したらばTOP ■掲示板に戻る■ 全部 1-100 最新50 | |

【場】『自由の場』 その3

1『星見町案内板』:2022/10/15(土) 22:39:13
特定の舞台を用意していない場スレです。
使いたい場スレが埋まっている時や、
現状スレのない地域での場活動にご利用下さい。
町にありえそうな場所なら、どこでもお好きにどうぞ。

20勇者『リィン・カーネイト』:2022/10/29(土) 11:40:42
野球場

打席に立ち構える勇者
極普通の草野球だ
手に持っているのはバットではなくロングソードだが

21真白『ユキカゼ』:2022/10/29(土) 22:32:47
>>20
モブ野球少年A「ば、バカな・・・あれは論愚騒動打法!」
モブ野球少年B「お前・・・知っているのか!」
モブA「うむ。あれは中国4000年の歴史の中で失われた幻の・・・」

勇者の持つロングソードを見て、騒ぎ立てる野球少年たち。
そんな彼らを冷ややかな目で見つめる少女が一人。

「・・・・・・何いってんの、あのお馬鹿共」

マウンドに立ち、勇者と対する、一人の剣士。

      ガチンコ
「あれは『真剣勝負』――その合図。
 この私を一人の『剣士』と見込んでの挑戦、しかと受け取った!」

その手には『日本刀』が握られている。

22勇者『リィン・カーネイト』:2022/10/30(日) 11:23:19
>>21
この打法が中国由来だったとか、4000年も歴史があるとか
そんな大昔から野球があったのかとか
何か勇者の知らない情報が聞こえてきたが、勇者は目の前の強敵に集中していた

ブンッ ブンッ

軽く剣を振って調子を確かめる
キャッチャーにちょっと当たりそうになって怒られたが問題無い

「いつでもどうぞー」

準備万端、打つ気満々の勇者だが
相対する真白の手には『日本刀』が握られている…

その手でボールを投げるのか?これ、野球の試合だよね?

23真白『ユキカゼ』:2022/10/30(日) 20:58:12
>>22
「『日本刀』対『ロングソード』――『異種武器術戦』がこんな『草野球』で実現するなんてね」

真白の左手には『野球ボール』。右手には鞘に収められた『日本刀』がある。
この一般帯刀女子高生は何を狙っているのか――。

「受けてみろ、私の一閃・・・!」

中に放り投げた『野球ボール』を、フルスイングで『日本刀』が撃ち抜く!
この女、マトモにピッチャーをやるつもりがない!
だが、相手はバッターボックスでロングソード構えてるんだからこれぐらいセーフ!

24勇者『リィン・カーネイト』:2022/10/31(月) 11:01:41
>>23
こんなの野球じゃねえんだよと思う観客もいるかもしれないが、何もおかしな事は無い
これが星見式野球だ、ルール的に何も問題は無い!

カァン!

『日本刀』で打たれたボールがこちらに飛んで来る!

「チェストオォォォォォォォォォ!!!」

スパッ!

剣を思い切り横に薙ぎ払い、ボールを真っ二つにする!

実況「おっと勇者選手、真白選手の投球を叩き切った!これはどうなんでしょうか?」
解説「3回勝負でボールを全て破壊すればバッターの勝ちになります
   星見ルールならではの戦いですね」

25真白『ユキカゼ』:2022/11/01(火) 19:08:30
>>24
 ワンアウト
「『一殺』・・・」
                          ワンアウト
星見式野球では『ボールが殺される』事を『一殺』と表現する。
これは、戦国時代に星見で行われた野球の試合において、投球が破壊される度に、
守備側の武士の首を一つ落としていた事に由来するとされている。

(注:これは現代においては、誇張された習わしが伝わったものとされている。
 当時の野球は武士階級の実践訓練に近いものであり、
 試合ごとに死者を出すルールを制定していたとは考えにくい為である。
 また、当時の文献を当たっても、野球の試合において死者が出ることは珍しくなかったものの、
 その殆どが不慮の事故か、名誉試合の後の切腹であり、試合中の自死の記述は無い)

「・・・『強い』」

額に流れる汗を拭う。様子見――と言い訳をするつもりはない。
真っ向から『切られる』とは思ってもいなかったのは事実である。
気の緩みを見抜かれていたか・・・。

『ボールボーイ』から替えのボールを受け取り、思案する。
出し惜しみは出来ない・・・ここは『魔球』で行く!

 シャキン!
      ずぶり

『抜き身』となった『日本刀』が『ボール』を貫く!!
そのまま大上段に構え――振り抜いた!

「せぇぇぇいッ!!」

スッポ抜けたボールがバッターボックスに向かう。
遠心力を利用した投法か? しかし、先程より勢いが鈍い――否!?
野球ボールに空いた『穴』が、空気の流れを変え、ボールの軌道を複雑にしている!
     カットボール
これは『変化球』だ!

26勇者『リィン・カーネイト』:2022/11/01(火) 19:46:10
>>25
この技は…!

「読めない…ッ!」

穴によって空気が乱れ、不規則な動きをするボール

さっきは真っ直ぐで読みやすい投球だったから打つ事が出来たが
動きの予測が付かない、このボールを打つにはどうすれば良い!?
バントか?いや、バントじゃ駄目だ
ここは勇気の一手を打って出なければ!

動きの読めない魔球に対して、勇者は勇気ある行動に出た

ドゴォッ!!!

「うぐぁ…!」

魔球の動きは読めない、剣に当てる事は難しい
だからっ!
勇者はその体を以て受け止めたッッッ!!!
そして、魔球はたまたま勇者の腹部に命中したッッッ!!!!!!

審判「デッドボール!!!」

ボールを斬る事は出来なかったが、プレイヤー自らが受ける事によってこの球を死球にした!
体が聖剣のように頑丈な勇者だからこそ出来る荒業だ!!!

27真白『ユキカゼ』:2022/11/01(火) 20:26:49
>>26
珠が死ぬと書いて『死球』。
時には身を挺して君主を守らねばならない侍の覚悟を示した行為だ。
星見式野球においては、打者を確殺出来なかった時点で、投手側の『一殺』となる。
打者に投球を当てた上で仕留められない軟弱な投球を行うほうが悪いのである。

「『続行可能』――認めるよ。貴方は強敵だ・・・。
 故に! 次で『仕留める』・・・!」

勝負の『一投』!
泣いても笑ってもこれが最後・・・これで勝敗が確定する!

 ざ く

・・・? 再び『ボール』に『日本刀』が突き刺さる。
先ほどと同じ『魔球』か? しかし、それは『攻略』されている。
二度同じ技を繰り出すのは『悪手』――。

おおきく振りかぶって・・・『投げる』――これは!?

 ヒュン ヒュン ヒュン
 、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
『投げられたのはボールだけではない』!
『ボール』と『日本刀』。一心同体となったそれが、回転しながら『突っ込んでくる』・・・!
『刃』を恐れ腰が引ければ『ボール』を破壊できない『魔球』――いやさ、『魔剣』!
勝負の締めくくりに相応しい捨て身の『一撃』ッ!

28勇者『リィン・カーネイト』:2022/11/02(水) 11:04:58
>>27
「これは…っ!」

ボールを突き刺して飛んで来る日本刀
この刃をかわしてボールを破壊する事は出来るのか?
技術的にそれは難しい!
選ばれし勇者だとしても、今のユウリの剣の技術は剣道やってる中学生くらいだ

ここで打たなかったら捕手に日本刀が突き刺さって死ぬかもしれない
星見野球においてはルール的に問題は無いし、捕手も覚悟の上だろうが

もう一度デッドボールを狙うか?
勇者なら、その刃を受けても生きてられるかもしれない
それに受けた日本刀を弾き返せば、
聖剣と勇者は一心同体なので聖剣で打った事になる
それに勇者のパワーは常人より高いので(メタ的表現をすると破壊力B)
ホームランも狙えるが…

だが相手は最後の真剣勝負を挑んで来た
ならば、真剣には真剣で応えるのが礼儀!
小細工抜きの真っ向勝負だ!
ぶっ壊す事は出来ないかもしれないが討ってやる!

「うおぉぉぉりゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッッッ!!!!!!」

聖剣を構えた勇者はしっかりと日本刀を見据えて日本刀を打ち返すべく振りかぶる!

結果はどうだ…!?

29真白『ユキカゼ』:2022/11/02(水) 20:59:33
>>28

  カキィィィィンッ!!!

甲高い金属音が鳴り響く。渾身の一振り――その結果は・・・!


  ヒュン ヒュン ヒュン


         ドスッ

「・・・・・・くっ!」

膝をつく真白。
ピッチャーマウンドの遙か後方に、『日本刀』が突き刺さっていた。
そして、パカリとボールが二つに割れる・・・!
勇者の一撃が『日本刀』を跳ね返し、その衝撃で『ボール』が壊れたのだ・・・!

「私の・・・負けだ!」

30勇者『リィン・カーネイト』:2022/11/03(木) 14:40:47
>>29
刃と刃のぶつかり合い
剣士同士の勝負を制したのは…ユウリだ
これが剣道の試合であったなら、また結果は違ったのかもしれない
だがこれは野球だ
野球の試合で勝ったのは、勇者だ

「勝った…」

勝者のはずの勇者は、真白よりも疲れた様子で息を荒げ膝をついた
勇者にとっては死力を尽くした激しい戦いだった

いや、座ってる場合じゃなくてさっさと走らなければいけないのだが

残り少ない体力を使い立ち上がる勇者
真白の元へ歩いて行く

「ありがとう、良い勝負だったよ!」

強敵に手を伸ばし、握手を求める

だからそんな事してる場合じゃなく走らなきゃいけないんだが

31真白『ユキカゼ』:2022/11/03(木) 19:53:41
>>30
「・・・こちらこそ、ありがとう。
 久しぶりに本気を出したよ」

真白は勇者の手を取り、硬く握手をした。
その瞬間、審判が声高に宣言する。

審判「ゲームセット! 勝者、真白チーム!」
モブA「勝って兜の緒を締めよ・・・ボールを破壊したからといってそこで終わりではない・・・」
モブB「最後まで走りきらなければ、打者の負け・・・か」

星見式野球において打者がボールの破壊に成功した瞬間、絶命する事は珍しくない。
これは真剣勝負。命を賭けてボールを破壊しようとすれば、そういった事も当然あるだろう。
そういった場合を想定して設けられているのが、ボール破壊成功後、
一定時間内に塁を回りきらなければ打者の負け――というルールだ。
そういうものが・・・あるらしい。

「本当の決着は・・・また今度にしよう」

爽やかに終わ・・・れるかな?

32勇者『リィン・カーネイト』:2022/11/04(金) 16:27:32
>>31
監督「ユウちゃん、何をやってるんですの!?」

勝負に勝って試合に負けたという所だろうか
いや、ちゃんと走ってれば勝てたんだが

「うん、また今度勝負しよう!」

選手同士は何か勝手に満足して爽やかに終わろうとしているようだが
勇者のやらかしによって試合に負けたチームは許せるはずもなく

監督「貴様には罰としてサンドバッグになってもらいますわ
   チーム全員からバットで殴らせてもらいますのよ
   出来ますわよね?逃げたら…殺す!」

勇者でなきゃ死にそうな罰を与えられた勇者
星見の野球は命懸けだ!

33夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/04(金) 17:58:19
>>(鉄)

『清月学園』の近くにある喫茶店。
その一隅に腰を下ろし、『待ち合わせ』をしていた。
既に注文したらしく、テーブルの上には、
『抹茶ラテ』と『ほうじ茶プリン』が置かれている。
『和洋折衷メニュー』のようだ。
運ばれてきたばかりなので、まだ手はつけていない。

「『チェシャ』――――きょうはナニしてたの??」

        (・ω・)「フミフミ」

頭の上には、『ハーリキンチェック』の『ハンカチ』が乗っている。
ただの布切れではなく、『スタンド生物』の『チェシャ』だ。
厚みのないペラペラの体ゆえに、
風に舞って飛ぶように移動し、狭い隙間にも入り込める。
『チェシャ猫』を思わせる神出鬼没さで、
夢見ヶ崎の周囲に現れる存在。
今日も特に呼んでなかったのだが、
ここに来る途中で出くわして、そのままついてきたのだった。

34鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/04(金) 19:36:00
>>33

「参ったな、結構ギリギリになってしまった…」

今日は午前中のみだった部活動を終えて、学生服に竹刀袋を背負ったいつもの姿で『喫茶店』の扉を開く。
小さな鈴の音が鳴り、中を見渡せば見知った少女の姿が確認できた。
店員さんに待ち合わせの旨を伝え、その少女───アリスの向かい側に腰をかける。

「すまない、お待たせした」

アリスが既に品物を頼んでいるのを見て、たまたま近くを通りがかった店員さんに
メニューも見ずに『黒蜜がけのわらび餅』と、『緑茶』を頼んでおく。

部活の後ということで、念のため制汗スプレーはある程度かけておいた。
最低限の身嗜みは礼儀として整えてある。とはいえ、流行に疎い自分のそれなどたかが知れているが。
現に、今アリスが頭の上にハンカチを乗せているのも初めて見たくらいだ。

「…それが最近の流行りなのか…男性もやるものなのか?」

35夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/04(金) 21:25:20
>>34

「しょっぱなから『ナイスボケ』だ!!
 さすが『ケンドウ』やってるだけあって、
 なかなか『キレ』がイイぞ。
 『バターナイフ』なんて『め』じゃないな!!」

        モゾ モゾ モゾ

その時、頭に乗っているハンカチが動いた。
ここは店内なので『風』ではない。
独りでに動いているのだ。

「クロガネくんとイロイロおしゃべりしたいっていったでしょ。
 まぁ、『コレ』はヨテイにいれてなかったんだけど、
 せっかくだからショウカイしとこっかな!!」

           (・ω・)「フミミ」

「コイツのナマエは『チェシャ』!!
 モトは『アリスのハンカチ』で、いまは『ハンカチネコ』!!」

ペラペラの四肢を使って、
厚みの全くない体を持ち上げる『チェシャ』。
まるで『不思議の国』から飛び出したかのように、
あまりにも奇妙すぎる存在ではあるものの、
言われてみれば『猫』に見えなくもない。
ちょうど頭の部分には、
子供の描いた落書きのような『猫の顔』があった。

「ときどきアリスのまわりにいてさぁ。
 『シンシュツキボツ』っていうの??
 なんていうか、いたりいなかったりする。
 こう…………つかみどころのないヤツかなぁ」

     「でも、チョー『おもしろい』よね〜〜〜〜!!」

              (・ω・)「フミミィ」

『持ち主』の頭の上が気に入っているのか、
その位置で『チェシャ』は落ち着いているようだ。

36鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/04(金) 22:09:01
>>35

「──────────」

思わず動きを止め、アリスの頭上のハンカチ…?を注視する。
不規則なその動き、確かに生物のように見える。
一見『スタンド能力』かのようだが、彼女の能力はこういったものではないはずだ。

