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イベント優先スレ
295
:
セツコ中
:2011/08/07(日) 02:06:05 ID:c1.PBF/s
>>292
>>293
>>294
「ごめんねだよー。蛇さん」
そう言うと彼女は苦しんでる蛇に向かいデザートイーグルを向け、頭に一発放つだろう。
「露希お姉ちゃん大丈夫だよ?」
もし蛇を倒したら露希の手伝いにいくだろう
296
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 09:21:10 ID:HbHPxpxY
>>293-295
「確かに急所だったはずなのに。君は西洋の蛇さんだね?」
避けることは流石に厳しい状況なため、剣で受け止めた。だが、力の大きさゆえに、押され気味だ。
ここでメリーが来てくれると、非常に良いのだが。
一方、稀璃華は・・・体を全て石にさせ、攻撃を防いでいた。だが、問題は敵の数。
廻りにいるとなると、広範囲技を持たない稀璃華にとってはかなり厄介だ。
297
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 10:21:02 ID:d.Sq2D9c
>>294
「まあ、意外でしたわぁ。
貴方がそれほど無茶をなさるなんてぇ」
蛇のアーチへと突入する姿を見て、
メデゥーサは手を口元に押さえ、くすくすと小さく笑う。
そして、アーチのほうは新たな侵入者を察知して、
がらがらと獰猛な声を出したかと思うと、大量の蛇は叡肖の体のそこら中に喰らいつこうとした。
>>295
、
>>296
銃の火薬が破裂した音が響く。
先ほどまで暴れまわっていた大蛇は、それからぎ、と短く声を上げ、
体を地面に打ちつけたまま動かなくなった。
露希へ放った鞭の尾は、今一改心の一撃は得られずすっと彼女とは距離を作る。
しかしその後すぐさま、その尾はさらなる勢いと力を加え、
露希へと再びしならせ攻撃を仕掛けた。
「体を石化されると、少し面倒ですわねぇ。
そう簡単にはさせて頂けないということかしらぁ」
稀璃華が直進する中、蛇たちの放つ毒牙は彼には届かない。
そしてそうこうしているうちに、稀璃華達は出口近くへとたどり着くだろう。
「ですが、蛇は牙が全てでなくてよぉ?」
しかしそこで、蛇たちの行動パターンは少し変化する。
今までは牙や頭をついてくるだけであったが、それらが今は体にまとわりつこうとする。
蛇が獲物を丸呑みするときの、あの体中を小さくするほどの巻きつきが、
彼らに迫り動きを止めようとしているのだ。
298
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 13:24:34 ID:1gBuqmPQ
>>295-297
〔敵と判っていても、さっきからずーっと心が痛いんだけど〕
ダース単位で蛇が凍らされたり、撃たれたり、切られたり、食べられたりしているのを
黒蔵はずっと逆さまに見ているのだ。
それは昔、父親が人間に狩られた記憶も呼び覚ます。
〔あ…涙出てきたやばい〕
何がやばいって、人に化けたまま逆さまで泣くと鼻が詰まるのだ。
そして叡肖のほうも戦う腕を変えたということは、休ませる腕が必要なのだ。
人のそれに化けた腕も足も休ませるべき蛸の腕と交代し、叡肖は掌中の小さな姉妹を
スーツのポケットにそっと移して庇う。
徐々に解毒はしているものの、叡肖の足元は時折ふらつくしその分ぶら下げられた黒蔵も
振り回されるのだ。
「そろそろだな。ちょっとの間息を詰めて置けよ?」
赤い顔から青い顔になった黒蔵をみて、叡肖は稀璃華に囁く。
そして襲いかかる蛇たちの中に、何の文字も記していない腕を一本、差し出した。
「黒蔵、遠慮なく吐け!そして走れ!」
叡肖の声と同時に、苦しさの限界に来ていた黒蔵が瘴気を吐いた。
もふっと黒ずんだ霧が叡肖の足元に広がる。そして叡肖は稀璃華の背中をとん、と押した。
人を昏倒させるうわばみの息、妖怪であればそれを吸っても死ぬ事は無いが、
それでも吸い込めば苦しい事には変わりない。
逆さづりにされているため、黒蔵の吐いた瘴気は床に近いところに溜まり、あまり広がらない。
そのため、露希たちが影響を受ける前に、蛇たちが先に影響を受けるだろう。
(よーし、噛んだな)
大量の蛇に絡まれ噛み付かれ、叡肖は黒蔵と共に蛇の群れの中に埋もれた。
299
:
メリー
:2011/08/07(日) 15:23:35 ID:c1.PBF/s
>>296
>>297
>>298
「露希お姉ちゃん!危ないんだよー」
そう言いながら露希に襲い掛かる蛇にむかい、再び大量の刃物を放ち、動きを一瞬だけでもいいから止め、露希の為に隙を作ろうとするだろう。
300
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 15:32:30 ID:HbHPxpxY
>>297-299
『な、なんだと?は、離せ・・・!』
急な作戦変更によって、蛇の動きが変化した。それにより稀璃華も戸惑いを見せ・・・たふりをした。
『なんてな。攻撃手段を持たない奴の大抵は防御手段はあるんだよな。』
稀璃華の体から、無数の石の針が生えてくる。決して大きなダメージは与えられないが、蛇避けにはなるはず。
『叡ちゃんっ!!』
息を止めて、周囲に対応していたが、後ろの二人が飲み込まれてしまうのを見て声を出してしまった。
『(つぅ、気持ち悪い。)』
「あ、刃物!助かったよ、メリーちゃん!!」
蛇の攻撃をかわすと、剣を再び刺そうと試み、目を狙って突き刺そうとした。
301
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 18:12:06 ID:bJBnsqT6
>>298
蛇によって構成されたアーチの様相が、
涙目な黒蔵の瘴気によって下部分に大きな変化をもたらされる。
先ほどまであられの様に、取り込んだ者へと毒牙を向けていた蛇たちが、
体に感じた違和感とともにその攻撃のペースが落ちているのだ。
「本当に恐ろしい殿方ですわぁ。
その知略、全力でお相手してもかなりの痛手をこうむりますわねぇ。
ですがそれがただの自己犠牲的な作戦、なんてことはありませんわよねぇ?」
しかし下半分というのは現時点の話で、時間の経過とともに鈍化する部位は増えて、
直にすべての機能が停止するのだろう。そして当然のように瘴気は彼らにも襲うが、
その頃にはよっぽどのミスでもしない限り、アーチは突破される。
だからメデゥーサは、この障害を越えるかもしれない稀璃華と、
それでも何をやってくるか予想できない叡肖に警戒し、いつでもカウンターを狙えるように構えた。
>>299
露希へと意識を向けていた大蛇であったが、
自身の下に近づく体温を感じ顔をそちらへ向け、下を震わせて威嚇した。
それによって僅かながらも、露希にとって有効な隙が生じるだろう。
>>300
そして、一瞬とはいえ露希の存在を忘れてしまっていた蛇の目に、
彼女の深い一撃は突き刺さる。
剣先は中枢まで届いて、蛇はばたばたと部屋の中でもだえ苦しんだ。
しかししばらくして、こちらのほうも蛇も動きを止めた。
稀璃華へと噛み付き、巻きつこうとした蛇たちの数匹はもろに、
彼女から生え出した棘に突き刺さる。
その様を見て他の蛇たちは躊躇し、
懸命にも攻撃を仕掛けた蛇のできたことも、身を挺して足に絡みつくだけ。
そして攻撃も防御も仕切れなくなった蛇のアーチは、
先ほどよりもあっさりと突破できてしまうかもしれない。
302
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 18:39:51 ID:1gBuqmPQ
>>299-301
ばん!
何かを叩くような鈍い音と共に、蛇の群れを掻き分けて叡肖が現れた。
叡肖の4本腕には色素胞の文字「雷」が、薄らいで消えてゆこうとしている。
ちょっぴり焦げてぴくぴくしている黒蔵をぽいっと投げ捨てて、
身軽になった衣蛸はその長い腕を天井へひゅっと伸ばした。
「殿下みたいには扱えないけどね、接触してゼロ距離でなら、
お兄さんも電気鰻の真似事くらいはできるんだよ」
蛇の群れの中へ犠牲にした腕はまだ使い物にならないし、
身体を支える足も覚束ないが、部屋の中ならば移動のハンデにならない。
腕の吸盤で天井に吸い付いて、叡肖は天井付近に身体を引き上げる。
4本の蛸の腕の吸盤で吸い付き天井を這って移動する姿は
さながら蜘蛛のようである。
天井から叡肖が狙うはメデゥーサの背後、稀璃華と挟み撃ちにするつもりである。
(盾としてさらに蛇を呼び出すくらいはするかな。
そうでなければ…あの目を見てやろうか)
衣蛸の藍色の眼が企みを潜ませてぬらりと光る。
悪戯っぽく釣りあがった口元を、その舌でぺろりと舐め、叡肖はその筆を自身に走らせた。
303
:
メリー
:2011/08/07(日) 19:18:21 ID:c1.PBF/s
>>300
>>301
>>302
「どういたしましてだよー」
露希にそう言いながら、メリーは周りの状況を確認し
「(メデゥーサのお姉ちゃんはケータイ持ってないかな?だよー?
持ってたら背後を奇襲できるんだよー)」
蛸さんから預かってたケータイの電波をかいし、メデゥーサがケータイを持ってないか確認するだろう。
304
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 19:28:32 ID:HbHPxpxY
>>301-303
「ふうっ・・・。あっ、黒蔵君!」
一通り辺りを見渡すと、焦げた黒蔵が投げ捨てられていた。
自分達を狙う敵は片付けたので、黒蔵へと近づくだろう。
「仮にあったら・・・気をつけるんだよ、メリーちゃん。」
携帯に入るメリーに注意した。
『メデゥーサさん、私達を舐めたこと、後悔させてあげようか?』
体を振り、辺りの蛇を退かせる。それをメデゥーサの前で見せて挑発する。
多少、稀璃華に注意が向けられれば、叡肖も挟みやすくなるかもしれない。
305
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 22:52:44 ID:bJBnsqT6
>>302
アーチの蛇のうち、叡肖の電撃を浴びた部分の蛇たちは、
哀れな不幸の黒蔵と同じように痙攣し、反撃などできない状況となった。
「前門の石塔、後門の蛸。
ふふ、窮地と言ったところかしらぁ?」
背後に迫る叡肖の姿を、別の髪の蛇によって確認し、
そちらに振り向くことなく稀璃華に目を向けたまま、くすりと笑った。
別段彼女に策があるわけではないのだが、それでも片意地を張ろうとするのが彼女の性格。
叡肖想定どおり、二匹の5メートルほどの大蛇が彼女の背後を守っている。
>>303
たたずんでいる彼女から、微弱な電波が発生している。
しかし、彼女達の通信手段はアナログ。
メデゥーサは蛇を伝達役として、あの農家は虫の知らせを伝達手段としているほど。
つまり、彼女達が携帯電話なんてものを持っているはずが無い。
坊ちゃんから預かったそれ以外を除いて。
>>304
「あらぁ?たかがこれごときで、
勝った気になっておられるのでぇ?」
稀璃華が強気な態度に出たことで、
プライドの高いメデゥーサは彼女の挑発に乗ってしまう。
しかしそれでも叡肖への警戒心はある、が、
若干そちらへの重要度は少なくなっていることは否めない
306
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 23:09:44 ID:1gBuqmPQ
>>303-305
(ふむ、蛇の護りのほうか)
大蛇は2匹、蛸の腕は4本。
ならば、叡肖はまず2本の腕でそれぞれ蛇を抑え、もう2本の腕で蛇に文字を記すまでである。
2匹の蛇はそれぞれに「相思」「相愛」の文字を記された。
放っておけば性別関係ナシに2匹でデートにでも行きかねない。
(あとはお幸せに〜)
そして叡肖はメデゥーサの背後を取ることができれば、天井から一本の蛸の腕で逆さまにぶら下がり、
人の手でその肩をとんとん、と叩くつもりだ。
こちらを振り向かせようとの魂胆なのである。
307
:
メリー
:2011/08/07(日) 23:25:45 ID:c1.PBF/s
>>304
>>305
>>306
メデゥーサの持ってるケータイの電波を察知し、メリーは電波を介して移動する。
狙うは《彼女の背後》。蛸に肩を叩かれ振り向いた時の背後。もしくは振り向かない状態の背後。
ケータイにメール着信が来たと同時に彼女は現れる。
「ワタシ メリーサン……イマ アナタ ノ ウシロ ニ イルンダヨー」
そう言って現れた瞬間、右手に持った包丁で不意打ちの一刺しを放とうとするだろう。
ただ…メデゥーサの頭の蛇に気付かれたり、ケータイの振動もしくは着メロにより気付かれたりするかもしれない。
だがあくまで不意打ちによる相手の隙を作るのが目的である。
308
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/07(日) 23:29:35 ID:HbHPxpxY
>>305-307
『私はただ、露希に戦えって言われたから戦っただけ。勝ちも負けも知らないな。
・・・で、この人どうすれの、叡ちゃん。』
戦うことしか聞いてないので、判断をすることはできない。
やはりここは誰かに聞こうとしたところ、叡肖がいたために叡肖に聞いた。
『まだ、策があるのか?なぜ余裕ぶっているんだ?』
無防備になった稀璃華は、ゆっくりとメデゥーサの前方から近づいて来る。
309
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/07(日) 23:39:28 ID:bJBnsqT6
>>
>>306
叡肖に捕縛され、じたばたと激しい抵抗をする二匹。
それでも彼にその文字を書かれてからは、その抵抗は激しさをなくし、
しばらくしてから二匹はお互いを、なんというか良いムードで見詰め合っている。
「な、なんでですのぉ!?」
それゆえに簡単に叡肖に接近され、肩を叩かれたときメデゥーサは驚き、
蛇の目で確認したとき目に映った驚愕な光景に振り向かざるおえなかった。
「あ、貴方。なにをなさったのでぇ・・・?」
今だ驚きが抜けず、かすれ声で叡肖に問いかけた彼女。
その目線は彼に注がれ、戦闘の中では大きすぎる隙が生まれていた。
>>307
驚愕の後、メデゥーサが心にゆとりを作る前に、
メリーによる都市伝説の強襲が迫る。
「と、都市伝説風情がこのわたくしに・・・わたくしに!!」
あまりにも虚をつかれたので、いくら彼女といえど反応が送れメリーの刃は、
それでもなんとかかわした彼女の首元に切り傷を刻む。
首元に感じる痛み、そして小馬鹿にするような奇襲の連続に、
ついに彼女は怒りをその目に宿し数匹の蛇を、
致命的な威力の蛇をメリーの喉元へと凄まじきスピードで放った。
>>308
一歩一歩近づく彼女。
その顔には怒りかそれとも驚きか、どちらにせよたらりと冷や汗が伝る。
「策は無くとも貴女ごときに余裕をなくすほど、
わたくしは追い込まれてはおりませんわぁ」
先に何度もそうしたように、彼女は髪の蛇を稀璃華へと差し向ける。
しかし今までとは違って彼女が活力、
つまり彼女の妖気を直に注いだ蛇たちは活性化し、
その牙は鋭く、石である稀璃華の体にもやすやすと、噛み跡を刻むことができるだろう。
310
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/07(日) 23:43:38 ID:1gBuqmPQ
>>307-309
「メリーちゃん、避けてな!」
メデゥーサの目を見たものは、石になる。
人の手の片手でポケットの穂産姉妹を抑え、もう片手でメデゥーサを叩いた衣蛸は、
メデゥーサが見上げた途端に、そのポーズのまま石化した。
当然、そのままメデゥーサにダイレクトヘッドアタックである。
メデゥーサにとっては頭上から蛸の石像が落ちてくるに等しい。
持ち腕の半分を出している叡肖は、半分は人の姿を残しているとは言え、十分でかい。
ちょっと避けて動いただけでは、その下から回避しきることは少々難しそうだ。
重い音を立てて叡肖が床に落ちれば、徐々にその石化は解けてゆくだろう。
その胸元にあらかじめ記された文字は、「石化解除」であった。
一度石化したが故に、その文字の効果が発動したのである。
「いやー、こういうガキっぽい遊び久々。
床にも酷くぶつけた筈だけど、さすが石頭だなんともないぜ!」
けろりとした表情で笑いながら立ち上がる遊び人は、まだまだお遊びのつもりである。
ポケットの中の穂産姉妹も無事だったようだ。
しかし、メデゥーサの背後に現れたメリーは、無事なのだろうか?
