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椿姫彩菜とセメンヤで考える、性について

64新党日本支持者:2010/02/17(水) 22:45:52
>>50
>極少数派が反対することで頓挫少なくとも停滞する道路工事が如何に多いことか。公共の福祉の名の下に,もっと積極的に個人のエゴを抑制して機動的に道路建設を断行して欲しい所。

これは面白い視点ですね。
一見保守的な意見のようですが、個人の所有する土地に関する権利を制限せよという左派的な視点をも含んでるとも言えると思います。
話はやや異なりますが、僕なんかは景観を守る住民運動なんかには否定的です。
建物をどうデザインするかは、その土地と建物の所有者にあるべき、と考えますから。

>実際問題,男向け女向けのアンケはある訳で,美容院だの化粧品だの販促用のティッシュを男女差別はあかんと云う事で男にも女にも配らねばならない世の中というのも大変かと。差別や個人の実態を重視する方向は良いけど一般には存在している男女差を魔女狩りするような傾向になると行き過ぎだと思います。

こちらに関しては、ジェンダーフリーに関する議論でよく出てくる「ジェンダーレス」の話ですね。
リバタリアニズムに基づいた僕個人の考えですが、
公的部門は特定の性的価値観からできるだけ中立的であれよというものなので、
不当・不公平に性同一性障害者のみを優遇せよと主張している訳ではないです。
また、民間が行うことを制限するべきだとも思いません。
レディースデイなんかは、私企業の自由な営業権の範疇にあるものだと思いますし、
特定個人が女性であるか否かは、その企業側に認定権があると看做します。

>名前は文化ですから大事にしたいです。何桁かの番号で免許証なり保険証なり発行されても疎外感を強めるだけだし,覚えにくく更に咄嗟の判別もしにくく,そのような莫大なコストを社会で負担するのはバカバカしいとさえ思います。

病院でプライバシー保護目的で希望者に番号呼び出しシステムを導入している事例を知っていますが、
特に問題は起きていないようです。具体的にどういった事例を想定されているのでしょうか?

65新党日本支持者:2010/02/17(水) 22:54:30
捕捉しますと、一部の例外を除いて、
公的機関(例えば公立学校の教師など)は、
セクシャルマイノリティに配慮して「男らしさ」や「女らしさ」を生徒に押し付けない代わりに、
生徒自身(これは公私で言うと私の方ですね)が、自分は男らしくありたいと思う、行動する自由をも認めるということです。
ちょうどジェンダーフリー思想というのがそんな感じです。

66新党日本支持者:2010/02/17(水) 22:57:07
ジェンダーフリーとは 〜Q&Aですぐわかる!〜
http://seijotcp.hp.infoseek.co.jp/genderfreeQandA.html

(引用開始)

■Q性差の押し付けから自由になる…それって「性差」をなくすってこと?
A.よくある誤解だけど、ジェンダーフリーは、性差を全部なくすこと(ジェンダーレス)とは違います。ジェンダーフリーは、社会におけるジェンダーによる偏見やバイアスを減らしていこうというもの(参照)。ジェンダーを全部なくすのではなく、バイアスや偏見をなくすためだからこそ、男性の育児休暇への配慮や男性の労働時間の縮減、女性の生理休暇や産休なども含まれるわけで。

■Q.じゃ、「男らしさ・女らしさ」を否定しないのね?
A.うん。まぁ、個人が自己実現のために「らしさ」を目指すことは超OK! 人と違う「らしさ」を選んでも超OK! 色々あって超OK! で、制度の上ではどれを選んでもいいようにしよう。そういうこと。

■Q.よーし、僕、男らしくなりたい! モテたいもん!
A.うん。無理しない程度にがんばれ。ところで「男らしさ」にも流行があるよね。高倉健、石原裕次郎、キムタク…今は誰かな。神木君…はまだ若いって!

■Q.でも、涙が出ちゃう。だって、女の子だもん。
A.「僕女」だったのか! 男の子も泣くけど、コートの中では平気なの。

■Q.男にスカート穿け、と言い出す?
A.穿くのは勝手だろうけど、強制的に穿かせるわけないでしょ。目的が「押し付けからの自由」ですから。あと、特に冬に穿くのは素人にはあまりオススメできない。

(引用終了)

67新党日本支持者:2010/02/17(水) 23:00:08
>>50
>俺は最近もありましましたけど詐欺やらなんやらで捕まった女とかで下世話な想像力脹らませる方なんで,

これはマスコミと司法の関係で度々思うことですが、
ニュース報道で、公的な話題(政治や経済やスポーツ芸能、地震報道など)に対し、私的な話題(普通の殺人事件)の比率が
多いように思えてなりません。私的な話題は数人の関係者にしか影響が本来無いため公益性がおそらく無く、
何の為に全国に知らせる必要があるのだろうかと思っています。

僕なんかはそういう私的な事件と公益性のある話題を、完全に独立させて違う番組で扱って欲しいとさえ思います。
通常時はニュースを見る時に、公的な話題は見ますが、私的ネタの場合はチャンネルを変えています。
興味がある人向けに週刊誌などで扱えば十分なのではと思います。全ての私的事件に興味がゼロではないですが。

また、司法との関係で言うと、
裁判前に報道が行われると、裁判官や裁判員に事前の心象を固めてしまう懸念があります。
僕は判決は裁判時に提供される情報のみで行われるべきという立場ですので、その点でも反対です。
(報道は多くの場合、リークをしてくれるお得意様の警察・検察側に寄った報道になる)

さらに問題なのは、
報道される場合とされない場合で、風評被害の点で圧倒的な量的格差が生じることです。
報道で取り上げられれば被告・容疑者とその家族は刑罰以外に多大な風評被害を受けますが、
報道されない場合は刑罰のみで風評被害は少なくなります(口コミなどありますからゼロとは言えませんが)。
これは、罪刑法定主義といいますか、法の下の平等に反する気がします。
企業体であるマスコミに、そこまで大きな裁量権を与えてしまって良いのか疑問です。
これに関しては韓国のように、匿名報道を行うという方法があるのですが。
(韓国メディアでは私人を報道する際には金某さんなどと表現する場合が多いです)

匿名報道自体は、日本で言うと松本サリン事件で河野さんが受けた報道被害のような、
冤罪者に対する保護の視点から日本でも推進活動をしている浅野健一氏(左派系の学者さん)がいます。

浅野健一
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B5%85%E9%87%8E%E5%81%A5%E4%B8%80

68とはずがたり:2010/02/17(水) 23:09:10
>>64
俺はその辺の擁護に疎いですが,なにやらいきりたったももだぬきさんのレスみてるとジェンダーレスみたいな傾向に容易に陥り易いような印象を持ちますねぇ。

>具体的にどういった事例を想定されているのでしょうか?
どなたかが免許証に名前の記載なんか不要で番号だけで良いんじゃないかと書いてましたので,それにたいしてです。病院とかプライバシーもあるし番号の方がいいっすよね。

>>67
俺は街の声みたいなの不要だと思いますね。

69新党日本支持者:2010/02/18(木) 21:42:09
>>68
傾向に容易に陥り易いような印象を持ちますねぇ。

見たところ、ももだぬきさんのレスに、
ジェンダーレスを主張する内容は含まれていないと思いますが^^;

町の声に関しては同意です。
番組の趣旨に沿った恣意的な選択を行っている点で悪質だと言えます。
「私たちの報道内容は、国民の声なんだ〜!」って言ってるみたいで。

マスコミに出てくるコメンテーターが「国民は納得しないわよ」なんて言うと、
勝手に国民を代表するな、とも思いますw

70新党日本支持者:2010/02/18(木) 21:43:28
>>69
>傾向に容易に陥り易いような印象を持ちますねぇ。

すみません。
一行目は誤文です。とはさんのレスを引用しようとして止めたのが
少し残ってしまいました。

71チバQ:2010/02/20(土) 11:30:03
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100215ddm013100014000c.html
子どもの性同一性障害:/上 「なんで男の体なの」と涙
 埼玉県の小学2年の男児(8)が身体的な性と心の性が一致しない性同一性障害(GID)と診断され、学校に女の子としての登校を認められて5カ月になる。本人や親はどんな悩みを抱えてきたのか。学校や医師はどう受け止めたのか。今回の例を機に、子どものGIDについて考えた。【丹野恒一】

 ◇診断から3カ月、学校動く 将来へ、母の不安なお
 児童が5歳の時に写真館で撮った七五三の記念写真は、少し変わっている。りりしい羽織はかま姿のショットが張られた台紙をめくると、茶色い巻き毛を付けてにっこりほほえむ写真が現れる。まるで別人だ。「周りの女の子を見て『ドレスが着たい』と駄々をこねるので、仕方なく許しました。はかま姿の時むっつりしていたのがうそのようにポーズを取り始めて」。母親(46)は振り返る。

 母親はGIDについて、バラエティー番組などで活躍する芸能人を見て何となく知っていたが、このころから「もしかして息子も」と思うようになった。今思えば、幼児の時からままごとが好きで、幼稚園では運動会で男の子が上半身裸になる組み体操を嫌がった。そして小学校の入学前に「女の子の格好で通いたい」と言い出した。

 母親は「はいはい」と受け流しながらも心配になり、友人や母親に相談した。返ってきた答えは「小学校に入れば、男らしくなる」。自分自身も心のどこかでわが子がGIDとは認めたくなかった。「そのうち気持ちが変わるかもしれない。先入観を持たれるようなことは学校には知らせないでおこう」と思った。

 しかし小学校に上がると、児童の性別への違和感はさらに強くなった。スカートをはいて自宅で過ごす週末は落ち着いているが、平日は男の子として学校に行かなければならない。日曜日の昼を過ぎると気分が落ち込み始め、布団に入ってからも「前に穴が開いたパンツは嫌」「立っておしっこするのがつらい」「なんで私だけ男の子の体なの?」と涙を流して訴える。

 日付が変わっても眠らない週末が続き、母親は心を決めた。

   *

 一昨年10月、母親は自治体の家庭児童相談室を通じて教育委員会を訪ねた。だが「そういう事例の対応マニュアルがないので」と門前払いだった。相談室に専門医の受診をすすめられ、4カ月待ちで昨年2月、初診の日を迎えた。

 受診したのはGID診療で実績がある埼玉医科大のジェンダークリニック。主治医の塚田攻医師は問診を終えると「次回は診断書を出せるでしょう」と告げた。子どもは周囲の言動によって自分を逆の性別と思い込んだり、発達障害が原因で性別の自覚が混乱したりするので、GIDの診断は成人以上に難しい。だが、このケースでは幼少期から一貫して男であることへの違和感があり、診断に迷いはなかった。「むしろ、今にも不登校などの不適応を起こさないか心配だった」

 塚田医師にははがゆい経験があった。かつて診察した子に対し、学校側が「前例がない」との理由だけで制服の変更などを拒み、その子はやむなく退学してしまったのだ。

 今回は学校に呼び掛けるように「女性として扱う配慮が望ましい」と意見を添えて、「性同一性障害」との診断書を書いた。

   *

 児童が悩みを抱えたまま2年生に進級した昨年4月。校長はその診断書を手に、頭を抱えていた。

 男子として通っている児童を、ある日を境に女子として扱った例など聞いたことがなかった。「何とかしてあげなくては」という思いと「社会的な反響の大きさに耐えられるか」との不安が交錯した。いじめが起きないとも限らない。修学旅行はどうするのか……。考えればきりがないが、母親が切々と語った「もし不登校になったら、自分たちでフリースクールを探します」との覚悟は胸に響いた。

 3カ月間迷った末、校長はその年の7月、担任教諭とクリニックを訪ねた。塚田医師は「時間がかかったな」と思ったが、口には出さなかった。しかし「このまま放置すれば、教育の機会均等を阻害しかねません」とだけはしっかり伝えた。

 親子の願いがようやく通じ、2学期から女の子として通学できることが決まった。

72チバQ:2010/02/20(土) 11:30:18
   *

 児童はいま、伸ばした髪をお気に入りのヘアゴムでまとめ、スカートをはいて毎日元気に学校に通っている。「ITエンジニアになるのが夢なの」。もう以前のように布団の中で涙ぐむこともなくなった。

 それでも母親の不安は解消されたわけではない。「思春期を迎えると、心と体のギャップがもっと広がり苦しむのではないか。中学や高校に進んでからも、今のまま受け入れてもらえるのか。大人になって好きな人ができたら……」

 家族はまだ第一関門を越えたばかりなのだと受け止めている。

 ◇当事者団体が教育機関の柔軟対応求める
 GIDの当事者ら約760人でつくる「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(山本蘭代表)は1月、教育分野での国の政策充実を求める要望書を川端達夫文部科学相に提出した。

 要望書では「学校生活のさまざまな局面で苦痛を感じ、自殺を考えたり就学機会を失う者が出ている」と現状を憂慮。教育機関がどう対応するか、国が指針を示していないことが一因だと指摘した。具体策としては、性別により異なる制服やトイレなどに柔軟に配慮することや、教職員や児童・生徒がGIDへの理解を深める研修会の開催、正しい知識を持ったスクールカウンセラーの配置−−などを求めている。

73チバQ:2010/02/20(土) 11:31:00
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100216ddm013100148000c.html
子どもの性同一性障害:/下 認識不足で進まぬ対応
 ◇受診ためらう親、戸惑う学校 治療には判断分かれ
 性同一性障害(GID)と診断された子どもがどれくらいいるかというデータはない。しかし、悩みながら学校に通っている子は決して少なくはないようだ。

 「これほど多いのか」。岡山大の中塚幹也教授は一昨年、岡山県内の小中学校の教員約200人を対象に実施した調査の結果に驚いた。身体的な性別に違和感を持つ児童・生徒に接した経験を尋ねたところ、4人に1人が1〜2人いたと回答したのだ。中塚教授は「教育現場にいる多くの大人が、GIDかもしれない子どもたちの悩みをキャッチしている。なのに対応に十分結びついていない」と残念がる。

 昨年9月に学校生活上の性別を切り替えた小学2年児童を診断した塚田攻・埼玉医科大講師は「一人でも理解のある教職員がいて、積極的に動けば、硬直した対応が変わることがある」と感じている。かつてGIDと診断したある女子高生の場合、校長が他の教員らの反対を押し切り、女子生徒でもズボンの制服を選べるように校則を変えたという。

 しかし、こうしたケースはまだごく一部に過ぎない。学校の柔軟な対応が進まない背景について、専門家らは「教育行政や現場の教職員のGIDに対する認識不足がある」と口をそろえる。

    *

 そもそも子どものGIDには成人とは異なる面があるのか。親や周囲はどのような兆候で気づくことができるのだろうか。

 国際的な診断基準では、特徴として次のようなことが挙げられている。

・自分の性別が体の性別とは反対であると、繰り返し主張する

・ごっこ遊びで、体の性別とは反対の性の役割をしたいという気持ちが強く続く

・男の子が自分の陰茎や睾丸(こうがん)を「気持ち悪い」「そのうちなくなる」などと言う

・女の子が便器に座って排尿することを拒んだり、そのうち陰茎が生えてくる、自分には陰茎がある、などと主張する

 大阪医科大の康純准教授は「不安で子どもを病院に連れてくる親でさえ、わが子がGIDであると認めたくないばかりに現実に目を背け、診断結果を伝えても『この子だけは違うはず』と譲らないことが多い」と話す。親に性別への違和感を訴えても受け止めてもらえず、受診につながらない。「それが子どものGIDを表面化しにくくしているのではないか」と推測する。

 一方、「はりまメンタルクリニック」(東京都)の針間克己院長は「子どものころにGIDと診断されても、成長するにつれ体の性別に対する違和感がなくなることも少なくない」と、対応の難しさを指摘する。

 欧米の研究者が4〜12歳でGIDと診断された男児44人のその後を追跡した調査がある。診断から10年たった段階で、多くが同性に恋愛感情を抱く傾向にあったものの、体の性を心の性に合わせる性別適合手術を真剣に考えていたのは1人だけだった。別の調査では、思春期前にGIDと診断された45人のうち、思春期を過ぎて性別適合手術を希望した人は14%にとどまった。

 針間院長はこうしたデータを踏まえつつも「周囲の対応が遅れ、子どもが学校に行けなくなってしまうこともある。明らかに兆候があると感じたら、専門医に診察を受けたほうがいい」とアドバイスする。

74チバQ:2010/02/20(土) 11:31:24
   *

 日本精神神経学会はGIDに関する診断と治療のガイドラインを策定しているが、当事者団体「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」の山本蘭代表は「基本的に18歳以上が対象で、子どもについては抜け落ちている」と指摘する。

 課題の一つは医学的な治療をどうするかだ。ガイドラインでは、体の性を心の性に近づけるホルモン療法を18歳から認めているが、体の性への違和感による精神的な苦痛は第2次性徴を迎える10代前半ごろから一気に強まる。その間の期間をどう乗り越えるのか。

 薬で第2次性徴を抑えれば、成長後もGIDの症状が続くケースかどうかを見極めやすくなる。さらに、将来的にホルモン療法などを受ける場合、より自然な形で治療効果が表れるという利点もある。ただし、成長期に投与した場合の副作用などは十分に検証されていない。

 小学校入学時にGIDと診断され、いつ第2次性徴が始まっても不思議のない年齢に達している児童が全国で少なくとも2人いることが分かっている。うち1人の児童の主治医である康准教授は「第2次性徴が来たら、ホルモンを抑える薬の投与に踏み切る可能性はある」と話す。一方、もう1人の児童の主治医、塚田医師は「安易に医学的介入をすべきではない」と慎重な姿勢だ。

 GID学会理事長の大島俊之・九州国際大教授(民法)は「精神科の領域だけでなく、身体的治療の分野でも十分論議し、合意点を探る努力が必要だ」と話す。

 子どものGIDにどう対処すればいいのか。教育現場も医療現場も、待った無しの段階に来ている。【丹野恒一】

 ◇9割が中学生までに自覚
 子どもの段階からGIDであることが例外的ではないことは、当事者への調査からも読み取れる。中塚教授らが661人に聞き取りをしたところ、半数以上が小学校入学以前に、9割が中学生までに性別への違和感を自覚し始めていた。体は女性で心が男性という人の方が、その逆よりも早い段階で自覚していた。

 また、4人に1人は不登校の経験があり、自殺を考えた人は全体の約7割に上った。中塚教授は「教員らが多様な性の在り方を理解し、GIDの子が相談しやすい環境を整えることが求められる」と話す。

==============

 ■体の性別に違和感を覚えた時期

 (岡山大調査より)

小学校入学前  52.3%

小学校低学年  15.6%

小学校高学年  12.0%

中学生     10.3%

高校以降     8.3%

不明       1.5%

 ■GIDが思春期に及ぼした危機

不登校になった 24.4%

自殺を考えた  68.7%

自傷・自殺未遂 20.6%

75チバQ:2010/02/20(土) 11:33:09
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=20854
性同一性障害夫婦の子、「嫡出子と認める方向」
 性同一性障害で女性から性別を変えた兵庫県宍粟市の男性(27)が、第三者の精子を使って妻との間に人工授精で生まれた子を「非嫡出子(婚外子)」として届けるよう同市から指示された問題で、この夫婦らが15日、千葉法相と面会し、「嫡出子」として認定するよう求めた。

 面会後に記者会見した男性によると、千葉法相は「嫡出子として認める方向で検討する。当事者と話を聞く場を設けることも検討したい」と述べ、方針変更に前向きな姿勢を示したという。

 夫婦は昨年11月、市に出生届を出したが、法務省は「生物学上は同性同士で、子をもうけるのは不可能」との見解で、市は12月、法律上の婚姻関係にない男女から生まれた「非嫡出子」として届けるよう求めた。

 男性は記者会見で「国から男性だと認められたのに、なぜ父親と認められないのか」と訴えた。

(2010年2月16日 読売新聞)

76チバQ:2010/02/20(土) 11:40:20
このスレ向きなので再度転載
マッキーのアルバム曲より
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1213053266/91
-Taking The Central Course- 槇原敬之
正しいことをしようとしてるか
いつも確かめ合っていよう
僕らが信じようと決めたこと
物差し代わりに心に当てながら
どこかに味方がいるなんて
変な希望はもたないでいよう
世界が僕らと反対のことを
正しいと言う時が来ても

その世界の真ん中の道を
君と一緒に胸張って歩いていきたいんだ

悪く言われれば平気じゃない
でもだからこそ その傷みを胸に
僕らは悪く言わないという
生き方を選んでいこう
祝福されないのは残念だけど
だからこそ祝福すべきものを
祝福しながら生きていこう
そのために僕らは出会ったんだ

正しいことをしようとしてるか
いつも確かめ合っていよう
僕らが信じようと決めたこと
物差し代わりに心に当てながら
まだ不安ばかりだった頃
互いの名前を呼ぶあの声に
どれだけ救われたか思いだそう
一人で強くなったわけじゃない

この世界の真ん中の道を
君と一緒だから胸を張って歩けるんだ


この世界の真ん中の道を
胸を張って一緒に歩いていこう

77チバQ:2010/02/20(土) 13:05:00
そいや思い出したこと
セクチャルマイノリティーの特徴として、親が理解者、援護者となりづらいこと

少数民族 少数言語者などは親も当事者であることが多く、
いわゆる身体障害者も(金銭的負担も含め)親の協力の下生活することが多い。

それに対して、性的少数派は【家の恥】というような風潮があったり、【親だけには言えない】など、家族が最大の障害になることさえある。

まさに うちの子に限って
という心理なんだしょうが

78とはずがたり:2010/02/20(土) 14:09:58
そもそも性同一性障碍って病気なんでしょうかねぇ?
"病気"とすることで社会の理解が得やすかったり,将来の保険適用なんてのも視野に入るのかも知れませんが,心理学なんかもそうですが,なんでもかんでもべたべたと診断名貼り付ける様な感じがします。
自分は男だと思ってる身体上男の人が男が好きという同性愛者は性同一性障碍ではないんですよね?頭の中で自分はどう思ってるかだけが違っているだけで,その辺の線引きが曖昧な感じがします。
また自分は女だと思ってる身体上男の人が同性の女が好きだったら本人は同性愛者だと思ってるけど他人からは(本人が女装に拘ったりしない限り)解らない訳ですよねぇ。
実生活して行く上で障碍が発生するかどうか辺りが基準になるんでしょうかねぇ?
少数者への配慮や差別の解消,と云った時に,病気だからと云うのではなく,矢張り他者(自分と異なる者)への配慮と寛容と云う面が本質な気がします。

79名無しさん:2010/02/20(土) 18:29:12
>>78
それを言い出すと「そもそも病気って何なんだろう?」って話にもなるような。
まぁ「障碍」って言葉を用いてるのだから「病気」と意訳してしまうのは間違いかも。
http://kan-chan.stbbs.net/word/pc/shogai.html
> このように、元々は「妨げとなるもの」の意味があり、そこから「身体器官への妨げ」の意味が派生したのである。
> 障害者=(自己に)障害(を持つ、与えられている)者
イコール「病気」「病人」という理解は色々と間違いを生んでしまうかもしれません。

80とはずがたり:2010/02/20(土) 18:32:45
>>79
そうなんですよね。そもそもなんやねんと思うことしばし。障碍は病気ではなく障碍なんだとすると障碍とはなんぞやとなりますね。
>それを言い出すと「そもそも病気って何なんだろう?」って話にもなるような。

やはり実生活・社会生活して行く上で障碍が発生すると「障碍」なんでしょうか?
医者が介入(治療)するとどうも病気という印象ですけど,その辺の認識から改めないといけないのでしょうかねぇ。

81名無しさん:2010/02/20(土) 20:06:05
>>80
> 障碍とはなんぞや
> やはり実生活・社会生活して行く上で障碍が発生すると「障碍」なんでしょうか?

あくまで個人的な考えですが、その人にとって生きてく、生活してく上で「障碍だ」と感じた場合はやはりそれは障碍なんでしょうね。
ただそれが割と一般的なものだったり、修正しやすいものだと、障碍というより短所や個性として認識されてくような感じでしょうか。

例えば「足が遅い」なんてのは野生動物だったら生死に直結する事もあるので彼らにとっては「障碍」だと思うんですが、人間は「足が遅い」だけじゃ死んだりしない。
生活上もたまに不便を感じるでしょうが、その程度で済んでいるし、そういう人でも早く移動できる手段を作ってもいる。

親の世代だと「左利き」なんてのも障碍同様な扱いだったような話も聞きます、今でも左利きの人からはよく不便だという話を聞きます。
ただこれは数が多いし矯正も利きやすいようなので障碍と言い立てる人はまずいないし認められる事もないでしょう。

性同一性障碍は、生命体として重要な生殖行為において間違いなく「障碍」になります。
家族からの理解が得にくいというのも、なんだかんだ言って家族という単位が過去の生殖行為により構成されてる事もあると思います。
本人の自覚と事実が違う=性の不一致というのは、ある意味で家族という単位の再生産を否定してる訳ですから。
例えば男の子が「女の子の格好をしたい」と言った場合に親が困るのも、それが将来的に固定されるとどうなるか、それを考えてしまうからだと思います。
だから昔はそういう事があると、無理矢理でも男として矯正して育てていたんじゃないでしょうか。
今はそれを無視しないようになってきてるけど良い対処方法がまだ広まってない(見つかってすらいないかもしれない)。

仮にですが、そういう問題となる部分が取り除かれた場合、
例えば性別は全て自己申告で、全ての生殖行為は試験管の中のDNA複製とかなった場合、当人は勿論家族も案外大した問題を感じずにいられる気がします。
逆に言うとそうならない限り、本人にとって「障碍」という感覚は消えてなくならない気がしますし、>>75とかもそういう意味合いで考えるべき話なのかなとか。

82新党日本支持者:2010/02/22(月) 00:12:08
>>31 >>35
りん、なぎさとかどうでしょう?

83新党日本支持者:2010/02/22(月) 00:14:28
亀井静香、与謝野馨、渡辺善美など、
政界には中性的な名前が多いような気がします。

亀井センセや渡辺先生は、もしかしたら
半陰陽かもしれませんね。
セーラー服を着た姿もちょっぴり見てみたい気がします?

