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女が男を金的攻撃で倒すSS

1 管理人★ :2017/01/18(水) 12:30:15 ID:???0
2chスレッドの避難所になります。

版権(漫画・アニメ・ゲーム)・オリキャラ等の
金蹴りや電気按摩といった金的攻撃があるSSならなんでもOK!
ただし女→男でお願いします。

それ以外は別所でお願いします。

2 名無しさん :2017/01/18(水) 20:36:27 ID:1YEPcb2.0

どうなるか分からんけどとりあえずあっちでgdgdやるよりはマシなので感謝

3 名無しさん :2017/01/19(木) 13:08:46 ID:ek47NnSs0
サンイチ
あっちのスレ加速させて荒らしに見つからない方がいいんじゃないか?

4 管理人★ :2017/01/19(木) 19:34:48 ID:???0
そこまでする必要はないと思いますよ
pink板の有名な荒らしさんは無差別ですので(特にこのジャンルへの恨みはないため)避難所にやって来てまで粘着はしないと思われます
まあホストが割れていたので一応既に投稿規制はしてあります

それ以外の荒らし(作者粘着や煽りレス、スレ潰しに躍起になっていた方達ですね)は、絶対数が多くないと読んでいます
ですので一人一人規制する形でも充分対応出来るかと思います
推測ですが精々2〜3人ではないでしょうか
最初のうちは削除で対応するかもしれませんが、別端末や回線を把握次第まとめてアク禁(not規制)にする予定です

そもそも作者さんに存在が知られないと本末転倒ですので…w

5 名無しさん :2017/01/20(金) 20:52:42 ID:lGJid7l60
避難所立ててくれたのか
俺にはそんなスキルなかったから傍観してるだけだったわ
ありがてぇっ・・・ありがてぇっ・・・

6 名無しさん :2017/01/21(土) 01:14:16 ID:gUXft.e.0
お疲れ様。
元スレがやられたい放題だったのもあってか、
>>4を見て頼もしく感じる。

7 名無しさん :2017/01/21(土) 01:42:11 ID:lBuvP4bo0
一番心配なのは内ゲバだけどその辺もある程度対応出来そうやね
これで多少は平和にやれるようになると良いが

8 名無しさん :2017/01/21(土) 12:31:42 ID:8sJpRmIk0
管理人さんに感謝します!
そのうち頃合を見て投稿するかも
これって作品ごとに新スレ立てる感じ?

9 名無しさん :2017/01/21(土) 14:55:06 ID:rhJBkwRc0
>>8
頼むわ
作品総合スレだからここのスレでいいんだよ

10 名無しさん :2017/01/21(土) 16:14:04 ID:kyFXZjXk0
作品毎にスレ立てたら埋めるの苦労するだろうに・・・
(結果的に簡易保管所の役目も果たすけど)

11 名無しさん :2017/01/27(金) 01:25:40 ID:Bt9Ocz9w0
元のとこは殺伐としてたけど、ここは雑談の扱いどうなるん?

12 名無しさん :2017/02/05(日) 04:06:38 ID:udXvKBAM0
>>11
金的関連の雑談は、外部サイトの話で無ければ普通にしても良いんじゃないの?
ところで俺以外に投稿考えてる人いる?
誰も投稿してないと投稿しにくいわ

13 名無しさん :2017/02/05(日) 20:54:38 ID:sOw2lW1A0
雑談用のスレを立てればいいのでは
というかこういう話は議論スレでやればいいかと

14 名無しさん :2017/02/06(月) 04:19:41 ID:jkstsP0U0
>>12
がんば
自分じゃ多分まともなに書けそうにない

>13
「現在、新規のスレッド作成は出来ません。」てあるじゃん・・・

15 名無しさん :2017/02/06(月) 07:25:04 ID:QFT2T4qw0
>>12
投稿お願いします

16 名無しさん :2017/02/08(水) 21:39:52 ID:uBccy87g0
FEの支援会話ネタです
元ネタ分からない人はごめんなさい


「せいっ! はぁぁっ!」

夜中の訓練場に、少女の気合の声が響く。皆が寝静まる中、カザハナは一人剣術の稽古に打ち込んでいた。
来るべき暗夜王国との決戦を控え、今後は一層厳しい戦いが予想される。
主君であり、何より親友でもあるサクラを守る為、今以上に強くならねばならないと、彼女は気を引き締めていた。

「や、やあカザハナ。こんな遅くまで訓練かい?」

すると、ある男がおずおずと声を掛けた。カムイといって、数ヵ月前まで暗夜に誘拐されていた、白夜王族の一人である。
白夜に戻って以来、カザハナとは何度か話す機会があったものの、どうやら幼少期の経験から彼に対してあまり良い印象は持っていないらしい。
同じ部隊に所属する身として、カムイは彼女との関係を改善しておきたかった。

「……カムイ様、何の用?」

カザハナは素振りをやめ、気だるそうにカムイの方に向き直る。邪険な態度があからさまに声色に表れていた。

「言っとくけどサクラ様の事について何か聞こうとしても無駄よ。それはカムイ様とサクラ様の問題なんだから」
「いや、それはもういいんだ。今日はカザハナと話をしにきた」

17 名無しさん :2017/02/08(水) 21:40:42 ID:uBccy87g0
「ふうん」と言って、カザハナは少し意外そうな顔をしたが、すぐに元のしかめっ面に戻る。
しばらくカムイを見つめた後、

「せいっ!」
「うわぁっ!」

おもむろに木刀を構え、カムイの頭めがけて振り下ろした。
すんでの所でかわすカムイだったが、カザハナは連撃を続ける。

「やっ! はぁっ!」
「ま、待て! いきなり何を……!」

間一髪で避けるカムイだったが、流石に白夜指折りの侍だけあって、剣筋は鋭く、そして速い。
カムイは咄嗟に訓練用の竹刀で応戦し、鍔迫り合いになる。

「……やるわね。さすがに長い間暗夜で鍛えられてきただけはある、か」

ギチギチと刀身をきしませながら、カザハナは少し口元を綻ばせていた。
強さを重んじる侍の性分からか、あるいは彼女自身の性格故か、どうやら幾分カムイの実力を認めたように見える。
未だに油断ならない状況ではあるが、このまま手合わせを続ければ話を聞いてくれるかもしれない。
そう思い、一度カザハナを振り払おうと足を踏ん張ったその時。

18 名無しさん :2017/02/08(水) 21:41:19 ID:uBccy87g0
「でも……甘い!」

「ゴスン!」という鈍い音とともに、局部に何か硬いものがめり込む感触があった。
無意識に大股開きになっていたカムイの股間を、カザハナが蹴り上げたのである。

「ほぐぅッ!」

カムイは苦しそうに顔を歪めた。
無慈悲に跳ね上げられたカムイの男の証は、カザハナの背足と恥骨の間に挟まれ、潰れる寸前まで変形した。
それがどれほどの苦しみを与えるかは、男であれば誰もが容易に想像出来るだろう。
カムイは為す術もなくそのまま床に崩れ落ちた。

「かッ……! ふぅっ………! はぁッ……ぁ………!」

息も絶え絶えの状態で、カムイはダンゴムシのように縮こまる。
尻を突き出し、両手で下腹部を労わるように押さえながら、ピクピクと小刻みに痙攣している。
男にとって最も惨めで、情けない姿だった。

19 名無しさん :2017/02/08(水) 21:43:47 ID:uBccy87g0
「あら、ごめんなさい? あまりにも急所がガラ空きだったもんだからつい♪」

一方カザハナの方はにっこりと微笑んで、目の前に横たわるオスを悠々と見下ろしていた。
その構図は、まるでカムイがカザハナに土下座しているかのように見える。

「カ、カザハナ……何を………」
「くすくす、やっぱりカムイ様もココは弱点なのね。あたしにはよくわかんないけど」

見上げると、カザハナは得意げに腰に手を当てている。
ミニスカートの隙間からは純白の下着が覗いており、当然そこに男にあるべき膨らみはない。
今まさに男の痛みと必死に格闘しているカムイにとって、それは女の優位性の象徴のように感じられた。
女のカザハナには、この苦しみは一生分からないのだ。

「これもかわせたら少しくらい話聞いてあげても良いかなって思ったけど……残念ながらまだまだみたいね」
「………」
「くすっ、まだ痛いの? ま、あたしと話したかったらせいぜいもっと精進する事よ」

20 名無しさん :2017/02/08(水) 21:44:43 ID:uBccy87g0
返事をするのも精一杯といった様子で、地べたで丸くなる一匹のオスを、カザハナは呆れたようにあざ笑う。
男にとってはあまりに残酷で痛ましいその光景も、女のカザハナにとっては滑稽でしかなかった。
下腹部に呪いのように蠢く激痛に震えながら、カムイの表情は、屈辱と羞恥で引き吊っていた。

「……あ、それと」

カザハナは思い出したように言って、カムイの後ろに回り込む。
そして、無防備にぶら下がった睾丸めがけて、思いっきり脚を振り上げた。

「おふぅうッ!?」

「スパン!」と軽快な音がしたかと思うと、再び強烈な激痛がカムイの睾丸を襲った。
痛みが治まっていない所に食らう、二発目の金的蹴り。一切の手加減がない鋭い一閃は、カムイの副睾丸を的確に抉った。

「あぎっ……! はっ………! い、いづ……ッ!」

死んだ方がマシに思えるほどの、救いの無い痛みだった。
大事な男のシンボルを救い上げるカザハナの足の甲の感触は、すぐに身体の芯を貫く冷たい痛みに変換され、下腹をじわじわと蝕んでいく。
それはこれまでの戦いで受けたどんな攻撃よりもおぞましく、慈悲のない苦しみだった。

21 名無しさん :2017/02/08(水) 21:45:35 ID:uBccy87g0
カムイは振り返る。
何の躊躇もなくカムイを地獄の底に突き落とした一人の少女が、にやにやと意地の悪い笑みを浮かべていた。

「カムイ様、男なんだからアソコのガードには気を付けた方がいいわよ。また大事なトコ蹴られたくなかったら……だけど♪」

カザハナはそう言って、何かを救い上げるように右足を振り抜いて見せた。
その動作に寒気を感じたカムイは、本能的に腰を引く。
これほどまでに女という存在を恐ろしいと思ったのは、彼の人生の中で初めてだった。

「あーあ、涙目になっちゃって……男ってほんと大変ね。それじゃ、タマタマお大事にっ♪」

茶化すように言い残して、カザハナは訓練場を後にした。
カムイが動けるようになったのはそれから数時間後の事だった。
その後もこの経験は彼にとってトラウマになったようで、女性兵士と戦う際には過剰に腰を引くようになったという。


終わり

22 名無しさん :2017/02/09(木) 03:42:37 ID:U/JZyYac0
>>21
第一号の投稿、乙!
やはり元ネタがわからないと頭に入ってこないな

24 管理人★ :2017/02/09(木) 20:18:22 ID:???0
投稿ありがとうございます、そして乙です
元の設定を活用することで無駄を削ぎ落として纏められた良作ですね
蹴りのダメージ表現から、女子の身体の描写による性差表現に加えて萌える台詞と態度…全て私好みでした
少し脱線しますが、武器を持った闘いなのに その獲物よりも致命的なダメージを与えるのは急所感が更に増すような感覚がして好きですね

匿名で書こうかとも思いましたが、管理者として一発目に投下してくれた感謝の意を込めてキャップ付きで失礼します
次回からは名無しに紛れますね

25 名無しさん :2017/02/10(金) 15:37:15 ID:cGvqiXn60
>>21
フェチのツボを押さえた描写の数々最高です!
金的SSは暫く全くネットに新作が無かったので、新作に感涙状態です
版権ものは元ネタは分からなくても、後でググって女性キャラをチェック出来るから、
イメージしやすくて二度美味しいですね
今後ともよろしくお願いしますm(__)m

26 名無しさん :2017/02/12(日) 14:06:28 ID:ZrYRhmr.0
痛そうで良かった

27 名無しさん :2017/02/12(日) 23:26:58 ID:I.Xk7WWA0
元ネタ分からないけど、金的一発で女が男を圧倒してるところがイイ!

28 名無しさん :2017/02/14(火) 05:52:35 ID:FhEAub3c0
新作は未プレイだけど、最終的には結婚まで行ってデレるんだな。
これのせいで逃げられてなかなか進展しなかったとか、妄想が捗る。

29 名無しさん :2017/02/18(土) 11:28:04 ID:Tnpzitho0
荒れてない時期が無かった本スレが嘘のようにこっちは平和だな
これなら作者も投下しやすいだろう

30 名無しさん :2017/03/05(日) 21:05:53 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-1


「カズヤ先輩、お待たせしました」

カズヤの目の前に満面の笑みを浮かべた美少女があらわれた。
ここは最近できたスパリゾート。
二人はデートに来ていた。

「い、いや全然待ってないよ」
「そうですか、それなら良かったです。私こういう水着を着るの初めてで手間取っちゃいました」

カズヤの前で少女は恥ずかしそうに回ってみせた。
水色のビキニである。
トップスとアンダーはそれぞれ紐で結ぶようデザインがあしらわれており、カズヤはそれを見て思わずドキリとしてしまった。
極端に露出が多いわけではないが、平均的女子中学生から比してスレンダーで色白な彼女が着ていると危うさのようなものを感じてしまう。
少女が水着売り場で必死に選び、勇気を出して背伸びしたという情景がありありと思い浮かべられる。

「チナツもその水着よく似合ってるよ。その何ていうか……青色がいいね」

カズヤは照れくさそうに頬をかきながら言った。
本当はもっと色んなところを褒めたかったのだが、正直刺激が強すぎて直視ができない。

「あ、ありがとうございます、先輩。えへへへ……」

カズヤに褒められた少女はうれしそうに微笑んだ。その頬は真っ赤である。

「先輩もかっこいいですよ」

カズヤが穿いているのはグレーを基調にしたバミューダタイプのもので、ところどころに赤いハイビスカスの模様が散りばめられている。いわゆるありがちな水着だ。

二人は同じ中高一貫の私立校に通っている。
カズヤは高校二年生で陸上部、チナツは中学二年で同じく陸上部員である。
彼らが付き合い始めたきっかけは一年前。告白はチナツからだった。
当時チナツは中一でカズヤから見て完全に子供であった。その頃から可愛いとは思っていたが、少し大人しい後輩という認識でしかなかった。
彼女の告白を断ってもよかったのだがチナツが泣きそうな顔をしていたため、「友達から」という流れで二人は交流を始めた。
カズヤは始めこそ単なる後輩としてしか見られなかったが、チナツの大人しそうな外見とは裏腹に、しっかと自己主張するところがあり、その芯の強い内面にカズヤ自身も惹かれていった。
そして半年前、カズヤの方から交際を申込み二人は晴れて恋人同士となった。

31 名無しさん :2017/03/05(日) 21:06:26 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-2


「ありがとう、それにしても今日は女の人がやけに多いね」
「今日はレディースデイなので女性が半額なんですよ」

カズヤと同い年から少し上の大学生くらいの女性が目立つ。
照れ隠しのためにそらした話題であったが、チナツとはまた違う魅力のある女性達の水着についつい目が行ってしまう。
そんなカズヤを見てチナツは少し頬を膨らませた。

「まずはウォータスライダーに行きましょう! 二人乗りできる浮き輪があるんですよ……きゃっ!」

カズヤの気を引くために手を取って走り出そうとしたチナツだったが、よそ見をしていたため足をもつれさせつまずいてしまった。

「あたたた、すいませんせんぱ……きゃ!」

カズヤの胸に受け止められる形で転倒を逃れたチナツは慌てて離れた。

「先輩ってやっぱり男の人だったんですね」

チナツは思わずそんなことを呟いてしまった。
先ほどカズヤに抱きとめられた時の厚い胸板、硬い腹筋、太い腕、ガッシリとした骨格。
中学二年生の少女であるチナツの体当たり程度はビクともしなかったカズヤに力強さと男というものを意識せずにはいられなかった。

「ど、どういう意味かな?」
「ああ、その変な意味じゃなくて先輩って細く見えるけど、意外に筋肉質で女の私なんかとは全然違うなって!」
「なんだそれ。まるで普段の俺がもやしっ子みたいな言い草じゃないか」
「そんなこと言ってませんよ」
「あはははは!」

冗談で流したカズヤだったがチナツの返答を聞いて内心はホッとしていた。
チナツを抱きとめた時に一瞬だが彼女の胸が水着越しにみぞおちへ触れたのだ。細身のチナツの胸は見た目では少し膨らんでいる程度のものだったが、実際に触れてみたそれは確かな厚みと弾力を持っていた。
またとっさに掴んだ肩と腰も折れてしまいそうな細さに関わらず、丸みを帯びており柔らかだった。
身体の面ではまた少女だと思っていたチナツに"女"を感じてしまい、カズヤの股間は少し盛り上がってしまった。それをチナツに悟られたと勘違いしたのだ。

「気を取り直して行きましょう、先輩。ウォータスライダーですよ!」
「はいはい」

すっかり元気になったチナツの手に引かれてカズヤは歩き出した。
チナツの水着と先ほどのアクシデントでカズヤの今日の目標は決まった。
キスをしてみせる。

正直チナツが中学生ということもありセックスはまだ早いと思っている。ただ付き合ってもう半年が経つ。手をつなぐ以上をしたことがない。
恋人らしいことをしてみたい。もっとチナツを感じたい。
幸い今日はプールだ。先ほどの様に肌で直接スキンシップをする機会がたくさんある。ここで互いの距離を縮められるはずだ。
そんな男子高校生らしい若干の下心を抱えたカズヤの良心はチナツの眩しい笑顔の前に少し痛んだ。

32 名無しさん :2017/03/05(日) 21:07:02 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-3


「チナツ、ちょっと休憩しよう」

七度目のウォータスライダーの挑戦を前にカズヤは青い顔で言った。

「えー、もう疲れちゃったんですかー」
「ちょっとね」

疲れたというのは方便である。
確かに滑るためにはウォータスライダーの頂上まで何十段という段差を上らなくてはならない。しかし陸上部で鍛えられたカズヤには問題ではなかった。
問題だったのはウォータスライダーの速度だった。
実はカズヤは絶叫系の乗り物が苦手だったが小学生でも乗れるウォータスライダー等は流石に平気だろうと高をくくっていた。
だが現実はこの通りである。楽しむチナツとは対照的にカズヤはすっかり疲弊してしまった。

「分かりました。じゃあお風呂に入りに行きましょう」
「ああ、ここはスパにも力を入れてるから色んな風呂があるらしい。楽しみだな」
「もー、年寄りくさいですよ先輩」

二人は仲良く手をつなぎながらスパゾーンへ向かった。
途中色んな利用客とすれ違う圧倒的に女性の方が多い。もちろんカズヤ達のようにカップルで来ているものもチラホラ見かけるが圧倒的に少数で、ほとんどが女友達と思われる数人のグループだった。

「先輩! また他の女の人見てる!」
「え、そんなことないよ」
「違いません! もう十回以上よそ見してます! それも胸の大きい人ばっかり!」

指摘されて初めて気が付いたが確かに見ていたかもしれない。女の子は視線に敏感だというが自身が見つめられる以外のものにもあてはまるのか。

「どうせ私はまだ子供ですよ!」
「そんなこと思ってないよ」
「本当ですか?」

そう問われてカズヤは改めてチナツの身体を見た。
無駄な贅肉のないよく鍛え抜かれた長い足、細くくびれた腰、小さいが形の整った胸、華奢な肩、そしてつぶらだが意志の強さを感じさせる端正な顔立ち。

「……きれいだ」

思わず率直な感想を呟いてしまったカズヤの言葉にチナツの顔が一気に赤く染まる。

「い、いやらしい目で見ないでください!」

チナツは腕で身体を隠すようにして背中を向けてしまった。ただ一言「許してあげます」と小さな声で言ったのをカズヤは聞き逃さなかった。
二人の距離を縮めるのは中々に難しいとカズヤは思った。

33 名無しさん :2017/03/05(日) 21:08:02 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-4

「あそこに入ってみましょう」

チナツが指差したのはスパゾーンの端にある竹垣に囲われた場所だった

「うわー、すごい」

入口をくぐるとそこは日本庭園のような空間だった。
足元には白い砂利が敷かれ、池を模したと思われる湯船が合った。脇にはしおどしがありそこから湯を流しているようだ。
また四隅には石材を削って作ったベンチが並んでおり、真ん中には大人が二、三人つかれるような大きな壺型の湯船が三つ設置されていた。

「おもしろいですね。入りましょう」
「ちょっと待って」

カズヤはチナツを止めた。
庭園に入りたくなかったのだ。
ここには女性しかいなかったのである。

奥の池で湯船につかっている女子大生と覚しきグループ。ベンチに腰掛けて談笑しているカズヤと同い年くらいの女の子達。一人で来たのかスマホを弄りながら一息ついている女性。
中にいる十数人が全員女性だった。
この施設は元々女性の数が圧倒的に多かったが、ここは本当に女性しかいなかった。
そんな所にチナツがいるとは言えど男のカズヤが入っていくのは苦しかった。
また竹垣で外界と区切られているため圧迫感があり、それが更に居心地の悪さを増した。

「もういっぱいだし止めておこう。ほら、池も壺のお風呂も他の人が入ってるでしょ」
「あ、本当だ。そうですね」

適当な理由だったがチナツは納得してくれたようだった。

「ちょっと、そこのあなた達……」

カズヤ達が庭園を後にしようとすると後ろから声が聞こえた。
壺型の湯船に一人で入っていた女性からだった。

「交代しない? わたし出るから」
「いいんですか?」

チナツは喜んでその女性に駆け寄る。
カズヤもよい理由が思い付かず、しかたなく腹をくくった。

34 名無しさん :2017/03/05(日) 21:08:47 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-5

「いいのよ、私もちょうど出たいところだったし」

女性は湯船の横に設置されている階段に足を掛けながら言った。
壺型の湯船は大人の胸の高さくらいまであり、つかるために三段の足踏み用階段が設置されているのだ。

「ありがとうございます」

カズヤは湯船から出た女性の姿に息を呑んだ。
歳は20代前半くらいだろうか。足が長く腰がくびれモデルのような体型をしている。何より胸が大きかった。
その豊満な肉体をセクシーなビキニの水着に押し込めていた。
見惚れているとチナツが怒り出すのでカズヤはなるべく胸を見ないように話しかけていた。

「いいって、いいって……きゃ!?」

女性の叫び声と同時にカズヤの頬に柔らかな球体が押し付けられた。
階段で足を滑らせた女性がカズヤへ寄りかかるようにこけてしまったのだ。
胸を顔で腰を手で押さえるようにカズヤは抱きとめた。

「ご、ごめんなさいね!」
「い、いえ」

チナツを抱きとめた時とはまったく違う豊満な弾力にカズヤは焦ってしまった。
恥ずかしさから急いでチナツの手を取り湯船に入ろうと女生と交代するように階段を上がった。

「それにしても鍛えてるのね」

湯船に片足をかけたところで先ほどの女性が話しかけてきた。

「部活で少し……」

カズヤはそちらを見てすぐに顔を背けた。
ちょうど女性を見下ろす形になり豊満な胸の谷間が大きく強調されていたのだ。

「へぇー、何の部活なの?」
「陸上部です」
「そっちのコも?」
「はい……」

女生と二言三言やりとりしている間カズヤはついつい胸の谷間を見てしまう。
雑誌やネットでもっと過激なものを普段から目にしているが、実際にこんな近くで見るのは初めてなのである。

「ふーん、そうなんだー。若いっていいわね。それじゃ」

女性はそう言うと含み笑いを浮かべて庭園を後にした。

「さぁ、チナツせっかく譲ってもらったんだし早く入ろう」

チナツの手を引いて湯船につかろうとする。
周囲の女性の目が自分に集中しているようにカズヤは思ったのだ。
この区切られた空間で男一人、しかも高い位置にいれば自ずとそうなってしまう。カズヤは早く湯船に入り視線を遮りたかった。

「また他の女の人ばっかり見て……」

チナツがキッと睨む。
少しは怒っていると考えていたが思った以上のご立腹のようだった。

「とにかく入ろう」

これ以上は湯船の縁に足をかけて注目を集めるのは居心地が悪いためチナツをせかせた。

35 名無しさん :2017/03/05(日) 21:09:31 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-6

「私の時はそんなに膨らんでなかったクセに……」
「……え?」

チナツの小さな声にカズヤは思うところがあり自身の股間を見下ろした。

「ちがっ、これは……!」

カズヤは真っ赤になって股間を抑えた。
勃起した陰茎が海パンをテントのように膨らませていたのだ。

『若いっていいわね』

先ほどの女性はカズヤの恥ずかしく膨らんだモノを見て嘲笑っていたのだ。
そしてこの周辺の女性からの視線も同様である。
注意深く観察するとみんなカズヤの股間を見てヒソヒソと話したり、チラチラと伺うような仕草をしている。
自身が場所もはばからず性的興奮をもよおしてしまったことを、チナツを含め全女性に知られてしまったのだ。
その事実にカズヤはさらに赤くなった。

「ほら、またそうやって他の人を見てる!」

周囲を見渡しただけだったのだがチナツの目にはそう映ったようだ。
チナツは手を振り解き走り出そうとする。
そんな彼女を引き戻そうとした瞬間カズヤは足を滑らせた。

「はぐっっっ!!!」

ゴン、という鈍い音ともに股間に激痛を感じた。
湯船へ跨ぐようにしていたカズヤは足を滑らせると同時に自身の急所を縁にぶつけてしまったのだ。

風呂釜の縁と自身の恥骨との間に睾丸が挟まれ限界まで湾曲する。
幸いにも睾丸はそこから押し潰されることなく、横へ逃げるような形で移動した。
だがこれはカズヤにより一層の激痛を与えた。

「ほぉ……おおおぁううぅぅ……!」

そのまま崩れるように湯船から転がり落ち、両手で股間を抑えながら地面に顔と両膝を付け尻を高く上げた状態で小刻みに震え続けた。
睾丸ひどく痛む。
当たり前だ。自身の全体重が自身の一番脆弱で柔らかな急所にかかったのだ。

一瞬周囲に静寂が訪れた。何が起きたのかみんな理解できなかったのだ。
そして間を置いて数秒後にドッと笑いが起こった。

「うふふふ、やだー」
「今のって完璧にアソコ打っちゃったよね?」
「すごい痛いらしいよ、男の子って」
「潰れちゃったんじゃないの?」

先ほどまでヒソヒソと聞き取れないくらいで話していた女性たちだったが、笑いとともに声のトーンも上がったようでカズヤの耳にも入ってくるほどだった。

「うぐ、うぅぅ」

恥ずかしい。この情けない体勢をどうにかしたい。この場から立ち去りたい。
そう思うカズヤだったが睾丸から来る激痛にどうしようもなかった。
それよりも彼は次に来る地獄に耐えなくてはならなかった。

「ぉぉおぉぉおああああ……!」

睾丸からの激痛がじわりと広がっていく。
痛みは睾丸そのものから下腹部全体へと移り変わり、痛みの広がりも強さもドンドンと増していく。

36 名無しさん :2017/03/05(日) 21:10:25 ID:6hMC2p0o0
■スパリゾート1-7

「なんかすごく辛そうだよ」
「大丈夫でしょ、男の子なんだから」
「ね、鍛えてそうだしね」
「むしろ男の人だから大丈夫じゃないんじゃないですか。アソコ鍛えられないって聞きますし」
「あははは、そうだったね」

興奮してしまった女性たちはカズヤに聞こえてるとは知らず大きな声で談笑している。
一方のカズヤは地獄であった。
広がり続ける痛みと、男性性自身を否定するような辛辣な囁きによる羞恥に針のむしろだ。

何故このような激痛と屈辱を受けなくてはならないのか。
仮に打った場所が腹や足だったとしたら、ここにいる女性たちは全員が心配してくれたはずだ。
それが足などよりはるかに脆弱でオスという生物として最も大切な臓器だというのに誰も心配等してくれない。
いや心配どころか共感すらしてくれない。
ここにいる女性たちにこの痛みは一生分からないからだ。
この空間でオスのシンボルをぶら下げているという事に何の意義ももたらされず、むしろ蔑まれる対象にしかならないのだ。

「せ、先輩! 大丈夫ですか!?」

あまりの事態に固まっていたチナツが丸まっているカズヤの元へ走り寄った。

「だぃ、はぁはぁ……あぐっ!」

カズヤの背中を揺するチナツだったがダメージを受けた睾丸には、その衝撃すら痛みになってしまう。
そう伝えたいカズヤだったが歳上の男としての最後のプライドが、それを躊躇させた。
だがそのなけなしのプライドがさらなる悲劇を呼んだ。

(そうだ。先輩のだ、だだ大事なアレが潰れてないか確かめてあげないと)

チナツは高く上げられた尻の側から睾丸へ手を伸ばした。
ここは男の身体の中で一番の急所であると知っていた。だからできる限り優しく触れるように……

(最初は触れるだけ、それからちゃ、ちゃんと二つあるか確かめよう……)

そう思っていたチナツの指先がカズヤの睾丸に触れた。

「ぽふぉう!!!」
「きゃっ!」

指先が水着越しに睾丸の柔らかな感触を受けた瞬間、カズヤはエビ反りに奇声を上げた。
チナツとしてはまだ握ってすらいない。触っただけだ。
シャボン玉が割れないように触れるような、何の力も入れていないも同然だった。

(男の人のココって、こんなに脆いんだ)

チナツは改めて思った。
確かに自分があの状態で股間を打ったら激痛で転げ回り泣いてしまうかもしれない。
女性の股間……恥骨も十分に急所だからである。
だが男のカズヤ程のことには絶対にならない。
男と女、睾丸をぶら下げているかいないか。それだけでコレほどまでに明確な差異が出てしまうのか。

もちろんこれはカズヤの睾丸がすでにダメージを受けていたからであるが、当初のチナツとしては鶏卵を潰すか潰さない程度の力が必要だと考えていたため、平常な状態にあったにせよ彼の激痛は避けられなかっただろう。

「ち、チナツ。こここし、こしを……」
「なんですか? 腰ですか? 腰を揉むんですか?」
「ちが……あぐ!?」

カズヤは再び激痛に悲鳴を上げた。
下腹部の激痛は腰全体にまで及び、そこを揉み込まれたためだ。もちろん睾丸への振動は言うまでもない。

「叩いてほしいんじゃないんですか?」

いつの間にか近くに寄ってきていたチナツと同い歳くらいの女の子がそう告げた。

「わたし、お兄ちゃんと喧嘩になった時にいつもアソコを蹴り上げるんですけど、それでダウンしたお兄ちゃんがいつも腰叩いてっていうので」
「そ、そうなんですか、ありがとうございます」
「いえいえ、男の人って本当にキンタマ弱いですからね」
(今このコ、き……キンタマって言った。うわー)

一人っ子で大人しい友達が多いチナツには、"キンタマ"という言葉が衝撃的だった。

「先輩、腰叩きますね?」

沈黙を肯定と受け取ったチナツは腰をゆっくり叩き始めた。

「ど、どうですか先輩? きき、きん……キンタマ楽になりましたか?」
(うわー、先輩の前でキンタマって言っちゃった。私いけないコだー)

カズヤは軽くうめきながらもチナツに返事をした。
彼女の処置でほんの少しだけ楽になったが現状は変わっていない。
相変わらず下腹部の鈍痛は凄まじく、周囲の女性たちの嘲笑と蔑みを感じる。おまけにすぐ目の前に歳下の見知らぬ女の子。針のむしろである。
そんな中で唯一チナツだけが痛みを理解し心配をしてくれている。
少なくともカズヤはそう思っていた。
だがそんなチナツの目が、恋人を心配する目から異質な者への興味へ、そしてオスという生き物を憐れむ目に変わり始めていることにカズヤは気付かないでした。


---- 続く

37 名無しさん :2017/03/05(日) 21:12:13 ID:6hMC2p0o0
今回はココまでとさせてください。
金的までの導入部分がだいぶ長くなってしまいましたが、
一応あと2回程の投稿を予定しております。

38 名無しさん :2017/03/06(月) 19:47:35 ID:Ib8L9Fp20
ここは『女が男を金的攻撃で倒すSS』のスレですよ

39 名無しさん :2017/03/06(月) 19:54:15 ID:wTKrZ8eU0
>38
趣旨合ってると思いますが?
>37
とてもいいです。続き楽しみに待っています

40 名無しさん :2017/03/06(月) 22:57:21 ID:Wyd6i6mw0
>>37
乙 めっちゃ好みだわ
大事な所をぶつけて悶絶する恥ずかしい所を痛みの分からない女の好奇の目に晒される屈辱感が最高
容姿やシチュエーションの描写が丁寧なのも〇
続き期待してる

>>39
一応「女が男を金的攻撃」して「倒し」た訳ではないがまあいちゃもんに近いわな
性癖の趣旨には沿ってるし、そもそも長編なら構成の都合で金的描写が控えめになる回もあるだろうに

41 名無しさん :2017/03/07(火) 01:05:27 ID:mG7PH3PY0
>>37
導入が丁寧なのは良いことだと思う
続きを楽しみにしています

>>38
まだ途中だから最後まで書き切ってから判断すればいいのでは?
恐らく後半でチナツが味をしめるパターン(金的で倒す)になると期待している

42 名無しさん :2017/03/07(火) 10:00:49 ID:JG8qElbI0
金的というただでさえ小さいパイをこれ以上分割したらなくなってしまうよ 金的ならだいたいokでいいんじゃないかな?
作者にはありがとう

