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涙たちの物語7 『旅の終わりは』

1(・ω・):2004/06/28(月) 08:39 ID:GRnlniQk
【したらば@FF(仮)板】
涙たちの物語6 『旅の途中で』
前スレ:
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/6493/1077148674/
【したらば@マターリ板】
涙たちの物語5『旅が続いて』
http://jbbs.shitaraba.com/game/bbs/read.cgi?BBS=6493&KEY=1069286910
涙たちの物語4 『旅は道連れ』
http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log2/1064882510.html
涙たちの物語3 『旅の流れ』
http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log2/1058854769.html
涙たちの物語2 『旅の続き』
http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log/1054164056.html
涙たちの物語 『旅は終わらない』(避難先)
http://hyakuyen.nce.buttobi.net/FF11log/1048778787.html
(※↑ログ消滅のため【過去ログ図書館】にリンク)

【xrea】
初代 涙たちの物語 『旅は終わらない』
http://mst.s1.xrea.com/test/read.cgi?bbs=ff11&key=042463790
(※↑見れるときと見れないときがあるらしい)

倉庫等
(Wiki)http://kooh.hp.infoseek.co.jp/
(新)http://f12.aaacafe.ne.jp/~apururu/
(旧)http://www.geocities.co.jp/Bookend-Soseki/4886/index.html

ここも姉妹スレ?
今はいないフレンドへの手紙
http://jbbs.shitaraba.com/bbs/read.cgi/game/6493/1075100271/

433(・ω・):2004/12/04(土) 11:13 ID:lnscGfkg
泣きました、朝(というには遅いか)から号泣いたしました。
カーディアンクエ進めてくるよ!!!1!!111!!

4341/3:2004/12/05(日) 00:38 ID:6xI.6IqY
[ エリーにおまかせ! モーグリを探せ 事件編 ]

僕はワトソン。
この薔薇十字探偵所の探偵助手だ。

「ふむ。こんなものかな。お〜い、エリー!」
「なにかしら、ワトソン?」

「はいよ。紅茶ですよ。あと茶菓子ね」
「あら、ありがとう」

「イエイエ。どういたしまして。で、お味はどうですか?」
「うん。相変わらず、美味しくないわ」

「……」
「……」

「じゃあ、飲むなよ。食うなよ」
「食べ物を粗末にするのは良くないわ」

彼女はエリー。
この薔薇十字探偵所の探偵だ。
見た目は可愛いミスラの少女なのだが、
その知識と食い意地には、目を見張るものがある。

悲しいことだが、この世界には人と人との争いがある。
その争いが事件を、謎を、生み出している。
そんな事件を解決し、謎を解くことが、僕達の使命だ。

ドンドン!

不意に探偵所の扉が叩かれた。

「おっと、誰だろう?」
「そうね。依頼人かしら?ワトソン、お願いするわ」

「ハイハイ。えーと、どちらさまですか?」

4352/3:2004/12/05(日) 00:39 ID:6xI.6IqY
探偵所の扉を開けると、そこにはミスラの女性が立っていた。
ひどく落ち着かない様子で、目線が定まっていない。

「何か、御用ですか?」
「あ、はいにゃ!えっと、その、モーグリが居なくなったですにゃ!」

「はい?えーと、詳しいお話は中で伺いますので、どうぞ」
「にゃ?」

僕はそう言って、彼女を探偵所内に導くと、
応接間まで案内して、ソファに座るよう促した。

「初めまして、お嬢さん。僕はワトソン。
この探偵所で、探偵の助手をしています。
まずは、アナタのお名前を教えて頂けますか?」
「あ、ごめんですにゃ。アタシ、ミスクレオパト・ラ子ですにゃ。
冒険者、やってますにゃ」

「なるほど。それではラ子さん、どのような用件でしょうか?」
「はいにゃ。モーグリを探して欲しいですにゃ」

「モーグリを探す?どうしてですか?」
「あのですにゃ。
モグハウスに居るはずのモーグリが、居なくなったですにゃ」

「モーグリが居なくなった?それは、いつからですか?」
「今日からですにゃ。昨日までは居たですにゃ。」

「なるほど。昨日、モーグリは何か言ってましたか?
もしくは、モーグリに変わった様子はありませんでしたか?」
「えっと……にゃ。何も言ってなかったですにゃ。
あと、変な様子もなかったですにゃ。
いつもと同じく、プカプカ、クルクルしてましたにゃ」

「ふむふむ」
「それで、アタシ、困ってますにゃ。」

「ふむ?それは、どうしてですか?」
「アタシ、いつもモーグリに着替えを手伝ってもらってますにゃ。
だから、モーグリがいないと、
ドコにお洋服があるのかも、わからないですにゃ。
それと、趣味の盆栽もカリカリになっちゃいますにゃ」

「なるほど。それは、お困りですね。
では、僕が着替えをお手伝いしましょう」
「ヤですにゃ」

「……」
「……」

「冗談です」
「笑えないですにゃ」

4363/3:2004/12/05(日) 00:39 ID:6xI.6IqY
「ゴホン。それでは、モーグリの捜索依頼、確かに承りました」

僕がそう言おうとした時、エリーが応接間に現れた。
エリーは依頼人に対して、スカートを軽くつまみ、
可愛らしく挨拶をすると、次のように質問した。

「ラ子さんは、昨日、どちらにいらっしゃったのですか?」
「にゃ?アタシ、昨日までミッションで三国を廻ってたのにゃ。
だから、昨日はバスの大使館でお仕事してたのにゃ。
色々あったから夜遅くなって、バタンキューだったのにゃ。
それで、やっと今日になって、
ミッションの結果報告にウインへ戻って来たのにゃ。
でも、それがどうかしたのにゃ?」

「そう。良かった。それでしたら、
モーグリを探す必要はありませんわ」
「にゃ?どういう事にゃ?」

エリーはそう言って、僕達に微笑んだ。

僕は混乱している。
モーグリが居なくなったのに、探す必要はない?
誘拐・失踪などの事件ではないのか?

そんな僕の動揺を感じて、エリーは言葉を続けた。

「モーグリはスグに帰ってきますわ。
ちょっとコツが要りますケド。くすくす」

437(・ω・):2004/12/05(日) 12:07 ID:9ATl.gkk
おお、エリーたんとワトソンだ!
お帰りなさいー!

そういや…うちのクポも良くいなくなる…w

438(・ω・):2004/12/05(日) 14:33 ID:F0F24bcY
>礎の守護者
話はGJ!
ただヤクード、ブリースト、オズトロイヤ、ガーディアンと随所に誤字の連打には折角の
盛り上がりが興醒めしちゃうよ…

439(・ω・):2004/12/05(日) 18:14 ID:UBYEIbQI
漏れはバス人だけど他所からモグハウス直行して
モーグリが表示されるの1分くらい待ってた事あるなw

440(・ω・):2004/12/05(日) 20:44 ID:MLe9MsaA
レンタルハウス帰し忘れでファイナルアンサー?

