したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | メール | |

仮面ライダー総合@エロパロ避難所

1名無しさんが妄想します:2010/09/05(日) 23:57:15
エロパロ板 仮面ライダー総合エロパロスレ
の避難所です。エロパロ板に書き込めないときなどに。

*煽り・荒らしはスルーしましょう。あくまでも大人の為のスレです
*作品投下後、数レスまたは半日待ってからの作品投下にご協力お願いします
 (作品が流れるのを防止するためetc.)
*保管庫についてはエロパロ板のスレ参照
*次スレは>980が立ててください(不可能な場合は代理を頼んでください)
*ネタバレを含む雑談は警告+改行を入れる
*ネタバレを含む作品は名前欄に明記するか前書きで説明する
*エロパロ板へ転載希望あれば投下時に書き添える

260名無しさんが妄想します:2011/04/15(金) 14:35:56
>>259
いまエロパロ板>626までで405kb
次スレを立てる目安が480kb
書き込み限界が512kb

1レスにこんなふうに↓60行びっしり書くと
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1285355756/21
4kbらしいから、まだ大丈夫ですよ

261260:2011/04/15(金) 14:42:51
ごめん>>260の計算違った

262259:2011/04/16(土) 08:37:59
>>260
トン
たまに1000スレいかずに沈没してたけど
目安が分かってなかったから助かる

263名無しさんが妄想します:2011/04/21(木) 20:06:05
映画見てきた
映司は別の時間軸の比奈ちゃんと一緒に、
孤児達の親代わりになればいいよ
それでゆくゆくは本当に家族をですね

本編だと旅立ちエンドしか思い描けないんだけど、
映画だと一緒になる妄想がすんなりできたのは何でだ

264名無しさんが妄想します:2011/04/21(木) 20:54:22
>>263
>>1

265名無しさんが妄想します:2011/04/30(土) 23:56:33
しかしさ、DCDの人って士夏支持者しかいねーの?

266名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 00:09:48
俺は士夏も海夏もユ夏もユ八もシンジ×玲子さんもイブキ×あきらも美味しく頂くよ!
個人的にはアポロガイスト×夏海とか見てみたいがないだろうなw

リアルタイムだと結構士夏以外も多かったよな?
どっちかっていうとアギトの翔一×真魚とかいないの?とか気になる

267名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 01:22:33
>>266に追加で、士夏信者じゃなくて士夏書く職人さんが多いから多いように見えるだけなんじゃないか?
投下があったらそれに関して色々話したりするし。実際このスレだと海夏投下後は海夏話してたよな。
嫌なら>>265が士夏以外のカプ投下すればいいんじゃないかな。

268名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 12:05:52
士夏以外ってユ夏とかユ八とかならいたよな?
なんか、過去ログとか保管庫見てみても士夏が断然多い気がするんだが

俺の気のせいか……?

まあ、取り敢えず>>267には同意

269名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 18:06:08
最近ここを知ったので、亀だけどどうしても言いたくて。
>>106さん、生まれて初めてのどストライクでした。全てが。
特に照井。またぜひ投稿してください!

270名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 19:32:16
職人の人数と筆の早さもあるし、なんともいえんな
さしあたり、自分も>>267には同意

>>266
同志ハケーンてか、太陽×夏みかんの需要あったのかw
ヒロピンとどっちがいいか悩んで、結局そのままお蔵入りさせたよ

271名無しさんが妄想します:2011/05/01(日) 19:43:05
>>270
太陽×蜜柑………!!
かなり興味があるんだが!!


とか、言うのは反則だよな。スマン

272規制なのでこっちにage:2011/05/05(木) 17:37:06
エロパロ板>>744いいね!あと擬人化スレが落ちたのと、
スレ立てが難しくなった&480KBのほうが早かったりするんで
「基本的に980踏んだ人が立てる」を消してみた。
 URLがh抜きなのは
したらばNGワードだからです(>>9参照)、エロパロ板では抜かなくておk。


「仮面ライダーのエロパロが読みたいだと? なんだ、ここの連中の欲望は!」
「ふぅん、純愛、陵辱、萌えに燃え、か。面白いね」
「素敵じゃない。その哀しいまでの欲望……解放なさい」
「おれ、sageる〜」
「いいか、ネタバレには前置きを忘れるな! 注意書きも状況に応じて使え」
「規制で困った時は避難所の利用もあり、ってね」
「つまらないことで争うのは哀しいことよ。いい子ね、みんな」
「おれ、まもる〜」

「過去の作品を読みたいと言うおまえには感心した。パスのヒントを教えてやろう。
俺がこの手に掴んできたのはsageだけじゃなくてな。
保管庫の更新は2010年6月で止まってるってことだ」
「色んなとこ回ってきたけど、楽して読めるエロパロがないのはどこも一緒だな!」


*避難所・保管庫・過去ログは>>2
*不快な書き込みや好きでない話題はスルー、あくまでも大人の為のスレです
*ねたバレは前書き警告+空白改行をする
*属性注意書きやカップリングは前書きか名前欄に明記推奨
*他の人の作品投下後、数レスまたは半日待ってからの
 作品投下をお願いします(作品が流れるのを防止するためetc.)
*次スレは>980か容量480KB、作品投下も同じタイミングで中断して次スレへ
前スレ 仮面ライダー総合エロパロスレ13
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1295151571/


仮面ライダー総合@エロパロ避難所(規制時の投下もこちら)
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/movie/2964/1283698635/

保管庫
ttp://maskedriderero.blog53.fc2.com/
*パスはsage、と保管庫参照
「現行」とは2010年6月当時の現行TV作品のこと
環境により閲覧できないことがあります

(過去スレの羅列略)

273名無しさんが妄想します:2011/05/05(木) 20:03:42
テンプレネタ修正

「仮面ライダーのエロパロが読みたいだと? なんだ、ここの連中の欲望は!」
「ふぅん、純愛、陵辱、萌えに燃え、か。面白いね」
「素敵じゃない。その哀しいまでの欲望……解放なさい」
「おれ、sageる〜」
「いいか、ネタバレには前置きを忘れるな! 注意書きも状況に応じて使え」
「規制で困った時は避難所の利用もあり、ってね」
「つまらないことで争うなんて哀しいことよ。スルーして」
「おれ、まもる〜」
「チッ」
「ふぅ」
「いい子ね、みんな」
「いいこ〜」

274規制中:2011/05/05(木) 20:49:57
もしスレ住人にスレ立て可能な人が見当たらなかったら
エロパロ板質問スレで代行依頼をしてください。
ホント最近の規制はキツいな。

275名無しさんが妄想します:2011/05/06(金) 00:39:37
>>274
立てた
→仮面ライダー総合エロパロスレ 14
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1304609532/

276274:2011/05/06(金) 01:21:49
>>275おつです
スレ立て時はsageでも一番上になるのが仕様だから問題ない

277名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 02:41:39
投下中にこんなメッセージ出た orz

>>投稿量大杉:もちつけ(3)
やっちまったなぁ(-Lv10)


……連投規制とも違うし、忍法帳になってからよくわからん
時間を置いて、もう一度挑戦してみるわ

278名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 03:12:19
調べてみたら、どうやら忍法帳のLvがダウンして長文投下が出来なくなったらしい
途中で豚切りは気分が悪いので、こっちにあらためて投下させてもらいます



以下、注意書きです
・DCD士(大首領)×夏海で過去捏造パラレル
・エロ少なめ
・続き物4話目(順番:他スレ→前スレ>>538>>674
・NGワードは「Solitude」でお願いします

尚、1話にあたる話は「専用スレに投下できない〜」に投げましたが
BLネタ完全アウトの方は読まないほうがいいかもしれません

279Solitude 1:2011/05/10(火) 03:13:02
 ある日突然、幸運が舞い込んだ。

 なんてことはない、ごく普通の女の姿をしたその幸運は、原因が解明できなかったカードのブランク化
を解除し、次元移動によるドライバーのエラーを解消した。おかげで滞っていた大ショッカーの世界征服
計画は、一気に駒を進めることになった。
「お疲れ様です、士さん」
 バックルの稼働実験を終えた士がオーロラを潜り城へ戻ると、月影が深々と頭を下げて出迎えた。その
後ろで待つ科学者達を一瞥し、士は通りすがりにバックルとカードを一人の研究員に渡した。その胸にあ
るスタッフタグには、『結城』と書かれている。
「カードの解放に問題は?」
 素早く手にしたカードを広げた結城が尋ねると、士は鼻で軽く笑った。
「9枚のカード全部にカメンライドできたし、今回は一度も暴走しなかったぞ?よかったな、問題が片付
いて」
 雁首そろえて今まで何をしてたのか。士が言外にそう嘲ると、プライドの高い研究員たちが僅かに頬を
引きつらせた。その様子を冷やかに横目で見た士は、興味など微塵もないと敷き詰められた赤い絨毯の上
を歩きだした。
「士さん!精密検査がまだ」
「なんともねぇよ、今回はな」
 そんな面倒は御免だと、士は耳の横のあたりで軽く指を振り、さっさと絨毯を進んだ。そのまま玉座へ
と戻ると、誰もいない部屋の中で一人階段に腰を下ろしていた海東が、手にしたノートパソコンから顔を
上げる。
「やあ、士。思ったよりも早かったね」
「ただの稼働実験に、今まで時間がかかりすぎただけだ」
「言ってくれるね。あれでも、ラボのスタッフは寸暇を惜しんでプログラミングしてるんだけど?」
「頭数だけ揃ってても、結果が出ないんじゃ意味はねぇ」
「だろうね。君には結果が全てだ」
 作業をしていたウィンドウを閉じたのか、海東は膝の上のノートパソコンを閉じた。その前に立った士
は、腕を組んだまま海東の顔を見下ろすと、無表情のまま尋ねた。
「それで?」
「君はいつも言葉が足りないね。全く、主語ぐらい入れてくれないと、何を答えたらいいのか分からない
じゃないか」
 そう言いながらも、海東は何枚かの紙がクリップされたボードを士へと差し出した。
「結果はオールクリア。彼女は別にオルフェノクでもなければファンガイアでもない、正真正銘の人間だ」
「だろうな。ま、赤い血のワームかアンデッドでもいりゃ、話は変わってくるだろうけどな」
「遺伝子も隅々まで調べたが、何から何まで普通の人間だったよ。尤も、潜在的な能力のほうはラボに連
れて行かないと分からないけどね」
「はっ!あいつらに事の真相を言ってみろ。あっという間にバラバラにされて、脳細胞の一つまで、残ら
ず標本にされるのがオチだ」