43 名無しさん :2017/03/08(水) 20:10:48 ID:GTMk6x3U0
これは名作の予感
ここの所立て続けに良いのが来てるね

44 名無しさん :2017/03/11(土) 16:15:58 ID:tl1r37H60
この後責めたりしだすのかな?
激しく期待

45 名無しさん :2017/04/01(土) 22:35:34 ID:/tNigFR60
■露出狂に注意 -1-

「最近この辺りに露出狂が出るという報告が相次いています。皆さん暗くなる前にできるだけ集団で下校しましょう」

チヨコとミカは夕暮れの帰れ道を歩いていた。
二人は新体操部に所属する中学二年生である。

「ミカちゃん、露出狂怖いね。捕まったら変なことされるかもしれないし」

チヨコは二つ留にした髪を揺らしながら、怯える瞳でミカに問いかけた。

「そうですね。力でこられたら私達は男性には敵いませんからね」

艶やかで長い黒髪をなびかせミカが返事をする。
その様子はチヨコと違い落ち着いている。
中学二年生にしては身長の低いチヨコと長身のミカ。
二人の関係を知らない人が見れば姉妹と思うかもしれない。

世間話をしている二人の向かいから若い男が近寄ってきた。
黒いコートを着た爽やかそうな青年だった。

「すいません、市立病院に行きたいのですが道を教えていただけませんか」

青年は人懐っこい顔をして二人に話しかける。

「病院はこの道を真っ直ぐに行って大きな通りを右に曲がると看板が見えますよ」

チヨコは青年へ丁寧に道順を教える。
ミカは二人の様子をじっと眺めていた。

「ありがとうございました。それでは失礼します」
「いえいえ、それでは」

青年は軽く会釈をして二人とすれ違う。

「ああ、そうだ。お二人に何かお礼がしたいのですがよろしいでしょうか」

互いに数歩離れたところで青年は二人を呼び止める。
チヨコとミカは彼の方へと振り返った。

「いえ、お礼なんて結構ですよ。道をお教えしただけですし」
「そんなこと言わずに。そうだ、"良い物"をご覧に入れてさしあげましょう」

そう言うと青年はコートの前をはだけた。

「きゃああああああああっ!!?」

大声を上げるチヨコ。
コートの下はズボンの股間部分に大きく穴が開けられ、勃起した男性器が露出していた。

「ほらほら、もっとよく見てください」
「いや! いやぁ!!」
「チヨコ逃げますよ!」

チヨコは腰を抜かし地面にへたり込んでしまう。
ミカはチヨコの手を握り何とか起こそうとするが上手くいかない。
青年はそんな二人に一歩一歩近づいていく。

「やだっ! いやぁ!!」

勃起した男性器と睾丸が歩みを進める度に大きく揺れる。
チヨコは完全に混乱していた。
ミカはチヨコを起こすのを止め、青年と彼女の間に両手を広げて入った。

46 名無しさん :2017/04/01(土) 22:36:14 ID:/tNigFR60
■露出狂に注意 -2-

「君は怖がらないんだね」
「あなたの目的が分かりませんから。私たちに乱暴するつもりですか? それとも殺すとか?」
「そんなことはしないよ。ただ君たちみたいな若い女の子に僕の立派なモノを自慢したいのさ」

男は先ほどの爽やかな笑みとは似つかない下劣な表情を浮かべ自身の陰茎をしごき始めた。

「ヘンタイ! ヘンタイ! いやあああ!!?」

陰茎を見て大きなショックを受けたチヨコは泣き出してしまう。

「なるほど、愚かで可哀想な人だったのですね」
「ああ……いいよ。後ろの泣き出しているコもいいけど、君のような蔑んだ瞳で睨みつけられるのも最高だ!」

男が徐々に迫ってくる。
チヨコを置いて逃げることができないミカは意を決して男に拳を振るった。

「……くっ!」
「ふふふ、弱いね」

ミカが渾身の力を持って向けた拳は、あっさりと男に受け止められてしまう。
しかも先ほどまで陰茎をしごいていた手で。
男の体液が粘っこい体液が手に触れる感触にミカは嫌悪を覚えた。

「いきなり手をあげるなんてひどいじゃないか。君にはお仕置きが必要だね」

そう言うと男はミカの手を引き自分の身体に密着させる。
まったく鍛えていないように見えた男の腕だったが、少女のミカを引き込むには十分すぎるものだった。

「僕のをしごいてくれよ」
「最低ですね、あなた」

男はミカに陰茎を見せびらかすように腰を突き出した。
圧倒的腕力の前に逃げることができないと悟ったミカは男を睨みつけながらも掴まれていない片方の手を男の下半身へと持っていく。
体液で濡れそぼりてらてらと光っている。

「そうそう、もう少しもう少しだよ……」

男は鼻息を荒くさせた。
少女の小さく柔らかな手で自分の陰茎をしごかせる。
暴力のみでメスを完全に屈服させたオスの悦びがそこにあった。

「しごくよりももっと気持ちい事をさせてあげますよ」
「へぇ……それじゃあお願いしようかな」

この期に及んでも睨みつけてくる少女に不満を感じたが、その瞳の奥には先ほどには怯えのようなものが見えた。
男は余裕を見せようとさらに腰を突き出した。

「こういうのは如何です……か!!」
「はぐっっ!!」

男の股間に大きな衝撃が走る。
それと同時に肺の中の空気を一気に吐き出した。
足が自然と内股になり、無意識に両手で股間を覆った。
そこで初めて股間を蹴り上げられたのだと理解した。
少女の身体の中で一番硬い部分……膝で、男の一番脆弱な部分……睾丸を。

「いぎっ! ぁぁああぁあっっ!!!」

性的快楽を得て膨らんでいた陰茎は一気に縮み上がった。
本能が発情よりもオスとしての種自身を守ろうと働きかけたのだ。

「そうですね。そうやって必死に隠して守ってあげてくださいね。男性にとって大事な大事なトコロなんですから」
「はぅぅ……」

男の拘束が外れ自由になったミカは激痛に苦しむ男を蔑んだ瞳で見つめた。

47 名無しさん :2017/04/01(土) 22:37:38 ID:/tNigFR60
■露出狂に注意 -3-

「自分がどれだけ愚かな行為をしていたか理解できましたか? 男性のソコは見せびらかすようなものじゃありません。私たち女性に痛めつけられないように、情けなく守っておかないといけない恥ずかしい部分なんですよ」
「……ふざけるなぁ!」

怒り狂った男はミカに拳を差し向けた。
しかし睾丸の激痛に震え内股で腰も入っていない拳である。
新体操をしているミカに自慢の柔軟さで身体を落とし込み、あっさりと避けられてしまう。

「そういえば手で触ってほしいんでしたっけ」

避けたミカの目線と同じ高さに男の股間に実らせた二つの果実があった。

「や、やめ……」

男は恐怖した。
振り抜いた拳、大きく開いた足、その間には自身の大切な器官が無防備にぶら下がっている。

「ふふふ、いきますよ……はっ!!」
「あごっ!?」

ミカは掌底で男の睾丸をかち上げた。
腕の力だけではない。鍛えられた足腰のバネを使ったものである。

先ほどの膝蹴りの何倍もある衝撃が男の股間を襲う。
足がつま先立ちになるほど身体が浮き、少女の硬い掌の骨と自身の恥骨との間に睾丸が挟まれ、楕円の形状がひどく歪むのを実感できた。

「ああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!」

絶叫を上げる男。
無理もない硬い膝で痛めつけられたばかりの急所へ、渾身の一撃を叩き込まれたのだ。
まさに地獄のような激痛である。

「まだまだぁ!」

しかし地獄は終わらない。
ミカは閉じていた指を開けると男の睾丸を二つとも握り込んだ。ちょうど副睾丸が指先にくる位置である。

「や、やめ」
「……」

男の静止に無慈悲な笑みを返す。
ミカは睾丸の裏……副睾丸へ爪を立て指をめり込ませていく。

「は、ぁぁああ!!!?」

膝蹴りや掌底とは違った圧迫が継続される痛み。
急所中の急所である副睾丸を握り込まれ、さらに逃れることができないというオスとしての最大の恐怖。
二度も痛めつけられた急所への執拗なまでの攻撃は、同じ急所を持たない女性にしかできないものであった。

「自身がどれだけ脆弱で情けないモノをぶら下げているか理解できましたか?」

詰問しながらも少女は指をめり込ませることを止めない。

「……かった。分かったから」
「そうです……か!」

そう言い放つと同時にミカ勢いよく男の股間から手を引き抜いた。
睾丸を力強く掴み副睾丸へ指をめり込ませた状態のままでである。

「っっっっっ!!!!!!!?」

脆弱な急所へのダメ押しとばかりの攻撃に、男は声にならない悲鳴を上げ横倒しに倒れた。

「男性ってタマを攻撃されると本当におしまいなんですね」

ミカは股間を抑え海老のように丸まって震えている男を見下すように呟いた。

そんな少女の声も耳に届かない程、男は必死であった。
次から次へと湧き出る激痛に下半身は完全に支配されまともな思考ができない。
自身がオスであることを呪うしかない絶望的な痛み。
執拗なまでに急所への攻撃をくわえられた哀れなオスの末路がそこにあった。

「警察を呼ぶ前に縛っておきましょうか」

男に抵抗する力がなくなった事を確認できたが、またいつ暴れだすか分からない。
弱っている今のうちに拘束しておこうとミカは考えた。
あれだけ睾丸を痛めつけられては半日以上は回復できないのだが、女のミカにそれは理解できなかった。
それ程の急所を執拗に攻撃した事実に当の本人が気付いていないというのは恐ろしいことである。

48 名無しさん :2017/04/01(土) 22:38:19 ID:/tNigFR60
■露出狂に注意 -4-

「そういえば、あなたは自身の大切なトコロを私たちに見せびらかしたったんですよね?」

ミカは男のそばにしゃがみ込むと、股間を抑えている両手に自身の手を重ねた。
男の手を後ろに回そうとしたが、弱っていても成人男性と女子中学生である。彼女の力で股間の手を引き剥がすのは難しかった。
悩んで彼女は男の耳元で小さく囁いてみた。

「……言うこと聞かないと潰しますよ。大事な大事な、キ・ン・タ・マ」
「ひっ、はいぃ!」

男は少女の言われるがままに股間から手を放し後ろへ回した。
ミカは新体操のリボンで縛り上げる。
陰茎と陰嚢が少女の前に晒される。
激痛に耐えながら何とかそれを隠そうと足を内股にしもぞもぞと動かした。

「あはっ! なんですか、それ。情けなーい」

ミカはそれを見てお腹を抱えて笑った。
中学生の少女に嘲笑される。屈辱的である。

「堂々とすればいいじゃないですか。さっきまで私たちにソレを見せびらかそうとしてのに」
「……お願い、見ないで」

下半身を襲う痛みに悶ながら男は声をふり絞り懇願した。

「やっと理解できたんですね。あなたが……男性がどれだけ恥ずかしくて脆弱なモノを股間にぶら下げているのか」
「……」

男は強く頷いた。
今の少女を刺激してはいけない。散々痛めつけられた急所をこれ以上攻撃されてはならない。

「……チヨコも分かりましたか?」
「え?」

ミカは後ろを軽く振り返り話しかけた。
先ほどまで泣きじゃくっていたチヨコが

「チヨコもしかえししないといけませんね。この人には怖い思いをさせられたでしょう?」
「え、でも……」
「でもではありません。怖がりなのも克服しなければ。試しにこの人を蹴ってみましょうか」
「け、蹴るって」
「もちろん、キンタマですよ」
「き、きききキン……!?」

少女たちの会話に男は青ざめた。

「それでは足を広げてもらえますか? 言うとおりにしなかったら分かってますよね?」

男は怯えながらも足を広げた。
ミカとチヨコの前に縮こまった男性器が晒される。

「これがさっきの……? なんだかすごく……」
「発情していない時の男性器は小さくなるそうです。まぁ、これは平均より小さいモノだと思いますが」

激痛にあえぐなかミカの辛辣な言葉が男に降り注ぐ。
先ほどまで自身の男性器を見せびらかし興奮できていたことがウソのように、今は恥辱と恐怖しか感じられない。

「では蹴りましょうか」
「う、うん。お兄さん……ごめんなさい!」
「っっっっっ!!!!!!!?」

ローファーのつま先で睾丸を蹴り飛ばした。
睾丸が陰茎ごと千切り飛ばされるのではという錯覚に陥るほど強い蹴りだっった。
ミカと違い小柄なチヨコの蹴りに、そこまでの威力がないと高をくくっていた男はもがき苦しんだ。
彼女もミカと同様に新体操で鍛えられた強い足腰をしており、おっとりとした外見とは裏腹に腰の入った強い蹴りを放つことができた。

「うわぁ、軽く蹴っただけなのにすごく痛そう……」
「これが男性の急所です。すごく脆いですよね」

チヨコに蹴られた男は地面を芋虫のように這い回る。
度重なる睾丸への容赦ない攻撃に男の精神は崩壊寸前であった。
激痛に苛む股間を抑えたいが後手に縛られているため叶わない。結果ブリッジをするような運動を繰り返すしかない。

「お股の間でぷるぷるしてる。」
「まったくあんな急所をぶら下げて、男性に生まれなくて正解でした」

必死の形相で奇妙な動きをし続ける男の股間に縮こまった男性器が揺れている。
チヨコはそれを見て思わず嘲笑ってしまった。
先ほどまで怯えていた自分がウソのように。

「もう一回してみたいな。今度は踏んづけてみたい」
「構いませんよ。警察を呼ぶのはそれからにしましょう。お兄さん、痛がってるところ申し訳ないですが……」
「待って、ミカちゃん。今度は私が命令してみる」

チヨコの変わりようにミカは一瞬驚いたが、その表情を見て優しく微笑んだ。

「ねぇお兄さん。もう一度お股開いてアソコを見せてくれますか? ミカちゃんの命令は聞けて私のは聞けないの? そんな悪い男の人はグチャグチャにしちゃうよ……キ・ン・タ・マ」



----

49 名無しさん :2017/04/01(土) 22:39:01 ID:/tNigFR60
■露出狂に注意 -5-

数日後、チヨコは体育館で部活の練習をしていた。

「ちょっと、先輩。その写真消して下さい」
「新体操部が写ってるとこは消しとくからさ」
「そういうわけにはいきません」

新体操部の一年生と部外の男子がもめているようだ。
男子の方はよく見るとチヨコと同じクラスの本郷ナオトだった。確か新聞部に所属していたはずだ。

「どうしたの?」
「チヨコ先輩、聞いてくださいよ」

新聞部が前回の地区大会に優勝した女子バスケ部の取材にきたらしい。
その際にプレイしている所を写真も収めておきたいという話になり、ゲームをしている場面を何枚か撮影したそうだ。
問題は体育館の残り半面を使っていた新体操部の練習風景まで入っていることだった。
ナオトは女子バスケ部の撮影で写り込んだだけと弁明しているが、明らかに足を大きく上げた一年生の股間などがメインで写っているものもある。
それを確認し消してほしいと抗議していたのだ。

「本郷君、消してくれないかな」
「だから編集する時に女バスしか載せないようにするって」
「そうじゃなくて……」

新体操部の一年は早速弱腰になりつつあるチヨコに不安を覚えた。
できればもっと強く言ってくれる先輩に頼みたかったのだが、三年生は学外模試でおらず、チヨコ以外の二年生も用事や体調不良等で欠席していた。

「偶然写っただけだろ! なんで他の部のヤツに指図されないといけないんだよ!」
「う、そんな怒鳴らなくても……」

すごんだナオトにチヨコの声が小さくなった。
それを見たナオトはこのまま押し切れると確信し、一年生は削除を諦めた。

「ふーん、"偶然"かぁー」

チヨコは静かに笑うと突然にナオトに寄り添った。
小柄で小学生と間違えられそうな体型のチヨコであったが、生地の薄いレオタード越しに女の柔らかさが感じられ、ナオトは思わずドキッとしてしまった。

「本郷君、露出狂の男の人が捕まったの知ってる?」
「ああ、エリート商社のサラリーマンらしいな。良い大学出てても変態は変態なんだな」

ニュースで発表されたのはそこまでであったが、この話にはさらなる噂が付いていた。
何でも露出狂は男性器をひどく痛めつけられた状態で発見されたらしい。
真相は不明だがタマが大きく腫れ上がっていたとか、潰されていたという話まである。
同じ男として震え上がってしまう話だ。

「私ね、習い事たくさんしてて歳が違う学外のお友達とかも多いんだ」

チヨコが何を言いたいのか不明だったが、彼女の甘い香りに股間が反応し始めており思わず前屈みになってしまう。

「その写真は"偶然"私たちが写り込んじゃったんだよね。"偶然"ならしかたないよ。だからね、本郷君が廊下を歩いている時や街で電車に乗っている時に"偶然"見知らぬ女の人の手や足が……ね?」

その瞬間ナオトの股間に軽い鈍痛が走った。
チヨコの手がナオトの睾丸を陰茎ごと撫で上げたのだ。
ナオトは言及したかったが、自身が半ば勃起してしまっていたことと、他の新体操部メンバーからは死角であったことで言い返せなかった。
それこそ"偶然"だったのかもしれない。

「わ、分かったよ。消せばいんだろ。消せば」
「本当に! ありがとう、本郷君!」

何を指しているのか悟ったナオトは写真削除を承諾せざるを得なかった。

「これ消して。これも私たちが写っちゃってる。これも……これもだね」

チヨコと新体操部の一年に指示されて写真を消していく。
その間チヨコはナオトに密着したままだった。
一度だけ削除を誤魔化そうとしたが、その瞬間にチヨコに股間を撫で上げられた。
自分の男の象徴が人質に取られていることを確信した。
この体育館には女子しかいない。男の痛みを分かってくれる者は誰もいないのだ。

「……これで全部だね。ありがとう、本郷君」
「い、いやこっちこそ時間取らせて悪かったな。じゃあ戻るわ」

チヨコに密着されている間生きた心地がしなかった。
初めはあんなにときめいていたのに、急所の睾丸を撫でられただけで、そんな気分は消し飛んでしまった。
必死で勃起を抑えようとしていた陰茎も、いつの間にか縮み上がっていた。
ナオトは女という生き物の怖さを初めて知った。

「あ、そうだ。本郷君」
「なんだよ」

急いで立ち去ろうとしたところでチヨコに呼び止められ耳元で囁かれた。

「……大事なトコ無事でよかったね」

50 名無しさん :2017/04/01(土) 22:40:28 ID:/tNigFR60
以上です。
地の文や台詞回しがクドいので改善していきたいです。

あと申し訳ありません。
議論・報告用スレッド 自体にも記載しましたが誤って投稿してしまったため、
お手数ですが削除をお願いしたいです。

51 名無しさん :2017/04/02(日) 00:27:27 ID:uk3nUpzg0
乙、ツボ押さえてて良かった
文章は全然くどくないと思うよ、むしろこっちが見習いたい

52 名無しさん :2017/04/02(日) 13:52:54 ID:fFXirfG20
前半は良かったけど、後半は確かにクドさはあったし、中学生らしくないような発言で、AV臭さを感じた
ただ、フェチの微妙な方向性の違いだったり、好みの問題なのかもしれないね

53 名無しさん :2017/04/02(日) 19:48:12 ID:rQqAmpFk0
やたらクドいって批判する人いるけど、どこがどうクドいのか説明したらいいんじゃないっすかね
具体的な箇所を挙げて自分ならこう書くって例を示すとかね

>>50
台詞がちゃんと男の急所の脆さにちゃんと言及してるしその上で性格の描き分けも出来てるのがいいね
個人的には後半の体育館で脅す部分が最高
ただその体育館のシーン含めチヨコのパートが若干力尽きてる感あるのでもう少し細かく書いて貰えれば嬉しかった

54 名無しさん :2017/04/08(土) 09:54:34 ID:lCP9lbX60
個人的に握る描写欲しかったけど割と良作だと思う

55 名無しさん :2017/05/11(木) 00:16:08 ID:9cfV1DHQ0
スパリゾートの続きが読みたい

56 名無しさん :2017/05/11(木) 21:20:51 ID:OmgBAvlw0
刹那的にシチュを思いついても半日と経たぬうちに消えてしまう
そんなものなんかな?

57 名無しさん :2017/05/11(木) 23:00:06 ID:XNN.06Hk0
メモっとけばいいんじゃないの
そっから大まかに骨組み作って言葉を選んでって感じで俺は書く

58 名無しさん :2017/05/13(土) 04:58:44 ID:P8eFdXAU0
その根気が続かないんだよ
文章にした途端にイメージ(妄想)から生命力が逃げてしまう感じで
途中で嫌になって投げ出してしまうことが多い

59 名無しさん :2017/05/13(土) 13:27:58 ID:hxJnkBtc0
ならそのまま投げ出せばいいのでは…
別に強制されてる訳じゃないんだし

60 名無しさん :2017/06/02(金) 01:14:48 ID:/mhxPfBE0
ここって結局雑談はOKなのかね
SSと感想以外のレスほぼ無いみたいだが

61 名無しさん :2017/06/12(月) 02:17:47 ID:H0nwPhbQ0
■婿にいくか嫁にくるか6-1

「ぁ……」

誠司は情けない声を上げた。
自身の最大の急所である陰嚢の片方を姫子の足指で掴まれているためだ。
恐怖で先ほどまで膨らみかけていた陰茎が急速に萎えていく。

「掴まれてしまいましたね。誠司様の大切なタ・マ・タ・マ……うふふふ」
「……」

姫子は誠司を見つめるのみで何もしかけてこない。
掴まれているといっても圧迫感があるわけではないのだ。
足の親指と人差指の間で触れられている程度である。
誠司は対応に困り押し黙るしかなかった。

「……降参なさいますか?」
「っ!」

姫子の足指が陰嚢の側面をすっと撫で上げた。
陰茎がさらに縮こまる。

「ただ末代まで記録が残ってしまいますね。歳下の娘の足に大事なトコロを掴まれて降参したという恥ずかしい記録が」
「……」

姫子の言葉に誠司の頬が真っ赤になる。
彼は悩んだ。
体力と経験に優れるはずの自分が、五歳も歳下の少女の色香に惑わされ、あげく急所を制圧されているのだ。男として情けないことこの上ない。

「うふふふふ」

姫子はその表情を見てうれしそうに微笑んだ。
今の誠司は勝敗と男のプライドというものを天秤にかけて揺れている。
彼女がもし陰嚢を強く掴んだり蹴り上げたり等をして痛めつけていれば、誠司は恥も外聞もなく降参しただろう。
だが相手にあえて苦痛を与えないことで誠司のプライドを刺激した。

「私のお願いをきいてくださるなら、放してさしあげてもよろしいですよ」

姫子の申し出に誠司の心が揺れ動く。

「腰に巻いている手ぬぐいを外して下さい」
「……な?!」
「聞こえませんでした? 手ぬぐいの下にある誠司様の逞しいモノを見せて下さいと言ったのです」

その言葉に誠司は面食らった。
この状態を解いてほしければ全裸になれとのことだ。
歳下の少女相手に自身の性器を放り出しながら戦うことに、童貞の誠司はためらいを覚えた。

「お嫌なら構いませんよ。誠司様の大切な殿方の証……包んでいる袋ごと思いっきり下へ引っ張ったらどこまで伸びるんでしょうか?」
「ちょ! やめて!」
「ではお脱ぎになりますか?」

怯える誠司を見て姫子はくすりと笑った。
いつの間にか選択肢の中から降参というものが取り除かれ、陰嚢を痛めつけるか全裸になるかの二者択一にすり替えられていることに誠司は気付かなかい。

「……」

誠司は黙って俯くと右手で手ぬぐいの結び目を解き、左手で股間を覆うように隠しながら抜き取っった。

「手ぬぐいをお放しください」

姫子の言われるがままに右手から手ぬぐいを放した。
手ぬぐいが湯の中に落ち、ゆらゆらと揺れて底に沈む。
陰嚢を掴まれている誠司はしゃがむことができない。これで彼の身体を隠すものは完全になくなった。

空いた右手は自然と股間の前へ持っていく。
誠司の両手の指先は、姫子の足首に触れている。
その気になれば陰嚢を取り返せたかもしれない。
だが彼は急所を強く掴まれることを恐れ何もできないでいた。

62 名無しさん :2017/06/12(月) 02:18:58 ID:H0nwPhbQ0
■婿にいくか嫁にくるか6-2

「手ぬぐいの次はお分かりになりますよね?」

姫子は足首で誠司の手を少しだけ持ち上げる。

「……」

誠司は俯いて目を閉じると股間に置いた両手をゆっくりと退けた。
その際に指が陰茎に触れぷるんと情けなく揺れる。
自身でも信じられないほど縮こまっていた。

「まぁ、これはこれは。うふふふ……」

姫子はそれだけ言うと嘲笑するように誠司の股間を見つめた。
誠司はその行動に顔を真っ赤にして俯くより他なかった。
彼は自身の性器にコンプレックスを持っていた。

一つは無毛であること。体毛自体が薄いのだが性器に関しては完全に無毛であった。
二つ目は皮が余っていることである。勃起時でも亀頭部分が少し露出する程度である。
なお手を使えば完全に剥けるので、いわゆる仮性包茎であった。
仮性であれば何も問題ないのだが、無毛であることで性器に自信がなくなっていた。
また大きさも平均の部類に入るが、こちらも上記の件同様、他人より小さいのではと密かに悩んでいた。

自身の最大のコンプレックスである性器を、歳下の異性である姫子に見られている。
しかも男性最大の急所である睾丸を掴まれ脅迫されたとはいえ、自ら見せるようにだ。
誠司の男してのプライドは崩壊寸前であった。
今すぐ降参してしまいたい。だがここで降参しては男としての面子が立たなくなってしまう。
男のプライドのために男として恥辱的行為を受ける二律背反する行為に誠司は困惑していた。

「ああ、恥ずかしがる誠司様のお顔、素敵です」

姫子の嘲笑に誠司は股間を手で隠そうとした。
だがその動きを悟った姫子は陰嚢を掴んだ足指を、ほんの少し下へ引く。
その小さな衝撃は陰嚢の管を伝い恐怖心という形で誠司の背筋を駆け抜けた。
股間にの局部を制圧されただけで姫子に逆らえない。オスという生き物がどれほど脆弱であからさな弱点をぶら下げているということを誠司は思い知った。

一方の姫子は激しく興奮していた。
小さな玉を握られた程度で大人しく言うことを聞かざるをえない誠司に、嗜虐性と愛おしさを感じずにはいられなかった。

「も、もう放してくれてもいいだろ」
「いいえ。放しません」
「……な!?」

騙されたのか。
自らの縮こまった性器を中学生の少女の言われるがままに見せるという恥辱的行為をしたというのに。

「だって誠司様は、まだ約束を守っていただいていませんからね」
「約束って……ちゃんと見せたじゃないか」
「ええ見せていただきました。その可愛いおちんちんを、うふふふ」

63 名無しさん :2017/06/12(月) 02:19:31 ID:H0nwPhbQ0
■婿にいくか嫁にくるか6-3

"可愛いおちんちん"という言葉に誠司は一層の恥辱を覚えた。
14歳の少女に自身の恥部を丸出しにされ、幼児言葉で嘲笑される。
あまりにも理不尽な対応に怒りを覚え姫子を睨みつけた。

だがその行動は彼女へ微塵の恐怖も与えることができなかった。
誠司の足が震えつつ徐々に内股へなってきていたのだ。
急所を手で守り隠すことを禁止されたため、せめて足でだけでもということなのだろう。
当の誠司はまったく気付いていないようだ。無意識に本能的に行っている。
つまり姫子に対して未だ強気に出ているように見えるが、本能としては敗けを認めてしまっているのだ。
少女である自分よりも頭一つ以上背が高く、筋肉の鎧で守られた男。
それが雄々しさとは正反対の内股という情けない体勢で震えている。
しかもそれは自身が彼の雄の象徴を握っているためなのだ。

この状況に姫子はクラクラとした。
愛しい想い人の"男"を全て手中に収めているという達成感。
彼は完全に怯えている。今すぐこの睾丸を捻り上げ、うずくまる彼を無理矢理引き起こし口付けをしたい。
彼はきっと呆気にとられた顔をするだろう。そのすきに再び睾丸を握り込み怯えた表情を間近でみたい。
それだけで彼の心を制圧できる。この愛しい想い人を自分のものにでいる。

だがまだダメだ。
それで失敗すれば後はない。このような有利な立場になれる状況は二度とこない。
彼は強い男だ。対策をされてしまう。二度目はない。
もっと徹底的に屈服させてからだ。
姫子は興奮を抑えながら言葉を紡いだ。

「私は"誠司様の逞しいモノ"をお見せ下さいと申したのです。今の誠司様のお下げになられているそれは、どのような状態ですか?」
「……」

何を言いたいのか分からなからず怯えるように姫子を見つめた。
誠司の視線に気付いた彼女は妖艶に微笑むと視線を少し下へ外した。
その視線を追いかけるように誠司も視線をずらす。
首筋、胸、みぞおち……まるで蛇に絡みつかまれているように、ねっとりとした視線が下へ下へと這い降りていく。
へそ、下腹とすぎたあたりで蛇はぴたりと動きを止めた。

姫子に直視されている。自身の恥部を。
先ほど感じた視線よりもはるかに強くだ。
誠司は再び股間を手で覆い隠そうとする、しかし同じように足指に陰嚢を一瞬強くつままれ阻止される。

「その可愛いらしいおちんちんを逞しくしてください」
「……え?」

誠司の上げた声は疑問のものではない。
何をされるのか再度問いかけるものだった。できれば自身の予想が外れることを祈って。
そんな彼の心中を見透かした姫子はゆっくりと口を開いた。

「勃起させてください。誠司様の可愛いモノが恥ずかしげもなく大きくなるところを、私に見せて下さい」


---- つづく

64 名無しさん :2017/06/12(月) 02:22:30 ID:H0nwPhbQ0
お久しぶりです。
色々と忙しく大分と間が空いてしまいました。

短めですが今回はここまでとさせてください。
今回は趣味のCFNMに大分走ってしまったのですれ違いになっていたら申し訳ないです。
次回からはCBTメインでいきたいと考えています。
(前回も同じことを言っていた気がしますが)

65 名無しさん :2017/06/13(火) 21:23:31 ID:5MdEV0cU0

急所捕まれて抵抗出来なくなるのは好きなシチュエーションでした
ただ申し訳ないですが正直ここまで間が空いて金的ほぼ無しは萎えます
前回前々回も金的を期待させる引きにしておきながら陰茎責めという見当違いの方向に行ってますし
多少脱線するくらいならともかく、次回もCFNMなり陰茎責めなりがメインになるのであれば流石に趣旨から外れてるかなと

66 名無しさん :2017/06/13(火) 22:40:13 ID:xbK0uGXk0
待ってた
待ちきれないから早く責めの描写をお願いいたします

67 名無しさん :2017/06/13(火) 23:42:24 ID:5tVlBCj60
次もまた一年以上空くのかね…

68 名無しさん :2017/06/14(水) 02:33:32 ID:IgQrdA1w0
投稿乙!
避難所が立ってからの一発目だし、短めでも気にならなかった
(生存確認的な意味で)
続き書いてくれて嬉しいぜ〜

69 名無しさん :2017/06/14(水) 05:03:33 ID:VtH98o5o0
乙です。何よりも放り投げてなかったことにありがとうと言いたい。
次回はまた来年か再来年だろうか、という懸念や
今回「も」お預けという展開には流石に多少のガッカリもあるけど、
個人的にはこの二人の今後がどうなってしまうのかっていう、
単純に物語としての結末も気になっているところ。
引き続き楽しみに待ってます。

70 名無しさん :2017/06/16(金) 14:09:25 ID:e21biuyI0
乙です
玉責めパートが待ちきれない

71 名無しさん :2017/06/20(火) 00:18:19 ID:itbNz7FQ0
うおおおお、久しぶりに来たら婿嫁の続きが!
相変わらず強いはずの男を辱めていく描写が上手いです

72 名無しさん :2017/07/11(火) 22:17:06 ID:jkb8grj.0
致命的急所(金的)を持つ男に対する、そんな脆い急所を持たない女の優越感、
性差表現は最高です
次回こそは金的ぶちかましてください
期待してます

73 名無しさん :2017/07/11(火) 23:29:04 ID:UxyVnO8.0
まあ投下してくれたのは凄くありがたいんだけど
そろそろわざとやってるんじゃないかという余計な不信感も湧き始めているので
次回はがっつり金的メインで書いてそういうのを払拭して貰えると個人的には嬉しいです

74 名無しさん :2017/08/26(土) 17:11:57 ID:6lzJxtbE0
テスト

75 名無しさん :2017/08/26(土) 20:48:35 ID:pAkzYvvw0
まだ需要あるかな、、
俺の小学5年生の時の実体験をノンフィクションストーリーにしてみました。
見てる方の嗜好に合うか分かりませんが、
ノンフィクションならではのリアリティーや、生まれて初めて金玉が急所だと痛感し、自分より弱いと思っていた女子に屈服させられる悲劇の少年に感情移入してみて下さい。笑

76 名無しさん :2017/08/26(土) 20:50:28 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 1/8
※登場人物は全て仮名です

「あーあ、ユリカ。1年生泣かしたー。お前マジでガサツだよなー。」

とある小学校の子供会の行事。
地区別に縦割りで割られた子供会、1年生〜6年生までと、その保護者とでレクリエーション大会が行われていた。
そこで5年生のユリカが落ち着きのない1年生の子につい強く当たり過ぎてしまい、1年生がびっくりして泣いてしまったのだ。

そして昼休憩の自由時間。
1年生の子のお母さんもユリカに対して全く怒っておらず、とくに問題にもならなかった事象なのだが、
ユリカの同級生となるヒロノリは意地悪く、保護者の前でユリカを悪者にする様な発言を繰り返すのだった。

「ユリカに怒られるとかマジで可哀想。お前だって普段キャーキャーうるせえ癖にこういう時だけお姉さんヅラしてよー!」

…小学生の頃を思い出して貰えば想像はつくと思うが、決してヒロノリはユリカのことを嫌いな訳ではない。
だが、ヒロノリは無意識にも「女子より上に立ちたい」という感情が心の奥底に根差しており、それがこういった揚げ足を取る行動に繋がっているのだ。

ユリカもまだ小学生。笑顔を保とうとするもどんどん顔が引きつっていく、、

77 名無しさん :2017/08/26(土) 20:52:51 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 2/8

そんなユリカを仲の良い同級生女子であるカンナ、ミクは見てられず、ユリカをそっと呼び出した。

『ユリカ、、大丈夫??』
『あいつ調子乗りすぎ。てか女子の事舐めすぎじゃない??』

…ユリカはこれまでもヒロノリに見下された言動をたくさん取られ、我慢の限界に達していた。
『…ちょっと2人とも、協力して。』

静かにそれだけ口にすると、同級生男子とボール遊びをしているヒロノリの方に歩み寄る。
他の男子に素早くヒロノリを貸す様に耳打ちすると、ヒロノリにこう言った。
『ヒロノリ! ◯◯くん(1年生)のオモチャのヒコーキが、2階の通路に上がっちゃったみたいなの! 取って来てあげてくれない??』

大人の前ではええカッコしいなヒロノリは、取って渡してあげると自分の株が上がると思い、すぐに承諾して勇ましく2階へ駆け登る。

…しかし、2階の通路をくまなく探すも、そんなヒコーキはどこにも見当たらない。
その時だった、、ユリカが下から叫んだ。
『ヒロノリ降りろ! ちっちゃい子がマネする!!』
(カンナ、ミク)『!!!』
「…!! …っおい!!」

78 名無しさん :2017/08/26(土) 20:54:39 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 3/8

「騙したな!!!」
ヒロノリは当然降りようとするが、
ユリカ、そしてカンナとミクは、素早く階段まで移動する。

…よくある体育館の構造を思い出して欲しい。2階に繋がる階段は、舞台裏で皆の目の死角となっている。

『ヒロノリが階段を降りたら、素早く身体を抑えて。』
カンナとミクにそう指示をし、ヒロノリを待ち構える。

「!! おい何すんだよ。てかよくも騙したな。許さねえぞ!」
『ごめんごめん(棒) ねえヒロノリ。もう一回上に上がってきて♡』

「はぁ?w 上がる訳ねえだろ! 放せよ!! これ以上やったら女子でも殴るぞ!!」
『ふ〜ん、、そう、、。』

カンナ、ミク(ちょ、、ユリカどうする気? まさか3人がかりで力ずくでってこと? 確かにヒロノリはむかつくけど、それはウチらが危ないんじゃ、、)

3人の視線がユリカに集まる。
「ちょww 顔近ぇよユリカwww」
(え、、まさかチューでもするの?? 嘘でしょ??)

