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【場】『自由の場』 その3

58鉄 夕立『シヴァルリー』&『C・セッション』:2022/11/09(水) 21:39:42
>>57

「そこで『飛び入り』できるキミの度胸は流石だな」

自分のように、常日頃から相手と戦うことに慣れている人間ならともかく
普通の人間なら、突然目の前の相手と全力で戦う場を用意されたとして、物怖じしてもおかしくない。
いや、そこで一歩前に踏み出せるような人間だからこそ、『スタンド』に目覚めていたのか。
運命とは数奇なものである。

「ははは。まぁ『侍』も『警察官』も、時代以外にそこまで大きな違いはないさ」
「国に仕えて働くという点は共通しているからな」

勿論正確な話をしようとするなら違いは幾つかあるが、それはアリスにおいてもこの場においても必要ない説明だろう。
願わくば、彼女の期待を裏切らない立派な警察官になりたいものだ。

「ありがとう。アリスの願いもきっと叶うさ」
「キミには好奇心に行動力、そして人を惹きつける力がある。
 『ジャーナリスト』のようなそんな仕事も、アリスには天職だと思っている」
「将来、またキミの旅の話を聞ける時を楽しみにしているよ」

世辞でも誇張でもなく、本心からの言葉だ。
例えどんな場所でもどんな国でも、彼女ならきっと上手くやっていけると信じている。
喉を鳴らす『チェシャ』に、にこりと笑いかけそっと頬?を撫でた。

「その分、『ヴォーパル』の活躍を期待しているさ」
「『フーヴィアン派』…ああ、先の一件では色々と世話になったところだな。
 お礼も兼ねて、機会があれば是非観戦させてもらおう」

そう言って支払いを済ませたところで、『アリス』から新たな提案が出た。
曰く、一緒に買い物に行かないか、と。これには思わず戸惑ってしまう。
身体が油の差していないロボットのようにぎこちなく動く。

「い、いや、それは………」

たった今話した、『夏の魔物』の際は、確かに彼女と買い物に出掛けた。
だがそれは人命を救助する為に、言わば必要だからと任務を帯びて行ったようなものだ。
しかし今から行くそれは、完全に私用である。それでいて、年頃の男女が共に行くというのは、何とも。

「─────」

しかし彼女の屈託のない笑みを見ていると、そんな邪な心が思い過ごしである事にすぐに気がつく。
意識しているのは自分だけという事だろう。それならば、友としてアリスの申し出は喜んで受け取るべきだ。

「…そうだな。キミのお眼鏡に敵う程の店だ、物珍しい品が置いてあるんだろう」
「行こうか、アリス」

日曜日の午後は、まだ始まったばかりだ。


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