‐ノv「らしい?」
( ・∀・)「鍛造はハンマーで叩くこと。凄いナイフが作れるが、ハンドメイドナイフでしか作れない。俺は持ってない」
lw´‐ _‐ノv「ああ、なるほどね」
( ・∀・)「あとは炭素鋼だとアメリカ規格の1095とか、スウェーデンのASSAB K-120だが、覚える必要はあまりない」
lw´‐ _‐ノv「錆びるから?」
( ・∀・)「いや、他の金属を混ぜてない純粋な炭素鋼は単に純度と炭素量の違い、どれもほとんど同じなんだ」
51
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:54:06 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「で、セミステンレス鋼と、ステンレス鋼は区別しないで行こう」
lw´‐ _‐ノv「似たようなものだから?」
( ・∀・)「いや、クロムの含有量とか開示されてないのもあるから。とりあえず、クロムが少ない奴ならさっきの青紙」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「他にはアメリカ製のハイス鋼M-2やD2。ランドールで使われるO-1、この辺はほぼ炭素鋼」
lw´‐ _‐ノv「錆びやすいんですね?」
( ・∀・)「濡れたら乾く前にとはいわんが、乾拭きしなきゃ錆びる」
lw´‐ _‐ノv「うわあ」
( ・∀・)「高クロムの低価格帯なら、モリブデン鋼。日本の貝印が作ってるカミソリ用ステンレス」
lw´‐ _‐ノv「カミソリ用ならナイフにも向いてそうです」
( ・∀・)「モリブデン鋼はカーショウとか海外メーカーもメインで使う事が多いね。ただ、これはそれ以上に安物包丁で見る」
lw´‐ _‐ノv「ほう。ってことは柔らかいのか」
( ・∀・)「ま、低価格だからね。次は最初のステンレス鋼ナイフで使われ、現在の基準にもなるアメリカ製のSUS440シリーズ」
lw´‐ _‐ノv「それはどれくらいの硬度なの?」
( ・∀・)「ナイフの硬度の実用限界はHRc55と言われてる。三種類あってどれも実用硬度HRC57〜59なので限度ちょい上」
lw´‐ _‐ノv「ほほう」
( ・∀・)「ナイフでは高炭素の440Cがナイフによく使われるな。HRc56〜58。製造・加工が容易で、非常に耐蝕性の高いステンレスだ」
lw´‐ _‐ノv「まだちょっと柔らかいな」
52
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:54:49 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「同等なモノに日本製のAUS-6、AUS-8、AUS-10がある。6はAに、8はBにそれぞれやや硬度で勝る。微差だけどね」
lw´‐ _‐ノv「おお、流石日本製」
( ・∀・)「AUS-10はCにやや勝り、次の154CMにやや競合する。ただまあ、価格差が差以上に高い」
lw´‐ _‐ノv「高いのか。流石日本製」
( ・∀・)「AUS-8がよく使われるかな。あと安価な素材だとSUS420-J2。440の劣化版みたいなの。世界一ナイフに使われる鋼材」
lw´‐ _‐ノv「SUSってよく出てきますね」
( ・∀・)「それはアメリカのステンレス鋼材の規格を意味するよ」
lw´‐ _‐ノv「なんだ。ステンレス鋼って意味か」
( ・∀・)「中クラスなら、武生特殊鋼材のV金10号と日立金属の銀紙1号。AUS-8クラスの靭性に440C以上の硬度がある」
lw´‐ _‐ノv「また日本製か!」
( ・∀・)「鋼材は日本とアメリカのツートップなのだよ。硬度はどちらも同じくらい。だがVG-10の方が粘るから好みは別れる」
lw´‐ _‐ノv「日本刀技術がありますからねえ」
( ・∀・)「で、元々ボーイング770の軸受けボールベアリングに使われたアメリカ製154CM。昔はこれが高価格帯ナイフの基本だった」
lw´‐ _‐ノv「ボールベアリング用? なんで?」
( ・∀・)「高い靭性と硬度が必要だからね。向いてたのはたまたまだ」
lw´‐ _‐ノv「高熱耐性とかのほうが重要そうですが」
( ・∀・)「それらも高い。ので加工が難しいが、耐蝕性も高くて高評価だ」
lw´‐ _‐ノv「錆びたら軸受けにできませんからね」
53
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:55:56 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「なお、AUS-10<VG-10≦銀紙1号<154CMの順に高価で、154CMは高価格帯に片足突っ込んでる」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「そして、高価格帯なら日立金属の本命ATS-34。154CMに似てるが、ハンドメイドナイフでステンレスを使う時は多くがこれだ」
lw´‐ _‐ノv「ハンドメイドに多いってことは、ナイフとしては最高レベル?」
( ・∀・)「もちろん。実用硬度は、HRC60〜61と炭素鋼並。440Cの1.5倍の耐摩耗性と1.3倍の耐蝕性がある」
lw´‐ _‐ノv「すげー」
( ・∀・)「あとはATS-34に性能が近く、やや安価な、粉末治金鋼CPM-S30V」
lw´‐ _‐ノv「やっとハイテクステンレスが出ましたか」
( ・∀・)「機械強度は粉末治金なので負けるが、硬度は同程度で靭性と切れ味はこちらがやや勝つ」
lw´‐ _‐ノv「でも大差ないのね」
( ・∀・)「靭性の影響で研いだ感じはちょっと違う。ただ、CPMはなくなるかもなぁ、製造元が倒産したから。鋼材は残ってるからまだ作られてるよ」
lw´‐ _‐ノv「それ以上の高価格なのもあるの?」
( ・∀・)「あるよー。カウリXやZDP-189。どちらも粉末治金で炭素3%の超硬度」
lw´‐ _‐ノv「どっちもさっきでたやつだ」
( ・∀・)「アメリカ製ならCPM-S60VやS90Vも同じような硬度を持つ。あとはM390とか気になってる」
lw´‐ _‐ノv「気になってる?」
( ・∀・)「持ってないんだよねー、ただ性能を見る限りはかなり良さそうだが、あんまり作られてないからなんかあるのかも」
54
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:56:45 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あ、あと、9Cr13CoMoVも触れておこう。VG-10の中華コピー」
lw´‐ _‐ノv「中国は何でもコピーするんだな!」
( ・∀・)「鋼材に関しては単に配分真似てるだけで、割りとちゃんと作ってるが、自分たちで開発しないのは、らしいよね」
lw´‐ _‐ノv「やっぱり安価?」
( ・∀・)「もち。ただそれは、鋼材がってよりも主に中国製ナイフに使われるからって部分が大きい」
lw´‐ _‐ノv「元が安いからどれくらい安くなったかわからんのか」
( ・∀・)「高価な鋼材以外は、輸入費の関係で生産国の鋼材使うからね、あとAUS-8のコピー、8Cr14MoVもあります」
lw´‐ _‐ノv「名前が長くてなにがなんだか」
( ・∀・)「9Cr(9%クロム)13Co(13%コバルト)MoV(モリブデン・バナジウム入り)ステンレス鋼だよ」
lw´‐ _‐ノv「単純に配合だった」
( ・∀・)「最後にH1とβチタン。錆びない鋼材だ」
lw´‐ _‐ノv「錆びないの? ステンレスは炭素多いと錆びるんじゃないの?」
( ・∀・)「これは海水にドブ漬けしては乾かしてを繰り返しても錆びない」
lw´‐ _‐ノv「すげえ!」
55
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:57:40 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「まずβ合金系チタニウム。鉄じゃなくて普通にチタンのことだが、一般的にチタンと呼ばれるαチタニウムとは性質が異なる」
lw´‐ _‐ノv「難しい……」
( ・∀・)「簡単にいえば、チタン主体の合金で、添加する他金属の影響で性質が変化するんだ」
lw´‐ _‐ノv「なんか鋼と炭素みたいね」
( ・∀・)「マジでそんな感じで、βは簡単にいえば焼入れ(厳密には人工時効処理)できるチタン合金のこと」
lw´‐ _‐ノv「おお! つまり刃物に使える!」
( ・∀・)「その通り! しかし、硬度は限界でもHRc52〜54。物によっては47! チタンは硬度が低いのです」
lw;‐ _‐ノv「実用限界割ってる……」
( ・∀・)「なので、基本はダイバー用。漁網に引っかかってしまった時に切断する命綱」
lw´‐ _‐ノv「ああ、チタンは酸に漬けても錆びませんからね。硬度低くて刃持ちが悪くても一回切れればいいのか」
( ・∀・)「そういうこと。ただ、青虹色で凄い綺麗なのもあって見た目は好き」
lw´‐ _‐ノv「完全に趣味じゃないですか」
( ・∀・)「ナイフは趣味だし。で、それを変えたのがH1鋼材! 絶対錆びない鋼!」
lw´‐ _‐ノv「ステンレスでも錆びるのに?」
( ・∀・)「炭素の代わりに窒素を使った新しい鋼だ。HRC57〜58でVG-10並。実用するとちょっと柔らかいらしいが」
lw´‐ _‐ノv「おお、ステンレスと比較してもいい方じゃないですか」
56
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 00:59:12 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「窒素の影響なのかマジで錆びないという話。持ってないから実際どのレベルかわからんが、今ちょっと欲しい」
lw´‐ _‐ノv「ほほー」
( ・∀・)「ただ、焼入れじゃなく高圧力を掛けると硬度が変わる特殊製法で、背側は柔らかいとのことだ」
lw´‐ _‐ノv「圧力? どういうこと?」
( ・∀・)「なんかローラーするらしい。あと、刃欠けしないで潰れるっぽい? たぶん、圧力が掛かってない内側は柔らかいんだと思う」
lw´‐ _‐ノv「鋼と全く同列に考えてもダメみたいですね」
( ・∀・)「まあね。経年変化と使用による劣化はどうなっていくかわからん」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ。でも海釣りとかに持っていくのは良さそうですね」
( ・∀・)「俺もそう思う。釣り行って帰ってくるくらいなら切れ味も持つし」
lw´‐ _‐ノv「ちなみに、一番好きな鋼材はなんですか?」
( ・∀・)「VG-10かS30Vだね。VG-10はちょい硬めくらいだが、ギリギリ研ぎやすくて好きだ。粘るからやりにくいって人もいるが」