84名無しさん:2010/02/22(月) 01:08:46
>>83
田中角栄も「すみえ」という女名だったという話がありましたね。

彼らがそうなのかはわかりませんが、
魔除けだかなんだかそんな理由で、日本の一部の地域では長男に女っぽい名をつけるという風習があったと聞いた記憶があります。

85チバQ:2010/02/27(土) 13:04:43
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/kagoshima/news/20100227-OYT8T00004.htm
性同一性障害の女子「受け入れて」願い深く
理解や支援不可欠
 県内の性同一性障害に悩む中学1年の女子生徒(13)が、4月から男子学生服を着用して登校できることになった。女性から男性として学園生活を送ることは、生徒だけでなく、家族にとっても大きな決断だった。

 昨年6月、母親(41)は、娘から「ほかの人と何かが違う。僕は変なのかなあ」と打ち明けられた。さらに「好きな人ができた」と切り出され、口にしたのは、女の子の名前だった。動揺した母親は自分に言い聞かせるように、「大丈夫だよ、大丈夫」と娘に声をかけていた。

 小さい頃から男の子の服装を好み、アニメのヒーローになりきる様子は、明らかに2人の姉とは違っていた。

 「もっとしっかり、娘のことを知りたい」。母はインターネットなどで、性同一性障害のことを調べた。そして、翌7月、ブログを通じて知り合った性同一性障害の人に頼み、娘に会ってもらった。

 「好きな女の子がいるけど、どうやってつきあったらいいの」。娘はせきを切ったように悩みを質問し始めた。相手は女性と交際していると話し、胸の手術跡を見せてくれた。

 「お母さん、僕、初めて同じ人に出会えた」。その時、娘が抱えていた孤独の深さを思い知ったという。

 これまで「セーラー服を着ると、吐き気がする」と訴えていた娘は、これを機に、周囲に自分の悩みを打ち明けるようになった。

 理解されないこともあったが、「悩んでないで相談しろよ」と、好意的に受け止めてくれる友人もいた。「背中の重荷が取れて、なんだか息がしやすくなった」と、笑顔で学校から帰ってくるようになった。

 クラスで一人だけ体操服で登校するようになって約半年。4月からは、晴れて学生服で登校できるようになる。先日、家族で学生服を買いに出かけた際、娘は、ずらりと並ぶ学生服を前に、「これだよ、これ。僕には」とはしゃいだ。

 両親は「娘の判断は間違っていないと思っている。みんなに受け入れてもらって、まっすぐに育ってほしい」と話している。

【解説】

 性同一性障害(GID)の児童、生徒に学校がどう向き合うのか。多感な時期だけに、学校の理解やサポートが必要不可欠だ。

 岡山大大学院の中塚幹也教授(保健学)らは2006年、過去10年間に同大のジェンダークリニックを受診したGIDに悩む661人を対象に、問題行動の発生率を調査したところ、不登校が24・4%、自殺を考えた人が68・7%、自傷・自殺未遂は20・6%に上った。問題行動は、2次性徴が始まる中学時代に時期が集中していた。

 はりまメンタルクリニック(東京都)の針間克己院長は、「教諭がきちんと理解し、子どもたちに教えることが大切」と話す。性に違和感を感じていた男子生徒に「男らしくしろ」などと教諭が頭ごなしにしかったことが、いじめにつながったケースもあるという。

 誰にも打ち明られず、心と体の不一致に悩む子どもたちがどれぐらいるのかは未知数だ。文部科学省も、まだ対応指針は定めていないのが実情だ。

 生徒の通う学校では養護教諭を中心に、定期的な勉強会を開くなど、支援に向けての活動を始めている。2月中旬、生徒の母は保護者会で、今回の決定を報告し、理解と協力を求めた。すべてが手探りの中だが、女子中学生が学生服での登校を認められたことをきっかけに、GIDを個性として受け入れる社会に向かうことを期待したい。(中西瑛)

             *

【性同一性障害】 世界保健機関(WHO)で認める医学的疾患で、健全な身体でありながら、持続的な自分の性の違和感と異性への一体感を持つ。国内には1万〜3万人いるとされ、原因は不明。通常、男性よりも女性の方が自覚症状が早く、物心ついた頃から自分の性別に違和感を感じる人が多い。

(2010年2月27日 読売新聞)

86チバQ:2010/03/08(月) 12:25:17
http://mytown.asahi.com/kagoshima/news.php?k_id=47000001003080001
性同一性障害の子 喜びと課題
2010年03月08日

 心と体の性が一致しない性同一性障害と診断された鹿児島市の中学1年の女子生徒(13)が、4月から男子の制服を着て学校に通えることになった。「3万〜10万人に1人いる」とも言われる性同一性障害。生徒は喜ぶ一方で、家族は「専門の医療機関の整備が必要」などの課題も口にする。(三輪千尋)


●男子制服を心待ち
 生徒は以前から「セーラー服を着ると気分が悪くなる」と両親に訴えていた。昨年7月、両親は学校に男子制服で通学する許可を求めた。学校側は困惑したが、同じような例があった他県の学校から情報をもらったり、スクールカウンセラーを交えて対応策を話し合ったりした。
 2月20日、専門医が「性同一性障害」の診断書を出したのを機に、学校は男子制服での通学を許可することにした。名簿も、本名ではなく男性の俗名を男子の名簿に載せる。校長は「診断書には重みがある。子どもを守るための決断」と話す。
 4月以降、生徒は体育などの着替えは別室で行い、職員用女子トイレを使えるよう調整中。いじめや差別が起きないよう、他の生徒には十分説明する構えだ。
 生徒は「もう女装しなくて済む」と、月末に仕上がる男子制服を心待ちにしている。


●地方にも診断できる機関を
 生徒の母親(41)が「他の子と違う」と感じたのは、3歳のころだったという。
 「お母さん、自分が男だったらうれしい?」。申し訳なさそうに問いかけてきたという。三人姉妹の末っ子。だが、姉2人とは明らかに違っていた。2人のお下がりの服を嫌がった。遊ぶのは男の子とばかり。いつも泥だらけになって帰ってきた。
 小学5年生の終わりごろ、胸が膨らみ始めた。「何でだろう」。生徒は違和感を覚え始めたと話す。水泳の授業は女子用水着の上にTシャツと男子用水泳パンツをはいた。中学入学後、その違和感は大きくなった。1学期の終わりごろの昨夏、「もう嫌だ」と言って家族に当たり散らした。家族が生徒の好きな相手が女子だと知ったのは、そのころだった。
 「隠し通さなきゃ」。母親は、保守的な鹿児島では生徒は到底受け入れられないと思っていた。「この子はこの先どうして生きていけばいいのか」。性同一性障害について懸命に調べ、同じような障害がある人にも会って話を聞いた。そして救われた。「この子は1人じゃないって分かったんです。認めようって」
 母親は2月のPTA総会後、50人ほどの保護者に我が子のことを説明した。「前から分かっていたよ」と言ってくれる人もいた。一方で「自分の子どもだったら認めない」と批判する人もいる。だが、母親は「ここで隠したら、一生隠し続けないといけない」と前向きに受けとめている。
 母親は必要な支援策として「その子がどうしたいか周りが一緒に考えてあげることと、専門の医療機関」と話す。病院では「体に心を合わせなさいよ」という医師も実際にいた。「子どもの場合は診断が難しく、もしかしたら性同一性障害ではないかも、ということもある。ちゃんと診断してくれる医療機関を地方にも整備してほしい」

87チバQ:2010/03/08(月) 12:25:43
●周囲は理解を
 2004年に施行された「性同一性障害特例法」では、20歳以上▽結婚していないこと▽子どもがいない、などの要件を満たせば、性別変更が認められるようになった。08年には条件の内の「子がいない」から「未成年の子がいない」に緩和された。
 今回の学校の決定に、鹿児島市で飲食店を営む若松慎さん(36)は「良かったよね」と喜んだ。自身も「体は女、心は男」という状況に悩み苦しみ、34歳で戸籍変更をして「男に戻った」。同じ性同一性障害の麗奈さん(37)と互いに性を変えて結婚した。
 「時代は動いているなと感じた」。若松さんが学生のころは「女子の制服を着るのが嫌」と言える雰囲気ではなかったという。「性同一性障害」という言葉もなく、周囲の理解は得られなかった。
 生徒は今後、好奇の目にさらされるかもしれない。若松さんは「偏見は絶対になくならない」と断言する。「でも家族や周囲の理解があれば、耐えていけるはず。自分だからこそ、こういう風に生まれてきたって腹をくくらなきゃ」とアドバイスした。
 「女から男になったワタシ」(青弓社)の著書で知られる作家虎井まさ衛さん(46)=東京、大学非常勤講師=は「未成年の場合、懸念もある」と指摘する。虎井さんも特例法により、戸籍などの性別を女から男へ変更することが認められた。
 虎井さんによると、制服を変えることだけを望んでいた生徒に対し、周りが気を使いすぎ、男子トイレを使わせるなど他のことまで変え、逆に本人が悩んだ例もあったという。「特に未成年者の場合、ニーズに合わせた細かい対応が求められる」
 性同一性障害が人権問題と認識され、対応が進むことを高く評価する一方で、講演会などで訪れた学校現場で戸惑う教員たちの話を耳にすることもあるという。「性同一性障害の生徒への個別の対応は、単に甘やかしではないかという人もいるんです」
 同じように悩み抜いたからこそ、虎井さんには言えることがある。「あえて学校や友人には言わず、卒業してから地元を離れ、過去を知らせずに生きる子もいる。望んだことがある程度通る世の中になったからこそ、どう生きるかは本人がしっかりと考えないといけない」


 《性同一性障害》 心と体の性が一致せず、自分が間違った性別に生まれたと確信しているため、社会的、精神的に困難を抱えている状態。性同一性障害特例法施行で、性別変更できるようになった。国内では、兵庫や埼玉の公立小学校に通う男子児童が、女子として通学が認められた例がある。

88チバQ:2010/03/09(火) 22:40:16
http://www.j-cast.com/2010/03/07061321.html
性同一性障害児童・生徒抱える学校の苦悩 トイレや着替え場所、名前の変更…
2010/3/ 7 11:00
性同一性障害に悩む子供が増えている。埼玉県では小学2年の男児(8)を女児として受け入れることにした。また、鹿児島市では中一の女性徒(13)に対し学生服での登校を新学期から認めた。今後もカミングアウトする生徒が増えそうで、生徒のトイレや着替えの場所をどうするかなど難問続出に学校側は頭を抱えている。

障害を認めなかった親が相談するケースが増加?
埼玉県の小学2年の男児が、女児として学校生活を送ることが認められたのは2009年9月。男児として扱われることを苦痛に感じ、医療機関を訪れ同年2月に性同一性障害と診断された。保護者は女児として扱って欲しいと学校に要望。学校はそれを認め、学籍は男児のままだがスカートをはいて登校、体育などの授業は女児として扱われ、トイレや着替えは女性教員用を使用している。

埼玉県教育委員会によれば、07年に高校3年の女子生徒を男子として登校を認めたことはあるが、小学生のケースは今回が初めて。これをきっかけに10年2月17日〜24日にかけ公立の小中高に調査したところ、性同一性障害についての相談が十数件寄せられていたことがわかった。小中高いずれにも相談があり、一番多かったのが高校だった。

教育委員会によれば、性同一性障害の相談は以前にもあったが、保護者は子供が障害で悩んでいても「そんなはずはない」と請け合わないことが多かった。しかし、ここにきて状況が変わり、

「障害を持つ生徒が増えたというよりも、これまで障害を認めなかった親が、学校に相談するケースが増えたのでは」
と同教育委員会では見ている。

鹿児島市では中学一年生の女子生徒をこの春の新学期から男子生徒として通学することを認めた。小学校から女の子の服装を嫌い、中学生になりセーラー服を着ると吐き気がするなど体調が悪くなった。専門医に相談すると性同一性障害と診断され、保護者は09年7月から男子の制服で通学できるよう学校側に要望。それが認められた。新学期からの対応について学校では、「男子名」に変えることや、トイレや着替え場所をどのように使わせるか検討中だという。鹿児島市教育委員会によれば、性同一性障害の生徒の対応は初めてで、どのようにすればいいのか悩んでいる。

「子供に、よりよい学校生活を送ってもらえるようできる限り努力していくが、急に女児が男児として扱われ、いじめや差別が出ないか、高校などに進学する場合、中学校と同じように扱ってもらえるか、心配は多々ある」
と打ち明ける。

子供のうちに性同一性障害と決めつけるのは時期尚早
性同一性障害の専門家で「はりまメンタルクリニック」院長の針間克己医師は、子供が性同一性障害で悩んでいる場合、苦痛を和らげるために医師のカウンセリングや学校の配慮は必要だ、と力説する。服装を変えることを認めるだけでも生徒達の苦痛はかなり軽減する、とも話す。

性同一性障害をカミングアウトするハードルは近年低くなっていて、これからはさらにカミングアウトする若い人が増えていくだろうとも予想している。

ただし、幼い頃に性同一性障害だと医師が「確定」することに対しては疑問を投げ掛ける。専門医師の診断が正しくとも、児童が大人になって性同一性障害でありつづける保証はない、からだという。

「専門医の診断によって子供を性同一性障害だと決めつけることが危ういのです。子供は成長途中のため変わる可能性がります。『確定』は、思春期を過ぎなければ出せないというのが私の考えです」
と説明する。学校や保護者が子供に対し性同一性障害として対応しても、成長に応じて、元に戻ったり、あるいは同性愛者になったりすることがありえる。そのため、周りが過度に騒ぐことは、子供の将来に悪影響が生じる場合があると警鐘を鳴らしている。

89チバQ:2010/03/09(火) 22:42:31
http://www.asahi.com/showbiz/music/TKY201003040254.html
らしく、でなく ありのまま 同性愛歌う米「ゴシップ」新作を発表2010年3月4日

 レズビアンであることを公表する女性ボーカルが率いる米国のロックバンド、ゴシップがアルバム「ミュージック・フォー・メン」を発表した。大柄なボーカルの迫力に加え、同性愛やフェミニズムを題材にした歌詞が注目を集めている。

    ◇

 1999年にボーカルのベス・ディトーを中心に結成した3人組。ダンサブルな音とベスの情熱的な歌声が持ち味で、2月上旬に東京都内であった来日公演でも聴衆をおおいに踊らせた。

 ベスは米南部のアーカンソー州で育った。5歳のころ、女の子しか好きにならない自分に気づいた。太った容姿についても冷たい目で見られたという。

 そんななかでパンクロックと出合い、15歳でバンドを組んだ。「自分がどうであるかについて、他人にとやかく言われたくない。そんな思いを音楽で訴えようと思った」

 人気が出たきっかけは06年に発表した「スタンディング・イン・ザ・ウェイ・オブ・コントロール」。同性愛者の結婚に否定的なブッシュ政権に対して異議を申し立てたこの歌が、英国でヒットした。

 ファッション雑誌の表紙にヌード写真で登場するなど、音楽以外でも刺激的な表現が注目を浴びている。

 「私は子どものころからこんな体形だっただけで、恥じる必要なんてない。太っている人の多くは周りにいろいろ言われるから恥じ入ってしまうが、これでいいんだ、ということを伝えたかった」

 メジャーレーベルに移籍した新作のタイトルは「男たちのための音楽」という意味。ジャケットには同じくレズビアンの女性ドラマー、ハンナ・ブライリーの中性的な面持ちの写真を使った。

 「男らしさ、女らしさなるものへの皮肉を込めた。ハンナもそのはざまに生きているので、あいまいさを表した」

 偏見と闘うベスだが、ステージでもインタビューでも冗談を飛ばし続ける、朗らかでかわいらしい29歳だ。

 「固定観念を覆そうというのではなく、ありのままの自分を受け入れようと言っている。押しつけられた価値観に縛られ、自分じゃない自分を目指すことで不幸になる人は多い。私はいまの自分のままでハッピーでいたい」(宮本茂頼)

90チバQ:2010/03/26(金) 22:30:40
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010032601035
女子学生、男性として卒業=性同一性障害の2人−山梨県立大
 山梨県立大(甲府市)が、性同一性障害の女子学生2人に対し、男性名で卒業証書を授与していたことが26日、分かった。同大によると、2人は入学直後から自分の心と体が乖離(かいり)した状態で、女性であることに違和感があると大学側に相談していたという。
 同大は昨年12月の評議会で、男性として卒業したいという2人の希望を尊重することを決定。25日に行われた卒業式に2人は男性用のスーツ姿で出席、入学時とは異なる名前で呼ばれ、卒業証書を受け取った。(2010/03/26-19:26)

91チバQ:2010/03/26(金) 22:36:32
http://www.cnn.co.jp/world/CNN201003240022.html
2010.03.24 Web posted at: 19:18 JST Updated - CNN
ワールド
男性カップル「愛の誓い」で起訴、エイズ予防に暗雲 マラウイ
(CNN) アフリカ南東部のマラウイで、男性同士で愛を誓ったことを理由に逮捕された2人が刑事裁判にかけられることになり、国際人権団体や同性愛団体が反発している。同国のエイズ対策への影響を懸念する声もある。


同国の最大都市ブランタイヤに住む26歳と20歳の男性カップルは、昨年12月、伝統にのっとって愛と結婚を誓ったことが地元紙に報じられ、自宅で警察に逮捕された。同国の刑法に基づき、男性間でわいせつ行為をした罪などに問われて正式起訴され、29日に初公判が開かれる。有罪になれば禁固14年を言い渡される可能性がある。


国際NGO(非政府組織)ヒューマン・ライツ・ウォッチによれば、2人は逮捕以来、保釈も認められず、1月には同性愛の証拠集めのために身体検査を強制され、精神鑑定も受けさせられたという。


こうした批判に対し当局側は、マラウイでは同性愛が禁止されており、法律を守っているだけだと反論している。


同性愛の摘発が、エイズ予防運動の妨げになると危惧する声もある。2007年末の統計で、マラウイの人口約1400万人のうち、エイズウイルス(HIV)感染者とエイズ患者は約100万人に上る。同国政府内でも、リスクグループである同性愛者の権利を認めて啓発に乗り出す動きが出始めた矢先だった。


同性愛者の国際権利保護団体IGLHRCの代表は「今回の事件は、男性間の性行為によるHIV感染を防ぐ取り組みに大きな打撃を与えた。そうした男性の多くが逮捕されたり犯罪者扱いされることを恐れて潜伏してしまった」と話している。

92神奈川一区民:2010/04/04(日) 21:58:03
先週初め、自らのオフィシャルサイトで同性愛者であることを告白していたプエルトリコ出身の人気歌手
リッキー・マーティンが、公表できた喜びとファンへの感謝をツイッターに記した。

ゲイを公表した際、「今後この発表により何かが起こっても、それは重要ではありません」とも記していた
リッキーだが、ファンはリッキーの味方だったようだ。リッキーはツイッターに「みんなどう? おれは最高さ! 
強くなったよ! 家でくつろいでみんなのメッセージを読んでる! 愛を感じるよ! みんなありがとう! 
またね」と英語、スペイン語両方でコメントを残した。

オフィシャルサイトには「ゲイであることを秘密にしていた数年間が僕を強くしてくれ、自分自身を受け入れる
ということを思い出させてくれました。そしてそれが僕に困難を乗り越える力を与えてくれました」とコメントを
載せていたリッキー。今回の公表でさらに強くなったというリッキーの今後の活躍に期待したい。

ソース
http://www.cinematoday.jp/page/N0023518

93チバQ:2010/04/06(火) 22:28:23
「わたし左利きなの」なんて誰もカミングアウトしないように、
こんなことがニュース価値が無くなる日が来ることを願います。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201004/2010040200061
差別撤廃へ両性愛告白=女優アンナ・パキンさん
 史上2番目となる11歳の若さで米アカデミー賞助演女優賞を獲得したカナダ生まれ、ニュージーランド育ちの女優アンナ・パキンさん(27)が1日、同性愛への差別撤廃を訴えるインターネット上のビデオ声明に参加し、その中で自身が両性愛であることを告白した。カナダ紙バンクーバー・サン(電子版)が伝えた。
 ビデオ声明は、米女性歌手シンディ・ローパーさんが立ち上げた、同性愛者への差別撤廃を目指すNPO(民間非営利団体)「トゥルー・カラーズ・ファンド」のキャンペーンの一環で公開された。パキンさんは現在、テレビドラマで共演した男優と婚約している。(2010/04/02-06:16)

94名無しさん:2010/04/15(木) 12:17:11
http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20100415kk02.htm
多様な性、悩む子に理解を…教職員向け手引書を奈教組が作成
偏見に個別配慮示す
 性同一性障害や同性愛など性的少数者(セクシュアルマイノリティー)としての悩みや課題を抱える子どもたちへの理解を深めようと、奈良教職員組合(竹平均執行委員長)は、教職員向けの手引書をまとめた。同組合によると、同様の手引書の作成は全国でも初めてで、体と心の性が一致しない「トランスジェンダー」などの多様な性に対する偏見をなくす取り組みとして注目されている。


 看護師や大学教員らでつくる市民グループ「性と生を考える会」(中田ひとみ代表)からの要請をきっかけに、性的少数者の意見も踏まえ、1年半をかけて同会と共同で作成。「セクシュアル・マイノリティサポートブック」(A4判、19ページ)として、2700部作成し、県内の公立学校や幼稚園、組合員に配布した。

 手引書では、教員側の心構えとして「どのクラスにもセクシュアル・マイノリティの子どもがいるという前提で接し、授業する」などとポイントを記載。学校での対応策として、▽男女カップルを前提とする伝え方をしない▽性的少数者に偏見を持つような言葉を使わないよう指導する▽性に関する人権に取り組むクラブ活動などの設置――などを紹介している。

 また、体の性で分けられることに苦痛を感じるケースでの配慮も指摘し、制服やトイレ、宿泊での部屋割り、水泳の授業、身体測定などでの個別の対応や検討を示した。同性愛者の青年の手記も掲載し、「この社会にもいろんな人が生きている。誰もが自分とは違う。同性愛者に出会ったことがないと思っている皆さん、僕たちはここにいます」とつづられている。

 同組合執行委員の福嶋明美・女性部長は「親にも先生にも、友達にも言えずに悩んでいるケースもあると思う。先生が知識をもつことで、子どもが相談しやすくなれば」と話している。

 希望者には1部100円(送料別)で送付する。問い合わせは同組合(0742・64・1020)。

(2010年4月15日 読売新聞)

95チバQ:2010/05/23(日) 12:27:27
http://www.cnn.co.jp/world/AIC201005210014.html
2010.05.21 Web posted at: 16:08 JST Updated - CNN
ワールド
マラウイの同性カップルに14年の刑 英政治家らが非難
(CNN) アフリカ南東部マラウイの裁判所で20日、男性同士で「婚約式」を挙げて逮捕され、わいせつ罪などで有罪となったカップルに、禁固14年の刑が言い渡された。刑が重すぎるとの声が、国内外から上がっている。


カップルは26歳と20歳の男性で、18日に有罪を言い渡されていた。


マラウイで人権団体CEDEPを率いるギフト・トラペンス氏は、保守的な同国民の大半は裁判所の判断を支持していると認めたうえで、「被害を受けた者はだれもいないのに、非常に重い量刑が下された」と指摘。国内の同性愛者らが潜伏する動きを、さらに加速させる恐れがあると述べた。


国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのアフリカ担当者は、「判決はマラウイの司法制度で差別が合法的に認められていることを強く示すもので、受け入れられない」とする声明を出した。


同団体によると、被告の2人は、拘束中に警察から暴力を受けたと弁護士に話したという。旧宗主国の英国では、外務政務次官に就任した保守党のヘンリー・ベリングハム議員ら政府の要職にある政治家3人が、裁判結果と拘束中の処遇に「深い失望」を示す共同声明を発表。「マラウイは近年、人権問題で大きく前進しているが、判決はこの流れに逆行する」と非難した。

96ザソックリモノマネ渕剛バンド:2010/05/28(金) 22:53:53
エルフ渕勇次(Stsz)です。椿姫彩菜さん大好きです。椿姫彩菜さんは2人姉妹ではなくて3人姉妹らしいですね。また双子なんですね。アクティ渕英二(Bs)です。スーパーテレビ情報最前線かアンテナ22で性同一性障害者特集とかを放送していました。また何だか椿姫さんかどうかは不明です。母親と実妹さんが出演していました。温泉らしきのが。うつつ枕渕剛(Dm)です。椿姫彩菜さんに似た顔や声等とかの人は全国に47人前後いますよ。また本物の椿姫彩菜さんと偽物の椿姫彩菜さんがコラボレーションセッションとかしますよ。ソックリモノマネ渕剛(Gt)です。絶対本物と偽物と番組交代交換ありますよ。本物の椿姫さんと偽物の椿姫さんといますよ。茨城県北茨城市や福島県いわき市等とかにも性同一性障害者やニューハーフ等とかいましたよ。

97チバQ:2010/05/28(金) 23:32:51
http://mainichi.jp/select/world/news/20100525ddm007030186000c.html
同性愛:アフリカ諸国、強まる敵視 「人権侵害」内外から批判
 ◇男性同士婚約に有罪−−マラウイ
 【ヨハネスブルク高尾具成】アフリカ各国で最近、同性愛者への敵視や「締め付け」風潮が強まっている。アフリカ南部マラウイの裁判所は、婚約の儀式を行った男性同性愛者カップルに今月、「(同性愛は)不自然な行為で、わいせつ罪にあたる」として懲役14年の有罪判決を言い渡した。こうした風潮に、アフリカ内外から非難の声が上がっている。

 マラウイで有罪判決を受けたのは26歳と20歳の男性。昨年12月末に南部の都市で婚約儀式をしたところ逮捕された。国際人権団体「アムネスティ・インターナショナル」は、判決が「人権侵害」に当たるとして即時釈放を要求。米英両国政府は声明で「深い失望」を表明した。さらに、同国からの子供を養育する歌手のマドンナさんも判決を批判した。

 アフリカ53カ国のうち少なくとも37カ国が同性愛を違法としている。ケニアでは2月、治安当局が男性同性愛者同士の結婚式を阻止。ウガンダ議会は昨年10月から、同性愛行為に対する罰則強化法案を審議している。改正案提出を受け、欧米諸国は対ウガンダ援助の打ち切りを示唆。南アフリカのノーベル平和賞受賞者、ツツ元大主教は、法改正に反対している。イスラム教徒が多いナイジェリア北部では、同性愛者に死刑が適用されているほか、セネガルでは同性愛者の遺体を墓地から掘り返して捨てる行為も発生。ジンバブエのムガベ大統領は「同性愛は西洋から持ち込まれた」と発言したこともある。

 欧米の価値観を知った市民が同性愛者の権利を公に主張し始めたことに対し、アフリカ諸国政府が反発していることが背景にあるのではないかとみられている。

98神奈川一区民:2010/05/29(土) 15:48:46
イアン・マッケラン「カミングアウトしないゲイの人生は悲惨」
5月29日11時49分配信 Movie Walkerhttp://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100529-00000009-mvwalk-movi



1988年にゲイであることを公にして以来、同性愛者権利擁護運動家としても活躍しているイアン・マッケラン(70歳)は、そもそも俳優の道を選んだのはゲイが多いからだったという。



「英国では、同性愛者が投獄されていた時代だよ。若い頃は、この国でゲイは自分だけだと思っていた。だから、俳優にはゲイが多いことを知った時にはうれしかったよ」「カミングアウトしたせいで大役を逃したことは一度だけだった。エージェントもゲイであることは絶対に隠せと言っていたし。友人の多くが僕は勇気があると言った。でも、僕にとっては簡単なことで、避けられないことだった」「みんなに僕と同じようにしろと言っているわけじゃない。だけど、それ以外の道は悲惨なものさ。嘘と恐れ、そして秘密。僕がこれまで出会った、ゲイであることを公言している人々は、カミングアウトは人生最良の決断だったと全員が言っているよ」とドイツの新聞Frankfurter Allgemeine Zeitungに語っている。【UK在住/ブレイディみかこ】

最終更新:5月29日11時59分

99チバQ:2010/05/30(日) 17:46:55
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010053001000015.html
同性愛のカップルに恩赦 マラウイ大統領
2010年5月30日 06時10分

 【ヨハネスブルク共同】アフリカ南部マラウイからの報道によると、同国のムタリカ大統領は29日、同性間で婚約式を挙げたとしてわいせつ罪などに問われ、20日に裁判所からそれぞれ懲役14年の判決を言い渡された男性同性愛者のカップルに恩赦を与え、2人の釈放を命じた。

