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( ^ω^)思いの向こう側のようです+落書き投下のようです

1名も無きAAのようです:2012/10/09(火) 23:57:08 ID:e8PhMvkA0
「思い」ってのは、実に厄介な代物でね。
その文字の通り「おもい」のさ。
「重い」んだよ。

どの時代、どの世界でも、人のそれは実に厄介だ。

押しつぶし、動けなくなり、最後にはぺしゃんこ。


ああ、そうだな。
俺もそうさ。
そのせいで全部無くした。

そこで俺は考えたわけだ。



なくしてしまえばらくじゃないか。

359名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 22:35:33 ID:LlTr.zj.0
ツンちゃんパートだやったー!
このツンはツン少ないけど芯が強くて可愛い

360名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 22:37:26 ID:6hEuTGKcO
こんな彼女が欲しいわ……。

自分女ですけど。

361\___________/:2012/10/26(金) 23:13:00 ID:ZKWBCDUU0
         )ノ
      _____
    /;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;\
   /;;;;;;;;人ノノ人ノ人ノ)
   |;;;;;;;;|   =・  =・ )
   |;;;;;;;;|     (__)  )
   |;;;;;;;;| ∴∵ノ ◎ :ノ 
   |;;;;;;;;|______ノ_____∩___
   (__))      ))_|__|_E) ̄
    |  |  青年部命 ヽ
    |  | ______)
   (___) 三三 [□]三三)
  /(_)\:::::::::::::::::::::::::::::::\
  | Shinano|_______\
 (_____)  /  /
       (___|)_|)

362名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:17:42 ID:VI68emDI0
*****

(;^ω^)「…ど、ういう…事なんだお?」

叫び声が突如止み、ぷつりと糸が切れたように静かになった校庭。
クックルを包んでいた真っ黒いモノは、小さく収縮し、最後には閉じた。
その中にいたであろう、クックルごと飲み込んで。
無くなってしまった。

その場に残されたのは、ブーン達が持っているものと同じ石だ。
青く輝く、未知の宝石。

ξ;゚−゚)ξ「きえ、ちゃった…」

(;'A`)「…」

ツンとドクオも放心状態だ。
目の前で起こった出来事を脳が把握できていない。

3人のいる場所に、兄者と弟者が近づいてくる。
流石兄弟と呼ばれる2年唯一の双子である。

( ´_ゝ`)「大丈夫か?…って、ブーンはあんまり平気そうじゃないな」

(´<_` )「脇腹か」

363名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:18:40 ID:VI68emDI0
2人とも身長が高いので、若干屈んでブーンを覗き込んだ。
身長は大差ないが、細身なのが兄者、ガタイが良い方が弟者である。
弟者はブーンの左脇腹を、ぺちりと叩いた。

(  ゚ ω ゚)「オスギ!!!」

(´<_` )「あー、折れてるわ」

ξ;#゚⊿゚)ξ「ちょ、ちょっと!やめなさいよ何するの!?」

(;´_ゝ`)「何してんだお前は!」

(´<_` )「いや、どんくらいのもんかとな」

(  ゚ ω ゚)「ピーコ!!!!」

(;'A`)「叩くなっつのに!」

追い討ちをかけて再度叩いた弟者に、周囲の3人はまとめてツッコんだ。
悲鳴なのか良くわからない声を上げたブーンは、ツンに支えられながら
必死に痛みに耐えている。

(´<_` )「そんなに強く叩いてない。
       これで痛けりゃ、内臓傷つける可能性があるくらいに
       折れてるって事だ」

さらりと言ってのける弟者に、ツンとドクオの表情は更に青褪める。
兄者は丸めていた背を伸ばし立ち上がって、一つ溜息をこぼした。

( ´_ゝ`)「…救急車呼んでやりたいけど…」

この状況下で来てくれる可能性は極めて低いと言えよう。

364名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:19:34 ID:VI68emDI0
ξ;゚⊿゚)ξ「どうして!?」

(´<_` )「俺らは近辺ぐるりと回ってここに辿り着いたんだが」

( ´_ゝ`)「こんなんばっかりだった」

まるでゾンビ映画さながらの風景だった。
そう、流石兄弟は言葉を洩らす。
今の町の様子から、医療分野自体が麻痺していると考えた方が妥当だろう。
行きかう人々皆、頭に黒い靄を乗せながら奇声上げて徘徊しているというのに、
そういう事柄に対処するべき、医療や警察などと言った組織を流石兄弟は目にしていない。

