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361黒蔵:2011/08/09(火) 00:56:43 ID:1gBuqmPQ
>>358-360
わめく宇佐田の赤い瞳と焦点の合わない黒い瞳がかち合った。
その要求どおり目を見たのだが、黒い目はどこも見ていない。
どこか遠くを見て笑い声をあげながら、小柄な少年は涙を流していた。

「生きてた!生きてた…!」

ソレナノニ コノイモウトノカラダハ ドウシテコンナニツメタイノダロウ

動いていて、喋って、笑って、怒って、なのに冷たくて、色を失って、生気が無い。
覚めたくない夢の中に逃避するかのように、黒蔵の思考は頑なに理解を拒んでいた。

イル ココニイル イモウトガ アレハ ユメ デ コレガ ホントウ

最初にどことなく覚えがあるように思ったその妖気は、黒蔵自身のそれに似通っていたのだ。

しかし

ちぎれ落ちた腕に黒蔵の動きが止まった。その腕の中からいずみは難なく逃れ出る。
表情を失った黒蔵は、呆然とその腕を見つめている。


――あれは、妹の肉。
そうだ、妹は居ない。自分が食べたのだから。

「うわああああぁぁぁぁぁっ!!!」

いずみが落ちた腕を持ち去ろうとした瞬間、それを奪われまいとした黒蔵が、
蛇体となって奪い返そうとした。
しかし成功はせずに、その丸太のような長い黒い身体は地をのたうつばかりである。

(緋桐!緋桐緋桐緋桐緋桐ぃぃぃぃぃぃっ!!!)

宇佐田も青年も、その傍に居れば巻き込まれかねない。


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