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鉄道ネタ

1キラーカーン:2009/10/20(火) 00:28:26
床屋政談(航空機と新幹線)

 今回は、視点をガラッと変えて、新幹線他の交通政策です。

 最近、整備新幹線の着工に関する記事があり、北海道新幹線をとりあえず「スーパー特急」方式で着工すべきという意見に対する反対意見(=フル規格へのこだわり)があったとのことです。
 ということで、まず、各種新幹線の方式のおさらいです。世上言われている新幹線には「かつて」4種類ありました。つまり
1 フル規格新幹線(東海道、山陽、東北、上越、九州)
2 標準軌新線(北陸(長野))
3 ミニ新幹線
4 スーパー特急
の4つです。このうち、2の「標準軌新線」は事実上の「簡易フル規格」というべきものですが、今では、1の「フル規格」に含められ(事実上同じ規格の現九州新幹線も「フル規格」といわれている)、現在では3種類です。このほかに、「逆ミニ新幹線」というべき「フリーゲージ・トレイン」という別解が研究中です。

 で、正規の新幹線の定義は「主たる区間を200キロメートル毎時以上の速度で走行できる幹線鉄道」というものです(by新幹線整備法)。しかし、事実上の新幹線の定義は、「主たる区間を200キロメートル毎時以上の速度で走行できる幹線鉄道」で標準軌(軌間1435mm)であるもの(その派生的なものとして「踏切がない」、「全線高架」といったことが見た目の特徴となります)とされています(改正前の新幹線特例法で「東京都と大阪府とを連絡する日本国有鉄道の幹線鉄道であって、その軌間が一・四三五メートルであるもの」を「東海道新幹線鉄道」と定義されていたため。現在ではこの条文は削除)。したがって、上記「2」の標準軌新線もこの定義を満たすので現在ではフル規格新幹線と同じものとして扱われています。で、法律上に該当する新幹線は上記の「1」、「2」、「4」となりますが、「標準軌」という制限(と「主たる区間」の解釈による問題?)から、「4」は新幹線から外れ、「1」、「2」の2つが正真正銘の新幹線ということになります。

2キラーカーン:2009/10/20(火) 00:28:59
この4つの類型の特徴は次のとおりです。
「1」のフル規格は上記の新幹線に乗ったことがある人であれば、見たままです。
「2」の標準軌新線と「1」との違いは
  ・「1」の駅が16両対応であること(「2」では8両対応の駅がある)
  ・「1」の駅には「こだま」が「のぞみ」や「ひかり」を待避できる退避線がある
  (例外:熱海駅、新神戸駅)
  ・「2」は最高速度が260km、高架ではない部分もあり
  (「1」では270km〜300km(あるいはそれ以上の)運転が可能、全線高架)
というものです。

 「3」のミニ新幹線とは在来線の線路の幅を標準軌(在来線は1067mm)に変更して新幹線の電車が在来線にも直通可能としたもので、それ以外は在来線と同じです。従って、法令、運転規則、料金制度上、ミニ新幹線区間は「在来線」として扱われます(列車(電車)に対しては「新在直通特急」という言い方がされます)。端的な例はでいえば、ミニ新幹線区間では最高速度は在来線と同じ時速130kmであり、踏み切りもあり、ミニ新幹線以外の各駅停車の電車も走っています。このことから、ミニ新幹線区間のみを利用する場合の特急料金は在来線と同じですが、「(フル)新幹線」区間とまたがって利用する場合の特急料金には、新幹線と在来線との「乗り継ぎ割引」料金を基準にした「特別の料金」が適用されます。したがって、ミニ新幹線用電車は基本的に在来線と同じ規格で作られ、大きさ(幅、長さなど)は在来線の特急電車と同じ大きさになります。

 「4」は在来線(軌間1067mm)の車両が上記「1」(または「2」)の規格で作られた線路を走る(時速200km以上)ために作られる線路です。つまり、在来線の高速バイパス線という役割を果たします。この方式の利点は、好きな区間から着工できるということです。一例を挙げれば、山越えのため、既存の線路の改修では電車の速度向上がほぼ不可能な区間において、その区間だけ新幹線並みの速度で走行できる特急用の新線(トンネル)を作って、その前後の区間はこれまでどおり在来線を使用するという方法が可能になります。
 そして、この方式で、順次着工して、前線がスーパー特急方式の線路でつながったときに、線路を新幹線用の標準軌に置き換えれば(あるいは在来線と併用)、そのまま新幹線として営業できるというものです(高速道路の部分開業を重ねて、最終的に全線開業にいたる方法と同じ)。この方式で作られた線路としては青函トンネルがあります(青函トンネルには、新幹線用の線路を引く準備がされていて、新幹線と在来線が共用できる準備ができています。新幹線が函館まで延伸すれば、青函トンネルには、勿論、新幹線電車が、200km以上で走ります)。また、北越急行と湖西線は全線高架で踏切がないため、特別の許可を得て特急が時速130km以上の最高速度で運転をしています(一般の在来線では最高速度は時速130km)ので、「準スーパー特急」方式の線路ともいえます(青函トンネル、北陸トンネル内も同様)。
 というわけで、現在開業中の九州新幹線が当初「スーパー特急」方式で開業したのはそれなりの理由がありました。というのは、鹿児島本線の熊本以南は高速化が進んでおらず、また、高速化するのにも線路を抜本的に敷き直す必要がありました。それなら、新幹線規格で新規に線路を作って、当座は在来線の特急をその線路の上に走らせて、博多から熊本まで新幹線が延びたときに新幹線用の線路に引き直せば、そのまま九州新幹線の延長線として使用できるからです(新聞記事にもあった長万部−札幌間をスーパー特急でというのもこの発想です。北海道新幹線の事前着工区間を在来線特急用専用線として先行利用しようというものです)。で、現実は博多からの延長が確実になったので、先行的にフル規格として開業したのです。

3キラーカーン:2009/10/20(火) 00:29:23
上で少し触れました「フリーゲージ・トレイン(軌間可変列車)」というものもあります。これは、ミニ新幹線が、「新幹線電車の在来線への直通」という観点から作られたものに対し、「在来線から新幹線への直通」という観点で作られたものです。「フリーゲージ・トレイン」の本来の意義は特殊な台車を使うことにより、「異なる軌間(例:新幹線⇔在来線、京浜急行⇔東京急行、阪急⇔南海)」の間を直通できる鉄道という意味です。有名な例が、フランスとスペインとの間を走る「タルゴ」という列車です(但し、タルゴ本来の意味は「(特殊な車両構造の)軽量客車」というくらいの意味で、軌間可変機能は、その特殊な車両構造を生かした「おまけ」でしたが、現在ではその「おまけ」のほうが有名になってしまいました)。
 この方式を使えば、ミニ新幹線のように(その代償として、「在来線」との直通が不可能になります)わざわざ線路の幅を変えるという工事をしなくても新幹線と在来線との間の直通運転が可能となります。つまり、新幹線の途中駅に、在来線との連絡線と軌間変更装置をつければ、現状のミニ新幹線と同じ効果を生み出すことができます。また、在来線の特急でも、一部を新幹線の線路を走ることにより、大幅な時間短縮を図ることが可能です。例えば、大阪駅発(西明石−新山口駅間新幹線)山口行きや大阪発(西明石-博多駅(将来は新鳥栖駅)間新幹線)長崎行きという特急列車の設定も可能となります。現実的な可能性として取りざたされているのは、岡山経由の高松(松山)・米子行き、小倉経由の大分行き、(整備新幹線の成り行きによっては)新鳥栖経由の長崎行きというものです。白紙的には名古屋から北陸、伊勢志摩方面への直通も考えられるのですが、東海道新幹線の運転本数が多過ぎて、乗車定員の減るフリーゲージ・トレイン(フリーゲージ・トレインも在来線区間を走る以上、ミニ新幹線と同じく、大きさは在来線の特急列車と同じになり、新幹線電車より一回り小さくなります)を走らせる余裕はないということです。

4キラーカーン:2009/10/20(火) 00:29:55
新幹線か航空機か
 新幹線の主たる競争相手は航空機です。で、鉄道VS航空機の戦いでどちらが有利になるかという一応の目安が、経験則的に「3時間」といわれています。つまり、鉄道で3時間を切る区間であれば鉄道が有利。それより遠距離であれば航空機が有利ということです。しかし、個別の例では、空港の立地条件などで前後します。
 例えば、伊丹空港、福岡空港という全国でも屈指の都心アクセスを誇る両空港を擁する(それに加えて、新大阪駅が大阪の「都心」より離れていることもあり)大阪−福岡間では、「のぞみ」が2時間30分を切っても鉄道側の苦戦は免れませんが、それよりも空港の立地条件が劣る東京−広島間では、「のぞみ」で3時間以上かかっても新幹線と航空機は互角の勝負といわれています。ちなみに、東京−福岡間では時間的な側面や福岡空港の立地もあり、新幹線は基本的に勝負になりません。
 この法則から言えば、東京−大阪間は「のぞみ」開業時で勝負がついたということになるのですが、輸送需要があまりにも多いので、新幹線、航空機、果ては高速バスまで算入しても「分け前に与れる」という状況になっています。

 この法則に照らし合わせれば、新幹線化すべきところはある程度見えてきます。現状では3時間を越えるが、新幹線化により、3時間程度あるいはそれ以下にまで時間距離が短縮できる区間ということになります。とすれば、輸送需要等からの関係上、現状での候補は
・北海道新幹線(札幌まで)
・九州新幹線(鹿児島ルート。長崎ルートは目的による)
・北陸新幹線(東京・上野−金沢)余裕があれば、北陸新幹線(新大阪・金沢)
・第二東海道新幹線(いわゆるリニア新幹線)
といういわゆる建設中の整備新幹線ということになります。その意味では、現状の整備新幹線の建設というのは間違っていません。あと、考えられるのは、上越新幹線の新潟駅からミニ新幹線あるいはフリーゲージ・トレインで(東京駅から3時間圏内まで)北上させるというところでしょう。

5キラーカーン:2009/10/20(火) 00:30:23
この中で、「三時間の法則」との観点から、一番熱いのは北海道新幹線です。羽田−千歳間の空路は世界屈指の輸送量を誇る路線であり、新千歳空港は札幌から少し離れています。また、冬季には雪の影響で飛行機の欠航や遅延ということもあるので、航空機の運行の安定性は磐石のものではありません。
 このように、新千歳空港の立地条件及び気象条件から、冬季の運行安定性も含めれば、東京−札幌間は新幹線で4時間を切れれば航空機と勝負になるのではないかといわれています。そして、勝負するに足るだけの需要もあるといわれています。また、技術的にも東京−札幌間は鉄道で4時間を切ることが可能というところまできています。

