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ウェストファリア体制の次にくるもの

1ヤスツ</b><font color=#FF0000>(RqRGbk8w)</font><b>:2003/02/24(月) 00:38
「現在の国際社会とは、中世社会を終わらせた30年戦争の反省から、互いの国家をそれぞれの国内に対しての主権を持つ対等な存在とし、それぞれの国内問題には介入しないことを約束したウェストファリア条約を母胎としてできあがった、ウェストファリア体制社会である。
アメリカは、この【他国の主権に介入しない】というウェストファリア体制から見れば、奇形的存在の新興国である。
アメリカの【自国自衛のための先制攻撃の正当性】を肯定した場合、400年続いたウェストファリア体制は崩壊することになる」

壱学生さんのご説明にたびたび登場する「ウェストファリア体制とアメリカ」ですが、もしこの約半世紀の総ざらえとして、アメリカの行動がウェストファリア体制に基づく国際秩序を不安定にさせるとしたら、次の新秩序にはどのようなものが考えられるのでしょうか?
ウェストファリア条約が結ばれた頃は、「大国同士の長期に渡る激突が、戦争の危機を生む」ということで、互いに内政に干渉し合わない小国がたくさんある世界が生まれたのではないか、と思うわけですが、「大国による小国への内政干渉」「テロという手段の効果の実証」「大国による制裁の正当性と実効性」など、400年前と今日とでは事情もずいぶん代わってきています。
という話を、一朝一夕で答が出るとはさすがに思っていないのですが、もしウェストファリア体制の次に新しい秩序が生まれるとしたら、どのようなものが生まれる可能性があるのでしょうか?

最善の一種類だけとは思えませんので、いろいろなスタイルが考えられうると思いますが、もしよろしければ、皆様の予見なさる「次の新秩序の可能性」について、ご意見を伺えればと思います。

2国家主義者(改め)柏葉英一郎</b><font color=#FF0000>(HCOHd/MU)</font><b>:2003/02/24(月) 22:14
>>1

アメリカによる「一極覇権体制」ですかね。
少なくとも経済分野においては、ほぼそうなっていますし。
あとは他の分野も少しずつ征服していくと。
もちろん、軍事方面もそうで、今でさえ世界中が束になってかかってもアメリカには勝てません。
今はイラク、北朝鮮、アルカイダなどの反乱勢力の掃討に乗り出しているのではないでしょうか。
よく言われる「パクス・アメリカーナ」ですね。
モンゴル帝国をも凌駕する大帝国の完成によって、新秩序が出来るのではないかと。

3壱学生:2003/02/28(金) 20:23
>ヤスツ氏
これは非常に難しい問題提起です。
まず規範論(「あるべき」論)で語るのか実体論(「こうある」論)なのか、と言う問題。
さらには規範論を置いておくとして、可能性のみで話すとしても、です。
これがちゃんと語れるなら、いますぐ大学教授にでもなれるでしょうね(笑)。
どれくらい難しいかと言えば「世界を平和にする方法を考える」のと同じくらいの難易度です。

とは言え、この問題は政治学を学ぶ者や国際情勢を観察する者の誰もが一度は考える問題であり、
その意味では「回答」は出せなくとも「回答する際に考えなければいけない事」を考えるだけでも意味のある事だとは思います。

で、僕が取り合えず考えつくだけでも、大きく分けて三つの分野について考えなければならないでしょう。
それは
1、安全保障 2、経済 3、理念・政治思想  についてです。
(これはざっと僕が考えついただけですので、おそらく他の分野もあるでしょう)

今回は「安全保障」について、>>2にある「アメリカの一極覇権体制」とからめて考えてみる事にしましょう(その内気が向いたら他の事に付いても考えてみます)。

「ウェストファリア体制」以前の古典的帝国の場合でも、それ以降の大英帝国のような近代的帝国の場合でも、
結局の所「帝国の過拡張(オーバーストレッチ)」という問題からは逃れる事ができませんでした。
この「オーバーストレッチ」という問題は要するに、安全保障上重要だが経済的な利益が少ない場所から帝国が手を引けなかった事が全てです。
仮にアメリカの一極覇権が実現するとして、アメリカがその轍から逃れる事ができるのか否か、それが一つの論点となるでしょう。

悲観的に考えるならば、アメリカは結局歴史を繰り返し秩序は崩壊、新たなる覇権国ができるまで(その過程での世界戦争により)無秩序になるでしょう。
逆に楽観的に考えるならば、アメリカはRMAに代表される情報技術の恩恵により低コストでの覇権確立・世界支配を実現して秩序がもたらされるかも知れません。
僕には将来どちらに転ぶのか、予見する事は正直できません。
(この論点は機会があれば後で触れる「世界システム論」の観点とも絡んでくるでしょう)

それとももしかしたらアメリカも過去の事例に学び、19世紀のような古典外交の立場をとり、結局「ウェストファリア体制」に順応するかもしれません。
僕の個人的な(根拠の無い)予想を言えば、世界各地で手痛い授業料を払ってアメリカがこの観点になって、
「アメリカ主導ではあるが大国間の協調」による秩序が成立するのでは、と考えます。

4たまちゃん</b><font color=#FF0000>(Ob/ersYQ)</font><b>:2003/02/28(金) 21:53
漠然として、これといったものが思い浮かばないのですが、他国への国内問題の介入を行えば、「自国の事は自国で解決するので要らんお世話だ」と、なりそうですね。現にそういう声も出ていたようですし。

で、理想論に過ぎないことは重々承知で書きますが、「国境を無くす」「宗教を新しいものにして一つに統一する」「文化を共有する」「資源を共有する」・・・・でしょうか。
なかなか、富を得て優位な立場にある者からすれば、不満が出てくるかもしれないし、直ぐには無理な事も重々承知で書きました。こうなるには、まだかなりの年月を要すると思われます。

5ヤスツ:2003/02/28(金) 22:45
「あるべき論」と「こうなる論」は、どちらもそれなりに興味があります。
「こうなる論」については、「古い帝国が崩壊した時代」と「現代」で、インフラ及びハードウェアで異なるモノは何か?をよくよく考えてみないと、答は出にくいかもしれません。
情報伝達速度、情報(経験と知識)継承確率は、古い時代の帝国に比べれば格段の進歩を遂げているのは事実です。(冬になると戦争ができなくなる時代とか、電報の翻訳が遅れると宣戦布告が間に合わない時代に比べて、情報を得る速さの高速化、情報そのものの量の増大、判断に要する時間の短時間化が進んでいることは、ソフトウェア(宗教、文化など)とは別に考えたいところです。

「風土(自然環境、気候、血など)」に大きな変化は起きないと仮定するなら、このまま人類がそれぞれ持っているソフトウェア(宗教、文化)に大きな変化は起こらず、これに起因するトラブル(戦争であるとか、秩序の形成方法であるとか)は、過去のものを参考にできそうです。
その意味で、「過去の帝国が陥ったジレンマをアメリカ帝国も繰り返す」可能性は大きいですね。確かに。

「我々は過去の時代より進化した時代にいる」
とはよく聞くフレーズなのですが、男と女のトラブルが万年オーダーで繰り返されるのと同様、直面した問題に対処する当事者の寿命は短く、何万回繰り返されてきたシチュエーションであっても、その当事者にとっては初めての経験ということになります。
やはり、ソフトウェアにだけ立って考える限り、「歴史は繰り返される」、時の輪は閉じていると考えたくなるところです。

