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仮投下スレ

1偽ひろゆき★:2012/09/25(火) 02:28:45 ID:???0
仮投下スレです
ちょっと不安……とか冒険しました! なSSは一度ここに通しておくといいかもしれません。

19ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/20(土) 17:34:24 ID:KmCWF9ds0
乙です
拝見いたしましたが、特に問題点や修正点は無いかと思われます

20 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:17:39 ID:3CceV7DI0
やきうのお兄ちゃん、一等自営業を仮投下します
仮タイトルは『自営業「では、教育してやるか」彡(゚)(゚)「えっ」』です

21 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:18:01 ID:3CceV7DI0
J( 'ー`)し「あなたが壁殴り代行さんね」


J( 'ー`)し「私の息子の胃腸壁を殴って欲しいんだけど…」
代行「かしこまりました」

#aa(){{{
          (゚)(゚)ミ
  (  ´・ω)  ノ   ミ 
 γ/  γ⌒ヽ  つ  (  ウッ…
 / |   、  イ(⌒    ⌒ヽ
.l |    l   } )ヽ 、_、_, \ \
{  |    l、 ´⌒ヽ-'巛(  / /
.\ |    T ''' ――‐‐'^ (、_ノ
        |    |   / //  /
}}}




「ファッキューマッマ!!!」

やきうのお兄ちゃんは怒りの言葉を吐きながら飛び起きた

彡(゚)(゚)「な、なんや…夢か…」

今の母親の畜生発言が現実でないことを知り、胸を撫で下ろした
ここ最近、マッマが自分に対して尋常ではないほど辛辣であることを思い出す
以前は、「ご近所に住んでた○○君、課長に昇進したらしいわよ、一方アンタは…」だとか、
「○○さん、もうすぐ二人目が産まれるそうよ。…まぁ、うちは孫の顔は見れなさそうね」とか、
心に突き刺さる嫌みをネチネチと言ってくる程度だった
しかし、今年に入ってからは、食事中に「おい、嫌なやつがメシ食ってるぞ!」とか罵ってきたり、
「母監督は息子選手に戦力外通告しましたwwwwww」とか言って家から追い出そうとしたりと日に日に過激さが増している

まあ、マッマも自分に働いて欲しいからそういう散々な事をやってるだけであって、
まさか、今の悪夢のように本気で息子を殺しに来たりはしないだろう…多分

それにしても悪夢なんて久しぶりに見たものだ
おそらく自分のストレスもマッハなのかもしれないな…まだ働きたくはないが
せっかくだし、スレでも立ててこれをネタとして消費しようかな…と思い、パソコンに向かおうと起き上がった

「…ん? ていうかワイ、なんで外にいるんや」

そこはいつもの自分の部屋ではなく、深夜の草むらの真ん中であった
一瞬、寝てる間に母親に外へ放り出されたかと思った
いや待て、悪夢を見たせいで忘れていたが、よく考えれば何か変なことに巻き込まれてなかったか?
確か自分は変な広い場所にいて、ひろゆきがヘラヘラと現れて、そして…

―――皆さんには最後の一人になるまで殺し合いをしてもらいます。

そうだった…!今自分はひろゆきが言う『殺し合い』に巻き込まれたのだ!
…といきなりそんな事言われても、あまり実感が湧かなかった
もしかすると、何かの冗談かもしれない
…いやでも、現にひろゆきは何人かを目の前で爆殺していたが…では本当なのか?
…寝起きのせいか頭が働かない…ていうか、普段からあんまり頭を働かせて無かっ…



「お前は殺し合いに乗るつもりはあるか?」



突然耳元で聞こえたドスの効いた低い声と共に、やきう兄の思考は停止した
続けて首を腕で押さえ込まれ、カチリと自分の頭に重い鉄のような物を当てられた、

22 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:18:44 ID:3CceV7DI0
寝起きでぼんやりとしたやきう兄の頭は一瞬で覚醒せざるを得なかった
そう、ぼーっとしている間に、背後から軍人か誰かに押さえられて銃を向けられているのだ
自分の命が相手に握られている…その状況は『殺し合い』の場であることを痛感するのに充分だった

「乗るつもりかと聞いている!? さっさと答えろ!!」
「ま、待て! 殺さんといてくれ! ワイは乗るつもりないで!」
「この状態なら誰でも同じことを言う、信用出来ん!」
「ホンマ、ホンマや!ワイはただのしがないニートやからホンマ!助けてくれ!」

やきう兄は必死に命乞いをする
相手に有害だと判断されればそこでジ・エンド、絶体絶命の危機なのだ
自分は無害で、ついでに無学で…といったいらないことまで言う
やがて、やきう兄の必死の思いが通じたのだろう
チャキッと音がして銃が下ろされ、拘束も解かれた

「いいだろう、信用しよう」

恐怖で激しくなった動悸を押さえながら、自分を拘束した相手の姿を見る
そこにいたのは軍人ではなく、ごく普通の初老の男性だった

「いやぁ、驚かせてすみません。でも貴方が殺し合いに乗っているか確かめたかったものでね」

先ほどの威圧感を微塵も感じさせない、人の良さそうな声
おそらくさっきのは声色を作っていたのだろう

「なんや…ひどいやっちゃなぁ…」
「ははは、こう見えても私はミリタリー系には詳しいものでね、稚拙ながら軍人の真似事をさせていただきました
 普段は軍事系漫画を書いてるんですよ。私のことは、一等自営業と呼んでください
貴方は妙な容姿ですが、話を聞く限り信用出来そうでなによりですよ」

そう言って手際よく拳銃の安全装置を付け、ズボンのポケットに納める
慣れた手つきだ。おそらく、普段からモデルガンなどで練習していたに違いない
それにしてもこの男、どうしてそんな拳銃を持っているのだろうか?

「なぁ一等自営業さん、あんたのその拳銃はモデルガンちゃうよな?どこで手にしたんや?」
「おや、貴方にも鞄が支給されてるはずですよ。ほら、そこにあるじゃないですか」

一等自営業が指差す方を見ると、確かにそこには鞄が転がっていた
よく見たら、さっき自分が枕にして寝ていたものだった
これは灯台もと暗しってやつだろうな、うん。いや、断じて自分が抜けているわけではない

やきう兄はデイバックを拾い上げるとそのままひっくり返し、中身をドサドサと全て取り出した
携帯食糧や地図、PDAなどの他に、きのこの山、たけのこの山、PSPが入っていた

「えっ…、ワイのには武器入っとらんぞ…」
「んー…? 説明書にはこのゲーム機が武器だって書かれてますね」
『PSP:私はこのPSPのおかげで、女の子を襲う三人のチンピラを撃退しました
四つの血だるまを見て思う、持っててよかったPSP』

「なんやこの説明! 人をバカにしてるやろ!」
「どうやらハズレ引いちゃったようですね
まぁ、私が拳銃持ってますし、これから協力して生きて帰りましょうよ」

気さくに慰める一等自営業だが、やきう兄は内心穏やかではなかった
(なんでこんなおっちゃんが立派な拳銃を手に入れて、ワイがおもちゃなんや…
欲しいわぁ拳銃…自分の身を自分で守れんのがこんなに不安だとはな…)
この殺し合いに呼ばれた者はみんな凶器を持っているに違いない
そんな中で、自分が丸腰なのは耐えられない
拳銃が欲しい…、こいつが持つ拳銃がどうしても欲しい…
やきう兄は羨ましそうに、一等自営業の拳銃を見ていた




「なぁ一等自営業さん、せっかくやし、ワイにその拳銃の使い方とか伝授してくれへんか?」

23 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:19:45 ID:3CceV7DI0
黄色い変なニート君はそう言ってきた
その言葉に僕は思わず心踊っていた
自分の軍事知識を披露できるとなれば、誰でもウキウキするだろう

「よく聞いてくれましたねぇ、それじゃあ説明しましょう! この拳銃はH&K USPって言って、ドイツ軍によって開発されたハンドガンでね…」

この拳銃にまつわる話や、使い方を説明する
ニート君はとても興味深そうな目をして僕の話を聞いてくれた
生きて帰れたら、ぜひとも僕の漫画も読んで欲しいものだ
きっと彼にも兵器のカッコよさや魅力を知って貰えるだろう

安全装置のかけ方、弾の込め方、そして拳銃の正しい構え方…一通りの説明が終わった
結構詳しく話したし、これでいざという時は彼にも扱えるだろう

「いやーホンマに勉強になるわー。拳銃ってやっぱり、男のロマンやな」
「おお、貴方にもこのカッコよさをわかって貰えましたか!」
「せやな、ワイもその方面にハマりそうやで。 …そんなわけで一度ワイにそれ貸してくれんか? やっぱり実際に手で持って練習してみたいわ」
「もちろんいいとも! モデルガンじゃなく、いきなり本物に触れられるとは、貴方は幸せもんですよ!」
「ホンマか、ほな試してみるわ」

拳銃を渡すと、彼は僕が教えた通りに弾倉に弾を込めていった
その手付きはなかなかのものだった
これは僕の教え方が良かったようだ

「ほんで、こうやって安全装置を外して、こう構えるんやな」
「そうそう、いやぁ覚えが良くて素晴らしいですね
他にも知りたいことがあれば何でもお話ししますよ!」
「いや、もうその必要はないわ」
「えっ、どういう意味で…」

呆気に取られた直後、彼はクルリと銃口をこちらに向けてきた

引き金が引かれ、強烈な破裂音と共に腹部に強い衝撃、そして激しい激痛が走る…

血反吐を吐き、一等自営業は膝をついてそのまま倒れ込んだ

「なっ…何を…?」
「いやーホンマ助かるで。正しい武器の使い方を学んだし、強力な武器も手に入ったしなー」
「そんな…最初からこのために僕の話を聞いていたのか?
僕は軍事系の素晴らしさを君に伝えようと思ったというのに…」
「正直使い方だけでよかったわ
ワイは野球以外にはそれほど興味ないんでね
まぁ、これで生き残れる可能性もぐんと上がったんやし、感謝しとるわ(ニッコリ」
「僕は…君を信用していたというのに…最低なやつだよ!お前は!」

僕の意識が遠ざかっていく
許せない…許せない野郎だ…ふざけるな…!

「ち…ちくしょう!!いつか殺してやる!!!」
「畜生やて? ハハ、よう言われますわ」

僕は黄色い化け物野郎のニヤニヤした憎らしい顔を睨み付けた
しかし、徐々にその腹立たしい顔もぼやけていった…

ふざけやがって…チクショウ……畜生…………







彡(^)(^)「やったぜ」

そう呟いて、手際よく拳銃に安全装置をかける
撃つときはだいぶ緊張と恐怖があったが、終わってしまえばスカッとしたものだ
そう、自分が生きるためには誰かが犠牲にならなくてはいけないのだ、だから仕方ないのだ

24 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:20:08 ID:3CceV7DI0
そうして、一等自営業のデイバックを拾い上げ、ひっくり返す
拳銃以外にも何か役立つ物が入っていればいいのだが…
中から出てきたのは木製のバット、そしてキラキラと輝く粉だった
言わずもがなやきう好きの彼は、思いがけない品に喜んだ
そして粉の方は『ひかりのこな』と書かれていた
説明によると『一定の確率で、相手の攻撃を回避出来る』そうだ
原理はよくわからないが、持っているだけで生き残れる可能性が上がるのは確実だろう

さぁ、さっさとここから離れてしまおう
地図によればこの付近に野球場があるらしい
他の目処も立ってないし、とりあえずそこへ向かうことにした


【F-1/一日目・深夜】

【やきうのお兄ちゃん@なんJ】
[状態]:健康
[装備]:H&K P8@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、きのこの山@現実、たけのこの山@現実、PSP@現実、木製のバット@現実、ひかりのこな@ポケットモンスター
[思考・状況]
基本:生き残り最優先
1:やったぜ
2:野球場へ向かう
3:マッマは流石におらんよな…?









やきう兄が立ち去ってから数分後、小さなうめき声が聞こえた
一等自営業は腹部を撃ち抜かれたものの、すぐには息絶えていなかった
しかし依然として出血は止まっていないため、このままでは力尽きるのは明らかだ
苦痛に耐えながらも一等自営業は、アスファルトに血文字で「黄色 化け物」と書き記す

このまま死んでたまるものか…!絶対にあのクソッタレ野郎に報いを与えてやる…!
僕は甘かったんだ…この場で簡単に人を信用するなんて愚かな行為だったようだ…
あぁ、僕の命が続いているあいだに、誰か『お人好し』が通りがかって助けてくれればいいのだが…
もし一命を取り留めることが出来たならば、必ず…必ず復讐してやる…!

今彼に出来ることは誰かに助けを求めることだけであった
だが、信用することを愚かだと判断した彼の思考は、少しだけ歪み出したと言える




【一等自営業@軍事】
[状態]:瀕死、怒り、精神不安定
[装備]:
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)
[思考・状況]
基本:殺し合いから生きて帰る
1:誰かの救いに期待する
2:黄色い化け物(やきうのお兄ちゃん)を殺す
※数時間このままだと力尽きます
※死んだ時のためにダイイングメッセージを書き記しました
 「黄色 化け物」

25 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:20:20 ID:3CceV7DI0
《支給品紹介》

【H&K USP@現実】
ドイツの銃器メーカー、ヘッケラーアンドコッホ社によって作られたセミオートハンドガン
汎用性が高く、ドイツ連邦軍や、日本警察のSATで採用している

【きのこの山@現実、たけのこの山@現実】
きのこ厨とたけのこ厨によって日々行われている戦争
この戦争によって数多くのきのこたけのこが犠牲になってきたという…
なお、両者の争点は「どちらが美味しいか」である

【PSP@PSPコピペ】
日々の生活に潤いをもたらしてくれる、と言う内容のコピペが主だが、
特に有名なのが「女の子に絡むチンピラを倒す」ネタだろう
PSPキックやPSP裏拳、PSPエルボーにPSPチョップ…どれもPSP要らないし、一人余分に殺ってしまっている

【木製のバット@現実】
やきうで使うバット。一般的にはスポーツで使うが、こういう場ではやっぱり手頃な鈍器に

【ひかりのこな@ポケットモンスター】
持たせると敵の攻撃の命中率を0.9倍にするアイテム
ポケモンでは様々な対戦理論があるが、一部では「光の粉を持たせて攻撃を全部回避すれば絶対勝てるwwwwwwササッwww」と言う、
回避論理が提唱されているとかいないとか

26 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 08:22:13 ID:3CceV7DI0
以上です
どうにもシリアス系が苦手です

27ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/26(金) 22:50:34 ID:myjPB5LE0
仮投下乙です
本文中や支給品説明ではUSPになってますがやきうのお兄ちゃんの状態表ではP8になっていますね
それ以外は、特に問題無いかと思われます

28 ◆m8iVFhkTec:2012/10/26(金) 23:16:04 ID:3CceV7DI0
指摘ありがとうございます
修正して投下いたしました

今回、武器名は「バイオハザード 銃」で検索して、目に付いたのを採用してます

29 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:10 ID:oC4wYm7A0
川越達也、オエー、マウンテンバイク仮投下します
仮タイトルは「川越シェフがバトルロワイアル中に料理してる画像ください」

30 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:29 ID:oC4wYm7A0


 はい、それではですね、殺し合いの最中ですが、ちょっとしたお料理を作ろうかと思います。
 せっかく、良い"お肉"が手に入ったので、つい我慢できなくなりまして。
 さて、さっそく調理にかかりましょう。
 血抜きと内臓の処理は既に行っていますから、その点は心配ありません。
 なにしろ、始まってすぐに作業に取りかかったので。

「さて、まずやることは……下ごしらえです。臭みが少々あるようなので、香辛料で臭みを消します」

 誰もいない厨房。
 木霊するのは、僕の声だけ。
 傍らに転がるのは、切り落とした鳥のような生き物の頭。
 ――――そう、僕が一番最初に出会った生き物だ。
 名前は分からなかったが、なんとなく鳥っぽかった。
 そう思った瞬間だった。僕が、「いい料理になりそうだ」と思ったのは。
 それから先は、あまり語る必要はないでしょう。

(全く見た事のない生き物だっただけに、肉質や臭みがあるかどうか分からなかったけれど……
 予想以上に、いいお肉でしたね。これは、いい料理になりますよ!)

 僕も、料理人の端くれだ。
 いい料理、美味しい料理が作れると言うのは、素直に嬉しい。
 例え、こんな状況でも。
 だから、僕はここで料理を作る。
 このお肉で、美味しい料理を作る。
 そして、殺し合いに乗ってしまった人達に、食べて貰う。

(僕は、殺し合いなんてしたくない。でも、もしかしたら僕の知らない誰かは、殺し合う気があるかも。
 でも、そんな人だって、美味しい料理を食べれば、気が変わるはずだ!)

 僕が、一番最初に辿り着いたのが、レストランだったのも、幸運だった。
 色んな材料や道具が揃っていたおかげで、こうやって料理ができるんだから……。
 ……おっといけない、そろそろ野菜の用意をしないと。

「……どんな料理になるか、楽しみだなぁ!」

31 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:00:54 ID:oC4wYm7A0











「一体、何でこんなことに……?」

 当てもない、目的もない、何でこんな事になってるのか分からない。
 でも、じっとしていてもどうしようもない。
 だから……僕は、とりあえず街中を見て回ってみることにした。
 ――――そう思って、歩き出してから少し経った。
 未だに、誰かに会った訳でも無ければ、何かを見つけた訳でも無かった。

(まさか、ここにいるのは僕だけ、なんてことはない……よね?)

 いくら何でも、それはない……と、否定したいところだけど。
 そう言い切れないのが、辛い。
 むしろ、1人の方が危なくないんじゃないか?
 1人なら、襲われる事も、殺されそうになることもない……。
 …………。
 駄目だ駄目だ。
 こんなこと考えてると、すぐに気が滅入ってしまう。

「……せめて、誰かと遭遇すればなぁ」

 街灯が、ぽつぽつと人気の無い道を照らす。
 それが、何だか不安と恐怖を駆り立てるようで、何だか気味が悪い。
 人のいない街が、こんなにも寒々とした物だったなんて、知らなかった。
 この街もきっと、いつもは人の行き交う賑やかな街なのかもしれないのに。
 ……駄目だ。
 やっぱり、1人じゃ心細くて、仕方が無い…………そう思っていた時。
 僕の鼻を、何だかいい匂いがくすぐる。

32 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:07 ID:oC4wYm7A0

(え? まさか、こんな状況なのに、料理をしてる人がいるの?)