 九州新幹線については、現状でも新八代乗継で博多−鹿児島中央(旧西鹿児島駅)間は3時間を切っていますが、乗り継ぎがなくなる効果は大きなものがあります。そのため、現在でも、福岡−鹿児島間には1日10便の航空機がありますが、鹿児島空港の立地条件から、博多−鹿児島中央間の新幹線が全通すれば、航空機は勝てないでしょう。また、大阪−鹿児島間3時間40分程度になると見込まれますので、大阪−鹿児島間の直通旅客の航空機から新幹線への転移がある程度見込まれるでしょう。
 長崎ルートについては、現状の在来線でも博多までは3時間を切っていますので、対博多では新幹線化の意味はありません。大阪からの直通客を取り込むという観点からすれば、大阪−長崎間は3時間強になるでしょうから、それなりの意味はあると思います。

 北陸新幹線については、東京−金沢間が3時間を切るようになりますから、相応の意味はあると思います。そして、現状でも3時間を切っていますが、大阪-金沢間も新幹線化すれば、万が一の際の東海道新幹線の迂回路として機能します。(北陸新幹線周りで、東京−新大阪間は3時間30分から3時間45分くらいで結ばれる見込みですから、いざという時の迂回路の所要時間としてもまずまずだと思います。
 
この観点からすれば、県庁所在地(中心都市)が新幹線から少し離れている新山口−山口駅間をミニ新幹線かフリーゲージ・トレインで「新幹線化」するということもありえます。更に言えば、鹿児島中央から宮崎、小倉から大分への新幹線の直通も岡山からの(高松(、松山、徳島)、米子(、鳥取、松江)も同様の方式で新幹線が直通することも将来的には検討の俎上に上るでしょう。

 ということで、整備新幹線が開業すれば、ざっと
羽田−千歳便の半分
羽田―青森便の2/3
羽田−三沢便の2/3
羽田−小松便の2/3
大阪−長崎便の2/3
大阪−鹿児島便の2/3
福岡―鹿児島便の2/3

くらいの国内線が休止に追い込まれます。実例を挙げれば、山形新幹線の開業で、羽田−山形便は廃止に追い込まれ、羽田−秋田間では新幹線対航空便はほぼ5分5分の勝負といわれています。言い換えれば、その分羽田空港の発着枠が「開く」ということを意味します。言い換えれば、新幹線網の整備により、羽田の発着枠を空けるという副次的効果もあります。
 で、物流との観点から言えば、現状で唯一の24時間国際空港である関西国際空港にはJR在来線と南海が既に乗り入れていますが、そのJR線に貨物列車を走らせる、建設費のめどがつけば、新大阪駅の東海道新幹線の留置線から大阪湾岸に新幹線を延長して新幹線を関西国際空港に乗り入れさせ、航空貨物便は関西国際空港に集中させるという方策も「将来の夢」としてありえるかもしれません。
 よく言われているのは、アジア各地から短距離国際便を飛ばして関西国際空港をハブ空港とすべきという意見で、これは白紙的には王道を行く活用方法なのですが、そのために必要な着陸料の設定等々の「営業施策」で仁川(阪神競馬場のあるところではなく、ソウル近郊の国際空港)やシンガポールに負けているというところです。関西国際空港の都心アクセスが悪いといわれますが、実際は羽田並みのアクセスを誇っています。

6キラーカーン:2009/10/20(火) 00:30:49
伊丹、関空、神戸の3空港の将来という関西の航空政策の話ですが、個人的な意見としては
1 関空をメイン空港
2 神戸をサブ空港(LCC:低価格航空会社向け空港)
3 伊丹は首都圏災害時のバックアップ機能+関西災害時の各地からの物流拠点
ということが最適だろうと思います。
理由を以下述べます。

 現状でも関空の空港としての絶対的能力は日本で3本の指に入ります。運用時間、滑走路といった関空のカタログ上の能力は日本で1番といっても過言ではありません。
 日本の主要空港で3000m以上の滑走路を複数持っているのは関空の他には新千歳と羽田だけで、かつ、完全な24時間運用可能な空港は日本では関空だけです。部分的に24時間運用可能な空港は新千歳、羽田、中部空港(この他に那覇、北九州両空港)しかなく、しかも、空港整備や騒音の関係で24時間運用はなされていません。

 関西3空港及び日本の主要空港の滑走路は次のとおりです。
(ちなみに、関 西空港:4000m+3500mの2本)
      伊 丹空港:3000m+1800mの2本)
      神 戸空港:2500m1本)
      成 田空港:4000m+2500mの2本)
      新千歳空港:3000m+3000mの2本)
      羽 田空港:3000m×2+2500mの3本)
      中 部空港:3500m1本)
      福 岡空港:2800m1本)

空港アクセスも、関空からノンストップで行けば
関空−天王寺30分
  −なんば30分
  −梅 田45分
  −新大阪60分

は十分可能で、羽田と比べてもそんなに悪くはないです。

(ちなみに、羽田−品 川20分弱)
      羽田−浜松町20分弱)

で、東京、新宿といった都心部までであれば、関空とそんなに変わらないです。
 ただ、関空の場合、乗客の絶対数が足りないため、途中駅に止まらざるを得ない(特に「ラピート」は空港特急と通勤ライナーを兼ねないと「元が取れない」という状態にあります)ため、現行では上記の時間より10分程余計に時間がかかっています。

7キラーカーン:2009/10/20(火) 00:31:12
で、問題は、大阪北部(阪神間を含めた北摂地域)からの空港アクセスが悪くなるということです。この地域の輸送需要は新幹線に肩代わりしてもらいましょう。少なくとも、目的地が新幹線沿線であれば、大阪北部(阪神間を含めた北摂地域)から伊丹に出るのも新大阪(新神戸)に出るのもそんなに変わりはないはずです。むしろ、チェックイン等に要する時間を考慮すれば、新幹線のほうが有利です。このあたりは後述します。
 ちなみに、京都、滋賀方面からであれば新幹線を選択するでしょう(伊丹経由東京では、所要時間、料金で新幹線に勝てず、伊丹経由福岡方面では余計な乗換えと空港から都心への移動が必要になるので、これまた新幹線に勝てません。)
 国際線は、現在でも関空発着であるのでこの場合でも状況は変わりません。

 とすれば、(「沈没」問題を除いて)空港としての「基礎体力」に関して日本屈指の実力を誇る関空の能力を100%発揮させるにはどうすればよいかという問題に移ります。24時間空港という利点を生かすのであれば
・ 航空貨物
・ 深夜の乗り継ぎ便の設定
ということがまず考えられます。

 航空貨物ということからすれば、現在、東京−大阪間を貨物列車が最短6時間15分程度で結んでいます。(ちなみに、これは、東京−大阪間の在来線最速記録です。)このことからすれば、東京−関空間は7時間程度で結ぶことが可能です。これであれば、関空の新や発着枠を利用することにより、成田空港の運用停止時間(午後11時〜午前6時)の間隙を縫って東京都心部から西側の航空貨物についての「ハブ」となることもできます。

 乗客については、韓国の仁川が直接のライバルとなります。日本国内、あるいは韓国、台湾、中華人民共和国の沿岸地方の地方都市からの乗り継ぎ客を集める方策を考える必要があります。香港やシンガポールでは深夜発着便(午後11時〜午前1時)という便も結構ありますので、関空でもそのような時間帯での乗り継ぎ便を設定できるようにする必要があるでしょう。

 そのためには、着陸料の大幅な割引が必要でしょうし、関空自体を「テーマパーク」化させて関空への「観光者」を増やす。加えて(シンガポールでも行われているように)、関空での乗継客(国内、国外からの乗客を問わず)には、大阪・神戸・関西の1日ツアーを設定するというような「営業」も必要でしょう。往復の時間も入れると、4時間、6時間、1日(8時間)というコースくらいでしょうか。JRの在来線を使えば、関空−京都間は1時間半の所要時間も可能です。

 と、関空について述べてきましたが、このことから、残りの2空港の役割を逆算すると、上述のようになります。伊丹空港周辺の人には申し訳ありませんが、伊丹空港は、関空建設当時の約束として、あきらめてもらいましょう。神戸空港については、空港の能力からいっても、空港は不便だが、運賃が安い航空会社(LCC)専用として、関空と済み分けることとしましょう。

8キラーカーン:2009/10/20(火) 00:31:36
この問題を語るには鉄道アクセスなどについても語る必要があるのですが、別スレ(『JR、南海「なにわ筋新線」事業化検討再開について』)とも重複しますが、便宜上ここで述べます。
 結論から言えば、関空アクセスという観点からすれば、「なにわ筋新線」は必要ありません。JRなんば、南海汐見橋両駅ともターミナル駅としては立地条件が悪すぎます。また、JRは阪和線と大阪環状線との連絡線を複線化して、新大阪・梅田方面から関空・和歌山方面への直通本数を増やす準備をしています。
 現在、大阪環状線では、「大阪−西九条−天王寺」間の運転本数は「大阪−京橋−天王寺」の半分です。その空いたところを利用して、「はるか」、「くろしお」、「関空快速」といった環状線−阪和線直通電車が運転されています。これまで、環状線−阪和線の連絡線が単線だったため、その増発のネックとなっていたのですがそれを複線化して解消しました。(現実には天王寺駅の阪和線ホーム発着電車との調整が必要になるので、完全な解消ではありません)。これで、1時間3〜4本程度は運行できます。
 それでも、増発の余地がなくなれば、環状線−関西本線直通の快速を「おおさか東線−JR東西線」に振り替えて、増発余地を捻出する方法も残されています。
 また、梅田付近の「はるか」が通る線路も地下化される予定ですので、合わせて複線化と西九条駅の配線の改良を行えば若干のスピードアップも可能です。
 
 一方、ラピートをなにわ筋線に振り返るということは、なんば発着をあきらめるということになるので、南海にとっても不利です。もし、地下鉄で南海が北上するのであれば、なんばパークス辺りから地下にもぐる別線を作って、近鉄難波駅の真下に「別線なんば駅」を建造して、そこから北上を目指す(可能であれば、阪急と乗り入れか十三の地下まで延伸)ということくらいまでしないと南海にとってうまみはないでしょう。

 どうしても、なにわ筋新線を建設するのであれば、需要からして長堀鶴見緑地線と同じミニ地下鉄方式で、南海汐見橋線と相互直通させるくらいでしょうか。

 ちなみに、JRと南海、阪急、阪神、近鉄は直流1500V、パンダグラフ方式で、線路の幅が異なっても大阪市営地下鉄(直流750V第三軌条方式)よりは相互直通はしやすいです。(阪急の線路(標準軌)の間に狭軌の線路を引けばよいだけです。厳密には、ATCの方式もからみますがこれも解決可能です)

 今月には「阪神なんば線」が開業して、神戸と難波が直結します。これで、神戸となんばが最短で30分くらいで結ばれるでしょうから、阪神(近鉄)⇔南海(ラピート・空港急行)の乗り換えをスムーズに行く(エレベータやエスカレーターで一回上り下りすれば乗換えができる)ような駅の位置にすれば、
JR:関空−天王寺、梅田、新大阪、京都
南海:関空−なんば、神戸、奈良(+阪急)
という住み分けが可能となります。