441(・ω・):2004/12/05(日) 21:39 ID:Fo8QFYkE
>>438
ナチュラルに脳内変換してた。
うちのLS内だとモバルプルスとかワットアとかいう地名が
飛びかっとるからな…w

4421/2:2004/12/06(月) 04:32 ID:bMb.aeqQ
[ エリーにおまかせ! モーグリを探せ 解決編 ]

僕はワトソン。
この薔薇十字探偵所の探偵助手だ。

彼女はエリー。
この薔薇十字探偵所の探偵だ。

そして今回の依頼人、ミスクレオパト・ラ子。
彼女からの依頼は、突然居なくなってしまったというモーグリの捜索。

しかし、エリーはモーグリを探す必要はないと断言した。
それは何故か?

エリーの助言を受けて、ラ子はウインダスの街を駆けた。
そして居住区に辿り着くと、
モグハウスの入り口に立つガードに話しかけた。

「あ、あのですにゃ。そ、そのですにゃ」
「うにゃ?モグハウスをご利用ですかにゃ?
はにゃ?アナタは他国でレンタルハウスを借りてるのにゃ。
他国のレンタルハウスから、自国にお引越しの手続きするにゃ?」

はい
いいえ

「はいにゃ!お願いしますにゃ!」
「わかったにゃー!ちょっと待ってにゃ。
ほんだららった、へんだららった、どんがらがった、ふん♪ふん♪
手続き完了にゃ。これでモグハウス、使えるにゃ」

「ありがとにゃ!」
「きにすんにゃ!」

ラ子はモグハウスへと駆け込んだ。
そして、そこにはいつものように、モーグリがプカプカと浮かんでいた。

「おかえりクポ〜」
「たたいまにゃ!」

ラ子は他国でレンタルハウスを借りていた。
このときモーグリが家財道具一式を持って、
レンタルハウスへと引っ越していたので、
自国のモグハウスにモーグリが居なかったのだ。

以上である。

4432/2:2004/12/06(月) 04:33 ID:bMb.aeqQ
「そうだったのか。でも、エリー、どうしてわかった?」
「簡単な推理よ。
モーグリがモグハウスに居ないケースなんて、そんなにないわ。
モーグリが里帰りするとか、モーグリがレンタルハウスにいるとかね。
そして、モーグリは義理堅く、用意周到だから、
里帰りのときは教えてくれるし、着替えも用意しておいてくれるわ。
だから、里帰りの線は消えるの。
そして、残るのはレンタルハウスの線。
この場合、レンタルハウスを返せば、
モーグリはスグにモグハウスに戻ってくるわ。
だから、モーグリを探す必要はないの。
それと補足するなら、レンタルハウスを借りた状態でも、
自国のモグハウスには入れちゃう事が、混乱の原因かしら。
以上で証明終了よ」

「な、なるほど」
「借りたら返す。それが世界のルールよ」

「ふむふむ。あ、そうだ!エリー、昨日立て替えたケーキ代、返せ!」
「また今度ね」

どんな事件も見事に解決!
エリーにおまかせ!

4440/0:2004/12/06(月) 04:33 ID:bMb.aeqQ
>437 >440 that's right
>439 me too

445(・ω・):2004/12/06(月) 11:30 ID:A9gMcV1k
皆さんは本当にヤリまくれる出会い系サイトに出会った事はありますか。
サクラ(サイトが雇って文章打ち込んでるヤツラ)に
振り回されるのはもうたくさんですよね。
出会い系サイトも1つのサイトに男女が集中しつつあります。
ココはその代表格なんですが、無料でヤれてしかも参加者の4割が女性です。
フリーメールで登録できる = 匿名での参加ができるので周囲の人間に
ばれる心配は全く無いです。完全な無料なので試しに遊んでみて下さい。

出会い系サイトに対する価値観は間違いなく変わります。

http://www.cyber-ad01.com/sharanra/?ip=0004&id=B959

446(・ω・):2004/12/06(月) 13:21 ID:XXQGd/H6
>>438
話しがいいんだし、その辺は”/ja 自動脳内変換機能”を発動汁!

作者の方、マシュルルの次回を楽しみにお待ちしてます!

447Scrapper:2004/12/07(火) 01:41 ID:T434MHm2
毎度ありがとうございます.
また遅れてしまいましたが,更新しました.
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/5451/

自分自身はまだ先のことだと思っていますけど,
私達はヴァナ・ディールから消える時,自分がサーバに居たという確かな証拠をを残していけるのでしょうか?
FFXIの場合,システム的に物を残していくということが出来ません.
(銘入りの合成品の場合はどうなんでしょ?)

財産整理をして親しい仲間にお金を残す,という選択肢もありますけれども,
長くやっていると,なにかもっと強力な証みたいなものが欲しいな,と感じてしまいます.

久しぶりにやっとログイン出来たと思ったら,私がただ一つ所属しているLSのリーダーがその前日に引退した事を聞かされたという出来事がありました.
リーダーがこのサーバに居たという証拠って私達自身なのかもなぁ,とそんなことを考えて暮らしています.

それでは読者の方々も作者の方々も頑張ってくださいね.

448(・ω・):2004/12/07(火) 09:29 ID:19y0B05A
自分達がこの世界(サーバ)に居たという確かな証拠はきっと残りますよ
親しい仲間や、何気なくパーティを組んだメンバーの記憶の中に・・・

ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6493/1098528066/

449(・ω・):2004/12/08(水) 05:20 ID:bO.nHMqw
>>447
フライングの後編タイトルが前編になっとる!!!
続きが気になって何度クリックしても前編、ムホーヽ(`Д´)ノ

450Scrapper:2004/12/09(木) 01:21 ID:Zv99TWqI
>>449さまと皆さま
ひゃぁあああ!
ごめんなさいごめんなさいごめんなさい.
後編に直しましたー.

>>448さま
だといいなぁと,私も思っています.
最近,古参で引退する人が多いもので…ちょっと気にしていたのでした.

451(・ω・):2004/12/11(土) 12:44 ID:h59effNs
/│ω・`)
壁│ )
/│
ここって、書いた事が無い新参者でも投稿していいのかな…?
ヘタレな文なんだけどね…

452(・ω・):2004/12/11(土) 12:55 ID:f7yUZ9HE
>>451
どんとこーい!

453451:2004/12/11(土) 13:13 ID:h59effNs
/│ω・`)
壁│ )
/│
結構長い作り話な予感なんだけど、投稿していいのかな…?

454某スレよりコピペして改編:2004/12/11(土) 13:39 ID:fSDU63DA
おい>>451、さっきからうるせえぞ。「投稿してもいいですか?」「投稿してもいいですか?」ってよォ〜〜。
どういうつもりだてめー、
そういう言葉は、オレたちの世界にはねーんだぜ…
そんな、弱虫の使う言葉はな……。

「投稿してもいいですか?」…そんな言葉は使う必要がねーんだ。
なぜなら、オレや、オレたちの仲間は、
その言葉を頭の中に思い浮かべた時には!
実際に投稿しちまって、もうすでに読者が「GJ」と言える状態だからだッ!
だから使った事がねェーッ。

「投稿しました」なら使ってもいいッ!