 まさか、そんな訳がない。
 だって、今はいつ襲われるか分からない殺し合いの場なのに。
 匂いは今も、僕をしきりに、一軒のレストランに誘っている。
 一体、誰がこんなことを?どうしても、気になる。
 ……それに、何だかお腹が空いて仕方がない。この美味しそうな匂いのせいだろうか?

(とにかく行ってみよう。行ってみなきゃ、始まらない)

 小走りでレストランまで向かい、扉を開く。
 カラン……と扉に取り付けられていた鈴が、小さな音を立てる。
 そして、またまた僕の鼻は匂いに包まれ、少しの幸福感を僕に与えてくれる。
 ……一瞬、ここが殺し合いの場であることを忘れる程、心地いい。
 本当、これが殺し合いじゃなかったら……。
 普通に、食事して行きたいのに。

「誰かいらっしゃるんですか……?」

 少し控え目に、小声で呼びかける
 ……返事はない。

「誰か、いらっしゃるんですかー?」





「いらっしゃいませ。気付けなくてすいません。何しろ僕しかいないので。お席へどうぞ」

 今度は、僕の声が聞こえたようだ。
 厨房があるであろう場所から出て来たのは、白い服を着た、一目でシェフと分かるような人だった。
 ……本当にシェフなのかは分からないけど。

「えっ、あ、いや、そうじゃなくて」
「あら、食べに来たんじゃなかったんですか?」
「いや、そうじゃなくて……その気持ちも、無かった訳じゃないけど……って、それより。
 何で、こんな時に料理をしてるんです? 危ない人に見つかりでもしたら……」
「大丈夫です。そんな人達にも、僕の料理を振舞うつもりなので!」

 …………。
 何て言えばいいんだろう。
 今の状況を理解してないのか、それとも、理解した上で言っているのか。

「本気で言ってるんですか? それ……」
「こんな状況で、ふざける訳ないでしょう! 僕は、至って真面目ですよ」

 少なくとも、本人は至って真面目に考えているようだ。

33 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:34 ID:oC4wYm7A0
「おっと、フライパンを火にかけてる最中なのを忘れてました。……お好きな席で、お待ち下さい。
 もう少しで、出来ますから!」
「……はい」

 とりあえず、近くの席に、適当に腰かける。
 机の上には、既にナイフやフォークが並べられていた。
 そして、それらをおぼろげな光で写し出す、燭台の上の蝋燭。
 いつの間に、こんな物を。そう言えば、店内の明かりが、厨房以外全て消されている。
 不意に、辺りに静寂が戻る。
 聞こえてくる音は、厨房から聞こえてくる調理の音だけ。

 ……さっきは、あの人のペースに飲まれたおかげで、あまり思考が纏まらなかったけど。
 ふと1人になると、やっぱり「気になる事」が現れて来た。
 僕の知り合いは、ここにいるのか?
 ここは、いったい何処なのか。
 何で、僕がここにいるのか。

(どの疑問も、答えの出しようがないじゃないか……)

 さっきまで、何となく浮ついていた気持ちが、急に沈んでしまった。

(……気分転換……って訳でもないけど……鞄、調べてみようかな)

 流石に、さっきまで床に置いていた物を、机の上に上げるのは気が引ける。
 とりあえず、鞄自体は横の椅子に置く事にした。
 まず、「基本支給品一式」だ。
 地図にコンパス、筆記用具に時計。ランタンに、水と食料。
 そして、PDA。
 説明通り、ちゃんと2ちゃんねるにアクセス出来た。
 ……ひろゆきが言っていた通り、出来るのはスレを読む事だけだけど。
 どんなに書き込もうとしても、上手く行かない。
 どこのスレでもいい。もし、書き込む事が出来れば。この事を、書き込めれば。
 この殺し合いを、何とか出来るかもしれない。
 ……書き込んだ所で、殺し合いなんて荒唐無稽な話を、信じてくれる人がいるか、分からないけど。

「……どうしました?」
「うわあっ!!」

34 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:01:47 ID:oC4wYm7A0

 突然、声をかけられた。
 本当に突然だったお陰で、飛び上がりそうな程驚いてしまった。

「ああ、びっくりした……」
「それはこっちの台詞ですよ。どうしたんです?」
「いえ、料理が出来たので持ってきたんですよ」
「あ……どうも」











「どうも、ご馳走様でした……随分と美味しいお肉でしたね。どこからこれを?」
「たまたま、手に入ったんですよ」

 たまたま?
 たまたま、この店の冷蔵庫にでも、入ってたのかな。
 しかし、答えは僕が想像していた物とは違っていた。

「丁度、大きな鳥と出会ったんですよ。それで僕はピンと来たんです。これはいい料理になる、って」
「へぇ……」

 大きな鳥……一体、どんな感じだったのだろう?
 そして、そんな鳥を捕まえて、さばいてしまうこの人は、一体。
 もしかして、結構強い?その「大きい鳥」が、どんな物だったのか分からないけど。
 何だか、急にこの人が頼もしく見えて来た気がする。
 そんな事を考えていた時だった。突然、

「そう言えば、まだ名前を聞いていませんでしたね。聞かせてもらえませんか」

 と、僕の名前を聞いてきた。
 僕の名前……。名前……?
 あれ?

35 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:09 ID:oC4wYm7A0





 僕の名前、何て言うんだっけ?





「ぼ、僕は……マウンテンバイク……」

 つい、ハンドルネームが口から漏れる。
 でも、僕の「名前」として記憶に残っているのは、これだ。
 じゃあ、これが僕の本名?いや、そんなことはない!
 じゃあ、何で……何で、思い出せないんだ?
 まるで、僕の記憶に、靄がかかっているような。
 誰かが、僕の記憶を隠しているような。
 そんな、奇妙な感覚だ。

「マウンテンバイク?」
「ごめんなさい。どうしても、僕の本名が、思い出せないんです……!」
「……そうなんですか……」
「やっぱり、怪しいですよね。こんな、変な名前」

 がっくりと項垂れる。
 どうしても、本名が思い出せない。
 でも、こんな名前では……怪しい、と思われても仕方が無い。
 そう思っていると……僕の想像していた答えとは、違う答えが返ってきた。

「…………呼びやすいように、"バイク君"でいいですか?」
「えっ?」
「よろしく、バイク君! 僕は、川越達也」
「よ、よろしくお願いします……川越さん」

36 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:22 ID:oC4wYm7A0

 特に何か聞かれる事無く、会話は終わった。
 ……一体、何故?

「あの……どうして、僕の名前の事、聞かないんですか」
「思い出せないんじゃ、聞いてもどうしようも無いじゃないですか。思い出したら。教えて下さい」
「え、あ、はい……」

 僕には、この人が、よく分からない。
 でも、悪い人ではないのは……確か、みたい。



【D-3・レストラン/1日目・深夜】
【川越達也@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜3
[思考・状況]
基本:僕の料理の力で、殺し合いを止める
1:もっと、沢山作った方がよさそうだなぁ……
2:バイク君と行動しようかな?本人が良ければしたい


【マウンテンバイク@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜3
[思考・状況]
基本:殺し合う気はない
1:川越さん……
2:川越さんと行動しようかな?

37 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:02:50 ID:oC4wYm7A0






 誰もいない厨房の、片隅にあるゴミ箱。
 その中に、それはあった。
 「大きい鳥」の頭――――参加者の1人であった、オエーの頭だ。
 参加者である以上、首には、当然首輪が装着されている。
 なら、なぜ川越達也はそれに気が付かなかったのか?
 気が付いていれば、間違い無くオエーを屠ることはなかっただろう。
 なのに、何故気が付かなかったのか。
 答えは単純である。
 ――――首輪に気が付く前に、良い食材を見つけた、と言う喜びの方が、大きかったのだろう。
 結果、川越達也は首輪に気付く事もなく、オエーを殺害、その肉を調理したのだ。
 それを、本人が知ったら。
 その肉を食べた、マウンテンバイクがそれを知ったら。
 果たして、どうなるだろうか。




【オエー@AA 死亡】
※オエーの頭部はゴミ箱に、肉は冷蔵庫に入っています
※オエーのデイパックは、レストランの厨房に放置されています

38 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 01:03:34 ID:oC4wYm7A0
仮投下終了です
指摘点などあったらよろしくお願いします

39ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/10/28(日) 10:14:07 ID:dgvSbB5s0
仮投下乙です
修正点としては・・・川越さんの忍法帖レベルのアップと、
オエーを調理した道具(包丁?)を持ち物に追加、でしょうか
内容は大丈夫だと思います

40 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/28(日) 19:42:38 ID:oC4wYm7A0
ご指摘ありがとうございました
修正して、投下いたしました

41 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:29:39 ID:NFilQ/tU0
ゆっくりしていってね、八頭身、タケシ仮投下します

42 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:29:51 ID:NFilQ/tU0



「はぁ……」

 真っ暗な部屋。照らすのは、窓から入る月明かり。
 その光は、室内の古びた椅子やら何やらを、柔らかく照らす。
 埃っぽいベッドに腰かけ、壊れた窓から空を見上げる。

「一体、俺が何したって言うんだ……。殺し合いに巻き込まれる程、悪い事はしてねえぞ……」

 がっくりと項垂れると同時に、深い溜息が勝手に出て来てしまう。
 ……本当、何で俺がこんな目に。
 いつものように一日を過ごし、いつものように眠った、はずだったのに。
 何で、俺が。
 訳分かんねえよ。

「はぁ……」

 ここに来てから、ずっと落ち込んでる気がする。
 いや、ここに来る前から、そうだったのかもしれないな。
 一人、闇の中で苦笑いを浮かべる。

(このカバンも……大した物、入ってなかったし……俺に、死ねってか?)

 俺がここに来てからまずしたのは、鞄の確認。
 誰かに襲われた時に身を守れるような物があるはずだ、と思ったからだ。
 だって、「殺し合い」なんだろ?
 素手で、こんな所に放り出すとは思えないじゃないか。でも……。

「何で、よりによって麦茶だけなんだよ……。麦茶って……」

 思い出して、軽く落ち込む。
 ……思い出すんじゃなかったよ、こんなこと……。
 だが、いつまでも落ち込んでられない。
 これからどうするか、考えなきゃな。
 まず、殺し合う気はない(そりゃそうだ)。人殺しなんて、怖くてできたもんじゃない。
 じゃあ、何をするか?……そもそも、こんな非常事態に、俺に出来る事があるのか?
 とにかく、死なないように、生きるしかない。

「…………この建物がなんなのか、見て回ってみようかな」

 何か、役に立つ物……そうだな、強い武器とか。
 武器じゃなくても、何か今の状況に対して、役に立つ物。そんなのが見つかればいいんだが。
 そんな事を考えていた時。……部屋の扉が急に開き、誰かが入って来る。
 一体誰だ、と思っておそるおそる顔を向けると……。

43 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:12 ID:NFilQ/tU0










#aa(){{{
   _,,....,,_  _人人人人人人人人人人人人人人人_
-''":::::::::::::`''>   ゆっくりしていってね!!!   <
ヽ::::::::::::::::::::: ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^ ̄
 |::::::;ノ´ ̄\:::::::::::\_,. -‐ァ     __   _____   ______
 |::::ノ   ヽ、ヽr-r'"´  (.__    ,´ _,, '-´ ̄ ̄`-ゝ 、_ イ、
_,.!イ_  _,.ヘーァ'二ハ二ヽ、へ,_7   'r ´          ヽ、ン、
::::::rー''7コ-‐'"´    ;  ', `ヽ/`7 ,'==─-      -─==', i
r-'ァ'"´/  /! ハ  ハ  !  iヾ_ノ i イ iゝ、イ人レ/_ルヽイ i |
!イ´ ,' | /__,.!/ V 、!__ハ  ,' ,ゝ レリイi (ヒ_]     ヒ_ン ).| .|、i .||
`!  !/レi' (ヒ_]     ヒ_ン レ'i ノ   !Y!""  ,___,   "" 「 !ノ i |
,'  ノ   !'"    ,___,  "' i .レ'    L.',.   ヽ _ン    L」 ノ| .|
 (  ,ハ    ヽ _ン   人!      | ||ヽ、       ,イ| ||イ| /
,.ヘ,)、  )>,、 _____, ,.イ  ハ    レ ル` ー--─ ´ルレ レ´
}}}








「       !       ?       」

44 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:32 ID:NFilQ/tU0










 あまりにも唐突すぎた。
 唐突に現れた、でかい饅頭みたいな奴。
 そいつは出会い頭に「ゆっくりしていってね!!!」と言った後、黙ってしまった。
 ……表情から察するに、俺の返事を待っているようだが……。
 何て答えればいいんだよ。

(こいつら、2ちゃんで見かけた事があるような……)

 何だったかな、どっかのスレで見たような。
 答えが、喉元まで来ているのに。

「ゆっくり? ……何言ってるんだ、ゆっくりしてられる状況じゃないだろ」
「どんなときでも、ゆっくりする心は忘れちゃいけないんだよ?」
「はぁ……」

 何故か諭された。何で、俺が諭されなきゃならないんだよ。
 ……って、違う。こいつらは、一体何なんだ。
 えーっと、こいつらは…………確か…………。

「そうだ!!」

 俺の突然の大声に驚いたのか、2人(体?)がビクッとする。
 まぁ、そんなことはどうでもいい。
 こいつらの名前を、思い出した。

「そっちのリボンの奴が『ゆっくり霊夢』、帽子の奴が『ゆっくり魔理沙』……のはずだ」

 そうだ、そうだった。
 こいつら、あのAAの奴らなのか。
 まさか、現実に現れるなんて、信じられねえ。
 こいつらは、ただのAAじゃなかったのか。

45 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:30:57 ID:NFilQ/tU0

「どうだ、合ってるだろ!!」
「な、なんでゆっくり達の名前を……?」
「そりゃ、結構AAを見かけるからな。名前も、入って来るってもんだ」

 俺の発言に、ゆっくり達は首を傾げている。首があるのか知らないが。
 ……何だ、こいつらは自分がAAだと思ってないのか?
 AAでないなら、何なんだ。
 まさか、本当に生命を持って現実に飛び出してきたってのか?
 そんな馬鹿な話があるか……と否定したいが、こいつらが存在している時点で、否定出来なくなった。

(一体どうなってるんだよ、これは)

 ……。
 訳が分からない。
 俺の、理解の範疇を超えてるんじゃないのか、これ。
 ――――とりあえず、こいつの鞄の中身、見てみるか。
 何か、武器があるかもしれない。
 もしあったとしたら、俺が使わせてもらうか。
 ……ふと思ったが、こいつらに武器が使えるのか?
 手が無いんだから、持てないだろ。

「ゆっ! お兄さん、かってに人のものをあさっちゃいけないんだよ!」
「固い事言うなよ。つーか、頭だけなのによくここまで鞄を持って来れたな」

 未だに、ゆっくり達は俺の周りをぽいんぽいんと跳ね回って抗議している。
 うぜぇ……。
 できるだけ、気にしないようにしながら中身を取り出す。
 ――――どうやら、こいつらはウザいだけじゃなかったようだ。
 だって、俺にこんな幸運を運んでくれたんだから……。

46 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:23 ID:NFilQ/tU0

(おいおい、銃って…………本物かな、これ)

 ひんやりとした、鉄の感触。
 間違い無い。
 これは、本物の銃だ。
 ……しかも、結構デカい。

「……!! こ、こっちにむけないでね!!」
「心配しなくても向けねえよ。ちょっと黙っててくれ」

 他にも何か入ってるみたいだが、まあいいや。
 とりあえず、この銃があれば何とかなる。
 こんなもん、ゆっくりに持たせとくのは勿体無さすぎる。
 さっきも言ったが、こいつら銃とか使えないだろ。
 ……まあ、俺も銃なんか持つの初めてなんだが。

「それはわたしたちのかばんに入ってたものだよ! ゆっくり返してね!」
「これは俺が借りる! お前ら、これ使えるのか? 使えない物持ってても意味ねえよ」
「そんなことないよ! やってみないと分からないよ!」
「やる前から答えは明確だろうが……」

 ……全く。
 何で、俺がこんな目に遭わなきゃならないんだ。
 俺は、2回目の深い溜息を付いた。






47 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:45 ID:NFilQ/tU0




 暗い屋内。
 僕が持つランタンだけが、辺りを照らしている。
 確か、殺し合いだったっけ?
 ……そんなことよりも、大事なことがある。

(1さん…………君は、何処にいるんだい? 君の事が心配で心配で、僕は…………)

 1さん……。
 僕の、大切な人……。
 君が、死んでしまったら、僕は……。
 一体、どうすればいいんだい?

