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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

281Solitude 3:2011/05/10(火) 03:13:42
 憎々しげな瞳を向ける海東に釘を刺し、ステップに足を乗せる。動揺を顔に出したのは一瞬で、海東は即
座にいつものポーカーフェイスを取り戻すと、深い溜息を吐きだした。そして、階段を上る士の背に向かい、
冷静な声を投げつける。
「待ちたまえ。現時点での各世界への侵略状況や世界を繋ぐ橋の維持について、まだ報告が残っている」
「そんなもの、月影にしろ。俺は知ったこっちゃねぇ」
「まったく、アバウトにも程があるね。これじゃ、どっちが組織のトップだかわからないよ?」
 先ほどまでのものとは全く違った意味で冷たく言い放つ海東の言葉には耳を貸さず、士はさっさと階上に
あるプライベートフロアへと移動した。基本的に、このフロアには執事でもある月影と、玩具兼側近である
海東以外は、大幹部ですら立ち入ることは許していない。あとは精々メイドが入るぐらいだが、メイド達は
基本的に戦闘員と同じ存在であり、個々の意思はない。その為、士は戦闘員やメイド達のことを、路傍の石
程度の認識しかしていなかった。
 当然ながら、遊びで抱く相手を連れこんだことなど一度もない。
 しかし今、その完全なるプライベート空間である部屋の中には、一羽の小鳥が閉じ込めてある。偶然手に
入れた幸運の小鳥だが、捕えてからそろそろ1週間近くなる。同じ相手を何度も抱くことは今までなかった
が、何故かナツミに関しては未だに飽きる気配を感じなかった。
 尤も、海東という例外的な先例があるのだから、固執すること自体は珍しくないのかもしれないと、士は
珍しく興味が長続きしている自分をそう分析した。
 生体認証でロックされた扉を開け、中へと踏み込むと、一人掛けのソファに体を沈めたナツミが、物憂げ
な眼差しで窓の外を見つめていた。すでにその胸にDCDの印を刻んではあるが、逃走を防ぐためにも服を
着ることは許してはいない。質のよい下着類と、寒さ避けのガウンだけを与えたナツミの姿は、高級娼婦の
それに近かった。
「待たせたな」
 扉の開く気配に気付き、視線をあげたナツミの側に近付いた士は、細い顎を掴んで引き寄せると無遠慮に
唇を割った。もはや逃げることを諦めたのか、ナツミはさしたる抵抗を示すこともなく、されるがままにな
っている。
 素直に口づけに応じるナツミを見下ろし、士は唇の端を吊り上げた。
「なんだ、今日は随分と大人しいじゃないか」
「他の世界へ実験に行ったって、だ…海東さんに聞きました。他のライダー達と、戦ってきたんですか?」
「血の匂いは嫌いか?」
 意地の悪い言葉で返答を誤魔化すと、何故かナツミは酷く悲しげな目をした。非難というよりは、むしろ
心配するようなその視線に居た堪れなくなり、士は軽く息をつくとナツミの体を離した。
「ただのカードとバックルの性能テストだ。まだ実践レベルじゃねぇよ」
「え?」
「確かにディケイドに変身はできるが、まだ安定はしてねぇ。世界を移動しただけで、あっというまにエラ
ーの連発だ。お前がカードに触ったおかげで、ようやくまともに動くレベルになったっていう、お粗末な代
物だ」
「そう、なんですか?」
「そういうこった。分かったらさっさと風呂入れろ」
 そう言って顎をしゃくると、ナツミはどこか安心したように小さく微笑み、言われた通りに浴室の準備を
始めた。


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