稀璃華に問われて、叡肖は肩をすくめる。
「とりあえず、君が彼女を捕まえたら勝ち、でいんじゃね?」
今メデゥーサがどうなってるかは、知らないのだけれど。
311
:
メリー
:2011/08/07(日) 23:51:58 ID:c1.PBF/s
>>308
>>309
>>310
「バイバイだよー」
不意打ちの成功を確認せずメリーは再び消え
露希の近くにある蛸さんのケータイが鳴り
「ただいまだよー」
そのケータイからメリーが出て来る。なんとか巻き添えを喰らわず範囲から抜け出した。
312
:
零なか
:2011/08/08(月) 00:04:40 ID:BQ990e1A
>>309-311
『じゃ、私も遠慮なく行こうか。』
稀璃華のサイドテールにはシュシュがある。
そのシュシュを髪から取って、妖気を入れればどうなるだろう。
それは一本の細い棒になって、先端は尖り始めた。
『この槍で、貫いてやるよ。(この蛇たちが男だと思うと、せつない気分になるが。)』
差し向けられた蛇の口を狙いに、それを突き刺そうとした。
もしこれが成功すれば、叡肖の言うとおり捕まえるだろう。
『…にしてもアレは痛そうだな。両方とも。』
「おっかえり♪怪我して無いよね、よく頑張ったよ!!偉いぞぉ」
携帯から出てくるメリーを受け止め、ぎゅっと抱きしめた。
313
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/08(月) 00:09:28 ID:bJBnsqT6
>>310
、
>>311
、
>>312
蛇も意識も、完全にメリーへといってしまった時、
隙だらけな彼女の頭は叡肖に強くひっぱたかれ、上体ごと大きく揺らぐ。
「なにを・・・。
な!?」
衝撃で目に星を飛ばしながら、顔を上げて彼女が見たものは、
今まさに自分を押しつぶさんとするとても大きな石像であった。
「お、重!?」
流石に目の先80cmにまで迫られて、よけられるはずが無い。
石像は彼女の顔面へとクリーンヒットし、
そのままの勢いで床と叡肖とで彼女の全身をプレスした。
本体である彼女自身が、多大なダメージを負ったことで末端の蛇たちは、
当然弱体化し稀璃華の槍にやすやすと串刺しになる。
全てが貫かれたため、後の追撃は無い。
314
:
叡肖「」 黒蔵『』
:2011/08/08(月) 00:18:54 ID:1gBuqmPQ
>>311-313
「俺の愛が重すぎたのも、君が美しすぎるからだよ。ホント、美しいって、罪だね」
ギャグだか皮肉だかわからない台詞を芝居がかった演技で吐きながら、
ふざけつづける叡肖は筆を取り出す。
このまま誰も止めなければ、鬼畜な衣蛸はメデゥーサが宣言したとおり、
稀璃華が捕まえた彼女の項に、実にえげつない文字「蛙化」を記すつもりなのである。
…彼女の召喚した蛇がまだ数匹、ここに居るというのに。
この悪い魔法使いに蛙になる魔法をかけられる前に、メデゥーサを救う騎士は現れるのだろうか?
315
:
メリー
:2011/08/08(月) 00:24:23 ID:c1.PBF/s
>>312
>>313
>>314
「わふっ♪だよー」
露希に抱き着かれ、うれしそうにする幼女。
「けど油断はできないんだよー。もしかしたらメデゥーサのお姉ちゃんの仲間が来るかもしれないから………ってなんかメデゥーサのお姉ちゃん大変な事になってるんだよ…」
一時的に石になった蛸さんに押し潰されたメデゥーサに、更になにかしようとする蛸さんを見て
敵ながらもメリーは同情するのだった。
316
:
零なか
:2011/08/08(月) 00:33:22 ID:BQ990e1A
>>313-315
『な、なんだよ。もっと勢いがあると思ったのに。
この槍戻すのに2時間は掛かるんだぞ、もう。』ぷんすか
ぷんすかぷんした稀璃華は叡肖を止める訳がない。
よって騎士にはならなかった。
「そうだよね。でも…あの状態で仲間を呼べないよね?」
苦笑している露希も助けようとはしなかった。
317
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/08(月) 00:40:56 ID:bJBnsqT6
>>314
「ふふ・・・お嬢さん。
わたくし、貴女を舐めていたようですわぁ。こんなことでしたら、
最初から加減などしなければよかったと後悔しておりますものぉ」
むくれる稀璃華に、メデゥーサは力なく微笑んだ。
いくら彼女が伝説の妖怪といえど、
身体的な防御力、という観点に立ってみると他の妖怪達と大差は無い。
叡肖の一撃は重く、彼女の体のあちこちの骨は折れ、両足はあらぬ方向へ曲がっていた。
「・・・はぁ・・・はぁ。
まさか・・・皆様が・・・はぁ・・・ここまでできなさるなんて・・・
思っても見ませんでしたわぁ・・・」
掠れた息をなんとか体から吐き、口からは血を流して倒れたままのメデゥーサ。
叡肖が近づいても逃げるそぶりは無く、寝そべっている。
「ふふ・・・約束ですものぉ・・・。さぁ、好きなようになさい?」
自暴自棄で笑い、叡肖からそっぽをむいた。
「ですがこの勝負・・・わたくしの勝ちですわぁ・・・
貴方の元にいるはずの・・・彼女達を御覧なさいなぁ?」
しかし彼が近づききってから、彼女はにやりと悪意をこめて笑う。
そして叡肖の、穂産姉妹をしまったはずの場所から、砂がこぼれていた。
318
:
叡肖「」 黒蔵→巴津火『』
:2011/08/08(月) 00:53:33 ID:1gBuqmPQ
>>315-317
叡肖は零れる砂を見て、氷亜を見た。
(だからさっさと死なせてしまえば簡単だったのに)
しかし、そうしなかった叡肖もなんだかんだ甘かったのだ。
次はもう甘くしない、と心に決める。
「どうやら彼女達は逃げたらしいね。 氷亜殿は、これからどうしたい?」
メデゥーサを捕獲するまでは済んだ。
衣蛸は手早くメデゥーサを『蛙化』すると、エメラルドグリーンのその小さな蛙を掌に納める。
「行く先の手がかりがここに活きているけどさ」
叡肖は後で彼女に傷を治す薬を与えるつもりだが、この姿では蛇の召喚はできまい。
そしてようやく黒蔵が起き上がってきた。
『何なんだ一体。頭はくらくらするし、身体は焦げ臭くて痺れているし……』
不機嫌そうに起き上がったのは、巴津火の方だった。
『蛸じゃないか。ボクのご飯まだ?』
どうやら腹時計で目を覚ましたところ、らしい。
その紫の瞳が、エメラルドグリーンの輝きを見つけて輝いた。
じっと叡肖の掌のそれを見つめて、裂けた舌先で舌なめずりまで始めている。
319
:
メリー
:2011/08/08(月) 01:03:59 ID:c1.PBF/s
>>316
>>317
>>318
「最初から潜んでる可能性もあるんだよー…」
そうメリーは周りに警戒しながら露希に言うが
「!?
しまっただよー」
蛸さんの袖から零れる砂…つまりやはり他に誰かいる可能性があるのだ。
そう考えたメリーは砂の行く先を見ようとする。
「露希お姉ちゃん。砂を使う外国の妖怪で思い浮かぶのはなんだよ?」
メリーは妖怪の種類には詳しくない。ましてや外国ならなおさらだ
だから近くにいる露希に相手の予想をしてもらおうとする。
「はつびー!ちょうどいいんだよー。今から叡肖お兄ちゃんに協力してだよー。協力してくれたら夕お兄ちゃんがまたご飯奢ってくれるんだよー(夕お兄ちゃんごめんだよー)」
ここでまさかの田中くんに不幸!!
まあ、神社の神を襲う奴を捕まえたら奢る約束してるから、あながち間違ってないのだが……
こうして本人の知らぬところで田中くんの奢りが確定された!
320
:
零なか
:2011/08/08(月) 01:14:26 ID:BQ990e1A
>>317-319
『勝ち?だからそんなのは…』
「アネさんアニさんがいない!」
蛙になったメデゥーサ見て、少しだけ可哀そうだとは思ったが
関係ない赤の他人なのでそれほど深入りはしなかった。
「外国の砂妖…サンドマンって妖怪を知ってるよ。でも…何処へ…?」
321
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/08(月) 01:18:59 ID:bJBnsqT6
>>318
叡肖のこちらへの目線を感じ、
氷亜はゆっくりうつむきながら首を横に振る。
「違うんだ。でも、僕の説明不足が原因だから、先に謝っておくよゴメン。
君は早く殺しておいたほうが楽だ、と言ったね?
でもそれじゃあだめだ。それこそ蛙になっちゃった彼女の思う壺さ」
こつこつ、と靴の音を床で響かせながら、
叡肖から零れ落ちた砂のほうへ歩み寄る。
そしてそこで肩膝をついてしゃがみこみ、砂を片手で掬い上げた。
「アネさんアニさん、穂産姉妹はね。簡単な言葉で説明すると、半不死身の体を持っているんだ。
たとえ腕がもがれようと、体中が粉々になろうと、彼女達のご神体があれば、
何度でもどこでもだって復活できる。
例えばここで破壊されて、彼らの拠点で復活させることだってできてしまうんだ」
つまりメデゥーサは、最初から彼女をここから救い出そうなんて考えておらず、
彼女達を破壊して、そのまま自分も逃走する気だったのだ。
叡肖が懐を探れば、役目を果たして死に絶えている、
いつの間にか忍び寄った小さな蛇を見つけるかもしれない。
>>319
.