「・・・・・成る程。何らかの『能力』に関連した生き物?というわけか」
「日本には古来より、大切に扱った物には魂が宿るとも言われているが…」
「急に動くようになったのか?それとも…また何かしらの事件に踏み込んでいたのか?」

それにしても、『チェシャ』と名付けるのはいかにもアリスらしい。
それに例えハンカチと言えど、頭?と思わしき部分に書かれている猫の顔、そして意志を持ったように
動く四肢?を見ていると、本当に猫のように思えてくる。
試しに目?の近くに指を置いて、ゆっくりと動かしてみよう。

「ふむ、神出鬼没なその点はまるで本物の『チェシャ猫』のようだ。とはいえ、
 アリスに出てくるそれよりは、まだ随分とかわいらしいか…?」

37夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/05(土) 13:28:47
>>36

「そんなトコかな〜〜〜〜。
 『ネコ』がいてさぁ、ハンカチでヒラヒラやってあそんでたの。
 そしたら、『ペタン』ってやってきて」

猫が前足を突き出す仕草を真似て、
片手を前に出してみせる。

「で――――『こうなった』ってカンジ??」

よく見ると、『ハーリキンチェック柄』の一ヶ所に、
『肉球マーク』があった。
ここに『ペタン』とやったらしい。
また、表面には猫らしい体毛も生えている。

       (・ω・)「フミミュ」

                  トスッ

動く指に反応した『チェシャ』が、前足を指の上に置いた。
もしかすると興味を持ったのかもしれない。
非常に分かりづらい表情だが、害はなさそうだ。

「まぁね〜〜〜〜。
 わたしの『セカイカン』にピッタリあうように、
 うまくデザインしてくれてるってコト!!」

           ズズ

『抹茶ラテ』を一口飲んでから、次の話に移っていく。

「まえに『アリーナ』で『センシュ』やってるっていったでしょ。
 それが!!なんと!?ついに!!」

          ムッシャ

言いかけたところで、『ほうじ茶プリン』を一口食べる。

「――――『ランカー』になっちゃった!!」

「えーと…………『ジュンイ』は『89』だっけ??
 だいたい、そのくらい」

        ス ッ

「これ、『あたらしいリングネーム』。どう??」

スマホを操作して、画面を見せる。
『夢見る夜の新星・ヴォーパル』と書かれていた。
前半部分は、いわゆる『二つ名』らしい。

38鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/05(土) 21:18:34
>>37

>「そんなトコかな〜〜〜〜。

「本当にそんなトコだったか…?」

首を傾げる。
実際には、今の『付喪神』の話とはあまり関係のない成り行きだったように思えるが。
まぁアリスがそう言うのなら、そうなんだろう。
とりあえず納得すると、ちょうどわらび餅と緑茶が運ばれてきた。礼を言って、それらを受け取る。

「父さんが昔読んでいた漫画の『ド畜生ガエル』のような展開だな。
 もっともその漫画では、『ハンカチ』ではなくて『Tシャツ』だったらしいが…」
「そのネコが『スタンド使い』だったのか、あるいは何らかの『能力下』にあったのか…
 まぁただ少なくともキミがこうして元気な以上、誰かの悪意などではないんだろう」

前足?を指に置いてきた『チェシャ』。本物の猫同様、動くものに興味があるのだろうか。
ひとまず差し出してくれた前足を指で軽く挟み、握手?しておこう。

「・・・・・『ランカー』か」
「ひとまずは、おめでとうと言わせてもらおう。中々の大所帯の『アリーナ』のようだな」
「『タダヒト』さんの所は英字の階級によって分けられているようだが、
 アリスの所属している『アリーナ』は数字で区別されていたのか」

口ではそう言うが、手放しで全面的には喜べない。上に行けば行くほど、過酷な戦いになるのだろう。
もちろん彼女も『戦士』だとは思っているし、必要とあれば命を懸けるはずだ。
だが剣道や空手とは違う、防具のない過激な見せ物の戦いに女性が自ら進んでいく、という感覚が自分には馴染めない様だ。
それを口にすることは彼女の楽しみに水を差すことになるので、何も言わないが。
少なくとも『例の派閥』でなかったことは、何より喜ばしい。

「『ヴォーパル』…?聞き慣れない単語だ」
「ただ、周囲からキミが期待されているのはよく分かる。大きな怪我をしない程度に、楽しむといい」
「ちなみに、どの程度まで挑戦するつもりなんだ?」

『緑茶』を一口啜る。暖かい味がじんわりと広がる。

39夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/05(土) 22:19:42
>>38

「『そんなトコ』ってのは、
 『ノウリョクにカンレンしたイキモノ』ってトコだよ!!
 クロガネくんがいった『タマシイ』がどうとかはしらないけど。
 だって、わたしがつくったワケじゃないしさぁ〜〜」

「『うまれたリユウ』とか『みため』がヘンテコでも、
 ワルいコトしないからイイんじゃない??」

          (・ω・)「フミュ」

何を考えているのか分からない表情で、
握手に応じる『チェシャ』。
悪さをするでもなく、自分の正当性を訴えるでもない。
それが当たり前であるかのように、
自然に振舞っているように見える。

「ん〜〜??きいてみたら『Cランク』らしいよ。
 『Sランク』まであるとかいってたっけ。
 まぁ、『アリス』はヒマなときにテキトーにやるんじゃない??」

「『アリス』は『いろんなセカイ』をみてみたいからさ。
 『ひとつのバショ』にしばられるのってイヤなんだよね。
 『アリーナ』もオモシロイから、たまにカオだしてるけど、
 それでジューブンかなぁ」

「ときどき『レアなジョーホー』とかはいってくるし??
 『アリス』としては、
 ソッチのほうがウレシイんだよね〜〜〜〜」

事も無げに言葉を返す。
実際、自分から『ランカー』になる事を希望した訳ではない。
『勝ったらランカーの座をくれてやる』と言われたから、
それを受け取っただけなのだ。

「『チョウテンをめざす!!』とか、
 『サイキョウになりたい!!』とか、
 そういうのは『アリスのユメ』じゃない」

「『セカイのゼンブをみる!!』っていうのが、
 『アリスのユメ』だから」

『世界の全て』を見るためには、
どれだけ時間があっても足りない。
『一ヶ所』に留まるつもりなど毛頭なかった。
生きている間に、とにかく『沢山の世界』を見てみたい。
だからこそ、常にアンテナを張り巡らせている。
『アリーナ』との付き合いは、その一つに過ぎない。

「あ!!『ヴォーパル』っていうのは、
 『ジャバウォック』をたおした『ツルギ』のナマエ。
 『ヴォーパルソード』っていうんだって」

「もしかして、クロガネくんもキョーミある??
 ほら、『ケン』のハナシだしさ」

       ズズズ

             ムッシャ

『抹茶ラテ』と『ほうじ茶プリン』を交互に口に運ぶ。
『フェミレス』とはフンイキちがうけど、
ココのみせもナカナカいいな!!
『アリスメモ』の『184ページめ』にキロクしとこう。

40鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/05(土) 23:15:34
>>39

「おや、そういう事か。すまなかった」
「厳密にどういった能力なのか、恐らく知る機会はないだろうが…
 ひとまず未知の現象に対しては、『スタンド能力』という括りにしておいた方が、俺の中で座りが良い」
「勿論この子を否定するつもりはないさ。それに、カワイらしいしな」

普段はどちらかといえば『犬派』だが、こうして見ると小さな『猫』もやはり愛らしいものだ。
ハンカチという変わった見た目も、これはこれで味がある。
最近は猫と色々なモノを混ぜ合わせたキャラクターも流行っているようだし、世間でも騒がれるかもしれない。

「『SNS』に上げたなら、バズるかもしれないな」
「とは言え、アリスは有名になることに興味はないかもしれないが…」

この辺りの流行の言葉は抑えている。主に妹から仕入れたものだが。

「ああ、そう言う事か。得心がいった」
「俺はてっきり、キミが闘いの楽しみに目覚めてしまったのかと思ったが…
 『アリーナ』での闘争も、別の楽しみを探す為の手段というわけか」

安心して微笑む。それならば深みに嵌ることもないだろう。
己とて武道家の端くれであり、『強さ』を求めることを否定はしない。
だが、彼女と同じく『最強』や『頂点』まで求めはしない。大切な人々を守れるだけの力さえあれば良い。

「ふむ、『ジャバウォック』…ああ、『不思議の国のアリス』の中で出てくる怪物…で合っていたか?」
「それは勿論、興味はあるさ。一人の剣士として、名剣や魔剣の類が実在するならば、見てみたい」
「『雷切』や『膝丸』、『髭切』…日本の逸話にも度々そういった類は登場するんだ」

アリスの言葉に、深く深く頷く。
例え高校生になろうと、ほとんどの男子はそういった話題に興味があるだろう。ないはずがない。

「そういえば、キミの『スタンド』も斬撃を得意とする能力だったな。『剣』の名を冠するに相応しいか」

わらび餅を口に運びながら、アリスの『スタンド』を思い出す。
その指は、まるで医者の扱うメスの様に鋭かったはずだ。

41夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/06(日) 00:11:33
>>40

「『ウサギ』がふえるんなら、
 ユウメイになるのもワルくないかな??
 でも、いろんなトコいけなくなるのはコマるなぁ。
 アリスは『おいかけられる』より『おいかけたい』!!」

          グ ッ !

満面の笑みと共に、力強く親指を立てる。

「『アリスのココロエ』その1:『しらないコトはしる』。
 キホンちゅうのキホンだぞ。
 こんどテストにでるから、おぼえとくように」

「『アリーナ』もオモシロイけど『セカイ』はひろい!!
 もっとも〜〜〜〜っと!!
 『みたコトないモノ』をみてみたいな!!」

言葉と同時に、両手を大きく広げてみせる。
『アリス』の『好奇心』が尽きる事はない。
この世界に『ウサギ』という名の『未知の入り口』がある限り。

「うんうん、それそれ。
 『カガミのくに』の『スゴいカイブツ』をやっつけたケン!!
 でも、どんなカタチかわかんないんだよ。
 『ロマン』があふれすぎておぼれちゃうね」

「おお!!ゼンゼンわからんセカイだ!!
 『アリスせんせい』のセンモンは、
 『おうようアリスがく』だからな〜〜〜〜。
 『カタナ』のコトは『クロガネせんせい』にきかないと!!」

これから『アリスがく』をやるヒトは、
まず『きそアリスがく』からだ。
『ウサギ』をみたら、おいかけよう。
『こうきしん』はジンセイのエナジードリンクです!!

「そうそう――――――『そうだった』」

         ポンッ

ふと、何かを思い出したかのように両手を打つ。

「クロガネくんは、すっごい『ラッキー』なんだよ。
 フフフフフ、なんでかわかる??」

『ほうじ茶プリン』のトッピングのクリームを口元に付けたまま、
何やら意味ありげな笑みを浮かべる。

42鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/06(日) 00:51:54
>>41

「…そうだな。この世界には、キミが見たことのない物がまだまだ溢れているだろう」
「アリスの性格上、一箇所に留まり続けるようなことはないだろうな」

実に彼女らしい言葉を聞いて、笑顔になる。
アリスが夢中になれるもの、彼女の言葉を借りるならば『ウサギ』ということか。
それを追いかけている楽しそうな姿を見ていると、こちらまで楽しくなってくる。
この少女ほど、人生を肯定的に生きている人間も中々いないだろう。

「ふふ、一度くらいは『ロマン』の海に溺れてみるのも悪くはないな。勿論、生還できることが大前提だが」

『不思議の国のアリス』や『オズの魔法使い』のように異世界を旅してみるというのも、楽しそうだ。
『スタンド能力』というものがこの世にある以上、そういった世界に入り込む能力もないとは言い切れない。

「あぁ、古今東西の武器や武術にはそれなりに詳しい。何か興味を持つものができたら、是非聞いてくれ」
「俺も『応用アリス学』の出番が来たら、アリスの事を頼りにさせてもらう」
「もっとも、使う時があるかは分からないが」

そう言って、肩をすくめて小さく笑う。

「『ラッキー』?」
「何だ、今日の『アリス占い』で一位になったとかか?…ああ、アリス。クリームが付いてるぞ」

指摘はするものの、アリスの言葉の内容は皆目検討も付かない。
それに彼女の様子を見る限り、少なくとも今思い出した様子である。

43夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/06(日) 14:44:08
>>42

この世には、まだ見た事のないものが沢山ある。
それが楽しくて仕方がない。
だから、『アリス』は――――『夢見ヶ崎明日美』は、
心の底から明るく笑うのだ。

「『アリスうらない』かぁ〜〜〜〜。
 いいトコついてるけど、おしい!!」

         ペロッ

「でも、『アリス』にチューモクしたのはイイぞ!!
 もうチョイだ!!」

悪戯っぽく舌を出し、口に付いたクリームを舐める。

「『もうみられないモノ』ってあるでしょ。
 たとえば…………『サンヨウチュウ』とか!!
 『ビーチサンダルのウラ』みたいなカタチしてて、
 けっこーオモシロイんだよ」

      ムッシャ ムッシャ

唐突に『古生物』の事を語りながら、
『ほうじ茶プリン』を食べ進める。

「でさでさでさぁ、
 ジツはクロガネくんも『そういうの』をみてるんだ。
 だから、すっごい『ラッキー』!!
 『みたコトある』のはクロガネくんだけじゃないんだけど、
 そのナカのヒトリがクロガネくん!!
 きねんに『シリアルナンバー』つけとく??」

『クロガネ』だから『9657』とかどうよ??
だけど、コウハンの2コは、
ムリヤリいれたカンがいなめないぞ。
かっきてきなアイディアがあるヒトは、
コチラのあてさきまで!!

「どうしよっかなぁ〜〜〜〜。
 『こたえ』いっちゃおっかな〜〜〜〜」

       グルグルグルグルグル

テーブルに頬杖をつきながら、
楽しげな表情で『抹茶ラテ』をかき混ぜる。

44鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/06(日) 22:38:32
>>43

「成る程、不可逆な変化である…か」
「確かに『古代生物』にもまた、『ロマン』があるな」
「『恐竜』なんかは、その体色がよく話題になる。化石からは体の色が分からない故に、
 今では想像も付かない色だった可能性もあるとか。それこそ『虹色』だったとしても有り得るらしい」

確かに昔の生き物の謎もまた面白い、アリスに同意しながらわらび餅を食べつつうんうんと頷く。
閑話休題。

「ふむ、そんなにも貴重なモノなのか…確かに、どう足掻いても確認できないというのは
 珍しい。この情報化社会では、大抵の物は調べれば何らかの映像が残るが…」

例えば『指紋』のように個人が所有するものなんかは、前科持ちでもない限り記録されてはいないだろう。
だが、『指紋』が成長などの理由を除き形が変わることは有り得ない。
容易く変わらないからこそ、個人を認識する手段として使われているのだ。
自分が知る『アリス』の情報で、『アリス』個人に関係するものであり、今はもう変わってしまったもの。

「・・・・・・・・・・」
「まさか、『スタンド』か?」

話題に登ったタイミングを考えれば、それも有り得るか?

45夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/06(日) 23:37:37
>>44

「ほうほう!!
 クロガネくんも、なかなかベンキョウしてるな!!
 わたしも『ドウブツズカン』とかみるのスキだぞ。
 もうみられないのはザンネンだけど、
 『ムカシはいた』っていうのも、
 ソレはソレで『フシギ』なカンジがしてイイよね。
 『れきしのロマン』っていうの??」

「『レインボーカラー』なんて、
 アリスのセンスにギュンギュンきちゃうね〜〜〜〜。
 どこの『びよういん』いってたのかな??
 『タマゴ』からでてきたときみたいに、
 ジブンの『カラ』をやぶりたかったとか??
 キモチをかえるためには、まずカタチからはいる!!
 うんうん、ソレも『アリ』だ!!」

お喋りが弾むと食べるペースも進む。
最初に頼んだ『ほうじ茶プリン』は、
いつの間にかなくなっていた。
だけど、もう少し食べたい気分だ。

「――――よし、『コレ』にしよう!!」

メニューを眺めて、『緑茶きなこティラミス』を追加注文する。

「あ、『こたえ』でちゃった??
 やっぱクロガネくんは『スルドい』な〜〜〜〜。
 さすが『ケンドウブ』!!」

     「ホントはビックリさせたかったんだけど――――」

              「ま、イイか!!」

                    ズ ギ ュ ン ッ

自身の傍らに『スタンド』を発現する。

「『いろんなセカイ』を『ボウケン』してきたおかげで、
 『ドクター・ブラインド』も『イメチェン』しちゃってさぁ」

      キラ キラ キラ

                 キラ キラ キラ

    「『いまのナマエ』は『ドクター・アリス』」

頭部から流れる輝く『金髪』。
全身を彩る色鮮やかな『光のリボン』。
『両目』を保護しているかのように、
その部分は『青いリボン』で覆われている。
同じ『人型』のヴィジョンではあるものの、
かつての『ドクター・ブラインド』とは全くの『別物』だ。
面影が残っているのは両手の『爪』くらいだが、
それさえもカラフルな『ネイル』に変わっていた。

46鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/07(月) 01:21:24
>>45

「元来、生物というのは基本的に目立ちにくい柄になる事が多いらしい。自然界だと目立って狙われてしまうからな」
「だが現代でも、幾つかの種類は『虹色』の光沢を持つものもいる。
 生存戦略上は不利なはずだが、それでもその姿を取るのは何故か」
「もしかしたらキミの言うように、生存よりも自分を輝かせる為の手段を選んだのかもしれないな」

生物が有する派手な柄は、同種の目を惹きつける意図もあるようだ。
天敵から存在を隠れて生きていくよりも、華々しく生きる事を選んだとすれば、中々に興味深い。
果たして自分なら、どちらを選ぶだろうか、などと考えたりもする。

「うーむ…それも美味しそうだな。たまには『和洋折衷』もいいか」

顎に指を当て、思案する。
アリスが新しく注文したメニューを聞いて、自分も更に食べたくなってしまった。
同じものを頼むから迷ったが、安定の好みを取って『バターどら焼き』を頼むことにした。

そしてどうやら自分の答えは的を得ていた様だ。
アリスが傍に発現したその『ヴィジョン』は、以前に確認したその姿とは大きく異なっていた。

「・・・・・推測通りとはいえ、実際に当たるとやはり驚くな」
「能力の成長自体は俺も見たことがある、というか体験している。
 だが『スタンド』の容姿まで変わるのは、相当に珍しい事だと思う」
「…言葉通り、本当に様々な経験があったんだな」

それに何より、その容姿。名に違わず、『アリス』を象徴するデザインのようだ。

「キミに似てきたな、その『スタンド』も。やはり能力も変わっているのか?」

47夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/07(月) 13:45:18
>>46

「――――おん??」

「クロガネくんもしてたんだ。『セーチョー』ってヤツ」

「『なんかチガウきがする』とおもってたら、
 『そういうコト』かぁ〜〜〜〜」

『シヴァルリー』の成長は初耳だったが、すんなり納得した。
何となく『一皮剥けた雰囲気』があるというのは、
前々から感じていた事だったからだ。
その理由までは知らなかったが、これで理解できた。

「『しおんちゃん』がいってたんだけど、
 『ドクター・ブラインド』は『トクシュ』だったんだって。
 『スタンド』と『ほんたい』って、
 フツーはピッタリあってるモノでしょ??」

「でも、わたしのばあいは、さいしょから『ズレてた』」

『ドクター・アリス』のヴィジョンは、
本体の雰囲気と非常に良く似ている。
逆に言うと、元々の『ドクター・ブラインド』が、
『現在の夢見ヶ崎』とは全く似ていなかったのだ。
有機的なシルエットを持ち、
『アリス』が前面に押し出された『ドクター・アリス』と比べ、
『ドクター・ブラインド』の佇まいは無機質で、
『医者』の要素を強く感じさせた。

「『ドクター・ブラインド』は、
 ホントなら『ムカシのわたし』にめざめてるハズだったんだ。
 だけど、わたしのほうが、さきに『めざめちゃった』。
 そのせいで、『ドクター・ブラインド』は、
 わたしに『おいてかれちゃった』の」

本来『ドクター・ブラインド』は、
『目の見えない本体』を補助するためのスタンドだった。
しかし、目覚めるきっかけがないまま時は流れ、
本体である夢見ヶ崎は『視力』を得た。
その結果、『スタンド』と『本体』の間に、
大きな『ズレ』が生じてしまったのだ。

「『いろんなセカイ』をまわって――――」

「『いろんなモノ』をかんじて――――」

「それで『イマのわたし』に『おいついた』んだってさ」

           ピ ッ

『ドクター・アリス』が人差し指で自身の『両目』を指す。

「だから、『こっちのアリス』も『みえる』ようになった」

今まで持っていなかった『視覚』の獲得。
これが最も『象徴的な変化』と言えるだろう。
『本体に追いついた』という点において。

「もちろん、ソレだけじゃないぞ!!
 『かわった』っていうか、『かわった』し『ふえた』!!」

              チョンッ

『ネイル』の先で、『クロガネくんの手』に触れる。
その『接触点』と『金髪』の一条が『接続』された。
ただ、それ以上の何かが起こっている様子はない。

「コレはね〜〜〜〜。
 『ナニやってるか』は『アリス』じゃなきゃ『わからない』」

         ニヤッ

「まぁ、その『バターどらやき』でもたべてみない??
 ゼッタイおいしいよ!!」

さっき行ったのは『味覚』の『共有』。
つまり、『バターどら焼き』の『味』をシェア出来るという事だ。
しかも、かんぜん『0カロリー』で、
ダイエットちゅうのココロづよいミカタ!!
いまだけのトクベツげんていショウヒンとなっております。
おはやめにゴチュウモンを!!

48鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/07(月) 21:04:59
>>47

「ふむ、そういうのも分かるものなのか」
「言われてみれば、確かに家族や部活仲間に時折指摘される時もある。
 死線を潜り抜けると、覚悟が出来るというところか」

『シヴァルリー・セッション』に目覚めてから。正確には、『通り魔事件』を終えて
幾度となく死にかけた闘いを終えてから。物事の捉え方、価値観は以前とは異なっているかもしれない。
手前味噌だが、部活内でも剣道の腕は上がり確実に三本の指には入るだろうと自負出来るほどだ。
ましてや感覚の鋭いアリスなら、当然のように察していてもおかしくないか。

「成る程な、有り得る話だ。人生が変わる程の大きい経験をする前と後で、
 当然ながら精神性も変わる。キミの場合は、その前に既にスタンドが生まれてしまっていたんだな」

彼女の話を聞き、納得する。
多少ながらも『視力』を得たアリスと違い、彼女のスタンドに視覚は本来なかった。
しかしそのズレも、こうして無事に雲散霧消しついにはそのスタンドも『視力』を得た───と。

「・・・・・・・・・・」
「それは、今日で一番嬉しい報告だ」

勿論、アリス自身の視力が回復したわけではない。
それでも、自らと共に歩む『スタンド』が、自分と同じく視力を獲得したというのは、希望に満ちた言葉だ。
いずれは、その光に弱い瞳も治ってくれたなら───などとまで願うのは自分のエゴだろうか。

「おや、能力を披露してくれるのか?少し楽しみにさせてもらおう」

そう言って、到着したバターどら焼きに口を付ける。
ほんのり甘く、しっとりとしたどら焼きの皮の中に、優しい甘味を持つ餡と
塩味の効いたバタークリームとの組み合わせが絶妙な美味さだ。
しっかりと口の中で味わい、嚥下する。

「・・・・・何も起こらないな」

食べ終わって数拍、首を傾げた。

49夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/07(月) 22:24:50
>>48

「だからぁ〜〜〜〜
 『アリスしかわからない』っていったでしょ??」

口内に広がる『味』を感じながら、笑みを浮かべる。

「ほんのりアマくて、シットリした『カワ』。
 やさしいアマさの『アンコ』と、
 しおアジのきいた『バタークリーム』。
 このくみあわせはゼツミョウだよね〜〜〜〜」

「――――ってなカンジで、
 『カンカク』を『キョウユウ』できるのだ!!
 『いっぽうつうこう』だから、
 クロガネくんにはナンにもおきないけど」

「『シカク』がふえて、『ゴカン』をゼンブ『シェア』できちゃう。
 『100m』くらいまで『のびる』よ」

          ツンッ

接続されている『リボン』を、『ドクター・アリス』がつつく。

「『いままでのチカラ』も、そのまんまつかえるし、
 ほかにも『イメチェン』したトコがあるんだけど…………」

         「まだ『ヒミツ』にしとこう!!」

                 スゥッ

『味覚共有』を解除すると、『リボン』が離れていく。
この能力の強みは、何をされているのか分からない事だ。
感覚を『共有』している事を知っていたとしても、
『どの感覚なのか』までは読めない。

「そういえば、クロガネくんに『ききたいコト』があるんだよね」

運ばれてきた『緑茶きなこティラミス』に手をつけながら、
別の話題を切り出す。

50鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/07(月) 22:41:31
>>49

「いや、確かにそう言ったが…まさか本当に、一切分かるはずもない『味覚』だったとは…」

眉根を寄せる。
例えば何らかの仕込みが行われていたり、あるいは能力を行使させる為の予兆などがあるならば、
それを当ててやろうと思っていた。だが、流石に相手の『感覚』までは分かりようもない。
アリスも当てさせる目的ではなかっただろうし、致し方のないことだが。

「それはそれとして、夢の広がる能力ではある」
「相手の感じたことを知る意味でも便利だし、ある程度近くとはいえ
 キミが今の場所では知る事が出来ないことも、自分事かのように味わえるわけだな」

未知の体験を探し求めて走り出す彼女にとっては、まさに相応しい『スタンド』というわけか。
正確には、この『スタンド』こそが今の彼女そのものである為、当然とも言えるが。

「訊ねたいこと?一体何だろうか。答えられる範囲で答えよう」

味覚を共有できるのはずるいな、と『緑茶きなこティラミス』を眺めつつ、アリスの言葉に頷く。

51夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/07(月) 23:14:48
>>50

「『トリのシカク』とか、みてるとオモシロイよ〜〜〜〜。
 ジブンにハネがはえて、『トリ』になったみたいで!!
 いがいな『ウサギ』もみつかったりするから、
 これぞ『イッセキニチョウ』!!」

スタンドが『開眼』を果たしてから、色々と試してみた。
最近のお気に入りは、鳥と『視覚共有』する事だ。
上空からの『鳥瞰』で町を見るのは楽しいし、
『ウサギ探し』にも役立っている。

「アリスのセンサーで『こみみ』にはさんだんだけど、
 『ナツのマモノじけん』がカイケツしたとき、
 クロガネくんもいたんだって??」

        ムッシャ ムッシャ

『ティラミス』を食べながら、話を進める。

「でさでさぁ、
 イッショにいたヒトの『レンラクサキ』おしえてほしいの。
 わたしだってイロイロがんばったし、
 オシャベリしたいんだよね」

「あ、『チェシャ』もたべたい??
 じゃ、チョコッとだけあげよう。
 『きなこ』は…………ダイジョーブだな!!」

          ソッ

        (・ω・)「フミミィ」

『緑茶きなこティラミス』の、
『きなこ』がかかった部分を差し出すと、
それを『チェシャ』が口にする。
普通の猫と同じように、食事もするようだ。
まさしく『スタンド生物』といったところだろう。

52鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/07(月) 23:34:41
>>51

「そうか、感覚が共有できるのは『人間』とは限らないんだな」
「『スタンド』と違い、自分の意志で操作は出来ないが…だからこそ
 鳥にしか分からない、色々な場所へと羽ばたいてくれるという事か」
「良い『スタンド』だな」

彼女のスタンドは、優れた『五感』を用いた諜報能力が並外れていた。
だがそこに、様々な生物の感覚を共有できるとなれば、全ての生物を『諜報員』として扱えるということだ。
協力下にない生物は確実に扱えるとは限らないが、だからこそ警戒され辛い利点もある。
直接の戦闘力はまだ分からないが、アリスのことだ。それに関してもやり方があるのだろう。

「・・・・・・・・・・」「あぁ、その通りだ。『夏の魔物』に始末を付けたのはオレだからな」
「無論、協力してくれたキミにもその権利はあるだろうが…その相手にも考えがある」
「その人間に訊ねてからになるだろうが、それでも良いか?」

恐らく、断る人間はそれ程いないだろうとは思うが。
『スタンド使い』、それも敵対心を持たない知り合いともなれば居て困る事はないだろう。

「特定の誰か、ということか?それとも、連絡先をオレが知る限りの人間だろうか?」
「…というか、『チェシャ』も食べられるのか。質量保存の法則はどうなっているんだ…?」

食べたものは完全に消えるのか、それともあの薄っぺらい『ハンカチ』の中に、四次元のように収納されているのか。

53夢見ヶ崎明日美『ドクター・ブラインド』&『チェシャ』:2022/11/08(火) 00:15:55
>>52

「――――――オッケイ!!」

          グッ!

