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スタッカート!

424名無しのAA書きさん:2018/08/28(火) 23:47:45
大久保町は燃えているか(電撃文庫)


◇うさんくさいです、B級です、だからこそ楽しい

兵庫県明石市大久保町は、現在ナチス占領下にある。
この、余りに荒唐無稽な設定を、笑いながら受け止めれるか、そーゆーとこで読者を選びそう。

地の文というか、語りも真面目な個所もあるにはあるのだけど、そこで登場人物がほんとに無駄でしょーもないことを言ったり、地の文で作者がなんかヒトコト言ったり。
特にライトノベル方式に多いのですけど、メタ的と言うか、作者本人が、小説内容にヒトコト突っ込む。
これ、下手をすると寒いというか冗長と言うか、内輪ネタな感じを受けるのですけど
(特にアマチュアはキツクナイ? AA作品でも作者自らが物語中で語っちゃうの、やっぱ萎える部分があって。
 東京一人暮らしの1さんのあの作者ナレーションは本当に稀有だよねー)

これらが、大久保町では芸の域まで行ってるんですよね。なんか楽しく、それで起きる間の伸び方まで好ましく思えてしまう。

あの、そこは作者である田中哲也の関西生まれの育ちと、吉本興業で台本を執筆していたという、笑いとトークのバックボーンに支えられている気がする。

ハラハラッとする部分はあるけど、外した部分があるんで、純粋な物語を求めるとちょっとまどろっしくもあり、小説らしいロジックを求めると甘い部分もある。

でもこの甘さは、意図的に配置された無駄な枝葉や、大げさすぎるシリアスな設定に人間臭い間の抜けた人物の組み合わせなどと加わって、自分は許せるというかこのロジックの緩さこそ、本作の味なんじゃないかなと思う。
あの、凄く庶民派で、ネタ派だけど、ロマンチストなところもあるよね。ポエマーを馬鹿にしつつ、詩心を愛してるよね。とかそういう矛盾を含みつつ、あははって笑い飛ばしちゃう、その醍醐味。

苦手な人は苦手だと思うよ。
でも、自分は好きです。何度読み返しても、にやりとしてしまうし、底抜けに明るくもまだ終わってほしくない寂しさみたいなものに浸ってしまう。

これは他人に紹介するとしたら、時間を無駄にしたいときに、暇つぶしにイイよってなるんですが。
自分にはそれ以上のものがあるんだよー。

新板のハヤカワと旧版の電撃文庫があるんですけど、これは断然、電撃文庫の一択でしょう。
こちらの方が挿絵に何というか、親しみを持ちやすいし、何といっても最後の挿絵です。この絵があってはじめて物語がすんなりと閉じる、とっても大事な要素になってます。
旧版の電撃文庫ですよー。




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