 判決に対し、欧米諸国から「人権侵害だ」として非難の声が上がっていた。

 ムタリカ氏は恩赦を与える前、国連の潘基文事務総長と会談。潘氏が釈放を促したとみられる。

100チバQ:2010/06/17(木) 22:43:36
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=26845&from=yoltop
性同一性障害…心の性、診断は焦らず
思い込みの人も/十分なカウンセリング必要

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自ら性同一性障害を持ち、専門外来で患者に対応する松永千秋さん(横浜市港南区の日野病院で)自ら性同一性障害を持ち、専門外来で患者に対応する松永千秋さん(横浜市港南区の日野病院で) 体は男、心は女(またはその逆)――。自分の性に強い違和感を覚え、苦しむ性同一性障害の患者たち。タレントのはるな愛さんらが注目され、性別適合(性転換)手術を望む人も増えたが、この中には障害ではない人もいる。十分なカウンセリングが必要だ。(佐藤光展)

 横浜市の日野病院(精神科)には、全国でも珍しい性同一性障害の専門外来がある。担当する副院長の松永千秋さん(52)は、自らこの障害に悩んできた。

 男性として生まれたが、幼い時から女の子の服を好み、姉の服を内緒で着て外出した。「なぜ男の子の服を着ないといけないの?」。素朴な疑問は、成長と共に激しい苦痛に変わった。

 大学では物理を学び、女性の心を振り切るかのように、ボート部で体を鍛えた。だが、誰にも言えぬまま悩みは深まった。自分を知るため医学部に入り直し、精神科医になった。

 通常、体と心の性は一致するが、先天的な要因でずれることがある。この不一致に苦しむのが、性同一性障害だ。社会生活に支障をきたすほど、著しい違和感や苦痛が続く場合、この障害と診断される。苦痛のせいで、うつ病などの精神疾患を合併しやすい。

 逆に、女装や男装好きでも、自分の性に違和感がなければこの障害ではない。

 松永さんが外来を開設したのは2008年春。1人30分のカウンセリングを行う。患者に自分史を詳しく書いて来てもらい、いつから自分の性に違和感を覚えたのか、きっかけはあったのか、周囲はどう見ているのか、などを丹念に聞く。

 こうしたやりとりを続けるうち、実は障害ではないのに自分でそう思い込んでいることに気づく人もいるため、診断を確定するまでに平均1年かける。これまでの受診者約100人中、障害と確定したのは30人で、思い込みの人は8人いた。

 昨年受診した20歳代の女性は、同性愛者。性別適合手術を希望していたが、カウンセリングの結果、この障害ではないことが分かった。自分の性に違和感を覚えたのは、付き合う女性に「性格が男性的」と言われたのがきっかけで、子どものころから違和感を抱き続けたわけではなかった。

 松永さんは「本当に苦しむ人にとって手術は有効だが、過剰な手術につながらないよう、カウンセリングを重視するべき」と話す。

 松永さんは22歳で結婚。妻は障害を理解し、成長するのを待って伝えた娘2人も、受け入れてくれた。

 女性ホルモンを使い、外見がふっくらと女性的になったことで、好奇の目を注がれなくなった。昨年、病院の朝礼で障害を明かした。以前から髪を伸ばし、女性的な服を着ていたため、「すんなりと受け入れられました」と笑う。今は性別適合手術は考えていない。

 周囲とは違う自分の性のあり方を自然に受け止めることができれば、生きづらさは和らぐ。そのためにも、多様な人の存在を認める社会でありたい。

 松永さんは言う。

 「女性として社会に受け入れられて、私は今、とても幸せです」

性同一性障害
 国内の患者数は5000人前後とされる。ホルモン剤投与や性別適合手術は、事前に精神科などで十分なカウンセリングを受けることが大前提だ。なお、これらの治療には健康保険が使えない。

(2010年6月17日 読売新聞)

101チバQ:2010/06/17(木) 22:47:48
http://mainichi.jp/select/science/news/20100613ddm001100169000c.html?link_id=RSH03
境界を生きる:子どもの性同一性障害/1(その1) 高1男子「早く女性の体に」
 心と体の性別が一致せずに苦しむ性同一性障害(GID)。社会の理解が徐々に広がってきたが、18歳未満へのケアは置き去りにされている。当事者の9割は中学卒業前から性別への違和感があったとの調査もある。医療や教育の現場で何が起きているのか。【丹野恒一、五味香織】

 ◇ホルモン剤、個人輸入 副作用は承知、親に内緒で
 少し膨らんだ胸がシャツの上から分かるようになった。「良かった、効いてる。でもばれたらどうしよう」


西日本の男子生徒がフィリピンから個人輸入した女性ホルモン剤。押し入れに隠しているという=丹野恒一撮影 西日本の小さな海沿いの町。高校1年男子(15)は今年初めから、親に隠れてインターネットで個人輸入した女性ホルモン剤を飲む。日々男っぽくなっていく体を自分のものと感じられず、つらくてたまらなかったからだ。

 苦痛を感じ始めたのは小学校高学年だった。急に背が伸び、声変わりが始まった。中学に進むと男子の制服を着ることに耐えられず不登校に。親に打ち明け一緒に専門医を受診し「早く体を女性化したい」と訴えたが、医師は聞いてくれない。診察券を破って捨てた。

 ネット上にはホルモン剤の販売サイトがたくさんあった。一番安い薬を探し、フィリピンの業者が運営するサイトを見つけた。日本でもGID治療に使われる薬のアイルランド製のものが280錠で1万円。指定口座にお年玉を振り込んだ。心臓がドキドキしたが「正しいことをしたんだ」と言い聞かせた。

 ネットで副作用の恐れがあることは知っていたので、1日1錠と決めている。微熱やだるさが表れ不安になったこともあるが、やめられなかったという。

    *

 こうした子は決してまれでない。GID受診者が多い東京都のはりまメンタルクリニックでは、この2年間に初診に来た18歳未満の男子21人中7人が既に服用。埼玉医科大でも3人に1人の割合だ。

 背景には日本精神神経学会の治療ガイドラインがホルモン療法を18歳以上としていることがある。思春期に抱く性別への違和感は一過性のことがある上、18歳未満は医療行為への自己決定能力が不十分との理由からだ。

 少年らが自己流で服用している薬は女性の更年期障害のホルモン補充にも使うが、男性を女性化するにはその十数倍必要な時もある。同大の石原理教授は「人によって血栓症など致命的な副作用が出かねず、素人判断では危険。また、GIDと確定していない人が思い込みで飲み続けると、永久に精子を作れなくなる」と指摘。輸入薬に詳しい木村和子・金沢大教授は「個人輸入薬には本来の成分と全く違うものもある」と警鐘を鳴らす。

 それでも本人にとって第2次性徴時の精神的苦痛は大きく、不登校や自傷行為に及びかねない。

    *

 「ぼーっとしているうちに体が成長してしまうのに医者は患者の気持ちを分かっていない」。首都圏の高校1年男子(15)は専門医に治療を断られ、個人輸入薬を服用して1年半になる。最初の数カ月で肌がきめ細かくなり、より高い効果を求め別の薬に切り替えた。

 「薬がなかったら、自分がこの先も生きていくなんて考えられなかった」。研究者になり、いつか家庭を持ちたい。今はそんな将来を描ける。それでも「病院で処方してほしかった」と目を伏せた。(次回から、くらしナビ面に掲載)

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 ■ことば

 ◇性同一性障害
 体の性別への嫌悪感が長期にわたり消えず、自分は反対の性別であると強く思う状態。精神科的な治療だけでは苦痛の改善が見込めないため、本人が望めばホルモン療法や手術で体の性を心の性に近づける。専門医の調査では受診者の6割が自殺を考え、1割は実際に試みていた。未遂の時期は、18歳以下が7割を占めた。

102チバQ:2010/06/17(木) 22:48:42
境界を生きる:子どもの性同一性障害/1(その2止) 悩む現場の専門医(1/3ページ)
 <1面からつづく>

 ◇ホルモン療法、国内指針 18歳未満、対象外
 手首に刻まれた傷跡は深かった。「いつか本当に死んでしまう。先生、どうかこの子を助けてください」

 岡山大学病院の診察室。数年前、中塚幹也医師(生殖医学)はある女子高生の母親に懇願された。子どもは16歳。大人の女性になっていくことへの強い嫌悪感を訴え、月経が来るたびに自殺未遂を繰り返した。登校もままならなくなっていた。

 中塚医師は悩んだ。GID医療には体の性別を心の性別に近づけるホルモン療法が一般的だが、18歳未満に対しては日本精神神経学会の治療ガイドラインで認められていない。もう一つ、女性ホルモンの分泌を抑え第2次性徴を止めてしまう「ブロック」と呼ばれる方法があるものの、ガイドラインには記載自体がなく、GID医療の体制が最も整う同大でさえ、18歳未満への実施の可否は議論したことはなかった。

 精神科医と話し合った結果、中塚医師は「緊急避難でやるしかない」と、注射剤によるブロック治療に踏み切った。生徒は月経が止まり、うつ症状も消えて元気を取り戻していった。遠方から治療に通い続け、18歳を迎えるとホルモン治療に移行。乳房の切除手術も受けた。

   *

 同学会のガイドラインは1997年に策定され、02年の改定でホルモン療法の年齢条件が「20歳以上」から「18歳以上(未成年は親の同意が必要)」に引き下げられた。進学や就職で生活環境が変わるのに合わせて治療を始めた方がいいとの配慮からだった。

 この時、18歳未満にどう対応すべきかも議題となったものの、結論は見送られた。「思春期は誰もが心や体に違和感を覚えがち。自分はGIDに違いないという思い込みだけで受診する子が増えると、医療現場が混乱する」。改定にかかわった埼玉医科大かわごえクリニックの塚田攻医師は、当時はそうした考えが主流だったと振り返る。そもそも子どもの症例自体がまだ少なかった。

 だがその後、GIDが広く知られるにつれて低年齢の受診者が増加。専門医らはいま、先送りを続けてきた課題に直面している。

    *

 今年5月20日、広島で開かれた日本精神神経学会の学術総会。GIDの小委員会では、ブロック治療をガイドラインで認めるかどうかを巡り、専門医らが真っ向から意見を戦わせた。

 賛成派の中塚医師は「特に男性の場合、18歳からホルモン治療を始めても本人が望むレベルまで女性化するのは困難だ。風ぼうにコンプレックスを抱いて対人恐怖を感じたり、偏見にさらされる人生になってもいいのか」と強い口調で訴えた。一方、塚田医師は「人間は第2次性徴を経て精神的にも大人になっていく。ブロック治療はその成長過程を奪うことになり、倫理上の問題が残る」と慎重姿勢を崩さなかった。

 各国の医師らでつくる「トランスジェンダーの健康に関する専門家学会」が策定した国際的指針では、第2次性徴が始まったらブロック治療を実施し、16歳になればホルモン治療も可能としている。日本精神神経学会の性同一性障害委員長を務める斎藤利和・札幌医科大教授は言い切る。「容易に結論が出る問題ではないが、現場には命にかかわる待ったなしの現実がある。これ以上、悠長な議論だけを続けるつもりはない」=つづく

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103チバQ:2010/06/17(木) 22:49:43
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100614ddm013100044000c.html
境界を生きる:子どもの性同一性障害/2 性別変更、戸惑う学校
 ◇国通知、具体策なく/「拒否」「支援」対応ばらばら
 1時間目の授業はもう始まっている。静まり返った校内に入り、他の生徒が誰もいない別室で席に着く。下校は午後の授業中。教師に付き添われ、人目につかぬよう通用門から出る。

 「まるで悪いことをしているような毎日でした。差別の心をなくす教育をすべき学校が、臭いものにふたをするようでいいのでしょうか」。兵庫県の公立中学校をこの春卒業した千春さん(15)=仮名=の母親(52)は今も学校の対応に怒りを禁じ得ない。

 千春さんは幼いころから女の子っぽい男の子で、小学校では同級生にからかわれた。中学に入学して5日目、隣の小学校を卒業した男子に「オカマのくせに偉そうにするな」とからまれた。「陰で言いふらされているんだ」。次の日から学校に行けなくなった。

 2年生の秋、性同一性障害(GID)の専門病院を受診し、カウンセリングを受けるようになった。翌春、母親は不登校生が通う校外の適応指導教室に女子生徒として通わせたいと申し出たが、学校側は「前例がない」と取り合わず、ようやく認められたのが人目を避けた別室登校だった。

 千春さんは言う。「私の記憶から中学の3年間を消したい。同級生たちの記憶からも私を消したい」。4月からは定時制高校に化粧をして通っている。GIDと診断されたことは誰にも打ち明けていない。同級生に「声が低いね」と言われることもあるが、平静を装うようにしている。

 「また差別されるのが怖いのでは」。母親は不安でならない。

     *

 埼玉県の公立小がGIDと診断された児童の訴えで学校生活上の性別変更を認めたことを受け、文部科学省は4月、都道府県教委などに通知を出した。性別への悩みを訴える子どもについて、学校側に「個別の事案に応じたきめ細やかな対応」を求めた。

 だが教委には「具体的にどうすればいいのか」との戸惑いも広がる。GIDの児童・生徒が安心して登校できるかどうかは、どの学校に在籍するかで左右される。そんな現実は通知一つでは変わりそうにない。

 一方で、対応には慎重さが必要との声もある。京都府立高教諭で当事者でもある土肥いつきさん(48)は「社会に出れば学校以上に厳しい現実がある。生徒が生きる力をつけるため、学校はいい意味での壁になるべきだ」と話す。生徒の希望を頭から拒むのでも、すべてあっさり受け入れるのでもなく、何度も話し合い折り合いをつけていくことが重要なのだという。

104チバQ:2010/06/17(木) 22:50:10
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 神奈川県に住む望さん(15)=仮名=は公立中2年の秋からGIDの専門クリニックに通い始めた。母親(49)は担任や養護教諭に「診断書が出たら男子生徒として通わせたい」と伝えた。

 養護教諭には以前から「もしかしたら」との思いがあった。他の女子生徒が制服のスカートを短くする中で、望さんは長くして足を隠し、自分を「オレ」と呼んでいた。母親からも「セーラー服を嫌がる」「ブラジャーを着けてと言っても聞かない」などの相談を受けていた。学校も休みがちだった。

 とはいえ学校には前例がない。校長や担任教諭はインターネットなどでGIDについて調べた。養護教諭は当事者の手記を何冊も読み、スクールカウンセラーに知識を求めた。制服やトイレ、更衣室を替えるべきか。授業や学校行事ではどう対応すべきか。話し合いを重ねる中、校長が言った。「男子の制服に替えて、何か困るかい? 生徒にとって最善の援助をしよう」

 診断書が出る見通しとなった12月下旬、望さんと母親、校長、担任教諭らが校長室で顔をそろえた。校長は「ひぼう中傷されるかもしれない」と念を押したが、母子の思いは揺らがない。

 職員会議では「思春期には自分の性を否定することがある。それとは違うのか」との疑問や抵抗感を示す教諭もいた。養護教諭は資料を配り、理解を求めた。

 冬休みが終わった初日、教諭らは生徒たちに望さんのことを説明した。校長は「地域の理解も必要」と、PTA役員や学区内の小学校に事実を伝えた。望さんは体育祭では他の男子と体が触れあう競技に参加しなかったが、合唱コンクールは男子のパートに。修学旅行中は寝る時だけ別室を使った。友達は養護教諭に「やっとあいつらしくなった」と笑った。

 やがて高校受験を迎え、校長は望さんの志望校に事情を伝えた。入学が決まった高校の教諭は中学を訪れ、どんな対応が必要かを引き継いだ。「楽しかった」。望さんは養護教諭にそう言って、卒業した。

 「僕は男ですが、性同一性障害で、体は女です」。高校に入って2日目。望さんはクラスの自己紹介で堂々と語った。真新しいブレザーとズボンで毎日元気に学校へ向かう。

 卒業した中学にはこの春、男子も女子も使えるトイレが新設された。【五味香織、丹野恒一】=つづく

 ◇希望の制服「OK」…中高教諭の3割
 GIDの子どもにとって、心の性別に合わせた制服で通学できるかどうかは極めて重要だ。岡山大が08〜09年、県内の人権担当教諭508人に「希望する性の服装での登校を認めていいと思うか」と尋ねたところ、「構わない」と答えたのは小学校で5割弱。中学、高校は各3割にとどまった。中塚幹也・同大大学院教授は「当事者の立場に立つべき人権担当者がこれでは、現状は予想以上に厳しい」と、教職員への啓発の必要性を訴える。

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105チバQ:2010/06/17(木) 22:50:42
http://mainichi.jp/select/science/news/20100615ddm013100020000c.html
境界を生きる:子どもの性同一性障害/3 孤独、偏見…「消えたい」
 ◇揺れる思春期 悩み抱え自傷、不登校に
 ただでさえ多感な年ごろだ。性同一性障害(GID)の子どもたちは性別への違和感に加え、学校でいじめや偏見にさらされ、孤独に押しつぶされそうになる。やっと振り返れるようになった若者たちが、苦しかったころを語ってくれた。

 「誰かに助けてほしい。でも自分からは言えなくて。心の痛みを傷の痛みで追い出すしかなかった」。東京都内でアルバイトをする和希さん(19)=仮名=は「これからの子どもたちの役に立つなら」と静かに語り始めた。左手首には線状の傷跡が無数に残っている。

 女の子の体で生まれた自分を男の子と意識し始めたのは、幼稚園のころからという。男子とばかり遊んでいた。小学5年生の時、クラスの女子全員にトイレに引きずり込まれた。「おとこおんな。本当に女なのか証拠を見せな」。下着まではぎ取られた。いじめはしばらく続いた。

 親に勧められるまま、中高一貫の私立女子校に進んだ。「そのうち慣れるだろう」とセーラー服を着て登校したが、つらさは増すばかり。胸が膨らみ、風呂に入るたびに他人の体を洗っているような感覚が襲ってくる。涙がこみあげた。「みんなと違う。おれは変なんだ」。自分が壊れていくようだった。

 未明まで期末テストの勉強をしていた時だった。ペン立てに差していたカッターナイフに目がとまった。刃を左手首に当て、そっと引いた。流れ出た真っ赤な血。何かが軽くなった。

 高校に進むと、小学校時代のいじめの記憶が何度もよみがえり、教室に入れない日が増えていった。「この世から消えてしまいたい」とマンションの10階から飛び降りようとしたが、頭に浮かんだのは警察で死因を調べるため裸にされている自分の姿。「女の体は誰にも見せたくない。死ぬことさえできなかった」という。

 思い切って担任の女性教諭に打ち明けた。「おれ、性同一性障害だと思う。変だと思いますか」

 「おかしくなんかない。ため込んできたことが、いっぱいあるよね。一緒に一つ一つ解決していこう」。初めて聞いた優しい言葉だった。

 このままでは単位不足で進級できないかもしれない。2人は話し合い、まずは体操着で授業に出られるよう学校に働きかけることにした。専門医でGIDとの診断書をもらい、「女子の制服では高校生活への適応は困難」との意見を付けてもらった。だが学校側は対応に迷い、時間ばかりが過ぎた。進級はかなわず、通信制に転校せざるを得なかった。

 和希さんが言った。「高校は友達も先生も大好きだった。できるならみんなと一緒に卒業したかった」。セーラー服を我慢できていたら。もっと早く学校を動かせていたら……。今も自分ばかりを責めるという。

106チバQ:2010/06/17(木) 22:51:08
    *

 01年10月から放映されたテレビドラマ「3年B組金八先生」のシリーズ。女優の上戸彩さんが女の子に生まれたことに苦しむGIDの生徒を演じ、大きな反響を呼んだ。この放送で「自分と同じだ」と気付いた子どもは少なくなかった。

 現在は首都圏の大学に通う晶さん(19)=仮名=もそんな一人だ。ドラマを見たのは小学5年生の時。親には言い出せなかった。男らしい体に成長するのを抑えようと1日1食にして給食をほとんど残し、さらしで体を締め付けた。

 和希さん同様、晶さんも一度は「我慢できるかどうかやってみよう」と心を決めた。男子高に進学したが、「男の演技」は半年と持たず、クラスで浮いた存在になってしまった。学ランを着ているのに雰囲気が女性的だからなのか、通学時に電車に乗っていると、好奇の視線を感じ、さらし者にされているようだった。

 そして2年生の秋。体育祭の準備で4階の教室に1人で残っていた時、急に孤独感が襲ってきてパニックになり、ベランダから飛び降りてしまった。命は助かったが、腰椎(ようつい)を骨折。隠してきた悩みを学校側に明かさざるを得なくなった。

 「あの事がなかったら、最後まで『助けて』という信号を出せなかったかもしれない」。その後教諭らは親身に相談に乗ってくれたという。

 大学に入ってからホルモン療法などを受け、自分から打ち明けない限り、もう男性と思われることはなくなった。心のままに生きようとするだけで異質な存在とみられ、孤独になってしまうGID。晶さんはいま、「普通の人でいられる幸せ」をかみしめている。【丹野恒一、五味香織】=つづく

 ◇自殺の危険性高く 「考えた」6割、「未遂」1割
 GIDの当事者を対象にした自殺関連の調査によると、精神的な苦痛は思春期にピークを迎える。

 受診者が多いはりまメンタルクリニック(東京都)で受診者1138人に尋ねたところ、自殺を考えたことがあるという人は62%に上り、自殺未遂経験は10・8%、自傷行為経験は16・1%。

 このうち自殺未遂を起こした年齢が分かった67人を調べると、高校生、中学生、小学生の年ごろの順で多かった。一般的に多い首つりや過量服薬、リストカットだけでなく、体の性別への嫌悪感から胸や睾丸(こうがん)を自分で切ったり、はんだごてを押し当てたというケースもある。

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107チバQ:2010/06/17(木) 22:51:47
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100616ddm013100004000c.html
境界を生きる:子どもの性同一性障害/4 自分を責め、悩む親
 ◇我が子と世間の板挟み 覚悟決め、前向きに
 <あなたは仲間がいるけれど、私は誰にも話せない>

 二ノ宮悠生(ゆうき)さん(29)は、母がくれた手紙にあった言葉が忘れられない。届いたのは地方都市から上京し、同じ性同一性障害(GID)の友人が増え始めたころだった。

 女性の体で生まれた自分の心が男性であると打ち明けた時、母は「どうしてもそうだというなら、あなたを殺して私も死ぬ」と苦しんだ。今では当事者グループのスタッフとして活躍する二ノ宮さんだが、ホルモン療法も手術もするつもりはない。これ以上の心配をかけたくないからだ。

 我が子が性別への嫌悪感に苦しんでいると知った時、親も深い悩みを抱え込む。子どもを守りたいがすぐには受け入れられず、周囲の目も怖い。自分を責める日々が始まる。

 首都圏に住む麻沙さん(21)=仮名=の母(64)もそんな一人だ。中学で不登校になった麻沙さんは第2次性徴で低くなった声への嫌悪感で言葉さえ失ったが、専門医の受診を機に7年間の引きこもりから脱出した。我が子がぽつりぽつりと語りだした記憶に、母はショックを受けた。

 「5歳の時に女の子の格好をしたら、お母さんに『体が違うんだからやめてよ』と拒絶された」「男子の制服に耐えられず、ずっと我慢してたけれどやっぱり女だと泣いて訴えても、『また始まった』と相手にしてくれなかった」

 母にはどれも覚えがあった。「私の何気ない言動がそんなにも子どもを苦しめていたなんて」。父(66)は「ずっと仕事優先で、子どもの悩みに正面から向き合ってこなかった」と唇をかんだ。

   *

 鹿児島市内の温水プール。ガラス越しに子どもたちの泳ぎを見ていた直子さん(41)は、小学5年生だったまりあさん(14)が海水パンツ一枚になっているのに気付き、はっとした。一緒に着せていた女児用水着は脱ぎ捨てられていた。

 まりあさんは幼稚園のころからスカートを嫌い、2人の姉と違って女の子向けのアニメにも興味を示さなかった。直子さんは「もしかして」と感じつつも「隠さなければ、ここでは暮らせない」と不安でならなかった。

 中学生になって間もない昨年6月。好きな子ができたというまりあさんが口にしたのは、女の子の名前だった。「セーラー服を着て、自分と同じおっぱいが付いている。気が狂いそう」と訴える我が子と一緒に泣いた。でも「お母さんも女の人を好きになったことがあるんだ」と聞かれると、とっさに「あるわけないじゃない」と返してしまった。

 まりあさんの笑みが消えた。その瞬間、直子さんは我が子が遠くに行ってしまったように感じた。「この子を理解しないと、いつか親子でいられなくなってしまう」

 夫の雄一さん(44)と一緒に、学校にセーラー服から学ランへの変更を願い出た。校長は他の生徒が動揺するのを恐れ、難色を示すばかり。雄一さんが声を荒らげた。「西郷隆盛も大久保利通も、前例がないところで日本を変えた。同じ薩摩なのに、前例がないと何もでけんとか!」

 直子さんはインターネットで他県の中学生が制服を変更したことを知り、学校に伝えた。校長もやっと前向きな姿勢になった。まりあさんは今年2月にGIDの診断が確定し、4月から学ランでの登校が認められた。

 幼なじみの女子は「制服が変わっても、関係は変わらない」と言ってくれる。最近は男子の友達も増えた。

 大人になっても、男性に仲間として認めてもらえるのか。恋愛や結婚はかなうのか。不安は尽きない。

 「この子を独りにはしない」。両親はGIDの子どもや親たちがつながれるよう、グループ作りの準備を始めた。

108チバQ:2010/06/17(木) 22:52:25
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 学校での性別変更が昨秋認められた埼玉県の児童の母(47)は、報道後の世間の受け止め方を知りたくてインターネット上のコメントを探した。7割は好意的だが、心ない意見も目にとまる。「周りには不快に思う人もいる。親は何を考えているんだ」。心が折れそうになった。

 子どもはいま小学3年生。毎朝スカートをはき、楽しそうに学校に向かう。「どうして女の子に産んであげられなかったのか」と自分を責め続けたが、ようやく思えるようになった。「生きていてくれれば、それでいい」【丹野恒一、五味香織】=つづく

 ◇各地で家族会や交流会
 GIDへの理解を広める団体が徐々に増えてきた。本人、家族が参加し、悩みや体験を共有できる交流会も開かれている。

▽NPO法人「GIDmedia」(http://gidmedia.org/) 東京・高田馬場を拠点に毎月、10〜20代を中心にした交流会を開催。

▽「ESTO」(http://akita.cool.ne.jp/esto/) 秋田県に事務局を置く。東京都内と仙台市内で年数回ずつ親子交流会を開催。

▽「性同一性障害をかかえる人々が、普通にくらせる社会をめざす会」(http://www.gid.jp/) 全国に支部がある。今年から家族交流会を年3回のペースで開く予定。

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109チバQ:2010/06/17(木) 22:53:02
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100617ddm013100020000c.html
境界を生きる:子どもの性同一性障害/5止 「自分らしさ」求め行動
 ◇若者ら交流、支え合い 勇気得て告白や街頭へ
 ゴールデンウイークの昼下がり、東京・高田馬場の小さなバーは10〜20代の若者約20人で埋まっていた。性同一性障害(GID)の若者らでつくるNPO法人「GIDmedia」が月に1度開く交流会。「家族に打ち明けられない」「学校で居場所がない」。悩みを語り、分かち合おうと、全国から参加者が集う。