力強く親指を立て、申し出に『同意』を示す。

「ついでに、わたしのコトもおしえてイイよ。
 ナニもないとおもってあるいてたら、
 ピッカピカにみがいてある『ガラスのドア』に、
 おもいっきりカオぶつけたコトいがいで。
 このエピソードはハズカシイからNG!!」

「えっとね〜〜〜〜ソコにいたヒト『ゼンイン』。
 『スタンドつかいのトモダチ』をふやすチャンスだ!!
 めざせ『10000ニン』!!」

           「そんなカンジでどう??」

               (・ω・)「フミ?」

『チェシャ』の体は、若干ながら厚みが増したように見えた。
食べた分だけ膨らむらしい。
とはいえ、少し食べただけなので、
注意して観察しないと気付かない程度だ。

「アリスも『イッちゃん』とバトルしてさぁ。
 いきなり『カミナリ』おとされたせいで、
 カラダがシビれちゃってタイヘンだったね〜〜〜〜。
 そのときは、まだ『ドクター・ブラインド』だったっけ」

「わたしのケガはゼンゼンたいしたコトなかったけど、
 ジューショーのヒトもいたから、
 『イズミン』がきてくれてチョーたすかったな!!」

もしイズミンがいなかったら、
救急車を呼ぶ羽目になっていたし、
何ヶ月も入院する人もいただろう。
イッちゃんも止められなかったかもしれない。
何よりも、危険を承知で駆けつけてくれた事が、
『親友』として嬉しかった。

「あ!!『イッちゃん』は、ちゃんとモトにもどったよ。
 アンシンしていいぞ!!」

『スタンド使い』として、
イッちゃんの『初めての友達』はアリスだ。
だから、イッちゃんが戻ってきた事も嬉しい。
いつか、イッショにクレープたべにいきたいな!!

54鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/08(火) 01:42:05
>>53

「ああ、それなら構わない。大半の人間は、キミに連絡先を教えるのを拒まないとは思うが」
「新たな繋がりから、新たな『ウサギ』が見つかるといいな。また面白そうな話があれば、オレにも教えてくれ」
「ところで地面に伏せてカマキリを追いかけていたことは話していいのか?」

『バターどら焼き』を食べ終えて、そしてお茶を飲んでほっと一息を付く。
『チェシャ』を観察していると、ハンカチに少し変化がある事に気が付いた。
どうやらハンカチに他の生物が憑依しているというよりかは、
完全に合体して一つの新生物になっているという方が正しいようだ。

「…その節は、一抹くんを止めてくれてありがとう」
「しかもその場には今泉さんもまた来てくれたのか。彼女にも後でお礼を言わなくてはな。
 『コール・イット・ラヴ』の治癒能力は極めて貴重だ」

一抹くんが元に戻った話は人伝に耳にしたが、未だに直接会ってはいない。
もしもまた会った時には、彼がどういう表情をしているだろう。
それを思うと、積極的に声をかける事は出来なかった。

「ああ。夏の魔物に関する殆どの事は、無事に終わったようだ。行方不明になっていた人達も
 時間は失ったが、少なくとも五体満足ではあったようだしな」
「あの件に関しては、関わった人たちは皆本当によくやってくれたと思っている。
 その方達の連絡先に関しては、後ほど許可を取ってからまとめて送らせてもらおう」

55夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/08(火) 16:41:02
>>54

「うむうむ、よろしくたのむぞ。
 クロガネくんも、なんかあったらおしえてくれ!!
 アリスはゼンリョクでおいかけるからさ!!」

『ウサギ』に繋がる道筋は、多ければ多い程いい。
スタンド使いになってから、
色んな場所へ行って色んな人に会ってきた。
そうして一つ一つの積み重ねも、
『盲目』のスタンドを『開眼』に導いたのだろう。

「おん??もうソレわすれてるとおもってた。
 ちゃんとおぼえてたんだ。カンシンカンシン。
 いや〜〜なつかしいな〜〜」

「このまえは、ブランコにのりながら、
 『イソギンチャクをカラダでヒョウゲンするホウホウ』を、
 『キオクソウシツのトモダチ』とカイギしたんだよね。
 『ゼンシンをつかってユラユラする』ってケツロンがでたぞ」

          スッ

そこまで言って、おもむろに『ティースプーン』を持ち上げる。

「ドコまではなすかは、
 クロガネくんの『さじかげん』にまかせる!!」

気付けば、『ティラミス』も残り三分の一程になっていた。
ふと思いつき、それが乗っている皿を、ぐいと押しやる。
何でもない事だが、自分にとっては大切な事だ。

「コレあげる!!
 さっきは『どらやき』のアジわけてもらったし、イイよね??
 イッショにシェアしながらたべると、もっとたのしいから」

そして、テーブルに頬杖をつく。

「なんかさぁ、こういうのってアリスはスキだな〜〜〜〜。
 『フシギのクニ』から『フツーのセカイ』にもどってきて、
 また『フシギのクニ』にいく。
 フシギがあるからフツーがあって、
 フツーがあるからフシギがある。
 『どっちかだけ』じゃあダメなんだよね」

その表情にあるのは、屈託のない無邪気な笑顔だ。

「だから――――クロガネくんとオシャベリできてウレシイよ」

56鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/08(火) 20:13:27
>>55

「その逸話も話していいのなら、大体の事は大丈夫そうだな」

アリスの予想外の言葉に、相好を崩す。
普通の人間なら冗談にしか思えないような事態だが、彼女の場合はほぼ本当の話なんだろう。
『記憶喪失』の友達というのはまた気になる単語が出てきたが、
その話はいずれ訊ねるとしよう。あるいは、その内街中で当人と遭遇するかもしれない。
我々『スタンド使い』は、ふとした拍子に『非日常』へと足を踏み入れてしまう生き物だから。

「む…物欲しそうに見ていたか…?すまない」
「だが、心遣いは有難く頂戴する。ありがとう、アリス」

微笑を浮かべながら、皿を受け取りその上にある『ティラミス』を口に運んだ。
緑茶の渋み、きなこの甘み、そしてティラミスとしての食感が深みのある美味しさを作り出している。
うんうんと深く頷き、その味に幸福を感じた。

「その気持ちはよく分かる。オレとて『非日常』に足を踏み出したのは、『日常』を守りたかったからだ。
 こうして『日常』に戻ってきた今は、また修行も兼ねて『非日常』に踏み入るのも悪くないとは思っているが」
「…オレは将来、『警察官』になるつもりだ。だから、キミが戻るべき『フツーのセカイ』は
 オレたちが必ず守ると約束しよう。いつまでも安心して、旅へ出ると良い」

そう言って食べ終えると、手を伸ばしすっと伝票を手元に引き寄せた。

「『ヴォーパル』としての昇格祝いだ。これ位は受け取ってくれるだろうか?」

57夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』&『チェシャ』:2022/11/09(水) 03:02:47
>>56

「アリスの『さいしょのヒニチジョウ』って、
 『アリーナ』だったんだよね。
 センシュに『ドタキャン』されたとかナンとか…………。
 そんで、きゅうきょスカウトされて、
 『とびいりさんか』するコトになってさぁ」

「わたしのばあいは、そんなカンジだったっけ」

夢見ヶ崎にとって、非日常は『目的』だった。
日常のために非日常に踏み込む事は『手段』。
『過程』に違いはあれど、
『自分から選んだ』という点では共通している。

「『ケイサツカン』??
 てっきり『サムライ』をめざすんじゃないかとおもったぞ。
 でも、『もうみられないモノ』だしなぁ。
 『ムカシムカシのオハナシ』だと、
 クロガネくんは『リッパなサムライ』になってそう。
 だから、『リッパなケイサツカン』にもなれそうなきがする!!」

「アリスは…………『セカイのゼンブ』をみる!!
 アッチとかコッチとか、このチキュウをグルッと!!
 とびまわれたらイイなぁ〜〜〜〜。
 そんで、わたしがみたモノを、みんなにもみてもらうの。
 そういうのって、ナンかよくない??」

「ま!!ぐたいてきなコトは、
 ゼンゼンかんがえてないんだケド。
 『ウサギ』をおいかけてて、イマいそがしいから!!
 このマチのナカにも、まだまだ『しらないコト』がイッパイあるし」

       ズズズ

話を終えると、ちょうど同じタイミングで、
『抹茶ラテ』も空っぽになる。

「おん??イイの??もらっちゃうよ??ハイ、『もらった』!!」

遠慮する事なく、『昇格祝い』を受け取った。

「クロガネくん、サンキュー!!おんにきるぜ!!」

     「『チェシャ』もオレイいっとく??」

          (・ω・)「フミフミフミィ」

頭の上の『ハンカチ猫』が、
どこにあるんだか分からない喉を鳴らす。

「もし『ヴォーパル』がシュツジョウするコトになったら、
 ツギはみにきてくれよな!!
 『フーヴィアン』ってトコでやってるからさ」

           ガ タ ッ

そう言って、席から立ち上がる。

「じゃ、ハラごなしに『ウィンドウショッピング』でもしよっか??
 アリスの『オススメのみせ』ショウカイしてあげる。
 めずらしい『ざっか』とかうってて、みててオモシロイの」

          「――――――いこ!!」

58鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/09(水) 21:39:42
>>57

「そこで『飛び入り』できるキミの度胸は流石だな」

自分のように、常日頃から相手と戦うことに慣れている人間ならともかく
普通の人間なら、突然目の前の相手と全力で戦う場を用意されたとして、物怖じしてもおかしくない。
いや、そこで一歩前に踏み出せるような人間だからこそ、『スタンド』に目覚めていたのか。
運命とは数奇なものである。

「ははは。まぁ『侍』も『警察官』も、時代以外にそこまで大きな違いはないさ」
「国に仕えて働くという点は共通しているからな」

勿論正確な話をしようとするなら違いは幾つかあるが、それはアリスにおいてもこの場においても必要ない説明だろう。
願わくば、彼女の期待を裏切らない立派な警察官になりたいものだ。

「ありがとう。アリスの願いもきっと叶うさ」
「キミには好奇心に行動力、そして人を惹きつける力がある。
 『ジャーナリスト』のようなそんな仕事も、アリスには天職だと思っている」
「将来、またキミの旅の話を聞ける時を楽しみにしているよ」

世辞でも誇張でもなく、本心からの言葉だ。
例えどんな場所でもどんな国でも、彼女ならきっと上手くやっていけると信じている。
喉を鳴らす『チェシャ』に、にこりと笑いかけそっと頬?を撫でた。

「その分、『ヴォーパル』の活躍を期待しているさ」
「『フーヴィアン派』…ああ、先の一件では色々と世話になったところだな。
 お礼も兼ねて、機会があれば是非観戦させてもらおう」

そう言って支払いを済ませたところで、『アリス』から新たな提案が出た。
曰く、一緒に買い物に行かないか、と。これには思わず戸惑ってしまう。
身体が油の差していないロボットのようにぎこちなく動く。

「い、いや、それは………」

たった今話した、『夏の魔物』の際は、確かに彼女と買い物に出掛けた。
だがそれは人命を救助する為に、言わば必要だからと任務を帯びて行ったようなものだ。
しかし今から行くそれは、完全に私用である。それでいて、年頃の男女が共に行くというのは、何とも。

「─────」

しかし彼女の屈託のない笑みを見ていると、そんな邪な心が思い過ごしである事にすぐに気がつく。
意識しているのは自分だけという事だろう。それならば、友としてアリスの申し出は喜んで受け取るべきだ。

「…そうだな。キミのお眼鏡に敵う程の店だ、物珍しい品が置いてあるんだろう」
「行こうか、アリス」

日曜日の午後は、まだ始まったばかりだ。

59りん『フューネラル・リース』:2022/11/12(土) 10:29:28
植物園 食虫植物コーナー

年齢は10歳くらいの少女がいるが別に珍しい事ではない
頭から鈴蘭が咲いているが植物園だし珍しくないだろう

60りん『フューネラル・リース』:2022/11/13(日) 20:43:16
>>59
ウツボカズラという食虫植物は
その捕虫器の中に溜まっている消化液を飲む事が出来る

今日、りんがこの植物園にやって来た理由は
ウツボカズラの水を試飲しに来たのだ

そっとウツボカズラを持ち
傷付けないように気を付けながら蓋に口を付け
ゆっくり傾けて消化液を口に流し込む

ゴクン

阿部マリア「で、どうなんですの?美味いんですの!?」
りん「うーん、不味くはないけど…
   ちょっと青臭い普通の水かな?」
マリア「何だ、美味くはないんですのね」

がっかりした感じで手元のウツボカズラを千切り取って消化液を飲むマリア

ジュワアアア……ッ!!!

りん「マ、マリアちゃん!?」

マリアが豪快に飲んだのはウツボカズラ型の硝酸入れだった!

マリア「し、しまったぁぁぁーーーっ!!!
    間違えて硝酸を飲んじまった…の、喉が溶けるぅぅぅ………」

───────────────────────────────────

医者「またお前らか…」
看護婦「硝酸を一気飲みしたそうです」
医者「硫酸じゃなくて良かったな」
マリア「とほほ…もう食虫植物はこりごりですわー!」

       __
     /i´::::::::::`iヽ
     ヾ====イ .//
      .| : : | //
      .|: :  |.//
      |   :  | |
     .| :   :| !、
     |   :   | |
     .|    :  | |
     |  :     | |
     .|   :  :.| |
     ヽ     .//
       `‐、 .、‐//
         ヽ_`/
          終
        制作・著作
        ━━━━━
         ⓃⒽⓀ

61夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/19(土) 22:39:01
>>(涙音)

『花時計』という名の喫茶店にやって来た。
こっちは自撮り写真を送ったが、相手の顔は知らない。
店内を見渡しながら、それらしい相手を探す。

62朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/19(土) 23:27:36
>>61
チリーン…

喫茶店に来客を知らせるベルの音が鳴り響く。

「たしかここで待ち合わせ…だったはず」
やってきたのは、清月学園の学生服を着込んだ少女。
アリスは顔を知らないだろうが、彼女が涙音である。


「さて、どこにいるかな…」
アリスを探してあたりを見回す涙音。
その様子はアリスからも見えているかもしれない。

63夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/19(土) 23:39:53
>>62

キョロキョロしながら歩いていたせいで、前を見ていなかった。

   ド ン ッ

         「おッ――――――」

                         カシャァン

二人の体が軽くぶつかり、その反動で『サングラス』が外れる。

     「ゴメン!!ダレだかわかんないけど!!」

           「え〜〜〜〜と…………」

                 ササッ

たった今落としたサングラスを、手探りで探す。
夢見ヶ崎の目は『光』に弱い。
サングラスがない状態では、何も見えなくなってしまう。
ちなみに、サングラスは『涙音の足元』に落ちている。
近い距離のはずだが、当のアリスには見えていないようだ。

64朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 00:26:47
>>63
ドンッ
「あいたっ」
涙音も前を見ていないところでぶつかってしまった。

「あ、こちらこそすいませ…ん?」
と、頭を下げたところでその姿が、どこかで見たことのある人であることに気づく。

「あー、その、捜し物はコレでしょうか?」
そう言って落ちたサングラスを手にとって、
アリスに手渡そうとする。

「もしかして、あなたがアリスさんですか?」

65夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 00:42:45
>>64

「――――――おん??」

声を頼りにして、差し出されたサングラスに手を伸ばす。

        スカッ

しかし、見えていないせいで、一回『ミス』ってしまった。

     「あ!!コレコレ!!」

そうしてから、改めてサングラスを受け取ったのだった。

             スチャッ

「わたしの『ナマエ』をしってるってコトは…………」

       「ん〜〜〜〜〜〜??」

サングラスを掛けてから、目の前の人物を観察する。

          「ズバリ!!『しらないヒト』だ!!」

66朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 00:52:42
>>65
「これがないとよく見えないんですか?」
サングラスを付けていないときの動きを見ながら答える。
眼鏡だろうか、と思ったようだ。

