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スタッカート!

1名無しのAA書きさん:2015/02/20(金) 21:02:26
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                スタッカート!
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テーマソング
【Silent Siren】「KAKUMEI」MUSIC VIDEO FULL ver. 【サイレント サイレン】
ttps://www.youtube.com/watch?v=crGzlCuaTGg

                                             金曜:21:00

397名無しのAA書きさん:2018/08/09(木) 03:13:00
◇中級者に門戸を開きつつ、膨大なやり込みを秘める

 フリーシナリオ形式の欠点として、説明不足は否めない。
 シナリオを進めるのにフラグが不親切だったり、あるミニイベントは発生条件すら気づかないまま物語を終えることもあるだろう。
 クリアまでに取りこぼす要素もあるだろう。
 難解な世界辞典は理解しにくく、ユニークなサボテンの日記も普通なら見過ごしてしまいそうな要素だ。
 本作は、雰囲気ゲーとして、世界のライトな部分を楽しめるものの、釈然としない部分も残す。
 ゴーレム作成、武器強化は、ゲーム本編だけではやり込めない程に深く、やり込めば時間も労力も桁外れにかかる。

 つまり攻略本、攻略サイト必須の、少し不親切な作りになっている。
 そこもサガ的。

 だけど、一応のエンディングまでなら僅かな助けでも独力で行けると思うので、この物量、自由さのある世界を、手探りで辿っていく楽しみは、やはり体験してこそ。

 ので、まずは攻略情報からは距離を置いてプレイ。
 一応のエンディングまで行ければ、武器やレベルを引き継いで強くてニューゲームできるし、反対に敵の強さを極み難易度まで変更可能だったりする。

 そこからさらなる旅をしたければ、攻略情報を漁るのがオススメ。

 昔の作にしては攻略サイトには困らないだろうし、少し足を出せば600ページの辞典サイズのアルティマニアな攻略本をお供に出来る。






                                    __,xヘハ7Zァx_    サボテン君の日記は、
                                 .  _≫‐ヨZ※片7≪    シナリオをクリアした後の密かなデザート。辛口だけど。
                                  ⌒7〜}ハ}ハ{⌒ ̄
                                 .      _〉 〉=く, 
  道行く若者に声をかけて、               ..     ァ´ / ̄ ハ,
    君のランプを売らせれば、                 _{^ {/⌒  o      l´ ̄ ̄ ̄ ̄`
  ∧∧  手間をかけずにランプは売れる           ]、rヘ o _. ァ/ ,ハハ  <  なけた。
 (,,゚Д゚)                            .    lvv;ヘ_≧z-=f{ jj,ノ}}    l、_______,                    ニキータは徹底的に守銭奴なのが、却って憎めない
  /  i   ∧∧  私のランプが好きな人は、       {{ { \_ノノ:i i iV≪_ノ
       (*゚ー゚)   ほんの少しだけど、遠くから     \,_ ..ィ:i_j_iノト、                                       ________
        U  ),     わざわざ買いに来てくれるの     Ⅵ ̄ ̄ ̄ _]                          ∠丶-'">     / あなたの心の道具箱、
                                       `| ̄ ̄ ̄´|                           (*`ー´*)    <    スマイリーニキータだにゃ
                                       |\/\/|                          ,とi      iつ    \
                                       ` ー--‐                                           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

398名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 07:08:01
いやー、読んでるかい、ジョージ。
本の紹介だよ。
夏休みの読書感想文にぴったりだね。(小学生並みのしょーかいぶんってことさ)

399名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 07:10:51
さかなクンの一魚一会

◇魅惑文章

さかなクンの自叙伝。
ギョギョギョと侮るなかれ。リーダビリティが抜群で、そのくせ中身の濃い文章が展開していく。

フリガナ付きで、絵が多く入っている。
子供向けかなと思えても、子供にカブトガニの飼育エピソードやウマヅラハギに惹かれていく過程を、わかりやすく、書けますか。
いや、ほんと、すっごいよ。
自慢たらしくもなく、わかりにくくもなく、魚博士なマニアックで細かなディティールも、平易に伝えていて。
絵も、さかなクン本人が描いた絵で、その魚の特徴が浮かびつつ、魚特有の愛嬌なようなもの(あるじゃないですか)がディフォルメされた、見事なもの。
クラリネットを吹く魚たちの絵。くらくら。
すらすらと読めます。楽しく読めます。

それで語られる内容が、さかなクンの半生でしょ。詰まらないわけがない。
もう面白いエピソードが、タコに傾倒した小学生の頃からしてもう、カブトガニとか、テレビチャンピオンとか、大学の一芸入試とか、笑いつつも感心しつつ。
やっぱり刺さったのがあれですね、進路選びからの挫折パート。重くなる話をコミカルに語るのが、かえってね、ジンとしてしまい。
寿司屋での、ふとしたきっかけでの転機に、おおおと。

400名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 07:11:55
◇転びつつも、進んでいく

小学生の時に飼育したくて、タコ捕り名人にタコを釣ってもらったら、そのおじいちゃんが、釣ったタコを内臓引きちぎって、びしびし叩きつけて。
「ぎゃああああ、やめて――」
)ワラ

割烹料理屋で水槽のウマヅラハギを見て、飼いたくなって。
「あのー。表で泳いでいるウマヅラハギちゃんをください!」
すると板前さんはニコッとして、
そして出て来たのは
「ぎゃあ、ひええええええ!」
)藁


そこから中学生時のカブトガニの飼育のエピソードですよ。
飼育に失敗して、死んだカブトガニがすんごい腐臭をして、それでも剥製にして形に残そうと、風呂場でゴーグルにマスクをして涙涙に身をくりぬく。

そこに、魚というものが本質的に命で、その泥臭い部分も含めて、魚を自然と見つめているその視点の成長。というか。
いや、狂気じみた部分も含めて、何かを好きになるということの、とても純粋な部分が出ている。

それでもまだ、カブトガニの飼育のエピソードは続いていき、展開していく。
そこから命の尊さのようなものまで伝わってくる。

401名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 07:13:42
◇魚版シャカリキ

最後は教訓めいた感じで、成功者さかなクンといった風になるけど、分かりやすいニーズをつかむには、しゃーない。
でも、この何かね、魚を愛しすぎた故に魚研究の登竜門の大学に入れなかった感じとか、次第に魚一直線になっていく感じとか、それでも切り開いてく感じとか。
あれです。曽田正人の「シャカリキ」を思い出させました。
ただひたすら自転車を愛して、その愛に叶うだけの天からの才能があったというのも含めて。

あと、母親がほんと苦労してんな―、こーゆー愛情もあるんだなー、さかなクンも母親を好きなんだなーって言うのが、余韻にちょっとしたぬくるみを残しております。





   極めてハードな描写もあり

| |つ_∧ ;;⌒);;⌒)  オエ、オエエエ〜と、次から次へとおそってくる吐き気に耐えながら、
| |-∀-; ) ;;⌒)     甲羅の中の身を取り出します。
| | と  )     ドロドロロ〜ッと出てくるはらわたや身は、もうこの世のニオイとは思えないほどの臭さ。
| |( ( (          必死で中身をかきだしビニール袋に詰めたら
| |(_(_)


   TVチャンピオン電話内予選                             
                                          ∧_∧   小学生のころから通いつめ、入りびたり、
        ∧_∧ D                           (`(;´Д` )')     魚と一日中、一緒にいれる。
       ( ´∀`)○    ___                      ''""''"""''" "  天職だと思っていた水族館勤務は
       (    )D……/◎\

402名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 18:02:16
こーゆー、精緻でリアルな絵を描くだけの下積みや観察眼があるから

ttp://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h22_h/trend/1/zoom_f012.html

こーゆー、勢いがある楽しいイラストを即興で描けるんすねー。

ttps://twitter.com/jijicom_ent/status/757051235094568960


自分は絵心が無くて諦めてる派だけど、そりゃ観察の足りなさとか絵を描く量が殆どなきゃ、
ササっと書いたAAにゃ魂がこもらんよなー。

あー、さかなクンすげー。
漏れは底辺AAコピペ改造流を貫いてコー。

403名無しのAA書きさん:2018/08/12(日) 18:05:37
だってさかなクンと同じ15分くらい費やして、出来たのが、>>388っすよー。(爆死)

404名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 21:54:47
ブックレビュー。びゅーっとな。

405名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 21:56:01
月の砂漠をさばさばと

さきちゃんとお母さんの、母子の日常物語。
12のエピソードで綴られてまっす。

ほのぼのとゆっくりと日常が積み重ねられ、時に切なさや悲しさ、子供特有の怖さなども描かれるが、
それでも文章全体から漂う優しさ、肯定的な明るいタッチと、おーなり由子の柔らかな絵が、心をほっと暖めてくれる。
ぬくい毛布のように心地よい読後感に満たされる。

子供でもすらすら読める易しくて優しくて、でも、よく読んでみると行間から滲む含みのある文章の加減が絶妙。
北村薫を知らない一読さんも楽しめれそうだし、これは何度も読める重層さがある。な。うん。

表題の「月の砂漠をさばさばと」は一度読んだら、忘れられないし、忘れたくないって思える作品でした。
「夢の終わりに月の砂漠で」はこの地平を目指したんですよ。飛べなかったけど。


文庫と単行本があるが、断然に文庫がおすすめっす。
確かに挿絵が小さくなるというデメリットはあるにはあるけれど。
それでも巻末の梨木香歩の解説「日常を守護する」は、余りに素晴らしい。
作品の理解がぐっと深まるとともに、さりげない表現などにも気づき、読みも深くなるし、北村薫ひいては彼の「日常系」と呼ばれる著作群を理解する大きな助けとなること請け合い。
またこの解説を読むと、梨木香歩本人の作、「西の魔女が死んだ」の狙いというか雰囲気に込めたものというか、そういうのをより味わえる気がする。

406名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 22:00:19
「月の砂漠をさばさばと」内の「ふわふわの綿菓子」の私的解説っす。もろにネタバレっす。

著作権違反、牢屋に入ってもえー人は、ここに目を通して―。
ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/3246/1483523187/
でも、漏れを牢屋に連れて行かないで―。

407名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 22:03:57
166Now_loading...774KB2017/08/22(火) 03:54:23.43ID:y7FHPQ0l

絵本のような小説で。読みの例。
「さきちゃんとお母さんの日々を綴った」北村薫『月の砂漠をさばさばと』。
母娘の食卓で交わされる、通学路の帰り道で出会った犬たちに名前を付ける話

白くてふわふわ⇒マロ  マシュマロみたいだから
黒くてウォーウォーと鳴く⇒オペラ  鳴き方がテレビで見たのと似てたから。
???⇒アオリン

?は何でしょ。

答え:青い犬ではありませんよ、ダンボールに居たからです。ダンボールがアオリンゴのそれだったから。

ここで話は飛ぶ。団欒終了。

1の見方。
このような謎かけに、北村薫のミステリ作家としての観察力が……
殺人事件に使われるミステリの手法を……北村薫は日常のふとした会話の中で……

2の見方。
あー、なんか楽しそうだ。ほわほわ。なんか楽しそうで口が食べ物にも会話にも軽快に動くシーンだよ。こうやって体も心も成長してくんだな。素敵。

3な見方
いや、もやもやするぞ。
楽しそうな食卓のやりとりだよ。これって。子供っぽい、純情な感じがするよ。
でもさ、ダンボールに入った犬って。捨てられたってことじゃん。
これって悲しくない? それを美味しい食卓に入れるなんて。こいつを飼い犬の、恐らく血統書つきだろう、白犬と黒犬と並べて話す、残酷な子供らしさよ。

408名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 22:14:46
段ボール箱に入っている→捨てられたって連想は、どうなんだろうね。
自分の子供の頃の昭和の時って、捨て犬とか規制がけっこう緩くて、こーゆー捨て犬って、子供の時に見かけたもんなんですよ。

こう結び付けれるのは強引かもしれないけど、極端な一つの読みってことで、勘弁を。

でも、やっぱり、なんかね、一見明るいやり取りにちょっとした闇ってのは大げさだけど、なんだろう。
マシュマロ、オペラなんて血統書付きな高価な犬を連想させるワンちゃんと、しょぼい段ボールのアオリンゴの犬を並べる、その子供らしいあどけない純な感じとか。それが並んでしまう世間の辛さ、帰り道にある現実感とか。
そーゆーのを察しないで、「元気がないの(?)」なんてネガティブに答えるお母さんとのやり取りが、一見ユーモラスな家族の食卓の会話として成り立っているように、読者に思わせる。
そのチョイスに、単なる癒し系じゃない、なんだろう、リアルさのようなのが出ていて、好きです。

409名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 22:26:35
このように、さりげなく通り過ぎてしまいそうで、でも立ち止まって味わいたい文章ってのは、他にもあります。


犬へのネーミング→校長先生へのネーミング→自分へのネーミングの由来→熊のネーミングの話
→自分をネーミングした父への想い

という繋げ方。
一見バラバラなようで、全体としてしっかりと構成されたエピソードの配置の妙。

作中で語られなかった父。姓が変わることへ、母が何故、真剣だったのか。

というなぞかけは作中では明示されないが。
姓が変わる→旧姓になる→離婚していた→母と生活しているさきちゃんは、父とは離れて暮らしている

ということらしい。
これは梨木香歩の解説でふれられているが、作中では離婚というワードを一度も使わず明言していない。
ので気付く人は気づくっていう要素だろうけど。
知ってしまうと、切なさが語られない(語れなかったってことでしょう。幼いさきちゃんには離婚したなんて大人の事情を突きつけられない)だけに余計に切なくなる、と思いません。
自分も一読後に解説を読んで、あーって教えてもらったんだけど。

それでも、綿菓子が時とともにしぼむという描写の、言いようのない切なさは、それを知らなくても、伝わるんじゃないかな。伝わりました?

410名無しのAA書きさん:2018/08/15(水) 22:36:09
「――お肉だけじゃ駄目よ。ちゃんと緑も食べてよ」
「食べてるよ」
と、さきちゃんは、茹でられて色鮮やかなブロッコリーに箸を伸ばします。


「食べてるよ」なんて。
これ、明らかに食べてませんでしたよね。
母から注意されて、こういうわかりやすい嘘というか強がりみたいなのを言い、はじめて緑にも箸を伸ばす。
こーゆーの、好きなんだよなー。
さりげなく嘘をつくというか、なんかこのあるある感というか。
こーゆー懐のある表現、なんとなく伝わるような一本調子じゃない表現。妄想しすぎですか。そうですか。


似たようなものに、こんなのあります。子供っぽい。

「たけし、宿題やった?」
「何だよ、今からするところだったのに。ウザいこと言うなよー」


いじょー、ながくなりましたが、しょーかいでした。

411名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 04:48:10
「大久保町は燃えているか」を改めて読んで、もー、色んなものが浮かんでくる。
小説への感想は後でふれるとして。

私的に封印していたというか、見て見ぬふりをし続けていた部分というか。そーゆーのが。
ぐるぐるぐるぐる。

このスレ読んでいる人がどれくらいいるかわからんけど。
自分用メモってことと、書くことで思考を整理していくことと、整理していく過程をそのまま出すことで他人様はともかく自分としては得るものがあるのではないかということで。
愚痴愚痴っぽくネガティブなものも含めて、深夜のラブレターならず、深夜の朝焼けまでの罪状告白。聞いて脳内神様!