「ハァハァ、待っててね1さん。僕が、絶対君を護るからね!」

 とは言うものの、ここは一体どこなんだろう?
 何だか廃屋みたいだけど、誰かいるのかな。
 沢山部屋があるおかげで、誰かいても簡単には分からないや。
 1つ1つ回っていくなんてできそうにないし、そんな時間もない。
 特に何かあるわけでも無さそうだし、早くここを出て……。




「…………分からないよ!」
「…………明確だろうが……」



 どこかから声が聞こえた。
 1さんの声じゃなかったけど、誰かいるのかな?
 ちょっと、会って話を聞いてみようかな。
 ……いや、ダメだ。
 そんなこと、してる暇なんてない。
 僕は、1さんを護らなきゃならないんだ。
 その為にも、無駄な時間は過ごせないんだ。
 一体誰がいるのか気になりはするけど、調べてる暇なんかない。
 僕は、1さんを護る。
 その為には、行動あるのみだ。

(よし……行こう)

 本当なら、この階段だって駆け降りて行きたい。
 でも、こんな暗い状況じゃそんなこと出来そうにない。
 下手に転んで動けなくなったら、それこそ……。
 駄目だ、そんなこと考えちゃいけない。
 とにかく、ここを出てしまおう。

「…………」

48 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:31:58 ID:NFilQ/tU0

 階段をゆっくり降りながら、考える。
 そう言えば、いつの間にこんな場所に僕は連れてこられたんだろうか。
 確か、いつものように1さんに会いにいったはず、だったんだ。
 1さんの家の近くまで来た、のは覚えてる。
 そこで、何故か僕は気が遠くなって……。
 気が付いたら、あそこにいた。
 そして、2回目の気絶から目が覚めたのが……ここだった。

「…………」

 ……こんなこと、考えても仕方が無い。
 僕がやるべきことは、殺し合いに乗るような危ない輩から、1さんを護ることなんだから。
 例え、他の誰かを殺めようとも……。
 僕はどうなってもいい。1さんさえ無事なら、それでいいんだ。









「…………」

 下へ続く階段が無くなった。
 と言う事は、ここが1階か。
 今までと同様に、ロビーへ続く道であろう場所も、ボロボロだ。
 下手に転んだら、体が汚れちゃいそうだ。

「うーん、出口は……あ、あそこだ」

 ガラスは割れ、中途半端に隙間が開いている自動ドア。
 自動ドアも壊れちゃったら、普通のドアより開けるのが面倒だなあ。
 よいしょ、と力を込めてドアを開ける。
 …………とりあえず、自分が通る分だけ隙間を広げればいいや。

「よいしょっと……。さて、ここはどこなのかな」

 鞄から地図を取り出して、眺めてみる。
 ……ここが何処の辺りなのか分からないと、地図があっても駄目だね……。
 どこかに、ここがどこか書いてないかな……。

49 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:15 ID:NFilQ/tU0

「ううん、ここはどこだろう?」

 とりあえず辺りを見てみても、良く分からない。
 ……暗くて、遠くまで見通せないんだ。
 月明かりが、あるにはあるけれど。
 太陽の光には、及ばない。

(よく分からないな……何か、役に立ちそうな物があれば……)

 そう言えば、僕、まだ持ち物をよく調べてなかった。
 ランタンを取り出した時や、地図を出した時に、チラッと見ただけだ。
 何があるのか、まだ良く分かってない。
 こう言うのは、はっきりさせておかないとね。
 ……それに、1さんを護ることのできる武器も欲しいしね。
 一応、見つかりにくいであろう植え込みの影に身を隠して、っと。
 これで良し。

(何があるのかな……)

 強い武器があればいいのにな……。
 武器でなくとも、役に立つ物なら大歓迎だけど。

「拳銃……!ずいぶん、ずっしりした拳銃だなぁ」

 こんなしっかりした武器が、最初から手に入るなんて。これは、十分役に立ちそうだ。
 残りも見てはみたけど、両方とも武器じゃなかったから、鞄に仕舞っておくことにした。
 他にも、食料や水、筆記用具なんかもあったけど、今は特にいらないや。
 それ以外で役に立ちそうなのは……と言うか、これに関しては説明があったなぁ。
 PDA……2ちゃんねるが見れるらしいけど、それは別にいいや。
 それより、気になるのはオーナー情報。この「オーナー」って、僕のことだよね。
 とりあえず、開いてみると……。

(忍法帳……確か誰かを殺すと、レベルが上がるんだったかな?)

 今の所、レベルは0。
 それ以外は、特に変わったボタンは……ん?
 下の方に、「現在地:A-6」と書いてある。
 ……これってもしかして、僕の現在地を指してるのかな?

50 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:33 ID:NFilQ/tU0

(と言う事は、僕が今いるのは「A-6」……ずいぶん、隅っこなんだなあ……)

 ……改めて、地図を眺める。さっきも言ったけど、ずいぶん端っこだ。
 さて、改めて。何処を目指そうか?1さんが行きそうな場所って、どこだろう?
 とりあえず、人の集まる場所に行けば、出会えるかな?
 ……その、「人の集まる場所」がどこか、具体的には分からないけど。
 とにかく、行動あるのみだ。この間にも、1さんの命は危険に晒されているんだ。
 急がないと……。

「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」

 僕は、月明かりの元走り出した。
 ――――1さんを、何としてでも護るために。



【A-6・廃ホテル前/1日目・深夜】
【八頭身@AA】
[状態]:健康
[装備]:デザートイーグル(7/7)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)不明支給品×0〜2(武器は無し)
[思考・状況]
基本:1さんを護る。邪魔する奴には、容赦しない。
1:とにかく、「人の集まる場所」を目指そう。待っててね、1さん!!
※八頭身の叫びが辺りに響きました。

51 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:32:46 ID:NFilQ/tU0





 相変わらず、ゆっくり達はぽいんぽいんと跳ねて俺の後ろを付いて来ている。
 全く、変な奴だ……だけど、流石に武器を取った上にあそこに放置して行くほど、俺は鬼じゃない。
 ……だが、今考えてみれば。
 やっぱ、あそこに放置して行けば良かったかな、と思い初めていた。
 想像してみろよ、自分の周りを跳ね回りながら「ゆっくり(ry」と何度も言われる姿を。

「ゆっくりしていってね!!!」

 だから、ゆっくりしててもどうしようもないだろ。
 と言うか、ゆっくりしてる余裕なんて無えよ。
 ……こいつら、今の状況分かってんのか?

(今がどんな時か、理解してるのか? よく、呑気でいられるもんだな)

 俺だったら、とてもこんな風に呑気にいられない。
 ……今だって、内心ビビってる。
 こんな暗い中じゃ、誰が何処に隠れてたっておかしくはない……。
 いきなり飛びかかられちゃ、銃を持っていても勝てるかどうか。
 ――――そもそも、そんな状況で俺が冷静でいられるかどうかすら、怪しいけどさ。

「……はぁ」
「どうしたの? ゆっくり元気だしてね!」
「お前らのせいで落ち込んでるんだろうが……」
「?」

 うぜぇ。
 本気で、ここらに放置して行こうかな。
 そんな事を考えていた時、



「1さーん! 君は僕が絶対に護るよぉぉぉぉぉ!!」
「「!?」」

52 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:09 ID:NFilQ/tU0



 ……何か、大声が聞こえたような。
 いや、「ような」じゃない。はっきり聞こえた。

(1さんって…………おいおい、またAAキャラか。 あんな事言う奴、1人しか思い付かないぞ)

 ――――八頭身モナーか。もしかして、アイツはここにいたのか?
 ……そう考えると、俺って結構危ない事してたんじゃ。大声上げてたし。

(1さんへの愛は尋常じゃないからな……1さんのために、殺し合いに乗ってもおかしくねえ)

 まぁ、実際の所はどうだったのか、俺には分からない。
 それを、確かめる術もない。
 追いかけようにも、何処に行ったかなんて分からないし。

「…………あいつの事は忘れよう」

 そうそう。
 変な奴には、関わらない方が身の為だ。
 ――――ゆっくりとか言う、妙な奴に出会ってはいるが。
 こいつだって、十分「変な奴」だ。

(どうなんのかな、俺)

 ふと、脳裏にカーチャンの顔が浮かぶ。
 ……カーチャン、何してんのかな。
 いきなりいなくなったんだから、俺の事、心配してんのかな。

(…………お、俺は別に心配なんかしてねえけどな)

53 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:19 ID:NFilQ/tU0


【A-6・廃ホテル内/1日目・深夜】
【タケシ@ニュー速VIP】
[状態]:健康、不安
[装備]:イングラムM10(32/32)@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、麦茶@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:殺し合う気は無い。死にたくもない
1:死にたくはないが、どうすりゃいいんだろうな……
2:カーチャン……べ、別に心配なんか……
※2chに関する記憶があるようですが、あまりはっきりしていないようです


【ゆっくりしていってね!!@AA】
[状態]:健康、ゆっくり
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×0〜2
[思考・状況]
共通:ゆっくりしていってね!!!
1:とにかく、ゆっくりしていってね!!!
※ゆっくり霊夢とゆっくり魔理沙、2体で1人扱いのようです
※片方が死亡したらどうなるかは、後続の書き手さんにお任せします



≪支給品紹介≫
【麦茶@ニュー速VIP】
麦茶ばあちゃんが量産している物。夏が来た。
たっぷり用意してあるので、多人数で飲める。

【デザートイーグル@現実】
装弾数7発。使用弾薬は.50AE弾。
数ある銃の中で、結構な知名度を誇るのではないだろうか。
それ故、色々な作品で攻撃力の高い銃として登場したりしている。

【イングラムM10@現実】
装弾数32発。使用弾薬は9mm×19弾。
もはやお馴染みの短機関銃。

54 ◆i7XcZU0oTM:2012/10/31(水) 23:33:45 ID:NFilQ/tU0
仮投下終了です
指摘点などあったらよろしくお願いします

55ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:11:14 ID:DCPVKg820
乙です

1さんは参加してないんだけど、それには気付いていないということでしょうか?
一条三位を強引に1さんって愛称にすれば…それはそれで面白そうな気がしますけれども

56ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:13:21 ID:DCPVKg820
乙です

1さんは参加してないんだけど、それには気付いていないということでしょうか?
一条三位を強引に1さんって愛称にすれば…それはそれで面白そうな気がしますけれども

57ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 02:13:57 ID:DCPVKg820
連投失礼しました

58ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 09:36:19 ID:BLIV56lkO
仮投下乙です
特に問題はないので大丈夫です


一条三位…た、たしかに一三だ!!
いや、でもそれは流石にカオス過ぎだろ…

59ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 18:52:56 ID:tzmmkxT.C
投下乙です

このゆっくりは喋るのかw

特に問題点はないと思います

60 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/01(木) 22:17:57 ID:N3zd9RZU0
ご意見ありがとうございました。本スレに投下いたしました。

>>56
流石にそれはちょっと厳しいですね…ww

61 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:22:01 ID:N9amVri.0
電車男、イズン様、グンマーを仮投下します
タイトルは「ヤバイ。最近の若者ヤバイ。マジでヤバイよ。」です

62 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:23:09 ID:N9amVri.0
気がつくと俺は小さな橋の上で横になっていた。
深夜で街灯の明かりでしかわからなかったけど、少なくとも周りの景色に見覚えがなかった。

ああ…なんで俺がこんなことに巻き込まれたんだろう…?
というか、何故あのひろゆきが殺し合いだなんて突然言い出したんだろう…?
もしかしてこれは何かの悪い夢なんじゃないか?俺はそう信じたかった
頬をつねる、痛い…、しかも首にはしっかり3人もの人を殺した首輪が嵌められている

徐々に不安が俺の頭を支配してきた…。嫌だ、殺されたくない…死にたくない…

例えばマシンガンを構えた屈強な軍人と対面したとして、俺に少しでも勝機があるだろうか?
もしくは、かつて何十人もをナイフで斬り殺してきた殺人鬼が襲ってきたら、俺はそれを対処できるのか?
無理です、絶対無理です。叶うわけがないじゃないか…_| ̄|○

昨日までは2ちゃんの住民に応援されながら、エルメスさんとメールしたりデートしたりと幸せな日々を送っていたのにな…
多分、次に会った時が最終決戦。もうお互いの気持ちを確認する時だっただろう…

でもこんなことになった…もう、彼女に二度と会えないかもしれない…

俺は自分の現状に絶望した
不安と恐怖がピークになり、思わず俺は空に向かって叫んだ

「誰か助けてくれ!!!!」




その時、突然すぐ後ろから声がした
「お、落ち着くのです!人間の青年よ」
「ヘアッ!?」

俺は驚いて飛び上がって、しかも変な悲鳴を上げてしまった…

10代くらいの女の子だろう。美しい金髪と派手な格好が、なんとなく神々しい印象を受けた。
俺はてっきり、厳つい男たちばかりが参加してるものだと思っていたんだけど…
まさかこんな幼気な少女にまで殺し合いを強要しているなんて、あまりにも残酷過ぎると思った。

トリアーエズ、その女の子を少しでも安心させてあげるのは、大人である俺の義務だろう。

まずは俺が危険な人物じゃないってことを伝えなければならないだろう。
先ほどの情けない悲鳴も取り繕わないとダメだろう。そんなわけで俺は
「だだ、大丈夫ディスカ?君も殺し合いに巻けこvんmqあsft…」
と盛大に噛んでしまった。もうこれ取り繕えませんよね…_| ̄|○

すると女の子の方はかなり落ち着いた感じで
「安心してください、私も殺し合いに乗っていませんよ」
と、微笑みながら言った。
おそらく、俺が悪い人物じゃないことを見透かしてくれたのかもしれない。

気を取り直してお互いの情報を交換することに

「俺は電車男と言います」
「私はイズン、若さを司る女神です」
「ポカーン」
女神? この子は何を言ってるんだろう?
詳しく話を聞くと、彼女はこれまでの顛末を話し出した

どうもイズン様はアスガルドという所の神々の一人で、
そこにある城が巨神の放った死霊達によって落とされたそうだ
イズン様も死霊に囲まれて、まさに殺されようとした直後に意識を失い、ひろゆきの前に飛ばされたらしい
そして、彼女は最後にこう付け足した
「おそらく、この殺し合いは巨神によって催された娯楽なのだと思います
私達が苦しむ様を見物し、鮭の肴にするつもりなのです!」

普通ならこんな突飛な話なんて、子供の妄想だと言って笑い飛ばすかもしれない
だが、彼女は年齢以上に大人びているというか、威厳のようなものが感じられたし、
なによりも彼女の話し方には、なにか強い説得力があった
なんとなく、彼女の言葉は信じるだけの価値があるように感じたんだ


俺も身の上を語った。
つい最近までただのアキバ系だったこと、エルメスさんとの出会い、
そして、その動向をひろゆきが管理する掲示板「2ちゃんねる」に書き込んでいたことを

63 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:23:50 ID:N9amVri.0
俺が話を終えたあと、イズン様は予想もしなかったことを言った。
「あくまで私の予感なのですが…。そのエルメスという女性も、この殺し合いに呼ばれていると思います」
「えっ…?嘘でしょ?な、なんでエルメスさんが…?」
「この手の死亡遊戯は、なるべく関係の深い者同士を殺し合わせた方が、より波乱や感情といった修羅場を見ることが出来るのです。
貴方にそれだけ関係の深い人物であるのなら、それは呼ばれるだけの条件となり得るのです」

そんな…、もしそれが本当なら、俺のせいで彼女が危険にさらされるということか…?
そう考えた途端に、俺の心に強い罪悪感が溢れてきた
俺が弱音を吐く前にイズン様は
「勇気を出すのです! ここで怖じ気づいては誰も救えませんよ」
と励ました
「私には戦う力は全くありませんが、豊富な知識があります
この知識で、出来る限り貴方に協力します。これから共に頑張りましょう」
神々しい微笑みでそう言ってくれた

そうだ、俺がこんなところで諦めてどうするんだ…
彼女は言ってくれた

「電車さんとなら、安心して電車に乗れますね」

今頃彼女はさっきの俺みたいに、不安と恐怖に襲われているに違いない
だから、少しでも安心させてあげたい。俺なんかじゃ、頼りないと思うけど、それでもだ


「そこにデイバックが落ちています。きっと貴方の力となるものが入っているでしょう」
イズン様に言われて、初めてすぐ近くにデイバックが落ちていることに気がついた

俺はデイバックを拾い上げ、中に手を入れた
確かな武器の感触があった…
どうか彼女を救えるだけの力でありますように…!





剣の柄の部分だけが出てきた。何コレ?

【アクアブレイカー:水の力を宿した剣。その刀身は然るべき時に姿を現す】

「イズン様、然るべき時っていつですか?」
「…わかりません、見たことのない武器です」

なんか拍子抜けした気分です…
これでどうやって戦えばいいんだ…?

他にも何か無いか、デイバックの中を漁る。
すると出てきたのは赤と白のボールカプセルだった
「電車男、気を付けて!その中から魔物の気配がします…!」
「いや、これはきっと大丈夫だと思います」
俺はこのボールに見覚えがあった
間違いない、これは「モンスターボール」だ。
ポケモンというアニメに出てくる道具…いわばフィクション
でも女神がいるくらいだし、あってもおかしくはないだろう、と気軽に考えることにした

投げてみると、ポン!と言う音と共に、カプセルが開いて中から何かが飛び出してきた
みずみずしい魚のような頭に、男らしくふんどしを締めた脚部を持つポケモンがいまーす。そーれーはー?(チラッ

#aa(){{{
                 /!
             ______,イ//_____________イi                , 
        _, r '' " "      _,._,._,._,._,._,_,._, ~`''ー-.、          //
     _,r''""◎  ヽ     _,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._~`''ー-.、    / /
      ゙ヾ,,      |   _,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,..  ~`''=´  |
     ∠´___     ノ_,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,._,.  _..-‐'''"  \  ヽ
          ~`''ー-.、_______________________________,,...-‐'''"        \ ヽ
                        !    ,_    _ ',
                 ,;-‐'′    `Y´  i
                   /         i   ,!、
               /        _,,,ノ、  ; ヽ、
                ,/       ,;-‐''′`ヽ、    ゙;、
              i'  /_,,;-‐''′     ゙:、    ゙i
              i   `i           ゙:、   ;゙ヽ、
}}}


最近のポケモンは見てないからよく知らないけど、なんだろうこのコレジャナイ感は…
「これはアジです。ポッポと呼ばれるポケモンが突然変異を起こして進化した姿です」
「よくご存じですねイズン様…」
「あ、いいえ、説明書を読み上げただけですよ」
イズン様はそう言って俺に一枚の神を渡した。

どれどれ…と目を通してみる

『わざ
・たいあたり
・すなかけ
・かぜおこし
・アジジェット』

アジジェットもさることながら、コイツはどうやってかぜおこしするのだろう?
なにより、アジの体長は、俺の腰の辺りまでしか無かった。頼りない…_| ̄|○

64 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:24:42 ID:N9amVri.0
「イズン様、支給品が微妙に力になってくれなさそうです…」
俺がそう愚痴ると、イズン様は
「そうですね…、私のバックにはこんな盾が入ってましたが、良ければ差し上げましょう」
彼女が取り出したのは、よく警察隊が持っているような透明な盾
確かライオットシールドって名前だったかな。
「あー、弱音吐いてすいません…。その盾はイズン様が持っていてください
あなたがなるべく安全な方が、俺も安心していられますのでw」

そう答えたが、イズン様は申し訳なさそうな顔をしていた。
俺は話を変えることにした

「そういえばさっきアジのボールを見て魔物の気配が、と言ってましたが、
何かそういう能力があるのですか?」
「ええ、近くにいる者の気配を感じることが出来るのですよ」

なるほど、これは強力な特技だと思った。
つまり、身を隠している相手に闇討ちされる危険性を減らせると言うこと

試しに俺は
「この近くに、他の誰かはいますか?」
と聞いてみた。
彼女は即答
「いませんよ」
その言葉に俺が安堵した直後だった

「ウェェェェェェイ!!!」
掛け声らしきものが響き、こちらに接近してくる軍人らしき姿が見えた。

「いるじゃないか!」
((((;゜Д゜))))ガクガクブルブル

まさに想像していた殺し合いの参加者象そのものだった
迷彩柄の軍服を身にまとい、巨大なハンマーを振り回す黒人男性
逃げるまもなく軍人は俺の目の前へと迫る
そして身の丈もあろうハンマーを振り上げ、俺に向かって振り下ろす

こ、殺される…!