>>320
「メリーちゃん、アネさんアニさんは、逃げ出したんじゃない、
粉々になって、この場から一度消失したんだよ」
無力感と、そして自身の説明のいたらなかったことを悔やみ、
下へ視線を落としたままメリーに話しかける。
「今から探してもここにはいない。
だって今この世界に、アネさんアニさんはご神体以外存在していないんだ」
氷亜の姿に、蛙となったメデゥーサはさも満足そうにその姿でにやりと笑う。
その姿はいかにも挑発的で、
むしろ巴津火に食べてくれ、とでも言っているようだった。
322
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 01:29:59 ID:1gBuqmPQ
>>319-321
「つまり、神体はここにないのか。
氷亜殿がそれを知りながらこの二人の拘束しかしていなかった、というのも俺には解せないね」
(さっさと話せばいいものを。この女の手伝いした方が面白かったかな)
夜行集団はまだ何か隠しているだろう。叡肖は氷亜にも少なからぬ不信感を持った。
「それなら殿下、これ食べて良いよ。そのかわり」
やたっ!と蛙になったメデゥーサをひったくろうとした巴津火の手から、叡肖は自分の手を
素早く遠ざけた。
「食べる時にコレの記憶もできるだけ多く受け継いで、皆に教えなさい」
その為にはできるだけゆっくり、じっくりと味わう必要があるので、叡肖の要求は酷く残酷でもある。
しかし、食べて良いと言われた巴津火は、力いっぱい首を縦に振っている。
323
:
メリー
:2011/08/08(月) 01:36:15 ID:c1.PBF/s
>>320
>>321
>>322
「なるほどだよ……
ちょっと待ってだよ?まさか坊ちゃん達が神様殺してまわってるのはお姉ちゃん達の御神体を手に入れる為だよ?
神様たちが御神体に結界をはってるんだよ?」
そう考えればつじつまがあうのだが…果たしメリーの考えはあってるのかメデゥーサをチラ見する。
「…お兄ちゃんは何処まで知ってたんだよ?」
とりあえず事情を知ってるのか?と氷亜に聞いてみる事にした。
324
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/08(月) 01:44:18 ID:BQ990e1A
>>321-323
「一時的な消失…。でも御神体があれば…。
…氷亜さん、何か知ってるの?」
『(確かに結界を張っている神が殺されれば結界は無くなるとして。
その御神体を手に入れて…どうするんだ?結局、何がしたいんだ…。)』
姉妹との付き合いの長い氷亜ならば、必ず何かを知っているかと思った。
そんな氷亜に詰め寄り、露希は問う。
325
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/08(月) 02:02:49 ID:bJBnsqT6
>>322
「おいおい、それじゃあどうすれば彼女達を止められたって言うんだい?
結界を張ったって、能力を封じたって体が崩壊した時点で、
彼女達の逃走は成功するって言うのに?だから彼女に近づくなって言っていたのに?」
叡肖の言葉に、少し投げやりな風をしてソファーに座り込む。
しかしその実心は冷静で、鈍感な彼が珍しくも彼の手下を使い、
すでに手下のいる全山脈、全地域に穂産姉妹の妖気が集中する場所を探すよう、
近くにいた彼の側近たる妖怪に指示を出していた。
>>323
―ふふ、その通りですわよぉ、賢いお嬢さん?
穂産姉妹は死を選びたくとも、その自身の神体との能力のせいで容易には死ねませんのぉ―
蛙が短く、ゲコ、と一鳴きすると、全員の頭の中にその声が響いた。
いくらその身が蛙となろうとも、腐っても大妖怪。
念動力によってその場にいる全員に、彼女は意思を伝えることができるらしい。
>>324
露希の問いかけに、側近に命令を下してから黙っていた氷亜は、
ぱっと口を開いて喋りだした。
「僕や、特に夜行集団が知っていることはごく僅かなことばかりだよ。
あのアネさんアニさんは、かたくなに自分の過去を隠していたからね。
まず、穂産姉妹含む、坊ちゃんとやらを中心とした集団は、
別段西洋妖怪ばかりではない6人ほどの集団らしいこと。
そして、その目的の一番最初の段階は、穂産姉妹のご神体を手に入れること。
最後に、これを知っているのは僕くらいだけど、
彼女達が姫に喋っているのを盗み聞いたんだ、自分達の行うことは、壮大なペテンだ、と」
でもこれ以上は知らない、と氷亜はため息交じりに締めた。
326
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 02:10:57 ID:1gBuqmPQ
>>323-325
『神様?ご神体?そっちも美味しそうだな』
巴津火がこれ以上余計な事を言う前に、その口に蛙と化したメデゥーサを叡肖が放り込む。
歯の間でぷつんと弾けてとろりと溶けてゆく感触と、その旨みにうっとりとした巴津火は、
しばし無言になった。
蛙と化してはいるが、蛇妖という意味では同族である。
その旨みはかつて、同じ舌で黒蔵が味わった同族食いの味でもあった。
「一番最初、ね」
叡肖が少し皮肉めいて氷亜の言葉を繰り返す。
それならその坊ちゃんとやらを手助けしていったほうが、落ちが着くまでの道は短そうだ。
彼らが他にも手に入れたいものがあるというのなら、その神体を壊すとは限らない。
むしろ、全てを集め終わるまでは、姉妹の神体も無事なのかもしれない。
まだ押し黙ったままの巴津火は目を閉じる。
じんわりと力が染み透って来る。己の力として、それを思うままに操れる。
メデゥーサの力が巴津火のものに変わってゆくその様子を、叡肖は腕を組んで見つめていた。
(少なくとも二人をあの女と行かせたよりはマシな結果だな。
これで殿下も少しは育つし情報も得られるんだ)
坊ちゃんの正体と、日本神話人世第34章禁伝第2項について、何か巴津火の得る情報はあるだろうか。
327
:
メリー
:2011/08/08(月) 02:21:19 ID:c1.PBF/s
>>324
>>325
>>326
「……立ち悪すぎなんだよー。私を産み出した奴くらにだよ」
思い浮かべるは自分を作りだし、なんらかに利用してる《青行燈》。
アレが何の為に噂を作りだし、今何をしてるかわからないが…それなりの悪意をメリーは感じた。
そして氷亜の話を聞いて
「お姉ちゃん達を抜かすと4人って事だよ?坊ちゃんとメデゥーサのお姉ちゃんとマンドラゴラのお兄ちゃんと……後一人いるんだよー」
「坊ちゃんの正体がわかれば…っていっても日本の古い妖怪の神様クラスの可能性が高いんだよ?」
思い出すはメデゥーサが言ってた《日本神話》…つまりはその時から生きてるモノの可能性があると…
「叡肖さん。ハツビー。何かわかったら教えてだよー」
328
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/08(月) 02:30:57 ID:BQ990e1A
>>325-327
「ペテン…。そんなに隠したかったことなんだね…。」
何やら事は余程重要な事なのだろう。
でも氷亜の言葉の中にヒントがあるようにも聞こえた。
『神様クラスとなった場合、かなり厄介だな。
……場合、じゃなくてそうかもな。』
329
:
夜行集団 メデゥーサ
:2011/08/08(月) 02:37:32 ID:bJBnsqT6
>>326
蛙となって表情は読み取れなくとも、
彼女の残り僅かに残っていた妖気が、彼女の精神にある悲壮を感じさせていた。
―自画自賛して蛇にされて、守ろうとしたら蛙にされて。
わたくしは一体、なにをすることが正解だったのでしょう?―
そう絶命する前に彼女は言い残し、巴津火の口へと放り込まれた。
そして彼女の命が潰えたとき、巴津火の頭の中にはさまざまな情報が溢れ出すだろう。
最初は美貌を讃えた自分が怪物となる記憶、そして英雄に倒される記憶。
しかしその先へと続けば続くほど、その記憶は混濁し、読み取りづらくなっていく。
それはまるで、何者かの意志によって改ざん済みのデータのようで。
だが、それでも巴津火は日本神話人世第34項の、
部分掛けた記録と坊ちゃんの妖気は知ることができた。
―大きな力を手に入れた二柱の神は、
人々に結実豊作と、子宝児童安全の恵みを与え、より江戸の人から信仰を集めていました。
しかしそんな優しい神々にも憎い存在があったのです。
それは、妖怪と人との垣根を越え、固い愛によって結ばれているとある夫婦でした。
結実の神であるのに、子供を産む事の叶わない二柱の神はそんな夫婦を逆恨みし、
彼らの出産の際、とある呪いをかけました。それはその時生まれた子供は、怪物になると言うものでした。
そして彼女達の思惑通り二人には怪物が生まれ、二人は悲しみのあまり死んでしまいました。
呪いの成就に喜んでいた;k≫k;卯≫/yンでしたが、
その所業に天界の神々は怒り、彼女達から神格を奪ってしましました。
そして神々は、その恐ろしく強大な力を持った怪物に使命を下したのです。
それは−成熟した後、お前から全てを奪った;k≫k;卯≫/yンへ正義の鉄槌を与えよ−
というものでした。 ―
330
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 02:52:29 ID:1gBuqmPQ
>>326-329
長いように思えた時間の後、ようやく巴津火が目を開けた。
「氷亜殿、水を少し貰いたい」
叡肖がトレイにコップから水を注いで差し出すと、巴津火はそこに指を浸す。
そこには巴津火の得た記憶が映し出されていった。
「天界がらみかよ」
それを見て呆れたように叡肖が溜息をついた。
巴津火なら天界へ上がって直談判する資格もあるのだが……いかんせん、まだ幼い。
天界の神々に交渉する技術もともかく、まだ一人で天に昇る力すら蓄えていないのだ。
「実のところ俺は、この『坊ちゃん達』の手伝いを皆でした方が、出し抜くチャンスもあると思うがね」
少なくとも相手を知り、詳しい目的とその手段も知ることができるのだ。
「江戸期ってことは、まだせいぜい400歳ちょっとか。確かに坊ちゃんだな」
よしよし、と巴津火の頭を撫でる叡肖。今回はちゃんと巴津火が役に立った。
(それに、上手く行けば殿下に坊ちゃんを食べさせてやれそうだ)
巴津火はまだまだ成長過程である。栄妖もたっぷり必要なのだ。
331
:
メリー
:2011/08/08(月) 12:19:25 ID:c1.PBF/s
>>328
>>329
>>330
ハツビーが得た記憶が映った水を見て
「……神様より厄介だったよ…
……それにこの話…なんか夜お姉ちゃんと澪お兄ちゃんが見たらショック受けそうだよ」
その夫婦とその子供の話を聞いて悲しそうな顔をするメリー。
「けど…なんかひっかかるんだよ…
お姉ちゃん達に正義の鉄槌をくわえると言うのに……なんで神様たちはお姉ちゃん達の御神体をワザワザ結界をはっているんだよ?コレじゃあまるで御神体を守ってるみたいなんだよ?
それにお姉ちゃん達を破壊するだけなら、ワザワザ結界はってる神様たちを殺してまわる必要もないんだよ?
それに…正義の鉄槌ならなんでマンドラゴラのお兄ちゃんは自分達の行動を悪って言うんだよ?」
メリーは疑問を感じた。
話を聞くかぎりでは姉妹が悪いのだが……ソレならば何故姉妹を完全に閉じ込めなかったのか?なんで結界をはってる神様をワザワザ殺し回るのか?謎だらけである。
それに《ペテン》というのも気になる。
「まさか……復讐対象はお姉ちゃん達以外にもいるんだよ?」
ポツリとそう呟き
「私は反対だよー。確かにソレは速い方法かもしれないけど…相手が素直に教えるとは限らないし危険なんだよ」
叡肖の提案にメリーは首をふった。
332
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/08(月) 13:06:18 ID:HbHPxpxY
>>329-321
『お・・・おい、なんだよコレ!?天界が相手じゃあ、私達は何も出来ないじゃないか!』
「・・・フォードさんなら・・・これをどう解くかな。」
ダンっと机を叩き、少し悔しそうな表情をする。
『でも叡ちゃん、坊ちゃんを手伝うって言っても不信がられないか?万が一、こちらの目的もばれたら・・・』
「でも稀璃華、こちらから近づかないと相手側の情報は得られないよ。叡肖さんの意見はいいと思う。
メリーちゃん、ボクもまだよく分からないけどね。
時には危険を犯してでもしなきゃいけないこともあるんだよ。それだけは頭に入れておいてね。」
首を振るメリーを優しく撫でる。
333
:
氷亜
:2011/08/08(月) 14:16:54 ID:bJBnsqT6
>>330
叡肖に手渡してから氷亜も、
全員と同じようにその水に映るものを覗き見る。
光景が再生されるなか、彼は終始それを顔に表情なくみていた。
顔を上げてもとの体勢に戻った後、深くため息を。
それは他の者たちの天界、という驚きとはちがって、
彼は今まで側にいたあの姉妹の犯した、残酷な罪に言葉を失くした事による物だった。
「ああ、君のその意見に反対はしないよ。
僕達夜行集団としても、それいがいに手は無いのかもしれないしね」
そして叡肖に、少し遠い目をして賛同する。
>>331
、
>>332
感じた疑問に、首を傾げるように思考するメリーのほうを、
ちらりと横目で見て顎に手をやり、氷亜はしばらく黙り込んだ。
それからしばらく後、氷亜は気づいたように、あ、と口から言葉を漏らした。
「・・・これは仮定にもならない推論だし、
もしかしたらはずれて、いや、合ってはいない、ことかもしれないけど、
少し浮かんだことがある」
氷亜は自分の中で発生したある仮定を、忘れないように一言一言、
繋げ確かめるように話し出した。
「もし、だけどもしかしたら・・・神々はその坊ちゃんが成熟するまでに、
なにかしらの原因でもあのアネさんアニさんが滅されることを恐れたんじゃないかな?
