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投稿するまでもないSSスレ 7/7
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創想話に投稿するまでもないSS用スレ。
理屈なんていらない、東方に熱い想いがあるというなら
とにかくそれをぶちまけろ! 長編・短編どちらもOKだ!
前スレ
投稿するまでもないSSスレ 6/6
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1201010640/
関連サイト
プチ東方創想話ミニ
ttp://cgi.www5d.biglobe.ne.jp/~coolier2/sss/anthologys.cgi
SSを書いている人へ
なぜ自分が書いたSSが評価されないのか
どうしてイタイヤシと叩かれなければならないのか
U-1ってなに?って思ってる人
こうすれば、貴方のSSは生まれ変わる
『 メアリ・スー 』 テストで自己診断。これで皆は貴方のSSにメロメロだ!!
ttp://www.imasy.or.jp/~hir/hir/marysue/marysuefaq_j.html
ttp://iwatam-server.dyndns.org/column/marysue/
関連スレ
【夢夢嫁嫁】東方キャラとイチャつくスレ14【夢嫁嫁】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205947173/l100
【こんなSS】 貴方に合うSSを探すスレ 第3話 【どうですか】
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205951152/l100
幻想郷のキャラをいぢめるスレ 8.1
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/computer/6306/1205947364/l100
SSの実力向上を目指すスレ スレ立て待ち
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とりあえず関連スレは立っている分だけ新スレに書き換えてます
スレ立てついでに
アリスのところに妹様が尋ねていって人形劇を見たりあーんなことやこーんなことを
というSSを書こうと思ったら「そこまでよ!!」と止められたのでやめておきます
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とりあえず>>1乙
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大まかな流れは思いつくんだが、それを文で表そうとすると
文才がないせいか餓鬼のような文に・・・
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このスレ活気が皆無だな・・・
SS書いたとしても誰も見なそうだな。
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落ちてる時期も長かったですから。
でも、せっかくあるのですから、何か思いついたら書いてみます。
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早苗がやってくるなり、
「遊園地行きませんかっ?」
と、笑顔で聞いてきた。
……ゆーえんちって、何?
「なぁなぁ、ユーエンチって、何だ?」
私に聞かないで欲しい。
「えーっと……。御二人とも、知らないんですか?」
「初耳」
「知らないぜ」
吃驚している早苗。何かよく分からないけど、失礼な気がする。
よく知らないけれど、いやらしい所ならお断りよ。
わざと、少し不機嫌な感じで答えてみた。
こうすると、早苗は露骨に狼狽するので、そこが可愛いのだ。
「ちっ、違いますっ! 変な所じゃありませんー!」
案の定、わたわたする早苗。可愛い。
「なるほど、優・艶・地……。確かに、そこはかとない色気を感じるぜ」
魔理沙ナイス。
「そりゃあ、巫女って、元を辿れば色売り娘だけど……。私はそんなつもりは……」
「早苗は積極的なんだなぁ……。外の人は進んでるぜ」
二人して、にやにや。
「あーうー! 字が違いますー! 遊ぶ園の地と書いて、遊園地ですー!」
早苗の顔はトマトのように真っ赤になりました
うーん。
「……正しい字を聞いても、背徳感が消えないのは何故かしら……」
「そりゃあ、早苗の口から出てきたからじゃないか?」
ねー♪×2
「なっ、なんでっ、御二人はそんなにっ、息がぴったりなんですかっ」
いけない。遊びすぎた。
「ごめんごめん。さっき気の毒そうな顔したから、ちょっとからかいたくなったのよ」
「まぁ、お茶でも飲んで落ち着いてくれ」
「魔理沙。それ、私の湯呑み」
「もういいです……夫婦漫才は、もうご馳走様です」
「で、遊園地って、何?」
三人で縁側に腰掛けながら、あらためて聞いてみた。
「遊園地というのはですね……」
早苗が言うには、なんでも遊ぶために特化した乗り物や設備を集めた場所らしい。
例えば観覧車というのは、とても高くまで上がり、周りを見渡すことが出来、
ジェットコースターというのは、高速で線路の上を走るらしい。
「それって、私達は楽しめるのか?」
ホウキを持ちながら、(自称)幻想人最速の魔理沙が、首を傾げた。
確かに、私もそう思う。
「ええと、確かに私達は観覧車より高いところまで行けますし、
ジェットコースターも、早さでは霊夢さんにも敵わないと思います」
「じゃあ何で」
「でも、自分が好きな人と一緒に回れる。一緒の乗り物に乗る。
これは、とっても楽しいことなんです」
む。
「恥ずかしいぜ……」
「早苗は、直球だから……」
「い、いえっ、変な意味じゃありませんよっ」
そこで真っ赤な顔になるから、いらぬ誤解を招くのよ。と、言おうとしたけど、
治ってしまうのも、それはそれで勿体ないと思った私は、黙ってお茶を飲んだ。のだった。
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「でも、そんな遊び場が、何時、どこに出来たんだ?」
至極もっともな質問。
「あ、はい。何でも先日、幻想郷の外れに突然」
……はい?
「紫の仕業かしら……?」
「ありそうな話だぜ」
「竹林なら、あぁ、また姫さんが馬鹿なことを始めたのね。で、済む話だったんだけど」
魔理沙にそう振ると、
「激しく同意だな」
首をぶんぶんと振っていた。何かやらかしたのだろうか。
「姫さん?」
「ああ。今度紹介するから、今は置いといて」
あの、すちゃらかとんでも御姫について語ると、日が暮れちゃう。
「はい」
「罠か?」
「ううん。もし罠だったら、作成と同時に『霊夢〜。今度私と〜』とか言いながら、
ここに乗り込んでくるわよ。含み笑いを噛み殺したような顔して」
吹き出す二人。
「あるある」「わかりますわかります」
「第一、黙って罠にかかるのを待つ作戦だとしても、私達はそもそも『遊園地』を知らなかった」
「うんうん」
「つまりこれは……」
「そうよ、早苗。これはただ、偶然幻想郷入りしただけ」
名探偵よろしく、私は笑顔で返した。
「そうとわかれば、即、行動だぜ」
見れば、すでにホウキに跨ってる魔理沙。
「お相伴あずかります」
後ろにちょこん、と座る早苗。
「私も座れるかしら?」
「余裕だぜ」
そうして私達は、遊園地に向けて出発した。
「……で。着いたは良いんだが……」
「早苗? ねぇ、早苗? どうしたの?」
「コンナノハチガイマスコンナノハミトメマセンコレハユメデスユメデスネレバサメマス……」
「ジャンピングタイガーだ! 俺を撮影するなら、金払え!」
「わーたしは、大きい耳のー、ね・こ・で・すー♪」
「シマウマの登場だよっ! たてがみまで白黒だよっ!」
「何か、楽しそうだな♪」
「早苗は、何が不満なのかしら……」
どっとはらい。
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新スレ記念ということで、手なりではありますが、一つ書いてみました。
馬鹿話スマソw
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あああ。ユーラシア大陸の方にあった、あの遊園地!wwww
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ジャンピングタイガーググって噴いたwwwww
中国の遊園地かw
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ああごめん。こういうネタSSなんだから、誘導貼っとくべきだった。
