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メディアが報じる中近東

1さーひぶ。:2007/04/15(日) 21:04:29
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・書籍など、各種メディアが報道する
中近東の言語・文化・社会などの情報スレッドです。

56さーひぶ。:2009/05/25(月) 01:10:46
【どうなる?放置されたトルコの国父アタチュルクの銅像】

昼のTBS系「噂の東京マガジン」で気になる特集を放映していました。

今や原発(柏崎刈羽原発)の再開問題で揺れる新潟県柏崎市。
かつて首都圏の電力供給のかなりの部分はここに頼っていました。

そこに、「柏崎トルコ文化村」というテーマパークがある(あった)のをご存知(ご記憶)でしょうか?
私は、新潟方面にトルコ文化村というのがあることは、頭の片隅にありましたが、
いつの間にか閉鎖されていました。

「柏崎から見た日本海が、トルコのボスフォラス海峡に似ている」という真偽不明な理由で
民間が1996年に開業。トルコの街並みを再現しましたが、資金繰りが悪化し、柏崎市が
土地と施設を買い取って別の業者に委託しましたが、2005年についにトルコ文化村を閉鎖。

開業時には、日本との友好を記念して、トルコ政府が建国の父ムスタファ・ケマル=アタチュルク
の銅像を寄贈していました。

柏崎市は公募で、別の業者に土地と施設をアタチュルクの銅像ごと売却。文化村は結婚式場
となりましたが、中越地震で銅像は横倒しで放置される事態に。

事態を知った在日トルコ人や大使館も憂慮する国際問題に。

現在、オスマン軍艦「エルトゥールル号」遭難事故(1890年)の救出以来の永年の友好を誇る
「トルコ友好の町」和歌山県串本町への移設が、有望な解決策として浮上しているようです。
来年、串本町はトルコとの友好120周年を迎えるそうで、アタチュルク像の移設が実現すれば、
盛り上がりそうですね。

57さーひぶ。:2009/06/27(土) 03:10:42
【世界一有名なイスラム教徒(?)が他界?!】

音楽界のスーパースターのマイケル・ジャクソンが米時間25日に亡くなって、メディアは大騒ぎでした。

以前から、マイケルがイスラム教に改宗したと、タブロイド紙がたびたび報じていました。
実際はどうだったのか?

ジャクソン家の9人兄弟姉妹は幼年期に母親により「エホバの証人」に入信させられました。
その後、ジャクソン・ファイブ時代にマイケルと人気を二分した兄ジャーメイン(Jermain)さんは、
1989年にイスラムに改宗して「ムハンマド・アブドゥルアズィーズ・ジャクソン」となり、
バーレーンを訪れてアブドゥッラー王子と親しくなりました。
2005年、訴訟で疲れたマイケルは、兄のつてもあって、バーレーンの王子のもとに移住しました。
マイケルは、兄の勧めもあってイスラムに関心を示したようですが、本人は改宗については
公言しておらず、タブロイド紙の報道どまり。
今回、マイケルの逝去を発表した兄ジャーメインさんは、そのことにも言及したとの報道も
ありますが、勧誘した彼がこれまでもタブロイド紙の情報源だったでしょうから真相はわかりませんね。

そんなことより、ホメイニ治下のイランでさえ、当局の目を逃れて、洋楽好きな若者たちは
マイケルの音楽を好んで聴いていたようですから、中東諸国でもマイケル・ジャクソンの音楽は
これからも愛され続けるでしょう。

ちなみにマイケルは、エジプトを題材にしたビデオの中で、ソマリア出身モデルのイーマーン
(イスラム教徒)とキスシーンを演じているようです。

58さーひぶ。:2010/05/19(水) 19:14:15
【アラブ系女性で初のミス・アメリカ】

日本でもすでに報道されていますが、2010年のミスUSA(Miss USA 2010)に
レバノン系のリマ・ファキ(Rima Fakih ريما فقيه)さん24歳が選ばれました。
レバノン南部のスリファ生まれで、家族とともにアメリカに移住して、
ミス・ミシガン州から選ばれたリマさんは、シーア派ムスリムの家庭に育ったものの
カトリック系の学校で教育を受けたので、イスラーム・カトリック両方に信仰がある
ようです。以前に、ストリッパーコンテストで踊って、はだかにはならなかったものの
ミスUSAにふさわしいかという疑問の声もあります。また、レバノン出身なので、
ヒズボラと関係があるのかなどと言い出す向きもあるようです。

1999年にアラブ系女性としては初めてミス・イスラエルに選出された
ラナ・ラスラン(Rana Raslan رنا رسلان)さんは「私はアラブ人だから
選ばれたのではない。私が美しいから選ばれたのだ」と語ったそうですが、
米国人として米国文化育ったリマ・ファキさんにそのような意識はないかも
知れませんね。

リマ・ファキ  http://en.wikipedia.org/wiki/Rima_Fakih
ラナ・ラスラン http://en.wikipedia.org/wiki/Rana_Raslan

ミスUSAはレバノン出身の24歳、アラブ系では史上初
http://www.afpbb.com/article/entertainment/entertainment-others/2727578/5768463
ポールダンスにイスラム過激派、アラブ系初のミスUSAに物議
http://www.afpbb.com/article/entertainment/entertainment-others/2728134/5772740
ミスUSAが決まる=24歳のリマ・ファキさん(時事通信)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000089-jij-ent
アラブ系のミスUSAが誕生 盛り上がるアラブ系住民(CNN.co.jp)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100518-00000003-cnn-int
【ミスUSA】リマ・ファキの写真、画像【美人】 - NAVER
http://matome.naver.jp/odai/2127408062677758501
Miss USA公式サイト
http://www.missuniverse.com/missusa

59さーひぶ。:2010/06/02(水) 22:03:00
【朝日新聞からAsahi中東マガジン】

朝日新聞社から中東に特化したニュースの有料メルマガ(?)が出るようです。
有料(月額315円)のうえに登録制! 携帯メールは不可!
http://astand.asahi.com/magazine/middleeast/?iref=chumoku

さて、どうしますか?

62さーひぶ。:2010/07/31(土) 01:18:29
【独立間近のスーダン南部】

フジテレビ系の「ニュースJAPAN」で、ここのところ不定期(金曜日など)に「スーダン」
特集を連載的に放映しています。

スーダンは、この数十年にわたり、ハルトゥームを首都とするアラブ系・イスラーム教徒系の
政府(北部)と、黒人・キリスト教徒系の解放戦線(南部)が血みどろの内戦を続け、荒廃し
ていました。数年前に和平交渉が実り、来年に行われる予定の住民投票により、スーダン南部
が独立すると見られています。
番組では、未だ癒えきっていない内戦の傷跡とともに、石油などの豊富な資源により期待され
る復興、および資源を目当てに群がる諸外国からの物資によって潤う現状を伝えています。
北部のアラブ系・イスラーム教徒系の政府が強制してきたシャリーヤ(イスラーム法)からも
解放されて、物資も自由に流通している模様。その代わり、中国の影響力が大きくなりそうです。

さて、独立後のスーダン南部の国名はどうなるでしょうか?
あの辺りの国々は、「黒人の国」として、アラビア語で「ビラードゥ=ッ=スーダーン」と
呼ばれる地域だったわけですが。

アラブ連盟にはもちろん加盟しないでしょう。公用語も、アラビア語ではなく、英語あたりに
なるかも知れませんね。

アラブ連盟の地図、アラビア語圏の地図、イスラーム世界やOICの地図、アラブ関連書の地図
もことごとく改訂ですね。
(未だに南北イエメンが未統一の地図を見かけることもありますが)

63さーひぶ。:2010/09/19(日) 17:34:47
【日本政府が封印した「悪魔の詩」訳者・五十嵐一氏殺人事件?!】

発売中の『文藝春秋』10月号で「真相 未解決事件35」という特集を組んで
いますが、下山事件、三億円事件など戦後日本の未解決重大事件を取り上げ
ていたので、見てみました。そこに驚くべき記事が載っていました。