6ヤスツ:2003/02/28(金) 23:06
>>4
たまちゃんさんのご意見は「あるべき論」のほうに依ってくるのかな? と思いました。
そちらのテーマはどうしてもSFになっちゃうんですよね(^^;)

ちなみに「国境を無くす」「宗教を新しいものにして一つに統一する」「文化を共有する」「資源を共有する」ですが、暫定的に実現している場所がありますね。
アメリカではサイバースペース、日本ではインターネットと呼ばれている場所。
まず、国境がありません。文化は実質的に共有されていると言っても過言ではないと思います。共有のためのインターフェースとして、インターネットに接続される限りは「英語の壁」というか、インターネットの標準語である英語と無関係ではいられません。
意志疎通の方法として、同じ日本語を喋っているもの同士ですら意見の対立があるわけですから、同じ英語をしゃべれたくらいで意見の対立がすべて氷解するとは思いませんが、少なくとも「文化交流」「他国・他人の持つ文化資産に関する知識を共有するための足がかり」としての言語の標準化は、有意義かつ効果的です。
(ただ、言語の統一というのは、文化の共有だけでなく、文化の消失を呼ぶ危険性も持っています。アイデンティティを消失させて安定した秩序に参加することに是を唱える人ばかりではないと思います(by映画「マトリックス」)。)

>>5でものべましたように、宗教は「風土」が生み出す、その風土にあった「行政統治手段」ですから、地球の風土がすべて均質(または別の前提に基づく同じ条件)にならない限り、統一された宗教は出てきづらいでしょう。
ただ、これは宗教とは異なると思いますが、10年前の湾岸戦争と911テロのときに、「人類がひとつの方向を向くことができるかもしれない可能性」というのはかいま見えた気がします。
いずれも「フセイン」「テロ」を、それぞれの時の政府が「共通の敵」と認識したことです。
「村八分を行うことで、仲間はずれにされなかった側の一体感、共同意識を醸成する(by司馬遼太郎「菜の花の沖」)」という効果があることは古くから知られています。日本における「クラスでのいじめ」も、「いじめる側に参加することで、いじめられる側をスケープゴートに残りの全生徒が一体感を持つ」という、少々ネガティブではありますが、相通じるものを感じます。

既存の宗教は「共通の敵」に対して力を合わせることを唱えたものが少なからずあります。
これは、「一族・民族の共同、協力」を正当化し、仲間意識、共同体意識を向上させ、共同体内での諍いを、「共通の敵と対峙すること」を理由に抑止するというものです。

日本はかつて300の藩(くに)に分かれて存在してました。徳川幕府体制というのは、「徳川王国」ではなく、あくまでも「徳川連邦」です。
が、それが「日本というひとつの国」になり、藩同士が剣先を向けあう必然を消滅させたのは、「日本列島(徳川連邦)の外にある共通の敵・脅威」を知ったからです。
となると、極論になりますが、「各国が国益・私益を棚上げにして、同じ共同体の中の一員の意識を強く持ち、相互に剣を向けあう必然性を消失させる(共同体の中の平和)」ためには、地球・人類にとっての共通の敵が「必要」ということになります。

SF映画でこのテーマが多いのは、単にアクションシーンの需要というだけでなく、「こうあるべき=地球人類はひとつになるべき」を達成しようとすると、どうしても「共通の、人類の存在そのものを脅かす敵(宇宙人とか怪獣とか)」が必要となります。また、それは「特別な講習・学習・理解を必要としなくても、一瞥しただけで言葉・習慣・思想・年齢・性別・階級と無関係に共通の危機感を感じられるもの」でなければなりません。

宇宙人が襲来してくるようなSFに世界政府が存在しているのは、「地球人がひとつになるために、宇宙人が必要」という逆説的な必然からそうなっているのかもしれません。
この「人類共通の敵を得て人類が一致団結」というのが私の考える「人類がひとつになるあるべき方法」のベストに近いものなんですが、同時に人類滅亡の可能性も持ってしまうため、あまりオススメできません(^^;)
このテーマを追求した映画、漫画、ゲーム、アニメ、小説は、数限りなくありますので、特に挙げません。個人的に気に入っているのは、アメリカのTVドラマ「V」ですが(^^;)

7ヤスツ:2003/02/28(金) 23:36
ちなみに、「こうなったらきっとおもしろい」という、少々勝手な観測をば。

民主主義政治では、多数決の原理によって有権者の代表意見を束ねた政党・政治家による政権ができあがります。
で、アメリカという国もこの原理に基づいて直接大統領を選出してきた国です。

ここに日本の「外国人参政権」の話も絡んでくるのですが、もし、ある政党が自党の議会での発言力を武力に依らずに増そうと思ったら、手っ取り早いのは「票田の確保」「有権者の拡大」です。
公明党がなんだかんだ言って安定した数字を出しているのは「創価学会」という安定票田がバックにあるからなわけでして。
となると、もしアメリカのある政党が「自国内での選挙に勝つために、有権者の総数の底上げを必要とする」ことになり、そのためにアメリカの「州」を増やすことに前向きになったらどうなるだろう、と思って。

例えば、ハワイ(を例に挙げるのはいろいろアレですが)がそうであるように、アメリカ連邦に加わりアメリカの一員になることで、太平洋の孤島での安全保障を手に入れる。同時に「ハワイ州」として、アメリカ大統領選を左右する投票権の一翼を担う……という、小国が、今後出てこないとも限りませんよね。
ようするに「パクス・アメリカーナ」の考え方をさらに膨らましているだけなので、別にオリジナリティはないと思うのですが……。
州としての独自性(州法によって緩やかながら独自性・独自法制を持てますし、アメリカは州ごとに「州兵」という独自武力の保持も認めていますし)をある程度保つことが保障され、そのうえ「世界最強のアメリカ大統領を選ぶ権利を持つ」。

そういう条件を「魅力」と見て、「アメリカに52番目以降の【州】として参加することに名乗りを上げる、独自の安全保障に自信のない国」が増えていったら……。
これを「侵略」と見るか「併合」と見るかはわかりませんが、「安全保障が手に入り、アメリカ経済圏に参加でき、世界を動かす大統領を選出できる」というメリットを「プラス」と考える国がないとはいえません。

で、その調子でどんどん「アメリカ連邦加盟国」が増えていって、最終的に地球には「アメリカ連邦」だけになっちゃう(笑)
そうすると、「アメリカ国内=地球」の大統領選は「選挙」で行われることになるわけで、実質的な世界政府を地球市民が選挙で選べるようになります(笑)
国連の場合と同様(ていうか拒否権はないけど)、大人数をかかえる州も少人数の州も「1票は1票」なわけで、中国やインドが参加しても、「10億人のインド州」や「8億人の中国州」からいきなりインド人や中国人のアメリカ大統領が出るかどうかはわかりませんが、何年かかけて「アメリカ」全土に散らばっていったら、いつか「マハラジャ大統領」や「マオ大統領」なんてのが出るかもわかりません。ペルーで「フジモリ」大統領が出たように。