 資金に余裕があれば、現在、新幹線新大阪駅の新神戸方にある引き上げ線を延長して、大阪湾岸から関空へ延長させるという方法(越後湯沢−ガーラ湯沢、博多−博多南方式)もあるのですがこれは「夢物語」としておきましょう。これができれば、京都はもとより、岡山(場合によっては広島)から関空へ直接乗り付けることも時間的には可能となります。更には、「ドクターイエロー(新幹線の終電から始発の間に走る保線用の特別電車)」に貨物電車を併結すれば、東京まで3時間足らずで到着できますので、関空深夜着の貨物便でも成田到着便と充分勝負になるでしょう。

9キラーカーン:2009/10/20(火) 00:32:06
この件でも有利子負債の問題が焦点となっていますが、そもそも論を言えば、もはや、事業主体が交通インフラを整備することに耐えられなくなっている時代ともいえます。その意味では、道路、鉄道、空港といった交通インフラを公共事業で整備するのはある意味正解です。

但し、完全な上下分離(インフラ整備会社と運輸会社との完全分離*後述)を目指した英国の鉄道改革は相対的な失敗例だといわれていますので、その当たりの「匙加減」をどのようにするかは問題となりますが。

最早、残念ながら、関空の有利子負債を収益で賄うことは事実上不可能でしょう(それはおそらく、成田や羽田も同じといいますか、そのレベルの空港でも高騰する日本の空港建設費の負債を賄うことは不可能というのが私の直感的結論(=いわゆる「勘」レベルですが、当たらずと言えども・・・とは思います)。

関空会社についても、建設費相当分(建設費に係る有利子負債)については、国の負担になるのか。結論としては、いつの時点でいくらになるかは分かりませんが、その時期は来るでしょう。関空と比べても比較にならないほどの国際線の需要がある成田であっても、世界最高級の着陸料を徴収し、旅行者から空港施設利用料を徴収しているのです。

ということで、海外の国際空港との競争を視野に入れた日本の航空製作という観点からは、空港整備は国(+関連地方自治体)の負担で賄い、運行会社からそれなり(建設費を賄いきれないレベル)の着陸料を徴収する「上下分離方式」へ舵を切らざるを得ないのではないでしょうか。

関空の発着量を増やすということであれば、関空便での直行便を諦め、国際便の殆どを成田経由便(例:成田⇔欧州便を関空⇔成田⇔欧州)にしてしまえばいいと思います。それなら、不採算路線の便数を増やすという航空会社の負担を軽減することができます。但し、成田経由の分、関空からの所要時間は増えますが、これまでの純然たる成田乗継よりはましでしょう。

だからといって、関空廃止、神戸空港の拡充というのは下の下策だと思います。神戸空港の(交通アクセスを含めた)立地条件では、伊丹空港は言うに及ばず、新神戸、新大阪両駅にも勝てず、更には関空にも勝てません。その上で、神戸空港の拡充に伴う(有利子)負債を拡大させようというのは問題の解決にはなりえません。

そのような資金があるのであれば、それこそ、なにわ筋新線や新大阪−関空アクセス新幹線の建設にでも振り替え、そして、そのアクセス新幹線を現在の梅田貨物線上に建設して、現在の梅田貨物駅辺りに「新幹線大阪駅」を設置する等々に投資した方がより生産的です。

有利子負債の局限という観点からは、現状の施設をどのように有効活用するか、言い換えれば、関空をどれだけ有効活用できるかということにかかっています。
ここから上下分離の解説ですが、分かりやすいので鉄道(いわゆる「路面電車」を除きます)を例にして話をします。

10キラーカーン:2009/10/20(火) 00:32:35
鉄道を敷くには国交省から免許を得る必要があるのですが、その免許には3種類あります。
第1種免許:自ら鉄道を敷いて、列車の運行を行う
第2種免許:他の会社が敷いた鉄道で列車の運行を行う
第3種免許:鉄道を敷くだけで、列車の運行は他の会社に任せるもの
(ちなみに路面電車(大阪市営地下鉄を含む)はこれとは別の許認可体系となっています)

日本では、多くの鉄道が1種免許を取得していますが、最近は、鉄道会社が線路の建設費の負担に耐え切れないことから、線路敷設(インフラ整備)会社が3種免許を取得し、運営会社が2種免許を取得する例が増えています。

最近大阪で開業した、JR東西線、京阪中之島線、阪神なんば線もこの方式で建設されています。(阪神なんば線といっても、線路や駅が阪神の所有物では「ない」。第1種免許(阪神本線)の場合は線路も駅も電車も同じ会社(阪神)の所有物)

この、インフラ整備と運行を別会社として分離することがいわゆる「上下分離方式」といわれるものです。この代表例として長年言われてきたのが神戸高速鉄道だったわけです。

神戸高速鉄道は、車両を一両も持たない、線路と駅だけを保有する(しかも殆ど地下)会社だったので、文字通り「トンネル会社」といわれたことがあります。ただ、神戸高速鉄道は、当時の法制度上(当時は、鉄道免許といえば、第1種だけで第2種、第3種免許というものはなかった)の制限と乗り入れ会社が4社なので、運賃計算上は別会社となっていることから、「線路とその上を走る電車が別会社」というのが外部からも分かりやすいのですが、上述の例では、乗り入れする鉄道が1社だけなので、運営側が第2種免許を取得して運賃計算上は「同一の会社」として扱っています。

なお、良く似たものとして「相互乗り入れ」というものがありますが、これは、単に、電車が会社の境界駅で折り返すことなく、そのまま別会社に運行していくことを指すもので、相互乗り入れ先の会社の第2種免許を取得しているわけではありません。あくまで、車両は同一ですが、運行は別会社が行っているという論理構成となっています(例、北大阪急行と地下鉄御堂筋線、阪急と地下鉄堺筋線)。したがって、運賃は通しではなく、境界駅で分割して計算されます。

そして、現在、神戸高速鉄道のような第3種免許を持っている会社は線路や駅というインフラ部分だけ整備、保有、維持して、電車の運行は、阪急、阪神、神電、山陽の各社のような第2種免許を持っている会社が行っています。注意してみれば分かりますが、相互直通の場合には境界駅で乗務員(運転士と車掌)が入れ替わります(乗務員が入れ替わらないという方式も可能です)が、第2種−第3種方式では、乗務員は入れ替わりません。

ただし、東京では、初乗り運賃の重複により運賃が割高となるのを避けるために、乗り入れ先の第2種免許を取得して運賃の通し計算を可能にしているという例があります(東京メトロ南北線白金高輪−目黒間:乗り入れる都営地下鉄が第2種免許を取得。但し、目黒から先は東急目黒線で、東京メトロ、都営地下鉄双方とも、東急目黒線の第二種免許は取得していませんので、東急目黒線との運賃の通算はできません)

と長々と話をしましたが、交通インフラの整備には多額の費用がかかることから、交通機関を問わず、このような上下分離方式の例が、最近、増えてきました。それは、道路についても建設国債という「借金」で道路も作られているという、一種の「上下分離方式」によって建設されています(道路特定財源については、建設費を自動車保有者(この場合は、バス会社や輸送会社)が実質的に負担しているので上下分離方式ではないという論理構成も可能ですが)。

11キラーカーン:2009/10/20(火) 00:33:14
関空アクセス鉄道ですが、先般、関西の財界人の集まりで、なにわ筋線の新空港アクセスの観点からも建設が必要との見解が出されたようですが、私は、その点からは懐疑的です。

確かに、梅田からの関空アクセスは良いとはいえません。「はるか」のおかげで新大阪からのアクセスの方が良いくらいです。それでも、時間がかかりすぎているという印象をもたれているので、新線を建設してということであっても、なにわ筋線ではまさに「筋が悪い」ということです。

なにわ筋線とJR、南海との接続駅はそれぞれ、JR難波(旧湊町)駅、汐見橋駅ですが、この両駅とも、立地条件の悪さから、都心ターミナル駅としての役割は既に終えています。

それでも、JRは新大阪(京都)方面は「はるか」梅田及び大阪市内はなにわ筋線を走ると思われる「関空新快速(仮称)」という振り分けが可能ですが、南海は「なんば駅」を見捨ててラピートをなにわ筋線に直通させるということは多大なリスクがあります。せっかく、阪神なんば線が開業して神戸、奈良方面の旅客を取り込めるチャンスをみすみす逃すことにもなります。

それでもというのであれば、南海側は
1 岸里玉出駅でなんば発着となにわ筋線直通の「ラピート」を分割併合させる
2 「ラピート」と一般車を併結して、「ラピート」は現行の停車駅しかドアの開閉(客扱い)を行わない(一般車は空港急行停車駅でドアの開閉を行う)=現行の「サザン」方式の変形を行い、現行の「ラピート」、「空港急行」を2分割して、なんば方面となにわ筋線方面とに振り分ける
という施策を迫られます。どちらの方策を採るにしても、岸里玉出駅の大改良工事が必要(現在は汐見橋支線と南海本線との相互乗り入れは不可能な構造になっています)。
現実的なのは、「2」だと思いますが。

一方、JR側といえば、なにわ筋線に電車を振り分けなければならないほど大阪環状線(天王寺−西九条−大阪)が混雑しているわけではありません。また、阪和線⇔大阪環状線の連絡線を複線化して直通電車の増発に備えています。更にいえば、奈良−天王寺−大阪−(この間各駅停車)−天王寺という直通快速を関西本線(奈良−加美)⇔おおさか東線⇔JR東西線というルートに振り替えて、関空−大阪(新大阪)間の電車の増発余地を捻出することも可能になりました。

ついでに言えば、JRをなにわ筋線に直通させるということはその分天王寺−新今宮間の電車本数がその分純増になります。その観点から言っても、関空−阪和線−関西線−JRなんば−なにわ筋線というのはJRにとってうまみがあるとも思えません。

大阪市内の南北方向の交通という観点からなにわ筋線は必要なのかもしれませんが、関空アクセス鉄道という観点からすれば、現行の手直しで何とかなると思います。それでもというのであれば、大阪(梅田)駅から関空へのアクセス時間を劇的に短縮するとともに、南海との相互直通は実現して更には阪急(宝塚線)との直通も視野に入れるということしかないでしょう。

阪急と南海では、線路の幅以外は克服できる差ですから、極論すれば、なにわ筋線に阪急用と南海用と都合4本のレールを敷設すればよいだけです。ちなみに空港アクセスも、関空からノンストップで行けば
関空−天王寺30分
  −なんば30分
  −梅 田45分
  −新大阪60分
位は現状でも十分可能です。