ということで、まともな思考の人は読むに堪えんだろうし、疲れるだろうし、マイナスな影響を与えそうなので。
ほんとはこーゆーの書かない方がカッコいー職人なんだろうけど、自分はこーゆーやつでして。
だからね、あざ笑ってくださる目線のある人だけが読むといーよ。明日の自分も含めて。

412名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 05:08:32
打ち切りについて

自分は小ネタはともかく、大きな挫折となる打ち切りを3度、経験してまして。

1モナーファンタジータクティクスの打ち切り
ttp://a0014028.html.xdomain.jp/monafan.html

これオープニングで終わるんす。
本編には至らない。本編は後継の人が書いてたかなと思ったんですけど、その人も確か1章を終えることなく、リタイア。

小ネタで茶を濁しつつ、それでも自分も本編AAを進めてたんです。
攻略本も買ったサー。ゲームも本編をもう一度ふくしゅーしたサー。
情熱はあったんす。
でもね、プレイ時間30分で済む過程を書いていてね、第一章の最初のバトルとシナリオ部分を書くのに、一か月ほどかかってたんす。
それを悲しい挫折宣言と共にどっか地下に投下して、もうそこは自分でも忘れちゃったな。

枝葉を取っ払った総プレイ時間30時間として。1時間を2カ月。
順調に最初のモチベーションとペースを保って、何年計画? それまでAAなんぞやってられんわーって、打ち切り決断。

原作ファンも多く、2chのピーク期とも重なり、これまでもこれからも一番多くの住人や感想を抱えていて、リアクションと言う点ではこの上なく恵まれていたんですけど。
それと、書いていて、楽しく、負担にならない居心地の良さ、というのは違いますよね。
自分のAA人生で一番やる気のある期間だったんですけど、それでもゲームのAA化の壁は高かった。とてつもなく高かった。

413名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 05:37:35
1-2 ゲームのAA化 その1

FFTのAA化で挫折したのは、自分だけじゃないよん。

FFTを描く
ttps://www.logsoku.com/r/2ch.net/aastory/1225382225/

第二部まで。
キリのいい所まで書き進めれたのは、職人の鏡。

これくらいで、多分ゲームプレイで15時間ほどで、やはり、なんというか限界が来るんじゃないでしょうか。
このスレの職人さんは明らかに自分のモナーの時よりも職人歴が長く、技術もアリーの、時間の掛け方もわかってるーの、バトルも楽しくアレンジしつつ、拡大は特徴を押さえ。

あの、自分のモナーファンタジーは描いた当時の時期もあったんでしょうけど、あくまでもゲームを単純なAA化するのにパロディー化して笑わせるのに力点を置いていて、
この作者さんのように自分色に染める、ゲーム世界を自分の作品とするまでに至らないので。

この作者さんはほんと自分よりもずっと上の作者さんなんですけど、やっぱりそこまで自分のものとしたからには愛着もひとしおなんでしょうけど、ここが限界点だよね。優れたAA職人であっても。
スレは7-8、期間は半年を過ぎて、そこでモチベーションも、一番やりたいことも変わっていく転機になる。

414名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 05:47:35
あの弁護するとFFTって、ゲームシナリオの方向性が、1章、2章、3章と変わっていくんですよね。


1章はどちらかと言うと、貴族と平民、持つ者と持たざる者の争いが軸なんです。階級対立、社会構造。
身分差を意識した平民の親友ディリータから「お前とは違うんだ」な感じで、エリート意識のある没落貴族アルガスからは弓で射られていく。
貴族の中の貴族、兄たちとは袂を分かち、傭兵となる。

この物凄い対立感、喪失感、すべてを失ったラムザ、だからこそ出来る何かがある、そう思わせる姫救出劇の始まりじゃないですか。
でも、その力学は変わっていくんす。
身分対立は、教会の隠蔽体質へと変わり、戦うべくは人だからこその悲劇だったのに、化け物モンスターとなる。組織対立、信仰問題。
身分から除外され根無し草となったラムザ、それに代わり与えられるのは教会に反逆した「異端者」の立場でしょう。

第一部の革命軍のボスが、3部くらいで変わり果てた姿で出るんですけど、いやそのラムザのセリフが痛い痛い。


「クエストスタッフやオウガのファンだった人はたとえその選択しかなかったとしてもあなたの行動を残念に思うだろう。
「夢や理想は、FFブランドの手を借りて実現しても価値が半減してしまう! そうじゃないのか、松野!

「“現実”はもっと厳しいものなのだ! おまえが考えている以上にな!
「おまえに責められる覚えはない! おまえたちに責められる理由など何もないのだッ!!

)違う


それでも第二部は
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 |γ´      `ヽ  |
 |f.i ゙`ヽ_ 丶   ヘ | 騎士アグリアス
 || ト、ト、,,ヽ  ヽ ヘ| 「今さら疑うものか! 私はおまえを信じる!!
 || .i__ヽ `ーxヽ i r i. | 
 || iュ  ィf;デlヽr /.r| 
 |j  i     i V / |  
 |i.  ト、 __  ∧ V..j|           
 |k, l i≧≦-ヘ V |
 | il | );| | | ; ;|  リ|
 |;; 込ノ;ノ i ヾ; ;ヘ `|
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

なんて名台詞、名展開があるけど、アグリアスはその後本編で一言も話さなくなるし。

やっぱりモチベーションが落ちるのは、本編の方向性が変わる、特に歴史ロマンに惹かれた人はダメージが大きい。
そーゆー事情があったような気がします。
なんかディスってますが、ゲームシナリオはなんだかなーですけど、ゲームプレイそのものは財宝探しに仕事にジョブの成長に、面白く展開していきます。
とフォロー。

ゲームとしての楽しさと、ゲームシナリオを再現するゲームAAの楽しさは、必ずしもイコールでは結ばれないようです。

415名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 06:04:55
1-3 ゲームのAA化 その2

ゲームのAA化は、打ち切りや自然消滅が多い。
多分、もっとも大きな期待を背負っただろう ◆dCs3N3avQg さんの「モナー聖剣伝説2」もペースが落ち、盛り上がりどころに至るまでに終わってしまった。


ゲーム系AAって、元ネタがあるからすっごく入りやすいんですよ、初心者とかファンがAAを描く動機になることが多い。
でもそのボリュームからして、終えるのは至難。
入り口は広く、道中は厳しく、出口は極めて狭い。ブラックAA。

ゲーム再現系で完走したので、書いている方も読んでいる自分も、双方が終えれたのは振り返ると二つだけでした。

真女神転生〜モナー戦争〜
ttp://www.geocities.co.jp/SiliconValley-Oakland/7907/dds_mona.html

「 やる夫が空を目指すようです 」
ttp://aapp.arc-spi.com/?cat=5

当たればデカいのはわかるんですけど、自分にはムリポな高みです。
元ネタありきだからオリジナル原理主義者には楽に書いているように見えますけど、いや、これ、凄い愛着力いりますよ。

讃えられてしかるべき。ここにたたえよー。ぱちぱちパチパチパチわーわーわー。

416名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 06:31:50
2-1 ウイユヴェールの打ち切り リベンジ
ttp://a0014028.html.xdomain.jp/uiyu.html

FFT本編の再現は無理だ―ってなったときに。
じゃあ、ボリューム的にほんの一部のサウンドノベルなら。ってことで。
ウイユヴェールでした。

でも、これもリアルライフに支障が出始め、途中で打ち切り。
また暇になったときに、リベンジして、なんとか完成。
でも、スレはとっくに落ちていて、当時の住人には届かなかった。

つまり、ここが再現系の限界ですよね。自分の。
16話程度。
打ち切り前の段階ではパロディー色強め。
ゲーム内のエピソードを補完するオリジナルを二編。(当初の予定では5つくらい。ボクサー8頭身パブロと1さんブラックの濃密な絡み合いを提供したかった)
打ち切り後のリベンジでは当時のテイストが戻らず、コピーでぜーぜー完走。

満足のいく出来ではないけれど、多分ね、モチベ的に1スレを超えると、10話なんて超えると、書いていて、楽しいからパロるというより、ここまで来たから無理矢理でも完成せねばな方向になる。
そーゆー辛い思いをしてまで完成させる甲斐は確かにあったけど、こゆのを打ち切る人を止めれるほどに得るものが大きいってわけじゃないでした。

ただね、むぼーにも今まで八頭身を描いたことなく人体のデッサンもわからないのに、飛び込みでキモイのを追求できたのは、得難い喜びでした。
振り返ると、最近は原作物はコピーが多いけど、パロディーも素敵だなと思いつつ、やっぱり消費スタミナとかモチベ低下率が。
パロディーのなけなしのセンスも忘却しきったし。

ある程度キャリアがあって、連載物を持ちたい時期に、こーゆーちょーどいーボリュームで、加工しやすい題材にぶつかれた。
自分は幸せでした。


まー、でもこのウイユヴェールのストーリーの悲壮感は、殆どの選択肢では、つまり99パーセントのIFの中ではウイユかパブロかどっちかが死ぬ。その陰鬱感にあって。
途中の大きな分岐で、一歩たがえると、その後の10を超える細かい分岐の果てはどれもバッドエンドなんて意地の悪さ。
取り返しのつかない一線、というのがとても上手く出ていて、読者もウイユも、もう悲劇が待つのを知っていて、それでパブロをデートに誘うような場面があるんす。泣ける。

だからウイユヴェールは話の祖筋というより、サウンドノベルだから評価されるような味があって、サウノベ黎明期にコンシューマでこれを出せたのは、だから画期的だと、そう思わされる作品で。

そーゆーの、AA化だとすっぽり抜けて、多数分岐のサウンドノベルが、一本のノベルになっちゃいました。
ちょっとだけ抵抗したんですけど、それも虚しい。

選択やアクションの果てに、ハッピーエンドだった感動とか、やっぱゲームプレイしてこそですよね。
小説でもゲームので有名なのは、ICOの宮部みゆきくらい?

たぶんドラクエ4コマ劇場、柴田亜美とか江藤ひろゆきとかの。そういうのが、方向として、面白いんじゃないかな。

417名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 06:59:58
3 からくりサーカス

脳内打ち切り。
ストックは原作五話分くらい? オマケ含めると500コマを超えてた。
でも、晒した3コマは、呪いAAとして、知る人ぞ知る大失敗作となった。

本編再現はムリポなのは自分でも分かる。
ならばと、プリンスドマヌカン、人気の鳴海主人公のエピソードを一つ、コミックス2巻分。
この容量ならと挑むも大けがして失敗。
モチベが続かず。
拡大AAを積極的に取り入れたが、基本がないのに独特の藤田絵を再現するのは余りに敷居が高すぎた。

補完資料を入れつつ。一コマ一コマに手間を入れつつ、なまじ愛着があるのが、さらにペースを落とすことになり、分解、失敗。


じゃあ、何だ、どれだけのサイズだったら、満足できて完走できたんだっていうのが最近分かってきて。

七つの海
ttp://a0014028.html.xdomain.jp/nanaumi.html

読み切り漫画一本のボリュームが、労力的にも手応え的にもとても良かった。
アレンジはあんまり入れず、コピー系で、その元もネットにあるという意味ナッシングと言えるけど、
それでも自分的に原作を消化できた満足感があったし、表現とかで学ぶものも多かった。

内容は、海洋大冒険、ゲームの世界、ワンピースなんて、ファイナルファンタジーなんて挑むの諦めて、現実を見よーよ、足元を見て跳び箱を飛ぼうよ。
というのが、どれだけ我が身に迫って、コピーしていくうちに癒されたのは、知ってもらえると思う。

それでも当初の予定を超えて100コマ長。200コマに迫るボリュームは、ある程度書きなれたり、自分のように低コストコピー中心じゃないと、きっついわな。


ヨコハマ買い出し紀行
ttp://a0014028.html.xdomain.jp/yokohamakaidasi.html

となると漫画一本分。
ここらへんが楽しく書けるし、学習効果も効率的。
有名漫画だったのでAAMZで、先人の再現拡大一枚絵にも当たれたので、一話だとワンポイントに使えた。ラッキー。
本編でオリジナルを持っている人でも、コピーやパロティー的な気安さでやれる、そういう一話をピックアップすると、プロの作品なのでキリよくまとまっていると思うんで、面白いんじゃ?

でんも、自分にはパワーひまわりを育てる気力などないよ。

418名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 07:16:19
4スタッカート

スレタイですなー。
これが一番大きな挫折でしたん。

描き始めの高揚感はすごかった。
モナモナ団系の、能力バトルや拡大をぜいたくに使った演出。
シリーズ構成も100ページの小説を五本くらいで、組み立てようとか思ってた。

書く前から、打ち切り決まってたようなもんで。


>>30
にあるように、元は「大久保町シリーズ」のようなコメディどたばた劇を書こうとしたのが、
設定を借りようとしたハーメルン、ドラクエの影響を受けつつ、
そうして出来上がった敵ボス、ジョンくんが、ものすごく大暴れしてコンセプトをぶち壊していったんですなー。

楽しい喫茶店から、不穏すぎるニュース、バトルへと流れ、終いにはお客さんを殺すところまで行き。
目を疑いましたよ。
それでも力業で、今までにない作風になった的な喜びもあり、AA化していくと。
これが楽しくない。
しんどい。
元の小説もアクションが書きなれてないのはありありとしてるし。
バトル物は読んでいるとテンポが気持ちいいが、書くのは時間がかかってテンポが気持ちよくない。
第一部で打ち切り。

ネットがやになった。
AAはもっとやになった。ぶっちゃけ引退際だと思った。もう書かねー。

騙し騙し一年単位でモチベを取り戻し再開。

二部で、人死にをAAで描いた際に、漏れの中の何かがふっきれた。

もうAAは描かねー。

後遺症は大きく、復帰した今もバトル物に距離を置く始末。

バトルは書いていて楽しかった。物語が急激に動くのが楽しかった。
でも、小説で書き終わった瞬間に力尽きてしまった。
AA化して書いてるうちは、書きたいものと違うなってのが、付きまとってきた。

量的にも一定周期で書けるボリュームが、ちょうど一部で限界だったんだろう。

クレアさんごめん。
ここに宣言。
スタッカートは永久にお蔵入り。

419名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 07:20:24
ここに晒そう。

スタッカート(未完)

ttp://a0014028.html.xdomain.jp/suta.html

スタッカート小説版(完結編)

ttp://a0014028.html.xdomain.jp/sutasyou.html



元ネタ小説は完成してたんですよん。ほんとですよん。恥ずかしい出来だけど。
この小説版も、小説サイトではものすっごく評判が悪く、あー、ほんと、だめでしたー。

420名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 07:41:29
4-2 小説再現系

そこで小説再現、その限界について考えてみた。

ゲーム系、漫画系で学習したように、小説も文庫一本をAA化するのは余りに危険。
一番よく知られている例は、ししさんの「夏への扉」ですよね。
オリジナルのAAに最適化した設定に、書き下ろしの背景、文章部分を削りスリム化しても、タイムスリップの過去編の入り口で止まってしまった。
それでもあれだけ反響があったんだから、挑む甲斐はあるのでしょうけど。

自分はコピーしていて。


黄色い桜を探して(原作:√∞◆DQ/36J7k22)
水に眠る(原作:北村薫)
月の砂漠をさばさばと―ふわふわの綿菓子(原作:北村薫)

辺りの分量が気持ち良かったです。
量的に少々厳しいものがあった「水に眠る」も楽しかった。
何でかと言うとどれも原作を何べん読んでも面白いし、惚れてしまうほどに好きなんですね。

モチベも高く続いたし、やっぱ好きだから書く。
それが自分流だよなーって。
スタッカートはモナー系のメインストリームで評価されるものを書こうと、気負い過ぎてました。今思えば。

確かにバトル系は今は描けそうもないし、大久保町は燃えているかは文句なく面白いし、それが今では到底再現しきれないボリュームなのもわかるし、
だってアニメ映画化でも文庫一本丸々入んないんだよ、削らなきゃいけないんだよ、そんなボリューム個人の趣味でやるにゃ、重いよん。

自分の手で書きたいのもあるし、そうなると学習のためのコピーも、好きだけで書けるコピーも、限りがある。

となると短編、ショートショートだよなー。

でも何か最近自作小説系もボリュームが減っていて、クックものくらいのはかけそうもなく。
セミリタイアと言うか寄る年波も考えて、楽な距離を泳ぐのが吉なんでしょう。

或いは少しずつ短編を積み重ねていくとか。

421名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 07:43:18
いじょー、長々と電波な考察と愚痴を吐き出しましたです。

あとで読む自分、思いっきりヒキソウ。

日はまた昇ったよ。すっかり朝だよ。急がねば―。

422名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 08:51:05
自分はこういう感想?みたいなのは作者の人間味がリアルに出てて結構好きだったり

423名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:39:45
えー、読んでくれたの―。ありがとー。
もっとドロドロとするかと思ってたら、割と平凡ですよね、自分って。平凡でありつつ不器用で底辺って感じ。

