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仮面ライダー総合@エロパロ避難所

279Solitude 1:2011/05/10(火) 03:13:02
 ある日突然、幸運が舞い込んだ。

 なんてことはない、ごく普通の女の姿をしたその幸運は、原因が解明できなかったカードのブランク化
を解除し、次元移動によるドライバーのエラーを解消した。おかげで滞っていた大ショッカーの世界征服
計画は、一気に駒を進めることになった。
「お疲れ様です、士さん」
 バックルの稼働実験を終えた士がオーロラを潜り城へ戻ると、月影が深々と頭を下げて出迎えた。その
後ろで待つ科学者達を一瞥し、士は通りすがりにバックルとカードを一人の研究員に渡した。その胸にあ
るスタッフタグには、『結城』と書かれている。
「カードの解放に問題は?」
 素早く手にしたカードを広げた結城が尋ねると、士は鼻で軽く笑った。
「9枚のカード全部にカメンライドできたし、今回は一度も暴走しなかったぞ?よかったな、問題が片付
いて」
 雁首そろえて今まで何をしてたのか。士が言外にそう嘲ると、プライドの高い研究員たちが僅かに頬を
引きつらせた。その様子を冷やかに横目で見た士は、興味など微塵もないと敷き詰められた赤い絨毯の上
を歩きだした。
「士さん!精密検査がまだ」
「なんともねぇよ、今回はな」
 そんな面倒は御免だと、士は耳の横のあたりで軽く指を振り、さっさと絨毯を進んだ。そのまま玉座へ
と戻ると、誰もいない部屋の中で一人階段に腰を下ろしていた海東が、手にしたノートパソコンから顔を
上げる。
「やあ、士。思ったよりも早かったね」
「ただの稼働実験に、今まで時間がかかりすぎただけだ」
「言ってくれるね。あれでも、ラボのスタッフは寸暇を惜しんでプログラミングしてるんだけど?」
「頭数だけ揃ってても、結果が出ないんじゃ意味はねぇ」
「だろうね。君には結果が全てだ」
 作業をしていたウィンドウを閉じたのか、海東は膝の上のノートパソコンを閉じた。その前に立った士
は、腕を組んだまま海東の顔を見下ろすと、無表情のまま尋ねた。
「それで?」
「君はいつも言葉が足りないね。全く、主語ぐらい入れてくれないと、何を答えたらいいのか分からない
じゃないか」
 そう言いながらも、海東は何枚かの紙がクリップされたボードを士へと差し出した。
「結果はオールクリア。彼女は別にオルフェノクでもなければファンガイアでもない、正真正銘の人間だ」
「だろうな。ま、赤い血のワームかアンデッドでもいりゃ、話は変わってくるだろうけどな」
「遺伝子も隅々まで調べたが、何から何まで普通の人間だったよ。尤も、潜在的な能力のほうはラボに連
れて行かないと分からないけどね」
「はっ!あいつらに事の真相を言ってみろ。あっという間にバラバラにされて、脳細胞の一つまで、残ら
ず標本にされるのがオチだ」


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