『「悪魔の詩」殺人 国家が封印した暗殺犯』(執筆=作家の麻生幾 氏)

「悪魔の詩」殺人とは、1988年にイギリス人作家サルマン・ラシュディ氏が
“The Satanic Verses”(邦題『悪魔の詩』)という小説を発表するや、
これがイスラーム教の預言者ムハンマドと啓典クルアーン(コーラン)を
揶揄・冒涜するものではないかという批判・論争が湧き上がりました。
ラシュディ氏はインド人ムスリムの家に生まれながら、公然と無神論に転向した
棄教者(مرتدّ ムルタッド)なので、身内の裏切りという怒りもあったでしょう。
これを受けて、イランの最高指導者ホメイニ師が、ラシュディ氏はムスリム
(イスラーム教徒)の手で殺されるべきという法的裁定=ファトワー(فتوى)
を1989年に発布。欧米はそれを「国際テロリズム」と非難し、人権や言論の自由
の大論争になり、同書は欧米諸国で翻訳・出版され、飛ぶように売れたそうです。

私は「あんなもの放置しておけば、忘れ去られるようなパロディ三文小説だった
かも知れないのに、頑迷な措置によって煽り立てたので、かえって不毛な騒動
にしてしまった」と呆れました。

1990年には、五十嵐一(ひとし)筑波大学助教授による日本語訳が刊行され、
在日ムスリムらによる抗議もあり、出版関係者に危害が及ぶ危険性もあった
ため、大手書店が同書を店頭から撤去するなど、言論の自由の論争になりました。
1991年の湾岸戦争による興奮も冷めやらぬ中、7月12日の朝に五十嵐一氏は
職場であった筑波大学構内で全身を刺された他殺体として発見されたのでした。
>>64へ続く)

64さーひぶ。:2010/09/19(日) 18:46:21
>>63の続き)
この事件が起こると、いうまでもなく大騒ぎとなり、イランの反政府組織から
「イラン政府が派遣した暗殺団による犯行」との情報が寄せられるなどして、
イランのアサシン(暗殺者)によるものかとの見方が広がりました。
イタリアやノルウェーでも訳者が襲撃されて重傷を負っていました。
しかしながら、五十嵐さんは目立ちやすいエレベーターホールで殺害されており、
犯人の逃走経路などから構内に精通した大学関係者ではないかとも見られ、
不審な外国人出国者の報告も明らかにならず、捜査は難航したようです。
こうして、2006年7月に公訴時効となり、迷宮入りしてしまったのです。

五十嵐一さんは、イスラームをはじめ多くの文明の思想に精通した井筒俊彦
大先生の弟子で、自身もイランに留学してイスラームを学ぶだけではなく、
ギリシア劇をやったりと、広い視野の持ち主だったようです。もともとは、
東大の数学科を出た人なので、交流のあった理数系の研究者からもその才能
の喪失が惜しまれました。ご本人はホメイニ師の措置に批判的だったようです
が、イランやイスラームを愛するがゆえに、あえて火中の栗を拾われたのでしょう。
その後は「イスラーム万歳」「アラブ万歳」といわんばかりに翼賛的に賛美する
無批判な学者や関係者が目立つように感じてきました(池内恵さんは逆ですが)。
>>65へ続く)

65さーひぶ。:2010/09/19(日) 19:07:15
>>64の続き)
小説“The Satanic Verses”の“Verse(s)”とは、聖書やクルアーンの「節」
を指す単語で、アラビア語では「徴(しるし)」とも訳されるアーヤ(آية)、
複数形はアーヤート(آيات شيطانية)です。ちなみに、ホメイニ師の位は
アーヤトゥッラー(آية الله)「神の徴(しるし)」となっています。

預言者ムハンマドが出身地マッカ(メッカ)で布教をしていたイスラーム初期、
多神教を信仰していたマッカの支配層である大商人たちとムハンマドが妥協点
を見い出そうとしていたときがありました。そのとき、アラビアの多神教で
最高神アッラーフ(الله)の娘と信じられていた三柱の女神アッラート(اللات)、
アル=ウッザー(العزى)、マナート(مناة)にシャファーア(شفاء)という
取りなし(原義は「治癒」)の神通力を認めるかのような啓示がムハンマドに
下されたというのです。結局、交渉は決裂し、ムハンマドは唯一絶対神への
信仰へと突き進みます。上の啓示は破棄されて、悪魔(شيطان)が下したもの
「悪魔の徴」(آيات شيطانية)すなわち“Satanic Verses”と呼ばれて
います。アラビア語ではガラーニークの話(قصة الغرانيق)ともいいます。
 (平凡社『新イスラム事典』の「悪魔の啓示」の項などを参照)
 悪魔の徴 http://en.wikipedia.org/wiki/Satanic_Verses
 ガラーニークの話 
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D9%82%D8%B5%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%BA%D8%B1%D8%A7%D9%86%D9%8A%D9%82

クルアーン(コーラン)は、唯一絶対神がムハンマドに下したすべての啓示を
集成したもののはずですが、実は異質な「啓示」が破棄されていたという話です。

ラシュディ氏は、この伝承を中心にしてムハンマドを揶揄する物語をつくり、
しかもムスリム社会で忌み嫌われる習慣である犬の品種を連想させるような
マハウンド(Mahound)という名前にし、その12人の妻を売春婦であるとして、
ムハンマドやイスラームをこき下ろすパロディ本にしたのです。
彼は、インドのガンディー王朝や、パキスタンの為政者たちを攻撃する作品も
書いていたようですから、そのような悪趣味に走りやすかったのかも。
>>66へ続く)

66さーひぶ。:2010/09/19(日) 20:00:42
>>65の続き)
さて、記事の背景説明がずいぶん長くなってしまいました。(以下、ネタバレあり)

『文藝春秋』10月号の『「悪魔の詩」殺人 国家が封印した暗殺犯』(麻生幾 著)

ですが、入手された捜査資料によれば、何と事件直後には日本警察と政府は
五十嵐一さんを暗殺した犯人をほぼ特定していたというのです。

1991年7月11日の夜に五十嵐さんを殺害したと推定される犯人は、血痕を残した
逃走経路から大学構内に精通していたと考えられた。
翌7月12日には、同大学に情報学を学ぶために来ていた「×××(伏字)」国籍の
留学生の男が、成田空港からバングラデシュのダッカ空港へ出国していたことが、
法務省入国管理局から警察庁に報告されていたそうです。
この男は、「アジア」の「イスラム文化圏の国」と見なされる「×××」国籍
だった。わざわざ伏字にしてあるから、イランやバングラデシュではないでしょう。
大学が夏休みであったことから、関係者以外は事件を急には知りえませんね。
当局は、事件直後に出国したこの人物を「容疑者」と断定していたようです。

しかし、この情報は警察幹部によって極秘事項とされてしまった。
冷戦終結後の日本が経験する初めての国際テロ事件であり
(記事では「我が国始まって以来の、明らかなテロ攻撃」と書かれていますが、
テロ事件と見なせるものは昔の日本でもたくさんありました。)
国際的に捜査するべきだという積極派と、
イスラム文化圏の多くの国々に石油などのエネルギーを依存している日本は、
イスラム文化圏を敵に回しかねないような公表をするべきではないという
「国益重視派」に分裂して論争していたというのです。
最終的には、首相官邸に上奏されて、「国際テロと戦う覚悟」がなかった
日本政府が、国益重視のために事件を封印したという記事の結論でした。
>>67

67さーひぶ。:2010/09/19(日) 20:52:11
>>63-66のまとめ)
この記事を読んで、「×××とはあの国だろうな」と大体わかりました。
後で調べてみてほぼ確信しましたが、アジアの「イスラム文化圏」と見なされる
ような国で、記事に書かれたような留学生を送りうる国は、ほぼ限られています。
まあ、あまり深く詮索しすぎない方がよいのかも知れません。
ただ、五十嵐さんが留学していたイランからの暗殺団ではないようなのが、
せめてもの救いかも。

