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獣人総合スレ 避難所

1名無しさん@避難中:2009/03/17(火) 20:14:12 ID:/1EMMOvM0
獣人ものの一次創作からアニメ、ゲーム等の二次創作までなんでもどうぞ。
ケモキャラ主体のSSや絵、造形物ならなんでもありありです。
なんでもかんでもごった煮なスレ!自重せずどんどん自分の創作物を投下していきましょう!
ただし耳尻尾オンリーは禁止の方向で。
エロはエロの聖地エロパロ板で思う存分に。

獣人スレwiki(自由に編集可能)http://www19.atwiki.jp/jujin
あぷろだ http://www6.uploader.jp/home/sousaku/

獣人総合スレ 5もふもふ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1236878746/

【過去スレ】
1:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1220293834/
2:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1224335168/
3:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1227489989/
4:http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1231750837/

781名無しさん@避難中:2013/10/12(土) 07:42:44 ID:BWNHqBf.O
リオ「ただのBBAには興味ありません。このなかに巨乳、残念、ロリコン、保健医がいたら、あたしのところに来なさい。以上」

782わんこ ◆TC02kfS2Q2:2013/10/16(水) 19:30:17 ID:10nzO7Xs0
本スレ>>116 お題「将来の夢」でちょいと書きました。

おまけ。
コレッタだよ!
ttp://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/609/Coletta.jpg

以下より、どうぞ。

783『ユメミルコネコ』 ◆TC02kfS2Q2:2013/10/16(水) 19:30:52 ID:10nzO7Xs0

 保健室の白先生が居眠りしていた。
 人目も憚ることなく、無防備に椅子に仰け反ってすやすやと。

 そろりそろりと忍び寄る小さなユメミルコネコが一人。
 どきりどきりと揺れ動く小さな胸に希望を乗せて。

 「ちょっとかりるニャ」

 白先生を起こさないように、子ネコのコレッタがメガネをひったくった。薄い手のひらには重くのしかかるオトナのメガネ。
 コレッタは頬を赤くしながら白先生のメガネをかけた。

 メガネをかければちょっと一人前に見えるかもしれないと、コレッタはメガネのつるを摘んでいい気になっていた。
 そして白先生の真似をしてゆっくりと、子ネコにはちょっと大き目のメガネをかける。

 初めての視界はぐるぐると廻るよう。瞳は鳴門のようにぐるぐると廻るよう。
 足元もふらふら、オトナになるって厳しいニャ。

 メガネをかける前は「白先生みたいなオトナになりたいニャ」と、まだ見ぬ未来の希望へと手のひらをぐっと伸ばしていたのだが、
今やその手は制御不能!度があっていないからと子ネコのコレッタには理屈は通じぬ。

 足元でんじゃらす!
 コレッタは前のめりに転びそうになりつつ声を上げた。

 ふにゃあああああああ!!

 助かったニャ?
 でも、おかしいニャ?
 
 やわらかく。とろけそうな肌触り。ボーダーのシャツ越しながら、薄っすらと感じる(永遠の)嫁入り前の……。

 「コ、コレッタ!!何しているんだ!!」
 「ご、ごめんなさいニャ!白先生みたいになりたくて……ニャ」
 「わたしみたいに?か?」
 「ニャ!」

 白先生はぐっと額に汗たらして堪えた。お願いだから爪は立てないでくれ。胸が痛いんだ。比喩でもなく、ホンキで。
 コレッタの手中に収まりきれない白先生の無駄に大きな胸は子ネコになぜか自慢げだった。


  おしまい。

784わんこ ◆TC02kfS2Q2:2013/10/16(水) 19:31:14 ID:10nzO7Xs0
投下おしまいです。

785名無しさん@避難中:2013/10/16(水) 19:45:25 ID:C/D6zyY.0
コレッタにゃんハスハス

786名無しさん@避難中:2013/10/29(火) 21:43:10 ID:FFL30Yic0
ttp://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/620/furry535.jpg

787名無しさん@避難中:2013/10/30(水) 07:06:11 ID:reOTjpGM0
がおー

788名無しさん@避難中:2013/11/24(日) 18:30:38 ID:fnBtgo/I0

 「もう一ヶ月か……」

 咥えた煙草の煙がやけに澄んで見える。汚れ塗れの世間よりかは煙の方が清く見える。
 私は携帯灰皿に吸いかけの煙草を押し込んで、校舎の屋上から浮かれた町並みを眺めていた。
 もうクリスマスなんか関係は無いと、とっくに切り捨てていたが、どんなに抗おうとも時の流れには逆らえないと知った二十歳の夜。
父との死闘が遥か昔のように流れ去り、私の眼帯だけが古傷を癒す。父など……、私の記憶には無い。

 「獅子宮せんせー」

 背後から叩くように聞こえる声、まさに彼女は乙女だ。
 私と同じ歳だというのに、子猫の頃を引きずる彼女は泊瀬谷と呼ぶ。
 私の勤める学園で現代文を教える泊瀬谷だが、些か少女趣味過ぎるのが難点だ。私がかい潜ってきた修羅場とは別世界に生きてきたから、
それはそれで理解は出来るが、闘いに明け暮れていた頃の獅子宮玲子と出会わなかった事を幸いだと思え。

 「あと、一ヶ月ですね!」
 「そうだな」
 「プレゼント、どうしましょうかね!」

 またも私に無縁なフレーズが現れた。
 プレゼントか……。クリスマスイヴの夜にたむろする不逞なる餓鬼共にナックルパンチならばプレゼントしたことはあるが、
リボンや包装紙で飾られた物など私にはもはや関係無い。仮にも頂ける物ならば、血の滴るような生肉でも望もうか。一人マンションで
憂き世をえぐるように食したいと。それを泊瀬谷に伝えた所……。

 「獅子宮先生、肉食系ですね!」

 きっと泊瀬谷は勘違いしているのだろう。何しろ泊瀬谷は乙女だ。
 泊瀬谷の脳内ではクリスマスの夜に寄り添う野獣のような男を描いているに違いない。
 私は携帯灰皿をズボンのポケットにしまいながら、マリアナ海溝よりも深い呼吸をしていた。

     −−−−−−了−−−−−−

789名無しさん@避難中:2013/12/01(日) 07:30:38 ID:Gi2EsxgQO
獅子宮「ぬこぽ」

790名無しさん@避難中:2013/12/01(日) 20:58:21 ID:qv1eS3No0
わん!

791名無しさん@避難中:2013/12/01(日) 22:32:29 ID:pQvCBvvs0
獅子宮「わん…だと?誰だっ。誰が吠えた!」
犬上「え?ぼくじゃないですよ…。早く、本の続きを読ませて下さい」
芹沢「え?マジ?わたしじゃない…ってかさ、あまがみ部じゃね?」
大場狗音「久々に出て来て、これなの?私のあまがみと獅子宮先生の本気噛み…どっちがいい?」
芹沢「弟を差し出します!タスク!!!!」

792名無しさん@避難中:2013/12/13(金) 12:32:59 ID:JhxJMXjIO
絶対に「にゃっ」てはいけない学園24時



ぬこぽ

793名無しさん@避難中:2013/12/26(木) 10:30:36 ID:OrDtm5As0
にゃんにゃん

794名無しさん@避難中:2013/12/26(木) 10:30:36 ID:OrDtm5As0
にゃんにゃん

795名無しさん@避難中:2013/12/26(木) 22:34:04 ID:bIObV0h.0
みゃー

796名無しさん@避難中:2014/02/22(土) 12:01:26 ID:Fa43XJv60
ぬこの日か

797名無しさん@避難中:2014/03/03(月) 17:45:36 ID:Pp/uTr.E0
落ちた?

