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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

357海堂×結花 2:2011/10/31(月) 01:46:32
海堂さんは黙って、ずっと右手の爪先を親指にこすり合わせるようなしぐさをしている。
たまに天井を見上げてまた目線を爪先に戻す、を繰り返す。
「…何見てんだよ?」
「いえ、なんでもないです」
「寝てろ。木場にそう言われたろ?」
「はい…」
わたしはまた横になると、なぜかあの夢を思い出した。
暖かい手、腕の中に抱きかかえられた安心感。
なんとも心地よく、ふわふわした気持ちになる。
もしこれが本当ならどんなにいいか…自然と涙が出そうになった。

「おい、もっかい熱測っとけ」
急に声がしたので見ると、海堂さんが体温計を持って立っていた。
「あ、はい」
海堂さんはポンと体温計を放り投げ、またリビングに下りていった。
…………ピピッピピッ
38度5分…木場さんの言うとおり、熱が上がってきた。
さっきまで寒かったのに、今度は体中が熱い。
また海堂さんに怒られる…そう思うと悲しい気持ちでいっぱいになった。
とその時、階下で冷蔵庫を開けてゴソゴソと中を探る音がした。
引き出しを開ける音…何をしてるのだろう?
起き上がって見たいのを抑えて、怒られないようわたしはずっと横になっていた。
階段とトントンと上がる音…海堂さんがこっちに来る。
わたしは少し身を硬くしたが、姿が見えた途端に拍子抜けした。
海堂さんがアイスクリームを食べながら近づいてきた。
「ちゅーかオマエさ、こんなのこっそり買ってんじゃねーよ」
それは、いつかデザートに出そうと思って買っておいたカップアイスだった。
バニラとチョコとストロベリーの3種。
海堂さんはストロベリーアイスをおいしそうに食べている。
「うめーな、これ」
「よかったです、気に入ってもらえて」
海堂さんの機嫌が直って、わたしはホッとした。
「熱、まだあんだろ?」
海堂さんがベッドに腰を下ろした。
「はい、ちょっとまだ下がりそうになくて…ごめんなさい」
「食うか?」
「え?」
「顔真っ赤で涙目になってんぞ。冷たいの、食え」
そう言うと、海堂さんはストロベリーアイスにスプーンを差し、ひとさじすくった。
「ほれ」
「え、あ、あの…」
冗談なのか本気なのかわからずにいると、熱でほてった唇に冷たいスプーンが押し当てられた。
おそるおそる口を開けると、スプーンがゆっくりと口中に押し込まれた。
「…ん…」
わたしは目を閉じた。
アイスのなめらかな舌触りと甘酸っぱい苺の味が同時にとろけた。
「な?うめーだろ?」
海堂さんは子どものような笑顔を見せると、次のひとさじは自分の口に入れた。
口をモグモグさせならがまたひとさじすくったかと思うと、今度はわたしの口に入れた。
「よし!これで終わり!後は俺のだから!」
海堂さんはスプーンを口に咥えて機嫌良くリビングに下りていった。
わたしは少し混乱した。
おいしかったけど、そういう問題じゃない…。
口の中はひんやりとしているのに、頬はますます熱っぽくなってきた気がする。
甘い苺の香りに包まれて、さっきとは逆に熱が出たことにちょっぴり感謝した。


+++++++++++++++++++++++


ソファに座って雑誌をめくっていた勇治がいきなり立ち上がった。
キッチンの冷蔵庫の前にいた直也がほぼ同時に身構えた。
「長田さん!?」
「結花!?」

オルフェノクの特性故か、結花の意識が遠退いたのを二人は瞬時に感じ取ったのだ。
名前を呼ぶが早いか、直也は結花に駆け寄り寸でのところで彼女を受け止めた。
「あっぶねー」
「気絶…してるのか?」
「だな。なんか熱っぽいニオイがする」
「俺、濡れタオルを作ってくるから、きみはそのまま長田さんをベッドまで運んでくれないか?」
「おいおい、力仕事は俺かよ!」
「仕方ないだろ。さぁ早く!」
「チッ!しょうがねぇな……っこらせっと!」
直也は結花を抱きかかえると、注意深く階段を上っていった。
ゆっくりとベッドに結花の体をおろし、彼女の額に手を当てて直也は呟いた。
「大丈夫だ。心配ない」

「どう?様子は?」
勇治が洗面器に氷水とタオルを入れて持ってきた。
「あぁ、別にたいしたことねーな」
「そうだね。変な波動は感じられないし、このまま寝かせて様子を見よう」
「そんじゃ、俺様はイチ抜けたっと!」
「海堂〜…」
「ちゅーか俺、オマエみたいに暇じゃねーからよぉ!」
そう言うと直也は、階段の途中から一気に飛び下りてソファの真ん中に陣取り、さっき勇治が読んでいた雑誌を手に取った。


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