つ 石景山遊楽園
ttp://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E7%9F%B3%E6%99%AF%E5%B1%B1%E9%81%8A%E6%A5%BD%E5%9C%92+&lr=lang_ja
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今書いてるSSがあるんだが、まだ途中なんだ。
完成するまで投稿はやめたほうがいいかな。
推敲もしてないから完成時には多少内容変わるかもだけど
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早苗x魔理沙xアリスネタが最近好きかも。
聖ZUN学園の影響か・・
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何その面白そうな学園。
よし、自分も調子に乗って投下しよう。
↓ここから最後の行まで。
『ナニな事を思い出した、チルノの一人遊び』
昔から寒さに包まれていた気がする。
世界がずっとずっと、春も夏も秋も無い時、寒さに抱かれていた。
そのうち世界はあったかくなった。寒さは、暖かさによって消されていった。
暖かくなるものを寒くするには凍らせたらいい。
全てを凍らせていくうちに、一人の変な妖怪に捕まった。
いつものように凍らせてみたら、凍ったまま動いてきた。
「年中涼しいままの場所まで連れてってあげるから、そこに住みなさいな」
そっと抱きしめられて、真っ暗な闇に包まれた。
それが目を閉じた時の闇だとわかって、そのままにしておいたら、湖にいた。
それから紫色を見るたびに、時々そのことを思い出す。
春。これから冬がどこかに行って、暫く雨が降ったら大嫌いな夏がやってくる。
一年中涼しいっていうのは嘘だった。
花を凍らして砕くのは楽しいけど先のことを考えると嫌になる。
そういえばカエルはまだ見ない。まだどこかで寝てるんだろう。
今日は誰も来ない。何となく水を凍らせる。
薄く広く。なるべく広げたら一気に割る。
小枝を細かく折る楽しさに似てて、とても楽しい。
だけど、しばらくしたら飽きた。
今度は大きな氷を作ってみる。
ほとりより少し進んだところの方が作りやすいから、そこからゆっくりと。
少し、また少し、大きくなるように頑張ってみる。
両手よりも、もっと沢山。凍らせて凍らせて。どこまでも凍らせて。
そのうち、端っこの方から砕けてくる。そこを凍らせると別のところから砕けてくる。
どこも砕けないようにすると、息を止めてるような感じでいっぱいっぱいだ。
「やーめたっ!」
力を抜く。すると、一斉にいままで凍らせてた氷が砕けて、湖にゆっくりと波が広がった。
あたいの力が起こした氷と波が、湖に広がって消えていった。氷もだんだんと溶けていった。
ついに跡形もなく氷も波も湖へと溶け込んでいった。
難しいことはよくわからないけど、これが世界なんだと思う。
ゆらゆらゆれる水面と、それに映る空を見ながら、そう思う。
だけど考えたところでどうしたらいいのかわからない。
あたいは凍らせることしか出来ない。飛んで凍らせる。冷たい温度の中に私はいる。
あたいが冷たい温度だ。凍らせれば動けなくなる。動けなければ攻撃は出来ない。
考えるだけ考えたら、やっぱり凍らせることの出来るあたいは最強だった。
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聖ZUN女学院 鴨さんが作ったオリジナルssなのだが
これのアリスが壊れすぎて大好きw
早苗が主人公
変態アリスと普通の魔理沙のマリアリがたまらん
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とりあえず今執筆中のSS投下してみる
東方の細かい設定は知らないので間違っていたらすまん
文才もないので読みにくいし餓鬼くさいかも。推敲もまだしてない
誰が喋っているかわかるようにと気をつけてはいるが・・・
あくまで執筆中なので・・・と先に言い訳と謝罪を言っておく。
内容はネタではなく鬱系です・・・
甘いモノにはスパイスを
ここ人形が大量に休む館の中、テーブルを挟んで空色服の魔女にニコニコと微笑ましい顔をしながら
身振り手振りも交えつつ語りかけてくる白黒魔女。なんとも平和を象徴するかのようなこの風景。
ゆっくりと甘い流れの至福の時間。微笑む白黒。なんとも無邪気な笑顔。なんとも無防備な仕草。
こんな所を後ろから妖怪に襲われたら簡単に潰されちゃいそうな、それぐらい私の事を信頼してくれている。
白黒の語る冗談に対して、相槌を打ちつつ、時には突っ込み、追加で頭を叩いてやったりもする。
「痛いぜ痛いぜ、痛くて死ぬぜ」
「それで馬鹿が治るのならもっと叩いてあげるわよ」
このように触れ合ってのコミュニケーションは、私の時間をとても満たしてくれるものだった。
弾幕合戦の時は全く触れることすらできないのに、この時間だけは特別だった。
私よりも小柄な体躯に、さりげなく触れることが出来るのだから。届かないはずのものに。
でも時々ふと思う事がある。もし急にこの関係が崩れてしまったら、私はどのような反応をするのだろうか、と。
今は笑顔で絶えないこの私が、急に笑わなくなるのだろうか。泣き出すのだろうか。壊れてしまうのか。
それとも何も感じないのか。私は人形ではないし、自制心はあるつもりだ。
だから、もし、の場合だがきっと前者の2つだろう。
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ある程度雑談を交えた後、今、白黒の魔女──魔理沙は私部屋の中心のソファーを勝手に陣取って、
肘掛に背中を預けてやや仰向けの体勢で、足を伸ばしてリラックスしている。
その状態で勝手に引っ張り出してきた私の魔導書を、黙々と読みふけっている。
会話の途中に手に入れたばかりの珍しい魔本の話をしたのがまずかった。
その行為を無理やり止めない私も、お互いの信頼があるからこそ許してしまう。
私は魔理沙がどんな箇所を読んでいるのか、何に興味を持っているのか、それとも構ってもらいたいのか
「どう?何か発見できた?」と、魔理沙の後ろにさりげなく回りこんで本を覗き込む。
帽子は被っていないので、魔理沙の金色の頭部の横に自分の顔を並べると、とても良い香りが鼻をくすぐる。
・・・・・・実は魔理沙がどこを読んでいるかなんてどうでもよかった。甘美で芳醇なこの香り。とても幸福な香り。
魔理沙に少しでも近寄れるなら。この香りを好きなだけ満喫できるなら・・・
その為ならばこの本アゲチャウ☆なんて思ったり思わなかったり。あぁ・・・・・・幸せ・・・幸せが身体に満ちていく。
この香りさえあれば、ご飯何合でもいけちゃう。可愛いなぁ、魔理沙。私にも可愛いって言って欲し──
「なぁ、アリス」
「へっ、あっ、なあに魔理沙」
急に振り向かれ声を掛けられる。視線が交わる。魔理沙可愛いよ魔理沙。
「アリスってさ・・・・・・・・・・・・」
(ドキッ、可愛いクリンとキリッとした目で見つめないで〜〜〜〜あああぁ・・・もうだめかm)
「・・・鼻息荒いよな」
ガッ。
情けない。途中までドキドキしていた私が情けない。可愛いとか言われるかと思・・・・・・って
「鼻息荒いって何よ!!殴るわよ!!」
「殴ってから言うなよ・・・痛いぜ・・・」
「いつもは荒くないわ!普通よ!ただちょっと・・・今だけは・・・その・・・・・・・・・・・・
・・・・・・魔理沙の髪が・・・とても・・・・・・いい香りだったから・・・つい・・・」
前半荒く、後半呟くようになってしまう。魔理沙はそのギャップと台詞に混乱しながらも
「ん・・・・・・そうか・・・・・・・・・嬉しいぜ・・・」
と照れ隠しのつもりなのか、魔理沙はまた本に視線を戻す。耳が軽く紅潮しているのがわかる。
この反応が可愛い。この可愛い頭をワシワシとナデナデしたくなる。この無防備な頭。無防備な後頭部。
ただの少女の頭。撫でたい。帽子に抑えられていた事によってできた微妙な癖ッ毛がまた哀愁をそそる。
この蜜のような甘い時間。肺の中に溜め込んだ魔理沙臭。幸せ。この時間がいつまでも続いたらいいのに。
この関係がもっともっと深くなれば、もっと甘くなるのかな。
繊細で、綺麗な髪を纏い、触れるのさえ躊躇われるような、ガラス細工のような。
そんな魔理沙の後頭部が目の前にある。無防備である。
そっと頭を撫でてやることも、急に抱きつく事も可能である。何でも可能だ。
ウホッと変な顔をしていても後ろ向きだからバレない。逆にどつくこともできる。
冗談で叩いても簡単に壊れそうな脆い頭────もし、とても強い衝撃を与えたら?思いっきり殴ったら?