798名無しさん@避難中:2014/04/10(木) 01:29:18 ID:RE.b8SHM0
ksks

799名無しさん@避難中:2014/06/29(日) 05:25:38 ID:XFNF9ICc0
ぬこぽ

800名無しさん@避難中:2014/06/29(日) 08:23:02 ID:KTz4sKmA0
にゃぺち

801名無しさん@避難中:2014/07/05(土) 06:47:58 ID:rY.P/gTA0
>>800
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/834/nyapeti.gif

802名無しさん@避難中:2014/07/05(土) 11:28:39 ID:kS69i7b.0
かわいい

803名無しさん@避難中:2014/07/05(土) 22:37:31 ID:Fj6bprFA0
>>801
にゃ

804わんこ ◆TC02kfS2Q2:2014/07/16(水) 19:44:17 ID:RBA6yh0k0
投下します。


     『だてめ』



 真面目のまー子でお馴染みの風紀委員長が、雑貨屋でいちゃいちゃとデートをしていた。

 委員長からいつもつっかかられてばっかりの犬上ヒカルは、見て見ぬふりをして通り過ぎようと心に決める。
 学校から電車で4、5分のショッピングモールの本屋に立ち寄って、発売を心待ちにしていた本を手に入れて、
自分の部屋を図書館にしようと浮かれていた帰り道。テナントして入居していたカオス感漂う雑貨屋の店先でのことだった。
 ディスプレイとして並んでいるご当地袋ラーメンのコーナーに気を取られていいた矢先のことだった。

 「これ、よくない?リオ」

 相手にリードされてばかりのリオは、おそらくきっとまんざらでもないはず。
 風紀委員の活動では委員長だからリードする方のリオだが、委員長の殻を突き破ったとき、牽引される快感で自分の奥底に
潜む被虐性が露になるのだと、ヒカルはクラスメイトの分析をそっと楽しんでいた。

 「……」

 後ろ手でスクールバッグぶら下げたり、小首を傾けるリオの仕草に、同い年のヒカルは年の差を感じた。
 もちろん、年上に、だ。
 もしかすると、女子っていう生き物は生を賜ったときから男子より年上なのでは。
 自分自身の日常を振り返れば、ヒカルは実にそう思う。

 「そういえば、この前さぁ、タスクに似合うTシャツ買ってやったのにさ、着てくれないんだよね」
 「気に入らなかったんじゃね?」
 「むかつくなぁ、なぐるよー。たった一人の姉貴だしー、女子喜ばせろよー」
 「モエはドSだなぁ」

 弟の愚痴でリオの『彼氏様』はぷうっと頬を膨らませて、リオの腕を引っ張った。
 素敵な『彼氏様』は、一人の可憐なオンナノコだし。女子喜ばせてナンボだろ、と。

 「モエー、結婚してくれー」
 「無理じゃね?」

805わんこ ◆TC02kfS2Q2:2014/07/16(水) 19:44:37 ID:RBA6yh0k0
 ヒカルがリオに感付かれる前にこの場から逃げ去ろうと踵を反したと同時に、リオの愛しの『彼氏様』から軽々しい声が飛んできた。
逃げ場 、ナッシング。逆らうは辱しめの嵐。『カピバララーメン』なんかに夢中になるんじゃなかったと悔やんでみるものの、
もはや後の祭りだった。つかつかと近寄るモエは珍しいものをみるように目を丸くしていた。

 「犬上もこんなところ来るんだ」
 「いや……、本屋さん寄ろうと思って」
 「ウチら、デートだよ。放課後デート」

 愛しの『彼氏様』は女子力フルスロットルでピースサインをつきだした。同性同士だから遠慮はいらない。
女子高生同士の百合百合タイム、リオと『彼氏様』なモエのお買い物は綿菓子の味がした。

 「モエ、こんなのどうかなぁ。赤フレーム見付けたんだけど」
 「リオ!いいじゃん、これー」

 伊達メガネが欲しくって、モエはリオを連れ出した。
 メガネっ娘のリオが選ぶメガネに興味もあるし、いち早くリオに自慢出来るし。
 ごちゃごちゃした店内にディスプレイされた伊達メガネからは、知性とおしゃれ心がほんのりとにじみ出ていた。

 「そーだ。犬上もしてみたら?」
 「何を?」
 「決まってんじゃん。だーてーめ」

 思考と行動が同時のモエの手には、空色のフレームが瑞々しい伊達メガネが収まって、ヒカルが返答を濁しているいる間に
あるべく位置に掛かった。白い毛並みのヒカルの顔に一輪のすみれが花咲く。
 メガネは初めてだ。多少、視界が狭まったことだけが気にかかる。
 鏡に写った自分の姿に対して、妙によそよそしさを感じた。
 オトナになったら、こんな自分になるのかもしれない……と。

 「メガネ男子だっ。これでご飯三杯はいける」
 「は?」
 「だって、メガネは男子をドSにするんだよ?女子喜ばせなさいよー」
 「ドSが?」

 狂喜に沸くリオの言葉と自分の姿をちょっとした想い出にして、ヒカルはそっと空色の伊達メガネを外した。


     #


 梅雨も明けたと言うのに、本を枕にして不意に目覚めた朝は、しとしとと霧雨で幕開けを迎えていた。
 もはや急がなければ遅刻は必至の時間だぞと、アナログ時計が報じる。

 昨日買った本に夢中になって、ついつい夜更かししてしまい、気がついたら普段着のまま夢の中。
 とにかく、学校への支度をしなければと肝を冷やして制服に着替える。最悪の事態を思い浮かべては、無心に事を進める。

 朝ごはんも食べずに学校へと急ぎ、自転車を走らせているとまぶたに霧雨がこれでもかと吸い付いてくる。
拭っている暇はない、水と風を切りながら、校門へと続く坂道を一気にかけ上った。胸の奥からはあはあと暑い息が立ち込める。
その甲斐あってか校門には何とかセーフ。まとわりつく水滴を拭いながら、土足場で靴を脱ぐと、蒸れたにおいがぼんやりと立つ。
 廊下では「おはよう」の挨拶そこそこに誰もが皆一日の始まりに備えていた。

806わんこ ◆TC02kfS2Q2:2014/07/16(水) 19:45:07 ID:RBA6yh0k0
 「リオ!ちーっす!急がないと遅刻遅刻!」

 既に風紀委員の仕事で登校していたリオは、遠巻きにヒカルとモエを眺めていた。両手一杯に抱えた冊子の重さに耐えながら……。

 自分と同じく急いでいる割には、実に能天気な挨拶をかけてくるモエの姿に気を取られていると 、ヒカルはモエとモエの弟の話が
脳裏をよぎった。あの、雑貨屋でのTシャツの話……だ。袈裟懸けしていいる通学かばんから、モエに悟られないように、
そっと空色の伊達メガネを掛けてみた。モエの強い勧めで買ってみたものの、袋に入ったまま通学かばんに入れたままだった。

 初めて自分の意思で掛ける伊達メガネは、悪巧みが微塵もない共犯意識と似ていた。
 掛け心地は変わらない。ただ、視界がちょっと狭まったような。土足場が小さく見える。
 もしかして、微妙なおしゃれ心に目覚めた自分を誰かが笑っているのかもしれない。それはそれで、ブラックなヒストリーとして
自分自身で語り継ごうではないか。