「国際テロと戦う」云々の主張には首をかしげます。民主的でない国を「テロ国家」
として軍隊を派兵して市民を巻き込んで殺戮するやり方もテロリズムにほかなりません。
「イスラム文化圏」の国々を単なる石油などエネルギー資源の調達先として
しか見ないような「国益重視」の物言いにも反発を覚えます。

しかし一体、現在の「イスラム文化圏」の国々で、民主化・人権・言論の自由が
保証されている国があるでしょうか?
例えば、現在も「石打ち刑」を実施しているような部族社会の国に向かって、
「テロリストを引き渡せ」と言っても納得の行く結果にならないかも知れない。

結局、地道にイスラム文化圏の国々の民主化を支援しつつ、相互理解を深めて
ゆくしかないのでしょう。エネルギー資源とテクノロジーを交換するだけのよ
うな関係を脱して、無批判な賛美の状態も脱して、互いに批判ができる関係を
築くには、まだまだ相当な努力を必要としますね。

五十嵐さん曰く「中東ハンパが日本を滅ぼす : アラブは要るが、アブラは要らぬ」(1991年、最後の著書)

69さーひぶ。:2010/10/12(火) 23:14:37
>>63-67の追記
『文藝春秋』10月号の『「悪魔の詩」殺人 国家が封印した暗殺犯』(麻生幾 著)について

同じ話題、しかも陰惨な事件について長く書き続けて済みません。
五十嵐一(ひとし)さんを殺害した疑いの濃い留学生の国籍について、
『文藝春秋』10月号の記事では国籍を伏字「×××」にしてあるので私は
まんまと引っかかってしまいましたが、過去の雑誌記事やネット上などでは
国名がしっかりさらされており、それらを確認しましたので追記します。

『文藝春秋』と同じ文藝春秋社から出された
『週刊文春』1998年4月30日・5月7日合併号の「ワイド特集 激震家族」中の

「『悪魔の詩』五十嵐助教授殺人に「容疑者」浮上  直後に出国した×××人」
  (引用注:×××の部分には国名が明記されている)

という記事に、今回の『文藝春秋』記事と同様の法務省・東京入国管理局の
報告書が「国籍」を明記して掲載されており、当局が封印してきたと書かれ
ています。書式が同じなので、12年前に『週刊文春』が入手していた報告書
をタタキ台にして、今回の『文藝春秋』記事が執筆されたのだと思われます。
首相官邸が事件を封印した事情を勘案して、国籍を伏字にしたのでしょう。
この「×××」は災害が多く非常に貧しい国なので、日本の政府やNGOな
ども支援を行なっていますし、日本に来ている留学生や出稼ぎ労働者も少な
くありません。それだけに、非常に残念な事件でした。

あらためて気付きましたが、当該の留学生の男は、非常に貧しい「自国」から
情報学(コンピュータやプログラミングなど)をわずか3か月の短期留学で
習得するために、平成3年(1991年)3月に来日して、3か月の短期留学を終え
た後、夏休みになって大学構内の人が少なくなってから(身辺が調べ尽くされ
たであろう)五十嵐さんが殺害された7月11日の翌日昼には足早に出国しているのです。
>>70へ続く)

70さーひぶ。:2010/10/13(水) 00:11:01
>>69の続き)
このように見ると、わずか3か月で情報学を学ぶ短期留学というもの自体が、
「悪魔の詩」日本語訳者を殺害するための計画的暗殺だったと考えられます。
手口もプロみたいだったとも伝えられたので、あらかじめ訓練された暗殺者が
「短期留学生」として(何らかの組織によって手配されて)送り込まれたの
かも知れません。背後に組織があるのなら、国籍や名前も変えているかも。
ご遺族や知人たちは「犯人が日本国外にいるなら時効は成り立たない」と希望
を捨てていないようですが、政府が封印しているとなると非常に難しいですね。

五十嵐一さんは、英語・フランス語はもちろん、古典ギリシア語、ラテン語、
サンスクリット、…、ペルシア語、アラビア語、と10以上(または20以上)
の言語を駆使して、プラトンなどのギリシア古典から大乗仏典までを原語で
読みこなし、美学・哲学なども教えつつ、内閣官房の中東アドバイザーとして
イスラームを見据えていたようです。まさに井筒俊彦先生の継承者にふさわ
しい多彩な人だったわけです。それが、サルマン・ラシュディごときの翻訳
で貴重な命と才能を落としてしまわれるとは。返す返すも残念でなりません。
>>71へ続く)

71さーひぶ。:2010/10/13(水) 00:18:35
>>70の続き)
もうひとつ見えてきたこと。

①次々と物議を醸す作品を出して祖国インドを追われ、イギリスに帰化した
 サルマン・ラシュディ氏
②ラシュディ氏の「悪魔の詩」に対し、最初に大暴動を起こし、日本国内でも
 中心となって抗議活動を繰り広げたのはパキスタン人たち
③祖国インドはイスラーム教徒を刺激しないように「悪魔の詩」を発禁処分。
④ラシュディ氏に死刑宣告を出したイランのホメイニ師も祖父がインド出身。
⑤「悪魔の詩」日本語訳者を暗殺した疑いの濃い留学生の国籍もインドと深い
 つながりのある国と思われる

歴史的に見れば、イギリスが植民地インドを巧妙に支配するために、イスラーム
教徒とヒンドゥー教徒が対立するように煽る政策を採って来たわけで、これに
より、数億人のイスラーム教徒が住むインド亜大陸は大きな火種を抱えている
のです。

「悪魔の詩」事件の背景に

「欧米VSイスラーム」ではなく「宗主国イギリスとインド文化圏」

という葛藤の構図が見えて来たように感じています。
>>72へ続く)

72さーひぶ。:2010/10/13(水) 00:44:43
>>71の続き)

>>65の訂正
 × アーヤ(آية)、複数形はアーヤート(آيات شيطانية)です。
 ○ アーヤ(آية)、複数形はアーヤート(آيات)です。

>>65で言及した、破棄された啓示「悪魔の徴(しるし)」(آيات شيطانية)
ですが、クルアーン(コーラン)第53章「星の章(سورة النجم)」の

19節 これ、お前たちどう思う、アッラート(اللات)やウッザー(العزى)、
20節 それにもう一つ三番目のマナート(مناة)を。
(井筒俊彦訳『コーラン(下)』岩波文庫より)

の後に、アッラーフの娘であると信じられていた上記の三柱の女神のことを
「高貴な鶴」と呼んで、取り成しの神通力を認めるかのような文言が続けら
れていたのではないか。結局は、ムハンマドは多神教徒たちと決別したので、
その啓示は破棄されて、現在のクルアーンのように多神教を拒絶するような
啓示に置き換えられたのではないか、というのです。

ここでいう「鶴」は、アラビア語では単数形が「グルヌーク(غرنوق)」、
複数形が「ガラーニーク(غرانيق)」で、上記の破棄された伝承のことは
「ガラーニーク物語(قصة الغرانيق)」などと呼ばれています。

参考文献:『コーラン入門』リチャード・ベル著、医王秀行訳、ちくま学芸文庫(筑摩書房)の
     p.117〜p.118「コーランは完全なのか?」などを参照のこと。

73さーひぶ。:2010/11/16(火) 01:09:07
>>65の訂正
 × シャファーア(شفاء)という取りなし(原義は「治癒」)の神通力を認めるかのような啓示が
 ○ シャファーア(شفاعة)という取りなし(または「仲裁」)の神通力を認めるかのような啓示が

74さーひぶ。:2011/01/19(水) 01:27:03
【チュニジアで民衆蜂起(インティファーダ)による革命、アラブ諸国へ波及か?】

連日、メディアで報道されているように、チュニジアで民衆によるデモが
激化した結果、ベン=アリー(زين العابدين بن علي)大統領(当時)が
1月14日(金)にサウジへ亡命、23年にわたる独裁政権が終焉を迎えました。

