トランプ氏は米紙ニューヨーク・タイムズ(New York Times)に対し、「就任式用の素晴らしいドレスがなかなか見つからない」と、今回の式典をまるで社交界で大人気の催し物として示したいかのように語っているが、果たしてそれが現実のものになるかどうかは、現時点では不明だ。
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マミー・アイゼンハワー(Mamie Eisenhower)元大統領夫人のピンクのシルクのドレスから、ミシェル・オバマ(Michelle Obama)現大統領夫人が着用したジェイソン・ウー(Jason Wu)氏のデザインによる白いドレスまで、歴代ファーストレディーが大統領就任式でまとったドレスは、スミソニアン協会(Smithsonian Institution)が運営する米国歴史博物館(National Museum of American History)で一堂に集められ、展示されたこともある。
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先日「大統領就任式に集まった聴衆は史上最大だった」という嘘を公式見解として発表したトランプ大統領のショーン・スパイサー大統領報道官ですが、またもや迷言を発しています。
BUZZAP!でもお伝えしたように、オバマ大統領就任式と比べてスカスカだったことを比較画像で示されて激怒したトランプ大統領は報道官に「大統領就任式に集まった聴衆は史上最大だった」と発言させ、その後側近のケリアン・コンウェイ氏がテレビ番組でスパイサー報道官になぜ嘘の説明をさせたのかと問いただされ、その発言は嘘ではなく「代替的な真実(Alternative Facts)」であると堂々と回答したことから世界的な大炎上となっていました。
【悲報】トランプ政権、就任式における聴衆が「史上最大だった」とした捏造を「代替的な真実」と主張 | BUZZAP!(バザップ!)
スパイサー報道官はその後「ネットやテレビを見ていた人も含めた」などと、あまりにも苦しい言い訳で逃げを打っていましたが、就任早々からトランプ政権の発言の信用度は地に落ちてしまいました。
そのスパイサー報道官が今度は「トランプ大統領はキング牧師と会った」と発言しています。まさかキング牧師が某教祖に乗り移って霊言でも話したのでしょうか?
スパイサー報道官は就任後2度目のブリーフィングの中で、報道陣から「トランプ大統領はカニエ・ウェストら黒人セレブとは会っているが、どれほどの公民権活動の指導者とは会っているのか」と問いただされ、「この前もキング牧師(Martin Luther King Jr.)と会ったところだ」と発言。もちろんキング牧師は1968年に暗殺されているため、「この前」会うことなどできるはずもありません。これはキング牧師の息子であるMartin Luther King IIIの間違い。正直なところ長嶋茂雄と長嶋一茂を間違えるレベルの大きな間違いで、スパイサー報道官の、ひいてはトランプ政権の言葉の軽さが続けざまに示された格好になっています。
なお、トランプ氏がMartin Luther King IIIと会ったのはキング牧師記念日(1月の第3月曜日、今年は16日)のこと。トランプタワーで2人は会談を持ち、Martin Luther King IIIによると「建設的な会談」であり、トランプ大統領は「共にアメリカ合衆国を作っていこう」としましたが、具体的な提言はなかったということでした。
普段なら単なる言い間違いとして処理される案件ですが、先日の就任式の参加者捏造と「代替的な真実」という擁護の後では意味合いが全く変わってきてしまいます。メキシコ国境への壁の建設の大統領令に署名したことも伝えられましたが、どこまでが真実なのか、本気なのか、読めない時代になってしまったことは間違いありません。
Spicer says Trump has met with Martin Luther King Jr. ? NY Daily News
Press Secretary Sean Spicer Says Donald Trump Met Martin Luther King Jr. “Just the Other Day” _ SPIN
さらにトランプ大統領が言っている、「白人労働者など一般の人々へホワイトハウスからの権力の移行だ」、なんてことをまともに捉えているメディアの神経も疑います。これは確かに選挙戦から言っていた主張で、「Drain the Swamp」(沼の栓を抜け! )とトランプ大統領が声高に叫んでいた政策(と呼べるのかどうかさえ疑問ですが…)の一つです。既存の権力者(エスタブリッシュメント)からワーキングクラス(ブルーカラー)に権力を取り戻す、なんて言っていたわけですから、さながら民主党のサンダース議員の専売特許のようなキャッチフレーズです。
「トランプに騙された」と、まだ気づかないのか?
