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メディアが報じる中近東
65
:
さーひぶ。
:2010/09/19(日) 19:07:15
(
>>64
の続き)
小説“The Satanic Verses”の“Verse(s)”とは、聖書やクルアーンの「節」
を指す単語で、アラビア語では「徴(しるし)」とも訳されるアーヤ(آية)、
複数形はアーヤート(آيات شيطانية)です。ちなみに、ホメイニ師の位は
アーヤトゥッラー(آية الله)「神の徴(しるし)」となっています。
預言者ムハンマドが出身地マッカ(メッカ)で布教をしていたイスラーム初期、
多神教を信仰していたマッカの支配層である大商人たちとムハンマドが妥協点
を見い出そうとしていたときがありました。そのとき、アラビアの多神教で
最高神アッラーフ(الله)の娘と信じられていた三柱の女神アッラート(اللات)、
アル=ウッザー(العزى)、マナート(مناة)にシャファーア(شفاء)という
取りなし(原義は「治癒」)の神通力を認めるかのような啓示がムハンマドに
下されたというのです。結局、交渉は決裂し、ムハンマドは唯一絶対神への
信仰へと突き進みます。上の啓示は破棄されて、悪魔(شيطان)が下したもの
「悪魔の徴」(آيات شيطانية)すなわち“Satanic Verses”と呼ばれて
います。アラビア語ではガラーニークの話(قصة الغرانيق)ともいいます。
(平凡社『新イスラム事典』の「悪魔の啓示」の項などを参照)
悪魔の徴
http://en.wikipedia.org/wiki/Satanic_Verses
ガラーニークの話
http://ar.wikipedia.org/wiki/%D9%82%D8%B5%D8%A9_%D8%A7%D9%84%D8%BA%D8%B1%D8%A7%D9%86%D9%8A%D9%82
クルアーン(コーラン)は、唯一絶対神がムハンマドに下したすべての啓示を
集成したもののはずですが、実は異質な「啓示」が破棄されていたという話です。
ラシュディ氏は、この伝承を中心にしてムハンマドを揶揄する物語をつくり、
しかもムスリム社会で忌み嫌われる習慣である犬の品種を連想させるような
マハウンド(Mahound)という名前にし、その12人の妻を売春婦であるとして、
ムハンマドやイスラームをこき下ろすパロディ本にしたのです。
彼は、インドのガンディー王朝や、パキスタンの為政者たちを攻撃する作品も
書いていたようですから、そのような悪趣味に走りやすかったのかも。
(
>>66
へ続く)
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