ξ;゚−゚)ξ「…でも、ブーンをこのままにはしておけない…」

( ´_ゝ`)「せめて痛み止めでもあればマシになると思うけど」

(;'A`)「薬くらいなら、保健室にあるんじゃねぇか?」

(´<_` )「貸して、ツンちゃん」

ξ;゚⊿゚)ξ「ほえ?」

(;´ω`)「グフウッ」

ツンから奪うようにブーンの腕を取ると、弟者はその身体をひょいと背負った。
鍛えている上若干ふくよかな体系のブーンは結構な重量だろうが、弟者は飄々としている。

('A`)「さすが」

(´<_` )「身体弱いのいるから慣れてるさ」

(;´_ゝ`)「うっせえわい、とにかく保健室に行くぞ」

弟者がちらりとも兄を見ずにそう言えば、兄者は苦虫を潰したような表情になった。

365名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:34:17 ID:VI68emDI0

(;´ω`)「…面目ないお」

( ´_ゝ`)「いいよ。困った時はお互い様ってね」

(´<_` )「兄者が背負ってるわけではないけどな」

( ´_ゝ`)「おだまり」

('A`)「…なあ」

歩き出そうとした所で、ドクオが2人を呼び止めた。
首を少しだけ背後に回すと、真剣な面持ちのドクオと目があう。

('A`)「お前らは、何か知ってるのか」

この状況の事を。
クックルが何故、あんなことになってしまったのかを。
そして、これからどうすればいいのかを。

366名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:35:10 ID:VI68emDI0
( ´_ゝ`)「…それは…」

(´<_` )「歩きながらでも話せる。行くぞ」

冷静に、というよりも、冷徹な程に冷めた弟者の声がドクオを促した。
ここに来てからというもの、弟者は威圧感を隠そうともしない。
ドクオが口をヘの字に曲げたのと、弟者とを交互に見た兄者は、また小さな溜息をついた。

ξ゚−゚)ξ 「…?」

そんなやり取りを心配げに見ていたツンが、違和感に気付く。
砂を踏む皆の足音が。
違和感。
若干の、音が。

否。

ふと視線を脇にずらすと。
先程ドクオが倒した数人が。
クックルと同様、黒い塊になって。
こちらに視線を向けていた。
じゃりりと、地面の砂を握り締めて、こちらを見ていた。

367名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:46:31 ID:pGM61WTM0
滾ってきた・・支援

368名も無きAAのようです:2012/10/26(金) 23:55:49 ID:TOo8NGyU0
うわあ……支援

369名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:00:33 ID:r29RkSnQ0
ξ;゚⊿゚)ξ「あっ…」

(:::::::)(:::::::)(:::::::)

黒が一斉に立ち上がる。
それらに一番近い場所にいるツンは、蛇に睨まれた蛙のように一瞬固まってしまった。
気付いたブーンが声を荒げるのと、黒が咆哮を上げ出し、走り出すのとは同時だった。

(;^ω^)「ツン!!!」

ξ;゚⊿゚)ξ「…っ、あ」

(;'A`)「またかよ!!」

(;´_ゝ`)「やっべ…っ」

(;^ω^)「ツン、走るお!!ツン!!」

(´<_`;)「ちょ、おい!暴れるな!!待て!!」

弟者の背中から無理やりに降りたブーンは、痛む脇を無視してツンの腕を取った。
黒いものが迫ってくる。

(:::::::)「ギギギィィギィギィィギギィ!!!」(:::::::)

(;'A`)「2人とも急げ!!早く!!」

370名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:04:26 ID:6GGWnb0s0
何故かブーンとツンはまだ付き合ってないと思ってた……
支援!

371名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:25:52 ID:r29RkSnQ0
(;´_ゝ`)「Arrest!!」

兄者が右手を構え、一番近くに迫っていた黒い塊に鎖を巻きつけ拘束する。
伸びていた手は、辛うじてツンには届かない。
だがバッグに指を引っ掛けたのか、一瞬だけツンの身体が仰け反る。
それをブーンが必死に引っ張った。

(´<_`#)「せっ!!」

その黒い身体を今度は弟者の双槍が横薙ぎに吹き飛ばす。
鎖が外れて靄が地面に叩きつけられた。

ξ;゚⊿゚)ξ「あ!!」

(;^ω^)「ツン!?」

走っていたツンの身体が止まる。
そのすぐ脇を、轟音が光を帯びて通り過ぎた。
左手から迫っていた黒を、後方からドクオが狙い撃ったのだ。
また一つ靄が倒れた。

(;'A`)「いっ…たく、ねえぞ!!」

やせ我慢としか思えない台詞を吐いてはいたが、今度は衝撃を
踏ん張って耐えたようだ。

372名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:26:39 ID:r29RkSnQ0
(;^ω^)「ツン、走るお!どうしたんだお!?」