さてさて、元々書こうとしてた、本の紹介っす。

424名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:47:45
大久保町は燃えているか(電撃文庫)


◇うさんくさいです、B級です、だからこそ楽しい

兵庫県明石市大久保町は、現在ナチス占領下にある。
この、余りに荒唐無稽な設定を、笑いながら受け止めれるか、そーゆーとこで読者を選びそう。

地の文というか、語りも真面目な個所もあるにはあるのだけど、そこで登場人物がほんとに無駄でしょーもないことを言ったり、地の文で作者がなんかヒトコト言ったり。
特にライトノベル方式に多いのですけど、メタ的と言うか、作者本人が、小説内容にヒトコト突っ込む。
これ、下手をすると寒いというか冗長と言うか、内輪ネタな感じを受けるのですけど
(特にアマチュアはキツクナイ? AA作品でも作者自らが物語中で語っちゃうの、やっぱ萎える部分があって。
 東京一人暮らしの1さんのあの作者ナレーションは本当に稀有だよねー)

これらが、大久保町では芸の域まで行ってるんですよね。なんか楽しく、それで起きる間の伸び方まで好ましく思えてしまう。

あの、そこは作者である田中哲也の関西生まれの育ちと、吉本興業で台本を執筆していたという、笑いとトークのバックボーンに支えられている気がする。

ハラハラッとする部分はあるけど、外した部分があるんで、純粋な物語を求めるとちょっとまどろっしくもあり、小説らしいロジックを求めると甘い部分もある。

でもこの甘さは、意図的に配置された無駄な枝葉や、大げさすぎるシリアスな設定に人間臭い間の抜けた人物の組み合わせなどと加わって、自分は許せるというかこのロジックの緩さこそ、本作の味なんじゃないかなと思う。
あの、凄く庶民派で、ネタ派だけど、ロマンチストなところもあるよね。ポエマーを馬鹿にしつつ、詩心を愛してるよね。とかそういう矛盾を含みつつ、あははって笑い飛ばしちゃう、その醍醐味。

苦手な人は苦手だと思うよ。
でも、自分は好きです。何度読み返しても、にやりとしてしまうし、底抜けに明るくもまだ終わってほしくない寂しさみたいなものに浸ってしまう。

これは他人に紹介するとしたら、時間を無駄にしたいときに、暇つぶしにイイよってなるんですが。
自分にはそれ以上のものがあるんだよー。

新板のハヤカワと旧版の電撃文庫があるんですけど、これは断然、電撃文庫の一択でしょう。
こちらの方が挿絵に何というか、親しみを持ちやすいし、何といっても最後の挿絵です。この絵があってはじめて物語がすんなりと閉じる、とっても大事な要素になってます。
旧版の電撃文庫ですよー。

425名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:51:03
◇このセリフと地の文の落差

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  わたしはヘルベルト・フォン・ブラウフィッチェ大佐。
|   お会いできて光栄だ。
\  ____________________
  V


  ∧_∧ 
  (,, ・∀・) 
  (il+,y0li)
  くノ,_々;;;〉
  (_,,)_,,)

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

  見事な日本語だ。当たり前だ、どう見ても日本人だ。
  ――
  「減帯」などと書いて「へるべると」と読むのではあるまいな。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::




◇なんかさ、如何にも少女少女した仕草よりも、こういうので何となく惹かれていく感じみたいなの。さり気なくも上手いと思うのですけど、どうなんでしょ?



   ∧ ∧
   (*゚ー゚)
.   U ∩
  〜(  |       ∧∧
    U U       (Д゚,, )
:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

  鼻に皺を寄せた顔を向けられ、

  「いー」と歯を剥いて、唸られた。

  妙な感じだったが幸平はそのとき、くっきり浮き出た女の子の顎の骨を可愛いと思った。

  小さく尖った顎だった。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

426名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:52:06
◇太田じいさんのピアノって、実は本作の評としても、しっくり来る。

    ♪
 ♪ ___
   \ (_ ♪
    |\  ヽ_
 ∧∧ | \   \
|(゚∀゚)|  \   >
|ノ つΓ ̄ ̄ ̄~| ̄ ̄|
( 匚____ζ―r-
|〓(_))¶  ¶ ¶


:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

  そのいい加減さが、かえって音楽を美しくしているようだった。

  歌の方も、歌っているのか喋っているのか判断のつきにくい歌い方なのに、
    長年使用してくたくたになった革のような味があった。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::/  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                           | ちょうど、かつて黒人がニューオルリンズで云々 ;
                           \____________________


◇くだらなくてさいこー




/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  哺乳類とか、イヌ科とかネコ科とか言うでしょ?
|  キツネザルってキツネ科かサル科かどっちだろうと思わない?
\  ____________________
  V


   ∧ ∧
   (*゚ー゚)
.  と   つ
  〜(  |       ∧∧
    U U       (Д゚,, )

  ∧
/   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  あれね、どっちだろうって思ってあたし調べたのよ。
|  そしたらキツネザル科なんだって。
|  ひどい話でしょう
\____________________

427名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:54:11
◇主人公にヒロイン、そして個性的なわき役たちが物語を動かす。


/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  ようどうですよね
\  ____________________
  V
          うんうん、と頷いて

/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|  そりゃなんといってもようどうだ
\  ____________________
  V

  ∧_∧  
 ( ´∀`) ←ただでさえ抜けている主人公よりも、さらに抜けている河合、
 (    )   ポエマーな西畑と共に、シリアスな空気をかき乱し、絶妙にほんわかさせていく。
 | | |
 (__)_)                   ________
                 ∧,,∧    / 君も聞くだろうか、この爆音を。
                ミ,,゚Д゚彡  <     見るだろうか、オリオンを。
                 ミ ∩∩    \
                 ミ   ミ       ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
                 ∪ ∪


◇人間臭い人たち。いい人たち。困った人たち。ちょっと近寄りたくない人たち。でも憎めない。
   気づくと、この小説は人、そして人と人、時に強引にストーリーを進める力も、主人公たちの人を和ませる間の抜けた、なんだろう人懐っこい無防備さ故なんだなって思う。



         / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         |  おかしな理屈だが、ぐっとくるね
         \____________________  The World Is Waiting For The Sunshine
                             :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

   _______________       好きだなあ、と思う。
  /
 l  鷹弦さんに 緑丘でも獅子舞やるように、  :::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::________::::::::::::::
  \   言うてもらわれへんかなあ                                /
    ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄                              l  前門の虎、習わぬ経を読む
           ________                                \
          /                                              ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
         l  親切な人もたくさんいる ________
          \             /
            ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ l  結局は自分が満足したいから人に親切ににするのだ
                        \             ________
                           ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄/
                                     l   でも、親切にされると嬉しい
                                     \
                                        ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

428名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:56:02
いじょー。
夏の終わりの読書紹介でした。

429名無しのAA書きさん:2018/09/03(月) 22:38:47
秋の始まりの本のしょーかい。

430名無しのAA書きさん:2018/09/03(月) 22:40:35
伊豆の踊子

古典として有名。にしては、意外にも40ページほどの中短編なのだ。


感覚に訴える描写、情景というか、踊り子の清廉な美しさと、旅情ある風景、風物が、読書を豊かにしてくれる。

踊り子が清廉で(解説に処女性という言葉も出るけど、むしろ今の時代ではそれに捉えられると解釈が狭くなる気がする)、清潔で、あどけなく、女でありながら幼い。
ここに主人公がその清廉さに惹かれ、それが汚れることも自分が汚すことも恐れ、適度に距離を置きながら、それは紳士的でもあって、少しずつ気持ちが近づいていく過程が心地いい。
旅の合間のなかなか埋まらない二人の距離(物理的にだが、これは心もそなのかな)や、すれ違う会話などを通して、それでも心が朗らかになる経緯が、好き。

それだけに最後が、爽やかでありながら胸に響く。
一般に言われるように、それは癒しだったり、満たされないものが埋まる感覚、だけなのだろうか。
それだけではない。と自分は思う。旅は一時、どうしようもなさ、も感じたのかなとか。
そう思わせるのは、必要以上に主人公の心を暴かない、明示しない、ほどほどに距離を置きつつも、鋭いフレーズが光る描写とその作品への姿勢にあるのだろう。
語りきらない美学。

431名無しのAA書きさん:2018/09/03(月) 22:41:56
  ∧ ∧
 (^ー^*)
  (ヽ//J
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::

   この美しく光る黒眼がちの大きい眼は踊り子の一番美しい持ちものだった。
   二重瞼の縁が言いようなく綺麗だった。

   それから彼女は花のように笑うのだった。
   花のように笑うと言う言葉が彼女にはほんとうだった。

::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::



  l二二l
   ,| |
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   ――物乞い旅芸人 村に入るべからず

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432名無しのAA書きさん:2018/09/12(水) 00:23:54
誰も手に取らないのに、本をしょーかい!
すでにこいつぁ、備忘録。

433名無しのAA書きさん:2018/09/12(水) 00:28:01
星への旅(少女架刑など)


死への色が濃い短編が6編。

やはり注目は「少女架刑」でっす。

死体のわたしが語る一人称で、死体解剖されていく過程をこれでもかと綴る。
自分は本を読むときは映像をイメージしながら読むんですけど、それを躊躇ってしまうような軽い吐き気のするような描写が、こう、クル。
死体は刻まれているのに、死人のわたしはそれに痛覚も触覚も感じずに、恥ずかしさとかを感じながら、事実をありのままに語っていく。
この語り手の置き方と、解体の描写に、これは映画、テレビやラジオでは出来ない、つまり小説ならではの、文章でしか成り立たない技だと思う。

それは、魂となって肉体の少し上を漂うような、わたしの精神。
もうね、これはシンドイノダケド、死体として、徹底的に物体としてモノとして扱われる肉体。
これによって心と身体の相克が際立つ。
自分が死んだ後に、残った肉体、死体を思うとね。もう、なんつーか、生きなきゃと。
魂ってあるんだろうか、こんな魂だったら報われるんだろうか、とか却ってこう、その心で語ることへのファンタジーに悲しくなったり。

ヘビーできつくて、けっこうだららーって続いて、それで「読み終わったーっ」て一息ついたら。
次の短編「透明標本」ですよ。この子憎たらしい、掴みかかりたくなるような配置。

あの、グロイと言っても、ゾンビホラーな「エンタメ怖い」ってのとは違って、腹に来る感じです。
個人的に、毒にも薬にもなる小説だと思うし、だからこそ、その「毒」をもっと若い感性の時に飲みたかったなって言う思いもある。


表題作、「星への旅」。
集団自殺をゴールに、わいわい旅していく話。
自殺サイトで集まって、デートして自殺―。とか意外とね、今の方が刺さるお話な気がする。(書かれたのは昭和42年)

こう熱をもって死ななきゃじゃなくて、生きるのかったるいなー、なんかないかなー、死ぬのなんてどう? いいかも! いいかも! 目標をもった旅たのしーね!
あれ? ほんとは死にたくない? 逃げよっかそのままか、あとで決めよ! いっけね、寝過ごした。

なんてね、軽いんです。(自分の曲解)
その軽さが、却ってリアルでねー、なんとなく「死にたい」って言ってた自分の青春期と微妙にシンクロして、わかるわかるーって言う思いがあって。
もちろん、この一作だけだと、その軽さ故に、浅はかだっていう批判も出来そうなんですけど。
その軽いインスタントさを、「少女架刑」らと共に配置した重さ、みたいなところに意味があると思う。

434名無しのAA書きさん:2018/09/12(水) 00:29:16

        ┌────────┐
        │ 新鮮な死体を?  │
        └────────┘

                          ∧▲
                           (,,゚ヮ゚)
                           と   O
                         /   |
                          ( _ /_ ノ_ _

435名無しのAA書きさん:2018/09/19(水) 20:43:44
ゲームの紹介でーす。
はじめて旬のものを紹介できた。
はまってしまって生活リズムずたずたん。

436名無しのAA書きさん:2018/09/19(水) 20:46:29
ゼノブレイド2(DLC 黄金の国イーラ)

◇様々な面がブラッシュアップ

これはダウンロードコンテンツなのだけど、準新作と言っても差し支えない。

グラフィックは、制作エンジンを変えたおかげで、パワーアップしている。
フィールド探索も、テンポが滞りストレスの感じる部分は減り、無理に随所に訪れさせようとする誘導も減り、探索の面白さが増している。
バトルも戦略性が増しながら、それでいてより遊びやすく、TIPSでチュートリアルを見返せるため、理解もし易くなった。
キャンプによるアイテム作成は、バトルでの能力アップアイテムの存在感を引き立たせ、フィールドアイテムの収集と直接的に繋ぐことで、マップ→キャンプ→バトルと、有機的に流れを作っている。
サブクエストは素晴らしくなり、幾つか問題は残すものの、作品を豊かにする。
ストーリーは、うーん、序盤から人物や用語がずらっと出てきて、このイーラから入るのはやや敷居が高いと思うものの、それでもイーラから始めたらこの物語のエンディングにどのような感情を植えつけられるのか、気になってしまう出来。
ムービーはとても良い。メインストーリーをひたすら追うとムービーゲーに近い割合なものの、出来は良く、特に終盤のそれには心が揺さぶられたなー。

と、ゼノブレイド2本編をブラッシュアップしたものになっている。

本編に劣るのはボリュームです。
プレイ時間、マップの数や広大さ、アイテムの種類や量、仲間ブレイドの数など。
けど、イーラだけで、20〜30時間は遊べる。
それだけ本編のボリュームが大きいわけで、むしろ大きすぎて、消化不良感や味わい尽くせない部分だったり、とっちらかった印象もあるので。
コンパクトに纏めたという評価も出来る。

本編が高級中華、珍味アリの満漢全席。
なのなら
イーラは、料亭の幕の内弁当。

437名無しのAA書きさん:2018/09/19(水) 20:49:56

◇ヒトノワ

サブクエストに当たるヒトノワシステムはとても面白い。
テキストは力が入っているし、仲間キャラクタの掘り下げはもちろん、その街の住民がクローズアップされていて、文化、社会が匂うものもあり、その土地への愛着が生まれてしまう。
メインストーリーがシリアスで重めなので、サブストーリーが何処か軽く陽の感じで、やり取りが楽しく、人助けをしている手ごたえがして、メリハリにもなっている。
料理大会や新人傭兵のエピソードが好きだな。

その土地と住民との親交が、ストーリーに憎いほどに組み込まれていて、本編を遊んでいたら、たぶんちょっと分裂のような複雑な感情になりながら、見つめることになると思う。

ただ強制しすぎている嫌いがあって。
住民と最初に会話するときの、演出はかなりテンポが悪く、不要。オプションでOFFにすべし。
また、途中でメインストーリーを進めるのに、幾つかサブを消化する必要が、文字通り義務としてあるので、能動的に遊んでこその部分なのに、ちょっとエゴい。
強制するにしてももう少し緩和してもと思う。3時間内で十分に終わる量だけど、メインが気になって仕方がないところで、水を差されたような感がある。

とても良くできている。
が、もう少し発展の余地があるだろう。

あと、中盤から後半にかけてモブとの会話が楽しく味わいがあるセリフで、生き生きとしているのに対して。
序盤辺りでは、バトルの豆知識など、ゲームを進める都合によって喋らされている感のあるセリフがかなり多く、ちょっとそっけないというか、ここは頑張って欲しかった。
たしかに攻略情報は必要だけどさー、なんだろう、ちょっと考えなさすぎな感じがして。


◇やさしい人たち

主人公のシン、ラウラ、アデルに集う人々はみんな、基本的に優しい。

ラウラは、お姉さん的な、こう、親しみのある優しさ。
シンは、表には出ないものの、氷のように秘めた優しさ。苦しい時に無言で寄り添ってくれたり。
アデルは陽気な直情的な優しさ。王として皆をひきつける人柄。
ユーゴは優等生的な育ちの良さを感じる優しさ。少し控えめなのも良い。