280Solitude 2:2011/05/10(火) 03:13:18
 狂気にも近い研究心を持つ部下の行動を予測し、士は冷たく言い放った。それを聞いた海東が、僅かに
片方の眉を動かす。が、あえて何も言わず、士は行き詰っていた事態を好転させた女のことを思い返した。
 ディケイドを知っていた、自分と同じように世界を渡る力を持つ謎の女。数日前にこの部屋に突然現れ、
見ず知らずの赤の他人を助ける為に体を開いたその馬鹿な女は、何故か触れただけでカードにカメンライ
ドの力を与えた。しかしどれだけ問い詰めても、女はその素性を一言も言おうとはしなかった。
 快楽という名の暴力で徹底的に追い詰めて得られた収穫は、『ツカサ』という、自分と同じ名を持つ恋
人がいるということだけ。
 他の男の名を呼び、そいつに貰ったモノらしきペンダントを握り締めながら何度も体の下で果てる姿に、
無性に腹が立った。だから、気を失っている間にそのペンダントを引きちぎり、二度と男のところへ戻れ
ないように白い肌にDCDの刻印を刻んだ。
 何の目的でここへ来たのか、来歴は何一つ分からないままだが、今のところ手放すつもりは毛頭ない。
「あれは俺のモノだ。ラボの連中にくれてやる気はねぇ」
「君が一人の人間に執着するなんて珍しいね、士。僕はずっと、君は小夜くん以外の人間はどうでもいいん
だとばかり思っていたよ」
 海東の言葉は静かだが、どこか棘がある。その気配を察した士は、にぃ、と冷酷な瞳を細めた。
「何だ、妬いてるのか?かまってほしきゃ、混ぜてやっても構わないぞ」
「君のそう言う所が嫌いだと言っている。いつまでも僕が君の言うことを聞いていると思ったら、大間違い
だ」
 ぎり、と音がしそうな激しさで睨みつけてくる海東の視線に、士は何故か楽しそうに唇を歪めた。その余
裕癪癪な態度が余計に気に入らなかったのか、海東は左手を右腕の上腕部へ当てると、服の上から爪を立て
た。
「覚えておきたまえ!僕は絶対に、君の思い通りにはならない」
「その意気だ、と言いたいところが、その印がある限りあいつもお前も俺のモノだ」
「たかが刺青を一つ入れたぐらいで、支配者ぶらないでくれたまえ!」
「寝首を掻きたきゃ、いつでも来いよ。もちろん、返り討ちにしてやるけどな」
 咽喉の奥で低く嗤う士の姿を、海東は憎悪の眼差しで見つめた。その冷たい炎のような視線を背に受けな
がら、士は私室へと繋がる螺旋階段に足をかけた。
「そういえば、あいつに関して何か分かったのか?」
「……相変わらず、ナツミと言う名前以外は何も話さないし、分からないままだよ。脅してもすかしても宥
めても、頑として口を割らなかった」
 あんな頑固な女は初めてだとぼやく海東の言葉に、士は密かに苛立ちを覚えた。奈津美なのか夏美なのか
は知らないが、別に個体を識別する記号は『ナツミ』という単語が一つあればそれで足りる。だが、できれ
ばそのツカサという男の方は潰しておきたかったが、大ショッカーの情報網でも分からないのでは仕方ない。
 まあ、あの体ではもう二度と前の男の元に戻ることはできないだろうと、士は早々に意識を切り替えると、
神経質そうに爪を軽く噛む海東の姿を見やった。
「で、お前もそろそろ気が済んだか?」
「何がだい?」
「とぼけるなよ。何が気に入らないのか知らねぇが、お前、あいつのこと目の仇にしてたろ?」
 冷静を装った海東の瞳に、一瞬だけ動揺が走ったのを士は見逃さなかった。しかし他人の、それもお気に
入りの玩具にすぎない側近の心情など知ったことではないと、士は軽く鼻先で笑った。
「お前があいつに何をしたのかなんて、俺は別に興味ねぇからな。だが、尋問程度なら味見もいいが、壊す
のはナシだ。わかったな?」

281Solitude 3:2011/05/10(火) 03:13:42
 憎々しげな瞳を向ける海東に釘を刺し、ステップに足を乗せる。動揺を顔に出したのは一瞬で、海東は即
座にいつものポーカーフェイスを取り戻すと、深い溜息を吐きだした。そして、階段を上る士の背に向かい、
冷静な声を投げつける。
「待ちたまえ。現時点での各世界への侵略状況や世界を繋ぐ橋の維持について、まだ報告が残っている」
「そんなもの、月影にしろ。俺は知ったこっちゃねぇ」
「まったく、アバウトにも程があるね。これじゃ、どっちが組織のトップだかわからないよ?」
 先ほどまでのものとは全く違った意味で冷たく言い放つ海東の言葉には耳を貸さず、士はさっさと階上に
あるプライベートフロアへと移動した。基本的に、このフロアには執事でもある月影と、玩具兼側近である
海東以外は、大幹部ですら立ち入ることは許していない。あとは精々メイドが入るぐらいだが、メイド達は
基本的に戦闘員と同じ存在であり、個々の意思はない。その為、士は戦闘員やメイド達のことを、路傍の石
程度の認識しかしていなかった。
 当然ながら、遊びで抱く相手を連れこんだことなど一度もない。
 しかし今、その完全なるプライベート空間である部屋の中には、一羽の小鳥が閉じ込めてある。偶然手に
入れた幸運の小鳥だが、捕えてからそろそろ1週間近くなる。同じ相手を何度も抱くことは今までなかった
が、何故かナツミに関しては未だに飽きる気配を感じなかった。
 尤も、海東という例外的な先例があるのだから、固執すること自体は珍しくないのかもしれないと、士は
珍しく興味が長続きしている自分をそう分析した。
 生体認証でロックされた扉を開け、中へと踏み込むと、一人掛けのソファに体を沈めたナツミが、物憂げ
な眼差しで窓の外を見つめていた。すでにその胸にDCDの印を刻んではあるが、逃走を防ぐためにも服を
着ることは許してはいない。質のよい下着類と、寒さ避けのガウンだけを与えたナツミの姿は、高級娼婦の
それに近かった。
「待たせたな」
 扉の開く気配に気付き、視線をあげたナツミの側に近付いた士は、細い顎を掴んで引き寄せると無遠慮に
唇を割った。もはや逃げることを諦めたのか、ナツミはさしたる抵抗を示すこともなく、されるがままにな
っている。
 素直に口づけに応じるナツミを見下ろし、士は唇の端を吊り上げた。
「なんだ、今日は随分と大人しいじゃないか」
「他の世界へ実験に行ったって、だ…海東さんに聞きました。他のライダー達と、戦ってきたんですか?」
「血の匂いは嫌いか?」
 意地の悪い言葉で返答を誤魔化すと、何故かナツミは酷く悲しげな目をした。非難というよりは、むしろ
心配するようなその視線に居た堪れなくなり、士は軽く息をつくとナツミの体を離した。
「ただのカードとバックルの性能テストだ。まだ実践レベルじゃねぇよ」
「え?」
「確かにディケイドに変身はできるが、まだ安定はしてねぇ。世界を移動しただけで、あっというまにエラ
ーの連発だ。お前がカードに触ったおかげで、ようやくまともに動くレベルになったっていう、お粗末な代
物だ」
「そう、なんですか?」
「そういうこった。分かったらさっさと風呂入れろ」
 そう言って顎をしゃくると、ナツミはどこか安心したように小さく微笑み、言われた通りに浴室の準備を
始めた。

282Solitude 4:2011/05/10(火) 03:14:00
 隷属はしないくせに、要求は飲む。全くもって妙な女だと、訝しみながら軽く溜息をついた拍子に、全身
のいたるところに不自然な痛みが走る。カードのブランク化が解除されてからこっち、連日のように長時間
の稼働実験を続けているせいで、さすがに体が鉛のように重くなっている。
 暴走はしなくなったとはいえ、まだまだディケイドのシステムは改良の余地がある。だが、見方を変えれ
ばまだまだ伸び代があるということでもある。士はそこかしこに残っているであろう青痣を確認することも
せず、疲労と寝不足からくる欠伸を一つ噛み殺すと、無言で立ち上がり身に着けていたものを脱ぎ捨てた。
 熱いシャワーを浴びて、一発ぐらい抜けば頭もすっきりするだろう。
 ナツミが出てきたところを捕え、もう一度浴室へと押し戻す。まだ下着を着たままだったが、構わずにシ
ャワーのコックを捻ると、あっという間に二人とも濡れ鼠になった。
「早くしろ」
 短く命令すると、ナツミは慣れた手つきでボディーソープを泡立て、丁寧に士の体を洗い始めた。この部
屋に監禁した翌日あたりに気まぐれで命じてみたところ、それが思いのほか心地よかったため、以来ここで
シャワーを浴びる時はナツミに体を洗わせている。こんなことをさせたのも、やはりナツミが初めてだが、
どうしてそんな気分になったのかは自分でもわからなかった。
 正面に回ったナツミが、そこらじゅうにある痣の一つを指でそっとなぞる。
「なかなか消えませんね……」
「あれだけ不安定なモノを使ってるんだ。消えるわけねぇだろ」
「ディケイドの変身って、そんなに体に負担がかかるものなんですか?」
「言っただろ、ようやくマシになったレベルだって。暴走なんざ日常茶飯事だ」
「それなら、せめてもう少し改良できるまで待てないんですか?」
 気遣う気配を隠そうともせず、ナツミが真っ直ぐに士の顔を見上げる。その視線の居心地の悪さに耐えき
れず、士は誤魔化すようにナツミの体を浴室の壁に押しつけた。すっかり濡れてしまった下着の隙間から、
するりと指を忍び込ませる。
 そこに伝わる感触を確認し、士はわざと人の悪い笑みを浮かべた。
「一人でちゃんと出来てるな」
「………っっ!!」
 途端に、心配に顔を曇らせていた夏海の頬が赤く染まる。羞恥心から顔を背けるナツミの横顔を堪能しな
がら、士は貼りついていた下着を落とし隠すもののなくなったそこを手で包みこんだ。
「こんな格好、もう他の野郎には見せらんねぇよなぁ?」
「やっ……つか、さ」
「いい眺めだぜ?」
 つるりとした感触を指先に伝えてくる柔らかい丘には、本来あるべき茂みがない。コトの最中に前の男の
名を呼んだ罰として、士が全て剃り落としたのだ。恥辱に涙を滲ませるナツミを組み敷き、以後二度と他の
名を呼ぶなと体だけでなく心までをもねじ伏せた。
 そして、自分のことは『士』と呼ぶように命じ、ナツミはその命令に大人しく従っている。
「どうして…?」
 どうして、嗜虐的な行為を強いるのか。どうして、自分を選んだのか。たった一言とはいえ、そこに込め
られた疑問は多々たるだろうが、そのどれにも応える意思のない士は、鼻先で軽く笑うとナツミの言葉を聞
き流した。
「さあな」
「あっ……!?」