lw´‐ _‐ノv「CPM-S30Vは?」
( ・∀・)「んー鍛造した刃物って鋼材の結晶が粉砕されて細かくなり、同じように砥いでも、刃先の形状が細かくなりやすく、切れ味がよくなるんだよ」
lw´‐ _‐ノv「え、粉末治金じゃなかったっけ?」
( ・∀・)「その粉末治金は細かい粒子を焼結するからか、鍛造にとても近い切れ味になる」
lw´‐ _‐ノv「なるほど。それで好きなのか」
( ・∀・)「硬度と靭性もかなり高く両立してるしね。砥ぎは硬さと粘りで難しい部類だが、なくなるのがホントに惜しい」
57
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:00:45 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、鉄からナイフの話に戻りまして。ナイフの刃には直刃と波刃、半波刃があるんだ」
lw´‐ _‐ノv「?」
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http://knifeshop.jp/SHOP/SP-C11PBK.html
( ・∀・)「波刃といえばスパイダルコで、看板ナイフのデリカ4」
lw´‐ _‐ノv「かっけえ!」
( ・∀・)「ちなみに、波刃を(フル)セレーション。直刃をストレート、半波刃をハーフセレーションと呼びます」
lw´‐ _‐ノv「波だと何が違うの?」
( ・∀・)「柔らかいものを切る時には、波のトゲが食い込むのでしっかり切れる。切っ先がいくつも並んでる状態だ」
lw´‐ _‐ノv「おお!」
( ・∀・)「なので。濡れたロープやダンボール、梱包テープなど、普通の刃では切りにくい柔らかい、動くものを切れる」
lw´‐ _‐ノv「パン用の包丁ってそんな感じですよね」
( ・∀・)「それもセレーションの一種だね。これの欠点はこの上なく研ぎにくい」
lw´‐ _‐ノv「形状的に当然だけどね!」
( ・∀・)「専用の棒上の砥石で研ぐが、本格的な研ぎは無理と言っていい」
lw´‐ _‐ノv「ああー」
( ・∀・)「まあ、簡易な研ぎで十分切れるようになるけどね。あと、場面も選ぶ。例えば何かを削る時はギザギザに削れて邪魔でしかない」
lw´‐ _‐ノv「ホントに柔らかいものの切断に特化するんですね」
( ・∀・)「うむ。特にハフセレは通常の砥ぎと波刃の砥ぎで2度手間がかかるので、最初の一本は応用性の高い直刃がいいと思う」
58
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:01:47 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、ナイフそのものに関する知識はこんなもんかな」
lw´‐ _‐ノv「そのもの?」
( ・∀・)「次はナイフを作る側の話。つまり、メーカーの話をしたいが…… 数が多い」
lw´‐ _‐ノv「そんなに多いと数時間悩むぞ私は」
( ・∀・)「なので、俺の好きなメーカーだけ説明する」
lw´‐ _‐ノv「独断と偏見が出たな!」
( ・∀・)「おうよ! まずは、まあ日本製からG・サカイ」
lw´‐ _‐ノv「サカイ?」
( ・∀・)「元々は刃物で有名な関の輸入用ナイフを作る小さな工場だった。当時、日本はナイフに関して弱小国でな」
lw´‐ _‐ノv「日本製だから凄いってわけじゃなかったのか」
( ・∀・)「どちらかと言えば安くて品質の悪いものを作る、今で言う中国みたいな扱いだった」
lw´‐ _‐ノv「ああ、戦後の日本はそんな扱いでしたね」
( ・∀・)「それを変えたのが、あとで出てくるGERBER社のシルバーナイト」
lw;‐ _‐ノv「えっG・サカイの話じゃないの!?」
( ・∀・)「始まりは、とある青年社長が、日本だって高級ナイフを作れるとナイフを輸入する会社の社長に売り込みに行ったことから始まる」
lw;‐ _‐ノv「お、おう。話が飛ぶなぁ」
59
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:03:13 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「その輸入業の社長は、GERBERやBackといった有名メーカーのナイフと、売り込まれたナイフを比較して散々にこき下ろした」
lw´‐ _‐ノv「陰湿だなぁ。普通単なる営業にそこまでするか……?」
( ・∀・)「相違点を一つ一つ挙げていったほどらしい。青年社長はその指摘の正しさも理解し、自信喪失して帰ったそうだ」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「しかし、それからしばらくして青年社長はまた戻ってきた。指摘された点を全て改善したナイフを持ってね」
lw´‐ _‐ノv「おおお! 熱いな!」
( ・∀・)「まあ、それもダメダメだったんだが、輸入業の社長はこの熱意に、もしや凄いナイフが作れるのではないかと期待した」
lw´‐ _‐ノv「プロジェクトX!」
( ・∀・)「そこで今度はしっかりと、どう改善すべきかを熱心に説明し、良いナイフができたら必ず買うと約束して送り出した」
lw´‐ _‐ノv「風のなかのすーばるー」
( ・∀・)「そして、以前から取引のあったGERBER、比較しこき下ろしたメーカーにこの工場を売り込みに行く」
lw´‐ _‐ノv「砂のなかのぎーんがー」
( ・∀・)「当時GERBERの社長は乗り気じゃなかったが、ただ米国内での需要が増してて手が足りてなかったそうだ」
lw´‐ _‐ノv「皆どこへいいったー」
( ・∀・)「期待通りでなければ一度きり、そう言って取引したのが今でも続く長い取引になるんだ」
lw´‐ _‐ノv「見送ーられることもぉーなくー!」
( ・∀・)「その製品がシルバーナイトで、青年社長が現Gサカイ社長。200万本を売り上げた名作日本製ナイフだよ」
60
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:04:06 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「なので、G・サカイの名で売るナイフもあるけど、それ以上に海外からの委託が多いんだよね」
lw´‐ _‐ノv「なるほどー。話がどう迷走するか不安だったけどちゃんと着地してよかった」
( ・∀・)「G・サカイの名で売るナイフは、安く値段の割には非常に高品質なものが多い印象があるな」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「国内メーカーで有名どころは同じく委託が多いけど、やや高価格で高品質なナイフの傾向があるのはMOKIナイフ」
lw´‐ _‐ノv「日本にわざわざ委託するメーカーは多いのね」
( ・∀・)「多い。日本刃物や鋼材に非常に強い。あと有名なのは服部刃物だけど、こちらは少数生産ですぐ売り切れるイメージがある」
lw´‐ _‐ノv「人気メーカーなの?」
( ・∀・)「いや、服部は包丁のが有名かも。基本は受注生産で、まとまった数売ること少ないからね。値段も跳ね上がる」
lw´‐ _‐ノv「うへー」
61
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:05:33 ID:U3EgjYHg0
支援
62
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:06:00 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「海外のメーカーはどんな感じでしょう?」
( ・∀・)「先ほど話が出たGERBER。包丁メーカーから成り上がる話とか長いから省略で」
lw´‐ _‐ノv「どんなナイフなんです?」
( ・∀・)「今は登山用品のメーカーとしても有名だが、ナイフブランド名はフィンランドの別企業に売ってしまった」
lw´‐ _‐ノv「ナイフのメーカーじゃなくなってる!」
( ・∀・)「フィンランドになる前は高級ナイフとして超有名なメーカーだった」
lw´‐ _‐ノv「ほほう今は?」
( ・∀・)「それなりにいい品質のものを安く売る感じになった。人気があっても採算が合わないモデルは全部消えたしね」
lw´‐ _‐ノv「ちょっと残念です」
( ・∀・)「だが、ガーバーの社員達は、今各々独立して有名なメーカーを作った人も多数いる。ローンウルフとかカーショウとかね」
lw´‐ _‐ノv「ああ、だから話すには外せないメーカーなのね」
( ・∀・)「その中で特に有名なのは、ナイフの神様、ボブ・ラブレス。カスタムナイフというジャンルを作った人」
lw´‐ _‐ノv「ジャンルを作った?」
( ・∀・)「世界初めてのカスタムナイフ専門職人だよ。まあ、大量生産前は全部カスタムだったんだろうが」
lw´‐ _‐ノv「でも時代の逆を行って成功してるって凄いね」
63
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:06:58 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あとはBuck。GERBERと二大双璧をなしていた有名メーカー。安定した品質でハズレがない」
lw´‐ _‐ノv「さっきのフォールディングの説明で出てきた奴ですね」
( ・∀・)「それそれ。バックロック機構を発明し、一躍超有名になったアメリカのメーカー」
lw´‐ _‐ノv「他には?」
( ・∀・)「スイスアーミーナイフのビクトリノックス。バタフライナイフを開発したナイフメーカー、ベンチメイド。
そして俺の大好きなスパイダルコ辺りが有名かな」
lw´‐ _‐ノv「スパイダルコ?」
( ・∀・)「創立が1990年代と新興メーカーながら、フォールディングナイフの常識を変えたメーカーだ」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「それまで登山ではシースナイフが主流だった」
lw´‐ _‐ノv「また話が迷走する気配がしだしたよ?」
( ・∀・)「例えば崖登りの際に、ザイルが絡まった時、片手で崖にぶら下がりつつ取り出せるのはシースだけだった」
lw´‐ _‐ノv「ああ、そういう時こそナイフは重要ですね」
( ・∀・)「そう、他にも危険な場面での緊急処置としてのナイフは、片手を離せない場面が多く、だからフォールディングは使用されなかった」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「その常識の壁を越え、アメリカとスイスのエベレスト登山隊に制式採用されたのがスパイダルコのフォールディングナイフ、エンデューラだ!」