 中心メンバーの一人で、心の性別に合わせて男性として暮らす園田純さん(29)が目配りをしながら各テーブルを回っていた。「周りの人に知ってもらうと楽になれるよ。どうしたい?」。ためらう参加者の背中を押すこともある。

 関東地方の高校2年、歩さん(16)=仮名=は自宅から2時間がかりでやって来た。体は女性だが心は男性。学校では男性用の教職員トイレを使えるよう配慮してもらっているが、同級生には秘密だ。ここではみんなが自分を男性として扱ってくれる。「自然体でいられる」解放感が好きだという。

 前回の交流会では、学校で公表し男子として通学している高校生と知り合った。この日も隣に座り、体験談に耳を傾けた。

 仲間との出会いを機に、歩さんも「身近な人に知ってほしい」という気持ちが強まってきた。学校の友達と並んで歩きながら「今なら言えるかも。何て言えばいいかな」とドキドキする瞬間がある。あともう少しで勇気を出せそうだ。

   *

 東京での交流会の2週間後、大阪市内の公民館でも別の交流会が開かれ、約25人が集まった。性別に違和感を持つ生徒たちが安心していられる場所を作ろうと、関西の教育関係者らが数年前から実施。回を重ね、支えられる側から卒業してサポートする側に回った若者もいる。

 初参加した兵庫県の高校3年、奈緒さん(17)=仮名=は腰のくびれや走ると揺れる胸が嫌で仕方がない。髪を短く切り、女性に見られぬよう心掛けているが、そうすればするほど「胸と顔を見比べて、まるで人間じゃない生き物を見るような視線を感じる」。

 この日はみんなで水ギョーザを作り、食べながら自己紹介が始まった。おくすることなく悩みを語って交流の輪を広げていく同世代の子たちに圧倒されたが、収穫は大きかった。「自分だけちゃうんや」

 同じ日、東京のJR新宿駅前では高校生を含むGIDや同性愛などセクシュアルマイノリティー(性的少数者)の若者約20人がマイクを握り、インターネットで募った当事者や家族、友達からのメッセージを読み上げていた。「ありのままの私たちを見てほしい」「どんな性でも個性でも生きていける社会に」

 東京と大阪で07年に始めた多都市同時開催街頭アクション。4回目の今年は8都市に広がり、延べ約100人が参加した。リーダー役の大学生、遠藤まめたさん(23)は「街頭はいろんな人にメッセージを伝えられる。声を掛けてくれる通行人も増えてきた」と話す。

   *

 偏見や差別を恐れ、親や友達にさえ思いを明かせなかったGIDの若者たちが、ようやく声を上げ始めた。

 「GIDmedia」は今夏、神奈川・逗子海岸に初めて海の家を開設する。人前で裸や薄着になるのは多くの当事者にとって苦痛だが、「隠さず、自由にやりたいことに挑戦しよう」と企画した。

 海の家の名前は「BORDERLESS(ボーダーレス)」。性別の境界にとらわれず、自分らしく堂々と生きていきたい。そんな思いが込められている。【五味香織、丹野恒一】=おわり

110オキシデンタル島根&オリエンタル鳥取:2010/06/23(水) 14:29:31
オリエンタル鳥取です。スーパーテレビかアンテナ22のたぶんどちらかで性同一性障害者特集を放送していました。椿姫彩菜さんかどうか知りたいです。不確定不確実かもしれませんが女湯だったかと思います。母親と実妹さんが登場していました。そして中央には元男性さんの女性さんが座っていました。ロングバスタオルをさらし巻きしていた感じです。椿姫彩菜さんかどうか知りたいです。また椿姫彩菜さんではなく別だったら謝ります。オキシデンタル島根です。スーパーテレビかアンテナ22で放送してましたよ。平成18年(2006年)3月下旬か4月上旬でしたね。母親さんと妹さん出ていた方知ってます。椿姫彩菜さんと兄弟構成似て過ぎるため区別つきません。どなた様か母親さんと妹さんと温泉入浴した番組の放送をご覧頂いた人および椿姫彩菜さんかどうか調べてくださいますようお願いします。

111オリエンタル鳥取&オキシデンタル島根:2010/06/23(水) 14:35:11
オリエンタル鳥取です。また椿姫彩菜さんは3人姉妹(3人兄弟)だと聞きました。どちらが双子ですか?椿姫さんの方が双子か椿姫(実妹さん)さんが双子か。温泉入浴の性同一性障害者は別ですか?日本テレビ系で放送していました。母親さんと実妹さん見たいです。オキシデンタル島根です。椿姫彩菜さんかどうかは不明ですがお腹ポッコリの椿姫さんはCG映像だと思います。またあれは粘土か人形である事を信じています。また椿姫さんには本物と偽物と両方いると信じます。温泉入浴の椿姫さんは本物?偽物?

112神奈川一区民:2010/07/27(火) 00:17:16
【芸能】香港歌手ヒンズ・チャン、同性愛をカミングアウト 歌手のケニー・クァンと恋愛中

テレビ局の取材を受けた、香港の人気シンガーソングライター・張敬軒(ヒンズ・チャン)が、
同性愛者であることを自ら公表。かねてから熱愛説のあった関智斌(ケニー・クァン)と
「恋愛関係にある」、とカミングアウトした。

2010年1月に、同棲をうわさされた2人。「香港・西貢地区に愛の巣がある」と目撃談が報じられ、
「ヒンズは歌手として表に出て稼ぐ役、ケニーは家事すべてをやっている。2人の仲はとても良い」
と近所住民が暴露した。だが当時の2人は、同性愛疑惑を否定。ヒンズはマネージャーを通して
「なにかの間違い。自宅に友人を呼んで、パーティーを開いていただけ。僕はひとり暮らしです
とコメントしていた。

ケニーのことは「僕は故郷の中国を離れて香港で芸能活動を始めましたが、
ケニーと彼の家族がとても親切にしてくれました。それ以来大親友です」と友人関係を強調し、
「知り合いがいない頃だったので、本当に嬉しくて感激した。ゲイだとうわさされても、気にしませんよ。
冗談だと笑い飛ばせますから。近い将来ケニーの中国での芸能活動をサポートしたいと思っています」
と語っていたヒンズ。「パパラッチに写真を撮られることがイヤで、会う機会が少なくなった」
と説明していた。

だがそんなごまかしを止め、結局は“ケニーは恋人”と告白したヒンズ。イメージを守るためか、
マネージャーは同性愛者だということを認めていないが、勇気を出して告白したヒンズを
支持する人々は多い。

「公表するとは素晴らしい」、「実力のある芸能人は、同性愛者の事実を隠す必要がない」、
「ゲイだと公表したのは、張国栄(レスリー・チャン)と黄耀明(アンソニー・ウォン)に続いて3人目」
などと、応援者からのメッセージが届いている。

http://news.searchina.ne.jp/disp.cgi?y=2010&d=0725&f=entertainment_0725_001.shtml

ヒンズ・チャン
http://news.searchina.ne.jp/2010/0725/entertainment_0725_001.jpg
http://the-sun.on.cc/cnt/entertainment/20100122/photo/0122-00470-088b2.jpg
http://www.big5.huanbohainews.com.cn/pic/0/10/20/34/10203440_852776.jpg
ケニー・クァン
http://i80.photobucket.com/albums/j167/sidneylu86/Celebrities%20showing%20it%20all/ul-36.jpg

113神奈川一区民:2010/07/29(木) 23:50:32
【サッカー】スポーツ界にはまだ反同性愛の風潮が存在…新世代のサッカーファンは同性愛者の選手に寛容?

現地時間27日、イギリス・スタッフォードシャー大学が実施したオンライン調査の結果、
最近のサッカーファンは、プロサッカー選手のなかに同性愛者がいることに対して
より寛容的になっていることが分かった。ロイター通信が報じている。

同大学が2000人のファンに対して行なった調査によると、同性愛者のサッカー選手は
存在してはならないと答えたファンの割合は、わずか7%にとどまったという。
調査をしたエリス・キャッシュモア教授は、「より透明性を求める声が上がった。
多くのファンが、同性愛者であることを公表するサッカー選手が出てくることを望んでいる」とコメント。
サポーターは同性愛者に対して寛容になっているとした。

過去に現役中に同性愛者であることを明らかにしたのは、元イングランド代表の
ジャスティン・ファシャヌ氏のみ。同氏は1998年、37歳の若さで自殺している。

そのほかのスポーツ界では、ウェールズの元ラグビー代表キャプテン、ガレス・トーマス氏が昨年、
「ラグビー代表選手としてのタブーを破る最初の人間となったことは残念なことだ」と語り、
同性愛者であることを明らかにした。また、イギリス人の元NBA選手、ジョン・アマエチ氏も
2007年の引退後に同性愛者であることを告白しており、スポーツ界にはまだ反同性愛の風潮が
存在すると訴えている。

キャッシュモア教授は「サッカーファンも変わった。彼らは実際、個人の性的志向を
あまり気にしていない。もちろん、選手たちの間には偏見が存在し、
偏見はサッカー界にとって重い負担としてのしかかっている」とコメント。

同教授は反同性愛主義は1970年代から80年代にかけてイギリスのサッカー界に
はびこっていた人種差別主義と同じだと主張している。

http://southafrica2010.yahoo.co.jp/news/ndetail/20100728-00000018-ism-socc

114神奈川一区民:2010/08/04(水) 00:48:51
【海外】「ER 緊急救命室」のサラ・ギルバート、レズビアンであることをカミングアウト

 テレビドラマ「ER 緊急救命室」「ビッグバン★セオリー ギークなボクらの恋愛法則」のサラ・ギルバートが、
長年語ろうとしなかった私生活について口を開いた。

 WENNによると、サラはオジー・オズボーンの妻シャロン、
女優のレア・レミニ、ホリー・ロビンソン・ピートなどと一緒に、
トークショー「ザ・トーク」(原題)の共同司会を務めることが決まり、
先日、テレビ批評家協会で記者会見を行ったという。

 サラは、2002年以来、同性のテレビプロデューサーのアリソン・アドラーと交際し、
二人には5歳の息子リーヴァイと2歳の娘ソイヤーがいるが、
サラはこれまで公に自分がレズビアンであることを認めたことはなかった。

 今回のトークショーで、レズビアンであることを前提に参加することについてどう感じているのかを聞かれると、
「わたしにとってはまったく新しい世界。レズビアンの専門家というわけではないし、分析をしたこともない。
わたしはただ、自分の人生を生きているだけ」とエンターテインメント・ウィークリーに語り、
同性愛者であることは大ごとではなく、それが単に自分のライフスタイルであることを強調した。

 これまでレズビアンであることを認めなかったサラは、このトークショーへの出演契約をしたことで、
きちんとカミングアウトする決心をしたとのこと。「わたしは小さいころから女優としていろいろな役を演じてきて、
自分のプライベートについて語ることはなかった。でも、今回の番組はトークショーだから、
自分の人生について語らないとね」とふっ切れた様子だ。

 サラは、テレビドラマ「大草原の小さな家」でローラを演じたメリッサ・ギルバートの妹で、
6歳の時にメリッサがハリウッド・ウォーク・オブ・フェイムに星をもらったのを見て、自分も女優になると決めたと言われている。

ソース:シネマトゥデイ
http://www.cinematoday.jp/page/N0025922

115チバQ:2010/08/10(火) 22:02:19
http://www.asahi.com/international/update/0805/TKY201008050448.html
同性婚禁止は「憲法違反」 米連邦地裁が初判断2010年8月6日16時24分


 【ロサンゼルス=堀内隆】米国で同性間の結婚を禁止することが憲法違反かどうかが争われた訴訟で、サンフランシスコの連邦地裁は4日、禁止は法の下の平等を定めた連邦憲法に違反するとの判断を示した。米国では婚姻をめぐる規定は各州に委ねられているが、「同性婚を禁じてはならない」と州に命じる判決が連邦裁判所レベルで出たのは初めて。

 ただ、同性婚反対派が控訴するのは確実で、最終的には連邦最高裁の判断を待つことになりそうだ。

 訴訟の対象は、米カリフォルニア州で2008年11月に実施された住民投票「提案8号」。同性婚禁止を州憲法に明示するよう求める提案が賛成多数で成立し、州憲法が改正された。今回の訴訟は、2組の同性カップルがこの住民投票が違憲だとして、同州のシュワルツェネッガー知事ら行政側を訴えた。

 同性婚反対派の「結婚は伝統的に男女間の結びつき」との主張に対し、判決は「同性婚を認めないのは、結婚や社会で男女が異なる役割を持つと見られていた時代の遺物」とした。反対派の「父母に育てられる方が、子どもはよく発達する」との主張についても根拠がないと退けた。さらに、州政府にも同性婚を認めないことで得られる利益はないとし、同性婚を禁じる理由はないと結論づけた。

 判決はまた、同性愛者が米社会で様々な差別や偏見にさらされてきたと指摘。米国で黒人差別が激しかった時代に存在した異人種間の結婚を禁じる規定が、1967年の連邦最高裁判決で違憲とされた歴史にも触れた。

 判決を出した連邦地裁のウォーカー裁判官は、自身も同性愛者として知られる。

 カリフォルニア州における同性婚はこれまで、司法判断と民意との間で揺れ続けてきた。00年に「結婚を男女間に限る」と定めた住民投票が成立したが、08年5月に州最高裁が同性婚を認める判決を出し、実際に約1万8千組の同性カップルが婚姻証明書を受け取った。これに対し、同性婚反対派が出したのが「提案8号」。今回は、住民投票の結果を司法判断が再度、覆した結果になった。

 現在、米50州のうち45州が州憲法や州法で同性婚を禁じている。

116チバQ:2010/08/17(火) 19:19:00
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20100817-00000003-cnn-int
カリフォルニアの同性婚また差し止めに 米連邦高裁
8月17日12時3分配信 CNN.co.jp

(CNN) 同性婚の禁止を決めたカリフォルニア州の住民投票提案が米国憲法に違反するかどうかをめぐる裁判で、サンフランシスコの第9巡回区連邦高裁は16日、同性婚の再開差し止めを命じる仮処分を言い渡した。

この裁判では、結婚は男女間に限ると定めた同州の「住民投票提案8号」が争点となっている。連邦地裁は4日の判決で同提案を違憲と認定し、12日には判決の執行停止措置を解除して同性婚にゴーサインを出していた。これにより、18日にも同性婚が再開される見通しとなっていた。

しかし連邦高裁の決定により、同高裁で審理を行う間は同州での同性婚再開は差し止められる。審理は日程を早め、口頭弁論を12月6日の週に開くと定めた。判決が出るのは来年になる見通しだが、裁判は連邦最高裁まで持ち越される公算が大きい。

カリフォルニア州では州の裁判所の判断により同性婚が認められていたが、2008年11月の住民投票で、結婚を男女間のものと定めた住民投票提案8号が52%の賛成多数で可決された。これに対し、同性婚を支持する側が同提案は米国憲法に違反するなどと主張して連邦裁判所に提訴している。

117名無しさん:2010/09/12(日) 18:59:00
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2010091001000411.html
米軍の同性愛者排除は違憲 米連邦地裁
2010年9月10日 12時46分

 【ロサンゼルス共同】米ロサンゼルス連邦地裁は9日、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁じた米軍の規定を違憲とする判決を言い渡した。米軍は入隊審査で同性愛者と公言しない限り容認する「聞かない、言わない」の方針を取っているが、地裁は、この方針が、言論の自由を保障した米憲法修正1条に違反すると判断した。

 ロサンゼルス・タイムズ紙(電子版)などが伝えた。

 オバマ大統領は同性愛者を米軍に正式に受け入れる考えで、国防総省は規定の見直し作業を進めている。米下院本会議も同性愛者の軍務に道を開く法案を可決している。

 AP通信によると、1994年以降、1万3500人以上が、同性愛者であることが発覚して軍務を解かれている。

118名無しさん:2010/09/12(日) 19:02:10
>>109
http://mytown.asahi.com/areanews/kanagawa/TKY201008290276.html
海の家「ボーダレス」 性同一性障害仲間で営業2カ月
2010年8月30日

 性同一性障害(GID)の20代の若者が今夏、逗子市の海水浴場で海の家を開き、29日に2カ月間の営業を終えた。その海の家は「浜辺の食堂 ボーダレス」。スタッフは達成感を抱え、来年も開くことを決めた。

 「いらっしゃい。レモンラーメンが人気ですよ」。海水浴客に気さくに声をかける園田純さん(29)は、戸籍上は女だ。しかし、外見はひげを生やし、筋肉質のからだ。本人から言われなければ、わからない。

 「自分たちにできるか不安はあったが、新しいことをやってみたかった」。参加するGIDの支援団体のホームページで仲間を集め、7月3日に開店した。「理解までは求めない。GIDを知るきっかけにしたかった」と園田さんは言う。店の前には性的少数者のシンボルである虹色の旗をおいた。

 園田さんを含め、スタッフ5人はいずれも性の悩みを抱えて生きてきた。園田さんは高校生の頃、性同一性障害という言葉を知った。両親に打ち明けたのは20歳の頃。両親は受け入れてくれた。母と妹は今夏、浜辺の食堂に来て、「頑張ってね」と励ましてくれたという。

 スタッフの1人、山川悠亮さん(21)もからだは女だったが、心はずっと男だったという。普段は大学に通うほか、都内のバーで働く。海の家の営業期間中は、逗子市内に借りたアパートで、ほかのスタッフと共同生活を送った。仕事は早朝から午後9時まで続いたが、それでも、「この仲間と仕事ができてよかった」と振り返った。園田さんは「『やってよかったね』だけで終わりたくない。来年も再来年も続けます」と笑顔で宣言した。(曽田幹東)

119名無しさん:2010/09/12(日) 19:04:12
http://mainichi.jp/select/world/news/20100819ddm007030079000c.html
スウェーデン:性的少数者が祭典、40万人参加 広がる同性婚、地方では偏見も
 同性同士の結婚がヨーロッパ諸国を中心に次々合法化され、同性愛者など性的少数者が誇りを持って生きていく場が広がりつつある。昨年5月に同性婚が合法化されたスウェーデンでは先月末、ストックホルムで約40万人が参加した性的少数者の祭典「プライド2010」が開かれた。同国政府は各国のジャーナリストを招待。「少数者に寛容な同性婚先進国」をアピールした。【ストックホルムで田嶌徳弘】

 ストックホルムの街では虹色の旗があちこちで目に付いた。旗は、性的少数者である女性同性愛者(レズビアン)、男性同性愛者(ゲイ)、両性愛者(バイセクシュアル)、性同一性障害者(トランスジェンダー)の頭文字を取った「LGBT」のシンボルだ。

 市内ではパレードが行われLGBTの警察官や兵士、医師、教師、政治家、聖職者までもが喜びを爆発させた。人口900万人のスウェーデンで40万人が参加したことを考えれば、国民の関心は高い。

 パレード主催者の一人でストックホルム観光局のクリスチーナ・グッゲンバーガーさんによると、2年前のパレードには海外から5万5000人が参加。同性婚が合法化された昨年から、政府はロシア・東欧を中心に多くのジャーナリストを招待している。「自由でLGBTに寛容なスウェーデンのイメージを海外に伝えることが大切」と話す。

 LGBTのシンボルの大きな旗が、教会の塔にまで掲げられていることに驚く。

 国民の7割が信者であるスウェーデン国教会(福音ルーテル教会)が同性婚を認め、教会で挙式したカップルは60組以上に上る。

 3人しかいない女性主教(ビショップ)の1人であるエバ・ブルンヌさん(56)はレズビアンであることを公にしている。「論争がある中で同性婚を認めた教会の決定は重要だった」と話す。ブルンヌさんは「大切なのは、人を差別してはならないということ。デンマークなど他の国にも影響を与えることになる」と話す。

 自由党の国会議員であるバーブロ・ウェスタホルムさん(77)は「宗教界が同性婚を支えている。これが他の国と違う」と話す。教会で牧師によってきちんと式を挙げることで、その正当性をアピールできるからだ。

 だが、スウェーデンでも地方に行けば、まだ保守的な考えも根強くゲイバーが襲撃される事件も起きている。

 ストックホルムの小中学校の教師、ペーアンダース・ウォルナーさん(63)は9年前、当時高校生だった次男から「今度恋人を連れてくるけど、女の子じゃない」と告げられ、ショックを受けた。

 一番心配したのは、極右からの攻撃だった。「驚いたけど、夫婦でLGBTのことを勉強した。知ることによって恐れることはなくなる」と言う。

 その次男は既に同性と結婚。仲のよいガールフレンドに頼んで人工授精により男児を出産してもらった。4カ月になる男児を次男は同性のパートナーとの間の子供として育てている。「子供は法的に息子たちの子供と認知される。私もおじいさんになった」とウォルナーさんは笑う。

 スウェーデンでは同性のカップルに異性の夫婦に準じた権利を認める「登録パートナーシップ法」が94年に成立した。結婚は認められなくても、同性カップルも法的に保護されていた。昨年の婚姻法の改正で、配偶者が同性か異性であるかにかかわらず婚姻法が適用されることになった。

 同性婚は01年にオランダで合法化され、06年までに5カ国に増えた。08年には国連総会で性的指向に基づく人権侵害の根絶を求める声明が出され、日本を含む66カ国が賛同、LGBT問題が人権問題であるという認識が広がった。今年は一気に3カ国で合法化された。

==============

 <同性婚を認めた国と時期>

オランダ   01年 4月

ベルギー   03年 6月

スペイン   05年 7月

カナダ    05年 7月

南アフリカ  06年11月

ノルウェー  09年 1月

スウェーデン 09年 5月

ポルトガル  10年 6月

アイスランド 10年 6月

アルゼンチン 10年 7月

 ※米国では5州と首都ワシントンで認められている

毎日新聞 2010年8月19日 東京朝刊

120チバQ:2010/09/19(日) 17:19:46
産経が記事にしていることに驚き

http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100919/trd1009191651004-n1.htm
同性愛者ら「個性として受け入れて」 札幌で700人が行進
2010.9.19 16:50

 性的マイノリティーへの理解を訴え、行進する「レインボーマーチ札幌」の参加者ら=19日午後、札幌市中央区 「僕たちは身近にいます。どうか受け入れて」−。性的マイノリティーへの理解を訴えるイベント「レインボーマーチ札幌」が19日、札幌市であり、ゲイやレズビアン、バイセクシュアルの人たちがススキノなど中心街を行進した。

 多彩な色合いのドレスや肌に密着したランニングシャツ、アニメのキャラクターまで、思い思いの格好をした約700人が参加。音楽に合わせて踊ったり手を振ったりして、沿道を通り掛かった観光客らが拍手や声援で迎えていた。

 牧祐介実行委員長は「性的マイノリティーも個性として受け入れてほしい。普通の人間だとアピールしたい」と話した。

 夫婦で通り掛かった札幌市の近藤静江さん(86)は「今は自由な時代。どんな個性でも認められるべきだ」。参加した札幌市の女性(23)は「勤務先の同僚に見られたが、笑顔で手を振ってくれた」と興奮気味だった。

121チバQ:2010/09/19(日) 17:26:35
>>101-109
http://mainichi.jp/select/opinion/eye/news/20100903k0000m070125000c.html
記者の目:性分化疾患と性同一性障害=丹野恒一
 「男の子か女の子か、どちらにしますか」。子が生まれた直後、医師にそんな決断を迫られたら、どう答えることができるのだろう。

 染色体やホルモンの異常が原因で外見からは性別が判断しづらい赤ちゃんが数千人に1人の割合で生まれている。その事実を知ったのは2年余り前だった。我が子3人の出産に立ち会った私は、子どもの性別は出産前から決まっていて、誕生した時には確かめるだけだと思い込んでいた。だが幸せに包まれるはずの瞬間に医師の一言で目の前が真っ暗になり、親族や知人からの祝福の電話にも出られない親たちがいる。しかも医療関係者の知識が不十分だと、適切な検査もなく性別が決められてしまうことさえある。

 ◇自分は男?女?苦しんで自死も
 性別は染色体の型がXXかXYかで決まると考えられがちだが、性器や性腺(卵巣・精巣)が女性か男性かで一致していなかったり、染色体もXだけだったり、XXYといった型で生まれてくる子どもがいる。成長後も、男女どちらにもはっきり属することができない体と感覚に苦しむことが少なくない。

 こうした子どもはずっと前から生まれていたにもかかわらず、社会の偏見の中で本人や親は隠し続け、医療界もメディアもタブー視してきた。日本小児内分泌学会はこれまで使われてきた「半陰陽」や「両性具有」という言葉に蔑視(べっし)するような響きがあるとして「性分化疾患」に統一したが、それもわずか1年前のことだ。

 私は当事者や家族を一人一人訪ね、昨秋からくらしナビ面で連載「境界を生きる」を執筆している。長く声を上げられなかった人の話を聞いていくにつれ、自分の中にあった「性別」というものに対する固定観念は崩れていった。

 性分化疾患を持って生まれてきた子どもたちは、いつ自分の疾患を知るべきなのか。それだけでも難しい問題だ。何も知らず男の子として育ち、ある日突然に初潮が来たり、女の子として育って成長後に卵巣や子宮がないと知ることがある。恋をする年齢になり、事実を知った直後に自ら命を絶った大学生もいた。

 性別の境界にいるのは彼らだけではない。体の性別がはっきりしていても、心と一致せず苦しむ性同一性障害は、1000人に1人の割合ともいわれる。男女別の生活を強いられる学校に通えなくなったり、誰にも打ち明けられず自傷行為を繰り返す子どもたちもいる。

 連載をこう評した家族がいた。「取材に応じられるのは壁を乗り越えられた人たちだけ。声を上げられない人が大勢いる」。取材を申し込んだところ、こう断られたこともある。「あなたのお子さんが同じような状況のとき、知る必要のない人たちにまで知ってほしいと思いますか。世の中には知らなくていいことだってあるんです」。心も体もほぼ女性なのに、ホルモンの異常で外性器が男性化してしまう疾患の子の母親だった。

 ◇自分らしく生きたいだけ
 他にも耳を離れない言葉がある。心は女性なのに体が男性で苦しむ18歳の学生を取材した時のことだ。安全性を無視して個人輸入した女性ホルモン剤を服用しているが、外見の変化は期待ほどでないという。「今の姿のままで女性として生き始めても、性的倒錯者としか思われない」。自分らしく生きたいだけなのに、なぜ自らをそんなふうに表現しなければならないのか。返す言葉が見つからない私に、学生は痛々しい決意を示した。「それでも生き抜けるよう、強くなりたい」

 連載にはこれまでに100通近い反響をいただいた。共感や体験に交じり、55歳の男性会社員から批判的な感想が届いた。「男に生まれた以上は男として生きるよう身に着けさせるべきだ」。理由は「手術で性別を変えても、母親にはなれないから」という。こうした考えもまだ根強いのだろう。

 私自身は取材を通して、性別の境界を生きる人々は決して特別な存在ではないと思うようになった。性には多様な形があり、体の性別があいまいなこともあれば、心の性別が体と逆になることもあり、好きな性が異性であったり同性であったりもする。私を含む多数の人は、その数限りない組み合わせの中から、たまたま典型的な形でそろっただけの存在なのだ。