ξ;゚⊿゚)ξ「だめ、待って!待って!!」

ブーンに腕を引かれて後退しながらも、ツンは黒いソレらの方へと行こうとする。

(;'A`)「何だよ、どうした!?」

(;´_ゝ`)「ツンちゃん!早く!!」

(´<_`#)「クソ共が、叩っ斬る!!」

(;´_ゝ`)「めっ!やめなさい弟者!帰ってらっしゃい!!」

(;^ω^)「ツン!!」

尚も行こうとするツンを、ブーンは仕方なしに抱え上げた。

ξ;゚⊿゚)ξ「お願いブーン、だめ、あれだけは、ダメ!!」

ツンの視線の先。
転がっているのは。

373名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:27:27 ID:r29RkSnQ0
バッグにつけていた、ブーンからの贈り物。
ウサギのぬいぐるみ。
大切な、宝物。

374名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:29:43 ID:Dp/5LH9o0
小物までよく描いてるなと思ってたら……
伏線だったーーー!!

375名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 00:43:48 ID:FBwErQEI0
兄者・・『めっ!』っておまえ・・かわいすぎだろ!

376名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:02:33 ID:zAwGLj5Y0
暴走する弟者かわいい
支援

377名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:11:57 ID:r29RkSnQ0
42
http://vippic.mine.nu/up/img/vp97002.jpg

378名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:13:46 ID:UmLHwnDs0
あああうさぎさん…!

379名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:14:19 ID:eQ9v9vDo0
うさぎさんが・・・!

380名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:17:48 ID:ti94xdOc0
ツンが可愛すぎる

381名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:46:33 ID:r29RkSnQ0
43
http://vippic.mine.nu/up/img/vp97005.jpg

382名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:48:17 ID:../vCIrE0
ツン覚醒か!

383名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:51:27 ID:2AT8I3m2O
ちょwうさぎさんwww
みんなの驚愕っぷりが半端ないなw

384名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 01:53:19 ID:6mOi6Ua20
弟者www顔www

385名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:01:00 ID:yl71/wQI0
うさぎさんwww これは予想外だったwww
やだかわいい顔してうさぎさんつよい

386名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:02:28 ID:FBwErQEI0
ウワウサギサンツヨイ

387名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:04:03 ID:R7pICvEg0
弟者の顔がwwwwwwww
にしてもうさぎさん操るツンちゃんか…いいな…

388名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:04:13 ID:zAwGLj5Y0
シュールw

389名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:07:07 ID:pY757irg0
一番使い勝手よさそう

390名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:30:17 ID:r29RkSnQ0
44
http://vippic.mine.nu/up/img/vp97008.jpg

391名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:32:27 ID:r29RkSnQ0
機嫌が悪い上に更にアレで弟者の機嫌が最下層の為今日はここまで。

392名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:32:31 ID:eQ9v9vDo0
弟者の顔wwwww

393名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:34:59 ID:tphb00Ts0
うわうさぎつよい
弟者の気持ちもわかるがその顔は酷い

394名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:36:49 ID:6mOi6Ua20
いやこの顔も十分イケメソだと思うますわw表情いいなw

395名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:38:42 ID:FkYNiulQ0
乙!
見た目はファンシーだけどうさぎさんハイスペック……!

396名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:39:40 ID:R7pICvEg0
乙乙!
又三郎さん…まじかっけーっす!

397名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 02:42:45 ID:r29RkSnQ0
弟者はちょっとやんちゃくらいが好きです。

>>353
何故…ばれた…

398名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 06:16:34 ID:sIgo5l1.0
おつ

399名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 08:05:20 ID:Bevw/SoE0
クックルさんが…せっかく輝いていたクックルさんが…

ツンかわいいクックルさんが…

400名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 10:33:34 ID:R7S7Fs.E0
来てた!!
続き待ってるよ!!

