したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

バイオ燃料・エタノール・新エネルギースレ

2896とはずがたり:2017/03/28(火) 18:00:01
>>2895-2896
原子力と火力からの転換を目指す

 1993年当時、ベルギーの総発電量は698億kWh。これを原子力で60%、火力で約40%をまかなっていた。2014年には、原子力の比率は37%、火力は32%まで低下した(図3)*5)。

*5) ベルギーは電力輸入量が世界第6位と大きい。しかしながら、ベルギーは国民1人当たりの太陽光発電導入量がドイツ、イタリアに次いで世界第3位。バイオ燃料の生産量では世界第14位に位置しており、風力以外の再生可能エネルギーの開発にも注力している。

資源のない北海を有効利用

 どのようにして従来の電力源構成を変えることができたのか。全ては2003年に始まった。同年に脱原子力法を制定。2003年に初の洋上風力発電所の建設を開始した。

 2004年には近隣各国と協議の結果、北海上に広がる領海(沿岸から12マイル)外の3600km2を排他的経済水域(EEZ)として確保。これが成長の引き金となった(図4)*6)。

*6) 北海に面する国々の中でベルギーのEEZが最も小さい。さらにEEZ内に石油や天然ガスなどの資源が確認されておらず、当初は悲観的な状況にあった。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20161222Belgium_growth_590px.png
図4 ベルギーの風力発電の成長 全発電量に対する風力発電の比率をオレンジの折れ線で示した 出典:IEAの公開データを基に本誌作成
 陸上風力発電所は2004年から成長が加速し、洋上風力発電所は5年後の2009年から運転を開始、急速な成長を遂げ、陸上風力に追い付く水準に達していることが分かる。

陸上風力と洋上風力をうまく組み合わせた

 ベルギーは連邦政府の他に3つの地域政府があり、洋上風力は連邦政府、陸上風力は地域政府が権限を持つ*7)。その結果、陸上風力は分散型、洋上風力は集中型の電力源となった(図5)。バランスのよい形だ。

*7) 例えばベルギーで人口が2番目に大きな都市へントは、2020年までに最終エネルギーの50%を再生可能エネルギー由来とすることを計画している。

http://tohazugatali.dousetsu.com/yh20161222Belgium_tubinemap_590px.png
図5 ベルギーにおける風力発電の分布と出力 出典:ベルギーAssociation pour la Promotin des Energies Renouvelables(APERe)

着実にプロジェクトを進める

 面積3600km2のベルギーEEZは、ほぼ台形をなしている。ただし、使いにくい。なぜならすぐ西側には英仏間のドーバー海峡が位置しており、海上輸送のあい路となっているからだ。風力発電に利用できる部分は156km2と少ない。

 ベルギーの計画ではEEZのうち、最も南東側、オランダの水域に隣接した部分を洋上風力発電所に用いる。陸上への送電(連系)も想定しながら、計画的に水域を埋めてきた。1つのプロジェクトで数十の風力発電機を配置、プロジェクトごとに陸上と連系し、発電量を増やしてきた。水域とプロジェクトの名称、連系方法を図6に示す。

 今回のNortherプロジェクトはC-Powerプロジェクトから開けた海面を隔てて1km南東側に広がる。2008年に認可を取得してからようやく実行フェーズにこぎ着けた形だ。完成後は、ベルギーの約40万世帯の需要に相当する電力を供給できるという。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板