283Solitude 5:2011/05/10(火) 03:14:18
 まだ泡が残っている体を密着させ、すっかり勃ち上がったモノを白い脚の間へ押しこむ。泡と湯で濡れた
花弁に自身を擦りつけ、擬似的な行為で羞恥心を煽ると、予想通りナツミは耳の縁まで真っ赤に染めた。し
かし、与える刺激に女の部分は敏感に反応を示しているらしく、だんだんと滑りが良くなってくる。
 僅かに呼吸が乱れてきたナツミの片脚を抱え大きく開かせると、蜜を湛え始めていたそこはいとも簡単に
猛った欲望を飲み込んだ。
「ふぁっ……あ、ああっ」
 前戯など何一つ施さぬまま、滾る欲望のままに白い体を貪る。冷たい壁に爪を立て、必死に律動に耐える
ナツミの態度とは反対に、その体は貪欲なまでに快楽を貪ろうとしているらしく、士自身へといやらしく吸
いついてくる。その心地よさに、無意識のうちに唇の端に笑みが浮かんだが、同時に不可解な苛立ちも生ま
れる。
 最初こそ激しく抵抗したものの、今ではすっかり従順になったナツミの瞳は、どこか暗く沈んだままだっ
た。だが、自分の意思と言うものを放棄しているわけでもなく、さりとて海東のように、大人しく命令に従
う素ぶりの影で憎しみを募らせているという様子でもない。そのくせ、過剰なまでの心配や気遣いはしてく
るのだから、隷属や屈服というよりは自ら望んで側にいるとしか思えない。
 あるいは、心理学でいう所のストックホルム症候群ってやつか。
「くそっ……」
 この苛立ちは、単に疲労からきてるものだ。
 士はそう自分を納得させると、ひたすらその行為に没頭した。甘く濡れた声を上げる体を思うままに蹂躙
し、仰け反る咽喉に軽く歯を立てるようにして唇を這わせると、獰猛な快楽に精神が高揚する。愛撫など施
さなくても、ナツミのそこは十分な潤いを湛えて士を咥え込んでいる。淫らに吸いついてくる奥へと誘われ
るまま、士は昂ぶる気持ちをぶちまけた。
 崩れ落ちかけた体を反転させ、浴槽に縋らせた所をすかさず背後から貫く。
「あっ……あん!あふ……っ、くぅ、んんっ!!」
 浴槽の縁におしつけるように、細い肩を押さえこむ。もう片方の手で腰を確りと引き寄せ、一切の抵抗を
封じた士は、ただ欲望のままにナツミの体を突き上げた。
 逃げるはずがないと分かっていても、これはもう癖のようなものだった。
「はっ…」
 荒く早い呼吸の合間に、短い声が混じり、ナツミの甘い声と絡まって浴室の中に響き渡る。しかし快楽に
蕩けきった瞳で喘ぐナツミの顔は、やはり酷く悲しげなままだった。どれだけ抱こうとも、決定的な何かが
手に入らないもどかしさに、士はナツミの腕を掴んで上体を大きく逸らさせた。
「痛っ…!やっ、士……」
 苦痛を訴えるナツミの声に、士はようやく慣れ親しんだ感覚を取り戻した気がした。そう、セックスは雄
の本能を満たすゲームにすぎない。獲物を力で手に入れてこそ、その快感はより大きいものになるのだ。
 士は拘束を解くことを懇願する唇に指を押しこみ、口腔を荒く嬲った。
「甘えたことぬかしてんじゃねぇよ。お前はただ、そうやって大人しく脚を開いてればいいんだ」
「ぅんっ、ん!ふぁ……あ、ああ!!」
 暴力にも等しい行為で濡れた内部を抉り、一方的に快楽を貪り食う。蹂躙される苦痛からか、ナツミの瞳
にうっすらと涙が浮かぶのを見て、士は何故か胸のあたりが苦しくなった。その苦痛を排除しようとしてい
るのか、常よりも加虐的な衝動がこみ上げてくる。
「イク、ぞ………っっ!!」
「あ……っっ!?」

284Solitude 6:2011/05/10(火) 03:14:36
 まだナツミが達していないのを承知で、自分だけ快楽を極める。背筋を駆けあがった欲望が迸る寸前に自
身を引き抜き、物足りなそうな声を上げたナツミの顔へ向け精を吐き出した。まさかそんな仕打ちを受ける
とは思ってもいなかったのか、反射的に硬く結ばれたナツミの瞳から一筋の涙が零れおちる。その口元へと
欲と愛液に濡れたモノを押しつけ、綺麗に舐め取ることを強制すると、夏海は涙を含んだ睫毛を薄く持ち上
げ素直に舌を這わせた。
 白濁した欲に穢れた白い肌で事後の奉仕をする姿に、歪んだ征服欲が満たされたのはほんの一瞬のことで、
士は全身を覆い始めた虚無感から無言でナツミに背を向けた。
 バスローブを引っかけペットボトルの水を一本開けると、体だけは単純な解放感で若干軽くなった気がし
た。しかしそれとは逆に、頭の芯はどこか痺れたように麻痺していて、鈍い痛みがこめかみの辺りを締め付
ける。だが、じわじわと感情を蝕んでいく不快感の正体を突き詰めることは、士のプライドが許さなかった。
 空になったボトルをゴミ箱へと放り投げ、ベッドの上に転がっていると、顔と髪を洗い終えて出てきたナ
ツミが乾いたタオルで水滴を拭い始めた。
 あれほどの仕打ちをした相手に、何でここまで世話をやけるのか。士にはナツミの行動がさっぱり理解で
きなかったが、振り払うのも面倒になり好きなようにさせていた。
 今までの相手は、コトが終わった後は側に気配を感じるのも鬱陶しかったが、そう言った意味でもナツミ
はイレギュラーだった。
「酷い顔してます。少し休んだほうがいいですよ?」
「そんな暇はねぇ」
「ダメです。1時間……いえ、せめて30分でもいいから寝て下さい。目の下がクマで真っ黒です」
「煩ぇな、お前は俺の母親か?つけ上げんじゃねぇぞ」
 本気で苛立ちを覚えて凄んでみたが、それ以上にナツミの目は真剣だった。組織の人間の上辺だけの心配
とも、小夜の縋るような心配とも違うその目に、士は何故かおぼろげとなっている母親の面影を思い出した。
 なにがどうなったのかは分からないが、ナツミが心の底から自分を案じていることは疑いようもない。今
まで死んだ両親以外にそんな態度を取られたことがない士は、どう対処していいかわからなくなり、結局咽
喉まで出かかった怒声を飲み込み視線を外すことで逃げた。
「………30分だけだからな」
 ごろりと背を向け、目を閉じて寝たフリをする。どうせ他人がいる場所で眠れるはずがないのだから、た
だ転がってるだけでこの居心地の悪いやり取りを終わりにできるなら、それに越したことはない。
 何故かはわからないが、ナツミが相手だと調子が狂って仕方がない。気まぐれで囲っただけの相手に翻弄
されている事実が気に食わず、士は深々と溜息を吐きだした。


 やがて意識がふつりと途切れ、深い闇の中に薄れかけた遠い日の思い出がいくつも浮かんでは、儚く消え
ていった。


 今では思い出すことすらしなくなった記憶が、何故脳裏をよぎったのか。その疑問とともに目を開けると、
いつの間にか周囲は斜陽によって仄かに赤く染まっていた。
「!?」
 時間の経過感覚がおかしいことに気づき、弾かれたように体を起こすと、その拍子に体の上にかけられて
いた布団がバサリと音を立てた。

285Solitude 7:2011/05/10(火) 03:14:55
「あ、目が覚めました?」
 驚きに跳ね起きた士とは対照的に、ソファで本を読んでいたナツミはゆったりとした動きで顔を上げ、何
事もなかったかのように穏やかな声をかけた。
 シャワーを浴び、ベッドの上に転がったのは、確か昼を回って間もない頃の筈だった。しかし今の光線の
具合から考えれば、時刻は夕方へさしかかっていることは疑いようもない。いくら疲れていたとはい、まさ
か自分が他人の前で熟睡するなど考えてもみなかった士は、すっかり乾いてしまった髪をぐしゃりと握り潰
した。
 誰かが部屋の扉を開けただけでもすぐに目が覚めるのに、何故ナツミがいるこの部屋で眠れたのか。全く
もってあり得ない事態に士が静かに混乱している間も、ナツミはワゴンに乗せられた電子ケトルを傾け、ご
く自然な動きでコーヒーを入れている。やがて目の前に出されたマグカップを、士は混乱のまま素直に受け
取り口へと運んだ。
 これもまた不思議なことに、何も言っていないにも関わらずちゃんと士の好みに合わせた甘さになってい
る。
「確かに疲れてる時は、甘いものをとったほうがいいですけど……でも、お砂糖はもう少し減らしたほうが
いいですよ?」
 そう言うナツミのほうは、どうやらブラック派らしく、ミクルも何も入れていない。思ったよりも、コー
ヒーを入れるのは上手いらしいが、そもそもどうして自分がコーヒー党であることを知っていたのか。たま
たまナツミ自身がコーヒー好きなだけかもしれないが、それにしても何から何まで誂えたような出来である。
 流石にその日はすぐに屋敷へと帰ったものの、士はこの異変を甘んじて受けている自分に腹の底から疑問
を覚えた。ナツミに関しては、本当に一から十まで異例尽くしである。
 しかし、と士は確実に動揺を見せる自分の感情を叱咤し、大首領としての己に意識を集中させた。
 バックルとカードの安定化が図られたのであれば、その次の段階である強化態の開発も飛躍的に進む。先
月まではまだ構想段階だったコンプリートフォームの研究開発は、すでに基本プログラムを組み上げるとこ
ろまで来ているのだから、たかが女一人にかまけている場合ではない。そうは思うのだが、何故か足は自然
とナツミの居る部屋へと向いてしまう。
 昼は開発と実験とトレーニングにあけくれ、夜が更けてからはナツミの体を弄ぶような日々を繰り返すう
ちに、士はますます自分自身が分からなくなった。
 快楽という力で追い詰め啼き声を上げさせていると、何かを探すようにいつもナツミの腕が宙を彷徨う。
今までそうしてきたように、その手首を掴んでシーツに縫い止めるのだが、そうすると一瞬だけ深い悲しみ
がその瞳に浮かぶのが謎だった。その謎を残したまま体を重ねる度に、より強くナツミが欲しくなる自分の
感情が理解できず、その苛立ちを衝動へすり替えさらに激しく凌辱する。
 気がつけば、今までのように目に付いた行きずりの誰かを抱こうという気分は、欠片もなくなっていた。
「くっそ……何だってんだ」
 いつものように欲望のまま白い肌を蹂躙した後、シャワーを浴びながら士は鋭く舌を打った。
 今まで何人もの相手を抱いてきた。その中にはナツミよりももっと見目のいい女もいたし、男女を問わず
ソコの具合の良さだけは極上の相手だって何人もいた。容姿は確かに平均以上ではあるものの、ずば抜けて
いいというわけでもないはずなのに、何故こうも一人の女に気を取られるのか。今まで自分の中に不可視な
感情などなかっただけに、余計に士はこの状況が納得いかなかった。
 バスローブを羽織りベッドに戻った士は、絶頂の果てに意識を手放したナツミの姿を見下ろし、冷酷な眼
差しを浮かべた。
 不要な奴は、排除すればいい。