ほんの一瞬が、俺にはまるで永遠のように感じられた。


そして








――――ピコッ!




ハンマーが俺の頭部に叩きつけられる
一撃だけでは飽き足らず、何度も、何度も、何度も叩きつけられた


ピコピコピコピコピコピコピコッ…

「ぎゃあああぁぁぁ!!!」
悲鳴をあげる俺の耳にイズン様の助言が届く。
「落ち着くのです!アジを使いなさい!」
そこで我に帰った俺は、その言葉の通りアジに命令を下す
「アジ!アジジェットだっ!!」

俺の声に反応し、アジは水を噴出しながら軍服男に強烈な突進をかました。
相手が倒れ込んだところへ、さらに俺はすなかけを命じた。

顔にモロに砂(どこから持ってきた?)をかけられた軍服男は「メガァァァ!メガァァァ!」と叫んでいた。
すぐさま俺はアジをボールに戻して、イズン様を手を引いて走り出した

「逃げてしまうのですか!? 今がチャンスではないですか!」
「無理無理無理無理!! 今は逃げるんだああぁぁ!」

ハンマーを叩きつけられた瞬間、俺は「死に対する恐怖」を心から痛感した。
今回は何故かピコハンマーだったため無傷だったものの、もしも本物の武器だったら…そう思うと体が震え出しそうだ

「電車男…逃げていてはいけません。私は非力なのです。あなたがもし諦めてしまったら、
私はおそらく何も出来ずに脱落してしまいます…おそらく、エルメスさんもです…勇気を出してください」

イズン様は不安そうな声で呟いた
わかっている、俺がここで怖気づいてはいけないのはわかっている
でも、俺はもう少しだけ心の準備をする時間が欲しいです…
この先生きのこる自信がまだ湧いてこないんですよ…_| ̄|.............○))

65 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:24:57 ID:N9amVri.0

【場所時間】

【電車男@独身男性】
[状態]:健康
[装備]:アジ@おや、ポッポの様子が…
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、アクアブレイカー@Nightmare City
[思考・状況]
基本:生きて帰りたい
1:軍服男(グンマー)から逃げる
2:エルメスがいれば保護する
3:イズン様…信用していいんですかね?

【イズン様@ゲームハード】
[状態]:健康
[装備]:ライオットシールド@現実
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:殺し合いから生還し、アスガルドへ戻る
1:勇気を出してください…
2:電車男に助言しつつ、脱出策を探す

※バトルロワイヤルを巨神たちによる娯楽だと予想
※原作では遠方の物と対話する力を持っているため、制限がなければ使用できるかもしれない



「メガアアァァ!メガアアァァ!(目が!目が!)」
さて、ここで電車男を襲撃した男について説明しよう
彼は未開の地グンマーの、とある集落で生まれ育った一人の青年である
名前はグンマー。彼らの大地の名にあやかって付けられている
彼の家族も、友人も同じグンマーと呼ばれる。彼らは互いに強い絆で結ばれているため、固有の名前などなくとも意思疎通をとることが出来るのである

彼らの慣習の一つに「成人式」がある
族長によって与えられた試練…それを乗り越えて初めて「一人の男」として認められ村を守る戦士となるのだ
奇しくもグンマーは、その成人式を明日に備えていたところだった
そう、彼はこの殺し合いを「成人の儀」だと思い込んでいるのである

なお、彼が来ている服は「熱光学迷彩服」。熱を発散させないため相手に気配を探られにくい軍服である
それをスーツだと思って彼は着ていたのだが、電車男を襲撃する際、さらに気配を消して接近していたのだ
つまり、イズン様が「いませんよ」と言ったのは、決して彼女がいい加減なのではなく、完全に気配を遮断されていたゆえなのである。

目に入った砂を落とした後、グンマーはハンマーを投げ捨てた

「クッソ、ナンナンスカコノハンマー! マジツカエネージャネーカ!(あぁ、この武器は外れだったようだ)
イミワカンネェシ! ザッケンジャネーヨマジデ!(不覚だった、俺はツイてないな…)」

ゴールデンハンマー…本来であれば見た目に恥じない破壊力と、空中浮遊ができる特殊効果がある強力な武器である
しかし、時おり混じる不良品「ゴールデンピコピコハンマー」は完全なる見掛け倒し、武器というよりもパーティグッズに分類するハズレ品であった

「シャーナイ、モウスデデイクワ…アーマジデセイジンシキトカダルイワー…シネヨゾクチョウ」
(仕方ない、今後は素手で行くしかないな…、村を守る戦士になるためだ、必ず生き残ってみせる!)」

決意を改めたグンマーは、デイバックを担ぎ上げて次の獲物を探して歩き出した



【グンマー@まちBBS】
[状態]:目が充血
[装備]:熱光学迷彩服@攻殻機動隊
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜1
[思考・状況]
基本:優勝して、村を守る戦士になる
1:使えそうな武器を下がる
2:武器が見つかるまでは弱そうな参加者のみを仕留める

※ゴールデンピコピコハンマー@大乱闘スマッシュブラザーズXが橋の真ん中に捨てられています



《支給品紹介》

【アクアブレイカー@Nightmare City】
FLASH「Nightmare City」で、ギコが使用していた武器の名称
公式設定ではないようだが、二次創作において共通している唯一の設定
現在は持ち手だけなため武器として使い物にならないが、何かしらのきっかけで刃が現れるそうな

【アジ@おや、ポッポの様子が…】
VIPにて発見された新種のポケモン。アジから人間の足が生えた奇怪な姿をしている。
得意技はアジジェット。どうやらポッポの進化形。さらに進化すると「アジョット」になる。

【ライオットシールド@現実】
警察や軍隊などで採用されている軽量の盾。ポリカーボネートという透明な素材で作られている
多少の防弾性能があるが、それほど優れていない。どちらかというと鈍器などに対して有効。重さは5キロ程度

【ゴールデンピコピコハンマー@大乱闘スマッシュブラザーズX】
強力なふっ飛ばし性能を持つ巨大ハンマー、のハズレバージョン
見た目も重量も本物にそっくりだが、どういうわけかピコッと音がするだけ
ハズレといっても、振り回している最中に空中浮遊が出来る効果を持つ

66 ◆m8iVFhkTec:2012/11/01(木) 22:33:07 ID:N9amVri.0
以上です
電車男本家の文章をイメージしたのですが、あんまり再現できた気がしない…
あと、グンマーのキャラはこちらで自由に決めたのですが、これで大丈夫でしょうか?

書き忘れましたが、場所時間は【B-3 橋付近/一日目・深夜】です
その他問題点、修正箇所などがあれば指摘お願いします

67ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 22:55:51 ID:DCPVKg820
乙です
そういえば電車男は緊張すると噛むんだっけかw 懐かしいw

誤字の訂正をひとつ
>>62のイズン様の最後のセリフの鮭の肴は「酒」の肴の誤りだと思います

68ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/01(木) 23:09:45 ID:N3zd9RZU0
仮投下乙です

>>63
>イズン様はそう言って俺に一枚の神を渡した。

とありますが、神ではなく「紙」の誤りですね
あとは特に問題はないと思われます

69 ◆m8iVFhkTec:2012/11/02(金) 07:45:02 ID:EKDUmhVA0
ご指摘ありがとうございます
修正して投下いたします

70 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:20:33 ID:izItCrm20
加賀、やらない夫仮投下します

71 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:21:03 ID:izItCrm20


 真っ暗で何も見えない。
 感じるのは、さっきからゴウゴウ唸っている風だけだ。
 この風は何なんだ?
 何で俺はここにいるんだ?
 俺は、どうなってしまうんだ?
 こんな、何処かも分からねぇような場所で、死ぬのか?
 ……いいや、そう言う訳にはいかないだろ――――常識的に考えて。
 俺は、死ぬ訳にはいかねえ……。
 だが、自分から進んで、人殺しになる気も、ない……。

「――――ない夫、どうしたんだお? 顔色が悪いお」
「え?」
「もしかして風邪かお? ない夫が風邪引くなんて、珍しいこともあるもんだおwww」
「わ、笑ってんじゃねえよ!」

 おいおい、何で急にこいつが出てくるんだよ。
 こいつも近くにいたのか?
 ――――風は、今も強く吹いている。
 俺を、吹き飛ばしてしまえ……そんな、意思が宿っているかの様に。
 一体、この風は何なんだよ。

「ない夫…………お前は、どうするつもりなんだお…………」
「おい、何言ってるんだ」

 風に吹き飛ばされる塵のように、やる夫の体が消えて行く。
 おい、勝手に行くなよ……!行かないでくれよ!!

「ま、待て、やる夫! 待ってくれ――――っ!!」





「うああぁぁぁっ!?」

72 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:21:16 ID:izItCrm20

 急に、意識が現実に引き戻される。
 地面が、揺れた。そのお陰で、俺は現実に引き戻されたようだ。
 と言う事は……あれは、夢だったのか。
 夢で、良かった。
 心底、ホッとする。
 ホッとしたのもつかの間、ここはどこなんだ、と言う真っ当な疑問が浮かぶ。
 ……陸地のような気もするが、何だかおかしい。
 波の音が、聞こえてくる。
 と言う事は、ここは海の近くなのか。
 だったら、何で地面は鉄で出来てるんだ。
 砂か、あってもコンクリだろ。常識的に考えて……。

「こうも暗くちゃどうしようもねぇな。確か、支給品とやらがあったはずだ……」

 目を凝らしながら、鞄からランタンを取り出す。これで、明るくなった。
 しかし、明るくなったところで、結局ここがどこなのか良く分から……。




(ちょっと……)




 ――――。何だ、今のは。
 声が、聞こえた?
 いや、聞こえたと言うより、頭の中に直接……。

「誰だ!?」
(何で、あなた……私の上に、勝手に乗ってるんですか!!)
「は?」

 上に乗ってる?
 どういう意味か、さっぱり分からん。
 一応足元を見てみたが、誰もいない。
 だが、あの声は間違い無く、俺の頭の中に響いてきた。
 気のせいとかじゃない、はずだ。

73 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:21:44 ID:izItCrm20

「お、お前は何処にいるんだ!」
(だから、あなたの下ですよ……別に、痛いとかそう言う訳じゃないんですけど……)
「下って言っても、俺の足元には地面しかないぞ」
(わたしは航空母艦・加賀です。あなた今、わたしの飛行甲板部分にいるんですよ)
「……??」

 良く分からん。
 航空母艦?飛行甲板?……お前は何を言っているんだ。母艦の知識なんて、俺には無い。
 そんな事いきなり言われても、分かる訳ないだろ……常識的に考えて。
 ……そもそも、こいつは何で喋る事が出来るんだ。
 まさか、人工知能搭載のハイテク母艦!?……な訳ないか。ゲームや漫画の世界じゃあるまいし。

「お前、何で喋れるんだ……?」
(そんなの、わたしが聞きたいくらいです……。気が付いたら喋れるようになってましたからね。
 ――――と言っても、あなたのように言葉を発することはできないようですが)
「……どうなってんだ」

 しょっぱなから、常識とかけ離れてやがる……。
 いや、そもそも殺し合いなんて時点で、常識はぶっ壊れてたのか?
 ……まあ、それを今考えてもどうしようも無い。

(どうなってるのか、わたしも知りたいですよ。何か、知っている事があれば、教えていただけませんか……?
 ……えっと、お名前は?)
「俺か。俺は……まあ、やらない夫とでも呼んでくれ」
(そうですか。よろしくお願いしますね、やらない夫さん。……さて、知っていることを教えて下さい)
「いや、そう言ってもな。ここに来て、最初に出会ったのがお前だったからな。特に何もないぞ。
 まぁ……俺の友達のことなら、話せるが」
(お友達、ですか?)
「あぁ……やる夫って言ってな……多分、あいつもここに連れてこられてる、と思う」
(……どうしてです)

「…………まぁ、まだいるって決まった訳じゃ無いが。とりあえず、あいつはアレだ。馬鹿だ。
 馬鹿だけど、命に関わるような馬鹿はしないはずだ。……この殺し合いに、乗るとかな。
 もしくは、こんな異常事態の中で、ふざけ回るとか……。流石に常識はあると、俺は信じてるよ」

74 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:22:04 ID:izItCrm20

 何で、俺はこうも熱く語ってんだ?
 ま、あいつの事が心配じゃない訳じゃないが。
 ……流石に、まだ殺されちゃいないよな?

(そうですか。話を聞く限り、かなり親しい仲のようですね)
「親友だしな」
(……他にも、何か?)
「他は……特にないな……さっきも言ったが、最初に会ったのがお前なんだ。他の奴の事は知らない」
(どうも、ありがとうございました……お返しに、わたしも情報を話したい所ですが……わたしも、特に
 何か知っている訳じゃないんで、申し訳ないですが……)

 ま、俺も大した事を話した訳じゃないから、別にいか。
 ……しかし、改めて辺りを見回してみると、マジで広いな。
 母艦ってのは、こんなに大きいのか。
 ……待てよ?こいつがいれば、ひろゆきを倒すのなんて、簡単じゃないか?
 これだけ大きけりゃ、流石に武装してるだろう。

「おい、この船には、武装はあるのか?」
(ええ。20cm単装砲、12.7cm連装高角砲、25mm連装機銃がある……にはあるんですが……。
 何故か、全て弾切れしてるんです。確かに、装填されていたはずなんですが……。それと、
 12.7cm連装高角砲が、使えないようです)
「本当か?」
(ええ。わたしの体の事ですから、分かります。何なら、全部チェックしますか)
「いいや、やめておこう。……使えないってのは、どういう意味でなんだ」
(どうやら、何者かの手によって外されているようです)









 さっきのやり取りから数分。
 俺は、その間に鞄を調べておいた。
 ……加賀に、鞄の事を聞いてみたが、よくわからないらしい。
 もしかしたら船内のどこかにあるかも、とか言っていたが……この広さじゃ、探す気になれない。

75 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:22:23 ID:izItCrm20

(そう言えば、あなたは武装しなくていいんですか)
「今の所は必要ない。お前に乗っている間はな……」
(それはどういう意味です?)
「変な意味じゃない。これ、見てみろ」

 PDAの『オーナー情報』を開く。
 俺の忍法帳レベル――――当然の事だが、0だ。
 そして、隅に記載されている現在地。

「D-6……これが、俺達のいる場所だろう。地図と合わせて見れば……完全に、海の上じゃないか。
 ……とにかく、陸地に行かないとダメだ。こんな海の上じゃ、誰も来ないだろ」
(じゃあ、陸地に向かいましょうか)
「単純に向かうってだけじゃダメだ……。何処に向かうか、はっきりしないとな」

 一体、何処に向かうのがいいか?
 常識的に考えるなら……俺が、陸地に降りる事の出来る様な場所。
 船着場か何かに行きたいが……。
 もし向かったとして、加賀のこの巨体が入るかどうか。
 ……最悪、ギリギリまで近づいて、俺が海に飛び降りる、って事も……出来る訳ねえだろ。
 こんなとこから飛び降りたら、下が海とは言え無事じゃ済まない。
 船から飛び降りて、打ち所が悪くて死ぬ……なんて事態は、絶対に避けたいからな。

「……不安要素はあるが、船着場に向かおう」
(どうやら、船着場は3箇所あるようですよ? どこに向かいます?)
「そうだな……」

 船着場の場所は、B-5、C-6、そしてF-6。
 ……C-6はないな。大して、何かある訳でもなさそうだしな。
 余裕があるなら、行ってもいいが……そんな余裕があるかどうか。
 次は、F-6だ。
 近くに、温泉があるようだが……。
 それ以外は、特に何もない。まあ、ここも余裕があれば行く事にしよう。
 残りは、B-5だ。
 ……前の2つが「保留」なら、必然的にここしかないじゃないか。
 だが、ここは悪くないぞ。ここに行けば、陸地の大部分に向かえるじゃないか。
 ……向かうとなれば、加賀を置いて行く事になるが。
 いくら喋れるとはいえ、陸を進む事はできないだろ?

「……よし、加賀。B-5に向かってくれ。どれくらいかかるか、分かるか?」
(ちょっと時間がかかりますね……何だか、航行スピードも落ちてるようなんです)
「そうか……まあ、辿り着けるならいいさ」

 これからどうなるのか。俺は、どうなるのか。その答えは、果たして見つかるのか。
 まだ、何も分からない……。
 だが、いつかは……辿り着ける、かもしれない。

76 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 19:22:41 ID:izItCrm20


【D-6/1日目・深夜】
【やらない夫@ニュー速VIP】
[状態]:健康、常識的
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品(確認済み)×0〜3
[思考・状況]
基本:殺し合う気なんてないだろ、常識的に考えて……
1:とりあえず、加賀に乗って今はB-5の船着場へ
2:やる夫が心配

【加賀@軍事】
[状態]:損傷無し、燃料満タン
[装備]:20cm単射砲(0/1)×10、25mm連装機銃(0/15)×10
[道具]:なし
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗る気はないけれど……
1:やらない夫さんと共に、B-5に向かう
2:どこかで弾薬を補給できれば……
※制限により、全ての弾薬と12.7cm連装高角砲が没収され、航行速度が低下しています
※他にも制限があるかは不明です


≪支給品紹介≫
【20cm単射砲@現実】
加賀のメイン装備。
射程約30000mと言うとんでも無い射程を誇る。

【25mm連装機銃@現実】
加賀のサブ装備。
こちらも射程が広い(約5500m)。

---
仮投下終了です

77 ◆M8nvkr9BM6:2012/11/03(土) 19:26:28 ID:pwxf97WMO
仮投下します

78 ◆M8nvkr9BM6:2012/11/03(土) 19:28:34 ID:pwxf97WMO
( ^ω^)「どうなってるんだお……」

内藤ホライゾンこと通称ブーンは、思わず呟く。

SSの収録中、突然目眩に襲われた彼は、気が付いたら2ちゃんねるの管理人ひろゆきが主催する殺し合いに参加させられて居たのだ!!