 「あっ。犬上、ちーっす!」
 「……おはよ」

 ちょっとどきどきする。
 相手は普通どおりに挨拶してきただけなのに。

 「いそぐよ!犬上、走れ!リオ、またあとで!」

 なのに期待外れの結末だ。
 モエが逃げるようにヒカルの元から走り去ったのは、時間ぎりぎりだからだと理解したのは、教室に入ってからだった。

 一時限目が始まる間際の教室にて、席に着いて安堵の一息をついた矢先、一仕事終えたリオが手首をばたばたと振り
ヒカルの顔を覗きこんだ。昨晩寝落ちしてしまったからと、本の余韻に浸ろうと伊達メガネの感覚を気にしていていたときのこと。
 日常が非日常になるまんざらでもない高揚感がヒカルを調子にのせていた。

 「もしかして、この間モエが選んだヤツ?」
 「うん」
 「いいね。メガネ男子」

 素っ気無いリオの反応にはちょっと期待はずれだった。

 「ってかさ。雨なんて、もーって感じだよ」
 「梅雨も抜け切れてないんだよ」
 「わたし、朝に委員会の仕事あるから坂道ダッシュで駆け上ったら、もーメガネに水滴が付く付く。前が見えないよお」
 「そうなんだ」
 「あれ?犬上、ならなかった?自転車だと、尚更なのに」

 あ。
 しまった。

 「……あれだよね。今、思い出して『伊達メガネ』掛けました。って、感じだよ?犬上?」
 「はっ」

 あれだけ急いで霧雨の中を自転車で疾走すりゃ……。ヒカルはメガネっ娘の苦悩を受け取れなかった自分の未熟さに冷や汗をかいた。
 リオのメガネとヒカルの伊達メガネの輝きは違うんだから……。

 冷やかす神あれば、拾う神あり。
 ヒカルの背後から叩き込まれた乙女の声は、ヒカルにとって救世主。
 リオの『彼氏様』の声は、リオにとってドSなアイツ。

 「ちーっす!あ!犬上、似合うよ!メガネ男子はご飯三杯いける!」
 「あ」
 「どお?似合うかなぁ」

 チェキポーズで『たった今、掛けました』アピールが漂う赤い伊達メガネのフレームから覗き込むモエの
きらきらとした目は男前だった。


   おしまい。

807わんこ ◆TC02kfS2Q2:2014/07/16(水) 19:47:12 ID:RBA6yh0k0
おまけ。

いまどき犬っ娘+昭和昭和した商店街+レトロな電車
モエ「ちょー、懐かしくね?生まれてないけど!」
http://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/837/moe_in_arcade.jpg

投下おしまいです。

808名無しさん@避難中:2014/10/09(木) 14:44:54 ID:iCnBwmmU0
昭和のかほり…

809名無しさん@避難中:2014/10/21(火) 17:09:55 ID:Av36T/Dw0
朝起きると猫が二本足で台風の外の様子を見ていた
http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/868/Coletta_typhoon.jpg

http://twinavi.jp/topics/tidbits/543d069b-b3b0-4521-8425-035aac133a21

810名無しさん@避難中:2015/01/01(木) 01:35:02 ID:2Cx3j03w0
白先生、あけましてぬこぽっぽ

811名無しさん@避難中:2015/01/01(木) 01:38:27 ID:GKhzb3120
にゃ。あけおめ

812名無しさん@避難中:2015/01/01(木) 22:10:50 ID:le5j6Tr.0
http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/906/furry538.jpg

813名無しさん@避難中:2015/01/01(木) 22:48:02 ID:GKhzb3120
おお久々のこたつみかんさんや

814名無しさん@避難中:2015/01/02(金) 02:56:12 ID:j5IwoUL20
ひつじー

815名無しさん@避難中:2015/01/02(金) 11:24:18 ID:8anTrItY0
やっぱ見ると安心する絵柄だわ

816名無しさん@避難中:2015/01/27(火) 01:17:08 ID:GOW0Dlwg0
http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org128534.jpg

817名無しさん@避難中:2015/01/27(火) 06:24:17 ID:k2QwjcTo0
……ふぅ

818名無しさん@避難中:2015/01/27(火) 09:31:30 ID:R7jdo0aM0
かわい!

819わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/02/22(日) 19:29:09 ID:MkSoj18Y0
本板がうまくいかないからこちらで「ねこの日」。





 「ねこの日ですね」
 「おめねこ!」

 彼らは口を揃えて今日は『ねこの日』だと言う。去年も今年も、そして来年も、2月22日の夜はやってくる。
 泊瀬谷も彼らに混じって「おめねこ」のご挨拶。毎年つつがなくやって来る『ねこの日』を祝いつつ、何かにつけて集まって、
ゆるく時間を共有しようと、暇だけを持て余す彼らは賑やかに公園で夜会を開いていた。

 今年は雪が舞う。去年と比べて人数は少ないものの、物好きなメンバーが集まった。
 泊瀬谷も彼らの誘いを断り切れず、顔を出すだけと夜の公園に姿を現した。

 ネコの夜会はいつも眠い。約束の場所には、そんなに多くもないネコたちが続々と集まってきた。馴れ合いというわけものない、
付かず離れずのほどよい関係がネコたちには心地よいからだ。
 公園でネコたちは、特に何かをするわけでなく、ベンチに座る者いれば、たちんぼうもいる。集まりの中の一人となった
紅一点な泊瀬谷は仕事を終えたオトナの世界からの帰りの格好のまま、コドモの気持ちでブランコに乗ってあくびをしていた。

 そそくさと急ぎ足でこの公園に来た泊瀬谷の瞳にちらつく雪が闇に映える。
 泊瀬谷は教師だ。ネコの教師だ。現代文を教える高校教師だ。勤め先である学園から直接やって来た。
きっと帰りは遅くなるだろうと、宿直室覚悟で職員室にて残った仕事を片付けていた。焦れば焦るほど上手くいかないもので、
明日は休みだからと言い訳をして、仕事を切り上げてしまった。心残りがあるものの、ネコの夜会で忘れるつもりだった。
 泊瀬谷が学園を出て夜会の公園に着いたときには、既に何人かのネコたちが場を温めていた。

 「お久しぶりです」
 「はせやん。なんだか今夜は『きゃりあうーまん』っていう装いで」
 「仕事帰りですよお。それに、わたしそんなにてきぱきしてませんし」

 先客の老ネコにからかわれながら泊瀬谷は仲間に加わった。
 ふっさふさの毛並みに包まれた翁は色艶は流石に薄れてきたものの、齢を積み重ねてきた証である貫禄は十分だった。
 呑気な先発組と違って泊瀬谷は仕事帰りだったので、ちらりと顔を見せただけでこの場をあとにした。

 たまには雪降る夜もきれいだなと、物思いに耽る余裕さえなく泊瀬谷は足速にせせこましい新年の町並みを歩く。
両手で口元を覆い隠していると、そのときはそのときで温かい。おもむろに手を離し息を吐くと、目の前が真っ白に輝いた。
 残念なことに「寒い」の一言で何もかもが吹き飛ばされた。