基本的に優しく、でも人によって個性的で微妙に違う優しさ。
それらが旅で街でふれあう感じが、シリアスなストーリーを暗くなり過ぎなくさせる。温かみ。

それらの優しさが、またヒカリと言う本編のキーキャラの心に変化を与え、その変化の果てのエンディングは……必見。

438名無しのAA書きさん:2018/09/19(水) 20:53:40
◇文化が見える、人が見える

本作ではキャンプのクラフトで料理が作れるので、それはFF15のシステムと似ていて、こちらは美麗なCGどころかちょっとした一枚絵もないので。
見劣りはする。インスタ映えはしない。
でも、こちらの方が良いと思うんだ。
それは、土地があって、例えばスペルビアって国は荒野な土地なのだけど、だからか、そのスペルビア料理ってあんまり美味しくないそうで、その土地出身の人ももちろん残念な味覚をしている。
というのをサブイベントで、表現しているんですよね。
それは美味しそうな料理が並ぶイーラという国の豊かさを、対として示していて。
そういう土地や文化を匂わせる描写が、いいなって思う。

また料理にしても、ヒカリがメシマズな料理を作るのを、前半からギャグとして描くのだけど。
これはふりかえると、不器用で、でも人に何かを味わってほしい、美味しいと言って欲しい的な、そういう献身の心みたいな、不器用で形になりにくいけど。とかが伝わってくる描写なんです。
また本編で、だからこーなのかと思わされたり、あのシーンはこうだったのか、的なものを絡めて、想像を働かせる。
一見、ウケを取りつつ、練られてます。

面白いです。
ゼノブレ2は減点方式で70点。加点方式なら1000点って感じだけど。
イーラは減点方式で85点。加点方式なら985点って感じでした。

イーラをやれば本編をやりたくなるし、本編で満足した人にはぜひ手に取ってほしいイーラ。

439名無しのAA書きさん:2018/09/19(水) 20:55:23
  メインがしっかりしつつ、サブも充実。

    ノポン族は可愛らしくも、相変わらず商魂たくましい。


              ‘,ー-.、 / : : : /
               `ヽ、::\ : : : /
           ゞ≠≠ミヽ/ヽ : ヽ :/
            ⌒≫:::/::::::|: : : |:ヽ
             Y⌒Y::::::::::|: : : : : }
               {:::::::::::: : : : :/
                  /``-、""",-\
            / : : (。:::〉: : : 〈。::):ヽ
              /: \:⊂⊃:rv‐v┐⊂⊃:、
            /: : : : : :`: .,: : ヽ.,_,ノ: :,. : '′ヽ
        ,. {: : : : : : : : : : `¨:大:¨´: : : : : : ‘,
        ,. :'": :|: : : : : : :`ヾ:弋´::::::`フ¨/: : : : : ト、
    ,. :'": :__∧: : : :、: : : :ヽ |::::::::| / : : ィ: : :|: ‘,
  =-‐''"´ /::::::::‘,: : |`¨¨¨¨ !__j ¨¨´/: : :/ト、: \
         ‘,:::/: \: |     ‘,`ー'"/ |: : /::::! `' .,_>
        ∨::.: : . ` _,,.. -‐' : : : /   .|/l:::::|
        ∧:::.: : . ‐-=-‐''"´\|   └∧/
        |ハ:::::::.: : .           . ,:'
             |:::::,> ..,,: .      ,.  /
          `'′    `¨¨¨¨¨¨\ (
                      `´


  ヒカリはとてもキャラの深みが増した。
  主人公のラウラも可愛い。JRPGとしては攻めた27歳の年齢と、そのお姉さん的な優しさが、〇。(容姿は女子大生っぽいが)

                            i|
                           i「 ̄ ̄  ,/
                    /  / ‘, /| ./ \
                        / /_ア___∨:.: |/ r 、i  ,
                   ./ / /_ア / ‘,/`(\|  ‘,
                   /   ,__ア ./ ,/ヽ (\|
                  ./ i  il  /| |    、 \|  |
                    r |  i|/\i∧  、  \ |   /i/|
                    ,  ! | 弌笊㍉  \__>―_>::'::::::ノ
               / 人|  i| vり     `ィ笊㍉ー r=个
              ./ /  |  l|         vり イ|  |  |
            __/ /  :|  l|、    ′   /:/ ∧  ,
             /| | /   .:::|  l|::\ ` - '  ..イ:/ /|i∧ 、',               \、
           /| | | / ..:::: ∧ l|_jニ >-=≦ :::::/ /:.:|l ∧ マx、             .|:::,
        ./:.:. | | |  -=ミ ___Ⅵ|[\ | i ∧_/) /:_、:|l /∧ マ \          |::::|
      __,:.:.:.:.:.: | | |'      7\\_`|__j'_.∧ ,/ ̄`\ 、∧ マ:.:.ヽ         /:::ノ
_   ⌒7:.:.:.:.:.:.:/_.//__  _/(_ __ _j⌒i_' _r― 、   \丶、}:.:.:.:.|、         //
 ̄ ̄ /7=‐   ̄_ ィf´ ̄ / / / | └i  i┘´ i⌒\} /   |\ 丶、!   ー―‐=彡
   _厂_,.。s≦/ .//    L,/、_/{ |,x(|___|)x  | )ヽ._>、.   L__)ト .,___> ` ー<

440名無しのAA書きさん:2018/09/26(水) 04:00:29
どくしょかんそー、とっきゅーびん。

441名無しのAA書きさん:2018/09/26(水) 04:11:36
ななつのこ

◇ゆるやかな日常の謎

題材は確かに日常系なのだけど、この優しくてふんわりした肌ざわりは、それだけでは無いように思う。
それは、ミステリってその謎解きの宿命か、殺人事件や密室トリックと言った、どうしても固い硬質的な殺意と言うか、人を傷つけようとする意図、のようなものが置かれることが多い。
だけど、本作での駒子の日常に起こる七つの謎は全てそのようなものから遠くにある。
大学生の毎日の延長にある、そこから生まれる想いだから、同じく毎日に生きる自分との距離は近く、馴染みやすく、人肌のぬくさにしんみりとなる。

ただ、もう一つに感じるのが、短編一つ一つのオチに至る驚きに比して、本編全体に流れるギミックやオチが、どうにも途中で読めてしまい、ちょっと緩い印象がある。
この緩さも、温かみを損なわない味と考えてしまえば、良ポイントよねん。こういうの好きですよ、自分は。

◇白いタンポポ

本作で出色なのは6番目の「白いタンポポ」です。
色がねー。色彩豊かな描写の文体と相まって、ミステリな謎と絡まって。
それも作中作の「ななつのこ」と繋げるお馴染みのギミックだけじゃなく、北原白秋の短歌の解釈の定説への一つの異見ともなり、それもまた味わい深い別解釈だなと思わせる。
そういう、前にもふれた、また連想で挙げる人も多い北村薫のファンなら堪らない、文学の匂いと日常、女の子の弱さと成長、そういうのが連なり、それぞれに効果を上げ、一纏まりとして機能している。

ちょっと、このエピソードは飛びぬけて出来が良いです。
これを読んで、ググってしまい、画像を見てほうっとなりました。



 主人公の駒子がとても身近で、そして好ましい程度の可愛らしさを漂わせるのも魅力。こういうのに、パーソナルを感じる。

  ∧∧
  ミ ゚oシ
  ( : J  ∧ ∧
  /::::::::)  (゚o゚*) 
  (,,ノ"J   (;;y:::J
        (ノ丶)

  まずは自己紹介をするのが順序だと思い、そうした。
  そのときも、後になってからも、私はあくまでも一人称に『私』を用いた。
  例えばふみさんが使っているような『お姉ちゃんはねえ』なんていう言い方は、なぜだか無性に恥ずかしかった。



     ∧_∧
    (´∀` *)      廃れたる 園に踏み入り たんぽぽの 白きを踏めば 春たけにける
    O旦⊂ )                                                 (北原白秋)
    (__(__ ̄)

442名無しのAA書きさん:2018/10/03(水) 00:38:02
本のショー会。
kindleや青空文庫で無料で読めるよん。

443名無しのAA書きさん:2018/10/03(水) 00:42:15
銀河鉄道の夜

綺麗な星空間の車窓と、それを見送りながら、しあわせとは何かを考える少年の心の対比。

美しいのは音と浪漫に溢れた情景描写だけではなく、自己犠牲も厭わない何か大きなもの、作中では神と称されるが、
天国のような理想郷のような、その銀河の情景の果てにある、しあわせな在り方、在る場所への、何というかぼんやりとイメージに浮かぶ遠景な気がする。

「ちらっ」「ぴくぴく」「ごとごと」。安易に多用すると阿呆っぽく聞こえそうなオノマトペや擬音語(要するに自分の書く文章のことざんす、アホッポイ)も、詩的な広がりを生み、音楽が聞こえるようなリズムを与えている。
そして情景。読書経験を積むごとに、文章の読み方が変わるごとに、脳内イメージで映るそれが変わったりして、だけど、じんと美しく、その美しさゆえにどこか寂しさが始終漂う。

流点観測はこれを下敷きに書いたのだけど、やはりその時点ではこの作品は十分に胃に消化されていなく、それは今もこれからずっと先も同じだなと痛感する。少しでも血肉にしたいものです。

鳥を捕る人のエピソードが好き。





サソリの話と同じく、幸せや星の対比に、ゆるしがあると思う。
ゆるされる存在、それは罪を背負う存在でもあり。
幻想的な情景を描きながら、そこにある人の、何だろう、醜さだろうか、何か、心のささくれざる、立たざるを得ないさがのような(良くわからんので略

   ________
  /
 l ぼくわからない。
 l けれども、誰だって、ほんとうにいいことをしたら、さいわいなんだねえ。
 l だから、おっかさんは、ぼくをゆるしてくださると思う。
  \
    ̄V ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄

  ∧_∧
 ( ´∀`)
 (    )
 | | |
 (__)_)

444名無しのAA書きさん:2018/10/11(木) 21:35:50
ホンショ―。

445名無しのAA書きさん:2018/10/11(木) 21:40:48
日はまた昇る


前半のパリでのあれこれ。老紳士やら何やらはちょっと退屈。
パリジャンな気怠い閉塞感、日常の弛みを表現しようとしたんだろなと思うのだけど、ちょいと、だらーっとしている。

ただ、そこからの旅の描写、豊かな自然や道々の風景はロードムービー的な、何だか景色が浮かぶ楽しいもので。
何より、舞台が整ってからのスペインでのフェイスタ(祭り)と闘牛、それに伴う恋愛劇の加速は、とても迫真性があり、一気読みしてしまう。
序盤でフラストレーションを感じても、読み進めば、それが祭りの熱気へと浄化されていく。
冷えたワインボトルが、すこぶる喉に浸みそう。

446名無しのAA書きさん:2018/10/11(木) 21:41:35

コーンはホントに嫌な感じにダメな奴で、もうね、居た堪れなくなる。

  ∧_∧
 ( ・∀・)
 ( ヽ:/ )
 (|     |
  i,_,ノi,_,ノ


反対にビルはめんどくさいところもあるが、うん、人が良くて、近くに居たら旅が楽しくなるだろなって。

    ∧∧
   (,,゚Д゚)
   (| V |)
  〜|  |
   し`J

アシュリーは美女で魔女。この娘、自分が綺麗でモテ女って、絶対に自覚してるよね!

   ∧ ∧
   (*゚ー゚)
.   U`)'')っ
    ( Y l
   (ノ丶)

雄牛に対する虚勢牛のように、ドラマの中心になれない主人公が、それでも読者の自分の身近に生きていて嬉しく、少し悲しい。

  ∧_∧
 ( ´∀`)
 (  Y  )
 | | |
 (__)_)

447名無しのAA書きさん:2018/10/11(木) 21:42:11

フィエスタが爆発した。

                    _    ,.....,
                   /、ヽ〉 .__/ r-!,
              〈 、_〉'¨7./:::::ヽ-''"
             ,rrrr‘, .r'"/::::::::/       r- 、
             |.川 .||ノ.ヽ!::::::::/       〈^ヽ_/
            r-ヽ.  |.......∧:::::/ _____       ;::::::::!
          ⌒Y  {...........∧::| /---、ヽ   /::::::::;′
               |  !',..........∧| !^ ,. ----、 /:::::: /
               |  |∧.........∧ゝ/i:i:i;i;i;i;i;i:i\:::/
              r!  ト、':,..........∧从/. .从:i:}/
       ,. ---、  〈 `¨´ ,圦........... ^..| .〈 __ |^!/
}^ヽ   /::::人:::::ヽ ト-- イ|::∧......{.....ハ マ::ソ ィf{-----、
  /ヽ ゞ:/  .ゞ-r! ;     |.{::::: \...........≧≦/../........{.......\
弋  ':,_圦 、_,,./^{    ; 乂:::::::::\...... |/Y^V............',.......... \
 \     ゝ-彳 |!    .:{  .}::::::::::::::∨........{o.......r- 、'、_..........
   \   | X、/    | √ ̄ ̄ ∨......‘,o.....辷、 .マム ̄
     \.  ´.|o`     } /        ∨.....∧。....`¨ー≦┴--
     .∧  ':,      {′   /!   .\.......':,.................廴

448名無しのAA書きさん:2018/10/25(木) 00:51:53
【公式】「Celebrate! Tokyo Disneyland」ご紹介! | 東京ディズニーランド/Tokyo Disneyland
ttps://www.youtube.com/watch?v=xVqAimrMMN8

東京ディズニーランドは夜が凄いです。

有名なエレクトリカルパレードは規模もお金の使い方もスケールが大きいのですけど。
この、「Celebrate! Tokyo Disneyland」ってshowは、一回りも二回りも、いや比較にならないくらい、凄い大きなものです。

シンデレラ城に、ディズニーアニメを主としたデジタルアニメを写し込み、それが夜空の闇に幻想的に浮かび、そこからはみ出るように光線や花火や噴水や熱火が演出されます。
これはネット動画では伝わらない類の、映像を主としたアトラクションになっています。ショーになっています。
メルヘンの塊のシンデレラ城、その存在感、その建物の大きさとそれがスクリーンになる迫力。蟻の王並みのオーラです。

これはまだ知名度がそれ程と言うのと、これから夜は冷えて寒くなってくるので。
今が見時なのでしょう。
関東圏で金と暇と彼氏を有り余るほど持っている、そんな人は是非、体験することをお勧めします。
えっ? そんな人いないって?
ここにいるじゃないですか? 漏れですよ。わたしですよ。

……人って大ウソつきです。
夢と魔法と幸せの国で何を学んだんだんでしょう。

449名無しのAA書きさん:2018/10/25(木) 01:28:56
多分、シンデレラ城をモニターにすること自体、
そのシンデレラ城が王国の何処からでも目立つ目印として配置されている、象徴的に扱われている、実物よりも高く見えるように置かれている、
どこからでもそれなりに全体像が見れる、大観衆を受け入れるキャパを持っている。
ディズニーの持つ西洋的な雰囲気、それは日本人の多くのファンタジー感の根本ともなる、を象徴している。

とか、いろいろあんだろね。ようわからんのに語っちゃったが。


見返してみたら◆8/honey2 さんのディズニー論、すごかった。
ttp://dechi.xrea.jp/library/log/D8honey2/001.html#R238

自分は本場のハロウィンを学ぼうとして、ただ遊んで帰って来たとゆー。

450名無しのAA書きさん:2018/10/29(月) 21:34:40
げげげげゲーム。レトロなゲームの紹介だよ。
バーチャルコンソールやミニスーパーファミコンとかで、遊べるよ。

451名無しのAA書きさん:2018/10/29(月) 21:39:26
ファイアーエムブレム 紋章の謎

◇ファンタジー×歴史

剣と魔法と馬と竜と、戦争と人間ドラマ。
本当に手堅いというか、王道のゲームならこの題材、というのを丁寧に仕込んで、ストーリーに組み立てている。
FFとかDQよりも、ずっと、自分が望んだバトルファンタジーを正面から描いていて、各国の思惑もナレーションでさらりだけど、何やら言外の奥行きを感じて。
クラシカルな雰囲気が、今では貴重な感じがする。そんな世界観です。
ただ主人公のマルスが優等生過ぎて、あまり立ってない。能力的にも中の上って感じで、目立たない。
エースは明らかにオグマとチキに取られてしまっている。その地味さも味。


