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投稿するまでもないSSスレ 7/7

44midy 3:2008/03/28(金) 19:59:54 ID:77zmpWH60
箒はただのアクセサリーではない。空を飛ぶためである。
魔理沙は幻想郷で唯一、物を利用して飛ぶという不思議な魔女だ。
魔理沙が箒を使って飛ぶのには理由がある。
表向きは、いかにも魔女っぽいだろ?という理由である。
でも実は、箒を使わないと満足に飛べない。からである。
さらにおまけの理由としては 努力によって荒れた手を誤魔化すためである・・・

ペンダコ、豆、血豆、擦過傷、その他もろもろを努力によって出来たと気づかせないためである。
箒を握っているから、と。それで隠しきれるとは思えないが、ある程度はそれで誤魔化してしまう。
回復魔法を使えば、と思うのだが豆を直す魔法だのそんなピンポイントな魔法を魔理沙が使えるわけが無い。
それにいくら他人から隠すといっても、自分にとっては誇りの証。努力の結晶なのである。
魔法で消すのは躊躇われる。人間らしく自然治癒が一番なのだ。


魔理沙ほどの魔女が、なぜ箒を使って飛ぶのか、いや、使わないと飛べないのか。
それは彼女が落ちこぼれだったからである。
凄腕の魔法使いと名高い霧雨家一族。代々優秀な魔法使いばかりが溢れる一族。
それでも一族の中では一応優劣はある。
優秀たるものは名を世間に知らしめ、さりとて優秀ではない下のほうとはいえど、一般の魔法使いからみれば
かなりの魔力を持っていた。
そのなか魔理沙だけは、特別、とびぬけて落ちこぼれであった。
空も飛べず、魔法も大して撃てず、体躯は小柄で、霧雨という名を汚すだけの存在。
呼吸をする程度と同等の簡単な魔法ですら満足に撃てなかった。
ついに魔理沙は、まだ2ケタにも満たない歳にもかかわらず、一人で修行してこいと
家から追い出された。形はどうあれ、事実上の勘当である。霧雨という苗字も剥奪されていた。
力なきものがこの幻想郷で一人で生きるなんてことはまず不可能である。食事など生活面での問題ではない。
もし妖怪に襲われたら抵抗する術がないのだ。つまり・・・・・・ここから先は考えるのが嫌だった。

その落ちこぼれである私が、今や幻想郷でも頂点に君臨する吸血鬼などと対等に渡り合っているのだ。
『努力』それがあればどこまでも登っていける。超えられないものなどないと、そう信じていた。
只一つの例外を除いて───




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