 「知らなくていいことがある」「性的倒錯者とみられてしまう」。家族や子どもたちにそう思わせているものは何なのだろう。人間は男女に二分される。そんな常識を問い直す先に訪れるのは無秩序か、それとも誰もが生きやすい社会か。私は後者だと信じたい。(生活報道部)

毎日新聞 2010年9月3日 0時07分

122チバQ:2010/09/19(日) 17:27:17
http://mainichi.jp/universalon/clipping/archive/news/2010/07/14/20100714ddm010100010000c.html
境界を生きる:子どもの性同一性障害 読者の反響特集
 心と体の性別が一致せず、時に大人以上の苦しみを抱えながらもさまざまなケアが置き去りにされている性同一性障害(GID)の子どもたち。医療、教育現場などの課題を取り上げた連載「境界を生きる〜子どもの性同一性障害」(6月13〜17日)に、当事者や家族を含め多くの反響をいただきました。記者が訪ねて聞いた思いを紹介しながら、改めて深刻な現実を考えます。【丹野恒一、五味香織】

 ◇生きていてほしかった 自殺の我が子、心追う母
 「親として、あの子を救えなかったことはこれからも悔やむと思います」。福岡県に住む都さん(44)からのメールには、我が子が自ら命を絶った悲しみがつづられていた。「私が話すことで役に立てるなら」と取材に応じてくれた。

 早朝、刑事からの電話があったのは09年11月だった。21歳だったあゆみさんが東京都内で練炭自殺したとの知らせに、頭が真っ白になった。

 あゆみさんは地元の高校を卒業後、夢だった自衛官になった。翌08年春、休暇で帰省中、両親に告白した。自分がGIDだということ。治療を受けようと思っていること。

 子どものころから男の子のように活発で、中学校の入学時は男子生徒の制服を着たがった。でも高校時代には「子どもは2人ほしいな」とも口にした。母として花嫁姿や孫を抱く日を夢見ていた。

 告白から数カ月間はけんかの繰り返し。都さんは「何のために育ててきたのか」と口走ったこともある。女子寮生活が苦しかったのか、あゆみさんは次第に勤務もままならなくなった。電話で「寮の8階にいる。飛び降りてもいい?」と言われ、必死に訴えた。「帰って来なさい」。受け入れるしかないと覚悟した。

 昨春、あゆみさんは依願退職した。専門医の正式な診断を待ちきれず、独自にホルモン治療を始めた。胸の手術を済ませ、9月には東京で暮らすため実家を出た。母が我が子を見る最後になった。

 自殺した車中には「ママへ」と書かれた遺書があった。「こんな体で生まれたけど、ママの子で生まれたこと、誇りです」「心配せんでいいよ。やっと笑顔になれるから」。最後に二人で撮ったプリクラが張られていた。

 都さんは日記やブログから最後の日々をたどった。耐え難い孤独と自分の存在そのものへの葛藤(かっとう)で埋め尽くされていた。<こんな化け物、誰が好き好んで近づくよ/抗(あらが)えない、見えない何か。そんなものにいいように操られて……悔しいよ/なんでおれが死ななきゃいけない!?>。悲鳴のような言葉が続く。

 最後のページには、大きな文字で<我が人生に一片の悔い無し>とあった。「本当はもっと生きたかったんじゃないの? どんな姿でもいい、生きていてほしかった……」

 あゆみさんの足跡を追い続けるうちに、都さんはインターネットで同世代の女性と知り合った。19歳の子がGIDに悩んでいるが親として受け入れられず、治療の同意書へのサインを拒否している。子どもは今年6月末、勤め先を退職したという。

 かつての自分たちと重なった。都さんは女性に伝えた。「(死んでしまったら)帰ってこないんだよ」。同じ悲しみに直面する前に、子どもを支えてほしいと切に思う。

 「男と女しかいないという価値観ではなく、あゆみのような人たちが少しでも生きやすい世の中になってほしい」。自宅にはあゆみさんの笑顔の写真が何枚も飾られている。

123チバQ:2010/09/19(日) 17:27:31
◇偏見に負けない勇気を
 連載では、体が男性であることへの違和感をぬぐえず、女性ホルモン剤を個人輸入して危うい自己流治療を続ける子どもたちの存在も紹介した。「ひとごととは思えなかった」とメールを寄せた四国在住の専門学校生(18)はこう書いていた。「副作用は承知の上で、私も飲んでいます」

 幼稚園のころから「体が自分のものじゃないような感覚」に悩まされてきたという。鏡は極力見ないように、そして思い詰めないようにと心掛けてきたが、高2の夏、強い倦怠(けんたい)感に襲われ、ついに自分の部屋からもほとんど出られなくなった。母親と心療内科に行ったが性別への悩みは打ち明けられず、医師には「思春期にはよくある症状」としか言ってもらえなかった。

 どうにか3年に進級できたが、すっかり男っぽくなった体が我慢できず、ホルモン剤の輸入を決心した。その時頭に浮かんだのは、子どものころから両親に何度も言い聞かされてきた言葉。「あなたは長男なんだから、家を継ぐ孫の顔を拝ませてね」。継続的に服用すると精巣の機能が永遠に失われる恐れがあると知っていたので「申し訳ない気持ちでいっぱいだった」。

 それから約1年。骨格は変わらないが、肌はきめ細かくなり、走ると揺れて痛むほどに胸も膨らんできた。家族も同級生もまだ気付いておらず、男性として暮らしている。「ホルモン剤の服用開始が遅かったので、風ぼうはあまり変わっていません。今のままで女性として生き始めても、性的倒錯者としか思われない。それを覚悟して意志を貫く勇気はまだありません」

 いずれは女性化する手術も受けたいが、それですべてが解決できるとは思っていないという。「社会は私たちのような存在を容易には受け入れないはず。それでも生き抜いていけるよう、精神的にもっと強くなりたい」。そう言って、唇をかんだ。

 ◇身近な存在と知って
 自殺未遂を繰り返しているという首都圏の大学生(21)からも、メールが届いた。

 「どう願っても男の体になれない」との失望感が中学時代から続く。大学の入学式では女性用スーツを着るのがつらく、母親(42)に「女に生まれたくなかった」と訴えた。「そんなことで悩んでどうするの」と突き放され、部屋のドアノブにひもをかけて首をつったが、死にきれなかった。

 「今までの生き方で死にたくなるなら、思うように生きてみよう」と治療を決意し、専門医に通い始めた。昨夏、ホルモン治療を開始する見通しが立った。ところが両親は猛反対した。「何のために男になるのか。我慢できないのか」。当事者の手記を渡しても読んでもらえなかった。

 医師は「治療には親の了解が必要」という。うつ状態で今春からほとんど外出できなくなり、大学も休学している。毎日のように腹や腕をカミソリで傷つけてしまう。「自分の存在という罪への罰」。傷が薄くなると「罪」が消えるようで、またカミソリを手にする。「一日一日を生きることが精いっぱい。苦しみから解き放たれるには、やはり死しかないと思ってしまう」

 アルバイトの仲間たちがGIDのことを話題にしていた。一人が「そんな人、本当にいるのかな」と言った。心の中で答えた。「ここにいるよ」。身近な存在であることを知ってほしいという。

124チバQ:2010/09/19(日) 17:28:07
==============

 ◆二度と会えない故郷の友

 女子として通った高校までは、苦痛や困難の連続でした。治療で新しい自分になりたかったので、出身地と離れた大学を選びました。高校を卒業する時、地元の友人とは二度と会えないと考え、アドレスをすべて消しました。男性に変わった姿で会うとすれば、GIDを告白することになる。そうなれば、築いてきた多くのものを失う気がしたからです。

 ホルモン療法で、外見上は男性的になってきました。大学では入学前から先生たちと相談を重ね、中性的な通称の使用などが認められました。GIDを公表した上で教師になり、当事者の相談に乗りたいと考えていましたが、名前や声が男性として通用するようになると、そのまま黙って過ごしたくなる弱い自分がいます。ただ男と思われたいのか、それともGIDの男だと思ってほしいのか、分からなくなっています=国立大1年(19)

 ◆我が子の応援団長

 GIDの19歳の子を持つ母親です。悩みを知ったきっかけは高校1年の時にあった泊まりがけの学校行事でした。女子生徒たちとお風呂に一緒に入るのを激しく嫌がったのです。高校は途中から定時制に編入し、今春には法的に男性名への改名手続きを済ませ、専門学校に進みました。初めは「なぜ、私の子が?」と悲しみのどん底に落とされましたが、気持ちを整理していくうちに「一番つらいのはこの子だ。親なのだから理解してあげよう」と切り替えることができました。GIDの方、勇気を出して家族に話してみてください。きっと生きる道が開けます。私は我が子の一番の応援団長です=東京都、自営業手伝い、女性(52)

 ◆相談先見つからず

 1カ月半ほど前に高校生の息子から「体に悩みがある」と言われました。何となく気付いていたのですが、体は男性で心は女性のようです。悩みのせいで頭痛や吐き気がひどく、悪夢も見るといいます。市や県のあらゆる相談センターに電話しましたが「そのような内容は扱えない」との答えばかり。やっと紹介してもらった精神科でも「来年の春まで予約がいっぱい」と言われました。学校も休みがちですが、先生に打ち明けても迷惑だろうと思い、あきらめています。記事を読んで「同じように白でも黒でもない、まさに境界で苦しむ人たちがいるのだ」と知りました。独りで不安を抱えていたので、少し力強く思えましたが、今後どうしたらいいのかは分からないままです=福岡県、40代主婦

 ◆教員に人権感覚を

 GIDに関する教員への啓発や研修は確かに大切ですが、より重要なのは個別の事例や医学的な知識を得ることではなく、人権感覚を磨くことです。性別、国籍、年齢や出身で人にレッテルを張らず、人そのものを見る。そういう姿勢は同和問題、障害者差別などの人権問題をしっかり考えれば身につきます。適切な人権感覚を持つ教員が集まった学校であれば、GIDの子どもへの対応でもおのずと大筋を誤ることはないはずです=元東京都教委統括指導主事、鈴木義昭さん(54)

 ◆当事者の思い知った

 私の通う大学に健康教育論という授業があります。そこで先日、数人の学生が突然、自分がGID当事者やその家族、元恋人であることを次々と告白しました。実は心理劇なのですが、私を含む一部の学生以外は演技であることを知りません。GIDについて真剣に考え、理解を深めることが狙いです。

 事前の準備で情報を集め当事者の思いを想像しましたが、体と心の性が違うとはどういう気持ちなのか分かりませんでした。それがつかめたのは、記事の中で当事者が語っていた「僕は男ですが、性同一性障害で、体は女です」というシンプルな言葉でした。ただ自分らしくありたい。そのために命を危険にさらさなければならないなんて、つらいことだと思いました=岐阜大地域科学部3年、柴山亜美さん(20)

 ◆「金八先生」登場人物モデル、虎井まさ衛さんに聞く

 ◇みんなと同じでなくてもいい
 01年秋から放送されたテレビドラマ「3年B組金八先生」(TBS系)でもテーマになった子どものGID。性別への違和感に苦しむ中学生のモデルとなった虎井まさ衛さん(46)は、GIDと診断された人の戸籍上の性別変更を求める活動などにも取り組んできた。同じ悩みを抱える子どもたちへのメッセージを聞いた。

125チバQ:2010/09/19(日) 17:28:36
     ◇

 「金八先生」ならばまじめに取り上げてもらえるだろうと思い、ドラマ化に協力しました。上戸彩さん演じる生徒が高い声を変えようと自分ののどにくしを刺す場面は、実際に私の知り合いがやったことです。

 現実ではドラマのような形で周囲から受け入れられることは難しいでしょう。ただ、GIDがお茶の間で広く知られたことには大きな意味がありました。放送後、児童・生徒や母親から相談を受けるようになり「こんなに潜在的な当事者がいたのか」と驚きました。

 インターネットの普及で、誰とも顔を合わせず治療方法などの情報を集められるようになりました。でも、ホルモン剤の個人輸入は心配です。自己流の服用で肝機能に影響が出れば、後で手術を受けられなくなるかもしれない。先を考えて待つことも必要です。私は10歳で手術を受けようと決めてから、手術のために渡米するまで13年かかりました。時間はかかるものです。

 孤独で消えてしまいたいと思ったり「周囲が分かってくれない」と悩む人は多いと思いますが、みんなと同じでなくてもいい。自分から行動し、環境を変えていく強さを持ってみませんか。

毎日新聞 2010年7月14日 東京朝刊

126チバQ:2010/09/19(日) 17:29:11
>>118
http://mainichi.jp/universalon/clipping/archive/news/2010/07/25/20100725ddm013100035000c.html
境界を生きる:自然体で海楽しもう 性同一性障害の若者が海の家
 ◇使いやすい更衣室、語りやすい雰囲気…
 心と体の性別が一致せずに苦しむ性同一性障害(GID)の若者たちがこの夏、神奈川県逗子市の逗子海岸で海の家をオープンさせた。名前は「浜辺の食堂 BORDERLESS(ボーダーレス)」。水着になるのをためらいがちな当事者が気兼ねなく海を楽しめると同時に、さまざまな人たちが集い、GIDへの理解を広げる場にしたい。そんなチャレンジが始まった。【五味香織】

 関東甲信地方などが梅雨明けし、夏本番となった17日。色とりどりのパラソルが並ぶ浜辺で、そろいの水色のTシャツを着たスタッフたちが「いらっしゃいませ!」と海水浴客に呼びかける。店の前の立て看板には、セクシュアルマイノリティー(性的少数者)の象徴として使われるレインボーカラーの旗が掲げられている。

 ボーダーレスを運営するのは、GIDの若者たちでつくるNPO法人「GIDmedia」。大学生やフリーター6人で切り盛りしている。うち4人は女性として生まれ、今は心の性に合わせて男性として暮らしている。

 メニューにはビールや焼きそばといった定番がそろうが、目玉は「レモンラーメン」。塩味のスープにレモンの輪切りがさっぱりとした風味を加え、真夏の浜辺にぴったり。

 GIDは自分の体に対する違和感が強く、水着や海水浴を敬遠する人も少なくない。その上、海の家では更衣室が男女別々に設けられていることが多く、着替えづらいという。そこでボーダーレスでは店の奥に性別を問わない個室の更衣室を設け、誰もが気兼ねなく使えるようにした。

 スタッフは男性としては小柄なためか、「男の子? 女の子?」と聞かれることもあるという。店長を務める大学生の山川悠亮(ゆうすけ)さん(21)は「疑問を持つお客さんがいれば、それをきっかけに自分たちのことを話し、GIDについて知ってもらえたら」と期待する。

 運営スタッフの園田純さん(29)は小学校のころから女子として学校に通うつらさを抱えてきた。19歳で家族に打ち明け、今はNPOの中心メンバーとして活動している。「当事者もそうでない人も、自然に溶け込める場所にしたい。来年以降も続けていければ」と話す。

 運営は8月29日まで。同月1日には交流のバーベキューパーティーも予定している。

 ◇東京で30日交流会
 GIDmediaは7月30日午後3時から東京都内で、GIDの子の家族や教員を対象にした交流会を開く。家族は本人以上に仲間や相談先を見つけにくく独りで悩みがちなため、思いを語ったり支え合うきっかけにしたいという。参加費1500円(飲み物、軽食付き)。申し込みはホームページ(http://gidmedia.org/)から。

毎日新聞 2010年7月25日 東京朝刊

127チバQ:2010/09/19(日) 17:29:39
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100915ddm013100194000c.html
境界を生きる:学校現場で/上 性同一性障害「私の個性」
 心と体の性別が一致しない性同一性障害(GID)の児童・生徒は、男女別の生活を求められる学校でさまざまな悩みや苦しみを抱えている。一方で、自ら一歩踏みだし、道を切り開く生徒も現れ始めた。思いを受け止め、周囲の教諭や生徒たちも変わろうとしている。【五味香織】

 ◇校内で公表、理解得た経験 市の弁論大会で訴え
 8日夜、川崎市で市内の定時制高校の弁論大会が開かれた。弁士は7校の代表14人。離婚家庭で築いた家族のきずなの話や、デートDV被害の告白。年配の生徒は社会人経験を踏まえてこれからの生き方を語った。

 3番目で演台に立ったのは、県立川崎高1年の小林空雅(たかまさ)さん(15)。「みなさんは、個性をどのように考えていますか」。集まった約700人の生徒たちに問いかけた後、手元の原稿から目を上げて一呼吸置いた。

 「私は男ですが、体の作りは女性として生まれてきました」

 GIDであることを告白し、自分の抱えてきた苦しみを「眠っている間さえも、本当の性別と異なる性の体と生活している違和感から逃れることができません」という言葉で表した。

     □


川崎市内定時制高校の弁論大会で優勝し、賞状を受け取る小林空雅さん=川崎市で2010年9月8日五味香織撮影 小林さんがGIDを公表できたのは、周囲の理解や支援があったことが大きかった。

 小さいころから女の子の体であることに違和感があり、市立中学2年の冬、専門医にGIDと診断された。中学側は小林さんの希望を受け、男子生徒としての通学を認めた。

 今春入学した現在の高校も、小林さんの合格が決まった時点で出身中学にトイレや更衣室などの対応を聞き、入学に備えた。同高の定時制課程にはさまざまな事情のある生徒が通うが、GIDであることを明らかにした生徒が入学したケースは初めてだったという。

 既に戸籍を男性名に改名していた小林さんは入学に際し、校内で同級生たちにも公表したいと学校側に伝えた。専門医に「公表するなら早い方がいいのでは」と助言を受け、「何かがあって困った時に『実は……』と打ち明けるより、初めから知ってもらった方がいい」と考えたという。学校側はクラスの自己紹介や全校集会で、公表する機会を設けた。

 西原秀夫副校長は「生徒にとって何が一番いいのかを考え、対応した」と話す。

     □

 弁論大会で小林さんが繰り返し語ったのは、学校生活の楽しさだ。「すばらしい友達や先生方に恵まれました。校内でカミングアウトしても、以前と変わりなく接してくれています。自分がコンプレックスだと思うことは、他の人からすれば気に留めることはないのかもしれません。自分(の体)が嫌なことに変わりはありませんが、それがあなたの個性だと言われると、少し気持ちが軽くなります」

 そして「自分に自信を持って、一人一人が一生懸命に輝いていける社会になるといいですね」と締めくくった。

 すべての弁論が終わり、優勝者が発表された。小林さんだった。客席の同級生たちから「やったー!」と歓声が上がった。

 同学年の女子生徒(15)は「私の友達にも同じような子がいる。他人に話すだけでもプレッシャーがあるはずなのに、大勢の前ですごい」。GIDのことを初めて知ったという市立橘高2年、斉藤美穂さん(16)は「重い内容で、話すには勇気がいると思った」と話した。

 大会終了後、会場の外で「おれも(GID)なんだ」と打ち明け、連絡先の交換を求めてきた生徒もいた。トロフィーと賞状を手にした小林さんは「優勝できて、もっと自信を持とうと思えた」と笑顔を見せた。

毎日新聞 2010年9月15日 東京朝刊

128チバQ:2010/09/19(日) 17:30:06
http://mainichi.jp/life/edu/news/20100916ddm013100015000c.html
境界を生きる:学校現場で/下 性別悩む生徒、支えよう
 ◇差別、偏見なくしたい…教諭ら、講習で対応考え
 性同一性障害(GID)や同性愛など性的少数者(セクシュアル・マイノリティー)の子どもたちを理解し、差別や偏見のない学校作りを目指そう。そんな動きがようやく、教育関係者の間で活発になってきた。

 「ひょっとして、この子は性別のことで悩んでいるのではないか。そう感じたら、まず何をすべきですか」

 8月下旬、JR大阪駅近くの大学サテライトキャンパス。日本性教育協会が主催した夏季セミナーの会場は、参加申し込みを事前に打ち切ったにもかかわらず、定員を超す100人以上で埋まった。テーマは「児童・生徒と性同一性障害」。小中高の教職員や各地の教育委員会関係者の姿が目立った。

 埼玉県の小学校がGIDと診断された児童に学校生活上の性別変更を認めたことを受け、文部科学省は4月、「児童・生徒の心情に十分配慮した対応を」と全国に通知した。しかし、現場の教員らには「どうすればいいのか」との戸惑いもある。講師を務めたGID学会理事長の中塚幹也・岡山大大学院教授は「対応に決まりはない。まずは子どもに『親身になって聴いてくれる人だ』と思ってもらうことが大切」と、基本的な心掛けをアドバイスした。


日本性教育協会のセミナー「児童・生徒と性同一性障害」を熱心に受講する教育関係者ら=大阪市北区で8月 また、文科省の通知は学校に医療機関との連携を求めているが、この日のセミナーで専門的なジェンダークリニックがある地域として紹介されたのは10都道府県にも満たず、会場からは「実態に即さない通知だ」との声が漏れた。

 中塚教授が岡山県内の人権担当教諭約500人を対象に実施した調査では、教諭の4人に1人が性別への違和感に苦しむ児童・生徒に接した経験があった。この日受講した50代の女性小学校教諭も「性別のことで悩んでいる児童がいたが、自分からはなかなか明かそうとせず、対応に苦慮した」と話す。「『プールに入りたくない』とだけ言われた場合、わがままとの見極めが難しい。特別扱いはいじめを引き起こしかねないというジレンマもある」

 セミナーを企画した東優子・大阪府立大准教授(ジェンダー研究)は「対応の実例を知りたい教諭が多いようだ。専門家の講演を1時間聴くような形ばかりの知識教育ではなく、子どもたちの現実の悩みに沿って学校環境をどう整えられるか、考え合う取り組みが広がってほしい」と話す。

    □

 性のあり方に関する悩みはいじめや不登校、自殺などの要因とも指摘されている。子どもたちが一人で抱え込まないように、教育関係者の理解促進に積極的に取り組む自治体や民間団体も現れた。

 大分県は今月中にも中学校などの教職員を対象に「セクシュアル・マイノリティの人権」と題した出前講座を始める。性暴力被害者の相談事業などに取り組むNPO法人「えばの会(女性と子どもの性と人権を考える市民ネット)」との連携事業で、同会スタッフが講師を務める。県人権・同和対策課の長尾政昭課長補佐は「正直に言って、行政としては対策が手薄になりがちな分野。専門知識を持つNPOの力を借りて、まずは教職員に正確な情報を行き渡らせ、ゆくゆくは保護者や一般市民にも広げたい」と話す。

 奈良教職員組合は2月、人権意識が高い学校作りに役立ててもらおうと、用語解説や学校での支援、家族への支援の方法などを紹介した「教職員のためのセクシュアル・マイノリティサポートブック」(A4判、19ページ)を作製。基本的な考え方として(1)本人の気持ちを尊重する(2)自分の性のありようが認識できない人、揺れている人、変わる人もいる(3)周囲が勝手に決め付けない(4)周囲との「違い」を否定しない−−を挙げている。柴田俊和書記次長は「全国の学校などから注文が相次ぎ、1000部増刷した。当事者の高校生から『先生たちが自ら考えてくれたことが、泣きたいほどうれしい』という手紙も届いた」と反響の大きさに驚く。サポートブックはホームページ(http://www1.ocn.ne.jp/~jtu‐nara/)からダウンロードできる。

 また、「“共生社会をつくる”セクシュアル・マイノリティ支援全国ネットワーク」(http://kyoseinet.blog25.fc2.com/)も3月、当事者が学校時代に何がつらかったかを振り返るインタビューを中心に構成したDVD「セクシュアル・マイノリティ理解のために〜子どもたちの学校生活とこころを守る」(送料別1500円)を作製。事務局長の杉浦郁子さんは「GID以上に理解が進まない同性愛にも力を入れて作った」と話す。【丹野恒一】

129チバQ:2010/09/19(日) 17:30:25
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 ■セクシュアル・マイノリティーと学校生活に関するQ&A

Q:同性愛と性同一性障害はどう違う?

A:同性愛は性的指向(興味や恋愛の対象)が同性に向かうこと。性同一性障害は自己の性別認識が体の性別と食い違うこと。性的指向が異性と同性のどちらに向かうかは関係ない。

Q:性別のことで生徒が悩んでいるようだ。本人には確かめていないが、どう対応すればよい?

A:まず話しかけてみる。次にそういったテーマの本を教室や図書室や保健室に置いたり、授業中に何気なく話題に挙げ相談しやすいきっかけを作る。大事なのは知識があると見せることではなく、知ろうとする姿勢を見せること。教諭が笑いのネタとして「オカマ」「ホモ」などの言葉を使うと、本人はますます学校での居場所をなくす。

Q:性別に違和感のある子の精神的苦痛を和らげる環境整備の例は?

A:制服を男女で分けず、例えばスカートかズボンか選べるようにする。トイレは男女兼用の場所を設けたり、職員用を使えるようにする。更衣室は別室を使わせたり周囲から遮断されたコーナーを作る。水泳授業はリポート提出などの代替措置を検討。宿泊行事の部屋割りや風呂は本人の意向を確かめる。

 ※大阪府立学校人権教育研究会のリーフレットなどを基に作成

毎日新聞 2010年9月16日 東京朝刊

130チバQ:2010/09/19(日) 17:32:06
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2010091800095
独外相、同性愛パートナーと「結婚」
 【ベルリン時事】ドイツ紙ビルト(電子版)によると、ウェスターウェレ副首相兼外相(48)が17日、同性愛のパートナーである実業家ミヒャエル・ムロンツ氏(43)と事実上の婚姻関係を結んだ。「結婚式」はボンで行われ、親族ら約20人が参列したという。
 ドイツでは2001年施行の「登録パートナー法」で、婚姻登録した同性カップルに対し、異性間結婚に近い権利を認めている。(2010/09/18-07:30)


http://gayjapannews.com/news2010/news23.htm
ドイツ、同性カップルの相続税を異性間夫婦と同等に
2010/09/02 07:31

ドイツ外相ウェスターウェレ氏(写真右)とパートナーのミヒャエル・ムロンツ氏
ドイツ政府は先月19日、同性パートナーに課せられる相続税について、課税条件を異性間夫婦と同等にすることを決めた。

これまで同国の同性カップルは、異性間の婚姻関係に比べて高い相続税が適用されることがあったが、ドイツ連邦憲法裁判所は同日までに「性別で税額が違うのは違憲」との判断を示していた。政府は2010年末までに関連税制を改正する方針。

ロイトホイサーシュナレンベルガー法相は同日、所得税についても同性カップルに不公平とならないよう改正を検討する意向を示した。

ドイツでは、ウェスターウェレ副首相兼外相(=写真右)やヴォーヴェライト・ベルリン市長ら有力政治家も同性愛者であることを公言、外国訪問にパートナーを同伴することもある。(編集・編訳:ゲイジャパンニューススタッフ)

131神奈川一区民:2010/09/19(日) 22:30:27
【社会】同性愛者ら「僕たちは身近にいます。どうか受け入れて」 札幌で700人が行進


 「僕たちは身近にいます。どうか受け入れて」−。性的マイノリティーへの理解を訴える
イベント「レインボーマーチ札幌」が19日、札幌市であり、ゲイやレズビアン、バイセク
シュアルの人たちがススキノなど中心街を行進した。

 多彩な色合いのドレスや肌に密着したランニングシャツ、アニメのキャラクターまで、
思い思いの格好をした約700人が参加。音楽に合わせて踊ったり手を振ったりして、沿道を
通り掛かった観光客らが拍手や声援で迎えていた。

 牧祐介実行委員長は「性的マイノリティーも個性として受け入れてほしい。普通の人間だと
アピールしたい」と話した。

 夫婦で通り掛かった札幌市の近藤静江さん(86)は「今は自由な時代。どんな個性でも
認められるべきだ」。参加した札幌市の女性(23)は「勤務先の同僚に見られたが、笑顔で
手を振ってくれた」と興奮気味だった。

産経msnニュース 2010.9.19 16:50
http://sankei.jp.msn.com/life/trend/100919/trd1009191651004-n1.htm

132とはずがたり:2010/09/20(月) 09:45:18
>>131
最近はお見かけしませんが,さっぽろ・しろいし一区民も参加されたんでしょうかねぇ??