286Solitude 8:2011/05/10(火) 03:15:12
 自分にしては結構な時間興味が持ったほうだが、そろそろ潮時なのかもしれない。これ以上自分のペース
を乱されるのは御免だと、士は無言で腕を伸ばし、無防備に晒されたナツミの細い咽喉に掌を当てた。
 士にとって、小夜と自分以外の全ての人間は全て他人であり、使い捨ての道具にすぎない。そして、道具
はあくまでも使うものであって、決して振り回されてはいけないのだ。
 組織を裏切った者や、抵抗する者に対し制裁を加える時と同じように、なんの感慨も浮かべない氷の表情
でゆっくりと咽喉を握る指に力を込めていく。肌にかけられる圧力によって血流を遮られ、掌に伝わる拍動
が回数を増やすはずだった。

 しかし、力を込めた指先に感じたのは、今にも消えそうなほどに弱々しい脈拍だった。

「おい……ナツミ?」
 思わず咽喉にかけていた手を離し、むき出しの肩を掴んで体を揺さぶる。しかし、ついさっきまで欲に染
まり熱を帯びていたその肌は、すっかり冷え切っていた。
 今しがたまで自らの手で殺そうとしていたことなど忘れ、士は思わずその体を抱き上げると大きく揺さぶ
った。
「起きろ、ナツミ!聞こえるか?」
 しかしいくら体を揺らし、何度も頬を叩いても、ナツミの瞼はピクリともしない。それどころか、その肌
は一秒ごとに色を失い、鼓動はさらに弱くなっていく。桜色から紫色に変わり始めた唇が震え、そこから溜
息と共に小さな声が零れたのを、すかさず耳を寄せて聞き取る。
「待って…いかない、で……」
 すう、と眦から涙が一つ滑り落ち、みるみるうちにその体から力が失われる。抱きしめた体から、急速に
命の気配が失われていく感覚に、士の意識は冷たく冴え渡った。このままでは、間違いなくナツミは死ぬ。
自分の手の中からお気に入りの道具が奪い取られる感覚に、逆に士の中で怒りが迸った。
 絶対に死なせはしないと、そう心の中で決めた士は、薄い上掛けをかけただけのナツミの体を抱きあげた。
医療スタッフと研究所の連中を全員叩き起こしてでも、こいつの命を繋ぎ止めさせる。そう思いナツミを強
く抱きしめた瞬間、不意に自らの心臓が大きく胸を打った。
「……っっ!」
 痛いぐらいの強さで脈を打つ心臓に、一瞬息だけが詰まる。すると、何故かナツミと自分を包みこむよう
にして、何かが温かく満ちていく気配を感じた。
「何だ……?」
 訳も分からないまま、思わず周囲を見渡してみるが、室内には誰もいるはずがない。一体何が起こったの
かと腕の中のナツミを見下ろすと、さっきまで紙のように白かった肌に赤味が戻りはじめていた。恐る恐る
その首に指を当ててみると、トクン、と肌を打つ感覚がある。
 ゆっくりと、穏やかながらも力強く打つその拍動は、士自身の心臓の動きと全く同じ速度で脈打っており、
士はまるでナツミと自分が一つの命を分けあっているような、なんとも言えない不思議な感覚を覚えた。
「おい……」
 困惑を隠そうともせず、いつになく弱々しい声で士が呼びかけると、それまで硬く閉ざされていた薄い瞼
がふるりと震えた。

287Solitude 9:2011/05/10(火) 03:15:29
「……士?」
 ぼんやりとした瞳が士の姿を捕え、確かめるように名を呼ぶ。そして、今にも泣きだしそうな瞳に笑みを
浮かべたナツミは、そのまま士の背に両腕を回すと、安心したように再び眠りに落ちていった。今まで妹以
外の誰かが、こんな風に自分の側で安堵して穏やかに眠ることなどあるはずもないと思っていた士は、呆然
とした面持ちのままナツミを抱きしめた。
 その日を境に、士はナツミに行動の自由を許した。
 奪い取ったペンダントの代わりに、DCDのロゴの入ったペンダントをかけさせ、胸元に覗く刺青と共に
所有権を主張しておく。首周りを隠す長い髪を切るのはもったいなかったので、一つにまとめさせた。さら
に丈の短いレザージャケットとショートパンツに、マゼンタのニーハイソックスを合わせた姿は、一目で士
の囲う女だと分かるようになっており、必然的に組織内での行動権が確立される。突然大首領の横に現れた
ナツミの姿に、組織の幹部達は軽く眉を顰めただけで何も言おうとはしなかった。もちろん、その内の一人
が小さな声で『色狂いのガキ』と嘲ったことに気付かないわけではなかったが、
それに関しては寛大な心で見逃してやった。
 そして逃げ出そうと思えばいつでも逃げ出せる状況だというのに、ナツミは何故か士の与えたあの部屋へ
と必ず戻った。
 海東とナツミと、お気に入りの側付きを侍らせた士の時間は、さらに加速度を増していく。ディケイドの
システムは飛躍的に改良され、強化態の開発はついに試作段階へと突入した。各世界を繋ぐ橋を安定させ、
同時に組織に属する者以外は使用できないようにもした。順風満帆という言葉がこれ以上ないほど似合う状
況に、士はいつになく満足していた。
 ただ一つ、ナツミの顔から憂いが消えないことを除いて。
「新しい世界を見つけたぞ」
 ある日、士は海東とナツミを連れ、新しく橋をかけた世界へと渡った。オーロラの向こうで、部下達が必
死になって橋を維持しようと動き回っていたが、構わずに見つけたばかりの世界を見下ろす。岩肌がむき出
しになった山に囲まれてはいるが、地面には青草が生い茂り、遠くを流れるせせらぎと野鳥の声だけが響く
なんとも穏やかな場所だった。
「ここは何の世界だい、士?」
 データの解析をするかのように周囲を見渡した海東の問いに、士は軽く首をかしげた。
「さあな。今のところライダーはいないみたいだが、これから生まれるのか、それともとっくに死んだか」
「前者ならともかく、後者だとしたら別に君が出る必要はないだろう?」
「ライダーの力がどこかに残ってたら面倒だ。確実に芽は潰しとかねぇとな」
 海東と征服の計画を話し合う横で、ナツミはやはり物憂げな眼差しで周囲を見渡していた。しかし、何か
に気付いたのか僅かにその顔色が変わる。
 間違いなく怯えの色を浮かべたその表情に気づき、士は眉を顰めた。
「どうした、ナツミ?」
「また、ここ……?どうして…」
 カタカタと肩を震わせ、慄く様に呟いたナツミの呟きを、士だけでなく海東も訝しむ。すると、それとな
く周囲を警戒していた三人の脚元が、突然大きく震えた。
「士、あれを見ろっ!」
 大きな揺れに立っていられず、それぞれが地面に手や膝をつく。驚きの声と共に前方を指差した海東につ
られ士が顔を上げると、世界を超える時に浮かぶオーロラと似た銀白色の光が揺らめいていた。
「何だ……山が、消える?」

288Solitude 10:2011/05/10(火) 03:15:53
 上空から布がふわりと落ちるように、ゆっくりと降下をするその光が触れた側から、見上げるほど大きな
岩山が塵となって消えていく。にわかには信じがたい光景に目を瞠っていると、傍らにいたナツミが突然大
きな声を上げた。
「危ない!!」
 直後、細い腕で力いっぱい突き飛ばされる。バランスを崩した士が地面に体を転がすのと、たった今いた
その場所を裂く様にして銀色の光が地面に走るのは、殆ど同時だった。
 士とは反対側に倒れていたナツミが体を起こすのが、その歪んだ銀の光の向こうに見えた。
「これは……次元の壁?」
 息を飲みその壁を見上げる海東の呟きを背に、士は苛立たしげに舌を打つと体を起こし、目の前に立ちは
だかる壁へと手を伸ばした。しかし、いつもならば容易に突き抜けることができるそのオーロラは、どうい
うわけか鋼鉄の壁のように士を拒んだ。
「下がってろ、ナツミ」
 間を隔てる壁を打ち破ろうと、士はライドブッカーをガンモードに変えトリガーを引いた。しかし、壁は
強固なまでに干渉を拒んでいるらしく、撃ち出したエネルギー弾は壁の前に尽く霧散した。
「ちっ…!おい、ナツミ!!先に元の世界に戻れ!」
 苛立ちと共に壁に拳を叩きつけそう怒鳴ると、ナツミは大きく首を振って叫んだ。
「無理です!滅びの現象で次元が歪んでて、別の世界には繋げません!!」
「滅びの現象?何だ、それは」
 首だけを捻り海東に問いかけるが、やはり何も知らないのか、海東もまた首を横に振るだけだった。直後
に地面が再び揺れ、いたるところで山や木々が消えていく。一刻の猶予もないことを察した士は、生まれて
初めて冷や汗が浮かぶような焦燥感を覚えた。
「とにかく、早くここを出るぞ!」
 世界を超える時と同じ要領で意識を集中させ、壁に掌をつく。凄まじい反発力がそこから湧き上がるのが
分かったが、士はそれを意思の力で押し返した。しかし、質は同じはずなのに全く制御できないそれに、焦
りはますます大きくなるばかりだった。
「くそっ!一体何だってんだ!!」
 どうにもこのオーロラを超えることができないと悟ったのか、地面にうずくまっていたナツミがそっと壁
に手を添え、首を小さく横に振った。同じように、どうあがいても壊せない壁を前に怒りを滾らせた士は、
膝をつき視線の高さを揃えると壁越しに掌を合わせた。
 銀色に揺らめくオーロラの向こうで、ナツミが悲しみと慈愛に満ちた笑みをゆったりと浮かべる。
「私のことは構わないで……早く元の世界へ戻って下さい」
「ふざけるな!お前は俺のモノだ、こんな場所に置いていけるか!!」
「大丈夫。私達は、またすぐに会えます」
 意味のわからないことを呟いたナツミの声は、自らの運命を全てを受け入れたかのように酷く穏やかで、
それが士は尚更気にくわなかった。何一つ自分の思い通りにならにこの事態に、無意識のうちに奥歯を噛み
しめる。
 揺れはますます酷くなり、周囲のモノは殆どが塵と化して消えようとしていた。
「もう無理だ、士!」
「離せ!」
 肩を掴んだ海東の腕を振り払い、士は思いっきり次元の壁を殴りつけた。骨まで響く振動が、これが現実
であることを否応なく証明する。怒りで拳を震わせる士を見つめ、ナツミは儚げで美しい笑みを浮かべた。