ついでに言うと「アメリカ連邦国内=地球」になったら、地球での紛争は全て「戦争」ではなく「犯罪」の扱いになりますね。警察大活躍。
大統領の選出方法が「大統領を努める能力・資質を持っているものの中から、大統領になりたがっていないものを大統領としてランダムに選び、大統領としての仕事をしっかりこなさないと、大統領を辞めさせてもらえない(byアーサーCクラーク「地球帝国」)」だったりすると、私としましてはなおケッコーなわけですが。

8たまちゃん</b><font color=#FF0000>(Ob/ersYQ)</font><b>:2003/02/28(金) 23:43
SFですか。地球人をまとめる為の共通の敵は宇宙人ですか。
なるほど、まさにSFですね。笑。

ふと思ったのですが、そうなれば、そのうち宇宙人類は一つなんて言う恩仁が出てきそうです。まとめる為に共通の敵を作るべきではないみたいな。理想ですが難しいです。

本来言いたいのと少し違うようですが、今の段階では、結果としてSFですね。しかし、それしか思い浮かびませんでした。とりあえず、思いついた事を書きました。

では、次を考えますね。後日書きます。(なんだかネタばかり並び立ててしまいそうですが、すみません。)

9ヤスツ:2003/02/28(金) 23:52
>>8
>宇宙人類はひとつ

断言します。絶対に出てきます(^^;)
その意味では、問題を先送りにして「宇宙のどこかにいる平和で善良で温厚な宇宙人の画期的解決方法に期待する」という逃げ方もないではありません(^^;)
おっとーさんという別のBBSで活躍されている反戦平和主義者の方の持論で「反戦平和主義は、具体的な解決方法を提示せずに問題を先送りにすることで、未来へ向かって逃げ続ける(ヤスツ註:そして、いつか棚ぼた的な解決方法を誰かが考えつくまで、開戦までの時間稼ぎをする)」というのがあるんですが、「全能で善良な宇宙人のサロンに入れて貰おう」と言い出す人も必ず出てくるでしょうね。

そうでなければ(宇宙人はおらず、宇宙に人類ひとりぼっちと仮定して)、「地球が有限だから、パイの取り合いが発生する。パイが無限に拡大されれば、限られたパイを奪い合う争いはなくなる」という考え方もできます。
つまり、「人類の人口は今のままか、それ以上に増えるが、それを上回るペースで地球(もしくはそれに相当する環境、資源)が拡大する」ということです。
これもSFになっちゃいますが、「月面開発」「火星開発」「太陽系開発」と進んで、途中でやっぱり「惑星国家」とかできたりコロニー落としがあったり(^^;)、人類は「無限に続く砂場」をもらっても、隣のガキが作った山を蹴散らしながらでなければ、広がっていけない種なのかもしれません。

というわけで、「あるべき論」「こうだったろおもしろい論」は、どうしてもSFになってしまうので、「こうなる論」に軸足を移して考えてみたいと思いますが、猫がキーボードの上で足踏み運動を続けているので(^^;)、続きはまた次の機会とさせてくださいm(__)m

10緑装薬4</b><font color=#FF0000>(aL5K3vps)</font><b>:2003/03/01(土) 12:40
>7
そらいいアイデアだわな(笑)

特定の国を自由にするにわ、自国がその国に組み入れられて「選挙権」持って
しまえばええんだわなぁ。

究極の「間接侵略」だわな。

イカフライさんに教えてあげたいねぇ(笑)
#アメリカの意思を変えるにわ、アメリカの選挙権手に入れること

11中葉:2003/03/02(日) 11:53
「ウェストファリア体制の次にくるもの」という言葉を聞いて私がすぐに思い出す
のは、昔フォリン・アフェアーズで読んだ同じ趣旨の以下の論文です。

Power Shift by Jessica T. Mathews
http://www.foreignaffairs.org/19970101faessay3739/jessica-t-mathews/power-shift.html

パワーシフト グローバル市民社会の台頭 Power Shift ジェッシカ・マシューズ
http://www.foreignaffairsj.co.jp/yoshi/9703.html#power

もはや「ウェストファリア・システム」の絶対性はすべて解体しつつある。
インターネットに象徴される高度情報化時代にある現在、オカネ、情報、汚染、
大衆文化といった資源や脅威が重要性をましながら拡散し、「政治的な境界線に
は殆ど関係のない形」で人々の生活や経済を規定しているからだ。新たな問題の
多くがトランスナショナルな性格となり、国際コミュニティが何に対して関与す
べきかという概念も広がりを見せているため、国家がもつ力では十分な対応がと
れない状態にあり。これを補完するかのようにNGOや市民団体が台頭し、多国
間機構への関心も高まっている。

全く容易ならぬ、人類史上最大の危機に突入したものです。

ちなみにこの論文の著者は現在、今をときめくJessica Tuchman Mathews
President, Carnegie Endowment for International Peace
http://www.ceip.org/files/about/Staff.asp?r=18
カーネギー国際平和財団の理事長です。

だからアメリカ帝国は手ごわい。

12ヤスツ:2003/03/02(日) 17:31
>>11
インターネット草創期(90年代初頭から日本への普及が進んだ94〜5年あたり)に、けっこう言われたことなんですよね。
インターネットが国境を無意味なものにする、っていうの。

実際には技術の無作為な発達→恩恵と脅威の拡散→既存の秩序維持体制(政府とか警察とか)が現状に追いつかない、というある種のアナーキーな状態が作り出されたわけで、Warezが飛び交いニュースグループに死体写真と幼女ポルノが飛び交っていた頃が、いちばん「インターネットが無法の荒野(=開拓大好きアメリカ人好みの西部のフロンティア状態)」だったんじゃないかなあ、と。

で、そうした「国境を無意味にするもの」というインフラを生み出したのはアメリカ陸軍のARPAネットなわけで、インターネットの発展(根幹に関わる)は、いつもアメリカ主導で進められ、ネットバブルはアメリカに起こり(笑)、今なお「インターネットに後から参加するアメリカ以外の全ての国」には、ファーストドメインとして「jp」「uk」「fr」「ru」「ch」など、国名を表示しているにもかかわらず、創始国アメリカのみは「ファーストドメインの国名表記がない」。
便宜上の問題ではあるんだけど、これについてはかつての競争国ロシアも、現在の対立国フランス・ドイツも、未来の冷戦相手の中国もクレームを付けていない。
インターネットはもはや必要不可欠な「発明」のひとつで、それに参加することはイヤがおうにも「アメリカの用意した土俵」に「英語」で上らなければならない、ということを示している。

基幹的な技術に関しては「デファクトスタンダード」という形での普及はないではないですけど、それぞれを手がけてるのもみんなアメリカ系企業で、日本やヨーロッパ圏の国が自国言語と自国技術で主導しているネット技術ってあまり聞かないですよね。

思えば、飛行機もヘリも車(発明したのはダイムラーだけど、普及させたのはフォードだし)も電話もTVも、そしてインターネットも、20世紀に人類に定着した技術のほとんどはアメリカ生まれ。
ウェストファリア体制の次のシステムを、あの国が「発明」する可能性は極めて高いという説にも頷けます。

「世界規模の共通のインフラであるインターネットを拡張・支持するための【方法論】と【プロトコル(=通信上のプロトコルだけでなく、使用第一言語を英語にしたという点も、言語というプロトコルをいち早く抑えた、と言えるでしょう)】を握っている」
という厳然たる事実は、依然アメリカが「先頭を走っている」ことの現れかもしれません。