だから、こうしてそのご神体を結界で守っていた。坊ちゃんに退治させるために。
その理由は分からないけど、彼女達を退治するものがその坊ちゃんなら、
正義の名の下に穂産姉妹の信者の反対もなく、退治できると思えば筋が通る
でも、坊ちゃんは神の意思とは違い、そこまで正義の使者ではなかった。
だからご神体を守る神々ごと、殺してしまっているのかもしれない」
「露希も賛成か。だとすると手助けの振り、をしたほうが良いと言う結論になるのかな?」
334
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 14:55:46 ID:1gBuqmPQ
>>331-333
メリーの言うとおり、この受け継がれた記憶にも嘘があるのだろう。
完全な書き換えは無いとしても、例えば時間軸のすり替えのような
意図的に誤解を誘うような改竄くらいはあるはずなのだ。
(天界による神格剥奪は本当だろうが、正義の鉄槌だの言う下りはどうも胡散臭い)
元々この国の神々は正義だの悪だのという単純な区分のできるシロモノではない。
同じ神格が時と場合により、災いも福も授け得るものなのだ。
「その、天界が使命を下したってのにも裏がありそうだな。本当にそれは天界の意なのか?」
そもそも双子神への罰であれば、天界による神格の剥奪そのものが罰と言えよう。
それに逆恨みの理由にも夫婦の死にも、どこか不自然さを感じざるを得ない。
『人と妖の間に普通じゃない子供が生まれる事の、一体何が死ぬほど辛いんだ?
むしろ化物が生まれてこない方が何かの呪いだろ?』
巴津火は巴津火で死んだ夫婦の軟弱さ加減に文句があるようだ。
「なあ殿下、そこにも嘘があると思っても良いんだよ?
坊ちゃんに『報復』を課した奴が、実はその両親を殺した張本人ということもありえるんだぜ?
もし俺がその張本人の立場だったら、双子神の罪悪感につけこんでいいように操る位はやるな。
二人は自分に罪があると思い込んでるんだからちょろいもんだ」
悪企みを語る時の叡肖は、実に楽しそうである。
「さて問題は坊ちゃん達に接触するなら誰が行くか、だ」
335
:
メリー
:2011/08/08(月) 17:23:19 ID:c1.PBF/s
>>332
>>333
>>334
氷亜と叡肖の予測を聞いて、メリーは何かを考える。
「もしかして…坊ちゃんは全てを怨んでるんじゃないんかな?だよ?
自分の運命を狂わしたお姉ちゃん達も…自分に正義の鉄槌を促した神様達も………
《自分の産みの親》も」
《人を大量に殺す為に産みだされた都市伝説のなりそこない》はなんとなくそう考えた。自分も自分を産み出した《青行燈》を怨んでるから…
「その考えだったら氷亜お兄ちゃんの言う通りに神様たちも危機感を感じるんだよ
お姉ちゃん達が死んだら次は自分達の番なんだよ」
「叡肖お兄ちゃんの言う通り黒幕がいるのだとしたら…ソレはソレで厄介なんだよ」
まあ…考えても全て予想だからわからないんだよ……っと溜息を吐きながら付け加え
「むむむ…わかったんだよ」
露希に撫でられ、納得し
「露希お姉ちゃんや氷亜お兄ちゃんはやめといた方がいいんだよ。お姉ちゃん達の友達だからまずは怪しまれるんだよ
私は…マンドラゴラのお兄ちゃんに絶対警戒されるんだよ
ハツビーは………………………………うん。だよー」
おい。何故ハツビーを見て目を反らした!
多分ハツビーの事だからそのまま仲間になりそうな気がしてしまったからだろう。
何よりマンドラゴラはハツビーに興味を持っていたから警戒はされないと思うが…
「となると、何かと知恵がまわる叡肖お兄ちゃんかお姉ちゃん達とあまりかかわるのなさそうな稀璃華お姉ちゃんになるんだよー」
336
:
零なか
:2011/08/08(月) 17:48:44 ID:HbHPxpxY
>>333-335
「うん、やっぱりそうでもしないと真相は掴めそうにないし・・・。
氷亜さんの意見があってても、その何かしらの理由を様々な視点から思慮する必要もあることだし。」
『不思議だよな。退治だって、坊ちゃんの他にも条件を満たした奴はいたかもしれないのに。
単に自分の全てを奪っただけで天界からの命令はおかしいし・・・。やはり行くしかないな・・・。』
稀璃華も納得したのだが、叡肖の言う通り、誰が行くかだ。
行くなら、それほどの危険を弁えなければいけないし、いかに坊ちゃんに近づき、情報を入手するかなど、個々の能力も必要になってくる。
「メリーちゃんの言う通りかもね・・・。ここは稀璃華と叡肖さんに・・・。」
『私か叡ちゃんか、どちらかか・・・。』
337
:
氷亜
:2011/08/08(月) 17:56:42 ID:bJBnsqT6
>>334
「うん、アネさんアニさんの神話の箇所以外にも、
あのメデゥーサの記憶にはところどころ混濁した部分がある以上、
そのまま鵜呑み、ってわけにはいかないだろうね」
叡肖に小さく頷いた氷亜。
叡肖やメリーの上げていった点ももっともだが、
穂産姉妹とは短からず、同じ館で生活していた彼はそれ以上に、
言葉にできない何か違和感に似たものを感じていたのだ。
坊ちゃん側とこちら側との仲介となる者の決定を始めようとする叡肖に、
氷亜は彼に向かって挙手し、申し訳なさそうに苦笑いをしていた。
「何と言うか・・・すっご〜く言い辛いことなんだけどさ、
以前、僕達夜行集団はね?
・・・神格持ちをヤッチャッタことがあるんだよ・・・成り行きでね。
だから〜多分。僕達夜行集団の者じゃ、悪目立ちすると思うんだよ。
ほら、一応天界も絡んでるかもだしさ。華音ちゃんならともかく」
喋る彼の目線は水泳選手並みに泳いでいて、顔からは冷や汗が。
そう、氷亜含め夜行集団は以前、
そんなあまりにも不都合すぎることをやってしまっていたのだ。
>>335
氷亜はふむ、と相槌を打ったかと思うと床を見つめ、
顎に手をやって再び深く黙り込む。
「復讐対象は全て、それも十分にありえないことではないね。
もしそうであればやみくもに、結界の守護神達を消した理由も、
メデゥーサなんかの大妖怪と手を組むのも頷ける」
と思わせたい第三者が仕組んだこともありえる。
考え始めれば浮かぶ可能性は多く、そのあまりにもの情報の少なさが、
氷亜に思わずため息をつかせていた。
「でも、もし天界を含めた脅威なのだとしたら、
なぜ竜宮の叡肖さんや黒像君がそのことを知らないんだろう?下界にも増援は求めると思うのに。
まあ、神格持ちですらない僕が考えても、特に意味はないんだろうけど。」
>>336
「稀璃華ちゃん、かな?
出会って直ぐだし関係ないはずだしで申し訳ないんだけど、
僕達のためにも頑張ってくれないかい?」
そこで氷亜は稀璃華の手を握り、顔を近づけ頼みごとをする。
その裏で、露希が行く事にならなくてよかったとか考えているのだが、
彼のイケメンオーラーは大きく、彼女にはなにか効果があるかもしれない。
338
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 18:24:21 ID:1gBuqmPQ
>>335-337
「動けるものなら動きたいが、俺は裏に回った方が良いと思う」
叡肖はメリーの指名に首を横に振った。
「さっきメデゥーサは初対面の筈の俺に『竜宮の』と言っただろ?
てことは、喫茶店の周辺の妖怪は既にある程度調べられていると見て良いんじゃないかね」
メリーの言うとおり、穂産姉妹に関わりのある夜行集団も動けないことは判っていたが、
氷亜の告白には叡肖もしばし頭を抱え、やがてニヤリと笑いながら顔を上げる。
「氷亜殿も、その神格が穂産姉妹のように再生できる可能性は考えなかったんですかい?
もし今後その件で罪に問われたら、、神格とはそういうものだと思っていた、と抗弁してみましょうか。
もっとも、言い訳にすらならぬ詭弁ですがね」
なりゆきという事情もあるのだし、今は無事でも確かに次は無いだろう。
「しかし天界に伝手となると……先代の主の伝手しかないからなぁ。
誰かが天界を騙って仕組んでるだけなら、色々楽なんだが」
稀璃華一人と言うのも、気掛かりである。何かあったときのために、複数は欲しい。
メリーの危惧するとおり、巴津火ではかなり危なっかしい……のだが。
「殿下、その坊ちゃんとやらの友達になってみる気は、ないですかね?」
『友達?それどうやってなるんだ?遊べば良いのか?』
巴津火の言う「遊ぶ」は、かなり物騒な意味合いである。
339
:
メリー
:2011/08/08(月) 19:49:49 ID:c1.PBF/s
>>336
>>337
>>338
「そんなーだよ……まさか、喫茶店と普通じゃない田中家で特定されちゃってただよ?」
メリーよ…それは特定されるよ。
「けどハツビーじゃちょっと危ないような気がするんだよ」
ハツビーの発言を聞いてやっぱり不安を感じるメリー。
「《ノワール》を調べられたなら田中家や澪やミナクチさまに瞳と零も警戒されてるんだよ……
誰かいい人選いないんだよ?」
340
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/08(月) 20:06:17 ID:HbHPxpxY
>>337-339
『え?あ・・・ぁぁ、分か、りました・・・///』
ホスト1のイケメンであり、魅力する雪男であり、そんなイケメンに手を握られる。虚冥の時とは比べものにならい勢いで鼻血が吹き出した。
そして、成り行きで氷亜に抱き着こうとする。
もしも抱き着いたのなら、氷亜の耳元で露希はこう言うだろう。
「・・・氷亜さん、稀璃華は・・・女の子じゃないのは頭に入れておいてね・・・。」
「田中家絡みも駄目となると・・・かなり厳しいかな?
前に瞳から聞いたんだけど、宝玉院家っていうのがあってね、そこの人は主を目指してるらしいんだ。その人なら・・・大丈夫かな?」
『巴津火か?もし興味あるなら、一緒に行かないか?』
確かに関係ない宝玉院家だけど・・・三凰君は素直に引き受けてくれるのだろうか。
341
:
叡肖「」 巴津火『』
:2011/08/08(月) 20:54:24 ID:1gBuqmPQ
>>340-341
「メリーちゃんがそのマンドラゴラに会ったのはノワールから牛神神社へ黒蔵が出た後だから、
殿下がマークされていることはない、かな」
それでも坊ちゃん達が八岐大蛇を知っている事は、想定しておく方が良さそうだ。
「殿下。もしその『坊ちゃん』達に出くわしたら破壊を手伝って当たり障りの無い妖怪を食ってみてもいいよ」
『うん、もう手伝って食ったぞ』
巴津火の回答に叡肖は呆気にとられた。
「はぁ?一体何時?」
『この前蛇女が、寺で仏像を壊してたぞ?
そこに巻き込まれたから、ボクに怪我させた寺の奴らを祟って食った』
あの時は露希も一緒だった。
そして相手を食ったのは攻撃されたことへの正当な報復だと巴津火は思っている。
「殿下、今さっき食ったのがその蛇女だよっ!」
そうだった、巴津火はメデゥーサが蛙になった後からしかいないのだ。
(全く、うちの坊ちゃんも坊ちゃんだよ)
叡肖は苦笑いしていた。
そして、露希の提案には頷いた。
「既にそういう形で接触してるなら殿下が潜り込む隙はありそうだな。
その宝玉院家には俺も心当たりがあるが、交渉するなら三凰殿単独を相手にしたほうが良さそうだ。
お目付けの飛葉という老人は、三凰殿が無茶をするようならまず止めるだろうからな」
『お前と一緒でも良いけど、変なとこ触るなよ?』
巴津火は稀璃華にまだツンツンしている。
「そういう訳で氷亜殿、夜行集団の皆には裏側での支援と神体探しをお願いしたい。
巴津火殿下と稀璃華殿が接触、俺と露希ちゃんが宝玉院家へ出向こう」
どうやら巴津火は稀璃華と「坊ちゃん達」への接触を、露希と叡肖は宝玉院への接触を図る事になりそうだ。
しばらくホストクラブで相談をし手順を煮詰めてから、叡肖達は店を後にした。
//夜行さんが来られないようなので、自分はこういう形で〆ようかと思います。
342
:
露希「」&稀璃華『』
:2011/08/08(月) 21:21:24 ID:HbHPxpxY
>>341
「稀璃華、一度フォードさんに会った方がいいよ。きっとそれなりの対応はしてくれるだろうし。
宝玉院家のことは聞いただけなので、ボクはよくわかりません。まずはその子の視察からですね。」
『対応にしても、あの人はちょっと怖いからな。変なとこ触らなければいいんだな、巴津火っ!』
巴津火のツンに少し萌えつつも、ワクワクしてきた稀璃華。
この後、稀璃華は露希からフォード宅を教えて貰い、フォード宅へ。
露希は氷亜の店にしばらく残るだろう。
343
:
メリー
:2011/08/08(月) 22:06:29 ID:c1.PBF/s
>>340
>>341
「けど喫茶店に二匹のヤマタノオロチがいるってメリー喋っちゃったんだよ」ショボーン
少し落ち込み
「一応牛神神社の荒事得意そうなお姉ちゃんにも声かけてみるんだよー。人間なんだけどだよー
皆も頑張ってだよー」
そう言うと、メリーは蛸さんにケータイを渡すとケータイを通じ喫茶店《ノワール》に移動していった
/皆さん三日間絡みありがとうございました
/お疲れ様です
344
:
???