この雰囲気に合わない、ぶち壊すような衝撃をこの頭に────
ふと思っていることと逆の考えが頭を通過していった。
いけない、何を考えてしまったのだろう、そんな事をしたらいけないとわかっている。
殺意だの恨みだのなんて恐ろしい考えは沸く理由がない。
信頼してくれているのだから。そんな事するわけないし、何故私が魔理沙に危害を与えなくちゃいけないのか。
憎いわけではない。むしろその逆である。心の底から大好きなのだ。対する魔理沙は私の事を単なる友達
だと思っているかもしれない。私はそれ以上の関係を望んでいるのだが、進展させる勇気がない。
この関係が壊れてしまうことが怖い。
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・・・・・・それにしても無防備すぎる。あれだけ口喧嘩も交えたこともある私が
無言で後ろに立っていても、まったく怖気ないとは。それほど私の事を信頼しているのか。
例えばの話だが、この頭に思いっきり後ろから力を加え、全てをぶち壊してしまったらどうなるのだろう。
痛いぞアリス、とか言うの?痛いを通り越しているのに?それとも当たる直前に危ないぜ、とか言って避ける?
こんな雰囲気で後ろから強い衝撃を不意に加えるなんて常識ではありえない。避けれない。
でももし・・・──────ぐっまただ、なぜこのような考えをしてしまうのだろう・・・
この幸せな時間を自らぶち壊すだなんてどうかしてる。いや、実際はぶち壊さない。
壊してしまった自分と今の自分を比べて、今がどれだけ幸せなのか計ってみただけ。それだけである。
そう、今は幸せを存分に味わうべきである。
魔理沙の香りが芳醇すぎて脳が犯されたに違いない。考えを切り替えなくては───
「あ、魔理沙?そういえば紫さんからスイーツ(笑)、簡単に言えば果物だけど、
さっき分けてもらったの。多分あっちの世界からくすねてきたものだと思うけど、
すぐ痛んじゃいそうだし、一人では多いから一緒に食べる?」
「おっ、ケチなアリスにしては気前がい──ゴフッ
アリスの水平チョップ。それをこめかみにモロにうけ、魔理沙はソファから転げ落ちる。
「誰がケチよ、誰かと一緒に食べたほうが美味しく感じるでしょ?まぁ、仕度してくるから
おとなしくまってなさい」
汁が服につくのを防ぐため、軽くエプロンをかける。さて取り出しましたのは緑色の球体。
所々ひび割れているのかスジが大量に浮いている。あっちの世界ではこれが普通らしい。
紫はメロンだと言っていた。西瓜と同じように切り分け食べるのだ。とりあえず8等分ぐらいに切り分ける。
タネは西瓜より取り除くのが非常に楽だった。黄緑色をした果肉が剥き出しになる。
このままかぶりつくのもいいが、年頃の乙女のする行為ではない。
なので食べやすいよう、皮と果肉の境を見極めながらそれにそって切り込みをいれ、さらに直角に包丁をいれ
一口サイズの四角い緑の欠片にとアレンジを加えた。
他にはブドウと呼ばれるものもある。これは知っているので軽く水洗いをしておく。
ただ、紫が言うにはこのブドウには『タネが無い』らしい。
タネが無い植物や果物なんてあるわけない。いろいろな意味でありえないだろう。
♀と♀で子供が作れちゃうぐらいおかしな話だ。まぁ私と魔理沙だったら不可能じゃないけど・・・
何を考えているんだ私。
えっともうひとつ、確かパインとかいう果物・・・・・・・・・・・・・・・なんぞこれ。
円柱の形をした銀光する塊。銀色・・・・・・パインは黄色と聞いたのだが。
果物とは思えないぐらい硬い。つつくとカツンカツンと音がする。
食べれるのかしら、これ。自然の産物とは思えないほど綺麗な円柱である。まるで人工的に作られた容器・・・・・
・・・・・・・・あ、あらいやだ私ったらそうよこれは確か缶詰と呼ばれるものよ忘れてたわオホホホh
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・・・・・・それにしてもこんなものどうやってあけるのだろうか。どこからでも切れます。なんて表示はなかった。
とりあえず包丁を手にする。しかしこの硬さから想像するに、包丁のほうが刃こぼれする可能性が高い。
切れぬものなどほとんどない。その切れぬものが目の前に。柔らかいものなら簡単に切り裂けるのに。
柔らかいもの・・・野菜、肉とか。人間の皮膚だって簡単に貫ける。これでグサァッとやっちゃえば簡単にコロリと
いっちゃうだろう。丈夫でいて脆い人間。でも実際に包丁で人を切ったことなんて無い。当然だが。
────もし、これで人を刺したらどんな感触なんだろう。死んだ肉と違って生きている肉。
刺された刺激に筋肉が強張って刃の通りが悪くなるのだろうか。それとも逆に綺麗に押し込まれていくのだろうか
そんな事をした自分はどんな反応を、どんな表情をするのだろう。
私ならすぐ冷静になれるはず、でもそれは想像の中。
実際に目にしたら・・・・・・どうなる?反応を見てみたい。自分の反応を。自分を知りたい。どうなるのか。
生きているけど抵抗する暇もない無防備な生き物を・・・・・・無防備・・・・・・さっきの少女。
甘い世界にいたはずなのにいきなり後ろから刃を突きたてられたら?理解をする前に死んじゃうのかな。
なぜ刺されたのかも、何が起こったのかもわからないのかな。そもそも殺される理由なんて無いんだし。
自分はここでは死の可能性が全く無い、そんな所で死んだらどんな表情を?死んだことさえ気づかないのかも。
それにはどのくらいの力を出せば。どこに刺せば───
「おーい、アリス〜まだか〜〜?」
ハッ、壁を隔てた部屋の向こうから聞こてきた声で我に戻る。
「あ、あと少しだからもうちょっと待っててね」
まただ、例え妄想だとしても、これは危ない。最近になってよくこのような妄想が頭をよぎるようになった。
人里ですれ違った、全く知らない赤の他人。この人を殺しても自分とは面識が無いわけだから
まず私は疑われないだろう。野次馬として現場に戻り、死んだ人の表情を・・・どんな表情?
安らかな死に顔?それとも殺される直前の表情?恐怖に歪んだ表情?何が起こったのか理解できない表情?
ああああぁあ駄目よ駄目よダメダメ
なぜこんな考えをしてしまうのか。考えるだけで実行する気は全く無い。が力強く包丁を握っていたことに気づく。
包丁の刃身に自分の顔が反射して映る。普通の表情、落ち着いた表情。そう、ただ考えていただけ。実行はしない
壊しては駄目だ。この甘い日常をなぜ壊す必要がある。考えるのはやめよう。日常に戻そう。
「うおぉおおお甘くてうんめぇええええ、なんぞこれーーーー」
さっきまで緑の欠片を睨んでいた魔理沙であったが、一口かじっただけでこれである。
「ん、あらほんと、西瓜やリンゴとは全く違うのね。これはほんとに美味しいわ。」
「見た目からは想像できないこの汁に溢れた禁断の果肉。優しく、甘く、柔らかく・・・・・・
口に馴染む!馴染むぞぉおフハハハハお口の中がマスタースパークや〜〜」
優しく甘く柔らかい表現とマスタースパークは噛み合ってない気がするが、そこはスルーしておく。
「これはメロンっていう果物よ。それとこれが種がないブドウ。・・・・・・でもう一つあるんだけど、
開け方がわからないのよ・・・・・・」
「なに、それは本当かね・・・・・・それは・・・気の毒に・・・」
私も2きれめのメロンを・・・・・・ってあれ?無い。見えない?違う。何も違う。
あ、なんだ、魔理沙の口のなかか。そうかそうか、消えたわけじゃなかったんd・・・
「って!!!!くぅおら魔理沙〜〜〜!!!!私の分は!!!なんでほとんど食べるのよ!!!」
「なに、それは本当かね・・・・・・それは・・・気の毒に・・・」
「私はまだ一切れしか食べてないのよ?」
「なに、それは本当かね・・・・・・それは・・・気の毒に・・・」
駄目だこいつ。あまりの美味しさに意識がとんでる。
恍惚な顔しやがって・・・その無防備な顔に正拳突くらわしてやろうか?
くっ・・・可愛い。只でさえかわいいのに、ほむほむと口をゆっくり動かして・・・・・・・
あぁぁぁあぁんらめぇぇえその表情可愛すぎる!!怒りを忘れちゃうぐらい可愛い!!反則よ反則!