289Solitude 11:2011/05/10(火) 03:16:12
「あなたがこれから出る旅は、とても辛くて長いものになります。だけど、決して諦めないで下さい」
「何の話だ?」
「どうか、世界を救って下さい……お願いします」
 ナツミの願いに、士は思わず言葉を失った。世界を救ってやる。内心に秘めてきたその思いは、今まで誰
にも言ったことはない。
 ライダーの存在があるが故に、世界は滅びへと向かっていると知り、全てのライダーの頂点に立つ為ディ
ケイドへ変身することを選んだ。いずれ用が済めば組織から放逐されることを薄々と感じつつ、あえて大首
領という地位についたのも、消滅するよりは支配の方が遥かにマシだと思ったからだ。
 それこそ小夜や月影にすら話したことはないというのに、何故ナツミはそんなことを言うのだろうか。
「俺は、世界を支配する悪魔だ。征服はしても、救うつもりなんてねぇ」
「いいえ、私は信じています。あなたは悪魔なんかじゃありません」
 わざと悪ぶって言いきった士の言葉を、ナツミははっきりと否定し、初めて見るようなとびっきりの笑顔
を見せた。その姿をただ茫然と見つめる士の前で、半透明だった次元の壁が一瞬にして不透明なモノへと変
わる。姿はおろか、声すらも聞こえなくなったその場所を何度も叩き、士は腹の底から絶叫した。
「ナツミ……駄目だナツミ!!戻れ!」
「来るんだ、士!」
 半狂乱に近い声でナツミを呼ぶ士を強引に引き寄せ、海東が壊れかけた橋を通り元の世界へ戻った瞬間、
一つの世界が消滅した。


 それが、大ショッカーが初めて確認した『世界の終わり』だった。


「………以上のことから、それぞれの世界が引き合い消滅すると言う、最悪の事態が起こってしまったも
のと思われます」
 淡々とした月影の報告を玉座で黙って聞いていた士は、感情の動きを一切見せない瞳で階段の下に並ぶ
幹部達の姿を見渡した。
「大体わかった。つまり、ライダーの存在が互いの世界を引き寄せ衝突すると、あの滅びの現象とやらが
起きてそれぞれの世界が消滅するということか」
「御意」
「なら、話は早い。さっさとライダー共を潰して、全ての世界を征服する。手に入れる前に消えられちゃ、
かなわないからな」
「恐れながら、ディケイドライバーとライドブッカーに関しては、完成したと言っても宜しいかと存じま
す。強化態であるコンプリートフォームの開発も、最終段階へと入っておりますれば……」
「細かいことはどうでもいい。さっさと仕上げろ」
 後の報告はもういいと、地獄大使の言葉を遮り軽く腕を振って人を払う。粛々と去ってゆく幹部達の背
を無言で見下ろしていた士は、ただ一人残った海東へと声をかけた。
「それで?」
「だから、何時になったら君は主語というものをつけてくれるんだい?」
 いつかと同じようなやり取りに溜息をついた海東が、階段下から士を見上げた。
「あの世界は完全に消滅したし、僕と君以外あの世界から橋を渡って出た人間はいない。君の言いつけの
とおり、大ショッカーの渡れる世界はくまなく探したが、何処にも彼女の姿はなかったよ」
 いい加減に諦めろと言外に突きつける海東の言葉に、士は無表情のまま肘かけを掴んだ指に力を込めた。
暗く思いつめた瞳を上げ、次元の狭間で揺れ動く数多の世界を睨む士に、海東もまた軽く肩を竦めると広
間を後にする。
 がらんとした玉座の間に一人残った士は、ゆっくりと、しかし確実に距離を縮め続ける世界の姿を見つ
めながら、ナツミが残した言葉を思い返した。
「いいだろう……世界は必ず、俺が救ってやる。それが、俺とお前とのたった一つの約束だ」
 ナツミ、と小さくその名を口の中で呼んだ士の目から、一粒の涙が零れおちた。

290名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 03:21:08
以上ですが、ここで終わらせると自分が鬱になるので続きます
読んでくれた人、ありがとう

あと、当初の予定だった「破壊者激情態 vs 大首領」は、展開に行き詰ったため途中で没にしました
忍法帳が回復したらこっそり供養しておきます……

291名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 06:03:39
>>290
続きktkr!!!!エロもさることながら、話しが面白い!!!GJ!!
続き、wktkしながら待ってる!!

292名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 18:28:10
>>278おつ!エロパロ板へ残り(>>285-290)を代理投下してきます
連投規制回避のためゆっくり投下するのでしばらくお待ちください

293名無しさんが妄想します:2011/05/10(火) 18:30:16
本編よりいいねーいいよー

294292:2011/05/10(火) 18:51:12
代理投下終了!!

面白かった〜。エロパロとして、マイ解釈考察として、2度楽しめる

295290:2011/05/11(水) 01:42:00
没ネタは細切れにして供養してきました
レベルダウンって意外と面倒 orz

>>292
転載ありがとうございます
忍法帳のしくみがよくわかってませんでしたので助かります
以後、規制にひっかからないように気をつけます……

296名無しさんが妄想します:2011/05/29(日) 15:49:58
忍法帖のレベルが全員下がったようなので
長文&連投時はご注意ください

297名無しさんが妄想します:2011/05/29(日) 21:25:45
夏士カプの話はいつも長文だねー。

298名無しさんが妄想します:2011/06/05(日) 20:27:28
本スレの無断リレーは荒しか?
sageない、投下間隔無視で1の注意書きは読まないわ人の注意は聞かないわ
キャラの口調も適当で本当に電王見てたのかと問い詰めたい
あんなんが電王ファンだと思われたら大迷惑だ

それから元ネタの人、設定が勝手に使われて黙っていられなかったことは同情するが
書き手の自分語りは嫌われたりスレが荒れる元になるから注意した方がいい
……って定期的に注意レス入ってるんだけどな


ついでに書き手が去っていくのは、書き手置いてけぼりのつまらん議論だの
投下直後に別カプの話題振るような書き手への悪意あるレスの所為だと思う

299名無しさんが妄想します:2011/06/06(月) 12:43:03
そもそも見てたらいろんな時間の良太郎に変身してもらうなんて話にはならないと思うぞ?

あの展開からどうやってエロい方へ持っていくか楽しみにしてたんだが
せめて事前に一言あればまだ…ねぇ……

300名無しさんが妄想します:2011/06/18(土) 13:29:03
なんか、今日は本スレに入れないんだが……うちだけか?

301名無しさんが妄想します:2011/06/18(土) 19:48:44
>>300
俺は入れたぞ

しかし、最近は忍法帖とやらのせいか、萌えが無いのか投下少ないね………

302名無しさんが妄想します:2011/06/19(日) 20:47:03
>>301
本スレと同じ人?
だって雑談してる方が楽しそうなんだもん。投下が来たら邪魔すんなって怒り出しそうな雰囲気


つーのは極端だけど、ここ何スレかの間に無言で或いは宣言して去っていく職人がいるのは
規制のせいばかりじゃないと思う。投下したければここがあるんだし

書き手なんて繊細で単純な生き物なんだよ。リクに対して都合よくSSを落とす萌え製造機じゃない
スルーされれば奈落の底まで落ち込むし、少しでもおだてられたら調子に乗って踊りまくる
○○好きだと叫ぶ代わりに或いは人のレスに萌えて、萌えを貰った感謝を込めて書いたりする

つまらん、合わないと思うものに無理してレスしろなんて言わないけど
大抵の職人は投下後丸一日レスがつかなきゃ、それが答えだって判るだろうから
投下直後の他カプ話や雑談はちょっと控えて貰えればなんて、たまに投下する身としてぶっちゃけてみる
これは自分個人の感覚だし、正直雑談でさっさと流して貰った方が有難ったりもするけど

投下のタイミング計るとか自分語り自重とか書き手にも注意する点はあると思ってる
ネタ貰うこともあるし普段は楽しんで参加してるし、雑談すんなってわけじゃないので念のため

303名無しさんが妄想します:2011/06/19(日) 20:56:13
自分は単純に書き上がんないだけだよー
書き上がったら投下する予定
ここしか書いて吐き出せる場所ないんだし、レスはもらえたら嬉しいけどもらえなくてもまあしょうがないかぐらいだよ
サイトとか持ってる奴の話きいたら話1本書いても何も言われないことのほう多いっていうしね

304名無しさんが妄想します:2011/06/20(月) 13:51:18
忍法帖と書けないのと、自分はどっちも当てはまるかな?
過去カプばっかで現行カプのネタが出ないから、どうしても投下をためらってしまう
ついでに職人さんが減ってくると自分のターンが続いたりして、なお投下しづらくなるという罠

>>303
投下されるまで、全裸で待機してます
自分もサイト持ちだが、常連さんでもいない限り書いた話にコメがつくほうが珍しいよ
せいぜいアクセス数で判断するしかないと思って、完璧な自己満足で妄想を晒してる
長編なんて書いた日には、誰か一人でも付き合ってくれれば恩の字だww

305名無しさんが妄想します:2011/06/20(月) 18:44:38
仮面ライダーに限らないけど
エロパロ板控え室スレの職人談義は勉強になるなー

306名無しさんが妄想します:2011/06/20(月) 19:08:26
結構職人さんっているんだなー

俺は雑談だけ楽しく混ざらせてもらうとしよう

307名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 21:47:55
また士夏か・・・

308名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 23:00:00
>>307
士夏嫌いな人か?
じゃあ、どんなカプが好きなんだ?

いや、だからなんだと言われたらなんもないんだが、ただ聞いてみた

309名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 23:10:26
>>308
そういうのにかまうな。居つかれたら困る。

310名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 23:17:44
>>265=>>297=>>307

311名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 23:28:56
しかし、マジな話今何人ぐらい職人残ってる?
少なくとも>>302>>303>>304の3人は現役職人確定だろうが
最近あまりにも投下率少なくて点呼をとりたい気分になる

312名無しさんが妄想します:2011/06/21(火) 23:53:25
宣言して消えてったのが二人いるしな。
しかし、現行作品の投下が少ないとかどうなんだ

313名無しさんが妄想します:2011/06/22(水) 00:02:32
そんな状況で古くて申し訳ないんだけれど、アギトの北條×小沢で会話してるだけエロなし。
本当は本スレが誰も投下なしなら書いてこようかと思ってたんだけど
規制解除待ってたらあちらは投下してくれた人がいたのでこちらに。


「なんで私があなたなんかとこんなところで食事しなきゃいけないの」
「ご不満ですか」
「不満に決まってるでしょ。いったいなにを企んでるの? こんな高そうな店に連れてきて」
「企んではいませんよ。あなたとここで食事がしたかったから、ではいけませんか」
「いいわけないでしょ。あなたがそんなまともなこと言う筈ないわ」
「ひどい評価ですね」
「日頃の行いが悪いからよ」
「それが旦那に対する言葉ですか」
「旦那だろうとなんだろうと思ったことははっきり言うわよ。そんなのあなたが一番よく知ってるでしょ」
「嫌というほど知っていますが。たまには一緒に外食をしたいというのは我儘ですか」
「ええ我儘ね。そんなに私の作った料理は食べたくないっての?」
「……たまにはワインが飲みたいんですよ」
「生ビールで我慢しなさい」
「本当に女王サマですね、澄子さん。そういうところも好きですが」
「あなたほどの自信は持ち合わせていないけどね、透くん」

314名無しさんが妄想します:2011/06/22(水) 13:24:50
>>313いまファミリー劇場で絶賛見返し中の俺狂喜
あとでエロパロ板へ転載はしますか?