:2011/08/08(月) 22:33:54 ID:/AfNAO.Q
とろりと粘つきのある夏の夜。
肌に纏わりつくような暑さの中でも、黒い雲の間から覗く月は涼やかに空に浮かんでいた。
時刻は三時を回っている。
そこは、ある程度の広さを有する公園だ。
こんな真夜中、普通にカンが手人がいるはずがない。
現に今晩も、その公園に人「は」いなかった。
「あーっもぉ最悪ぅぅぅ!!」
静かな公園の真ん中から、甲高い声が響いた。
「せっかく気晴らしに来たのにぃ、服汚れちゃったんですけどぉ!」
そこにいたのは、赤と黒で纏められたゴスパンク風の服を着た少女だった。
先ほどまで乗っていたのだろうか、後ろでブランコが揺れている。
文句を呟きながら短いスカートをはたく少女は、一見普通の少女に見える。
だが「普通の少女」が、果たしてこんな時間に公園にいるだろうか?
――そう、彼女もまた人ならざる者である。
そして同時に、妖怪ならざる者でもあった。
彼女から発せられるそれは、妖気でも、人の気配でもない。その両方を備えた奇妙なものだった。
345
:
黒蔵
:2011/08/08(月) 22:43:14 ID:1gBuqmPQ
>>344
(今日は散々だったかもしれない)
ホストクラブからの帰り道、ふらふらと公園の前を横切った小柄な少年は月を見上げる。
ちょっぴり覚束ない足元の彼の耳に、甲高い声が飛び込んできた。
「いっ?」
何時もはこの公園、この時間には人がいないのだ。
そのつもりでだだ漏らししていた妖気を、きゅっと収束させて気配を消そうとする。
(人?じゃない?)
なぜか黒蔵はその妖気を知っているような気もした。
黒いズボンのポケットのなかで、掌がじっとりと汗ばみ始める。
人の姿に化けた蛇は、本能的に公園の真ん中からは見えない木の陰に隠れようとした。
346
:
宇佐田満月
:2011/08/08(月) 22:56:52 ID:8w5oeMbU
異様な空気が包むその場を見下ろす月に、影がかかる
影、と言ってもそれは月を覆うような影ではない、とても小さく、胡麻粒のように月に被さる
その影は段々と大きく……と、言うより、近付いて来て…!?
「…ぅぅぅううううううううああああああああああああああ!!!!!」
それに比例して、サイレンの様に長く長く遠くまで響き渡る雄叫びも近くなっていく
その影が、声が、限界近くまで近付いた時、そこに振動が起こる
ピタリと声が止み、上がった土埃の真ん中から生えているのは、真っ白い兎耳
「…まだまだ、か……」
土埃が晴れたそこには、白い兎耳を生やした青年が少女の前に立っていた
347
:
斬嶋 一郎
:2011/08/08(月) 23:05:50 ID:zbqWp5t.
>>344
妙な気配に支配された夜の公園に、また一つ何かが加わる。
噎せ返るような血の香りを従えた、学ランの青年だ。
異様なほど若い顔は、下手をすれば中学生にまで見えるだろう。
「何だ?何だろうなァ?……君たちはどう思う?」
と、誰にとも無く自分の胴体に向けて語りかける。
気配の正体が何か、と問いかけているように見える。
学ランの腹部から背中にかけ、もぞり、と何かが一瞬せり出し、蠢く。
同時に木の葉がすれるような音で、何かが呻き声を上げる。
その異様な青年は、微笑みとともに、妙な気配が濃くなる方向へ歩き出した。
348
:
???
:2011/08/08(月) 23:09:24 ID:/AfNAO.Q
>>345
土で僅かに汚れたスカートの端を持ち上げて、人ならざる少女は唇を尖らせている。
黒髪の長いツインテールに、薄いメイクを施しているらしい幼い顔。恐らく中学生だろうか。
厚底のブーツを履いているが、それでも身長は150cmに満たないようだ。
「もー最悪ぅ……泥跳ねちゃってるし、ありえなーい」
怪しい素振りは見せていないが、気配を隠すだか探すだかの努力もしていないらしい。
この公園には自分しかいないと思い込んでいるのか、黒蔵が隠れていることにも全く気付いていなかった。
――同時に、彼女の気配に集中すれば気付くかもしれない。
彼女から、「生気」が感じられないことに。
>>346
「……」
突然の激しい轟音に、少女は目を点にして開いた口がふさがらない。
土煙が晴れると同時に現れた兎男を見た途端、公園中に少女のつんざくような叫び声が響いた。
「超ありえないんですけどーーーー!!??」
が、次の瞬間には、
「でも超おもしろーい! きゃはははははは!!」
盛大に笑いだし、ポケットから取り出した携帯で写真を連写しはじめた。
パシャパシャパシャパシャというけたたましい音と共に、まばゆいフラッシュが宇佐田を照らす。
気が済んだのか少女はそのままの勢いで宇佐田に駆け寄った。
「ねぇねぇねぇお兄さんどっから来たの!? 月!? ねぇ月!? ていうかこの耳本物!? 超可愛いんですけどえっていうかお兄さんイケメンじゃんねぇアドレス交換しようよ!!」
>>347
青年が次に見るのは、番町ルックな兎男を携帯片手にまくしたてるゴスパンクな少女の姿だろう。
シリアスとはかけ離れたこの状況に、果たして彼はどういう反応を見せるのだろうか。
349
:
黒蔵
:2011/08/08(月) 23:17:18 ID:1gBuqmPQ
>>346-348
(何あれ?何アレ?)
また変なものが落っこちて来た、と、植え込みの影でgkbrしている小柄な少年。
ゴスパンク少女と兎男からは隠れたつもりでも、反対側からくる青年からは丸見えである。
「…何なのアレ?生きてる気配ないのに、人??」
そこへ漂ってきた血の匂いも注意を引かれた。
振り向けば歩いてくるのはどこかで見たような服装の青年?だ。
(あ、あれ俺に似てるんだ)
あの服装は覚えがある。ただし冬の時に黒蔵は来ていたのだった。
今の黒蔵の服装は、夏の学生服に近い。
それに同じような童顔でついでに低身長……と思ったが近づいてくる相手をみれば
あちらの方がまだ高そうである。
(ちくしょう、ちくしょう)
なぜか黒蔵は無性に悔しくなった。
350
:
宇佐田満月
:2011/08/08(月) 23:23:58 ID:8w5oeMbU
>>347
>>348
>>349
周りの人間(妖怪)達に全く気付く様子が無く、青年は顎を上に上げて月を見上げる
かなり高く跳んだ筈だが、まだ届かない、山のてっぺんから跳んだ筈だが、勢い余って全く違う場所に来ていたが、本人はまだ気付いていない
「うーん…」
どうしたものか、と、使わないので意味のない策を練っている所で、何だか声が聞こえる気がした
そんなのに構っている暇も無いので無視していると、何だか眩しい気がした
「うるせぇぇぇえええええええ!!!!!」
結果、少女にキレた
「何だよテメーさっきから!?いきなり現れやがってうるせーんだよ!?」
「アドレス!?アドレスって何だごるぁ!!?」
ドスを効かせた大声を張り上げ少女にメンチビームを飛ばしまくる
いきなり現れたのもうるさかったのも自分であるが、それに気付いている筈も無い
そしていくら怒っても、頭の耳のせいで勝手に『ぷんすか』という単語が目に見えてしまう
351
:
斬嶋 一郎
:2011/08/08(月) 23:31:53 ID:zbqWp5t.
>>348
「……見えたよ。あれかなぁ?どう?」
またしても、独り言のように呟く。
風の音にも似た響きで、いくつかの声が交わる。
それは彼の声でも彼女の声でもなく、他の『何か』が発していた。
「…人間かな?女の子だね。……もっと近くで見たいのかい?」
異様な光景ではあるが、彼は意に介さず、問いかけてから歩み寄る。
ねば付くような血の匂いとともに、彼はゆっくりと近づく。
>>349
「あれはなんだろうね?……男みたいだ。残念だね」
視線を感じ、眼を向ける。
直後、左の脇腹へと慰めるような声をかけた。
脇腹から細い息にも似た音が発せられる。
>>350
大声を聞き、その場で、二人に近づこうとしていた足を止める。
怖気づいた様子でもなく、表情はいたって平静。
むしろ、何が起こるのかを期待してる節もある。
「……アレは何?流行ってるのかな?訳がわからないよね」
虚空に言葉を投げかけ、その眼は彼の耳を見据えた。
352
:
???
:2011/08/08(月) 23:45:09 ID:0rvvBuFg
>>349
確かに少女は動いている。
確かに少女は生きている。
――だが、死んでいた。
そういえば、少女の肌は化粧のせいではなく、不健康なほど青白い。
人形のようだとか、陶磁器のようだとか、そんな白さではなく、
その色は、人間の死体を思い描かせた。
>>350
などと、傍から見られていることに気付くこともなく、相変わらず少女は宇佐田に絡み続けていた。
「髪白いね染めてんの? もしかして自前? あっ外人だったりする? ねぇねぇてかその耳触らせてよねーいーでしょー?
てか目ぇ赤っ! あっ結構筋肉すごーい触っていry
と、続けようとしたところで、ついに宇佐田がキレた。
「!?」
怒鳴られた少女は、しかし萎縮するわけでもなく、逆にぷはっと噴出した。
「いきなり現れたのあんたの方だし!! 超ウケるんですけどwwwww
アドレス知らないとか携帯持ってないの? 買えよあっおススメauね私のアドレス教えとくから買ったら教えてよねっ! ……あ、ゴメン紙もってなかった」
「ねっ、私黄道いずみっていうんだけど、お兄さんなんて名前?」
黄道(こうどう) いずみと名乗った少女は宇佐田に近寄ると、軽いノリでその肩に触れようとする。
振り払うのもいいだろう。
そして触れたなら、その手のひらが「人の温度」を持っていないことが分かるはずだ。
>>351
「?」
斬嶋が近づいてきたことで、黄道はようやくその存在に気付いたらしかった。
学ランの青年を見て、むぅっと首を傾ける。
「この時間なら流石に人いないだろうと思って来たんだけどなー。……あ、もしかして近くで何かやってんのかな?」
思いついたように言うと、斬嶋の方に向かって呼びかける。
「ねーお兄さーん! こんな時間になにやってんの? 近くで何かやってんのー?
てかお兄さんどこの学校の人ー?」
353
:
黒蔵
:2011/08/08(月) 23:48:04 ID:1gBuqmPQ
>>350-352
(うひぇっ!)
いきなり大声で兎男が怒鳴ったので、黒蔵は思わず耳を押さえた。
相手が気づいていないのだから身をすくませる必要も無い筈だが、今はどうにも気力体力が無い。
それがどこか臆病な行動を取らせる結果となっていた。
(こっちから来たのは独り言の危ない人だし!)
仕事疲れのたまった深夜である。もういい加減にしてもらいたい状況なのだ。
「なんなのもう、訳がわからないよ」
奇しくもその言葉の後半は、青年?の台詞と綺麗にシンクロしていた。
そして、気づかれないのを良いことに、こそこそと逃げ出そうとする。
気配を察知されても青年の方が先にあの2人に突っ込みそうなのだ。
植え込みの影に身を潜めて、じりじりと暗がりを移動をする。
そして暗がりなのと、園内の二人に気を取られていて
気づかずに植栽の蔭に投げ捨てられたそれを踏む。
(うおっ!)