「えーっと、私は…って
 知らない人じゃないでしょう!」
思わずツッコミを入れる涙音。

「ここで待ち合わせって話だったでしょう!
 私は朱鷺宮涙音です!
 鉄さんから聞いてないんですか?」
見た目の話はしてないのだろうかと
やや呆れながら答えた

67夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 01:26:45
>>66

夢見ヶ崎が聞いていたのは『連絡先』だけだ。
そもそも涙音だって、
夢見ヶ崎の性別すら分かっていなかった。
顔を見て分からないのは当たり前の事だろう。

「まぁまぁ、おちつこうぜ。いっしょにオチャでものんでさ」

             ストン

冗談めかして笑いながら、手近な席に腰を下ろす。

「『ルネ』はナニたのむ??
 わたし、『ホットミルクティー』にするけど。
 あとは…………コバラがすいたから『ミックスサンド』!!」

メニューを眺め、一足先に自分の注文を出しておいた。

「チューモンしたヤツがくるまえに、
 かるくジコショーカイしとくね。
 わたし、『アリス』。
 しってるとおもうけど、クロガネくんのトモダチ。
 『コートーブ』の『1ねんせい』で、
 『セカイのゼンブ』をみるのがユメ」

「んっと――――そんで『スタンドつかい』。
 スタンドのナマエは『ドクター・アリス』。
 ノウリョクは『イロイロ』」

「とりあえず、そんなトコかな〜〜〜〜」

68朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 08:59:06
>>67
「えー、まぁわかりました…
 私もそこまで気にしてませんし。」
やれやれという感じで涙音はアリスと向かい合うような席に座った。

「私はそれじゃあ…ラッシーというものがあるみたいですね。
 コレを注文します。私ももひとつ注文しますね。
 この、ホットサンドで。」
涙音もアリスに合わせ、一通りの注文をした。

「ふむ、アリスさんですね。
 私は朱鷺宮涙音。同じく高等部1年です。
 夢…は今のところよくわからないですね。」

「…フォートレス・アンダー・シージというスタンドを持っています。
 どうやらお互いスタンド使いのようですね。」
と、一通り自己紹介をした。

69夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 11:16:37
>>68

「『ききたいコト』っていうのは――――」

そう言いかけた時、注文した品が運ばれてきた。

「お、きたきた。そんじゃ、『カンパイ』!!」

         ズズズ

カップを持ち上げ、ホットミルクティーを口にする。

「うんうん、グッドグッド。
 ルネもなかなかイイみせしってるじゃん。
 コレは『ぼうしや』にもおしえないとな。
 アリスメモの『324ページ』にキロクしとこう」

           カチャ

カップを置いてから、再び口を開く。

「で、『ムラタエイイチ』ってどんなヒト??
 クロガネくんから『なんとなく』はきいたけど、
 レンラクサキおしえてくれなかったから」

「ルネからみて、どんなカンジ??」

ミックスサンドに手を伸ばしながら尋ねる。

70朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 11:44:44
>>69
「はぁ、わかりました。
 とりあえず乾杯しましょう。」
そう言ってラッシー入りのカップを打ち鳴らす。

「…帽子屋さんですか?
 ふーん、いろんな知り合いがいるんですね…」
そういいながらラッシーを飲む。
はたして涙音の連想する『帽子屋さん』と同じイメージの人物かはわからないが。

「村田さん…ですか?」
夏の魔物との戦いの時、一時共闘を果たした人物のことだろう。
少し手を止めてから考える。

「うーん、そうですねぇ。
 私もそこまで知り合っているわけでもないんですけど…
 夏の魔物との戦いのときにあってからはそれっきりですし。」

「でもわかることといえば、割りと容赦なくて
 結構な強さを持っていて…」

「でもなんというか、色々真っ直ぐな人って感じですかね。
 悪い人ではなさそうです。」
そう言ってからホットサンドをもぐもぐと食べ始めた。

71夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 20:28:53
>>70

「アリスは『カオ』がひろいぞ。だって、アリスだもん」

    「いろいろと『しりあい』はおおい!!」

        ムッシャ ムッシャ ムッシャ

              「ふ〜〜〜〜〜〜ん」

サンドイッチを頬張りながら、涙音の話に耳を傾ける。
小林丈の失踪に関わっているという情報は、
事前に『アリーナ』から得ていた。
連絡先がもらえなかったという事は、
『拒否された』って事だろう。
対面さえできれば『真実』を掴む自信がある。
しかし、会えないんじゃあどうしようもない。

「『なかみ』はだいたいわかったからさ、
 こんどは『みため』おしえてくれない??
 トシはナンサイくらいとか、せはたかいかとか、
 どんなカッコしてたとか」

「ソレわかってないと、さっきのルネとアリスみたいに、
 ゴッツンコしそうだし。
 『キオクソウシツ』になったらタイヘンだ!!」

もし『キオクソウシツ』になったら、
『グリムのセカイ』をボウケンするのもよさそう。
『シンデレラ』とか、『あかずきん』とか、
『ヘンゼルとグレーテル』とか。
みんなとトモダチになれるかな??

72朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 22:20:21
>>71
「へぇー、色んな人の知り合いなんですね。
 アリスだから…でうか?」
自信たっぷりな雰囲気を彼女の言葉からは感じている。

「ふーむ、見た目ですか?
 …まぁあれくらいで記憶喪失にならないとは思いますけど…
 見た目といえば…」
少し前であるからか、少し考えてから口を開いた。

「学生服とマフラー…
 でしたね?…なので学生の人だと思いますよ。
 結構遊んでそうな感じというか…」
学生服をそれなりにいじってたように思ったらしい。
そして少し付け加える。

「後はまぁ、棒術が得意な感じですかね…」
そこまで言ったところでまたホットサンドを食べる。

73夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 22:39:17
>>72

「じゃ、トシおんなじくらいかぁ。
 ん〜〜〜〜『カオ』わかんない??
 『シャシン』とかあったらイイけど、たぶんナイよね??」

          ゴソッ

「クチでセツメイしにくかったらさ、ササッと『かいて』みてよ」

ポケットからペンを一本取り出して渡す。
それから、『紙ナプキン』を押し出した。
『そこに描いて欲しい』という事らしい。

「『トクギ』まではきいてないけど、まぁイイや。
 ついでに『アリスの』もみせてあげちゃおっかな〜〜〜〜」

       ズ ギ ュ ン ッ !

そう言って、『ドクター・アリス』を発現する。
全身に『光のリボン』を纏う人型スタンド。
長い『金髪』を持ち、両手にカラフルな『ネイル』がある。
目の部分には、『青いリボン』で覆われていた。
『アリス』を思わせるヴィジョンは、『本体の姿』とよく似ている。

「これが『アリスのアリス』。どうよ??」

       シ ャ ラ ァ ン ッ

輝きを放つ金髪を、得意気にかきあげてみせる。

74朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 22:49:35
>>73
「顔…顔ですかー…
 そこまで詳しくできるかはわかりませんけど…
 まぁ絵にしてみますけど…」
ペンとナプキンを見てうなずく。

と、アリスがスタンドを発現させたのを見て

「おぉ!それがあなたのスタンドですか!
 それにしても…スタンドって、もっと人間っぽい見た目でも
 人間らしさからどこか外れていそうな見た目な感じかと思ってましたが…」
じっとアリスのスタンドを見て

「あなたにそっくりな見た目をしてますねー。
 …それじゃあ私もせっかくなので」
そう言って涙音も

 ドギュゥン!!

スタンドを発現させ、それにペンをもたせた。

「これが私のスタンド、『フォートレス・アンダー・シージ』です。」
彼女のスタンドは兵士のような力強い見た目のスタンドであった。
そしてそのスタンドにナプキンで絵を書かせているようだ。

「普通に描くよりもスタンドに描かせたほうが早いですよ。
 見た目はえーっと…」
涙音はスタンドに絵を描かせていく。
サラサラと比較的精密に早く描いているようだ。

「こんな感じでしたかねー。」
涙音のスタンドはどうやら描き終えたようだ。
彼女の記憶だよりであるためか、村田の絵は『わりと』本人に似ているくらいになったようである。

75夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/20(日) 23:20:38
>>74

「ソレはあるな!!『スタンド』って、みんなそんなんだし!!
 アリスも『ケイケン』はおおいほうだからわかるぞ!!」

涙音の意見は正しいだろう。
スタンドというのは、どこかしら異質な雰囲気があるものだ。
そして、『ドクター・アリス』にも、『異質感』は確かにあった。
しかし、『髪の毛』があったり、『爪』があったり、
人間に近い要素も多い。
全身に巻きついている『光のリボン』も、
見ようによっては『光のドレス』に見えなくもない。

「やっぱにてる??クロガネくんにもいわれたっけ。
 でも、『ムカシ』はゼンゼンにてなかったんだよ」

      「イロイロあって『こうなった』」

自身のスタンドを一瞥してから、
『軍人のようなスタンド』に目を向ける。

「おお!!スッゴイつよそうだ!!
 おしろの『ケイビタイチョウ』かな??
 おしごとゴクローサマです」

          ビシッ

至ってテキトーな動作で『敬礼のマネ』をしてみせる。

「ほうほう、『こんなカンジ』かぁ〜〜〜〜」

完成した『村田の絵』を、じっくりと眺める。

「でも、『アリス』もまけてないぜ!!」

             ヒュババッ

張り合うように、別の紙ナプキンを取り、
その上に『ネイル』を走らせる。
『ネイル』は『刃物』のような鋭さを持っているようだ。
『フォートレス・アンダー・シージ』と同等の速さで、
素早く指を動かしていく。

         「――――――どうだ!!」

      バ バ ン ! !

少しして出来上がったのは、
『フォートレス・アンダー・シージ』の『切り絵』だった。
目の前に『モデル』がいるため、なかなかのクオリティだ。
精密さに関しても、同じくらいのものを持っているらしい。

76朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/20(日) 23:40:20
>>75
「色んな人のスタンドを見てきましたが
 人だったりモノだったりと見た目は様々ですねー
 …以前は違ったんですか?」
色々あって、というアリスの言葉に少し不思議そうな顔をする。

「やっぱり、経験によってスタンドも変わっていくんでしょうね…
 あなたのスタンドは以前はどんな感じだったんでしょうね。」
やや興味ありそうに見える。

「フヒヒ、どうもありがとうございます。
 警備隊長、といえばたしかにそのとおりかもしれません。
 私のイメージでもそんな感じでした。」
そう言って涙音は自分のスタンドに敬礼をさせてみる。

「あなたのスタンドもなかなか…ほうすごい!」
アリスのスタンドの動きを見てどこか感心した表情を見せる。

「すごいです!あなたのスタンドもかなり器用なスタンドみたいですねー。
 そして、私のスタンドと見た目がそっくりです。」
嬉しそうに手をたたきながら答える。
(にしてもこの状況…他の人から妙に見られたりしてないかな…)
ふと、あたりを見る。スタンドが見えていない人間からするとかなり変な光景に見えたかもしれない。

「あぁ、それで…私のスタンドの描いた絵は参考になりそうでしょうか?」

77夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/21(月) 00:13:24
>>76

「バッチリ!!ルネ、『センス』あるよ、うんうん。
 もしみかけたら、コレでわかっちゃうもんね〜〜〜〜。
 アリスポイント『300てん』プレゼントだ!!」

          パシャッ

スマホを取り出して、『似顔絵』を撮影する。
これで他の人に聞くのも簡単になった。
大きな手掛かりだ。

「そうそう。ムカシは『ドクター・ブラインド』ってナマエでさぁ。
 いや〜〜なつかしいな〜〜!!
 ず〜〜っとイッショだったから、
 いまでもタマにまちがえちゃうし」 

     「『みたい』??え〜〜〜〜と」

              ススッ

『イラストアプリ』を起動し、保存してある『絵』を呼び出す。

           「――――『こんなカンジ』だった」

涙音に見せた画面に表示されているのは、
『盲目』の人型スタンドの絵。
『白衣』を着ているようなデザインで、
両手には『手術用メス』のような爪がある。
まるで『医者』を思わせる無機質な雰囲気が漂う。
かつてのスタンドである『ドクター・ブラインド』の絵だ。
ふと『ドクター・ブラインド』の事を思い出した時に、
スタンドを使って描いたものだが、
今の『ドクター・アリス』とは全く違う見た目をしている。

78朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/21(月) 20:12:59
>>77
「それは良かったです。
 私が助けになれたのなら嬉しいですね。」
そう言って涙音は微笑んだ

「それにしても、そこまでその人のことを知りたいんですかー?」
と、何気なく聞いてみる。

「へぇー、スタンドの名前まで違ったんですか。
 …どれどれ」
と、イラストアプリに保存されていた『絵』を確認する。

「確かに…今とはかなり見た目が違いますね。
 なんというか、全体的に…」
じっと見ていても、今のアリスのスタンドとは全く違うと思えた。

「ここまでスタンドが変わるのはよっぽどの『きっかけ』があったんでしょうかね…」
とても興味深そうな様子だ。

79夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/21(月) 20:45:28
>>78

「まぁ、イッペンあってみたいだけなんだけど。
 かくされるとさぁ、しりたくなるじゃん??」

『誰かが誰かを殺した』。
そんな話は簡単に言いふらしていい事じゃない。
ましてや、本当かどうかも分からないのだから。

「でしょでしょ〜〜〜〜!!
 『きっかけ』っていうか、『つみかさね』なんだよね。
 あるひトツゼンかわったんじゃなくて、
 ながいあいだの『ボウケンのレキシ』みたいな…………。
 コツコツやってきたセイカがでたっていうの??」

『ドクター・ブラインド』と『ドクター・アリス』は、
正反対の雰囲気だ。
共通点は『爪』くらいしかない。
それも『メス』から『ネイル』に変わっている。

「ソレをかたりだすと、スッゲーながくなるな!!」

そう言いながら笑う表情は、至って無邪気なものだった。

    「そのかわり――――チョットだけ、
     『アリスのチカラ』をおしえちゃおう」

耳を澄まし、『超人的聴覚』を働かせる。
それによって、
店の外から聞こえてくる『足音』と『話し声』を拾う。
ここに来る客の『種類』と『順番』を当てようとしているのだ。

  「まず『オトコひとり』」

         「ツギが『オンナふたり』」

                 「それから『オトコとオンナ』」

                        カラン

入店してきたのは、まさしくその内訳だった。

80朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/21(月) 21:25:44
>>79
「ふーむ、隠されると…ですか。
 ということはあの連絡は、村田さんの方にも…」
だが断られた、ということなんだろうと考えた。

