したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |
レス数が1スレッドの最大レス数(1000件)を超えています。残念ながら投稿することができません。

投稿するまでもないSSスレ 7/7

18midy 2:2008/03/25(火) 23:18:27 ID:anLt7hoE0
ある程度雑談を交えた後、今、白黒の魔女──魔理沙は私部屋の中心のソファーを勝手に陣取って、
肘掛に背中を預けてやや仰向けの体勢で、足を伸ばしてリラックスしている。
その状態で勝手に引っ張り出してきた私の魔導書を、黙々と読みふけっている。
会話の途中に手に入れたばかりの珍しい魔本の話をしたのがまずかった。
その行為を無理やり止めない私も、お互いの信頼があるからこそ許してしまう。
私は魔理沙がどんな箇所を読んでいるのか、何に興味を持っているのか、それとも構ってもらいたいのか
「どう?何か発見できた?」と、魔理沙の後ろにさりげなく回りこんで本を覗き込む。
帽子は被っていないので、魔理沙の金色の頭部の横に自分の顔を並べると、とても良い香りが鼻をくすぐる。
・・・・・・実は魔理沙がどこを読んでいるかなんてどうでもよかった。甘美で芳醇なこの香り。とても幸福な香り。
魔理沙に少しでも近寄れるなら。この香りを好きなだけ満喫できるなら・・・
その為ならばこの本アゲチャウ☆なんて思ったり思わなかったり。あぁ・・・・・・幸せ・・・幸せが身体に満ちていく。
この香りさえあれば、ご飯何合でもいけちゃう。可愛いなぁ、魔理沙。私にも可愛いって言って欲し──
「なぁ、アリス」
「へっ、あっ、なあに魔理沙」
急に振り向かれ声を掛けられる。視線が交わる。魔理沙可愛いよ魔理沙。
「アリスってさ・・・・・・・・・・・・」
(ドキッ、可愛いクリンとキリッとした目で見つめないで〜〜〜〜あああぁ・・・もうだめかm)
「・・・鼻息荒いよな」
ガッ。
情けない。途中までドキドキしていた私が情けない。可愛いとか言われるかと思・・・・・・って
「鼻息荒いって何よ!!殴るわよ!!」
「殴ってから言うなよ・・・痛いぜ・・・」
「いつもは荒くないわ!普通よ!ただちょっと・・・今だけは・・・その・・・・・・・・・・・・
  ・・・・・・魔理沙の髪が・・・とても・・・・・・いい香りだったから・・・つい・・・」
前半荒く、後半呟くようになってしまう。魔理沙はそのギャップと台詞に混乱しながらも
「ん・・・・・・そうか・・・・・・・・・嬉しいぜ・・・」
と照れ隠しのつもりなのか、魔理沙はまた本に視線を戻す。耳が軽く紅潮しているのがわかる。
この反応が可愛い。この可愛い頭をワシワシとナデナデしたくなる。この無防備な頭。無防備な後頭部。
ただの少女の頭。撫でたい。帽子に抑えられていた事によってできた微妙な癖ッ毛がまた哀愁をそそる。
この蜜のような甘い時間。肺の中に溜め込んだ魔理沙臭。幸せ。この時間がいつまでも続いたらいいのに。
この関係がもっともっと深くなれば、もっと甘くなるのかな。
繊細で、綺麗な髪を纏い、触れるのさえ躊躇われるような、ガラス細工のような。
そんな魔理沙の後頭部が目の前にある。無防備である。
そっと頭を撫でてやることも、急に抱きつく事も可能である。何でも可能だ。
ウホッと変な顔をしていても後ろ向きだからバレない。逆にどつくこともできる。
冗談で叩いても簡単に壊れそうな脆い頭────もし、とても強い衝撃を与えたら?思いっきり殴ったら?
この雰囲気に合わない、ぶち壊すような衝撃をこの頭に────
ふと思っていることと逆の考えが頭を通過していった。
いけない、何を考えてしまったのだろう、そんな事をしたらいけないとわかっている。
殺意だの恨みだのなんて恐ろしい考えは沸く理由がない。
信頼してくれているのだから。そんな事するわけないし、何故私が魔理沙に危害を与えなくちゃいけないのか。
憎いわけではない。むしろその逆である。心の底から大好きなのだ。対する魔理沙は私の事を単なる友達
だと思っているかもしれない。私はそれ以上の関係を望んでいるのだが、進展させる勇気がない。
この関係が壊れてしまうことが怖い。




掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板