…横向きでヒロノリに擦り寄り、後ろの手はパー、、
ヒロノリはユリカの顔部分ばかりに目がいく、、
少し姿勢を低くしたかと思えば、細くしなやかな右手が、男の男たるシンボルに迫っていく、、

79 名無しさん :2017/08/26(土) 20:57:42 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 4/8

一瞬先の方に触れたかと思えば、次の瞬間には2つの玉を的確に捉える、、
ヒロノリが気付くかと思えば、顔を離して一気に握り潰した。

「ほぎゅあぁぁぁぁぁぁ!! 痛い痛い痛い!!!」

(ちょ、、ユリカwwwww)

ヒロノリが断末魔の様な叫び声を上げ、涙目で過呼吸の様になる。
ユリカはすぐに手を離したが、先程の威勢の良かったヒロノリとは別人の様に縮こまり、身体を抑えていたカンナとミクも、ヒロノリの身体から一気に力が抜けていくのが分かった。

『ねぇ、2階上がれって言ってるでしょ? それとももう1回握り潰されたい? さっき全然力入れて無かったんだけどな〜、、』

「分かった上がるから!! 手ぇ後ろにして!! お願いwww」

ヒロノリは必死に懇願すると、逃げる様に階段を上がった。
無論、まだキンタマのダメージが残り、おたおたした足取りなのだが。

カンナ『手ぇ後ろにしてとかウケるwww』
ミク『ヒロノリやばいww ホンマに痛いんじゃねww』

2人はユリカの意図が分かり、むかつく存在だったヒロノリのマヌケな姿を見て一気に楽しくなる。

2階の通路に上がったヒロノリは、ひたすら挙動不審にウロウロしていた。

80 名無しさん :2017/08/26(土) 20:58:51 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 5/8 《ヒロノリ回想パート》

…一瞬何が怒ったか分からなかった。感情が整理出来ない、、

正直、男のキンタマは急所だと知識としては知っていたが、今まで運が良かったのか、蹴られたりはおろか、スポーツとかの事故でも本気の痛みは経験した事が無かった。
前に先生が教室でキンタマは蹴られると死ぬほど痛いって話してたけど、俺にはただの下ネタのギャグでしかなかった、、
それなのに、、

女子に負けるなんて恥ずかしすぎる、、。

さっきはあまりの痛みに思わず逃げてしまった。
ユリカ達は当然また俺を悪者に仕立て上げるように叫び散らすだろう。
なんとしてでもこの状況から脱却しなければならない。

でも、、
さっきユリカ全然力入れて無かったって、、もし次本気で握られたら、、

クソッ!! 最悪だ!!

…痛みが引いたら、一気に階段を駆け下りて、ユリカに思いっきり飛び蹴りしてやろう。
さっきは油断したけど、女子に負ける訳はない。そんなダサい事許せる訳がない。カンナとミクも同じだ。
前に同じクラスのダイスケがミクのお腹殴って泣かせてたっけ。

暴力は好きじゃないけど、やられたらやり返すしかない。見てろよ、、

81 名無しさん :2017/08/26(土) 21:00:52 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 6/8

『ヒロノリ降りろって言っとるだろうが! ちっちゃい子がマネする!』
『そんなとこ登っても全然カッコ良くないで!!』
『しつこいでヒロノリ!』

女子3人が口々に叫ぶ。

とうとうお母さん方も気付いた様だ。すぐにヒロノリの母親にも知らせがいく。
「ヒロちゃん! 降りなさいって! 何してるの? あんたバカじゃないの??」
ヒロノリの母親がヒロノリを怒った。

言い訳したいヒロノリだったが、女子達に脅されてこの状況というのはどうしても恥ずかしく、
内弁慶のヒロノリは怒りの矛先を母親に向けてしまう、、

「うるせえ!! 何が悪いんやババア!!」

…酷い反抗期だった訳じゃない。少年男児特有のしょうもないプライドだった。
ババアというのは、反抗期が始まった友達が、家でお母さんにやつ当たりしてたシーンをついつい再現したものだ。
男性読者ならこの心理、分かって貰えるだろうか、、

「ああそう。もう知らんけえな!!」
本当に小さい子がマネしたりしない限りは放っておいても大丈夫という事だったのか、
母親を始め大人達は呆れながらもその場から自然と去っていった。

痛みもおさまり、意を決して階段へと向かう、、

82 名無しさん :2017/08/26(土) 21:02:43 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 7/8

女子3人組も舞台裏に移動する。

『小5にもなってヒロちゃんって呼ばれてるんだ。ダッサww』

「ユリカ、、よくもハメやがったな、、ぶっ殺してやる!!」

『あんたが女子をいっつも小バカにしてるからでしょ? 大して強くもないのに。…まぁでも、3人でやったらウチらが卑怯か。カンナとミクは少し離れてて。ほら、ぶっ殺すんでしょ?笑』

「クソッ!!!」

…飛び蹴りを意気込んだものの、いざ対面するとさっきのトラウマが蘇る。

『ちょwwめっちゃ腰引けてるww』
『おじいちゃんみたいwww』
カンナとミクの野次が聴こえて、一気に精神がぐちゃぐちゃになった。

なんとかユリカの後ろを取り、覆い被さる様にしてユリカの両手を抑える、、
片手で両手を抑え、もう片方の手で殴ろうとしたその時だった。

ユリカが一瞬ニヤリとしたのが見えた、、後ろ足の踵が振り上がる、、

グシューッッ!!ww

「ほぎゃわ〜〜〜〜〜ん!!!!!」

タマが恥骨と踵の間に挟まり、女の子の様なペタンコ座りになってうずくまる、、

これまでの事で精神的余裕もゼロで、ヒロノリは声にならない声を上げ、己の姿も顧みず大泣きした。

83 名無しさん :2017/08/26(土) 21:04:14 ID:pAkzYvvw0
◾️体育館での悲劇 8/8

『ごめーんw ガサツな女で悪かったねぇ笑』

『ダサ、、一発蹴られただけで泣いとるじゃん、、』

『いやカンナちゃん、、今のは泣くってww』

こんなやり取りが聴こえ、ヒロノリの泣き具合はさらに増していった、、

不審に思った大人達がやってくる、、
「ちょっと! ヒロノリ君どうしたの??」
『ごめんなさい、、私達が注意したら泣いちゃいました、、。』
「うそww ねえヒロノリくん! 女の子に言い負かされて泣く様な子じゃなかったでしょ! しっかりして!!」

「ううっ、、ううっ、、、。」

間も無くして午後のプログラムが始まったが、ヒロノリはキンタマの痛みと感情が処理しきれず、ひたすら体育館の隅っこで体育座りをしていた。

母親に対してどうしても本当の事が言えず、その後家庭でも修羅場だったが、それはまた別のお話。

それ以来、女子に対して強く出れず、良く言えば紳士になったが、
女子の手が偶然股間付近に伸びるとビビって腰をクネクネさせてしまい、オカマキャラになってしまった、、

84 名無しさん :2017/08/26(土) 22:26:29 ID:oJFWFGKc0

色々言いたい事はあるがとりあえず投下してくれた事には感謝する
それとエロパロの方に残ってるのは荒らしが立てたスレなので個人的には使わない方が良いかと

85 名無しさん :2017/08/27(日) 08:33:54 ID:56IU/O0Q0
>>84 確かに、、スレ来たの久しぶりだが酷い荒れっぷりたな、、

まま、この性癖を持つ人って、結構昔こんな感じの経験した人が多いんじゃないかなってね。

86 名無しさん :2017/08/27(日) 22:27:56 ID:Iv6EUKRI0
>>85
念の為だけど内容は褒めてないからね
ただ着眼点は鋭いし最低限の文章力さえあれば良作になりえた

87 名無しさん :2017/08/28(月) 08:15:20 ID:q/dcezBQ0
文章力というか展開が速いんだと思う(読むほうは書く以上にあっという間だから)
同じ内容を1.5倍くらいに引き伸ばして書くと良い感じになる(セリフ以外の文章を引き伸ばす)

88 名無しさん :2017/08/28(月) 09:24:44 ID:ftLKFxnQ0
>>87 なるほど、、大変参考になります、、。 ノンフィクションでソフト系SSなだけに、あまりダラダラと書いてはと思って所々はしょったりしてたんですが、逆効果でしたね、、
見返してみると小説というかレポートみたい笑
小説としての文章力は無いと言わざるを得ませんね(⌒-⌒; )
また挑戦します。

89 名無しさん :2017/08/28(月) 12:32:59 ID:Nvf.mZ/A0
いやレポート風に書くのはアリなんだけど単純に読みにくいっていうか…
顔部分とかオカマキャラとかええカッコしいとか他に良い表現なかったのって箇所多いし
「ババアというのは〜」なんて明らかに推敲不足だし
何より文体の癖が悪い意味で強すぎて、あまり活字に触れた事のない人が我流で書いたような印象を受ける
その辺が興醒めになって抜けるものも抜けないと感じた

ちなみに内容そのままで引き伸ばすのは冗長になるだけだと思うので個人的にはオススメしない
それよりはまず基本的な約束事とかを身に付けた方が良いと思う
集団で嫌いな相手を陥れる女子特有の生々しい陰湿さは好きです

90 名無しさん :2017/08/30(水) 02:44:58 ID:ZXri2hTw0
リアルでこういう経験できるって単純に羨ましいな
もう一度子どもの頃に戻りたいww

91 名無しさん :2017/08/30(水) 12:47:36 ID:LQ.uEivI0
>>90 当時は単純に痛い悔しいの屈辱感しかなかったんだよなぁ、、
こんな経験もあってか成人した今では女性に対して紳士的に振る舞えてるから、結果良かったのかもしれんが、
ある日漫画の金蹴りシーンを見て、トラウマのはずが何故か性的興奮を覚えてしまって、、その時はマジでぞっとしたよ、、。
リアルの友人知人には口が裂けても言えないし最悪だ。

92 名無しさん :2017/10/09(月) 06:02:21 ID:LTDlCwEQ0
ヒヤリとした感覚で、目を覚ます。

飲み過ぎたかと一瞬考えるが、その考えは手首に走る痛みによってすぐに途切れた。
手首を何かで固定され、なにやら上から吊るされているようなのだ。

しまった、と思うが、すぐに気を取り直す。
覚悟はしていた。最底辺の大学の留年生という立場から反体制活動に身を投じる決意をして早数ヶ月、
悪の組織に捕らえられて処刑されるシチュエーションを何度想像したことか知れない。

そこで俺は自分を省みずに勇敢な抵抗を続けつつ見せしめとして朝露に散り、
この革命が成功した暁には名も無い英雄の一人として歴史に残るのだ。

「俺は何をされても屈しない!革命に栄光あれ!!」みたいな、うーん、なんか違うな。
ただ、それっぽい最期の言葉は考えておかないと。後世で教科書に載ったりなんかして。

フフフ…おっと。


駄目だ駄目だ、つい自分の世界に浸ってしまった。
ここは一体何処なのか……あたりを見回すが、想像していたような地下牢や、
寒々しいコンクリートに覆われた箱のような部屋ではない。

窓こそ無いが、ピンクやクリーム系統のパステルカラーのウレタン素材?のようなもので覆われ、
ところどころに柔らかそうなクッション、あまつさえ大きな熊?のぬいぐるみまでが転がっている。
壁際にはファンシーな衣装箪笥のようなものがあり、前面にはポップなといえば良いのか、
カラフルな文字盤を持つ掛け時計が飾られている。

20畳ほどだろうか、フワついたファンシーな部屋の天井から、オレンジやスカイブルー、サーモンピンクの
鎖が何本か垂れ下がっており、それぞれに対応した色のダボダボシャツ?を着た人が、バラバラに繋がれていた。

お、あそこの二人は一緒に飲んでたダチじゃん…もとい!革命の闘志に燃える青年であり俺の引き立て役予定の男が二人、俺こと将来の革命の英雄にしてスーパースター、伝説の男が一人
それぞれイチゴ柄やストライプ柄の猿轡を噛まされ、膝と足首には逃走を防ぐためか、分厚いプラスチックの足枷が嵌められ吊るされている。

擦過傷を防ぐためか、足枷や手枷と肌の間に、タオルのようなものが挟まれているのも、拷問部屋や処刑部屋を想像していたこちらからすると
拍子抜けというか、気が抜けるというか、うーん、なんだかなぁ。

そうこう考えていると、背後で扉の開く音がした。

93 名無しさん :2017/10/09(月) 06:02:54 ID:LTDlCwEQ0
音に集中するために、ギュッと目を閉じる。扉の閉まる音と、施錠の音。
ガチャガチャと施錠の音が鳴り響く中、複数人の気配がこちらに近付いてくるのを感じる。

きっとトンでもないサイコ野郎に違いない、あれだろ?こんなファンシーな部屋で犠牲者が泣き叫ぶのに大興奮するような
スーパーサディスト野郎だろ?来るなら来いや!絶対に屈服とかしねーから!でも痛いのは抑え目にして下さい!!
それと、傷跡が残るなら、出来るだけカッコいい、自慢できるようなヤツにしてください。後々自慢できて、なんかモテモテになるようなヤツ!!
神様、次は賽銭を弾むので、なにとぞなにとぞよろしくお願いします!!!

と、前に人が集まる気配を感じた。うぅ、見たくない。
くそ、後ろのガチャガチャ音が収まったら目を開くぞ!!って、もう収まったのかよ!
少しずつ目を開く……可愛らしいブーツ、眩しいふくらはぎ…て、マジで!?

そのまま、目を見開くと、いたのは同年代の小柄な女性が一人、高校生ぐらいに見えるけど胸が大きく、少し大柄で物静かそうだけど胸が大きい子が一人、
そして吊るされている少年と同じくらいの少女が二人。この二人は平たい。どーでもいい。

ドアの施錠が終わったのか、駆け寄ってくる一人は、少女と同じくらいの年頃の少年だ。なんか顔色がすっげー悪いけど。

94 名無しさん :2017/10/09(月) 06:03:25 ID:LTDlCwEQ0
--------------------------------------------------------------------

「F89番、説明を」

隊長の指示に従い、一歩前にでる。
F124番、F125番の双子姉妹は、こんな時だとおすまし顔。M98番は、今にも倒れそうな顔をしている。可哀相に。

「貴方たちは、危険活動防止法違反で収容されました。弁護、裁判は既に完了しています。
 貴方たちには、上告の権利は認められていません。既にC級B-0対象犯罪者として処罰されることが確定しています」

鳩が豆鉄砲を食らったみたいな顔。まぁ、そうでしょうね。でも、分からない今が、きっと一番幸せ。

「B-0対象っていうのはねー」「Bって何か分かるー?」

F124番、F125番の姉妹が囃したてようとするのを、隊長が制する。

「貴方たち、まだ説明の途中ですよ?…まったく、貴方たちがB-0だったことに感謝しなさいね?でなければ、とっくにB-0かB-1にしていますからね?」

「キャー」「コワーイ」
姉妹は、おどけて跳ね回る。あの子たちは、いつもそう。こんなのの何が楽しいのか、私には分からない。

「ここからは、私が説明を引き継がせていただきますね。…XXXXさん、貴方は反社会組織、えーと、なんて読むのかしら、コレ。
 『暁の孤高の反体制の狼の武装戦線…?の虎…?』の一員として、破壊活動の幇助をしていたとして逮捕されました。

 まぁ、名前から分かるように、ちょっとした学生の火遊びサークルみたいなものですが、犯罪は犯罪です。
 貴方はご存知ないかも知れませんが、貴方たちのサークルは、より危険な団体への橋渡しのような役割も果たしていましたので、
 善良な市民の安全を担保するという観点から、この機会に全員を捕縛させていただいております」

隊長の説明に、吊るされていた青年は再度目を剥く。今まで事の重大さが理解できていなかったのかな?
それなら、今回のコレをいい教訓にしてくれるといいのだけれども…一度しか味わえない教訓なのだから。

「ここの部屋に集めさせていただいたのは、まだ具体的な反社会活動を行っていない方々です。あぁ、ご心配なく。
 一度にこの部屋に収容出来なかったので、他の方々も順番にこの部屋に案内する予定ですので。
 ……コホン。閑話休題させていただいて、本題に移ります。貴方たちには更生の余地があると判断されましたので、
 処刑や懲役では無く、矯正刑が言い渡されました」

「矯正刑ー?」「去勢刑ー?」
「求刑ー?」「宮刑ー?」

また姉妹が囃し立てる。一体、どこからそんな言葉を覚えてくるのか。本当に、ココは教育に悪い場所だ。

95 名無しさん :2017/10/09(月) 06:04:06 ID:LTDlCwEQ0

「もう!M98番、F124番、F125番を大人しくさせてください!……えーと、どこまで話しましたでしょうか?
 矯正刑というのは、つまり、もう悪いことを考えない大人しい人になっていただくということです。
 処置を受けていただいた後、歩けるようになったら、もうお帰りいただいて結構です……こんなことで、牢屋に入っていただくのも気の毒ですからね」

穏やかに微笑みながら、隊長は言葉を続ける。気の毒とか、どの口で言うのか。
私にとっても結局は他人事だけれど、あの人の本心は何処にあるのか、いまだに分からない。

「処置ですが、こちらも大したことは行いません。貴方がその気になってくだされば直ぐに終わりますので安心してください。
 セン馬って言葉をご存知でしょうか?これは、気性の荒い牡馬を去勢することで、穏やかな性格に矯正することなのですが、
 今回行われる処置もそれに準ずるものです。つまり、貴方たちの睾丸を物理的に除去するという形になりますが……どうしました?
 上手く伝わっていないような顔をされているのですが……」
 
呆れた。どうやら、このお兄さんは今の説明で頭から煙をふくぐらいに煮詰まっているみたい。
事前に見たプロフィールでも、ノリで生きている極まった馬鹿だとは聞いていたけれど、ここまでだ何て思ってもみなかった。

「隊長。もっと砕けた言葉にしなければ、こちらの方には分かっていただけないみたいです」
「えーと、あの、そうなのですか?」

お兄さんは頷く。ただ、頷きつつも、頭の周りに?マークが飛び交っているのが見えるような顔を隠さない…というか、隠すという知恵がないんでしょうね。

「えーと、つまりですね。貴方の、睾丸…いや、精巣というか、あの、その、キ、キ、キ……」
「つまり、アンタのキンタマ、二つだからタマタマを両方とも潰しちゃうよってことです」

なにをカマトトぶっているのか、顔を真っ赤にした隊長から言葉を引き継ぐ。こんなこと、さっさと終わらせるに越したことは無い。

「コレですよ、コレ。コレをブチュッとして、お兄さんに『お兄さん』じゃなくなってもらうってことです。
 私には無いからどうしてか分かんないけど、コレ無くなったら、お兄さんはとっても大人しくなっちゃうんですよ。オカマさんになっちゃうから」

お兄さんの貫頭衣の裾から手を差し入れ、男の人の柔らかいところをタプタプさせながら話を続ける。
今までキョトンとした顔が見る見る青褪め―――てない!この人、まだ状況を理解していない!それどころか、おちんちんを大きくしている!!
目線は私の胸と、隊長の胸を交互に行ったり来たり…いや、大物なのか、馬鹿なのか。

「XXXXさん、コレからこの子、F89番があちらのミドリの服を着た殿方で実演しますので、何をされるのかじっくり見ておいてくださいね?」
「わーい、実演ー!」「わーい、アキもアキもー!」

F124番、F125番の二人が復活した…M98番は?と見ると、股間を押さえて蹲っている……全くもう、情けないったら。
というか、本名を名乗ったら駄目でしょうが!!というか、私?!

96 名無しさん :2017/10/09(月) 06:04:37 ID:LTDlCwEQ0
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カナエお姉ちゃんがビックリした顔してる。
ま、タイチョーからの直々のご指名だもんねーいいなー。

「……分かりました。方法は?」
「F89番にお任せします。器具が必要であれば……M98番?何時までそうやって丸まっているのですか?立ちなさい」

うわー、タイチョーってば厳しいなー。ユウ君、ユキとアキでギュッてしたから、きっと未だ立てないよ。
ほら、まだプルプルプルプルしてる。カワイー。痛そー、分かんないけど。アハハ。

「M98番、急所をやられたのですね?君には金的という急所があるから、男の子でいたかったら守らないと駄目と教えましたよね?
 F124番、F125番の二人をみて御覧なさい?あの二人は、今君が抑えている弱点なんてないんですよ。だから、簡単に金的を攻撃できるんです。
 私やF89番も同じ。金的をやり返される心配もないし、そんな急所の痛みも分からないから、そんな姿でいても共感できません。
 でも君は違いますよね?だから……聞いていますか?そんなに痛いのですか?」

「そんなに痛いのー?」「たーいへーん」

アキと一緒にからかってみる。それでも、ユウ君は動けないみたい。男の子ってカワイそー。

「M98番、大丈夫ですか?立てませんか?……そんなに痛いのであれば、一思いに―――
 ―――隊長。器具は要りません。このままで結構です」

お、カナエお姉ちゃん再起動<リブート>って感じー。ユウ君もちょっとの間命拾いしたよねー。

「ねー」「ねー」

二人でアイコンタクトを交わす。だって、今までこの部屋から出て行ったタマは無いもん。
カナエお姉ちゃんもそれを知ってる筈なのにねー。ユウ君は知らないかな?ココに入るのは、きっと最初で最後だし。

まぁ、出来るだけ男の子を満喫すればいいんじゃない?最後なんだし。
満喫できるのは、男の子の大変さだけってのも、ま、付けて生まれてきちゃったんだし、仕方ないよね。

97 名無しさん :2017/10/09(月) 06:05:16 ID:LTDlCwEQ0
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あの連中、頭がおかしい。

打ち上げから拉致られ、場に不似合いな甲高い声でのやりとりを聞きながらの第一印象はソレだった。

バカオブザバカ、いや、アイツはどうでもいいか。
アイツ、今までも碌なことをしないロクデナシだと思っていたが、今回のポカは致命的だ。

あの女達は、男にとって、去勢されるということがどういう意味を持つのか、理解しようともしていないらしい。
あまつさえ、懲役よりも去勢のほうがマシというのを、事実として信じ込んでいる。

お互いを番号で呼んでいるのは復讐を避けるため?であれば、何故顔を晒している?
やっていることが、どうにもチグハグで違和感を拭えない。

MはMale(男性)?FはFemale(女性)?ごっこ遊びはそっちじゃねぇか?!
拘束から逃れようと身を捻りもがいても、カチャカチャ耳障りな音を立てるだけで
手枷も足枷も外れる気配が無い。タオルが巻いてあるからか、足首や手首に食い込む気配が無いのも、
この状況ではやたらと癇に障るだけだ。

大声を出そうとしても、猿轡に遮られてうめき声に変わるだけ。
猿轡も、ご丁寧に息がしやすいように空気穴みたいなものがあるようで、息苦しさも感じない。

出来る限り、拘束対象者に気を使っているように見えて、自分たちと無縁な痛みには全くもって無頓着。
それが、逆にあの連中の本気度を示しているようで背筋が凍る。

と、ボーダーのシャツを着た女(F89と呼ばれていたか?)がこちらに向かって歩み寄ってきた。
待て、待て、待ってくれ。俺が着ているのはピンクのシャツで、あのホワイトニットを着ている女(隊長と呼ばれていた)がいう、
ミドリの服をきた男じゃないぞ?!

98 名無しさん :2017/10/09(月) 06:05:48 ID:LTDlCwEQ0
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私、F89番ことカナエが執行することになりました―――なんて。
本当に、悪い冗談みたいだけど、あのままだとM98番が酷い目にあわされてしまうから仕方が無い。

仕方が無い、仕方が無い、、、本当に辟易する言葉!
と、桃色の貫頭衣を纏ったお兄さんが目を覚ましたみたい。本当に、お気の毒様。
緑色のお兄さんのところへ向かう前に、ピンクのお兄さんの所へ向かう。隊長から警告も来ていないし、コレは問題無いみたい。

「ピンクのお兄さん、起きちゃったんですね」

むーむー言いながら、身を捩るお兄さんに声を掛ける。
目からは、未だ闘志や意思が消えていない……こういうのを見ると、とても悲しくなる。

けど。
だけど。
どこか、身体の奥が熱を帯びてしまうのを感じる。これも、どうしようもなく、悲しい。

「申し訳ないのですが、さっきあっちのバカのお兄さんに説明した通りです。お兄さん達には、『お兄さん』をやめてもらいます。
 お兄さんはそのまま楽にしてくださって結構ですよ?反抗や、反省したフリもしていただかなくて結構です。
 きっとお兄さんは知らないでしょうけど、タマを取られちゃうと、みんな腑抜けになっちゃうんですから。隊長は、それを「イイコ」になったって形容しますけど、
 単なるタマ無しの腑抜けです。女は最初からついていないのに、何で男の人はそうなっちゃうんでしょうね?取られた後で教えてくださいね」

これ以上引き伸ばせない。軽くピンクのお兄さんの頭を撫でて、そのまま緑のお兄さんのところへ向かう。
何時の間にか、隊長は緑のお兄さんの傍らでこちらを待っていた。

緑のお兄さんは、未だ太平楽の夢の中。きっと、これが一番賢い、と、思う。

「F89番、これから被執行者を起こして説明を行いますか?それとも、このまま執行しますか?」
「……このまま執行します。その方が、ショックも少ないと思うので」
「あらあら、酷い話。折角なので、男の子をやめる覚悟を少しはさせてあげても宜しいのに」
「―――執行します」

99 名無しさん :2017/10/09(月) 06:06:28 ID:LTDlCwEQ0
戯言に付き合ってはいられない。このままでは、緑のお兄さんが何時目を覚ますか分からないし、目を覚ますと説明の義務が生じてしまう。
前後不覚の今、その、『潰して』、事後承諾が一番いい。それに、何も分からないまま、一気に、『やっちゃう』方が、きっと痛みも少ない。
これは、最初から持っていなかった私にも、隊長にも、F124番、F125番の娘達にも分からないことだけど。

分かってあげたいのは山々だけど、こればっかりは仕方が無い。
また、仕方が無い、か。

緑のお兄さんの裾をめくり、男性器を露出させる。
被ってるペニスと、ちょっと小ぶりな袋が露になって少し笑ってしまう。
御免なさい、でも、小さい方が痛みもショックも少ないよね?そうだったらいいなと願う。

ううん、きっとそう。だって、小さいどころか、ついていない私達は潰されても平気だし。そもそも潰される心配もないし。
無くなっても、きっと寂しさも少ないはず。うん、こんな時は、小さい方がいいんだよ。よかったね、お兄さん。

隊長がお兄さんの肩を押さえ、私はお兄さんの腰にしがみつくようにして身体の逃げ場を封じる。
何度もやってきた『作業』だけれど、この瞬間はいつも緊張する。

一回で。二つとも。何度も苦しむことがないように。せめて、直ぐ楽になれるように。



一度大きく息を吸い込むと、狙いを定めた膝を、哀れな被執行者の股間に叩き込む。

グシャッ

100 名無しさん :2017/10/09(月) 06:07:02 ID:LTDlCwEQ0
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あらあら、お可哀相に。
ミドリ色のシャツの殿方はさぞやビックリしたでしょうね。

さっきまで高鼾を上げていたのに、今は地獄に行ったみたいな顔をしていますもの。
でも、コレは必要な痛みです。コレから、地獄から戻ってきてから、生まれ変わってイイコになるんですもの。

カナちゃん―――(F89番のことですが、私が内心こう呼んでいることは秘密ですよ)は
持ち前の豊かなおっぱいで、痙攣を続けるミドリの殿方の頭を押さえ込んでいます。気持ちよさそう。
落ち着かせようと、必死に声も掛けているみたい。本当に、優しい、自慢の教え子です。

「大丈夫、大丈夫。ちょっと『男の子』の一部分が潰れただけだから。おちんちんは未だ残ってるから」

ミドリの殿方は、それでも痙攣が治まらないみたい。いつもの光景だけれど、どこからあの、いわゆる最期のお力は出てくるのでしょうか?
おっと。見とれているわけにも行きません。早めに処置をしなければ。

カナちゃんを引き剥がし、大きく膨らみつつある袋の付け根をきつく縛ります。
これをやっておかないと、内出血で大変なことになってしまうのです。

そのまま、手枷を外して、緑の方を横たえます。
もうこの方は『イイコ』ですし、あまり長い間吊るしておくと、上半身の血行も悪くなってしまいますので。

ミドリの殿方の頭を撫でつつ、落ち着かせるために声を掛けます。

「イイコ、イイコ。もう大丈夫ですよ。タマタマはちゃーんとナイナイしましたからねー。ウフフ」
「隊長…」
「F89番、ご苦労様でした。もう、この方は平和な人になりましたね。もう潰されることもない…無くなったんですから。フフ」

もう、カナちゃんはいつも不服そう。優しいのは結構ですけど、仕方が無いことなのです。
それに、ちょっと想像力を働かせれば分かりますよね?私達も『ついてない』ですけど、それで困ったことってありますでしょうか?
この方も『同じ』になっただけ。穴は無いですが、その分おちんちんがついて、お得かもしれませんよ?

