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メディアが報じる中近東
1
:
さーひぶ。
:2007/04/15(日) 21:04:29
テレビ・ラジオ・新聞・雑誌・書籍など、各種メディアが報道する
中近東の言語・文化・社会などの情報スレッドです。
63
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 17:34:47
【日本政府が封印した「悪魔の詩」訳者・五十嵐一氏殺人事件?!】
発売中の『文藝春秋』10月号で「真相 未解決事件35」という特集を組んで
いますが、下山事件、三億円事件など戦後日本の未解決重大事件を取り上げ
ていたので、見てみました。そこに驚くべき記事が載っていました。
『「悪魔の詩」殺人 国家が封印した暗殺犯』(執筆=作家の麻生幾 氏)
「悪魔の詩」殺人とは、1988年にイギリス人作家サルマン・ラシュディ氏が
“The Satanic Verses”(邦題『悪魔の詩』)という小説を発表するや、
これがイスラーム教の預言者ムハンマドと啓典クルアーン(コーラン)を
揶揄・冒涜するものではないかという批判・論争が湧き上がりました。
ラシュディ氏はインド人ムスリムの家に生まれながら、公然と無神論に転向した
棄教者(مرتدّ ムルタッド)なので、身内の裏切りという怒りもあったでしょう。
これを受けて、イランの最高指導者ホメイニ師が、ラシュディ氏はムスリム
(イスラーム教徒)の手で殺されるべきという法的裁定=ファトワー(فتوى)
を1989年に発布。欧米はそれを「国際テロリズム」と非難し、人権や言論の自由
の大論争になり、同書は欧米諸国で翻訳・出版され、飛ぶように売れたそうです。
私は「あんなもの放置しておけば、忘れ去られるようなパロディ三文小説だった
かも知れないのに、頑迷な措置によって煽り立てたので、かえって不毛な騒動
にしてしまった」と呆れました。
1990年には、五十嵐一(ひとし)筑波大学助教授による日本語訳が刊行され、
在日ムスリムらによる抗議もあり、出版関係者に危害が及ぶ危険性もあった
ため、大手書店が同書を店頭から撤去するなど、言論の自由の論争になりました。
1991年の湾岸戦争による興奮も冷めやらぬ中、7月12日の朝に五十嵐一氏は
職場であった筑波大学構内で全身を刺された他殺体として発見されたのでした。
(
>>64
へ続く)
64
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 18:46:21
(
>>63
の続き)
この事件が起こると、いうまでもなく大騒ぎとなり、イランの反政府組織から
「イラン政府が派遣した暗殺団による犯行」との情報が寄せられるなどして、
イランのアサシン(暗殺者)によるものかとの見方が広がりました。
イタリアやノルウェーでも訳者が襲撃されて重傷を負っていました。
しかしながら、五十嵐さんは目立ちやすいエレベーターホールで殺害されており、
犯人の逃走経路などから構内に精通した大学関係者ではないかとも見られ、
不審な外国人出国者の報告も明らかにならず、捜査は難航したようです。
こうして、2006年7月に公訴時効となり、迷宮入りしてしまったのです。
五十嵐一さんは、イスラームをはじめ多くの文明の思想に精通した井筒俊彦
大先生の弟子で、自身もイランに留学してイスラームを学ぶだけではなく、
ギリシア劇をやったりと、広い視野の持ち主だったようです。もともとは、
東大の数学科を出た人なので、交流のあった理数系の研究者からもその才能
の喪失が惜しまれました。ご本人はホメイニ師の措置に批判的だったようです
が、イランやイスラームを愛するがゆえに、あえて火中の栗を拾われたのでしょう。
その後は「イスラーム万歳」「アラブ万歳」といわんばかりに翼賛的に賛美する
無批判な学者や関係者が目立つように感じてきました(池内恵さんは逆ですが)。
(
>>65
へ続く)
65
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 19:07:15
(
>>64
の続き)
小説“The Satanic Verses”の“Verse(s)”とは、聖書やクルアーンの「節」
を指す単語で、アラビア語では「徴(しるし)」とも訳されるアーヤ(آية)、
複数形はアーヤート(آيات شيطانية)です。ちなみに、ホメイニ師の位は
アーヤトゥッラー(آية الله)「神の徴(しるし)」となっています。
預言者ムハンマドが出身地マッカ(メッカ)で布教をしていたイスラーム初期、
多神教を信仰していたマッカの支配層である大商人たちとムハンマドが妥協点
を見い出そうとしていたときがありました。そのとき、アラビアの多神教で
最高神アッラーフ(الله)の娘と信じられていた三柱の女神アッラート(اللات)、
アル=ウッザー(العزى)、マナート(مناة)にシャファーア(شفاء)という
取りなし(原義は「治癒」)の神通力を認めるかのような啓示がムハンマドに
下されたというのです。結局、交渉は決裂し、ムハンマドは唯一絶対神への
信仰へと突き進みます。上の啓示は破棄されて、悪魔(شيطان)が下したもの