64
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:09:18 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「なんと、バックロックでワンハンドオープン&クローズを可能にした最初のナイフ」
lw´‐ _‐ノv「バックロックの欠点は両手操作だけど、モラさんは片手で開ける、ってこれか!」
( ・∀・)「このメーカーは刀身に穴を開けて指を引っ掛けられるようにした。当時はサムスタッドがなく、ネイルマーク中心だったからね」
lw´‐ _‐ノv「ネイルマークって爪引っ掛けるとこですよね」
( ・∀・)「そうそう。これは爪ではなく指が引っ掛けられる。またバックロックの位置を改善し、片手で閉じられるようにした」
lw´‐ _‐ノv「閉じるのも片手か」
( ・∀・)「その上で、左右両利き対応。左手でもワンハンドオープンクローズも実現してる」
lw´‐ _‐ノv「ほー。だからこのメーカーが好きなのね」
( ・∀・)「ライナーロックも片手操作可能だが、左利き対応が難しい欠点があった。俺はライナーは信頼性の低さで好きじゃないしな」
lw´‐ _‐ノv「あれ? そういえばさっき、波刃といえばスパイダルコっていってなかった?」
( ・∀・)「うむ。ザイルを切るための登山ナイフだからね。波刃にもこだわってて独特な波刃が特徴だ」
lw´‐ _‐ノv「トレードマークみたいな感じか」
( ・∀・)「それはどっちかというと穴のほうかな。シースにもわざわざ開けるくらいだし」
65
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:10:55 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「他にも、人体工学的な使用しやすさをよく研究してて、しかも高品質の割にかなり安い。最近はかなり高くなって少し品質落ちたけど」
lw´‐ _‐ノv「まさに実用特化ですねー」
( ・∀・)「ただまあ、実用特化すぎてハンドルは安いザイテルが多いし、カッターや包丁の延長みたいなデザインが多いな」
lw´‐ _‐ノv「コストの大半を実用にだけつぎ込んでるメーカーなのか」
( ・∀・)「何度でもいうが、俺はそこが大好きだ! ちなみにさっきのG・サカイに委託してる。つまり大半が信頼の日本製だ」
lw´‐ _‐ノv「それで安いのは確かによさそうです」
( ・∀・)「人体工学的なデザインは、使ってみるとわかるぞ。小型ナイフの傑作、ドラゴンフライは小さいのにグリップ性が高い」
http://knifeshop.jp/pic-labo/SC28GRE2-2.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/SP-C28GRE2.html
lw´‐ _‐ノv「どれどれ。おお! なにこれ!?」
( ・∀・)「畳めば薄く、使い捨てライターくらいのサイズだが、十分力を込められるんだ。総合的に見てもカッターを超えてると思ってる」
lw´‐ _‐ノv「なるほど、ちょっとわかった気がします」
( ・∀・)「普通、この手の小さいナイフはランヤード。ストラップみたいなのを付けて、柄を延長するのが普通なんだ」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「でもこいつに関しては、手が大きい人を除いて不要。デスクナイフからポケットナイフまで完璧だぜ」
66
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:12:01 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、スパイダルコの中国委託廉価ブランド、バードナイフもいいぞ」
lw´‐ _‐ノv「まだこのメーカーの話続くの?」
( ・∀・)「バードは中華製とは思えないほど精度が高い」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「スパイダルコは品質管理が徹底してるからな。中華製でもこれ作るのかって高品質だ」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「ただまあ、中国に委託してからコピー品が増えてな。バードナイフは多くが廃盤になった」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「だが、若干改良されて本家より使いやすくなったデザインもあるので、バードも好きだぞ俺は!」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「実用重視なら今のうちにバードを入手すべきだと思う!」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「……」
lw´‐ _‐ノv「うんうん。あ、終わった?」
( ・∀・)「うん、ごめんね」
lw´‐ _‐ノv「分かればいいのよ」
67
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:13:09 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あとは、コールドスチールにも触れておくか? 一応、おすすめではあるし」
lw´‐ _‐ノv「冷たい鉄?」
( ・∀・)「えっと、防犯用品のメーカーであり、一般人向けの武器メーカー?」
lw´‐ _‐ノv「護身用って、さっきこき下ろしてた戦闘用ナイフもどきなのでは?」
( ・∀・)「正直、なんちゃってコンバットナイフの印象はあるが、その割には姿勢は真摯で、製造がGサカイだから品質もいい」
lw´‐ _‐ノv「使い勝手がいいから困るって奴か」
( ・∀・)「それだけならSOGも同じなんだが、コールドスチールは社長と商品が面白い」
lw´‐ _‐ノv「は?」
( ・∀・)「まず、キワモノナイフが有名でな。ウォーリアーシリーズって、日本刀型のステンレス鉈を作ってしまったりな」
lw´‐ _‐ノv「ア、アメリカでは人気出るんじゃ?」
( ・∀・)「出てる。でも、多分脇差って言いたかっただろう短刀型が『ワカザシ』になってるのはニンジャスレイヤーを彷彿とさせる」
lw´‐ _‐ノv「ワカザシwwwwwww」
( ・∀・)「それをな、社長自らプロモーションビデオ撮っててな。やたらといろんなものを切るんだが、居合経験者から見たら酷いんだ」
lw´‐ _‐ノv「どうひどいの?」
( ・∀・)「単なる力業で、だけどパワーがあるからスパスパ切れてる」
lw´‐ _‐ノv「wwwwwww」
68
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:14:41 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「で、このプロモーション、ナイフだけでなく色んなことしてる」
lw´‐ _‐ノv「た、たとえば?wwwwwww」
( ・∀・)「催涙スプレーのプロモーションビデオで社長自ら食らってみる動画とか?」
lw´‐ _‐ノv「もうリアクション芸人じゃんwwww」
( ・∀・)「他にも戦闘用スコップとか、色々キワモノを作ってて見てて飽きない」
lw´‐ _‐ノv「スコップを戦闘用にする意味ってなにwwww」
( ・∀・)「ナイフ護身術も社長自ら学び、それを基に独自研究してて、その成果か、さっきの日本刀モドキも、剣としてはよくできてる」
lw´‐ _‐ノv「ほへー」
( ・∀・)「なんていうか、真面目な厨二病みたいなメーカーだな。キワモノ以外のまじめなナイフはホントちゃんとしてるよ」
lw´‐ _‐ノv「それは日本製だから?」
( ・∀・)「いや、デザインも細部まで考えられた、遊びが少なくても成立するかなり精巧なナイフが特徴だ」
lw´‐ _‐ノv「意外だ……だからおすすめメーカーなのか」
( ・∀・)「総評して、比較的安価でいいナイフが欲しいならGERBER、Buck、Gサカイ、SPYDERCO、コールドスチール。オンタリオも入れていいかな」
lw´‐ _‐ノv「高くていいなら?」
( ・∀・)「マイクロ・テック、MOKI、ローンウルフ。あと、もしタクティカル系を安く欲しいならS&W、コルトといった銃器メーカー」
69
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:15:45 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、最後に砥ぎの話。これは詳しく語ると砥ぎを趣味にしてる人がいるくらい奥深いのでさらっと流すよ」
lw´‐ _‐ノv「まだあるのか」
( ・∀・)「正直言って、初期の刃付けでまともに切れるのは日本製と一部の高価なアメリカ製だけだ」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「そうなの。だからさっき挙げたメーカーはほとんどが箱出しでそれなりに切れるとこ、ってのも考えてる」
lw´‐ _‐ノv「適当に挙げてるだけじゃなかった! なんでそんな刃付け適当なんだろう?」
( ・∀・)「製造工程上ベルトサンダーで荒研ぎの後にバフがけしてるかどうか、次にナイフを観賞用と考えているメーカーは、切れない方が好都合だから」
lw´‐ _‐ノv「前者はさっきの安物包丁が何故切れないのか、って話でしてましたね。荒研ぎ?」
( ・∀・)「んー、まず最初に、砥ぐと何故切れるか? というところから」
lw´‐ _‐ノv「普通に、鋭角だから切れるんじゃないの?」
( ・∀・)「実は刃先を電子顕微鏡などで拡大すると、筋状の傷がエッジに対して垂直についてて、それがナノレベルの細かい波刃を作ってるんだ」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「ナイフ型の板があるとして、刃に対して垂直に丸刃彫刻刀で一定間隔に削ったら、波刃になるじゃん? そんな感じ」
lw´‐ _‐ノv「おお、そういうことか」
70
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:16:43 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「これが極小ノコギリになってて、だから引くと切れる。これが潰れたり欠けていくと砥ぎが必要になる」
lw´‐ _‐ノv「砥石で波を作り直すのね」
( ・∀・)「そういうこと。でも実際には使ってる刃は細かい傷や刃欠けがたくさんあって、これの修正も兼ねていく」