世界のどんな果物よりも、その魔理沙の表情のほうが素敵過ぎる!!可愛EEEE
あぁ・・・もう私はそれでお腹いっぱい・・・・・・
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「いや〜〜美味かったぜ。やっぱ二人で食べるとさらに美味いな」
「私はほとんど食べてないけどね」
でも嬉しかった。過程はどうあれ二人で食べたという結果が残ったのだから。
「食べやすいサイズに切ってくれてあったし、気が利いてるよな〜〜だからアリスは好きだぜ!!」
「ぬぁっあああぁ・・・そ、そそう。それは・・・気の毒でよかったわね」
あぁああぁあああああ落ち着け〜〜落ち着け私。落ち着くのよ。
魔理沙は『友達として好き』だと言ったのだ。また勘違いしてしまう所だったわ。
ここで妄想にふけったらまた変態と指をさされてしまうわ。
周囲には変態アリスとかなんとか思われてるけど根は純粋なのよ。乙女よ。
ただ周囲の影響が強すぎるだけ。特に、幻想郷一恋に鈍感な癖に『恋符』なんて
つけちゃってる魔理沙が悪いのよ。そのギャップが可愛いじゃないの。男勝りの癖に乙女ボイスとかもうね。
言っておくけど私は変態じゃないからね!!・・・・・・・・・・・・誰に向かって言ってるんだろう私・・・・・・
あ、そうよ、目の前の魔り・・・あれ?いないわ。ん、キッチンのほうから音がするわ。そこかしら。
「ぉ、こんなに美味いもん食べさせてもらったからな。礼として食器は洗って片付けておいたぜ」
「え・・・・・・魔、魔理沙・・・・・・どうしたの?変なもの食べた?」
「いや変なものも何も今極上スィーツを食べただろうが。まぁこれで借りは無し。と」
食器を洗っただけで借りは無しとか・・・まぁ私も餌与えただけで借りを作ろうなんて疚しい考えは無いからいいけど
そして魔理沙はまたソファーの肘掛に背を預け足を伸ばすと、さっきの魔導書の続きを読み出した。
(もうちょっと会話したりと構ってくれてもいいのに・・・)
以前、アリスは弄りがいがある とかなんとか言ってたからちょっと期待してた。
あ、別にMとかじゃないわ、いたって普通、普通よ。
丁度位置的には魔理沙の背後にいるわけだ。
(ん〜なら私が襲っちゃおうかしら・・・・・・そしたら・・・
魔理沙好きよなんだアリスもか実は私も好きだったんだあらそうなのじゃあ今からいい事しましょ
大丈夫よ私も初めてなんだから え そうよ魔理沙の為にとっといておいたのよあんだめよいきなryふじこlp;@)
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無理よ無理よこんな都合よくいくわけがない。失敗したら関係が壊れるってレベルじゃない。
急に抱きつくのもやめたほうがいいし・・・・・・折角無防備な魔理沙が目の前に・・・・・・
───自分を裏切ってこの少女を壊してみたら?怒りも、怨みも、理由なんて無い
ないから逆に。もしかしたらいいほうに転ぶかもしれない。そんなわけないわ
どうせ人間いつかは死ぬ、なら最愛の人をこの手で。何を馬鹿な、嫌よ
そこに人形を作っていた工具が出たままだろう、それで思いっきり壊すとどうなる。そんな事しないわ
自分の目の前で最愛の人が亡くなる恐怖に耐えれるか、試してみないか?知りたくないわ
知るのが怖いのか、いずれ愛する人は離れていく、そうなる前に。ずっと私の物よ、失うことなんてさせない
失うとやはり狂ってしまうのを認めたくないのか。そんなわけない、私は・・・平気
本当に平気か、知りたくないか、恐怖を克服できる心の持ち主か。・・・・・・・・・
自律人形を作るに当たっても恐怖を克服できないと無理だ。・・・・・・・・・
ここには2人以外誰もいない、誰も見てない、だからいつ死んだかなんて誰にもわからない。・・・・・・
自分のものにしたいのだろう、自律人形と彼女を、でもいまのままじゃ両方無理だ。・・・・・・どうして
恐怖から逃げているからさ、知りたくないか、自分の弱さ、それを知りたいなら嘘をつけ。
自分を裏切れ。新しいものが欲しいなら、既存のものを壊さなければならない。
自律人形にも恐怖の表情が必要だ、怯えた顔、後悔する顔、表情とは別の意志を巧みに操る事だって必要だ
自分に嘘をつく人形、自律人形。そうだ、作るには足りなかった。陰に属する表情が───
自律人形、人形でありながら人と同じよう自分で考え自分で動く。それには陽の属性だけではだめだ。
人と同じなら、人と同じ反応をせねばならない。泣くところで笑ったりしたらそれこそ奇態だ。人ではない。
恐れ、憎しみ、恨み、偽り・・・その他の表情も作らなくては。他人が死んだ時の表情も、最愛の人が・・・・・・
え、それって殺せって事?無理よ嫌よするわけないわ。・・・・・・もし魔理沙が死んだら・・・・・・嫌よ
考えたくも無い。嫌よ嫌よ、想像しただけで涙が溢れてしまう・・・・・・想像で・・・・・・こんなにも
もしそれが真実になったなら・・・・・・どんな表情?それとも私は壊れてしまうのかしら・・・・・知りたい?
知りたくない、知る機会にも出会いたくない。でも自律人形の表情に・・・嫌よ知りたくない。いらない。
知りたい?知りたくない。どんな表情?知りたくない。知りたくない。どんな表情?知りたくない。
知りたくない知りたくないいらない知りたくない知りたくない表情は知りたくない知りたくない
知りたくない知りたい知りたくない知りたくないどうなるの知りたくない知りたい私は知りたくない
知りたくない知りたくないゴッ知りたくない知りたくないドサッ知りたくない知りたくない知りたくない
知りたくない知りたくない知りたくない知りたくない知りたくない知りたくない知りたくない知りたくない
「じゃあそろそろ帰るぜ、また続き読みたいからまた近いうちにくるけどな」
「あら、わかったわ。結構外は暗いから気をつけてね」
「なんだ、アリス、気持ち悪いぞ」
「何よ人が折角心配してあげてるのに」
「いやいや、そういう優しさがアリスのいい所だ」
「褒めたって何もでないわよ」
そんなこんな会話を交わした後、日がほとんど落ちてしまった夕闇の中、白黒魔女は闇に溶けていく
あんな服の色だからすぐ見えなくなっちゃうわね。無事に家に帰れるかしら・・・・・・
まぁ大丈夫でしょう『魔理沙』なら。・・・・・・さてと、あの容器・・・あら?
