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涙たちの物語7 『旅の終わりは』

478名無しの話の作者:2004/12/25(土) 09:19 ID:XuyPGJik
「トラさん…」
意を決して、近寄る。
「…ごめんなさい…。ゆるしていただけますか…」
「タル獣がええんなら、ワイはかまへん」
「それじゃあ…」
「タル獣が泣かんかったら、それでええ」
言葉はちょっとそっけない。
けど、黄金の瞳の光は優しい。
「ありがとうございます」
近くで見れば、お湯に濡れた毛が、ピッタリペッタリと肌に張り付き、髭の様に垂れ下がった顔は、迫力半減。
「普段のトラからは絶対に想像できない姿だろ」
とエル騎士。
「こんなトラさんだったら、怖くないにゃ」
うなずいていいのか、迷うエル白。
「でも、どっちも同じトラさんにゃ。でも、気づかない人は多いにゃ」
「…」
「にゃ、真面目顔はおいといて、新しいお友達いらっしゃ〜いにゃ」
と笑顔を向けるミスラ。
「にゃ〜。エル白さんも服脱ぐにゃ。みんなで星芒祭温泉パーティーにゃ」
「は?」
「脱ぐにゃ、剥ぐにゃ、とっぱらうにゃ〜」
「ええ〜?」
ばしゃばしゃとにぎやかな水音。
「えーっと…手伝おうか?」
ドガーン
余計なことを言ってしまったヒュム戦の顔面にエル騎士の盾がめり込む。

シャンシャンシャンシャン…‥
ソリが滑る。
雪も氷も無い場所を。
遙かな空を。
今宵は聖夜。
すべての人々に良い刻を。

「…で、俺たちは誰が助けてくれるわけ?」
「…さあ…」

−おわり−


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