中東・北アフリカのアラブ諸国は、ほとんどが長期独裁政権や世襲王朝で
あり、今回のようなインターネットを用いた民衆連携による蜂起や革命は
どの国でも起こりうるため、今後も大きなニュースが続きそうです。

1月18日付の英字紙デイリー・ヨミウリでは、ロイター電として
Tunisia protests spill over to Jordan(チュニジアの抗議がヨルダンに波及)
Jordan to follow Tunisia?(ヨルダンはチュニジアに続くのか?)
と報じていました。

今回のチュニジアの動きは、英語ではTunisian protestと報じられていますが、
アラビア語では「チュニジアのインティファーダ(民衆蜂起)」
(الانتفاضة التونسية 2010–2011)などとも報じられています。
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D8%A7%D9%84%D8%A7%D9%86%D8%AA%D9%81%D8%A7%D8%B6%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%88%D9%86%D8%B3%D9%8A%D8%A9_2010%E2%80%932011

今年は、アラブ諸国のインティファーダ(الانتفاضة)が結実する元年になる
のでしょうか?

75さーひぶ。:2011/02/01(火) 01:00:46
【エジプトでもムバラク退陣を求めて民衆蜂起、ムバラクは禁じ手のネット遮断】

チュニジアの民衆蜂起(インティファーダ)は早くもアラブ各国へ波及、
現在はエジプト、ヨルダン、イエメン、アルジェリアなどで反政府デモが
続いているようです。なかでも、30年にわたって長期独裁政権を続けている
ムバラク大統領の退陣を求めるエジプトの騒乱状態は地域大国として影響
も大きいため、連日、日本でも大きく報道されていますね。

ウィキペディアでは、2本の記事が立っています。
「チュニジア民衆革命」(الثورة التونسية الشعبية)に改題
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D8%A7%D9%84%D8%AB%D9%88%D8%B1%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%AA%D9%88%D9%86%D8%B3%D9%8A%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%B4%D8%B9%D8%A8%D9%8A%D8%A9

「エジプト怒りの革命」(ثورة الغضب المصرية)
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D8%AB%D9%88%D8%B1%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%BA%D8%B6%D8%A8_%D8%A7%D9%84%D9%85%D8%B5%D8%B1%D9%8A%D8%A9
は、エジプト民衆蜂起(الانتفاضة الشعبية المصرية)、怒りのインティファーダ(انتفاضة الغضب)
などと呼ばれています。

チュニジアの場合は、人口も国土・国力も比較的小さく、アラブでも最も世俗的な国
であったために、民衆蜂起が成功しました。
しかし、エジプトは人口や国土・国力の規模も大きく、略奪や無法状態が広がり、
そのうえにムバラクがネットを遮断するという禁じ手に出たことなどもあり、
難しい状態が長引きそうです。軍もどう出るのか予断を許しません。
さらに心配されるのが、宗教対立。以前から、エジプトのキリスト教徒である
コプト教徒は多数派ムスリム(イスラーム教徒)から迫害されて来ましたが、
コプト教会の教皇シュヌーダ3世(شنودة الثالث)がムバラク支持を表明しました。
 教皇シュヌーダがムバラク支持表明(البابا شنودة يعلن تأييده لمبارك)
 http://www.aljazeera.net/NR/exeres/9BE558CF-18E7-4999-A635-67A9B333269A.htm?GoogleStatID=20

エジプトはまさか、イラン革命の二の舞にはならないとは思いますが、
ムスリム同胞団(الإخوان المسلمون)を巻き込んだ宗教対立の激化が懸念されます。

76さーひぶ。:2011/02/13(日) 01:32:56
【エジプトのムバラク大統領がついに辞任、軍が暫定統治】

مبارك يتنحى والجيش يدير البلاد
ムバラクが辞任、軍が国を運営する
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/86801004-BA75-4477-A42A-86EE4DE274AD.htm

西暦2011年2月11日(現地時間)、ホスニー・ムバラク(حسني مبارك)大統領の辞任を
オマル・スレイマン(عمر سليمان)副大統領がテレビで発表。
エジプト軍最高評議会(المجلس الأعلى للقوات المسلحة)の議長である
ムハンマド・フセイン・タンタウィー(محمد حسين طانطاوي)国防相が、
軍が暫定的な統治を行なうことを声明しました。

中東・北アフリカ・アラブ諸国の民衆蜂起=インティファーダ(انتفاضة)は、
アルジェリア、ヨルダン、イエメン、さらに王制のバハレーン(バーレーン)
ならびにイランでも活発化の様相を呈しており、蜂の巣を突付いたような
大きな騒乱になりつつあります。欧米のメディアでは、チュニジア・エジプト
と同じリビア、モロッコの政情についても懸念されています。

日本の2月12日付の朝刊では、読売新聞の朝刊がムバラク政権崩壊を報じています。

77さーひぶ。:2011/02/23(水) 02:00:08
【リビア東部を民衆が制圧、カダフィ政権も落城目前か?】

الثورة تهز حصون القذافي
革命がカッザーフィー(カダフィ)の砦を揺るがす
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/3CB6AA6A-69C4-42C4-AED4-919A294558E9.htm?GoogleStatID=22

الاحتجاجات ضد القذافي تصل طرابلس
カッザーフィー(カダフィ)に対する抗議がタラーブルス(トリポリ)に達す
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/3E2C64FB-6B7F-4F0C-AF74-A8D5636CF547.htm

بنغازي صانعة التاريخ الليبي
ベンガズィ(ベンガジ)はリビアの歴史を創ってきた
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/CDB99246-9CFC-4BB6-8F4C-C7129371D71C.htm

العقيد معمر القذافي
ムアンマル・カッザーフィー(カダフィ)大佐
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/8EFADE85-C989-49B7-8C16-08A155362EC7.htm

エジプト・ムバラク政権の崩壊も今は昔! 中東の嵐は週ごとに拡大しています。
リビア第二の都市ベンガズィ(بنغازي)など同国東部は民衆が制圧し、
カダフィの後継者セイフルイスラーム・アル=カッザーフィー(سيف الإسلام القذافي)
がテレビで強がってはみたものの、首都タラーブルス(トリポリ)も落城目前か?
カダフィ本人も自宅の前でテレビに出て、自身の国外亡命の噂を打ち消しましたが、
すでに「ベンアリ化」「ムバラク化」しているように見受けられます。

チュニジア・エジプト・リビアは、国土の大半が沙漠地帯であるために、
人口の大半が水辺の周辺に集住しており、その狭い水辺の周辺さえ制圧すれば
全土を掌握したも同然なんですね。

78さーひぶ。:2011/08/23(火) 01:06:18
【首都トリポリがほぼ陥落!! カダフィ政権が崩壊へ!!!】

توالي الترحيب بـ"تحرير" طرابلس
トリポリ「解放」で歓迎が続いている(8月22日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/290238D5-B0A4-4A1A-9846-3335E9470867.htm

الثوار يشتبكون مع الكتائب بباب العزيزية
革命勢力がバーブ=ル=アズィーズィーヤの部隊と小競り合い(8月22日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/7906F988-2F69-48E0-8BEE-AF3834A1826C.htm

طرابلس تنتظر الحسم بباب العزيزية
トリポリはバーブ=ル=アズィーズィーヤの終焉を待ち望む(8月22日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/00FA2E7C-77A6-4ED2-B8AD-D6AB904DB866.htm

باب العزيزية.. المقر المحصّن للقذافي
バーブ=ル=アズィーズィーヤ ─ カッザーフィー(カダフィ)の要塞化された住居
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/D2F5BDFE-9D03-46F1-B3A4-961F96B5EE14.htm

مدينة طرابلس
タラーブルス(トリポリ)市 (2月26日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/597615C2-811E-4585-92C4-E43555DACB54.htm