lw´‐ _‐ノv「それは削ってゼロからやり直す的な感じか。あ、なら、砥石使わずにやすりでも砥げる? ってこと?」
( ・∀・)「荒い砥ぎならできないこともないが、よほどうまくやらないと刃の直線が崩れるよ?」
lw´‐ _‐ノv「細いから難しいかー」
( ・∀・)「そもそも砥石とやすりの最大の違いは、削り方が根本的に違う」
lw´‐ _‐ノv「?」
( ・∀・)「やすりは表面の凹凸を使うが、砥石は表面の母材に保持されている硬い粒子が崩れ、砥石と刃の間を転がって削る」
lw´‐ _‐ノv「平らな板に砂撒いて、砂で削るという感じ?」
( ・∀・)「そういうこと。なので、ヤスリより細かく性格に削れるし、砥糞といって、使うと泥みたいな粒子が出てくる。これを流してはいけない」
lw´‐ _‐ノv「へー」
( ・∀・)「ダイヤモンド砥石に関してはやすりに近いけどね」
71
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:18:06 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「そんな砥ぎ(シャープニング)だが、大まかに分けると二種類。タッチアップとホーニングがある」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「ホーニングをシャープニングって呼ぶこともあるが、ここでは混乱するのでホーニングに統一だ」
lw´‐ _‐ノv「何が違うんですか?」
( ・∀・)「根本的に目的が異なるが、まず、ホーニングは板状の砥石に水や油をしたたらせながら前後するあれだ」
lw´‐ _‐ノv「無理に卑猥な言い方しなくていいですよ」
( ・∀・)「うるせー。対してタッチアップはそれ以外。回転する丸い砥石の溝に刃を差し込んで引く奴とかセラミックの棒の奴とか」
lw´‐ _‐ノv「あー、そういわれると、あれってどう砥いでるかよく分かってなかった」
( ・∀・)「タッチアップは主に緊急時の応急処置。簡単に言えば刃先に無数の傷をつけて刃先の波刃を作るためのもの」
lw´‐ _‐ノv「ん? 違いがイマイチ……」
( ・∀・)「繊細な刃先は無理だが、さっきのノコギリが作り直されるので切れ味は回復する」
lw´‐ _‐ノv「うん」
( ・∀・)「反面、削らずにただ傷を付けるだけなので、これだけだと刃先がどんどん鈍角になり、切れ味や食い込みは低下していく」
72
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:19:06 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「更に、刃先が丸まっている場合、相当上手くやらないと先端の丸いノコギリ刃が形成される」
lw´‐ _‐ノv「使っていると刃先は丸まっていくから……」
( ・∀・)「波はできるから改善はするが、完全回復は見込めず、一時的なものでしかない。相当頻繁にやってれば別だが」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ本当に単なる応急処置なんだ」
( ・∀・)「それに刃こぼれは直せないし、均一な砥ぎは難しいから長期的に使うと最悪刃角や直線性が狂っていく」
lw´‐ _‐ノv「つまり、タッチアップだけし続けるのは刃物によくない?」
( ・∀・)「スティックタイプはまだマシかな。長期的に使ってもあまり問題ない」
lw´‐ _‐ノv「おお! じゃあこれを使えばいいんですね?」
( ・∀・)「でも、正しい使い方が前提で、砥石を動かすにはかなり慣れが必要だし、狂った時や刃毀れの修正には使えない」
lw´‐ _‐ノv「綱渡りすぎた……」
( ・∀・)「最悪なのは回転溝タイプのタッチアップ。使い方を間違えると溝の底で刃が丸まってしまう」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「そうなの。完全に丸まったり歪んだりした刃はホーニングでしか直せないし、初期状態から刃を付け直すより難しい」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、もし丸まってしまった場合は?」
( ・∀・)「普段からホーニングを練習してない人がこれを立ち直らせるのは無理だ。お金出して本職に砥ぎ直しをお願いすることになる」
lw´‐ _‐ノv「余計めんどくさい!」
( ・∀・)「逆に完全に丸まった刃物を砥げる人は、このスレで一々聞く必要はない!」
73
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:20:08 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「まあ、正しい使い方をすればそこまで酷くはならない。溝に対して斜めに入れて底まで差し込まないのが正解だ」
lw´‐ _‐ノv「知らないで使っている人も多そうですね」
( ・∀・)「とはいえ、高価なものはそれなりに砥げるが、安価なものは革の床面で擦った方がまだマシだな」
lw´‐ _‐ノv「床面?」
( ・∀・)「革のザラザラしてる面に刃先を軽く当てて擦りつけると、一時的に切れ味が回復する。背方向に動かすのがコツだ。刃先に進むと革が切れる」
lw´‐ _‐ノv「知らなかった。そんなんで回復するんだ」
( ・∀・)「革に研磨剤を塗りこんでより砥石に近くしたら革砥と言うものになる」
lw´‐ _‐ノv「ほほー。とりあえず、回転タイプはやめときます」
( ・∀・)「まあ、包丁は15度で、ナイフは25度。刃角が違うから回転タイプの砥石は使えないけどね」
lw´‐ _‐ノv「あ、そういえばそうだった。回転タイプは当てる角度も変えられないのか」
( ・∀・)「対してホーニングだが、これは刃先全体を削る行為だ。刃角を調整することもできる」
lw´‐ _‐ノv「というか、刃角そのものを作ってる感じ?」
( ・∀・)「そんな感じ」
74
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:21:18 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「しかし、これはこれで最大にして唯一の問題がある」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「ホーニングを極めようと思えば一生掛けても時間が足りない。最低限切れる刃物に砥ぐだけでもそれなりの技術、つまり練習が必要だ」
lw´‐ _‐ノv「でも、だれでもやってるような気が……」
( ・∀・)「一定角度をずっと保ちながら砥石の上を往復するんだぞ? 慣れない内はどうしても角度が変わっていく。初めての自転車くらいに難しい」
lw´‐ _‐ノv「ああ……そう言われてみると、自転車だって不安定な細いタイヤでバランス取りながら進むわけですね」
( ・∀・)「ま、慣れたら普通に研ぐ分には問題ないが、問題は慣れるまでなんだよね」
lw´‐ _‐ノv「失敗すると修正難易度があがって慣れてないと手も足もでなくなる?」
( ・∀・)「そう。つまり、自転車で転んでしまうと、今度は両手を離して走る必要が生まれるようなもんだ」
lw´‐ _‐ノv「やっべえ。ただでさえまだ自転車に乗れてないのに!」
( ・∀・)「これの解決方法は練習だけだ、とにかく数をこなして腕を上げるしかない」
lw´‐ _‐ノv「しかも、根性解決かよ!」
( ・∀・)「一応、補助輪のような道具はあるけど、普通は包丁用で刃角が違うからナイフには使えないんだよな」
lw´‐ _‐ノv「さらなる追い打ち!」
75
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:22:35 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「なので、最初は安い刃物を潰すつもりで練習して、慣れたら高い刃物を研ぐといい」
lw´‐ _‐ノv「なるほど」
( ・∀・)「ぶっちゃけ、初めてやって試行錯誤なしにいきなりよく切れる刃が付いたら奇跡だ」
lw´‐ _‐ノv「まあ、補助輪無しでいきなり自転車乗りこなすのは奇跡ですね」
( ・∀・)「で、砥ぎ方を説明すると長いので省略するが……」
lw´‐ _‐ノv「そこ省略するの!?」
( ・∀・)「だって、お前のナイフは俺が砥げばいいじゃん」
lw;‐ _‐ノv「この男! ここに来て読者置いて行くつもりだ!」
( ・∀・)「さっき言ったように砥ぎはそれだけで一つの趣味なのです」
lw´‐ _‐ノv「それだけ初心者お断りな壁があるのね」
( ・∀・)「とりあえず、練習方法としては、まず、購入時でそれなりに刃が付いているナイフを選ぶこと」
lw´‐ _‐ノv「砥がなくていいから?」
( ・∀・)「違う。第一に刃角を変更するホーニングは、かなりの慣れと時間がかかる」
lw´‐ _‐ノv「ああ、さっきの両手離し走行ですね」
( ・∀・)「第二に試行錯誤する時の目標がわかりやすい。最初に丸めた3枚のティッシュを一引きでどれほど切れるか確かめるんだ」
76
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:24:59 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「第三に、好みかはさておき刃角が正しいなら、それを守るだけならいい練習方法が存在するため」
lw´‐ _‐ノv「ほう」
( ・∀・)「その練習方法とは、刃先をマジックで塗って砥いでみることだ」
lw´‐ _‐ノv「一体どんな効果が?」
( ・∀・)「なけなしの補助輪。刃角と同じ角度で砥げているなら、マジックが消えていく」
lw´‐ _‐ノv「おおー?」
( ・∀・)「刃角と砥石に当たる角度が違う場合、刃先かエッジとブレードの境目のどちらかが削れる」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「刃角を守って削る場合、エッジと砥石は平行でなければならない」
lw´‐ _‐ノv「そうか! マジック塗った面が砥石に平行かどうか、目で見てわかるようにするためなのね!」
( ・∀・)「マジックが消えていく角度を見つけたら、とりあえず、その角度を守れば砥げる! その指針があるかないかでかなり違うよ!」
lw´‐ _‐ノv「ちなみに、砥げたかどうかはどう確認すればいいんです?」
( ・∀・)「俺は髭剃れるくらい砥いじゃうから、剃り残しなく剃れるかどうかで確認しちゃうけど……」
lw´‐ _‐ノv「ナイフで髭剃る男性ってワイルド過ぎて逆にモテなそう」
( ・∀・)「刃が付いているかどうかなら、爪の上に当てる。砥げてるなら爪に食い込んで動かない。ツルツル滑るなら刃がついてない」