このあと
せっかく高いワイン注文したんだから全部飲まないともったいない、と
飲み過ぎて「女房酔わせてどうするつもり」「ご想像のとおりです」
コースですか分かりません

315名無しさんが妄想します:2011/06/22(水) 20:20:38
てす

316名無しさんが妄想します:2011/06/22(水) 22:46:23
>>313
この二人大好きな俺歓喜
GJです!

317名無しさんが妄想します:2011/06/28(火) 20:24:25
自分は好きな組み合わせでしか話し書けない人なんだが、今好きな組み合わせは過去作品だし本編でなんの絡みもない二人なんでここに落とせるような話しが浮かばない

なんでもオケとか言うけど、今までの流れ見るとマイナーはスレストするみたいだしなぁ……

結局余所でこっそりアップしてるしかないんだ

318名無しさんが妄想します:2011/06/28(火) 21:50:12
いいんじゃないか?
絡みがなくてもそれを納得させるような話かければ問題ないと思うよ

319名無しさんが妄想します:2011/06/28(火) 23:02:09
>>318
それが書けないから>>317は悩んでるんじゃないのか?

320名無しさんが妄想します:2011/06/29(水) 18:44:36
>>317書き上げて公開してくれるだけでありがたいです。公開場所は
アプロダでも・外部サイトでも・エロパロ板の他のスレでも
どこだっていい。

321名無しさんが妄想します:2011/06/30(木) 15:16:02
書き込めないのでここに投下
伊達さんと里中さんが会話してるだけ。でも後里と言い張る。
後藤復帰後の話。

「おっ里中ちゃんどうしたの」
「…後藤さんにどんな調教したんですか」
「調教って、…人聞きの悪い」
「全然前と違いますよ、彼。」
「(他人のことなんて気にしない性格だと思ったけど…里中ちゃん行動的だねぇ)
何、ごとーちゃんのこと、気になる?」
「…いえ別にそういう訳では」
「ふうん。…俺の経験上、ごとーちゃんみたいなタイプは、そういうカッコいい格好よりカワイイのが好みだな」
「そんなこと聞いてませんから。…もういいです。失礼しました」

そう言いながら、本屋でロリファッション誌を購読する里中であった。

くっだらない話ですいません

322名無しさんが妄想します:2011/06/30(木) 18:08:41
>>321GJ
伊達さんお茶目w

323名無しさんが妄想します:2011/07/01(金) 16:40:55
>>321です。できたら、あとでエロパロ板へ転載します。

324名無しさんが妄想します:2011/07/06(水) 00:59:41
書き込めないのでこちらに失礼します。
キバを完走し、音也×ゆりの悲恋カプが好き過ぎるあまり淋しくて書いてしまった。
音也死後のゆりの独白です。


「もうすぐ、雨は止む」。
それが、あの男があたしに残してくれた最後の言葉だった。

お前は笑顔が一番よく似合ってる、だなんて白々しいにも程がある。散々怒らせて泣かせたのは何処のバカだ、バカバカ、音也のバカ。浮気者!
――なんてな。
本当は分かってるんだ。あれは「浮気」じゃなく、一世一代の「本気」だったんだってこと。

とても好きだった。
もし行くなと、絶対に別れないと言ったら、恐らくあいつはあたしの傍にいてくれたような気がする。
真夜に心を留め、ブラッディー・ローズを哀しく鳴らしながらも、あたしに微笑みかけてくれる筈。
だからこそ、幸せを願うしかなかった。
でもあたしは自分の意志で手を離し、あいつを見送ることが出来た。
それは誇りだし、良かったと思ってる。今までずっと、一度も後悔をしたことなんかない。

人が聞いたら笑うだろう、バカはお前だって。
或いは偽善者と罵られるかも知れない。身を引いたところで、苦しみが減る訳ではないのだから。
実際、未来から来たって言うあいつの息子にも焚きつけられたし。まったく、天然で無神経なところは親子そっくりで呆れてしまう。
でもあたしには、しがみついて諦める運命より、焼き付くような痛みを抱くことの方が大事だった。
音也のくれるものなら、どんなものだってそれが一番素敵だと思ったんだ。

「音也、」
ありがとう。あたしと出会ってくれて。
この世で見つけて、器用なふりして不器用に、苦しいくらい迷いなく愛してくれて。

「あったかかったよ…」
最後の瞬間まで、大切なものの守り方を、愛する術を教えてもらった。
あんたを、更には、ここから先を生きて行くあたし自身のことを。

もしいつか、ここではない世界で再び出会うことがあったら、訊いてみたいことがある。

豪雨。降り注ぐ痛いほどの雨粒。
軽やかなステップと共に、木々に紛れた赤い傘の向こう。

音也。

あの時、虹は見えていた?


<終>

325324:2011/07/06(水) 01:02:58
すみません、「幸せを願うしかなかった」の後の「でも」はスルーして下さい…チェックミスった

326名無しさんが妄想します:2011/07/06(水) 09:06:09
>>325
GJ!!!!!!!!
切なくて本気で涙が出てきた………
やっぱいい女だよ、ゆり

あとで本スレに転載しにいこうと思ってるんだけど、訂正かけたほうがいいのかな?

327324:2011/07/06(水) 17:24:24
>>326
お気遣いありがとうございます。
お言葉に甘えまして、訂正頂けますと助かります。お手数おかけしてすみません。

328326:2011/07/06(水) 20:35:17
>>324
了解です。
削除する文章は
「でもあたしは自分の意志で手を離し、あいつを見送ることが出来た。
 それは誇りだし、良かったと思ってる。今までずっと、一度も後悔をしたことなんかない。」
の二行であってますか?

329324:2011/07/06(水) 20:44:43
>>328
お世話になります。
すみません、削除対象はその文脈の頭の「でも」の二文字のみで、「あたしは」以降は残して頂けますと幸いです。
分かりにくくて申し訳ありません。
お手数おかけしますがどうぞよろしくお願い申し上げます。

330326:2011/07/06(水) 21:08:43
>>324
わかりました
では「でも」の二文字だけ抜いた文章を転載してきます

331326:2011/07/06(水) 21:15:36
無事転載できましたので、ご報告します。
忍法帖のレベル、ちゃんと上がっててよかった………

332名無しさんが妄想します:2011/07/06(水) 22:57:43
>>324投下おつかれです。
音也とゆりが最終的に結ばれないことは原作序盤から遠回しに示されてても
別れるのはキツかったなぁ……。

>>331代理おつ!

333324:2011/07/07(木) 13:42:23
>>326
遅くなりすみません、投下本当にありがとうございました。
訂正のお心遣いにも改めて感謝します。お手数おかけしてすみませんでした。

334名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 13:26:25
オーズでテンプレネタ。

「仮面ライダーのエロパロが読みたい! それは立派な欲望だ、実に素晴らしい!!」
「純愛、陵辱、萌えに萌え……どれも読みたいって思ってたろ?」
「一緒にsageてください……変身!」
「ネタバレには前置きを。注意書きも適切に使用しなければ美しい終末は迎えられません」
「規制で困った時は避難所もありますよ。あ、定時なので私はこれで」
「相変わらずクールだねぇ……素敵っ!」
「見たまえ、新しいSSの誕生だよ!! ハピパスディッ!!!」


「映司! これ使え!」
「sageと、2010年6月当時の放送作品……。
判ってる……おまえがやれって言うなら、おまえが、本当にやりたいことなんだよな」
「アンク……ありがとう」

今まで出てない人を、と頑張ってみたけど、伊達とお兄ちゃんが残念な感じにorz

335名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 13:51:12
確かに、まだフォーゼでテンプレ作るのは難しいかもね
「エロSSキター!」くらいしか思いつかないw

336名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 15:51:44
今のペースでいけば次スレも数ヶ月で埋まるだろうし、それまでにはフォーゼでネタも
できそうだし、テンプレもできるだろうし、オーズでいいと思う。
SS投下してると、容量埋まるの早いしね。
>>334のテンプレ、鴻上会長の声が聞こえるみたいでワラタwww

337名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 16:48:04
>>334だけど、見返したらテンプレ二行目、「萌えに萌え」になってた
正しくは「萌えに燃え」です。使って貰えるなら修正お願いします

>>336
ありがと。脳内でも会長はうるさいw

338名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 19:00:58
>>334
修正してみた
これでよければ次スレ立ててみようか?






「仮面ライダーのエロパロが読みたい! それは立派な欲望だ、実に素晴らしい!!」
「純愛、陵辱、萌えに燃え……どれも読みたいって思ってたろ?」
「一緒にsageてください……変身!」
「ネタバレには前置きを。注意書きも適切に使用しなければ美しい終末は迎えられません」
「規制で困った時は避難所もありますよ。あ、定時なので私はこれで」
「相変わらずクールだねぇ……素敵っ!」
「見たまえ、新しいSSの誕生だよ!! ハピパスディッ!!!」


「映司! これ使え!」
「sageと、2010年6月当時の放送作品……。
判ってる……おまえがやれって言うなら、おまえが、本当にやりたいことなんだよな」
「アンク……ありがとう」


*避難所・保管庫・過去ログは>>2
*不快な書き込みや好きでない話題はスルー、あくまでも大人の為のスレです
*ねたバレは前書き警告+空白改行をする
*属性注意書きやカップリングは前書きか名前欄に明記推奨
*他の人の作品投下後、数レスまたは半日待ってからの
 作品投下をお願いします(作品が流れるのを防止するためetc.)
*次スレは>980か容量480KB、作品投下も同じタイミングで中断して次スレへ

前スレ 仮面ライダー総合エロパロスレ14
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1304609532/

339名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 19:45:55
>>338
良いと思います。
本スレも容量限界っぽいし、次スレ立てられるのならよろしくお願いします。

340338:2011/09/11(日) 20:12:01
んじゃ、ちょっくら挑戦してくる

341338:2011/09/11(日) 20:20:43
立てた


仮面ライダー総合エロパロスレ15
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1315739597/

342名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 20:24:10
>>341スレ立て乙!素敵っ!

テンプレ>2は擬人化スレが落ちた&
ミラー変換機↓を書いておこうかと思ったけど次の機会でいいか。

過去ログはここにURLを入れると無料で探せます
2chDAT落ちスレミラー変換機ver.12
ttp://mirrorhenkan.g.ribbon.to/

343名無しさんが妄想します:2011/09/11(日) 20:44:05
>>341
スレ立て乙!

