76:Luer( Queen of Hearts / 誘惑のチェシャ猫 ) ◆i9Nf8biD3.:2014/01/24(金) 10:37:23
(Queen of Hearts、母国の白い薔薇は何度見ても美しいと思う。ただ触れる事が出来ないのは、非常に惜しい。美しいものは散り際こそ一番美しく、儚く、尊きものだと感じられる。毟り取る気は無いけれど、それでも花を摘んでみる、なんて事はしてみたいものだ──と、広場の花壇に植えられた白薔薇を見つめ、彼は思った。仕事も無く、平和な日に彼は大抵ぼんやりとどうでも良い事を考えている。それは自分の事から他人の事、動植物など様々なジャンルである事に変わりは無いが、結果的にはどうでも良い事に繋がってゆく。物思いに耽っていると、不意にザァとのどかな風が通り抜け、白薔薇の花弁を奪って行った。何となくその花弁を追いかけると、視線の先にはQueen of Hearts軍事隊長、Christophe=Rode。仕事の常連客の一人だ。何処までも自愛国主義者で、お国の為に忙し無く働いていると思っていたのだが──こんな場所で会うなんて。元々、仕事上の関係以外で会う機会など無いので、声を掛けようと一歩踏み出したが、彼はフードを被って踵を返し、態々相手の背後に在る木の後ろ迄回り込んだ。普通に声を掛けるのではつまらない。そう判断した結果、実に子供っぽい作戦だが、後ろから脅かそうと決めたのだ。ゆっくりと気配を殺して近付いて行き、一定の距離迄来たところで彼はバッ、と背後から飛び付いて相手の首に手を回し、抱き着いた。この程度どうと言う事は無い。ニヤニヤと笑みを浮かべながらそっと耳に囁きかる。)
──ね、おにーさん。チェシャと遊ばない?……なーんてねっ。うさぴょんにこんなところで会うとは思わなかったよ。プライベートで会うのって初めてだよね?いっつも仕事ばっかでチェシャの相手してくれないしぃ。
備考:一人称「オレ、チェシャ」二人称「アンタ、お前、おにーさん、おねーさん、呼捨て、通り名」
母親は遊女、父親は元々母親の客だった。だが彼が生まれた事で父親の消息は絶たれ、母親に疎まれて幼い頃に捨てられた。その後、生きる為に身体を売る仕事を繰り返し、今に至る。現在は金に困る事は無いので、表向きは情報屋として危険な事からどうでも良い事までやってのける住民。ただ、家と呼ぶべき場所がない為、その日の寝床を探して未だ身体を売る真似をする事も度々。基本的に何処の国に住んでいる、と言う訳ではないが、生まれがQueen of Heartsの為、建前上はQueen of Heartsの住人と言う事になっている。本人の性格が性格なので、一つの場所に留まる事が少ない。
裏切り・引き抜き:何処かに属していると言う訳ではないので、裏切りも引き抜きも基本は無し。ただ、本人の気紛れや仕事を依頼されて一時的に何処かに属し、情報を提供する事はある。その際に他国から依頼され、偽の情報を流すなど裏切る可能性は否めない。
>>スレ主様
(/レス失礼します。Queen of Heartsの支配者を予約させて頂いた者です。PFの提出が大分遅れてしまっており申し訳御座いません。PF完成間近なのですがここで一つご質問させて頂きます。「自分の元の顔を嫌って顔を整えた(整形した)」という設定は大丈夫でしょうか?宜しければご返答お願いします。)
100:Luer( Queen of Hearts / 誘惑のチェシャ猫 ) ◆i9Nf8biD3.:2014/01/26(日) 01:47:05
(見渡せば真っ赤な林檎が転がっているのが目に入る。当然と言えば当然だろう、自分が木から落ちてぶちまけたのだから。発作は治まらなくて苦しいし、風や雪は冷たいし…このまま凍死するか発作が酷くなって死ぬか…そんな事ばかり考えてしまう…自分はこの国を…大好きな人達を守らなきゃいけないのに…。はぁ、と溜め息を吐くとそれは白い煙となり空に溶けた。ー自分に両親はいない…いや、“もう“いないと言うべきだろう。ぼんやりと昔の事を思い出していればふと遠くから此方に近付いてくる足音が聞こえた。誰だろう…と朦朧とする意識の中で考える。誰かが自分の目の前で止まった。チラリと上目で相手を確認するとまず目がいったのは毒々しい、けど綺麗なバイオレッドに所々ショッキングピンクのメッシュが入っている凄く目立つ髪。次に顔全体、綺麗な顔立ちは一見女の人にも見えるけど自分も時々間違えられる時があるので分かる、相手が男だと。それから全身、と順に目を動かして。やはり、ここの住民では無さそうだ…だとしたら敵か、と冷静に判断していると相手が突然話し掛けてきた。チェシャと名乗る相手…それで思い出した、国の誰かがQueen of Heartsに凄い情報屋がいると。だから知らないかと言う相手に対して小さく首を振り、名前と仕事の事は知ってると答えた。大丈夫?なんて言う相手に大丈夫、と答えようとしたが相手の次に放った言葉によってそれは途切れた。平和主義者の事ならまだしも、どうして誰にも言っていない病弱と言う事が初対面の相手に知られているんだ。驚きに目を見開くと咳き込みながらも尋ねて。…他国に持ち帰れば、と楽しそうに話す相手にほんの一瞬だけ恐怖した。だけど、自分はそんなに柔じゃない、キッと少しだけ相手を睨むようにして見ると言葉を紡いだ。しかし、助けて欲しい?なんて言われれば睨むように見ていた表情から一変、キョトンとした表情に変わる。助ける?他国の自分を?自分なんか助けても相手にメリットは無いだろうにとか助けるにしてもどうやって助けるのだろうなんて疑問を持ちながらも今の自分じゃ城に戻る事も出来そうに無い、一瞬考える様にうつ向くも相手の方を見れば助けて欲しいと小さく呟いて…。)
…?チェシャ、さん…?…名前は知ってます、後凄い情報屋さんって事は…。…!…ど、どうして病弱って事を…?…っ!?…こんな私なんて売っても使い物になりませんよ…それに、良いように利用されて国の皆に迷惑をかける位なら…私は自らこの命を絶ちますよ…。…ぇ?で、でも………え、と…た、助けて欲しい、です…。