455(・ω・):2004/12/11(土) 17:36 ID:NJFka7/g
今ネ実にも小説スレ立ってるね。
こっちにも来てくれないかな〜。

>>451
長い話は望むところだ!
かもーん!

456Scrapper:2004/12/13(月) 03:21 ID:GHmksSFs
毎度ありがとうございます.
新しい作者さん期待のところ割り込んで申し訳ないですが,更新しました.
http://www.geocities.co.jp/Bookend-Ango/5451/

前回今回と,Scrapperの裏話というか補足というか,そういう風になっちゃってるんですよね….
ひとつの話として独立させられない実力の無さが悲しいです.
おまけに,私はどうやら泣かせる話も,手に汗握る戦闘も,ドキドキの冒険も書けないようです.
そんなのでよければ,どうぞお読みください.
まぁ,自分で書けないからこそ,他の作者さんを楽しみにしているわけですが.

>>451さま
割り込んですいませんでした.いっちゃってください.
期待してます.

それでは,読者の皆様も作者の皆様も頑張ってくださいね.

457とりあえず無題(1/3):2004/12/13(月) 23:07 ID:XXjk5Pjs
『天晶暦862年、○月△日……くもり。
 昨日の分と纏めて書く事にします。
 昨日の訓練量も、入った頃と比べれば数倍もの詰め込み様でした。
 野外で雷属種の詠唱練習を強制され、詠唱者が感電する事故もありました。
 こんな日々がいつまで続くのだろう……皆疲労と不安で限界が来ています。
 私もいつも通り、頭がクラクラするまで練習して、フラフラと帰っていく毎日。
 そんな日が何日か続いて倒れてしまった日でした。あの人とであった昨日は…――』


・・

・・・

彼はその日も、おぼつかない足取りで帰路についていた。
酷い疲れからか、雨が強く降りつけているのも気にも留めていない。
傍から見れば、今にも倒れてしまいそうな動きで自らの家に向かって歩きつづける。
彼の家は居住区の中でも港に近い所にある為、帰宅の距離は短い。
しかし、その帰り道さえも果てしなく、長く感じる程、彼は疲れきっていた。


――ウィンダス連邦。緑と夜空に煌く星々と月に祝福された、豊穣な大地の上に築かれた国。
神の生まれ変わりであると云われる『星の巫女』を頂点に据え、
それを賢者とも呼ばれる博士達が支え、彼等の合議を基に国を五つの院が治める。
その五つの院が一つに。『口の院』。
魔法学校で優秀な成績を収めた大半の者が編入する先であり、
格式高く、ウィンダス軍の主力を担う人材を多数輩出する機関である。
『エリートの集まり』と称して過言では無いその機関で、彼は日々、魔法術の訓練に明け暮れていた。

名をシルク-エルク。一昨年、魔法学校を次席で卒業した口の院の訓練生である。

彼は体力に自信があった。他の種族から見ればそれは微々たるものでしか無いのかも知れない。
だが、彼の種族――タルタルの中では、それは間違いなく秀でた力であった。それは、口の院の上司・先輩と言った上の者からでさえも評価される程であった。
それと期待もあってだろうか、彼は俗人から見れば過酷な程に訓練を重ねていた。
シルク自身も、その持ち前の体力があってか、辛いとは感じていなかった。

しかし、次第にそれは移り変わっていった。それは彼自身だけでなく、他の訓練生も含めて。
――――『戦争』が始まった為だ。

人類と相見えるは、『獣人』と呼ばれる者達。
そして、ウィンダス連邦と相見えるは、獣人『ヤグード』。
宗教国家を持つ彼等の統率された軍事力に、ウィンダス軍は次第に押されていっていた。

戦争は、激化する程に人材を要する。
その為、一日も早く一人前の魔導士が誕生する様にと、軍事力の一角を担う口の院も躍起になっていた。

過酷に過酷を加味した訓練は、それは凄まじいものだった。
訓練生達は確かに実力をつけていった。
しかし、一方で各々の身体は蝕まれていった。
多くの者が、病気や怪我で一時的に脱落したりする中、シルクはひたすら耐えていた。

458とりあえず無題(2/3):2004/12/13(月) 23:09 ID:XXjk5Pjs
しかし、やがては彼の体にも限界が訪れた。
身体に蓄積された疲労も限界に達し、重ねて帰り道に激しい雨が降りつける。
傘を持ち合わせておらず、身体から徐々に体温が奪われていく。
ゆっくりと薄れゆく意識。動かなくなっていく体。
いつのまにか彼は、道端に伏してしまっていた―――


「………?」
気が付いた時には、彼は屋内で横になっていた。
見知らぬ部屋だ。
ウィンダスでは珍しく、室内に暖炉が設けられている。
(……誰の家……?)
シルクは重たい上半身を起こして、辺りを見回した。
…誰も居ない。焚かれた暖炉の木がパチパチと音を立てているだけである。
(家具を見る限りは……ミスラ……?)
タルタルから見ると大きな家具――といっても殺風景な部屋で、数点しか無い――を見ていると、玄関口の方で物音がした。
戸を開けると共に、頭を振るいながら一人の女性が姿を現す。
沈む夕日を思い出させる様な、真紅の髪。そして、利発そうにその頭の間から生える凛とした耳。
身体の後ろで不規則に揺らめく尻尾。
それは『ミスラ』と呼ばれる種族に他ならなかった。
彼女は、戸の傍にあった布で髪と耳を拭いている最中に、シルクの視線に気付く。

「気が付いたのだな」
発せられたのは、よく通って、それでいてハスキーな声だった。
「行き倒れかと思ったが……体の方は、大丈夫かな?」
近付いて、彼の顔色を窺う。
彼女の瞳をシルクは綺麗だな、と思った。
髪と同じ、紅色の瞳。その澄んだ瞳は、紅いながらもシルクに海を思わせた。
「ん…?私の顔に何か付いているかな?」
自分が見入っていた事に気付いて、シルクは慌てて目を逸らす。
ふと、ひんやりとした手が彼の額に当たった。
「ふむ……熱は随分と下がった様だな…丈夫な体だ。
 眠くなるが、この薬を飲んでおくと良い…それで、明日には殆ど治っている筈だ」
そう言って彼女はシルクの小さな手に、掌程の丸薬を持たせた。
「貴君の所在は、一応鞄の中から調べさせて頂いた…雨が止んだ後に、送っておこう」
ぼんやりとしながら、彼はただ殆ど頷いているだけだった。
手にしている丸薬を口に放り込む。その苦味に少しだけ意識がハッキリした。
「あの…僕は……」
どうしてたんですか?と欠落した記憶の部分を尋ねようとすると、その意図を察してか彼女は
「過度の疲労で倒れしまった様だな…港の道端に倒れていた」
と言った。
「そうですか…すいません……」
自分の限界を知ってしまった。そんな気がしてシルクは憂鬱になった
「国の為、誰かの為に努力をする事は確かに素晴らしい…が、それ以前に大事なものもある…無理はせぬ様にな…」
少し、寂しげな目をしてそう呟く。
何故そんな目をするのか、彼は気になったが、
「今は眠ると良い…その体には、睡眠が必要だ」
そう彼女に促されるままに、上半身を再び横にして瞳を閉じると、薬の効き目もあってか、
シルクは睡魔に誘われていった……――