 「暖かいところ、行こう」

 光は人を呼び、人は光を紡ぐ。
 誰もが心寂しくなる季節だから、光が解き放つ理論を無条件に受け入れる。泊瀬谷も賛同し、自然に足はコンビニへと向いていた。

 コンビニは明るい。コンビニがクラスメイトならばきっと人気者になれるだろう。
 コンビニの中だけは時間を切り取ったような明るさだった。
 夜更かしさんたちは立ち読みに興じ、腹ぺこさんたちは籠いっぱいにお菓子を詰め込んで、これから向かう夜の世界に
やんわりと立ち向かう。泊瀬谷もコンビニの掟に倣い、とりあえずみかんゼリーをひとつお買い上げ。

 「太るかな……」

 体重のことを気にせず、美味しく頂くこともコンビニの掟。

 「ま、いいか」と、泊瀬谷は小さなビニル袋をぶら下げて、足早にコンビニから出ると見覚えのある子を見付けた。
 昼間見る姿とは印象は違う。きっと夜のせい、服のせい。自転車のハンドルに泊瀬谷と同じビニル袋をぶら下げて、
暖色系のマフラーを巻き直していたイヌ男子。雪のように白い毛並みとマフラーが相対して映える。

 「先生」

820わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/02/22(日) 19:29:31 ID:MkSoj18Y0
 気付いたのは、イヌ男子の方だった。
 彼の口から白い息が吐き出され、形を成す前に散り散りに消えた。

 「ヒカルくん、買い物?」
 「はい」
 「夜中に?」
 「はい。夕方から本を読んでたら、夕飯食べるの忘れちゃった」

 ヒカルの手にはコンビニの買い物袋。さほど入っておらず食事よりかは間食である。
 夜道のヒカルは白い毛並みが街灯の明かりに照らされて、眩しく見えると言っても過言ではない。



 「今から帰りですか」
 「うん」
 「家まで遠いんですか」
 「ちょっとね」

 ハンドルにコンビニのビニル袋をぶら下げているのだから、聞かずとも分かるはず。
 だが、泊瀬谷はヒカルとの間を縮めようと、どんなことでもいいから会話を振りたかったのだ。
 付け焼き刃のような泊瀬谷の話はすぐに雪で冷やされてしまいつまづく。

 カチカチカチと車輪を廻す男を散らかしながら、ヒカルが自転車を押して行く。話もせず、ただ並んで歩いているだけの
二人をじれったく感じているような自転車の声がおせっかいを焼いてきた。まるで、気が利く振りをしている子のように。

 泊瀬谷は自転車に急かされて、学校を出て夜会に顔を出し、今に到るまでをヒカルに話した。
 ヒカルにはいい迷惑かもしれないと、泊瀬谷はだんだんトーンを落とすと、ヒカルは自転車を止めて泊瀬谷の顔を覗き込んだ。
 泊瀬谷の顔は潤んで見える。なぜかと尋ねれば「冷たいから」と強情を張って、ふんと答えるに違いない。ヒカルはもちろんそれ以上、
詮索するつもりはなかった。

 ヒカルは泊瀬谷の姿をじっと見つめる。教室とは違う、一人の女性の香り。コートに着いた雪、足元を濡らしたブーツ。
ヒカルと歩いているのは、ヒカルの先生ではなく、泊瀬谷という名の一人の女性。

 どうしてヒカルが気にかかるんだろう。
 泊瀬谷は自分のヒカルに対する思いをふと疑問に思った。
 教師と生徒、ただそれだけの繋がり。それ以上に意味を持たせることは許されるのか。

 いけないことを承知で、こっそり自転車二人乗りしたから?
 お互い本を貸し借りしたから?
 それとも、学生時代は先生になるために必死で、大人になるまで誰かを想うことに憧れるだけで、自らの意志で人を大切に
することができなかったことの反動なのか?

 いや……、そんなことは小手先の言い訳。泊瀬谷だって大人だ。簡単な思い出だけで理由付けして分かったつもりになるなんて、
恋に溺れた若輩者の為せる技だと、泊瀬谷はくびを振る。

 (どうして、ヒカルくんより早く生まれたんだろう)

 大人の香り漂うコート、大人の財力でちょっと無理して買ったブーツ。
 せめて自分が大人でなかったらと、取り返しのつかない自分を悔やむ。

 雪景色の開放感と比べて、二人の間はぎこちない。雪たちに地上に住む生き物の語らいと言って見せることは到底出来ない
二人の間の空気は、二人にとっては壊したいものではないのだからそっとしてあげて欲しい。
 まだまだ世間を知らないヒカルが空気を壊した。故意でもない、必要とされたために。

 「ウチに寄りますか」

 ブーツの踵が地面を鳴らす音をやめた。ヒカルの声を聞くためにではなく、ヒカルの声に驚いてだった。
 もしかして、ヒカルなりの意地悪かもしれない。泊瀬谷を困らせるために、泊瀬谷をぬか喜びさせるために、わざわざついたウソ。
困った顔を見せてたじろぐ泊瀬谷をにんまりと楽しむために、ヒカルは泊瀬谷をたぶらかせていたのか。

 「父は仕事仲間の寄り合いで、母は海外に出ているから今夜はぼく一人なんです」 

 それは、ヒカルの家の前を掠めたときに分かった。家に灯かりが点っていない。すなわち、家はヒカルのいいなりだから。

 (ヒカルくんちって、初めて入るなあ)

821わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/02/22(日) 19:29:48 ID:MkSoj18Y0

 寒さなんか溶けちゃうくらい、頬を赤らめて真冬の街を一緒に歩く。
 指と指を絡ませあって、イヌの優しい毛並みに触れる。ぐいと強引に、半ば遠慮がちに自宅へと引っ張るヒカルの後ろ姿が、
なんだか照れくさく、ついつい視線を反らせてしまう。否定をしないのは肯定の意味。こましゃくれた子供のような理屈は
今夜限りでいいから通して欲しい。 ネコの泊瀬谷は、そんなイヌのぎこちない真っすぐさを独り占め出来る夜が待ち遠しくも、
恥じらいを隠せなかった。やがて、二人は住宅街へ飲み込まれヒカルの家の前で足を止めた。自転車の音も口を閉じた。

 「着きました。先生」
 「……ここでヒカルくん、育ったんだね」
 
 泊瀬谷には『犬上』の表札がやけに堅苦しく見えた。ヒカルは玄関の鍵を開けると、自分の担任教師を家に誘った。
 もじもじしているオトナを蔑ろにするようにヒカルはずかずかと家へ入っていったけど、オトナはオトナの殻に閉じこもったままだ。

 「やっぱり、だめだよね」

 敷居を跨いだ後に、泊瀬谷は足を止めてヒカルを困らせた。

 「先生だからって、生徒の家に……」
 「大丈夫ですよ」
 「それに、誰か来たりして怪しまれたり」
 「ぼくの父って、一応物書きしてるから、出版社の人がよく出入りしてるんです。特に女の人。ネコの人。
  父は優し過ぎるから、若い女の人がよく担当になるんです」
 「もしかして、わたしに」
 「『出版社の人です』って言ってれば、周りは分かりませんよ。先生」

 言葉を返すことを拒んだ泊瀬谷は、うんと頷くだけだった。
 ヒカルから誘われるがままに、泊瀬谷は玄関に腰掛けて、ブーツを脱ごうと脚を組んでファスナーを下ろした。
 恩師の背後に立ち、あまりにも無防備なうなじを晒す姿をヒカルはじっと見ていた。後先考えることを果敢にも捨ててしまえば、
泊瀬谷のうなじを突いたりすることだって、尻尾を掴むことだって、はたまた無抵抗な体を後ろからぎゅっと男子高校生の欲望のまま
欲しいままに支配してしまうことさえも出来るのに。そんな姿を許してしまう泊瀬谷は気にもせず、必死にブーツを脱いでいた。
 ヒカルのような年下の者が見ても手を差し伸べたくなる光景。それでも泊瀬谷が脱ぎ終わるまで手を出さずにヒカルは待ち続けていた。
玄関にヒカルのスニーカーと共に泊瀬谷のブーツが並ぶ。犬上の家の玄関ではとんと見られなかった光景だった。
 泊瀬谷が上がると中身を失ったブーツは気を緩めたのか、踝からヒカルのスニーカーの方へと、くたっと折れた。