◇ロスト

このゲームはチェスのようなボードゲームを軸にしているのだけど、
面白いのが、失ったキャラは、死なせてしまったキャラは例外を除き、帰ってこない。
屍の先を進むか、リセットをするか、選択が迫られる。
それだけじゃなく、取り逃がし要素もあって、ゲームがはまってクリアできない、また最初からやり直しを強いられる可能性まで孕んでいる。

このロストするというのが、作品の持つ戦争の雰囲気、死という戻れない一線がある緊迫感、そしてそれを踏み越えながら敢然と進んでいく歴史シミュレーションの対局感、重厚さを引き立てている。
またそれがキャラクターへの愛着を一層深める。
お気に入りのキャラを育てるには、経験を積まねばならず、戦線に立つことも多くなる。それはロストする、積み重なったものが一つの判断ミスで全て失われてしまうのと隣り合わせ。
だからこそ、ごく少ないセリフと、好みの顔グラと成長度、共に戦場を駆けていく個人的体験だけからなのに、人並ならない愛情をかきたてられる。
チェスのコマのように操っているはずのユニットが、まるで生きているかのよう。

452名無しのAA書きさん:2018/10/29(月) 21:43:25
◇二部構成

1部は初心者にも誘導があって、難易度上昇も穏やかで、取り逃し要素もそれほどではなく。
だから、ある程度幅の広いプレイも出来るし、効率性を重視したキチキチにならず、初心者でもある程度の攻略情報で遊べるし、
むしろ自分でここに壁を作って戦線を形成してとか、こうやるとこう死んでゲームオーバーになるのね、と学びながら遊ぶ側面もあり。

2部は反対に上級者使用で、ある程度先を見据えた判断や効率が求められるし、
攻略情報を見ないと逃す要素もあったり、増援でいきなりあぼーんとか平気で仕掛けてくる。
こちらは状況判断と攻略情報を求めた、ストイックなプレイになりがち。

この持ち味の大きな違いはあるものの、今のVCのお値段ならどちらか一方やるだけでもお得なボリュームだし、
第1部はファイアーエムブレムシリーズのスタンダードにして、後のエムブレム以外のSRPGにも言えることだが、豪華な感じになるものの複雑になりがちである意味余計とも言える「オリジナル」要素が削ぎ落された、
原点にしてこれこそがオリジナルな面白みを持っている。
古典的名作と言っていいと思う。

ゲームプレイの感覚は違うものの、キャラやストーリーや世界観や基本ルールは共通するだけに、
1部をやれば2部をやりたくなるのが人の性だし、その時、基礎力が付いたうえで攻略情報を見るというのも、楽しみ方としてはアリだと思う。
1部をやって、シリーズの他の作の覚醒とか、SRPGならFFTやオウガとかを経て、数か月のスパンと経験を経て2部というのもアリかな。
難易度がガラリと変わるので。



◇攻略情報いろいろ

こういうゲームだからか、SFCの中ではずば抜けて攻略情報が飛び交っている。恵まれている。
攻略本は数種類出ているし。
攻略サイトもデータ解析から章の進行のノウハウまで多種多様だ。
クリアしても「FE紋章の謎 おすすめキャラ」とかで検索すると、この人もこのキャラを使ってたのね、とかこいつ意外と使えるのか、とか、なんか楽しくなる。


攻略サイトなら確かに、かわき茶亭くらいの、ざっくばらんな指針程度なのが遊びの幅を狭めすぎないで戦略を練って遊んでいる感がする気がする。
ttps://www.pegasusknight.com/mb/fe3/tc_map1.html

自分は何回か、数年に一度、がーって遊ぶのだけど。
小学生時のはじめては攻略情報ナッシングでやって、1部の10章くらいで詰んで、あーってなって。
二回目からはその経験と、攻略本を頼りに、クリア。
最近は、すっかりヌルゲーマーと化し、この親切丁寧な攻略サイト(あら、画像など攻略本より内容が充実しているんじゃない?)を頼りに、クリア。
ttp://fireemuburemu.web.fc2.com/

453名無しのAA書きさん:2018/10/29(月) 21:46:01
  ∧∧_∧             ∧_∧
  [ii]l ・∀)             (´Д`;)
   i∩   )          く二と    )
   | | |             | | |
   (__)_)            (__)_)
ジリジリ
              
 ガルダ兵  かいぞく       マルス  ロード
 てつのおの LV1         レイピア LV1

 □□□■■            □■■■
 HIT 60  DEF 3        HIT 70  DEF7
 ATC 12  CIT 0        ATC 10 CLT16


 うそーん! HP残り 2 かよ。
 攻撃力12 -防御力7 = 5
 あぼーん?
 いや命中率が60パーだ。 避けろ! 避けろ!

 なんて思わず祈りたくなるシチュエーション。
 詰め将棋的に招ける好機があれば、回避できる危機もある。
 でも一つ何かが狂うと、判断ミスをすると、その綻びを敵側が突いて、危機が容赦なく訪れる。
 それでも、ランダムな回避率、クリティカル率に、そのコンピュータと将棋な正確性と離れた確率、パーセンテージへと希望を託し、可能性にはらはらし、熱が籠る。
 敵兵が迫ってきて、致命的な攻撃が放たれるか、躱せるか、その緊張感よ。

454名無しのAA書きさん:2018/10/29(月) 21:48:45
  ∧_N
 (  ´ー)
 ( つll→
 | | |
 (__)_)

 ゴードンが好きです。
 地味だしエース級には強くないし、台詞もそんなにないけど、なんだか堅実に戦線で敵兵を削り、
 ドラゴンナイトと戦う時に一瞬輝き、パルティアを持たせて、なんだかここまで来たのか―、って感じで好きです。

 ストーリーは、第二部5章と15章のシチュエーションが好き。



 攻略のコツは基本マスを使うチェスっぽいゲームなので、射程や移動の制限を無視できる、ワープ、レスキュー、リブロ―の杖がとても有効的。
 使える回数に限りがあるのでどこで使うか。その使いどころによっては危機を脱せるし、クリア条件が飛躍的に軽くなることもある。
 中盤で一つだけ手に入る移動力をあげるブーツも誰に使うか。ドーガが最有力だけど、エース級で壁になるユニットが候補かな。

 他にリザイア、オーラ、エクスカリバー、マスターソード、三種の宝武器。
 それらを節約しつつも、時にはケチらず思い切って使う大胆さとか。
 特に2部のリザイアは超強力。ハマーンで修復しつつ切り札になるはず。

455名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:16:13
げげげ、ゲームの時間だよ。
プレステ3のアーカイブスで遊んでみたよ。
中古のプレステ1や2って壊れてたりするけど、今回は当たりだったよ。ありがとよ。

456名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:18:37
ベイグラントストーリー

◇映画的

リスクブレイカーのアシュレイは、カルト宗教の長であるシドニーを追い、単身レアモンデに乗り込む。
そこに教会騎士団も討伐にやって来て、三つ巴の形で物語は進んでいく。

ベイグラはかなり映画に近づいたゲームだと思う。
カット割りとか心象を伝えようと凝っていて、セリフ回しも抜群で、登場人物には存在感がある。
ムービーを豊富に使っているわけではなく、ローポリゴンでグラフィックは今からすると荒いが、それも味になっている。
もちろん映像を強化したリメイクを求める気持ちはあるのだけど、そうすると本当に映画的になると思うのだけど、
それでもPS1の性能で攻めたドットとポリゴンを駆使した映像は、教会のステンドグラス絵のような、これだから出る持ち味というか、表現に昇華されている。

そのグラフィックも、吉田明彦(オウガやFFT、ニーアなど)と言う自分の中でゲームイラストレーターとしては、最上の位置に置いている職人のもので、
その中でも抜けて良く、またこのグラフィックにも合っている。
FFTのようなチビキャラじゃやっぱり佇まいの再現は出来ていなかったし、FF12のようなCGバリバリなムダ毛とかたるみとか感じさせないツルツルな絵とも違い、
少し荒くて古くて、それでいて新しいキャラグラフィックが、空間の中に生きている。
呼吸を感じる。

また崎本仁の、時に重く、時に癒しにも及ぶ、BGMが世界への疑似体験を補強する。

この松野組とも呼ばれた精鋭スタッフの持ち味がそれぞれ発揮され、一つの物語、一つの空間を作り出している。

457名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:20:15
◇魔都レアモンデ

やはり空間です。
このゲームをやっていると、このレアモンデに、実際に潜り込んでいるような気になる。
都市は朽ちた廃墟で、そこを地下街が巡り、アンデッドや獣が跋扈して、陰鬱で暗く、緊張が漂い、それでも時にはっとする美しさや安らぎの色も見せる。
効果音がとてもリアル。音の反響や、川のせせらぎや、空間にいる感じを出している。
街も張りぼてじゃなくて、歴史があって、バックグラウンドがあって、中世ヨーロッパの城下町的で、でも魔都の暗さも内包した、素晴らしいもの。
バックグラウンドは作中では多くは語られないが、十分に匂い立つし、西洋史を少しかじっていれば通じる素養も感じる。

ストーリーによる縦軸、時。
空間による横軸、場所。
が見事に一つのゲームで融合し、調和し、重奏的にゲームプレイを奏でる。

458名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:23:12
◇でもね、癖があるのよ

ここまでべた褒めだけど、かなり悪い、とは一概には言えないのだけど、癖がある。納豆級。
まずバトルと武器に癖があって、種族値によってダメージが左右される。攻撃呪文が余り効かない。
と言うのもあって、なにも下調べもせずに進めていくと、途中から攻撃してもダメージ0とか。
ファミ通40点満点やスクエアの初心者でもRPGと言う層が手に取ると、なんだ、わけわかんねー、クソゲーってなりかねない。
なんというか、このゲームが出たのは2000年で、丁度インターネットが一般家庭に普及し始める時、2002年末に第一回Flash紅白だったかな。
つまり攻略情報を気軽にさわれる人に幅がある時期で、その点でネットに一早く注目して活動していた製作者松野の、なんだろう、思い込みと言うか、逸りみたいなのが。
やはり普通にプレイするだけでもネット情報、攻略情報は必要だし、ストーリーも掲示板での口コミとかそういうのに向いていた気がする。
早すぎたんですよね。今だからこそ、プレイして輝くというか。
にしても、とあるチェインスキルを有効活用しないと初心者には難しいし、武器の使い分けも必要になる。
それらがゲーム中でアドバイスされない、そうした遊びへの誘導が圧倒的に足りない。
インターフェイスにも問題があって、武器の付け替えがロードが入って煩わしい。
癖があるのに、一般に向けた味付けがされていないんでしょう。
パクチーどっさりの現地風味のフォーって感じ?

また周回して味が出るシステムのように思えるけど、自分はしませんでした。
パズルゲームの要素があって、それでテンポと言うかプレイ感が削がれて、そのパズルもストーリーに全く関係せずに、何だろう、歪で。妙にストレスが。


◇それでも最高峰

まー、まー、尖ってる。でも、その尖り方すらも、ベイグラントストーリ-という一つの世界を表現していると思えば、煩わしささえも重厚なそれに還元されてしまう。
パクチーは好きな人はとことん好きなもので。自分も好き。
ってこって、やっぱり一番はストーリーが素晴らしく、メッセージを投げかけ、空間が素晴らしく、世界に没入させる。
楽しいものです。

ゲームというのを商品や一般というところから少し離れて、文学的な、なんだろうゲーム体験的な、自分の人生経験的な部分で置くとしたら、
最上の席の一つにこのゲームが、同じ松野製作のタクティクスオウガと共にあるのは間違いない。

459名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:25:07
◇ネタバレですよ。未プレイの人は見ないでね。信じるということ。

真実、と言う言葉がある。
確かに真実はあって、多くの人が目指すのだろうけれど、それは決してたどり着けないものだと、一方で確かに思う。
転がっているのは各々のそれぞれにとっての事実の破片ばかりだ。

それでも、それでも一つの事実を信じることが出来たら。
真実を求める思いも、何かを信じるためのもがき。なんじゃないか。
自分を信じて、ある事実を選び取る。人はそうやってより明るい方に進んでいくんじゃないだろうか。
主人公が掴んだ一つの信じられる事。
プレイヤーの自分にとって、彼はどうして経験によって殺人技を会得していったのか(一見すると実にRPGのお約束なのだけど)、という謎が残り、
そこに暗い予感を残しつつも、彼の思いに、ただ自分も救われた気持ちになって、ただ遠くからその姿を見送ることにする。

460名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:25:42
                        ┌───────
                        |シドニーも…?
                        └─v─────


 ┌─────────────
 | ああ、アイツがオレの知っている限りでは一番優秀だ。
 | 他人の過去を読みとったり、他人に自分の意志を押しつけたり、と様々だ。
 | オレの知らない能力を持っているかもしれん。
 └─v───────────




  ∧_∧
 (,, ´∀`)                ∧_∧
 (     )               X ヘハ ノ X
 |  l  〉              (∀^ ヾ|
 (___)__)              (    §
                      | Y  |!!
                     (_(__)


                      ┌─^──────
                      |哀しいわね…。
                      └──────

 ┌─^──────
 |何がだ?
 └──────

461名無しのAA書きさん:2018/11/13(火) 16:26:38


                       ┌─────────────
                       | 他人の過去を読みとって真実を手にしても、押し付ける能力があっては
                       |   その言葉が真実か嘘なのかわからない
                       | 彼は真実を話していても、それを信じさせられてしまう限り
                       |   真実か嘘かを私たちは見抜けないわ。
                       └─v───────────


 ┌─────────────
 | ふん、馬鹿なことを。
 | 人間は誰だって嘘をつく。
 | 負の能力があろうがなかろうが、嘘をつき、信じさせることは誰だってできる。
 | そうだろ?
 └─v───────────


  ∧_∧
 (,, ´∀`)                ∧_∧
 (     )               X ヘハ ノ X
 |  l  〉              (∀^ ヾ|
 (___)__)              (    §
                      | Y  |!!
                     (_(__)

 ┌─^──────
 |それにアイツがオレに嘘をつくものか。
 └──────

462名無しのAA書きさん:2018/11/19(月) 23:24:38
ゲームの感想やよん。
確かにこれもゲームだけど、テレビゲームと言う括りは、ちょっと違う気もする。

463名無しのAA書きさん:2018/11/19(月) 23:32:26
Nintendo Labo Toy-Con 03: Drive Kit

◇工作恨み節カタルシス編

自分の中での小学生の思い出に、プロペラ機の模型制作ってのがあった。
超不器用な自分にとって、工作は魔の居残りタイムだったわけで、これもクラスで一番に(無駄な)時間を費やした。

木工とか、絵とかは、時間によって、誤魔化せるというか自分なりに拘れるところもあって、そういうので居残りも苦ではなかった。
だが、このプロペラ機は、翼の紙をミスった、時間をかける、余計悪くなるという連鎖もあって、良くなる気配を全く見せず。
ようやく出来上がったそれは、作り方も悪く、飛ばし方も悪かったのだろう。全くゴムも回らず、動かなかった。
哀しい。
これによって、失敗することによって、幼くも限界を知ることになり、その道を、クリエイティブに向かわなくなったというのは、確かに正しい教育だった気がする。
しかし、教育の本来の目標として、何かを作って動かす、「成功体験」を積ますってのは、まー、ダメでしょ。

そこにnintendo laboです。
これ、構造がかなり複雑です。
特に車なんですけど、ハンドルは元より、内部もワイパーがどうのバックスイッチがどうの、かなり込み入ったメカメカしい仕組みを作らされます。

でも、それが出来るんですよ。
超絶不器用な自分でも、一人で、べたばたやって、殆ど誤らず、完成までこぎつけれた。
だから小学生3年を超える児童なら、親がちょっと見守るだけで、まず失敗せずに、出来上がるでしょー。
それも段ボール一枚から立体的なハンドルを作ったり、歯車を作ったり、それも段ボールがきちりとミリ単位で、がしりとハマる。その手ごたえ。
小さい成功体験を積み重ね、中くらいの成功を置き、休憩時間も提案してくれて、最終的に一つの形ある玩具を組み立てる。