459とりあえず無題(3/3):2004/12/13(月) 23:11 ID:XXjk5Pjs
――穏やかな目覚めだった。天井の造りが違う。
慌てて飛び起きて、周囲を見渡した。意識を失う前とまた部屋が変わった様だった。
…それは自分の部屋だった。
体の下には、自らが愛用している布団が敷いてある。
「あ…そういえば送ってくって……」
虚ろな意識で聞いた言葉を思い出す。
そこで更に、自分の体の変化に気付いた。
先日までの溜まった、鈍重な疲れが、シルクにはまるで感じられなかった。
(あの薬の効果だろうか?)
夢だった,とさえ考えられる状況に多少困惑していると、彼の部屋の扉にノックが掛かる。
入ってきたのは、彼の母親だった。
「あら、おはよう」
まだ寝ていると思っていたのだろうか、意外そうに朝の声を掛ける。
「母さん……あのミスラさん……」
夢だったのか現実だったのか、わからないが為に、母に尋ねる。
「あぁ、あの人なら貴方を届けてすぐに帰ったわよ。
 それにしても驚いたわ、気絶していたなんて……」
現実であった。なんと素晴らしい人であろうか。
縁の無い親切に、シルクが感動していると彼の母の口から、彼が思っても居ない言葉が出た。
「大丈夫…?本当に何もされなかった……?」
「…え…?」
母が口にしたのは、明らかにミスラの行動に対する感謝の言葉では無く、懐疑の言葉であった。
「どういう事?」
「知らないの?あの人、流れ者なんですって。
 だから、ミスラ達の間でも爪弾き者らしいのよ…」
誰にも、故郷を、仲間を愛する気持ちはある。
そしてその逆に、他所者に排他的な気持ちを持つ事もある。
シルクの母は、その後者の面が強く、彼もそれは疎ましく感じていた。
そんな事はさておき、シルクは大事な事を尋ねようとする。
「母さん、名前知ってるの?」
「え?えぇ…確か……クルゥ?だったかしら……ホント、ミスラの名前は覚えにくいわ」
ブツブツと何かを言っている母親を横目に、彼は頭にその名前を刻み付ける。
(クルゥ……クルゥさん、か………)
今度会えたら、何かお礼しよう。
そう心の奥に、彼は健康的になった身体で、過酷な訓練の毎日に戻っていった――。


・・・

・・



『天昌暦881年、△月×日……快晴。
 妻に、随分と久しい昔話を促された。どうやら、以前話した事が気になっていたらしい。
 その話をする度に、私はあの大戦下の日々を思い出す。
 「クリスタル大戦」――多くの友が、仲間が、愛する人々が死んでいったあの戦争。
 多くの負の感情に苛まれ、捲し立てられ、ただ感情のままに戦った事もあった事。
 ――祖国で共に戦った、彼女の事。
 数時間にも渡った昔話を聞いた妻は、とても満足した様だった。
 話を終えた後も、私は大戦下の日々を暫く思い返していた――』

―――to be next

460451:2004/12/13(月) 23:16 ID:XXjk5Pjs
/│ω・`)
壁│ )
/│
バイト頑張ってたら、見れなかったよママン…

>>454
ごめんなさい('・ω・`)
皆巧いから、俺だけしくじったら空気悪くするかなー…っと、渋ってた方が悪かったかorz

とりあえず、使っていいらしい…
『投稿しました!』、と。

ここで質問があるのですが、
文中で、タルタルの韻を踏んだ後ろの名前書いてないんだけど、これって省略しない方が良いのかな?

今更見直すと、すげぇ長くなりそうな予感……orz
とりあえず、今日は寝ます('・ω・`)ノシ

461(・ω・):2004/12/14(火) 03:20 ID:bT.lZSC.
Civilian

○月×日(晴れ時々フレア)

バイトを始めてみようと思います。
サンドリアに住み着いてから、
早三年が過ぎようとしている今日この頃、
そろそろ叔母さんのお世話になるのもどうかと思う。
そこでデッカイ競売所があるせいで
人が群がる南サンドリアへと足を運んでみた。
情報収集の基本は、人が集まるところと太古の昔から決まっている。
「えーっと、求人広告ってこの辺に張ってあったような・・・。」
人垣が出来ている競売所の購入口の壁を、
背伸びして見ようと思ったが、
ここはさすがサンドリア。
平均ヒューム女性より少し、ほんのすこーーーーーーしだけ
小さい私には、倍以上の背丈があるエルヴァーンたちの壁は高すぎる。
しかも隙間無く敷き詰められた人、人、人。
列に見えるものも無く、ただ、途方にくれるしかなかった。
人々が入り混じる人垣の前、
私と、やはり人垣に阻まれた冒険者らしきタルタルが、
並んで立ちつくしている。
やはり私と同じようにイラついている様だった。
それはそうだろう。
列の作らず、次から次へと来ては去り、去っては訪れては
私の行く手を遮る。
これは、私にバイトをするなという天からのお告げ・・・など考えていると、
隣のタルタルがささやき声で独り言を始めた。
おやおや坊や、そんな声じゃ聞こえないわ。
私が代わりに言ってあげましょうか。
すーっと息を吸い、いざ声を上げんと手を口にメガホンの様に当てる。
「お・・。」
どかーん!!!
私の声をかき消すほどの爆発音。
目の前の人垣が吹き飛んだ。
「テロだ!獣人襲来だ!」
「誰かー!腕が!私のうでがぁ!」
人々の叫びが溢れ出した。
手を腰にあて、「ふふん」と、勝ち誇ってみる。
そんな気分だった。
まるで人がゴミの様。
「だれだ!フレアぶっぱなした馬鹿は!」
フレア?確かこの前読んだ漫画に載っていた魔法だ。
古代より伝わる伝説の魔法で、冒険者の中でも使える人は限られているらしい。
へー。こんな真直に見れるなんてラッキー。
それにしても誰が・・・。
と、見渡し、行き着いた場所は隣で独り言を言っていたタルタルだった。
両手をピンと真横に伸ばし当に今打ちましたよと言わんばかりだ。
「やるね、少年。」

つづく

462(・ω・):2004/12/16(木) 13:12 ID:iZvkfr.Q
ペースまったりめですが、新作も増えてうれしい今日このごろ。

ところで・・・このスレは移転依頼どうしましょう?