( ^ω^)(マジの殺し合いに参加させられるとかwwwwww)

静かに夜空を見上げ、ブーンは自嘲気味に臭い溜め息をついた。

( ^ω^)「…ブヒュー、とりあえず荷物の確認でも−−−!?」

しよう。としたその時。何処かから助けを求める女性の叫び声が聞こえた。

(;^ω^)「な、なんだお!?」

その悲鳴は次第に大きくなり、声の主がこの場に近付いて来てるのだと、ブーンは解った。

そして予想通り一人の女性が、直ぐにブーンの前に現れた。

彼女は、息を切らしており 本来美しい筈の顔は、涙と汗と鼻水で汚れていた。

「た…助けて…。助け―−−−ッ!」

だがそんな顔をブーンが、網膜に焼き付けるより早く
その顔はブーンの視界から離れ 鮮血と共に宙を舞っていた

   ∩___∩
   | ノ      ヽ
  /  ●   ● | クマ──!!
  |    ( _●_)  ミ
 彡、   |∪|  、`\
/ __  ヽノ /´>  )
(___)   / (_/
 |       /
 |  /\ \
 | /    )  )
 ∪    (  \
       \_)

79 ◆M8nvkr9BM6:2012/11/03(土) 19:29:51 ID:pwxf97WMO

突如現れたの巨大なクマ(推定2.5メートルの筋肉モリモリのマッチョベア)。
そいつは女の首を軽く撥ね飛ばし、あろうことか、その亡骸を食い始めたのだ。

(;゚ω゚)「ファッ!?」

ブーンは、目の前で繰り広げられる野生の営み。弱肉強食の実演に恐怖し、手に持っていた荷物を地面に落としてしまう。

(;゚ω゚)「ふざけんなおーーーッ!?通るか!!こんな無茶苦茶ーーーーーッ!!!?」

力の限り叫び 背を向け 全力で逃走を開始した。

         /⌒ヽ
  ⊂二二二(;゚ω゚)二⊃
        |    /  
         ( ヽノ
         ノ>ノ 
     三  レレ



【D-1路上/一日目・深夜】

【内藤ホライゾン@AA】
[状態]:健康、クマーに対する強い恐怖、全力で逃走中
[装備]:無し
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:とりあえず目の前の熊から逃げる
1:(;゚ω゚)「逃げるんだおォ!」
※数多くのSSに参加した経験が有ります
※荷物を全て落としました
※どの方角逃げたか次の書き手さんにお任せします


【クマー@AA】
[状態]:健康、エルメス捕食中
[装備]:鍛えぬかれた肉体
[道具]:無し
[思考・状況]
基本:野生の本能に従うクマー
1:ク
2:マ
3:|

※クマーとエルメスの荷物はD-はの何処かに落ちて居ます

【エルメス@独身男性 死亡】

80 ◆M8nvkr9BM6:2012/11/03(土) 19:38:48 ID:pwxf97WMO
短いですが以上で仮投下を終わります

問題が無いようでしたら何方か代理投下をお願いします。何故か投下出来ないので……

タイトルは、( ^ω^)と嵐を呼ぶクマーのようです

81ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/03(土) 20:13:28 ID:z3vX3D6E0
お二人共、仮投下乙です
…あれ、エルメスさん?えっえっ…えーっ…!?勿体無…

いえ、特に問題はないと思います

82 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/03(土) 21:29:19 ID:izItCrm20
どうもありがとうございました
投下いたしました

83 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:29:26 ID:bmfHlM2Q0
夜神月、ダディクール、A-10神を仮投下します
仮タイトルは「バカとノートと機関銃」です

84 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:30:18 ID:bmfHlM2Q0
  "Everything that can possibly go wrong will go wrong."
「不都合を生じる可能性があるものは、いずれ必ず不都合を生じる」

1990年代前半に広く流行した経験則「マーフィーの法則」における表現の一つである
物事がうまくいかなくなる可能性は常にあり、それは重要なタイミングに限って起きやすいものだという事
簡潔な例を挙げれば、
「高価なカーペットを敷いてる時に限って、トーストを落とした時にバターが塗った面が下に落ちる」
と言えば理解していただけるはずだ
もっとも、これはただ単にそのような不運に見舞われた印象が強く残るだけであり、実際の確率に左右される訳ではないのだけれども

だが、正直今の僕の状況はまさにその法則に当てはまってしまったようだ
かつて僕は、これほどまでに計画倒れしたことがあっただろうか?
いいや、ここまでひどい結果になる事はなかった。しかも最悪のタイミングで…
では、ここまでの僕の経緯を順を追って説明しようか




僕の名前は夜神月…、数年前に死神のノートと出会い、
この力を使い、「キラ」として善良な心を持つ人々だけが住む世界を創ろうとしていた
かつて幾多の危機に陥ったが、自身の知力と計算を駆使して乗り越えてきた
そしてついに、僕の考えを悪と決めつけ、反逆を行った探偵「L」を葬った
そう、敵を殲滅させた今、これから本当の新世界を創り上げるという、まさに『これからがいい所』だった


そんな時に僕は、どこぞのキチガイによって「殺し合い」に巻き込まれてしまった


「…リューク、いないのか?」

死神の名前を呼ぶが、返事がない。デスノートも持っていない。主催者に奪われたのだろう
言わば今の僕は普通の一般人と同じ状態。他の人間と全く対等な条件にされているようだ

無論、僕の信念はこの程度の不都合で挫折する程脆くはない
このような自体になった時、自身がどうすべきなのかは既にわかっている

―――この『殺し合いからの脱出を図る』。これに尽きるだろう

まず、僕のような一般人がまともに人を殺して回ったとしても、戦闘のプロと鉢合わせたらそこで敗北するのは必然
単体で負けるのならば数を集めればいい。同じ考えを持つ者同士で固まれば、少数派にならざるを得ない殺人鬼相手に優位に立てるのだ
ではそのチームの目的は何か? 主催者打倒? いいや、首輪がかけられている以上、そのような余計な反抗心は自らの命を縮めるだけだ
それを踏まえ、並外れた知力、そしてカリスマ性のある僕が「脱出」の目的を掲げ、それに賛同する参加者を味方につければ安全性を確保することが出来る
中には無理やり主催者に立ち向かおうとする無謀物や、低脳がゆえで足を引っ張る役立たずも出てくるだろう
そういう輩を排除し、同じ考えを持ち尚且つ有能なメンバーのみで構成すればチームの生存率は飛躍的に上昇する
そして脱出に関してだが、主催者とて完璧な人間ではない、これだけ大がかりな舞台を使うからには必ずどこかに穴が生じるはずだ
僕ならばそれを探しだし、網の目を抜けることも不可能ではないだろう…、いいや、可能にしてみせる!


ここは病室、いくつものカーテンで仕切られたベッド、シックな間取り、窓の景色からせいぜい3階程度だろう
まずは自分に支給された武器を確認することにした
拳銃や鈍器など、経験のない僕でも扱えるような武器が入っているのならば申し分ない
仮に扱えないような武器―――例えば技術が必要なライフル銃、重量がある鉄球など―――は、他の参加者と交換すればよい
どのような複雑な武器であろうと使い道はあるし、持ってて困るような事は無いだろう
そして僕はデイバックの中身を探った









「なるほど、僕に支給された道具は、ファービー、バカに付ける薬、そしてPDAに収録されているzip画像ファイルか…」
僕はそう呟くとデイバックの口を閉めた


―――クソッ!!やられた!!


武器の使い道がどうのこうのとか、それ以前の問題だ!
こんなジョークグッズなんか、交換取引すらお断りなレベルじゃないか!

「ボクネムーイ、オナカスイター、アーアーアーーーー」

デイバックの中からファービーの声がする。…コイツ電源は切れないのか…?
隠れていてもこいつに騒がれたら敵に位置がばれる。持ってるだけで不都合だ。最悪

85 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:30:36 ID:bmfHlM2Q0
月が頭を抱えていると、コツコツと廊下の方から歩く音が聞こえてきた
丸腰のため相手が殺し合いに乗っていたらアウト。だがファービーがいるためおちおち身を潜める事もかなわない
不注意なことに病室の扉も全開。もはや接触以外に選択肢は残されていなかった。慎重さが足りなかったか…

「あの、すみません…あなたもこんな殺し合いに巻き込まれたんですよね?」
「ナデナデシテー」

相手を刺激しないよう、声量を絞り、なおかついかにも善良そうな口調で話しかける
僕の存在に気づいた相手は足を止め、ゆっくりと振り向いてきた
妙に腹の立つすまし顔に、猫耳の生えた変な人型生物だった

「オー、エクスキューズミー、クールボーイ」

全身から「クールなアメリカ人」みたいな雰囲気を醸しつつ、英語で答えてきた
悪いが発音が完全に日本語だ。日本語使え

「あの、普通に話していただいて大丈夫ですよ」
「ワーオ、リアリ?」
「ナデナデシテー、ナデナデシロヨー」

なんだコイツ…まともに会話する気が無いのか?
いい加減な態度に苛立った月は、自分も英語で答えてみた
「Participant too? I am against killing. If you are not willing,please help me. I'm nervous because I have not a self-defense tool.
(訳:あんたも参加者?僕は殺し合い反対派ね。あんたも乗ってないんならちょっと助けてくんない?護身武器がないから不安なんだわさ。)」
「…見栄張ってごめん、英語出来ないんだ」
「でしょうね…」
「でも、クールだったでしょう?」
「いえ別に…」
「そう…」

月は深くため息をついた。コイツ、こういう状況だと言うのにあまりにも緊張感が無い…
こういうモチベーションの違う相手と会話するとなると少々面倒だな…


彼はダディクールという名前だそうだ。お父さんなのか?
はたしてそれが本当に名前なのかは不明だが、面倒なのでそれで納得することにした

自己紹介が済んだところで、月は本題を切り出す

「支給品が全てハズレだったので、良ければ何か武器になるものを分けていただけませんか?」

ダディクールはうなずくと、デイバックからスタンガンを取り出した
月は礼を言いながら手を伸ばそうとすると、その手を制し首を横に振った
どうやら、何かと交換することが条件のようだ。そんな雰囲気を醸している

「しかし、僕の支給品はこんなのしかありませんが…」
「オロシテ!オロシテ!オロ…オオゥ、オケー」

ファービーとバカに付ける薬を取り出して並べる
zipファイルに関しては譲渡が不可能なので伏せておいた

しばし、ダディクールは二つの支給品を見つめていたが、やがて彼の右手がスッと薬を指差した

86 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:30:47 ID:bmfHlM2Q0
#aa(){{{
                                  /\___/ヽ
    (.`ヽ(`> 、                      /''''''    '''''':::::\
     `'<`ゝr'フ\.                 +  |(●),   、(●)、.:| +
  ⊂コ二Lフ^´  ノ, /⌒)                 |  ,,,ノ(、_, )ヽ、,, .:::::|   「バカにつける薬をいただこうか」
  ⊂l二L7_ / -ゝ-')´                .+ |   `-=ニ=- ' .:::::::| + .
       \_  、__,.イ\           +     \   `ニニ´  .:::/    +
        (T__ノ   Tヽ        , -r'⌒! ̄ `":::7ヽ.`- 、   ./|  .
         ヽ¬.   / ノ`ー-、ヘ<ー1´|  ヽ | :::::::::::::ト、 \ (  ./ヽ


                 _,、r'´:::‐、`ヾ‐、`丶、
                /:::::l、:{⌒ヾヽ::ト、:ヽ:::::ヽ
               //!:::i:l:!::ヾ、::::::ヾ::!`ヽ:ヽ:::::ヽ
              〃:!:l::::l!:ト、::::liヽ、:::リ:!::i:::ヽ:ヽ::::i
              i:!::!i::i::::i::!:i:ヾ!:i::::!:、:::!:::l:i:!:ヽヽ:l:!
              l!::!:!:iト:::!:i:j/代トト、l:ハ::升ト!:l::!:!lj
              li::l::N{:ヾVヘ「 ̄` lハ ソr‐テハ!:l/
              !:l!:ト、l::l{`         !  j川/   「どうぞ」
              ヾト辷N!      ‐ノ  !:l/
                 Yl:ト、    ヾ==r  ノ/
                iN \.  ` ニ′/}'
                 礀   丶、  /
              ノ ̄´"''‐ 、   `¨´釗
           _rく    /癶V⌒!=| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄|
      __,、=T下、``ヽ  /‐''"_, -ヘ|      |
     /「 ̄´  ヽヽ \ ヽ/   ´  _,,厶ヘ       ∧=、、
     |八 \      __/      _,)ヽ___/  ヽ ``=、、
    ‖ \ ! V´ ̄:::::/      _,ノk>、`T!::::::":::\_   ‖
}}}

87 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:31:15 ID:bmfHlM2Q0
こうして、互いに満足の行く取引がここに成立したのであった
なんというか、思ったよりもちょろかった
ダディクールはさっそく、バカに付ける薬を飲み始めた。手遅れだろうな

さて…と



―――僕もさっそくスタンガンを使って、このバカに眠っててもらおうかな―――



役に立ちそうもないバカは足を引っ張るだけ
つまり、他の有能な生き残れる可能性を減らす原因になる
コイツの他の支給品も、僕の方がまともに使えるだろうしね

僕はスタンガンを構え、ダディクールの隙を伺った



だがその時、廊下側の方の窓から突然荒々しい怒号が響いた

(あの女みてぇな唇のクソッタレ野郎め!!オカマ野郎のF-16の20㍉にでもファックされちまえ!!)

吐き捨てるように、聞き捨てならないような悪態がぶちまけられている
流石に無視できないため、月はスタンガンをしまい、声する方を覗いてみた

なんと、そこには一台の戦闘機が駐車場のスペースいっぱいにドンと置かれていた
あろうことかその怒号は、戦闘機から響いていた
中で誰かが大声で叫んでいるのか? いや、だとしたら外にこれほど明瞭に聞こえるはずがないのだが…
まるで脳内に直接響いているような感覚…骨伝導のようなそれに近いものだった…

戦闘機は声だけに留まらず、舌打ちをしたり、前輪を地面に叩き付けたりしていた
まるでそれは、戦闘機が意志を持って言葉を話し、地を蹴りつけているかのようだった

月が呆気に取られていると、外に出ていたファービーがあろうことか「ファッキューファッキュー!ウェハハハハ!」と鳴き出した

(あぁん! 貴様、それは俺に対して言っているのか!?)
「ばっ…このフクロウがっ!」

僕は咄嗟に3階の窓からファービーをぶん投げた
ファービーは落下中に「ドゥーウェーイ!ターノシ…ウオオォォォォ!?」などと悲鳴が聞こえた

(誰に対してファッキューと言ったんだと聞いてるんだ! 答えろこのもやし野郎!)
「ご、誤解です!それは今僕が投げたおもちゃの鳴き声で…」
「Oh!miss spell」

そこへ突然、ダディクールが割り込んできた
何がミススペルなのかわからないが、発音が流暢になっている
バカに付ける薬が効いたのだろうか…?
ダディクールは窓から顔を出して、小さく深呼吸をした
そして真っ直ぐな瞳で戦闘機を見つめ、ただ一言

「Fuck you」

それは実に完璧な発音だったといえよう
彼はファービーと戦闘機の間違った発音に対して、クールにお手本を示したのだ

直後、バラララララッと音と共に戦闘機から機銃が放たれ、ダディクールに襲いかかった
ダディークールはすかさず両手を前に伸ばし、飛んでくる銃弾を見極める…ッ!そして…

#aa(){{{
 __l__  /\ l |    /   ─‐┬‐┐ ___ __
 ┌┴┐  ‐┬‐ | |  ┌┴─┐  、 |  |  |_| ヽ /  l   |
  |三三|  | ̄| ̄|  |  |____.|   ×  |  |_|  X   |   |
 ───   ̄| ̄   |  |    |  ./  ` | __|_|  / ヽ  ヽ  |
 /  \ /\ ヽ、l  └──┘    ヽノ    l ´   `   、ノ


       /\___/ヽ        _.,.,_      
 ・    /::::::''''''   ''''''\      ///;ト,
  ∴∵・|:.,(●), ● 、(●)|     ////゙l゙l
 ・   |:::::.  ,,ノ( ,_,)ヽ、,,, |     l   .i .! |
     |:::::::. `-=ニ=- '  |     |    | .| 
     \:::.  `ニニ´  /     {   .,).,) 
      |ヽ    、 -´/7:::゛`  ̄!/   / |
     /゙i.  ) / ,.イ::::::::::::: | /   人  \
}}}

彼の無謀な健闘も虚しく、銃弾の一発が彼の眉間に命中した

(ははっ、ざまぁみやがれ!!)

戦闘機はそう言って機体を揺らして喜びを表現していた

88 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:31:38 ID:bmfHlM2Q0



何がなんだかわからない…









「…という訳で、この全部このおもちゃの仕業だったんですよ」
「\フヒヒ、クスグッタイヨ!/」
(そうだったのか。ならば先程俺を怒らせた処遇については不問に処そう)

こちらを狙撃しておいてよくもここまで上から目線で言えたもんだな
だがなんとか誤解が解けた。友好的な態度で自己紹介をする
どうやたこの戦闘機は「A-10神」と呼ばれているそうだ。アメリカ空軍の信仰対象らしい
何故乗り物が言葉をしゃべるのかがよくわからない、最先端のAIでも搭載されているのかもしれない

軍人気質な性で荒っぽいが、戦闘機が味方についてくれればこれほど心強いことはないだろう
無差別に誰かを殺すという気は無いみたいだし、僕は交渉をすることにした

「単刀直入に言います。僕と協力して、この殺し合いから共に脱出しようとは思いませんか?」
(ふん…そいつは名案だな。脱出手段はあるに越したことはなかろう。だがな貧弱もやし、俺はあのクソッタレにケツを向けて逃げる気なんざねぇ!
あのクソッタレタラコめ…この俺から兵装を全て奪い取りやがった! ゴミどもを吹っ飛ばす術を奪い取って、何が殺し合いだ!
兵装のねぇ戦闘機など鉄クズだ! つまりこれは恥辱であり、俺に対する宣戦布告なのだ! 決して生かしておかん!)
「はぁ…。え、でもさっきダディクールを殺した機銃はあなたの装備ではないんですか?」
(舐めてんじゃねぇ! 俺の本来の装備なら、間違いなくさっきの男は首ごと持ってかれてるはずだぜ?
あれは俺に支給されたマシンガンだ!こんな玩具同然の武器じゃ、虫も殺せねぇ!)