 「……」
 「どうしたの」
 「なんだか、小さいときを思い出しちゃって。すいません」

 小さい頃のヒカルを知らない泊瀬谷は、玄関で待つ幼き頃のヒカルの姿を想像で補うしかなかった。

 今よりも、小さく。
 今よりも、幼い声。
 疑うことを知らず、目に入るものを信じる。
 泊瀬谷だけのヒカル像。誰かに見せるためでなく、誰かに聞いてもらうためでない、
 自分勝手で融通の効かず、誰かからも咎められることのない世界。

 自分の担任が、そのような妄想をこね回しているとはつゆしらず、ヒカルは泊瀬谷を自分の部屋に通すことにした。

 「いいですか?」
 「大丈夫!遅くなっても大丈夫なように着替え持ってるから!」
 「え?」

 泊瀬谷は「下着の」と付け加えようとしたが、淡い青少年の為に口を閉じ真実を隠した。
 もはや会話文として崩壊していても、なりふり構わず泊瀬谷は突き通す。だって、オトナだもん。

 「でも……着るもの、ないですよね、上に。すいません。そうだ。ぼくのジャージ着てください」
 「ヒカルくんの?」
 「中学のときのですけど、ぴったりだと思うんですが」

 今年一番のプレゼントだ。泊瀬谷の胸は高まった。
 ただ、服を着る。それだけなのに、ヒカルの一部を手に入れたような。一部でもいいから手に入れたのならば、
ヒカルのすべてを知った気にもなれるという勘違い。

822わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/02/22(日) 19:30:25 ID:MkSoj18Y0
 これを着ていたヒカルのことを。
 これを着てグラウンドを駆け回った後の荒い息を。
 これを着て誰かに脆くも淡い片思いをしていたのだろうかという、一方通行の嫉妬が。

 「先生はぼくのベッドで寝て下さい。ネコの毛が付いちゃ、あとが面倒臭くなるから」

 ヒカルは泊瀬谷を自分の部屋に残して、静かに扉を閉めた。
 優しさに、温かさに、体が動かなくなる不思議。扉を叩く音が聞こえた。泊瀬谷は遠慮がちに「はい」と返事した。

 初めて入る、男の子の部屋。
 多感な時期を過ごす男の子、世間に振り回されて少年に憧れる大人になりきれない大人。
 すうっと深呼吸すると、甘酸っぱさが体の中からくすぐってくる。

 女の子目線から思っていたよりも整然としていた。本棚には幾多の書籍が並び、背表紙を眺めているだけでも清々しい。
 書の在りかは姿を写す鏡より正直なり。いにしえから知恵ある人々はそう言うではないか。
 本棚を見れば人となりが分かるということを正確に言い表している。泊瀬谷にはその意見に相違はないと確信した。
ただ、ヒカルの部屋はそれだけではなかった。本に真っ直ぐな少年からは、文よりも武に対する憧れがちらりと垣間見えるのだ。
例えば幼き日を思い出すような幻想的な文学集に混じって、ロードムービーを思い起こすような、バイク乗りの紀行集が
並んでいたりする。やはり、男の子。メカとかマシンには弱いのだ。

 「やっぱり、こうゆうのとか好きなのかな」

 表紙を飾るバイクに跨がったイヌの女性が爽やかだった。
 悔しいからヒカルのベッドに腰掛けて、ごろりと横たわって頬擦りをしてみた。

 本棚を見れば人となりが丸裸になると言うらしい。初めて都会にやって来た田舎者の視線で本棚を見上げてみた。
どきどきと胸が否応無く心拍のピッチを上げて、安らぐどころではなくなってきたのだ。
 むくりと起き上がった泊瀬谷は本を一冊無作為に選び、再びごろりとヒカルのベッドに寝転んでページをめくってみた。
ヒカルもこんな格好で、こんな楽な姿勢で、こんな本を読んでいるのだと考えると、ヒカルを覆う物が少しずつ剥がれてゆくのだ。

 「……」

 しばらく活字の世界に入り浸った泊瀬谷には外界からの言葉は届かぬ。
 言葉をかみ締める喜びを。
 絡んだ糸と糸の模様を楽しむ快感。
 そして、全てが解れた時の開放感。

 頭の中にすっと麻薬にも似た清涼感が通り抜け、泊瀬谷はいつの間にかに夢心地に揺れていた。

     #

 自宅なのに、ヒカルがよそよそしい気持ちなのは泊瀬谷のせいだ。
 居間のソファーで寝転んで、読みかけの本を閉じるのは泊瀬谷のせいだ。

 しんと静まり返った自宅なのに、心臓の鼓動が聞こえてくる。

 (ヒカルくんっていうんだ。お父さんにお世話になってます。よろしくね)

 物書きである父の手綱を引く若いネコの女性。幾人もこの部屋で父の作品の打ち合わせなり、原稿の引き受けなりが行われた。
 ヒカルの記憶がソファーの肌触りのきっかけで甦ってきた。

 泣いていたときにはわくわくするような絵本。
 楽しいときには一緒に共犯意識芽生えるような推理もの。
 ささくれだったときには突き抜けるような爽快な詩集。

 そんな本たちと友人にしてくれたのは彼女たちだった。

 「……」

 一つ屋根の下に男子と幼いオトナが一人づつ。
 二人の性差、種族差もあるが、想うことは一緒。

 ヒカルと泊瀬谷は目を合わせることなく、暖かい夜の時間を共有していた。

823わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/02/22(日) 19:31:42 ID:MkSoj18Y0

     #


 街が動き出す時間だというのに、外は薄暗いという不精者。
 ただ、アスファルトの路面は雪化粧で明るく見える働き者。

 朝になれば雪が積もるだろう。そんな予想が当たるなんて、老ネコ侮りがたし。
 寒さで携帯のアラームが鳴る前にに、泊瀬谷は目を覚ましていた。肩をすくめながら布団から抜け出すと、本ばかりの棚に囲まれた
男子の部屋が変わらずに存在していた。

 ぎゅっと襟元を掴む。ヒカルのジャージだ。くんくんと襟首の匂いを嗅ぐ。
 一晩共にした、ゼッケン「犬上」の体操着は、泊瀬谷の体温でなま温かかった。

 「ヒカルくん、寝てるのかな」

 机の上に置いていたイヌのカバーが着せられたティッシュは泊瀬谷が部屋に入ったときと変わらない姿だった。
ゴミ箱も空っぽなのも昨晩と同じだ。くんくんと鼻を過敏に鳴らしても昨晩と同じ匂いがするだけだった。
 ほっとしたような、口にはしてはいけない安堵感が泊瀬谷を責めた。2月下旬はまだ寒い。

 「ヒカルくん、おはよう。よく眠れました」

 ヒカルは居間で本を読みながら暖房にあたっていた。栞を挟んで本を置くと、すっくと立ち上がる。
 泊瀬谷は「いいよ、いいよ」とヒカルをソファーに座らせて、深々とお礼を言った。
 
 「朝早いね」
 「はい」
 「じゃあ、先生帰るから。適当に朝はどこかで食べるし」

 いつでも会えるのに、千年の別れに匹敵する思い。いや、いつでもとは言えなくなる時期が来ることを踏まえてか。
 泊瀬谷が犬上の家をあとにしようと玄関を出たとき、家の中に向かって叫んだ。

 「せんせい!ありがとうございます!」

 ヒカルは一瞬きょとんと目を丸くしたが、自分が泊瀬谷に提案したアドバイスを思い出して膝打った。
 泊瀬谷は「先生はわたしだぞ」と頬を赤くしながら、薄っすらと色塗られた白い町をブーツで足跡を残していった。
  
    おしまい。


「にゃーにゃーみー!」
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/922/nekonohi2015.jpg

824名無しさん@避難中:2015/02/24(火) 01:15:09 ID:8cz0TPRg0
普通の男子だったらもっといちゃいちゃしたくなる展開だろうに一人で本を読ん読んでしまうヒカルくん純情すぎぃ!