これはCMでね、子供が遊ぶのがクローズアップされてるけれど、それもわかる。
自分が子供だったときに、こういう工作や電子工作をやりたかった。
お値段7000円くらいで、自分は八時間くらいの工作時間で、それだけだとキツイとお思いの方もいるかもしれないけれど、これは説明書のような電子解説書が懇切丁寧で、これ込みで、
これがあるから本棚の組み立てにすら難儀する自分が、迷わないで楽しくやれる。
という説明費、優秀な教師がつきっきりでマンツーマンでレクチャーし続けれくれる授業料と思えば、安い。


この工作は、大きな失敗しません。
説明が100パーセント図解されて動画で手順を追えて、それも一つ一つの細かい工程も省略せず、飛ばしたいときも、「トバス」ようなことはせず早送り機能で、工程をすっぽかす、大体の工作のミスはこういうこところにある、を無くします。

ダンボールだから紙のように折り曲げたり折り目をつける必要があるのだけど、あらかじめ少し折り目が出来ているので、それに重ねて折っていく形なので、
折り紙で失敗する(折り目とかがずれて、最終的に大きく形がずれて、はまらない)というのが無い。

また表と裏とわかりやすく色分けされているので、ミスることは無い。

プラモでありがちな、部品を無くす、部品が分からないという失敗も、少しずつ一つの素材を作るたびに幾つかのパーツを取り分ける。シートとか形とか見分けやすく、図解されて示されるので取り違いもない。

説明の仕方もユーモアがあって立ち止まってしまうような専門用語は極力控えている。
補強とか接着する役目の継ぎ目的なダンボール素材があるのですけど、「ぶっさしくん」って名付けて、なるほどね、覚えやすいし作っている身としては確かにぶっさす。
とキャッチ―にしてます。

また驚くことにノリもハサミもカッターも釘も必要ないわけで、手が汚れない、ケガをしない、そのくせ超複雑な部品を平面の段ボール紙から立体へと組み立てていく。
失敗点があるとすれば、センサーを認知する特別シールを張るところを間違える。とかかな。

素晴らしいです。これはブーム的に扱われているけど、このダンボール工作はスタンダードな学校教育に何年も耐えられるものだし、電子説明書として草分けであり見本にもなる。

464名無しのAA書きさん:2018/11/19(月) 23:35:24

◇アスキーアートに似ている

こうして、良い年したおっさんの工作体験は、見事成功に導かれた。
これはもしかしたら、自分の原初の、2000年あたりのAAのような体験だった気がする。
漫画のように絵が描けない、小説のように長編ストーリーを書けない、そんな自分が出会ったアスキーアート。
先人の書いたお手本のアスキーアートをまるまるコピペして、気軽にてきとーにセリフを入れ、それでも形になって、ちょっとだけ褒められたアスキーアート。
toyコンガレージと言う発展の道があって、自分流にAAを自作する上級者使用の奥深さがありつつも、自分は初心者の位置のままが楽しい、なんて思っているのも似ている。

凄く気軽に作れて、作成過程を導かれ、労力はかかるが、それもしっかりと設計によって計算された労力で、それなりに見栄えのする並の漫画や日曜大工を超えるものを作り出せる。
そして遥かに霞む超上級者をほうっと見つめ、遠くから眺める。(nintendo laboはオリジナルtoyコンのコンテストを開いていて、結果が公式サイトに載ってます。日本だけじゃなく、海外のも。続けてほしい)
nintendo laboは素晴らしい。アスキーアートは素晴らしい。

465名無しのAA書きさん:2018/11/19(月) 23:42:14

◇ゲーム部分は、ほどほど

ただ、ゲームはそこまでって感じ。

車、陸部分は安定した楽しさはあるのだけど。
こういうのは昔ゲームセンターでクレイジータクシーってので、スリリングにハンドル回して楽しんだ体験には及ばないし。
ある程度の山は乗り越えれてそれなりにストレスなく出来てるのだけど、疾走感は余りなく、ほどほどピクニック気分。

潜水艦、海部分は操作する仕組み、ここを回すとこう動く的な面白みはあるけど、操作に癖があって、どうも動かしていて楽しくない。

飛行機、空部分はその中間。どうも上手く動いてくれないストレスのようなものが微妙にたまる。

それなりって感じです。
フィールドもね、ゼルダとかゼノブレをやっていると、如何にも記号的で密度の低いマップ。
それなりにイベントが詰まっているので、映像を見た限りでの1,2の前作よりは遊べて、やろうと思えばある程度は充実感のある「ゲーム」を10時間ほどは遊べると思うけど。
まー、でも、ロードが入らないので、それなりに遊びやすく、フィールドを探索できる。

やっぱり、作る過程が自分は一番燃えて、そこで燃え尽きたって感じ。
ゲーム部分は、作ったものが動いた、ゲーム内できちんと機能した、ってところで。


laboとしては、どうなんだろう。
ゲーム部分を作り込んで、そのゲームを楽しく遊べるためのtoyconを編み出しました。どうぞ長く遊んでね。ってのがゲーム屋として正しい気がするけど。

あの、工作を楽しんでね、工作するとこのダンボールパーツがこう動き、この仕組みがこの動きを生むの、それがテレビ画面ではこの役割を果たすの。
どうか、未来のある理系キッズはもっと工作を楽しんでね、オリジナルのtoyconもガレージで作れるし、4弾、5弾もあるのよ。っていうアプローチこそ、玩具メーカーとしての道な気がする。
そしてその路線を進む価値はある気がする。ゲーマーをある程度切り捨ててでも。

だからまー、ゲームをやるために仕方なくダンボールを組み立てるという層は楽しめないだろうし。
その組み立てる、と言う方向に、価値を見出せる人は、ぜひ手に取ってほしい。

お値段の話してたけど、お金で買えない体験だよ。


最後にゲームとしての難点。なぜそこまでテレビゲームとして遊ぶ気概が湧かないか。
ってーのは、遊ぶのに、えらく一手間が、かかるからです。
車などのtoyコン、3つを並べれるある程度の高さの机と空いているスペースを確保して、ペダルを踏むので、車と同じように座る椅子を用意して。
そこにテレビを用意して、switchがあって。
と十分に遊べる環境を作るのにちょっと力がいって、息抜きとして遊べず、イベントとして遊ぶ場を作らなきゃ、楽しーなー、よし片付けよう、今度遊ぶ時も準備するのかとなって。

だから、その意味でかさばるし、プレイ環境が制限される意味で、いただけないです。

ただ、ペダル部分が地味ながら凄いなって思う。振動するし、微妙な力加減が動きに反映するし、踏み込む感じもあるし、大人が体重かけても壊れない頑丈さだし。

なんとなく、カメラトイコンとポケモンスナップ的なのが出てほしい。

そんな感じで。
laboの感想は遊んだ人によって大きく変わるだろうし、メインの対象年齢からは外れるだろうし、肝心のtoyconガレージにはノータッチだし、そんな駄目な人の感想でしたん。

466名無しのAA書きさん:2018/11/26(月) 06:28:15
ゲームの小説ショ―。
ささっとお茶漬け感覚で。

467名無しのAA書きさん:2018/11/26(月) 06:33:10
小説 ダンジョンマスター(電撃文庫)

ダンジョンマスターと言うゲームを下敷きにしたノベライズ。1巻で一応の完結をする。
原作ゲームは知らないが、ドラゴンクエスト、ロードス島戦記あたりを知っていれば、とっつける。

ダンジョン探検からは、バトルシーン、ダンジョンのギミックをメインに展開し、ワクワクする。
お約束を踏まえながらも、意外とバラエティがあって、エンタメ読んでるなーって気持ちが続いた。

文章面では漫画的な擬音語「ギギーッ」とかが今の自分にはダサく、また戦闘シーンで視点がコロコロ変わって一体感、臨場感を損なっているなど、幾らか粗がある。
が、特徴となっていると言えば、そうとも言える。
人物の視点移動が頻繁なのは、俯瞰してゲーム画面を楽しむプレイヤーの目線に寄せた、と言えば、確かにそういう味わい……かな?

けっこう王道なのに、主人公がリザードマンと言うトカゲ男だったり、仲間になるモンスターがアレだったり、なんか忘れられない凹凸がある。
後半の仲間パーティが団結して一つの敵に挑む感は、すごくいい。
雰囲気が適度にライトで、適度に緊張感が漂い、ほどよく自分に合っていた。

ただ、ネットで検索してみても殆ど感想がヒットしない、埋もれっぷりがヤバい。
ゲーム原作ってことと、そのゲームがマイナーなことと、トカゲが主人公ってことで、手に取られにくかったか。
ちょっとしたエンタメ佳作なんだけど。
埋もれたままでは悲しいと思い、発掘の意味も込めて、しょーかい。


.        ∧_, - 7
.        / ヽ  /`ー-、
      斤、/ヽ,、   ,ィ `┬ ' ワー 、
       l ヽ\< 〉,‐' /   ヽ     ヽ
      j\ ,ヽ__r'ヽ.___〉┐   ヽ      ヽ
    _j--' T `七iノ `く --、 ヽ       ヽ
    ̄ヨ、_三ノゝ、,イ),n'__,イ己´  j  --、   ヽ
    ` ーr '   | Lj´ ヽj リ --'ー′__  l\  ヽ._
__     ̄ `乃L、ヾア、 トキ     r' 人,ノ __l  ,  ヽ ヽ
ヽヽ     /    ヽ└'┴j    /、 \ Y 入 ノ   ヽ_ \
 \\   l   l  `ー‐´    `(^|  ソ/\|´    ヽヽ ヽ
  ヽ ヽ、_ノヽ ヽ          `i' ,々ヽ(      八 ` ヽ
   \ _   ) l          ヽ<ノ ノ ヽ.__, -  ,/    l
       フ-1  ヽ           `'´  /    l       j
      `´`7    ) 、         _, - フ ,  、∠rー 、_/
     _, 、, - '   rキ ` ー -- ― ' ̄  ,∠, ,_ヽ_r、>-ヲ
   /,!_,/7__/7-' `′         └' ̄ヽ_j ヽ'`┘
  レ'´ レ'′ レ'

竜 VS 戦士 僧侶 エルフ 魔法使い

      剣   薬   毒    毒

468名無しのAA書きさん:2018/11/28(水) 20:41:55
月の砂漠をさばさばと

  猫が飼いたい


ネタバレビュー

AA版。
出来れば原作、買ってよん。

ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/sports/3246/1536669024/356-

◇切ない

うう、切ない。
これ程のきゅきゅっは他の北村印作品でも長編の「スキップ」くらい。

さきちゃんが程ほどに大人で、子供なのがクルんだよー。
お母さんに、泣きわめくこともせず、猫を飼ってと難題を突き続けず、自転車で先に行くのを止めたりしない。
自分の幼い主張は、世間と現実と言う壁で、叶わないことを知っている。
かと言って、大人にはなり切れていない。
黙って想いをこらえるし、「近所の野良猫に」なんてメルヘンチックなことも言うし、猫を黙して連れて帰ろうとする。

それらを自分で、無理やりな行動だと知っていてそれでもしてしまうのか、いやそこまで理的になりきれない幼さなのか、ここは読者の想像に任せていて。
自分はここらへん半々の、語らないことによる、その中間の曖昧な少女らしさ、って感じて、シリーズを読んでいる。そうすると個人的に、グッが増す。

469名無しのAA書きさん:2018/11/28(水) 20:45:18
◇散りばめられた唸る表現。



    ちょっと口にしたことを、さきちゃんが覚えていてくれていたのです。
    お母さんは、温かいお風呂に入ったような気持ちになりました。

    本当のお風呂に入った時も、連れて行きました。
    さきちゃんと一緒に泳がせてみると、やっぱりうまく行きません。
    でも、そんなことはたいしたことではありません。

これ、上手いよね。最後の一文で、心から喜んでいることを、婉曲的にでも心にダイレクトに伝わる表現で書いている。

比喩にしたって。
 温かいお風呂に入る → 皮膚感覚の温かいから心を連想 → 心があったまる
は良く使われる表現だけど。
 心が温まってお風呂に入ったよう → 心の温かさからお風呂を連想 → 実際にお風呂に入る
という逆ルートは新鮮だし、少しメルヘンに陥る危険のある比喩な言葉遊びから、実際の行動に描写を移す。というところにたまらない生活感というかなー、二人の生活のリアリティと言うかなー。
そんなのを感じる。

もちろんエピソード全体で、この暖かさは、オチの状況での外の風吹く冷たさとのギャップ、対比としても効果的に配置されている。
だけじゃなく、親子で心が通い合う暖かな場面と、オチの親子でも叶わない娘の純な想いと母の見る現実というギャップ、にも使われてるのかな、とも思う。ああ!





    見ると、ちょっと先の垣根の前を、白い猫が、のんびり歩いています。
    のんきそうな足取りです。
    思ったより大きな猫でした。

    「……にゃあ、にゃあ!」

    と言ったのは、猫ではなくさきちゃんです。    


ここの見せ方も、ひたすらに上手い。
文脈から「にゃあ」は猫の鳴き声に思わせといて、それをすらっと逆転させて文章全体に驚きと遊びを加える。
それをテクとして強調しすぎず、さらっと効果だけを読者に伝える謙虚さ。

ここからのさきちゃんとのやり取りが、本当に和やかで嬉しそうで、だから別れの切なさが倍加する。
「猫が飼いたい」というタイトルが切に迫ってくる描写。

470名無しのAA書きさん:2018/11/28(水) 20:48:55



    猫は、暴れてはいませんでした。
    ただ、どういうことなのか分からず、きょとんとしているようでした。
    その恰好は、漫画の一場面のようにユーモラスなものでした。

    ――無理よ。

    と、お母さんは思いました。

    でも、さきちゃんは一途な顔をして、懸命になんとかしようとしていました。
    風がひゅうっと吹いて、さきちゃんの前髪を揺らしています。

    ――さき。

    お母さんの目からは、いつの間にか、涙がぽろぽろと溢れていました。


ここは、もうヤバい。

まず、猫のおかし気な格好を写す。
悲しい場面に一つ笑いを入れることで、心が緩み、涙腺を緩ませる。(泣け泣けモードがしつこく続くあざとい場面だと、構えちゃうじゃない?)
また主観的に極めて悲しい場面でも、一つ視点を遠く客観にすると滑稽にも思える場面だと示す、この現実感というか、この現実があるからこその主観の想いの儚い切なさと言うか。

それでさ、お母さんが(無理よ)と思う。これを「無理よ」とセリフで言えない。この言葉に出来ない想いのあや。
その言葉に出来ない想いは、(さき)という呼びかけも口に出来ないことで、いよいよぐぐっと迫ってくる。
泣いていて、喉がひくついて、形ある言葉に出来なかったとも取れますし。ここらへん、の語りの、絶妙さ。

泣いてしまう母。
さきちゃんの悲しみ、別れの切なさを、この母と言う視点、プリズムを通すことで、より引き出す視点の妙。
さきちゃんは悲しかった。とか、さきちゃんの涙やセリフを入れないことで、かえってその気持ちが大切なものとして、切実なものとして、伝わってくる、言葉のマジック。

そこで母の涙。で読者は心で共に泣いてしまうわけですけど。この対比となる、涙を書かない表現も上手く、またそれが伏線と対比となりラストの印象深さを高めている。

471名無しのAA書きさん:2018/11/28(水) 20:52:08



    アイスクリームや冷凍食品も買ってありました。
    お母さんとしては、早く帰りたいところです。
    それに、日は出ていたけれど、風が冷たそうです。
    外に出るつもりはなかったから、さきちゃんにも、暖かい恰好をさせてありません。
    お母さんはせかせかした気持ちのまま、

   「首輪してないでしょ、野良だよ。
   目で見て分からなくても汚れてるよ 」

   「……」

    そのまま、アクセルを踏みました。

   「──ノミとかいるかも知れないし、
    それにね、今、野良猫には、悪い病気が流行っているんだってさ」

    そういう記事が、新聞に出ていたのです。

   「どうしてそういうことを言うの」

    お母さんは、はっとしました。
    運転しています。
    前を見ていなければなりません。
    それでも、さきちゃんの瞳が目に浮かびました。
    濡れています。