ただし、フォード(BIG3)が日本車に破れたり、ヘリの分野ではソ連のほうに優れたものがけっこうあったり(ハインドとか)、電話の技術は今ではイスラエルやスウェーデンのほうが上だし、携帯普及率では日本もあるし……てなことを考えていくと、「先頭切って突っ走るのはアメリカだけど、他国はその後を付いていくことでアメリカ以上の恩恵を得られる可能性は今後も常にある」と思います。
「またアメリカかよ!」と悲観することもないのかな、と。

13緑装薬4</b><font color=#FF0000>(aL5K3vps)</font><b>:2003/03/02(日) 20:19
>ヤスツさん

アメリカ→「欲しい」と思ってから、行動する。
日本→「できる」と思ってから行動する。

この違いだと思うがな。

アメリカは、「こういうのが欲しい」と思うと、それに向かって突き進む。
日本は、「こういうものがあれば、こうできるよな」と思って行動する。

「夢見がち」な人間を、日本は嫌うからねぇ(笑)

14<未入力>:2003/03/03(月) 08:58
ヤスツ氏は軍事板のヤスツ氏ですか?
人違いならすみません

>>13
確かに……
だけど、未来を作るには多少の夢と冒険も必要……
しかし、国家財政がヤバい今の時期には夢や冒険をする余裕は無いだろうな……
財政健全化が早期に実現される事を期待します

ニュートリノみたいな研究がもっと増えれば良いね
将来は大きな果実となって跳ね返って来る

15ヤスツ:2003/03/03(月) 17:06
>>14
軍事板にはほとんど行きません(書き込みをあまりしていません)が、自衛隊板の反戦スレには申し送りなどで書き込んでいます。

>>13
収益が上がるのに時間がかかるものは日本では嫌われ、投資がすぐに回収できる工夫や発明は、競合他社がどかどか参入してあっという間に「市場」を形成する。
これが日本型。
収益がなかなか上がらないものに「チャレンジ」するが、実用化されたときの収益は桁違いにでかい。特許権・アイデア保護などで権利を独占するので競合他社が参入しづらく、健全な市場の形成が行われにくいので司法省が強くなる(笑)のがアメリカ型

以前、この手のテーマが話題に上がったとき、
「アメリカはカーボンファイバーを使って航空機を開発する。ジャンボが売れるまでに時間はかかるが、その収益、間接利益(利用者の)は計り知れない」
「日本はカーボンファイバーを使ってゴルフボールを開発する。ゴルフボールはすぐに売れるので収益の回収にかかる時間は短い(金額は少ないが、ジャンボと違って数が売れるのでリスクは低い)」
という例えを聞いたことがありましたが、緑装薬4さんの仰るところの「国民性の違い」を、具体的に言い表した一例かもしれません。

16緑装薬4</b><font color=#FF0000>(aL5K3vps)</font><b>:2003/03/04(火) 20:13
>15 ヤスツさん
第二次大戦のときの兵器開発のスタンスが、それなんだよね(笑)

アメリカは「中国大陸から日本本土を爆撃できる飛行機が欲しい」といって
B29を開発したんだけど、当初のB29は、ターボ部分の磨耗が激しくて
1回の飛行でエンジン交換(笑)してたらしい・・・

翻って日本は「日本本土からアメリカ爆撃できる飛行機があればいいなぁ」
といって、富嶽とやらを開発しようとしたけど、既存の飛行機を組み合わせて
作っていたので、結局出来なかった。

まあ、資源やら工業力やらちうもんはあるだろうけど、見ていてそう思うわなぁ。

17ヤスツ:2003/03/13(木) 04:31
昨今、どうしても「アメリカ対世界」という図式が際だってきてますね。
で、「アメリカの孤立」というのがニュースなんかで際だって報道されてるんですけど、アメリカって本当に孤立してるんでしょうか?
人口10人の国でも、人口10億人の国からも、国連にいけば同じ数の代表を出してきてるわけで、その中で見るとアメリカだけが……って見えますけど、「アメリカの影響力」が「国連の決定」を上回る(例えば新決議無しの武力行使の実施など)ことが証明された後、アメリカと対立した各国は、アメリカに対してどれほどの「制裁」が可能なのでしょうか。

EUとロシアと中国が束になってアメリカに経済制裁を科すことは可能でしょうか?
その場合、余波はアメリカに同調した日本にも及ぶでしょうか?
イラク後(すでに後を見込んでいますが)、アメリカはイラクを3分割して復興、文民統治すると言ってますが、その復興事業(もちろん新油田開発事業も含まれています)に、「米英の決議案に反対した国(=特にフランス)は入れない」という法案(=アメリカ議会)の話も出てるそうです。
日本はアメリカに同調することで、アメリカのおこぼれを頂戴するチャンスが得られる可能性があります。
そうなれば、「景気も回復するだろう」という期待もありそうです(小泉首相に)。

そうなったとき、閉め出されたEU&ロシア、中国はアメリカと日本をどうする、どうできるでしょう。
もし、アメリカのイラク攻略が成功し(というか、フランス、ロシア、中国がフセインに加担してアメリカと戦わない限り、アメリカの敗戦というのは想像付かないんですが)、フセインが死ぬか捕縛されるか追放されるかしたとして、戦後になってからアメリカに尻尾を振る中小国がたくさん出てくる可能性も捨てきれないような……(EUに新加盟する国々はアメリカに期待を寄せているらしいですよ。やるといったらやるところとか)。
そうなったら、「国際連盟の崩壊後に国際連合が生まれた」ように、「国際連合はそのままに、アメリカ主導の新国際連合と旧国際連合が対立する可能性」というSFめいた妄想もしたくなってしまいます。ハイ。

その場合、日本は「どっちの国連に入るか」ですね(^^;)
「旧国連に引き留めたいなら常任理事国に入れろ。拒否権付きでな」
「新国連に入るからおこぼれ下さい」

18難民:2003/03/13(木) 12:56
こっちでも横レスしてみますです(一回だけね)。

経済制裁:今までも米国は食料・鉄鋼などの面で税率・輸入基準を変えることでかなりの
制裁を行ってきたし、されてることもあります。米国のイラク攻撃の動機の一つには米英メ
ジャーを通しての世界コントロールがあるでしょう。特に将来に国力を伸ばすだろうアジア諸
国(+露)は中東オイル価格を操作すれば米国コントロール下における。特に中国はオイル備
蓄が極端に少ないようですから、これは効くはずです。

欧州:ブッシュ政権が成立したばかりの頃にネオコン理論家のケーガンという人がヨーロ
ッパはすでにその影響力をすっかり喪失した、何の役にもたたん見たいなことを書いてた
ようです。でも現実的には、米国と違って未だに産業構造の実態を失っていない共通通貨
を持った欧州は米国にとっての脅威となりうる。それで米国はNATO、トルコ、東欧諸国に
色目(金目なんですが)を使ってEUの分裂を狙う。EUは市場としては認めても政治力
とは認めたくないわけです。
とにかく世界一をなんとしても維持したいんですね。