踏んだ靴の下から転げたコーヒーの空き缶は、かっぽんころころと路面に転げ出て
アスファルトに響く派手な音を立てた。
兎男とゴスパンク少女が音の方を見れば、木の下ですっころんで地べたにキスをしている
小柄な少年を見るかもしれない。
354
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 00:03:15 ID:8w5oeMbU
>>352
「だぁああああかぁああああらぁあああああら!!!」
「うるせーから黙れってんだよおおおおおおおおおおお!!!!!」
怒りをものともせず、逆に笑うような少女の態度が逆鱗に触れ、宇佐田の怒りが有頂天になる
耳の毛を逆立たせて、アンテナのようにピンと立たせ怒りが表現されている
「俺の名前は宇佐田満月だああああああああああ!!!!」
「よろしくなんてしねえぞおおおおおおお!!!!」
こんなに怒っているのに聞かれれば素直に名前は答える、でも五月蝿い
「気安く触んじゃねええぇ!!!」
「冷たい手しやがって!!冷え症かごるぁ!!!」
握り拳を力強く握って目の前で震わせ熱り立つ
いずみの手が触れる肩が冷たさを感じた、が、それがまさか死人だからという理由とは思いもしない
>>351
>>353
「あと、てめぇらあああああああぁぁ!!!!」
今の今までいずみに怒り、いずみにしか気付いていないかと思えば、他の二人に急に怒り顔を向ける
「さっきから何見てやがんだあああああああぁぁ!!!!!見せモンじゃねえぞおおおおおおお!!!!」
理不尽だ、目立つのは自分なのに
倒れている者にも容赦無しに怒りの矛先を向けている
355
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 00:08:17 ID:zbqWp5t.
>>352
「……話しかけられちゃったよ。予想外だね。……え、近づけば反応されるだろって?それもそうだね」
『何か』に問いかけ、『何か』に相槌を打つ。
「…えー、あ。俺?……学生じゃないよ」
学ランを着たまま、そんな事を言う。
説得力は皆無。
>>353
「何だろう。……え?『殺せ』だって?」
幻聴を聴いているかのように、突拍子も無い事を口にした。
懐に手を差し入れ、銀色に光る、よく研がれたメスを懐中で握り締める。
「……だめだよ。まだまだ全然知らない人じゃないか」
懐中にメスを握ったまま、誰かを諭すように言う。
>>354
「…怒られちゃったね」
ぽかんとして、誰にとも無く同意を求めた。
しかし、一体誰に話しているのか。
この場にいる誰かでは無い事はもはや明白。
かといって独り言という訳でもなさそうだ。
「見せ物じゃないなら何なんだろう?」
つらつらと言葉を綴るその調子は、淡々として、感情を持たないかにも見える。
356
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 00:15:35 ID:0rvvBuFg
>>353
スチール缶がアスファルトに衝突した音は、思っていたよりもずっと静かな夜の空間に響き渡った。
激しく動かしていた唇の動きを止めて、黄道は体ごと振り向いた。
小柄な少年が、顔から地面に突っ伏して倒れている光景。
先程の行動から察すると、再び携帯で連写をおっぱじめそうではある。
だが、そうしなかった。
顔を上げた黒蔵を見て、黄道は僅かな狂気を含ませた目を見開いた。
「お兄ちゃんじゃん!」
>>354
「満月ね! いいじゃんよろしくしようよあっ私のこといずみって呼んでいいから! てか満月のほうがうるさいんだけどwwwwwwww」
さっそく下の名前を呼び捨て。かなり馴れ馴れしい。
だが冷え性か、と尋ねられた瞬間、ふと黄道の表情が変わったように見えた。
しかし勘違いかと思えるほどの速さで、すぐに笑顔に戻る。
「なになに心配してくれてんのー? あっていうかねぇ満月この耳触らせてよ!」
高くて届かないー! と厚底で背伸びして、宇佐田の頭の上にある耳に手を伸ばそうとする。
>>355
「お兄さん誰と話してんの?」
きょろきょろと辺りを見回すも、誰もいない。
首を傾げるが、「まあいいや」と済ませてしまった。
「じゃあ何で学ラン……あっもしかしてコス? いいじゃんお兄さん学ラン似合ってるし! そうだ写メ撮ろうよ写メ! ねえこっち来てよ!」
すちゃっと携帯を取り出し、斬嶋をこちらに呼ぼうとする。
357
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 00:23:24 ID:1gBuqmPQ
>>354-356
「しっかりヨロシクしてるよでっかい声でヨロシク言っちゃってるよ何あの人何なのさっきから
こんな深夜にご近所迷惑だよ全く……」
うつ伏せでぶつぶつ呟いているので叫ぶ兎男の兎耳に聞えるかどうかは判らない。
「自分で見世物オンステージしてるのに何なのあの人どう見ても可笑しいよっていうかこのままだと
人間あつまってきちゃうじゃんやばいじゃんマジ俺疲れてるじゃん…」
多分、今日は色々あって疲れやらなにやらでピークに来ちゃったものと思われる。
ぶつぶつと呟きながら起き上がった黒蔵は、ふと僅かな狂気を感じ取った。
「お、にい、ちゃん、だと?」
きゅうっと三日月形に釣りあがった口がそう呟くと、思わぬ素早さでゴスロリパンク少女のもとへ駆けつけた。
陰の気を好むこの蛇妖、疲労のピークに狂気が作用して、完全にラリっているご様子。
兎男の耳をモフろうとする妹?をひょいと抱き上げて、その耳へ届くように持ち上げようとする。
「緋桐!生きてた!緋桐!」
壊れた笑いをあげながらゴスロリパンク少女を持ち上げるその瞳に正気の気配はない。
回路の壊れたお兄ちゃんスイッチ入りましたーな状態である。
358
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 00:34:14 ID:8w5oeMbU
>>355
「うるせーんだよてめー!!さっきからぶつぶつぶつぶつと!!」
「誰と話してやがんだごるぁ!!話す時は相手の目を見て話しやがれ!!!」
先程から何かと話している男を睨みつけて叫ぶ
その何かが何なのか、そもそも彼には男が何かと話しているという発想もないようである
>>356
「いずみいいいいいいいいぃぃ!!!!てめー馴れ馴れしいんじゃぁあああああああああ!!!!」
かなり人懐っこそうな様子で絡んでくるいずみに怒鳴り付ける、が、ちゃっかり言われた通り呼び捨てしてたり、そもそもこいつも人の事を言えない
「だぁっ!やめっ!!この…!!やめええええぇい!!!!」
耳に触ろうとするいずみの手をうざったそうにかわしていたが、余りのしつこさにとうとう、いずみの手首を掴んで無理矢理制止する
やはり、掴んだ手首も冷たかった
「こんにゃろーてめー!!夏だっつーのに冷たい手しやがって!!死人か!?手だけ死人かごるぁ!!!」
口から出る言葉は冷え症を罵倒する為の精一杯の言葉、少しズレている感じもするが
そのズレた罵倒が、まさか正解を引き当てているとは本人は気付いていない
>>357
「おめーもぶつぶつうっせーよ!!!言いたい事あんならはっきり言えごるぁああああああああああ!!!!」
黒蔵の呟きもしっかりと聞こえていたようだ、今までは気付いていなかっただけで、流石の耳と言うべきか
「あっこら持ち上げんなこら」
「ふざけんなてめええええええええええ!!!!」
黒蔵がいずみを持ち上げた事でいずみが耳に手が届く範囲まで来てしまう
…が、がっちりといずみの手を掴んでガード、意地でも触らせたくないらしい
359
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 00:41:47 ID:zbqWp5t.
>>356
>>357
>>358
「……え?俺?……でも、これどうしよ……」
呼ばれている事に気付き、懐の中で握ったメスをどうしようか考えている。
常識的に考えて、しまえばいいのだが。
「…抜いちゃったしなぁ。……あ、そうか。あの子に使えばいいんだよね?」
ほのかな凶器とともに、メスを握り締めながら近づいていく。
その足取りは、静かながらも、距離を詰めていく猫科の動物のように――……。
「……って、あれ?」
近づくより遥かに速く、倒れていた青年が彼女に近づき、担ぎ上げる。
もはや、彼の目論見は遠くへと流れたようだ。
「……『隠せ』?……うん、分かったよ」
兎耳の男の警告(?)も意に介さず、ぶつぶつと続けながらメスを袖にしまい、近づく。
三人のやり取りを楽しむ振りをし、ゆっくり、声を交わせる距離まで近寄った。
360
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 00:43:50 ID:0rvvBuFg
>>357-359
「わっぷ!」
突然抱き上げられ、黄道はきょとんとした顔で黒蔵を見下げた。
だが「緋桐」という聞き覚えのない名前で呼ばれ、少し不機嫌そうな顔をする。
「はぁ? 誰それ? 私緋桐なんて名前じゃないんだけど、ちょっと、お兄ちゃん、離してよっ!
あ、ちょっと満月そんなに手首引っ張ったら――」
黒蔵に持ち上げられ、宇佐田に手首を掴まれ、体を揺らしたことで、ぐいっと腕に思わぬ負担がいってしまう。
その瞬間の黄道の表情は、まるで、何かに怯えているようだった。
そして、
「あ」
どさっ、と。
突然、何かが地面に落下した。
何かの拍子に壊れてしまった、人形のパーツのように。
少女は地面に落ちたものを、無表情に眺めていた。
自分の腕を。
肘あたりからちぎれた右腕の断面は、グロテスクに血に濡れている。
もちろん少女の腕からも、ぼたぼたと血が垂れているのだが、本人はまるで痛みなど感じていないようだった。
「……壊れやすいんだってば、もう。超最悪なんですけどー」
チッと軽く舌打ちをしてから、黄道は体を捻った。
その小さな体から出ているとは思えないほどの力で、黒蔵の腕から抜け出そうとする。
抜け出せれば、落ちた腕を拾いあげ、三人から距離を取ろうとするだろう。
361
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 00:56:43 ID:1gBuqmPQ
>>358-360
わめく宇佐田の赤い瞳と焦点の合わない黒い瞳がかち合った。
その要求どおり目を見たのだが、黒い目はどこも見ていない。
どこか遠くを見て笑い声をあげながら、小柄な少年は涙を流していた。
「生きてた!生きてた…!」
ソレナノニ コノイモウトノカラダハ ドウシテコンナニツメタイノダロウ
動いていて、喋って、笑って、怒って、なのに冷たくて、色を失って、生気が無い。
覚めたくない夢の中に逃避するかのように、黒蔵の思考は頑なに理解を拒んでいた。
イル ココニイル イモウトガ アレハ ユメ デ コレガ ホントウ
最初にどことなく覚えがあるように思ったその妖気は、黒蔵自身のそれに似通っていたのだ。
しかし
ちぎれ落ちた腕に黒蔵の動きが止まった。その腕の中からいずみは難なく逃れ出る。
表情を失った黒蔵は、呆然とその腕を見つめている。
――あれは、妹の肉。
そうだ、妹は居ない。自分が食べたのだから。
「うわああああぁぁぁぁぁっ!!!」
いずみが落ちた腕を持ち去ろうとした瞬間、それを奪われまいとした黒蔵が、
蛇体となって奪い返そうとした。
しかし成功はせずに、その丸太のような長い黒い身体は地をのたうつばかりである。
(緋桐!緋桐緋桐緋桐緋桐ぃぃぃぃぃぃっ!!!)
宇佐田も青年も、その傍に居れば巻き込まれかねない。
362
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 01:07:11 ID:8w5oeMbU
>>359
>>360
>>361
「やめろっててめーら!!やーめー…」
まるで子供のような押し問答を、かなり激しくしていたその最中
ぶちっ、とも、ぺきっ、ともとれぬ、生理的に嫌な感じの感覚がした
それが起きたのは、自分の手の中で
よく見たら、いずみにある筈の物が無くて、その足りないパーツが落ちていた
全てを理解する間、実に二秒程度、尤も本人はもっと長く感じたが
「う、うわああああああああああああああ取れたああああああああああああ!!!!!!」
ちょっとだけ静かだったと思えば、結局また叫ぶのである
「わりいいいいいいぃ!!!まさか取れるとは思わなかったんだああああああああああ!!!!」
「大丈夫か!!?セロハンテープでつきそうか!!?」
とはいえ、慌てるベクトルがすこしばかり違うようでもある
んで、「お前も原因の一つなんだから謝れ」と、黒蔵に言おうとして顔を向けるが
「なんじゃこりゃああああああああああああああああ!!!!??」
そこには巨大な蛇がいました、ていうか目の前なのに何故今気付いた
363
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 01:13:32 ID:zbqWp5t.