401名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 13:15:40 ID:0K9a1/Gc0
乙乙
うさぎエピソードにホロリときた直後に巨大化で
涙出るほど笑った
弟者顔酷えwwww

>>397
何故ばれてないと思った

402名も無きAAのようです:2012/10/27(土) 19:06:22 ID:IQe54lG60
又三郎かわええ
ツンがどの頭身フォルムでも可愛い

そしてストーリーが面白い

403名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:12:13 ID:fE76v2620
投下いきます。

404名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:12:39 ID:t67MW/wY0
そいや

405名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:13:02 ID:fE76v2620
ξ*゚⊿゚)ξ 「すごい!又三郎すごい!!」

(;^ω^)「僕ら形無しじゃねぇかお…どうすんの…」

ひしめいていた黒いモノを、うさぎのぬいぐるみ、もとい又三郎が
投げ飛ばしていく。
その光景たるや、まさに千切っては投げ、千切っては投げ、である。
ブーンは目の前の状況を見つめつつ、何とも言えない表情をしていた。
が、涙も引っ込んだツンが歓喜していると、途端に又三郎が元のサイズに
戻ってしまった。

ξ;゚⊿゚)ξ 「…あれ?」

(;^ω^)「おっ?」

慌てたように又三郎がこちらに走ってくる。
ブーンの足元まで来ると、ぴょいんとジャンプをして、ツンの腕の中に納まった。

( ´_ゝ`)「…」

(´<_` )「何だったんだ一体」

( ´_ゝ`)「きっかり3分」

('A`)「はい?」

( ´_ゝ`)「あのぬいぐるみはウルトラマンのようだな」

後ろで見ていた兄者が、ぽつりとそう呟く。

( ´_ゝ`)「強いけど時間制限付き」

('A`)「ああ…」

(´<_` )「なるほど」

406名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:14:12 ID:fE76v2620
ドクオが少し安心したような、残念なような、複雑な表情を浮かべる。
ぶっちゃけ又三郎が常にあの状態では、立つ瀬が無い。
まあ安全は確保されるだろうが。

(;^ω^)「おっ、皆大丈夫かお」

(;'A`)「お前は大丈夫じゃねえな」

こちらにやってきたブーンが、ツンを地面に下ろす。
途端に脇腹を押さえてしゃがみ込んでしまった。

ξ;゚−゚)ξ「…ごめん…」

(;^ω^)「無事でよかったんだお」

( ´_ゝ`)「弟者」

(´<_` )「はいはい」

(;´ω`)「おぉん…すまんお…」

ブーンを背負うと、弟者はスタスタと歩き出した。
そのまま学校の正面玄関へと入っていく。
他の3人もそれに続いた。

ここから入って左に曲がり、廊下を進んで突き当たりの部屋。
そこに保健室がある。

407名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:14:17 ID:gJr/zL3c0
ktkr支援!

408名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:16:35 ID:DXoUsHGU0
キタ━━━━(゚∀゚)━━━━ッ!!
支援

409名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:19:43 ID:hnpBgUes0
きたぞ!支援だ!

410名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:22:19 ID:fE76v2620

ξ゚−゚)ξ「…ブーン」

(;^ω^)「何だお?」

弟者の背中にいるブーンを、ツンが呼んだ。
脂汗を流しながら、それでもブーンはツンの呼びかけに笑っている。


ξ゚⊿゚)ξ「…ありがとう」


必死になって守ってくれて。
一生懸命に助けてくれて。


( ^ω^)「怪我してなくて、良かったんだお」

ξう−゚)ξ「…バカ」

411名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:25:07 ID:fE76v2620
僕はツンが大好きだ。
もう誰にも傷つけさせないように、僕が守ると心に決めた。



僕が、守ると決めたんだ。








                   1話・了

412名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:26:34 ID:C11JGMbo0
又三郎はある程度自律意識があるっぽい?

413名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:28:59 ID:fE76v2620
2話最初の部分はこのまま今日突っ切ります。
切り場所おかしくてすまん。

>>412
ツンがご主人様で、守らなきゃいけない対象だと理解するくらいの意識です。
わんこくらいの頭脳だと思ってもらえればいいかなと。

414名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:32:36 ID:t67MW/wY0
ひとまずおつ

415名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:39:50 ID:fE76v2620
****

3日前のことだ。



「おっきいあにじゃ、ちっちゃいあにじゃ!」

小さな女の子が、嬉しそうに駆けてくる。

「どうした妹者?」

「何を持ってるんだ?」

似た顔の2人が少女に問うた。
にこにこと楽しそうな少女は、その2人にそっと、自分の小さな手を差し出す。
両手の合わせをそっと開くと。
中には6つの、青い石。
きらきら光り、発光する、美しい宝石。

「かわらで遊んでたらみつけたのじゃ!」

得意げに、えっへんと胸を張り。
少女は2人に石を差し出す。

「みんなの分、あったのじゃ!」

416名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:40:51 ID:fE76v2620
ちちじゃと、ははじゃと、あねじゃと。
おっきいあにじゃと、ちっちゃいあにじゃと。
あとあと、いもじゃのなのじゃ。

