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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

284Solitude 6:2011/05/10(火) 03:14:36
 まだナツミが達していないのを承知で、自分だけ快楽を極める。背筋を駆けあがった欲望が迸る寸前に自
身を引き抜き、物足りなそうな声を上げたナツミの顔へ向け精を吐き出した。まさかそんな仕打ちを受ける
とは思ってもいなかったのか、反射的に硬く結ばれたナツミの瞳から一筋の涙が零れおちる。その口元へと
欲と愛液に濡れたモノを押しつけ、綺麗に舐め取ることを強制すると、夏海は涙を含んだ睫毛を薄く持ち上
げ素直に舌を這わせた。
 白濁した欲に穢れた白い肌で事後の奉仕をする姿に、歪んだ征服欲が満たされたのはほんの一瞬のことで、
士は全身を覆い始めた虚無感から無言でナツミに背を向けた。
 バスローブを引っかけペットボトルの水を一本開けると、体だけは単純な解放感で若干軽くなった気がし
た。しかしそれとは逆に、頭の芯はどこか痺れたように麻痺していて、鈍い痛みがこめかみの辺りを締め付
ける。だが、じわじわと感情を蝕んでいく不快感の正体を突き詰めることは、士のプライドが許さなかった。
 空になったボトルをゴミ箱へと放り投げ、ベッドの上に転がっていると、顔と髪を洗い終えて出てきたナ
ツミが乾いたタオルで水滴を拭い始めた。
 あれほどの仕打ちをした相手に、何でここまで世話をやけるのか。士にはナツミの行動がさっぱり理解で
きなかったが、振り払うのも面倒になり好きなようにさせていた。
 今までの相手は、コトが終わった後は側に気配を感じるのも鬱陶しかったが、そう言った意味でもナツミ
はイレギュラーだった。
「酷い顔してます。少し休んだほうがいいですよ?」
「そんな暇はねぇ」
「ダメです。1時間……いえ、せめて30分でもいいから寝て下さい。目の下がクマで真っ黒です」
「煩ぇな、お前は俺の母親か?つけ上げんじゃねぇぞ」
 本気で苛立ちを覚えて凄んでみたが、それ以上にナツミの目は真剣だった。組織の人間の上辺だけの心配
とも、小夜の縋るような心配とも違うその目に、士は何故かおぼろげとなっている母親の面影を思い出した。
 なにがどうなったのかは分からないが、ナツミが心の底から自分を案じていることは疑いようもない。今
まで死んだ両親以外にそんな態度を取られたことがない士は、どう対処していいかわからなくなり、結局咽
喉まで出かかった怒声を飲み込み視線を外すことで逃げた。
「………30分だけだからな」
 ごろりと背を向け、目を閉じて寝たフリをする。どうせ他人がいる場所で眠れるはずがないのだから、た
だ転がってるだけでこの居心地の悪いやり取りを終わりにできるなら、それに越したことはない。
 何故かはわからないが、ナツミが相手だと調子が狂って仕方がない。気まぐれで囲っただけの相手に翻弄
されている事実が気に食わず、士は深々と溜息を吐きだした。


 やがて意識がふつりと途切れ、深い闇の中に薄れかけた遠い日の思い出がいくつも浮かんでは、儚く消え
ていった。


 今では思い出すことすらしなくなった記憶が、何故脳裏をよぎったのか。その疑問とともに目を開けると、
いつの間にか周囲は斜陽によって仄かに赤く染まっていた。
「!?」
 時間の経過感覚がおかしいことに気づき、弾かれたように体を起こすと、その拍子に体の上にかけられて
いた布団がバサリと音を立てた。


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