関連スレ:★:(・ω・) ★から利用者の皆さんへ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6493/1102002663/l100

移転に関するメッセは
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6493/1102002663/99

移転依頼テンプレは
> ■移転の申請は下記の5項目を明記してください
> (1)移転希望の場所
> (2)スレタイ
> (3)URL
> (4)スレ固有の名無しさん
> (5)sage固定の有無
> ※ 移転後ここの板のスレはスレストします

(上記スレ101参照)

また、上記のスレ117で報告が上がっていたのですが、スレ容量が512kを越えると
IEとかでは表示出来なくなるそうです。
今はいないフレンドへの手紙が、アウトくらったのであたらしく立てたみたいです。

最近ペース遅いけど、年内めどで移転しちゃうみたいなので、どうするかを相談
した方が良いように思えますが、如何でしょうか?

463(・ω・):2004/12/20(月) 03:33 ID:At773luE
みなさんどんどん移転してますね。
お任せしますというのは、無責任でしょうか。

464名無しの話の作者:2004/12/20(月) 03:39 ID:At773luE
「名無しの話」の24 −思い・悩み 3−

タルタルとエルヴァーンの身長差は大きい。
目線を合わせようとすると、タルタルはずっと上を見上げないといけない。
ほとんど真上を向くぐらい。
それでもタル獣は
「あのねー」
うれしそうに、話しかけてる。
エル白も、半身をかがめるようにして、聞いてる。
その手に、タル獣の荷物を抱えて。
町の門へ向かいながら、二人の足はほとんど進んでない。
タル獣の話題の中身はずっとトラの事。
こんなに大きくて、こんなに強くてと、短い両手を振り回し、小さな身体で一生懸命身振り手振りで話しする。
けど、そのなかに、トラが「虎」だという言葉はない。
説明しなきゃいけないとは、思わなかったから。
だって、タル獣にとってトラが「虎」なのはあたりまえ。

そして、また。
ほんの少しの勘違い。

トラという名のタル獣の相棒。
「ぼくのね、家族なの」
家族という言葉を、エル白は「家族のように親しい人」と受け取った。
一叩きで敵がダウンすると聞いて、思い浮かぶのは、隆々とした筋肉の塊のような腕。
一吼えで敵が動けなくなると聞いて、思い浮かぶのは、地を震わせるような蛮声。
一振りで敵が吹っ飛ぶと聞いて、思い浮かぶのは、丸太のような太い尾。
それがタルタルのはずがない。
もちろん、ミスラでもない。
そして、エル白の想像の中で出来上がったのは、屈強なガルカモンクの巨体。
でも、
(こんなにタル獣さんがうれしそうに話すんだから)
きっと優しい人に違いない。
そうエル白は思った。
いかつい表情よりも笑顔の似合う。
大きな身体いっぱいに優しさの詰まった。
そんなガルモン。
小さいタル獣と、大きいガルモン。
凸凹コンビというのが、そのまま当てはまるような二人を想像する。
「いつもはどこで狩りをしてるんですか?」
聞いてみると
「えとね……とか……とか……」
だいたいの方向を指さしながら、いくつかの地名を上げるタル獣。
「ずいぶん広いんですね」
と感心するエル白へ
「うん。トラさんにのせてもらうから早いの」
笑むタル獣。
「…肩へですか?」
エル白が思い浮かべたのは、のっしのっしと歩くガルモンクの肩に、チョコンと座ったタル獣。
「あのね、ゆっくりのときは肩で、早いときは背中なの」
トラが歩いてる時は、首に掴まって肩に乗る。
速く走る時は後ろによって背中に掴まる。
激しく動く肩では、はね飛ばされてしまうから。
「背中…」
エル白が思い浮かべたのは、地響きたててつっ走るガルモンの背中にヒッシとつかまったタル獣。
「エル白さんものる?」
見上げるタル獣の瞳は期待に満ちてる。
緑の野、青い空の下、そよ風に吹かれて、ガルモンの両肩に乗るタル獣と自分。
それは、ちょっと少女っぽい想像。
だけどなんだか、とても楽しそうで気持ちよさそう。
「…トラさんが、よろしいのでしたら」
エル白の返事に
「うん!」
タル獣はとてもうれしそうにうなずいた。

465名無しの話の作者:2004/12/20(月) 03:49 ID:At773luE
もう日が登り始めた。
町の門を出入りする人影が少しずつ増えてくる。
町からだいぶ離れた窪地。
トラの巨体が伏せてる。
ひそやかに、気配を殺して。
太い骨と筋肉の塊だけど、トラの身体はとても柔らかい。
窪地にぺたりと伏せれば、ちょっと見には気づかれない。
そこは街道からも離れてるから、なおさら。
まれに、道を外れてやってくる者もいるけど、トラには気づかずに通り過ぎてしまう。
まだタル獣と出会ってない頃。
仲間が冒険者に襲われると、よくトラはこうして、町の近くで犯人を待ち伏せした。
で、後ろから肩を叩いて、
「虎ァ相手にするンなら、それなりの覚悟しとるンやろな…」
と囁く。
たいていの冒険者はそれで、泣いてゴメンナサイした。
もちろん、
「冒険者が虎殺って、なにが悪い!」
と戦いになる事も珍しくなかったけど。
もちろん、負けた事はない。
トラは、町の門を見てる。
朝焼けに照らされて町を出入りする人の姿は、アリより小さく見えるけど、トラの視力には、十分に見分けがつく。
タル獣はまだ出てこない。
ふと、思う。
タル獣が町から出てきたとして、どうしよう。
ほんとは、先に戻った方がいい。
迎えに行けば、多分、タル獣は怒るだろう。
「ひとりでこんなトコまで来ちゃだめ」と。
虎を狙う冒険者は多い。
タル獣と一緒にいるトラにも襲ってくる冒険者がいるくらい。
強大な体躯に似合った巨大な牙と毛皮は、それなりの価値があるから。
タル獣は、それをとても心配する。
けど、先に戻るのは、トラの方が心配になる。
さっきの様な事もあるし…。
でも、ほんの少し考えれば、答えは簡単。
途中まで後をつけて帰り、適当なところで先回りすればいい。
あとは、ずっと待ってたふりして
「おかえり」
でいい。
答えが見つかったところで、
「!」
タイミングを合わせたように、まちかねた姿。
門から出てくる人影の中の、ひときわ小さな影。
どんなに小さくても、見まちがえる事のない姿。
タル獣に間違いない。
タル獣は街道を外れ、まっすぐこちらへと歩いてくる。
隣には、共に歩く人影がある。
はるかに長身の姿。
エルヴァーンの女性。白魔導師。
まわりにいた人々はみんな街道を行く。
けど、エル白は、ずっとタル獣と一緒に歩いてくる。
二人は楽しそうに言葉を交わしてる。
(新しい友達なんか…)
そして、思い出す。
トラの記憶の中で、タル獣の友達たちに悪い印象はない。
みんな、元気で、明るくて、楽しい。
タル白、タル黒、タルシーフ、タル龍騎。
だれもトラを恐がらなかった。
タルシーフなんか、挨拶を交わすまもなく、トラの背に這い上がろうとしたぐらい。
タル龍騎は
「ボクの竜さんの方がすごいの」
とがんばってたけど、他のタルタルたちはタル獣をうらやましがってた。
こんなすごい虎さんと一緒なんだと。
ちょっと得意げなタル獣の顔が浮かぶ。
「…ちょっと、挨拶しとこか…」
トラはちょっとばかり予定を変更した。
ムクリ
起きあがり、トラ獣たちの方へと脚を向ける。