米政権にヘイヘイと言わない国々は何を考えているのか?
近隣戦争・紛争・テロに慣れさせられた国々はブッシュが考えている世界統一が可能だと
は思っていない。一国主義は危険であることを知っている。米国からの圧力が想定されて
も一緒に戦争して得するとは思えない。選挙対策も考えるでしょう。日本みたいに平和的
選挙民は少ないですね、世界的に見て。あと“戦後”がある。かなりこじれるでしょう。
そんなモンの責任は取りたくないですよ。
もう一つには米国経済転落の可能性があります。自転車操業の米経済は双子の赤字と外資の
逃げが本格化すれば簡単にポシャルでしょう。他国が今まで抱え込んでたドルの何割かでも
ユーロにシフトすれば(これはリスク回避としては正論)それだけでも米経済は大きい痛手を
受けるはずです。ただ高くなったユーロで欧州産業はすでにかなり息切れしてますが、、。

世界各地で生産したものをドルを使って再分配して生きてるアメリカです。国際機関との協調
をないがしろにしたら再分配も困難になるでしょう。
それにイラクの件では見事に信用を落としてます。信用なしでは“商い”はできないと思うん
ですが。。
軍事制覇の行きつく先は自分が生きてく場所=地球破壊に今では簡単に行っちゃえるんで、これ
はSFにとどめておいて欲しいと希望いたします。

ところで今の日本では判官びいきというのはもう流行らないんでしょうかねー。

19ヤスツ:2003/03/14(金) 14:18
>>18
国民レベルでは未だ「判官贔屓」は生きているようにも思いますが、ただ、「そんなことより聞いてくれよ、オレのことを」という風が強まる(他人のことを構っていられる余裕がなくなる)ようであれば、判官贔屓も薄れてくるのかもしれません。

さて、日本についてちょっと考えます。
美濃部博士の「天皇機関説」というのは、「天皇をエンジンに見立て、舵取り自体は天皇以外の執権(天皇の補弼者である内閣)が行う」としたものだったと記憶しています。
これには「輔弼者が天皇を籠絡している」「天皇は舵取りができない盲目だ」という揶揄が含まれているとして、当時はずいぶん叩かれたと言いますが、叩かれ始める前はわりと「そういうものだ」という通常の認識だったらしい、というのを、1年ほど前になんかの本で読んだのですが、元本を忘れてしまいました(^^;)
で、同時に「日本は、天皇ではなく輔弼者が政治を行い、その責任を取る。つまり、輔弼者が何度失敗しようと、そのたびに輔弼者を交換するだけで、全体(=総体)は維持される」という前向きな解釈もあります。

武家が征夷大将軍や関白になって政治を執り始めたあたりからずっと、日本人は「政権交代」にけっこう慣れている。
また、江戸は大火災の経験が多く、大正にも震災、そして昭和には戦災を経験している。でも、同じ場所にまた同じ都市を造っている。
「何もない所にイチから別のものを作る」ような土地利用上のゆとりがあまりないせいで、「同じ場所に何度も同じ都市を作り直す」ということを、何世代にも渡って経験している。

戦災からの復興は震災からの復興の経験があったからできたことで、震災からの復興は江戸の大火からの復興の経験が下地にある。
大火の復興以前の「戦国時代の戦争」というのは都市攻防戦ではないので(通常は野戦ですね。攻城戦もあるけど、城下町というのは平和が長くないと発展しないものだし)、「災害から都市を復興させる」という経験が根付いたのは、江戸の大火前後からだろう、と推測できる。

脱線しました。
少し戻りますと、「日本は復興慣れしているのではないか。そのことが行動を起こすときの根幹にあるのではないか」と言いたかったのでした。
アフガン復興、イラク復興など、アメリカが破壊し、日本が復興する。破壊は恨みを買うが、復興は(条件次第では)歓迎されるしウケもいい。(善意を示すのにも適していると同時に、復興ビジネスの甘い汁も吸える)

これは「日本は復興を視野に入れているからエライ」とかそういうことをのべたいわけではありません。
戦争はどういう形でアレ今後も繰り返されるだろうと思います。
重要なのは戦後なわけで、「復興需要」というのは、日本が介入しかつ国際貢献をアピールできる重要な項目なのかなぁ、と。

復興には破壊者が必要なわけで、復興(=やり直し)の前段階としての破壊を肯定的に見るか見ないかが、「反戦論者と利益論者」の境目なのかな、と想像してみました。

「大量破壊兵器を持つ世界の破壊者」を、「大量の戦力を持って破壊する世界の破壊者(^^;)」というのが現在の図式ですが、破壊のあとに再生・復興、線の引き直しを遂行する能力の有無から、ふたつの破壊者の性格を推し量ってみるのもおもしろいのかもしれません。ハイ。

20中葉:2003/03/30(日) 14:23
できることなら私は、日本は利益論者になって欲しいと思います。そうなればいよいよ、
「ウェストファリア体制の次」の時代の幕開けですね。

21中葉:2003/04/13(日) 12:47
そうは思うんだが、大勢の赴くところ、世界最終戦争はもうすぐ終わり
不滅のアメリカ帝国が半世紀続きそうですね。みなさん!

その根拠は「イラク攻撃パクス・アメリカーナの分析に日本が出てきてギョギョ!」
The President's Real Goal In Iraq
http://www.jca.apc.org/~altmedka/aku389.html

22中葉:2003/05/24(土) 06:13
Power Shift ジェッシカ・マシューズ http://www.foreignaffairsj.co.jp/yoshi/9703.html#power
の最後で彼女は以下のように言っています。

======================================
「国家の解体と進化」
もし現在のトレンドが続けば、50年後の国際システムは大幅に変化しているだろう
し、この移行期には、ウェストファリア・システムとその進化形態のシステムが両脇
にそれぞれ位置しているであろう。

国家パワーの衰退は結局は一時的な現象になるのだろうか?国家政府への現在の失
望感は、そうした考えが喚起されるとともに急速に悪化していく可能性がある。グ
ローバリぜーションが今後も続き、(ある臨界点に達すれば)過激な経済、文化的
ナショナリズムによる逆襲を招くかもしれない。あるいは、逆の見方をすれば、政
府がうまく扱えない問題の解決を助けることで、ビジネス、NGOそして国際機構
は、実際には国民国家システムを強化しているのかもしれない。(後少し続く)
======================================

私のこの後の発言も、槁と時を改めることとします。

なお、ジェッシカ・マシューズの現況については以下を参照ください。
http://www.ceip.org/files/about/Staff.asp?r=18

23中葉:2003/07/14(月) 03:37
ジェッシカ・マシューズの予言の的確さは、ナイの新論文「アメリカ帝国の虚構―ソフトパワーを損なう単独行動主義の弊害」 http://www.foreignaffairsj.co.jp/intro/0307Nye.htm でも以下のように例証されます。(一部引用)


 情報革命と技術的変化は、(国境を問わない)トランスナショナルな問題の重大さをますます高め、非国家アクターが世界政治で大きな役割を果たすことを必然とした。数十年前なら、各国政府、あるいは多国籍企業やキリスト教会といった世界的大組織を例外とすれば、即時的なグローバル・ネットワークを確立するのは組織にとっても個人にとっても経済的に不可能だった。米ソでさえも、上空からの秘密衛星写真を撮るのに、かつては膨大な資金を投入していた。だがいまなら商業衛星からの上空写真は、わずかなコストさえ払えば誰でも入手できる。インターネットの誕生によって非政府組織(NGO)が世界的に連絡を取り合うのも簡単になった。一九九九年十二月の世界貿易機関(WTO)閣僚会議で、千五百のNGOが「シアトルの戦い」を組織するために連絡を取り合えたのも、情報革命と技術的変化があったからこそだ。