 また、「山形新幹線」開業当時の調査によれば、乗り換え1回の負担は乗車時間に換算して15分〜30分程度とのことですので,乗換えを無くすだけ(≒相互直通)でもかなりの効果があります。その意味で阪神なんば線の開業は神戸−関空間の移動(つまり、関空着の外国人観光客への「観光地」神戸へのアクセス改善)について神戸のチャンスだと思います。

12キラーカーン:2009/10/20(火) 00:33:53
結論を言えば、関空の機能を神戸で肩代わりするには現在の2500m級滑走路では不可能です。つまり、国内線専用空港として建設された神戸空港は国際空港として建設された関空の代替機能を持っていない。したがって、神戸空港の動向に関係なく、関空は存続させざるを得ない。

関空は現状の設備で30年持てば上等でしょう。それだけの期間が経過すれば、関空に関して何らかの「抜本的対策」を考えざるを得ませんから。したがって、「沈没」が問題であれば、解決策を練るだけの時間は十分にあり、現状では主要な問題としなくてもよいと思います。

確認しておきますが、日本における主要空港(含神戸空港)の滑走路は次のようになっています。
関 西空港:4000m+3500mの2本
伊 丹空港:3000m+1800mの2本
神 戸空港:2500m1本
成 田空港:4000m+2500mの2本
新千歳空港:3000m×2の2本
羽 田空港:3000m×2+2500mの3本
中 部空港:3500m1本
となっています。

ジャンボやA380というような大型機の運用(代表例:747、777、A380)やわが国からノンストップで運行している最長距離になる米国東海岸(ニューヨーク、ワシントンなど)、欧州直行便の運行を念頭に置けば、わが国を代表する国際空港の滑走路の長さは3500m以上欲しいところです。

この時点で2500mの滑走路しか持たない神戸空港はすでに能力不足です。ある程度の国際線を運行するためにも、最低でも3000mは欲しい。福岡(2800m)の国際線で最長路線はシンガポール便であり、現在、東南アジア以遠への直行便はありません(過去には、ニュージーランドや米国西海岸便が存在したこともある)。

13キラーカーン:2009/10/20(火) 00:34:14
ということで、当初から国際空港を目指していた成田、関空、中部各空港は3500m以上の主滑走路を擁しています。国交省が羽田の国際化を拒否している理由のひとつとして、羽田の主滑走路が3000mしかないこと(=国際線空港の主滑走路として運用可能だが万全な能力ではない)を挙げているといわれています。そして、成田の第2滑走路(2500m)も主滑走路の完全代替ではなく、近距離国際線の肩代わりを目的としています。

日本−中国、韓国、東南アジア線であれば、ジャンボやA380を使わなくても767に代表される中型機で対応可能な路線ですから2500mで何とかなりますが、大型機、欧米直行便であれば2500mでは能力不足です。それは、上述の福岡就航便を見ても明らかです。

繰り返しになりますが、関空の旅客需要を神戸で肩代わりするには現在の2500m級滑走路では不可能です。つまり、国内線専用空港として建設された神戸空港は旅客、貨物双方において、国際空港として建設された関空の主滑走路(4000m×2)の代替機能を持っていない。

また、国内線にしても、伊丹空港より悪い神戸空港の立地条件・アクセスでは、ドル箱の対東京(羽田)、対福岡便も新幹線の新大阪駅、新神戸駅相手に苦戦するのは確定的です。そもそも、東京−大阪・神戸間、大阪・神戸−福岡間で新幹線の所要時間は3時間を余裕で切っているのです。本来、伊丹空港の立地条件でも新幹線(のぞみ)相手には勝てないのですが、需要が多すぎるために航空便残っています。

新幹線と競合関係のなく、それなりの旅客も見込める札幌、那覇便(甘く見て仙台まで)であれば何とかなるでしょうが、それ以外は厳しい(本来、神戸空港の後背地として見込まれる姫路、明石方面の旅客は最寄り駅から新幹線を利用する)でしょう。

九州新幹線が鹿児島まで全線開業すれば、対福岡のみならず熊本、鹿児島でも神戸空港では劣勢に立たされます。長崎新幹線まで開業すれば、対九州で勝負できるのは宮崎(甘く見て大分)に絞られます。

14キラーカーン:2009/10/20(火) 00:34:36
ちなみに、宮崎県は鉄道、道路網が貧弱なため、対福岡であっても、長距離交通を航空に頼らざるを得ない事情があることから宮崎空港は「最強の地方空港」ともいわれています。このことが、東国原知事がなんと言われようと道路整備に熱心な理由ともなっています。

というわけで、どの道、神戸空港が関空の完全代替空港となりえない以上、神戸空港は関空は共存せざるを得なくなります。このことを前提として神戸空港が生き残る方法を考えれば、豪州のジェットスターに代表されるような近距離国際線{中国、東南アジア、豪州のLCC(低価格航空会社)}専用空港(場合によっては、国内線のLCC(スカイマーク、スターフライヤーなども含めて)として「空港は不便だが、安い航空便(国内線、国際線双方)に乗れる」空港として独自性を発揮するしかないでしょう。

伊丹空港については、近くの伊丹市に陸上自衛隊の中部方面総監部という北陸、東海、近畿、中国、四国の各地方を管轄下に置く司令部(と近畿地方を管轄におく第3師団の司令部)があることから、阪神大震災級の災害が発生した際に陸上自衛隊(大阪府庁)による臨時の災害指揮所、物流拠点(航空機、ヘリで各地に連絡が可能であり、3000mの滑走路もあるので軍用機の運用も可能です)。

場合によっては、各国からの救援物資を空輸によって直接受け入れることが可能で、そこから、自衛隊によって、空路、ヘリによって被災地に迅速に配達することもできます。さらにいえば、関東大震災級の災害が首都圏を襲ったときに、立川の防災基地も機能しなくなるという場合の「バックアップ」としても機能させることができます。

したがって、伊丹を「廃港」にし、かつ、空港機能はそのままにしても十分存在意義はあります。それではあんまりということであれば、八尾空港にある自衛隊の航空部隊を移転させ、平時から運用することによって「遊休地」化を避ければよいでしょう

15キラーカーン:2009/10/20(火) 00:34:58
空港アクセスについていえば、最近の「エコ」の流れから行って、道路ではなく、鉄道整備をメインにすべきでしょう。和歌山方面からのJR、南海の乗り入れは過去に実績があり(紀勢本線の電化に伴い廃止)、和歌山市−和歌山駅間の電化をすれば、南海電車の紀勢本線乗り入れは可能です。現状でも、ディーゼルカーを使えば相互直通は可能です。

問題は、和歌山以南の紀勢本線の線形改良です。現在は、「くろしお」、「スーパーくろしお」というような急カーブが多い紀勢本線に対応した振り子電車が走っていますが、現状の線路ではこれ以上のスピードアップは困難です。ということで、カーブの多い区間については、特急専用の線路(自動車道路で言う「高速道路」あるい「バイパス線」)を作って、その区間だけは湖西線のように在来線でも160〜200kmで走行できるようにすれば、所要時間を劇的に短縮できます。特急専用であれば、単線ですみます。

理論上、この「バイパス線」を特急が15分未満で走り抜けられるのであれば(現状の在来線の最高速度で約30km、160km/h運転であれば40km未満)、上下あわせて30分に1本の特急列車を走らせることができます。単線ですむのであれば、建設費は抑えられます。また、土地単価の比較的高い市街地を買収しなくても済みます。これなら、高速道路を一から全線を整備しなくても一部の整備で済みます。

大阪市内側で言えば、資金的な問題を度外視すれば、なにわ筋線ではなく、なんばパークス辺りから南海本線の地下別線を作って、近鉄の大阪難波駅の真下に「別線なんば駅」を作って、近鉄・阪神⇔南海の乗換えを便利にする乗り換え動線を設定し、なんば以北は「第2御堂筋線」として北上して、梅田を経由して、そこから地上に出て新大阪駅に接続するということになるでしょう。

阪急と南海は線路の幅を除いてはそれほどの差はありませんので、梅田−新大阪間は、4(3)線方式によって十三から阪急の新大阪連絡線に乗り入れるという方法もありえます。なお、現在開発中の車輪の幅を変えられる「フリーゲージトレイン」が実用化されれば、文句なく直通できます。さらに「妄想」モードでいえば、新大阪から、神戸方にある引き上げ線を延長して東海道新幹線を関空まで延長するということも考えられます(博多−博多南駅方式)。

こうすれば、東京⇔新大阪間の新幹線を関空まで延長させて、米原当たりまでの旅客を奪うことは可能ですし、山陽新幹線からも乗り入れさせれば、岡山あたりまでカバーすることも可能になります(現状の配線でもそれは十分可能)。

事実上可能性はないですが、そこから、紀州新幹線、紀淡海峡を通っての四国新幹線という足がかりにもなります。(鳴門大橋は構造上、強度上新幹線用の線路を敷設することができるようになっています。瀬戸大橋も同様)

深夜に新幹線貨物列車を「ドクターイエロー」と併結すれば、関空−東京間が3時間以内で結ぶことが可能(また、新大阪駅で方向転換になりますが、神戸、博多方面からの直通も可能)となりますので、深夜に運行できない成田や羽田の間隙を縫って対東京の空輸便も扱うことが可能です。

もはや、交通インフラ(特に骨幹インフラ)は一企業でまかなえるものではありません。インフラ整備は公共負担で、運用費だけは運営会社に任せるという「上下分離」という方法に向かわざるを得ないでしょう。もちろん、建設費も償還できればそれに越したことはありませんが、それを求めるのは酷でしょう。

そのため、欧州各国の鉄道では国鉄や市営(公営)というものが多く、日本のように私鉄が発達しているところはありません(顕著な例外はスイス)。鉄道整備を民間資本に頼った米国では鉄道は斜陽産業(米国の鉄道輸送は、旅客ではなく貨物輸送のほうが主体)になっています。このため、長距離旅客鉄道部門は各私鉄から切り離され「アムトラック」という別企業体を作って運営(線路は基本的に各鉄道会社のものを使用:JR貨物方式)しています。

16キラーカーン:2009/10/20(火) 00:35:18
というわけで、南海がメリットのある形で、梅田まで延長させるにはハードルがあまりにも高いので、関空アクセス鉄道としての、なにわ筋線(を含めたJR在来線及び南海の新線整備)は必要ないというのが現在の私の見解です。南海汐見橋駅(とJRなんば駅)が都心ターミナル駅としての使命を終えている現在、南海が難波駅を見捨てて、「ラピート」をなにわ筋線に振り替えるメリットはありません。

つまり、阪急からの旅客を取り込むくらいのことをしなければ南海にとってメリットはない。そして、このような多大な投資をするのであれば、「乗換抵抗」(後述)を局限して、路線延長効果を最大限に教授できる態勢を構築しない限り南海はメリットを感じることはないでしょう。

究極的には直通で、この場合、南海の「片乗り入れ」で済みます。つまり、阪急はなにわ筋線に乗り入れる必要はない。さらにいえば、JRはなにわ筋線に「はるか」と関空快速を振り分けなければならないほど現在の路線が混雑しているわけではない。おおさか東線、JR東西線の活用も可能。