466名無しの話の作者:2004/12/20(月) 03:58 ID:At773luE
「…わたしもいただいてよろしいのですか?」
「うん!」
大きくうなずくタル獣。
「みんなで食べた方がおいしいの」
「ありがとうございます」
タル獣とエル白は、ぽくぽくと歩いてる。
話しながら、歩く。
歩きながら、話す。
新しい仲間、新しい友達が出来るのは、とてもうれしい。
トラさんと、仲良くしてくれたらいいな、とタル獣は思う。
心配いらないね、とも思う。
だって、トラさんは優しいから。
エル白さんも優しいから。
優しい人同士だから、きっと仲良くなってくれる。
タル獣には、チョッピリ自信があった。
と、
「?」
気づくタル獣。
遠く、かすかに、よく知った気配。
あれ?と脇を見る。
エル白も、つられて同じ方向を見る。
遠くに影。
こちらへ近づいてくる影。
だんだんと大きく。
「あー」
声を上げる。
それは、見まちがえる事のない姿。
「トラさーん」
大きく手を振るタル獣。
迎えに来てくれたんだ、と、うれしくて
こんなトコまで来ちゃって、と、少し怒って。
「あれがね、トラさんなの!」
ぼくのトラさんなのと、笑顔でエル白を見上げる。
けど
「!」
笑みが、こわばる。
見上げた先。
エル白の表情。
見た事ある。
トラさんと出会った冒険者のほとんどが、浮かべる表情。
驚き、怯え、恐れ。

「トラさーん」
タル獣が自分を見つけた。
手を振ってる。
つい、足が速くなる。

美しい毛並みは、狩人の矢を弾き
鋭い爪は、騎士の鎧を引き裂き
巨大な牙は、戦士の剣を噛み砕く。
虎。
死の獣。
それが、いる。
近付いてくる。
逃げて、とタル獣に叫ぼうとした時
「トラさーん」
とタル獣が呼んだ。
うれしそうな、声で。
(!?)
そう、獣使いだもの。虎を連れててもあたりまえ。
瞬間に理解する。
あの虎が…トラさん…。
タル獣の、優しいトラさん…。
逃げようとした自分を落ち着かせる。
踏みとどまる。
けど。
幼い子供が犬を怖がるように。
たとえ親に「大丈夫だよ」と言われても
たとえ噛まれはしないと判っていても
本能に近いところで怖がるように。
エル白はわき上がる恐怖を押さえる事が出来ない。
怖い、怖い、怖い!
身体の奥底から聞こえる叫び。
筋肉をしならせ、ゆるやかな流れのような静かなトラの歩み。
その一歩と共に、恐怖が近付く。
見えない何かが、エル白の身体を押し包んでいく。
ノドが乾く。
膝が震える。
「だいじょうぶなの。怖くないの」
足下から、心配そうなタル獣の声が聞こえる
けど、わからない。
なにを言ってるのか、判らない。
虎が近づいてくる。
目の前に、近づいてくる。
瞳が、黄金色の瞳が、自分を見下ろす。
そして、心が、悲鳴を上げた。

467名無しの話の作者:2004/12/20(月) 04:05 ID:At773luE
「トラさんといっしょにね、パンたべよー」
「甘くておいしいのー」
いくら話しかけても、エル白はタル獣を見てくれない。
青白い顔で、トラを見つめてる。
「エル白さ…」
伸ばした手が、服の裾に触れた瞬間。
「!」
エル白が、跳ね飛ぶように向きを変えた。
バサリ
袋が、落ちる。
パンが、転がる。
「あっ」
タル獣の、小さな、悲鳴のような声。
けど、エル白は振り向かない。
必死という言葉そのままに、
脱兎という表現そのものに、
町へと向かって走り去る。
止める隙も、声をかける隙もあたえずに。

立ちつくす、タル獣とトラ。
自分が失敗したのだと、トラは感じた。
誰もがタルタルたちと同じでは無いと、思い出した。
自分は獣なのだと、思い出した。
見下ろせば、小さな小さなタル獣。
「…」
なんと声を掛けようかと迷っていると、
クリン
振り向き、見上げてくるタル獣。
「おいしいパン買ってきたのー」
と、その顔には、満面の笑み。
「かえっていっしょに食べよーね」
散らばってしまったパンを拾い集めるタル獣。
「…」
困惑するトラ。
その背中へ
ヨイショヨイショ
と登るタル獣。
「かえろ、トラさん」
背中からタル獣の声。
「ええんか…」
問いに、返事はない。
脚を寝床の方へと向けるトラ。
はじめはゆっくりと。
徐々に歩速を上げる。
「トラさん」
「ん?」
「ぼくトラさん大好きだから。トラさんといるの好きだから…だから…」
タル獣の言葉は、だんだんと小さくなる。
「…ずっといてね…」

背中が温かい。
小さなタル獣の温かさが、黒毛を通して温かい。
背中が冷たい。
小さなタル獣の頬をつたうしずくが、黒毛に染みて冷たい。
「…」
だからトラは何も言えなかった。

−つづく−

468名無しの話の作者:2004/12/20(月) 04:12 ID:At773luE
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
24じゃないです。27です。
なんでまちがうのか…。
しかも、前にもやってしまった事あるような…。
あと、も一回だけ続きます。
たぶん、おそらく、そのはず…。
未熟者でごめんなさい。

469(・ω・):2004/12/20(月) 05:01 ID:P71Et4YE
はぁ(つД`)
いつもロムってましたが、今日は書き込みしちゃいます。

もう名無しさんの作品大好きです(*´∇`*)
そして、今回のはためいきが出るほど切ないですね。
沢山のタルちゃんの中で一番タル獣が好きです。可愛すぎっ!
続きをまったりと待ちます。
いつも心がふんわりと暖まる作品をありがとうなのです(*^-^*)
頑張ってください!!

470(・ω・):2004/12/20(月) 05:02 ID:P71Et4YE
ageちゃいました。ごめんなさい・゚・(ノД`)・゚・

471(・ω・):2004/12/20(月) 09:03 ID:QAlGNQNQ
このスレッド初めて見たのですが,物語の切なさにため息・・・.
とてもとても続きが気になります.