>>360
>>361
>>362
「…………え、腕?…俺、何もしてないよね?……うん、そうだね」
もはや彼の基本姿勢となりつつある、問いかけるような独り言。
目の前で少女の腕が落ち、血を流す。
しかし痛がる様子でも、何が起こっているか理解できないという様子でもなく、不平を口にするのみ。
「……って、えぇ?あれ、さっきの人は?……え、化けたって何?意味わかんないよ」
言って、右手を学ランの背中に下から差し入れる。
数秒ほどして、やがてその手は何かを探り当てた。
のたうつ大蛇を前にして、流石にうろたえて自衛しようとしているようだ。
「…どうしよっか?キミ、何かプランあるかい?」
そこで初めて、独り言ではなく、周りの人間に向けて言った。
すなわち、兎耳の男に。
364
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 01:19:08 ID:0rvvBuFg
>>361-363
黒蔵の腕から抜け出し、厚底のブーツで地面を蹴った黄道は、三人から距離をとった。
蛇体となってのたうちまわる黒蔵を遠目で見、げえっと舌を出す。
「うわキモ、超ひくんですけどー」
宇佐田から奪った腕をくるくる回しながら、黄道は溜め息をついた。
「あーあ、そういえば小鳥遊センセーに人に見られるなって言われたような〜〜……。どうするべ、この状況」
ツインテールを弄りながら、むむっと思案する。
それからしばらくもしない内に、黄道はピンっと指を立てた。
「そっか消しちゃえばいいんだ。私超頭いいー」
ふふんと得意げに笑うと、片手に持った自身の右腕を高く放り投げる。
弧を描きながら飛ぶ腕は、空中でぼこぼこと沸騰するような音を立てはじめた。
そしてついに弾け飛び、肉片が地面に落ちた。
それらの肉片が蠢きはじめ、もごもごと形を変える。
「ほら早く、私の肉兵たち」
黄道が呟いた瞬間、肉片は人の形に姿を変えた。
人の形とはいえそれは人とは程遠い、グロテスクな九個の肉塊である。
くぼみだけで表現された顔ともいえない顔が、無機質な感情を三人に向けた。
「さっさとこの場にいるやつら、全員消しちゃって……あ、お兄ちゃん見逃してあげるつもりだったのに忘れてた! ごめんね☆」
てへ、と右腕で頭を掻く。
そう、右腕でだ。
ちぎれたはずの彼女の右腕は、いつの間にか再生していた。
だがその理由を考える暇も与えないほど早く、肉塊は呻き声を上げながら、それぞれに迫りくる。
のたうちまわる蛇の頭を潰そうと、三個が。
宇佐田の体を引き裂こうと、三個が。
斬嶋の首をちぎろうと、三個が。
365
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 01:25:29 ID:1gBuqmPQ
>>362-364
でっかくって長い黒い物は、ドン引きされようが吃驚されようが、のったのったと辺りをのた打ち回っております。
時折かっと巨大な口を開きますが何か目標物に食いつくわけでもなく、
虚空を噛んでは頭で地を叩き、己が身を締め付けるかの如くくねっております。正に蛇踊り。
しかし全く人畜無害かというとそうでもなくて、振り回される尾やらくねる身体にうっかり巻き込まれたら
楽しい結果など到底待っては居りません。
どかっ!とされるか、ぷすっ!とされるか、あるいはゾンビにぺたぺたされるのか、
いずれにせよその逃げる気配の無いでっかい長物は格好のターゲットではありました。
そこへ迫り来る肉塊の一つは尻尾でホームランされ、もう一つは巻き込まれてすり身となりました。
しかし残りの一つは、今正に蛇が己で大地に叩き付けているその頭を狙って、飛び掛るのでありました。
べち!
やったね!肉塊のアタック成功したよ!これで黒蔵大人しくなるね!
366
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 01:37:59 ID:8w5oeMbU
>>363
>>365
「あぁ!?ねぇよ、そんなもん!!」
「とりあえずぶん殴れ!!顎狙えば大人しくなるだろ!!」
プランはあるか、と聞かれれば、ぶっちゃけ無い
とりあえず力押しで気絶させろとの事、そんな無茶苦茶な
>>364
「えーとなんだ腕が取れて爆発してなんか増えてまた生えて…」
「えぇい解らん!!!もうめんどくせえええええええええええ!!!!!」
一度に色んな事が起こりすぎて大混乱、目をぐるぐるにして向かってくる人型に戦闘体制
「おりゃ!!おりゃ!!おるぁああああああああああああ!!!!!」
飛び蹴り、空中回し蹴り、着地と同時の回し蹴りで人型を蹴り飛ばす
鉄下駄の重さを物ともしない脚力と、重さが加わった脚での攻撃は、そのまんまの表現だが思い
367
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 01:45:20 ID:zbqWp5t.
>>364
>>365
>>366
「はははっ……!凄いね?俺、ラリってないよね?これ、実際起きてるんだよね?」
興奮冷めやらぬ様子で何かへ問いかける。
答えが返ってくるのを待たず、彼は背中から、大振りのナタを取り出した。
背が低く童顔の、この青年が保持できるのかどうかも怪しい一品だ。
「……なんだァ。キミがあれにわざと呑まれて、内側から何かする、とか言うのを期待したのにねェ。残念だね?」
ぼそぼそと物騒な事を言ってのけ、自分に向かって来る三体の肉塊を見て取る。
「いっただきィ!」
自分へ向かってきた肉塊の一体へ、脳天に相当する部分から縦一文字にナタを振り下ろす。
片手で振ったにも関わらず、その速度は相当なもの。
返す刃で肉塊の首へ相当する部分へとナタを水平に撃ち込み、そして――残りの一体には、背を向けた状態になる。
368
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 01:54:00 ID:0rvvBuFg
>>365
大蛇の尻尾に吹き飛ばされた肉塊は、公園の木にぶつかりその周辺を血塗れにした。
くねる動きに巻き込まれた肉塊は、地面を赤黒い血に染めた。
最後の一匹が、その体全身を使って黒蔵の頭に迫る。
そして勢いよく肉がぶつかる音がした。
「いえーい、攻撃成功☆」
フリルがあしらわれたスカートを揺らし、無邪気にはしゃぐ。
落ち着くと、頭に血と肉片をつけた大蛇を指差した。
「そこで大人しくしててね〜? ぶっちゃけお兄ちゃん殺したら私が小鳥遊センセーに殺されるし! ぎゃはは!!」
>>366
どっ! どっ!! どっ!!!
三連続コンボは、宇佐田に向かい真正面から突っ込んでいった肉塊を簡単にバラバラにした。
肉片があたりに飛び散り、噴き出した血が白い服や周辺を汚していく。
その様子を遠くから眺める黄道は、「ふーん」とつぶやき唇を吊り上げた。
「やるじゃん満月! ごめんね、もっとあんたと話してたかったけどさー」
ぶちっ!
言うなり、黄道はみずからの腕で、右肩から腕を引きちぎった。
鮮血が吹き出し、ゴスパンク風の服を真っ赤なドレスに仕立て上げる。
再び右肩を投げると、今度は十五体の肉塊が出現した。
先程の肉塊より少し体が小さく、しかしすばしこい。
肉塊たちは素早い動きで宇佐田に近付き、周辺を取り囲んだ。
そして一斉に襲いかかる。
>>367
「わお、でっかい武器ぃー。超写メりたいんですけど!!」
肉塊が弾け飛んでいく様子を、遠くからけらけらと肩を揺らしながら見ている。
一体目は、振り下ろされたナタによって真っ二つになった。
人の形を保っていられなくなった肉塊が地面に転がる。
二体目は、水平に撃ち込まれたナタによって首が吹き飛んだ。
同じく、肉塊が地面に転がる。
そして三体目――背後から、斬嶋に太い腕を振り上げる。
「てかさー、お兄さん超強くない? いずみ心配だからさぁー」
言うと、黄道は自らの歯で左腕の一部分を噛みちぎった。
指はぼこぼこと形を変え、するどい杭になる。
「えい☆」
肉塊の攻撃に加担するように、勢いよく杭を投げた。
369
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 01:56:57 ID:1gBuqmPQ
>>366-368
ひくりひくりと震える大蛇の身体は少しづつ元の人型に縮んでゆき、生き残った肉塊は主の命令どおり
その頭を潰そうとしてまだピョンピョン跳ねている。なかなか忠実な奴だ。
しかしその足元でうつぶせに倒れた少年の頭は半ば地中に埋まり、その為にどうやら肉塊の使命は
成功していなかったらしい。
これは大蛇が散々のた打ち回って地面を荒らしたせい、である。
己で頭を打ち付けて、柔らかくなった地面に窪みも作っていたのだ。
この状態で顔をあげたら色々と酷い事になっているのが予想されるので、
心無い人がいたら黒蔵を起してあげよう。
370
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 02:07:22 ID:8w5oeMbU
>>367
>>368
>>369
「ぬおおおおおおお!!?また増えやがったああああああああああ!!!!?」
華麗な三コンボで人型を吹き飛ばしたと思えば、すぐに数が追加される
しかも今度は二十、今とはまさに桁が違う
だが
「こおおおおおおおおなったらあああああああああ!!!!」
「とこっとんやってやるぜ鰓亜あああああああああああ!!!!!」
人型の大群に向かって、空気を揺るがす程の大声で雄叫びを上げると、力を溜めて高く跳び上がる
ちいさなビルなら軽く飛び越しそうなくらいに高く跳び上がると、当然のように落下する
落下に向かう場所は大群の中心、真ん中に位置する人型を思い切り踏み付け、衝撃波で周りの人型達も纏めて吹き飛ばそうとした
371
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 02:09:36 ID:8w5oeMbU
>>370
/すいません
/二十→十五
/中心の人型→中心の地面です
372
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 02:13:19 ID:zbqWp5t.
>>368
>>369
>>370
「……あ、無理かも?」
気配で真後ろに肉塊が迫っている事を悟るも、その姿勢からは反撃が間に合わない。
ナタを振るにも、もはや猶予は無い。
しかし。
ぼこ、ぼこ。
青年の後頭部が音を立てて変形し、人間の顔を持つ大きな腫れ物を三つほど生じさせる。
その腫れ物―――『人面疽』達は、後ろに迫った肉塊へと、酸性の液体を勢い良く吹きつけた。
まともな人間であっても、浴びれば全身がケロイド状になり、酷い有様へとなるような強い酸だ。
「……あぁ、見られちゃったかな?どうしよう?どうしようかなァ?」
後頭部に人面疽を発生させたまま振り向き、黄道が投げた杭を、分厚いナタを盾にするように両手で構えて防ぐ。
373
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 02:24:39 ID:0rvvBuFg
>>369
「ねぇお兄ちゃん、私の声聞こえる?」
黄道は地面に顔をうめる黒蔵に向かって、遠くから独り言のように呟きはじめた。
肉塊は未だに頭の上で飛び跳ね続けている。
聞こえるわけないかもしれない。別に、聞こえていなくてもいい。
「お兄ちゃんは私が誰だか知らないだろうけど、私は知ってる。私の中には、お兄ちゃんの血だって混ざってるんだから。
小鳥遊センセーから聞いたよ。お兄ちゃんがいなくちゃ私は蘇れなかったって」
にたり、と口許が歪む。
「ありがとね。生きてるって超最高だよ、お兄ちゃん」
>>371-372
落下の衝撃波によって、宇佐田の思惑通り、肉塊は一気にその形をなくした。
小さくなった分、よけいにもろくなっているようだ。
呆然とする黄道を後目に、斬嶋の後頭部が変化する。
肉塊をドロドロに溶かし、さらに最後っ屁の杭まで防がれてしまった。
「……そんなのってアリィ?」
ぱらぱらと舞う土煙。
風に揺れるツインテールを抑えながら、黄道は呆れたように呟いた。
右腕はまだ再生途中。となれば左腕だが、この二人相手どるには一本だけではキツい。
黄道はどう動くべきか迷っている。距離をつめるなら今だ。
374
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 02:30:45 ID:1gBuqmPQ
>>370-373
肉塊に踏まれつづける黒蔵を、まだ誰も引っこ抜いてくれない。
なので誰のアクションにもついてゆけない。
今日も、働く、こける、滑る、そして、泣きを見る。
そろそろ息が詰まってるんじゃないかな〜♪
そっと、起してみようかなーんて?
多分、誰も思っちゃくれないのが彼の日常。
おそらく遠くからの泉の独り言は聞えていないのではないだろうか。
頭に跳ねる肉塊を載せながら、静かに横たわっているのみである。
375
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 02:37:14 ID:8w5oeMbU
>>372
>>373
>>374
神の所業か、本能か、とにかく宇佐田はいずみが倒すべき相手だと悟った
土埃の中、赤い眼を光らせ、何処かの決戦兵器暴走モードを思わせるように立ち上がる
「ごぉぉちゃぁぁあ…ごぉぉちゃぁぁあ……!」
グググ…と右足を後ろに曲げて力を溜める
弓なりになるくらいに脚を後ろに伸ばす
「うるせえええええええええええええええ!!!!!」
そして、その場で思い切り蹴り上げる、当然の如く蹴りは空振り
だが、代わりに鉄下駄が足からすっぽ抜けていずみ目掛けて飛んでいく
二発限定最終奥義、鉄下駄飛ばしと命名した、今命名した
376
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 02:47:28 ID:zbqWp5t.