101 名無しさん :2017/10/09(月) 06:07:43 ID:LTDlCwEQ0
「さて、次はどちらの方にしましょうか……近いし、ピンクの殿方がいいですかね?」

用済みになった『元』殿方の傍らから離れ、未だに身を捩っているピンクのシャツの方に目線を向けます。
顔色は青く、必死に身を捩っている様は健気で、愛おしささえ感じるくらいです。。

あぁ、早く恐怖から解放してあげなければ!!
身体の芯から止め処なく沸き起こる熱―――使命感だと考えています―――に突き動かされ、次の殿方の下へと足を進めていきます。

ああ、何て汗。必死な表情。可愛くて、可愛くて、食べてしまいたいぐらい。

「次は貴方の番ですよ。ウフフ、そんなに怖がらなくても大丈夫。その、キ、キ、あの、ソレがついていた方が間違いだったんですからね」

……はしたないという感情が邪魔して、キンタマと言えない。うぅ、恥ずかしい、面目ない、家ではなんども練習をしてきたのに……
カナちゃんは、未だミドリの殿方を落ち着かせようと頑張っているみたい。私も頑張っているんだから、助けてくれてもいいのに。

ピンクの殿方は、凄い形相でこちらを睨めつけてきています。ぶっちゃけ、かなり怖いですが、怖がっている素振りも見せられません。
こちらが怖がると、カナちゃんやユキちゃん、アキちゃん、ユウ君まで怖がらせてしまいますし、被執行者の方にも無駄な希望を与えかねません。

無駄な希望を与えてから奪い去るような、不要な苦痛を与えることは本意では無いのです。
ただ、大人しい、『イイコ』になって欲しいだけなのですから。

「そんなに、コレを取られたくないんですか?あっても痛いだけでしょう?思い切って、取ってしまえばスッキリしますよ」

シャツの隙間から手を入れて、ピンクの殿方の睾丸を掴む。あら、この方のは結構ずっしりしていますのね。
こんなに立派だから、取られてしまうのが勿体無いのでしょうか?あっても無駄なだけなのに。

どうにかして、この方にも、こんなモノ無くてもいいと納得してもらえないでしょうか……今回はあの手で行きましょうかね?


おもむろに、私は下穿きを取り去ります。
こんなこともあろうかと、下は巻きスカートのみで、下着は穿いておりません。
最初は抵抗があったけれど、どうせ殿方に見せるわけでは無いし(見た方は、みんな殿方ではなくなっているし)と考え、
近頃の執行の際が常にこの格好をさせていただいております。

また、陰毛の処理にも怠りはありません。睾丸が付いていない女性の股間を見て、被執行者の方に安心していただくためにも、怠るわけにも行かないのです。
今までこちらを睨んでいたピンクの殿方の視線が、私の股間を凝視するのを感じて、また身体の芯が熱くなります。

「ほら、ご覧になってください。私には、睾丸どころかおちんちんも付いていませんが、それでも平気ですよ」

落ち着かせるように、ピンクの殿方の睾丸をやわやわと揉み解しながら声をかける。

「安心してください、おちんちんは残してあげますから、用を足すのにはきっと困りませんよ。貰うのは、こっちだけです」

揉み続け、声を掛け続けると、ゆるゆるとピンクの殿方の身体が弛緩する。
そろそろでしょうか……と考えた瞬間。

「むーっ!!!」
「きゃっ!」

ピンクの殿方の全身に力が漲り、私は胸に強い衝撃を受けて跳ね飛ばされてしまいます。
後で聞いた話では、ピンクの殿方は体操選手のように両腕で身体を持ち上げ、いわゆるどろっぷきっく?(アキちゃんが言っていましたが、イメージがつきません)の要領で
私を跳ね飛ばしたのだそうです。


「おとなしく!」「しろアッパー!!」

次の瞬間、ユキちゃんとアキちゃんが、ピンクの殿方の金的に伸び上がるような拳をいれていました。
ピンクの殿方は一瞬硬直すると、白目を剥いてグッタリしてしまいました。
あらあら。

102 名無しさん :2017/10/09(月) 06:08:23 ID:LTDlCwEQ0
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まったく、タイチョーは危なっかしいんだから。
アキたちが助けなかったら、一体どうなっていたことやら。存分に感謝してもいいよ!

ピンクのおじちゃんをノばした後、あたし達は隊長に手を差し伸べる。
タイチョーは「平気です」なんて言っていたけど、耳が赤くなっているのをあたし達は見逃さなかった。

「タイチョー、コイツどうしますか?!」「ユキとアキで、コイツのタマキン食い千切ってやりましょうか?!」

タイチョーを元気付ける為に、過激な提案をしてみる。これで笑ってくれればよし、ゴーサインがでれば、躊躇無くやってやるつもり。

「F124番、F125番、越権行為ですよ。それに、噛み千切ると流血するので、感染症のリスクがあります。許可できません」

もー、タイチョーはお堅いんだから。ちょっと涙目になっていたくせに。
ま、そこがタイチョーのチャームポイント?っていうか、可愛いとこなんだけどねー。カナエちゃんは分かってないみたいだけど。

「困りましたね……どうにか、この方には睾丸なんていらないと納得してもらいたいのですけれども」
「えー、きっと無理だよー」「男の証拠だ、誇りだみたいに考えてるんだよ、きっと」

タイチョーは頬に手を当てると、うんうん唸りながら考え込んじゃった。真面目だなー。

「ねーユキ、こういうのはどうかな」「なになに、アキ?」

ごにょごにょごにょ……

103 名無しさん :2017/10/09(月) 06:08:58 ID:LTDlCwEQ0
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くそっ、吐き気がする。クソ餓鬼がっ!!
痛みに引かれて目を覚ましたとき、最初に浮かんだ言葉はそれだった。

あのイカレ女が突然ストリップを始めて、そのまま俺のタマを撫でさすってきやがったときも吐き気がしたが、
アイツには浴びせ蹴りをかましてやって少しスッとした。ざまあ見やがれ。

きゃっとか可愛らしい悲鳴あげやがって。
可愛い顔をしているんだから、可愛らしい人生を生きていけばいいのに、何でこんなイカレ稼業を営んでいるんだか。
率直に言うと、普通に町で出会ったなら、声をかけない自信が無いぐらいの美人だが、次に寄ってきたら蹴り殺してやる。

と、思った矢先のアレだ。

いつの間にか後ろにいた餓鬼どもが、思いっきり俺の股間に何かしやがった。
アレほどの痛みは味わったことが無い……タマの裏が未だ痛む。あの餓鬼ども、アレは本当に手馴れた攻撃だった。
アレの裏に、どれだけの犠牲者がいるのか、正直考えたくも無い。

今は最悪だ。
収まらないタマの痛みに加え、今度は足枷まで天井の鎖で吊るしてやがる。
足を閉じられないまま、くの字を横に倒した格好で、俺は無様に晒されている。しかも、全裸でだ。

「あらあら、お目覚めですか?丁度いいタイミングですね」

ニットのイカレが声をかけてくる。黙れといいたいところだが、猿轡のおかげで言葉が出せない。
有難うよ、コレが無ければ、俺は罵倒の言葉を捻り出しすぎて、知恵熱で倒れてたかもしれねーからな!
というか、そろそろ下に何か着たらどうだ?!

「先ほどは不躾な真似、失礼いたしました。貴方にとって、『ソレ』はそんなに大事なモノだったのですね」

ん?何か雲行きが怪しい……ここで心を入れ替えるみたいな殊勝な女じゃないだろ?


「男の子の『証拠』、そこまで大事だとは、女の身である私には想像もつきませんでした。
 なので、お恥ずかしながら御教示願いたいのです。『ソレ』がついている……男であるというのが、どれだけいいことなのか」

「じゃじゃーん!」「男女対決!チキチキ我慢大会の時間だよ、おじちゃん!」

脇からクソ餓鬼どもが飛び出してくる。そういうことか……お前ら脳みそ腐ってんじゃねーの?!
身体を揺するが、4点で天井に固定された今はでは何の用も為さない。

「エントリーナンバー1.ナンバー名はバストサイズ!F89番おねーちゃーん!!」「ヒューヒュー!」

目の前に現れたのは、ボーダーシャツを着ていた女…今は全裸だ。
無駄にでかい胸と、無毛の股間を晒した状態で、憮然とした表情でそっぽを向いている。

アンタも苦労しているんだな……苦労ついでに、そこの餓鬼を縊り殺してくれればもっと良いんだが。

「エントリーナンバー2.オトコの意地みせたる!ピンクでマッチョなテロリストおじちゃーん!!」「ブーブー!」

クソ餓鬼どもはノリノリだ。脳みその代わりにヘリウムでも詰まってて、そこから声だしてんのかコイツら!

「申し訳ありません、この子達はふざけるのが好きでして。お仕置きをしようにも、お仕置きする場所が『付いていない』ので、
 私もほとほと困っているのです」

イカレが頬に手を当てながら語ってくる。聞いていない。口を閉じろ。臭いから。

「それでは、僭越ながら趣向を説明させていただきますね?とはいえ、とても単純なお話です。
 F89番の股間をM98番が握り、貴方の股間を私めが握らせていただきます。丁度、男女が逆になった形となりますね。
 それで、最初に音を上げた方が負け、ということになります」

生白い顔をした餓鬼が、巨乳の姉ちゃんの後ろに跪く。みっともないこと、この上ない。
こんなヤツらをこそぶっ飛ばしたくて、俺は組織に入った筈なのに!!

「それでは、M98番、準備をしてください。あ、そこでは無いです。こちらの方の、丁度、睾丸がぶら下がっている位置を同じところを握るのですよ」

オス餓鬼の手が、虚空を掴む。そりゃそうだろうよ、ついてねーんだから!!

「そして、私めが貴方の睾丸を握らせて頂きますね。それでは―――
 ―――よーい!」「スタート!!」

104 名無しさん :2017/10/09(月) 06:09:57 ID:LTDlCwEQ0
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私、F89番ことカナエは職務を遂行しています。職務って何かって?突っ立っていることです。

ピンクのお兄さんは、今にも目玉が飛び出しそう。
隊長は、嬉々としてお兄さんのタマを握って、揉み扱いて、摺り合わせて、酷い目に合わせている。

翻って私は、足を肩幅に開いて立っているだけ。
割れ目の真下で、M98番が手をニギニギしているけれど、そこには何も無いんだから。

M98番は、何を恥ずかしがっているのか、出来るだけ私に触れないように見ないように頑張っているみたい。
でも、ピンクのお兄さんも直視出来ずに……そりゃそうよね、『ついている』んだから……薄目を開けたり閉じたりしながらモゾモゾしてる。

「どうしたのですか?殿方でしょう?F89番はまだまだ平気そうな顔をしていますよ?」

隊長、あのサディスト女は大輪の笑顔だ。やっぱり、頭がおかしい。
そんなこと言うなら、自分でも体験してみろと言いたいけれど、アイツも『ついていない』から出来ないんだよね。
私にとってはそれぐらいの他人事だけど、芋虫のように跳ね回っているピンクのお兄さんの無念は如何ほどか。

「ウフフ、ほら、ほら。殿方はお強いのでしょう?女の子が声一つあげていないのに、なんですか?そんなに跳ね回って!
 それとも、もしかして貴方は殿方ではない?だから、女の子が耐えられるような責め苦にも耐えられないんですか?
 それなら、このタマは何で付いているのでしょう?何かの飾りなのですか?」

ほら、アイツもノリノリだ。普段は絶対タマなんて言わないくせに、タマ無し相手や絶対優位になると直ぐに口に出す。
やり返されないと知っているから。そもそも、『無い』から絶対にやり返されたりしないのに、それでも怖いんだ。
猿轡を噛ませるのもそうだ。口ですら、何かしら攻撃されるのが怖いんだ。臆病者。それでもキンタマ……は『ついてない』のよね、元から。

あー、私もどんどん毒されつつあるなー。反省。

「あらあら、これじゃ勝負になりませんよ。困りましたね……もしかして、M98番が手を抜いているのかしら?」

突然話の矛先を向けられ、M98番は目を白黒させる。いい気味だ。
このコは、『ついている』のに、勇気も出せず、言われた通りに動くだけ。勇気を出せないから、私の身体にも触れられず、オドオドしてるだけ。

「F124番、F125番。少し、M98番に気合をいれて頂けますか?やる気が出ないみたいなので」
「はいはーい」「アイアイサー」

F124番、F125番の二人が転がるようにやってきて、M98番の両隣にピタリとくっつく。
そのまま、先を争うように彼の股間に両手を突っ込んで、意気地の無いタマを握り締めたみたい。
私の股間の下で、彼の手が震えた。

「止めちゃ駄目だよ」「止めたら、すごーい痛ーいよー、きっと」

二人の少女はコロコロと笑いながら、両手に力を込めていく。
私は、咄嗟に股を閉め、彼の手のひらを掴み、自分の割れ目に押し付けるようにして彼の手が決められた場所から離れるのを防ぐ。

「おー」「おねーちゃん、やーさしー」
「離れたら、潰しちゃおうと思ってたのに」「真面目にやらないコのタマは、没収でーす」
「私達はいいんでーす」「没収したかったら、やってみてもいいでーす。ほら、ココに手を入れて」

F124番?125番?は自分の股に、彼の残った左手を挟み込む。もう片方は、抱きつくようにM98番に覆いかぶさる。
二人とも、それでも片方の手は常に彼の股間に差し込んで、『オトコ』を責めさいなむことを忘れない。

擦れた、甲高い声での悲鳴がM98番から立ち上る。

「ウフフ、今のところ、悲鳴を上げているのは男の子チームだけですよ?どうしたんですか?
 男の子の方が強いんでしょう?逞しいんでしょう?なんで、殿方だけ悲鳴を上げているんですか?このタマタマが悪いんですか?痛いんですか?
 F89番は手が逃げないように股間で支えているのに、貴方は手から逃げようと身を捩るばかりで恥ずかしくないんですか?それでも男ですか?
 ちゃんとキンタマついているんですか……ウフフ、失礼。『ついている』からですよね?」

隊長は、雑巾でも絞るみたいに、ピンクのお兄さんのタマを締め上げている。
搾り出されているのは、お兄さんの生命だ。全身から汗をかいて、真っ赤な顔をして、目玉が零れ落ちんばかりに見開いて。
どれぐらい痛いのだろう?どれだけ苦しいのだろう?それは、私には一生分からない。怖いもの見たさはあるけれど、こればっかりは分かりたくも無い。
対して、あの女は恍惚の表情だ。抑えようとしているのだろうけど、腰が動いて、アソコをウレタンクッションに擦り付けている。
うわー、やなモノを見ちゃった。

105 名無しさん :2017/10/09(月) 06:10:27 ID:LTDlCwEQ0
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ウフフ、ウフフフフフフフフ。

何度やってもいいものです。カナちゃんは蹴り潰すばかりですけど、
やっぱり、私は握り潰す方が好き。『タマ』りません……なんちゃって。

危ない、危ない。あんな洒落が口を突いて出てしまったら、もう、お腹を切るしかありません。
ピンクの殿方はグッタリしてきたみたい。ちょっと、幻滅してしまいます。

もっと、もっと、もっと、もっと楽しませて欲しかったのですが、このままだと、私も私の中身も
きっと我慢できなくなっちゃってたから、これで正解。

ユウ君も伸びてしまっているし、そろそろ仕上げの頃合でしょうかね。
そうしないと、アキちゃんユキちゃんが本当にユウ君のも潰してしまいそう。

「ご満足いただけましたか?タマタマが『ついている』から、殿方の方が優れているというのは錯覚なのです。
 見てください。F89番は、汗一つかいていませんよ?貴方はもう冷汗みずくなのに。
 殿方は、コレがついているから、乱暴で、それでいて弱弱しいのです。貴方たちを捕まえるときも、
 先に貴方たちのリーダーを捕まえて、タマタマに聞いてみたら、直ぐに知りたいことを教えてくれたんですよ?
 女の子だったら、絶対にそんなことは無いのに。

 あぁ、先に謝っておきますね。仲間を売るようなリーダーの方は、殿方でいる資格は無いと思いましたので、
 もう心を込めて潰させいただいたのですが、潰されて目が覚めたのでしょうね。すっかり消沈してしまって、ウフフ、
 ショウチンですって。大丈夫、チンは消してはいませんよ、フフフフ。でも、もう、何を聞いても返事をしてくれないのです。
 話を聞くためのタマももう無い、いわゆるタマ無しですので仕方ありませんが、怒らないであげてくださいね」

熱を帯びた睾丸を、ゴリゴリと揉みながら、耳元で囁く。
丁度、私のおっぱいに顔を埋める…うーん、押し付ける?カナちゃんなら埋めるなんですけど…形になってしまっていますが、
もうそろそろ殿方では無くなるので、問題無いですね。じゃれあいみたいなものです。

「はい。それでは、そろそろ潰させていただきますね。心配しないで。こんなモノ無くても生きていけますよ。
 ほら、この部屋の中だけでも、もう『ついていない』コ、もとから『ついていなかった』コの方が多いんですよ。
 貴方もその仲間入りをするだけ……まぁ、最初から『ついていなかった』私達とはちょっと違う感じですが、タマが無いのは一緒です。
 じゃ、痛かったら叫んでもいいですよ?後で、どんな感じに痛かったのか、女の私でも分かるように、お茶でも飲みながら教えてくださいね?

 えいっ!」


グシャッ


――――――ウフフフフフ、無くなっちゃったー。

目が覚めたら、このコもイイコになっていると思うと、もう、身体の芯から溢れてくる蜜を押しとどめることは出来ませんでした。

106 名無しさん :2017/10/09(月) 06:10:59 ID:LTDlCwEQ0
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開かない、開かない、開かない。
開けゴマ!オープンセサミ!アブダカダブラ!駄目だ!開かない!!

おっと、どーも。今取り込み中。大ピンチです。伝説(予定)の男の男の危機一髪。ののの。

オッパイのコと、清楚なお姉さん、あとジャリンコ二名は、どうやらジャングルの奥地からやってきた
首狩族ならぬタマ狩族の模様。ダイバーシティにも限度があるだろ!?


ま、そこは伝説の男。必死こいて手枷を揺すっていたら、上から繋がっている鎖が切れたワケですよ。
切れたというか、割れたというか。これ、鉄じゃなくて、強化プラスチックみたいだけど。

オッパイのコは、顔色の悪い少年の介抱を、ジャリンコは周りで騒ぎたて、お姉さんはなんかグッタリしている状態で
どうやらこっちには目をやる余裕も無い様子。

華麗に優美に抜き足差し足忍び足っと。ちょうど床もウレタンマットなので、音がしないのが匠の技ですねえ。
足枷が邪魔で、アヒル歩きになっちゃいるけど、もう雰囲気はミッションインポッシブルですよ。失敗したらインポですから、ええ。

壁際は色とりどりのカーテンで覆われて、どこが出口かも分からない……もう潰されるのを待つだけ……というのは凡人の話。
入ってきたときにドアが開く音を聞いているもんねということで、一目散に出口に向かう。

出口にたどり着くと、あにはからんや!ドアのロックは暗証番号式ではないですか。
やはり、俺は『ついている』!『持っていますぞー』、どっちとも!!

ご都合主義というなかれ、俺は音で暗証番号キーの解除が出来るのです!!
ちなみに、ミドリ君は語学力と計画立案、ピンク君は腕力担当のチームで、これから伝説を作る筈だったのだが…安らかに新しい人生を歩んでくれたまえ。

出口脇のカーテンに包まり、耳を澄ませて1、2、3と。
フフフ、ほーら開いた。それでは皆様、さようなら――――――

ガチャン!!

あ。

そういえば、入ってくるときも、凄いガチャガチャ音してましたよね……。

恐る恐る部屋の中を見ると、5対の瞳が此方を刺していた――――――マジでピンチ。
ドアは――――――――――――――――――次は鍵穴かよ!!!!!

待って。神様。
痛いの控えめも、カッコいい傷跡も、モテモテの伝説も、どれ一つとして満たしてないんですけど!!

107 名無しさん :2017/10/09(月) 06:11:36 ID:LTDlCwEQ0
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油断してた。気が緩んでた。ある筈無いと思い込んでた。
もう、取り返しがつかない。

どうやったのかは分からないけれど、バカのお兄さんは、拘束から逃れて出口までたどり着いていたみたい。
どうして?どうして?これで、ユウ君はなんとかなったと思ったのに…

「F89番、F124番、F125番、M98番。コレはどういうことですか?」

隊長の声のトーンが変わる。脊髄に氷水を流し込んだような感覚。
同僚は、あの声を聞くと『タマ』が縮みあがるといっていたけれど(その後、縮みあがる『タマ』そのものをとられちゃったらしいけど)
『無い』私達でもわかる、危険信号。

「M98番。拘束の担当は貴方でしたね」

冷たい、底冷えがするほど冷たい視線がユウ君を刺し貫く。
彼はもう震え上がってしまって、小刻みに首を振るだけだ。きっと、彼の『タマ』も縮み上がっているのだろう。
そのまま縮み上がりすぎて、無くなってしまえばいい。であれば、どれだけ幸せなことだろう。

「M98番。貴方は罰として去勢します。
 F89番、F124番、F125番。貴方たちは、M98番を去勢することをもって罰とします」

有無を言わせぬ声。膝が笑って、立ち上がれない。
それでも。それでも、立たないと。

「隊長」
「F89番。貴方に意見は求めていません」
「隊長!これは、確かにM98番、いや、ユウの落ち度です。ですが、この件の監督責任は隊長にあります!
 ユウにのみに罰を与えるのは、不公平です!!」


―――言ってやった。言ってしまった。
――――――大丈夫、大丈夫、『無い』から潰されたりしないもん。

裸の身体を抱きしめ、隊長を見やると笑顔。
だが、それは張り付いた様な、まるで『そうあるべき』と定められたような笑顔でしかなかった。

「F89番。貴方は、私も罰を受けるべきというのですね。確かに一理あります」

え?
もしかして、話せば通じる感じ?

「M98番。聞いていましたね?それでは、貴方に機会を与えます」

そのまま、隊長はユウの前まで進んでいく。ユウ君は、さっきまでのタマ責めの痛みで、まだ立てないみたい。

「私の命令で、これから貴方の金的を除去します。引き換えに、貴方に私の金的に一撃を入れる機会を与えます。
 さぁ、立ち上がって、私の股間を攻撃しなさい。蹴りでも、殴りでも、握りでも構いません」


何を馬鹿な!そも、アンタには『無い』じゃない?!
そう思い、隊長を睨みつけるが何処吹く風だ。

ユウ君はそれでも立ち上がる。片手でキンタマを抑えて、内股の酷い格好だ。
よろめきながらも、ふらつきながらも拳を繰り出し……それは隊長の股間にあたり、ぽすん、と気の抜けた音を立てた。

108 名無しさん :2017/10/09(月) 06:13:34 ID:LTDlCwEQ0
次の瞬間、お布団を思いっきりたたいたような、乾いた破裂音が響き、ユウ君の身体が宙に浮いた。
キンタマを蹴り上げられたんだ―――彼は、床でもがいて、もがいて、のた打ち回っている。

「M98番。以前にも教育した通り、女性の股間に金的はありません。勿論、私にもです。先ほどの拳の感触を思い出せば分かるでしょう?
 もし助かりたいのなら、あの瞬間に私を殺すつもりで飛び掛ってくればよかったのです。まぁ、勢いが弱ければ今と同じことになりましたが。
 
 忘れたならば、教訓として覚えておきなさい。女、少なくとも私にはキンタマの痛みは分かりません。なので、躊躇無く蹴り上げられます。
 やり返される心配も無いからです。ですから、男、貴方のようにまだキンタマが『ついている』男は、常に金的に注意を払わなければなりません。
 注意を払いながら、死に物狂い。注意を怠るような男は、金的をぶら下げている資格はないのです。今の貴方のように」

呻き声をあげる彼に、冷徹な声が降り注ぐ。

「さぁ、立ちなさい、M98番。今のレッスンの振り返りをしますよ」

操り人形のように、ユウ君は立ち上がり、ファイティングポーズをとった瞬間。
また乾いた破裂音が響き、彼は床を転げ回る。

「話を聞いていたのですか?それとも、もう要らなくなったのですか?
 何故、金的から手を離すのです。蹴って欲しいということですか?もう潰して欲しいということですか?
 貴方は私達と違って男の子なのですから、金的は常に警戒すること!今はレッスンですが、これが実践ならもう二回は潰されていますよ?
 さぁ、立ちなさい。立てなくなったら、勃たなくしますからね」

ユウ君がうめきながら立ち上がる。その姿は、とても弱弱しい。それでも、内股で、両手で股間を押さえていても立ち上がる。
そして、吠えた。

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!」

飛び掛る瞬間、隊長の手が翻り、彼の顔面を叩いた。軽い破裂音……いけない!
次の瞬間はスローモーションのように見えた。彼の両手が股間から離れ、顔面を覆うのと、隊長の足が吸い込まれるように
ユウ君の股間に叩き込まれるのは、ほぼ同時。重い破裂音。

「M98番。やはり、貴方には金的をぶら下げている資格はありません。今のは、そこのF89番が得意とする、
 基本的なコンビネーションなのですが……彼女は貴方に食らわせてくれなかったのですか?

 ふぅ。私は貴方が憎くて、こんなことをしているのではありません。むしろ、これは愛なのです。
 他所で貴方のタマタマが酷い目にあわされる前に、ここで取り除いたほうが貴方のためなのです。

 周りのお姉さんをみて御覧なさい。みんな、その弱点が最初から無いんですよ?その痛みを味わうことは一生無いんです。
 恥ずかしく思うことはありません。貴方にそんなハンディキャップがついていた、今までが可笑しかったのですから。
 まだおちんちんを使ったこともないのでしょう?今のうちに無くしておいたほうが、未練も少ないし、丁度良かったんです。

 ―――F89番、F124番、F125番。何をしているのですか?
 早く、M98番を楽にして、私達の仲間に迎え入れる準備をしてください。いいですね?
 彼からはペニスも除去しますが、これは後日ということにしましょう」

頷く。首肯する。
思い上がっていた。とても、意見なんて出来なかった。
臆病だから、強い。攻撃されたくないから、速い。反撃が嫌だから、重い。
私では、とてもあの領域には届かない。

109 名無しさん :2017/10/09(月) 06:14:04 ID:LTDlCwEQ0
せめて、せめて。

私はもがいているユウ君を無理やり仰向けにすると、その顔面に跨り、足で彼の両手を押さえた。
彼の顔にアソコを押し付け、両足で彼の両腕を締め付ける。

「それでは、私は逃げようとしているお馬鹿さんに教育をしてきますね。拘束から逃れたのに、仲間を助けるでも
 逆襲するでもなく、一目散に逃げを選ぶだなんて、彼こそタマをぶら下げて生きていてはいけない方なのです。

 たっぷりと教育して、自分から、自分のタマを取り除いて欲しいと懇願するまで可愛がってあげます」

隊長が何かを言っているが、それも、もう、どうでもいい。

「とはいえ、あんな卑劣漢を女として迎え入れるわけにも行きませんが…これは、彼のタマタマを教育しながら、
 どういう処遇にすべきか考えましょうか……前のリーダーは耐えましたが、彼はショック死せずに耐えられますかね?
 まぁ、間違えてタマタマをつけて生まれてきたことを後悔してもらうしかないですね」

隊長の気配が遠ざかる。ふん、馬鹿な男。
要らない知恵を回すから、『男』が考えられる限りの苦しみを味わって『男』じゃなくされてしまうんだ。
それよりも。

「アキ、ユキ」
「はい」「ごめんね、ユウ君、カナエお姉ちゃん」
「もう、いいから。せめて、一思いに楽にしてあげて」

ユウ君の頭に抱きつきながら、擦れた声を振り絞る。泣きそうってばれていないといいなぁ。

「ほら、ユウ君。見て。さっきは思うように見えなかったでしょ?もう、恥ずかしがらなくてもいいんだよ。男の子じゃなくなるんだから。
 苦しかったら、私のアソコに噛み付いてもいいよ。といっても、女の子には、これからユウ君が無くすものが元から『ない』から、
 それに、潰されている最中の男の子は力が入らないみたいだから、多寡がしれているかもしれないけど…

 大丈夫。大丈夫だから。アンタが情けないタマ無しになっても、みんな見捨てないでいてくれるから!!」

「ユウ君、ごめんね」「今度からは、ユウちゃんって呼ぶね」

背後で、双子が息を吸う気配を感じる。

「いくよ」「せーのっ」



グシャッ




甲高い声での悲鳴が、私の股間とこの部屋の出口から、協奏曲のように響いていた。

110 名無しさん :2017/10/09(月) 06:14:41 ID:LTDlCwEQ0
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ここは、B-0矯正刑対象者のための執行室。Bとはボール(タマ)を指し、ここからタマをつけたまま退室したものは、いまだかつて誰も居ないという。

111 名無しさん :2017/10/09(月) 06:15:45 ID:LTDlCwEQ0
最近、どこも新しいSSが無いため、自作してみました。
皆さまのお気に召せばいいのですが。

112 名無しさん :2017/10/09(月) 12:50:01 ID:7ROzJJEI0
>111
男女の違いというツボが抑えられていて、かつキャラクターそれぞれのキャラ付けもしっかりされていて、文章も上手く、最高でした!
話の主体がコロコロ入れ替わっていて、そこもこの作品の魅力ではあるのですが、今は誰目線なのか解りづらい箇所がありましたが、それ以外文句なしの作品です!

できれば主人公の男が隊長に捕まっていたぶられるシーンまで読みたいのですがお願いできないでしょうか?

113 名無しさん :2017/10/12(木) 11:09:58 ID:LT3Y0j960
>>111
お疲れ様でした
竿役の自己主張が少し強かったですがフェチのツボが押さえられていてとっても楽しめました

114 名無しさん :2017/10/12(木) 18:20:42 ID:w50bzRHo0
金蹴りの場合は竿役っていうか玉役だな

115 名無しさん :2017/10/20(金) 17:19:25 ID:Pue1LkpY0
>>111
大作投稿乙です
プチ群像劇風(?)に視点を入れ替えていく挑戦的な書き方ですね
男と女とでの玉に対する価値観の乖離…
蹴った側の女の心情をこれでもかと言うほど残酷にすることで埋まらない性差を表していますね
あまりに過剰な表現だと引いてしまう方なのですが、徹底した態度は女の(玉に対する)無知さ、無縁さの裏返しですので楽しめました

後半のバトルシーンが個人的に好きな書き方だったので
正統派の格闘物なども機会があれば読んでみたいです

116 名無しさん :2017/10/21(土) 08:56:03 ID:rBd7hXNw0
>>112 
ありがとうございます。
続きも考えてみますが、どう差し込めばいいのか……
SSなんて書くのは初めてですが、コメントはとても嬉しいです。

>>113
すみません、書いてるとどうにも変な味付けになってしまって…
ちなみに、どんな感じの竿役がウケるのでしょうかね?

>>114
確かに。笑いました。

>>115
長文の感想、ありがとうごさいます。
ちょっと試しに書いてみましたが、こんな感じでご希望を満たせますでしょうか?

117 名無しさん :2017/10/21(土) 08:57:37 ID:rBd7hXNw0
この国に、まだこんな場所があったなんてな。

某県の山沿い、車でも最寄の駅から3時間はかかり、さらにソコから山道を2時間。頼るは星明りのみの、所謂秘境。
温泉は湧くが、あまりのアクセスの悪さから、知る人のみぞ知る秘湯として語られることすら無い僻地。

俺は、簡素な囲いに覆われた湯船で空を見上げる。

そこには雲ひとつ無い満天の星空。脳裏に浮かぶのは、行方知れずの友人の顔。
澄んだ空と澄んだ空気が、ここが文明から遠く離れた地であることを強く認識させる。

終生のライバルであるナツキを追いかけて、この鄙びた地に足を踏み入れたのが、つい先程。
決着は未だついていない。それにも関わらず、アイツはふつり、と消息を絶ってしまった。

「実家に帰って、免許皆伝の証を貰ってくる。その暁には、オマエなんでボッコボコだかんな」

最後に見た顔を思い出す。聞けば、アイツの実家は、古流の武術の道場をひらいているらしい。
時流に乗れなかった敗残兵法だよ、とアイツは笑っていたが、あの変則的な動きや意表をつくための嗅覚は、
その古武術の教えなのでは?というのが俺の実感だ。

アイツ、最後は笑っていた。それなのに、突然。
退学し、実家で療養をするとの連絡を受けたときには耳を疑った。
色を為して部長に問い詰めるが、ご家族の意向だということを繰り返すばかり。

事故?病気?漲る生命が形となった男が?
信じることができず、俺は直接アイツの実家に出向くことにしたのだ。

この行動を知ってるヤツは誰もいない。
そもそも、ナツキ自身が実家の話をしなかったし、俺に対しても実家に来ることだけは止めろと釘を刺していたから。
―――それでも。


ガラガラと、引き戸が開かれる音と、懐かしい気配。
ナツキ?!と振り返ると、そこに居たのは、アイツに良く似た雰囲気の女だった。

それも、すっぽんぽんで。

「あら、こんな所に観光客かしら?珍しいね」
「うわっ、し、失礼しました!すぐに出て行きますので!!」
「いーわよ、減るもんじゃ無し。それに、ここは混浴だよ。といっても、普段は私かお猿さんぐらいしか来ないけど」

うわ。うわー。綺麗な女性だなぁ……というか、オンナの裸ってはじめて見たよ!!
相手の女性は身体を隠す素振りも無くて、こちらだけが妙にドギマギしてしまう。それなのに、どこか懐かしさを感じる。

「それで、何でこんな所に?いっちゃ何だけど、ココって何にも無いわよ」

―――あぁ、そうだ。この女性は、アイツに似てるんだ。
そう感じた自分は、ライバルとなる男……ナツキを探しに来たのだと、思わず告げてしまう。
いまどきライバルってという気恥ずかしさも、何故か感じることは無かった。寧ろ、話すべきことを、話すべき人に伝えたような気までしていた。

けれど。

118 名無しさん :2017/10/21(土) 08:58:20 ID:rBd7hXNw0
「――ナツキ。もしかして、キミが探しているのは、タカナシ ナツキかな?」
「知って、いるんですか?」

女性はあっけらかんとした様子で問い返してくるが、何故か、空間に緊張が走る。

「そりゃそーよ。ここに住んでいる人間なんて殆ど居ないし、それに、ナツキは私の弟だったしね」
「---?!」

弟?!アイツ、姉貴がいたのか……。纏う空気が似ているのはそのせいか。いや、そうじゃない。
もう手掛かりが掴めたと喜ぶべきじゃないか?いや、話が上手すぎないか?いや、大学に連絡してきたのはこの女性なのか?
いや、アイツが療養するって、一体何が起きたのか?いや、アイツに会えないか?