133チバQ:2010/09/20(月) 17:51:34
>参加した札幌市の女性(23)は「勤務先の同僚に見られたが、笑顔で手を振ってくれた」と興奮気味だった。

と あるように地元で参加するのはなかなか大変だと思いますよ。
札幌200万都市の1%がセクシャルマイノリティだとしたら2000人居る計算。その半分以下しか参加していないことになります。
(実際は3〜5%くらいと言われていること。市外からの参加もあると考えれば、かなり少ない割合になる計算では?)

134チバQ:2010/10/12(火) 23:17:16
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20101004-00000301-newsweek-int
教会を悩ますゲイ聖職者の「乱れた性」
ニューズウィーク日本版 10月4日(月)17時6分配信

 ローマ中心部のレストラン「レ・マーニ・イン・パスタ」。若いカップルがテーブルを挟んで見詰め合っている。手を握ったり口づけを交わしたりするわけではないが、明らかに単なる友人同士ではない。ただし、気になる点が1つある。服装は2人とも白いカラーに灰色のシャツ----カトリックの聖職者の証しだ。

 カトリック教会は同性愛を自然に反する罪深い行為としている。とはいえ、男性同士で愛をささやき合うゲイ聖職者の存在はローマでは公然の秘密であり、多くの市民が見て見ぬふりをしてきた。だが先ごろ、イタリアの週刊誌パノラマがショッキングな暴露記事を掲載すると、状況は一変した。

 ジャーナリストのカルメロ・アッバーテは、ゲイ聖職者グループに属するある人物の「パートナー」に成り済まし、ローマの聖職者3人の「秘め事」を20日間にわたりビデオにこっそり録画した。

 ビデオに映っていた司祭たちは秘密パーティーでセクシーなダンスを踊り、教会の敷地内で「男性コンパニオン」と性的行為に及んだ。ミサの時間ぎりぎりに暗いベッドルームから出てくる司祭たちの姿を捉えた動画もあった。「問題は同性愛ではない」と、アッバーテは本誌に語った。「建前の美徳と私生活レベルでの悪徳、そして教会の深刻な偽善だ」

 この暴露記事はローマのカトリック関係者に大きな波紋を巻き起こした。ただし同じ性的スキャンダルでも、世界中で明らかになっている聖職者による児童への性的虐待とは大きく違う。ゲイ聖職者は禁欲、教会法、偽善に関わる問題だし、小児性愛は児童虐待、権力乱用に関わる問題だ。

 ローマでは聖職者の大半がバチカン(ローマ法王庁)と何らかのつながりを持っている。アッバーテによれば、ビデオに映っていた司祭の1人はサンピエトロ大聖堂でミサを執り行っていたという。

問題は教会の秘密主義

 ローマ教区のアゴスティーノ・バリーニ枢機卿は声明でこう述べた。聖職者で同性愛者という「『二重生活』を送る司祭たちは自らの務めを理解していない。彼らは司祭になるべきではなかった」

 今年4月、法王庁のナンバー2に当たるタルチージオ・ベルトーネ枢機卿は訪問先のチリで会見を行い、性的虐待問題と絡めてゲイ聖職者を非難した。「多くの心理学者と精神科医によれば、禁欲と小児性愛は無関係だが、同性愛と小児性愛の関係を示唆する研究は少なくない。だから問題なのだ」

 まるで小児性愛のような「性的逸脱」よりも同性愛などの「性的志向」を問題視しているかのようだ。性的虐待の被害者をサポートする活動家はこうした傾向を批判する。教会は児童への性的虐待の噂があっても事実を隠蔽するのに、ゲイ聖職者に対してはすぐに聖職からの追放を口にする、と。

 レ・マーニ・イン・パスタからそう遠くないトラステベレ地区にある国際神学校には、世界中から入学希望の若者が集まってくる。この学校のある教授によると、彼らの圧倒的多数は性的に活発なゲイたちで、活力あふれるローマのゲイ文化にすぐなじむという。

 世界中にゲイ聖職者が何人いるのか、正確な数は分からない。00年の研究では、アメリカのカトリック司祭の最大60%は同性愛者だとされている。アッバーテによれば、ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)でゲイであることを公言している司祭も少なくない。また取材の結果、聖職者は男性コンパニオンやバイセクシュアルの男娼の大切なお得意さまであることも分かったという。

 法王ベネディクト16世は現在、ローマ郊外のカステル・ガンドルフォにある夏季の別荘に滞在中だ。法王庁は当面ゲイ聖職者の件については沈黙を守り、ローマ教区に対応を任せている。

 だが禁欲の誓いを破った司祭を教会から追放しても、おそらく問題は解決しないと、アメリカで人気のカトリック系ブログに執筆している宗教評論家のブライアン・コーンズは指摘する。

「真の問題は教会の秘密主義だ」と、コーンズは言う。「ゲイ聖職者は自ら名乗り出てもらいたいという意見には賛成する。だが今の教会指導部は、そうした正直さを許容するような開放的で安全な環境をつくろうとしていない」

[ニューズウィーク日本版2010年8月11日号掲載]

135チバQ:2010/10/16(土) 00:27:33
http://jp.wsj.com/Life-Style/node_134067
【日本版コラム】同性愛カップルの経済学
三重綾子
2010年 10月 15日 13:37 JST
..
政府があなたの性的指向を理由に1138もの権利を取り上げたら、あなたはどう感じるだろうか。

これが米国に暮らす同性愛カップルが直面する現状だ。

 2004年に同性愛者の結婚を認めたサンフランスコは、同性愛者の人口比率が全米で最も高い都市だ。同市カストロ地区は同性愛者のシンボル的な町で、一糸まとわぬ姿で町を闊歩する同性愛者の姿が普段から見受けられ、08年に日本でも話題となったショーン・ペン主演映画「ミルク」でその半生が描かれたハービー・ミルク氏がカメラショップを構えた場所でもある。ミルク氏は米国の政治家としては、初めて同性愛者であることを公表した人物で、同性愛者の権利向上に尽力した。現在では全米の5つの州で、同性愛結婚が認められている。日本でも放送された「アグリー・ベティ」などといったテレビ番組で、同性愛者がファッション・アイコン的に取り上げられ、彼らの社会的認知は進んでいる。しかし今、同性愛者の数が全米で最も多いカリフォルニア州では、保守派が盛り返し、彼らの法的権利は後退している。

 カリフォルニア州民は08年、米国初の黒人大統領としてオバマ大統領を当選させた選挙と同時に行われた住民投票「プロポジション8」で、同性愛結婚にノーを突きつけた。これ以来、サンフランシスコでは、同性愛者たちが合法的に結婚することができない。そして今年7月、連邦地方裁判所が同性愛者結婚禁止は憲法違反とする初の判断を下したものの、現在裁判は控訴審に進んでおり、執行は最終判断が出されるまで差し止めとなっている。

 しかし、「プロポジション8」が違憲と最終判断されたとしても、連邦法の下では、未だ同性愛カップルは男女の夫婦と同じような権利を得ることはできない。これが前述した1138の権利だ。

 連邦制をとる米国では1996年に成立した「ディフェンス・マリッジ・アクト」という法律で、連邦政府が認める結婚は男女間のもののみと定め、州法によって合法に結婚した同性愛カップルも連邦法の下ではドメスティック・パートナーとしてしか認められない。カリフォルニア州では、ドメスティック・パートナーとして登録すれば、パートナーの医療保険を利用できるなど、男女の夫婦とほぼ同等の権利が与えられている。だが、連邦政府の下では、男女の夫婦が享受する1138もの権利を行使することができない。

 これは同性愛者の社会認知問題という枠を超えて、彼らの財政状況にも大きな影響を与えていると、30年来のパートナーと結婚したアート・デスヨ氏は語る。

 「私が夫のジョンに財産を贈与するとしたら、私たちは同性愛カップルのため、ジョンは税金を払わなければなりません。これはとても不公平です」とサンフランシスコ出身のデスヨ氏は話す。

 例えば、連邦政府が定めるところの妻が死亡し、夫に16万2000ドルほどの401K(日本の確定拠出年金)を遺した場合、相続は非課税だ。しかし、同性愛カップルの同様なケースで同じ金額を遺した場合は、課税の対象となる。夫の年収が3万ドルの場合、納税額は、年に3000ドルから4万9000ドルに膨れあがる(同性愛者の権利向上グループ「ヒューマン・ライツ・キャンペーン」による計算)。

この他にも以下の権利が同性愛カップルには認められていない。

・ 遺族年金

・ 配偶者が亡くなった場合の企業から提供される医療保険の継続

・ 所得税の控除

・ スポーツクラブなどで提供される「家族会員」などの特典

・ 忌引きの扱い

・ 子供の教育ローン

・ 子供の養育権、「離婚」の際の慰謝料

・ カップルに与えられる生活補助

136チバQ:2010/10/16(土) 00:28:01
こうした中、同性愛者が多く働く企業では独自の救済策を取っている。シリコンバレーに拠点を置くグーグルは、今年7月、連邦政府の認める夫婦ならば控除される所得税を会社が負担すると発表。約2万人の従業員を抱えるグーグルでは、「ゲイグラー」という同性愛者の内部組織があり、その正式メンバーは700人に上ると言われている。

 07年に行われた調査によると、所得税の控除が適用されない同性愛カップルは、連邦政府が認める男女の夫婦に比べて、およそ1069ドルも多く所得税を払っているという統計が出ている(ウィリアム・インスティチュート調べ)。

 こうした救済策はグーグルだけが行っているわけではない。カイザー財団によれば、フォーチュン500社の半数以上の企業が、ドメスティック・パートナーに対する医療保険を提供。連邦政府レベルでも、オバマ大統領は7月、連邦政府で働く同性愛カップルの社会保障の拡大を発表。勤務地変更などによる引っ越し費用などは、政府が負担することになった。しかし、所得税まで負担する企業はまれで、ヒューマン・ライツ・キャンペーンによれば、シスコ・システムズやビル・ゲイツ財団など、まだ少数の企業・組織にとどまっている。

 何十万人もの同性愛者が働くと言われているシリコンバレー。ここに拠点を企業では、長引く不況の今も、優秀な人材が競合他社に引き抜かれないよう、様々なインセンティブを提供している。そのため、他のシリコンバレー企業もグーグルの例に続くとの楽観的な見方もある。しかし識者は、同性愛者が異性愛者と同等の権利を得るようになるには、まだほど遠い道のりだと語る。

 「カリフォルニア州では州法によって、同性愛者という理由から、雇用や住宅を借りる際の差別は違法とされている。そうした今でも私の事務所では、給与の面などで差別を受けた同性愛者のクライアントからの相談が絶えない」とサンフランシスコで法律事務所を経営するクリス・ドーラン弁護士は語る。ドーラン氏の法律事務所では持ち込まれるケースの2割以上が同性愛者の権利関連だ。

 07年の米国国税調査によれば、女性の同性愛者の年収は、異性愛者に比べ9000ドルほど高いものの、男性の同性愛者は異性愛者に比べ7000ドル弱年収が少ないという統計が出ている。また、子供がいる同性愛カップルに至っては、同じ条件の男女の夫婦に比べ最大で1万5000ドル所得が少ないという結果になっている。

 「スタート・アップ企業など、若い企業はグーグルと同じ措置をとるかもしれない。けれども、それはシリコンバレーといった革新的文化がある場所だからだ。カリフォルニア州を一歩出れば、法律で定められている枠を超えて同性愛者の権利を保障する企業はほとんどないだろう」とドーラン氏は話す。

137チバQ:2010/10/31(日) 22:39:37
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&rel=j7&k=2010103000278
台北で今年もゲイパレード=3万人参加、アジア最大級
 【台北時事】同性愛者らによるパレードが30日午後、台北市の中心部で行われた。雨が時折ぱらつく中、主催者発表で過去最多の約3万人が参加し、アジアでは最大級のパレードとなった。台湾各地のほか、日本や中国、欧米などからも加わり、同性愛者の権利向上や差別撤廃を思い思いの格好で訴えた。
 8回目となる今回のテーマは「同性愛者のための政策に一票を」。11月27日に台北や高雄など台湾の5大都市で市長選挙や市議会議員選が実施されるのを控え、これまでになく政治色が濃くなった。
 主催者は「特定の政党や候補者への支持を訴えているのではない。同性愛者には、人権向上のため、投票を通じて政治に参与する重要性を知ってもらいたい」と強調している。(2010/10/30-18:01

138チバQ:2010/10/31(日) 22:47:17
http://www.47news.jp/CN/201010/CN2010102101000161.html
ウガンダ大衆紙に同性愛者写真 リスト元に襲撃事件も
 【ナイロビ共同】同性愛行為に対し罰則を設けている東アフリカのウガンダで今月、大衆紙が同性愛者だとして男女100人の顔写真付きリストを掲載し「絞首刑にしろ」と呼び掛けた。リストに載った人が襲撃される事件も起き、人権団体が批判を強めている。

 ウガンダからの報道によると、大衆紙「ローリング・ストーン」は今月9日の紙面で、100人の名前や住所、写真を掲載。同紙編集者は「当局が逮捕できるようにするため」と説明した。

 人権活動家らによると、少なくともリストに載った4人が何者かに襲われ、家に投石されるケースもあった。仕事を変えた人や、引っ越しを余儀なくされた人もいるという。

 アフリカの多くの国では同性愛は「白人の文化」などとして反発が根強く、ウガンダでは昨年10月、同性愛行為に対し死刑や終身刑を科す厳罰化法案が議会に提出された。しかし、欧米諸国から「人権侵害」との批判が相次ぎ、法案は棚上げ状態となっている。

2010/10/21 09:12 【共同通信

http://www.cnn.co.jp/world/30000696.html
ウガンダ議員、同性愛禁止法案の成立に自信
2010.10.28 Thu posted at: 12:35 JST
ウガンダ・カンパラ(CNN) アフリカ東部ウガンダの国会で、同性愛に対して終身刑や死刑などの厳罰を定めた同性愛禁止法案の成立を推進している議員が、法案は間もなく成立するとの見通しを明らかにした。

デービッド・バハティ議員はCNNの取材に対し、同法案について「アフリカの伝統的な家族を守り、子供たちの未来を守るために、この国で必要な法律だ」と述べ、成立に自信を見せた。

同法案が1年前に提出されて以降、ウガンダを支援してきた各国の政府や人権団体は多大な圧力をかけており、法案は棚上げになったと見られていた。これに対してバハティ議員は「今でも日々法案通過に力を入れている」と話す。

これに先立ちウガンダでは大衆紙が「同性愛者トップ100人」と題したリストを顔写真と住所付きで掲載し、各国から非難を浴びていた。

国内の同性愛者団体によると、これ以降少なくとも4人が襲われる事件が起きたという。

被害者の1人はリストが掲載された翌日、周りの人から指さされ、夜には自宅前に大勢の人が押し寄せて石を投げられたり中傷の言葉を浴びせられたりした。翌朝になってパートナーと共に脱出し、現在は身を隠している。

バハティ議員は「神はわれわれにさまざまな自由を与えられ、民主主義も多方面で自由をもたらしている。しかし、犯罪を犯す自由は何者にもなく、わが国では同性愛は犯罪だ」と話している。

139チバQ:2010/10/31(日) 22:50:35
http://npn.co.jp/article/detail/44199072/

同性カップル『誤記』扱い 将来人口に影響しないため−−国勢調査10月7日まで
 国勢調査が1日から全国一斉にはじまった。調査票の回収は7日まで。「まだ書いてないや〜」なんて人、多いのではないだろうか? 回答はお早めに。

 国勢調査は5年に1度、国内に住むすべての人・世帯を対象に実施している「全数調査」。東京都内ではモデル地域として、今回はじめてインターネットによる回答の受付も行われている。また今回から、把握しづらいとされるネットカフェに寝泊りする人たちも対象になっている。

■事実婚は「結婚」扱いでOK

 世帯単位で調査がおこなわれる国勢調査だが、統計局によれば、これは実態を把握するための調査。そのため、婚姻については届けているかどうかにかかわらず「自己申告」による記述でよいとのこと。記入欄にもしっかりと「届出の有無に関係なく記入してください」との文字がある。

 「申告をそのまま真と受け止める」のが国勢調査の基本姿勢だとのこと。事実婚の場合、夫婦が別姓のこともありますが、氏名の欄は集計そのものには使われないのだそう。

■実態をそのまま書いても「誤記扱い」

 しかし、実態をそのまま書いたとしても「誤記」として処理されてしまうケースがあるということが問題になっている。

 それは「同性カップル」。

 性同一性障害であることを公表している区議会議員・上川あやさんが、同居する同性カップルの扱いについて、区の担当課を通して国に問い合わせをおこなったことをツイッターで報告している。

 「し⇒区⇒都⇒国へと問い合わせた結果、同居する同性間で相手を『配偶者』として届け出ることは可能だそうだ。ただ国の集計では同性婚は想定外なので『誤記』として『その他』にソートされるだろうとのこと」

 また、参議院議員の松浦大悟さんも、総務省統計調査部国勢統計課長に問い合わせたところ、返ってきた回答に戸惑いを隠せないという。

 「統計課長に『同性結婚の認められている国で結婚した日本人同性カップルで、現在は日本に住んでいる人の「世帯主との続き柄」は「世帯主の配偶者」となるのか?』と尋ねたところ、『その場合は「世帯主とその他」で集計し、別世帯となります』とのこと」

 「『それでは、母国で正式に同性結婚し、現在は日本に住んでいる外国人の場合は?』と尋ねたところ、『それも別世帯として扱います』という。理由を聞くと、『国勢調査は将来の人口がどうなるかを見るもので、男女の間が大前提。この精神は譲れない』のだとか」

 同性カップルをめぐる環境は年々変化している。

 ネットユーザーからは、「(今は少数かもしれないけれど、)今後増えるかもしれない数字を拾えなくて何が統計調査か。」といった声があがっている。
 また、松浦大悟さんは続けて、ツイッターで意見を表明している。以下はその一部である(http://togetter.com/li/54744)

 「国勢調査は、加藤課長が言うように、子供が産めるカップルだけに注目している調査ではない。HPには『調査の結果は、児童福祉、高齢者の介護・医療、若者の雇用対策など、私たちの暮らしのさまざまな分野で役立てられる大切なデータとなります』とある」

 「いまや10組に1組は不妊カップル。高齢結婚で、子供を持ちたくても持てない人もいる。『この国のかたち』がどうなっているかを正確に知り、将来の施策に生かすのが国勢調査の目的ではないだろうか」

 「現に日本に存在する同性カップルに目をつぶりカウントしなければ、この国において同性カップルはいつまでたっても透明な存在として扱われることとなる」

140チバQ:2010/10/31(日) 22:50:57
■国勢調査はかたちを変えている

 国勢調査のかたちは年々変わっている。アメリカでは今回はじめて同性カップルを配偶者として記入できるようになったという。日本でも今回はじめてインターネット回答が実験的に試みられ、ネットカフェ難民も対象になるなど、国勢調査はかたちを変えて、より時代のかたちにあったかたちで行われるようになってきている。次回の調査は5年後だが、どうなるだろうか。

■様々なPRが行われる 「けいおん!」やオリジナルPRソングも

 今回の国勢調査では、様々なPR活動も同時に展開されている。

 京都府では人気アニメ「けいおん!!」のキャラクターが府のインターネット放送局で国勢調査をPRしている。また、北海道では釧路市の担当職員が一人で作詞作曲を担当したPRソングが作るなど、多種多様なかたちで「プライバシーは守られている」「安心して答えて欲しい」「大切な調査」と国勢調査のPRがおこなわれている。

 繰り返すが、回答は10月7日(木)まで。まだ答えていない方はお早めに。(久家雅博)

*画像は京都府国勢調査お知らせより(http://www.pref.kyoto.jp/broadcast/radio-cm.html)

141チバQ:2010/11/03(水) 00:45:21
http://sankei.jp.msn.com/world/mideast/101102/mds1011022355003-n1.htm
新たな同性愛者リスト掲載 ウガンダの大衆紙
2010.11.2 23:54
 10月に同性愛者として男女100人の顔写真付きリストを掲載した東アフリカ・ウガンダの大衆紙「ローリング・ストーン」は1日、新たに同性愛者として複数の男女の顔写真と名前、住所を紙面に載せた。複数の海外メディアが報じた。

 ウガンダの同性愛者の権利擁護団体幹部によると、同国の裁判所は同紙の発行停止を命令した。

 ウガンダでは同性愛行為に対し罰則が設けられており、昨年10月には最高で死刑を科す厳罰化法案が議会に提出された。同紙がことし10月にリストを掲載した後、リストに載った数人が襲撃された。(共同)

142神奈川一区民:2010/11/03(水) 09:17:33
リッキー・マーティンさんが自伝を出版

プエルトリコ出身の歌手、リッキー・マーティンさん(38=写真)の自伝「Yo」(私)が2日、出版される。自伝で
マーティンさんはプエルトリコの少年時代から国際的なスター歌手になるまで、また、ゲイを告白したことなどを
生々しく書いている。

自伝は英語版とスペイン語版が発売され、1980年代の少年アイドルグループ「メヌード」時代からソロとしての
活動、90年代後半に英語で歌うようになったこと、今年3月のゲイのカミングアウト、代理母出産によって双子の
子供の父親になったこと、国連児童基金(ユニセフ)親善大使としての、また「リッキー・マーティン財団」を
通じての慈善活動などが描かれている。

マーティンさんはソロに転じてからの約20年間で、全世界で6000万枚以上のアルバムを売り上げ、
グラミー賞を5度受賞している。1999年には「リビング・ラ・ビダ・ロカ」が大ヒットした。

ソース
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_cul&k=20101102025918a

143チバQ:2010/11/03(水) 15:00:31
http://mainichi.jp/select/science/news/20101101ddm001040057000c.html
性分化疾患:乏しい支援 「男か女か、自分は何者?」 成人患者が苦悩
 <追跡>

 染色体やホルモンの異常で男性か女性かが明確に区別しにくい「性分化疾患」について、小児医療の分野で初の実態調査や診療の底上げが本格化してきた。日本小児内分泌学会は10月、過去5年間の受診者は未成年だけで少なくとも3000人に上ると公表。長年タブー視されてきた疾患にようやく光が当たり始めたが、成長後の患者への支援はなお乏しく、人知れず苦しむ人は後を絶たない。

 <私の主治医はこの病気を診るのが初めて。心配です><子どもは望めませんか>

 奈良県桜井市で内科クリニックを開業する岡本新悟医師(64)は性分化疾患の一種「クラインフェルター症候群」の患者から10年間で約800件のメール相談を受けた。思春期以降に気付くことの多い染色体異常の疾患で、約1000人に1人の割合で生じる。性器などは基本的に男性だが、人によっては乳房が膨らむ。ホルモンが不足し骨粗しょう症や内臓疾患になることもある。

 性腺の疾患の治療に長く携わってきた岡本医師をインターネットなどで知り、九州から通院する人もいる。「治療を受けたいのに、どこを受診すればいいのか分からないという人が少なくない」と岡本医師は話す。

 性分化疾患は出生後の性別判定を担う小児科でも専門医が少なく、成長後も診察できる医師はさらに限られる。患者を30年以上診てきた菅沼信彦・京都大教授は「時間をかけ患者の心と向き合わなければならない疾患のため、医師が敬遠しがちなのではないか」と指摘する。

    *

 「男でも女でもない。自分は何者なのか」。東京都内のグラフィックデザイナー(35)は男性的な発達が不十分で、小学生のころからいじめられた。20代になると内臓疾患を次々と発症。そのたびに医師らは「治りが悪い」と首をかしげたが「原因不明」「まあ大丈夫」で済まされた。

 自分の体で何が起きているのか。ネットで調べるうちにクラインフェルター症候群を知り、2年前、大病院で染色体検査を受けた。思った通りだった。

 病名は分かったものの、専門医が見つからない。人づてに聞いた薬を個人輸入して飲んだが、心も体も男性と女性の間を揺れ動き、頭痛や倦怠(けんたい)感が増すばかり。ネットで出会った患者仲間の情報で専門の小児科医を訪ねると「ここでは18歳以上は診られない」と経験豊富な泌尿器科を紹介された。今年5月に男性ホルモンの補充を始め、今はやっと自分を男性と感じられる。

 同学会は今後も実態調査を続け、患者が直面している課題を探り支援に反映させる考えだ。しかし調査対象を小児科医に絞っているため、クラインフェルター症候群など成長後の患者は受診者の概数さえ把握できない。

 グラフィックデザイナーが治療を始めて約半年が過ぎた。「随分遠回りしてしまった。何に迷ってきたのだろう」。階段を上るだけで息が切れた体は、富士山に登頂できるほど元気になった。それでも「おかしいと気付きながら、なぜどの医師も原因を探ろうとしてくれなかったのか」との思いは消えない。

 専門医の一人、大阪府立母子保健総合医療センターの島田憲次医師(泌尿器科)は言う。「性分化疾患は男女どちらに決められて育っても不全感を抱いて生きていく。医療者が連携し、患者の人生を見守っていかなければならない」【丹野恒一】

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 ■ことば

 ◇性分化疾患
 通常は男女どちらかで統一されている性器や性腺(卵巣・精巣)、染色体の性別がそれぞれあいまいだったり、一致せずに生まれてくる病気の総称。70種類以上あり、病態はそれぞれ異なる。「半陰陽」「両性具有」などとも呼ばれてきたが、蔑視(べっし)的な響きがあるとして、日本小児内分泌学会が昨年10月、この総称に統一することを決めた。

144チバQ:2010/11/03(水) 15:05:18
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040001000c.html
境界を生きる 性分化疾患/1 診断「100%の正答ない」
 男か女か。人生を左右する重大な決定が新生児医療の現場で揺らいでいる。染色体やホルモンの異常により、約2000人に1人の割合で発生するとされる性分化疾患。医師たちはどのような判断を迫られ、患者や家族はどんな思いを抱えているのか。【丹野恒一】

 ◇染色体、生殖能力…要因複雑/ずさんな性別判定、今も
 「あの子、女らしく育ってくれるだろうか」。東京都世田谷区の国立成育医療センター。性分化疾患の研究・治療で国内をリードする一人、堀川玲子・内分泌代謝科医長は、センターが開所した02年から診察を続けている一人の子の成長がずっと気になっている。

 その子は生後約1年で、地方のある大学病院から「陰茎(ペニス)の発達異常がある男児だが、男性ホルモンをいくら投与しても大きくならない」と紹介されてきた。しかし、詳しく検査してみると染色体は女性型のXXで、子宮や卵巣もちゃんと備わっていた。男性ホルモンの過剰分泌が原因で女性の陰核(クリトリス)が陰茎のように肥大する病気と分かった。いわば、女の子が無理やり男の子にされようとしていたのだ。