سيف الإسلام القذافي
セイフ=ル=イスラーム・アル=カッザーフィー(カダフィ次男)
ttp://www.aljazeera.net/news/archive/archive?ArchiveId=1066468

معمر القذافي
ムアンマル・アル=カッザーフィー(カダフィ) (2月26日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/5564D3EE-F87C-46C7-838D-56270C53397D.htm
>>79へ続く)

79さーひぶ。:2011/08/23(火) 01:07:43
>>78の続き)

المجلس الوطني الانتقالي في ليبيا
リビア暫定国民評議会(3月4日記事)
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/6FE71359-FAC0-4EC6-B4C4-A535A71D1DD2.htm

مصطفى عبد الجليل
ムスタファー・アブドゥルジャリール(暫定国民評議会の議長)(2月27日記事)
http://aljazeera.net/NR/exeres/DE748F40-8611-412A-8F59-7BBD640BD092.htm

今年の2月に勃発したリビアの革命・内戦が半年間を経て、佳境に差しかかっています。
反政府軍が首都トリポリ(タラーブルス طرابلس)をほぼ制圧したとされ、
カッザーフィー(カダフィ)大佐の後継者・次男のセイフ=ル=イスラーム
および長男ムハンマドが拘束されたと報道されています。
カダフィ大佐の行方はまだわからないようですが、要塞化された住居がある
バーブ=ル=アズィーズィーヤをめぐって両軍の衝突が続いている模様です。

隣り合ったチュニジア・リビア・エジプト三国の革命成就は目前。

次はシリア? さて、どうなりますことやら。

80さーひぶ。:2011/10/24(月) 00:25:49
【カダフィの最期! しかしリビアのこれからは?】

القذافي.. لحظة النهاية
カッザーフィー・・・最期の瞬間(10月21日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/18ED3183-B798-4351-B1F2-8007C7A24EB9.htm

القذافي والنهاية الدموية
カッザーフィー、流血の最期(10月21日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/734BAEB4-7EE9-48DB-8AEB-C59417395E84.htm

كيف قتل القذافي؟
カッザーフィーはどのように殺されたか?(10月21日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/4DEA20FD-9057-4922-AEDB-3C9CC3D8DE74.htm

مدينة سرت
スィルト(シルト)市 - カッザーフィーの出身地(3月7日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/E42DED23-B977-4840-85F6-FA6FEC01DAA9.htm

المجلس الوطني الانتقالي في ليبيا
リビア暫定国民評議会(3月4日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/6FE71359-FAC0-4EC6-B4C4-A535A71D1DD2.htm

محمود جبريل
マフムード・ジブリール(3月11日記事)
ttp://www.aljazeera.net/NR/exeres/098FBC88-51BA-401C-A559-9B0DD12112DE.htm

>>81に続く)

81さーひぶ。:2011/10/24(月) 00:50:26
>>80の続き)
既報のように、リビアの独裁者ムアンマル・アル=カッザーフィー(カダフィ)
が殺害されました。出身地であるリビア中部のスィルト(سرت)に潜んでいま
したが、数十台の車列を組んで脱出を試みたところをNATO軍機による銃撃を
受け、コンクリート製の排水口に隠れていたところを反カダフィ派の兵士
たちによって拘束され、護送中にカダフィ派と銃撃戦になり、被弾して死亡
したなどと発表されましたが、ネット上や衛星テレビなどでは、兵士たちに
よって集団リンチを受けるカダフィの映像が流されています。映像には、
往年の独裁者の威勢はなく、70歳を目前にしたただの血まみれの老人でした。
40年以上に及ぶ圧制を思えば当然の末路とも思えますが、憎悪に満ちた兵士ら
の私刑で殺されたとすれば、リビアの民主化は遠いといわざるを得ません。

マフムード・ジブリール(محمود جبريل)を暫定首相とする暫定国民評議会は、
暫定政権への移行につまづいており、反カダフィ諸勢力が呉越同舟の状態に
あることが思いやられます。カダフィ支持派の残党も残っているでしょうし、
全土解放宣言もまだ先になる模様です。
現代リビアは、もともとイタリアの植民地を一緒くたに国家としたもの。
利害の異なる部族社会を民主的な国家にまとめるのは、前途多難ですね。

ليبيا تنتظر إعلان التحرير
リビアは解放声明を待っている(10月22日記事)
http://www.aljazeera.net/NR/exeres/08EB40CF-E6CE-48F1-AF0C-B808ECE18080.htm

83さーひぶ。:2012/03/15(木) 22:55:59
【アラブ・アフリカ・エジプト初の大相撲力士「大砂嵐」が初土俵!!】

عبد الرحمن أحمد شعلان أول لاعب "سومو" عربي
アブドゥルラハマーン・アハマド・シャアラーンは、アラブ最初の相撲力士
http://arabic.arabianbusiness.com/sport/2012/mar/15/70247/

أول لاعب مصري يقتحم حلبات رياضة السومو اليابانية العريقة
日本古来の相撲界に入った最初のエジプト選手
http://www.france24.com/ar/20120315-sumo-sports-japan-egypt-first-player-africain

 大相撲春場所の3日目となった3月13日(火)、「アフリカ大陸出身者」として
初だという大相撲力士「大砂嵐金太郎」が初土俵を勝利で飾りました。
四股名オースーナーラーシー(أوسوناراشي)は大砂嵐(عاصفة الرمال الهوجاء)
だとアラブでも報じられています。
 本名は、アブデルラフマーン・アフマド・シャアラーン(عبد الرحمن أحمد شعلان)──
メディアの表記は「アブデルラフマン・シャーラン」──報道によれば、
エジプト出身、西暦1992年2月10日生まれの20歳。16歳から友人の影響で相撲
を始め、2008年にエジプト国内の無差別級王者、同年エストニアで行われた
世界ジュニア選手権では無差別級3位。昨2011年の同大会でも重量級(100kg以上)
で3位。身長189cm、体重138kgだそうです。
 ムスリム(イスラーム教徒)とのことで、豚肉などの禁忌、断食などの苦労
も報じられていますが、本場所が断食月と重なってしまうと大変そうですね。
 しかも、ムバーラク政権を倒した「革命」後のエジプト総選挙では、宗教色
の強い政党が上位を占め、宗教的に厳格なサラフ主義の勢力が増すばかり。
エジプト・アラブのムスリムが入った相撲(السومو)が、日本の宗教である
神道(شنتو)の神(كامي)たちに捧げる「神事」だと認識してしまったら
どうなる?!  まあそこは、スポーツ(رياضة)だと強調しておきましょう。

このようにムスリム・アラブの力士には、断食・宗教性が大きな障壁となる
恐れもありますが、とにかく頑張れ、金太郎!