>>373
>>374
「……あーァ。ほんっと、どうしちゃおっかなー?」
後頭部の人面疽をなんとなく手でさすりながら。
『殺セよ。はらワたヒキずリ出して並ベちまオう』
『ダメよ、そんナノ。子宮からに決マってルでしョ』
『ミンチだよ、ミんチ。切リ刻ンで試そーゼ。どうセすぐは死なナイっテ』
後頭部にできた三つの人面疽が、好き勝手に、かつ身震いするような事を喋りまくる。
低い声。異常に甲高い声。少年のように純粋な声。
これこそが、「彼」の口調の種明かしだ。
「…いやァ、無理だよ。こんなんじゃ殺しきれないってば。試すのもいいけどさ、殺せないとイライラするだけじゃん?」
ナタについた肉片を振り落とし、刃を指でなぞる。
ちらり、と横目で蛇だった男を見つける。
顔面から埋まりながら、肉塊と戯れているようだ。
「……面白いもの見せてくれたしネェ。うん、いいよね?」
言って、ナタを右手で本気で投げつける。
黒蔵を踏みつけている肉塊の、胸から頭のあたりへと縦回転しながらナタが飛んでいった。
彼女については、兎耳の男に任せるつもりらしい。
377
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 02:50:11 ID:0rvvBuFg
>>374
>>376
斬嶋のナタにより、黒蔵の頭の上で飛び跳ねる肉塊が飛び散った。
「ダサいのー」
助けられている黒蔵を見て、ぷぷっと噴出す。
>>375
「そ、そんな怒んないでよ満月ぃ〜」
猫撫で声を上げるが、今更もう遅いだろう。
じり、と一歩後退する。宇佐田が脚を後ろに伸ばす。
そして、鉄下駄が凄まじい勢いで飛んできた。
「!!」
それを視界に捉えるも、とんでもない脚力から繰り出される鉄下駄を避けるにはいたらなかった。
咄嗟に腕で頭を庇う。しかし、鉄下駄はその僅か下に直撃した。
衝撃に数m吹き飛び、地面に投げ出される。
「…………あー……もう最悪ぅ……」
体を持ち上げて、ひょいっと立ち上がった黄道の体は。
心臓部分から右側が、完全に吹き飛んでいた。
「服ボロボロだしぃ。超ありえないんですけど……」
はあ、と溜め息をつく黄道は、痛みを感じていないようだった。
吹き飛んだ部分は完全に向こう側の景色が見えている。
378
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 02:55:32 ID:1gBuqmPQ
>>375-377
ずーーーっとこのままかと思いきや、肉塊に鉈が飛んできた。
すぱーん、と鮮やかに切られた肉塊がどろりと黒蔵の頭の上で崩れた。
水をぶっ掛けられるより気色悪い冷たさであろうことは想像がつく。
「……う……く………臭ぇっ!!!!」
がぼっと頭を地中から抜いて、ようやく起きたらしい。
折角助けてもらったのに、黒蔵の第一声がこれだった。
「なにこれ、超気持ち悪い!」
顔は泥だらけ、頭は死肉片と血まみれである。
しかしながら、正気には戻ったらしく。
「あー!お前、緋桐じゃねぇっ!」
ひょこんと起き上がると、騙された!といわんばかりに声を上げた。
379
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 03:06:10 ID:8w5oeMbU
>>376-378
体の大部分が無くなってもまだ健在のいずみは、それはそれは大した生命力である
が、それでも、その体の大部分を無くすに至った攻撃を二度くらったらどうか?
もしかしたら、四肢のどれかが無くなって身動きが取れなくなるかもしれない、さっき最優先に守った頭部に当たるかもしれない
もし、少しでもそんな危機感があるなら、いずみは身構えるべきだ、あるいは逃走か
「もう一丁ぉぉぉおおおおおお…!!」
既に宇佐田は、次の鉄下駄を弾倉に込め終えていた
380
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 03:13:04 ID:zbqWp5t.
>>377
>>379
「あー……いやいや、もしかして俺幻覚見てる?キメちゃってる?知らない間に?いやいやいや……」
体に大穴が開いてなお、こたえていない。
もう、確実に手に余るだろう。
不死性を試してみたいと思わなくはないが。
>>378
「……生きてる?それとも、トドメいる?サービスしよっか?なんつったっけ、アレ。『介錯』?」
と、先ほど袖にしまったメスを指で弄びながら、問う。
後頭部に生じた人面疽はもう引っ込み、見た目は普通の学ランの青年へと戻っている。
違っているのは、肉塊の体液にまみれ、血の匂いをぷんぷんとさせている事ぐらいか。
381
:
黄道 いずみ
:2011/08/09(火) 03:22:59 ID:0rvvBuFg
>>378
「緋桐って人じゃないって言ったんですけど?」
起きるなりそれか。
やれやれ、とでもいうように緩く首を振る。
「ま、いっかあ……小鳥遊センセーには怒られるだろうけど、死ぬのはゴメンだしぃ。
ていうか妖怪超強いじゃん! こりゃ勝てないっての」
人に見られるな、というのは完全に破ってしまったが、秘密を掴まれていないならば大丈夫。
そう踏んだ黄道は、この場からの逃亡を決意した。
>>379-380
「さすがにもう一回はキツいってば」
今にも鉄下駄を飛ばそうとする宇佐田を見て苦笑する。
既に体は回復しつつあるが、脚を失えば動けなくなるし、黄道は完璧な「不死身」ではない。
先程の攻撃で頭を庇っていたのを見れば、勘のいいものなら気付くだろう。
「んじゃっ、私は逃げるから! じゃあね、追っ掛けてこないでよ!」
たんっとその場から跳び、近くの木に飛び移る。
体に大穴が開いていてもそのスピードは変わらない。顔色一つ変えない(既に青白いのだが)ところを見ると、痛覚は完全にないように思えた。
逃げていく、少女の気配が遠のいていく。
人でなく、妖怪でもない――否、去り際に残された気配を感じれば分かるだろう。
彼女は人であり、妖怪でもある存在。
小鳥遊によってつくられた薬で、半妖として死から蘇った少女なのだ。
382
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 03:29:37 ID:1gBuqmPQ
>>379-381
「うわぁーっ!話しかけられた!?」
ドロデロに汚れた黒蔵が、斬嶋青年を指差して驚愕した。
独り言の得意な人だと思ったのに、まさか自分に話を振って来られるとは。
…しかし、助けてくれた恩人に色々と失礼である。
「サービスは嫌ぁ!!!……ってか、誰?!何をするのさ!」
メスとサービスに黒蔵は飛びのいた。コイツは中学生な見た目によらずホストのバイトをしている。
「サービス」という語には嬉しくない思いをすることが多いので、嫌悪の対象なのだ。
そして斬嶋青年にかまけている間にいずみは逃げていってしまった。
383
:
宇佐田満月
:2011/08/09(火) 03:38:04 ID:8w5oeMbU
>>380-382
「チッ!二度とくんな!!!」
逃げていくいずみの背中に声をかけると、足を降ろして飛ばした鉄下駄を取りに行く
鉄下駄を履いて、よし、と満足げに鼻息を漏らす
何かを、忘れているような…
「…そうだ!それ所じゃねえ!!さっさとしねえと!!」
そういえば、そうだった、と、やるべき事を思い出して、二人に挨拶もせずに駆けていく
またしばらくしてから、山からは雄叫びが響くようになった
/お疲れ様でした
384
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 03:44:07 ID:zbqWp5t.
>>381
「おおー……速い速い。どうなんだろ?試したいなぁ。……ハンバーグ?刻んでタマネギと混ぜろ?趣味悪ぃーよ……今日は肉食おうと思ったのに」
意味不明な独り言とともに、走り去る彼女を見送る。
おそらく、彼にはまだ、人面疽の声が聞こえるのだろう。
それでもそのやり取りを楽しんでいるように見えるあたり、彼も通常の神経ではない。
>>382
「あ?……いや、俺は『変な人』じゃないよォ?話しかけられるから答えてるだけなんだよ。……そうだよね?」
最後の一言は、眼を閉じて自らの左肩あたりへ語りかけた。
ナタを拾い上げ、学ランの袖で丁寧に拭い、街灯の光で確認する。
「………いや、もし痛いんなら『楽に』してあげようと思ってさァ。いらない?」
左手に分厚いナタを握り締め、街灯の光を反射させて問う。
体液をその刃にべっとりと滴らせ、その顔はあくまであどけない無表情。
>>383
「……騒がしィ人だねー。……え、人じゃないかもしれない?あ、そう?かもねぇ、うん」
鉄下駄の音を響かせて『脱兎の如く』駆けて行く男を見て。
人だと思っていたが、もしかすると違うのか。
そんな事を考え、ぼんやりとしながら見送った。
//お疲れ様でした!
385
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 03:53:59 ID:1gBuqmPQ
>>383
目の前の物騒な青年には強く否定した。
「そういうのはいらない。しつこくしたら、息をかけるぞ」
今は毒牙があるのでちょっぴり気が大きい黒蔵。
青年に警戒しつつも公園の水道に近寄ると、盛大に水を流して被りはじめた。
その間に、あの時の少女の妖気は自分の他に、あの狼の気配もあったことに思い至る。
そして、こびりついた肉片と血を洗い流して初めて、あの少女の残した香りに
薬のそれが混じっていた事に気づいたのだった。
(あの医者、一体何をやったんだ)
「お前も洗うといいよ」
一応話が出来ると知ったので、水道を指して青年にそう言った。
そしていつの間にか兎男は消えていた。
(なんだか不吉な予感しかしない)
重い気持ちを引きずって、黒蔵も公園の外に出て行った。
//皆さん、絡みありがとうございました。
386
:
黒蔵
:2011/08/09(火) 03:57:24 ID:1gBuqmPQ
//安価ミス
>>383-384
でした
387
:
斬嶋 一郎
:2011/08/09(火) 04:06:19 ID:zbqWp5t.
>>385
「遠慮しなくていいのにさァ。全く、つれないねェ?」
ナタを背中にしまいつつ。
まくれ上がった学ランの裾から、ベルトに仕込んであるメスがちらりと見える。
「………洗う?どォして?……こんなに良い匂いなのに?」
水道を指差しての提案に、狂気を宿した返答をする。
肉塊の体液を浴び、学ランの背には強酸の残りが筋を走らせ、
拭ったとはいえ、背中のナタからはいまだに体液が滴っている。
「…………いやァ、面白いんだね?世の中って。人なんて殺してる場合じゃなィね?」
水道で体を清める事無く、その場を、ぶつぶつと呟きながら立ち去る。
ふと、風に飛ばされた新聞が公園の街灯にぶつかり、広がる。
一面の見出しは、『またしても学生服の殺人鬼が出没。女子大生二名が殺害され、現在も遺体捜索中』と書かれていた。
//絡みありがとうございましたっ
388
:
《魔人》 屍鬼の大群
:2011/08/13(土) 21:27:27 ID:c1.PBF/s
送り妖怪達が住まう《袂山》に向かう道。
そこに大量の古代の日本神話に出てきそうな屍人みたいな男女の鬼の軍団――《黄泉軍》《黄泉醜女》……本来なら現世に出れない黄泉の鬼共だ。
「「「「ウォー!!!……ウォー!!!……ァァァア………」」」」
その屍鬼共を率いるのは一人の魔人
「ジャマをスル奴は蹴散ラセ………我ラが目的は…コノ先ノ祠ダ」
黒い鎧を着た黒い肌の白髪の大男――《魔人》が鉄塊のような巨大な太刀を背中に背負いながらその大群を率いて行進している。
さあ…彼らの邪魔をする物たちは現れるのか?
389
:
零
:2011/08/13(土) 21:36:43 ID:BQ990e1A
車椅子の少年が、その道に居た。
ゆっくりと車椅子を走らせて。
……アレは何?――と脳裏に浮かんだ時、車椅子の向きを逆にする。
見た物は大勢の軍勢と太刀の男、放たれる大量の妖気。
何を目的とするか分からないが、とりあえず逃げようとした。
390
:
瞳
:2011/08/13(土) 21:42:03 ID:SmXQZqJk
>>388
木の上に立ち、黄泉軍達を眺める瞳。
「あいつらは…そうか、来たのか…」
瞳に緊張が走る。呼吸を整え、右手を刀に変化させる。
戦闘準備は万全だ。
391
:
インコレツジ
:2011/08/13(土) 21:44:35 ID:???
近隣の山だ。根元から原因を断たねば自分が縄張りとしている小山も被害を受けないとも限らない。
精鋭は山に何匹かいた。そいつらには山を守ってもらうことにしたのだ。
今回出張るのは、自分だ。
山。軍勢が見えた。
「(くだらん争いに)チッ
392
:
インコレツジ
:2011/08/13(土) 21:45:13 ID:XOqdYxzE
//途中送信しました
393
:
威月
:2011/08/13(土) 21:50:38 ID:zbqWp5t.
煙草を加えて、木に寄りかかりながら妖気の塊を感じている黒尽くめの女。
右掌から鬼火を灯らせ、煙草に火をつける。
深く吸い込むと同時に掌で鬼火を握りつぶし、虚空に紫煙を吐き出す。
「……さて、と。どっちについた方が面白くなるかな」
無気力な表情に僅かな愉悦を乗せ、その者達の到着を待つ。
394
:
インコレツジ
:2011/08/13(土) 21:50:52 ID:XOqdYxzE
近隣の山。そこで軍勢が動いた。
自分の山にも侵攻を受けないとも限らない。
縄張りは、己が手で守る。(当たり前のことだ)
精鋭三匹を山の守護にあたらせた。それによって、攻撃に回れるのは己一人となったのだ。
「(俺がタタカウ)チッ/俺様の相手(くだらん争いに)は誰だ(/巻き込まれたな)
チッ。グオオオ」
雄叫びをあげ、袂山へと四速歩行で駆けて行く。急速に、その軍団に接近していた。
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