lw´‐ _‐ノv「ほー」
( ・∀・)「これは切れ味じゃなく、刃がついたかどうかね。切れ味を確かめたいなら、レシートを片手で持って糸くずのように削げるかで試すといい」
77
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:25:51 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、砥石には番手がある。天然砥石にはないけど、石種である程度決まってる」
lw´‐ _‐ノv「紙やすりとかと同じですね」
( ・∀・)「そそ、高番手ほど目が細かい奴ね。大きく分けて荒砥、中砥、仕上げ砥、超仕上げ砥とある」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「荒砥は#1000未満の番手。研削力に優れる砥石で、用途は主に刃こぼれや刃角の修正」
lw´‐ _‐ノv「刃角って、さっきからよくに出てくるけどどれくらいがいいんですか?」
( ・∀・)「ナイフなら25度前後と言われる。包丁は10度から15度。鉈は30度くらい。好みもあるな、俺は23度くらいに付ける」
lw´‐ _‐ノv「ほへー」
( ・∀・)「まともな製品の初期刃付けは大抵25度だが、酷いと30度くらいのもザラに見るぞ」
lw´‐ _‐ノv「なるほど」
( ・∀・)「とはいえ、普通に使ってる包丁やナイフは、ルーペで見ると細かい刃毀れがたくさんある。これを修正するのが普通の使い方」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「元々定期的に砥いでるなら、荒砥石は飛ばして次の#1000〜#2000、中砥石だ」
78
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:26:31 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「これは何に使うの?」
( ・∀・)「紙やすりもそうだけど、番手は順に細かくしていかないと、大きい傷は高い番手だとなかなか消えないね」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「磨くってのはどんどん細かい傷に替えていって、最終的に見えないほど細かい傷にしてしまうことを指す」
lw´‐ _‐ノv「あ、じゃあこれは荒砥石でできた傷を消すためか」
( ・∀・)「うん。最初が中砥石なら使用中の細かい傷もこれで消す」
lw´‐ _‐ノv「なるほどー」
( ・∀・)「一般家庭の包丁は2週間に1回砥ぐなら、中砥石と仕上げ砥石の中間である中仕上げが1個あれば、ほとんどこれでおk」
lw´‐ _‐ノv「そうなの?」
( ・∀・)「ただ、刃毀れや傷を消すとなると荒砥石なしだと1時間とか掛かるので、荒砥も一本あるとよりいいかな。特にステンレス」
lw´‐ _‐ノv「削りにくいって言ってたからね」
( ・∀・)「そして、こだわるなら#5000前後の仕上げ砥石で刃を付けて完成。本格的じゃなくていいならいらん」
lw´‐ _‐ノv「超仕上げは?」
( ・∀・)「さっきのノコギリ刃だけど、粒子で作る傷が細かいほど波の数が増えるから、切れ味そのものが上がるし、少し潰れてもまだあるよね?」
lw´‐ _‐ノv「うんうん」
( ・∀・)「つまり、刃持ちをよくさせたり、切れ味を追及するならさらに細かい番手で砥ぐ。これが超仕上げ#8000〜#12000」
79
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:28:15 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「とはいえ、超仕上げは本職か、切れ味の追及者か、刃持ちが必要な人間か、スペック厨以外では、普通は不要だ」
lw´‐ _‐ノv「その手元にあるのはなんですか?」
( ・∀・)「シャプトン社の刃の黒幕ムラサキ。超々仕上げ砥石#30000」
lw´‐ _‐ノv「いくらしました?」
( ・∀・)「砥石は細かいほど高い傾向がある、こいつは4万だ!」
lw´‐ _‐ノv「おいこらスペック厨」
( ・∀・)「凄いよ、トマトがバターのように無抵抗で切れる包丁になるよ」
lw;‐ _‐ノv「その切れ味不要ってさっき言ってたよね!? てか、なんで幾つも持ってるの?」
( ・∀・)「砥石は鋼材を選ぶ。特性によって硬い鋼材向きやステンレス向き、ナイフ向き、上級者向き、などがあるんだ」
lw;‐ _‐ノv「マジかよ。揃えるの大変だ」
( ・∀・)「まあ、別に砥げないわけじゃないし、ちょっとこだわる人でも荒砥石と中砥石と仕上げ砥石あれば事足りる」
lw´‐ _‐ノv「それでも3つか。しかも高いんだろ!?」
( ・∀・)「人造なら千円から1万円。天然だと数千円から数億円」
lw´‐ _‐ノv「砥ぎは砥ぎで一つの趣味ってそういうことか」
( ・∀・)「そういうことです」
80
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:29:10 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「ちなみにおすすめの砥石は?」
( ・∀・)「高いしかなり硬くて上級者向きだけど、研削力が高く、ステンレスもハガネも硬度も関係なく砥げるシャプトンの刃の黒幕シリーズ」
lw´‐ _‐ノv「さっきの4万か」
( ・∀・)「いや、鏡面仕上げ砥石だから高いだけで、黒幕の中砥石なら4000円出せばおつり出るよ」
lw´‐ _‐ノv「それでも高いなぁ」
( ・∀・)「まあね。ぶっちゃけ、俺の個人的なオススメってだけ。砥ぎが趣味じゃないならスペック過剰だよ」
lw´‐ _‐ノv「ですよねー」
( ・∀・)「砥石がないって人なら、2000円くらいの荒砥+中仕上げのコンビ砥石を一つ買えばいいと思う」
lw´‐ _‐ノv「天然砥石ってのは?」
( ・∀・)「天然砥石は考えるな! 利点も欠点もあるが、普通の人にとっては人造に全面敗北だし、素人に必要はない!」
lw´‐ _‐ノv「そうなのかー」
( ・∀・)「あ、あと、砥石って水平度が重要で1ミクロでも凹むと砥げなくなるので、砥ぎに興味があるなら砥石直しについても学ぶといいです」
lw´‐ _‐ノv「なんか凄いディープな話になってる気がする」
( ・∀・)「趣味なんてそんなもんだ」
81
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:29:54 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、砥ぎは好みや用途によって、刃角やハマグリかどの番手まで砥ぐか等が変わるわけです」
lw´‐ _‐ノv「話を戻しやがってっ!」
( ・∀・)「究極的には柔らかい鋼材を使い5度の超鋭角かつ超緩やかなハマグリで、超々仕上げすればヤバい切れ味になる」
lw´‐ _‐ノv「そんなことすると一瞬で刃こぼれしそう」
( ・∀・)「逆に鉈のように使う時にそれだと、やりすぎ以前に最悪折れるし、切れ味過剰だ」
lw´‐ _‐ノv「そりゃそうですね。5度って大きなカミソリで木を切るようなもんじゃん」
( ・∀・)「鉈なら荒研ぎで十分。手間かけていいなら、中仕上げまでやって30度くらい鈍角にすると使いやすいよ」
lw´‐ _‐ノv「つまり、砥ぎは目的に合わせる必要がある?」
( ・∀・)「そういうことだ! 砥ぎだけじゃなく、鋼材やハンドル、形状、サイズ、重さ、重心全てに言えるけどな」
lw´‐ _‐ノv「あとは個人の手のサイズとか好みも混ざるのね、単なる刃物なのに意外と奥が深い」
82
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:30:46 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「他に語ることといえば……そういえば、銃刀法だけど、アウトかどうかは警察の気分次第なんだ」
lw;‐ _‐ノv「えっ?」
( ・∀・)「日本の法律ってかなり曖昧でなー。まず、銃刀法では刀剣と刃物で長さの制限が違う」
lw´‐ _‐ノv「うん」
( ・∀・)「刀剣類ってのは刃渡り15cm以上の日本刀、槍、薙刀。あるいは5.5cm以上の剣、短刀、飛び出しナイフ」
lw´‐ _‐ノv「ナイフは?」
( ・∀・)「ナイフは道具だから刀剣じゃなく刃物。刃物はシースなら6cm。フォールディングは8cm以上」
lw´‐ _‐ノv「最初の方で行ってた数字か。その長さを超えると銃刀法に引っかかるってことね」
( ・∀・)「それらは業務その他正当な理由による場合を除いて持ち歩くことが禁じられてるからね」
lw´‐ _‐ノv「ほー、正当な理由ってふわっとしてるね」
( ・∀・)「正当な理由の基準だが、これがかなり厳しい。買ったナイフを持ち帰る時以外、確実にセーフとはいえないんだ」
lw´‐ _‐ノv「えっなにそれ厳しすぎない?」
( ・∀・)「震災復興中、瓦礫撤去のために鉈を持っていた男性が逮捕された事例がある」
lw;‐ _‐ノv「ええっ?」
83
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:32:10 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「瓦礫撤去に鉈は正当な理由として認められなかった」
lw;‐ _‐ノv「そんなバカな」
( ・∀・)「でしょう? 正当な理由として認められるかどうかは、警察の気分次第な部分が大きい」
lw;‐ _‐ノv「それだと、例えば引っ越しの手伝いにカッター使うから持っていくとか」
( ・∀・)「職質されたら警察が見逃してくれない限り、ほぼ100%アウト」
lw;‐ _‐ノv「職質ってこわっ」
( ・∀・)「更に軽犯罪法で刃物、または鉄棒その他人に危害を与える恐れがあるものを正当な理由なしに所持してはならない」
lw´‐ _‐ノv「また、正当な理由ですか」
( ・∀・)「つまり、銃刀法に引っかからなくても、刃があるものを持ち歩くのはアウト」
lw´‐ _‐ノv「えっとどういうこと?」
( ・∀・)「罪の重さが変わるだけだね」
lw´‐ _‐ノv「結論から言うと?
」
( ・∀・)「ナイフは持ち歩いてはいけない。例え必要であっても」
lw´‐ _‐ノv「正当な理由ならいいけど、正当な理由として認めるかは警察の気分次第なのか」
84
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:33:13 ID:/9DePRvk0
読んでてワクワクするww
支援!