84さーひぶ。:2012/03/16(金) 00:01:31
>>83の追記

検索したら「大砂嵐」のフルネームは、フスハー(文語アラビア語)読みでは
アブドゥッラハマーン・アラーウッディーン・ムハンマド・アハマド・
シャアラーン(عبد الرحمن علاء الدين محمد أحمد شعلان)でした。
日本相撲協会ではエジプト方言風に
「アブデラハム・アラー・エルディン・モハメッド・アハメッド・シャーラン」
と登録しているようです。

大砂嵐は、前相撲で2勝して(先場所は全休でした)、日本相撲協会が今日
発表した「新序一番出世力士」13人に入り、次の夏場所からは番付に四股名が
載るそうです。これからの出世が期待されます。

今年の断食を行うラマダーン月(رمضان)は、西暦2012年7月20日(金)からと
見込まれ、大相撲夏場所(7月8日(日)〜7月22日(日))と20日(金)〜22日(日)
の3日間が重なる模様です。夏巡業もラマダーン月と重なるでしょう。

ハラール肉(イスラーム的に処理された食肉)をちゃんこでたくさん食べて、
スタミナをつけてもらいたいですね。大砂嵐のようなムスリム力士が大相撲で
出世してハラール肉をたくさん消費すれば、日本国内のハラール肉業者が増え
るかも知れません。

85さーひぶ。:2012/08/16(木) 18:27:02
【エジプト人力士・大砂嵐のドキュメンタリー番組】

今夜、深夜0:25〜0:45にNHK総合の「ドキュメント20min.」 という20分番組で、
「SUMOは心でとれ 〜熱血親方とエジプト人力士、奮闘の日々〜」
と題して、エジプト人大相撲力士・大砂嵐を紹介するようです。

86さーひぶ。:2012/08/20(月) 00:12:41
【カイロの書店から】

今朝の朝日新聞の日曜版紙面「GLOBE(グローブ)」のG-13面(文化欄)に
Bestsellers in Cairo[カイロの書店から]
「出版の姿も変えた市民革命」
として、アラブ文学研究者・山本薫さんによるアラビア語の書籍3冊の書評などと、
エジプトのベストセラー(ディーワーン書店)リストが掲載されました。

紹介された書籍は
هل أخطأت الثورة المصرية؟ 『エジプト革命は誤りを犯したのか?』
مبارك وزمانه       『ムバラクとその時代』
2.0 الثورة        『革命2.0』
の3冊で、読者プレゼントがあります。
朝日新聞GLOBEデジタル版のウェブページでも一部を読むことができます。
(全部を読むには、有料の購読手続きが必要です)
http://globe.asahi.com/bestseller/2012081700003.html

エジプトのベストセラー(ベストテンのリスト)は、書名と著者名が
アラビア語で表記されています。
10位の 
2.0 الثورة(革命2.0)が 
2.0 الثور(牡牛2.0)
になっていた誤植はちと残念でした。

87さーひぶ。:2012/09/27(木) 23:22:21
【イラク旧政権の紙幣が買える!『世界の貨幣コレクション』創刊】

パートワーク(分冊百科)誌という分冊の雑誌が花盛りですが、
アシェット・コレクションズ・ジャパンから創刊された
『世界の貨幣コレクション』の第3号(VOL.3)で
たいへんなものを発見しました。

イラクの貨幣(と紙幣)を特集している号なのですが、付録に
イラクのサッダーム・フセイン政権時代に最後に発行された
5ディナール紙幣(↓の画像)が同封されているのです。
http://bbs5.fc2.com//bbs/img/_283000/282939/full/282939_1348754727.jpg

非常に入手が困難なものと思われますが、本物ということで、
しかも、誰も使った形跡のないきれいなピン札なのです。

80ヵ国160種類の本物貨幣(と紙幣)をコレクションするシリーズとの
ことなので、これからも中東諸国の貨幣・紙幣が楽しみです。
もちろん、マガジンの本文記事も読んで楽しめます。

旧5ディナール紙幣の画像(ウィキペディア)
http://en.wikipedia.org/wiki/File:5dinar.jpg

世界の貨幣(アシェット・コレクションズ・ジャパン)
http://sekainokahei.jp/home.html

88さーひぶ。:2013/02/14(木) 22:57:20
【イラクの紙幣が買える『世界の貨幣コレクション』が再び刊行】

>>87で紹介した昨年刊行の『世界の貨幣コレクション』ですが、実のところ
一部の特約店でしか販売されず、しかもたった第4号で廃刊になっていました。
残念に思っていたところ、今月から一般の書店でも販売するかたちに改めて
新たに創刊されたようです。

昨日発売された第3号(VOL.3)では、
イラクのサッダーム・フセイン政権時代に最後に発行された5ディナール紙幣
が再び同封されています。
http://en.wikipedia.org/wiki/File:5dinar.jpg の画像を参照)
昨年の刊行では買えた人は少なかったでしょうが、今度は多くの人が買えるため、
サッダーム・フセインの肖像入りのイラク旧紙幣が日本で多く出回る珍事と
なりそうです。雑誌本文の「イラク貨幣史」「現在のイラク通貨」も興味深い
内容です。

今後も中東の貨幣(紙幣)、アラビア語の刻まれた貨幣(紙幣)が期待される
このシリーズは、水曜日発売、税込990円です。

世界の貨幣コレクション(アシェット・コレクションズ・ジャパン)
http://www.sekainokahei.jp/home.html

89さーひぶ。:2013/03/10(日) 22:37:10
【『世界の貨幣コレクション』エジプトの5ピアストル紙幣】

水曜日に発売された『世界の貨幣コレクション』第6号(VOL.6)は、
エジプト特集です。以下のような記事が掲載されています。
・「エジプト・アラブ共和国」現代エジプトの概要を紹介。
・「エジプト貨幣史」ギリシア系のプトレマイオス朝のドラクマ金貨などを紹介。
・「現在のエジプト通貨」現在発行されているエジプトの紙幣を紹介。

〔付録の5ピアストル紙幣〕
今号の付録は、1997〜1998年にエジプト財務省が発行した5ピアストル紙幣です。
エジプトの基軸通貨はエジプト・ポンド(英語名Egyptian pound イジプシャン・パウンド)、
エジプト・ポンドの100分の1がピアストル(英語名piaster ピアスター)です。

エジプトは、長らくオスマン帝国の支配を受け、一時はフランスの支配下にあり、
その後にイギリスの植民地支配を受けました。エジプトの通貨の名称は、
オスマン、フランス、イギリスと関係があります。ポンド(パウンド)が
基軸通貨なのは、エジプトがイギリスの支配圏の一員であったことを示します。
イギリスは、アフリカのギニア(Guinea ギニー)から産出した金を用いて
ギニー金貨や旧通貨ギニー(guinea ギニー)をつくりました。
ポンドのことを口語アラビア語(エジプト方言)でギニーというのはこのためで、
文語アラビア語(フスハー)で グナイフ または ジュナイフ(جنيه)という
のもギニーから来ています。ポンドはフランス語ではリーヴル(livre)なので、
エジプト・ポンドはリーヴル・エジプシャンヌ(livre égyptienne)となり、
このため、LE と略す場合もあります。
>>90へ続く)

90さーひぶ。:2013/03/10(日) 23:06:14
>>89の続き)

ピアストルは、
文語アラビア語(フスハー)では、単数形がキルシュ(قرش)、複数形がクルーシュ(قروش)、
エジプト方言では、単数形がエルシュ、複数形がウルーシュなどとなります。
キルシュは、オスマン帝国の通貨グルーシュ(غروش gurûş)に由来するもので、
オスマン帝国の支配下にあった国々の多くで今も用いられています。
オスマン帝国の通貨は、フランス語でピアストル(piastre)、
英語でピアスター(piastre または piaster)と呼ばれるようになり、
この名称は現代のエジプトなどいくつもの国々に当てはめられています。

〔補足のまとめ〕
ポンド(パウンド)は、文語アラビア語でジュナイフ(جنيه)、エジプト方言でギニー。
エジプト・ポンドは、ジュナイフ・ミスリー(جنيه مصري)。
ピアストルは、文語アラビア語でキルシュ(قرش)、方言でエルシュ。

現在のレートは、
1エジプト・ポンド=約14円20銭(14.2円)、
1ピアストル=約14銭(0.14円)、5ピアストル=約70銭(0.7円)です。

エジプト・ポンド http://en.wikipedia.org/wiki/Egyptian_pound
ピアストル http://en.wikipedia.org/wiki/Piastre
キルシュ  http://en.wikipedia.org/wiki/Qirsh

92さーひぶ。:2013/04/30(火) 19:20:12
【猪瀬失言、アラブ諸国ではまだ報じられず?!】

猪瀬直樹東京都知事が、2020年五輪開催をめぐる東京のライバルである
イスタンブールを批判してIOC憲章に違反し、なおかつイスラーム諸国を
侮辱したとされる問題ですが、

إنوسي أولمبياد طوكيو اسطنبول(猪瀬 五輪 東京 イスタンブール)