472(・ω・):2004/12/22(水) 11:37 ID:igskgTTc
名無しの作者さん以外反応ないっぽいので、壺に移転依頼を出してきますね。
一応sage固定とかは無しで。


以下、貼る予定の文章
---ここから

(1)FF11の板(壷) http://yy10.kakiko.com/ff11/
(2)涙たちの物語7 『旅の終わりは』
(3)http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/game/6493/1088379577
(4)デフォルトでお願いします
(5)sage固定なし

容量が512kをoverする可能性があります。
その場合は、新規にスレッドを作成するので過去ログとしての移転をお願い致します。

---ここまで

では、行って来ます。

473(・ω・):2004/12/22(水) 14:09 ID:LOHmxjxg
ここに新たなる旅の始まりを予言するものがいた。
その名を472

彼の残した足跡に続く者たちが
また新たなる冒険の物語を紡ぐのだろう。

旅はまだまだ終わらない

472さん ありがとうですm(__)m

474名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:05 ID:XuyPGJik
「名無しの話」の28 −思い・悩み 4−

どうして逃げてしまったの…。
時間がたって落ち着けば、わき上がる後悔。
タル獣さんは、あんなに優しかったのに。
あんなに嬉しそうだったのに。
怖かった。
虎が怖かった。
けれど。
タル獣さんは、言ってた。
トラは強いと。
トラは優しいと。
トラは家族だと。
…。
謝ろう。
タル獣さんに謝ろう。
許してもらえないかもしれないけれど…。
そして、エル白は町を出た。
タル獣を追って。

見つからない。
見つからない。
あのとき、寝床の場所は聞いてなかった。
けれど、狩り場は聞いた。
エル白は、そこを探して回った。
幾日も、幾日も。
白魔導師一人では、とても危ない所もあったけど、それでも探して回った。
でも、見つからない。
出会った冒険者に聞けば、
さっきいた
あそこにいた
と言うのに。
探せばやはりいない。
避けられてるようにさえ思えてしまう。。
それでもエル白は探す。
一生懸命に。

何日かして。
もう、どこを探せばいいのか判らなくなったエル白に
「ねーねー、あなた、タル獣探してる?」
声をかけてきたのは、初めて見るエルヴァーンの二人組。
見たことのない茶の服。赤らんだ鼻はカゼでもひいてるのだろうか。
「みつからないんだろ?」
「…はい」
うなずくエル白。
「だったらね、……を探すといいよ」
「そこに絶対にいるから」
「見つけてあげてねー」
言うだけ言って、さっさと行ってしまうエルヴァーン二人。
それは、ずっと北の地名。
雪に閉ざされた険しい土地。

475名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:09 ID:XuyPGJik
一面の銀世界。
急斜面。
「がんばれ、もうすぐだぞ!」
「止まるな、休むな、寝たら死ぬぞ!」
「がんばれー」
腰まで雪に沈んで、それでも声を掛け合って進むパーティーがいる。
あと数百メートルで斜面が終わる。
頂の向こうに、彼らの目指す場所がある。
と、聞こえてくる、かすかな声。
何人もの若い女性の声。
楽しそうな子供の声。
「「「「「「!!」」」」」」
顔を見合わせる一同。
「がんはれー!!」
一気に元気になる。
ドザザザザザー
ものすごい勢いで雪をかき分けていく。
空気の雰囲気が変わる。
温度が変わる。
匂いが変わる。
もう少し!と思った瞬間。
頂の向こうから、ヌウッと影。
「げっ」
凍りつく六人。
「な、なぜ虎がこんな所に…」
それは、白銀の世界にあまりに不似合いな巨大な獣。
「すまんな、今日は貸し切りや」
なんだか、どこかの用心棒みたいにすごむトラ。
「ふざけるな!俺たちがここに来るまで、どれだけ苦労したと思う!」
「そうだ!」
「臆するな!たかが獣ごときに我々の崇高な意志を妨げる事は出来ない!」
「殺っちまえ」
次々に剣を抜く。
しゃーないな、とトラが一歩踏み出そうとしたとき。
「みゃ?」
とトラの背後からのぞく。
「げ」
再度凍りつく六人。
邪竜の血瞳が、パーティーを見下ろす。
「みゃう?」
焼く?ときかれて
「やったり」
あっさりうなずくトラ。
直後
グオオオオオーー
業炎がパーティーを包む。
「あちゃちゃちゃー」
「ぢゃー」
あっという間に焦げ焦げの六人。
さらに。
ゴゴゴゴ…。
炎でゆるんだ雪が滑り始める。
いわゆる、な・だ・れ。
「どわーー」
「ちくしょーー」
巻き込まれて流されてく六人。
たぶん、麓までとまらない。

目指す場所はまだ遠い。
手が冷たい。
足が冷たい。
もう身体に感覚がない。
腰まである雪は、永遠に続く壁のよう。
それでも、エル白はあきらめない。
麓で聞いたから。
トラの背に乗って山を登っていくタル獣を見たと、聞いたから。
足を踏み出す。
会って謝る。
雪に踏み出す。
タル獣に謝る。
一歩を踏み出す。
トラに謝る。
その思いで、重い一歩を踏み出す。
冷たい一歩を踏みしめる。
冷え霞む瞳で頂を見上げる。
と、変化。
はるか先、銀の斜面がぼやける。
なに?
そして、音。
違和感。
直後、エル白は白い奔流に飲まれていた。

476名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:13 ID:XuyPGJik
「えーっと…」
少し困ったような声。
「どうしようか…」
赤鼻のエルヴァーン二人の見下ろす先には、麓まで流れて落ち着き始めた雪崩。
いろんな物を巻き込んでる。
樹の枝葉にまじって、何人かの手足も見えてる。
「いくらなんでも、これは…」
「ねえ…」
うなずきあう二人。
雪面にしゃがみ、素手で掘り始める。
けど、手足が見えてるのとは、全然違うところ。
バサバサバサ
ものすごい勢いで雪を掻き分けて、現れたのはグッタリしたエル白。
それを引っ張り出そうとして、
クシュッ
くしゃみするエルヴァーン。
瞬間。
ポンッ
小さな音と共に、エルヴァーンが消える。
かわりに現れたのは巨大な角をもつ四つ足の獣。
「あれ?」
ブルブルっと身体を振る獣。
ポンッ
再びエルヴァーンに戻る。
「なにやってんの」
「ごめんごめん」
頭をかきながら、エル白を助け出す。