次『魔理沙』が来てくれた時の為、また一緒に食べた、という結論にするため
なんとしてでもあの容器を開けなくちゃ、とキッチンに足を向けたのだが・・・無い。
パインの缶詰の事だ。さっきまでここに・・・・・・
・・・・・・あぁ『魔理沙』がちゃっかり盗ってったのか。
フフッ────やっぱり『魔理沙』は魔理沙ね。
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朝早く、それもまだ目が覚めて数分も経っていないのに玄関から私を呼ぶ声がする
誰よこんな朝早くから・・・・・・常識が無い人だわ と愚痴をこぼしつつも
軽く身だしなみを整え玄関に向かう
呪文の鍵を解いて、ドアを開けると
「・・・霊夢?こんな早くから何しに来たのよ」
と不機嫌を露にして喋る。
霊夢はしばらく私を睨んだ後、
「あなた、何か隠してない?」
と少し怒気が篭ったような口調で言うと、勝手に私を押しのけ家の中に上がりこむ
「ちょ、ちょっと霊夢?何勝手に上がってるのよ!!非常識ね!」
上海、蓬莱もアリスの怒声を聞きつけたのか、部屋の置くからふわふわと飛んできた。
妖怪か!ゴシュジンがアブナイ!!!と、
しかし目の前にあるのは霊夢の顔。知っている顔が目の前にあり、敵ではないのか?と人形達は混乱する
困ったような表情をする人形達を霊夢はしばらく睨んでいたが、
「ねぇ、あなたの人形で一番優秀なのはこの子達?」
「え?、えぇそうよ?」
「ふぅん・・・・・・・・・・・・なんとなく嫌な勘がしたんだけれど・・・・・・」
「勘?まさか勘がするってだけで人の家に朝早くから上がりこんだの?」
人形を注視していた霊夢が、その場でクルリと玄関にいるアリスに身体を向ける
「ええ、でもなんか違うみたい」
なんという人騒がせな・・・
「悪かったわね、邪魔したわ・・・」
ズブッ
あぁ・・・こういう表情もするんだ・・・・・・
『霊夢』は玄関から外へ出て、森の隙間からこぼれてくる日を浴びる。眩しい、という表情をする。
「悪かったわね、邪魔したわ」
「当たり前よ、こんな時間にいきなり来るなんて非常識にも程があるわ」
「だから謝っているじゃないの。それにしてもよくできた人形達ね」
「優秀でしょ?私のお人形は。貴女の勘も中々のものだけどね」
それはどうも、と霊夢はふわりと浮き上がると、来た道を戻っていった。
やっぱり霊夢は自分の勘に忠実なのね。人形には勘、なんて概念存在するのだろうか
朝は少し騒ぎがあったけど、それ以外は何も起こらない平穏な日であった。
今頃『魔理沙』は『霊夢』と神社の境内でお茶を飲んでいるのかしらね。
お茶も食事も、いつもと変わらない日常。そうでないと意味が無い。
自分も人形を弄る。独りで。独りなのだが周りには上海蓬莱がいる。だから独りではない。
寂しくはない。そのまま窓の外が薄暗くなるまで、工房に篭る。
そしていつもどおり夕食の準備をする。本来食べなくても平気なのだけれど
これが私の日常なのだから───
-
─────────やっぱりいつもの日常になるのはまだ早いのね
私は家を覆うように頑丈な障壁を張らす、張り終わると同時にとてつもない振動、轟音が家を襲う
5秒ほどで振動や音が鳴り止む。家具や食器などが落ちる音が聞こえる。あーあ。
障壁はいまだ破られてはいない。片付けるの大変だわ、そんな事を考える、が
再び凄まじい振動や轟音が唸り始める。さっきより激しく、長い。15秒くらいだろうか。
障壁は未だ余裕で持ちこたえている。
・・・が折角用意したテーブルの上の食事は、床にぶちまけられたりと酷い惨状だった。
着席する前だったからよかったものの・・・・・・
「出てきなさい!アリス!!!」
外から怒声が聞こえる。やれやれ、今日は訪問者が多い日だわ。
玄関から外に出ると、丁度正面45度の高さに障壁を挟んで、黒い影──
永遠に幼く紅い月 吸血鬼レミリア・スカーレットである。
私はいつもと変わらない表情を保ちつつ、障壁の向こう側にいる吸血鬼に問いかける
「あら、城主様が直々に何しに来たのかしら?」
「あなたを殺しに来たの」
「さて、どうしてかしら?私はいつもの日常を満喫していただけよ?」
「とぼけても無駄よ、幻想郷を塗り替えるなんてさせないわ」
「塗り替える?私が?とんだ誤解だわ。人違いよ、帰りなさい」
「私に気づいて障壁を張ったって事はすこし遅かったかしら・・・・・・
・・・・・・まぁいいわ、今日貴女は死ぬという運命なのだから」
成る程、ある程度の運命は把握できているという事か。
だから私が日常生活を送ろうとしている事が大雑把にわかるのね。
そして運命をある程度操れる。ある程度、だが。
「ふぅん・・・・・・それで、今日私が死ぬの?」
「そうよ、運命だから抗うことはできないわ」
「ふふっ、"今日"ね。"今"じゃないのね、安心したわ」
「あまりかわらないわ。さぁ、殺してあげるからこの障壁を消しなさい。
そうすれば最低限の損傷で終わらせてあげる」
「言われなくてもそのつもりよ、ただ少し待ってくれる?」
そういうとアリスは障壁を解除し、数歩前へ足を踏み出す。
そこでくるりと向きを180度変える。つまり家と向き合う形となる。
家に向かって手を翳し何か呟くと、今度はアリスと家の間に障壁が現れる。
その行為が終わると、アリスはまた向きを変え、レミリアの目を見る。
「家の中には大切なものがあるから、失いたくないの。」
そういってさらに家からかなりの距離をとり離れる。
そして軽く地を蹴り、宙に浮かび、高さ的にはレミリアと同等ぐらいまで上昇する。
互いの距離はそれでもかなり離れている。
アリスの腕には魔本GofAを抱きかかえている。
アリスの動きが止まるのを見計らってか、レミリアは口を開く。
「中々殊勝な心がけね。もうすぐ主がいなくなると言うのに。
でも素直な子は好きよ?苦しまないよう殺してあげる」
-
アリスが不気味な微笑を掲げながら問いてくる
「ねぇ、どうして私がここに住んでいるかわかる?」
「・・・・・・・・・・・・ふん、どうせ死ぬのに知る必要なんてないわ」
「ここにはね、魔力が溢れかえっているの。魔法の森って呼ばれるのも不思議じゃないくらいにね」
「だからなんなの?今更命乞い?」
「どんなに破壊しても再生する不思議な森。ここなら本気をだしても構わない。
貴女は運命を操れるらしいけど、私だって操師、一級品のね。あなたを操れば運命だって操れるわ」
「抗うつもり?たかが妖怪ごときがこの私に?・・・・・・はぁ、冷めちゃったわ。
もういいわ、運命どおり早速殺してあげる、それも残酷に!!」
言い切ると同時に手から物凄い波動を飛ばす。スペルではない。殺すのが目的だけのそれ。
スペルカードルールではない。ただの殺し合い、スペル宣言等不要。
逃げ場も与える必要なんてない。ただ殺せばいい。本気の一撃。
アリスに向かって轟音とともに殺意の塊が飛んでくる。避けきれない。避けさせない。
いや、轟音が耳に届く前に、既に塊が彼女に被弾していた。物凄い波動が、そこを中心に飛び散り、
足元にある木々をなぎ倒していく。その一瞬の光景に置いていかれた轟音が、木々が倒れていく絵と同調する。
「・・・しまったわ。もっといたぶるつもりだった・・・・・・の・・・・・・に??」
噴煙が風に流され、塵となったアリスを確認しようとした。が、
アリスは微笑を保ちながら、浮いているのだ。傷一つ見当たらない、服のほつれなども無い。
本気の一撃だったはず。あんなものを喰らって耐えていた生き物なんていまだかつて見た事が無い。
狼狽するレミリアを見てアリスは鼻で笑う
「フフ、これが貴女の本気?久し振りに本気をだせると思ったのに、がっかりだわ」
レミリアの頬を冷たい水が滑り落ちる
(この私が、たかが妖怪ごときに恐怖を???ありえないわ、運命は絶対よ)