で検索してみましたが、いまのところ見当たりませんでした。
まあ、たかが日本の一首長が米国訪問中に米紙(ニューヨークタイムズ)に
語ったトルコへの失言なんて、アラビア語メディアでは反応が鈍いのでしょうか。

93さーひぶ。:2013/04/30(火) 19:50:51
>>92
一応、英語で「Naoki Inose Islamic countries」と検索してみたら、
アラブ圏の英語ニュースがヒットしました。

Tokyo governor apologizes for Olympic bid slurs against Islamic countries
(東京都知事が、イスラーム諸国に対する五輪入札の中傷に謝罪する)
http://english.alarabiya.net/en/sports/2013/04/30/Tokyo-governor-apologizes-for-Olympic-bid-remarks-against-Islamic-countries.html
(アルアラビアTVの2時間前の英語ニュース)

この件で、東京は、イスラーム圏諸国の票を失うと思われます。

94さーひぶ。:2013/07/24(水) 02:16:43
【アルジャズィーラ VS. アルアラビーヤ! 二大衛星テレビ局の偏向報道合戦?!】

アラビア語衛星テレビ2局、対極のエジプト報道
http://www.afpbb.com/article/politics/2957394/11072361

カタールが出資するアルジャズィーラと、サウジアラビアの王族とつながる実業家が
所有するアルアラビーヤ。カタールとサウジアラビア王族の意向をそれぞれ反映する
二大衛星テレビ局が、「アラブの春」や今月はじめのエジプトのモルスィー大統領の
失脚を巡って、それぞれの出資者の政治路線に偏向して報道合戦をしていたという、
興味深い記事です。

絶対王制を敷くサウジアラビアにとって、アラブの春のような民主化運動、あるいは
ムスリム同胞団のようなイスラーム主義組織は恐ろしい存在のはずです。だから、
ムスリム同胞団が擁立したモルスィー大統領が失脚したことは実に喜ばしい。一方、
カタールは、ムスリム同胞団の政権を支持したので、同胞団に好意的に報道する。
……という感じでしょうか?

記事では、「フランス24(France 24 )」や「スカイニュース・アラビア」などの
アラビア語放送に比べて、両局が「信頼性を失いつつある」というアナリストの見解
を報じています。

アルアラビーヤは明らかにサウジアラビア寄りに偏向していると思われますが、
アルジャズィーラはまだ客観性を維持していると、個人的には思います。

まあ、「日刊ゲンダイ」VS. 「夕刊フジ」ほどは極端ではないでしょうけど。

95さーひぶ。:2013/10/06(日) 21:53:47
【マレーシアでキリスト教徒の「アッラー」使用をめぐり宗教裁判!!】

駅の売店などで売っている「ウェッジ(WEDGE)」という月刊のビジネス誌
(JR東海の系列会社が発行しているようですが、右傾化している感じですが)
の発売中の2013年10月号(p.84)に気になる記事が出ていました。短いので引用します。

アラーの用語めぐり マレーシアで宗教裁判へ
 イスラム教国のマレーシアで、イスラム教の「神」を意味する「アラー」の
用語の使用を、キリスト教にも認めるかどうかをめぐり、マレーシア政府と
キリスト教会のにらみ合いが続いている。
 政府から“使用不可”宣告を受けたキリスト教新聞は09年末の裁判で
“使用可”判決を勝ち取ったが、政府側が控訴したため、依然として対立は
解けないままだ。
 キリスト教の聖書では、インドネシア語版などで「神」を表す言葉として
「アラー」も使われてきた。マレーシア政府では「アラー」を使った聖書を
没収したり輸入禁止したりする措置を講じたものの、11年に取りやめ。
しかし、その後も一部の州が使用禁止措置を取るなど国内で当局の足並みは
そろっていない。
 キリスト教新聞は、紙面での「アラー」の使用について、「聖書を引用して
いる」などと主張。イスラム人権団体からも「こんな規制をしているのはマレ
ーシアだけ。控訴を取り下げた方が政府の利益になる」との声も出ている。(引用おわり)

「マレーシア キリスト教 アラー(アッラー)」「Malaysia Christian Allah」
で検索するといくつもの記事がヒットするので、マレーシアではここ何年にも
わたってかなり根深い問題になっているという印象を受けます。
アラブ圏では、キリスト教徒が神をアッラーフ(الله / Allah)と呼ぶのは常識です。
イスラームの教義から見ても、キリスト教の神もアラー(アッラーフ/Allah)であって
くれないと困るはずなんですが、マレーシア政府は一体どうなってるんでしょう。
ムスリム(イスラーム教徒)がキリスト教会を焼き打ちするほど事態が深刻化
しているようですが、マレーシアのムスリムってそんなに不寛容になっているんでしょうか?

96さーひぶ。:2013/10/29(火) 22:24:35
【『世界の貨幣コレクション』バーレーンの10フィルス硬貨】

>>87-90の続刊です。
先週の水曜日に発売された『世界の貨幣コレクション』第39号(VOL.39)
では、イギリス、香港とともに、バーレーン(バハレーン)が特集されています。
・「バーレーン王国」 バーレーンの概要を紹介。
・「バーレーン貨幣史」 バーレーン歴代の紙幣や硬貨を紹介。
ttp://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4709608/s/

〔付録の10フィルス硬貨〕
今号の付録の一つは、西暦2000年にイギリスの王立造幣局が製造した、当時の
「バーレーン国」(State of Bahrain)の10フィルス硬貨です。
(ほかに、イギリスの1/2ペニー硬貨、香港の10セント硬貨もあります。)

硬貨の表面には、中央に ヤシの木
        アラビア語で دولة البحرين(バハレーン国)
        英語で STATE OF BAHRAIN(バーレーン国)
        年号が هـ(ヒジュラ暦)1420
            مـ(西暦)2000
硬貨の裏面には、数字の「10」とアラビア語で فلس(フィルス)

と刻まれています。なお、主軸通貨は、バーレーン・ディナール(دينار بحريني)
で、1ディナール=1000フィルスと定められています。

この『世界の貨幣コレクション』は、今年の2月に再び刊行が始まったときは
少なくない書店で見かけたのですが、刊行予定(80号)の半分近い39号を
迎えた現在は、一部の書店にしか在庫を置いていないようです。もともと、
読者が定期購読してくれるのを当て込んでいるものなので、取り寄せるしかな
いでしょう。

99さーひぶ。:2013/11/04(月) 23:00:36
【アラビア語で育った子どもは数字の「2」を早く習得する?】

アラビア語を話す家庭で育った子どもは、数字の「2」をより早く習得する
ttp://www.lifehacker.jp/2013/10/131031babies_in_arabic_speaking.html

全米科学アカデミー紀要で発表された最新の研究より。
英語など、名詞の単数(1つ)と複数の区別がある言語で育った子どもは、
数字の「1」を覚えるのが(日本語などに比べて)早くなる。さらには、
単数(1つ)、双数(2つ)、複数(3つ以上)の区別があるアラビア語や
スロヴェニア語で育った子どもは、他の言語で育った子どもに比べて数字の
「2」の概念を覚えるのが早いそうです。

英語の原文 Why Babies In Arabic-Speaking Households Learn Some Numbers Faster
ttp://www.popsci.com/article/science/why-babies-arabic-speaking-households-learn-some-numbers-faster

100さーひぶ。:2014/01/13(月) 22:56:11
【『世界の貨幣コレクション』 エジプトの10ピアストル紙幣】

>>87-90,>>96の続刊です。
先週水曜日に発売された『世界の貨幣コレクション』第49号(VOL.49)
には、アラブ方面では以下のような記事があります。

・「エジプト貨幣史2」 オスマン帝国時代から近現代までのエジプト貨幣史
・「通貨の名前にまつわる疑問3」の中で「「ディナール」ってどんな通貨なの?」

〔付録の10ピアストル紙幣〕
 今号の付録は、1998年〜1999年にエジプト財務省が補助通貨として発行
した10ピアストル紙幣です。
 第6号(>>89-90参照)では同じエジプトの5ピアストル紙幣が付録だったので、
「またピアストルか」という感じですね。ポンドはなかったのでしょうか?

