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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

280Solitude 2:2011/05/10(火) 03:13:18
 狂気にも近い研究心を持つ部下の行動を予測し、士は冷たく言い放った。それを聞いた海東が、僅かに
片方の眉を動かす。が、あえて何も言わず、士は行き詰っていた事態を好転させた女のことを思い返した。
 ディケイドを知っていた、自分と同じように世界を渡る力を持つ謎の女。数日前にこの部屋に突然現れ、
見ず知らずの赤の他人を助ける為に体を開いたその馬鹿な女は、何故か触れただけでカードにカメンライ
ドの力を与えた。しかしどれだけ問い詰めても、女はその素性を一言も言おうとはしなかった。
 快楽という名の暴力で徹底的に追い詰めて得られた収穫は、『ツカサ』という、自分と同じ名を持つ恋
人がいるということだけ。
 他の男の名を呼び、そいつに貰ったモノらしきペンダントを握り締めながら何度も体の下で果てる姿に、
無性に腹が立った。だから、気を失っている間にそのペンダントを引きちぎり、二度と男のところへ戻れ
ないように白い肌にDCDの刻印を刻んだ。
 何の目的でここへ来たのか、来歴は何一つ分からないままだが、今のところ手放すつもりは毛頭ない。
「あれは俺のモノだ。ラボの連中にくれてやる気はねぇ」
「君が一人の人間に執着するなんて珍しいね、士。僕はずっと、君は小夜くん以外の人間はどうでもいいん
だとばかり思っていたよ」
 海東の言葉は静かだが、どこか棘がある。その気配を察した士は、にぃ、と冷酷な瞳を細めた。
「何だ、妬いてるのか?かまってほしきゃ、混ぜてやっても構わないぞ」
「君のそう言う所が嫌いだと言っている。いつまでも僕が君の言うことを聞いていると思ったら、大間違い
だ」
 ぎり、と音がしそうな激しさで睨みつけてくる海東の視線に、士は何故か楽しそうに唇を歪めた。その余
裕癪癪な態度が余計に気に入らなかったのか、海東は左手を右腕の上腕部へ当てると、服の上から爪を立て
た。
「覚えておきたまえ!僕は絶対に、君の思い通りにはならない」
「その意気だ、と言いたいところが、その印がある限りあいつもお前も俺のモノだ」
「たかが刺青を一つ入れたぐらいで、支配者ぶらないでくれたまえ!」
「寝首を掻きたきゃ、いつでも来いよ。もちろん、返り討ちにしてやるけどな」
 咽喉の奥で低く嗤う士の姿を、海東は憎悪の眼差しで見つめた。その冷たい炎のような視線を背に受けな
がら、士は私室へと繋がる螺旋階段に足をかけた。
「そういえば、あいつに関して何か分かったのか?」
「……相変わらず、ナツミと言う名前以外は何も話さないし、分からないままだよ。脅してもすかしても宥
めても、頑として口を割らなかった」
 あんな頑固な女は初めてだとぼやく海東の言葉に、士は密かに苛立ちを覚えた。奈津美なのか夏美なのか
は知らないが、別に個体を識別する記号は『ナツミ』という単語が一つあればそれで足りる。だが、できれ
ばそのツカサという男の方は潰しておきたかったが、大ショッカーの情報網でも分からないのでは仕方ない。
 まあ、あの体ではもう二度と前の男の元に戻ることはできないだろうと、士は早々に意識を切り替えると、
神経質そうに爪を軽く噛む海東の姿を見やった。
「で、お前もそろそろ気が済んだか?」
「何がだい?」
「とぼけるなよ。何が気に入らないのか知らねぇが、お前、あいつのこと目の仇にしてたろ?」
 冷静を装った海東の瞳に、一瞬だけ動揺が走ったのを士は見逃さなかった。しかし他人の、それもお気に
入りの玩具にすぎない側近の心情など知ったことではないと、士は軽く鼻先で笑った。
「お前があいつに何をしたのかなんて、俺は別に興味ねぇからな。だが、尋問程度なら味見もいいが、壊す
のはナシだ。わかったな?」


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