ちなみに、交通の分野では、「乗換抵抗」と言う用語がありまして、乗客の乗り換えのための負担は、時刻表上の乗り換え時間よりも長く感じる(負担に感じる)じます。
山形新幹線の場合、その「負担」分は乗車時間に換算して「30分」に相当すると言う調査結果もあります。

さらに言えば、この「乗換抵抗」があるため、航空機での所要時間が短くても、鉄道で乗換なしで3時間までの距離なら鉄道が航空機に対して優位に立てるという「鉄道3時間の法則」が成立するのです。(この場合は空港アクセスなので、厳密に言えば、この法則の守備範囲ではありませんが、「乗換がなくなる」ことの典型例です)

東京−大阪間で言えば、
航空機:所要1時間(羽田ー伊丹)
新幹線:所要2時間半(東京−新大阪)
と言うように、羽田(伊丹)までの移動(乗換)を強いられる負担は「1時間半」に相当します。

それでもというのであれば、「ラピート専用ホーム」を近鉄・阪神の難波駅の直下に新設するくらいでしょう。JRはダイヤ編成上のネックである西九条−新大阪駅の間の改良でしょう。

そのばあい、なにわ筋線は「ミニ地下鉄(=長堀鶴見緑地線:リニアモータ)」方式で建設して、建設費を安く上げ、あわせて汐見橋線もミニ地下鉄方式に変更した上で相互乗り入れし、最終的には(OTSのように)大阪地下鉄に譲渡すると言うことも視野に入れてもいいかもしれません。

17キラーカーン:2009/10/20(火) 00:35:45
関空はいわれているほど、アクセスは悪くないのも以前の投稿のとおりです。再掲しますが
関空−天王寺30分
  −なんば30分(35〜40分)
  −梅 田45分(65分)
  −新大阪60分(55分)
はノンストップであれば十分可能です(カッコ内は現状ダイヤ)。
(ちなみに、羽田−品 川20分弱)
      羽田−浜松町20分弱)

それでは、ググッた結果としての、データですが(数字はすべて「約」がつきます)

在来線単線の場合必要な空間は:幅4m、高さ5.7m
(必要であれば、「車両限界」、「建築限界」で調べてください)

建設費
在来線高速化では約22億円/km
狭軌新幹線では約47億円/km

高速道路の場合
阪和道:60億円/km
舞鶴若狭道:約65億円/km

と鉄道高速化の方が安価になる可能性は十分にあります。
また、高速道路並みの片側2車線の道路を作ろうと思えば、幅は10m(2.5m/車線)くらい必要でしょう。となれば、必要とする用地買収、トンネルの容積でも単線の方がコンパクトにできます。

道路との一体整備と言うことであれば、上下2車線の道路の中央分離帯に単線の高速新線を敷設すると言う方法もあります。これなら、鉄道側は特許で済むので、道路と一体化している部分の用地買収の経費は必要なくなります。

もう少し詳しく知りたい方は「特許線」、「免許線」で検索してください。鉄道の世界ではこの2つは明確に区別されます。前者がいわゆる路面電車の敷設・営業許可に当たるものです。ちなみに、大阪地下鉄は鉄道免許ではなく、この「特許」によって敷設されています(=大阪地下鉄は、法規上、地下を走る路面電車)。

18キラーカーン:2009/10/20(火) 00:36:05
線路の幅が同じというのは鉄道の相互直通に関するひとつの条件にしか過ぎません。例えば、線路の幅が同じ東海道新幹線と阪急電車は相互直通は不可能です。現在の鉄道において相互直通に関する主要条件は

1 車体の大きさと線路用の空間との関係
2 電化方式
3 信号(保安)方式
4 線路の幅

です。
「1」については、先日、相互乗り入れを開始した阪神と近鉄ですが、電車の大きさが異なります(阪神車:全長19m、近鉄車:全長21m)。このため、御影駅では、近鉄の車両が同駅を通過する際に同駅に「触れない」ことを確認しています

(停車させる場合には、ホームと電車との間が開きすぎて危険な状態となるため、事実上、近鉄車が御影駅に停車することは不可能なため、近鉄に乗り入れる快速急行は御影駅を通過します)。

「2」については、阪急をはじめとする関西大手私鉄及びJR在来線は直流1500v、東海道新幹線は交流25000v(60Hz)ということで、新幹線の線路上では、阪急電車のモーターは動きません。その逆も然りです

「3」については、JR福知山線の尼崎駅付近での事故で有名になった「新型ATS」というものがありますが(正式には「ATS−P」といいます)、この方式に対応していない電車は新型ATSの区間には乗り入れできません。

これらの理由から、単に線路の幅が同じというだけでは車両の相互直通は無理で、「相互直通専用の電車」を決めています(他には、地下線を走る場合には、電車の前面に「避難用の扉」をつけること、実際上の理由としては、他の電車の足手まといにならない程度の性能を持つこと等々があります)。

つまり、
・ 上記「1」「2」、「3」が異なり「4」だけが同じ場合
・ 上記「1」「2」、「3」が同じで「4」だけが異なる場合
では後者のほうが相互直通はしやすいということもあります。

もちろん、現実には保線の問題、相互乗り入れ区間をどこまでにするか等々もからむので、そう簡単ではありませんが、阪急と南海では条件は後者の方に近い(ここは推測、ただし「2」は同じです)。つまり、乗り入れ区間が短距離であれば、4(3)線方式の方が簡単で経済的ということがあります。そして、そういう区間は日本を含め外国にも存在します。

数年待てば、フリーゲージトレイン(線路の幅を変えられる電車)が実用化される(現在鉄道総研で開発中)でしょうから、それまで待てば、線路の幅という問題は小さくなります。

そこまでして、南海が難波・梅田以北に乗り入れるメリットがあるかといえば、私は懐疑的ですので、結論は、冒頭のように、南海が難波以北に延長する利益はないということになります。

19キラーカーン:2009/10/20(火) 00:36:25
分量上端折りますが、Rosy America さんの

>24時間航空機を受け入れる空港を少なくとも一箇所は必要である。
>需要が限られた関西に理想の空港を押し付けたのが全ての間違いだが、
>関東に24時間空港がない以上日本として関空をしっかり維持管理しなければならない。 
>国際線と国内線を分離した行政の誤りを正すためにも、
>利用者の利便性改善のためにも、伊丹を廃し関空に集約すべきである。
>一部は新幹線に流れるだろうが、結果的に関空の収支改善になる

に基本的に賛成です。
色々言っても、日本の現役空港で一番の「理想の空港」は関空というのが悲しい現実です。

・24時間運営可能
・3500メートル以上の滑走路が複数あり、同時使用が可能
・都心(ミナミ、天王寺)まで約30分
・国際線と国内線の乗り継ぎが同一の空港で可能
(ちなみに神戸空港とは船で30分と「意外に近い」)

というところだけ見れば、これだけのスペックを誇る関空のどこが不満かと。今の日本で望み得る、まさに「理想の空港」といっても過言ではありません。

20キラーカーン:2009/10/20(火) 00:36:45
航空交通の最適化ということであれば、伊丹を廃止して、関空に集約するのが最適解でしょう。極論すれば、伊丹の代替は新大阪駅と新神戸駅(と京都駅)で可能です。「のぞみ」東京−大阪間が2時間30は普通になりましたから、もはや、伊丹でも勝負になりません。しかし、需要が大きすぎるために、飛行機でも生き残っているという状況でしょう。ただし、関空の潜在能力を生かすには、現状の施策では不十分です。

 航空貨物ということからすれば、現在、東京−大阪間を貨物列車が最短6時間15分程度で結んでいます。(ちなみに、これは、東京−大阪間の在来線最速記録です。)このことからすれば、東京−関空間は7時間程度で結ぶことが可能です。これであれば、関空の深夜発着枠を利用することにより、成田空港の運用停止時間(午後11時〜午前6時)の間隙を縫って東京都心部から西側の航空貨物についての「ハブ」となることもできます。

 旅客輸送については、韓国の仁川が直接のライバルとなります。日本国内、あるいは韓国、台湾、中華人民共和国の沿岸地方の地方都市からの乗り継ぎ客を集める方策を考える必要があります。香港やシンガポールでは深夜発着便(午後11時〜午前1時)という便も結構ありますので、関空でもそのような時間帯での乗り継ぎ便を設定できるようにする必要があるでしょう。

このような施策を行うためには、着陸料の大幅な低減、関空発成田経由の国際線の設定というような大胆な方策が必要になると思います。

伊丹については、「もしも」の際に空港として復活させたければ、そのまま残すもよし、八尾の自衛隊を持ってくるもよし、跡地を何かに開発するもよし、色々あるでしょう(ただし、騒音問題が華やかなりし頃からすれば、飛行機の騒音は格段に減っていますので、そういう「技術進歩」(=騒音が「受忍限度内」になってきたこと)が、伊丹存続論の後押しになっているとも考えられます

21キラーカーン:2009/10/20(火) 00:38:08
 ここからはアクセス(鉄道)編です。阪急電車は、十三−新大阪間の免許は持っていますので、その間の線路を敷設しようと思えば(収支の見通しなどがつけば)今でも可能です。昔は、
・十三−新大阪−淡路間
・曽根−神崎川
等々という免許も持っていましたが、ほとんど放棄してしまい、阪急が今でも保有しているのは十三−新大阪間だけだといわれています。
 新大阪駅にも阪急の駅を建設する準備はできていまして、具体的にいえば、新幹線の26番線の北側に「阪急新大阪駅」が建設される予定です。本来は、2面4線(阪急曽根駅や庄内駅のような感じ)の予定ですが、JRが26番線の北側にもホームを増設したいとのことで、一部阪急新大阪駅用の空間を流用する可能性があるといわれています。
(26番線の外側にもう1本(ホームのない通過用の)新幹線用線路を敷設するスペースはあります。その逆側にも同じスペースがあったのですが、それは現在20番線となっています)

 関空アクセスに関していえば、現状の線路状況でも、停車駅を見直せば、なんば・天王寺までは30分は楽に達成できます。問題は、梅田方面で、現状の線路状況で最大限の降下を得ようとすれば、「スーパーはくと」用のディーゼル車を購入して、

・最高速度を120km→130km
・振り子機能によってカーブの通過速度を上げる

ことによって、阪和線、大阪環状線、梅田貨物線、南海線を「ノンストップ」で爆走させるということになるかと思います。ここまですれば、関空−JR北梅田新駅(ちなみにJRにも「梅田」駅は存在し、現在は貨物専用駅)間は40分くらいにはなるでしょう。