テンプレ使ってくれてありがとう。

344名無しさんが妄想します:2011/10/25(火) 14:40:11
お試し●でログインしてるのに、書き込もうとすると「忍法帖を作成します」なメッセージが出る。
初投下のうえに555ネタ(しかもチーム・オルフェノク)なので、こちらへ書き込みます。

・海堂×結花
・海堂が襲われた喫茶店に独自設定あり
・マンションの間取りも勝手な解釈あり
・結花がわりと明るいキャラかも?ついでに海堂を美化しすぎ
・エロになりきれず終了

345海堂×結花:2011/10/25(火) 14:41:01
「まだ起きてこないね。」
木場さんが紅茶を飲み干してから目線を上に投げかけた。
「きっと疲れているんだと思います。」
わたしもロフトの方に目を向けた。
「しょうがない奴だな…長田さんも、アイツをベッドに寝かせなくてもいいのに。」
「いえ、いつもわたしだけ上で寝かせてもらってて申し訳ないですから。」
「海堂が帰ってくるまでずっと待ってたんだ?」
「…はい。」
「あんまり海堂のワガママに付き合ってたら疲れるよ?」
「ありがとうございます。でも大丈夫です、わたし。」
「まぁほどほどにね。」
木場さんはいつもわたしに優しく接してくれる。

昨日は木場さんから「晩くなります。先に休んでてください。」というメールをもらっていた。
誰もいない部屋は一人で過ごすには広すぎるのに、なぜか息苦しく感じた。
外出する気分でもなく、一人でぼんやり海堂さんの帰りを待ってたら深夜になっていた。
「それで、その…昨夜は…。」
木場さんが言いにくそうに口ごもった。
「ご心配なく。海堂さんは横になった途端、すぐ寝入ってしまいました。
まさかわたしが隣で寝ているなんて、全然気が付いてないと思います。」
「そうなんだ…。いや、帰ったら二人とも上で眠ってるからビックリしちゃって。」
「だってわたしがソファを使ってしまったら、木場さんが床で寝ることになると思って。」
「うん、そう言われると、さすがに俺は海堂と一緒のベッドで寝るのはごめんだな。」

346海堂×結花:2011/10/25(火) 14:41:48
本当に…なにもなかった。
帰るなり海堂さんは無言でベッドにダイブして、そのままぐっすり。
わたしはおそるおそる近づいてみたけど、起きる気配なし。
うつぶせになって、こちら側に顔を向けて寝息を立てている。
顔が良く見えるよう、わたしは床に座り込んだ。
いつまでもこの寝顔を見ていたい。
戦いも苦悩もなにもない、安らげるひととき。
わたしはそっと海堂さんの髪をなでた。
 −あなたを支えたい 人間として一緒に生きて行きたい−
そして、手袋をはめたままの左手に自分の手のひらを静かに重ねた。
と、同時に海堂さんが寝返りを打った。
ビックリして手を引っ込めたけど、やはり起きることはなかった。
「…隣で寝てもいいですか?」
小さく呟いて、わたしはベッドに横たわった。
海堂さんの背中を眺めながら、ゆっくりと眠りにさしかかった。
 −素敵な夢の中に連れて行ってください−
でも、寝相の悪い海堂さんの足や手が当たってそのたびに飛び起きた。
そうこうしているうちにとうとう朝がきてしまい、ちょっと寝不足気味。

「今日はこれからどうするの?」
「特に何も…それよりも海堂さんが起きてくるのを待っ…」
「ほら、ほどほどにって言ったそばから!」
「…あ。」
ヤレヤレという表情で木場さんは笑い、わたしもこんな自分がおかしくて笑った。
「じゃ、俺は出かけるから…そうだな、夕方ぐらいにまた連絡するよ。」
「わかりました。いってらっしゃい。」

347海堂×結花:2011/10/25(火) 14:43:06
午前10時。
車のキーを持って、木場さんが玄関を出て行った。
わたしは木場さんのカップを片付けて、今度はコーヒーを淹れる用意をした。
昨日買ったばかりの豆をコーヒーメーカーに入れ、スイッチオン!
あたりに香ばしい挽きたての豆のいい香りが漂う。
海堂さんには以前行きつけのお店があって、気さくなマスターと自慢のコーヒーがお気に入りだったらしい。
悲しいことに、そのお店は…。
そういうわけで、わたしはできるだけ海堂さんに美味しいコーヒーを飲ませてあげたいと思っている。
海堂さん専用にちょっと値が張る豆を購入していることは、木場さんには内緒。
だって木場さんが知ったらまた笑われてしまうもの。
「きみは海堂のことばかり考えてるんだね」って。

348海堂×結花:2011/10/25(火) 14:43:43
「ふぁ〜〜〜…あ〜寝た!寝た!」
あ、やっと起きたみたい。
「お、おはようございます。」
「おう。今何時だ?」
「10時35分です。」
「ふーん。」
海堂さんは頭をガシガシと掻きながらゆっくりと階段を降り、3人掛けのソファにドスンと横になって目を閉じた。
「あの…コーヒーどうぞ。」
「んー?ああ。」
片目を開けた海堂さんがおもむろに起き上がり、コーヒーカップを掴む。
すぅっと一息吸い込んでからまた目を閉じ、しばらく芳香を楽しむ。
一口飲んでニッと口元を緩ませ「…うまいな」と呟いた。
「木場は?」
「少し前に出かけました。夕方にまた連絡するって言ってました。」
「まーたバッティングセンターかよ。暇な野郎だな。」
「そんな…海堂さんこそ昨夜は晩くまでどこ行ってたんですか?」
「うるせっ!俺様はいろいろと忙しいんだよ!ちゅーかさ、なんか食うもんある?」
「サンドウィッチ、作りますね。」

わたしはいそいそとキッチンに向かった。
木場さんには申し訳ないけど、滅多にないこの時間をわたしはとても楽しみにしている。
海堂さんと二人きり、勝手に恋人気分を味わえる時間。
海堂さんのためなら、コーヒーを淹れるのも食事を作るのも気分が高まる。
彼の喜ぶ顔が見たい、美味しいものを食べてもらいたい。
そう考えるだけでテンションがどんどん上がる。
わたし、本当に海堂さんのことが好き。なんでもしてあげたい。
彼への愛がある限り、わたしは普通の人間の女の子でいられる。

「できました。」
今日は張り切って、ハートの型抜きハムサンドを作った。
お皿に敷いてるペーパーナプキンもハート柄。
海堂さんへの気持ちが溢れてるな〜、なんて。
「なんだこれ?」
お皿を持ち上げて海堂さんが変な顔をした。
「ご、ごめんなさい。たまにはこういうのもいいかと思って…。」
あぁ、失敗したかも。機嫌が悪くなったらどうしよう!?
「ちゅーか、こんなの作るの面倒くさくねーのか?ったく、女ってよー。」
そう言いつつパクッとかじりついたと思ったら、あっという間に全部たいらげてしまった。
「はい、ごちそうさん!」
「お…お粗末様でした。」
嬉しい、全部食べてくれた。よかった。たとえハートの意味をわかっていなくてもいい。
食器を片付けながら、わたしは小さな幸せを噛みしめた。

349海堂×結花:2011/10/25(火) 14:45:14
「おい結花。」
「はい、なんですか?」
「俺のシャツのボタンが取れてんだよ。」
「え?どこ…?」
「ここ、ここ。」
子どもみたいにボタンが取れた個所を引っ張って見せる海堂さん…かわいい。
「裁縫セット取ってきます。」
「わりーな。」
素直に「縫ってほしい」と言えない、「ありがとう」と言えないけど、ちゃんと気遣ってくれてる。
ちょっとした会話の中に海堂さんらしさが見え隠れして楽しい。

裁縫セットを持って戻ると、海堂さんがシャツを脱いでいた。
今からボタンをつけるから当たり前といえば当たり前だけど…上半身裸は少し照れる。
なるべく見ないようにはしたけど、やっぱりちょっとは見てしまう。
腕立て伏せは下手だったのに意外と筋肉質なんだ…とか考えてたら恥ずかしくなって
急いでシャツを受け取ってからわざと一人用のソファに腰を下ろした。
「なんだ?なんでそっち行くんだ?」
海堂さんが何の疑問もなく、3人掛けの一番端までズリズリとこちらに向かって座りなおしてきた。
「はー、よくこんな細けぇことできるよな。」
わたしの手元にぐっと顔を近づけ、ボタンつけひとつにえらく感心している。
海堂さんの息遣いが聞こえるようで、緊張する…手が震えそうになるのを必死で堪える。

…………
…………

海堂さんは相変わらずじっとこっちを見ている。
沈黙に耐えられず、チクチクと針を動かしながら話しかけた。
「このシャツ、今日お洗濯どうしますか?」
「洗濯?ああ…3日か4日ぐらい着てっかな、それ。」
「ええ?じゃあそろそろ洗わないと…。」
「なんで?」
「なんでって…臭くなっちゃいますよ〜。」
「ちゅーかさ、俺様のハイパー嗅覚ではなんともないけどな?」
「それは自分のニオイだからわからないんですよ。」
「オマエも木場もクサイとか言わねーし。」
「クスッ…そんなこと言えるわけないじゃないですか〜。」
「そういや木場の野郎、いつもいいニオイさせてんな。香水かなんかつけてんのか?」
「木場さんは身だしなみに気を使ってるみたいですから。」
「なんだそれ?俺がなーんも気にしてねーみたいじゃんかよー。」
「そんな…木場さんは、その…えっと…。」
「はいはい。さらさらヘアーで爽やかさ全開の木場勇治くんには敵いませんよ、っと。」
そう言って海堂さんはソファの背もたれにバフッと体を預けた。
もう、すぐそうやって拗ねるんだから。
あれ?さっきからわたし一度も怒られてない…よね。
「…終わりました。新しいシャツ、取ってきましょうか?」
「いンや、シャワー入るわ。オマエがくせーくせー言うからよぉ。」
海堂さんは笑いながらそう言うと立ち上がり、リビングを後にした。
こんなに海堂さんと会話を重ねたのは久しぶりかも。
なんだか今日はいい日だな。

350海堂×結花:2011/10/25(火) 14:46:00
なんとなくシャツを両手で広げてまじまじと見た。
これ、この前千円で買ったって自慢してたシャツだよね。
ふふ…柄物が好きなんだなぁ。チェックの派手派手シャツ。
こっそり自分に当ててみた。…メンズのLサイズだから大っきい〜。
その時、ふと海堂さんの香りがしてハッとした。
いつか食べたであろうファストフードやさっきのコーヒーの残り香に混じってはいるけれど
わたしにはわかる、海堂さんの香り。
なんだろう…切ない気持ちで胸がいっぱいになる。
わたしだけが知っている、海堂さんにしかない香りにうっとりした。
 −結花、愛してるよ−
耳元で囁かれてぎゅっと抱きしめられるのを想像する。
 −あぁ、わたしもです 海堂さんを愛してます−
厚い胸板に顔をうずめ、そっと目を閉じるわたし。
 −結花−
ゆっくりと海堂さんの唇が近づいてくる。
その途端、下腹部がじん、と甘く痺れるのがわかった。

351海堂×結花:2011/10/25(火) 14:47:52
「……かぁ!!…ゆかぁ!!」
「は、はーい?」
びっくりして一瞬声が裏返ってしまった。
海堂さんがわたしを呼んでいる。
妄想を振り切って、シャツを抱えたまま小走りでバスルームへ向かった。
「どうしたんですか?」
「おう、シャンプーがもうねーんだわ。」
シャワーのザァザァという音の中から声がする。
今朝バスルームを掃除した時、海堂さんのシャンプーが空だと気づいていたのに…うっかりしてた!
「ごめんなさい、まだ用意してませんでした。」
「んー、頼む。」
擦りガラスのドアが少し開いて、湯気とともにシャンプーボトルを差し出す手がニュッと現れた。
急いで新しいものを用意し、ドアをコンコンとノックした。
「あの、どうぞ。」
またドアが少し開いて、中から手が伸びてきたかと思うと
その手はいきなりわたしの手首を掴んできた。
エッ?と思った瞬間、危うくシャンプーボトルを落としそうになった。
ドアがさっきよりまた少し開いて、海堂さんがひょいと顔を出して言った。
「結花も入るか?一緒に。」
思わず息を飲んだ。
うそ、そんな…
擦りガラス越しに、裸体がぼんやりと浮かんでいる。
濡れた黒髪、きりりとした眉、長い睫毛とともにわたしを見つめる目。
海堂さんの雰囲気がいつもと違う。よくわからないけど、確かに違う。
自分の顔がみるみる赤くなるのかわかった。
突然の状況に「あの、あの…」と慌てふためくわたしを見て、海堂さんが吹き出した。
「ちゅーかオマエさぁ、マジになるなよ。」
え?え?わたしはかなり判断力が低下していた。
そのままシャンプーボトルは奪われ、静かにドアが閉められた。

我に返って手首に目をやると、石鹸の泡が少しついていてそこがやけに熱く感じられた。
シャワーの音に紛れて、中から鼻歌が聞こえてくる。
「もう!海堂さんったら!!」
怒ってみせたものの、心のどこかでひどく落胆していることに気づいた。
わたしは一体どうしたいんだろう?