 厄介なのは、テロリストたちも同様に、情報革命・技術的変化の恩恵を手にしていることだ。テロリズム自体は何も目新しくはない。だが、この数十年における「技術の民主化=拡散」によって、テロの致死性が高まり、作戦もきめ細かなものとなり、このトレンドは今後も続いていく可能性が高い。ヒトラーやスターリンといった二十世紀の病んだ指導者たちが大量殺戮を行うには、政府の力と権限を利用する必要があった。一方、二十一世紀のテロリストたちが大量破壊兵器(WMD)を手にすれば、社会のはぐれ者集団や個人が、膨大な破壊力を思いのままに行使できるようになる。国家を中心とする伝統的分析に従えば、「テロを支援する国を罰すれば問題は解決する」ということになる。たしかに国に対する懲罰策もテロ問題を緩和する助けにはなるかもしれないが、これでは、すでに破壊的な技術を入手している個人の試みを阻止できない。

24中葉:2003/12/20(土) 12:28
>>17 昨今、どうしても「アメリカ対世界」という図式が際だってきてますね。で、「アメリカの孤立」というのがニュースなんかで際だって報道されてるんですけど、アメリカって本当に孤立してるんでしょうか?

>>21 大勢の赴くところ、世界最終戦争はもうすぐ終わり不滅のアメリカ帝国が半世紀続きそうですね。みなさん!

「ならずもの国家アメリカ(講談社 2003年11月20日発行)」を今朝アマゾンの宅配便で入手し、これからボツボツ読むところです。

開巻、巻頭p.12に以下の文章が飛び出します。
“2003年2月24日月曜日の『ワシントンポスト』紙は1面に、世界の多くの人々はジョージ・W・ブッシュ大統領をフセイン以上に世界平和の脅威と考える、という記事を掲載している。これはなにも、イラクをどうするのかという論議から急に降って湧いた話ではない。ロンドンの『ガーディアン』紙にこんな記事が掲載されている。
「“かけがいのない国”であるはずのアメリカは今や究極のならず者国家の様相を呈しつつある。ブッシュのアメリカは、国際社会を率いるどころか、いよいよそれと対峙する決心を固めているようだ。丘の上にある輝く町ではなく、(中略)聞こえてくるのはナショナリズムの鈴の音だ。我々アメリカはやりたいようにやる、(中略)それが気に入らないのなら仕方あるまい("A Dirty Business: Mr. Bush Has Put U.S. Credibility on the Line." The Guardian. March 30. 2001,p.21)」、
と。この記事は昨日書かれたものではない。2001年春にアメリカが、地球温暖化防止のための京都会議議定書を拒否した時のものである。”

私はボツボツ始めますから、皆さんの積極的なご意見によって議論が進むことを期待しています。

25中葉:2004/02/11(水) 23:39
>>22 私のこの後の発言も、槁と時を改めることとします。

マシューズの要約をやり直します。

もはや「ウェストファリア・システム」の絶対性はすべて解体しつつある。インターネットに象徴される高度情報化時代にある現在、おカネ、情報、汚染、大衆文化といった資源や脅威が重要性をましながら拡散し、「政治的な境界線には殆ど関係のない形」で人々の生活や経済を規定しているからだ。新たな問題の多くがトランスナショナルな性格となり、国際コミュニティが何に対して関与するべきかという概念も広がりを見せているため、国家がもつ力では十分な対応がとれない状態にあり、これを補完するかのようにNGOや市民団体が台頭し、多国間機構への関心も高まっている。こうした中で、国民国家がそれ以外を支配するという体制は弱まり、NGOに一方的にバランスが偏った「パワー・シフト」が起きている。多元化は市民社会の実現という意味で好ましい面もあるが、その逆に、民主的な統治を混乱や膠着に陥れる危険も秘めている。しかし、中世における皇帝、王、君主、騎士、法王、大司教、ギルド、町は、帝国を包み込む世俗的な力をもとに生活していたわけで、このシステムは、帝国崩壊後の階層的で厳格な国民国家秩序よりも、むしろ、市民団体、国際機構、国民国家という三次元のネットワークからなる現代により似通っていた。しかし、この結果が吉と出るか凶と出るかは、これからの舵取りにかかっている。ビジネス部門がより広範な政策上の役割を担いうるようになること、NGOがより視野を広くし、さらに大規模な活動を行えるような存在に変貌すること、国際機構が、国家にも市民にも効率的な社会サービスを提供する二重の舵取り役を担えるようになること、とりわけ、今日におけるトランスナショナルな課題に対応でき、透明度の高い民主的な統治を求める市民の願いをともに満たすような新たな機構と政治単位が登場することが含まれよう。

26中葉:2004/05/30(日) 23:29
今日、5月30日付け朝日で、アラン・ジョックスが「共和国論」でインタビューに答えている。
聞き手は朝日編集委員 中川 謙氏。

質問:あなたは現代の混迷を「新中世」と表現しています。抜け出す道はあるでしょうか。

回答の一部:非政府組織(NGO)は中世の騎士団にたとえていい。
病者を助け、貧者に食料を配る英雄的な集団だった。
新しい世界秩序の将来を見通すのが絶望的な中でNGOは、希望を見いだせる数少ない存在だ。

どうも、彼がやっつけているアメリカ人のマシューズよりも、甘い議論のような気がする。

27中葉 ◆Uq4tWGbn2I:2005/12/30(金) 10:16:28
トリップ付け直して見ました。

28中葉 ◆22bKXenR5Q:2006/02/09(木) 08:51:55
>>26
から1年半経ったが、「ウェストファリア体制の次にくるもの」は、
「ウェストファリア体制の以前に戻るもの」、つまり、中世であることがはっきりしてきた。

しかし、案外、暗黒でなく、明るいような気がする。

29中葉 ◆22bKXenR5Q:2006/02/26(日) 10:38:26
「ウェストファリア体制の以前に戻るもの」、つまり、中世の新バージョンは、国連の言う「持続可能な発展」であることが見えてきた。

いよいよ日本政府も重い腰を持ち上げて、
「持続可能な開発のための教育の十年」
http://www.esd-j.org/documents/DESDIIS_Final_JapanesebyESD-J.pdf
に着手し、意識改革と取り組む破目に陥ったようです。ご同慶のいたりです。

http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6797
に以下のアナウンスがありました。
私は意見を申し上げましたが、皆さんも注目して下さい。

平成18年2月3日
わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画案に対する意見の募集について

 「国連持続可能な開発のための教育の10年」関係省庁連絡会議では、わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画案に対する国民の皆様のご意見を募集いたします。
 同実施計画案に対してご意見をお持ちの方は、平成18年2月23日(木)までに、電子メール、郵送、FAXのいずれかの方法によりご意見をお寄せ下さい。 1 趣旨
 わが国の「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画については、関係省庁の緊密な連携を図り、
 総合的かつ効果的な施策の推進を図るため、昨年12月、関係省庁連絡会議を内閣に設置し、政府外の関係者(教育関係者・産業界・NPO・自治体等)との円卓会議等を通じ、
 検討を行ってまいりました。
 同実施計画案に対する国民の皆様のご意見を募集いたします。