いやー、これ上手い。(上手いしか言ってないな)
「どうしてそういうこと言うの」
お母さんはそのセリフから、瞳が目に浮かぶ それは濡れている、と想像する。
ここからさ、文字だけのセリフの奥でこう喋っている口調と言うか口元から、涙が滲むというかさ、なにか心が溢れてくるものが、こっち側にも伝わってくる。

実際に泣いているかどうかは問題じゃない。
それが伝わるほどのさきちゃんの悲しみ。
またそれが伝わったことでの、お母さんが、はっと取り戻したさきちゃんを気遣う気持ち、イマジネーション、思いやりの心。
それが読者に感じられるかどうかの勝負の描写だと思うし、だから自分には「ああ! すげー」ってなる。

472名無しのAA書きさん:2018/12/12(水) 23:33:54
お気に入りの短編を二つ。

ネタバレ気味。

物語のきらりとするところがネタバレだったりすると、
そこの印象を書きたい気持ちがわっと出てくると同時に、
でも未見の人にネタバレをさせたらイカン気がして、
とまどうのだけど、
自分はネタバレ言ってでもスッキリしたい人。自分本位。ほんとダメな人。

473名無しのAA書きさん:2018/12/12(水) 23:37:07
キリマンジャロの雪(ヘミングウェイ)

ネタバレ気味。

ヘミングウェイの有名な短編。特にその冒頭は引用率高し。
献身的な妻への隠せない苛立ち、いざこざする不穏なムード。

男はもう文字にはなることはない小説を夢想する。
なんてことない話から、徐々に形がはっきりしていき、コントレスカルプ広場の人々の雑居の生き生きとしたスケッチ、
それが反転してパリの少年の死観の欠如、そして眼を背けたくなる戦場の死の生々しさ。
とりとめもないが、流転する意識の流れを捉えた、その見事さ。

物語にはところどころハイエナが登場し、死神が登場し(その死神が二人組で自転車を連ねて走っている、この絶望的な状況でも忘れないユーモラスさ、ユーモラス故に絶望が深いこの例えの巧みさ)
逃れられない死と言うのが迫っているのを着実に読者に意識させていく。

そしてクライマックスのキリマンジャロを望んだ日の光が緑が眩しく感じる情景シーン。楽園のよう。
描写を削ぎ落したハードボイルと言う論調には、ヘミングウェイの臨場感ある目に浮かぶ情景に出会う度に、疑問を覚えるのだけど、そうした情景の中でも筆頭に挙げられるような素晴らしい世界。
暗めの夫婦のいさかいと死を中心とした描写が続くからこその、その突如の鮮烈さだし、そこからが、あー! ヘミングウェイ!





キリマンジャロは標高六〇七六メートル、雪に覆われた山で、アフリカの最高峰と言われている。
その西の山頂は、マサイ語で、”メガイエ・ヌガイ”、神の家と呼ばれているが、
その近くに、干からびて凍りついた、一頭のヒョウの屍が横たわっている。
それほど高いところで、ヒョウが何を求めていたのか、説明し得た者は一人もいない。

474名無しのAA書きさん:2018/12/12(水) 23:39:56
遠い唇(北村薫)

ネタバレ気味。

「キリマンジャロの雪」を使った暗号謎解き短編。
だけじゃなく、キリマンジャロのイメージは謎かけした女の子の孤高な気品、寂しさにも似たそれへと連なっていく。

ミステリの形として、これは新鮮で且つ機能的。

謎の暗号の答えは、謎解きをしなくても、ある程度、読者は察せると思うんだ。多分、主人公も心の奥で察していたと思いたい。
だけど、その答えの分かっているはずの謎を解くのに、謎解きをしない空白があって、何年も月日が経っている。
ミステリとして謎を解くことは事件の解決へと至る知的な快楽を伴うものだけど、本作はその事件そのものが既に終わっている。帰ってこない。

謎が解かれたときに、どうしようもない過ぎ去った時の重み、虚しさ? 悲しさ? 後悔? ほろ苦さ? 何とも言えない気持ちが襲ってくる。
確かに、学生時代のちょっと背伸びした喫茶店のレギュラーコーヒーを無性に飲みたくなる。
温かさにほっとし、その苦さに心を静めたくなる。

あの子は最後まで、謎を解いた主人公が駆けつけるのを淡く期待して待ってたのかな?
いや、やっちまった、後悔のような恥ずかしいような気持ちを燻らせ続けたのかな?
暗号と言う形にしたところに、どうしても伝えたかった思いがあって、でも伝わってほしくない思いでもあったのだろうか。
でも、それは既に過ぎ去った向こうの遠いところにある。



 AB / CDE / FGHI / JKLMK / NMJKCDOの雪 / FIPJQKRK / SMTUIJQKRK

 だからRGENSK・TNLT

      ∧∧
     ミ,,゚-゚彡
      ( y J
     /:::::::::ヽ
     "UJ~

475名無しのAA書きさん:2018/12/15(土) 00:29:07

音楽にまで手を出すなんて……

自分、音楽には疎いし、音痴だし、曲数も趣味も聞いている範囲は狭いし。
今の流れとかフリッパーとかラッパーとか(ここらへんでセンスが古いのがダダ見え)よくわからん。
のに、下手の横好きでしょーかい。

うーん、オススメと言うかなんというか。
数が出回っていない様で、プレミア価格だし、下手するとSOLD OUT。
なんでコスパが悪いし、そこまでして手に取るものじゃないだろうけど。自分は好き。
なマイナーな、もう引退しちゃったバンド。

air drop

476名無しのAA書きさん:2018/12/15(土) 00:37:14
自分も手に入れてないアルバム(よりみちパスポート、育てよわたし)がある。

477名無しのAA書きさん:2018/12/15(土) 00:39:51

air drop

とっても、とっても言葉を大切にしている人だと思います。
決して耽美な言葉も、難しい英単語も使わず、駄洒落にも通じる(故に軽くなり過ぎる)似た言葉を連ねる言葉遊びも少ない。
とても素直に実直に、自分もリスナーも使い慣れている言葉を置いているのが分かる。
歌い方も、メロディーや歌い方で、言葉をわかりずらいようにゴマかさずに、ちゃんと言葉の音がはっきりと伝わる。(可愛く朗読するのに近い?)
これだけ言葉が身近ではっきりしているのに、いやだからこそ安心感があるからか、流してみると、すっと言葉が主張せずに、カフェに流れる音楽のように、ムードを作る。作業用BGMにも向いているから不思議。

全体的に暖かい暖色系なんですけど、時折すんごく切ない歌も歌うので、そこらへんも好みにストライク。堀下さゆりにも似ている。

478名無しのAA書きさん:2018/12/15(土) 00:53:41

・ふとんの中から(雪の街)より

今日は特別に君に甘えるよ 湯豆腐をもぐもぐ食べながら

そのかわり今度の休日に 君の大好きな目玉焼きハンバーグを作るよ


・トンネルヲヌケテ(drops)より

僕らは海に出ようよ 手を伸ばせばどこまでも

行けそうな気がして 君を乗せて自転車をこぐ

暗いトンネルに響く 僕らの笑い声が

永遠に続くことはないと まだ僕は知らなかった


・あなたに会いたくなる日(drops)より これはあとの「改札」と合わせ技で来る

条件反射みたい ぼろぼろ涙が出てくる
あなたの姿を見たらほっとして

帰る電車も無くなった 人が消えた改札の
向こうであなたが立っている


・雪の街(drops)より

頬の上に落ちる 雪が僕の体温で溶けてく

この僕の中にも まだ熱がちゃんと残ってる証のように

人が溢れる町の中で いまだにつまずいたりするけど

僕は今でも僕自身をやめずに生きてる

君はどうだい?

479名無しのAA書きさん:2018/12/15(土) 01:02:36

動画はこれくらい? 歌詞は検索できず。
マイナーだからね。ああ、追いかけようにも何年も前に人知れず解散してるって、うう。
そのううを、人に押し付けてどうすんだってことですが。ながーい独り言でした。

airdrop 改札 PV 完全版
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm9428068

airdrop/ラブレター
ttps://www.nicovideo.jp/watch/sm14361944

airdrop “チョコレート”
ttps://vimeo.com/32306426

airdrop “雪の街”
ttps://vimeo.com/32425055

airdrop “バス停”
ttps://vimeo.com/32422833

480名無しのAA書きさん:2018/12/19(水) 15:25:25
ホンのショー会。
本だって、下手の横好きだい!

481名無しのAA書きさん:2018/12/19(水) 15:26:19
風のベーコンサンド 高原カフェ日誌


◇飯テロ小説

この小説は、美味しさの表現が卓越していて、読後にカフェ飯やお気に入りの店のランチを、食べたくなる。
美味の追求は、終盤のリゾートホテルの食事に収斂される。「美味しんぼ」とか「料理の鉄人」的な、超一流の(一流ではなく普段着で、畏まり過ぎない味にするのが超一流)な、料理が描写される。
しかし、読後、それでも、おそらくは味においてはグレードダウンされる主人公のカフェ料理へ、オチにあるように、無性にこちらの方に惹き込まれる。

そこには、まず

1食材の追求。
味が良いだけではなく。地元の食材、季節の食材の拘り。身近なところに美味しいところがある土地と言う舞台が生きていて、そしてその食材を作る人との付き合いも描かれる。
主人公の食材への信頼感が、読者の抵抗を緩和し、ゆるりと舌に安心感と言う秘伝のタレを加えてくれる。

2料理法の身近さ
カフェと言う環境は家庭の台所に近く、料理店ほどにきっちりとした食の機材があるわけではない。主人公も主婦+カフェ学校という経験で、センスはすさまじいと思うけど、腕前は卓越したプロと言うわけではない。
そのような設定が、「地元のカフェでもこういう料理出てくるんじゃね?」的な「俺でも料理できそう」的な、空想の高級レストランではなく、身近な生活に接した親しみを覚えさせる。

3主人公の人柄
小説の良さだろう。物語を通して主人公の不器用ながら実直に料理と向き合う、お客さんを大切にする、心が描かれる。
料理をする主体、人への好感が、「この人の作る料理は旨いのだ」「応援したい」と自然と連想を働かせる。ここは「大使閣下の料理人」と似ている。

4カフェ
家庭のおふくろの味とはちょっと違う。その野暮さは感じない。だが、ほっとする温かさは似ている。
ミシェランや料亭の洗練された味とも違う。そこまで、このシェフの腕だからこそ、目利きだからこそというのは前面に出ていない。これは先のリゾートホテルとの描写と比べても、そうだ。
凄くセンスのいい友達が趣味でやっているような食事会のような雰囲気。心地いいムードで普段の食事の延長として、少しお洒落して、肩の凝らない、だけど食を大事に思う自然な美味しさがある。
カフェ飯なんだと思う。

482名無しのAA書きさん:2018/12/19(水) 15:32:06
◇理想的なカフェの夢に対して、現実を突きつけるのは良。そのバランス感覚がやや惜しい。

料理の描写に対して、主人公の外見、カフェの内装、食事をしているテーブルや室内がやや描写不足なのかイメージしにくい。
ただ、身近にあるカフェを連想して補強するところなのかもしれない。

立地によって素晴らしい食材に出会えるメリットを置きつつ、その立地によって冬に客が来ない夏のリゾート地の厳しさ故に、それで料理が美味しくなろうとも赤字に転落する。
その現実感も良い。ところどころに出る人の醜さも、調味料の一種と思えば、コクを生んでいる。
ただ、ちょっと厳しい現実にしても身内の死者や偏屈すぎるモラハラ夫などは、カフェの軽快な雰囲気や料理の豊饒さに影を映しすぎるほどにコントラストが大きい。
ここは、拙AA「スタッカート」でこの手の喫茶店もので大失敗した自分は言えないけど、ちょっとジメッとしすぎているというか、もうちょいさらっとした日常に息づいたエピソードが欲しいかなーとか。
風音、融雪あたりのテイストが全編で貫かれていたら、かなり心にクル作品になっただろうと思う。
ここは特に、自分の好みなんですけど。




料理描写は素晴らしい。

これはインスパイアを受けて書いてみた自分のベーコンライス。
自分の書く「シード・フォー・ホープ」「タコヤキ」とかでの飯描写は意外と好評だったけど、これを読んでしまうと一つも二つも足りない、いや付け足しすぎなのかなとも思う。


デパートで買った高級ベーコン。毎朝の目玉焼きのお共に、一枚一枚ちびちび使ってきた。残っているのは二枚だけだ。でもこの厚みが、スーパーのそれとは断然に違ったりする。、
そのベーコンを二枚、熱したフライパンに落とす。
油の跳ねる音がして、やがてベーコンからも肉の油が滲んでくる。
しらばくして、色が赤めに濃くなってから、サイバシで返す。裏にはうっすら焦げ目がついている。
ここからじれったい時を待って、コゲコゲで駄目になるそのちょっと前の、カリカリと舌に反発する加減までじゅうじゅうする。
肉の表面に焦げの香りとあの少し鼻に通る味わいが出るカリカリが、自分は好きだ。
火を止め、フライパンから染み出た油を、手を移動してシンクに落とす。ただし落とし過ぎないで、油をちょっとだけ残す。
炊飯ジャーから、お茶碗に半分くらいの白米を寄そう。
その上にフライパンから直接、ベーコンをすべらせる。白いご飯の上に油が浸みこみ、赤茶のベーコンがでんと乗っかった。


うわー、野暮ったいな。下手だな。ほんと本作のベーコンサンドはこの一億倍、美味しさの描写が上手。
本作の域には自分の料理スキルそのものを磨かないと行けないような気がする。

483名無しのAA書きさん:2018/12/19(水) 15:46:23
                                                       / ///
                                              , 、        / ///
                                            ィ(: : : \    ./ ///
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                                       ィi〔ヽ,: : : : : : : : : : : :///
                                     ≦、:.:.:.:.:.:.∨: : : : : : :.:///
                                     ノ爪)h、:.:.:.:.∨: : : : : :.ヾ,,/リ
                                     \ヽ,:.:.:.)h、、:ヽ: : : : : : ::.:.:.:.i{
                                       \ヽ,:.圦ム:.:.',: : : : : : :.:.: i{
                                        ゝ='  }ム:.:.',: : : : : : :.:.:.∨
                                            }/ム:.:∨: : : : : :}:.:.∨
                                          /// !:.:.i: : : : : : !:.:.:.i{
                                          ////ノリ:.:.i: : : : : :i:.:.:.:i{
                                         ////:.:.:.:.:.:.:i: : : : : i:.:.:.:i{
                                        ////:.:.:.:.:.:.:.ノ: : : : :ノ:.:.:.:i{
                                        ////!:.:.:.:.:.:./: : : : : i:.:.:.:.:.i{
                                        '////,:.:.:.:.:.:i: : : : : : !:.:.:.:.:.》
                                    _, _ ,、 '////〉:.:.:.:.!: : : : : : }:.:.:./
                                , - ´       //// {:.:.:.:.:乂: : : : /:.:.:{
                               ノ          {////.{:.:.:.:.:.:.:.:.): : /:.:.:.:.}
                              /            '///ア=、 7== ゝ'~~し
                            , ´              ゝイ   ノ { 、
                           , '                       {_丿 丶
                          ノ                             ヽ
                        _,'_________________',_
                        ヽ三三三三三三三三三三三三三三三三三三ノ
                         ヽ                                /
                          ヽ三三三三三三三三三三三三三三三/
                           \                        /
                             \三三三三三三三三三三三/
                              ` <              > ´
                                 `丁三三三三丁´
                                    ` ー----‐ ´

ベーコンライス
AAは簡単にコピペ改造出来るから好きよ。

484名無しのAA書きさん:2018/12/23(日) 23:28:19


     ∧∧
    ミ,,゚o彡
    と V 0
     /  ,,つ
    (,/"  GOING TRIP!


そんなこんなで、なんだかんだで、今年一年もオシマイ。

今年は、短編書くぞモードで、投稿量が多めだったです。

自分は書かないモードと書くモードの差が激しく、浮き沈みが激しい割にはまだAAに拘っているとユー。

なんか、ついていくのは大変そうで、だから感想も少なめで、でも一握りでも読んでいる人いるのかな?