予想外の情報に混乱して、聞きたいことが多すぎて、上手く言葉が出てこない。
目を白黒させる様子が可笑しかったのか、アイツの姉貴はくすくすと笑う。
というか、こんなお姉さんがいるなら紹介してくれよな、水臭い……。

と、彼女は何時の間にか、俺の眼前に迫っていた。
ちょっと、おっぱいが近いですよ?下も、その気になれば触れちゃいますよ!?
目の毒、目の毒です!!

慌てて目線を逸らす。その姿をみて、彼女は堪えきれずに吹き出す。
悪かったね、童貞で。

「ボク、悪いことはいわないからさ。諦めてオウチに帰りなさい?」

ナツキの姉は、俺の耳元で囁くように言葉を発する。

「ココは、本当に碌でもない場所、テレビは国営放送ぐらい、インターネットどころか携帯の電波だって入らない、通販なんて以ての外。
 国の法律だって、ココじゃ何の機能もしないわ。警察だって無いんだから。ココにあるのは、時代遅れで、私の代には絶えるだろう道場ぐらい」

鈴を転がすような、とはこの声か。女性に耳元で囁かれる経験だって初めてで、思わず身体が強張ってしまう。
それでも、その声の中に、ナツキの面影と、そして、どこか自嘲するような儚さを聞き取ってしまい、心が揺れる。

「無駄足になるのが嫌なら、ほら」

俺の思考が硬直するのを見て取ったか、彼女は俺の右腕をとると、極々自然な動作で、それを自分の股間に宛がった。
マ、マ、マ、マジで???!!!

「アハハ、キミ、その様子じゃ女の子に触れたことないんじゃない?コレで、いい思い出が出来たでしょ?
 おっぱいも触っておく?」
「ハイ!!じゃなくて、あの、その、お姉さん?!」
「ハヅキ。アタシの名前、ハヅキって言うの。まぁ、覚えなくてもいいけど」

手が、ハヅキさんの股間から離せない……クソ、修行が足りない!女体の修行が出来る場があれば……というか、そんなうらやまけしからん場所ってあるのか?!

「えー、都会ってそういうお店とかもあるんじゃない?知らないけど」

彼女の股間に固定された(不思議な力で)俺の右腕から手を離すと、左腕を彼女の乳房に導いていく。
や、柔らかい……

「コレで、もう思い出は十分よね?それじゃ―――

―――いや、駄目です」

うぅ、言ってしまった。やわらかい。気持ちいい。うわ、ホントに女ってチンポないのな……なんかヌルヌルしてるし。
脳髄はピンクの妄想で破裂寸前、喉はカラカラで足も震える。それでも。

それでも、俺は、ナツキを取り戻しにきたんだ。これだけは、譲れない。

「ボク?」

ハヅキさんの手は、気付かぬ間に俺のタマ袋をつつみ、肉棒をその指で刺激している。
腰から全身に、とろけていくような快感が広がっていく、でも。それでも!

「欲張りさんだね。このままヌイてあげれば満足かしら?……自信はないけど」
「そう!う!では!!なく!!!」

それでも、ナツキは譲れない。
「ナツキ!に!会わせてく!ださい!!それで納!得したら、帰!ります!!」

必死に快感に抗う。自信が無いといいながら、彼女の手は男を知り尽くしているかのようで。
気を抜くと一息に持っていかれそうな恐怖感を感じながらも、だ。

「……そう。あのコ、いい友達を持っていたのね。それなら―――

彼女の手に力が入る。痛い!痛いですから、ソコ、男の大事なトコロですよ!!

―――それなら、今日はウチに泊まりなさい。ナツキについては、そこで話すわ」

ハヅキさんは、俺の目を覗き込んで、そう告げる。そして、踵を返すと湯船から上がった。
形のいい尻に目線が釘付けになるのは、仕方が無いことだと思う。

「キミ?何かいやらしい目線を感じるんだけど……早く上がって、ついてきなさい?」

その言葉に従い、慌てて彼女の後を追う。
気付かぬうちに月に群雲。星明りは、いつしかその光を減じている。
浮かび上がるハヅキさんの後姿は掻き消えそうな程に頼りなくも、夜を塗りつぶしそうなほどに白く輝いても見えた。

119 名無しさん :2017/10/21(土) 08:58:55 ID:rBd7hXNw0
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温泉から歩くこと、さらに半刻。古めかしい邸宅が夜の帳から姿を現す。

「すごい……」
「何も凄くないわよ。もう長年使ってない部屋も多くてボロボロだし、電気も来ないから型落ちの発電機で
 どうにか明かりとテレビぐらいを使ってるようなあばら家よ、ウチは。
 ほら、そこに軽トラがあるでしょ?あれで、片道4時間かけて、麓に食料を買出しに行ってるの。今日はその帰りで、
 久々に荷物を運んだからってことで温泉に行ってみたら、先客……キミが居たという訳」
「え、車が通れる道があるんすか?」
「ハァ、呆れた。何も調べずに来たんだね……遭難しなくてよかったよ。一応、舗装されていない林道があって、
 そこから国道に出られるんだ。とはいえ、ウチの私道でもあるから、知らない人も多いかもね」
「私道……凄いお金持ちじゃないすか?!」
「あのね、買い手も付かない田舎の山よ?維持するだけで手一杯。とっとと誰かココ買い取ってくれないかしらって何時も考えてる」

彼女はまた笑うと、玄関の扉を開け放った。
墨で塗りつぶしたような、黒。引き込まれるような、二度と戻れぬ怪物の口のような空間が現れる。

「ちょっと待っててね」

パチンと。ハヅキさんが電源のスイッチを入れると、その空気は霧散し、
薄暗くも歴史の重みを感じる、老舗な旅館のような佇まいの玄関が姿を表す。彼女は謙遜していたけれど、コレも凄ぇぇぇ。

遠雷のように響くのは、発電機の音だろうか。

「はい、いらっしゃい」
「お邪魔します……」

気圧されながらも、靴を脱ぐ。
そうだ、ナツキは――――――――――――

「ナツキは、今、離れで療養しています」

心を呼んだかのように、ハヅキさんが声を掛けてくる。

「明日、私からキミに一つ課題を出します。それを見事に達成できたならば、ナツキに会うことを許可しましょう」

心なしか、彼女の言葉が硬い。
表情は伺えないが、彼女が発する雰囲気も、先程の気さくなお姉さんから、何かしらの捕食者のものに変容していくが。
それも、一瞬。彼女の纏う空気は直ぐに弛緩する。

「ともあれ、それも明日。ウチに使えるお風呂は無いけど、それは温泉に入ったからいいよね?
 客間は……どれも老朽化が激しいからちょっと不安……うーん、アタシの部屋でいいかな?狭かったら御免ね」

え。ええええぇぇぇぇぇぇぇええぇぇ!!!
心の中でまた絶叫。もしかするなら。もしかするならば、俺ってば、今日、大人の階段を上っちゃったりしたりなんかして?!

と、ハヅキさんはジト目でこちらを見やっていた。

「あのね。もし変なコトしようとしたら、すっごい後悔するような目に合うから。するなら覚悟しておきなさいよ」

―――ハイ。

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彼女の部屋は、普通の八畳間。
客間から持ってきたという、かび臭い布団と、彼女のファンシーかつ年季が入った布団を並べ、眠りに付く。

生殺しもいいところだよ……自分で抜くこともできねーし。
見やると、ハヅキさんはしどけない格好で(襦袢というらしい)、無防備な寝顔を見せている。
ううううううううう。

その夜、俺は初めて女子と同衾(別の布団だが)することになり、眠りにつけたのはようやく空が白み始めるころだった……

120 名無しさん :2017/10/21(土) 08:59:48 ID:rBd7hXNw0
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翌日、昼。
俺は寝過ごしたことを詫びたが、ハヅキさんは気にするなと笑い、朝食を準備してくれた。

ベーコンエッグとご飯、それに味噌汁。いや、恐縮しきり。
ただで旅館に泊めてもらったようなモンだよ。コレは。
彼女に見つめられながら食べるのも気恥ずかしいし、美味しいと伝えるとほころぶように見せてくれた笑顔も眩しい。

だから。彼女が時折寂しそうな顔になるのを、努めて見ないようにしたんだ。

あの顔を見ると、察しの悪い俺だって分かる、きっと、ナツキは、もう、居ないんだな、と。
―――だって、アレは、居なくなった誰かを懐かしむような、そんな目だ。

「それじゃ、道場で待ってて。食堂からでて、突き当たりを右に曲がって道なりに進むと着くからさ。
 アタシは洗い物をちょっとやってから行くね」
「はい、手伝いましょうか?」
「いいって、いいって。但し―――」
「えぇ。ナツキの所に行くのは、その後。ですよね?」
「そーゆーコト。何か物分り良くなったね?」

きっと、だから。『弟だった』、過去形、なんだ。
そう考えると、この女性に強くでることは出来ず……言われた通りに道場に向かう。


半刻ほど。
胴着に着替え、精神の統一を図っていると、彼女は現れた。

「いや、ゴメンゴメン。ちょっと熱が入っちゃってさ。今着替えるから、待っててね」
「?!」

集中!集中!くそ、集中できない!!

彼女は自然体で服を脱いでいく。飾り気の無いデニムパンツ、無地のTシャツ。
その下からは、グレーのシンプルな下着が現れ、俺の意識を攫っていく……この視線泥棒め!

「あのね?昨日、もっと凄いところも見たし、触りもしたでしょ?なんでそんな意識するのよ、男の子って分からないわね」
「それとこれとは話が違うっす!!」

彼女は心底不思議そうな顔をするが、勘弁してくれよ……そも、まさか下着の上に直接胴着を着るんじゃ……マジかよ!!
目線を切ればいいのか。それとも心のままに凝視すればいいのか。結果として、チラチラと伺う形となってしまい、彼女に睨まれてみたりもして。

「さて、と。それでは―――ナツキ、愚弟は我が道場の免許を求めて、先日ココに現れました」

――ハヅキさんから、武道家の空気が流れ出す。この緩急自在なところは、ナツキも同じだったな、などと血の繋がりを感じてみたり。

「結果として愚弟は皆伝を仕損じ、武道家としての生命を失い、今は療養しています」

―――?!武道家としての、生命を、失い―――??

「キミの勇気に免じて、キミにアタシに挑戦する権利を与えます。見事、アタシを打ち破ったならば、愚弟に会うことを許しましょう」
「ナツキ、ナツキは生きているんですね!?」
「…………………………えぇ」

また、だ。
また、ハヅキさんから寂寥感を感じた。でも、それでも。

「俺は、ナツキに会いにきました。貴女に勝てば、会えるというならば、俺は、アンタに勝つ」
「いい、心がけです――――警告しとくけど、ウチの流派は何でもありの実戦流。なにがあっても、恨まないでよ」
「望むところです、いや、望む、ところ、だ」

ゆらり、と。彼女は俺と向かい合う。
先程の声音は息を潜め、まるで、コレから少し買い物に行くからと声をかけたような、自然体。

121 名無しさん :2017/10/21(土) 09:00:23 ID:rBd7hXNw0
「合図はいいね?好きなところから、かかってきなよ」

だが。飛び込めない。
俺の身体の芯から、得体の知れない警告が鳴り響く。
本能的な、恐怖。

足を肩幅に、かつ片足を半歩前へ。
どのような動きにも対応出来るよう、彼女から視線は切らさない。

「――へぇ、軽率に仕掛けてはこない、か。感心感心」

対する彼女は、鼻歌の一つも口ずさみそうな気軽さ。無造作に此方の間合いに踏み込んでくる……なら!

「ハッ!」

牽制の前蹴り、リーチの差を生かし、彼女の鼻先を制するような一撃を放つ。
ハヅキさんは落ち着きはらったまま、上半身を半歩後ろにそらすことで、その一撃をかわし―――

「イヤッ!」「ダラァ!!」

逸らした上体を戻す勢いで肉薄し、抜き手をこちらの喉笛目掛け、伸ばしてくる。
こちらは蹴り足を戻す勢いを加え、逆脚での二段蹴り。




次の瞬間、俺の『オトコ』が、激痛とともに全霊で危機を訴えてきた。

彼女の手は、空中で生き物のように変化、俺の蹴り脚を巻き込み、制空圏の内側に身体ごと入り込み。
肩で押す形で、俺の身体を強引に正対させ。
俺の蹴足に逆らわず、勢いのまま自身の身体の左右を反転させ。
空いた手で、よもや、まさか、あろうことか、俺の金的を叩き上げたのだ。

「タカナシ流、"釣鐘流し"―――。どうかしら?軽く打ち込んだだけだから、まだやれると思うんだけど」
「な、は、反則だろ……」
「うわ、顔色悪い。やっぱ、キミでもそこは駄目なんだね……コレくらった男の子はみんなそのポーズになるから、恥ずかしがらなくてもいいからね?
 それに、何でもありって言ったでしょ?ウチの流派は、殆どの技がそんな感じだから……」
「卑怯だろ……なんだその流派?!少なくとも、ナツキはそんな技使ったこと無いぞ!」
「うーん、それはアタシに言われても困るなー。逆に聞きたいんだけど、何で男の子って金的を打つのを嫌がるの?やり返されるかもしれないから?
 痛みが分かるから、相手が可哀想になるの?綺麗に金的に入れれば、勝負は直ぐついちゃうのに」
「アンタ……スポーツだからこそ、う!……ルールってものがあるんだろ?!」
「ウチのは実戦派だからさ、なーんて。ゴメンね。ウチが表舞台に上がれないのも、コレが理由。金的で〆る技ばっかだから。
 そもそもがね?刀とかで武装した、いわゆる足軽?みたいなのから、身を守るために始まった流派らしいんだ。相手は武器持ちでこちらは素手。
 だったら、素手でも壊せる急所を狙うしかない……みたいな。破れかぶれもいいとこだよね、ホント。逃げればいいのに。
 こんなだからココみたいな山奥に引きこもってるしかないし、テレビとかでも紹介されないし……そもそも開祖だって、相手が武装した女だったらどうするつもりだったのかしらね?」

青い顔(見えないが、そうに違いない)で股間を押さえ、身悶える俺に平然とした視線を向けつつ、彼女は語る。
この痛みに微塵の関心も払っていないように見えるのは、彼女には一生分からない痛みだからか。

「ホラ、しっかりして。私にはないから想像になっちゃうけど、そこまで痛くないでしょ?小さいんだし」
「このアマ―――」

バネ仕掛けのように飛び起き、未だに痛むタマに喝をいれつつハヅキの顔面に順突を放つ。
相手は一歩後ろに下がり、回避する。
そのまま追撃を仕掛け、腹に逆突を放り込むが、それは彼女が下がりつつも上げた脚に阻まれる。
柔らかい感触を拳に感じ、彼女は逆に顔を顰める。

相手は平手でこちらの顔面を狙う。威力では無く、速度を重視した一撃。
これを食らったら、そのまま金的をいれる気だろ?何度も同じ手をくうかよ?!

顔を伏せ、頭頂部でその一撃を受けると、さらに追撃に移る。彼女も形勢の不利を悟ったか、横に大きく脚を伸ばして位置を入れ替えようとしている。
――させるか!

俺は彼女の機先を制するために、さらに大きなストライドで先回りをしようとして―――

122 名無しさん :2017/10/21(土) 09:01:06 ID:rBd7hXNw0
「ほら、キーン」

今度は、恥も外聞もなく、床に沈みこんだ。

「タカナシ流、"釣鐘開き"―――。駄目でしょ?キミにはアタシと違って金的があるんだから、そんなに無防備に足を開いちゃ」
「うぅぅうぅぅううう」
「もう、男の子でしょ?なんで、女のアタシと同じ下半身の立ち回りするのよ……。
 アタシには、金的はついていないの。産まれたときから、タマがないの。昨日触って分かったでしょ?有った、キンタマ?
 無かったでしょ?だから、アタシにとっては、金的って一生他人事なの。痛そーぐらいの感想しか出てこないの。
 どれだけタマキン痛めつけても、絶対にやり返される心配はないんだもん、キミとは違って。だって、仕返しされるところが無いんだもの。
 キミは違うよね?今もキンタマ痛いんでしょ、私には分からないけど。ちゃーんと守らないと、次はもっと痛いよ?
 ほら、女の股間を忘れちゃったなら、もう一度確認してみなさい」

蹲る俺の頭上で、衣擦れの音。
精神力を振り絞って顔を上げると、ハヅキは自ら胴着を脱ぎ捨て、下着姿になっていた。

「見てみなさいよ。無いでしょ、タマタマ。ほら、こんなコトをしても平気!」

片手に胴着を引っ掛けたまま、挑発するかのように、自らの股間を撫でさすり、軽く平手で叩いてみせる。
視線の先には、女性の股間。嘔吐感と眩暈、何故か鳩尾までも上る息苦しさに耐えながらも、
彼女の股間は平坦で、今自分が味わっている苦痛の源泉が存在しないことだけは、ハッキリと見て取れた。

「はいはい、何時までも丸まってないで立ち上がる、オトコノコ!!」

投げ掛けられる声に釣られて立ち上がるが、内股で股間を押さえた酷い有様だ。

「偉い偉い、頑張ったね。きっと、キンタマ凄い痛いんでしょ?
 キンタマが痛くないアタシから、キンタマの痛いキミにご褒美をあげるね?
 はい、これ。脱・ぎ・た・て、だよ☆なんちゃって、うひゃ、こっ恥ずかしい」

と、彼女は笑顔で自分の胴着を手渡してくる。思わず受け取ってしまった次の瞬間―――

「で、これは油断したお仕置きね☆」

一瞬、彼女の笑みが深まり、身体が宙に浮く。刹那の浮遊感、そして。
永遠に続くような、男の激痛。

「まったく……次はもっと痛いよっていったよね?なんで金的抑えた手を外すかな。
 自分じゃ守れないなら、いっそ無くなった方がいいんじゃない?凄い苦しいみたいだしさー」

もはや芋虫のようにもがき苦しむ俺の頭上から、気楽な声音で獄鬼がつげる。

「なんてね。安心して、潰れちゃないハズ。ホラ、昨日、温泉でキミのタマタマの頑丈さも確かめたつもりだし。
 って言っても、どのオトコノコもソコの脆さは大差無い感じだけどねー?実際、そこんとこどうなの?お姉さんにも分かるように教えてよ」

「ぐぐぐ……うぅぅ……」

声が遠い。足に、力が入らない。
土下座するかのような屈辱的な体勢。それでも、身体は言うことを聞かない。

ハヅキさんは、そんな俺を見やり、一つ溜息をつく。

「―――諦めますか?それならば、痛みが引いた後に麓まで送りましょう。それまで冷やしておきなさいね?
 愚弟のことは……最初から居なかったと思っていただければ、きっと、あのコも救われます」

「ふ―――ふざ、けん、な」

それでも。
だからといって。
アイツを忘れることなんて、出来る筈が無いだろう!!??

肉体で足りなければ、精神で。
精神でも足りなければ、意思で。
意思ですら無理だというのならば、魂で。

俺は、それでも立ち上がる。

123 名無しさん :2017/10/21(土) 09:02:33 ID:rBd7hXNw0
「ナツキに、会わせてもらいます」
「―――ふぅ―――えーと、キミを思って言ってるんだよ?」

剣呑なイメージは一瞬。また、彼女の声は能天気なものに変化する。
でも、分かったことがある。あの雰囲気自体が、彼女の武器なのだと。
マトモにぶつかってきたのは、最初の一合のみ(それでも不覚をとってしまったが)。
それ以降は、彼女は可能な限り殺気を押さえ、じゃれつくような攻撃のみを放り込んできている。
ただし、全て、男にとって絶対の急所である、金的を狙ってだ。

激しい勢いは要らない。強い力みも要らない。ただ、正確に、正確に金的を狙えば、それだけで要を為す。
実戦的といったが、実戦的にも程がある。女性相手を全く想定せず、純粋に男をねじ伏せるための体術系統。
今にして思えば、最初の立会いから彼女の意識は常に金的にあり、それを本能的に感じ取っていたからこその恐怖。

「お姉さん、悪いけど、コレくらいじゃ俺の意思は、魂は折れない。アイツに、会わせてもらう」
「……あのね。オトコノコの意思を折るのも、魂を抓むのも―――――――――



バチイッッッ


――――それは、突然だった。
なんの前触れも無く、ハヅキさんは自分の両頬を、平手で叩いたのだ。
加減の無い一撃と、離れてみても分かる。気合を入れた?油断をさそっている?
こちらが様子を伺っていると、彼女は言葉を投げ掛けてくる。

「ふーーーーーーーーーーーーーーー。よし、感心感心。それじゃ、ちょっと揉んであげようかな。
 見ての通り、アタシはキミのタマキンを狙うからさ。さっきみたいな思いをしたくなければ、ちゃんと守りなね?
 潰さないように気をつけるけど、ゴメンね。アタシには『ついてない』からさ、もしも、があるかもしれない。
 その辺はさ、オトコノコに生まれた宿命だと思って諦めてね?」



無拍子。
彼女は、再度距離を詰める。俺は迎撃を行おうとするが、股間の痛みで行動が一歩遅れる。

「はい、1タマ」

そのまま懐に潜り込まれ……ハヅキさんは俺の股間を一撫ですると、間合いを空ける。

「なんで……」
「いや、稽古だからさ。その度に打ち込んでたら、キミ、オンナノコになっちゃうよ?」
「舐めるなァッ!!」

裏拳。もはや、攻撃の組み立てもない、我武者羅な一撃。
彼女は片足を支点に上体を逸らし、もう片足で俺の股間を、また一撫で。

「はい、2タマ。駄目だよ、駄目駄目。金的無防備にしていいのは、女の子だけ。
 てゆーか、そもそも女の子に金的は無いけど。次は、ちょっと痛くするから注意してね」

ステップで距離を取る……が、一足踏み込む度に股間が傷む。
ハヅキさんは、まるで共に踊るかのような足取りで、俺から距離を離さずに、貫手で軽く金的を突く。

「はうっ」
「3タマ。アハハ、コロコロしてたよ。まだ二つともあって良かったね?アタシなら要らないけど。
 コレだけでも痛いんだ。大変だね、想像もつかないや。そんな弱点があるのに、何で守らないの?」

覗き込む顔面に膝。
苦も無くよけると、俺のがら空きの金的に彼女の膝が突き刺さる。

124 名無しさん :2017/10/21(土) 09:03:10 ID:rBd7hXNw0
「4タマ。もー。単発で、金的をがら空きにするなんて。女の子になりたい願望でもあるの?
 タマタマ潰れただけじゃ、女の子にはなれないよ?」

「この――――」

身体を沈め、肩から体当たりを掛けるが、足元が覚束ない。
ハヅキさんは俺の肩を支点に位置を入れ替え、後ろから金的を蹴り上げた。

「う」
「5タマ。ほら、ぴょんぴょんって飛び跳ねて。上がっちゃったんじゃない?どんな感覚なんだろね?」

屈辱的な言葉に従い、彼女の語り通りに飛び跳ねる。
顔色を変える事だけの余裕もない。顔色は、もう蒼白を通り越していると思う。

「どうしたの?アタシをやっつけるんじゃなかったの?
 このまま行ったら……うーん、ラッキーセブンにちなんで、7タマ目でオシマイにするね?」

実力が、違う。
いや、万全の状態であれば、こちらがやや上だと思う。
それでも。金的に蓄積した痛みが身体の自由を奪い、彼女には一生縁の無い痛みである事実が精神の落ち着きを奪う。

「はい、6タマ。もう、女の子の前で上の空なんて失礼だぞ」

後ろから、金的を鷲掴みに。力は入れずに解放されたが、もう、背筋は冷や汗みずくだ。
駄目だ、勝てない……

「さて、と。次でオシマイ。手加減無しで行くから、頑張って耐えてね?
 アタシも、痛くないようにって祈っておいて上げるから、さ。もしも、もしもだよ。無くなっちゃったら、ゴメンね。
 そのときは、アタシのお古の洋服ぐらいなら挙げるから、前向きに新しい人生を歩いていってね。


 それじゃ、行くよ?」

視界が奪われる(後で聞くと、跳ね回っている間に、脱ぎ捨てた胴着を拾い、それを俺の顔面に巻きつけたらしい)、そして。
ケツから脳天まで、氷水を流し込まれたかのような悪寒と、爆発的な、もはや他に何も考えられない、脳髄を白く灼くような感覚。

灼熱に輝く痛みの中で、俺の意識は闇に沈んだ。

125 名無しさん :2017/10/21(土) 09:03:47 ID:rBd7hXNw0
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当日、夜。


疼きと吐き気で目を覚ます。
見やると、俺の下半身は何も纏っておらず、キンタマは野球ボールのように晴れ上がっていた。
その上に、手製であろう氷嚢が載っていて、疼痛のなかで少し快感を感じる。

部屋を照らすのは、月明かりのみ。

「あ、起きた?」

上から声。ハヅキさんの顔が逆さまに写る。
何故逆さ、と考えて、後頭部の枕が体温を帯びていることに気付く。

「おっと、暴れないでよ。とりあえず、キミのタマタマは二つとも無事だったよ。おめでとー。
 ま、もし潰れてたとしても、急所が減っておめでとーっていうつもりだったけど……なんて、冗談。
 よく頑張ったね。オトコノコだね」

――――俺は、負けたのか。
股間の痛み、そして胸に沈む重い後悔。
初手に油断をしなければ。もっと慎重に戦いを組み上げていれば。
無数のたらればが浮かび、像を結ばずに霧散する。

「……キミの根性に免じて、合格ってことにしてあげるね」

と、唐突に、蜘蛛の糸のような救いの言葉が齎され、思わず彼女の顔を見つめる。

「うん。今もタマタマがついている時点で、キミは合格。
 実はね、もし、アタシを騙してナツキに会いに行こうとしたり、夜にアタシに変なコトしようとしたりしたら、容赦無くタマタマ潰すつもりだったんだ。
 でも、キミは信義を通した。ナツキを尊重してくれた。

 だから、ね。一度、真剣に向き合って、アタシを打ち倒してくれたら、それで良し。
 もし駄目でも、最後までタマタマが潰れなかったら、それでも良しってしようと思ってたの。

 ……勝手だよね?最後の一撃は、もう潰れても構わないと思って蹴り上げたんだけど」

しおらしい態度で、ゾッとする言葉。
思わずキンタマを抑えようとして、その手を制止させられる。

「まだ痛いよ、きっと。それに、もうキミのオトコノコは隅々までみちゃったし、今更隠さなくてもいいじゃない?」

イタズラっぽく笑うが、その顔も俺の恐怖を誘う。

「後で、アタシのオンナノコも見せてあげるから、オアイコってことにしてね☆
 オトコノコに隅々まで見せるなんて、初めてなんだから」

む。むむむむむむ。

そこから、彼女の独白がはじまる…………

126 名無しさん :2017/10/21(土) 09:04:28 ID:rBd7hXNw0
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あのね、ウチは元々は5人家族だったんだ。
お父さん、お母さん、お母さんの妹(叔母って言うのかな?)、アタシ、ナツキで5人。

でも、お母さんは身体が弱くて、ナツキが物心つく前に死んじゃったの。
叔母……あの女はお母さんに随分可愛がられてたから、そのときは随分と憔悴してたっけなぁ。

叔母はね。アイツはお母さんと随分年が離れていて、私と3歳ぐらいの差しか無かったんだ。
良い中学を卒業して(ウチから通えないから全寮制ね)、そのまま都会の高校に進学したらしいんだけど、
そこでドロップアウトしちゃってさ。お母さんが死んじゃった時にウチに転がり込んできて、そのまま居座ったの。

アイツ、大っ嫌いだったけど、子供のときの3歳差なんで絶対的じゃない。
ニートの癖に、ウチの中ではまるで暴君でね。外ではとても大人しかったらしいんだけど、眉唾。

外面は良くてね。スタイルも、出るところは出て、引っ込むところは引っ込むって感じ。
顔だって良かったみたいよ?コレは、ナツキの評だけど。
でも、精神的にはもう、子供からとうとう抜け出せなかったんだと思う。誰もが自分をちやほやしてくれないと、許せない人。
他人に何をしようと、許されると信じ込んでいる、哀れな人。


そんなこんなの時に、お父さんも死んじゃったの。アタシは、未だにあの女が殺したんだと思っているけど。
そこからよ、ウチが徹底的におかしくなったのは。

キミも体験したでしょ?ウチの古武術。アレって、お母さんの家のものだったの。
お母さんは、あんな粗大ゴミ(コレは私も同感)って忌み嫌っていたけど、叔母はそうではなかったのね。

粗大ゴミって……だってそうでしょ?
昔、刀とか槍とかで戦ってたときはワンチャンあったのかもしれないけど、今、戦争って鉄砲とかミサイルの時代よ?
刀の時代だって、基本的には勝てなかったっていうし……まぁ、当たり前よね。
それに、素手での喧嘩であんなのつかったら、どう足掻いても過剰防衛にしかならないじゃない。

あ、話がそれちゃったね。
あの女、このゴミを使って、ウチに君臨することにしたのよ。

アタシはまだ良かった。生まれたときから、キンタマついてなかったから。
悲惨だったのはナツキよ。中学は通信制だったから、ずっと家に居たんだけど、もう、毎日タマタマを苛められてた。
あっちでぴょんぴょん、こっちでうーうー。毎日が心配だったなぁ。アタシ達はもう、奴隷同然。
今思えば、お父さんの死亡通知を届けてなかったんだね。誰も、ウチに助けにくることなんて無かった。

ナツキもね、何度か反抗しようとしたこともあった。
でも、ね。キミも知っての通り、このゴミは対男性専用みたいなところがあるから……タマタマが無い彼女とタマタマが付いてるナツキじゃ、
全然勝負にならなかったよ。アタシは、いっつも怖くて震えてた。可笑しいよね、アタシは女だから、まだナツキよりも大丈夫なハズなのに。

さっき戦ったときの言葉も、あの女の受け売り。

『ナツキちゃん?タマタマ痛いの?そんなもの付けてるからですよ?私が潰してあげましょうか?』
『ウフフ、ナツキちゃん?タマタマってどんな感じに痛いのかしら?私に上手く説明できるまで、コレ、もみもみしてあげますからね?』
『男の子は金的があって大変ね。私にも、ハヅキちゃんにもそんなモノ無いのですよ?貴方もいらないんじゃないかしら?』

あの頃は、どうにかしてナツキのタマタマを切り落として、この地獄から解放してあげたかった。
可笑しいよね、あのコは被害者なのに。でも、そんなコトには気が回らなかったの。
今にして思えば、あの女はナツキを苛めることで、自分を受け入れなかった社会に仕返ししてるつもりだったんだと思う。
本当に、幼稚。

127 名無しさん :2017/10/21(土) 09:05:06 ID:rBd7hXNw0
そして、4年前。ナツキが中学三年生の時。
未成年のくせに、さんざん酔っ払ったアイツが、ふらふらの知らないオトコを連れてきた。

これで、良くあるDV家族の出来上がりと思うでしょ?それが、違ったの。

アイツ、アタシとナツキを集めてから、なんの躊躇も無く、そのオトコのキンタマを潰した。笑いながら。
「ついてない」アタシでも、縮みあがるような苦しみようだった。「ついてる」ナツキは、どれだけ震え上がったか。

そして、ナツキの後ろに覆いかぶさって(あすなろ抱きって言うんですって)、あのコの耳元で囁いたの。

『ナツキちゃん?私は優しいでしょう?その気になれば、ナツキちゃんをああすることも簡単なんですよ』
『ほら、あの愉快な姿。タマタマついてるナツキちゃんは、明日は我が身と思っていなさいね?タマタマが無い私には、完全に他人事ですけど』
『つかまえちゃった、ナツキちゃんのタマタマ。こら、そんなに嫌がらないの。あの人は、もう、一生その感覚を味わえないんですよ』
『男の方って、皆、この出来損ないの部分を持ってるのに、なんであんなに偉そうなのかしら……ナツキちゃんはそんなことないですよね?』
『ほら、何をしてるの?手を後ろに回して、私の股間を弄りなさい。女の股間に、タマタマあるか探してみて?』
『ウフフ、ナツキちゃん苦しそう。タマタマそんなに痛いのですか?私のタマタマを握って仕返ししてみたら?なんて、女にはタマタマないんですよ』
『ナツキちゃんは苦しそうですけど、私はとってもキモチイイんです。タマタマが無いから、やり返される心配も無くて安心です』
『タマの痛みなんて絶対に味わうことはないんです。羨ましいですか?でも、駄ー目。ナツキちゃんはタマタマつけて生まれちゃったんだから』
『ナツキちゃんのタマタマは、私のものなんです。私が潰さないでいてあげてるから、まだ、ナツキちゃんはぶらさげていられるだけ……』
『ほら、ハヅキちゃん。私のブラを外して、貴方が自分を慰めるときみたいに揉みしだいて?ナツキちゃんはもっと、私の、金的が無いアソコを弄り回して』
『死ぬほど男を実感しているあの方の前で、私に死ぬほど女を感じさせて』

あれ、性癖だったのかしら。
可哀想な男の人は、翌日には居なくなってた。きっと、裏の焼却場であの女が焼いたんだと思う。
物取りでもない、単なる行きずりの犯行ってことで迷宮入りしたんじゃないかな。
警察に駆け込めば良かったんだけど、あの頃はこの家が全てで、それにすら気付けなかったの。

もう、滅茶苦茶だった。このままだと、本当にナツキが駄目にされてしまうと思った。
アタシは通信制の高校を辞めて、浮いたお金と、隠してあったなけなしの遺産で、ナツキを都会の高校に送り出した。あのコ、頭が悪かったから苦労したけれど。

もし、アタシが殺されても、あのコが幸せなら、それでいいと思ってた。

その後、ナツキが戻ってくるまでは、たいしたことは無かったわ。
あの女、一年に一度ぐらい、どこかから男を連れてきては、私に接待させた。
男のアソコに詳しくなったのも、それから。自分の身を守るために、このゴミを身につけたのも。

アイツ、連れてきた男を気まぐれに潰したり、寝たり、やりたい放題やっていたけれど、
自分の気分次第で、あの人たちの運命を変えられるという事実に酔っていたみたい。最低。
それでも良かったの。あのコが、この家から離れた、それだけで。



でも。

先月、あのコは帰ってきてしまった。
新しい武術を身につけて、アタシを解放するんだって。

128 名無しさん :2017/10/21(土) 09:05:50 ID:rBd7hXNw0
叔母と、ナツキはさっきの道場で一騎打ちをしたの。
あの女の中では、ナツキは中学のときのまま。対して、ナツキはあの女を叩きのめすことだけを考えて、修練を積んでいたのね。

一方的だったわ。丁度、さっきのキミとアタシの逆ね。
キミも気付いていたでしょ?最初の奇襲で、キミの金的に一撃いれてなかったら、きっと負けたのはアタシ。
正面きって。奇襲が通じない時点で、あの女に勝ち目は無かった。


ナツキは、あのコは優しすぎた。
あの女を平伏させたあと、この家から出て行くことを約束させて、手切れ金まで渡そうとしていた。

――あぁ!!あの女がボコボコにされたときに、アタシが止めをさしておけばよかった!!!!!