 −海堂さん、わたし今…自分を抑えられるかどうか自信ありません−

352344:2011/10/25(火) 14:56:51
以上です。
保管庫はオルフェノク編がなかったので書きました。
結花は海堂だったり啓太郎だったりでどうかとも思ったけど
こういう幸せな時間が少しぐらいあったらいいなぁ、という希望を込めました。
文章が拙いのと、思いのほか長くなってしまったのは申し訳ないです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

353名無しさんが妄想します:2011/10/25(火) 18:14:21
>>344投下GJ!素朴な生活感に萌えた
これはいずれ、ついカッとなって押し倒しちゃうだろうな……

354名無しさんが妄想します:2011/10/26(水) 23:39:37
投下おつ!どうしよう…海堂にキュンとなったんだが…

355名無しさんが妄想します:2011/10/31(月) 01:43:31
>>344->>352を投下した者です。
お試し●で書き込めるところと忍法帖を作らされるところがあるのはなぜなんだ?

萌えキュンしていただいて光栄です。
チーム・オルフェノク編を再び投下します。
これ以降、古すぎるネタは自重します。

・海堂×結花
・小説版からの設定(波動云々)あり
・エロなし

356海堂×結花 2:2011/10/31(月) 01:44:50
ここ最近同じ夢を見る。
なぜかわたしは子猫。
どこまで歩いてもひとりぼっちで誰もいない。
冬の夜空、雪がちらつく中で必死に誰かを探して鳴いている。
ミャァ…ミャァ…
さびしいよ、さむいよ、たすけてよ…
だれかわたしをみつけて…
震えながらうずくまるわたしを、突然暖かい手が包む。
その手で抱き上げられた子猫のわたしは、その人の腕の中でようやく安らぎを得る。
そしてすぐ上の方から優しい声が聞こえた。
 −大丈夫だ 心配ない−


+++++++++++++++++++++++


「気が付いたようだね」
木場さんの安堵した顔がぼんやりと目に入った。
「あ、あの、わたし…?」
「キッチンで急に倒れてさ。びっくりしたよ」
そういえば、キッチンで洗い物をしてたような気がする。
突然視野が狭くなったかと思うやいなや、体中の力が抜けてしまいもうそれ以上は覚えていない。
「お皿…洗わなきゃ」
思わず起き上がったら、額から濡れタオルが落ちた。
「ダメだよ、まだ起きちゃ」
木場さんが止めるのも聞かず、身を乗り出して階下を見た。
ソファに座って雑誌を見ている海堂さんと目が合った。
「ったく、人騒がせだな」
「なんだよ、その言い方はないだろう?」
「ご、ごめんなさい。わたし…」
「長田さんが謝ることはないよ」」
「いいんです、わたしが悪いんです」
「なんだか熱があるみたいだよ。顔が赤い」
木場さんが心配そうにわたしの顔を覗き込む。
確かに朝から調子が悪かった。
寒気がしたのでカーディガンをはおったけど、寒さは収まらなかった。
「熱、測った方がいいよ」
木場さんが体温計を渡してくれた。
…………ピピッピピッ
「さ、38度です」
「うーん、まだ上がりそうだなぁ。俺、ちょっと薬買ってくるよ」
「いいんです、大丈夫ですから」
「そうはいかないよ。長田さんは今日一日休んでて」
「でも…」
「薬買いに行くついでに買い物もして、クリーニングも受け取っておくから」
「木場さん…本当にありがとうございます」
「気にしないで。それから、体調が悪かったらちゃんと言わなきゃダメだよ?」
「そうですね…これから気をつけます。」
「海堂、俺が帰るまで長田さんについててあげてくれないか?」
「なんで俺様が?」
「頼めるのはきみしかいないじゃないか」
「ちゅーか、おめぇ、いつも楽なのばっか取りやがってよ!」
「いいから、とにかく頼んだよ!」
そう言い残して、木場さんは足早に玄関を出て行った。
「おい、木場ぁ!!」
玄関のドアに向かって海堂さんが大声を張り上げたが、もう遅い。
イライラしたのか、海堂さんは乱暴にソファに座ると、テーブルに足を投げ出した。
「ご、ごめんなさい。わたしのせいで…」
海堂さんはこちらを一瞥したが、すぐにプイッと向こうを向いてしまった。
わたしは泣きたくなった。
なんで熱なんか出したんだろう。
みんなに迷惑かけて、わたしはバカだ。

357海堂×結花 2:2011/10/31(月) 01:46:32
海堂さんは黙って、ずっと右手の爪先を親指にこすり合わせるようなしぐさをしている。
たまに天井を見上げてまた目線を爪先に戻す、を繰り返す。
「…何見てんだよ?」
「いえ、なんでもないです」
「寝てろ。木場にそう言われたろ?」
「はい…」
わたしはまた横になると、なぜかあの夢を思い出した。
暖かい手、腕の中に抱きかかえられた安心感。
なんとも心地よく、ふわふわした気持ちになる。
もしこれが本当ならどんなにいいか…自然と涙が出そうになった。

「おい、もっかい熱測っとけ」
急に声がしたので見ると、海堂さんが体温計を持って立っていた。
「あ、はい」
海堂さんはポンと体温計を放り投げ、またリビングに下りていった。
…………ピピッピピッ
38度5分…木場さんの言うとおり、熱が上がってきた。
さっきまで寒かったのに、今度は体中が熱い。
また海堂さんに怒られる…そう思うと悲しい気持ちでいっぱいになった。
とその時、階下で冷蔵庫を開けてゴソゴソと中を探る音がした。
引き出しを開ける音…何をしてるのだろう?
起き上がって見たいのを抑えて、怒られないようわたしはずっと横になっていた。
階段とトントンと上がる音…海堂さんがこっちに来る。
わたしは少し身を硬くしたが、姿が見えた途端に拍子抜けした。
海堂さんがアイスクリームを食べながら近づいてきた。
「ちゅーかオマエさ、こんなのこっそり買ってんじゃねーよ」
それは、いつかデザートに出そうと思って買っておいたカップアイスだった。
バニラとチョコとストロベリーの3種。
海堂さんはストロベリーアイスをおいしそうに食べている。
「うめーな、これ」
「よかったです、気に入ってもらえて」
海堂さんの機嫌が直って、わたしはホッとした。
「熱、まだあんだろ?」
海堂さんがベッドに腰を下ろした。
「はい、ちょっとまだ下がりそうになくて…ごめんなさい」
「食うか?」
「え?」
「顔真っ赤で涙目になってんぞ。冷たいの、食え」
そう言うと、海堂さんはストロベリーアイスにスプーンを差し、ひとさじすくった。
「ほれ」
「え、あ、あの…」
冗談なのか本気なのかわからずにいると、熱でほてった唇に冷たいスプーンが押し当てられた。
おそるおそる口を開けると、スプーンがゆっくりと口中に押し込まれた。
「…ん…」
わたしは目を閉じた。
アイスのなめらかな舌触りと甘酸っぱい苺の味が同時にとろけた。
「な?うめーだろ?」
海堂さんは子どものような笑顔を見せると、次のひとさじは自分の口に入れた。
口をモグモグさせならがまたひとさじすくったかと思うと、今度はわたしの口に入れた。
「よし!これで終わり!後は俺のだから!」
海堂さんはスプーンを口に咥えて機嫌良くリビングに下りていった。
わたしは少し混乱した。
おいしかったけど、そういう問題じゃない…。
口の中はひんやりとしているのに、頬はますます熱っぽくなってきた気がする。
甘い苺の香りに包まれて、さっきとは逆に熱が出たことにちょっぴり感謝した。


+++++++++++++++++++++++


ソファに座って雑誌をめくっていた勇治がいきなり立ち上がった。
キッチンの冷蔵庫の前にいた直也がほぼ同時に身構えた。
「長田さん!?」
「結花!?」

オルフェノクの特性故か、結花の意識が遠退いたのを二人は瞬時に感じ取ったのだ。
名前を呼ぶが早いか、直也は結花に駆け寄り寸でのところで彼女を受け止めた。
「あっぶねー」
「気絶…してるのか?」
「だな。なんか熱っぽいニオイがする」
「俺、濡れタオルを作ってくるから、きみはそのまま長田さんをベッドまで運んでくれないか?」
「おいおい、力仕事は俺かよ!」
「仕方ないだろ。さぁ早く!」
「チッ!しょうがねぇな……っこらせっと!」
直也は結花を抱きかかえると、注意深く階段を上っていった。
ゆっくりとベッドに結花の体をおろし、彼女の額に手を当てて直也は呟いた。
「大丈夫だ。心配ない」

「どう?様子は?」
勇治が洗面器に氷水とタオルを入れて持ってきた。
「あぁ、別にたいしたことねーな」
「そうだね。変な波動は感じられないし、このまま寝かせて様子を見よう」
「そんじゃ、俺様はイチ抜けたっと!」
「海堂〜…」
「ちゅーか俺、オマエみたいに暇じゃねーからよぉ!」
そう言うと直也は、階段の途中から一気に飛び下りてソファの真ん中に陣取り、さっき勇治が読んでいた雑誌を手に取った。

358355:2011/10/31(月) 01:56:10
以上です。
2レスに収まって良かった!
海堂は結花のことをちゃんと気に掛けてるんだ、と信じたい気持ちで書きました。
木場さんはいつも都合よくいなくなりますがw
本スレの作品を参考に、もっとうまく書きたいものです。
読んでくださった方、ありがとうございました。

359名無しさんが妄想します:2011/10/31(月) 17:25:01
おつ!俺が得するから自重しなくてもいいんだぞ
あと、運用情報板のテンプレ↓
ttp://qb5.2ch.net/test/read.cgi/operate/1316784252/1-4


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板