 なぜ、「くろしお」(含「オーシャンアロー」)用の振り子電車を使わないかといえば、電車の場合、振り子電車に対応するために架線の張り方を変える必要がある(そのような対策が必要のない電車(例:JR九州の883系)もありますので、そういう電車を使う方法もあります)のですが、ディーゼル車ではその必要がなく「線路があれば」走ることができるということもありますが、「スーパーはくと」用のディーゼル車の維持整備は智頭鉄道ではなくJR西日本が行っていますので、運用上も問題ないと考えられるからです。

22キラーカーン:2009/10/20(火) 00:38:33
 とはいっても、そういう「関空特急」優先ダイヤを組むことは、快速や普通の電車の本数を削減することにもつながります(F1でいう「クリアラップ」を作る必要がある)ので、アーバンネットワークでは難しそうです。とすれば、新大阪駅の新神戸駅側にある留置線を延長して、十三あたりから阪急の直上高架で淀川を渡り、その後、地下にもぐり、西九条近辺で大阪環状線の直上高架に出てそのまま関空に直結する「関空アクセス新幹線」を作るという方法はあります。

 これなら、新大阪(北梅田新駅)−関空間は30分以内で結ぶことも可能です。また、現状の配線でも京都方面、新神戸方面から直通することが可能です(新神戸方面からは新大阪で進行方向が逆向きになります)。さらに、「貨物新幹線」を設定すれば上述のように、関東(少なくとも、神奈川、静岡)向けの航空貨物であっても、24時間空港の利点を生かして関空扱いにしても勝負することも可能です。
 また、関空から神戸空港では、現状でも高速船で30分というアクセスなので、わざわざ、陸地を迂回するよりは格段に近いです。

和歌山方面のアクセスですが、
それでは、ググッた結果としての、データですが(数字はすべて「約」がつきます)

在来線単線の場合必要な空間は:幅4m、高さ5.7m
(必要であれば、「車両限界」、「建築限界」で調べてください)

建設費
鉄道の場合
在来線高速化(複線)では約22億円/km
狭軌新幹線(複線)では約47億円/km
フル規格新幹線(複線)では約60億円/km

高速道路の場合
阪和道:60億円/km
舞鶴若狭道:約65億円/km

と鉄道高速化の方が安価になる可能性は十分にあります。
特に狭軌新幹線(いわゆる「スーパー特急」)であれば、200km/h以上で走ることは充分可能です(ミニ新幹線用車両では、新幹線区間を240km/hで走行しています。

また、高速道路並みの片側2車線の道路を作ろうと思えば、幅は10m(2.5m/車線)くらい必要でしょう。となれば、必要とする用地買収、トンネルの容積でも単線の方がコンパクトにできます。

道路との一体整備と言うことであれば、上下2車線の道路の中央分離帯に単線の高速新線を敷設すると言う方法もあります。これなら、鉄道側は特許で済むので、道路と一体化している部分の用地買収の経費は必要なくなり、鉄道敷設費は格段に低くなります。

ということで、温暖化対策などの観点から、鉄道をメインに整備した方が安上がりの可能性もかなりあります。ちなみに、在来線の表定速度では100 km/hが最速ですが、新幹線のこだまでは150 km/hくらいは出ますから、控えめにみて120 km/h 位としても、現在のくろしおが75〜80 km/hですので、鉄道高速化によって、所要時間が2/3くらいになる可能性はあります。

23キラーカーン:2009/10/20(火) 00:39:07
Rosy Americaさんの立論には頷く点が多いです。

>元来拠点空港は、中継点であって都心とのアクセスは大きな問題ではない。
>関空アクセスは、大阪都心より、羽田との連絡を充実することこそ重要である。

 基本的に賛成です。ちなみに、ニューヨークやワシントンDCの各空港であれば、都心との公共交通機関によるアクセスは関空より悪い。

 このことから考えれば、全日空(スターアライアンス)と日航(ワンワールド)に以下の2つのうちどちらを選ぶか選択させるという方策もあります。
1 成田を国際線ハブ空港にし、羽田線を諦める
2 関空を国際線ハブ空港とし、羽田ー関空連絡便(関空経由羽田発着国際線)を認める
つまり、
1 比較的不便な成田発着だが東京直行便
2 比較的便利な羽田発着だが関空経由(乗換あり)
との選択を迫るという方法です。

 そして、国内交通で新幹線で3〜4時間程度までの都市間輸送は新幹線の建設でまかなうというのが、「エコ」の時流にも乗った日本の交通体系のあり方だと思います。
(鉄道で所要3時間以内の移動では航空機は鉄道に勝てない。場合によっては、鉄道で所要4時間でも航空機と勝負になる)
 日本では、整備新幹線の建設は「土建産業」と評判が悪いですが、全世界的に見れば、新幹線のような「高速鉄道網」というのは「世 界 的 ブ ー ム」であり、新幹線という「キラーコンテンツ」を一大輸出産業にするという国家戦略もありうるのです。

 日本政界一の「鉄オタ」と自他共に認める前原大臣であれば、この程度のことは即座に理解できるはずです。

 関空問題の中のハブ空港論だったので、今まで控えていましたが、日本には、もうひとつハブ空港になる潜在的能力を秘めた空港があります。それは
「新 千 歳 空 港」
です。
 かつて、国際空港は3500M以上の主滑走路が必要と投稿したことがありますが、パイロットや管制官が「完璧」に仕事をすれば、3000Mでも国際線長距離線の運用は可能です。
 それが、「現状の羽田でも『不可能ではない』が」との以前の投稿にもつながっていますが、「完璧」を前提としては、想定外の事態に対応できないので、現実問題としては難しく(そういう前提が日本では得てして好まれます)、理想を言えば、3500M以上の主滑走路が必要との意見は変わっていません。
 新千歳空港は、現状でも24時間運用能力を持っており、おそらく3500M級滑走路への延長は比較的容易でしょう。羽田も、3500Mとは行かなくとも3250Mくらいまで延長すればほぼ問題ない程度まで長距離国際線の運用はできるのではないかと思います(それでも対処できない事態が発生すれば、それこそ成田に「緊急着陸」させればよい)。

24キラーカーン:2009/11/18(水) 23:21:14
羽田ハブ化の急浮上で、ハブ空港論と首都圏需要という2つの論点がありますので、双方についての私見です。結論から言えば

Ⅰ 羽田空港発着の国際線は設定せず、国際線は関空経由便にする。
 (関空経由便の羽田−関空の区間利用を認めても認めなくてもよい)
Ⅱ 国際線では、関空を主ハブ、成田を副ハブ、新千歳(と中部)を控えのハブ
 (これに付随して、全日空(スターアライアンス)の国際線は関空経由で関空をハブ
日航(ワンワールド)は成田をハブ空港(一部羽田便を認める)
Ⅲ これによる羽田便の増加分については、整備新幹線の前倒し整備(特に東京−札幌間)
Ⅳ 関空アクセスについては、新幹線の延長、南海は四つ橋線の活用

というものです

25キラーカーン:2009/11/18(水) 23:22:39
ハブ空港
ハブ空港に関する私の持論は
・3500m(最低3000m)級滑走路を複数有すること
・24時間運用可能
・国内線⇔国際線、あるいは国際線⇔国際線の乗り継ぎが容易なこと
の3つがあげられるかと思います。
 現在の日本で、このすべての条件を満たす空港は実は関空しかありません。若干条件を緩和して、小手先の改修でハブ化できる可能性があるのは新千歳、羽田です。成田もハブ空港として使えなくはないですが、滑走路の関係からそれなりの工夫が要ります。
 滑走路については、同時使用が可能であればよりよいのですが、同時使用が不可でも、片方が修繕中にもう片方で離着陸ができるので、便数にもよっては何とかなります。WIKIによれば、外国の主要空港では、ロンドンのガトウィック空港が滑走路一本で年間約26万回(なお、羽田:約28万5000回)の発着便を捌いていますので、万が一のことを考えれば、同時使用できなくても、常時1本の滑走路が運用可能であれば何とかなるでしょう。ちなみに、関空、羽田は同時使用可能で、新千歳では同時使用はできません。
 乗り継ぎに関しては、関空は設計時から、国内線⇔国際線の乗り継ぎを踏まえたターミナルの設計になっていますが、新千歳、羽田は(基本的に)国内線専用ターミナルです。ハブ化するのであれば、乗り継ぎ客が急増するため、乗客の動線管理、出入国管理も含めたターミナルの拡充・再編が必要となります。
 滑走路については、羽田、新千歳両空港は3000m級の滑走路を複数持ち、24時間運用可能な空港です。3000m級の滑走路という現状でも長距離国際線(欧米ノンストップ便)も運用できますが、乗務員や管制官に余分な負担をかけないためにも、余裕を見込んで、できれば滑走路を最低でも3250mくらいまでは延長したいところです。ちなみに、成田は4000mと2500mの2本で同時使用可能ですが、長距離国際線については、4000mの滑走路しか使用できません。福岡空港が2800mということと同空港への就航便から判断すれば、2500mでは東南アジア便(シンガポール、インドネシア)くらいまでの運用しかできないでしょう。
 立地条件に関しては、集中する航空便を捌くことと乗客の乗り継ぎの便を図るのがハブ空港の第一目的ですので、ハブ空港の立地条件に関する制約は少ないと考えられます。このため、米国の航空会社では、ハブ空港をニューヨークやロスといった大都市に置かない航空会社もあります。

26キラーカーン:2009/11/18(水) 23:23:07
 空港の需要(使いやすさ)
 空港の需要としては、現在の経済状況では、東京一極集中となってしまい、とりわけ、国内線専用空港である羽田空港の発着との兼ね合いが問題となります。そのため、4本目の滑走路(2500m)を建設中となっています。特に、羽田−新千歳、羽田−福岡便は世界屈指の高頻度の運行を行っている国際線です。このままで、羽田を国際線のハブ空港にするのであれば、羽田の能力を超えるのはほぼ間違いないでしょう。
 空港の能力ということであれば、成田と羽田で首都空港機能を分担するということになるのでしょうが、成田の(時間的)距離を考えれば、成田への着陸需要は格段に少なくなるでしょうから、羽田、成田の分担は現時点では解にはなりません。ただし、千葉ニュータウン中央から成田空港への連絡新線ができれば、日暮里−成田空港間は36分(時間的には、ラピートの関空−南海難波間とほぼ同じ)で結ばれるといわれていますから、そうなれば、事情は変わるかもしれません

 航空交通のライバル(鉄道3時間の法則)
 一般的には、航空交通のライバルは高速鉄道といわれています。日本での代表例を挙げれば、東京−大阪間、大阪−福岡間といったところでしょう。この、鉄道と航空機との関係で、経験則的に言われているのが

鉄道で乗り換えなしで3時間以下なら航空機よりも鉄道を選択する乗客が多くなる

といわれるものです。具体的な状況となれば、鉄道駅と空港とどちらがアクセスに便利かという個々の状況によります。たとえば、新幹線の開業によって、古くは羽田−名古屋便、最近では羽田−山形便が廃止に追い込まれたという例もあります。東京−大阪間では航空便もドル箱路線として残っており、東京−広島間では(所要3時間を越える)新幹線も健闘しています。