それから数日後の晩。あの女が、ナツキの前に現れた。全裸で。
ナツキが言うには、一瞬、頭が真っ白になったって。ただ、その一瞬であの女には十分だった。

結果として、ナツキは金的を入れられ、さっきのキミとアタシの焼き直しのようなことになってしまった。

『ナツキちゃん?叔母さんは、とても悲しいです』
『あんなに面倒をみて、色々と教育してあげたのに、男の方が優れていると誤解してしまったのですね』
『もしかして、常に金的を防御できると思っていたのですか?そんなことは不可能なんです』
『金的をぶらさげている限り、何時何処でどんな不意打ちを受けるか、全て予測できると思っていたのですか?』
『金的の警戒をしなくても済むのは、元から無いオンナの特権なんです。貴方は、もとから「あります」よね?』
『その踊り、オトコノコって感じで、とってもセクシーで、滑稽。オンナは絶対しない踊りです』
『さ、私の身体を見てください。ウフフ、スタイルには自身があるんです。金的を心配する必要が無い、綺麗な身体でしょう?』
『貴方のために、陰毛まで処理したんですよ?ほら、私の股間、きれいな一本線しかないでしょう?貴方の股間の、その薄汚い袋はなんですか?』
『蹲っていますけれど、貴方のタマタマよりも、私の心の方がもっと痛いんですよ』
『それに、その痛みを感じられるのは最後なんですよ?オトコをもうちょっと堪能したら如何ですか?』
『それじゃ、4年前の授業の続きです。もう、優しくはしませんよ』
『ナツキちゃんのタマタマ、没収させていただきます。いいですよね?私のなので』
『ほら、見えますか?これが、これから貴方の『オトコノコ』を没収する女の股間ですよ。貴方が復讐することは不可能なんです』
『貴方の器にふさわしい、ちっちゃなタマタマ。こんなに小さいなら、無くなっても違和感が無いかもしれませんね』
『苦しんで、苦しんで、反省してくださいね。私を見下したこと、そして男に生まれただけで偉そうだったことも』
『ウフフ、来世はメスのロバですね。えいっ』


アタシが二人を見つけたのは、この時。
頭が真っ白になった。似た者姉弟ね。でも、この時、私はアイツに踊りかかってた。
恍惚の表情になっていたアイツの背中に馬乗りになって、胴着の帯で首を締め上げていた。

アイツは、もがきながら、アタシの股間に手を差し入れてきたけど……アタシにはタマ無いからさ。
結局、アイツは死ぬまでアタシの股間を弄ってた。それも、どうしようも無く哀れだったけど、自業自得ね。



―――応急処置はしたんだ。でも、ナツキは、もうタマ無しになってたよ。
もう、前みたいな元気は無いんだ。時々、ポツリポツリと話してはくれるけど……

129 名無しさん :2017/10/21(土) 09:06:25 ID:rBd7hXNw0
------------------------------

―――そんな。
――――――そんな、馬鹿な。

「皆伝なんで嘘っぱち。でも、あのコは、アタシを解放することには成功した。
 アタシは、駄目ね。あのコを守ることが出来なかった」

目を伏せ、ハヅキさんは続ける。

「アイツを殺したとき、警察に自首することも考えた。それでも、アタシが牢屋に入ったら、誰がナツキの面倒を見てくれるのかを考えると、それも出来なかった。
 だけれども、きっとコレも、我が身可愛さで理屈を捻り出しただけかもしれない。そんな時に、キミに会ったの」

ハヅキさんの言葉は続く。

「キミに会ったあの温泉ね、お父さんとお母さんの馴れ初めの場所でもあるんだ。
 だから、キミに会ったとき、キミがナツキを探しにきてくれたと言ったとき、運命的なものを感じた。
 アハハ、柄じゃないんだけどね。それで、キミに賭けてみることにしたんだ、勝手にね」

また、彼女の存在が薄くなっていく気がする。

「虫唾がはしるけれど、アタシにもあの女と同じ血が流れてる。アタシの中には、アイツが居る。
 もし、同じような状況になって、アタシも自分に歯止めが掛けられないと分かったら……ナツキと一緒に死ぬつもりだった」

「それでも、貴女は、踏みとどまった」
「ギリギリよ。一歩でも間違ってたら、キミもタマ無しになってた……血は、争えないのかな」
「俺は、まだ、男です。そして、それが全てだ」
「優しいんだね。でも、アタシは、自分が許せない。だから―――

聞いていられない。動かない身体を引き起こし、彼女の口を、俺の口で塞ぐ。
うおー、ちょっと思い切る方向が違うくね?でも、だってさ。

彼女は、指で俺の袋をつつく。電撃的な痛みが走り、思わず口を離す。

「もう、口説くなら、女を抱けるぐらい回復してからにしなさい。
 ―――それじゃ、歩けるようになったら、ナツキのところに案内するね」

「貴女は―――?」
「アタシは、自首しようと思うの。……今はキミが居る。キミになら、任せられる。少ないけれど、財産だってあるよ」
「だ・か・ら!!ふざけるな!!!!」

彼女を押し倒す。
俺がのしかかり、彼女が見上げるような格好。

「もし、嫌なら、今、蹴り潰してもいいんですよ」
「キミは……潰されたオトコの凄惨さを知らないんだよ」
「一生知りたくないです」

数呼吸の間、見つめあう。

「ハヅキさん、貴女はが自首しようとしているのは、自分が怖いからですね?」
「……嫌なところで鋭いコね」
「貴女は、耐えた。俺が五体満足なのが、その証拠です」
「ギリギリだったって言ったでしょ?」
「それでも、です」

視線が、絡む。

「決めました。ナツキのことも心配ですし、俺、ココに住みます。
 ただ、一つ条件があります。貴女も、ココで一緒に暮らすこと」
「えぇ!?何を勝手に―――
「先程の口ぶりだと、俺がココに住み着くことを、貴女は望んでいたんでしょう?
 ナツキが心配だから。それについては、俺も同感です。ですが……
 ナツキのことも心配ですけど、なによりも貴女のことが心配だ」
「……酷い女よ、アタシは」
「もし、我慢が出来なくなったら、俺と立ち会ってください。
 俺は、何回でも貴女を叩き伏せてみせます。そうすれば、貴女が自分を信じられないなら、俺を信じてください」
「さっきまでタマタマ押さえて唸ってたのに?」
「と・に・か・く」

再度、彼女に口付ける。今回は、邪魔は入らなかった。

130 名無しさん :2017/10/21(土) 09:07:29 ID:rBd7hXNw0
夜の帳と闇の演台。
行く先は見えない、それでも。この月明かりの下をあるけば、きっと何処かに辿りつける。
無責任極まりないことは自覚している。それでも、そう、信じることにした。

131 名無しさん :2017/10/21(土) 09:09:53 ID:rBd7hXNw0
以上です。
思いつくままに書くと、締めに苦労しますね。

もっと明るく馬鹿なノリのSSが読みたい……
女性の口調が丁寧だとモアベター、みたいな感じです。

132 名無しさん :2017/10/21(土) 18:36:46 ID:Psl8WRmM0
GJ!文章力も高いし、自分の好みにドンピシャです!冷静に男の急所を狙う女、最高ですね。潰れちゃうのも容赦がなくていいです。あなたの書くバトルものがまた見たいです!

133 名無しさん :2017/10/21(土) 20:15:50 ID:W7MRm2AQ0
最高でした
ツボを押さえた台詞、性差表現、しかも純粋に話も面白くて非の打ちどころがない
特に「急所が付いてるせいで男が女に逆らえない」というおいしい状況が物語の中で説得力をもって展開されてるのが凄く良かった
これだけの質と量を両立した作品を連続で書いてくれるとは本当にありがたい事この上ないです

134 名無しさん :2017/10/22(日) 03:31:54 ID:aM0kk9eM0
すごい作者が現れたな
二人の結末が気になる

135 名無しさん :2017/10/22(日) 08:24:10 ID:nN7WJN260
乙です
もう最高でした(語彙力不足)

136 名無しさん :2017/11/05(日) 05:34:25 ID:QAaNXXxY0
<一日目、深夜>
Zzzzz……

「タカダ様、タカダ様、そろそろ到着します」

―――うぅん。

擦れた声を出しながら、一つ大きく伸びをする。
ガタンゴトンと車は揺れ、その揺れがまた俺の眠気を誘う。

「そろそろ起きてください」

うううぅうう。
寝ぼけ眼を擦りながら、どこにいるかを確認する。
窓ガラスはスモーク加工されており、肉眼で外の様子を伺うことは出来ない。
ケータイは没収されており、機械を持って現在地を知ることもできない。

俺の名前はタカダ リョウスケ。
職業は夢追人……実際のところは単なるフリーターだ。
今回、俺は仲間内で噂のバイト……所謂絵画モデルに紹介され、現場へと向かっているところだ。

人里離れた山奥で、芸術家志望の令嬢が絵画モデルを探している。
実働数時間で、信じられない額の報酬がもらえる。但し、そこで知ったことは他言無用。
条件は、ただ一つ。健康な男性であること。

いや、俺にうってつけだ。頭は悪いし、カネも無いけれど、身体の頑丈さだけには自信があります!

はじまりは一ヶ月前。
手持ちの金が底を尽き、病院の治験バイト(高額報酬で有名だ)に応募しようとしたら倍率が目の玉が飛び出るほど高く。
折り悪く、日払いのバイトの口も残っておらず、これでは来月を迎えられない……
一縷の望みにかけてパチンコで手持ちを増やそうとしていたところで、数年振りに再会した先輩。
不思議と羽振りのいい彼に、ワリのいいバイトの情報を請い願っているときにふと漏らした『噂のバイト』の真相。

『いや、悪くなかったぜ?バイト代もいいし、スタッフは可愛いし』
 顎の傷(先月、タイで喧嘩に巻き込まれたらしい)を摩りながら、先輩は語る。
『ま、ヌードモデルとかもやるから、人を選ぶんだろうが……俺なら、治験でモルモットになるより、コッチを選ぶね」
 ―――何か、大変なこととかは?
『ルールが凄ぇ厳しかったような記憶があるけど、普通にしている分には大したことなかったぞ?
 あ。一週間近く、世間と没交渉になっちまうが、どうせオマエは暇だろ?プー太郎だし』
 うるせぇよ!

聞けば、あの人は去年に一度経験をしていて、連絡先も知っているとのこと。
持つべきものは人生経験豊富な友人だ。年がら年中、ふらふらしている浮浪者だと思ってたことを謝罪。

噂は事実で、治験並みの給料が貰えると聞かされ、頭を下げて下げて頼み込んだのだ。
先輩も最初は渋っていたものの赤貧に喘ぐ俺を見かねたのか、いつものようにフラりと居なくなる前に、
俺とバイト先とを取り持ってくれた。

137 名無しさん :2017/11/05(日) 05:34:55 ID:QAaNXXxY0
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「あちらが、お嬢様のアトリエとなります」

運転しているのは、若い女性。
連絡から丁度一ヶ月後の先日。彼女から、数枚の切符が届いた。
指示された経路は、ちょっとした小旅行のよう。日が暮れるころについた無人駅に、一台のリムジン。
リムジンだぜ、リムジン。金はあるところにはあるもんだよな。

そして、高級そうなパンツスーツに身を包んだ、こんな田舎駅にはいっそ場違いな女。
涼しげな目元、スレンダーな体型、手入れの行き届いた髪やら小物やら。
首から提げたIDと相まって、都会のオフィス街からテレポートしてきたような彼女は、アトリエからの使いと名乗った。

そこから、リムジンの後部座席で揺られること数時間。
運転席との間、それに全ての窓はスモークガラスで覆われていて、時間も場所も分からない。
曰く、雇い主は自分のことを知られるのをとても嫌がるらしい。

なので、バイト中は通信機器類は全て没収(特に、GPSとカメラ類がダメなんだそうだ)、外出は遭難に繋がりかねないのでNG、
他にも細々とした注意事項(細かいことは現地で聞けとか)はあったが、気にすることもないだろう。

重々しい音をたてて、リムジンのドアが開く。
降車した俺を待ち構えていたのは、また威圧感に満ち溢れた塀と門。
鉄条網が、まるで鉄の茨のように絡みついていて、どこか幻想的な、眠り姫でもいるような雰囲気を醸し出す。

「こちらは、過去の廃病院を買い取らせていただいたものです。訳有って、内部から外部へは隔絶されています」

あー、皆まで言わなくてもいいって。そういう病院ね。
でも、何で態々こんな所に居を構えるのか……芸術家って連中の考えることは分からんねぇ。

彼女が首からさげたカードを翳すと、門は軋りながら開いていく。
その先には、狭いながらも庭園のような作りになっており、その先にコンクリートで覆われた四角い箱が目に入る。
女が言うには、あれが『アトリエ』らしい。

連れ立っての到着。この建物も、彼女のIDカードで解錠。
半円の形をした玄関ロビーに、今は使われていないだろう受付カウンター。
そして、ロビーの正面には、無数の小さな額縁が飾られていた。



―――怖い。怖い怖い。怖い。




得体の知れない恐怖が、俺のケツから背筋を舐め上げる。

あれは、何だ?なんの変哲も無い額縁に、抽象的な幾何学模様が描かれているだけ。
それなのに、それぞれの絵の幾つかが、抗いようの無い、本能的な恐怖を煽る。

「あれは、お嬢様の作品です」

と、俺の心を呼んだかのように、彼女が話しかけてくる。
どうやら、あの絵は彼女に対して何の効果も齎さないらしい……ま、慣れているだろうからな。

「詳しい絵の説明は、本人から聞いてください。きっと喜びます」

使いの女はそれだけ語ると、先頭にたって歩き出す。
玄関ホールを抜けると、不吉な予感は霧消する……なんだったんだ、アレは。

138 名無しさん :2017/11/05(日) 05:35:32 ID:QAaNXXxY0
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そのまま少し進むと、談話室に着く。乱雑に詰まれたクロッキー帳と、革張りのソファ。重厚な木材のテーブルと食器棚。
こういうコトには疎い俺でも、豪奢な調度品だということは見て取れる。本当に、金はあるとことにはあるのな。

部屋の中には、女性が一人、コーヒーを啜っていた。

「お嬢様、新しいモデルの方をお連れしました。
 ―――タカダ様、こちらの方が、貴方の今回の雇い主となる方「ヒトミだよ、宜しく」……ヒトミお嬢様となります」

ショートカットの少女。コイツが『お嬢様』か。
年の頃は18〜20ぐらいか?かなりのスタイルの持ち主だが、身体にそぐわない童顔で、年齢を推し量りにくい。
オーバーオールの上に白衣を羽織り、その上には、年季の入った複数の染み。
頭にはベレー帽(室内なのに!)、顔にはセルフレームのメガネをかけていて―――正直、幼い容姿も相まって何かのコスプレにしか見えない。
先程の作品を見て抱いていた、芸術家のイメージが音を立てて崩れていく……。

「あ、なんかボクに対して失礼なこと考えてないかい?」

その上、一人称が『ボク』と来た。うーん、作品と作者はここまで乖離するものなのかね……

「此方の方が、タカダ リョウスケ様。以前、モデルをしていただいた、ハヤカワ様からのご紹介になります」

「あー、ハヤカワ様って、この人でしょ?」

お嬢様が持ってきたのはクロッキー帳。その中には、ハヤカワ―――紹介してくれた先輩の名前だ―――の精緻な肖像画があった。
見慣れた傷跡……そう、その人の紹介で間違いない。

「再度となりますが、改めて御説明をさせていただきます。
 業務内容は、ヒトミお嬢様のデッサンのモデルと、作品制作の補助。期間は5日間で、途中退出は許可できません。
 
 また、私物の持込みも、ご遠慮頂いております。特に、GPS機能を持つものや、カメラなどを持ち込んだ場合は、
 契約に基づき懲戒の対象となりますのでご注意ください」

この説明は、最初にもされたな。

「また、現在この屋敷には私とお嬢様しかおりませんので、猥雑な行動はくれぐれもお控えください」
「大丈夫だよー。ボク、これでも護身術は一通り身に付けてるんだから。
 リョウちゃんも、ボクが魅力的だからって、エッチなことしようとしたらブッ飛ばしちゃうからね♪」

何かを蹴り上げるような素振りをしながら、ヒトミが口を挟む。
いや、それでも無用心に過ぎるだろ……アンタ結構可愛いんだからさ。

「最後の注意点ですが、ココで行ったこと、ココでのアルバイトについては、くれぐれも他言無用でお願いいたします。
 
 お帰りの際に連絡先をお渡ししますので、再度応募したくなった場合は、『御自身』で連絡をお願いしますね。
 その他、この屋敷の詳細については、ヒトミお嬢様にご確認ください」

それだけ伝えると、彼女は踵を返して、奥の扉に消えていく。
残されたのは、俺と『お嬢様』の二人だけ。

「それじゃ、改めて宜しくね、リョウちゃん。ボクのことは、ヒトミって呼んでね」

「気安いな、アンタ「ヒトミ!」……ま、こちらこそ宜しく頼むわ」

握手を交わす。
彼女の手は小さく、ヒンヤリとした女性の手だった。

139 名無しさん :2017/11/05(日) 05:36:06 ID:QAaNXXxY0
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<二日目、昼前>

Zzzzz……

「リョウちゃん、リョウちゃん、そろそろ起きてよ」

―――うぅん。

擦れた声を出しながら、一つ大きく伸びをする。
ユサユサと身体が揺すられ、その揺れがまた俺の眠気を誘う。

「そろそろ起きてってば!」

うううぅうう。
寝ぼけ眼を擦りながら、どこにいるかを確認する。

そうだ、俺はバイト中なんだっけ。
今居るのは、金持ちのボンボンの典型例(女性だが)のお嬢ちゃん自慢の、山奥のアトリエ。
ここは病室を改装した客間(縁起が悪いにも程がある)で、俺を揺すってるのは当の『お嬢ちゃん』である雇い主「ヒトミだってば!」

「あ、やっと起きた……もう朝御飯できてるよ!」

うぅぅ、なんか、一昔前のゲームみたいな展開だな。
欠伸をかみ殺しながら考える。


談話室で朝食。
朝はクロワッサンとソーセージ、ゆで卵「ボイルドエッグ!!」とポテトサラダ。食後のコーヒーまでついてくる。
いや、朝食なんて何年ぶりか。何時も、夕方近くまで寝てるからなぁ……いや、美味い。美味いよ、コレ。

ヒトミは欠食児童のようにがっつく俺をニコニコしながらスケッチしている。
こんな姿を描いて、一体なにが楽しいんだか。

「いや、キミが『楽しい』ときの印象を描いているんだよ」

『楽しい』、か。いや、確かに、こんな人間らしい食事は久しぶりだし、楽しいっちゃ楽しいけどな。

「人間らしい食事って……呆れた。どんな不健康な生活してるんだい?」

いやいや、オトコの生活なんて大体こんなもんだって。

「キミの自堕落な生活態度を、男性全般に広げるのは感心出来ないよ……」

他愛ない会話を交わしながら、食事をたいらげる。
うーん、ヒゲが伸びてきたなぁ。あとで洗面所の場所を聞いておこう。と、ヒトミがキラキラした目で此方を見つめているのに気付く。
何だ?惚れたか?

「惚れはしないけど……ね?ね?そのオヒゲ、触ってみてもいい?ね、お願い」

返事を待たずに、彼女は俺の頬から顎にかけてを撫で回す。

「うわー、ジョリジョリしてるよぉ。何か、男の人って感じする」

こんなモンがそんなに珍しいかね……まぁ、普段は女しか居ないみたいだしな。
て、もしかして、髭剃りとか無かったり?

「いや、そこら辺はお風呂場にあるから。とりあえず、身奇麗にしてきてよ。
 それが終わったら、早速お仕事お願いするからさ」

りょーかい。

140 名無しさん :2017/11/05(日) 05:36:44 ID:QAaNXXxY0
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朝食を終え、大浴場に向かう。
デッサンの前に身嗜みを整えろという話で、確かに一理ある。

湯船も既に用意されているとのことで、あまりの至れり尽せりっぷりに、こちらが恐縮してしまう。
鼻歌の一つも歌いながら、浴場のドアを開くと―――

「お待ちしておりました」

え?

そこには、エプロン姿の一人の女性。案内人の彼女が待ち構えていた。きゃっ。

「……気色悪いので、そのポーズは止めていただけますか?
 初心者の方では無駄毛の処理が上手くいかないので、私にて代行させて頂いているのです」

うん、成程。うん?

「それでは、タカダ様。こちらに来て、仁王立ちになってください」

うん?うん?

逆に、彼女は手馴れた様子。素早くボディソープを泡立てると、俺の身体を撫で回すかのように洗っていく。
首筋から背中、腕、ケツ、足……ちょっと、前は、前が自分で出来ますから!!
これ以上やると、俺だってアンタを丸洗いしますよ!!

「お構いなく、私は既に身支度が終わっていますので。それでは、四つん這いになっていただけますか?

俺の抗議も馬耳東風。有無を言わせず犬のような体勢にさせると、エプロンのポケットから、よく切れそうな刃物を取り出した。
―――マジかよ?!

慌てて逃げ出そうとした瞬間、彼女の手が伸びて、俺のタマ袋を握る。それだけで、俺は身動きが取れなくなる。

「危ないですので、じっとしていて下さいね?特に男性は。
 少しでも手元が狂うと、大変なことになってしまうので……女には分からないデリケートなところですから」

耳元で囁かれ、俺の動きは封じられる。

彼女は満足そうに微笑むと、剃刀で俺のチン毛からケツ毛までを丁寧に剃り落としていく。
抗議の声を上げようとしても、身じろぎしようとしても、俺の行動は全て彼女が握ったタマによって阻害されてしまう。

「動かないでといいましたよね?私やお嬢様が相手なら、少しぐらい手が滑っても、最悪切り傷ぐらいで済みますが……
 男性の場合、もし間違って傷つけたら、取り返しがつかなくなるかもしれないんですよ?

 分からないなら……ペニスは一つしかないし……そうだ!丁度、睾丸なら二つありますし、一つで実演してあげましょうか?」

冷たい剃刀の先で、俺のタマをつつかれると、心の底から震え上がってしまう。

「ウフフ、睾丸が縮みあがってしまいましたね。安心してください、冗談ですよ?
 でも、これ以上暴れると、冗談ではなくなってしまうかも」

彼女は悪戯っぽく笑うが、こちらとしては生きた心地がしない。
そのまま冷たい剃刀で俺のタマ袋の毛を剃っていくのを、祈るような、縋るような眼差しで見守る。

「はい、おしまい。次は、脇と胸板の毛を剃りますからね」

俺は既に虚脱状態。委細構わず、彼女は俺の体中の毛を剃っていく……気がついたときには、俺は完全にツルツルの赤ちゃん肌になっていた。
恨めしい視線を彼女に送ると、さすがにバツが悪そうな表情をすると思いきや、笑いを堪えているようだ。

「ゴメンなさいね…フフッ。ツルツルの子供おちんちんで凄まれても、ちょっと……」

何言ってやがるか!テメェが――――う!
彼女に詰め寄った瞬間、死角から、再度タマ袋をつかまれ、思わず腰を引く。

「もう、男でしょう?そんなに細かいことで怒らないでください。間違って、コレを落としてしまったワケでも無し。
 逆に感謝して欲しいくらいです。私の腕が悪かったら、貴方のこの『宝物』、取れちゃってたかもしれないんですよ?」

裸の急所を握られて、屈辱感と気恥ずかしさが膨らむ。相手は、普通に服をきているから尚更だ。

「それじゃ、アトリエに向かいましょうか。あ、そのままの格好で結構ですよ」

141 名無しさん :2017/11/05(日) 05:37:14 ID:QAaNXXxY0
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アトリエ。ヒトミがスケッチブックをイーゼルに載せ、一人鉛筆を何本も研いでいた。
俺たちの気配を感じたのか、こちらを見やると、彼女もまた笑いを堪える。

「お、リョウちゃん。クールさに似合わない、可愛いおちんちんになったね……ブフッ」

ふざけんなよ!と怒鳴ろうとした俺の機先を制するかのように、ヒトミは続ける。

「おっと、そのまま。キミの『怒った』ときの印象、頂くね?ちょっとボクの前に来て、その剣幕のまま止まっていてくれるかい?」

何だコイツ……と考えている俺は眼中に無く、ヒトミは一心不乱にスケッチブックに何かを殴り描きしはじめる。
あまりといえばあまりな行動に、思わず俺の身体から毒気が抜ける。

「おおっと、残念。キミの身体から、怒りが抜けちゃったよ……軽い素描は出来たけれど。
 ちょっと、細部を詰めるから、その表情と体勢のまま、一時間ほど止まっていてね?」

はいはい、分かりましたよ。つまり、もう仕事ははじまってるってことなのな。
問いかけに答える声は無く、暫く響くは鉛筆の走る音と衣擦れの音。彼女の視線は忙しなく俺とスケッチブックを行き来し、
俺は間抜けな怒り面を晒し続ける……動かないというのは結構辛い。

「―――よし!とりあえず、ラフは完成、と。
 で、どうしたんだい?なにか、すごいオコだったみたいだけど?」

オコ……?あぁ、怒か。
いや、そりゃ怒だよ。このねーちゃん、問答無用で俺の全身脱毛しやがったんだぜ?
あろうことか、その。なんだ。あー。

「あ、分かった。タマタマも痛い痛いされちゃったんだね?メイちゃん、聞き分けの無い子はそうやって躾けるんだって言ってた。
 ゴメンねー、ボク達にはそれ付いてないからさ、丁度いい加減っていうのが想像できなくて」

メイちゃん「メイドのメイちゃんって覚えてよ」?この時代にメイドってか?

「うん、まぁ、実際はボクの助手なんだけど……メイドっていった方が、オトコノコ受けっていいんじゃないかなって」

いや、それはどうでもいい……というか、ヒトミ、アンタも近いな!!

「それじゃ、よく見せてよ、キミのタマタマ。

 ……何時見ても、不思議。ズボン履くときに邪魔になったりしないの?締め付けられて痛かったりとか。ほら、すっごく弱いところみたいだし。
 ボクにもメイちゃんにも付いてないし、無くて困ったことも無いからさ。謎に満ちた部分なんだ、オトコノコの証拠って。
 おー、キミのは結構大きい方なんじゃない?分かんないけど。それとも腫れちゃった?ほら、ツンツン」

息のかかる距離に顔を寄せ、ヒトミは無遠慮に俺のタマをつつく。
う。触んな、この変態娘。

「変態って……折角心配してあげてるのに。そんなコは、こうだ!」

パチン、と。
かるく指で弾かれ、思わず蹲る。痛みの分かる男なら、絶対にしない行動だ。

「いや、ボクには分からないから。……今のでもそんなに痛いんだね。軽く弾いただけなのに」

「お嬢様、男性の睾丸はとてもデリケートなんですから、手荒く扱ってはいけませんよ?
 先程のお嬢様のお言葉の通り、私達には加減が分からないのですから……何時の間にか使えなくしてしまうかもしれません」

ゾッとする声が背後から響く。
振り返ると、そこにはメイと呼ばれた女。いや、それはいい。
一糸纏わぬ姿。先程の衣擦れの音は、コイツが脱衣をする音も含まれていたのか―――じゃなくて!

「あ、お毛毛を剃ってもらったのは、キミだけじゃないよ。
 モデルになってもらう人には、皆、剃ってもらっているんだ。描くのに邪魔だから。

 丁度いいし、メイちゃんのお股を良く見せてもらったら?お風呂場での仕返しで、オンナノコをじっくり観察しちゃえ♪」

「お嬢様?あまりお戯れが過ぎるようであれば……」

「おおっとぉ?リョウちゃん、見ときなよ。ボクにはタマが無いから、お仕置きされても―――んぐっ」

142 名無しさん :2017/11/05(日) 05:37:49 ID:QAaNXXxY0


ゴスッ

鈍い音とともに、メイの拳が、ヒトミの脳天にめり込む。
拳はそのまま振り下ろされ続け、ヒトミの身体は前のめりに床に沈む。躊躇も加減も無い一撃。
うわぁ、あれは痛そうだ…

「キンタマは無くとも……失礼、代わりにアタマをぶん殴らせていただきました。反省出来ましたか?」

「うぅぅううぅぅぅ……これ以上バカになったらどうしてくれんのさ……」

「ご安心ください。既にお嬢様の知能は下限です。もしかしたら、オーバーフローしてマトモになるかも」

ヒトミは涙目で頭を抑えている、と、此方を拝むような目で見上げ、早口で不平をぶち撒ける。
鬼気迫る様子で、絵を描いていたときとはまるで別人。


「リョウちゃん、見た?あの暴力女!ボクが雇い主なのに、全力でぶん殴ってきたよ?!どう思う?
 可笑しくない?可笑しくなくなくなくなくない?女の子に手を上げるなんて最低じゃない?どう思う?どう思う?」

いや、今のはアンタが悪いだろ「リョウちゃんまで!ヒドイ!」……というか、絵描いてるときと、まるで別人だな、アンタ。

「タカダ様、ご理解有難うございます……ヒトミお嬢様も、いい加減にしないともう一発いきますからね?
 ……念の為に言っておきますが、タカダ様もお戯れが過ぎるようなら、同じ目にあいますからね?場所は違いますが……」

冷たい目で俺の股間を見詰めながらの言葉に、思わずタマが縮みあがる。コワイ!!

知らず、俺とヒトミは互いに抱き合ってガタガタと震える。
若い女が睨めつける中、抱きあって震えるハダカの男と女……絵面にすると、どうしようもないな。

「ねー。なんだか、ボク達、不倫ばれしたカップルみたいだよねー。
 メイちゃんは、気性の激しさから旦那に見捨てられた古女房役ね。うわー、コワいくらいにピッt『ズドン』……なんでもないです」

メイが床を踏みならすと、空気が震える。
いや、今のは俺関係ないっスよね?そんな、ゴミを見るような目で見詰めないで欲しいっス……

「うぅ、メイちゃんがこれ以上ぷんぷん丸「センスが古いな」ほっといてよ!、になる前に、早速はじめちゃおっか?
 それじゃ、メイちゃんはそこで囚われた姫のポーズ。リョウちゃんは、ここをこうして―――

ヒトミの指示に従い、俺たちは生きたデッサン人形になっていく。
メイは、流石のプロ。一度、役に入ると身じろぎもしない。ヒトミの指示とは言え。俺は彼女の腰や肩に手を回すたびにドギマギしているのに。

「次は……あ、リョウちゃん!さっきとおちんちんの形が変わってるよ?仕事中くらいは我慢できないの?!」

無茶を言うなよ……今、俺はメイの股間に頭を押し付けるように縋り付くポーズなんだぜ。
ヒトミはご立腹のようだが、生理的なものは仕方ありませーん。

「そんなのボクには分かりませ-ん。早く小さくしないと、お仕置きだからね?!」

彼女は俺の傍らに来て、ムスコを弄繰り回す。
ヒトミなりに、なんとか小さくしようと考えているみたいだが、そもそも『無い』彼女の行為は逆効果だ。

「むむ、ちょっと、コレどうやったら小さくなるの?」

ムスコを摩り、タマを撫で……お、お、ちょっと、やめ、ヤバイって!