825名無しさん@避難中:2015/07/29(水) 21:42:56 ID:oQQ4WWyA0
にゃにゃぽ!

826名無しさん@避難中:2015/08/03(月) 18:59:00 ID:QCHIuEmo0
タマクロー!

827名無しさん@避難中:2015/08/03(月) 18:59:22 ID:QCHIuEmo0
ニャホニャホと見間違えた…….

828名無しさん@避難中:2015/08/11(火) 23:02:29 ID:ZoHSpr3c0
http://dl1.getuploader.com/g/sousaku_2/963/furry539.jpg

829名無しさん@避難中:2015/08/11(火) 23:20:33 ID:EDPIat4Y0
かわいい

830名無しさん@避難中:2015/08/12(水) 05:43:39 ID:Z91Nbtzg0
相変わらず味がある絵

831名無しさん@避難中:2015/08/14(金) 01:01:21 ID:4K1/f2pI0
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/964/furry540.jpg

832名無しさん@避難中:2015/08/14(金) 01:57:01 ID:oA412nCs0
ふぅ……

833名無しさん@避難中:2015/08/14(金) 03:10:24 ID:OzvoP8PI0
こうパイオツにうっすら赤みがあるのがですね…



ふぅ…

834わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/08/26(水) 20:57:07 ID:KgW5rUXE0
夏が終わるねー

http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/966/rio+pool.jpg

835わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/08/27(木) 20:53:08 ID:eIqs21020
創作発表板七周年おめでとうございます。
お題一つ目。




 お昼休みの初等部教室はにぎやかな声で埋め尽くされていた。
 ミケ、クロ、コレッタの子猫三人組は机を囲んでそれぞれのお弁当を自慢しあいっこ。
 ぱっと溢れた豊かな色彩に三人組も手を叩く。教室の中だけど気分はピクニック、おしゃまなミケはお弁当箱を傾けて
ハートいっぱいのサンドイッチを見せびらかす。

 「かわいいニャ」

 ロリっこたちのハートを鷲掴みしたお弁当は、口に運ぶもの惜しいほどだった。
 続いてオトナぶりっこのクロ。一同、わっと視線が集まる。

 「ナニこれニャ?!」

 力強く、勇猛で精悍な顔立ちのキャラ弁だ。全知全能の神・ゼウスが初等部の教室に降臨したのか、と言っても過言ではない
存在感を持っていたのだから、クロの鼻は高々だ。

 「ふふふ。『はるく・ほーがん』のキャラ弁ニャ」
 「はるく・ほーがん?」

 彼女らが知らないのも無理はない。アメリカンプロレスを代表するレスラーの名だった。
 小さなお弁当箱は歓声溢れるリングにも似ていた。クロのキャラ弁はポーズを決めて獅子のような雄叫びを上げていた。

 「おかあさんが二時間かけて作ってくれたニャよ」

 足をばたばたとさせてしたり顔のクロはコレッタの方に視線を向けた。

 「コレッタのお弁当はどんなニャ?」
 「え……えっとニャ。わすれちゃったニャ」

 白い子猫のコレッタは顔を真っ赤にして俯いていた。


    ♪

836わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/08/27(木) 20:53:27 ID:eIqs21020

 ランドセルを背負ったコレッタが寄り道をしてしまった。
 よい子のコレッタはいつもは真っ直ぐ帰宅するのだが、人目を憚るかのように公園の中を歩いていた。
 歩き疲れたコレッタはどっかとベンチに座り、手提げバッグからお弁当箱を取り出すと、罪悪感とお弁当箱の重さが重なった。
一度も開けていないお弁当箱をぱっかり開けると、白米に梅干しが乗っただけの昭和なお昼が顔を出した。

 「おかあさんがお寝坊するからニャ」

 おやつの時間を過ぎてお弁当を食べると、夕飯が入らないリスクを抱えてしまうが、おかあさんの悲しむ顔を思い浮かべると
コレッタは無理をしてでも口にせざるせなかった。

 ひんやりと固くなったお弁当の味気なさ。
 何度も噛んでからやってくる白米の甘さ。
 ランドセルを小脇にコレッタがとてつもなく遅いお昼を頂いていると、真正面にお昼に見た覚えのある顔を目撃した。
たしか、とても重そうな、力強そうな名前だっけかニャ。

 真正面のおじさんは人差し指を天高く突き上げてぼそぼそと呟いていた。
 手にしていたノートがパンフレットに見えてしまうほどの巨体にコレッタが目を疑っていると、おじさんは立ち上がり何処かへと消えていった。
 山が動く……そんな表現さえも誇大と言えない一場面にコレッタは箸を動かす手をしばらく休めていた。

 「どこかで……ニャ」

 コレッタが帰宅すると、コレッタのママは惰眠を貪っていた。
 娘に叩き起こされて目を擦っていたコレッタのママは大きくあくびをしたかと思うと、寝ぼけ眼をこすっていた。

 「コレッタちゃん……おはよう」
 「おはようじゃないニャ。ただいまニャ」
 「あー。おかあさん、夜更かしさんしてたから、ついついお昼寝しちゃった」

 今日のお弁当が真っ白だったのはそのせいかと、コレッタは表情を変えずにコレッタのママを見つめていた。
 明日こそはお願いニャ、と言いたげに。


    ♪

837わんこ ◆TC02kfS2Q2:2015/08/27(木) 20:54:00 ID:eIqs21020

 その日の晩のコレッタはなぜか眠りにつけなかった。明日のお弁当が気になるからだ。 
 ミケみたいなかわいいお弁当がいいニャ、でもおかあさん作れるかニャ。と、神様にでも祈るつもりでベッドを転がる。
 転がりすぎてベッドから落っこちたコレッタはしりもちで目に涙を浮かべてしまった。ふかふかの絨毯が敷かれた床に突っ伏して
頬を埋めていると、遠くから乗りの良い音楽が聞こえてくる。こんなド深夜に……なんだろニャ。コレッタは痛さを忘れて自分の部屋を出た。

 光差す部屋がある。リビングだ。音楽の元はここらしい。
 コレッタが扉を開けると、コレッタのママがヘッドフォンを装着しうっとりとラジカセの前で肘着いていた。
 音楽が漏れている。いつの間にかにヘッドフォンのプラグが抜けたのだろうか、コレッタのママはそれに気付かず、ついでに
コレッタがやって来たのも気付かずに恍惚とした表情を浮かべていた。