そう言って窓際にいる月に座席が見えるように車体を傾けた
なるほど、そこにはマシンガンが設置されていた。出来ればどうやって撃ったのか、原理も説明してもらえないだろうか
それにしても…もしコイツが兵器を積んでたら、躊躇いなく全参加者をなぎ払ってただろう…ある意味、制限に感謝すべきだったかもしれない

(そんなわけで俺はクソ主催者を跡形もなく吹っ飛ばすつもりだ!)
「でも、そんな事企てたら主催者に首吹っ飛ばされるんじゃ…」
(一にも二にもクソ度胸だ!そんなのにビビって戦ってられるか!
一応貴様に聞いておこう。あの主催の野郎をぶっ飛ばすのに協力するよな?)

そう言ってマシンガンをこちらに向けてきた。おい待て、最初に協力するかの話を持ちかけたのは僕じゃなかったか?
だがスタンガン一丁の僕に、異を唱えるという選択肢はもはや存在しなかった

「わかりました…共に主催者を倒しましょう…」
(いい返事だぞ貧弱もやし!まずは俺の兵装となり得る道具を探してくるんだ。アヴェンジャーならなおよし
道が狭く、滑走路もない…つまり俺は身動きが取れない。だから貴様ら二人の活躍に期待している!)
「え、二人って…僕以外に誰が…?」

振り向くとそこには元気にビシッと親指を立てるダディクールの姿が!
額には絆創膏が貼られている、どこからか調達してきたのだろう

「馬鹿なっ!? さっきA-10神に撃たれて死んだはずじゃ…!」
「ギリギリ急所を外していたため、なんとか一命を取り留めました」

そうクールに言い放った。待て、眉間って急所に入らないのか?
いったいどういう生命力をしているんだ…イラっとする笑顔がなんか得体の知れないものにも見えてくる

(はははっ、流石にあんなヘボい銃弾一発でくたばる程ヤワじゃねぇようだな!気に入ったぜ!クールガイ!)

いや、普通の人はあんたらみたいに銃弾食らって平気でいられませんから
あとダディクール、褒められて嬉しそうな顔してこっち見んな、腹立つ



そんなわけで、僕が理想としていた状況とは全く正反対の立場に立つ羽目になってしまった
リーダーはA-10神…荒っぽい強引な指揮しか取れないんじゃないか?
そして主催者打倒派、この考えで賛同してくれる参加者は限られるだろう。まず僕自身が賛同できないんだが
さらに切り捨てるべき役立たずは生命力が異常に高く、排除することが非常に困難…

89 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:31:53 ID:bmfHlM2Q0
なんでこういう時に限って、ここまで不都合な展開になるのだろうか
このままコイツの言うとおりに突き進んでも、少なくとも僕は生き残れる自信はない
幸い、コイツから離れて行動出来るのは救いだった。他の参加者に助けを求め、願わくば邪魔なA-10を破壊してもらえれば楽になるだろう
きっとダディークールも、僕の考えに賛同してくれるは…ず…?

「頑張ろうな」
「フォオオォォォ!フォオオォォ!」

ダディークールは僕の肩をポンと叩いて、いい笑顔でそう言った
乗り気かコイツ。しかも厄介なことにファービーを拾って来てた、お前何も考えてないだろ


…あぁ、今日の僕はどこまでもツイていないようだ。運悪く死なければいいんだがね…



【C-3 病院付近/一日目・深夜】

【夜神月@AA(DEATH NOTE)】
[状態]:健康、A-10神のパシリ
[装備]:スタンガン@現実
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、zip画像ファイル@画像も張らずにスレ立てとな
[思考・状況]
基本:殺し合いからの脱出
1:脱出目的を持つ参加者orA-10神を倒せる善良な参加者を探す
2:一応、ダディクールと共にA-10神が使える兵器を探す
3:出来ればダディクールを排除したい

【ダディクール@AA】
[状態]:眉間に銃痕(絆創膏で処置)、A-10神のパシリ
[装備]:
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜2、ファービー@現実
[思考・状況]
基本:クールに行くぜ
1:A-10神が装備できる兵器を探す
2:常にクールなダディでいく

※バカに付ける薬@コピペを消費しました
※何故か生命力が異常
※二人は工場方面に向かいました


【C-3 病院 駐車場/一日目・深夜】

【A-10神@軍事】
[状態]:損傷無し、燃料満タン、
[装備]:マシンガン188/200@現実、アヴェンジャー0/1350@現実
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品0〜2
[思考・状況]
基本:「敵」は全て殲滅する
1:月、ダディに兵器を探させる間、病院駐車場で待機する
2:兵装を奪った主催者は殺す
3:兵器が手に入ったら、存分に暴れる




【ファービー@現実】
みなさんご存知おしゃべりな鳥のおもちゃ。本ロワでは何故か割と自由に喋り、無駄に頑丈のようだ
かわいいペットロボットだが、2chにおいては、時おりキモがられて処刑される(チョップされる、レンジでチンされる、頭から落とされるなど)
無茶な遊び方をしなくても、勝手にイカれる時もある(自分のまつげを目の裏に巻き込む、奇声を無限ループするなど)
イカれてなくても、夜中に突然「ア゛ーーーーーー!!!」と騒いだりするためタチが悪い

【バカにつける薬@コピペ】
バカにつける薬を買ってきたwwwwwwというスレにおいて、すでに3本も飲んだという発言に対し「つける薬なのに、飲んじゃったのかよ…」と返された
どのような効果があるのかは説明書にも記載されていない。ダディクールがクール過ぎるあまり、効果が出てるのか出てないのか、どんな効果なのかよくわからない

【zip画像ファイル@画像も張らずにスレ立てとな】
麻呂だけでなく、男なら誰でも求めるロマンが詰まっている画像ファイル
PDAのデータフォルダに収録されている。データの受け渡しは出来ないようだ

【スタンガン@現実】
携帯型護身具。高電圧を与えて相手の動きを一時的に不能にする
気絶させたり、感電死させる効果は持っていないが、ショックによる心肺停止とかはある

【アヴェンジャー@現実】
A-10サンダーボルトの固定武装。30mmガトリングガンの威力は、T-72神すらをも蜂の巣にする程
射程は6500m、命中精度的には1000m〜2000mか。8秒間の射撃につき、1分間の風速冷却が必要。装弾数は1350発。

【マシンガン@現実】
装弾数200発の自動小銃。A-10神の座席あたりに取り付けて装備しており、フロントガラスをすり抜けて発射される
A-10神がどうやってそこに装備したのか、どうやって引き金を引いているのか? その辺の原理についてはお察しください

90 ◆m8iVFhkTec:2012/11/04(日) 11:38:59 ID:bmfHlM2Q0
以上です
設定がいつも以上にブッ飛んでます
修正点、問題点があればご意見お願いします

91 ◆M8nvkr9BM6:2012/11/04(日) 19:22:17 ID:Yp7FJTvQO
代理投下ありがとうございます

92ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/04(日) 22:45:34 ID:vHJ7ifRkC
仮投下乙です

細かいですが銃火器の残数に括弧を付けた方が良いかと
それ以外は問題ないと思います

93 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:35:53 ID:sEJRlJBU0
カーチャン仮投下します

94 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:36:10 ID:sEJRlJBU0


「…………」

 重い足取りで、路上を歩く。
 …………今でも、あの感触が、手に生々しく残っている。
 肉を貫く感触。
 骨を砕く感触。
 皮膚を切り裂く感触。
 全て、残っている。
 一生消えないんじゃないかと思える程、生々しく。
 ――――全て、夢だったなら。
 こんな殺し合いも、私があの人を殺したことも、全て夢なら。
 どれだけ、良かっただろうか。
 だけど、これは現実……。間違い無く、現実……。

(……母ちゃん、間違ってるのかな)

 いいや、そんな事はない。
 子を持つ親なら、誰だって思うだろう。
 ――――何が何でも、自分の子供を守りたい。
 こんな、いつ、誰に襲われるか分からないような状況なら、なおさら……。

「…………」

 どちらにしろ、もう、後には引けない。
 ……殺す気でやったんじゃないけれど……1人、殺してしまったのだから。

「…………あら」

 突然の風が、鼻を刺激する。
 ……潮風だ。
 どうやら、近くに海があるらしい。……そこから少し歩くと、開けた場所に出た。
 暗くてはっきりとは分からないものの、船がいろいろ停めてある。

(港……かしら)

95 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:36:23 ID:sEJRlJBU0

 近くに、誰か、いるんだろうか。
 そう思って、少し辺りを見回した時だった。
 ……煌々と光を放つその一点に、私の目は引き付けられた。
 船だ。
 明かりが煌々と灯る船が、港に停泊している。
 その近くに、文字の書かれたパネルが立ててある。
 それには……。



『渡し船乗り場はこちら →
 利用は自由です。運賃はいりません。定期的に出発し、定期的に帰ってきます。
 大体30分もあれば、次の船着場に着くでしょう。
 中にある物は、自由に使っても構いません。
 詳細は、船内に置いてあるマニュアルを参照してください。
 それでは、よい船旅を。          ひろゆき

 運航ルート:F-6(イマココ) → C-6 → B-5 ┬→ C-5
                   └→ F-6

 B-5でのみ、C-5へ向かう船とF-6へ向かう船の2つが出ます。望む場所に向かう船に、お乗換下さい。
 地名等は、各自に支給された地図を参照してください。』



 と、書いてあった。

「渡し船……」

 どうやら、ここは……F-6らしい。
 慌てて地図を取り出し、確認してみると。
 ……随分、端にいるようだ。しかも、かなり狭い。
 このままじゃいけない……。でも、丁度良かった。
 これに乗れば、ここから出られる。
 この地図の大部分を占める陸地は、海を渡った向こう側にある……。

「……行かなきゃ。これを逃したら、タイムロスになっちゃう……」







96 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:36:38 ID:sEJRlJBU0





 少しして、船は出港した。
 船は、小さなフェリーのような感じで、船内には大部屋が1つと、ソファーの並ぶホールがあった。
 船外にも、椅子が多く備え付けられているお陰で、ゆっくりくつろげる。
 船内には小さな売店が、船外には、2つ自動販売機が備え付けられていた。
 ……一応、中を見て回ってみたものの、誰もいなかった。

「……あまり、ゆっくりしてはいられないね」

 売店から、オレンジジュースを失敬する。
 ……さっきから、少し喉が乾いていたから、丁度良かった。
 ただ飲むだけなら、水があったけれど……あまり、飲みたくはなかった。
 このバッグには……あの人の、支給品も入っている。
 それと一緒に入っている水。あまり、良い気分はしない……。
 そんな事を考えながら、グイッと一気にジュースをあおった。

(……そう言えば、私の支給品、まだ確認してなかったわ……)

 もっと、強い武器が欲しい。
 殺し合いに乗った人を倒すためにも。
 もっと、強い武器が……。
 でも、あの人の支給品に、この刃物以外に、武器は無かった。
 なら、他に武器があるとすれば、私の支給品だけ……。

(……やっぱり、こういうのは見てみないと分からないわよね)

 意を決して、私の支給品を取り出す。


 ……。
 …………。
 ………………。

97 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:36:58 ID:sEJRlJBU0


「銃に、服に……チラシ?」

 銃……名前は、「ベレッタM92」と言う名前らしい。
 どんな名前であれ、銃があればやりやすい。
 こっちの服は……「防弾ベスト」と言うらしい。
 着ると、銃弾を防ぐことが出来る、そんな感じの優れものだ。
 これは……タケシに、着せてあげよう。これがあれば、銃から身を守れるはずだから。
 こっちのチラシは……何だか、変だ。
 一応、文面に目を通すと……。



#aa(){{{
★壁殴り代行始めました★
ムカついたけど壁を殴る筋肉が無い、壁を殴りたいけど殴る壁が無い、そんなときに!
壁殴りで鍛えたスタッフたちが一生懸命あなたの代わりに壁を殴ってくれます!
モチロン壁を用意する必要もありません!スタッフがあなたの家の近くの家の壁を無差別に殴りまくります!
1時間\1200〜 24時間営業 年中無休!
                ,.. --‐'"ヽ、
         ,.∠´,,.. -‐/ヾ_\
      ,,..-'"  _,,..===,`'  ,-、゙ヽ.
     /,   ,.. -‐<__,{  ,(´  `ヽ、
    (´ォi ゙r-‐''"´ ̄ { ,/´' ,   ', ゙i
    'ミーぅ∪'      ∨   ヽ. リ  リ
    `ー'′       人、,.-、..ヽ,∧_∧   壁殴り代行では同時にスタッフも募集しています
                / ,'   { r,( ´・ω・)   筋肉に自身のあるそこのアナタ!一緒にお仕事してみませんか?
             /'     !∨/:`ニニ´/ ̄ヽ  壁を殴るだけの簡単なお仕事です!
               i ゙i       /`ヽ、_,,. `ヽ´ ヽ
           .ハヽ   ノ__,.-、  `Y´ `ヽ   ',
               !. {  `,r-{´、 ,..ーヽ ヽ{. ,,..- 、:_   リ
             /!ゝ、  ゝ_ヘ‐'_,..-'"ヽ、._/´_,,. _ ゙ヽ_,ハ
            / ハ.(`},、   `ヽ.-‐''',.ハ _ ̄ 、.  ヽ、,リ
          /', ヽ、゙i、ヽ.   },`=彡ヾ、 、.  、  ∨
       / ヽヽ、 } ヽ}゙¨`)ヒニ彡>、   `` 、.ヽィノ
      /:  ヽ.  ヽ. イ /´'''7´  \.ヽ `ヽ、_ノ
}}}



 ……チラシには、筋肉モリモリの人が、堂々と写っていた。

98 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:37:18 ID:sEJRlJBU0
「……これは、役に立ちそうにないわね」

 とりあえず、今必要無い物……防弾ベストとチラシを仕舞う。
 ……これで、準備は整った。
 後は、やるだけ。
 でも、私はもしかしたら。
 ――――取り返しのつかないことを、しようとしているのかもしれない。
 でも、今更後悔した所で、時間は戻らない。私は、もう決心したのだから。

(タケシ……)

 何処にいるのかも分からない。
 でも、探さなければならない。
 ……タケシを、何としてでも守るために。
 その為にも、一刻も早く、向こうに渡ってしまわなくては……。
 私は、船が到着するのを……ただ、待った。


【F-5・海上・渡し船船内/1日目・深夜】
【カーチャン@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:アロハ調館内着@現地調達、匕首@現実、ベレッタM92(15/15)@現実
[道具]:基本支給品一式×2、PDA(忍法帖【Lv=01】)、不明支給品(武器無し)×1〜2、防弾ベスト@現実、壁殴り代行のチラシ@ニュー速VIP
[思考・状況]
基本:タケシを生き残らせる
1:海を渡って、タケシを探す
2:タケシの害になりそうな参加者を排除する
3:2の為なら自分の命も厭わない


≪支給品紹介≫
【ベレッタM92@現実】
装弾数15+1発、使用弾薬9mm×19弾。
信頼度、知名度共に高い拳銃らしい。

【防弾ベスト@現実】
身に付けることで、身に付けた部分を銃弾から守ることができる。
ただし、銃弾の衝撃までは防ぎ切れず、また重いために行動が阻害される可能性もある。
後、全ての銃弾を防げる訳ではないので、過信は禁物。

【壁殴り代行のチラシ@ニュー速VIP】
内容は本文を参照。
その名の通り、壁殴り代行のサービス内容が書かれているチラシ。数十枚単位で入っていた。
何の役に立つかは、よく分からない。

99 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 20:37:33 ID:sEJRlJBU0
仮投下終了です
指摘点や問題等があったらご意見をお願いいたします

100ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/08(木) 21:05:35 ID:lp.6QH/60
仮投下乙です
内容は問題ないと思いますよ

あ、でも運行ルートの図がもしかするとズレているかもしれません

101 ◆i7XcZU0oTM:2012/11/08(木) 21:31:40 ID:sEJRlJBU0
指摘ありがとうございます
確かにズレていました…ズレを修正して投下いたしました

102 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:54:05 ID:3DDzZOLo0
マウンテンバイク、川越達也、キバヤシを仮投下します
タイトルは「かなりヤバイ資料見つけました」です

103 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:54:19 ID:3DDzZOLo0
レストランには依然として、香ばしい匂いが漂っていた
皿洗いを済ませたマウンテンバイクは席について一息をついた
ふと窓の外に目をやると、ラーメン屋二郎の看板が目に入る

…そういえば、まだこの辺りの地理を把握していなかったなぁ
確か支給品に地図があったはずだ、少し周囲を確認してみるか…

紙の地図を取り出して「レストラン」の文字を探してみるが…見当たらない
百貨店や工場など、大規模なもの以外はほとんど明記されていないようだ

「川越さん、ちょっとこの辺りを探索しませんか?周辺の状況を知っておいた方が、いざという時のためになりますし…」

「まぁ、それもそうだね。それじゃ、少し待ってて」

ちょうど食物の後始末を済ませた川越は、自分のデイバックから紙とペンを取り出した
そうして、紙にさらさらと何かを書くと、それを店の前に張り付けておいたのだった

「これなら僕がいないときに人が来ても、ここで待っててもらえるはずさ」

『ただ今、シェフは場を離れております
  料理をお求めの参加者の方は、どうぞお席についてお待ちください
                       TATSUYA KAWAGOE』
と書かれていた

「…これは危険ではありませんか?僕達がここに戻る事を悟られて、待ち伏せされて襲撃されるかもしれませんよ?」
「はは、大丈夫さ。君をそうそう危険な目に合わせたりしないからさ」