警告の声を上げる暇も無く、俺の暴れん棒から射出された精液が、彼女の顔を汚す。
エロいな……じゃなくて、ゴメン!ゴメンなさい!申し訳有りません!!

恐る恐る彼女の顔を伺うも、笑顔。
ただ、ケツの穴がキュッとなるような種類の笑顔だ……理不尽じゃない?

「リョウちゃーん…………サイッテー」

次の瞬間、俺の股間で恒星が爆発したかのような衝撃が走り、激痛が閃光となって視界と意識を洗い流した―――

『ちょっと、ヒトミ?!まだ―――
『うわ、リョウちゃん大丈夫?!やりすぎち―――

一光年先の世界で、彼女達の声が朧に響いていた、気がする。

143 名無しさん :2017/11/05(日) 05:38:39 ID:QAaNXXxY0
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<三日目、早朝>

鳥の声と共に、目を覚ます。

昨日、目が覚めたのは夕刻。顔を床で摩り下ろすように頭を下げるヒトミを見ていると、怒りも萎える。
仕事の続きは難しいということで、そのまま夕食。手持ち無沙汰もあり、通常では考えられない時間に床についた結果がコレ。

気持ちのいい朝だ……我ながら、あっという間に健康的な生活に順応しちまったな。
自分の単純さに半ば呆れながらも、風呂場に向かう。

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「あら、お早う御座います、タカダ様。本日はお早いですね」

そこに居たのはメイ。ほぼ昨日と同じ状況だが、違うのは、今日は彼女も生まれたままの姿というところか。
って、うわっスンマセン!!直ぐ出て行きますんで!!

「いえ、お気遣いなく。私の身体なんて、昨日さんざんご覧になられたでしょう?
 それよりも、一緒に身支度を整えたほうが効率的です」

彼女の手には昨日と異なり安全剃刀。曰く、一度剃った後は、コレの方が楽とのこと。
どうやら、それで自身の体毛を処理していたらしい。

「私も、見えないところの体毛を処理するのは難儀しますので……お互いに剃りあうことにしませんか?」

えぇぇ…まぁ、いいですけど。
大量の湯気と湿気に当てられたのか、高い温度に血迷ったのか。俺の口は思わぬ言葉を紡いでしまう。

「それでは、まずはタカダ様の方から処理しますね?
 今回は、陰嚢を躾けずとも、大人しくしていただけるとよいのですが」

はいはい、もう二度とゴメンです。
彼女の言葉に逆らわず四つん這いになると、またタマ袋を握りこまれる。ちょっと!話が違いませんか?!

「いえ、陰嚢の毛を剃るなら、この方が安全なので。痛かったら教えてくださいね?
 男の方のタマは、時々、よく分からない傷み方をするみたいで……変に我慢すると、潰しちゃうかもしれませんよ?」

待って。待ってください。

「ウフフ、冗談です。それでは、処理をしていきますね」

ヒンヤリとした女性の手と、ヒヤリとさせる剃刀の刃。
彼女は手馴れた様子で、昨日と同じように俺の体毛を剃っていく。俺は、昨日と同じように古今東西の神に、俺のオトコの無事を請い願う。

「さて、と。それでは、次は私が四つん這いになりますので、背中とお尻から前にかけての処理をお願いします」

俺の処置が終わるや否や、メイは手を床に着き、腰を大きく持ち上げる。
彼女の女性自身が眼前に迫り、思わず凝視してしまうが、誰が俺を責められよう。

毎日処理してるであろう彼女のソレはほぼ無毛で、綺麗なソコは自身が女性であることを全力で主張しているかのようで。
やわやわと肉を掻き分け、彼女の体毛を捜すたびに、色っぽい声がその口から零れる。

お、黒子みっけ。あ、ケツに一本剃り残しの毛がある……剃っとこっと。
うわ、だんだん穴が濡れてきてる……おや?クリトリスも少し大きくなってきてるじゃ―――

―――タカダ様。実況をやめますか?それとも、オトコをやめますか?」

ヒッ!
見ると、メイの額には青筋が。これはマジだな……お口チャックするので勘弁してください!!

144 名無しさん :2017/11/05(日) 05:39:12 ID:QAaNXXxY0

「そこまでとは言いませんが……仕事なのですから、厳粛に」

真面目だなぁ……だったら、それこそ、脱毛剤?みたいなものを使えばいいのに。
それか、思い切って永久脱毛するとかさ。

「一度、脱毛クリームを試してみたこともあるんですが、どうにも肌に合わなくて……
 あの時は、痒いやら痛いやらで大変でした。それ以降は、ちょっと不便ですが、確実に剃ることにしているんです。

 永久脱毛は―――そんなことしたら、今後温泉とか行けなくなるじゃないですか」

いや、そうでは無くて。刃物を持った知らないオトコに、その、局部を晒すってことに抵抗は?

「そりゃ、少しはありますけど……男の方みたいに即効で動けなくなる弱点はないですからね。
 ほら、私のソコにはタマ付いてないでしょう?男性は、タマ握られるだけで動けなくなっちゃうみたいですけど。
 変なコトをされたら、死ぬ前にその方の金的を道連れにする覚悟です」

物騒な覚悟だな!オトコのソコは大切に扱ってくださいね!

「男の方には大切かもしれませんが、私には関係無くないですか?うーん、睾丸の大変さって、理解は出来ますけれど、共感は全然出来ないんですよね。
 なまじ、付いてないものですから。何で無くなるだけであんなに悲しむのでしょう?私だったら、無くなっても全然平気な気がするんですけど……
 エッチなことが出来なくなるだけじゃないんですか?」

それでも、です!ハイ、終わり!!
風呂場でハダカの男女が一組。お互い無毛で向き合うと、どちらからともなく笑ってしまう。
と、彼女は極自然な動作で俺のムスコに片手を伸ばし、もう片方の手で俺の右手を乳房に導く。え?アレ?

「それじゃ、一回抜いておきましょうか?昨日は、このコきかん坊で苦労したみたいですし」

小悪魔じみた笑顔で、彼女は俺のモノを扱く。
乳房は指に吸い付くようで、俺は右手を離せない。

「なーんて。さっきからアソコを弄られて、私も我慢が出来なくなってしまいました。お嫌ですか?」

微笑みに対して、口付けで返す。
左手を、彼女の股間に差し込むと、そこは熱と蜜に満ちていた。





―――あの時、彼女の言葉に気付けなかったことを、俺は死ぬほど後悔することになる。

145 名無しさん :2017/11/05(日) 05:39:48 ID:QAaNXXxY0
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アトリエ。ヒトミがスケッチブックをイーゼルに載せ、一人鉛筆を何本も研いでいた。
デジャヴュ。いやこの言葉であってたっけ?まるで、昨日にタイムスリップしたような感覚を覚え、思わず股間を抑える。

「もう!昨日、散々謝ったでしょ!今日はあんなことしないってば!
 ……アレ?今日は、なんか嬉しそうだね?なにかイイコトあったの?まぁいいや、とりあえずその表情キープしてよ」

目聡い…ヒトミは俺の表情の微妙な変化を捉えると、それをスケッチブックに落としていく。
本当に、絵を描いているときだけは美人なんだけどな。

「ム。またボクをバカにしたでしょ?……よし、それじゃ、キミの『喜び』の印象、頂きました!」

既に、俺もメイも全裸。だけれども、先日の轍は踏まない……といか、踏めないほど楽しんでいたり。

「アレ?メイちゃんもツヤツヤしてるような?」

気にするなって。今日の俺は機嫌がいいから、どんなポーズだってやってやるぞ?
ニヤケ面を引き締め、メイの表情を盗み見る。彼女は変わらずに仏頂面だが、頬に僅かに朱が挿しているように見えるのは
果たして欲目か現実か。

結果として、想定以上に早く本日のノルマを消化。ヒトミの作品についての論を拝聴することになる。

「いや、今日はスムーズだったねー。リョウちゃんも、出来るなら最初からやってくれればいいのに」

お子様には分からないかも知れないけど、色々あるんだよ、オトコには。なぁ、メイ?

「私は女なので、同意を求められても困ります」

「えー、何か、二人仲良くなってない?何かあったの?ねぇ?ねぇ?」

「何もありません!」

二人のやりとりも微笑ましい。と、そうだ。
ヒトミ、アンタのスケッチ、俺にも見せてくれないか?

「いーよー。ほい。これが、今日の分」

彼女から受け取ったスケッチブックには、俺とメイのシルエット。
かなり線が少ない印象なのに、俺とメイだと判別できるのは、彼女の腕前によるものか。

「で、コレが昨日のヤツね?まだ作りかけなんだけど……」

ヒトミが持ち込んだのはカンバス。そこにあったのは、玄関で見たような抽象画。
雰囲気の問題か、初日のような不気味な、危険な印象は微塵も受けない。

「そりゃそーだよ。コレね、リョウちゃんの『楽しみ』の印象だけを、抽出しようとしてるんだもん」

どういうことだ?

「いや、まだ未熟なんだけどね?ボクは、『感情』を、こう、何ていうのか、気恥ずかしいな。
 こう、『感情』が好きで、それをね?なんとか、カンバスに落とし込むのが夢なんだ」

そういえば、毎日そんなこと言ってたな。XXの印象を頂くとか何とか。

「お嬢様の絵画論は意味不明ですが、作品は好きですよ」

と、メイが口を挟む。ヒトミの顔が紅くなるが、それについては俺も同感だ。

それから俺たちは、ヒトミの頭っから湯気が出るまで彼女を褒めちぎったところ、逆上した彼女にアトリエから追い出される羽目になった。
やれやれ。メイと顔を見合わせ、どちらからとも無く笑う。

初日はどうなることかと思ったが、悪くない。悪くはないというのが、ココまでの俺の印象だった。
今にして思えば、何故、俺は自分の印象を信じてしまったのだろうな。

146 名無しさん :2017/11/05(日) 05:40:25 ID:QAaNXXxY0
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夕食を食べて、夜。
自室で物思いに耽っていると、控えめなノックの音が響く。

「リョウちゃん、起きてる?」

招き入れたのは、ヒトミ。
薄い肌着のような寝巻きを身に着けた彼女は、日中と違ってとても儚く見えた。

「リョウちゃん、今日のデッサン中におちんちん小さいままだったじゃない?
 昨日のアレで、大変なことになっちゃったんじゃないかって、心配になってさ……だって、タマってとっても柔らかいんだもの。
 それで、ね。確認しようと思って来たの」

おいおい、もうソレは散々謝ってもらったし、もういいよ。
アトリエでもその話をしただろ?

「それでも!」

彼女は詰め寄ると、豊満な胸に俺の頭を掻き抱いた。
何コレ?モテ期到来ってヤツ?混乱する俺に構わず、ムスコは硬度を増していく……オマエは本当に自由だよな。

「あ、硬くなった。よかったぁ」

頭上から、安堵の声が響く。見れば、彼女の片手は俺の股間に差し込まれている。
硬い下着の感触と、柔らかい乳房の感触。相反するそれを感じ、俺のモノはもう、天を突かんばかり。
いや、今日はエロくていい日だ!

今朝のことを思い出し、今の感触を堪能していると、ヒトミは俺の顔を持ち上げ、覗き込む。

「リョウちゃん……今、ボクじゃない、別の女のこと考えてなかった?」

げ。鋭い……というか、エスパーか何か?
いや、今なら分かる。彼女は、人の『感情』に、とても敏感なのだと。

「以前の彼女さん?今付き合ってる人が居るの?それとも……メイちゃん?―――そっか」

彼女に瞳を覗き込まれ、詰問されていく。
以前、メイが寝取られた女房役といっていたが、どうやら、ヒトミこそがそれに相応しいみたいだ。言わないけど。
というか、何で、俺が浮気したみたいになってるんですかねぇ。

「ボクだって、メイちゃんほど美人じゃないけど、おっぱいだけは負けてないんだから」

おもむろに、服を肌蹴ると、質量の暴力のような胸が露になる。
彼女は、そのまま胸を差し出し、暗に下着を外すことを要求してきて―――俺は、それに応じた。

「メイは、いいのか?」
「あのコは、明日の準備をしてもらってるから……邪魔は入らないよ?というか、また別の女―――

吸い尽くすような接吻で、彼女の言葉を遮る。
互いに技量も前戯もなにもなく、ただ、本能での我武者羅な愛撫。
互いに獣のように、相手の肢体を貪りあう。

ヒトミは、執拗に俺のタマを愛撫し、彼女の股間を足に、手に、擦り付けてくる。

「リョウちゃんの『オトコノコ』、無事でよかったね」

そんなにソレが好きか。

「キミの『オトコノコ』の部分、これが壊れちゃったら、身体の他が無傷でも、もう『オトコノコ』としてダメになっちゃうの。
 ボク達と、オトコノコの唯一つ違うところ。これがあるから、おヒゲだって生えるし、おちんちんだって大きくなるんだよ。
 あぁ、もっと、ボクにオトコノコを感じさせて!!」

掻き抱き、差し挿れる。
往復のたびに彼女は喘ぎ、俺の俺はますます硬度を増していく。そして。

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ピロートークもおろそかに、睡魔が俺の瞼を下ろす。

『エヘヘ、これで、十分、オトコノコを満喫できたよね?』

眠りに落ちる前に、そんな声が聞こえた、気が、した。

147 名無しさん :2017/11/05(日) 05:40:59 ID:QAaNXXxY0
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<四日目、日中>


アトリエから、家具が全て無くなっている。これが、ヒトミの言う準備だろうか?
メイとヒトミの雰囲気は何時も通りに見えるが、何処か高揚した空気が肌を刺す。

部屋には、二人の女と一つの飾り箱。
前日までと異なり、二人とも全裸だ。見慣れたとはいえ、メイの手入れされた瑞々しい裸体も、ヒトミの自然のままの若々しい裸体も、共に俺の劣情を煽る。
飾り箱の蓋には、いつもの抽象画……これも、昨日のものとは異なり、玄関に飾られていた作品と同じく、凶々しい、背筋に氷柱を差し込まれたような感覚を与えてくる。

相反する感覚に、脳味噌が混乱して言葉が出てこない。

「さて、リョウちゃん。一日早いけど、今日は最後!リョウちゃんの、『哀しみ』の感情を頂こうと思います。
 ワー。ドンドンパフパフ〜〜☆」

ヒトミは、何時にもましてテンションが高い。メイも、何処と無く呼吸を荒げているような。
それにしても、哀しみ?これこそ、どうやって表現すればいいんだ?

「タカダ様は何も心配することはありませんよ?男性の『最大の哀しみ』、引き出す術は十全に心得ております」

冷静なメイの声に、興奮が滲む。彼女等の雰囲気は、まるで、肉食獣のようで。
俺の心の深い部分から、静かな、とても静かだがハッキリとした警告音が鳴り響いてくる。

「ルールを守ったコからは、『哀しみ』の印象は貰わないようにしてるんだ。ボク達には分からないけれど、それでも可哀想だから。
 そういういいコは、バイト代もらって、ゲームクリアー♪って感じ。よく、再挑戦の連絡もくるんだよ?
 でも、でも、ね。リョウちゃんは2回もルールを破っちゃったでしょ?」

ルール?何のことだ?
肌を刺す危機感に突き動かされながら、問いを返す。

「『猥雑な行動はくれぐれもお控えください』……警告、しましたよね?」

メイから返答。猥雑……あれはアンタ等から誘ってきたんじゃねぇか?!
あ、アレ?これって、アタシと彼女のどっちを選ぶの的な修羅場か何か………いや、何かですか?

「いやー、ボク達も、あんな単純な誘いに乗ってくるとは思わなかったんだけどさ。お陰で一日余っちゃったし。
 それでも、ルールはルールだから。一回違反するごとに―――

―――睾丸を、一つ頂くことにしています」

身勝手な。あまりに身勝手な言葉に、二の句が継げない。

「簡単に誘惑に負けちゃって、ルール違反するオトコノコって危険でしょ?だから、実社会で間違いを犯す前に」

「男性を放棄してもらう、ということです」

ふざ、ふざけんなよ?!そもそも、そんなルールは聞かされていないし「言ってないもの」なら、無効だろ!?

「リョウちゃんはそんな細かいコト気にしなくてもいいよ。『取られちゃった』哀しみだけ、全身で表現してね☆
 そもそも、キミの先輩―――ケンちゃん「ハヤカワ様のことです」が、最大のタブーを犯して、ココのこと言いふらしちゃった時点で」

「あの人に紹介された方々には、高難度に挑戦してもらおうと決めていましたので」

「あ、ケンちゃんにはもう強制参加してもらったよ?証拠もあるんだ。メイちゃん?」

メイが飾り箱を開けると、小瓶を取り出す。その中には、液体に浸かった小さな何かが入っていて―――

「こちら、ハヤカワ様の男性器となります。ご覧になりますか?」

「で、蓋に描いたのが、ケンちゃんが『取られちゃった』ときの『哀しみ』だよ☆
 凄いよねー、こればっかりは、『元から無い』ボク達には全然想像出来ない。無いほうがいいんじゃない?とか思っちゃうのに」

弾かれたように駆け出し、ドアに取り付くも開かない。
その姿を、哀れむような眼差しで見ていた彼女等から、またも言葉が投げつけられる。

148 名無しさん :2017/11/05(日) 05:41:34 ID:QAaNXXxY0

「無駄だよ?その扉は、このカードが無いと開かない」

「逆に言えば、私達からこのIDを奪うことが出来れば、貴方様のオトコは奪われない、ということです」

言われて見やると、確かに彼女達の首からはそれぞれ赤と青のIDカードが下げられている。
そうか、コイツ等をぶっ飛ばせば、それで何も問題無いということか。
二人とは言え、相手は女性。喧嘩の経験が無い俺でも何とかなると安心し、動悸が少しおさまっていく。

相手は二人。一人ずつ処理できれば、それに越したことは無いが……
彼女等を睨めつけつつ、円を書くように移動、間合いを詰めていくが、彼女達はこちらを見やるのみ。

密集されると、手が出せない。
アトリエを片付けたのも、想定外の武器を使わせないためか、と、今更ながら合点がいく。


睨みあうこと、数呼吸。
無造作に、ヒトミがこちらに歩を進めてきた。

「もー、リョウちゃんってば、一対二だと怖いの?それでも男?金玉ついてるのかい?
 ……ということで、優しいボクが、一対一で遊んであげるね?金玉取られちゃう覚悟はできた?」

返事はしない。
無思慮に俺の間合いに踏み込んできた瞬間、腰を後ろに引く―――と。
一瞬前までタマがあった場所に、ヒトミの足が飛んできていた。

「アレ?勘がい―――

―――当たり前だろ!あれだけ言ってりゃ、アホな俺だって、どこ狙ってるのか分かるわ!
そのまま彼女の足を掴んで、引き寄せる。ヒトミは逆らわず、片足で俺の側まで近寄ると、そのまま手をタマ袋に伸ばしてくる。だから、甘いって!

ヒトミの足を解放すると、彼女の手首を掴む。そのまま、彼女の顔面に頭をぶつけ、顔を覆うのに合わせてボディに一撃。
喧嘩の仕方もしらない俺の一撃は、我ながら不恰好。力の込め方だって分からないが、それでもダメージはある筈。

間髪居れずに、彼女の首からカードを奪い取ろうとした瞬間、ヒトミは尻餅をつくように床に沈んで―――
弾けるような痛みが、俺の急所で炸裂した。殴られた、理解したのはその後。

一撃。何度も殴ったヒトミの、ただ一発の反撃で、俺は床を舐めることを強いられる。

「護身術ってさ。基本的に、変態の隙をついて、金的を狙うものだけど……金的が無い変態、金的を狙ってくる変態には
 一体どうすればいいんだろうね?金的を狙われちゃった、金的を打たれちゃったリョウちゃんはどう思う?」

はるか天上から、酷薄な声が響く。
たった一発。それまでは、完全に俺が優勢だったハズなのに、たった一撃で形勢が逆転する。

「雄性は辛いねー。なんて、ちょっとした駄洒落だけど……聞こえてないかな?
 どうする?諦めるには、ちーっとばかり早いんじゃないかな?」

俺の、オトコの苦痛を全く理解していない声。
床でのた打ち回りながらも、良くない頭をフル回転させる。痛みが引くまで、いや、痛みが小康状態になるまででもいい。
曲がりなりにも動けるようになっても、それでも床でもがき続ける。
そう、彼女に理解できないのであれば―――

「ありゃりゃ……やっぱ、自分に無いところだから、加減が難しいなぁ。もっと楽しめると思ったのに。
 ホラ、リョウちゃん?苦しんでる顔をもっと見せてよ」

149 名無しさん :2017/11/05(日) 05:42:08 ID:QAaNXXxY0
―――かかった!!
彼女が俺を覗き込んできた瞬間。身体を捻り、渾身のヒジを彼女の側頭部に入れる。
力が入らないながらも、そこだって人体急所の一つだ……と聞いたことがある。

小さな悲鳴を上げたヒトミの首から、IDカードを毟り取る。
追撃をいれたいところだが、先程の一撃で、オトコの脆さを思い知った上でだと、そこまでのリスクは取れない―――

手早く、悶絶するヒトミから距離をとり、立ち上がると。



ゴスッ!!



一瞬、身体が浮いた。そして、途轍もなく悪い予感。
数呼吸後、とてつもない苦しみに覆われるという確信。それはすぐに現実へと変わった。


「私を除け者にして、そこまで盛り上がられると、正直嫉妬してしまいます。
 ホラ、今回は跳ね回ってください?ウフフ、とっても可愛い」

身も世も無く、股間を押さえて跳ね回る。
俺の後ろに、音も無く忍び寄っていたメイに、金的を蹴り上げられたのだ。

「ヒトミお嬢様も、何時までも悶えていないで、シャキっとしてくださいよ。そこまで手酷くやられたわけでもないでしょう?」

「うぅぅう……いったーい。リョウちゃんってば、酷いや!」

ヒトミは首を振ると、頭を抑えて立ち上がる。
同じ急所のハズなのに、俺は無力化されていて、彼女は既に回復している。その差が、絶望的な感覚を刻み込んでくる。

「酷いというのは、今の彼のような状態を指すのです。ほら、あのユーモラスな様を見てください」

「うわ、ぴょんぴょんしてるね。一体、どんな感じなんだろう?痛みでぴょんぴょんするっていうのも、全然理解出来ない……」

「生まれたときから金的がついていない私達では、きっと一生理解出来ませんよ。
 もしかしたら、これだって演技かも……ほら、ヒトミお嬢様?」

メイは俺の背後に回ると、俺を羽交い絞めにする。抵抗しようとしても、身体に力が入らない。

「あ、そっかぁ。危ない危ない、さっきもそれで騙されたんだったよ。金玉だって、全然腫れてる様にも見えないし……
 ほら、お返し!」

ドスッ

慈悲の無い一撃が、重なり合った俺とメイの股間に叩き込まれる。
俺は絶叫するが、背後の女性は涼しい声だ。俺の股間が壁になって直撃は免れているとはいえ、
男であれば、それだけで腰を引くような一撃なのに。

150 名無しさん :2017/11/05(日) 05:42:44 ID:QAaNXXxY0

「全然ダメです。私は、ほとんど痛くありませんよ?お嬢様の蹴りに、腰が入っていないのでは?
 タカダ様も。オトコノコなんですから、もっと頑張りましょう?」

「えーいっ!とりゃ!こなくそっ!」

ドスッ!ドスッ!ドスッ!


痛みを知らないからこその、躊躇いの無い連撃。
後ろで俺を支える女も、俺のタマを蹴り上げる女も、この痛みを一生味わうことがない。
この場で、タマの痛みが分かるのは自分だけ……絶望とともに、足から力が抜けていく。

「おぉっと。コレは効いたかい?『無い』ボク達には実感できないけど……」

「私は全然効いた気がしないのですが「だって、メイちゃんにも『無い』じゃない」ウフフ、そうでした。
 タカダ様も、おっしゃってくれればいいのに」

うつ伏せに倒れた俺に覆いかぶさるように、メイが嗤う。
昨日は天女に見えたが、今日は彼女が悪鬼羅刹よりも恐ろしい。

彼女は、体勢を入れ替えると、両脚で俺の頭を抱え込み、その股間に顔を擦り付けさせる。
ヒトミはしゃがみこんだのか、俺の急所を両手で包み込む。初日と同じ、小さく、ヒンヤリとした女性の手だった。


「それでは、タカダ様。失礼ですが、私のソレ、舐めていただけますか?
 どうせ、これから下は使えなくなるのですから、せめて、舌でオンナを悦ばせる術を学んでくださいね」

「真面目にやらなかったら、オマエのムスコのイノチは無いぞー、なんちって」

選択の余地は無く。遮二無二彼女の性器を舐める。
舌の動きにあわせ、彼女は絡めた両脚を緩め、締め付け、こちらに反応を返してくる。

「逆らえなくなることを、『金玉を握られる』っていうけどさー、まさにそんな感じだね。ボク達にはピンとこないけど。
 こんな小さな、ゆで卵よりも小さなタマを握られてるだけなのに、何でそうなっちゃうの?」

「不思議、ん、ですよね。そんなに大切なところなのに、性交をするときに、ん、しゃぶらせようとする方もいるとか。
 『ついてない』オンナはいいですけど、う、『ついてる』オトコの方は、あん、怖くないんでしょうか?」

「どうなんだろーねー。その流れで行くと、金玉が痛くて、金玉が守れないっていうのも、ちょっと間抜けだよね。
 それともー、本当は気持ち良かったりなんかして。だから、潰されたがってるんじゃない?うりうり」

「あはん、どうなんでしょうね?あ、イイ。リョウスケさん、ソコ!ソコです。そこ、私の、ソコをなぞるように、あぁん!
 ……昨日の、独り善がりな性交よりも、ああ、全然上手じゃないですかぁ!!」

好き勝手な言葉を交わしてくれるが、こちらはもう必死だ。
吸い付くように舐めまわしていると、首をもぎ取るように両脚が締め付けられる……メイが絶頂を迎えたようだ。
俺も、既に半死半生で疲労困憊。ようやく一息つけると安堵すると―――

「次はボクだよ?あ、安心して。ボクがイったら、楽にしてあげるからね?」

メイとヒトミは場所を入れ替え、今度はヒトミの股間を擦り付けられる。ジョリジョリとした感触。
諦観と無力感に後押しされ、俺は再度舌を伸ばす。

151 名無しさん :2017/11/05(日) 05:43:18 ID:QAaNXXxY0

「あぁぁ、イイ。ホント、昨日の下手糞なセックスが嘘みたい……
 ホラホラ、ちゃーんと気合を入れないと、タマキン痛い痛いでちゅよー。でも、ボクがイったらタマキン無くなっちゃいまちゅよー。
 ほら、どうするの?ねぇ?ねぇ?」

ヒトミとは違い、メイは絶えず俺の急所に力を加え苛んでくる。
酸素を求めるかのように喘ぎ、悶え、呻くが、ヒトミとその女性器はそれを許さない。

「あぁぁん、全身全霊で、キミがボクを求めてきているのを感じるよぅ!!
 ボクがイったら、ん、『オトコノコ』が摘み取られちゃうのに!!苦しみの分からないボク達には、最初から『無い』ボク達には、
 同情しかしてあげることができない苦しみ、う、なのに!!他人事の、あん、同情なのに!最初から『無い』、ああ、ボクのアソコを一生懸命に舐めてるぅ!!
 ほらほら、もっと舐めてよぅ!コレが、オンナノコの、タマタマがついてない、一生潰されないオンナノコなんだよぉ!!
 
 あぁ、愛しいよぅ、可愛いよぅ、あん、儚いよぅ!!」

「ウフ、大丈夫ですよ、リョウスケさん。まだ、まだ、かろうじて潰れてはいませんよ?ほら、コリコリしているの自分でも分かりますか?
 潰れたら、このコリコリも無くなっちゃうんですよ……ウフフフ、た・の・し・み♪」

メイは、手首の付け根と床で挟み込むかのように、俺のタマを持ち替える。
ヒトミは、自身の語りで興奮したのか、股間に押し付ける腕と脚に、尋常では無い力を加えだす。

「楽しみだよぅ、あぁ、一昨日壊しちゃわなくて、う、ホントーに良かったよぉ!思わず、全力でヤッちゃったから、あん、心配だったけどぉ!!
 早く、ああ、早く、キミの、哀しみの顔が、オトコノコ最後の顔が見た、ん、見たいよぉ!きっと、とっても可愛いんだろうなぁ!ぁん!
 あんなに好き勝手、あは、やってたおちんちんも、もう、使えなくなっちゃう、ううぅ、けど、キミは、舌の方が上手だから、安心してもいいよぉ!
 キミの、キミの最後の表情も、ちゃーんと、おぅ、ちゃーんと、作品にして、玄関に飾ってあげるから!キミのオトコノコは、永遠になるんだからぁ!!
 ボク、18年間、タマ無しで生き、あん、生きてきてるんだから、あ、分からないことがあったら、あは、なんでも聞いていいからねぇ!

 あ!あ、あ、そろそろ、そろそろ、あ、リョウちゃん、オトコノコに、あ、お別れを、あ、もう、もう、ダメ……ダ…あぁぁあぁぁああぁぁッ!!」










グシャッ
 


何か、決定的な一線が切れたと、本能的に悟る。顔にかかる、暖かな飛沫の感覚と共に、俺の意識はブラックアウトした。

152 名無しさん :2017/11/05(日) 05:43:57 ID:QAaNXXxY0
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<5日目、日中:メイ視点>

あぁ、今日もいい天気です。

お嬢様は、昨日、オトコノコを卒業された方のお見舞いに。
彼女が言うには、『オトコノコ』じゃなくなったということを実感させると、それはもう、いい表情をするとのことですが、
私には正直分かりません。

どこかで育て方を間違えたのでしょうか……あのサディスティック振りには、空恐ろしいものを感じます。

私?私は正常ですよ。
ただ単に、潰れちゃう瞬間の感触が好きなだけ。無くなった後の方には、微塵も興味が湧きません。

おっと、閑話休題。

応募者のリストを開き、次の犠牲者……もとい!モデルの方を物色します。

横の友人関係が無く、居なくなっても分からない方。
日雇いなどで食いつないでいて、定期的な社会参画をされていない方。

なんだかんだで、丁度いい方を見繕うのに、これでも苦労しているんです。ヒトミお嬢様は分かってくれないですが。

さて、と。
この方なんで、条件にピッタリじゃないでしょうか?
今度は、若い方のを摘み取ってみたいですし……ジュルリ、って、いや、違います。きっと、お嬢様の良い経験になることでしょう。

電話を取り上げ、発信音を聞く。

ウフフ。きっと、明日もいい天気になることでしょう。

153 名無しさん :2017/11/05(日) 05:45:52 ID:QAaNXXxY0
以上です。

>>132のバトルものというのがリクエストかと勝手に思って書いてみましたが、
やっぱ難しいですね。

導入は長いのに、バトルはあっという間に終わってしまう……
でも、一発で大勢が決まらないと、金的っぽくないというジレンマ。

154 名無しさん :2017/11/06(月) 02:58:59 ID:d1rxyU8s0
今回もよかった
性差に対する意識とか女に欲情してしまう男とか倒錯的な部分に肉薄してるのがすごいし、バトル描写も丁寧で金的のえげつなさにリアリティがある

あと女性が睾丸を蹴って欲情するという所にすごく拘りというか嗜好を持ってるように感じるので、個人的にはその辺りを爆発させたSSなんかを読んでみたい
女が男の股間を蹴りたいという欲求を当たり前に持ってて、実際そういう事件が性犯罪として日常的に起こる世界とか

155 名無しさん :2017/11/07(火) 19:32:03 ID:8Xm1FUSg0
導入がしっかりあって、文章力もあるからいつ金的がせめられるのかワクワクしながら読めるのがすごい。
効率よく男に勝つためだけに大事な金的を狙う女の子最高!