 「次ノめーる。らじおねーむ・これったノままサンカラ!」

 スピーカーからの野太い声にコレッタのママは跳ね起きて、少女の目で輝いた。
 まさか自分のメールがラジオDJに読んでもらえたなんて、リスナーにとって至福のときだと煌く星が周りに花咲く。

 「ふふっ。番組ステッカー、楽しみだな」

 (まさか、このためにお寝坊してたのかニャ)

 月と太陽のようなコレッタ親子がリビングでラジオに耳を傾ける時間がしばらく過ぎていた。
 やがて、ラジオの宴もいよいよお開きのとき。

 「ワーワー言ウテオリマス。オ時間デス。はるく・ほーがんノ『おーるないと・じゃぱん』サヨウナラ!」

 公園でのモヤモヤとともに一気に目が覚めたコレッタは、明日のお弁当に期待はしなかった。

 おしまい。

お題「ハルク・ホーガン」

838名無しさん@避難中:2015/11/23(月) 18:24:15 ID:c4Op3gso0
http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/993/shiro_shiroru.jpg

B・B・A! B・B・A! BBA ぢぁないよ し・ろ・る!
B・B・A! B・B・A! BBA ぢぁないよ し・ろ・る!

839名無しさん@避難中:2015/11/23(月) 18:26:36 ID:0V7grLVA0
これはかわいいw

840名無しさん@避難中:2015/11/23(月) 19:12:12 ID:GRiZk0jQ0
ババアのくせにかわいいw

841名無しさん@避難中:2015/12/24(木) 21:57:10 ID:HU/YkPhE0
http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/994/furry541.jpg

クリマスカード用に作ったけど使わなかったので、塗り絵にどうぞ。

842名無しさん@避難中:2015/12/25(金) 01:16:21 ID:GqgABI5c0
ほぞんほぞん

843sage:2015/12/29(火) 20:55:32 ID:HRaJF07o0
http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/995/furry542.jpg

844名無しさん@避難中:2015/12/29(火) 21:38:49 ID:TAYfkYg20
ほぞんほぞん

845名無しさん@避難中:2015/12/30(水) 00:44:54 ID:pF4jYbTs0
雪なのにほっこり暖かい絵だ

846名無しさん@避難中:2015/12/31(木) 19:29:58 ID:mE/U8aFM0
よいお年をー

http://download5.getuploader.com/g/sousaku_2/996/rio_ganbaruzoi.jpg

847名無しさん@避難中:2016/01/01(金) 00:35:35 ID:dPZKVSLs0
あけおめー!!

848名無しさん@避難中:2016/01/04(月) 13:41:28 ID:IO6DbUOc0
遅ればせながら、あけましておめでとうございます。
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/997/furry543.jpg

849名無しさん@避難中:2016/01/04(月) 13:53:48 ID:2rh1kdlY0
これはよいおさる

850名無しさん@避難中:2016/02/14(日) 18:30:20 ID:WUFZQGN60
コレッタからのバレンタインチョコです。
動画初投稿です。ニコニコです。

http://nico.ms/sm28220397

851名無しさん@避難中:2016/02/15(月) 03:57:27 ID:ztT9fWRs0
白先生ルパンダイブ不可避

852名無しさん@避難中:2016/02/15(月) 04:32:37 ID:8e6Z/3KkO
乙ううう!!

853名無しさん@避難中:2016/02/22(月) 14:43:03 ID:lE/9CrvU0
ぬこの日ですね

854わんこ ◆TC02kfS2Q2:2016/02/22(月) 21:06:56 ID:05jAhfnE0
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/1010/Coletta_she.jpg
ぬこの日だシェーーーー!

855名無しさん@避難中:2016/02/22(月) 21:20:20 ID:l5hV7jDE0
かわいすぎる犯罪

856名無しさん@避難中:2016/02/23(火) 00:32:51 ID:xe7Bjdys0
天使たんや…!

857名無しさん@避難中:2016/02/23(火) 00:37:25 ID:fOM1FMOI0
うッ


…ふぅ

858名無しさん@避難中:2016/02/23(火) 01:11:52 ID:00Tsl6Rs0
ビクンビクン

859名無しさん@避難中:2016/05/05(木) 12:06:18 ID:KzGlMssk0
白先生「因幡、大変だ。こどもの数が現象傾向らしい」
リオ「ならば、先生がこどもになればいいんじゃないすか」

http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/1032/DSC_0061.JPG

860名無しさん@避難中:2016/05/09(月) 19:52:29 ID:38t.u9b60
お題くだしゃい

861名無しさん@避難中:2016/05/11(水) 05:23:42 ID:AGJQTKZk0
パンダ

862名無しさん@避難中:2016/05/13(金) 22:04:54 ID:u/3kzMnA0
パンダコパンダ

863わんこ ◆TC02kfS2Q2:2016/06/05(日) 20:50:09 ID:RJgmiuHQ0
    『真夏のパンダ』


 「クリオネってさ。捕食するときすんごい怖い顔するって」

 学校帰りの路面電車の中、市街地を走り抜けるたびのカーブに揺られながらつり革に掴まっていると、
座席に座る因幡リオがぼくにスマホの動画を見せてくれた。
 水中の妖精と呼ばれるクリオネ。愛らしいフォルムが庇護欲を掻き立て、そして流氷の下にしか生息しないという
神秘性が人々の心を掴む。そんなクリオネが餌を捕食する際、悪魔の顔へと豹変するらしい。

 因幡の見せてくれた動画は克明に一部始終を写し出す。
 ひょうひょうと安心感を漂わせ近づいて、ガブリと刃にかかり、彼の血となり肉となる。
 策士、腹黒、食物連鎖。さあ、何とでも言え……か。
 クリオネ、侮りがたし。

 「どうして、この動画……」
 「冷たそうな動画探してたら見つかった」
 「え?」
 「だって、もう夏じゃん」

 確かに季節は夏。
 凉を求めた末にたどり着いたのが悪魔の笑顔。因幡はなぜかくいるように動画を繰り返し再生していた。
 戦後直後に産声をあげた路面電車がごとごとと揺れながらぼくらを運ぶ。車内の広告はすっかり夏色吐息で溢れ変える。

 「リオ、もうすぐ着くよ」
 「まじ?」

 因幡の隣に座っていた芹沢モエが『降りますボタン』をチーンと押す。
 放課後のちょっとした冒険か、芹沢は日射しまぶしい車窓を眺めていた。
 こんな暑い日は早く図書館でのんびりと書に親しみたいし、ぼくはぼくでカバンから読みかけの文庫本を取り出す。その矢先。

 「犬上も行くよね?」
 「え?」
 「犬上も行くよね?」
 「え?」
 「犬上も行くよね?」
 「え?」

 「……」

 金切り声で停車する電車は扉を開くと芹沢モエになされるがまま、ぼくは二の腕を掴まれて車内から引きずり降ろされた。
 放課後の図書館まであと二駅にして「後悔しないから、わたしたちに付き合え」と、すちゃっと電停に降り立った。

 遠ざかる路面電車が地面に踏ん張りながら、交差点の急カーブを右折する。黄色い右の矢印がぽつんと十字路で燈る。
 鋼鉄の車両が行き去った県道中央にて、夏に差し掛かった風が芹沢の短いスカートをなびかせていた。
 街はジョシコウセイで彩られる、と言っても過言ではない。芹沢は街に正しく溶け込んでいた。