今年から密かにやってるゲームと本のしょーかいですが、amazonでチェックすると買ってる人、2、3人いるのかな? いや、たまたたかもしれないけど。

でも自分の好みって凄く狭いし、なんか歪んでるんで、参考になる人って他にいるんじゃないかな? って恐れ多く。

でも、読んでいる人いるんだなーって、ありがたいなーって。

ってって、来年はどうなるかわからないけど、AAや文章は好きなときに暇なときに書きたいときに、書けるだけって感じで。
ときどきどきどき。
あー、うん、趣味だからん。

お付き合いしていただいた方、自分は面倒くさい人ですけど、実りはもたらさない出会いだけど、また会えたらいいね! ね!

485名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:26:33
規制にかかったのでこちらへ。
またねしたのに、あっという間に帰って来る駄目さよ。
すげー自己満足の自分用感想文だし。
「作者の意図、なんじゃらほい」って、むしろ「俺が思った潮流だから世界の潮流なんだよ」って感じで。
すげー、ダメで、ほんと、なんで生きてんでしょ。自分。

486名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:27:35
堀下さゆり ふるさとサイレン

どんな人にもふるさとはあって
走り始めた大地があった
今日はあたしの こんな話を 話していいですか

今ふるさとは きっとはるもやの中
一面 花開くオオイヌノフグリが
上だけじゃなく下も見ること 教えてくれました

思い出すのは あのサイレン
犬の遠吠え誘う あの音が
夕日と共に消えてく
満たされてる それに生かされて

だから今もきっと今も 忘れないの もっとずっと
そして今日も夢に見るの
だけど今は帰れない

自分に自信なんて無くて
後ろ振り向くのが大好きで
それでも前を見ること出来てたね 今より上手に

だから今もきっと今も 忘れないの もっとずっと
そして今日も夢に見るの
だけど今は帰れない

だから今もきっと今も 忘れないよ もっとずっと
そして今日も夢に見るよ
泣き笑いで帰れる日

今でも忘れないよ
今でも忘れないよ
今でも忘れないよ
今でも忘れないよ

ぬかるんだ道 辿っていく
わざと足跡 残したままで
くすぐられるような 軽くなったような そんな気分で

487名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:30:49
1連

「大地があった」、自分は今はふるさとには居ないことを示す。
「話していいですか」 歌を歌う時、人はもっと強く主張しがちなもの。そこを、いいですか、と許可を得ようとするところに、どうしようもない卑屈にも似た弱さが出ている。
「どんな人にもあるこんな話」わたしの話はそのようなもの。
ただ、その卑屈さにはこれを歌うだけの覚悟というか、そういう誰にでもある話を語ることへの自信が透けて見える。それはアルバムの他の作にも書き留めないと消えていく感情を扱うのが多いことから。

2連
「オオイヌノフグリ」、フグリという言葉ね、卑猥ですよね。これを透き通った声で、切なく歌う。
音だけを聞けば下世話な印象は全くない。歌唱力が成せる技。
だが、何故、この言葉をわざわざチョイスしたのか。文字数だって他の花よりも多い。
それはイヌを次の犬の遠吠えと繋げたかっただけだろうか。

この言葉には、彼女の不器用さ、綺麗になりきれない、美しく想い出を飾り切れないその不器用さ。先の卑屈を感じるような。
と共に、オオイヌノフグリって、綺麗だよね。その名前を知らなければ、とても地味だけど、スミレのように青く咲き、春を告げる花は、田舎の郷愁にはぴったり。

その名と言うよりも実をとる態度というか、
その名をつけられたことへの悲哀(堀下さゆりって名前自体、ヒメサユリって花からつけられたんでしょ。それでも故郷の花にそれは使わない。だからこそ使えない)へのシンパシーは
「下も見ること教えてくれました」で、より際立つ。

「ふるさとサイレン」というタイトルから、上は憧れの東京、都会、大ドームツアー、とか。下は田舎のふるさととか、幼い夢破れた所とか。そこらへんも少し連想した。

3連
情景が浮かんでくる。感情があふれ出していく。この歌のハイライトだろう。

犬の遠吠えはオオイヌノフグリから、大地の底からうなるイメージを強くする。
サイレン、夕日、と、視点は先に述べられた上空、「上だけじゃなく下も」の「上」へと向かう。
それはやがて落ちていく夕日、木霊するサイレン、一日の終わり。と「下」へと消えていくもの。
だからそれに精一杯抵抗するかのような、下から天に呼応する犬の遠吠えが、それが消えていく、切なさが際立つ。

それでも「満たされてる」「生かされて」と繋げていく。
この郷愁や、終わってしまうものへの切なさは、確かに虚無だけではなく、胸を満たすもの。「生かされて」もわかる。
切ない、切ないと描写を繋げて、ここで消えてくものに肯定的な感性を置く。
その小さじ一杯の甘さは、かえって切なさを倍加したりもする。

488名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:33:29

4連

忘れない 帰れない の 結びの美しさよ。

忘れず。の自然に発生した感情。
帰らず。からの帰ることが出来ない。帰れず。その物理的、心理的障壁を感じる人工っぽさ。

それが、忘「れない」、帰「れない」と言葉では自然と並置され、音として流れるように聞こえてくる。
これは歌として音として聞くと、すごくすっと流れてくる箇所。
歌詞としての良さ。

5連

これだけ「後ろ振り向くのが大好きで」って自己否定や自虐に満ちたその心を、歌にするのって凄くない?
いやファッションで世の中、傷つけるとかじゃなくて、「俺は頑張るさー、あんたもがんばれ!系」が大勢を占める中。
もちろん、後ろを振り向くというのは「ふるさとサイレン」という歌そのものに突き刺さる。
これだけ過去を鮮やかに切り取るその感性と労力は、確かに「後ろ向き」だから出来ることだし、そのリリックの綺麗さを自分の弱さにまで追いつめてしまう。

その自己否定はここまでならいいんだよ。ここまでなら、うじうじモードの自分でも何とかいけそう。
だけど、その続きが。
「それでも前を見ること出来てたね 今より上手に」
その後ろにいる過去の自分が今よりも上手だった。この更なる自己否定と未来への淡い展望すらも、「後ろを振り向きながら」行われる。
この徹底した視点、沈み切れる気持ちって、何処から出るのだろう?

489名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:37:39
6連

4連の繰り返しと思いきや

7連で

「忘れないの」から「忘れないよ」に変化させる。
ここも先と同じく、NO、YOと言葉を自然とスムーズに変化させつつ。

「私語り」のそれこそ過去の色を濃くする「の」から、決意とこれからの未来の持続を示す「よ」へと変化させていく。

その「忘れないよ」の「よ」をリフレインする。
それこそ忘れまいと記憶に留めようとする心の動きが伝わる。
が同時に、切なさが溢れてくるリフレイン。

なのは直前の
「そして今日も夢に見るよ 泣き笑いで帰れる日」

泣き笑い。もちろん、泣くには感激系の感動と言うニュアンスはないだろう。何故、泣くか。
それはふるさとに帰るとはつまり。
都会での夢、東京でのライブやファン、ビッグになる展望、そういうものが破れる、
上への夢が消えたから「帰れる」、その下への昔馴染みの夢の帰還を意味する。
故郷への感傷の涙は、懐かしいだけではないだろう。悔し涙さえ浮かぶ。


ぬかるんだ道 辿っていく
わざと足跡 残したままで
くすぐられるような 軽くなったような そんな気分で

後ろばかり見ていた自分。少しだけ前を見ることが出来るようになった。相変わらず後ろの足跡を気にしながら。
「上だけじゃなく下も見ること 教えてくれました」
その成長の果てに、じっと見るのは足元のぬかるみ。
舗装された道でも、大通りに続く道でもなく、ただ減速していく感覚。
都会で掴めなくなっていく夢の先に進む道か、夢破れた果ての故郷への帰り道か、その道は。
「走り始めた大地があった」。ぬかるみでは、もう走れない。なんだこの切なさ。

軽くなったような そんな気分で

だけど、歩調は軽やかになる。
捨てていった重みがあるわけだ。それは都会へと抱いた夢だったり、そこで築いた人との交流や世界の広がりだったり、責任ある生き方だったり。
その分、軽くなって、前へと進める。

「くすぐられるような」に笑みが思わず内にこぼれるようなその気分(思いや気持ちじゃなくて気分と言うのが。かなり軽さを際立たせる)に、ほんのちょっとした重さの救いを求められるだろうか。

「泣き笑いで帰れる日」とあったように、泣きながらも笑える。そこにちょっとした未来への展望を込めて。

490名無しのAA書きさん:2018/12/25(火) 08:51:24

ふるさとサイレンは。

堀下さゆり リリーポップライフ~complete songs~ 。

にあります。

amazonの少数精鋭のレビュー群は、すんばらしい。
自分の駄文の後だと猶更。

自分の死海文書なダメダメなオタクキモイん、そういう古臭すぎて腐ってる文を読んでも興味を抱いた人がいたら。

「カゼノトオリミチ」「桜」「きらり」「ソーダキャンディ」も、すげーいいよ。

491名無しのAA書きさん:2018/12/30(日) 13:07:40
お気に入りの本。
年をとるたびにこの作品が好きになっていく。

492名無しのAA書きさん:2018/12/30(日) 13:11:37
リトルターン

◇絵本のような童話のような。「カモメのジョナサン」よりも「星の王子さま」に近い。

絵と文章がコラボして物語を進めていく。
その感覚は絵の多いライトノベルと言うよりも、文字の多い絵本に近い。
その言葉を使う人によくある微妙なニュアンスが自分は嫌いだが、「大人の絵本」という言葉が妙にしっくりくる。

きっと、自分の文章を中心としたAAという現在の作風は、この本による影響が大きいのだろう。
AAではD8honeyさんの作品が、目指すトップランナーなのだけど、AA以外でまず頭に浮かぶのがこれ。

文章は詩的。
難解な言葉は使わない。
だけど行間に託す部分が多々あって、読み終えた印象には、「よくわからなかった」という部分が付き纏う。
ただ、だからこそ、時を置いて、折々に読んでみて、その感想や解釈が変わっていくのが楽しい。

絵は掛け値なしに美しい。
滲みのある水彩絵だが、どこか温かいぬくみを感じるし、リアルを写していながらファンタジーの世界も感じさせる。
夕焼けの絵が私的ベストショットかな。

中身は飛べなくなった鳥の話。
拙作AA「さよなら雨の日」のモチーフは、この作品をパクったんだろうな。あと自分がパクったのは先の堀下さゆりの「グッバイレイニーデイ」。

文章そ読んでしっくり来なかったら、絵を追いながらストーリーを自分の中で組み立ててみて。
絵からそれが動くアニメーションや音をイメージしながら読むのも、オススメ。

ってことで、これは単行本を選択すべき。
文庫はサイズが小さくなるし、全面カラーなのが本作の素晴らしいところなのに、その良絵の一部が白黒ですって。ありえない!

493名無しのAA書きさん:2018/12/30(日) 13:14:30
◇ネタバレ 再び飛ぶということ

こういうのは本の紹介では楽しみを減らすイケナイことだけど。
自分の為の読書備忘録の為にも、これを書いていて自分の為に残しとく。というか、このスレに書くのは99パーセント自分の為の備忘録。ごめんね。


アジサシは自分の影を見つけ、そこから飛ぶことを思い出す。

その因果は余り作中では語られない。

今ではこう思う。

影とは鏡。空からの光によって、自分の形を写す、影絵。
未知だった地上世界を探求する。それだけでは駄目で、その中にいる自分の姿を見つけて、初めて自分が機能していく意味を見つけた。
と自分は解釈したりするけど。



でも、影を見つけたのはきっかけに過ぎないで、自分と言うものを世界と言うものをそれまで地上で探していて、様々な無駄なものを集めていたから。
飛べないことによって得られた様々な宝物、経験が積み重なったから。
それらが自分を見つめる自省を促し、それが影をみつめることを切っ掛けにあふれ出した。

ただ、あの、スランプに陥るのはほんとうにすっと何時の間にか入っていってしまうものだけど。
そこから抜け出すのには、その間にエネルギーを蓄積してきたものが、ふつふつと溢れ出す切っ掛けがあったりして。
ほんとうに、ふとした、何気ない瞬間に、「あっ。スランプ脱してるかも」とか思ったりして。
その影を見つけたという切っ掛けも大事なんだよなとか。
それが後半の、あの場面の鮮やかな感じとか。
読後感は、爽快な中にも、温かく祝福しつつも、別れがちょっと寂しい。

494名無しのAA書きさん:2018/12/30(日) 13:16:04
本作引用

・何かが壊れたのなら、それは修理しなければならない。そこでぼくはすぐさま、自分自身の壊れた部分のチェックをはじめた。

・「きみは飛ぶ能力を失ったんじゃない。ただどこかに置き忘れただけだ」

・光がなくても、それでも蝶は美しいのだろうか?

・または馬がいる時。


訳者の解説より

これは挫折者の物語、引きこもりの物語と言ってもいいだろう。

思うに二十世紀は高く飛ぼうとする時代だった。
今は逆に飛べなくなって呆然としている鳥たちの時代だ。
そういう時に、この物語が登場するというところがおもしろい。

これは必ずしも多くの普通の人に読まれる本ではないのではないか。
跳べないことで悩んでいる人、急に飛べなくなって困っている友に、この一冊をそっと手渡したい。



要するに本作の感想は


  ┌──────────────
  |   クックドゥドゥ―!
  └─────v─────────

          ノノノノ
         ( ゚∋゚)),
  _ノ⌒ヽ、/⌒\ノヽ,ノ⌒ヽ、_
 `ー,へく,'  )(〈  |)( 、,` ヘ ー'
,,ノノ, , ヽ (  \) 〈ソノノ    \
   'ノノノ   |\/|八ヽ)八)) )
          | /| ノ
         | )/
          |ノヽミ
         彡ヽ

495名無しのAA書きさん:2019/01/04(金) 19:41:03
ゲームの紹介だよ!

496名無しのAA書きさん:2019/01/04(金) 19:46:48
ファイアーエムブレム 聖戦の系譜


◇カップリング 親子システム

宮本さんの言葉に有名なのがある。彼はFEには関わってないけど。

「アイデアというのは
 複数の問題を一気に解決するものである」


正にこの言葉がとてもしっくりくる結婚システムだと思う。


1レベルリセットと、緩やかな連続性

まずFE紋章の謎の二部構成で矛盾になったのが、一部で育てたキャラのレベル、手に入れたアイテムの全てが二部では完全に別物としてリセットされること。
これはシステムの宿命で、自由にキャラに経験値を与え育てるとなると、後半になるにつれ弱キャラと強キャラがはっきりと分かれて成長が頭打ちし、どこかが緩くなっていく。
プレイヤーにとっても選択によるキャラの成長や生存が長丁場になるとプレイヤー間の個人差が生まれてきて、その格差によってレベルデザインの基準をどこにするか難しくなっていく。

だからある程度のボリュームの為には、一旦全てを0からってのは必要だったと思う。

それを聖戦の系譜では、親世代の一部と子世代の二部に分けて、レベルリセットを自然にして、また親から子にスキルが受け継がれることで、緩やかな連続性も保っている。

アイテムにしても親から子に武器は継承され、武器そのものも敵撃破数によって強くなったりして、連続性がある。
ここで上手いのが、紋章の謎にあった便利なアイテムの受け渡し、輸送隊と言うアイテム管理を楽にするツールを、ばっさり捨てたこと。
そしてキャラごとにアイテム交換は出来ない。するのにお金と手間がかかる。更にはお金は軍全体に共通するものではなくて、個人それぞれが所有している。
システムを制限することによって、不便にすることによって、楽しみを増やした。
それによってこの武器を誰に持たせるか、超強力なチート武器に修理代と言うお金のリスクを置いて、前作には薄かった金のやり繰りの緊張感と言うかやり応えを作っている。
お金を稼ぐ闘技場との兼ね合い、これまたカップリング(恋人になるとお金を受け渡せる)とも繋げているから無駄がない。




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