2 意見募集の対象
わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画案(別添)

3 参考資料
参考1わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画案(概要)
参考2国連持続可能な開発のための教育の10年について
参考3国連持続可能な開発のための教育の10年に係る経緯
4 意見提出締切日
2月23日(木)(消印有効)

今回は期限切れですが、次回は遅れないように、皆さんにお知らせします。

30中葉 ◆22bKXenR5Q:2006/05/19(金) 06:04:35
わが国における「国連持続可能な開発のための教育の10年」実施計画案については、
http://www.env.go.jp/press/file_view.php?serial=7674&amp;hou_id=6797
をご覧下さい。

要は実践です。

31中葉 ◆22bKXenR5Q:2006/11/12(日) 05:40:27
>>29 「ウェストファリア体制の以前に戻るもの」、つまり、中世の新バージョンは、国連の言う「持続可能な発展」であることが見えてきた。

民主党 (アメリカ) - Wikipediaによれば、

一般的に共和党が新保守主義の立場を取るのに対して民主党はリベラリズムの立場を取る。
また環境問題や人権・福祉に関して「共和党」より積極的な政策を取る。
アル・ゴア元副大統領は2006年に地球温暖化に関する映画に出演し、話題になった。
現在の民主党の主流派の多くがリベラルと同時に中道左派であることを公言しており、
中道寄りの自由主義、または社会民主主義である第三の道に近いと言ってもよい。

中略

共和党ブッシュ政権の二期目の中間選挙である2006年11月の選挙では、
ブッシュ政権がイラク問題や所属議員のスキャンダルで強い批判を受けていることから、
事前の世論調査では民主党が共和党を支持率でリードし、
議会での多数派を形成することも視野に入るとされ上院・下院の両院において巻き返しが予想されている。

2008年の大統領選では、クリントン元大統領の妻で、よりリベラルとされる上院議員のヒラリー・クリントンが本命候補の一人とされている。

32中葉 ◆22bKXenR5Q:2006/11/12(日) 05:41:21
冷泉彰彦氏 JMM [Japan Mail Media] 「民主党と上手に付き合う方法」 によれば、

民主党は少数野党として、戦時の団結ムードにも押されて大変な「冷や飯」
を食わされました。その結果として、一方的に理想を説いているだけの傲岸な姿勢で
は人心を得るのは難しいこと、反対のための反対も、怒りに身を任せた反対も外から
見れば見苦しい姿を晒すということ、など貴重な教訓を学んできたのだとも言えるで
しょう。これに加えて、善悪二元論から自由な若い世代も育ってきています。

 そんな民主党との、あるいは民主党的なカルチャーとのパイプを太くすることで、
日米関係を更に豊かにする、そんな時代がやってきたのだと思います。現在の彼等は
「聞く耳」を持っています。それに対して、とにかく語りかけてゆくこと、説明して
ゆくことが大変に重要ではないかと思うのです。

 とにかく民主党的な人々は「大まじめ」です。例えば「北村透谷(明治の思想家)
の自殺が日本の民主主義の脆弱性の良い例ではないか」とか「『サンリオのキャラク
ター』の幼児性の奥にあるのはイノセンスへの希求ではないのか」などと「知日派」
を自認するような人々は、面倒なことをたくさん質問してきます。お願いですから、
大まじめで応対してあげてください。「美しい国」日本を良く知って世界に紹介する
というのは、そういうことも含まれるのです。ちなみに私は「サンリオ」の話は条件
つきで「イエス」ですが、北村透谷うんぬんは「ノー」だと思っていますが。

33中葉 ◆22bKXenR5Q:2007/03/25(日) 11:17:47
マックスウェルの学説は、現在の状況を見るのに必要な状況をまさに提供している。
彼の指摘によれば、もっとも単純な物質系においてさえ、
彼が特異点と呼ぶ瞬間がごく稀に出てくる。この特異点においては、
無限小的に小さな力が、 出来事の全体的配置の中でのその特徴と位置によって、
ちょうど一つの小石が地すべりの始まりとなるように、
ほとんど信じがたいほどのマグニチュードの変化を ひきおこすことができる。
この教説は、歴史における人間の個性の直接的衝撃というものを考慮する余地を認めている。
たんに大衆運動による衝撃だけではなく、適時、適所に身をおいて、
適切な目的を実現するために介入しようと目をみはっている個人や小集団による衝撃である。
そのような瞬間――それは明らかに仏陀、イエス、マホメットの実例を説明してはいないだろうか――には、
たった一人の人間の人格が、抵抗できないかのように見える諸制度の慣性にうちかつ場合が生じうる。
幸いにも、マックスウェルの指摘によれば、系(システム)が高級、かつ複雑であればあるほど、
特異点の生じる頻度は高くなる。物質系よりも生物系におけるほうが特異点は多く生じ、
蟻の生活より人間の生活のほうが多い。従って、いまなにが可能であるかについてのわれわれの感知力は、
既知のもの、典型的なもの、予見できるものにもとづけば、
まず絶対に不可能としか思えないものについても正当な考慮を払っていなければ、
本当は健全だとはいえないのである。 (L.マンフォード“人間―過去・現在・未来:下巻”、pp.101-102)

34うろちい:2007/04/02(月) 00:23:33
こういう考え方は好きだけど、揺らぎは中立的なので、揺らぎを当てにしてある行動を起こしても、
そして、おこさなくても、
結果が求めるようになるのと、正反対の結果に成るのとは、確率が半々なので、
実は、何の啓蒙にもならないのが泣き所です。
「意識の力が、確率に偏りを与える」様な超能力みたいなものが、
こっそりと想定されているのでしょうね。

35うろちい:2007/04/03(火) 11:49:29
ところで

「たった一人の人間の人格が、
抵抗できないかのように見える諸制度の慣性にうちかつ場合が生じうる。」

「ちょうど一つの小石が地すべりの始まりとなるように」
という例えは適当とは言えない。
なぜならば、地滑りという結果は、それが始まる前にポテンシャルとして
定まっているから。

「たった一人の人間の人格が〜」で表現されているのは、小石を斜面に上向きに叩き付ける
ことにより地滑りを上向きに起こすような奇跡です。

これが起こるためには前回の投稿では
「確率を変化させる超能力」
が必要だと僕は言いましたが、
「入力のベクトルの方向を保存したまま、
ベクトルの大きさだけを増大させ出力させる連鎖反応系」
が存在することでも説明つきますね。

36うろちい:2007/04/03(火) 11:56:49
「適時、適所に身をおいて、 適切な目的を実現するために介入しようと目を
みはっている個人や小集団による衝撃」

これはどっちなんでしょうね。

社会に十分にポテンシャルが蓄積しているのであれば、小さな力でも、
大きな現象が顕在化するわけで、仏陀の出現は、一見、大きな影響を人類に及ぼした
偉大な存在の出現ですが、人類の偉大な英知の山の頂上にたまたま収まった
だけかもしれません。

科学的には、仏陀による影響は、仏陀を取り除いてみないと判りません。

ひょっとしたら仏陀が小さな頃に事故で死亡しても、別の仏陀が現れたかもしれません。
それとも、仏教の全く無い現在に至るのか。

そんなことをつらつらと考えては、僕個人が社会への働きかけと、個人的な幸福の追求
とを、どういう風にバランスさせるのか、日々悩む訳です。

37中葉 ◆22bKXenR5Q:2007/04/16(月) 07:24:23
うろちい さん、

> そんなことをつらつらと考えては、僕個人が社会への働きかけと、
> 個人的な幸福の追求とを、どういう風にバランスさせるのか、日々悩む訳です。

これが人間の常であり、生きているという現実そのものではないでしょうか?