 芹沢の案内でぼくらは目的地に向かう。

864わんこ ◆TC02kfS2Q2:2016/06/05(日) 20:50:29 ID:RJgmiuHQ0
 「よく見つけたね」と、因幡リオがぼくらの背後から感心する。そんな因幡に対して芹沢は誇らしげにガッツポーズを見せつけた。
 「ってかさ。リオなら知ってると思ったけどさ」と、人が行き交う歩道で芹沢は先頭をきった。
 芹沢に引き寄せられるようにぼくは芹沢の後を追い、いつもと違う放課後に足を踏み入れる。
 すっかり誰もかも夏の装いに身を包み、芹沢ら女子たちはふんわりと大人と少女の境目の匂いを振り撒く。
 夏が訪れるのも年に一度、大人の階段登るのも年に一度のステップだし。

 しんがりを勤めるのは委員長の因幡だ。普段なら真面目のまー子の視線でぼくらを引き留めるだろうが、きょうはちょっと共同犯。
 きちんと着こなし、きちんと足元はニーソックス。きらりと日光に反射するメガネで因幡の目はよく見えなかった。

 「どうしたの、犬上」

 あんまり暑い中駆けるから。
 それでも因幡はぼくの背中を指でつつく。薄くなったシャツと因幡の細い指がくすぐったい。

 「あー。こんな暑い日はプールにでも飛び込みたいよ。ってか、犬上。今、わたしのスク水姿想像した?」
 「……いや」

 県道から路地に入り、住んでいる街なのに存在を知らないような小路にたどりつく。

 そこは無彩色のアーケード、大人がすれ違うだけで窮屈で、あろうことか段ボール箱やらビールケースやら積み重ねられた横丁。
煤けた窓には申し訳程度にビニルテープで補強されているありさま。燈は蛍光灯だけの薄暗さで、シャッターの閉まった店だらけの悲壮感。
 ぼくらが立ち入るには躊躇いを禁じ得ない空間だが、芹沢は獣道を掻き分けるが如く進む。こんな芹沢のいちいちした行動さえも
きっと後々には代わりがきかなく、金銭に代わることのないものになるのかな。

 「ここ、ここ」

 闇夜に浮かんだ月。
 たった一件燈を灯し、ぼくらを出迎えた店に到着した。
 どう見ても民家。昭和のモノクロ映画の一場面を彷彿させる土間に玄関口。低いアングルからカメラを据えて撮影すれば
人の息遣いを間近に感じることが出来る。
 芹沢はぴょこんと遠慮なしに玄関に飛び入ると、屋内に向かって明るく大きな声で誰かを呼んでいた。

 「あー、どげんした。今日(きゅ)は友達(どし)連れですかい」

 大柄のヒグマの親父がひょこりと現れた。シワだらけのシャツに短パン。さらに聞きなれない訛りでぼくらを出迎えた親父。
 この世との折り合いが上手くいかずに早々隠居を決めた……という印象だ。

 「パンダみっつね。わたしは練乳多めで」
 「なにそれ?パンダ?」
 「ま。リオ、犬上。待ってみ」

865わんこ ◆TC02kfS2Q2:2016/06/05(日) 20:51:11 ID:RJgmiuHQ0
 因幡は芹沢のなぞの発言に首をかしげ、両手でぎゅっとカバンを握りしめていた。
 無言でうなづいたヒグマの親父が奥に引っ込むと、因幡は芹沢と並んで玄関に腰かけた。
 三和土(たたき)で覆われた土間に、ローファーで蹴る音が響く。

 「クリオネはいいよなあ。こんな暑さ知らずで」

 確かにクリオネが猛暑でうだる姿は想像できない。だからと言って、クリオネに憧れる因幡って。
 だって、あんな怖い顔で捕食するんだし。

 「じゃあ、リオさあ。クリオネになってみる?」
 「かんべん」
 「スク水OKでも?」
 「おいおいおい。犬上の教育によくないっ」

 クラスメイトのスク水姿に現を抜かすなんて、ちょっと嫌だ。
 でも、芹沢は喜んでぼくらにスク水姿を披露するんだろうな。もちろん、因幡をいけにえにして。

 やがてヒグマの親父が盆に白黒の塊を載せてぼくらの前に戻ってきた。
 半円のガラスの器に盛られたかき氷。真っ白な氷と黒蜜とのバランス感覚が愛らしい。
 ご丁寧に目、耳、口を果実で型どり、フォルムはなるほどパンダだ。
 涼しげな器からパンダがひょっこり顔を覗かせている次第。

 「友達(どし)のものにも、たっぷいと練乳をかけもした」
 「まじ?さすが薩摩隼人でごわすっ」

 ぼくらは三人そろって手を合わせ、薩摩名物『パンダ』を口にした。
 氷のひとかけらひとかけらにまでたっぷりと絡んだ練乳、しゃりっとした舌触り。そして快い頭痛。
 芹沢と因幡はお互い顔をあわせながら笑みを浮かべていた。女子には甘いものがよく似合う。

 『パンダ』で一服の清涼を楽しんでいる間、女子二人は笑っていた。
 誰だって、美味しいものを前にすると思わず口元がほころびる。
 きっと、クリオネだって美味しいものに出会えば笑ってるはず。
 
 「どうした?犬上」

 ぼくはクリオネのことを思い出しつつ夏のひとかけらを口にしてみたが、顔には出さずに頬を赤らめてみたのだ。

おしまい。

http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/1038/rio+11.jpg

866名無しさん@避難中:2016/08/11(木) 23:46:49 ID:Hc6qZChU0
あるババアのいちにち。

http://nicovideo.jp/watch/sm29427717

867名無しさん@避難中:2016/08/12(金) 00:00:21 ID:u74TbmhE0
とうとうつかまった…

868名無しさん@避難中:2016/10/08(土) 07:51:37 ID:/jyB1Vo.0
白先生「お題、くれないか」

869名無しさん@避難中:2016/10/08(土) 14:55:05 ID:1mg/64Y20
水没する白先生

870名無しさん@避難中:2016/10/10(月) 08:46:29 ID:42EDsbHA0
>>869
「白せんせー。どうしたニャ…」

http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/1069/siro_suibotu.jpg

871名無しさん@避難中:2016/10/10(月) 14:13:01 ID:m.J/7P1o0
wwwwwwwwwwwww

872名無しさん@避難中:2016/10/10(月) 21:08:33 ID:TEH4Qj5Q0
たすけてやれよw

873名無しさん@避難中:2016/10/12(水) 20:58:51 ID:0nIvD58A0
リオ「先生、何してんすか」
白先生「次は、因幡でお題だ」
リオ「え…」

874名無しさん@避難中:2016/10/13(木) 00:18:37 ID:cKGlmWyo0
田植え体験

875名無しさん@避難中:2016/10/15(土) 23:24:20 ID:FCKzNinE0
>>874
リオ「ちょ…」

http://download1.getuploader.com/g/sousaku_2/1070/rio_taue.jpg

876名無しさん@避難中:2016/10/15(土) 23:47:59 ID:KxyEcyHY0
待てwwwwwww

877名無しさん@避難中:2016/10/16(日) 01:38:26 ID:Yg8TDsd.0
ちょっとwwwwwwww

878名無しさん@避難中:2016/10/16(日) 01:58:44 ID:aufgR5DI0
おいww

879名無しさん@避難中:2016/10/16(日) 14:20:31 ID:hCdk4.4g0
何をしたw

880名無しさん@避難中:2016/10/17(月) 22:40:44 ID:Uol5G34Y0
モエ「ってか、わたしにもお題欲しーし」


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