震えているレミリア。生き物に対する恐怖など今までかつて味わったことが無い。
生き物の頂点なのだから当然である。声が出ない。震えが止まらない、歯を食いしばっても、体が言う事を聞かない
「いい表情ね。一生で初めての恐怖を味わった顔かしら。参考になるわ。とても、ね。」
レミリアは歯茎から血がだらだらと溢れている。歯を食いしばることで恐怖に打ち勝とうとしているのだ
「───っぐぁあああ、妖怪の分際でえええええああああああああああ」
怒り。その力を借り恐怖を乗り越え、アリスに対し、さらに激しい死の塊を放出する
強大な力を、吸血鬼のプライドを、怒りを、運命に抗う哀れな虫ケラに対し全てをのせてぶち込む。
瞬間、目の前が紅き閃光で真っ赤に染まる。一瞬遅れて、脳を揺さぶるかのような轟音、もう音と呼べないくらいの
衝撃が身体を駆け巡る。追い討ちをかけるかのように凄まじい風圧、それだけで白黒のスペカの数倍はある。
その力に耐え切れず、術者本人も吹き飛ばされる。光と音と圧力と、もう自分がどこにいるか、どっちが天か地か
なにもわからない。別世界に放り込まれたような、そんな感覚。
-
やがて光は収まり、視界が開けてくる。
空が見える。姿勢は丁度地面と平行に、仰向けになっていたらしい。
ゆっくりと姿勢を戻し、周囲を見渡す、丁度右手側に巨大なクレーターが開いている。
これは本当に自分がやったのかと思うぐらいに大きく深く抉れている。いくら魔法の森と言えど
修復はできるのk───
「やればできるじゃない。でも私の本気には全然足りなかったわ」
後ろから声
わかってる
でも理解できない
「それに力の扱いが下手ね。幻想郷の全域にこの事が気づかれちゃったじゃない」
無事であるはずがない
きっと瀕死だ
いや死んでるのかも
幻聴だ────息をするのも忘れ、ゆっくりと声のするほうに振り返る──
いや、息ができなかった、振り返ることも出来なかった、身体が自分を忘れてしまった
「あら?震えているわよ?恐怖や絶望しているのかしら?どんな表情か、見せて?」
視界にゆっくりと空色の服を着た少女───アリスが映る。
「ふぅん、素敵ね」
にっこりと微笑を浮かべる傷一つ無い彼女の顔を見て、私は意識を失った。
「あ、レ、レミリアお嬢様お帰りなさいませ!!」
紅い館に戻った時出迎えてくれたのは、緑の服を着た中華風の門番、紅美鈴である
「あ、それにそちらはアリスさんでしたか」
と、レミリアと一緒に飛んで来たアリスにも頭を下げる
──と、顔を上げるや否や、美鈴が切羽詰った表情で質問を投げてくる
「お嬢様、つかぬことをおききしますが、さっきの──
「あぁ、気にしなくていいのよ、力の遣い方を間違えただけだから」
とレミリアが払うように手を振りつつ言葉を遮る。横にいるアリスもそれにつづいて口を開く
「そうだ『レミリア』、力の遣い方、教えてあげるわ」
そう言うとアリスは美鈴に向かって右手の手のひらを突き出す
お嬢様の事を呼び捨てだなんていつのまにそんなに仲良くなったのか
それとこの手のひらは?さっきの爆音も気になるし・・・
「ふふ、素敵だわ美鈴、それが今から何が起こるかわからないって表情ね」
「ア、アリスさん?貴女、い、今何を・・・」
いつのまに駆けつけてきたのか、メイド長十六夜咲夜がそこに立っていた。
「あ、『美鈴』あなたはいつもの日常に戻っていいわ」
「は、わかりました」
『美鈴』は軽く頭を下げるといつものように門の前に就く。
「えっと・・・咲夜さん?素敵ね。それが見てはいけないものを見てしまった表情ね」
「言いなさい!今美鈴に何をした!!!!」
咲夜はナイフの切っ先をこちらに向けて怒声を浴びせる
「何って、日常業務に戻ってもらっただけよ?貴女も仕事、あるんでしょう?」
しれっというアリス。よく見ればお嬢様もどこか雰囲気がおかしい。威厳、カリスマ
その類の気配が無い。仕方が無い、無理やりにでも口を割らせるしか───
「ここがフランドール様の寝室でございます」
「この館は素敵ね。あのパチュリーの苦虫を噛み潰した表情、最高だったわ。
ありがとう『咲夜』、貴女はもう仕事に戻っていいわ」
「では失礼します」
『咲夜』は軽く会釈をし、一歩後退した後綺麗にくるりと後ろを振り返り、薄暗い階段を上っていく。
巨大な扉がある。その先にこの館最後の目標がいる。
扉を隔てて声が聞こえる
「だぁれ?だれかきたの〜〜?まりさ〜〜?」
「いいえ、私よ、アリスよ」
「ふぅ〜ん、そっかぁ・・・・・・・・・ねぇ、遊んでくれる?」
「いいわよ、遊んであげる」
「ホント?やったぁ〜〜〜〜〜〜早く入って〜〜」
巨大な扉、それにもかかわらず全く音を立てずゆっくりと内側へと開いていく
闇の中、フランドールの表情は中々確認できないので、魔力を少し使い、
光を発光する球体を宙に漂わせた。この程度の光なら、日光じゃなければ問題はない。
その光に照らされ、純粋無垢、汚れを知らないフランドールの顔が闇に浮かび上がる。
「ねぇねぇありすぅう〜〜〜何して遊ぶの〜〜〜?」
「そうねぇ、─────
とりあえずここまでなんだが、長すぎてすまない・・・
しかも(言い訳以下略)
-
ガクブルジョワー
ちゃんと終わらせてくれ!
そんなところで終わったら怖すぎるだろ!!
-
は、はわわわ…こわいよう
-
なぁに、これはホラーな人形劇さ!
・・・・・・そう思い込むことで私は恐怖を超克する、超克したい、超克させて!
-
そこで切るなー!
なんという生殺し。読者的な意味で。
-
ここからの展開が・・・難しいのだ。
脳内ではストーリーが二つ以上分岐されちゃっているから・・・・・・
とりあえず長文読んでくれてthx
-
今日も博麗神社はいつもと同じ日常を送っている。
簡単に開くのに、事実上の開かずの箱を覗き込み落胆し、落ち葉をいつもの定位置にかき集めてから処分し、
境内でお茶を飲む、紅白の腋巫女がいる。
今日も紅魔館はいつもとかわらない日常を送っている。
門番が撃退され、寝巻き魔女の機嫌を損ない、銀光りのナイフに追い掛け回される白黒魔女
それを見て笑う城主に、何がそんなに楽しいのかわからなく、ずるいと駄々をこねる妹
湖では蛙を凍らせて遊ぶ氷妖、迷いの竹林では人型の兎が嘘をつき、とある所では庭師が庭の手入れをしている
人里ではいつものように賑やかだ
その他の場所でも、みんないつもと同じ日常を送っている。
いつもと違うところと言えば
腋巫女の勘が冴えなかったり、時間を止めることがなかったメイドがいたり、日傘からはみ出た日光に
触れているにも関わらず平気な顔の吸血鬼だったり
それでも今日の日常は夜が訪れ、日が閉じる。
今日も博麗神社は昨日と同じいつもの日常を送っている。
簡単に開くのに、事実上の開かずの箱を覗き込み落胆し、落ち葉をいつもの定位置にかき集めてから処分し、
境内でお茶を飲む、紅白の腋巫女がいる。
今日も紅魔館は昨日と同じいつもとかわらない日常を送っている。
門番が撃退され、寝巻き魔女の機嫌を損ない、銀光りのナイフに追い掛け回される白黒魔女
それを見て笑う城主に、何がそんなに楽しいのかわからなく、ずるいと駄々をこねる妹
湖では蛙を凍らせて遊ぶ氷妖、迷いの竹林では人型の兎が嘘をつき、とある所では庭師が庭の手入れをしている
人里ではいつものように賑やかだ
その他の場所でも、みんないつもと同じ日常を送っている。
昨日と同じ事なのだが、今日も
腋巫女の勘が冴えなかったり、時間を止めることがなかったメイドがいたり、日傘からはみ出た日光に
触れているにも関わらず平気な顔の吸血鬼だったり
それでも今日の日常は夜が訪れ、日が閉じる。
今日も博麗神社は昨日と同じいつもの日常を送っている。
簡単に開くのに、事実上の開かずの箱を覗き込み落胆し、落ち葉をいつもの定位置にかき集めてから処分し、