85
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:33:37 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「特に、鬼ノルマがある警ら隊は確実に認めてくれない」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、ナイフってかなり危ないのね」
( ・∀・)「ところが、人に危害を与える恐れがあるもの全てアウトなので、ナイフとか関係ないんだな」
lw´‐ _‐ノv「ああー、例えば何が該当するの?」
( ・∀・)「画鋲」
lw;‐ _‐ノv「マジ?」
( ・∀・)「マジ。先端に刃があるでしょ?」
lw;‐ _‐ノv「それでアウトなら、街中にアウトな人ゴロゴロみるぞ」
( ・∀・)「小学生の名札もこの基準でいえばたぶんアウト。瓦礫撤去の事例と組み合わせると、大抵の人間は高確率でアウトにできる」
lw;‐ _‐ノv「警察こえー」
( ・∀・)「俺は不要に持ち歩いてないけど、持ってるか持ってないかじゃなくて、何されるかわからんから逃げる方法を覚える方がいいと思う」
lw´‐ _‐ノv「逃げる方法ですか」
( ・∀・)「まあこれはスレ違いにもほどがあるので、自分で勉強しよう。法律は詳しい奴の味方だ!」
lw´‐ _‐ノv「わかりました」
( ・∀・)「ちなみに、確実に逃げる方法はないぞ! そんな方法あったら犯罪者が逃げちゃう!」
86
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:35:44 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さて、いろいろ語ったが、ようやくナイフの選び方の話をしようか」
lw´‐ _‐ノv「あ、はい」
( ・∀・)「切れ味、強度、コストなど。これらは相反する性質だ。どの要素で見てもな!」
lw´‐ _‐ノv「確かに、切れ味を追求したらカミソリになるし、強度を追求したら鉈になる感じだった。少しでも両立すると値段が凄い上がる」
( ・∀・)「それらを総合していくと、用途ごとに向いてる向いてないが、ナイフにはどうしてもある。万能なナイフは存在しない」
lw´‐ _‐ノv「小さいナイフと大きいナイフってだけで用途が全然違いますしね」
( ・∀・)「だが、冷静に考えろ。キャンプに行く時にナイフを何本も持って行ったら怪しいどころの騒ぎじゃねえ!」
lw´‐ _‐ノv「不審者極まりないね!」
( ・∀・)「あと、実は冒頭で全面敗北を認めたカッターだが、ナイフが実用性で勝つ部分はある。それは万能性だ」
lw´‐ _‐ノv「ああ、包丁にもカッターにも、鉛筆削りにも工作にもハサミにもなるもんね」
( ・∀・)「言い換えると、一つに特化すると余計カッターや包丁、鉈でいいじゃんが増えてしまう」
lw´‐ _‐ノv「つまり、ある程度1本でやれなきゃ意味が無いと」
( ・∀・)「そういうこと。キャンプで調理しつつ、薪を加工して火付けをよくし、缶を開けて。非常時にはテントを破って逃げれる、それがナイフだ」
lw´‐ _‐ノv「おお、全部1本でやるなら、荷物がかなり減る!」
( ・∀・)「とはいえ、その点が今度は万能ナイフがないことと相反する。向き不向きもあるので、多少は目的を絞る必要があるんだ」
lw´‐ _‐ノv「というと?」
( ・∀・)「例えばアウトドア用で薪を割るなどの、鉈のような用途をメインにしつつ、調理にもちょっと使うナイフならどんなのがいいだろう?」
lw´‐ _‐ノv「鉈にするならシースかな。あとは……」
87
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:37:04 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「とりあえず、セレーションはいらない。荒い使い方だからフルタングがいい。他は……」
( ・∀・)「やや大振りで鋼材は硬すぎず柔らかすぎず、刃厚は5mmくらいで、みたいな感じかな」
lw´‐ _‐ノv「うんうん、そんな感じ」
( ・∀・)「ただこれだと、キャンプにしか使えないな」
lw´‐ _‐ノv「鉈と包丁の間みたいな感じですからね」
( ・∀・)「なので、とりあえず、個人的に最初のナイフは日常的に使えて便利なやつがいいと思う」
lw´‐ _‐ノv「なんで?」
( ・∀・)「ナイフを使う習慣が身についてナイフの便利さがわかるため。日常的に使えば愛着も湧くし」
lw´‐ _‐ノv「確かに。じゃあ、とりあえず、日常的な用途の卓上、もしくはポケットナイフかな?」
( ・∀・)「あとは携帯性も考えて、フォールディングで8cm以下を推奨したい」
lw´‐ _‐ノv「ポケットに入りやすいサイズですね!」
( ・∀・)「そうだね! 正当な理由なく持ち歩いちゃだめだよ!」
88
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:37:52 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「それらに当てはまるナイフはどんなものですか?」
( ・∀・)「個人的なオススメは、スパイダルコ ネイティブとかどうだろう?」
http://knifeshop.jp/pic-labo/SCC41PBK-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/SP-C41PBK.html
( ・∀・)「使えばわかる。手に吸い付くような使い心地のよさ。工作からお菓子の袋開けまでなんでもできる万能性」
lw´‐ _‐ノv「てか、刀身がかっこいい!」
( ・∀・)「スピアポイントかっこいいよね。数が少ないから挙げてなかったけど、使いやすいポイントだし」
lw´‐ _‐ノv「いいね!」
( ・∀・)「問題はこのスピアポイント版は廃盤となり、フルフラットになってしまったこと。いや、刃厚的には正解何だがカッコよさが……」
lw´‐ _‐ノv「売り切れかよだめじゃん」
http://sheffield.rgr.jp/spyderco/BY09GP_crow.html
( ・∀・)「なので、中華製が嫌じゃなくて、安い方がいいならこっち」
lw´‐ _‐ノv「一気に安くなったね!?」
( ・∀・)「バックロックがライナーロックになったしね」
89
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:39:08 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「オーソドックスなナイフが好きなら、定番のこちら。G・SAKAI、ニューフォールディングハンター(S)」
http://knifeshop.jp/pic-labo/GS-NFHW-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/GS-NFH-WOOD-L.html
lw´‐ _‐ノv「おっこれはなんか渋いデザインだね」
( ・∀・)「写真付きサイトがLしかなかったのでLサイズの刀体9cmですが、SとMは8cm以下です」
lw´‐ _‐ノv「あ、長いのはそういうことか」
( ・∀・)「ちなみに、作者が昔メインで使ってたのはこれの古いSサイズモデルでラバーの奴でした」
lw´‐ _‐ノv「どうでもいい情報をありがとう」
( ・∀・)「しかし、これのMサイズは廃盤したらしく、在庫限りなのは惜しいね!」
lw´‐ _‐ノv「さっきから廃盤ばっかじゃね?」
( ・∀・)「不況およびナイフの風当たりの強さその他諸々により、コスパの優れた名作ナイフはどんどん消えるか値上がりしてるんだ!」
lw´‐ _‐ノv「世知辛い……」
90
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:40:24 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「アウトドアもするなら、卓上ナイフからは外れるが……これ」
http://knifeshop.jp/pic-labo/SOG-VLS-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/SOG-VL02.html
lw´‐ _‐ノv「タクティカルナイフですね」
( ・∀・)「いや、ぶっちゃけタクティカルナイフもどきに近いかな」
lw´‐ _‐ノv「さっき嫌ってなかった?」
( ・∀・)「でもこれすごい使いやすいんだよ。日本製で精度や刃付けもいい」
lw´‐ _‐ノv「なんか見たことないロック方式? これがメーカー独自って奴ですか」
( ・∀・)「スパイダルコにも似たのがあるけど、ボールベアリング使ったロック方式。結構信頼性が高い」
lw´‐ _‐ノv「ロック解除が親指付近にあって、操作性は良さそうです」
( ・∀・)「それだけでなく、キックが背側から飛び出してそこを指で弾いて開けるんだ。そのため、さっと取り出せる」
lw´‐ _‐ノv「そういうところはたしかに重要ですね」
( ・∀・)「使い勝手は保証しよう。見た目のいかつさは俺は好みではないが、いいナイフであるのは確かだ」
lw´‐ _‐ノv「実用性最重視な流れの中、モロ戦闘用ナイフな見た目でも候補に上がるって辺りからその辺は伺えるね」
91
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:41:20 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「Buckのアルファドラドもここで出そう」
http://knifeshop.jp/pic-labo/BU270RWS-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/BU270RWS.html
( ・∀・)「このナイフ、非常に極端な手元重心だ」
lw´‐ _‐ノv「ほほう。ってことは手元操作重視ってことか」