また、仏陀のことは正確にはわかりませんが、
私が信じている親鸞や、近くは清沢満之になるとその自筆の記録によって良くわかります。

現在生きている人は、雑音が多いので良くわかりませんね。私は一応所属している東本願寺教団には、全く見当たりません。

情けないです。

21日は三河別院で開催される蓮如上人五百回に出席しますが、全く期待するものはありません。

38中葉 ◆22bKXenR5Q:2007/04/21(土) 14:01:23
行って来ました。お説教の間、野間 宏著「親鸞」を読んだので、結構充実しました。

39中葉 ◆22bKXenR5Q:2007/12/21(金) 23:17:45
ウェストファリア体制の次にくるもの

何だろう?俺かもね!

40中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/02/23(土) 17:12:32
「ウェストファリア体制の次にくるもの」、
それはどうも、John Friedmannには見えているようだ。
Planning in the Public Domain: From Knowledge to Action
http://www.amazon.com/Planning-Public-Domain-John-Friedmann/dp/0691022682
に良く描かれている(ようだ!?)

私も早く読み、理解し、皆さんに報告しなければ!

42中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/05/23(金) 05:44:16
いよいよ、ようやく、
Planning in the Public Domain: From Knowledge to Action
の実践を開始しました。

いわば第三ステップの開始です。

(1)マックス・ウェーバー

 文化発展の最後に現われる「末人たち」にとっては、次の言葉が真理となる
のではなかろうか。「精神のない専門人、心情のない享楽人。この無のもの(ニ
ヒツ)は、人間性のかつて達したことのない段階にまですでに上り詰めた、と自
惚れるだろう」と。
 ・・・・われわれのなすべき仕事は、以上の素描でその一端にふれたにすぎな
い禁欲的合理主義の意義を、さらに社会-政治的倫理の内容について、すな
わち、私的集会から国家にいたるまでの社会的諸集団の組織と機能のあり方
について、明らかにしていくことだろう。その次に、禁欲的合理主義の人文主義
的合理主義とその生活理想や文化的影響に対する関係、さらに哲学上ならび
に科学上の経験論の発展や技術の発展に対する、また精神的文化諸財に対
する関係が分析されねばならないだろう。
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」岩波文庫版 pp.366,368)

43中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/05/23(金) 05:47:42
(2)カール・マンハイム

その内面的な意味は別としても、これからさき、動的宗教は社会秩序の中で次のよ
うな三つの重要な機能をもっている。すなわち(1)過渡期の社会を診断すること、
(2)重要な問題に注意を焦点づけること、および(3)社会生活のいろいろのレベルで
人間の行為を統合すること。*

*注。ここでマンハイムの原稿は切れている。しかしながら、著者は進歩的な宗教
のこの統合的機能を精巧化する意図があったのかどうか、このことについての指示
は残されていない。(編者)”

(「自由・権力・民主的計画」 未来社版 p.516)

44中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/05/23(金) 05:50:22
(3)ジョン・フリードマン*)

第7章ではオルタナティブな開発を批判的に検討し、非政府機関の役割の増大を吟
味し、それらの機関が国家と貧困者の間に立つ官僚組織になったら(実際そうなって
いるものもある)どうなるかを考察した。そして外部の機関からの関与を受けない、コ
ミュニティに基礎を置く闘争を肯定的に評価した。

最終章では、貧困、排除、「力の剥奪」は貧困国だけでなく、富める国でも存在するこ
とに注意を促し、特に第三世界におけるオルタナティブな開発の経験が富める国に対
して示唆している問題を提起した。

*) ジョン・フリードマン著、斉藤千宏他訳「市民・政府・NGO」 1995、新評論社版 p.29、
John Friedmann: Planning in the Public Domain: From Knowledge to Action, 1987, Princeton UP

45中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/06/07(土) 05:25:57
ジョン・フリードマンにその2ができました。

(3.2)ジョン・フリードマン:問題解決

オルタナティブな開発にはラディカルな実践が必要であり、実践は適切な理論によって
方向付けられなければならない。以下に列挙するような構造改革の理論によるバック
アップと媒介とがなければ、ラディカルな実践は定着できないであろう。 *)
1.資本主義社会の構造的問題(人種差別、父権社会、資源枯渇、貧困、疎外など)
2.システムの暗黒面を繰返し再現する現実を批判的に解釈する。
3.対抗し、改革する運動がないとしたら社会がどうなるかの未来予想チャート
4.解放のための実践に基づく望ましい詳細な未来イメージを練り上げる。
5.多くの人が望む未来の実現に対する既得権側からの抵抗を克服する最善の戦略を
提案する。

*)John Friedmann: Planning in the Public Domain: From Knowledge to Action, 1987, Princeton UP, p.389
http://www.amazon.co.jp/Planning-Public-Domain-Knowledge-Action/dp/0691077436

46中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/09/12(金) 16:00:08
「ウェストファリア体制の次にくるもの」が何であるかは大体わかりましたね。

次は、「ウェストファリア体制の次にくるもの」を実現するにはどうしたらよいかです。

次は、実践論・矛盾論でも読みますか?

(4)毛沢東とは古いですね。

47中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/10/26(日) 13:57:31
しばらくでした。

48中葉 ◆22bKXenR5Q:2008/11/24(月) 23:21:14
米国も大統領が替り、ようやくウェストファリア体制の次を現実的に論じることができるようになりました。

皆さん、元気を出しましょう!

49中葉 ◆22bKXenR5Q:2009/01/28(水) 22:55:20
私は、国際関係に詳しくないので、ジャック・アタリの助言を引用します。

朝日新聞グローブ (GLOBE)|Meets Japan―世界と日本を考える ジャック・アタリ
http://www.globe.asahi.com/meetsjapan/090112/01_02.html
でアタリはこう言っています。

“日本には80年代、世界の中心都市となるチャンスがあった。
当時の日本は、世界に対して大きな関心を抱いていた。
だが、世界の中心となるためには、「普遍化」という使命を担わなければならない。
つまり、世界に向かって開かれること、世界を支配しようとする欲望を持つこと、世界から関心を持たれることだ。

80年代に日本が選択したのは、そのような道でなかった。
日本は、外国人を受け入れない道を選んだ。
米国の企業をいったん買収し始めたものの、バブル崩壊の処理に手間取り、
内にこもってしまい、自分たちだけの世界で生きていこうとするようになった。
並はずれた技術力があるにもかかわらず、官僚の特権維持にこだわった。
この開放性の欠如によって、日本は世界の中心になる機会を逃してしまった。

日本がチャンスを生かせなかったのは、ひとえに開放の精神を欠いていたから、というほかない。


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