27キラーカーン:2009/11/18(水) 23:23:44
 現状と首都圏空港における需要と供給の不均衡
 ハブ空港と首都圏空港を一体化させるか分離させるかという観点では、現在でも羽田空港の能力が飽和点に達し、滑走路増設を行っているところから見ても、現時点で、この2つを一体化させるのは物理的に不可能でしょう。成田空港のアクセス新線ができれば、状況は少し変わるかもしれませんが。しかしながら、外国の航空会社が東京(成田)への就航を希望しているという現状をそのままにすれば、首都圏空港とハブ空港との一体化という結論になります。しかし、羽田と成田の現状では、たとえ、羽田に4本目の滑走路ができたとしても需要(就航希望便数)と供給(発着可能便数)との不均衡は解消されません。

28キラーカーン:2009/11/18(水) 23:24:34
 解決策
 解決策には2つあると考えます。
1 羽田は国内線に徹し、海外ハブ空港を成田もしくは首都圏外の空港に求める。
2 首都圏空港で何とかする
です。上記「1」で海外ハブ空港を成田とする場合には現在の枠組と基本的には変わりません。ただし、成田の平行滑走路が2500mとなって、国内ジェット便の全てが利用可能になったことから、国内乗継便を成田に集約させることは可能でしょう。
 この場合の問題点は、首都圏の国際線需要を成田で引き受けることに対する不満感を解消できないということです。日暮里−成田空港間が36分で結ばれるようになれば少しは状況が変わるかもしれませんが。ここから先は空港アクセスのところで述べることとします。とすれば、羽田発の国際線を設定しない限り、首都圏の乗客の成田発国際線に対する「不便感」は解消できないということになります。しかし、羽田空港の発着能力は国内線だけで一杯で国際線に回す余裕はほとんどないという状況が厳然として存在します。
 このような状況の中で「羽田発国際線」を設定するのであれば、「羽田発(国内ハブ空港経由)国際線」を設定するしかないということになります。この場合でも、羽田発(関空経由の)国際需要の分だけ羽田の需要は増大することとなりますが、その解決策の一端については後で述べます
ア 直行便だがアクセスに不便な成田
イ 経由便だがアクセスに便利な羽田
との二者択一になれば成田の需要もそれなりに残るでしょうし、これを発展させて
A ワンワールド(日航系)、スカイチーム(デルタ系)は成田をハブ
 (ただし、JALの国内線の一部は羽田発着を認める)
B スターアライアンス(全日空系)は関空をハブ
 (つまり、全日空を含めたスターアライアンスの国際線は関空発着、あるいは、関空経由便で羽田発着を認める)
とすれば、一応の棲み分けはできます。

29キラーカーン:2009/11/18(水) 23:24:44
 「2」の首都圏空港で何とかするという方法で、まず、考えられるのは、成田の機能強化で羽田並みの発着能力を持たせるということです。この場合、解決すべき問題は2つあります。
 1つは、成田の平行滑走路問題、もうひとつは成田へのアクセスです。現在、成田の平行滑走路は2500mへの延長が予定されていますが、羽田と並ぶ首都圏ハブ空港を目指すのであれば、3500m級(最低でも3000m)まで延長する必要があります。しかし、成田開港の経緯から、土地収用は困難な状況にあります。ということで、結局、ハブ空港というよりは、平行滑走路の能力向上に伴う、成田乗継便の増発という現状の延長線上の将来図を描くことくらいしかできないでしょう。
 アクセス時間については、アクセス新線が建設中で、予定どおり、来年4月にこれが開業すれば、日暮里−成田空港間は36分で結ばれるようになりますので、品川(浜松町)−羽田空港間の約20分にかなり接近しますので、JR中央本線以北の関東地域では羽田経由よりもアクセス時間が短くなることが予想されます。ただし、羽田、成田のどちらに向かう場合でも、都心(東京丸の内、新宿、池袋、渋谷)からの鉄道アクセスは、成田エクスプレスを除き、浜松町、品川、日暮里(又は京成上野)で、少なくとも1回の乗換を強いられる状況にあります。この点では、梅田、難波、天王寺(又は新大阪)という大阪の都心駅から乗り換えなしで直行できる関空に軍配が上がります。
 そこで、首都圏第3空港ということが俎上に上がるのですが、現状では、横田、厚木という米軍基地の航空施設が一番と真に近いということがあります。施設的な面だけで考えれば、横田にある在日米軍(と移転が噂される航空自衛隊の航空総隊司令部)を入間基地に移転させて横田完全民営化というのが一番ですが、何年も前に合意した普天間基地の移転問題でさえ現在に至るまで解決できず、日米間の最大の懸案事項のひとつとなってしまったことからすれば、現時点で、横田の完全民営化というのは無理でしょう。とはいっても、近くに3000m以上の滑走路を持つ飛行場はないとすれば、首都圏第三空港は長期的な解決策となっても、眼前に迫っている問題には解決策には事実上なりえません。
「奇手」としては、新潟空港を拡張して事実上の首都圏第3空港にして空港アクセスには上越新幹線を利用すれば、現行の成田エクスプレス並みのアクセス時間が確保できます。新潟空港は上越新幹線の回送線の近くにあり、比較的手間がかからずに上越新幹線を新潟空港のアクセス線化することができます。そして、新幹線の座席の一部を航空会社が委託販売の形で、「陸上を走る航空便」という形で航空機の新潟便とセットで売り出すという方法があります。この方法は、欧州、特にドイツでは既に導入されています。
 ということで、ここは、首都圏のほかにハブ空港を求めたほうが合理的な解決方法でしょう。その場合の第1候補は上述のように「関空」です。なんだかんだいっても、現状で空港としての『潜 在 能 力』があるのは関空が日本で1番というのは厳然たる事実です。したがって、現状での解決策は

羽田は国内線専用(関空乗継便で海外へ)、国際便の主ハブ空港は関空、副ハブ空港は成田、控えのハブ空港は新千歳(又は中部国際空港)

ということになると考えられます。ただし、中部空港を(控えの)ハブ空港とするについては、現状の空港島を拡張することなく、平行滑走路(同時使用できなくても可)を増設するという条件がつきます。「控えの控え」でよいなら、現状のままでも可。

30キラーカーン:2009/11/18(水) 23:25:21
 増大する羽田への発着需要への対応策
 上述のことから、どの方策を採ったとしても、羽田は海外(乗継)向けの分だけ発着需要が増大します。現状でも滑走路増設が必要な羽田にそれだけの需要を満たせる発着枠が捻出できるでしょうか。成田空港のアクセスが便利になって、対首都圏の国内需要の一部を成田に分担させるのであれば、何とかなるかもしれませんが、直感的には、成田発着の対首都圏国内需要よりも、羽田経由の国際線需要の方が多くなるような気がします。
 ここで、登場するのが新幹線です。上述のように、一般論として、新幹線で直行時間が3時間を切るのであれば、航空機から新幹線へ劇的な乗客の移行が発生します。つまり、ここで、羽田の発着枠を開けるという観点からも整備新幹線の整備、特に、東京−札幌間と東京−金沢間の2路線の早期開業が望まれます。特に、「羽田−新千歳」線は世界屈指の輸送量を誇る国内線路線であり、新千歳空港は札幌から少し離れています。また、冬季には雪の影響で飛行機の欠航や遅延ということもあるので、航空機の運行の安定性は磐石のものではありません。このように、新千歳空港の立地条件及び冬季の運行安定性も含めた気象条件を勘案すれば、東京−札幌間は新幹線で4時間を切れれば航空機と勝負になるのではないかといわれています。また、技術的にも東京−札幌間は鉄道で4時間を切ることが可能というところまできています。逆に、立地条件が日本の主要空港で一番といわれている福岡空港が相手では、新大阪−博多間で新幹線が2時間半を切ると言っても、新幹線は楽な戦いではありません。
 北陸新幹線については、東京−金沢間が3時間を切るようになりますから、相応の意味はあると思います。そして、現状でも3時間を切っていますが、大阪-金沢間も新幹線化すれば、万が一の際の東海道新幹線の迂回路として機能します。(北陸新幹線周りで、東京−新大阪間は3時間30分から3時間45分くらいで結ばれる見込みですから、いざという時の迂回路の所要時間としてもまずまずだと思います。
 ということで、東北・北海道新幹線(東京−札幌)及び北陸新幹線(東京−金沢)という整備新幹線が開業すれば、ざっと

羽田−千歳便の半分
羽田―青森便の2/3
羽田−三沢便の2/3
羽田−小松便の2/3

くらいの国内線が休止に追い込まれます。
 実例を挙げれば、山形新幹線の開業で、羽田−山形便は廃止に追い込まれ、羽田−秋田間では新幹線対航空便はほぼ5分5分の勝負といわれています。したがって、新幹線に乗客が移行、航空便が減便に追い込まれれば、その分羽田空港の発着枠が「開く」ということを意味します。言い換えれば、新幹線網の整備により、羽田の発着枠を空けるという効果があります。さらにいえば、東海道リニア新幹線(東京−大阪)が開通すれば、運賃にもよりますが、所要時間と駅の立地条件から羽田−伊丹線は事実上存続不可能な状態まで追い込まれるでしょう。
 つまり、羽田の国際線(乗継)需要増は、現在の滑走路増設に加えて、整備新幹線の前倒し整備による羽田便の減便で賄うべしというのが私の現在案です。