境内でお茶を飲む、紅白の腋巫女がいる。
今日も紅魔館は昨日と同じいつもとかわらない日常を送っている。
門番が撃退され、寝巻き魔女の機嫌を損ない、銀光りのナイフに追い掛け回される白黒魔女
それを見て笑う城主に、何がそんなに楽しいのかわからなく、ずるいと駄々をこねる妹
湖では蛙を凍らせて遊ぶ氷妖、迷いの竹林では人型の兎が嘘をつき、とある所では庭師が庭の手入れをしている
人里ではいつものように賑やかだ
その他の場所でも、みんないつもと同じ日常を送っている。
昨日と同じ事なのだが、今日も
腋巫女の勘が冴えなかったり、時間を止めることがなかったメイドがいたり、日傘からはみ出た日光に
触れているにも関わらず平気な顔の吸血鬼だったり
ただ昨日と違うことと言えば、雨が降っているにも関わらず誰も雨傘を刺していなかった。
それでも今日の日常は夜が訪れ、日が閉じる。
今日も幻想郷では日常が。永遠に。繰り返される。
-
考えることは出来ても学習することは出来ない自律人形。考えてはいるのだが、日常なので考えを変える必要が
ないのだろう。行動が制限されない限り、同じ考えを保ち続ける。
何か障害物が発生した場合のみ判断して避ける。
目が合ったら挨拶をする。台詞は昨日と同じ。なので返す言葉も同じ。
日常。なんとも甘い味なのだろうか。永遠に壊れることの無い関係。私が話しかければそれに話を合わせてくれる。
幾日たっても老いることの無い人間。異変も起きない。甘美たる世界。芳醇な時間。至福な空間。
───ただ、同じ味ばかりでは飽きてくる。いくら美味しくても毎日同じメニューでは飽きてくる。
ならちょっぴりスパイスを加えることにしよう。
今日は魔理沙を家に呼んでみた。勝手に本を読み、時には私を弄ってくれる。なんか幸せ。
家に泊まってもいいわ、と言ってみた。まだ外は明るいから帰るぜ。と言われた。
今日も博麗神社は昨日と同じいつもの日常を送っている。
簡単に開くのに、事実上の開かずの箱を覗き込み落胆し、落ち葉をいつもの定位置にかき集めてから処分し、
境内でお茶を飲む、紅白の腋巫女がいる。
今日の紅魔館は昨日とは違う日常を送っている。
門番は退屈そうに欠伸をし、寝巻き魔女は本を読みふけり、メイド長は雑務をこなす
それを見て笑う城主に、何がそんなに楽しいのかわからなく、ずるいと駄々をこねる妹
いつもの日常であるはず。でも、何かが狂った。いつもの・・・・・・日常が。
湖では蛙を凍らせて遊ぶ氷妖、迷いの竹林では人型の兎が嘘をつき、とある所では庭師が庭の手入れをしている
人里ではいつものように賑やかだ
その他の場所でも、みんないつもと同じ日常を送っている。
今日も魔理沙を家に呼んでみた。勝手に本を読み、時には私を弄ってくれる。なんか幸せ。
ある程度暗くなると家に帰ろうとする魔理沙。そこを無理やりとめる。
まだ外は明るいから帰るぜ。と言う魔理沙。それでも無理やり行く手を遮り説得する。
まだ外は明るいから帰るぜ。と言う魔理沙。それでも無理やり行く手を遮り説得する。
まだ外は明るいから帰るぜ。と言う魔理沙。それでも無理やり行く手を遮り説得する。
それを繰り返すうち、本当に外が暗くなってきた。
かなり暗くなってしまったな。と言う魔理沙。今日は家に泊まってもいいわ、と言ってみる
おっ、ケチなアリスにしては気前がいいな、お言葉に甘えるとするぜ
-
即興で適当に書いた。推敲も糞もなかった。
むしゃむしゃして書いた。
逆に⑩で切っておけばよかったかと後悔している
-
ひいぃ!?
マジ怖いよ!オリエンタルホラーだよ!
-
なにげにハインラインの「人形使い」系の話になっているのが
主人公がアリスだけにナイスマッチング
表現が雑な部分の文章ちゃんとリライトして
アリスが最強すぎることの説得力をもっと持たせられたら
(霊夢のときみたいに不意を突くとか)
更にいい感じになるんじゃなまいか
-
これはかなり面白い
正に『不思議の国のアリス様』
-
まだこの話の続き執筆してはいるんですが、進まない・・・
また別の話書き出しちゃった・・・
-
なんか最初話の振りというか
本来書きたいことを書く流れに持っていくため
どうでもいいことを書くんだが
書いていくと後になって、そこと「どうでもいいこと」の部分が繋がってたりと
様々な複線がうまれたり
自分でも驚く罠・・・一種のトランス状態かな
文才とかその他のレベルは大してあがらんが。
-
誰か・・・アリマリでいいから投稿してくれ・・・
そーそーわ読みたいのに規制くらって読めたことなど全く無い。
執筆しても投稿できないし・・・
-
上海「只今よりSSを投下する!!!」
蓬莱「といってもこのスレ活気がないぜ・・・」
和蘭「東方の細かい設定は知らないので間違っていたらすまない。あと餓鬼臭い」
仏蘭「ちょっぴりオリジナル設定が入っているので、そこ違うからとの指摘は・・
露西「はぁ、なんだか眩暈がするわ」
白黒「 『SSを投下する!!!』だっておwwwww」
紅白「腋を見ろ。話はそれからだ」
乙女「文才もないので読みにくい。推敲ほとんどしてない。投稿するまでもないssだから」
倫敦「ママー何あれ〜
西蔵「しっ、駄目よ、みちゃいけません
藁「鬱な話ですが、まだ執筆中です。とりあえず前半の第一部を。
京「ちゃんと前半のフラグも後半でへし折るから安心したまえ。言い訳は大量にある」
黒白「なぁ、アリス、マスタースパーク撃っていいか? 」
-
The genius girl should sleep.
置いていかれる
努力をしても追いつけない。
なぜ・・・・・・?あのカメですら、昼寝していた兎に追いつけたと言うのに───
「ぐっ、あぁぁぁああ駄目だぜ〜〜ここから進まないぜ〜〜」
そう机の前に開いたノートに声を張り上げているのは魔法の森に住む普通の魔法使い、霧雨魔理沙である。
彼女は常に努力を重ねている。血の滲む様なそんな努力を。誰よりも。それは一人前の魔法使いになるために。
だがその努力を決して他人には見せない、気づかせない。
平然とした顔でみんなと並びたいから。手加減してほしくないから。同情して欲しくないから・・・・・・
式は合っている。でもどうしても矛盾してしまう箇所が出てきてしまう。
一向に解ける気配のないパズル。答えは見えているのに、辿り着けない。
「あぁああ、もうっ!!」握った拳で机を叩く。八つ当たりなど本来好ましい行為ではない。
だが、一向に解けないもどかしさと、収益を得られず時間だけが無駄に過ぎていくことに焦燥を感じずには
いられない。
人間の命は短い。だからこそ焦るのだ。焦ってはいい結果が出ないことは知っている。それでも焦ってしまう。
周りには怪物だらけである。力と時間の尺が人間とは遥かに違う。だからこそ努力で追いつきたい。無駄にできない。
化け物と自分を比べて悔やむほど、自分は愚かではない。根本が違うことぐらいわかっている。
それでも私は努力する。努力で追いつけないものはないのだから。
────ただ、例外が一人いる
-
所変わってここ、博麗神社の境内でお茶をすするのは紅白腋巫女こと、博麗霊夢である。
のんびりお茶を啜っていたのだが、顔を上に向け空を仰ぐと、「ん、来る頃かしら」と呟やきながら立ち上がり、
台所のほうから別の湯のみと、沸かしたお湯を下げて、また境内に戻ってくる。
お茶を啜る姿勢やら、立ち上がる時に「よっこいしょっ、とぉ」なんて言う所が特におっさん臭いのである。
また改めて座りなおすときも、「うぃっしょぉっと」なんて言う所がますます(略
『楽園の素敵な巫女』こんな寂れた神社のどこが楽園なのだろうか、
こんなおっさん臭い少女のどこが素敵な巫女なのだろ─うわなにをすrhおこlp
霊夢が鎮座し、一息ついた所であれは来た。
「いよっ、霊夢、相変わらずおっさ───