「悪魔の徴」(آيات شيطانية)すなわち“Satanic Verses”と呼ばれて
います。アラビア語ではガラーニークの話(قصة الغرانيق)ともいいます。
(平凡社『新イスラム事典』の「悪魔の啓示」の項などを参照)
悪魔の徴
http://en.wikipedia.org/wiki/Satanic_Verses
ガラーニークの話
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D9%82%D8%B5%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%BA%D8%B1%D8%A7%D9%86%D9%8A%D9%82
クルアーン(コーラン)は、唯一絶対神がムハンマドに下したすべての啓示を
集成したもののはずですが、実は異質な「啓示」が破棄されていたという話です。
ラシュディ氏は、この伝承を中心にしてムハンマドを揶揄する物語をつくり、
しかもムスリム社会で忌み嫌われる習慣である犬の品種を連想させるような
マハウンド(Mahound)という名前にし、その12人の妻を売春婦であるとして、
ムハンマドやイスラームをこき下ろすパロディ本にしたのです。
彼は、インドのガンディー王朝や、パキスタンの為政者たちを攻撃する作品も
書いていたようですから、そのような悪趣味に走りやすかったのかも。
(
>>66
へ続く)
66
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 20:00:42
(
>>65
の続き)
さて、記事の背景説明がずいぶん長くなってしまいました。(以下、ネタバレあり)
『文藝春秋』10月号の『「悪魔の詩」殺人 国家が封印した暗殺犯』(麻生幾 著)
ですが、入手された捜査資料によれば、何と事件直後には日本警察と政府は
五十嵐一さんを暗殺した犯人をほぼ特定していたというのです。
1991年7月11日の夜に五十嵐さんを殺害したと推定される犯人は、血痕を残した
逃走経路から大学構内に精通していたと考えられた。
翌7月12日には、同大学に情報学を学ぶために来ていた「×××(伏字)」国籍の
留学生の男が、成田空港からバングラデシュのダッカ空港へ出国していたことが、
法務省入国管理局から警察庁に報告されていたそうです。
この男は、「アジア」の「イスラム文化圏の国」と見なされる「×××」国籍
だった。わざわざ伏字にしてあるから、イランやバングラデシュではないでしょう。
大学が夏休みであったことから、関係者以外は事件を急には知りえませんね。
当局は、事件直後に出国したこの人物を「容疑者」と断定していたようです。
しかし、この情報は警察幹部によって極秘事項とされてしまった。
冷戦終結後の日本が経験する初めての国際テロ事件であり
(記事では「我が国始まって以来の、明らかなテロ攻撃」と書かれていますが、
テロ事件と見なせるものは昔の日本でもたくさんありました。)
国際的に捜査するべきだという積極派と、
イスラム文化圏の多くの国々に石油などのエネルギーを依存している日本は、
イスラム文化圏を敵に回しかねないような公表をするべきではないという
「国益重視派」に分裂して論争していたというのです。
最終的には、首相官邸に上奏されて、「国際テロと戦う覚悟」がなかった
日本政府が、国益重視のために事件を封印したという記事の結論でした。
(
>>67
)
67
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 20:52:11
(
>>63-66
のまとめ)
この記事を読んで、「×××とはあの国だろうな」と大体わかりました。
後で調べてみてほぼ確信しましたが、アジアの「イスラム文化圏」と見なされる
ような国で、記事に書かれたような留学生を送りうる国は、ほぼ限られています。
まあ、あまり深く詮索しすぎない方がよいのかも知れません。
ただ、五十嵐さんが留学していたイランからの暗殺団ではないようなのが、
せめてもの救いかも。
「国際テロと戦う」云々の主張には首をかしげます。民主的でない国を「テロ国家」
として軍隊を派兵して市民を巻き込んで殺戮するやり方もテロリズムにほかなりません。
「イスラム文化圏」の国々を単なる石油などエネルギー資源の調達先として
しか見ないような「国益重視」の物言いにも反発を覚えます。
しかし一体、現在の「イスラム文化圏」の国々で、民主化・人権・言論の自由が
保証されている国があるでしょうか?
例えば、現在も「石打ち刑」を実施しているような部族社会の国に向かって、
「テロリストを引き渡せ」と言っても納得の行く結果にならないかも知れない。
結局、地道にイスラム文化圏の国々の民主化を支援しつつ、相互理解を深めて
ゆくしかないのでしょう。エネルギー資源とテクノロジーを交換するだけのよ
うな関係を脱して、無批判な賛美の状態も脱して、互いに批判ができる関係を
築くには、まだまだ相当な努力を必要としますね。
五十嵐さん曰く「中東ハンパが日本を滅ぼす : アラブは要るが、アブラは要らぬ」(1991年、最後の著書)
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