この問題を解くためには、キリヒホッフの法則の 1 つ
「回路中の、任意のひとまわりの閉じた経路について 起電力の和=電圧降下の和」
を利用します。また、電池には内部抵抗を r があるので、ここでの電圧降下を考えなくてはなりません。B から始まり、右回り(下の電池を通り)で A を通過して(上の電池を通り)B に戻る経路を考えます。電池の起電力を E 、回路に流れる電流を I 、内部抵抗を rとします。
起電力の和 = - E + E + E = E
最初の起電力は電流の流れる方向に電位が下がっているので、-の符号がついています。
電圧降下の和 = Ir + Ir + Ir = 3 Ir
電圧降下は、電流の向きに関係なく符号は同じなので、足し算になります。
これから、E = 3 Ir となり E/3 = Ir が得られます。
AB 間の電圧は、AB 間の起電力と電圧降下の和となるので、A から B を見ると、
2E -2 Ir = 2E -2E/3 =4E/3 = 2V
と求めることができます。
よって解答は ③の 2V です。
注意
このように、異なった電圧の電池を並列つなぎにすると、電池の中を本来流れる向きと
反対の電流が流れます。反対の電流が流れると気体が発生して破裂することがあるので危
険です。この問題は、あくまでもキリヒホッフの法則を理解するためのものですので、電
池のこのような配線は行わないようにして下さい。
同じ電池でも、使用状況や個別の状況で電圧が異なることがあるので、小学校の教科書
には載っていますが、たとえ同じ電池でも、並列つなぎで使用することは避けましょう。
*1) 2016年11月29日〜12月1日に幕張で開催された「第57回電池討論会」における発表「NASCN電解液添加によるAl空気一次電池負極の放電特性改善」より。
*2) Md. Arafat Rahman et.al,"High Energy Density Metal-Air Batteries: A Review" Journal of The Electrochemical Society, 160(10) A1759-A1771(2013) に掲載された数値に基づき、本誌が作成
*1) 米Alcoaはアルミニウム製造業として120年以上の歴史があり、世界第3位の規模の企業。アルミニウム精錬法を開発したCharles Martin Hallが設立した。自動車産業とのかかわりも大きい。同社が開発したアルミニウム溶接技術(Alcoa 951)は自動車会社がアルミニウム材料の大量採用に向かった1つの要因だと主張する。
同社のCEOであるRoger Van Boxtel氏はビデオメッセージの中で「風車が1時間発電すると、電車はユトレヒトから(直線距離で約160km離れた)フローニンゲンまで走行できる。オランダは何世紀も風力を利用しており、風車の力を自ら示したい」と発言。自ら風車にくくりつけられて一回転するパフォーマンスを見せた(図1、図2)。
*3) EnecoはNSに1.2TWh、その他の鉄道事業者に0.2TWhに風力発電由来の電力を供給するとしていた。その他の鉄道事業者とは、VIVENS(Verenigd Inkoop en Verbruik van Energie op het Nederlandse Spoorwegnet、オランダ鉄道ネットワークにおけるエネルギー調達と消費連合)に加盟する4つの旅客輸送会社と11の貨物輸送会社、2つの鉄道保守関連会社。NSもVIVENSに加盟している。
ここにベルギーが加わる。同国の風力発電は急速に成長しているからだ。ベルギーAssociation pour la Promotin des Energies Renouvelables(APERe)によれば、2015年には全世帯の消費電力のうち、34%に相当する電力を風力発電でまかなったほどだ(総消費電力の7.4%)。既に182基の洋上風力発電機が運転を開始しており、年間2475テラワット時(TWh)の電力を生み出した。