>>96でもふれたように、『世界の貨幣コレクション』は一部の書店にしか
在庫を置いていません。バックナンバーなどの在庫をおいている書店なら
取り寄せられますが、扱ってない書店では取り寄せにくいかも知れません。

101さーひぶ。:2014/01/29(水) 21:21:33
【『世界の貨幣コレクション』 トルコのリラ、ガンビアのブトゥツ】

>>87-90,>>96,>>100の続刊です。
今日 発売された『世界の貨幣コレクション』第52号(VOL.52)
は、メキシコ、トルコ、ガンビアの特集です。

〔トルコの50万リラ硬貨〕
「トルコ共和国」「トルコ貨幣史」の記事があります。
付録は、なんと2002年に発行された「500,000リラ」硬貨!!!
トルコではハイパーインフレーションがものすごいらしく、額面の高い硬貨が
出回っていたようです。その後、2005年に通貨を100万分の1切り下げる
デノミが行われたので、旧50リラ→新0.5リラになったのでしょう。

〔ガンビアの1ブトゥツ硬貨〕
「ガンビア共和国」「ガンビア貨幣史」の記事があります。
「ガンビア」といっても、すぐに分かる人は少ないと思いますが、西アフリカの
セネガルに囲まれた東西に細長い小国です。国民の多くがイスラーム教を信仰
しており、パレスチナを国家として承認していますが、イスラエルを国家として
承認していません。ガンビアでは、英語・マンディンゴ語・ウォロフ語などが
話されているようですが、マンディンゴ語はローマ字(ラテン文字)のほかに
アラビア文字も用いて表記されることがあるようです。
主要通貨はダラシ(دلس)で、アラブのディルハム(درهم)のマンディンゴ語
表記だそうです(ディルハムのルーツは、ギリシアの通貨ドラクマ)。
補助通貨はブトゥツ(بتوت)で「小銭」という意味。1ダラシ=100ブトゥツ。

付録は、1998年に発行された1ブトゥツ硬貨です。
裏面には、ガンビアの主要生産物であるピーナッツ(落花生)が描かれ、
ラテン文字で「BUTUT」、アラビア文字で「 بتوت 」と刻まれています。

102さーひぶ。:2014/04/07(月) 18:25:55
【『世界の貨幣コレクション』 カタールの5ディルハム硬貨】

>>87-90,>>96,>>100-101の続刊です。
かなり前になってしまいましたが、2月26日(水)に発売された
『世界の貨幣コレクション』第56号(VOL.56)
カタール、アイルランド、南米ガイアナの特集です。
カタールについては、以下のような記事があります。

・「カタール国」 カタールの概要を紹介。(面積は秋田県くらい)
・「カタール貨幣史」 カタール歴代の紙幣や硬貨を紹介。
ttp://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4787383/s/

〔付録の5ディルハム硬貨〕
 今号の付録は、1973年と1978年に発行された、青銅製の5ディルハム硬貨。

硬貨の表面には、国章であるダウ船と2本のヤシが描かれ、
        アラビア語で「カタル国」(دولة قطر)、
        西暦で1978年(١٩٧٨)、
        ヒジュラ暦で1398年(١٣٩٨)などと刻まれています。

硬貨の裏面には、アラビア語で「5ディルハム」(٥ دراهم)、
        英語で「カタール国」(STATE OF QATAR)とあります。

なお、基軸通貨はリヤルで、1リヤル=100ディルハムです。

103さーひぶ。:2014/04/07(月) 19:03:45
【『世界の貨幣コレクション』 サウジアラビアの5ハララ硬貨】

>>87-90,>>96,>>100-102の続刊です。
これも2週間近く前になってしまいましたが、3月26日(水)に発売された
『世界の貨幣コレクション』第60号(VOL.60)マレーシア、フィンランド、
サウジアラビアの特集です。サウジについては、以下のような記事があります。

・「サウジアラビア王国」 サウジの概要を紹介。(政教一致の専制君主国)
・「サウジアラビア貨幣史」 サウジ歴代の紙幣や硬貨を紹介。
ttp://www.jbook.co.jp/p/p.aspx/4806093/s/

〔付録の5ハララ硬貨〕
 今号の付録は、「イスラム暦1400年(西暦1980年)に発行された5ハララ白銅貨」
と解説されています。でも私の手元にあるのは「イスラム暦1397年」でした。

硬貨の表面には、国章である2本の剣とヤシの木が描かれ、
        アラビア語で、上側に  خالد بن عبد العزيز آل سعود‎
       「ハーリド・ブヌ・アブドゥルアズィーズ・アール・スウード」
       (サウード家のアブドゥルアズィーズの息子ハーリド)
       下側には  ملك المملكة العربية السعودية
       「マリク=ル=マムラカティ=ル=アラビーヤティ=ッ=スウーディーヤ」
       (サウジアラビア王国国王)
硬貨の裏面には、額面を表す算用数字の「5」、アラブの数字「٥」、
        アラビア語で「5ハララ」(خمس هللات)、
              「1キルシュ」(قرش واحد)、
        発行年「ヒジュラ暦1397年」(١٣٩٧هـ)などとあります。

基軸通貨はサウジアラビア・リヤル(ريال سعودي)で、1リヤル=100ハララです。
なお、アラブ関連の特集は、今号で打ち止めみたいです。

104さーひぶ。:2014/07/28(月) 19:30:56
【『世界の貨幣コレクション』 スーダンの25ピアストル硬貨】

>>87-90,>>96,>>100-103の続刊です。先週、7月23日(水)に発売された
『世界の貨幣コレクション』第77号(VOL.77)はスーダン特集!
アラブ関連はこれで最後ですね。以下の記事があります。

・「スーダン共和国」 スーダンの概要を紹介。
・「スーダン貨幣史」 スーダン歴代の硬貨や紙幣を紹介。
・「現在のスーダン通過」 現行のスーダンの硬貨や紙幣を紹介。
ttp://www.e-hon.ne.jp/bec/SA/DetailZasshi?refShinCode=0900000004910281450745&Action_id=101&Sza_id=C0

〔付録の25ピアストル紙幣〕
 今号の付録は、1987年発行の25ピアストル紙幣です。
ピアストルは、エジプト特集の>>90でふれたように、
文語アラビア語(フスハー)では、単数形がキルシュ(قرش)、複数形がクルーシュ(قروش)で、
エジプトと同様にポンドの補助単位です。
付録の25ピアストル紙幣の表面には、南北スーダン分裂前の国土が描かれています。

このほか、
4月16日発売の第63号(VOL.63)には「現在のカタール通貨」という記事があり、
5月14日発売の第67号(VOL.67)には「現在のサウジアラビア通貨」という記事があります。

「世界の貨幣コレクション」は80号(あと3号)で終わります。

105さーひぶ。:2014/08/21(木) 20:30:13
【『世界の貨幣コレクション』 アルメニア&アルジェリア特集】

>>87-90,>>96,>>100-104の続刊です。
このシリーズは、第80号が最終の予定でしたが、延長されるようです。
特集は、アジア(中東)から「アルメニア」、アフリカ(アラブ)から「アルジェリア」です。

アルジェリアについては、以下の記事があります。
・「アルジェリア民主人民共和国」 アルジェリアの概要を紹介。
・「アルジェリア貨幣史」     オスマン帝国・フランス支配時代から
                 独立後の貨幣を紹介。
・「現在のアルジェリア通貨」   現在の硬貨と紙幣を紹介。

付録は、アルメニアの50ドラム紙幣。アルメニアもしばしば中東に区分され
ますが、ここでは説明は省略します。

一体、何号までやるんだろう。
このシリーズは、一部の書店でしか扱っていません。


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