 両親と話し合い、性別と名前を女の子に変える法的手続きを取ることを決めた。家族は周囲にその事実を知られぬよう、県内の別の市に転居した。堀川医師は今も定期診察で年に2回その子に会うが、言葉遣いや様子は男っぽく、遊び相手も男の子ばかりという。「不必要で過剰な男性ホルモンを投与したからではないか」と心配でならない。

 こうした事例はのちも続く。今年初め、別の大学病院から紹介されてきた子にも外性器の発達異常があった。判断が容易な症例ではなかったが、基本的な染色体検査さえされぬまま「どちらかというと外性器の形状が女に近い」という理由で女性と決めつけられていた。センターでの検査の結果、染色体は男性型のXY、不完全ながらも性腺は男性ホルモンを作っていた。

 堀川医師は「どちらの例も、慎重に診断していれば、最初に選ぶべき性が逆だったはず」と表情を曇らせる。

    *

 医師の間でもタブー視されてきた性分化疾患が今以上に闇に置かれていた時代、患者はもっと低レベルの医療を受けざるを得なかった。日本小児内分泌学会性分化委員長の大山建司・山梨大教授は「男性器を形成するのが技術上困難だった80年代ごろまでは、医師の間では当然のように『迷ったら女にしろ』と言われていた」と打ち明ける。

 特に、性分化疾患の中でも約2万人に1人と発生頻度が高く、外性器からでは男女の区別がつきにくい先天性副腎皮質過形成の場合は「当時の性別決定のうち、約15%は誤りだったとも言われている」。

 ただし、原因が解明されてきた現在でも、容易には診断がつかないケースがある。染色体の異常の程度やホルモンの働き具合などが複雑に絡み合い、同じ病名がついても症状が全く違ってしまう。「どちらかの性で生殖能力があるか」や「将来、男女どちらだとより充実した性生活が送れるか」など、何を優先するかでも選ばれる性別は変わってくるという。「どうしても判断に迷うと、重圧で押しつぶされそうになる」「判定にはストレスを伴う」。ベテラン医師たちからもそんな本音が漏れる。

 「この疾患ならば男性、これなら女性にするのが正しいという100%の正答がない。それが性分化疾患の難しさ」と大山教授は話す。

145チバQ:2010/11/03(水) 15:05:29
   *

 大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターでは90年代初め、あるトラブルがあった。

 性別の判定が難しい子が生まれた。主治医は親に性別を決めるまでにはまだ時間がかかると説明したが、祖父は「性別がはっきりしないと田舎はうるさいので困る」と迫り、父親は「外に出せないような子だと近所でうわさになっている」と訴えた。

 医師はせかされるように、この子は女性であると決めた。しかし、両親は出産直後、助産師が軽率に「とりあえず男でいきましょう」と言うのを聞いてしまっていたため、診断への不信感を長く引きずることになった。

 同センターではこの問題をきっかけに、性分化疾患の疑いがある子が生まれたときの医療体制を決めた。子どもの症状を一人の医師が判断するのではなく、小児科や泌尿器科、産科、新生児科など複数の医師が集まり、それぞれの分野の経験と知識を出し合って結論を導き出す。

 同時に、親に説明する際の留意点もまとめた。泌尿器科の島田憲次主任部長は「言葉の使い方一つで、親の受け止め方は違ってくる。『だと思う』といったあいまいな言い方はしないよう申し合わせた」と話す。

    *

 こうした取り組みはまだごく一部でしか行われていない。堀川医師は訴える。「顕在化している問題事例は氷山の一角に過ぎない。不適切な診断を受けたまま、つらい人生を歩んでいる人がたくさんいるだろう。医師は子どもたちの一生を決める責任を背負っている。まずはその自覚が必要なのです」=つづく(次回は性分化疾患の当事者の話です)

………………………………………………………………………………………………………

 ◇性分化疾患
 人間は一般的に、外性器・内性器や性腺(卵巣、精巣)、染色体のすべてが男女どちらかの性で統一されているが、それぞれの性があいまいだったり、食い違って生まれてくる病気の総称。出生後、男女どちらが望ましいかを決めた後、ホルモン治療や性腺の摘出、外性器の形成手術などで、選んだ性に近づけていくことが多い。不適切な判断を減らすため、日本小児内分泌学会は10月、初の症例調査に乗り出し、性別決定までのガイドラインを策定する。

146チバQ:2010/11/03(水) 15:05:52
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040002000c.html
境界を生きる 性分化疾患/2 揺れ動く心と体
 ◇染色体混在、男性で出生届/20代…やっと女性化治療
 心と体の性が一致せずに悩むのが性同一性障害。混同されやすいが、性分化疾患は体の性を決めるいくつかの要素(遺伝学的性、外・内性器の性、性腺の性など)が一致せず、それぞれが中間的だったりもする。心も体も男性と女性の間を揺れ動き、生きづらさを抱える人もいる。

 「よく隠し通せたね」。関東地方でIT技術者として働く真琴さん(25)=仮名=は時々、高校時代の女友達にそう言われる。当時の真琴さんは男子生徒。本当のことを打ち明けられたのは卒業してからだった。「男女どちらかにはっきり属していたら、友達をだますようなことをしなくても済んだのに」。罪悪感に苦しんだ思い出がよみがえる。

 真琴さんの体には卵巣や子宮があるが、染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。小さな陰茎(ペニス)があったためか、両親は男性として出生届を出し、男の子用のおもちゃを買い与えた。

 しかし成長するにつれ、男の子の輪に入りづらくなった。中性的な雰囲気があるのか、小学校では「おとこおんな」といじめられた。

 5年生の春、信じられないことが起きた。体育の授業中、足を伝って血が流れているのを女子に指摘された。生まれつきの異常があることは親から少しは聞いていたが、まさかの初潮。「ばれたら、いじめがひどくなる」。男子から「女みたいなにおいがする」と言われ、トイレ用の脱臭剤を下着に入れて登校した。

 その半年後、朝礼で貧血を起こして倒れ、大学病院を受診した。そこでの事は今も深い心の傷になっている。

 大勢の医師や医学生に取り囲まれる中、体中を検査された。男子学生たちが「インターセックス(性分化疾患)ってこんなふうなんだ」と、好奇の目を向ける。「私は見せ物じゃない」と言いたくても言えず、勇気を振り絞って検査の目的を尋ねた。返ってくるのは医学用語ばかり。「黙って従え」という意味と受け止めた。

    *

 中学に入ると、体力が男子についていけなくなり、親と医師の薦めで男性ホルモンの投与を受け始めた。どんどん男っぽくなる体が嫌だったが、喜ぶ両親を見ていると、治療をやめたいとは言い出せなかった。

 心と体が乖離(かいり)し、気持ちをどう保っていいのか分からない。でも生理が来ると落ち着いた。大きくなった胸にさらしを巻いて隠していると「そんなことで悩むひまがあったら、受験勉強しなさい」と親に言われ、手術で胸を小さくされた。「また一つ、大切なものがなくなった」と思うと、病室のベッドで涙があふれてきた。

 同級生たちに恋人ができていく。「異性と付き合うって、どんな感じだろう」。高校で女子から告白され、受け入れてみたこともある。自分が男か女かで揺れていては、長続きするはずがなかった。

 大学に進んでからはホルモンバランスが崩れ、1年半の入院と自宅療養を強いられた。

    *

 随分と遠回りをしたが、真琴さんは最近やっと女性化のための治療を始めることができた。通院していた病院で出会った友達の一言があったからだ。「生きたいように生きなよ」。友達はその後、別の病気で亡くなった。

 10年近くにわたる男性化治療で外見は男性に近づいてしまったが、初対面の人に女性とみられることが増えてきた。ふと気づくと、かつてのように性別のことばかり考えていない自分がいる。そのことがうれしい。【丹野恒一】=つづく(次回は性分化疾患の子を持つ親の話です)

147チバQ:2010/11/03(水) 15:06:38
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040003000c.html
境界を生きる 性分化疾患/3 子の性別、親が選んだ
 ◇食い違う診断、病院を転々/不安、自責…「娘は私を恨むだろうか」
 東日本に住む敏子さん(37)=仮名=が長女美咲ちゃん(4)=同=の異変に気付いたのは生後5カ月の時だった。オムツを替えていると、陰核(クリトリス)がそれまでより少し大きくなっていた。「赤ちゃんって、こんなものかな」。それ以上深くは考えなかった。

 その後、美咲ちゃんが風邪で小児科にかかった時、念のため医師に尋ねた。答えは「一人一人違う。いくらでもあること」。医師が言うのだから大丈夫。そう自分に言い聞かせた。

 だが生後10カ月のある日、平穏な暮らしが揺らぎ始める。朝、かつてかかったことのある総合病院の小児外科を受診すると、医師が少し焦った様子で言った。「(陰核が)以前はこんな大きさじゃなかったはず。午後、小児科を受診してください」。胸がざわついた。

 昼休み、待合ロビーで長椅子に腰掛けていると、先ほどの医師が静かに隣に座ってきて、こう告げた。「娘さんはもしかすると男の子かもしれませんね」

 傍らで、つかまり立ちできるようになったばかりの美咲ちゃんが、窓から差し込む冬の日差しを受けて無邪気に遊んでいる。「この医師はいったい何を言ってるの?」。言葉が出ない敏子さんを残し、医師は立ち去った。

 そして午後。診察室に入ると、小児科の部長が待っていた。思わず身構えたが、部長は自信なさげにパソコンに向かって症例を検索するばかり。そうこうするうちに血液検査の結果が出た。「問題なし。心配しなくていい」。ただし、陰核を小さくする手術だけは必要と言われた。

 食い違う診断。安心できたと思うと突き落とされ、再び安心し、そしてまた……。医療への不信感が芽生えた。

 その小児科部長に紹介された大学病院でも同じだった。初診で「異常ないと思います。念のため染色体の検査をしましょう」と笑顔を見せた内分泌医が、1カ月後に受診すると明らかに動揺している。「こんな子、診たことがありません。染色体検査では女か男か分からない。詳しい医師が関東にいるので……」

 *

 こうして美咲ちゃんの1歳の誕生日を前にたどり着いたのが、現在の主治医だ。太鼓判を押されて紹介された病院だけに、数々の検査の末に告げられた診断結果は重かった。

 美咲ちゃんには子宮や膣(ちつ)はあるが、卵巣ではなく精巣がある。遺伝学的には男女の区別がはっきりせず、どちらかというと男性に近い。ホルモン治療をすれば月経が始まるけれど、妊娠はできない。合併症で低身長や難聴の症状が出る−−。

 楽観主義の夫(34)はそれまで医師に何を言われようと「美咲に限って」と耳を貸さなかった。でもその日は違った。診察室を出てからも、口を開こうともしなかった。

 約1カ月後、病院で今後の治療方針を話し合った。医師は夫婦に「女の子と男の子のどちらで育てたいですか」と尋ねてきた。動揺がおさまらない夫婦には、親が子どもの性別を選ぶということを不自然に思う余裕もない。「今まで通りに女の子として育てられるなら……」。医師はその答えを待っていたのか「既に女の子として養育している状況などを総合的に考えると、それがいいと思います」と言った。

 それから1カ月もたたないうちに、まず精巣を摘出。陰核を小さくして外陰部をより女性らしくする手術も受けた。今後は経過観察を続け、低身長が著しくなれば成長ホルモン、思春期を迎えるころには女性ホルモンの投与を始めるという治療方針が立てられた。

148チバQ:2010/11/03(水) 15:06:49
 *

 いま、美咲ちゃんは多少病気がちながらも女の子として元気に幼稚園に通っている。しかし、友だちと遊ぶ様子を見ていて、敏子さんは気になってきた。かわいらしい服装を好む半面、男言葉を使うことがあり、昆虫が大好きで、人形遊びは嫌い。

 主治医に検査結果を示された時、染色体や性腺の性についての説明は受けたが、心の性がどのように育つのかを聞いた覚えはない。「この子が将来、自分は女性ではないと思うようになり、手術を受けさせた親を恨むことはないのだろうか」。そしてこうも思うようになった。「男でもなく女でもない、生まれてきた体そのものが、この子には最も自然だったのではないか」

 昨秋、インターネット上に性分化疾患の患者や家族が集うサイトを見つけ、悩みを書き込んでみた。「性別を決めるのが早すぎたのではないですか」「子どもの疾患を気遣うばかりに、家族の生活が回らなくなることもあります」。厳しい指摘もあったが、当事者にしか分からない思いや情報に触れ、暗闇から一歩抜け出せた。

 サイトにはその後も社会から孤立した親たちの相談が絶えない。敏子さんは自然と、それに答え、支える立場になった。「あの不安を私は知っているから」【丹野恒一、写真も】=つづく(次回は6日、本人への告知をめぐる課題です)

 ◇性別意識する仕組みは
 人間は自分自身をどのようにして男性(または女性)であると認識するのか。まだ十分ではないが、男性であることを意識するメカニズムは少しずつ解明されてきた。

 受精卵から細胞分裂が進み精巣ができると、そこから男性ホルモンが分泌される。それを脳が浴びることで、成長後に自分を男性と認識したり、男性的な行動を取るようになるという考え方がある。一方、成育環境や体の外見をどう自覚するかも加わり、複合的に決まるという説もある。

 女性と判定された性分化疾患の子から精巣を摘出しても、その前段階で脳が男性ホルモンを多く浴びていれば、意識は男性寄りになることもあるとみられる。性別判定の際にどこまで考慮すべきかが課題となっている。

149チバQ:2010/11/03(水) 15:07:56
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040005000c.html
境界を生きる 性分化疾患/4 告知…娘は命を絶った
 ◇「いつ、どう伝えたら」悩む親、医療現場 重い事実、求められる心のサポート
 一昨年9月、西日本で一人の医学生が自ら命を絶った。自分に性分化疾患があると知って間もなくのことだった。悲しみの中にいる父親が「あの子が生きた証しを残したい」と、一人娘の21年の人生を記者に語った。

 由紀子さん=仮名=は生後6カ月の時、卵巣ヘルニアの疑いで手術を受けた。自分も医師である父正継さん(54)=同=は手術に立ち会い、執刀医の言葉にぼうぜんとした。「卵巣ではなく、精巣のようです」

 検査の結果、染色体や性腺は男性型だが外見や心は女性になる疾患(完全型アンドロゲン不応症)と分かった。夫婦は迷わず女性として育て、本人には「小さい時に卵巣の手術をした。生理はこないかもしれない」とだけ伝えた。

 「出産も結婚も望めない。せめて一人で生きていける力をつけてやりたい」。両親の願いに応え、由紀子さんは医学部に合格。正継さんは「これで体のことを理解できるようになる。医者になるころにすべてを知るのが一番いい」と思った。だが、そうはならなかった。

 大学1年生のクリスマス。由紀子さんは同級生から告白され、交際が始まった。翌春、初めての性交渉がきっかけで生理に似た出血が1週間続き、母親に相談した。正継さんは「昔の診断は間違っていたのではないか」と淡い期待を抱いた。改めて診察を受けようと、娘に初めて病名を伝えた。夏、由紀子さんは「誰にも知られたくない」と、遠くの病院で検査を受けた。

 そこで告げられたのは、親子のわずかな望みをも断ち切る残酷なものだった。

 染色体は男性型の「XY」。子宮や卵巣はなかった。「あの医者、どうしてさらっと『子宮はないね』なんて言えるの?」。そう憤る娘が痛々しかった。

 診断から1カ月後。由紀子さんは下宿の浴室に練炭を持ち込み、自殺した。室内に遺書があった。「体のこと、恋愛のこと、いろんなことがあって……」。携帯電話には自殺直前に彼氏とやりとりしたメールの記録が残っていた。

 由紀子さんは自分の疾患のことを彼氏に打ち明け、距離を置こうと切り出されていたという。まだ若い学生が抱えるには重すぎる事実だったのだろうか。

 娘を失って2年。正継さんは今も「もし過去に戻ってやり直せるなら」と考えてしまう。思春期を迎える前に病気のことを話し、異性との付き合いを制限すべきだった。そのせいで多感な思春期に道を踏み外し、医学生の夢をかなえることも、恋をすることもできなかったかもしれない。「それでも、生きていてほしかった」

150チバQ:2010/11/03(水) 15:08:14
    *

 95年から性分化疾患の自助グループ「日本半陰陽協会」を主宰する橋本秀雄さん(48)は部分型アンドロゲン不応症で、心身が男にも女にもなりきれない。親からは何も聞かされずに育った。

 自分の中の違和感に苦しんできた橋本さんは32歳の時、覚悟を決めて母親を問いただした。母親は一瞬たじろいだ後、言葉を絞り出すように話し始めた。

 3歳になっても外性器が小さいままで、国立大学病院を受診すると「半陰陽」だと言われた。男性ホルモンを投与したが、効き目はなく、治療をやめてしまった−−。

 それを聞いた橋本さんは「半狂乱になって母をののしった」。自分の体がどう診断され、何をされたのか。病院に問い合わせたが、30年も前のカルテは残っていなかった。大切なことが分からないままになった。

 母親への思いが変わったのは、自助グループを作ってからだ。多くの親たちの苦しみに触れ「母も精いっぱいのことをしたのだろう」と思えるようになったという。

     *

 本人への告知をいつ、どのようにすべきなのか。医療現場も揺れている。医師たちは親に「本人には絶対に黙っていて」と口止めされる一方で、成長後に自分の疾患を知った子からは「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」と非難されることも多い。

 東京都内のある専門医は、前の主治医から引き継いだ20歳の女性に「中学生になったころ手術を受けた記憶がある。私には睾丸(こうがん)があって、それを取ったのですか?」とストレートに聞かれたことがある。言葉を選んで説明したつもりだが、女性は言葉に詰まり、ぼろぼろと泣き出した。

 「詳しく知らないまま楽しく暮らせている人もいる。すべてを話すことがいいことなのか」。あれから10年近く、医師にはまだ答えが見つからない。

 大阪府立母子保健総合医療センターの島田憲次医師は「思春期にはある程度話さねばならない。でも、どこまで明かすべきかは常に迷う。悩みは深い」と話す。

 立ち遅れてきた性分化疾患の医療。心のサポートも急務となっている。【丹野恒一】=つづく(次回は性分化疾患とスポーツについてです)

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 ■ことば

 ◇アンドロゲン不応症
 精巣などから分泌されたアンドロゲン(男性ホルモン)は受容体と結びついて初めて外見や心を男性化させる。受容体の一部が機能しない「部分型アンドロゲン不応症」は心身ともに性別があいまいになる。全く機能しない「完全型」は外見上女性のため出生時に気づかず、生理が来ないことなどを機に染色体が男性型であると知る人も多い。

151チバQ:2010/11/03(水) 15:10:50
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040006000c.html
境界を生きる 性分化疾患/5 金メダリスト、さらし者に
 ◇陸上の南ア・セメンヤ選手 薬物と偽り性別検査 「染色体、すべてではない」
 8月25日、南アフリカ・ヨハネスブルクのオリバー・タンボ国際空港。到着ロビーはベルリン世界陸上選手権女子八百メートルで優勝したキャスター・セメンヤ選手(18)を励まそうと駆けつけた市民でごった返した。その数、数千人。大歓声に戸惑いながらも、セメンヤ選手はVサインを高く掲げ「ありがとう、ありがとう」と繰り返した。

 セメンヤ選手が優勝後、並外れた競技能力と筋肉質の体格などから性別を疑われた問題は祖国南アを揺さぶった。政府は「彼女が黒人であり、欧州勢をしのぐ活躍をしたためだ」と声明を出し、国連人権委員会に申し立てる意向も示した。アパルトヘイト(人種隔離)政策を克服した国民が人間の尊厳を侵す問題に敏感に反応したのは当然の成り行きだった。地元紙ザ・タイムズは「彼女の外見を創造したのは神様」との祖母マプシさん(80)の言葉を紹介した。

 だが9月に入り、海外メディアが「医学的検査の結果、男性と女性の生殖器を持つ両性具有であることが分かった」と報道、性分化疾患の疑いを指摘した。南ア陸連が禁止薬物使用(ドーピング)検査だとうその説明をして性別検査を実施していたことも発覚。国際陸連は11月までは最終的な決定をしないとの姿勢で、真相はいまだ定かでない。

    *

 「なぜ彼女は世界のさらし者にされなければならなかったのか」。日本陸連医事委員の難波聡・埼玉医科大産婦人科講師(臨床遺伝学)は「スポーツの世界では繰り返されてきた問題。本人の尊厳のためにも情報がオープンにならないよう徹底されていたはず」と憤る。

 難波医師によると、女性選手に一律の性別検査が行われた最後の五輪は96年のアトランタ大会だった。この時、検査した3387人のうち8人に男性型を示すY染色体があったという。それでも、全員が女子競技への参加を許された。なぜか。

 女子競技では主に性別をめぐる二つのケースが問題になる。一つは男性が女性と偽って出場したり、何らかの事情で女性として育てられ紛れ込んでいる場合。もう一つが性分化疾患だ。メダルはく奪などの処分が下されるのは「偽り」がほとんどで、性分化疾患の場合は必ずしも処分されるわけではない。「染色体は判断材料の一つにはなるが、すべてではない。重要なのは男性ホルモンがどれだけ競技能力に有利に働いているかの判断」という。

 世界陸上のように最高レベルの身体能力を持つ選手が集まる大会では、性分化疾患によって男性ホルモンが強く働いている女子選手が一般社会以上の割合で見つかるのは必然だ。難波医師は「世界の目が集まる場で女性選手が精神的に傷つけられることが繰り返されてはいけない」と話す。

    *

 セメンヤ選手の故郷は南アフリカ北東部にある小さな村だ。「プアレスト・プア」(最貧困地区)として知られ、電気、水道などの整備も進んでいない。親族の一人は「女の子として生まれ、育ててきた。私たちの自慢の子なのに、何が問題なのか」と訴える。

 9月上旬に発売された地元の雑誌「YOU」はセメンヤ選手を特集した。表紙には黒いドレスにネックレスをつけた写真を掲載。本人はインタビューにこう語っている。「私は私であることが誇り」

 海外メディアが「両性具有」と報じた翌日、セメンヤ選手は国内レースの出場を取りやめ、その後は公の場に姿を見せていない。【丹野恒一、ヨハネスブルク高尾具成】=つづく(次回は性別をめぐるさまざまな議論についてです)

152チバQ:2010/11/03(水) 15:11:24
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040007000c.html
境界を生きる 性分化疾患/6止 存在、認める社会に
 ◇「男と女」だけなのか 決定にモラトリアム必要 「個性…でも疾患」
 「人間を男と女だけに分けるのは時代遅れ」「真ん中の性を認めれば、丸くおさまる」

 日本小児内分泌学会が性分化疾患のある新生児の性別を判定するためのガイドラインを策定することが明らかになった先月末以降、インターネット上には性別を男女だけに分けるという大前提に疑問を投げかける書き込みが相次いでいる。

 一見、非現実的にも思えるが、かつて同様の考えを論じた文章が医師や法律家の間に波紋を広げたことがある。日本生命倫理学会初代会長の星野一正・京都大名誉教授が00年に法律雑誌に載せた論文「性は『男と女』に分けられるのか」だ。

 星野氏は日米両国で産婦人科医として数多くの分娩(ぶんべん)に携わり、性分化疾患の新生児にあいまいな性別判定をせざるを得なかった過去の反省に立ち「研究の進歩によって、ヒトを男女に二分して性別を正確に決定する基準を設定しようとすること自体が不可能に近いことが分かってきた」と指摘。そのうえで「男か女かのいずれかの性別のみを記録することを義務づけている現行の法律は即刻改正すべきだ」と言い切った。

 星野氏と親交があった日本半陰陽協会主宰の橋本秀雄さんによれば「男にも女にも違和感を覚えてしまう多くの当事者の実態に即した考え方だったが『アメリカかぶれの机上の空論だ』と一笑に付す学者もいたようだ」。

 この「空論」がすぐに受け入れられるほど社会は柔軟ではないが、患者が置かれた状況がこのままでいいとはいえない。

 性分化疾患や性同一性障害がある人の診察経験が豊富な「はりまメンタルクリニック」(東京都)の針間克己院長も、性の男女二元論には懐疑的な立場だ。性分化疾患の患者が自ら感じる性別は、男女半々だったり、7対3だったりする。さらにそれが時々入れ替わる人や、年とともに変わる人もいるという。

 こうした人たちを男性か女性か、明確に分けることはできない。でも社会生活を営むにはどちらかの性別を割り当てる必要がある。そこで針間院長は「性別判定には時間がかかるとの前提に立ち、性別が決まらないモラトリアム(猶予期間)の必要性を社会に訴えることこそが、今医師に求められているのではないか」と提言する。

    *

 こうした議論は当事者自身の目にはどう映っているのか。

 男性ホルモンの不足で第2次性徴が全く来なかった大学3年生、裕司さん(22)=仮名=は女性と間違えられる外見を「ある意味で自分の個性」と感じつつも、もっと男性らしくなりたいと思い、男性ホルモンの投与を受けている。声が低くなり体毛が濃くなると、今度は予期しなかった喪失感を覚えたという。

 そんな複雑さを抱える裕司さんだが「第三の性があってもいい」「そのままの自分に誇りを持って」との意見には違和感がある。「患者を気遣ってくれているのかもしれない。でも社会は男か女かの区別を前提として動いている。男性として生きたい自分にとって、今の状態は『疾患』以外の何物でもない」

 性分化疾患の患者や家族たちは長い間、孤独な状況に置かれてきた。社会はどう向き合うべきなのか。「まずは存在を知ってほしい」。当事者の多くは訴える。【丹野恒一】=おわり

153チバQ:2010/11/03(水) 15:12:22
◆作家・精神科医、帚木蓬生さんに聞く

 ◇「無関心は恥になり、罪になる」
 作家であり、現役の精神科医でもある帚木蓬生(ははきぎほうせい)さん=写真=は昨年、性分化疾患をテーマにした小説「インターセックス」(集英社)を刊行した。このテーマに挑んだ動機や伝えたかったメッセージを聞いた。【聞き手・丹野恒一、写真・渡辺亮一】

 −−なぜこの病気を取り上げたのですか。

 ◆先端医療を手掛ける天才医師の暴走を描いた小説「エンブリオ」の続編テーマとして性転換について調べるうちに、この問題を知りました。資料を集めてみると医師の私でさえ知らないことばかり。これは書かねばならないと思いました。

 −−反響は?

 ◆この疾患を持つ30代と思われる女性からの手紙が衝撃的でした。男性の外性器があり、誰にも知られないように生きてきたけれど、作品を読んで「自分だけではない」と知ったとのこと。母親でさえ気付いていなかったようで、物心がついてからは裸を見せないようにしているそうです。彼女は死ぬまで秘密にしていかねばならないのだろうと思うと、つらくなりました。

 −−医師の立場で思うことは?

 ◆医学の世界で現状を変えていこうという声が大きくなっていかないのは、横のつながりが少ないからでは。そもそも医者というものは薬が効かない病気は初めから存在しないと思いがち。性分化疾患は医療のアキレスけんとも言えます。取り巻く状況は、放っておいたら50年変わらないでしょう。

 −−読者に伝えたかったことは?