家族全員の名前を嬉しそうに、少女は言葉に乗せる。
それを聞いた2人は同じような顔を見合わせた後、少女に向きなおり、微笑む。

「大事にするからな」

「ありがとう、妹者」

「どういたしましてなのじゃ!!」

次の日、母がお守り袋を用意してくれた。
大切な可愛い妹からの贈り物を、2人は大切に持ち歩いた。

417名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:43:08 ID:fE76v2620

そして、今日。
朝7時過ぎ。

突然の轟音に、目が覚める。

418名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:45:29 ID:tE7pEVk60
やな予感…支援

419名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 01:50:00 ID:t67MW/wY0
兄弟も長くやってるわけではないのか

420名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:03:45 ID:fE76v2620
*****

生まれつき、身体が丈夫ではなかった。
父に似た俺は、屈強すぎる母の遺伝子を片っ端から押し退けてしまったらしい。
それは全て片割れである双子の弟が引き継いだ。
俺はといえば、風邪をひいてはこじらせて。
転んで怪我をすれば治りが悪い。
病院にかかる日数は、周囲に比べてすこぶる多かった。

そんな子供時代。
外に出ても皆とはしゃぐことが出来ない俺は、一人ぶらんこに揺られていた。
弟は俺と違い、それはもう元気でたくましい子供だったので、走り回っては
きゃいきゃいと声を上げて笑っていた。
少し羨ましくもあったが、別に仲間はずれになっているわけではないので、
俺はそれを、いつものんびりと眺めていた。

数分おきに、弟がやってくる。
それにつられて、友達もやってくる。
他愛無い話をして笑いあって、また弟達は走っていった。
鬼ごっこをするらしい。
公園の外に出て行った彼らを見送る。
すぐに帰ってくるだろう、そう思って見送った。

421名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:08:21 ID:fE76v2620
声をかけられたのは、そのすぐ後だった。


知らない男。
大人。

「一人かい」

ブランコに乗った俺に、優しく微笑む。
しかしそれに反し、俺の脳は警笛を鳴らした。

目に入ったのは。
男の、右手。
後ろに隠された右手。

俺は母の他に類を見ない強さを、受け継がない代わりに。
国直属のいかつい名前の機関に属する父の、類稀なき頭脳を少しばかり、受け継いだ。

その頭が、一瞬で悟る。

「いい子だね」

まずい。
逃げなければいけない。
なのに足が動かない。

「声を上げたらいけないよ」

左手が伸びてくる。
首にかかる。

「死んで、しまうかも、しれないからね?」

右手の奥に隠されたもの。
ぎらりと、光る。

銀色のナイフ。

422名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:08:51 ID:bxeqw0Ww0
兄者のターンktkr

423名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:11:55 ID:PXRsYf0Y0
父者の頭…つまり兄者も将来げふんげふん
この兄弟は似てるけど二卵性なのね

424名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:19:41 ID:fE76v2620
首に圧がかかる。
苦しい、苦しい、息が出来ない。
あ、だとか、う、だとか、意味も無い声が出る。
男の顔は至極楽しそうだった。

「ああ、いいかおだねぇ」

そこでぷつりと、意識が飛んだ。

425名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:21:51 ID:qteT6BlAO
あ、兄者ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁあぁ

426名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:25:03 ID:fE76v2620
目が覚めたのはベッドの上だった。
最初に見たのは、泣き腫らした目で俺を見下ろす、弟の顔。
霞みがかるぼんやりした思考で、ああ、助かったのか、と。
そう理解した。

(;<_;)「兄者、兄者…!!」

突然弟が俺に抱きついて泣き出した。
怖かったのは俺なのに、何でこいつが泣くんだろうか。
数回目を瞬かせた後で、ああ、そうかと結論づく。


のこして、いくところだったのか。


そう思った途端に震えた。
弟のいない場所にいくところだったのだ。
家族も誰もいない場所にいくところだったのだ。
ようやく、俺も弟にしがみついてわんわん泣いた。


数日後、男は逮捕された。
あの日あった事を、弟はあまり語ろうとしない。

427名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:27:42 ID:gJr/zL3c0
兄者・・・

428名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:34:29 ID:fE76v2620
だがそれから、弟は俺の傍から離れなくなった。
俺が学校以外で外に出るといえば、とにかく付いてくる。
習っている少林棍法の道場に行くのをやめてまで、付いてくる。

周囲から言わせれば、究極の過保護。

背が高く目立つので、稀に、ごく稀に絡まれたりするのだが。
もう相手に、ご愁傷様です、としか思えなくなるくらいに。
弟を怒らせると、恐ろしい。


それでも、そんな弟に何も言わない自分を思うと。
依存しているのはどちらなのかと、嘲笑いたくなった。

429名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:53:04 ID:fE76v2620
*****