「冒険の歴史…
 スタンドを使うようななにかが、あなたのスタンドを変えたってことでしょうかね…
 にしてもここまで変わるもんなんですねー、スタンドって…」
じっと『ドクター・ブラインド』を見ている。

「流石にいっぱいいろんなことがあったんですねー。
 まぁそこまで長くなるなら別に無理はしませんよ。
 …スタンド能力ですか?」
どこか注意深そうにアリスの動きを見ていると。

「…確かに、その通りの客が入ってきましたよ!
 それがあなたの能力ですかー…」
涙音の考えでは、彼女の能力は聴力の強化のようなものだろうと考えられる。
最もそれは能力の一端にすぎないのは涙音は知らない…

81夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/21(月) 22:08:35
>>80

「そーいうコト!!
 アリスは『ミミ』がスッゴイいいんだよ。
 ほかにも『イロイロ』あるけど、
 ゼンブみせちゃうとつまんないから、コレくらいにしとこう」

スタンドの能力は『一人一つ』とはいうものの、
『ドクター・アリス』の『出来る事』は豊富だ。
特に、『即時の情報収集』に関しては随一と言っていい。
とはいえ、『同じような能力』がない訳でもない。

「でも、『にたようなスタンド』みたコトもあったっけ。
 『おなじタイプ』っていうか…………。
 にてるけどちがうカンジ??」

『モノディ』――『ドクター・アリス』と同じように、
『超人的聴覚』を持つスタンド。
しかし、他の部分はかなり違っていたし、
発現のきっかけも異なる。
『ドクター・ブラインド』が感覚を発達させたのは、
『全盲』の本体を補助するためだった。
それに対して『モノディ』は、
本体自身の『聴覚過敏』を打ち消すために、
生み出されたスタンドだった。
まさしく『対照的』だ。

「ところでさぁ、わたしはいつも、
 『オモシロいモノ』をさがしてるんだよね〜〜〜〜」

「アリスはウサギをおいかけるでしょ。
 そんで、わたしはアリス。
 だから、わたしはウサギをおいかける!!」

「つーワケで!!なんか『オモシロいハナシ』ない??
 なんでもイイよ〜〜〜〜」

話題は変わり、いきなりの無茶振りだ!!

82朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/21(月) 22:30:42
>>81
「全部…いまのも能力の一つにすぎないってことですか…
 なかなかきになりますね…」
そう言ってうなずいた。

「ほう、似たようなスタンドがいるんですね。
 …スタンド使いもいっぱいいるようですし
 似た感じのも現れたりするかもしれませんね…」
ふと、自分の母親のスタンドのことを思い返す。
どことなく自分のスタンドと似ていたようにも思える。

「面白いものですかー…
 好奇心旺盛なんですね、…うーん?」
突然話題は面白い話を!という要求に変わった!

「急にふられると…うーん…
 夏の魔物の話か…
 それとも、以前急に現れた妙な動画の話か…」
どうやら、必死で話題になりそうなものを探しているようだ…

83夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/21(月) 22:47:44
>>82

「あ〜〜〜〜そこらヘンのハナシは、
 もうしってるんだよねぇ〜〜〜〜」

ホットミルクティーとミックスサンドを順調に減らしつつ、
こちらも少し頭の中で考える。

「じゃあじゃあ!!『ルネのママ』のハナシしてよ!!
 レンラクサキもらってるんだけど、まだあったコトないし。
 どんなヒト??」

親子でスタンド使いというのも珍しい。
自分が知っている限りでは初めてのケースだ。
興味はある。

「オヤコだから、やっぱにてるんだよね??
 たとえば『スタンド』とかも」

『フォートレス・アンダー・シージ』を見る。
こんなスタンドが涙音から出てきたというのも、
なかなか不思議に思う。
一見したところ、共通点らしいものが見当たらないからだ。

「ま!!ソレはおいといて…………。
 おもしろいエピソードとかあったらきかして!!」

84朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/21(月) 23:12:42
>>83
「あー、知ってましたか…
 ならそっちは無理そうですね…」
と考えて、首を振った。

「おかあさ…あ、ゴフッ」
思わず咳き込むような動作をしてから

「母のことを知りたいと?
 興味があるんですねー…
 私は別に構いませんけど…」
そう言ってから少し考える。

「まぁ似てるといえば似てるかもしれませんね。
 兵士っぽい外見とか、パワーもそれなりにあるところとか…」
流石に能力までは言わないが、どうやら似ているスタンドらしい。

「母はとても頼りになる人なんです。
 あと、私とは違ってかなりの幸運の持ち主です。
 おみくじをひいていい商品を手に入れるなんてしょっちゅうでして…
 そういえば、旅行券を手に入れたときの旅行では…」

「『薫衣草園』で友達と楽しく遊んだとかそういう話をしてましたね…
 不思議な体験をしたとか何とかで…」

85夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/21(月) 23:37:16
>>84

「すっごい『ラッキー』なんだ!!イイな〜〜〜〜。
 それだったら『ウサギ』もイッパイみつかりそう」

頬杖をつきながら、いかにも興味ありげに涙音の話を聞く。

「『わたしとはちがって』??」

気になったところで相槌を打つ。
言い方からして、涙音は『ツイてない』のだろうか。
もちろん、どの程度アンラッキーなのかまでは知らないが。

「ほうほう!!ソレはハジメテきいたぞ!!オモシロそう!!」

そして、『旅行の話』には、大きく関心を示した。

「『フシギなタイケン』――ココロくすぐられるコトバですな〜〜」

『アリス』は『フシギ』をもとめるモノ。
『フシギなタイケン』ときいては、だまっていられない!!
コレは『ホンニン』からチョクセツきかないとな!!

「ルネのママにつたえといてくれない??
 いつか『そのハナシきかせてほしい』って」

        パクッ

             ズズズ

最後のミックスサンドを口に放り込み、
残っているホットミルクティーを飲み干す。

「ルネ、まだジカンある??
 せっかくだし、これからどっかアソビいこうよ」
 
        「ん〜〜〜〜〜〜」

「とりあえず『ブラブラしながらかんがえる』ってのは??」

スマホと紙ナプキンをポケットに収め、今日の予定を尋ねる。
ここでの話は一段落したようだ。
問題がなければ、ぼちぼち店を出る流れになるだろう。

86朱鷺宮 涙音『フォートレス・アンダー・シージ』:2022/11/21(月) 23:54:30
>>85
「うさぎをいっぱい…?
 まさか狩る…んですか?」
よくわからない感じのようだ…

「あー、その
 まだ私はついてないというか
 まぁ不幸と言えるかもしれませんね…」
そう言って軽く自分のみぞおちのあたりを触った。
そういえばたまに涙音はみぞおちのあたりを擦る動作を見せていた…かもしれない。

「まぁ旅行の話は結構聞きましたけど…
 やっぱり本人が一番その『不思議な体験』を知ってると思いますよ。
 もっと詳しく知りたいなら母から直接聞くのがいいでしょう。」
そう言ってうなずいた。

「確かに。お伝えしておきますね。
 きっと母も色んな人に話したいと思います。」
アリスに合わせて、涙音も食べ終えたようだ。

「時間ですか?
 もちろん、今日は一日フリーにしてありますよ。
 なにかするとしたら…じゃあブラブラしながら考えましょう。」
そう言って彼女も立ち上がった。

「遊びに行くとかなら、この辺にも色々ありますからねー。」
そう言ってお代を払い始めた。
会計を済ませればすぐにでも出られるだろう。

87夢見ヶ崎明日美『ドクター・アリス』:2022/11/22(火) 17:54:38
>>86

アリスはウサギを追いかけて、不思議の国に落ちていった。
ウサギ――それは『好奇心』の象徴である。
だから、夢見ヶ崎明日美は、常に新しいウサギを探している。
自分を不思議の国にいざなってくれるからだ。
今日も、明日も、これからも。

「――――よし!!いくか!!」

支払いを終えて、店の外に出た。
『超人的聴覚』に意識を集中すると、あらゆる情報が入ってくる。
『ドクター・アリス』の能力は、こんな時にも役立つのだ。

「アッチのほうでナンかやってるみたい。いってみようぜ!!」

新たなウサギの気配を感じ、涙音を先導しつつ、
アリスは歩いていくのだった。

88花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2022/11/26(土) 02:51:24

          ガァァァァァ――――――――ンッ!!

        ガァァァァァ――――――――ンッ!!

      ガァァァァァ――――――――ンッ!!

    ガァァァァァ――――――――ンッ!!

  ガァァァァァ――――――――ンッ!!

星見町の外れにある『農園』に『五発の銃声』が鳴り響いた。

「おっと、ちっとばかり『距離』が遠かったかァ?」

       「だいぶ外しちまったな」

両手で『リボルバー』を構えているのは、
全身を『レザーファッション』で固めた『赤毛』の男。

「だが、まぁ『一発』ブチこめりゃあ十分だからよォ〜」

畑の中で、『偽死弾』の直撃を受けた小型の『イノシシ』が、
悲鳴を上げながら悶え苦しんでいる。
きっかり『4秒後』、
イノシシは何事もなかったかのように起き上がり、
一目散に畑から逃げていった。
その後姿を見送り、
『リボルバー』――『スウィート・ダーウィン』を、
手の中で回転させる。

「ハハハッ!!二度と来るんじゃねえぞォ〜〜!!」

『花菱蓮華』が、ここにいる理由。
それは『スタンド能力を使った仕事』を請け負ったからだ。
『畑を荒らすイノシシの撃退』である。
『彼もしくは彼女(>>89)』は、
『同じ仕事』を引き受けていたのかもしれない。
もしくは、『銃声』を聞いて様子を見に来たのかもしれない。

89花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2022/11/27(日) 01:44:38
>>88

「ハハハッ、さっさと逃げ出してくれて大助かりだぜェ」

             スッ

「『コイツ』でやっちまうと『後始末』が面倒だからなァ」

    ガァァァァァ――――――――ンッ!!

地面に銃口を向け、『最後の一発』を発射した。
『スウィート・ダーウィン』のリロードは、
『実弾の発砲』と同時に行われる。
逆に言えば、『実弾』がシリンダーに残っている限り、
リロードが出来ない。

「生きるか死ぬかの『デッドライン』を味わえば、
 もうここにゃあ近付いてこねえだろ」

   シャララララララァァァァァァァァァァァァァァッ

上機嫌で鼻歌を歌いながら、勢い良くシリンダーを回す。

「もっとも――――俺みたいに、
 『病み付き』になっちまうかもしれないけどよォ〜〜」

    ガァァァァァ――――――――ンッ!!

自分のこめかみに銃口を押し当て、躊躇なくトリガーを引く。
『拳銃のスタンド』というヴィジョンは、
単なる見せ掛けに過ぎない。
『スウィート・ダーウィン』の本質は、
『命』をチップにした『ロシアンルーレット』なのだ。

     「う、ごおおお………………ッ!!」

『焼死』を再現した『偽死弾』によって、
『4秒間の幻覚』の中でもがき苦しみ、のた打ち回る。
『ギリギリのスリル』を愛する花菱蓮華にとって、
それは『極上の快感』だった。
あらゆる『死因』を体感できる『スウィート・ダーウィン』は、
『究極の脱法ドラッグ』だ。

その光景を目撃した人間がいるかもしれないし、
いないかもしれない――――――。

90花菱蓮華『スウィート・ダーウィン』:2022/12/04(日) 02:19:46
>>89

ひとしきりもがき苦しんだ後、倒れたまま上体だけを起こす。

  「――――――たまんねえなぁ」

             「最高に『スウィート』だ」

その時、前方から大きなものが近付いてくるのが見えた。
『大型の猪』だ。
どうやら先程の猪の『親』らしい。

「ハハッ、ガキをやられて頭に来たか?」

      「いいぜ、来いよ」

          スチャッ

立ち上がる事なく、猪に向けて『リボルバー』を構える。

「的がデカけりゃ当たりやすいからよォ!」

     ガァァァ――――――――ンッ!!

間髪入れず『偽死弾』を撃ち込む。
だが、今回は手強かった。
巨体に似合わぬ瞬発力で軸を外され、弾丸は回避される。
そればかりではない。
足元の土を吹き飛ばし、『目潰し』を行ってきたのだ。

「クソが…………!!」

   ガァァァ――――――――ンッ!!

     ガァァァ――――――――ンッ!!

       ガァァァ――――――――ンッ!!

         ガァァァ――――――――ンッ!!

すかさず『四連射』。
しかし、命中していない。
敵の反応から、それが分かる。

        バ ッ

咄嗟に地面を転がると、その横を猪が駆け抜けた。
ギリギリで避けられたが、『次』はない。
こうしている間にも、猪が反転してくる。

  ガァァァ――――――――ンッ!!