( ・∀・)「その上、オープンブレードが極めて軽やかというか、スパァンって開く。そして立体的なので握り心地はとてもいい」
lw´‐ _‐ノv「スパイダルコは真っ平なナイフでも握り心地良かったけど、これはこれでいいね」
( ・∀・)「うむ。なのでこれは、使いたい時にさっと出してさっと切ってさっとしまう。そういう用途に極端に特化している」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「また、鋼材がかなり柔らかいので、砥ぎに時間を掛けてられない時にちょうどいい。ホローグラインドで、硬度の割には刃持ちもいい」
lw´‐ _‐ノv「つまり、忙しい人向きのナイフってこと?」
( ・∀・)「そういうこと! そういった面でライナーロックは確かに優れているだろうしね」
lw´‐ _‐ノv「仕事でダンボールの開梱とかする人は、カッター以上にベストかも」
( ・∀・)「見た目に拘る人には上位モデルも置いておきますね!」
http://knifeshop.jp/pic-labo/BU271-01.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/BU271.html
92
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:42:02 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あと、今買うと社長のプロモーションビデオが付いてくるコールドスチールからはこれ」
lw´‐ _‐ノv「社長のって言い方はやめよう。社長をプロモーションしてるみたいだ」
( ・∀・)「どっちかって言うとやたらアクティブな高田だけども」
http://knifeshop.jp/pic-labo/CS20MT-7.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/CS20MT.html
( ・∀・)「ミニタフライト! 卓上ってよりもキーホルダーサイズのナイフだよ」
lw´‐ _‐ノv「ちっさ! なにこれ!?」
( ・∀・)「この手のナイフだと、さっき出たスパイダルコのドラゴンフライの方がオススメなんだが、ちょっと値段がね」
lw´‐ _‐ノv「倍以上値段が違うのね」
( ・∀・)「ミニタフライトも十分使い勝手はいいしね。ちょっとした服のほつれやお菓子の袋開けなど、軽作業にちょうどいいナイフ」
lw´‐ _‐ノv「この小ささってのは感動ですね」
( ・∀・)「なお、有名なナイフ通販サイトのシェフィールドさんでこれのちょっと大きい版、タフライトをお取り寄せできるよ」
93
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:43:11 ID:keUPLOh20
lw´‐ _‐ノv「ちなみにモララーさんのオススメナイフは?」
( ・∀・)「本編のスレで作者が嫁に買ってもらったと言っていましたがこいつです」
http://knifeshop.jp/pic-labo/SP-C101GP2-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/SP-C101GP2.html
( ・∀・)「スパイダルコ、マニックス2!」
lw´‐ _‐ノv「デカくね?」
( ・∀・)「普段使いできるサイズではギリギリの長さだが、工作や園芸でも使うのでちょうどいい」
lw´‐ _‐ノv「多用途重視ってことか」
( ・∀・)「ってか、バックロックやライナーロックじゃなくて特殊ロックなんだよ。これの操作性がとてもいいので気に入っている」
lw´‐ _‐ノv「ほほう」
( ・∀・)「更にさっきのネイティブもそうだけど、リカッソを掴む握り方と、ヒルト手前を掴む握り方の2通りが可能なんだ」
lw´‐ _‐ノv「ん? どう違うの?」
( ・∀・)「長さ2cm変わると使い勝手が変化するといった通り、短いナイフと長いナイフ二通りの使い方ができる」
lw´‐ _‐ノv「おお!」
( ・∀・)「ただ、一番好きな理由はダントツのグリップ性の高さ。手に自然とフィットするし、G10だし、S30Vだし」
lw´‐ _‐ノv「好みの塊なんですね」
94
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:43:51 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「さてまあ、紹介していくとキリがないのでこのへんで」
lw´‐ _‐ノv「同じようなサイズなのに、色々と性格が違うんですねえ」
( ・∀・)「まあ、ちょっと俺の好みだと、男性向けな印象が強かったけどな!」
lw´‐ _‐ノv「で、結局私にくれるナイフは?」
( ・∀・)「ちゃんと考えてあるさ」
http://knifeshop.jp/pic-labo/SC-129GP-1.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/SC129GP.html
( ・∀・)「スパイダルコ キャット」
lw´‐ _‐ノv「ずいぶん柄が長いというか、刃の短いナイフですね」
( ・∀・)「刃が短いと操作性が上がるけど、代わりに柄が短いと握りにくいわけだ」
lw´‐ _‐ノv「その矛盾を解決したナイフってことですか?」
( ・∀・)「そういうこと。ブレード長も6cmで初心者には非常に向いていると思うよ」
lw´‐ _‐ノv「ほほう」
( ・∀・)「ホントは前のバージョンはもっと安くて、なのに鋼材がS30Vですげーオススメだったんだけど、今のは440Cなんだよね」
95
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:44:32 ID:keUPLOh20
( ・∀・)「あ、あと……」
lw´‐ _‐ノv「ん? で、なにこれは?」
( ・∀・)「もう一本。言ったろ? 最初は安いので練習して、高いのはあとで砥げって」
http://knifeshop.jp/pic-labo/MK-100th-Si-01.jpg
http://knifeshop.jp/SHOP/MK100th-Si.html
( ・∀・)「限定300本のナイフだから大切に使ってくれよ?」
lw´‐ _‐ノv「凄い綺麗。ほんとに貰っていいの?」
( ・∀・)「まあ、それにあれだ。ほらあんまり無骨なナイフだと、女性への贈り物には味気ないからさ」
lw*‐ _‐ノv「えへへ」
( ・∀・)「気に入ってくれてなによりです」
lw*‐ _‐ノv「ちょっとマイケル田に見せてくる!」
(;・∀・)「待ってそいつ誰!? 何実在したのマイケル田中さん!?」
おわり
96
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:48:04 ID:keUPLOh20
これを見て、ナイフを日常的に使う奴が増えるといいと思うんだ
っていうか、世間の風当たりがキツくて嫌だ
自分の家でお菓子の袋綺麗に開けるためにナイフ使ったら危ない奴呼ばわりとかやめてくれ
以降、非常に不定期な連載を予定しております。1話ごとにぜんぜん違う趣味をテーマに解説していくつもりです
また、以降のレスでナイフについての質問なども受け付けます。
どういうナイフが欲しいとか、和包丁が上手く砥げないとか、用途とその他条件を挙げてくれれば、相談にも乗るよ!
次はいつになるかわからんが、お前らが待ち望んだ筋トレ講座だ。1レス読むたびに腹筋を10回せよ。
97
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 01:52:39 ID:2di7bnkQ0
ナイフの研師とかカッコいいよね
乙でした
98
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 02:59:31 ID:MoHlSDzA0
ナイフはどうでもいいから、筋トレはよ
99
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 04:49:25 ID:VdbIteIU0
昔髭剃る用の剃刀で怒られたの思い出したわ
100
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 07:33:53 ID:mN8gmMw.0
長いわ
101
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 07:36:10 ID:3rVOZbog0
ナイフに憧れるとかもう卒業したはずなのにこういうの見るとまた欲しくなっちゃう
102
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 12:09:25 ID:/lBDQNfs0
ナイフ面白かった!一人暮らし始めるから丁度包丁が欲しかった所だwwww
筋トレwktkしてるわ
103
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 12:25:42 ID:1pbjW/po0
S&W製のナイフはもってる
メーカーが好きだから
冷鉄の社長も大好き
104
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 16:11:20 ID:thu4E9HMO
つまり、筋トレした後にナイフでヒゲを剃れば世界の滅亡は回避出来ると言う事なんだよ!!
105
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 16:42:40 ID:o./y0yfw0
おつ!!
面白い世界っだ!!
106
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 22:27:10 ID:keUPLOh20
>>97
ナイフ専門の砥師ってのはいないと思う
日本刀を砥いで貰った砥屋さんはマジでかっこよかったわ
>>99
カミソリで何して怒られたのかわからんが、日本剃刀のとこかな?