(;´_ゝ`)「な、何だよ今の音…」

下の階から鳴り響いた、ドン、という地響き。
まるで地震でも起きたかのようなそれに兄者は慌てた。

あまりよろしくない朝の目覚めのまま、惰性で制服に着替えていた手が一瞬止まる。
そして慌ててシャツの上からセーターを着ると、部屋を飛び出し階段を駆け下りた。

そこで見たのは。
下った所にすぐにある玄関で、母者が人を殴り飛ばしている姿だった。

(;´_ゝ`)「は、母者あぁぁあ!!!」

朝っぱらから一体何をしているんだこの人。
自分や弟者ならいざ知らず、まさか他人様をサンドバックにするなんて。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「おや起きたのかい、兄者」

(;´_ゝ`)「いやいやいや、悠長に言っている場合では!!」

よもや相手様は死んではおるまいか。
五分五分かと言われれば、1対9の割合で死んでいると思われた。

430名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 02:53:56 ID:fE76v2620

( ´_ゝ`)「母者がついに…前科持ちに…」

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「バカな事言うでないよ、殴られたいのかい?
    こいつらが勝手に上がりこんできたんだよ」

( ´_ゝ`)「へ?」

こいつ、ら。
複数形なのを疑問に思い、恐る恐る兄者は玄関の先に目をやった。
母者が今しがたぶん殴った男の下と、軒先には。
10名はいるであろう人々の屍が。

( ´_ゝ`)「コナンも金田一一もびっくりだぜ…」

推理するまでも無く、犯人は目の前にいるわけだが。
呆然とする兄者の前で、母者はごきりと手を鳴らした。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「…まだ来るねぇ」

(;´_ゝ`)「え!?まだ!?」

431名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:21:38 ID:fE76v2620
サンダルを引っ掛けて外に出る母者に続き、慌てて兄者も靴を履いた。
門の所まで急ぎ早にやってくる。
と。
道路に出た兄者の右側から、腕が伸びてきた。

( ´_ゝ`)「あ?」

突然のことに反応できない兄者の頭の上を、左側から屈強な腕が通り過ぎる。
母者の腕だ。
それは兄者の右側から現れた腕を掴むと、へし折らんばかりの強さでもって握り締めた。
みしみしと言う音で、ようやく兄者が事態を理解する。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「さて、何の用件だい?」

母者がとてつもなく威圧感のある低い声で相手に問うた。
だが、下を向いたままの相手から応えはない。

(;´_ゝ`)(…何だ?)

頭にかかる、黒い靄。
母者がノックアウトさせた人々の上にもかかっていた。
嫌な予感がする。

432名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:22:28 ID:fE76v2620

( ゜ ゜)「…アァァ…アア、アアァ…!」

奇声を上げ。
その顔を兄者へと向けた。
白目をむいて、口を全開にして涎を流し、ぐらりと頭を揺らす。
兄者は、目と鼻の先にその顔を見た。

(;´_ゝ`)「ぃ…っ」

顔が引き攣る。
と同時に、いきなりもう一方の腕で肩を掴まれた。
逃げるという行為が行えない。
突然の事ばかりで身体が付いていかない。
固まる兄者の首に、そいつは思い切り噛み付く。

寸前で。

その身体が宙を舞った。
母者が、掴んでいた腕を思い切り投げ飛ばしたのだ。
兄者の目の前から、白目をした顔が一瞬でいなくなる。
向かい側の家の壁に身体を打ち付けられたその人は、ずるりと壁伝いに
落ちて、動かなくなった。

433名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:26:01 ID:gJr/zL3c0
母者TUEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE

434名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:32:47 ID:DXoUsHGU0
安定の母者

435名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:34:48 ID:fE76v2620
(;´_ゝ`)「…っ、は…!」

地面にへたりこんだ兄者の頭を、母者の手がぽんぽんと撫でる。
こういう時に、この母はなんと頼もしいことか。
まるで主人公が幼い頃のパパスのようだ。
立てない兄者を無理に起こそうとはせず、母者は腕組をした。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「しかし…どうしたもんかねぇ」

うちはまあ、平気だけれど。
溜息混じりに首を鳴らした母者に、はたりと気づいて兄者が問う。

(;´_ゝ`)「母者…皆は?」

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「弟者以外はリビングだよ」

弟者、以外。
兄者の目が見開かれる。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「弟者なら学校に行ったよ。棍の練習するんだって言ってね」