最後に残った『一発』が発射され、
力を失った猪の体が大地に倒れ込む。

「チッ――――――」

     「『後始末』が面倒くさくなっちまったぜ」

91甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/10(土) 11:02:45
ここは星見町…ではない

今、あま公は星見を離れて>>92と旅行に来ている
その旅行先とは…

92円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/10(土) 23:58:00
>>91

師走の冷えた風が吹き、隣の少女は大げさに帽子を手で押さえた。
前をしっかり閉めた厚手のパーカーで、身は震えずに済んでいる。

「うわーっやばーい! みてみてみてー天音ちゃーん!
 これ、緑だけど抹茶ソフトじゃなくってわさびソフトだって!
 辛いのかなー!? ぜんぜん味の想像つかなーい! あはーっ」

        「あ! 普通の抹茶ソフトもある!
         食べ比べたら頭わけわかんなくなりそーっ」

あくまで高校生の小旅行だ。
多少頭のネジがぶっ飛んでいたって、
それほど無茶な行き先にはならない。

「あーでもでも、スイーツだけじゃなくってお土産も探さなきゃ!
 パパとママはなくて良いよって言うけどー、なかったら絶対落ち込んじゃいまーす」

        ――――S県I市。
        温泉と景勝地に恵まれた観光都市。
        名物はぶどうではなく、『わさび』

いつもの町を飛び出し市すら超えている。これは快挙といっていい。
なんで来たのか、なんでセララを連れて来たのかはこれから分かる……かもしれない。

    「ねえねえ天音ちゃん天音ちゃん!
     なんか面白そうなの見つけましたー?」

…………わからないならわからないで、それも青春の1ページだ。

93ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2022/12/11(日) 05:14:00
>>91-92

『旅行』に来た二人は、『それ』を見たかもしれない。

      ――――――プカァ

海か川か湖か。
厳密な場所は別として、ともかく『水面に浮かんでいる』。
遠目からなので分かりにくいが、『毛むくじゃらの生き物』だ。
どこかで見たような気もした。
しかし、場所を考えると『別人』かもしれない。

                 「ミャー」

風の音に混じって、微かに『鳴き声』が聞こえた。

    スィィィ――――…………

やがて、二人の視界の中で、
『野生のラッコ』は静かに流れ去っていく…………。

94甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/11(日) 14:59:08
>>92
風が吹いて来た、という事はここは屋外か
こんな寒い時期に外でソフトクリーム食べる奴なんているのだろうか
風邪引いたりしないか?
いや、屋内に入って食べるのか

ここはS県I市、名物はわさび
わさびソフトも良いが、やはりわさび丼は外せないだろう

それにしても、
わさびというとどうしても昔のわさびを連呼してたFlash動画を思い出してしまう

そんな事を考えていたら…

>>93
面白いかどうかは分からないが…見た

「…あれ」

『それ』を指差して言った

見覚えがあるかどうかと言えば、あるだろう
水族館で見た事もあるし、テレビとかでも見る事はある
が、自分が知っている個体と同じ個体かは分からない

だが、人じゃない生物に別人という表現が適切ではないという事だけははっきり分かる

ミャーという鳴き声と共に視界から緩やかにフェードアウトする謎の生物を
追い掛けるわけでもなく、静かに見送る

「ああいうのはどこにでもいるのか?」

あまの知る限りでは、ラッコは絶滅危惧種のレア生物だし
そんなにどこにでもいるものではない

95円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/11(日) 19:34:58
>>93
>>94

通りにはいくつか観光客向けの店が並んでいる。
かなりミーハーな観光スポット、って感じではあるが……
実際、少なくともセララはI市の玄人でもないしそんなものだろう。

「え! あった? さっすが天音ちゃん、面白いもの見つけるの上手ーい!
 で、なになに…………えーっ、うそーっ、ここにもラッコー!?
 町にいた子とは別ですよねー? 最近けっこういるのかなー!?」

川と隔てる柵にしがみついて、流れていく毛玉を見送る。
とはいえ……『ラッコ騒ぎ』は夏がピーク。もう珍しい物でもない。

「あはーっ、まーでも、ラッコよりワサビだよネ天音ちゃん」

        「ラッコはもう行っちゃったけど、
         ワサビはほら!どっち向いてもあるし!」

見かけたら嬉しいが、旅には添え物でしかないだろう。
セララはくるりと回って、それから視線を止めた。

「お昼もまだだもんねーっ。ねえねえ、この辺でどっか入ろ?
 あたしソフトクリーム見てたらお腹空いてきちゃいましたーっ」

この辺……やはり観光客向けらしき食堂はいくつか見当たるが、
はたしてかの有名な『わさび丼』は置いてあるのだろうか?
あったとして、それはあま公のお眼鏡にかなう『本気』の逸品だろうか?

        ・・・鎮座するワサビを模したマスコットは何も答えない。

96甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/12(月) 15:18:51
>>95
わさびが名物というが、
そんなにわさびだらけなのか?

ワサビを模したマスコットを見る
ワサビのマスコットは可愛いのか、キモイのか
いや、可愛いとかキモイとかの基準は人によって違うだろうが

しばし飲食店を探して、丁度良さそうな食堂を見つけた
客で賑わっている…というわけでもなく
まぁ、そこそこな感じの食堂だ

食堂に入ってみると、女将が客席から見える所で料理をしている様子が見られる
料理は女将一人でやっているようだ

あま公は席に着き店員を呼びつけると、
「これ」とメニューに書かれたわさび丼を指差した

他にどんなメニューがあるだろう?
何を頼むかは円谷次第だ

97円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/12(月) 19:36:30
>>96

セララはマスコットに「変なのー!」とだけ言い、
甘城に続いて店内に入る。

「わーっ、なんか風情あるー!
 旅行に来たって感じでいいネ!
 流石天音ちゃんチョイスー!」

言うほど『風情』と言う感じでもないが、セララは周囲を見渡し、
それから帽子を取って席に着いた。

「あたしはねーっ、こっちのお蕎麦とハーフのセットにしちゃお!
 あとあと、天音ちゃーん、このわさびの天ぷらも頼んだら食べる?」

          「食べないならあたし一人で食べちゃうけどネ」

メニューを覗き込み、一品にも目を止める。
そんなワサビなら何でもあるかは分からないが、
こういう観光客に寄せた店には無茶な品も多い。
ただ、風情のかけらもないロシアンたこ焼きなどは、
流石にセララも一瞥だけして読み飛ばしたが。

「わさび巻きとかわさびうどんも気になるけど、
 炭水化物ばっかりだと太っちゃうもんねーっ。あはは!」

「あーでもでもこっちのアボカドのやつも気になるなーっ!
 天音ちゃんアボカド好きだっけ!? あたしは大好きでーす!」

気になってはいるが、メニュー自体はもう決めている。
メニューを見せ続けていると永遠に気になるかもしれない。

甘城が問題ないなら、とりあえず店員には戻ってもらえばいいだろう。

98甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/13(火) 16:22:10
>>97
「ん」

ついでにわさび茶も頼んで注文を終える
メニューを見てると、本当にわさび料理が豊富だ
こんなの頼む奴いるか?というのもあるが
観光客は物珍しさで頼んでみたくなるものだろうか

ジンギスカンキャラメルなんてゲテモノを
北海道土産で買ってく観光客とか多いし、ゲテモノも案外売れたりするのか

しばらくすると、店員が料理を乗せたお盆を持って来た
円谷の蕎麦やわさびの天ぷらが運ばれてくる
そして、あま公の前にわさび丼が置かれる

鰹節が乗せられた丼の横に、生のわさびと卸し金
ここのは自分で卸すタイプらしい

このわさび卸し、よく見ると小さく「わさび」という字が書かれている
鋼鮫という、本わさび専用のおろし板だ

あま公はわさびを手に取り、鋼鮫で擦り卸した
ただ考え無しに擦れば良いものではない
まあるく、まあるく擦り卸すのだ

ザリ… ザリ…

只只管、無心でわさびを擦り卸していると
自分は何でここでわさびを擦っているのか
何故ここに来たのか、何で無駄に生きているのか…
余計な考えが次々と湧いてくる、全く無心になれていない

99円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/13(火) 23:27:15
>>98

「うそーっ、お茶もあるの!?
 わーっよく見たらワサビのお酒とかもいっぱーい!
 ママに買って帰ったら喜ぶかなーっ!?」

周りの客達も思い思いのワサビ料理を頼んでいる。
珍しい料理を食べる事はそれだけで旅を彩る思い出だ。

       スリスリスリスリ

セララの前にもハーフサイズの丼が置かれ、
手際よくワサビをすりおろしていく。

「あはーっ、なんだかとんかつ屋さんみたいだネ。
 良いにおーい、スーパーで買うのよりフレッシュな感じ!」

ゴマをすり鉢でするような話だ。
適度な労力が飯の味をより高めてくれる――――

         コト

やがて擂り終えたワサビを皿の端に置き、
手を合わせていただきます、と言ってから。

「天音ちゃん天音ちゃん、そーいえばこの後どうする?
 あたしI市って初めてだから名所とか全然知りませーん」

         「調べてはみたけど、
          天音ちゃんどこ行きたいんだっけ!」

この後の旅程について話を振った。

甘城の中には厳密な旅のしおりがあるのだろうか?
少なくともセララはただ少し離れた町に遊びに来た程度の心構えだ。

100甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/14(水) 16:33:48
>>99
ザリ… ザリ…

わさびを只管擦り続ける作業をしていると、次第にぼーっとしてくる
そんな感じで作業をしていると

ザリィ!!!

勢い余って手を擦ってしまった

擦られたわさびに血が混入しているが、
まぁ多少の血ならそこまで問題無いだろう

血が付いた卸し金を置いて、わさびが盛られた丼に手を付ける

辛さというのにも種類があり、
唐辛子の辛さは口の中が焼けるような痛みが走る
それに対してわさびの辛さは、
ビリリと電流が流されるような感覚がする

(><)

こんな感じの顔になりながら泣きながらわさび丼を食べる
そんなに辛いならやめろよと思うかもしれないが
不思議と食べ勧める箸が止まらない

そしてやや鉄臭い血の味も混じっているが、それも良い味付けに…なってるかなぁ

少し舌を休めるために、わさび茶を手に取る

わさび茶というと、これも一見辛そうではあるが
飲んでみると、わさびすっとした香りがするが
味はとてもまろやかで仄かな甘みが感じられる

>調べてはみたけど、
>天音ちゃんどこ行きたいんだっけ!

I市は温泉が豊な土地だ
だからこの後、温泉街に行って温泉に入る予定がある
だがその前に…

「旧Aトンネルに行く」

あま公の口から告げられたのは、危険度A級の心霊スポット…!

101円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/14(水) 21:38:17
>>100

「うわーっ、天音ちゃん血出てる血出てる!
 あたし絆創膏持って来てるからちゃんと止めてくださーい!」

         スッ

絆創膏ではなく、キズパワーパッドだ。
まあ似たようなものだが。

ともかく……貼るように勧めつつ、セララも箸を取る。

「うわーっ全部からーい!
 んーでもでも、結構美味しいかも。
 良いわさびって新鮮だとこんな味なんですネ」

            ツルツルツル

    「チューブわさびで同じ事したら、
     ぜーんぜん美味しくないんだろーなー」

                ザクッ

蕎麦を啜り、天ぷらを齧り…………
セララの好物はもっとわかりやすい美味しさだったが、
旅先のテンションもあり美味しく食べられる。


「え! なになに、QAトンネル?
 知らないけどなんか面白そーっ。いいよ行こ行こ!」


安請け合いだ。

旧Aトンネル……某アニメ映画のモデルともされ、
立派な観光地だが、如何にも『ありそう』でもある。

          パシャー
 
「あはーっ、完食記念!
 この後、トンネルでもたくさん撮りまくっちゃいましょーネ」

セララはスマホを出し、自分の食べ終えた皿を撮る。
それから自撮りも1枚……望むなら甘城も撮る。
ここは観光地向けの店。写真はいつでも『歓迎』だ。

…………心霊スポットもまた、『写される』事を待っているだろう。

102甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/15(木) 16:30:13
>>101
円谷から渡されたキズパワーパッドを、言われるがままに傷口に貼る
痛みがすーっと引いて行く…わけではないが、幾分かマシになる
実はさっきから痛かったのだ
ちょっと涙が出ていたのは、わさびの辛さだけではなく
痛みに耐えていたのもあったのかもしれない

そうこうしているうちに、わさび丼を完食
丼の底には、ちょっと赤い物が付いていたが気にしなくても良いだろう

そして今は、デザートのわさびプリンを食べている
このプリン、わさびの風味がするが
プリンの甘さとレモンの果汁がわさびの辛さを打ち消している

それにしても、いくらわさびが名物だからって
ここまで全部わさび製品ばかり食べているのはどうなんだ

「うん」

完食記念の撮影で丼を持ち上げるあま公
その丼には、やはり血痕が付着している
こんな物を撮って気持ち悪くならないか?

食事も済ませ、そろそろ次の目的地…旧Aトンネルに行こう

会計時に、お土産コーナーに置かれていたわさびのマスコットをなんとなく買ってみた
わさびのマスコットというと…どういうのなんだ
わさビーフの旧マスコットの牛みたいなのなら可愛いかもしれない
今の豚みたいなわけわからん奴は可愛くないが

103円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/16(金) 19:10:52
>>101

「なんかねー、潤う?から傷にいいんだってそれ!
 一応持ってきといてよかったーっ。早く治ると良いネ」

        ズズーッ

そばを音を立てて啜り終え、
先に頼んでいたわさびクリームサンドとお茶で一服。

「おんなじわさびばっかりなのに、
 なんか飽きない感じ。
 あはーっ、3食これなら飽きるだろうけど!」

           「I市の名物は他にもあるもんね!
            例えば例えば、えーと、海鮮?」

メニューももちろんわさびしか無かったわけではない。
わさびだけを選んだ……選んだからこそ意味がある。

「あ! 天音ちゃん変なの買ってるー!!
 あたしも買っちゃお、同じのもう一つくださーい!」

わさびマスコットは……わさびそのものだ。
そこに顔と手足がある。安直極まりない。
ただ……実在の『S県ゆるキャラ』の逆鱗に触れそうなので、
この件については、追及はこのあたりまでにしておこう。

「は―食べた食べたーっ! 美味しかったね、御馳走様でしたーっ」

             「それで天音ちゃーん。
              キューエートンネルはどう行くんだっけ!
              レンタサイクルさっきあったけど借りちゃう?」

旧Aトンネルはアクセスの悪さでも有名だが……
幸い、二人は元気があり余った若者だ。行く方法は無限にあるだろう。

104甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/17(土) 16:34:34
>>103
わさびそのものなマスコット…
記念に買ってみたものの、後になって
「何故こんな物を買ってしまったのか」と
後になって後悔する事になるやつかもしれない

「んん…」

旧Aトンネルまでは少々距離もあり、徒歩で行くのは厳しい
タクシーに乗るという選択肢もあるが
折角観光に来たので、色々と見て回ってみたいだろう

自転車をレンタルして旧Aトンネルまで向かう二人
道中、I市の景色やら何やらを色々見て回るが
何か変わった事があったならダイジェストで流しても良いかもしれない

そして今、旧Aトンネル前にいる…
正式名称、A隧道
このトンネルを自動車が通ると、手形がべったりと張り付いている等の話がわんさかある
苔むしていて、ひんやり冷たい空気が漂っている…
確かに、何かありそうと言われればありそうだ

懐中電灯を構えて、中へと入って行く
果たして、中には何かあるだろうか…

105円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/18(日) 17:39:27
>>109

「あはーーーっ、すっごい景色! 星見町よりずっと広ーい!!」

I市の景色は長閑なもので、
寒さも自転車を漕ぐ内に涼しさに言い換えられる。

     旧AトンネルはI市の中心辺りにあり、
     そこに向かう道はそれ自体が観光。
     地元の道を走るのでは得られない体験だ。
     友達との旅行なら、なおさら。

               ・ ・ ・ そして。

        ゴ ォォォォ ォォォ 

通行の役目を譲ってなお観光地としてI市を支えるこのトンネル。
この時間帯には他の観光客も見当たらず、物々しく静謐な雰囲気が漂う。

「疲れたーっ。こんなに自転車乗ったの久しぶり!
 それで天音ちゃん天音ちゃん、
 これがキューエートンネルでいいの?」

「なんかすごいですネ。近くのトンネルより神秘的な感じーっ」

苔むしたその外壁をしげしげと眺めていたが、
甘城が突入すると特に躊躇もなくそれに続く。

「わーっ中入ると涼しーっ。なんかすっごく冒険って感じだねー!」

一見すると古びたトンネル…………にしか見えないが、
果たして数々の伝説は全て噂に過ぎないのだろうか?