 ◆ある登場人物がこう語る場面があります。「無関心はとてつもない恥になり、ついには罪になる」。知らないことはいけないことで、知ろうとしないのは最もいけないことです。

154チバQ:2010/11/03(水) 15:17:34
http://mainichi.jp/select/science/news/20101101ddm013100024000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/1 手術3回、心と離れる体
 ◇本心、母に隠し続け/悩みに応える専門家必要
 深夜、井端美奈子・大阪府立大准教授(母性看護学)の携帯電話に性分化疾患の若者たちからメールが届く。

 <診察室では言えませんでした。今から電話していいですか>

 染色体やホルモンの異常で男女の区別が不明確な性分化疾患は、思春期のメンタルケアが不可欠だ。家族も含めた支援を始めて3年。電話は時に2時間にも及ぶ。

 今年最も心配したのは先天性副腎過形成の10代の少女だった。出生時に外性器が男性化していて手術を受けた。中学生になっても月経がないことなどを悩み、不登校に。その後彼氏ができて体が女性的でないと指摘されたのが心の傷となり、乳児期の手術を隠していた親へのうらみも重なってリストカットを繰り返していた。

 悩みを知った井端さんは泌尿器科医に伝え、不完全な外性器をさらに女性らしくする手術が実施された。少女からその後届いたメールには、こうあった。<やっと普通の女性と同じスタートラインに立てました>

 井端さんは「しっかり悩みを受け止められる専門家をもっと養成しなければ」と話す。親にも言えず悩みを抱えこんでいる若い患者は少なくない。

     *

 中国地方のグループホームで働くあかねさん(21)=仮名=には幼いころから「飲まないと死んでしまう」と言われてきた薬がある。親に隠れて服用をやめたのは高校に入ったころ。「これで死ねると思った。手首を切る勇気はなかったから」

 あかねさんも生後間もなく先天性副腎過形成と診断された。1歳半と6歳で性器を女性化する手術を受け、ホルモンの分泌を調節する薬で男性化を抑えてきた。しかし中学2年のとき、女の子を好きになって悩み始めた。女子トイレに入るたびに、罪を犯しているような感覚に襲われた。

 そのころまだ、母栄子さん(54)=同=はわが子の本心に気づいていなかった。

 不妊治療がうまくいかず、結婚7年目にようやく授かった命。胸に抱いて感謝の気持ちに包まれたのもつかの間、別室に連れて行かれた。「女の子ですか?」と尋ねても「後で分かります」としか言われなかった。

 病気の説明を受けた栄子さんは医師に「早めなら小さな手術で済む」と勧められ、従った。だがあかねさんの心は成長とともに、選んだ治療とは反対の性へ向かった。

 最後の手術は高校3年の夏休み。前回に形成した膣(ちつ)を広げた。あかねさんは「無理やり女にされてしまえばあきらめがつく」とも思ったが、手術後、体と心の痛みで涙が止まらなかった。

 そして昨夏、ささいな親子げんかがきっかけで、泣きながら告白した。「一生言わないつもりだったけど……」。今から男になりたいと言えば、母が苦しむと思ってきた。その思いを知った栄子さんは現実から逃げない覚悟を決めた。

 心と体の性別が一致しない性同一性障害の医療で有名な岡山大を受診した。医師に「(女性化手術を)なぜ嫌だって言わなかったの?」と言われ、あかねさんは返す言葉がなかった。

 男性として生きることを目指し、わが子が新たな治療に踏み出した日。栄子さんはブログに思いをつづった。

 <私は産んだときからずっと幸せ。だから、生まれたときからあなたも幸せになってもらいたくてね。つらいことにも意味がある。あなたのものさしで幸せになってほしい>【丹野恒一】=つづく

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 ◇先天性副腎過形成
 男性ホルモンが過剰に分泌する疾患で、約1万8000人に1人の割合で起きるとされる。女性として生まれた場合、性器が男性化したり、性格が男っぽくなる人もいる。海外では女性として生きている人の約5%が性別への違和感を持っているとの研究報告もある。

155チバQ:2010/11/03(水) 15:18:23
http://mainichi.jp/life/today/news/20101102ddm013100021000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/2 女子校進学後、戸籍「男」に
 ◇性別空欄で出生届/学校側は治療に難色
 この夏、東日本の高校1年、空さん(15)=仮名=は、ずっと気になっていた出生時のことを母に尋ねた。母はこう教えてくれた。

 「あなたが生まれてすぐ、お医者さんに『男の子にするより手術が簡単だから、女の子にしましょう』って勧められたの。でもお父さんとお母さんは悩んで『このまま育てて、本人に決めさせたい』ってお願いしたのよ」

 空さんの体には卵巣と精巣がある。染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。外見で男か女かを判断できなかったため精密検査を受け判明した。両親は性別欄を空欄にしたまま出生届を出した。医師は顔をしかめたという。

 最初のハードルは幼稚園に入る時だった。制服を男女どちらかに決めなければならなかった。体が弱かったこともあり、両親はひとまず「女」を選んだ。

 空さんは自分が男女どちらかを意識することもなく伸び伸びと育った。周囲にすすめられるまま、親族が卒業した中高一貫の女子校に進学した。

 ところが入学1年目の宿泊行事でいきなり問題が起きた。大浴場で自分の体を見た同級生たちが騒ぎだしたのだ。他の人と一緒に入浴したのはこれが初めてだった。「本当は男なんじゃないの?」。その後もヒソヒソとうわさ話をされているような気がして、楽しかった学校が突然居づらい場所になった。

 「自分はみんなと違う」と気付いてから、次第に「自分を女とは思えない」という気持ちが強まった。中学2年のとき、母親に打ち明けた。突然のことに両親は戸惑ったが、生きづらさを覚悟のうえで性別を保留にしてきたのはこの日のためでもあった。わが子が「男」を選んだ決断に反対はしなかった。

 学校には入学前からこうなる可能性を説明していた。でも、いざとなると簡単ではなかった。「なぜこの学校に入ったのか」「お子さんの思い違いでは」。親子で呼び出されては、校長や理事長に厳しい質問を浴びせられた。

 話し合いを重ね、中学3年の春、通学を続けられることになった。両親は空さんの戸籍を男性と届け出た。

 そこから新たな問題が起きた。主治医に「すぐにでも男性ホルモンの補充を始めないと体に良くない。卵巣の摘出も急いだ方がいい」と言われたのだ。学校側に伝えると「あまり目立ってほしくない」と治療に難色を示された。8月からホルモン治療を始めたが、外見の変化を抑える程度にしているため、将来的に体に影響が出ないか不安だ。

 心の支えになっている言葉がある。中学で退学を考えた時、担任教諭がこう言って踏みとどまらせてくれた。「人にはそれぞれ個性がある。他の人が何と言おうと、ありのままのあなたで、この学校にいてほしい」

   *

 性分化疾患では性的な成長が進む思春期に深刻な苦しみを抱えることが多い。いじめを恐れながら学校に通い続ける精神的な負担は、並大抵ではない。

 「子どもたちの中に当事者がいることを認識してほしい」。奈良教職員組合は2月にセクシュアル・マイノリティーに関する教員向け冊子を作成した際、性分化疾患の説明を盛り込んだ。心と体の性別が一致しない「性同一性障害」は徐々に知られてきたが、性分化疾患は存在すら知らない教職員が多い。東優子・大阪府立大准教授(性科学)は「学校での対応を誤らないよう、教職員が正しい知識を持つことが必要だ。子どもたちにも『体の特徴は人それぞれ』と教えてほしい」と訴える。【丹野恒一】=つづく

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 ◇出生届の性別欄
 男女の見分けが難しい子が生まれた際、医師が拙速に性別判定する例が後を絶たない。法務省によると、届け出期限は原則、出生から14日以内だが、性別と名前は空欄でも出せる。性別は届け出後でも、診断書を提出して家庭裁判所に認められれば変更可能だ。

156チバQ:2010/11/03(水) 15:18:50
http://mainichi.jp/life/today/news/20101103ddm013100195000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/3 成人後、女性化「パパは女?」
 ◇揺れる性別、「どう生きるか」模索
 「お父さん、本当は女なんでしょ?」。小学4年生の一人娘が無邪気に聞いてくる。感覚的に分かるのか。これ以上「パパ役」を演じ続けるのは無理なのだろうか。

 神奈川県に住むエンジニア(44)は6年前、思いがけず自分の疾患を知った。学生時代の持ち物を取りに実家に戻った日のこと。子どもができて自分自身が未熟児だったと思い出し、母に何気なく聞いてみた。「母子手帳、まだある?」

 母はうつむき「小さな体にメスを入れていいのか、すごく悩んだんだけど……」と小声で話し始めた。出産直後、医師に「お子さんには男女両方の特徴がある。どちらにもできますよ」と言われたという。「男がもてはやされる時代だったから、男の子にしてもらったの。女の子のほうが良かった?」。母子手帳は出てこず、母に促され実家を出た。

 暗い帰り道、涙をこらえきれず、川辺に長い間座り込んだ。

 思い当たることはいくつもあった。10代のころは筋肉質のスポーツマンだったのに、20歳過ぎから柔らかな体つきになった。性交渉は嫌いで、職場結婚した妻(39)とは子どもを作ろうとした時だけ。30代半ばからは胸が膨らんできた。「不思議な現象のかけらが一つにつながり、パズルが完成したようだった」が、喜べるはずもなかった。

 その日から周囲が違って見えるようになった。容姿、仕草、心。誰もが「男らしさ」「女らしさ」で輝いている。「こんな中間の人間は自分だけだ」と孤独感に襲われた。

 どんな疾患で、どんな手術を受けたのか。生まれた病院を訪ねても記録は残っていなかった。検査を受け、染色体が男性型であることは分かった。それ以上知るのは怖かった。

 救いは、妻があっさり受け入れてくれたことだった。「大丈夫。結婚前から男半分、女半分の人だと思っていたから」。自分は以前から家事が好きで、家族を引っ張るのは苦手。専業主婦の妻は冗談めかして「私が働こうか」と笑った。

 女性化が進んだためか、腕力が衰え、体が覚え込んでいた力仕事が難しくなってきた。迷惑をかけぬよう同僚には事情を説明し、理解してもらっている。

 女性的と言われるのが嫌だったのに、最近は「これは個性だ」と前向きにとらえている自分に気付く。「今の気持ちは男性と女性が半々。自分でも戸惑うことは多いけれど、本心を押し殺さず堂々と生きることが、いつか同じような人たちの力になると信じたい」

     *

 心の性別もはっきりしないことがある性分化疾患。男女に二分された社会の中で、悩み、迷いながら自分を見つける人たちがいる。

 「自分がえたいの知れないもののような気がした」。東京都の田中彩さん(24)は男の子であることに小学2年生のころから違和感があった。中学に入ると胸が膨らんだ。うれしさの一方、男を演じるつらさが募った。

 大学に入り、初めてメンタルクリニックを受診した。診断は心と体の性別が一致しない性同一性障害。さらに、男性的な発達が不十分で胸が膨らむこともある性分化疾患「クラインフェルター症候群」とも分かった。医師に「あなたは女性的な体なんだよ」と言われ、背負っていたものを下ろした思いがした。

 しかし、当事者の集いに参加しても、同じ診断を受けた人は見つからない。「どう生きていけばいいのか」。女性として暮らす決意をしたが、両親の理解は得られず、仕事のストレスも重なりうつ病になった。

 一度は職を失ったものの、今年9月、服飾関係の企業に障害者雇用枠で再就職を果たした。「男と女、どちらでもない中間から少しずつ女性の体に近づいていけるといい。生まれてきたからには、一生懸命生きる」【丹野恒一、五味香織】=つづく

157チバQ:2010/11/20(土) 20:33:06
ここかな?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/11/post-1808.php
カンボジア「小児性愛天国」の悪名返上か
No Longer a Pedophile's Haven

取り締まり強化で欧米からの小児性愛者の検挙率は上がったが、もっと根深い問題が見えてきた

2010年11月17日(水)18時20分
ブレンダン・ブレイディ


 この数カ月、カンボジアでは小児性愛者のニュースが紙面を賑わせている。少女17人(最年少は6歳だった)を買春したロシア人ビジネスマンは、刑期が17年から8年に短縮された。児童への性的虐待が疑われるスウェーデン人は母国メディアの取材に対し、カンボジアでは裁判官に賄賂を送って刑期を短縮させることがいかに簡単かを自慢げに語った。

 同じく子供への性犯罪で現在、裁判にかけられているイギリス人は、05年に類似の容疑で十分な証拠あったにもかかわらず無罪となった男だ。性懲りもなくカンボジアに舞い戻ってきたということは、入国禁止の処罰もなかったらしい。

 しかし、このような恥ずべき事態はこの数年で改善されつつある。時計の針を10年前に戻してみよう。イギリス人ロック歌手で小児性愛者のゲイリー・グリッターが、母国から逃げ出してカンボジアに移住してきた頃だ。彼以外にも外国人による小児性愛事件が目立っていた。こうしたことから、この東南アジアの貧しい国は「小児性愛者の格好の隠れ家」という悪名がついてまわるようになった。

 当時は首都プノンペンの一画で子供たちが堂々と売られていた。NGOによる児童買春宿の捜査活動も、賄賂を受け取っている汚職警官のせいで失敗に終わるのが常だった。手ぬるい法律と現地の男たちの執拗な需要もあって、東南アジアは長く買春目的の旅行先になっていた。特にカンボジアは、長年にわたる内戦で、児童買春を規制する社会経済的・法的な土壌がまったく育たなかった。

 しかしカンボジアは変わった。この国ではもはやグリッターのような男が何食わぬ顔で法を犯すことはできない。現地の活動家や欧米からの圧力を受けて、カンボジアは03年から取り締まりを強化し、その努力はさまざまな側面で成果を上げている。例えば、最近は欧米人の逮捕が地元の新聞で報じられる機会が多くなった。さらに米政府の人身売買監視国リストからも外され、おかげで国際援助を得られやすくなった。

取り締まりの網から漏れた地元民
「欧米の小児性愛者にとってカンボジアはもう安全な場所ではない」と、反小児性愛団体APLEのサムリーン・セイラ代表は言う。こうした変化は「わいせつ行為」で逮捕される人の増加にも表れている。APLEによれば、03年には8人だったのが昨年は36人に増えた。

 APLEは買春目的の旅行者を追跡し、買春の証拠を集めて地元警察に渡している。だが問題はここで行き詰まりやすいことだ。カンボジアの警察や裁判所は、経験が浅い人材も多く資金も不足しているため、汚職や職務怠慢に走りやすい。

 とはいえ、APLEによれば、こうした状況も改善されつつある。例えば、ある児童わいせつ行為事件を1年半前には「性行為に至らない愛撫」として審議を却下した裁判官が、今ではこの事件の審議に前向きだという。警察や司法に携わる人間が責任感を持ち始めている。

 警察機能の向上で、欧米の小児性愛者の手口は巧妙になった。最近、別々の事件で逮捕された2人のイギリス人は児童保護のNGOを設立して、これを隠れみのに子供たちに悪さをしていたと見られる。プノンペン警察の人身売買撲滅・児童保護課のカオ・テア課長は、このような詐欺行為に警察当局はだまされないと自信を見せる。

「われわれは外国人による性的虐待を止めることができる。以前よりずっと経験をつんでいるからだ」と、テアは言う。それは本当だろう。だが人権団体は、外国人以上に厄介な存在が取り締まりの網から漏れていると指摘する。それは、児童買春市場に群がる地元民、つまりカンボジア人だ。

158チバQ:2010/11/20(土) 20:33:46
被害者に汚名を着せる文化
 APLEによれば、03年以降に「わいせつ行為」などで逮捕された141人のうちカンボジア人は37人、他のアジアの国の出身者は19人しかいなかった。つまり141人のうち大半が欧米人だったということだが、実際はカンボジアで小児性愛犯罪に手を染める人の中で欧米人の割合はごくわずかだ。

 児童保護NGOのECPATが10月に発表した報告書によれば、子供のときに売春していた人たちの多くが、客はカンボジア人だったと証言している。カンボジアにいる欧米人と地元民の割合を考えれば当然の結果にも思えるが、ECPATによればこれは「小児性愛は欧米人が犯す犯罪だという思い込み」を覆した。

「カンボジア人男性は、色白で見た目の若い美しい売春婦、つまり未成年を好む」と、ECPATカンボジア事務所のチン・チャンベアスナ代表は10月の会合で語った。さらに、これまで欧米人だけに目を向けてきたせいで、地元民による犯罪が見落とされてきたと付け加えた。

 人身売買などの調査を行うNGO、SISHAのスティーブ・モリシュ代表は言う。「私が話した多くのカンボジア人男性は、相手は若いほうが良いと言い、それを隠すべきこととも思っていないようだった」

 さらにカンボジアの文化では、事件の加害者よりも被害者のほうが風評で傷つけられやすい。今年発表された国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカンボジアについての報告書によれば、性的に虐待された少女は、地元社会から追放されることが多いという。一方で有罪となった加害者が汚名を着せられることはほとんどない。

 こうした文化はそう簡単には変えられないため、政府はその犯罪が関心を集めやすい欧米人男性を標的にしてきなのだろう。だが人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンはこう語る。「欧米人の小児性愛者は低い枝になった取りやすい果実。そろそろ高い木に登って地元の小児性愛者を捕まえるべきだ」

159チバQ:2010/11/20(土) 20:42:58
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101110ddlk43040458000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/上 将来の安心へ遺言作成 /熊本
 ◇パートナーに財産相続
 「この中に遺言が入っているんです」。東京都郊外に住む50代男性は、地震など緊急時に持ち出すリュックサックを見せた。遺言は、同居する8歳年上の男性パートナーと5年前に作ったものだ。どちらかが死んだ後に遺産を相続するという内容が書かれている。

 2人は同性愛の関係にある。50代男性は中学生のころから同性に好意があることを意識し始めた。25歳の時、親に「女性に興味がないから結婚しない」と話すと「おかしい。病院に行け」と言われた。今のパートナーは初めての「彼氏」で、20代後半から交際を始めた。一緒に住もうと賃貸マンションを探したが、男2人に対する世間の視線は冷たい。ようやく理解がある大家を見つけ住み始めたが、半年後に大家が病死。大家の妻は2人の居住に否定的で転居を余儀なくされた。

 「新たな部屋は見つからず近い距離で別々にマンションを借り、食事などは互いの住居を行き来する生活を約20年続けた」

 02年に相手男性が退職し、計2部屋分の家賃を負担するのが経済的に厳しくなった。03年にマンションを共同名義で購入した。「2人に法的な関係がないままでは、どちらかが亡くなった場合所有権が親族に渡ってしまう」。残された相手はどうなるのか、不透明な将来に思いを巡らす。

 財産を守るには「公正証書遺言」を作成する方法があると知っていた。しかし、やり方がよく分からなかった。マンション購入の半年後にセクシュアルマイノリティー(性的少数派)向けサイトを開設していた熊本市の行政書士法人ウィズネスのホームページを見つけた。メールで相談を始め、同市内のホテルで行政書士と顔を合わせて話し合った。05年12月に公正証書ができた。「将来の安心が買えた」とほっとした。

 ただ、遺言が指定できるのはあくまで死んだ後に限られる。病気や事故などでパートナーが入院した時、病室に入ったり、治療の意思を表明したりできるかは依然不透明だ。

 2人で養子縁組し、正式に「家族」になることを検討している。「制度が変わるのは難しい。いつ病室に運ばれたり死んだりするか分からない。その時どうなるかが自分たちにとっては大事だ」。男性の不安は尽きない。

  ◇  ◇

 通常の結婚なら当たり前に保障される遺産相続や医療方針決定などの権利が、同性パートナーには認められていない。当事者たちは年を重ねるごとに将来への不安を深めている。何を悩みどう生きていくのか。同性愛者や支援者の声を聞いた。【遠山和宏】

160チバQ:2010/11/20(土) 20:43:38
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101111ddlk43040608000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/中 「制度変わる実感ない」 /熊本
 ◇親にも打ち明けられず
 「性同一性障害に対する世間の認識は変わったかもしれないけれど、(レズ)ビアンに対してはほとんど変わっていない」

 佳美さん(36)と清子さん(33)=いずれも仮名=は約3年半前に交際を始め、直後から熊本市内の集合住宅で同居している。「もし制度で認められていれば結婚しているかもしれない」。清子さんは同性愛であることを親に打ち明けているが佳美さんは言っていない。一人っ子のため「子孫が残らないと親にがっかりされるのが怖い」という。

 「彼氏いないの」「合コンに行こうよ」「結婚しないの」−−。周りの友人たちは気軽に声を掛けてくる。「一人が楽しいから」などと答えるが、誘いは煩わしい。「彼女がいる」ときっぱり言えたら楽だと思う。でも変な目で見られるのが怖くて周囲の多くの人には話していない。佳美さんは一時彼女を彼氏に置き換えて周りと話していたが、疲れてやめた。

 佳美さんが印象に残っていることがある。2年前にあった清子さんの父の葬儀。結婚していれば義理の父親にあたり参列するのは当たり前だが、親族からは「来てくれてありがとう」と言われた。「熱心な友達という感じで見られていた。認められていない気がして切なかった」と振り返る。割り切れない気持ちのまま途中で会場を後にした。

 2人が死と向き合う場面となれば事態はさらに深刻だ。日ごろから将来のことを意識しているわけではないが考えると不安になる。例えばパートナーが突然事故や病気で倒れたら−−。事故があれば警察は家族に連絡にする。だが法的に家族でないパートナーには連絡が来るかどうか分からない。特に佳美さんは親に清子さんとの関係を話していないため何かあった場合、清子さんに連絡がくるという確証はない。

 佳美さんは「周囲が同性愛を認知し、理解してくれれば財産相続など将来の不安を取り除いてくれるようなパートナーとしての権利を保障する制度や法律もできるかもしれない」と話す。「ただ、現実にはテレビでも取り上げられないし、どこの政党もマニフェストに書いてない。変わるかもしれないという実感はない」と不安を語る。【遠山和宏】

161チバQ:2010/11/20(土) 20:44:01
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101112ddlk43040577000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/下 「内面サポート機関必要」 /熊本
 ◇法律相談受ける中で実感
 熊本市新大江の行政書士法人ウィズネスは5年前、セクシュアルマイノリティー(性的少数派)を対象にした専門サイトを開設した。城本亜弥行政書士が性同一性障害の友人から「法律的な相談をする所がない」と聞いたのがきっかけだった。

 相談は財産関係が多い。結婚していれば相続は自然にできるが、同性のパートナーには権利がない。特に不動産がある場合「一緒に生活してきた場をパートナーに残したい」と相談してくるケースが多いという。

 財産相続のためには大きく養子縁組と遺言作成という方法がある。養子縁組は戸籍上も家族になれるので法律的な権利を明確にするには最善のやり方といえる。相手が病気や事故で病院に搬送された場合、相手の家族と関係が悪いとそばにいられないこともある。養子縁組すれば「家族」として権利を主張できる。「一方で名字が変わることによる影響が考えられることや、将来的に同性婚が認められた場合、家族同士で結婚ができるのかという問題が生じる可能性がある」と、城本行政書士は指摘する。

 公正証書の遺言作成は早ければ1週間程度でできる。パートナーの死後、実際に手続きをする遺言の執行者を行政書士や弁護士らの第三者に指定することで親族とトラブルが起きた場合も対応してもらえる。「ただ、あくまで死後の話であるためパートナーが病院に搬送された場合、治療方針など自分の主張ができない可能性は残る」という。

 ウィズネスには年間50〜100件、メールを中心に問い合わせがある。20〜50代と幅広いが実際に手続きに結びつくのは40代以降が中心。紛争事案や裁判所手続など弁護士資格が必要な業務は、提携している弁護士事務所などに紹介している。

 城本行政書士は「相談を受ける中で自分が何者であるか分からないなど、内面を悩んでいる人が多いことを実感した。自分たちは法律面でアドバイスをしていくこともできるが、内面をサポートするような機関が行政民間ともに充実していく必要がある」と話す。行政書士法人ウィズネスの連絡先とサイトは096・283・6000、http://www.sexual‐minority.net。【遠山和宏】

162チバQ:2010/11/20(土) 20:45:16
http://www.cnn.co.jp/usa/30000834.html
男女別学校、「男性でも女性でもない」学生に苦慮
2010.11.09 Tue posted at: 13:24 JST
アトランタ(CNN) 米国各地の男子校や女子校が、従来のような男女の区別に当てはまらない学生にどう対処すべきかという問題に直面している。

ケビン・マーフィーさんは2003年、マサチューセッツ州の女子大マウントホリオークカレッジに入学した。入学時は女性だったが、卒業する時は男性になっていた。

ジョージア州の男子校モアハウスカレッジに通っていたフィリップ・ハドソンさんは、自分の性別は男性にも女性にも当てはまらないという。

男性でも女性でもないという学生やトランスジェンダーの学生、性別を変更中の学生などが存在する中で、大学側が学生の性別を見極めるのが難しくなっている。マサチューセッツ州の女子校スミスカレッジに通うロスさんは、最近女性から男性に転換した。男子校のモアハウスでは昨年、生徒数人が女性の衣類やバッグ、ハイヒール姿でキャンパスに現れて問題になった。

ほとんどの学校には入学許可後のこうした生徒の扱いに関する規定がなく、在籍を認めるかどうかが論議になっている。

ホリオークカレッジの広報によれば、同校にトランスジェンダーなどの学生に関する規定はなく、あるのは「女性のみ入学を認める」という規定のみ。「女子を入学生として迎え、卒業生を送り出す。生徒はそれぞれに育っていく」という。

一方、男子校のモアハウスでは昨年、女性の装いを禁じる校則ができ、校内には禁止の掲示が張り出された。

同性愛やバイセクシュアルの学生でつくる団体「キャンパスプライド」会長のシェーン・ウィンドマイアーさんは「男性的男性という概念に当てはまらなくても成功は収められる。女性についても同じだ」と話している。

163神奈川一区民:2010/11/21(日) 23:59:44
【海外芸能】米レズビアン&ゲイ情報誌「OUT」が今年のキーパーソン100人を発表

LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)向けの米情報誌「OUT」が、
今年の各界のキーパーソン100人を選ぶ「OUT 100」を発表した。

なかでも栄えある“エンターテイナー・オブ・ザ・イヤー”に輝いたのは、今年3月に同性愛者であることをカミングアウトした
プエルトリコ出身の人気シンガー、リッキー・マーティン。ゲイであることを隠していることで、
長いあいだ抱えてきた重荷から自己を解放した勇気が評価された。

また、“ディーバ・オブ・ザ・イヤー”にフィギュアスケーターのジョニー・ウィアー、
“アーティスト・オブ・ザ・イヤー”に、トム・フォード監督作「シングルマン」や、
レズビアンの母親を演じた「The Kids Are All Right」に出演したジュリアン・ムーアが選ばれた。

映画&テレビ界からは、12月米公開予定の新作「ラビット・ホール(原題)」が高く評価されているジョン・キャメロン・ミッチェル監督、
2010年カンヌ映画祭パルムドール受賞作のタイ映画「ブンミおじさんの森」のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、
フォックスの大ヒットシリーズ「Glee」のゲイの少年カート役のクリス・コルファー、
「グレイズ・アナトミー」のジョージ役で知られるT・R・ナイト、米ウォルト・ディズニー・スタジオのリッチ・ロス会長らがランクインした。


以下ソース:映画.com
http://eiga.com/news/20101118/6/


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