(;゜_ゝ゜)「んな」

弟者は少林寺にある部派の中で、棍を操る武芸を嗜んでいる。
荒巻という名の知れた師を持ち、学校が終わり家に兄者と帰宅した後、
その道場に通っているのだが。
たまに、剣道部の道場を間借りさせてもらって朝練をしているのだ。

そのたまにが、まさか今日でなくても。

436名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:49:35 ID:fE76v2620

(;´_ゝ`)「何で、こんな日に限って!!」

先程母者が投げた相手を含め、すでに10人以上がこんな状態だ。
つまり、街にはまだこんな人々がいるかもしれない。
だとすれば。

襲われるかもしれない。

そう考え付いた瞬間、駆け出した。

 @@@
@# _、_@ 
 (;  ノ`)「あ、こら!待ちな兄者!!」

あんたが行った所でどうにもならない。
そう叫ぶ母者の声は、兄者には届かなかった。
角を曲がって行ってしまった兄者の背中を見送り、母者は深い溜息を付く。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「…バカ息子が」

後ろから伸びる真っ黒な腕を身体を横にずらし避け。
同じく真っ黒に染まったその頭を鷲掴んで、母者は力任せに地面へ叩き付けた。
地面が抉れ、黒のそれは、びくりと一度痙攣を起こしてから動かなくなる。

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「やれやれ、息子の心配すらさせてくれないのかい。無粋だねぇ」

振り返る。
玄関の前に、黒が列をなしていた。

(:::::)「ギギギィ、ギィ、ギィイ…!」(:::::)

 @@@
@#_、_@ 
 (  ノ`)「五月蝿いんだよ、近所迷惑考えな」


ごきりと、母者の手が鳴った。

437名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:50:43 ID:fE76v2620
今日はここまで。

( °д°)…漫画かいてねえ

(°д°)

438名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:50:51 ID:t67MW/wY0
ここまで母者覚醒無しである

439名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:51:40 ID:t67MW/wY0
乙乙
文章パート好きだからもっとこい

440名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 03:55:22 ID:gJr/zL3c0

漫画もいいが文もいいな

441名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 08:44:48 ID:hfkY5bpY0
母者TUEEEEE

442名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 09:18:09 ID:e96E/Ag60
母者ってどうしてこうも格好いいんだろう

443名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 09:27:27 ID:WvqSxt/Y0
流石家すごいDNAだなwww
妹者が母に似てmkmkだったら泣く

444名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 11:23:25 ID:YyvmgE6I0
父者が優秀だと…!?
弟者可愛い乙

445名も無きAAのようです:2012/10/28(日) 22:46:45 ID:6DRtLyow0
つい出来心で作ってしまった……
支援AAだ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1313503738/117

446名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:46:04 ID:WMCdNcE.0
こんな時間に失礼、投下いきます。

>>445
何で…そのコマを…やってしまったんだ…!!!wwwwww
ありがとうwwwありがとうwwww

447名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:46:56 ID:WMCdNcE.0
*****

昔から、双子の兄は賢かった。
国語でも算数でも理科でも社会でも、どんな教科でも勝った事がない。
俺はもちろん、学校内の誰も勝てなかった。
なんとか科学賞を受けた聡明な父の遺伝子を、家族の中で人一倍
濃く受け継いだのが兄だ。

けれど、体育だけは学校内の誰よりも劣っていた。
いや、劣っていた、というと語弊がある。
身体があまり丈夫ではなく、動きたくても動けなかっただけ。
その代わり、双子の弟である俺は、誰よりも運動が出来た。
そしてとても頑丈にたくましく育った。
格闘技を極め、各界で最強の名をほしいままにした母の遺伝子は、
俺にだけやってきたらしい。

俺と兄は、とても両極端な双子だ。
だが、ただそれだけ。
普通に普通の家族なだけだ。


あの日までは。
ただの家族だったのだ。

448名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:47:38 ID:IKDjNzBs0
見てるぞ支援

449名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:48:01 ID:WMCdNcE.0
小学生の頃。
忘れもしない、3年の夏だった。
兄を連れて近くの公園に行った。
そこで合流した近所の友人と、鬼ごっこをしようという事になった。
兄はすぐに喘息のように息を上げてしまうので、ぶらんこに乗って待っていて。
俺や友人達は皆で公園を出て行った。
数分後に鬼の友人に見つかり、ぎゃあぎゃあ言いながらも振り切って公園に
戻って来た時。