31キラーカーン:2009/11/18(水) 23:26:09
 空港アクセス(鉄道)概論
 関空にかかわらず、空港アクセス鉄道一般にかかわることなので、関空スレではなく、ここで述べさせていただきます。
 公共交通機関によるアクセスで問題になるのは、所要時間だけではなく、「乗り換え」という行為が発生することです。鉄道なら乗車駅、リムジンバスならバス停という具合です。したがって、アクセスを考える際には、所要時間もさることながら、乗り換えにかかる実際の負担と、所要時間に現れない心理的な負担の双方を考慮する必要があります。特に後者を「乗換抵抗」ということがあります。
 航空機の乗客、特に、国際線の乗客は大きな荷物を持っていることが通例であり、一般の乗客よりも乗換に対して大きな負担となっています。この観点からも、物理的な乗り換えの解消、及び、鉄道駅におけるいわゆる「バリアフリー」施策は効果があります。さらに、山形新幹線の例で言えば、新幹線→在来線特急の乗換に関する負担は、時間にして15分程度といわれています。つまり、山形新幹線の直通降下により短縮された所要時間に加えて15分程度短く「感じる」というのが乗換解消による効果となります。逆に、この乗換抵抗が「ない」のが自家用車の最大の利点、ひいては、(旅行客にとって、宿泊しているホテルから乗換なしで空港まで直通する)リムジンバスの存在意義となっています。
 この点から、既存の交通機関と互換性のないリニアは、「鉄道」といってもその特性は「航空機」に近いものとなりますので、都市間輸送では威力を発揮しても、空港アクセス鉄道としては不適です(完全な新規開業ならともかく)。
 このような観点から、空港アクセス鉄道の始発駅は空港への直通旅客が多く、また、乗換に便利な駅である必要があります。このような理由から、JRは房総半島方面の特急を京葉線に振り替えてまで、成田エクスプレスを総武快速線⇔横須賀線・湘南新宿ライン(山手貨物線)の直通運転を行い、東京だけではなく、品川、渋谷、池袋、横浜から(とその駅で乗り換える)旅客を取り込み、京成のスカイライナーの実質的な始発駅は、孤立している京成上野駅ではなく、JR各線との乗換に便利な日暮里駅となっています。そのため、成田へのアクセス新線の所要時間も「日暮里−成田空港間」となっています。その一方、羽田空港−成田空港間の鉄道についてはあまりにも時間がかかりすぎるということから、利用客が低迷し、両空港間直通特急は事実上廃止に追い込まれました。
 もし、成田空港アクセス新線の開業に連動して、都営浅草線の改良(追い越し線の新設、東京経由線の新設)によって羽田・成田両空港の有機的連携を図ったとしても、所要時間は1時間を越えるのは確実でしょうから、両空港の乗継客は事実上いないと考えられます。ただし、都心からの空港アクセス改善の観点から、そのような改良は意味があると思います。
 このような東京の事情と比べて、関空では、現在でも、難波、天王寺、大阪、新大阪という都心ターミナル駅への直通を果たしています。しかも、難波、天王寺であれば30分で結ぶことも可能です。大阪、新大阪までは約1時間かかるので、その点の改良は必要でしょう。その点からすれば、橋本知事の言う新大阪−関空リニア新線よりも、新大阪から梅田を経由で新幹線を延長した上で、京都、新神戸、姫路方面から「こだま」を直通させたほうが「乗換抵抗」がなくなるので有利になります。しかも、新幹線ですから時速200キロ運転をすれば、新大阪(梅田)-関空間の30分台は十分可能です。
 さらにいえば、現在の四ツ橋線の西梅田乗入を原則取りやめ、四つ橋線の四ツ橋−西梅田間にラピート(と空港快速)を乗り入れさせ、さらには、四つ橋線の十三、新大阪延長線に乗り入れさせる。その際、ラピート専用の難波駅を近鉄難波駅の直下に設けて、近鉄、阪神の旅客の乗換にも考慮した上で、南海−四つ橋連絡線を新設する。従来の四つ橋線は原則、大国町又は難波折り返し(ラッシュ時には西梅田直通)とする。西梅田の位置が梅田の中心よりやや離れているのが難点ですが、現有施設の有効活用とすれば、仕方がないと判断します。
 四つ橋線と南海では電化方式、電圧が異なりますが、前者は「ユーロスター」で実現化され、後者についても、南海は直流1500Vへの昇圧を経験しており、その際、阪急電車の例からも複電圧車を運用しているはずですから、南海−四ツ橋連絡特急用の電車を作ることは難しくありません(費用面で折り合うかどうかは分かりませんが)。

長くなりましたが、これが現在の私見です

32新八:2009/12/31(木) 11:23:27
http://mainichi.jp/select/today/news/20091231k0000m020112000c.html

これはえらいことになりそうです。
というか、どうなっちゃうんだろ。このままだと、共倒れのような気がするんですが…

33キラーカーン:2009/12/31(木) 22:02:20
航空のアライアンス化に乗り遅れたか国策会社ゆえの経営合理化の遅れか、航空交通は本職ではないので分かりませんが、どうしたのでしょうか

34キラーカーン:2010/06/12(土) 00:57:13
これまでの投稿で、断片的に触れたことがありますが、
まとめると個人的には

○ 空港全体計画
 1 伊丹廃止
 2 関空を関西のハブ空港と位置づけ、アクセスなどを改善
 3 神戸空港はLCC(低価格航空会社)専門空港として独自性を発揮
 4 沖縄負担のため、近畿圏に米軍を受け入れるのであれば、既に海上自衛隊の基地がある徳島空港に受け入れ
 5 さらにオプションとして
  ア 伊丹に空港機能を残したければ、近くにある陸自の中部方面総監部を移転し、有事や災害発生時に各地
   からの航空便による支援受入・物流基地として活用。場合によっては八尾の自衛隊を移駐させる。
  イ 近畿圏に米軍を受け入れるのであれば、東京の横田にある在日米軍司令部も伊丹に移して、横田基地、
   横田空域の問題を解決させることも可能

○ 関空アクセス改善
1 新大阪以遠のアクセス改善のため、新幹線新大阪駅の23・24番線の神戸方にある引き上げ線を延長して
 関空アクセス新幹線とする。これにより、京都、神戸方面からの関空アクセスを改善する。
  また、 「直通」 という利点を生かして、関空での乗継客に対する関西ツアーにも利用する(後述)
2 現時点で、大阪の中心地にもかかわらず、事実上関空直行鉄道アクセスがない梅田−本町間の関空アクセス
 改善のため、南海線を延長の上、四つ橋線に乗り入れ
3 オプションとして
  ア 南海線延長の代わりに、大阪駅の配線上、現行ダイヤとの兼ね合いが難しくなるが、費用を安く上げる
   のなら、環状外回りと大阪駅一番線(と二番線)との間に亘り線を設けて、一番線(と二番線)を
   「はるか専用ホーム」として大阪駅発着の「はるか」を設定する。この場合、関空快速を全て大阪駅
   発着の「はるか」に置き換えれば、事実上の増発はありません。関空快速を残すのであれば、増発となる
   ため、環状線の線路容量の関係から、新大阪発着の「はるか」の存続は難しくなるので、「1」の関空
   アクセス新幹線の整備とセットか
  イ 橋下知事がこだわる 「関空リニア」 を整備するなら、大阪の中心地にもかかわらず、現時点で鉄道
   直行アクセスのない梅田(淀屋橋)−関空間しかない。リニアは既存交通機関と互換性が無いため、 
   「乗換」 を考慮しない区間の方が都合が良いです。
(関空−羽田乗継便を将来全廃するくらいの意気込みなら、東海道リニア新幹線との相互乗入を行うために、
 梅田(淀屋橋)−新大阪間の延長を見込んだ路線設定を行うべき。この場合、リニアでの関空−東京の所要
 時間は一時間程度となり、航空便とほぼ同じ所要時間となるので、「鉄道三時間の法則」を待たずとも、
 (事実上の無料乗継便というものを設定しない限り)関空−羽田線は廃止に追い込まれます。)

○ 営業施策
1 関空会社を完全民営化することにより、営業施策を関空主導で行う態勢を確立
2 仁川(阪神競馬場の所在地ではなく、ソウルの国際空港)とチャンギに対抗できる着陸料の設定
3 完全24時間空港化による、航空貨物の深夜発着、深夜乗継便の設定
4 乗継(トランジット)客のための京阪神観光ツアー

ということになると思います。
 以下、「乗継(トランジット)客のための京阪神観光ツアー」に絞って解説します。

35キラーカーン:2010/06/12(土) 00:57:27
 関西に金を落とすため、関西経済にも寄与するという意味でも有益なこの「ツアー」です。また、京都、
 奈良、大阪、神戸とそれぞれに特色のある観光資源を抱えているという意味でも、

大阪式にいろいろ活性策を講じて、(中略)、空港でパスポートなしでも(中略)、乗り換えする旅行者でも
立ち寄れるルートをこさえて、多くの金が大阪に落ちる様にして、少しでも借金返済に充てる他ないのが現実。

という方策は、もっと真剣に取り上げられても良いと思います。
 ということで、滞在時間に合わせて、往復の時間も入れると、
4時間
6時間
1日(8時間)
というコースくらいでしょうか。移動時間も、関空新幹線を使えば、関空−京都(神戸)間の移動は30分も
可能です。新幹線であれば、直通が可能なことから、こういう使い道もあるので、関空アクセスは新幹線の方が
いいと思います。
 問題は、「密入国者」を防ぐための方策で、
1 移動は、新幹線に1両分の専用車両(1ツアー80人〜100人まで)を割当
2 「お土産」は関空内の専用免税店(ツアー参加者以外は、割増価格)
3 これに付随して、入国審査前(免税店のある区画)でも宿泊できる乗継客用のホテルを建設
 (既存ホテルを改造して、対応可能であれば、それでも可)
ということにして、ツアー参加者の動線を他の人と完全分離することが必要でしょう。
(関空内の免税店区画では、分離する必要はありません)

36キラーカーン:2010/11/03(水) 00:58:20
今回は、列車名を巡る小ネタです。
近日開業予定の九州新幹線(博多ー新八代間)ですが、そこを走る新幹線の名前が、早い(停車駅が少ない)順に
「みずほ」
「さくら」
「つばめ」
となるのですが、この列車名の「序列」がマニアの間でちょっとした物議をかもし出したようです。
 と言いますのは、国鉄(JR)の列車名には暗黙の序列があって
全国区の名前(主に鳥の名前)として
横綱格(一代年寄)
つばめ、

横綱格
富士、さくら、はやぶさ、かもめ

張出横綱
はと、へいわ、(夜行限定として)あさかぜ

大関格
みずほ、白鳥、はつかり

張出大関格(主に、地域限定:地域を象徴する名前)
はまかぜ(山陰)、くろしお(紀伊)、出雲など、「本線」を走る長距離特急

となっています。特に「つばめ」は戦前から日本最速列車の代名詞的に使われており、新幹線の博多開業後「空き名跡」状態になっていたのを、JR九州が復活させる際にJR各社の同意を取り付けたと言われるほどの「大名跡」だったものです。
(そのイメージから、当時、「スーパーひかり(仮称)」と言われていた新幹線の列車名の本命視されていました。)
ということで、「列車の格」と列車名とが逆転現象となってしまったことで、マニア的には格好のネタとなってしまいました。

37キラーカーン:2012/09/21(金) 23:36:42
ドイツ鉄道見本市で中国メーカーがパンフ写真に新幹線を無断使用
http://www.fnn-news.com/news/headlines/articles/CONN00231930.html

この記事にある写真の「やっつけ仕事」感が尋常ではありません。

38新八:2012/10/28(日) 21:40:45
http://www.city.niigata.lg.jp/kurashi/doro/ekisyu/jigyounaiyou/renritsu.html

新潟駅は、こんな風になるらしいです。
工事は、着々と進んでいて、おかげでマラソンコースがシケインだらけです。

39キラーカーン:2012/10/28(日) 23:14:59
東京駅の中央線ホーム高架化のイメージ図もこんな感じでした。この図の元ネタがあって、適当にこコピペているのでしょうか。

40新八:2012/10/29(月) 20:16:29
そんなニオイがプンプンしますが、実際は違うんでしょうね。
たぶん、同じようなソフトで立体化してるって様ながっかりオチのような気がします。


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