自分で砥いで使う剃刀は持ってないからそのうち欲しいなぁ
>>101
卒業せずに買っちゃってるのが俺です
ほらこっちおいで、一本くらい持ってた方が何かと便利なのは事実だし
>>102
最初の包丁なら
・やや硬めのステンレス鋼で三徳か牛刀一本(メイン使用)
・黄紙で霞のアジ切り(捌くより刺し身が多いなら20cm以上の柳刃)(使用頻度が高いなら、ステンレス割込みもしくは青紙)
・大きめかつ安い菜切りか文化包丁(かぼちゃ叩き割りなどの荒い仕事用)
荒砥石と中仕上げのコンビ砥石
という組み合わせがいいと思う。メインの包丁はあまり硬すぎるステンレスは選ばない方がいい、ステンレスで硬いと普通の砥石じゃ研ぐのが大変だ
VG-10が限度かな、それ以上だと一般的なキングなどの砥石だと水平維持が大変で、すり減るのも早い
我が家はVG-10ダマスカスの三徳をメインにしつつ、白紙の出刃と菜切り、VG-10のペティナイフ使ってる
>>103
S&Wはピンキリだからなぁ
ショットガンスタイルは好きだったけど、他のはライナー多くてちょっと不満
>>104
ナイフでひげ剃りなんて、砥いだ直後以外はカミソリ負け怖くて出来ねえ
107
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 22:56:29 ID:8He3efYs0
>>106
野菜の葉っぱとか切るのに剃刀使ってたら見える場所であんまりやらないようにって注意されたんだ
生まれた場所ではみんなやってたからびっくらこいた
108
:
名も無きAAのようです
:2015/06/26(金) 23:26:03 ID:keUPLOh20
剃刀は皮膚に触れるし、ひげ剃り中に皮膚を切れば血に触れるわけだし、衛生的とは言えないからなぁ
食べ物に使うのはあまり推奨されないよ
109
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 07:09:13 ID:wJYWdgTI0
筋トレはよ
110
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:20:38 ID:H2RKRUCk0
蛇足の包丁噺編
( ・∀・)「実はもうちょっとだけ続けたいんじゃ」
lw´‐ _‐ノv「長いって言われてるのに」
( ・∀・)「いいじゃない、このスレはただ作者が言いたいこと延々と書き連ねるスレだよ」
lw´‐ _‐ノv「そこまでメタな話をして、私たちがわざわざ会話形式で進める存在意義を問いたい」
( ・∀・)「包丁は大きく分けて和包丁と洋包丁があります」
lw´‐ _‐ノv「質問を無視して進めやがったちくしょう! 具体的に何が違うんですか?」
( ・∀・)「キッチンナイフという名称からわかるように、西洋の包丁はナイフから派生したもので、ただ単に料理向きに改良されたナイフを指すんだ」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ。それで和包丁は?」
( ・∀・)「日本はナイフに相当する小刀があったが、それ以上に各用途専門の刃物が多く、小刀は万能刃物というよりその他雑用に近かった」
lw´‐ _‐ノv「その専門用途「料理」の刃物が包丁と」
( ・∀・)「そういうこと。だから和包丁は小刀と形状がかなり違い、肉を想定してない」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ。和食に肉料理ってほとんどないですからね」
( ・∀・)「一応、焼き鳥は江戸時代にはあったらしいけど、出刃で処理してたとのことだ」
111
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:25:24 ID:H2RKRUCk0
( ・∀・)「和包丁は魚を解体する荒仕事の出刃、それを更に切る柳刃、野菜用の薄刃。薄刃を家庭用にした菜切り等がある」
lw´‐ _‐ノv「菜切り?」
( ・∀・)「横から見ると刃の両端が丸みを帯びている長方形で両刃。和包丁は総じて硬度が高いのが特徴だね」
lw´‐ _‐ノv「硬度が高いというと? 刃物は基本的に硬度が高い方がいいんじゃないですか?」
( ・∀・)「洋包丁は種類にもよるが、靱性もかなり重視し、しなる刀身が必要とされる。そのため硬度と靱性を両立したステンレスが好まれる」
lw´‐ _‐ノv「ほほー。なんで?」
( ・∀・)「フランス料理なんかだと、まな板に切っ先を当ててしならせた状態で角度を固定し、食材を動かしてピーラーのように薄切りするんだ」
lw´‐ _‐ノv「ああ、まな板と刀身の隙間は一定だから、同じ厚さで切れるのか」
( ・∀・)「あと、食材を水平にずらすだけなので包丁を持ち上げる動作より僅かに速く、プロの仕事量だとかなりの時間短縮になる」
lw´‐ _‐ノv「細かい包丁遣いって和食職人のイメージあったけど、西洋の包丁もちゃんと考えてるんだね」
( ・∀・)「刺身のような極限の切れ味を求めるのとは、また違う洗練がされてる。その洋包丁の中で、一般家庭でよく見るのはシェフナイフ。和訳で牛刀」
lw´‐ _‐ノv「名前からして、お肉用の包丁?」
( ・∀・)「いや、専門用途以外をやる基本の包丁。戦前、野菜用と魚用に分かれてた日本にはないスタイルだった」
lw´‐ _‐ノv「なるほど、肉を切る包丁がなかったから、牛刀と名付けたのね」
( ・∀・)「まあ、日本に出回っている牛刀は、そういう使い方する人が少ないんでしならないものが多いんだけどな」
112
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:31:10 ID:ZLDqCdjk0
牛刀包丁は男のロマン
支援
113
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:33:29 ID:H2RKRUCk0
lw´‐ _‐ノv「ちなみにどんな構造なの?」
( ・∀・)「まず、切っ先があり、付け根側半分ほどは反りがないが、切っ先側には緩やかに反りがある。そして両刃だ」
lw´‐ _‐ノv「その効果がイマイチわかんねえ」
( ・∀・)「付け根側は野菜と切りやすい肉用。反りは筋を断ち切りやすい。剥がす時は切っ先を差し込む。両刃は利き手を選ばず扱うのに技術がいらない」
lw´‐ _‐ノv「両刃ってダガーナイフ的な?」
( ・∀・)「刃物の両刃には2つの意味があって、今はエッジの断面がV字のこと。和包丁の片刃は裏面が垂直になっててレの字」
lw´‐ _‐ノv「片刃は扱いが難しい、のかな?」
( ・∀・)「理屈はさておき、片刃だとエッジを2cmくらいまで広げられる反面、薄切り以外では刃が左方向に進むのでやや傾ける必要がある」
lw´‐ _‐ノv「難しいってそういうことか。ってか、エッジが広い意味とは?」
( ・∀・)「日本語だと鎬というんだが、これの効果は、裏、つまり垂直面が手で抑えた食材の方を向くと意味がある」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「これで薄切りすると、表は刃先から鎬に掛けて広い斜面なので、食材が斜めに飛んで行く」
lw´‐ _‐ノv「おお、勝手に切り終わった食材が退くのか」
( ・∀・)「だから、千切りや輪切りする時に効果の高い包丁だ。他にも極端に切れ味を要求するなら片刃は強度を出せる」
114
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:38:36 ID:H2RKRUCk0
lw´‐ _‐ノv「でもさ。その理屈でいうと、片刃って左手で持てなくね?」
( ・∀・)「そうなんだ。裏面側が左手の方を向かないと何の効果もない。だから、左利きだと左利き用の和包丁が必要になる」
lw´‐ _‐ノv「だから、家庭用は両刃が広まったのね」
( ・∀・)「そういうこと。さて戦前は菜切り包丁が家庭用の基本で、せいぜい魚と荒仕事用に出刃があればいい方だった」
lw´‐ _‐ノv「ほう」
( ・∀・)「ただこれだと、肉がかなり切りにくい。そこで菜切包丁を改良し、切っ先と先端のみに反りを付けた三徳包丁が生まれる」
lw´‐ _‐ノv「それはほとんど牛刀では?」
( ・∀・)「幅広で直刃部分が長い牛刀だな。ちなみに三徳は、魚・肉・野菜に対応してる包丁って意味だ」
lw´‐ _‐ノv「なるほど」
( ・∀・)「野菜寄りの牛刀とも言える。牛刀ほど筋切が得意ではないが、菜切り包丁の野菜適正を失わずに肉に対応しようとした結果こうなった」
lw´‐ _‐ノv「つまり、日本の家庭調理用としてはある意味正解ということか」
( ・∀・)「そうだね。基本的にどちらかが1本あれば一般家庭の料理は大抵できる」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、それらを踏まえて一般家庭の前提でオススメの包丁の選び方をお願いします」
( ・∀・)「結論から言うと、銀紙かVG-10鋼材を使った、野菜が多いなら三徳。肉が多い、または迷ったら牛刀が1本あればいい」
lw´‐ _‐ノv「和包丁説明した意味がない!」
( ・∀・)「あと荒仕事用に安いモノ、できれば冷凍食品用包丁を持ってると、すげーはかどる。壊していいやってノリで使おう」
115
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:46:46 ID:H2RKRUCk0
lw´‐ _‐ノv「ん? 荒仕事は出刃じゃないの?」
( ・∀・)「出刃は頑丈だけど、乱暴に扱えば当然欠けたりするし、厚刃だからカボチャ真っ二つとかに向いてないんだよね」
lw´‐ _‐ノv「じゃあ、何故冷凍食品用?」
( ・∀・)「冷凍食品用包丁は千円から2千円程度と安価で、大抵フルセレーションかつ薄刃で柔らかめのステンレス鋼が使われる」
lw´‐ _‐ノv「ふむふむ」
( ・∀・)「セレは砥ぎにくいけど、実は欠けにかなり強いので安い柔らかい鋼材と相まって荒仕事に向く」
lw´‐ _‐ノv「おまけに半解凍でも切れるから、1つで2度おいしい、と」
( ・∀・)「鋼は冷たい物に弱いから高いの使いたくないし、パンやカニやらカボチャやらはこれで切って2年使えれば元は取れるでしょ」
lw´‐ _‐ノv「たしかに。あ、でもセレーションってことは専用砥石が必要になるのか」
( ・∀・)「うん。ないなら安い薄刃の三徳包丁でもいいし、高番手の耐水ペーパーを棒に張って無理やりタッチアップしてもいい」
lw´‐ _‐ノv「力技ぁ……。しかし、かなり大雑把な説明ですね」
( ・∀・)「メイン用でVG-10使ってるなら値段的に精度悪いってことはないし、一本で大抵なんとでもなるんでね」
lw´‐ _‐ノv「ふむ」
( ・∀・)「ただ、もし5000円以下の安物ステンレス買うつもりなら、それはやめて炭素鋼がいい」
lw´‐ _‐ノv「安いステンレスは実用最低限以下の硬度ってことか」
116
:
名も無きAAのようです
:2015/07/01(水) 23:52:10 ID:H2RKRUCk0
( ・∀・)「あとはステンレスのペティナイフが一本あると小間使いに便利だね」
lw´‐ _‐ノv「そっちはステンレス前提なんだ? 炭素鋼じゃダメなの?」
( ・∀・)「ペティナイフの炭素鋼自体ほとんどないんだが、ペティナイフはフルーツ切る事が多いでしょう?」
lw´‐ _‐ノv「そりゃまあ、果物ナイフって名前で売られてたりするしね」
( ・∀・)「俺は結構にんにくとかも切るけど、さておいて、フルーツには酸性が多い」
lw´‐ _‐ノv「お、おう」
( ・∀・)「酸性のものを切ると、炭素鋼はほんの僅かに溶けてしまうんだ」
lw´‐ _‐ノv「えっ刃がもろくなったりとか!?」
( ・∀・)「流石にそんなレベルでは溶けないけど、鉄の匂いが移る」
lw´‐ _‐ノv「ああ……」
( ・∀・)「炭素鋼の欠点は、使用即乾拭きが必要な錆やすさと、酸性に対する匂い移りなんだよね」
lw´‐ _‐ノv「ナイフの説明には多分出てこないだろう欠点ですね……」
( ・∀・)「逆に炭素鋼は安くても硬度HRc58を切ることはなかなかない」
lw´‐ _‐ノv「それってVG-10の最低硬度?」
( ・∀・)「そうなんだよ。だから、包丁置く前に乾拭きする癖をつければ5000円以下でステンレスでは1万円クラスの切れ味になる」
lw´‐ _‐ノv「その癖つけるのはかなりめんどくせえ!」
( ・∀・)「じゃあ高い包丁買おう」
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