俺が見たのは。
ぶらんこの傍の大人の男。
季節はずれの黒のコート。
右手に持った銀色のナイフ。

そして。
首をしめられ、動かない、兄。
だらりと垂れた、兄の腕。

男の。
笑い声と。

揺れる。
ブランコ。

うごかない。

あにじゃ。



どこかがぷつりと途切れた。

450名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:48:54 ID:WMCdNcE.0
気付いた時には、目の前に兄が倒れていた。
膝をがくりと地面に付いて、震える手で兄を揺する。

兄者。
兄者。
おきろよ。
なあ。

数回。

兄者。
あにじゃ、あにじゃ。

繰り返して。

兄が、けほ、と、咳をした。
それから息を懸命に吸うように、げほげほと兄は咽た。

生きてる。
生きてた。
兄者が生きてる。

言いようの無い安堵は目から水となって零れた。
それを無意識に拭おうとして、ふと気付く。

自分の手には、赤黒い血がこびりついていた。
自分の血ではなかった。
兄の血でもなかった。
誰の血なのかはその時、全然分からなかった。

451名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:50:00 ID:WMCdNcE.0
あの日の喪失感は何と表現すればいいのだろうか。
再度味わえと言うのなら、俺は自分自身の死と交換してでも否と答える。
誰にも分かるまい、こんなどす黒い感情は。
周囲からは過保護だ何だと口うるさく言われるが、知った事か。

兄は呆れたように溜息をつく。
それでも、そんな俺に何も言わない兄を見ながら。
どうすればこの人がいなくならないのかを、いつまでも俺は必死に探している。

452名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 02:50:44 ID:WMCdNcE.0
あの夏の日から数日後。

兄を殺しかけた男が捕まった。
腹部を刺され病院に担ぎ込まれていたという。
ただ、誰にやられたのかと言う問いには、怯え震え、一切応えなかったそうだ。

453名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 03:29:39 ID:WMCdNcE.0
*****

(;´_ゝ`)「は、っ…!はぁ…っ!」

息を切らして必死に走る。
学校を目指していたはずが、兄者はかなりの遠回りを強いられていた。

(;´_ゝ`)「くっそ…こんな、沢山いるとか…!聞いてない!」

出くわす人、皆頭に黒い靄を乗せている。
口を開けて奇声を発しながら追いかけてくる。
これはバイオハザードか何かか。
そういえば6が出たんだっけ、まだ買ってない。
レオンとクリスが会うんだよな、ってか映画のバイオも見てないんだけど。
案外配役いいんだよな映画版、でもウェスカーはもうちょっとむきむきでいい。
でも俺はホラーなら零シリーズ推しだ。
主人公かわいいし。
オチで号泣するし。
何であんな可愛い子残して優雨さん死んでしまったん。

支離滅裂に思考を飛ばしながら、兄者はとにかく走る。
そうでもしないとやっていられない。
こんなに走ったのは生まれて初めてではないだろうか。

454名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 03:30:24 ID:WMCdNcE.0
(;´_ゝ`)「…は…、ぜ…ぇ…」

よろよろと電柱に手をついて、兄者は呼吸を整えようと躍起になった。
息が辛い、足がだるい、汗が滝のように流れてくる。
前かがみになって地面を見ると、顎から垂れた汗がアスファルトに吸収され
黒く染みを残していた。

(;´_ゝ`)「…行かにゃ…」

目線を上げる。
次の角を右に曲がれば、もうすぐ学校だ。

(;´_ゝ`)「…大丈夫、だよ、な…」

朝練で学校に先に行った弟者。
街の惨状を見る限り、学校だってこうなっているかもしれない。
自分が行った所で何の役にも立たないかもしれないが、とにかく無事を確認したかった。

重い足を一度小さく叩き渇をいれ、兄者は歩き出した。


けれども。

455名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 03:38:45 ID:iZ1Ich4Y0
あんたきっとSIRENも好きだろ

456名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 03:40:33 ID:iZ1Ich4Y0
あんたきっとSIRENも好きだろ

457名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 04:39:01 ID:WMCdNcE.0
眠れぬ朝方の(´・ω・`)劇場
http://vippic.mine.nu/up/img/vp97231.jpg

凄い中途半端に漫画が終わりそうだったのでこっちかいてた。
まさかあれをAAにしてもらえるとは思わなくてだなっていうか
本当に何故あれをAAになさろうと思ってしまったのだ。

>>455
SDKと一緒に火掻き棒振り回しながらうりえんと焔薙無双するのが夢です。

458名も無きAAのようです:2012/10/29(月) 04:49:58 ID:HrV/PHbE0
寝落ちたかと思ってたらくまきちシリーズ化とは
ちょwww 絆創膏の位置www
さりげなく巨大あらまきすっかり馴染んでるなw




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