…………もっとも、何も出て来なくてもそれはそれで良い思い出かもしれないが。

106『旧Aトンネルの怪異』:2022/12/19(月) 06:34:16
>>104-105

歴史を感じさせるトンネルの内部に足を踏み入れると、
冷たい空気が全身を包み込む。
『人間以外の何か』が出たとしても、決しておかしくはない。
この非日常的な場所には、そういった雰囲気が漂っている。

《――――…………》

耳を澄ますと、闇の奥から何かが聞こえる。
『風の音』だろうか?
いや、違う。

《………………『死ねば良かったのに』………………》

それは『人の声』だった。
奈落の底から響いてくるような恨みの篭った女の声だ。
観光地に人が来るのは当然としても、
内容や声色は不気味そのもの。

107甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/19(月) 16:23:18
>>105
暗くて静かなトンネルの中に足を踏み入れる
中は少し湿っているようで
ひんやりとした冷気を感じる…霊気か?

夏ならば、このひんやりとした感じも悪くはないが
ただでさえ寒い冬に、この冷たい空気は体に毒と言える
冷気が体を蝕み、体温が奪われていく…

懐中電灯で辺りを照らすと、
外観とはまた違う雰囲気が漂う光景が見られる
歴史を感じさせる古い壁は、不気味さを感じさせると同時に
齢を重ねたそれ特有の、荘厳さや美しさといったものがある

しばし、それを眺めながら歩いていると…

>>106
「何か言った?」

聞き間違いか幻聴か?
いや、今のははっきりと聞こえた「人の声」だ
よく聞いている円谷の声でない事も確かだ

何が死ねば良かったというのだろう?
そんな事は無関係な自分がいくら考えたって分かるわけがない

少し辺りを見回して見ると、壁に顔のような染みを発見する
シミュラクラ現象というものだ
3つの点が集まれば、人はそれを顔と認識してしまう錯覚である
世の中の心霊写真の大半は、このシミュラクラ現象だ

この染みを顔のように認識してしまうのも
心霊スポットという場所だからか、そういう心理が働くからかもしれない

この壁の染みを、なんとはなしにスマホで撮影してみる

108円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/19(月) 19:25:51
>>106
>>107

     「わっ! 天音ちゃんってば……」

不気味な声に思わず周囲を見渡す。
甘城ならやりそうな悪戯だと思い、声をかけるが……

「え、あたしー!? ナイナイ、何も言ってないでーす!
 だって、あたしだったら天音ちゃんに聞こえるように言うよ」

       「天音ちゃんでもないよね?
        なんか不気味ーっ。
        誰かのイタズラかなー!?
        死んでいい事なんか何もないのにネ」

     スッ

        ―シャリリリリ

「変な人かもだしー、そうだったらやっつけちゃお!」

『リトル・スウィング』を念のため発現して、
その輪っかを一つだけ手に持っておく。

「もしもーし、誰かいるんですかーーーーーーっ」

先制攻撃を仕掛けるほど戦いは好きでもない。
やったら誰にでも勝てるとしても。

「あ! 天音ちゃん、撮った写真あとでラインしてネ」

甘城にそんな声をかけてから、周囲をもう一度見渡してみる。

109『旧Aトンネルの怪異』⇒???『???』:2022/12/20(火) 05:13:31
>>107-108

闇の中から聞こえてきた声は、
甘城のものでも円谷のものでもなかった。
もっと年上の成人女性の声だ。
確かに、『悪戯』にしてはタチが悪い。

      ヒッタ 

              ヒッタ 

                      ヒッタ 

円谷の呼び掛けに応じてか、『足音』が近付いてくる。
しかし、これも妙だった。
靴底が地面を踏む音ではないのだ。
『裸足』なのだろうか?
何とも説明しづらいが、奇妙な響きだ。

《………………『もう少しだったのに』………………》

だんだん声が鮮明に届くようになってきて――――――。

《で、『後ろを振り向いたらいなくなってる』ってヤツ!
 そういう話ありますよね〜!》

いかにも『恨めしそうな声』が、
突如として『賑やかな女性の声』に変わった。

《別バージョンとしては、
 ちゃんといるんだけど『記憶が飛んでる』とか?
 どっちが怖いですかね?そりゃ誰もいない方でしょ!
 って思うんですけど、誰かいたらいたで、
 それも怖いんですよ》
 
《ほら、『生きてる人間が一番怖い系』の。
 『覚えてない』と見せかけて、
 実は『事故に遭わせる気だった』とか。
 うわ、こわ〜い!コレ一番ヤバくないですか?》

二人とも何となく分かる。
この音声は『ラジオ』だ。
『S県I市』の放送が流れているのだろう。
しかし、ただでさえ山の中で電波が入りにくい。
おまけにトンネル内という状況では、
普通は『受信困難』のはずだった。

              「ミャッ」

110甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/20(火) 16:23:05
>>108-109
スタンドを出して謎の声の主への迎撃の姿勢を見せる円谷
そんな円谷を見ながら、声の主を探してみる

…ラジオ?
ここでラジオを流しているのか

こんな所で聞いているのも妙だが
この時期に怪談話をしている内容も若干時期外れで変な内容だ
いや、別にいつ怪談話をしようが、そんなのはその番組の勝手だが

>              「ミャッ」
「…」

これは、ラジオの音声か?
多分違うだろうし、人の声でもない

こんな山に、あの動物がいるとは思えない
思えないが…

何か聞き覚えがあるような小動物らしき声の方へスマホを向けて
その姿を撮影してみる

撮れるのは心霊写真か?それとも…

111円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/21(水) 16:16:23
>>109
>>110

「あはーっ、なーんだ!
 誰かがラジオ聞いてるだけみたいだネ天音ちゃん」

セララはラジオの仕組みに詳しく無い。
『音声コンテンツの一つ』くらきの認識だ。
外で聴くのは珍しいとは思うが…………

「確かにここで聴いたら雰囲気ありそうだもんねーっ。
 あたし大声出してお邪魔してごめんね!」

    「あ! でもでも、足音はなんか変な気が――」

謎は解けたかに思われたが、
『謎の足音』はラジオらしくない。

   セララは足音の方に顔を向ける――――と。


「あれ! 今の声!
 あたしどこかで聞いた気がしまーす。天音ちゃんはある?
 ヒントはねーっ、天音ちゃんが今日も一回見てる動物! 」

      スタスタスター

          「まあネコとかかもしれないけどネ。
           怖い人じゃなきゃ怖い事なんてないからいいや!」


聞こえて来た鳴き声に、向けた顔はそのまま足を進めていく。

112ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2022/12/21(水) 17:31:00
>>110-111

甘城が持つ懐中電灯の光に照らされて、
『声の主』の姿が浮かび上がる。

           「ミャア」

全身が毛皮に覆われた小型の海獣――『ラッコ』である。
『人間以外の何か』ではあったが、
いかにも『出そう』な雰囲気に反して、
幽霊の類ではなかった。
現実というのは案外こんなものかもしれない。

  『ラッコが山中のトンネルにいる』という謎は除いて。

            パシャッ

写真は無事に撮影された。
古びたトンネルの中に佇むラッコという、
恐ろしくミスマッチでシュールな絵面が出来上がっている。
心霊写真よりも目にする機会は少ないだろう。

     ザァァァァァァァァァァァァァァァッ

そして、ラッコの周囲を、
『人型スタンド』が乗る『ボート』が回っていた。
いつだったか、
公園で七面鳥とキャッチボールしていた甘城は、
それを見た事がある。
忘れていたとしても、それはそれで。

《途中から聴いてる方のために説明しますと、
 当番組では『真冬の怪談スペシャル』を放送中です。
 『コタツで食べるアイス』みたいなアレですよ。
 『わざびソフト』でなくてもいいですけどね!》

『ボート』には『ラジオ』が積んであった。
ステレオスピーカーとロッドアンテナを備えた、
『ラジカセ』を思わせるレトロなデザインだ。
先程からの音声は、ここから流れていたらしい。

         ヒッタ ヒッタ ヒッタ

二人がいる方向に向かって、
低速(スD)で近付いていくラッコ。
『ボート』の全長は『3m』で、全幅は『1.2m』。
トンネルの中だと、多分ジャマになりそうな気がする。

113甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/22(木) 18:06:38
>>111-112
答え合わせ
「ラッコ」

            パシャッ

これが霊的存在の類だったなら、
某ゲームのように撮影をする事でダメージを与えられたかもしれない

だが居たのはラッコだ
この写真どうしようか?
SNSにアップしたとしてもコラにしか見えないだろ
意味不明である意味心霊写真よりも怖い

そしてこのラッコ…
七面鳥とキャッチボールをした時の個体と同一個体である事が
ラッコの周囲を巡回する船のスタンドを見て理解する

星見町からここまで来たのか!?
そして何故ばったり出くわすのか…

「最初に言っておくけど私は妄想癖でも総合失調症でも病気でもなんでもない」

「最近ラッコの忍者に狙われてる。」

というのは冗談だが
ラッコが猫の忍者のように自分を付け狙っているわけではないだろう
マジでわけ分からん偶然だが、何度も変な所でこのラッコと遭遇するのは何なんだ?

ラッコがヒタヒタ近付いてくる
このボート、確かボールを串刺しにするくらいには危険だった気がするが
何故ラッコは近付いてくるのか?
遊んでほしいのか?別の目的があるのか?
それとも別に、こっちには用は無く、たまたま進路上に自分がいるだけなのか?

いや、ひょっとして餌を寄越せと脅迫しているのか?
仮にそうだとしても、野生動物に無関任に餌付けをするのはどうなのか?
さて、ラッコに何かやれそうな物はないかとポケットを弄ると
わさびのマスコットが出て来た
これをラッコにやろうか?ラッコがこんな物貰って喜ぶかは…微妙だが

すっ、とマスコットをラッコに差し出してみる

ちなみに後で知った事だが、このマスコット魔除けの効果があるらしい
わさびの殺菌効果がどうだこうだだとか

114円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/23(金) 17:07:14
>>113
>>114

「やっぱりー! でもでも、さっきとは別の子かな?
 あたし達自転車でだいぶ頑張ったもんねー!!」

ラッコは川を経由できる分もあるし、
食事の時間もあるので実際は計算は合うはずだ。

      水辺に特化した進化を遂げた生き物が、
      山にわざわざ来た理由は置いておく。

「あはは! この子って忍者なのー!?
 天音ちゃんってばいっつも面白ーい……

      …………かなーって思ったけど」

   「とりあえず普通のラッコじゃないですネ」

        シュリリリリリリリ

『二輪目』を取り外し、頭上に浮かべる。
『一輪目』は前方0.5mに浮かべておく。

「天音ちゃん天音ちゃん! このボートって危ないやつだと思うー!?」

もちろん問答無用で攻撃なんて事はないが……この状況、少々剣呑だ。

115<削除>:<削除>
<削除>

116ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2022/12/24(土) 07:37:55
>>113-114

疑問点は多いが、確実な事は一つだけ。
ここに『ラッコがいる』という事だ。
そして、海獣は人間達に近付いていく。

     「ミャー」

わさびマスコットの匂いを嗅ぐラッコ。
その間に『ボート』は消えていた。
なぜ出していたのかというと、二人が来る前に何かがあり、
そのために必要だったのかもしれない。

           ヒョイッ

差し出されたマスコットを受け取り、
『一輪目』の中央に放り投げる。
『輪投げ』の逆バージョンのような形だった。
目の前の状況を見て、そういう遊びだと思ったのだろうか。

              ――――――ポトッ

『輪』を潜り抜けたマスコットが地面に落下する。

117甘城天音『ビター・スウィート・シンフォニー』:2022/12/24(土) 16:11:14
>>114-116
「危ない奴」
「前にボールを串刺しにしてた」

ボートが危ない奴かどうかという質問に
この前キャッチボールをした時の記憶から答える
危ないかどうかで言えば絶対危ない奴だろう

そのボートは今は消えているが…
じゃあ今は絶対安全か?というと分からない
何かの拍子にまた出て来るかもしれないし
そもそもラッコという動物そのものがそこそこ危険生物だ
本当なら不用意に近付くべきではないし、保健所辺りに通報するべきかもしれない

マスコットがラッコに放り投げられて輪を通過して落ちるのを見る

「…」

何なんだこれは?
ラッコはこれ、楽しいのか?
ここから…どうすればいいんだ!?
どう収拾着ければいいんだ!?

冷たいコンクリートの上に転がる哀れなマスコットを拾い上げ
再びラッコに投げ渡してみる

「何がしたいの?」

返ってくるはずもないだろうが、ラッコに問いかける
ラッコからしたらお前こそ何がしたいんだって感じかもしれないが

118円谷 世良楽『リトル・スウィング』:2022/12/24(土) 20:57:34
>>116-117

「串刺し―っ!? なにそれ、やばーい!
 ってあれ、いなくなっちゃった!
 いなくなったってことは、危なくないってコト?」

より厳密にセララの意図を言うなら、
『危険はないとアピールされている』――という判断だ。
つまり、『武装解除』。

「あれーっ投げちゃった。いらないみた――――」

            スポッ

投げられたマスコットを見て笑うが、
それが自分の輪を通り抜け……

「えー!? かわいいーっ。
 なになに、この子って水族館の子なのかなーっ!?」

        「でも水族館ってラッコの芸なんかしたっけ?
         イルカとかアシカなら知ってるけど」

『ラッコが楽しむ遊び』ではなく、
『自分達を楽しませる芸』だと言うのがセララの発想だ。

「ねえねえ天音ちゃん、もしかしておやつとか欲しいんじゃないでしょーか!」

         「ラッコってホタテ食べるんだよね?
          あたしラムネしか持ってないなー!
          身体に悪いかな?」

リュックを漁りながら、ラッコと甘城の動向を見守る…………

119ラッコ『ハッピー・スタッフ』:2022/12/25(日) 09:11:00
>>117-118

ラッコを含めた多くの動物から見れば、
地球上に人間より危険な存在はいないだろう。
様々な理由で、数え切れない生物を滅ぼしてきた。
毛皮目当てに乱獲されたラッコも、
人の手で大きく数を減らしている。

                 「ミャッ」

そんな歴史を知ってか知らずか、
甘城が投げてきたマスコットを、器用にキャッチするラッコ。

            ゴソッ

そして、ラッコは『ポケット』に前足を差し入れた。
左前足の下辺りに、ポケット状の構造があるのだ。
正確に言うと、そういう器官ではなく、
毛皮の余った部分を有効活用しているのだが。

       コト

地面に置かれたのは『シーグラス』だ。
何年も掛けて波に揉まれ、角が取れたガラスの小片である。
わさびマスコットと同じく、鮮やかな緑色だった。

            「ミャー」

意図は不明だが、旅行の思い出の一つとして、
もらっておいてもいいのかもしれない。


新着レスの表示


名前: E-mail(省略可)

※書き込む際の注意事項はこちら

※画像アップローダーはこちら

(画像を表示できるのは「画像リンクのサムネイル表示」がオンの掲示板に限ります)

掲示板管理者へ連絡 無料レンタル掲示板