一方、今、反トランプでデモをしているような人たちも似たり寄ったりです。だいたいトランプ大統領が良く使う「the forgotten man and woman」というのは一体誰のことを言っているんでしょうか。メディアが好んで取り上げるようなラストベルトで職がなくて、うろうろしている学歴のない白人労働者を指す、というのであれば、人口で見ればゲイだってLGBTだって同じような人数の少数派であって、まさにその「the forgotten man and woman」ではないですか。
そう、あの「アプレンティス」(「見習い」の意味)ですね。トランプ氏がホストを務め、「しろーと」を集めてカネを渡してビジネスをやらせ、かなりの無理難題を押し付けておいて、ダメだとなると"You are fired! "といって脱落していくという有名なテレビ番組です。要するに、自分の閣僚に無理難題を押し付けておいて思い通りの結果がでないと、最終的には"You are fired! "と叫ぶことにひょっとしたらなるのではないかと思い始めました。これはあり得るな〜…。
トランプ大統領はWWEとアプレンティスの手法を本気でホワイトハウスに導入しようとしているのではないか、と密かに恐れているわけです。そういう意味では、こういう人の一言一言で振り回させる人々はたまったもんじゃありませんね。そこに理念などはなく、ただ、無理難題を押し付けては妥協点を探り、ダメだったときは"You are fired! "ということになると、次は一体なにが起きるのかすら、予測できません。
同市の最近の買い付けでは<フォード車99台とジェネラルモーターズ2台>の購入だったそうだ。現在、パトカー、救急車、治安保護車を購入することになっているので、それは別のブランドの車を探す>としている。(参照:「Dinero en IMAGEN」)
国会議員グループの間からも政府から交付金を支給されている州政府と地方自治体に対して、トランプの圧力に屈してメキシコへの投資から撤退した企業からの購入はしないように呼び掛ける声が出ている。その甲斐あって、<下院ではトヨタのハイブリッド車を購入する>ことになったとしている。(参照:「Dinero en IMAGEN」)
*筆者は米国務省に24年間勤務。著書に「We Meant Well: How I Helped Lose the Battle for the Hearts and Minds of the Iraqi People」など。「Hooper’s War: A Novel of WWII Japan」が刊行予定。
相違点も
独アリアンツの主任経済顧問モハメド・エラリアン氏はトランプ氏の政策プログラムを「輸入代替プラス」の手法と呼び、自動車など特定のセクターを支援する産業政策も含まれるとする。ダートマス大のアーウィン教授はここにハミルトンとの共通点を見いだす。一方で、大きな違いもあるという。
ハミルトンは、独立を果たしたばかりの米国が自国を守るための武器製造の能力を確保したい考えだった。また、高めの輸入関税率も支持はしたが、幼稚産業への補助金給付に主な重点を置いていた。これに対しトランプ氏が目標とするのは経済成長の押し上げと、雇用創出の加速だ。同氏はこのために補助金よりも関税の方を強調している。
逆説的ではあるが、「米国第一主義」の通商政策アプローチを取るトランプ氏は、中国が長年にわたり追求してきた戦略をまねている形だ。中国政府はサプライチェーンの刷新を通じて製品部品の国内生産を増やすという、トランプ氏がまさに現在採用しようとしているやり方を推し進めてきた。
国際通貨基金(IMF)のエコノミストを務めた経歴を持つ、米コーネル大学のエスワール・プラサド教授は米中のこのような動向に関し、「収れんが見られるのは確かだ」との見方を示した。
原題:Trump Echoes Alexander Hamilton With Import Substitution Stance(抜粋)