地面に足が着く前に、飛来する追跡機能付き座布団が魔理沙の腹を抉り、箒の上から叩き落とす
背中からモロに落ち、「酷いぜ酷いぜ、酷くて死ぬぜ」なんて事を抜かす。
まぁいつものことである。〜くて死ぬぜ、と言う割りに死んだところは見た事が無い。あっても困るが。
砂を払ってからいつもの指定席、霊夢の横に座り、専用の湯のみに茶を注ぐ。
いつ来てもこのお茶がいい温度なのは、やはり霊夢の勘により、魔理沙の訪れるタイミングを見計らっているのか。
相変わらず勘が鋭く、どこまでお見通しなのか複雑な気持ちになる。
ともあれ、こういうところが非常に憂い奴なのである。おっさん臭い乙女。新たなジャンルの発掘だ。
まぁこれが相変わらずの日常なのだ。
ふと魔理沙が尋ねる
「なぁ霊夢、仕事はいいのか?神事なんだろ?」
「あら、この庭をみてわからない?今日はいつもより頑張ったのよ」
───あぁ、この巫女は日本語がまともに話せない残念な子だったのか。楽園で素敵というのは頭の事うわ何をすry
・・・・・これで頑張ったと言うのだろうか、いや、本人が言うのなら間違いない。頑張ったのだろう。
「・・・・・・これで・・・か?」
「なによ、文句あるなら貴女がやりなさいよ、丁度箒も持っているんだし」
「違うぜ、何も違うぜ霊夢。この箒は掃除するための箒じゃないんだぜ!!」
掃除をするための箒ではない。本来の役割を果たしていない所が、まさにどこかの巫女と─うわだからやめrフジコ
-
箒はただのアクセサリーではない。空を飛ぶためである。
魔理沙は幻想郷で唯一、物を利用して飛ぶという不思議な魔女だ。
魔理沙が箒を使って飛ぶのには理由がある。
表向きは、いかにも魔女っぽいだろ?という理由である。
でも実は、箒を使わないと満足に飛べない。からである。
さらにおまけの理由としては 努力によって荒れた手を誤魔化すためである・・・
ペンダコ、豆、血豆、擦過傷、その他もろもろを努力によって出来たと気づかせないためである。
箒を握っているから、と。それで隠しきれるとは思えないが、ある程度はそれで誤魔化してしまう。
回復魔法を使えば、と思うのだが豆を直す魔法だのそんなピンポイントな魔法を魔理沙が使えるわけが無い。
それにいくら他人から隠すといっても、自分にとっては誇りの証。努力の結晶なのである。
魔法で消すのは躊躇われる。人間らしく自然治癒が一番なのだ。
魔理沙ほどの魔女が、なぜ箒を使って飛ぶのか、いや、使わないと飛べないのか。
それは彼女が落ちこぼれだったからである。
凄腕の魔法使いと名高い霧雨家一族。代々優秀な魔法使いばかりが溢れる一族。
それでも一族の中では一応優劣はある。
優秀たるものは名を世間に知らしめ、さりとて優秀ではない下のほうとはいえど、一般の魔法使いからみれば
かなりの魔力を持っていた。
そのなか魔理沙だけは、特別、とびぬけて落ちこぼれであった。
空も飛べず、魔法も大して撃てず、体躯は小柄で、霧雨という名を汚すだけの存在。
呼吸をする程度と同等の簡単な魔法ですら満足に撃てなかった。
ついに魔理沙は、まだ2ケタにも満たない歳にもかかわらず、一人で修行してこいと
家から追い出された。形はどうあれ、事実上の勘当である。霧雨という苗字も剥奪されていた。
力なきものがこの幻想郷で一人で生きるなんてことはまず不可能である。食事など生活面での問題ではない。
もし妖怪に襲われたら抵抗する術がないのだ。つまり・・・・・・ここから先は考えるのが嫌だった。
その落ちこぼれである私が、今や幻想郷でも頂点に君臨する吸血鬼などと対等に渡り合っているのだ。
『努力』それがあればどこまでも登っていける。超えられないものなどないと、そう信じていた。
只一つの例外を除いて───
-
「───魔理沙?どうしたの柄にもなく真剣な顔して」
「ん、あ、あぁ、ちょっと過去を思い出してな」
ふぅん
そう一言だけ返すと霊夢はまたお茶を啜りだす。
・・・・・・
・・・・・・
「『暇』ねぇ・・・」
・・・・・・
・・・・・・
しばしの沈黙が続く。いくら仲が良くても会話が途切れることぐらいある。
魔理沙も特に用事も話題もないのにこの神社へ来る。だから特に話すことなんてない。
時が、ゆっくりと、流れていく。どんなに遅くなっても時は止まらず、ゆっくりと感じていても
実は平等に、残酷に、時間は冷たく流れていく。さっきまで焦っていた自分はどこにいったのか。
あれは一人でいるときだけの私。焦る私を誰にも見せたくない。
外面の私は霊夢と同じく呑気にまったりしている、そういう役なのだ。焦るのは一人になった時でいい。
…一人の時、か。霊夢は何をしているのだろうか。私と同じように演技して、内と外と使い分けているのだろうか。
誰かの前では無気力巫女を、一人の時には───
聞いてもいいのだろうか。真実が聞けるのだろうか。聞いてどうするのか。
やっぱり自分と同じなんだと安心するのか。苦労してるのは自分だけじゃないと。みんなそうなんだと。
・・・・・・それが違ったら? ・・・・・・え? だから、違ったら? それはどういうことだ?
自分と違い、使い分けてない、つまり一人の時も今と同じ状態だとしたら・・・?
だからなんだ、私は霧雨魔理沙だ、他人が努力しようが何してようが関係ない。ひたすら努力するだけだ!
他人を見ている暇なんて無い!知っても何もかわらない!!
・・・・・・じゃあなぜここに来る、気になるのか? 何をだ! 他人が努力しているところをみて安心したいのだろう?
私は私だ!!怯えてなんかいない!!
・・・・・・じゃぁ聞いてみようか。本人に。望む答えが返ってくるといいけどね・・・
・・・・・・
・・・・・・
「───魔理沙?やっぱりどこか悪いの?家に帰って休んだら?無理しないほうがいいわよ?」
ほらみろ、霊夢も一人になりたいと、私を家に帰して一人になって、早く精進の続きがしたいのだ。
......じゃあ聞こうか?平気だろ?確信が持てたんだろ?怖くないはずだ。
「ん、いや、そうじゃないぜ、どこも、悪くなんかないぜ」
「そう?ならいいけど・・・・・・・・・・・・魔理沙、なんか言いたいことでもあるんでしょ?
喋り方がぎこちないわよ?」
「う、あ、その・・・・・・(相変わらずの的確で鋭い勘だぜ・・・)」
「魔理沙は嘘付くの下手なんだから、さっさと吐いたほうが楽よ」
「う・・・・・・・・・・・・(キクシカナイダロ、キクナライマダロ、レイムノ カン ニハサカラエナイ)
・・・・・・・・・・・・・・その・・・霊夢ってさ・・・」
「ん?なぁに?」
「その・・・・・・なんというか・・・・・・修行というか、精進というか・・・・・・なんか努力していることって・・・あるのか?」
「あぁ、なんだそんな事、まさかそんな事で思いつめていたの?」
私の真剣であった質問に対し、微笑を交え返答する
「んーそうねぇ、本当は巫女として、もっと掃除をしたりと神事をやらなければならないのだけれど・・・
参拝客がこないからねぇ、最低限の神事はするけど、それ以上は気分によるわね、アハッ」
駄目巫女である。そんなだから賽銭箱も開かずの箱と呼ばれてしまうのだ
──違う。聞きたかったこと、知りたかったことはこれじゃない。この事ではないのだ
もっと核心に寄ろう
「んっとな霊夢、仕事が無い時間や一人の時は何をしてるんだ?なんかこうーー、スペルの特訓やら修行みたいな
・・・・・・こっそりと努力みたいな事を・・・・・・・・してるのか?」
なぜここだけ口調が弱くなるのか。どんな答えでも平気なはずだ。
そもそもこっそりと努力しているのなら内緒にし、他人に教えないはず。
それでも多少の動揺や言葉によって、僅かぐらいなら伺う事も出来るかもしれない。
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