僕が不安そうに尋ねると、川越さんは包丁を手の中でくるりと一回転させた
やたら楽天的だけど、それだけ自信があるのかなぁ? それとも何か策を用意してるのか…
多少不安は残るけど、ここは川越さんを信用することにした

そうして僕達はレストランを後にする
この辺りの地域は下町の商店街といった感じだった
先ほどは恐怖と不安のせいか不気味としかいなかったが、落ち着いて眺めてみるとノスタルジックな感じだった
ラーメン屋以外には文房具店や電気屋、パチンコ店、そして小規模なスーパーなどが並んでいる
店内の明かりは全て点いておらず、街灯だけが照らしていた
ただ、どの店も寂れており、例え電気が点いていても活気が無さそうな、そんな町並みだった
でも僕は、個人的にこういう哀愁が漂った雰囲気は結構好きだ
確かにデパート一つあれば全て事足りるけど、こんな風にどこか懐かしさを感じる場所は他には無いだろう
こういう旧市街の景色というのは残しておくべきだな
そんなことを考えながら数分ほど歩いていた

ふと、街角に建てられたこじんまりとした図書館が目に留まった
大抵の図書館には、その地域に関する資料が纏められている事が多い
もしかすると、バトルロワイヤルの会場であるこの街についての情報が得られるかもしれない
それは上手くいけば殺し合いからの脱出する方法を見つけることにも繋がるはずだ
川越さんにその意を伝えて、僕たちは図書館を調べることにした






館内の明かりは点いておらず、真っ暗で何も見えない
ランタンを取り出して、おぼろ気な光を頼りに奥へと入っていった
地域に関する事柄は、『郷土史』の棚に纏められている…はずだが…
棚の様子を見てバイクはがっかりした
そこに置かれているのは漫画本の束であった
『黒騎士物語』『ジョジョの奇妙な冒険』『デスノート』『ロケットでつきぬけろ!』
どれも名作揃いだが、残念ながらこの場所についてのヒントは得られそうにない

「参加者に余計な詮索をされないように、主催者が全てすり替えたのかな…」
「川越さんもそう思いますか?…ということは、ここには資料が無いんでしょうかね…」

と、僕がため息混じりに呟いた時だった

「資料ならここにある」

突然第三者の声が館内に響き、司書室の方から眼鏡をかけた凛々しい男が姿を現した

「君たちの様子は隠れて伺わせてもらったが、どうやらこの殺し合いについて調べに来たのだろう?」
「そうなんですけれども…あなたは?」
「申し遅れた。私は週刊少年マガジン編集部兼MMRのメンバー、キバヤシと言う者です。もちろん殺し合いには乗っていない」
「僕は…本名を思い出せないのですが、マウンテンバイクと呼んでください。僕も殺し合い反対です」
「僕は料理をやらせていただいてます、川越達也と申します。この殺し合いを、僕の料理で止めて見せるつもりです」
「へぇ、料理で殺し合いを止める、と…」
「そうです。後でレストランに来てください。あなたにも美味しい料理を振る舞いますよ」

川越さんは独特な笑みを浮かべてそう言った
だが、キバヤシさんは首を横に振り、一言「いえ、俺は結構です」と答えた
川越さんの顔からスッと一瞬で笑顔が消えた

104 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:54:41 ID:3DDzZOLo0
「何故です?きっとあなたのお口に合うものを作れると思いますが」
「いいえ、味の話ではありません。この状況に置いて他人の作った料理を軽々しく口にするのが危険だと思ってるからですよ」
「…なんですか?僕が料理に毒でも入れると思ってるんですか?」
「あぁ、申し訳ないが、その可能性も疑うほど慎重に行くのが俺のスタンスなものでね…」
「ふーん………あぁそう」

二人の間に険悪な空気が流れる
キバヤシさんの言い分はもっともだろう
この状況において、よほどの信用の足りない相手に対し慎重になるのは正解と言える
だが、彼の言葉は川越さんのプライドに傷を付けるようなものだった
このままでは仲違いしてしまうかもしれない
僕は話を逸らそうと、キバヤシさんに問いかけた

「…さ、さっき言っていた、資料について詳しく聞かせてくれませんか?」
「ん?あぁ、そうだった…」

キバヤシさんは睨みを効かせている川越さんを気にも止めず、デイバックから真新しいクリアファイルを取り出した
『鮫島事件』と書かれた紙が何枚か入っている

「これは司書室で見つけた資料だ。君は『鮫島事件』について知っているか?」
「一応、2ちゃんねるで有名なネタですからね…。存在しない事件を、みんなしてタブーのように話して、初見の人を釣るって感じの…」
「あぁ、一般的にはそういう認知だろう。だが、その事件の内容についての諸説はおそらく知らないな?」
「いいえ…、内容に触れようとすると『おっと、誰か来たようだ』ですからね…」
「実は、この資料にその諸説が詳しく書かれているんだ。読んでみて欲しい」

まさか鮫島事件に内容が存在しているとは思わなかった
それほど信用があるとは思えないが興味はある
そうして、僕はキバヤシさんから紙を受け取り、開いてみた

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――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

『鮫島事件』

2000年(平成12年)11月、5人の青年たちが鹿児島県沖鮫島において死亡しているのが発見された事件である

彼らは2000年5月、インターネット掲示板「2ちゃんねる」において知り合い、共に鮫島へ遊びに来ていた
だが、ある時5人とも忽然と行方を晦まし、不審に思った家族の方によって通報された
すぐさま鮫島周辺を調査するも、結局彼ら5人の姿はどこにも発見できなかったという

それから半年が経過した2000年11月、ついに5人のうち4人の白骨死体が発見されたのである
死因は不明。そして最後の一人(公安関係者の身内)の死体だけは見つからなかった
しかし、4人の遺骨がそれぞれの遺族のもとに届けられた翌日、2ちゃんねるにおいてある書き込みがなされた

『俺は今、鮫島にいる』

おそらく最後の一人による書き込みだと思われていたが、当時2ちゃんねるには投稿者のIPを記録するシステムが
実装されておらず、本人による書き込みかどうかを判断することができなかった

そしてそれから数日後、改めて鮫島を調査したところ、新たな遺体が発見された
死体の損傷は非常に激しく、動物により食い荒らされていたが、おそらく最後の一人だと思われる
司法解剖による調査によると、中には人間のものと思われる歯型や、頸部を圧迫したような痕跡が残されていたという

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
}}}

読み終わって、僕は一息をついた
妙にリアリティーのある書き方だが、なんと言うか、普通の猟奇事件とも思える
あれだけ語ってはいけない流れがあるわりには、拍子抜けする内容だと思った

「この事件とバトルロワイヤルが何の関係があるんですか?」

川越さんはそう疑問の声をあげた。それについては僕も感じていた
するとキバヤシさんは真に迫った表情で言う

「まだ気が付かないのか…!?似ているとは思わないのか?この殺し合いと…」

そう言って彼は語りだした

「鮫島事件とバトルロワイヤルの相似点を挙げていこう
まず、どちらも『社会と断絶された空間』で起きている…もちろん、鮫島事件の方は彼ら自身で赴いているという違いがあるが…
次に『一人だけが生き残っている』。おそらく5人で殺し合い、最後に生き残った一人が書き込みをしたのだろう
そして書き込みをしたことによって情報が漏れるのを恐れた誰かに殺された…そう考えられないか?
そして『2ちゃんねるとの関係が深い』。奇遇なことにバトルロワイヤルの主催者は管理人ひろゆきじゃないか…!

―――俺の仮説が正しければ、おそろしい事実が浮かび上がることになる…!それは…」

105 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:55:38 ID:3DDzZOLo0
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    ,ィィr--  ..__、j
   ル! {       `ヽ,       ∧
  N { l `    ,、   i _|\/ ∨ ∨
  ゝヽ   _,,ィjjハ、   | \鮫島事件とは
  `ニr‐tミ-rr‐tュ<≧rヘ   >バトルロワイヤルの
     {___,リ ヽ二´ノ  }ソ ∠前段階として行われた
    '、 `,-_-ュ  u /|   ∠ものだったんだよ!!!
      ヽ`┴ ' //l\  |/\∧  /
--─‐ァ'| `ニ--‐'´ /  |`ー ..__   `´
    く__レ1;';';';>、  / __ |  ,=、 ___
   「 ∧ 7;';';'| ヽ/ _,|‐、|」 |L..! {L..l ))
   |  |::.V;';';';'| /.:.|トl`´.! l _,,,l | _,,|  , -,
    ! |:.:.:l;;';';';'|/.:.:.:||=|=; | |   | | .l / 〃 ))
    l |:.:.:.:l;';';'/.:.:.:.:| ! ヽ \!‐=:l/ `:lj  7
    | |:.:.:.:.l;'/.:.:.:.:.:.! ヽ:::\::  ::::|  ::l /
}}}

「「な、なんだってーーーー!!!!!」」

106 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:55:52 ID:3DDzZOLo0
全く関係のないと思われていた事柄が、見事に一つに繋がってしまった
もしもこの仮説が正しいものであるとすれば、国によって隠蔽されているのも頷ける
こんな狂った殺し合いが国ぐるみで行われていることが暴かれたら大変なことになる
鮫島事件で生き残り、書き込みをした人は口封じに殺された…そう考えられる
現状は絶望的…勝っても負けても未来が残されていない…

僕の頭の中は混乱状態だっただろう
キバヤシさんも絶望的な表情を浮かべていた
その時、川越さんが冷静な声でキバヤシさんに言った

「それで、この会場から脱出する術は見つかってるんですか」
「…いや、まだ調査中だ…。だがもう何もかも遅すぎたんだ…俺たちは…」
「…そう…それでは僕はレストランに戻ります」
「何を言っているんだ!こうなったからにはわずか48時間以内に全参加者は死亡する…もう無駄なんだ!!」
「だったら、そうやって腐っていればいいですよ。あくまで仮説程度でそんなになるなら、動かない方がマシでしょうね
 あなたが何と言おうと僕は止めませんよ。僕は決めたんです、料理で殺し合いを止めるって。
 僕は僕に出来ることをするだけです。…バイク君、先に行ってるよ」

そう言って川越はデイバックを背負い、図書館から出て行った
その言葉は辛口だったが、希望を捨てておらず、彼の熱い気持ちが込められていたものであった
キバヤシは目が覚めたような表情を浮かべて立ち上がる

「俺は何を弱気になっていたんだろう…あきらめない!!それがオレたちに出来る唯一の闘い方なんだ!!」

マウンテンバイクも我に返った。あくまで仮説じゃないか…勢いに押されて真に受けてしまった
この人、ナチュラルに不安を煽ってしまうタイプなのかもしれない…もっと冷静になるべきだったな

「君はバイク、と言ったか? 俺はもっと調査(リサーチ)を続ける。君も手伝ってくれないか?」
「えっ、でもレストランで川越さんが待ってるんですが…」
「ならば一度戻って彼に伝えてくればいい。この図書館には真相が隠されているはずだ!」

キバヤシさんは両手で僕の肩をそう言ってきた
川越さんの手伝って他の参加者に呼びかけをするか、キバヤシさんを手伝って情報を探すか…

さてどうしよう…僕に出来ることは一体なんだろう…? 少しだけ考えたほうがよさそうだ…


【D-3 図書館/一日目 深夜】

【マウンテンバイク@オカルト】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、不明支給品×1〜3
[思考・状況]
基本:殺し合う気はない
1:どちらの手伝いをしよう?僕に出来ることは…
2:鮫島事件との関係は…あくまで仮説だよね?

【キバヤシ@AA(MMR マガジンミステリー調査班)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:基本支給品、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品1〜3
[思考・状況]
基本:バトルロワイヤルの謎を解明する
1:調査再開だ!!
2:バイクにも手伝ってほしい
3:バトロワは鮫島事件と何か関係があるはず…

【D-3 商店街道中/一日目 深夜】

【川越達也@ニュー速VIP】
[状態]:健康
[装備]:包丁@現実
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=01】)、不明支給品×1〜3
[思考・状況]
基本:僕の料理の力で、殺し合いを止める
1:レストランへ戻り、もっと料理を作る
2:キバヤシはあまり気に食わない


≪解説≫
【鮫島事件】
2ch界最大のタブー。映画「2ちゃんねるの呪い」の題材にもなったので、多分バトロワで持ち上げたくらいでは消されない…と思う…
事件について尋ねると誰もが「それを言ったら消される…!」と口を揃えて言う
一般的にはそういうネタだと知られているが、実際に証拠が抹消されている可能性も否めない
「歴史の節目において情報操作は必ず行われているんだよ!!」byキバヤシ
概要についても諸説が多く存在し、「鮫島」という人物が殺される内容や、今回のように鮫島で起きた事件という内容など様々

107 ◆m8iVFhkTec:2012/11/10(土) 10:58:12 ID:3DDzZOLo0
以上です
問題点、修正点などがあれば指摘お願いします
D-3を商店街設定にしました

108ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/10(土) 21:43:34 ID:1VvEynM.0
仮投下乙です
特に問題はないと思われます

109 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:56:19 ID:9/kA3fW.0
髪の子ファヌソ、竹安佐和記を仮投下します
仮タイトル「【髪は】バトロワでした悪行を懺悔する絵師【言っている】」

110 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:56:55 ID:9/kA3fW.0
月明かりだけが照らす近鉄百貨店の屋上、一人の男が立ちつくしていた
名前は竹安佐和記。株式会社crimの代表取締役として活躍するイラストレイターだ
彼は今、あまりにも唐突に、そして突飛な状況に放り込まれ茫然自失となっていた

…殺し合い? 何故、俺がそんな不可解な事を強いられているんだ…?
どうして一市民でしかない俺が、こんな理不尽な目にあってるんだ…?
世界に何億、何十億と人間がいる。その中で、何故俺が選ばれたのか…?

そりゃあ誰だって事故に巻き込まれる可能性はある
飛行機事故とか、拉致とか、それで運悪く被害に遭う人は必ずいるだろう

でも、自分がそんな不運な事故に遭う確率なんて1%もないじゃないか…!
まさか、自分がそれに巻き込まれるなんて思いもしない
今までそんなの、ニュースの中だけの出来事だと思っていたんだから…
こんなの何かの間違いだ…自分がこんな理不尽に巻き込まれるなんて有り得ない…!

彼は現実を受け止められなかった。突然拐われてお前ら殺し合え、だなんてフィクションの世界の事だと思っていたからだ
何よりも、先刻に彼が見た惨状が、現実ということを拒否していたのだ
脳裏に浮かび上がるのは自分の目の前で、首を跳ね飛ばされた少女の姿…
なすすべもなく、一瞬で、あっけなく一つの命が吹き飛んだのだ
血飛沫が飛び散り、首を失った胴体がドタリと倒れる様…
唖然としてその無残な姿から目を背ける。すると男の罵声が聞こえ、またしてもパァンと言う破裂音
無謀にも主催に歯向かい、首と泣き別れをする男の胴体、足元へ転がってきた黒く焦げた男の頭部…

信じられるわけがない。こんな無茶苦茶な惨殺が現実に、ましてや俺の目の前で起きるなんて信じられるわけがないだろ…!


―――夢だ、俺は悪夢を見ているだけなんだ……


ごく普通の一般人の俺が、こんな非現実的な悲劇に遭うわけがないじゃないか
もう嫌だ!早く目を覚ませ!いつもの仕事尽くしの日常に帰してくれ…!

腕をつねったり、頭を殴ったりする…残念ながら、相応の痛みを感じる…
徐々に恐怖と不安が佐和記を支配していった
自分もあんな風に無残に殺されるのか?訳のわからない世界で、何も分からずに殺されるのか?