分厚く積もった一面の雪の中、一カ所だけ雪がない。
かわりに、岩の地肌に湯気を上げる液体が溜まってる。
その、独特の匂いの中に、身をひたした人影。
「どうにゃ、気持ちいいにゃ?」
と耳をヘンニャリさせたミスラ。
「あたたかいのー」
「きもちいいー」
とタル白タル黒。
「にゃ〜、星芒祭は温泉にかぎるにゃ〜」
意味がよくわからない。
「いい湯だが、よくこんな所に温泉が湧いてると知っていたな」
肩までしっかりとつかってるエル騎士。
「にゃ〜、ここは秘湯中の秘湯にゃ。知ってるのは温泉マニアぐらいにゃ」
「ミスラさん、温泉マニアなの?」
深い方へ行って、立ち泳ぎしてるタル獣。
「違うにゃ。マニアから情報仕入れたにゃ」
「へへー、仲介したんだよー」
プカプカ平泳ぎなんかしてるタルシーフ。
ぷりぷりお尻が揺れていく。
縁の方は浅いのだけど、中の方はタルタルにはチョト深い。
だから、ついつい泳いじゃう。
「ゆっくりつかって疲れを落としたら、次は御馳走にゃ」
ミスラが示す先には、飲み物や食べ物がたっぷりと用意されてる。
「あとで、プレゼントタイムもあるにゃ」
「え…プレゼント?…あぶぶく…」
慌てて溺れそうになるタル龍騎。
「大丈夫か」
タル龍騎の脚をつかんで引っ張り上げるエル騎士。
「アタシが用意したにゃ。スポンサーもいるにゃ」
チラリと隅で湯につかってる獣人を見るミスラ。
えへへ…と、そっと照れ笑いする獣人五人。
と、
「そこっ!」
突然声を上げるミスラ。
「「!」」
ビクッと身を縮めるタル白タル黒。
「湯にタオルはつけちゃダメにゃ!マナー違反にゃ!!」
湯の中で、泡を作って遊んでたタオルを慌てて持ち上げる。
「…あれはー?」
タルシーフが指さす先には、ゆ〜ったりと湯に横たわるトラと竜。
「毛皮と鱗は別にゃ」
判るような判らないような。
「にゃ、トラさん、さっきのどうなったにゃ?」
「ああ、雪崩と一緒に下って行ったわ。もうこんやろ」
「みゃあ」
うんうんとうなずく竜。
「じゃ、安心にゃ」
ミスラは満足そう。
「あの…ね」
控えめに声がかけられる。
「にゃ?」
クリンとそちらを向くミスラ。
温泉の隅の方にいるヒュム戦。

477名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:17 ID:XuyPGJik
「もちょっとそっち行ってもいいかな…」
あんまり隅だと、浅すぎて寒い。
「却下にゃ。こっちは男子禁制にゃ」
言い切るミスラ。
「でも…」
と視線を向けるヒュム戦。
「トラさんは、虎にゃ。男じゃないにゃ」
「じゃあ…」
「あっちは獣人にゃ。男じゃないにゃ」
「む…」
「タルちゃんズはタルタルにゃ。男じゃないにゃ」
「…」
何となく納得しづらいものがある。
「んー、オレはぁ?」
ヒュム戦と一緒に隅にやられてるガル戦。
ある意味、ガル戦も男じゃないような。
「ついでにゃ」
ドボッと湯に倒れ込むガル戦。
「……」
チロッとエル騎士へ視線を向けるヒュム戦。
けど、エル騎士はいい気分で湯につかってる。
ヒュム戦の方を見もしない。
「はぁ…」
ため息ついて、空を見るヒュム戦。
と、
なんかある。
空に。
タルタルたちのぱしゃぱしゃに混じって、なんか聞こえる。
シャンシャンシャン…
鈴の音?
そして。
ヒュルルル…
落ちてくる。
なんか、落ちてくる。
ザッパーン!!
温泉の真ん中に、派手な水柱…いや、湯柱。
「きゃー」
「みー」
「うわー」
「な、なんにゃ!?」
ザザザー
雨のようにお湯が降り注ぐ。
呆然とみんなが見つめる。
落ち着いたあとに現れたのは、
「あーエル白さんー?」
グルグル目を回したエル白。
「知り合いか?」
裸なのに、どこから取り出したのか、盾で湯を避けてるエル騎士。
「うん。どうしたのー?」
ばしゃばしゃとエル白に泳ぎよるタル獣。
「あ…え…」
自身、何がなんだか判ってないみたいなエル白。
けど、目の前のタル獣に気づく。
「タル獣さん、タル獣さん!」
「んきゃっ」
ギューッと抱きしめる。
「ごめんなさい。ごめんなさい!」
「んゃ…」
ギュギュー
「わたし、あやまりたくて、どうしてもあやまりたくて…」
「ゃ゛…」
ギュギュギュー
「エル白さん、エル白さん、タル獣ちゃんつぶれるにゃ」
「あ、ご、ごめんなさい」
ミスラに言われて、慌てて手を離すエル白。
意外と情熱家みたい。
「だいじょうぶー」
とタル獣。
「私、タル獣さんにあやまりたくて。トラさんにもあやまりたくて」
「?」
「逃げたりして、ごめんなさい。いくらあやまっても許してくれないかも知れませんけど、タル獣さんとも、トラさんとも、仲良くなりたいんです」
真剣な表情でタル獣を見つめるエル白。
「いいの」
プルプルと首を振るタル獣。
「エル白さん会いに来てくれたから、とてもうれしいのー」
にっこりと笑む。
「ありがとうございます!」
再びギュューーっとエル白。
「トラさんもいるにゃ」
と虎の方を示すミスラ。
「あ、はい」
そちらを見て
「え…」
固まるエル白。
確かに、トラがいる。
温泉につかってトラがいる…のだけど。
お湯に濡れた毛が、ピッタリペッタリと肌に張り付き、隆々とした筋肉が浮かび上がった巨体は迫力倍増。
けど、もう失敗はしない。

478名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:19 ID:XuyPGJik
「トラさん…」
意を決して、近寄る。
「…ごめんなさい…。ゆるしていただけますか…」
「タル獣がええんなら、ワイはかまへん」
「それじゃあ…」
「タル獣が泣かんかったら、それでええ」
言葉はちょっとそっけない。
けど、黄金の瞳の光は優しい。
「ありがとうございます」
近くで見れば、お湯に濡れた毛が、ピッタリペッタリと肌に張り付き、髭の様に垂れ下がった顔は、迫力半減。
「普段のトラからは絶対に想像できない姿だろ」
とエル騎士。
「こんなトラさんだったら、怖くないにゃ」
うなずいていいのか、迷うエル白。
「でも、どっちも同じトラさんにゃ。でも、気づかない人は多いにゃ」
「…」
「にゃ、真面目顔はおいといて、新しいお友達いらっしゃ〜いにゃ」
と笑顔を向けるミスラ。
「にゃ〜。エル白さんも服脱ぐにゃ。みんなで星芒祭温泉パーティーにゃ」
「は?」
「脱ぐにゃ、剥ぐにゃ、とっぱらうにゃ〜」
「ええ〜?」
ばしゃばしゃとにぎやかな水音。
「えーっと…手伝おうか?」
ドガーン
余計なことを言ってしまったヒュム戦の顔面にエル騎士の盾がめり込む。

シャンシャンシャンシャン…‥
ソリが滑る。
雪も氷も無い場所を。
遙かな空を。
今宵は聖夜。
すべての人々に良い刻を。

「…で、俺たちは誰が助けてくれるわけ?」
「…さあ…」

−おわり−

479名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:27 ID:XuyPGJik
ごめんなさい、ごめんなさいm(_ _)m
イブには間に合いませんでした。
日が変わっちゃいました。
あと、相変わらずヒュム戦が不遇です。
来年は幸せになれるかなぁ…。

480(・ω・):2004/12/25(土) 09:33 ID:I3PRuEks
名無しキタ━━━━━━!!!!
乙です!面白かったyo-!

481(・ω・):2004/12/28(火) 09:05 ID:r4eYR11.
;;

482★テレポツヴォ★:2004/12/28(火) 14:42 ID:WHMInAFo
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