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仮投下スレ

112 ◆m8iVFhkTec:2012/11/18(日) 10:58:09 ID:9/kA3fW.0





彼の意識が消える、最後の瞬間
脳内に、誰かが語りかける声が聞こえた
はっきりとしたその声は、どこか聞き覚えのあるものだった
そう、自分が手掛けた、あのゲームに、そんな言葉が…








―――神は言っている ここで死ぬ運命ではない と…―――








佐和記は飛び起きた
全身に嫌な汗がべっとりと服に張り付いている…息が切れてるし、動悸も激しい…でも…

…ほ、ほら、やっぱりさっきのは夢だったのさ…!
飛び降り自殺を図ったのに、体に何の異変も無い…
殺し合いなんて意味不明な事は存在しない…いつもの日常…
そうだ、今日は仕事が溜まってるんだ、早く片付けないと…

「目覚めたようですね、迷える子羊よ。」
「え…?」

俺の目の前には真っ白な服に銀髪をなびかせた、神々しい若い男の姿があった

「汝、自らの罪をここに懺悔しなさい。
 罪を償わずに自殺するのは違反ですよ。違反切符を切られます。」

そこで、自分が路上に横たわっていることに初めて気がついた
そして汗だと思っていたのは…血だ
大量の血がワイシャツを真っ赤に染めている
でも、外傷はどこにも見当たらなかった
となると自分は…いったい…?

頭がショートしそうだった
何が起きてるのか、目の前の男は何なのか…全くわからない…

周りをキョロキョロしながら茫然とする様子を見つつも、髪の子ファヌソは言葉を続けた

「あなたの事は知っていますよ、竹安佐和記さん。
 汝の描くイラストには、トレースの疑いがかけられていますね。
 では、あなた自身、それについての弁論はありますか?」

ファヌソは穏やかな声で問いかける
だが今の佐和記の頭には、ファヌソの言葉は入ってこなかった
彼の頭の中では、ただただ自身に何が起きているのか、という懸念しかなかった

そのため、しばしの沈黙が続いた
やがて、佐和記が答えない様子を見てファヌソは不敵な笑みを浮かべながら口を開いた

「沈黙ということは、罪を認めるというのですね。
 ならば汝には私から直々に裁きを与えてあげます。」
「へっ!?いや、待って!今裁きって…?」
「もう遅いです。観念して罰を受け入れなさい…!」

突如飛び出した「裁き」の言葉に、ハッとする佐和記
後ずさりしようとする佐和記を捕まえ、ファヌソは神通力を行使する
目も開けられないほどの眩い閃光が走った…

やがて、ファヌソの声が聞こえる

「自らが手がけたゲームの主人公のマネをしなさい。
 神は言っている、『全てを救えと』。そしてそのまま長い旅を始めるのです。
 セリフやドヤ顔なんかもトレースすれば尚良し。
 クリア出来たら無罪、敗北したら地獄行きです。」
「えっ?えっ…?」

佐和記が目を開くと、自身の服が真っ白な鎧に変化していることに気づいた
それは、佐和記が手がけたゲーム「エルシャダイ」のイーノックそのものだった
なんで? さっきまで俺が着ていたワイシャツはどこへ…?

「そんな装備で大丈夫か?」
「えっ? えーっ…、だ、大丈夫だ…問題…」
「大丈夫ならよろしい。それでは私はもう行きます。」
「は…?」


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