ターン…

少し離れたところから銃声が響く
続けて必死に名前を呼びかける悲痛な叫び声…


殺し合いが始まっている?
たった今、新たに誰かが死んだ?
次に殺されるのは………


その瞬間、彼の中で何かが弾けた

…こんなの、現実で起きるわけがないじゃないか
これはちょっとリアルな夢なんだ。そうに違いない
さっさと目覚めたい。こんな悪夢、もうまっぴらだ!
…そうだ、この屋上から跳んでみれば流石に目が覚めるんじゃないか?
地面に激突するその瞬間に、いつものベッドから飛び起きるはずだ

佐和記は屋上の柵を飛び越え、淵際に立つ
恐怖から逃れたい一心で、最悪の手段を選択した

冷たい風が吹き付け、新たに恐怖が湧き上がる
もし、これが現実だったらどうする?この高さなら確実に…

―――いや……

…これは僕が見ている悪夢なんだ…こっから一歩足を踏み出せばそれで目が覚めるんだ…
そう、目が覚めるだけなんだ…大丈夫だ、問題無い…

我を見失っていた彼は、自分に言い聞かせる…これは現実ではないと…
それは『自己暗示』の領域に達していた
さもなくては気が狂ってしまいそうだ
こんな残酷な現実を受け入れるくらいなら…



そして彼は




―――足元に広がる闇の中へ体を投げ出した

111 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:57:36 ID:9/kA3fW.0




☆彡 ☆ミ ☆彡 ☆ミ ☆彡 ☆ミ ☆彡




白い法衣をまとった神々しい男の姿があった
彼の名前は髪の子ファヌソ
ゲーム内で罪を犯した哀れな子羊たちに裁きを与える神々の一人である
その神々しく穏やかな顔付きとは裏腹に、内心穏やかではなかった

「ひろゆきめ…
 よくもこのようなくだらぬ遊戯に、この私を強制参加させましたね…
 許しません、地獄へ落ちなさい。
 もとい落ちてしまえばいいのに!」

普段ならば直接手を下すところだが、今の彼にはそれが出来ないのだ
それこそ、数分前の彼は
「子羊たちの殺し合いなんて、神である私が無双して終わりじゃないですか。
 GTAでチートコードフルに使って暴れるようなものです。」
などと余裕を吐いていたものの、いざ神通力を使ったところで、自身の異変に気づいたのだった


原因は首輪にあった。彼の首に嵌められた首輪は彼の力を大幅に制限していたのだ
ひろゆきの目の前に直接降臨することや、首輪の制限を解くことを封じられていたのだ

つまりこれがある限り、私は哀れなタラコ羊の手の内で遊ばれることを余儀なくされるわけだ。
子羊にもて遊ばれるなど、神としての尊厳に関わる話だ。殺意が沸いてきた。

「ふん、まぁいいでしょう。
 幸いな事にその他の神通力ならばだいたい使うことはできるようです。
 少し位はいわゆる『最悪の椅子取りゲーム』で遊んで見るのも悪くないかもしれません。」

不本意ではあるが、現状をそうやって飲み込むことにした
それに多少歯応えがある方がオタゲーマーの血が騒ぐものだ
まずはデイバックを開いて中を確認する
パサッと支給品説明書が出てきた。表紙に「ドラえもんシリーズ」と書いてある

『お医者さんカバン:患者を診断して、それに合ったクスリを出してくれる。五回使えます。』
『ヘリコプター:大空を自由に飛びたい、そんなあなたに』
『WASABI:あっそ、踏んじゃえ!』

ヘリコプター…どうやってこのデイバックに入っているんですか? 質量保存の法則を知っていますか
というか、ドラえもんほとんど関係ないじゃないですか。支給品準備した人は○×問題のテストで0点を取ってしまいなさい
…それはともかく、わさびを除けば支給品としてはかなり有効ではあるだろう
肝心の武器になるものが入っていないが、ファヌソにとってはそれほど問題ではない
自身の神通力を行使すれば、相手を地獄へ堕とすのは容易いことであるからだ

支給品の確認が済んだので、とりあえず路地を適当に歩き出す
頭の中ではひろゆきにどんな制裁を与えるかを考えていた
ピコハンマー一丁でモンスターハウスの真ん中に飛ばすのはどうだろう?
それとも神話の住民や歴史上の英雄と聖杯を巡って戦わせ…

とその時、少し離れたところから銃声が聞こえてきた
何か起きてるんですかね。こっそり行ってみることにしますか…




★彡 ★彡 ★ミ ★彡 ★ミ ★彡 ★ミ




全く痛くない。地面に叩きつけられたのに何も感じない
なんだ。ほら、やっぱり夢だったじゃないか

ただ、ちょっと嘔吐感があるし、体に違和感を感じる…
いや、これはきっと風邪気味なだけだろうな、だから大したことはない…

これは 夢の 世界なんだ…



…目が… 覚め ればき… っと……

112 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:58:09 ID:9/kA3fW.0





彼の意識が消える、最後の瞬間
脳内に、誰かが語りかける声が聞こえた
はっきりとしたその声は、どこか聞き覚えのあるものだった
そう、自分が手掛けた、あのゲームに、そんな言葉が…








―――神は言っている ここで死ぬ運命ではない と…―――








佐和記は飛び起きた
全身に嫌な汗がべっとりと服に張り付いている…息が切れてるし、動悸も激しい…でも…

…ほ、ほら、やっぱりさっきのは夢だったのさ…!
飛び降り自殺を図ったのに、体に何の異変も無い…
殺し合いなんて意味不明な事は存在しない…いつもの日常…
そうだ、今日は仕事が溜まってるんだ、早く片付けないと…

「目覚めたようですね、迷える子羊よ。」
「え…?」

俺の目の前には真っ白な服に銀髪をなびかせた、神々しい若い男の姿があった

「汝、自らの罪をここに懺悔しなさい。
 罪を償わずに自殺するのは違反ですよ。違反切符を切られます。」

そこで、自分が路上に横たわっていることに初めて気がついた
そして汗だと思っていたのは…血だ
大量の血がワイシャツを真っ赤に染めている
でも、外傷はどこにも見当たらなかった
となると自分は…いったい…?

頭がショートしそうだった
何が起きてるのか、目の前の男は何なのか…全くわからない…

周りをキョロキョロしながら茫然とする様子を見つつも、髪の子ファヌソは言葉を続けた

「あなたの事は知っていますよ、竹安佐和記さん。
 汝の描くイラストには、トレースの疑いがかけられていますね。
 では、あなた自身、それについての弁論はありますか?」

ファヌソは穏やかな声で問いかける
だが今の佐和記の頭には、ファヌソの言葉は入ってこなかった
彼の頭の中では、ただただ自身に何が起きているのか、という懸念しかなかった

そのため、しばしの沈黙が続いた
やがて、佐和記が答えない様子を見てファヌソは不敵な笑みを浮かべながら口を開いた

「沈黙ということは、罪を認めるというのですね。
 ならば汝には私から直々に裁きを与えてあげます。」
「へっ!?いや、待って!今裁きって…?」
「もう遅いです。観念して罰を受け入れなさい…!」

突如飛び出した「裁き」の言葉に、ハッとする佐和記
後ずさりしようとする佐和記を捕まえ、ファヌソは神通力を行使する
目も開けられないほどの眩い閃光が走った…

やがて、ファヌソの声が聞こえる

「自らが手がけたゲームの主人公のマネをしなさい。
 神は言っている、『全てを救えと』。そしてそのまま長い旅を始めるのです。
 セリフやドヤ顔なんかもトレースすれば尚良し。
 クリア出来たら無罪、敗北したら地獄行きです。」
「えっ?えっ…?」

佐和記が目を開くと、自身の服が真っ白な鎧に変化していることに気づいた
それは、佐和記が手がけたゲーム「エルシャダイ」のイーノックそのものだった
なんで? さっきまで俺が着ていたワイシャツはどこへ…?

「そんな装備で大丈夫か?」
「えっ? えーっ…、だ、大丈夫だ…問題…」
「大丈夫ならよろしい。それでは私はもう行きます。」
「は…?」

113 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:58:41 ID:9/kA3fW.0
ファヌソがバックをひっくり返すと、中からズドォ…ンと音を立ててヘリコプターが出てきた
彼は中に乗り込み、説明書を片手に適当に弄ると、プロペラが回転し、そのまま浮き上がった

「それではせいぜい頑張るように。またね。」

それだけを言うとそのまま、暗闇の中へさっさと飛び去っていった
結局最後まで何がなんだかわからなかった

数分間唖然としたまま佐和記は立ち尽くしていた
やがて我に返り、彼の中で結論が出た

「あぁ、ここはまだ夢の中なんだな…ハハ…」





☆彡 ★ミ ☆彡 ★ミ ☆彡 ★ミ ☆彡






「…フッ…クク…あっははははははは!!
 いやぁ、やっぱり裁きを与えるのは何よりも快感です。」

闇空の中を飛びながら、ファヌソは先刻の転末を思い出して吹き出した
銃声が響いたと思い、そこへ向かう最中にちょうど飛び降りの現場に出くわしたのだ
形容し難いほど悲惨な状態になった男、ファヌソはその顔に見覚えがあった
エルシャダイのインタビュー動画か何かで見た…確か竹安佐和記氏と言ったか
まさかこんな人までバトルロワイヤルに参加させられているとは意外なものだ

ご冥福をお祈り…と思ったところで、彼はうめき声を漏らした。まだかろうじて息があるようだった
ならば、とファヌソはお医者さんカバンを早速試してみることにしたのだ
ゲーム界の逸材をここで死なすのは勿体無いし、何よりもカバンの効果がどれほどかも把握しておきたかったのだ
聴診器を当てるとカバンの中からクスリが飛び出す。それをバシャッと適当に振りかけてみた
…効果は抜群。どうみても助からないような負傷が一瞬のうちに塞がった
さっすが僕らのドラえもん、と感心せざるを得ない

さて、せっかくの機会だ。なにか裁きを与えてやりたい
しばし考える。やはりエルシャダイ関係がいいか? ではどのようにするか…

「そうだ、この男に無理やり、対主催を命じてみましょう。」

どうせ私が助けなければここで朽ち果てていた命…ならばせめて有効活用してもらおうではないか
憎きひろゆきに一矢報いて貰えれば、参加者みんな気味がいいし、ひろゆきへの嫌がらせにもなる
これは一石二鳥です。さすが私です

そうして佐和記が目覚めたあと、あのように神様オーラ全開で無茶ぶりをしたのだ
なんとなく、村の若者を「勇者」と呼んで、無理やり魔王退治に行かせる王様の心境になった
正直、佐和記氏がこの後どうなるかはファヌソにはどうでもよかった

「バトルロワイヤルでも、いつも通り好き勝手やらしてもらいましょう。
 哀れな子羊の懺悔を聞き、片っ端から裁いてやるのです。
 普通のシリアスな殺し合いが台無しになるでしょう。
 ひろゆきは、私をこんな面倒事に巻き込んだことを後悔するが良い。」

もはや彼は『椅子取りゲーム』を通常プレイで楽しむつもりはなかった
ひろゆきの創り出した箱庭を、ごちゃごちゃに引っ掻き回すつもりだった
嫌がらせ? いいえ、これは私なりの裁きの一環ですよ

このままお空を飛んでいても仕方ない。ファヌソは適当なスペースを見つけ地上に降りたつ
そうしてヘリコプターにデイバックをかぶせると見事に中に吸い込まれていった
バックを背負い、神々しいゲームの神はコツコツと薄暗い路地を歩き出した
どんな迷える子羊に出会うのか、そしてどんな裁きを下せるのか、期待を抱きながら…




【B-4/路上/一日目・深夜】

【髪の子ファヌソ@ゲームサロン】
[状態]:健康
[装備]:
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、お医者さんカバン(4/5)@ドラえもん、ヘリコプター@現実、わさび@オラサイト
[思考・状況]
基本:気まぐれに行動する
1:子羊から懺悔を聞き、裁きを与える
2:ひろゆきも地獄へ落とします
※神通力が制限されています。さじ加減はそれぞれの書き手の方にお任せします



【B-4/近鉄百貨店前/一日目・深夜】

【竹安佐和記@ゲームサロン】
[状態]:健康、混乱
[装備]:一番いい装備@エルシャダイ
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品(1〜3)
[思考・状況]
基本:???
1:これは悪夢なんだよな…
2:どうすればいいのか分からない
3:さっきの男はいったい…?

114 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 11:00:07 ID:9/kA3fW.0
《支給品紹介》
【お医者さんカバン@ドラえもん】
患者に聴診器のような端末を当てると、症状に見合ったクスリが出てくる道具
現代医学では到底治せないような重症でもたちどころに回復する。かがくのちからってすげー!

【ヘリコプター@現実】
空を自由に飛びたいという願いを叶える乗り物
免許がなくても、説明書があれば運転できるようだ

【わさび@オラサイト】
ごく普通のワサビ。鼻にツンとくる辛さが特徴の調味料
出典元はFLASH「おびたとわさび」のび太くんみたいな少年が「わさびー」と叫ぶシュールなフラッシュ
元ネタはバドワイザーのCMのパロディ。ちなみに現在のドラえもんの声優さんも、わさびさんである

【一番いい装備@エルシャダイ】
ゲーム「エルシャダイ」において、主人公イーノックが装備していた鎧
佐和記のワイシャツを神通力で変化させた。攻撃を受けると砕ける



――――――――――――――――――――――――
以上です
問題点、修正点、ご意見がありましたらご指摘お願いします

115ちょww和田がNANASHIに!?ww:2012/11/18(日) 16:00:41 ID:9fDeQzhsC
仮投下乙です
問題ないと思いますよ

116 ◆m8iVFhkTec:2012/11/23(金) 23:23:41 ID:1TD2r2ww0
ミルコ・クロコップ、ウラーを仮投下します

117 ◆m8iVFhkTec:2012/11/23(金) 23:24:25 ID:1TD2r2ww0
「…さっきの奴はもう追ってきていないようだな…」

ミルコクロコップは振り向き、化け猫の姿が無いのを確認し、足を止めた
…まったく、こんな殺し合いに本気で乗る奴がいるとはな…
そういう連中は願いを叶えるために、本当に何十人と殺す覚悟が出来ているのだろうか?
あぁ、他人の考えなんてわかったもんじゃないな…

ミルコは側のガードレールに寄り掛かり、背負っていたデイバックを下ろした
アイツに接触する前に中身は確認していたんだが、あまり当たりとは言えない
赤いスニーカーにロープ、そしてダンボール箱…
運の悪いことに、武器と呼べるものは何一つ入っていなかった
拳銃の一つでも入っていればアイツは死なずに済んだかもしれなかったというのに…
そう思いながら、ミルコは夜空を見上げてため息をついた

不意に後ろから、ガサッと言う音と共に、パタパタと足音が聞こえた
振り向くとそこには、でかい剣を振り上げた猫男が目の前に迫っていた

「ウラーーーーー!!!」

思いきり振り下ろされる大剣
ミルコはほとんど反射的に身をそらしてかわした

ガンッと、強烈な音が響き、ガードレールが大きくへこんだ
…チッ、またしても化け猫か…!
しかもコイツも殺し合いに乗ってやがる…!?

猫男は大剣を持ち上げると、柄を両手で掴み遠心力をかけて振り回した
ミルコは冷静にバックステップで距離を取る
大剣のリーチは長いが、一度離れてしまえばそんなもの当たらない

…すると今度は、あろうことか大剣を持つ手を離しハンマー投げの要領で投げてきたではないか

しかし、素人がハンマー投げをしたところで狙ったところに飛ぶはずがない
勢いのつけられた大剣は明後日の方向へ飛び、付近の塀にひびを入れた

丸腰となった今、大きな隙が出来ている。今がチャンスだ!
すかさずミルコは猫男の眼前へと距離をつめる
そして猫男が反応するより早く、左足を高く上げてハイキックを放つ…!

「ウラッ!?」

一撃必殺! 加減こそしていたものの、側頭部にクリーンヒットしたハイキックによって猫男はそのまま倒れた
ミルコはデイバックからロープを取りだすと、猫男の両腕を縛り上げた

「…ったく、危険な奴だ…」


○ ● ○ ● ○ ● ○ ●


「放せええぇぇ!!放せウラーーーッ!!死にたくないウラー!!」
「落ち着け、話を聞くだけだ。落ち着け!」

縛られたウラーはさっきから泣きながら暴れていた
パニックになってるな…仕方ない、若干手荒だが頭を冷やしてもらおう…
ミルコはデイバックから水を取りだし、ウラーの顔にパシャッとかけた
ウラーは驚き、喚き声が途切れた

「落ち着け。俺は殺し合うつもりはないし、お前を殺すつもりもない。
 だからまず、お前の話を聞かせてくれ」

ミルコの言葉がやっと耳に届いたのか、ウラーは大人しくなった

「まず、お前は殺し合いに乗ってるのか」
「…何を言うウラ、乗るしかないじゃないかウラ!」
「何故だ? 多くの人を殺してまで叶えたい願いがあるのか?
 本当にそんな覚悟があるのか?俺にはわからないな…」
「…そんなこと言うのは自殺発言ウラ! 死んでも知らないウラ!」
「自殺発言? …お前は何を言ってるん? 殺し合いに乗らないことが自殺と何の関係が…」
「アンタも聞いたらだろウラ! 殺し合いに不都合な事をしたら首輪を爆破するって!
 だから、乗らないとひろゆきに殺されるウラ! だからもう、嫌でも殺し合うしかないんだウラー!」

そう叫んでウラーはまた涙を溢した

…そうか、俺は少し考えが浅かったようだ…
殺し合いに乗る奴は皆、賞品に目が眩んでるもんだと思っていた
だが、最初の怯えていたアイツと同じように、ただ死にたくないと怯える奴がいる
そんな奴が死の恐怖のあまりに、殺し合いに乗る可能性があるということか…
まったく、本当にクソッタレなシステムだ…

ミルコはウラーを縛っていたロープをほどいた
ウラーは脳震盪を起こしたのか、やけにフラフラとしながら立ち上がり、大剣を拾いに行った

「俺はこれから、首輪を外す方法を探すつもりだ。よければお前もついてこないか?
 確かに首輪を爆破されるリスクは高いが、どちらにせよ俺は殺し合いには乗らないと決めている。
 …お前はどうする? 少なくとも、単独行動よりは危険も減るはずだが」

逃げようとしたウラーはピタリと足を止めた
…どうしよう…、このままこの男についていけば、ひろゆきに殺されるかもしれない…
でも、ただでさえ体が不調なのに、またこの男みたいな強い参加者に会ったら間違いなく負ける…

118 ◆m8iVFhkTec:2012/11/23(金) 23:25:31 ID:1TD2r2ww0
「俺は…いったいどうすれば…」
「お前もそんなこと言うのか…。他人に選択肢を委ねて、それを貫けるのか?
 自分がどう行動するか、それはお前自身が決めることだ」

しばしの沈黙が続く
ウラーは悩みに悩んだ
死にたくない、ただそれだけの願いなのに…
どちらの選択もその願いを叶えてくれそうにない…!
何故こんなに、葛藤に悩まされなくてはいけないんだ…

数分後、沈黙が破られる
ウラーは涙をこぼしながら口を開いた
#aa(){{{
A_A    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( TAT)つ  < ついて行くウラ…!だから…だから…
(つ  )    | 俺を、俺を生きて帰らせてくれウラァ…!
と_)_)    \_________
}}}

「わかった。保証は出来ないが、お互いベストを尽くそう
 …俺の名前はミルコ・クロコップだ」

ミルコはあっさりとそう言って手をさしのべた

…出来ることなら、アイツのような犠牲者はもう出したくない
なるべく多くの弱き者を救ってやりたい
それが元警察官であり、格闘家としての責務だからだ

誇りを胸に宿した彼は決意を新たに、目の前の猫男と握手を交わしたのであった


【ミルコ・クロコップ@AA】
[状態]:健康、後悔
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、キック力増強シューズ@名探偵コナン、ロープ@現実、工具セット@現実
[思考・状況]
基本:殺し合いに乗らない
1:首輪を外す術を探す
2:ウラーと行動する
3:化け猫(お断りします)を警戒
4:‥‥‥すまなかった



表向きでは和解しているものの、ウラーはまだ死に対して強い恐怖感を抱いている
そしてショボーンと違い、自分が生きるために「誰かを殺す」という選択肢を選ぶことが出来るタイプである
そんな、ある意味では危険な人物と呼べるような相手と同行することになったミルコ・クロコップ
これは彼の慢心によるものだが…はたして、この安易な判断が今後どのような結果へとつながるのだろうか…



【ウラー@AA】
[状態]:死に対する恐怖、脳震盪(軽度)
[装備]:バスタードソード@FF7
[道具]:基本支給品一式、PDA(忍法帖【Lv=00】)、ランダム支給品(0〜2)
[思考・状況]
基本:生存最優先
1:ミルコ・クロコップについて行く
2:とにかく死にたくない…


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