156 名無しさん :2017/11/21(火) 23:27:45 ID:.UYyDnrw0




ここは閉じた鳥籠で。朽ちて果てていることに気付かれない獄舎。
これは、獄舎が崩れ落ちる、ほんの少し前に起きた、ほんの些細な出来事の一つ。

157 名無しさん :2017/11/21(火) 23:28:29 ID:.UYyDnrw0
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窓の外から、西日が差し込む。
カラスの声。夕食だろうか、漂うカレーの芳醇な香り。ロードワークをしている子達の掛け声。

対して、アタシは。
この忌まわしい場所で、全裸に吊るされた子と、一人対峙している。
沈み行く太陽によって分けられた光と影が、まるで咎人達とそれ以外の世界も分割しているようで。

日が沈み、人工的な灯で照らされた頃合で、吊るされていた男が瞼を開いた。

「こんな所で会うなんて、思ってなかったなぁ」

ここは、外でオイタをした子達の矯正施設。
アタシと彼がいるのは、その中でも曰くつきの、『特別訓練室』と呼ばれる部屋。
ここで起きたことは、全て事故として扱われるという不文律が出来たのが先か、それとも
この部屋で『作業』……私刑と変わりない……が行われるようになったのが先か。

アタシは、彼を前にして呟く。
このコ、昔から聞かん坊で、我儘ばっかり言っていたから、心配していたのだけれど。

「カズ君、アタシのこと覚えてる?中学の頃以来だから、もう忘れちゃったのかな?」

努めて優しげに、親しげに声をかける。
アタシの中では、彼は中学時代の、ちょっと粋がったオコサマのまま……あんな事件を起こしたなんて、今でも信じられはしないけれど。
それでも、事実、彼は殺人の咎で、この吹き溜まりに送り込まれてきてしまった。

あらましは単純。
帰宅途中の男女三人が、複数の若者によって襲撃された。
一人が振るった鈍器が、当たりどころ悪く、被害者の男性一人を昏睡状態にまで陥らせてしまった。そして。
一人の女性は顔に一生残る傷を負い、そして何度も犯されたことで精神に深い傷を負ってしまった。
一人の男性は、全身打撲に片腕と片足を折る程度で済んだのだけれども、それが運良くと形容されてしまうような、凄惨な事件。

被害者の証言から、昏睡した被害者と襲撃者は顔見知りのようだと判明して。
芋蔓式に、彼のいたグループが検挙され……その中でも特に悪質とされた三人が、ココで矯正される運びとなった。

経緯は、コレだけ。

彼等は、遊ぶ金が欲しかった。誰でもよかったと供述していたと聞いているけれど、そんなのは嘘っぱち。
だって、被害者は第三者でもなんでもない。このコの姉の、恋人でもあったのだから。

なんで、という感情と、やっぱり、という理性が鬩ぎあう。
このコは昔から、姉のアオイにべったり。口さがない人は、シスコンだの何だのと揶揄していたけれど。
彼の父親が夭逝し、母親とアオイとの三人家族。同じように、母子家庭だったアタシのウチとは、まるで家族のようなつきあいだった。

158 名無しさん :2017/11/21(火) 23:29:04 ID:.UYyDnrw0

女4人に男1人。でも、大人の男性は一人もいない、世間一般からみると随分と歪な家庭だったのかも知れない。
所詮は、世間から爪弾きにされた弱者の寄り合い所帯に過ぎないと自嘲していたけれど。
それでも、あの頃が一番楽しかったと、戻れない今になって、やっと分かった。

アオイは、彼の全てだった。
母親は糊口を鬻ぐために家庭を顧みることも出来ず、アオイが彼の母親代わりでもあり、父親代わりでもあり、姉でもあった。
アタシだって、このコにお姉さんぶろうと頑張ってみたけれど、随分と反発されたっけ。

このコは、アタシにアオイを取られるのでは無いかと嫉妬していたんじゃないかしら。
それとも……喧嘩の度に、このコのキンタマ蹴っ飛ばしていたから嫌われてたのかな?
今にして思えば、随分非道い姉モドキだね。その度に、アタシはママと二人で、アオイとアオイのお母さんに頭を下げていたっけなぁ。
アオイも、アオイのお母さんも、笑って許してくれたけど。金的が無い女が、金的を蹴られた男の代わりに許すってのも、変な話よね。

「ほら、ユカリお姉ちゃんだよ。カズ君のタマタマ蹴り上げるたびに、『いつか殺してやる』って言ってくれていたじゃない。
 ……あの頃はゴメンね、悪気は無かったの。ウチに男の人っていなかったからさ。男の子のそれがとっても気になって。
 あの頃は思春期で、自分からおちんちん触らせてとも言い出せなくてね。喧嘩で蹴り上げるなら仕方ないかなって、なんて、言い訳にもならないね」

カズ君は、目を白黒とさせている。こんな所は、本当にあの日と変わらない。
これが夢でしかなくて、目が覚めたら中学の頃に戻れたら、どれだけ幸せなことだろうか。そうしたら、今度こそ、
彼が道を踏み外さないで済むように、何としてでも守ってあげるのに。タマを蹴飛ばす代わりに、存分に頭を撫でて甘えさせてあげるのに。

でも、そうはならなかった。アタシは家庭の都合であの町を離れ……紆余曲折あって、こんな所に。
彼だってそうだ。悪い仲間とつるんで、素行不良の限りを尽くし、最後には他人の人生を台無しにして、これから代償を支払わされようとしている。

「ユカリ……姉……?」

彼の目に、一抹の寂しさが過ぎる。でも、それも一瞬。

「覚えて無ェなぁ……とっとと、これ外せや、あぁン?!」

睨めつけ、猛り、吠える。右肩に入れた刺青をひけらかすように。
威圧しているつもりなのか、虚勢を張っているに過ぎないのか、もはや自分でも分からないのだろう。

それだけで、あのコが生きてきた世界が連想され、アタシの心に影を落とす。

彼は、両腕を天井から吊るされ、両脚は足枷により開いた状態で固定されている。
それだけで、絶体絶命の状況だということは、理解できているハズだ。賢いコだったもの。

それでも、やすやすと相手のペースには乗らない、自分の主導権だけは声高に主張する。
今回の事件で、ここに来たコ達はみんなそう。アタシはもう、世間から離れて長いけれども、今のお外はどうなっているのかしら。
自分のことを棚上げした考えが過ぎり、自己嫌悪を覚える。……自分だって、世間様に顔向けできないと分かっているのに。

159 名無しさん :2017/11/21(火) 23:30:48 ID:.UYyDnrw0

「カズ君……キミも、薄々気付いていたでしょう?あの事件で、ココに来たキミのお友達が何時の間にか居なくなってること。
 次は自分の番だって、覚悟もしていたんじゃないかしら。だって、キミは昔から頭の良いコだったもの」

全身で威圧していた彼の動きが止まる。

「目には目を。アタシは、この言葉って野蛮で好きじゃないんだけれど……それでも、被害者が望むならっていうのが、ウチの方針なの。
 ココに来たキミのお友達……キミの悪いお友達には、皆、もう代償を払ってもらったわ。カズ君達の言葉でいうなら、落とし前をつけたっていうのかしら?
 ほら、被害者をバットでボコボコにして複雑骨折させた、あのキミと同じぐらいの年頃のコいたじゃない?彼は、同じように腕と足の骨を粉砕されちゃったんですって。
 コレは、アタシも男性職員と雑談中に聞いた話しで、実際見たわけじゃないけどね……聞くだけで痛そうだし、見たいとも思わないけれど」

アタシを凝視する視線を感じる。俄かには信じがたいという感情。
気持ちは分かるつもりだよ。アタシだって、この法治国家でこんなリンチが許されるなんて思ってないもの。
バレたら只じゃすまないってことぐらいは、アタシだって分かる。実際に関わってさえいなければ、鼻で笑って通り過ぎるような都市伝説。

ウチの所長は犯罪の犠牲者で。相手が少年法に守られ、手が出せなくて煮え湯を飲んで。だからこそ、犯罪者がのうのうとしているのが許せなくて。
手を下すのも、犯罪加害者である入所者を使っているのが、露見した際に累が及ぶのも同じ犯罪者だけとしているのが、僅かな良心かと噂されているけれど。
色々と理由付けに熱心だけれども、単純に、所長……あの女の頭がオカシイだけだと、アタシは思う。

だって、それが許されるなら、法律なんていらないじゃない……これも、アタシが言うには過ぎた意見なのだけれど。

「レイプしたコ……あの中学生ぐらいのコね。女の子の大切なものを奪ったあのコは、男の子の大切なものを取り上げられちゃったの。
 あ、でも安心してね。抜いちゃっただけ。仲間内では、潰しちゃえばいいって声もあったんだけれど、ね。流石にそれはやり過ぎかなって。

 信じたくないって顔してるけど、キミの想像はきっと正しいよ。ほら、コレ。男のカズ君にあって、女のアタシには無い、大切な、大切なトコロ」

彼に正対し、股間の袋を掌で包み込む。
二つの楕円状の球体の感触を感じる。男の子の脈動も。そして、幸せだった頃の記憶の残滓も。

160 名無しさん :2017/11/21(火) 23:31:24 ID:.UYyDnrw0
「カズ君は、まだ両方持ってて偉いね。コレって、知れば知るほど繊細だからさ……男子って、どうやって守ってるんだろうっていつも不思議なんだ。
 もしアタシについてたら、大人になる前にケンカとかウッカリで無くしちゃいそうだし……今まで守れてきただけで、とっても立派だと思うよ。
 フフ、こうやって握るのは中学の頃以来。ゴメンね、あの頃は痛かったでしょ?アタシ、持ってないから分からなくて。逆に、キミの反応がカワイイなんて思ってた。

 あ、話が逸れちゃったね。抜かれちゃったコの顛末なら話せるよ。アタシも関わってたから。
 『抜いたり』『潰したり』する時は、男性がお手伝いを渋るからさ……特別ゲストも呼んだし、足りない女手を掻き集めて、そう、女性陣ほぼ総出だったなぁ。
 大変だったけど、男の人は抜かれるの見るだけで『縮み上がっちゃう』っていうから、『縮み上がりようが無い』アタシ達でやるしかないしね。
 アハハ、アタシ達には縮みあがる『タマもフクロも無い』から、平気なのは当然なんだけど」

名残惜しくて、ついつい話を引き伸ばしてしまう。

「特別ゲストは、乱暴された女の子。そのコに、手ずから『抜いて』もらったの。
 暴れたときのために人手は集めたけど、杞憂だったわ。あのコ、フクロからタマ取り出されただけで、女の子みたいな声をあげて悶えるしか無くなっちゃって。
 フフ、言い方はアレだけど、気が早いよって、まだ一応『男』のままだよって、ちょっと笑っちゃった。

 仲間内でさ、もう全身で『女!』ってアピールしてるようなスタイルのコなんだけど、『男がタマを抜かれる』真似が凄い上手いコが居てね。
 彼女がクネクネしつつ、『タマがー、タマがー』なんて言いながら抜かれてるコの真似するものだからさ、アハハ、とっても和やかに『彼のオトコノコは終了』したよ。
 なんで『ついてない』のにそんなに上手なの?って聞いたら、『ついてない』からギャグに出来るんですよぉって言われたんだけど、コレ、真理かもしれないね。お姉ちゃん、得心しちゃった。

 特別ゲストのコはね、淡々としてた。大抵は、『やっぱり嫌!』って土壇場でごねるか、『復讐してやる!』ってノリノリになるか何だけど。 
 一応、タマを二つとも抜いちゃった後に、コメントを求めたコもいたんだけどね。
 
 『アタシは女ですから、金玉抜かれるってのもピンと来ませんし、特に感慨はありません。コメントなら、男じゃなくなったコイツに求めて頂けますか?
  個人的には、コイツみたいな連中が減って、アタシみたいな経験をする人が減れば、それだけで満足です』
 
 とか言って、そのまま帰っちゃった。自分が立ち直るためじゃ無くて、被害者を増やさないためにやりたくも無いことやったんだなって。
 タマタマついてないのに、強いコだなって感心したよ。って、アタシ含めて、女には元々タマなんてついてないんだけど。
 取られちゃったコは、抜け殻みたいになっちゃった。同じ玉無しなのに、なんで男子ってああなっちゃうんだろうね。って、キミはまだ知らないか」

片手で彼の『彼自身』を愛撫しながら、もう片手で手枷と天井の鎖との連結部分のロックを解除する。
そのまま、一歩、二歩、三歩。距離を取り、再度、彼に向き直る。

161 名無しさん :2017/11/21(火) 23:32:05 ID:.UYyDnrw0
「キミの御義兄さん、死んじゃったって。聞いているかしら」

「……気色の悪い呼び方でアイツを呼ぶなよ。アレは、無関係のオッサンだ。それ以上でも、以下でもない」

―――報われない話。あのヒトは、キミに歩み寄ろうとしていたのに。キミのお姉さんとの関係のためだけじゃない。
ただ、キミが他人とは思えなかったって。寂しがっているように見えたって。アオイはそんな相談を、何度も受けていたって。
だから、キミと同じ年頃のコ達に教えを乞いてまで、キミとの間のわだかまりを解こうとしていたのに。
結果が、コレだなんて。誰も、誰一人として報われないなんて……カズ君、キミを含めて。

「で、つまりは何だ?アンタは、オレを殺しに来たってことかい、ユカリ姉。
 ハハハ、コイツは傑作だ。やっぱ、最初から最後まで、単なる姉の紛い物だったってことだろ?
 ……あの頃、ちゃんと殺しておけば良かったぜ」

彼の言葉には、頷く他無い。あの時殺されておけば、アタシに不幸にされたヒトも居なくなって……
それに、アタシだって、こんな世界を知らずに済んだのだから。

でも、もう、こうなってしまった。引き返すことも、出来ない。

「カズ君、手枷を揺すってみなさい……さっきロックを外したから、強く揺すれば鎖も外れると思う。
 ……何で、って顔はしないんだね。意外。別に、キミを許してあげるとか、逃がしてあげようとか、そういうの期待してるなら、ガッカリするよ?」

彼はアタシの言葉に従い、地に足をつけて立ち上がる。落ち着き払った態度。
両手は手枷で、両脚は足枷で拘束されているから、状況は何も改善していないのだけれど……それでも。
まるで、アタシの次の言葉が分かっているかのように。

「ユカリ姉、この鬱陶しい足と手のヤツはどうやったら外せるんだ?……そもそも、その心算だったんだろ?
 目には目を、歯には歯を……ってか。アンタの性格からいっても、抵抗できないヤツを嬲るってことは出来ないハズだ。
 さっきの話と違って、ここにオレとアンタしか居ないのが、その証拠。正々堂々と勝負ってヤツだろ?くだらねぇ。

 ―――言っとくけど、オレ、アンタが相手でも手加減はしないぜ?ダチ共が世話になった礼も、たっぷりしないといけないしな」

やっぱり、聡いコ。もっとマシな人生だって、いくらでもあったでしょうに。
ただ、性格は買い被りすぎだよ。アタシは、そんな立派な人間じゃない。

「調子にのらないで。手枷はつけたままにしてもらうわ。
 ……足枷は、暗証番号『1,2,3,4』で開くから。ハハ、忘れちゃわないようにって、こっちは簡単な番号にしてあるの。
 手枷の番号は秘密……といっても、両手を拘束された状態だと、教えても簡単には外せないでしょうけど。
 口や足でギリギリ回せないこともないだろうから、念の為、ね。変えておいたの」

162 名無しさん :2017/11/21(火) 23:32:35 ID:.UYyDnrw0
バツン、と。バネが跳ねる音と、自由になった彼の両脚。
アタシはゆらりと構えを取る。彼も、同じく。昔日の喧嘩もこんな感じだったなぁ、と場違いなノスタルジア。


「昔、カズ君と喧嘩ばっかりしてたときを思い出すね。あの頃はアタシの勝ち越しだったけど、今はどうなるんだろう。
 ゴメンね。先に謝っておくけど、今回ばかりは手加減って出来ないよ。全力で行かせて貰うから、気をつけなね。
 それが、遺族からのお願いで。アタシがココに居る以上、逆らうコトが出来ないからさ」

「……一つ、聞かせろや。あのオッサンは、身寄りが居なかったハズだが……遺族?誰だ、それ。
 クク、やっぱ、あれも嘘だったのか。全く、それでアオイ姉ちゃんに取り入ろうとか、寂しさを分かち合おうだとか、マジで屑だよなぁ。
 言っとくが、オレは何の後悔もしてねぇから。何度だって、同じことをしたさ」

互いの間合いが膨張し、収縮し。目が眩むような緊張感。
何度やっても、慣れない。ヒトによっては、このヒリつく空気が最高と言う子もいるけど……全然理解が出来ない。
こんなこと、やらない方がいいに決まってる。

「あのヒトが、天涯孤独の身の上だったというのは、本当らしいよ」

一言。一言だけ言葉を告げると、彼の間合いに入り込むように歩を進める。
肩を怒らせ、上から覆いかぶさるようにアタシに近付いてきた彼。そのの顔に、平手を見舞おうとする。
あのコはほんの少し顔をずらすと、一撃が眼球に当たるのを阻止し、ネトついた、粘着質な視線でアタシを見下ろしてきた。

彼の金的を狙おうとして、一瞬の逡巡。単発で、通る?!
いや、防がれて、無用な警戒を招くだけ―――とその隙をついて、薙ぎ払うような両の腕での一撃。
アタシは全身で彼の丸太のような腕を防ぐ―――が、防ぎきれず、不恰好な人形のように吹き飛ばされてしまう。残酷なまでの、体重差。筋力差。そして、性差。

肩から地面に叩きつけられ、圧倒的な力量差を実感する。それでも。
……大丈夫、大丈夫。まだ行ける。腕力差が何だ。実力差がなんだ。このぐらい、アタシは何度も経験してきたハズだ。

悠然と、彼はアタシの元に歩み寄る。間髪入れず、彼の股間で揺れる脆弱な部分に掬い上げるような蹴りを放つ。
普通の男子なら、両手で下のタマを守る……そこで、ガラ空きになった上のタマ……目玉に一撃をいれるための、伏線としての攻撃。
これで、アタシがぺースを取り返せると思ったのだけれど……あのコは、違った。全く動じずに、自分の膝を絞ることで致命的な牽制を防ぐ。

163 名無しさん :2017/11/21(火) 23:33:07 ID:.UYyDnrw0

蹴り足は、彼の片手に掴み取られていた。
そのまま、問答無用に引き寄せられる。彼の金的を握ろうと伸ばした腕は跳ね除けられ、逆に彼の手はアタシのズボンを掴み、そのまま紙切れのように身体ごと振り回す。
ズルリとズボンから身体が引き抜かれて、アタシはまた宙を舞う。

「アンタの中のオレは、中学の頃のままか?オレなんて、簡単に捻じ伏せられるとでも思ってたかい?
 ―――舐めるのも大概にしておけよ」

彼は余裕を崩さず、アタシが立ち上がるのを待つ。
本当に、甘い子。昔の面影が、そこかしこから覗いているのが分かる。だから、だからこそ悲しい。

掴みかかる、振り払われる、投げ飛ばされる。

打ちかかる、防がれる、弾き飛ばされる。

飛び掛る、受け止められる、振り飛ばされる。

何度繰り返したか。肩で息をするアタシに対して、あのコは泰然とした様子のまま。両腕の拘束だって、つけたままだというのに。
強くなったんだね、と場違いな感慨を覚える。それなのに、それなのに、何で間違った方向に行ってしまったのだろう。

「ハァ、ハァ……息を整、えるまで待って、くれるなんて、ハァ、紳士ね」

「ユカリ姉、まだ分からねぇのか?アンタ、勝ち目なんで無いぜ。
 ほら、早く手枷の外し方を教えな。それで、アンタは見逃してやるよ……オレだって、アンタをこれ以上は甚振りたくはねぇ」

本当に、なんでその甘さを、優しさを、キミの義兄さんに、被害者の彼等彼女等に、少しでも分けてあげられなかったの。
息を整え、言葉を投げる。彼が、一番望んでいない言葉だということは、分かっているのだけれど。

それでも。彼は優しくて、アタシは残酷だ。

「言ったでしょ?それが遺族の望みなら、アタシは退けないって……そういえば、遺族って誰かって答えてなかったね。
 ―――キミはつとめて目を逸らそうとしているみたいだけど……そう。カズ君の推理はきっと正解。
 復讐を求めているのは、アオイ。キミと血の繋がった、本当の姉……アタシとは違って、ね」

一瞬。一瞬だけだけど、致命的な空白。
カズ君の動きが、完全に止まった。……ゴメンね。聞きたくなかったよね。それでも。

164 名無しさん :2017/11/21(火) 23:33:42 ID:.UYyDnrw0
オトコノコなんだから、女の子の前で、無防備に大股広げるのは、お姉ちゃん感心しません。

ドスッ

心中で謝りつつも躊躇無く、アタシは彼の中心部を蹴り上げる。足の甲が、彼のタマを確実に捉え、拉げさせ、そして千切り取るかのように、上へと跳ね上げる感触。
―――これで、もう、あのコはお終い。そう実感し、胸に一抹の寂しさが去来する。

彼は一瞬、動きを静止させる。何が起きたのか、全然理解出来ないといった顔。
大丈夫、分かってるわよ。オトコノコって、みんなそう。タマタマやられちゃった直後は、まだ痛みが来ないんでしょ?
何をされたのかは直ぐに分かるよ。ほら、顔色が白くなってきた。

あ、理解しきる前に、コレはオマケ。アタシは理解出来ない女だからさ、許してね。

ドスッ

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!」

あのコの喉から、絶叫が迸る。中学のころの、いつもの光景。ココでの、日常的な光景。だけれども、何度見ても、可哀想。
あんなに強かったのに。ずっと、アタシを押し込んでいたのに。たった一度、たった一度だけ、股間にぶら下がったタマを打たれただけで、勝負がついてしまう。

オトコノコは誰でも一緒。女のアタシには、最初から『無い』アタシには理解できないけれど。タマタマをやられてしまうと、もう、何も出来ない。

本当に、ゴメンなさいね。あの頃と違って、これで終わりってワケにはいかないの。
全身で『男性』を主張する彼を横目にみつつ、そっと背後に回る。あのコは、それに気付けない。

ドスン、と。彼は、右足を一歩前に出し、膝を突くことなく痛みに耐える。
呻き声は途絶えず、両脚は震えが止まらず、それでも地に伏す姿は晒さないという決意。
今は、もう、見るかげもないけれど。その姿にアタシは、彼のありし日のプライドを感じ取ってしまう。

―――血が繋がってはいないけれど、アタシだって、カズ君のことを、自慢の弟みたいに思っていたんだ。
―――だから、アンタ達姉弟は、真っ当な人生を歩んで欲しかった……アタシはこのザマだったから。

彼の足の間から、『弟』の証が見える。これが無かったら『妹』だもんね……なんて益体もない考えに苦笑。
金的に苦しむ男を前に苦笑するのも、アタシがこれからしようとしている行為も、『痛みが分かる』オトコだったら、絶対に出来ないというけれど。

アタシは、オンナだから。結局、金的がどうなろうと、他人事だからさ。だから、ココに居るんだよ、なんて。誰にとも無く言い訳を並べて。
三度目。容赦無く、自分の爪先を、ブラブラと揺れる『弟』の『弟』たる部分に捻じ込んだ。

165 名無しさん :2017/11/21(火) 23:34:13 ID:.UYyDnrw0
ドスッ

「〜ッ!!〜〜〜〜〜ッッッ!!」

とうとう地に伏せる。水揚げされたお魚みたいに跳ね回って、総身で苦痛を訴える。惨めな姿。

恥ずかしがらなくてもいいよ?オトコノコは絶対に耐えられないから、仕方が無いの。
もう、プライドが云々って話じゃないんでしょ?ほら、未だオトコノコのままか、自分で確認してみなさい?
一応、まだ潰してないつもりだよ、でも……その脆いものが『ついてない』、オンナの手加減だからさ。脆さを実感した経験はあるけれど。

お尻を大きく上げて股を開き、彼は土下座をするような格好で停止する。
彼の自尊心を考えると、心が痛む。タマをやられると、オトコノコはどれだけ我慢しようとしても無駄だと知っているから。

「その苦しみ方は、中学の頃と変わらないんだね。フフッ、カワイイ。またアタシの勝ち越しでーす、何て。

 何処まで話したかしら……そうそう、アオイの依頼って言うのは本当よ。家族に手を出したキミを、もう『弟』としては見られないって。
 ……カズ君、キミもお姉ちゃん離れするべきだったんだよ。アオイには、アオイの幸せがある。それなのに―――
―――黙、れよ……変態、女……。誰があんなヤツを―――グゥッ!!」

四度目。蹴り易い位置に鎮座する、彼の金的を蹴りつける。
あのコは切なそうな顔と声を上げて、再度床を転げまわる。ええっとね、この状況じゃ、オトコノコは如何し様も無いんだよ。
だって、アタシには無い、どうしようも無い『オトコノコ』の弱点が剥きだしなんだから。押さえようとしても痛いし、隠そうとしても痛いんでしょ?
ホント、『オトコはつらいよ』ね。オンナのアタシには分からないけど。

「端的に言うわね?アオイは、キミみたいな『弟』はもう要らないって。
 やりすぎたんだ、甘えすぎたんだよ、キミは。お家のなかで暴力をふるっている内はよかったって。お金を勝手に持っていくのも、色々我慢させていたから仕方無いって。
 不完全な家族だから、だからこそ、キミには幸せになってほしかったってアオイは言ってたのに……彼女はキミを確かに愛していたのに。

 だけど、キミは。キミは、アオイを信じられなかった。だから、恋人自身ではなく、彼女が恋人を作ったこと自体が許せなかったんでしょう?」

あのコからの返答は無いけれど、それを責めるつもりは無い。彼は今、自分のタマタマのことで精一杯だって知っているもの。
同じ学校だったから、覚えているでしょ?アタシが、なんで男子からあんなに恐れられていたのか。
オトコノコの苦しみは分からないけれど、苦しむオトコノコは、キミよりもずーっと詳しいかもしれないよ?

「傷口を抉るみたいで申し訳ないけど、アタシだって、アオイを説得しようと頑張ったんだよ?
 キチンと罪を償ってもらえばいいじゃないって。たった一人の兄弟じゃないって。……状況がこんなになっちゃった今じゃ、なんの慰めにもならないけれど。

 それでも。命を奪った償いって何?って聞かれたら、アタシは何も言い返せなかった」

呻きながら、咽びながら。必死に彼は立ち上がろうとしている。内股の、ヒドイ格好。
結局立ち上がれずに、また、床に這い蹲る。それでも、彼の目は、意思を宿していて。それを見て、アタシが淡い希望を抱いたのを、誰が責められるだろうか。

166 名無しさん :2017/11/21(火) 23:34:50 ID:.UYyDnrw0
「共感してあげられなくて、ゴメンね。その痛みが、きっと、キミの罪の重さ。自分がやってしまったことの重大さ、少しは分かってくれた?
 もしそうなら、お姉ちゃん(似非だけどね)としても、お仕置きした甲斐があったんだけど……
 
 だから、だからね。お願い。自分の行いを顧みて。お願いだから、取り返しのつかないことをしたって、これから心を入れ替えるって、今、ここで誓って。
 アタシは憎んでくれて構わない。でも、アオイには、彼女には、本当に、悪いことをしましたって、心の底から、本心から、謝って。
 キミは、カズ君は、絶対、自分のやったことが分からないようなコじゃないって、アタシに、もう一度信じさせて!」

「やかま、しい。言った、ろう?オレは、何の、後悔も、し、てねぇし、何度、だって、同じことをするって」

アタシの首の中心部分から、身体全体に脱力感と無力感が広がる。
崩折れそうになる膝を叱咤し、再度彼に呼びかけようとしたけれど。その時、ブザー音が部屋に鳴り響いた。


BEEEEEEP!BEEEEEEP!BEEEEEEP!BEEEEEEP!BEEEEEEP!BEEEEEEP!


―――結論が、出てしまったと言うこと。

分からずやの彼への苛立ちと、口下手な自分への苛立ち。
足元を攫う徒労感と、全身を包む寂寥感。

五度目。綯い交ぜになったアレコレ、全てを込めて。彼の金的を、再度、遠慮無しに蹴り込む。
裏側から、一撃。コレって一番痛いんですってね。

でも、安心して。色んな意味で、コレが最後だから。

う、と。彼の肺から、意味を成さない音が漏れ。あのコは、そのまま意識を失った。

167 名無しさん :2017/11/21(火) 23:35:20 ID:.UYyDnrw0
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窓の外から、満天の星空。
夜の帳。潮の香りが、湿った空気が鼻腔をくすぐる。世界全てが眠りについたような静寂。

アタシと、アオイと、カズ君。
暖かい、輝かしい、そして、もう届かない、過ぎ去った時代。

アオイはアタシと同じ歳……22歳だったハズなのに、その疲れた風貌は、20台半ばを超えているかのよう。
彼女の醸し出す空気からも、この姉弟の軌跡の片鱗が漂う。―――苦労、してたんだね。

こんな形で再開するなんて思ってもみなかった。
アタシの今を、彼のお友達がどうなったかを、そして彼の今後を彼女に告げたときの視線。
理解できないという気持ちと、軽蔑とが綯い交ぜになったような視線は、未だに夢に見る。

彼は、またしても、両手両脚を拘束され、吊るされた姿。
力無く、頭を垂れている様は懺悔にも似て、アタシの心を焦がしていく。

「ユカリ、満足した?」

アオイからの問いかけに、首肯する。あぁ、なんて茶番。
このコを更生させて見せると、反省する姿を引き出してみせると、自分自身の無能を省みず、意気揚々と彼に向き合い。

得られた結果はご覧の通り。彼は決して自身を省みず、アオイに謝る事もせず……こうして無残な姿を晒している。
拳大まで腫れあがった睾丸が見るからに痛々しい。どれだけの痛みか、アタシには想像もつかないけれど。

「私、カズの身体を見るの、幼稚園の頃以来な気がするよ。結構立派なモノぶらさげてたんだね、知らなかった。
 これだけ大きければ、ユカリに苛められてたときも大変だったのかな?ね、ユカリ。コレってどれくらい痛いの?」

「女のアオイに分からないのに、同じ女のアタシが知るわけないじゃない……でも、本当に、どうしようもないほど痛いみたいだよ?
 ちょっとパチンってするだけで動けなくなっちゃうし、キーンって蹴飛ばすと、ほら、アンタも知ってるでしょ?
 中学の頃のカズ君がどうなってたか。だからさ―――

―――あっそ。それじゃ、丁度いいね」

バチリ、と鈍い音。間髪置かずに、鋭い悲鳴。
悲鳴と共に、何が起きたのかを認識する。アオイが、自分の平手を、無造作に彼の睾丸に叩きつけたのだと。


男の激痛に意識を引き戻された彼は、ひとしきり高音で嘶くと、再度ぐったりと項垂れようとしたけど、
アオイが髪を鷲掴みにして、力ずくで顔を引き上げる。

「あ、お早う、カズ。鳩が豆鉄砲くらったみたいな間抜け面してないで、シャキっとしなさい。
 別に大したことは起きてないよ。ちょっと、アンタのタマキン、これで引っ叩いただけ」

168 名無しさん :2017/11/21(火) 23:35:55 ID:.UYyDnrw0

ヒラヒラと手を振る。彼女の顔には、何の感情も表れない。それだけで、コレから起きることを予見したのだろう。
カズ君の顔が青くなり、白くなり。瞳に恐怖が溢れ、哀しみが零れ、そして諦観に満たされる。それでも。

絶望が一瞬。彼の瞳に、意思の炎が灯される。最後まで、惨めな姿は見せたくないのね。
アタシ、キミのそういうところは好きだったよ。

「そういうこと、か。ユカリ姉が言ったとおり、アンタはオレよりも、あのオッサンを取ったんだな。
 いいぜ、殺せよ。それでアンタの気が済むってんならな。弟一人、縛り上げないと対面も出来ない負け犬が。

 それでもキンタマついてんのかい?ハハ、雌のアンタ等は、生まれたときから玉無しだってか」

ちょっと!自分の状況分かってるんでしょ!?何で、そんな挑発的なことを言うの!!?
横目でアオイの様子を伺うが、彼女は激情に燃え上がるでもなく、憎悪で凍えつくでもなく、温度という概念自体が無くなってしまったみたい。
その様子が、尚更アタシの恐怖を煽る。『ついてない』アタシがビビッてどうすんのよ!

それに、アタシ、『ついてなかった』ことだけは良かったって思ってるんだから。
カズ君、キミはついさっきまで『ついてる』から大変な目にあって、これから『ついてる』からこその、死ぬような目にあうんだよ?!
その時になって、『無ければ良かった』なんで後悔しても遅いんだからね!?

「カズ、言いたいことはそれで終わりかしら?アンタにしちゃ、冴えない最期ね」

「ふん、なんだ、ビビッてんのか?おいおい、勘弁してくれよ。今更、殺しにブルッてんのか?
 ……アンタだって、オレと同じ。血を分けた姉弟なんだからさ、姉ちゃぁぁぁぁぁああああああぁぁあ!!??!!」

電光石火。アオイは弾かれたように動き、彼の陰嚢を握りこむ。

「アンタに『姉ちゃん』なんて呼ばれたくない。アンタ見たいな『弟』なんて知らない。

 ……へぇ、ホントに効くんだね、コレ。ユカリに散々弄られてたときは、二人してふざけてると思ってたけど。
 もう少し早く知ってれば、アンタをキチンと躾けることもできたのかな」

ゴリゴリと音が聞こえてきそうなほど、強く。強く揉み扱かれる彼を見ていると、アタシまで辛い気持ちになってしまう。
思わず、自分に『ついてない』ことを確認。それでも、居心地の悪さは変わらない。

「アオイ、ちょっと強すぎるよ……」

「あ、ゴメン。コレ握るのって初めてだからさ、加減が分からなくて。私には元から『無い』部分だし。
 でも、不思議ね。お母さんにも、私にも、ユカリにも、ユカリのママにだってこんなモノついてないのに、アンタだけには『コレ』がある。

 あ、カズ、誤解しないで。私、別に、男がキンタマぶらさげてることに、とやかく言うつもりは無いの。
 むしろ、あのヒトみたいな男らしいヒトにはついてないと困るぐらいよ。そうじゃないと、抱かれることもできないじゃない。
 
 つまりね。私は、アンタにコレをぶらさげてる資格が無いって思ってるだけ」

169 名無しさん :2017/11/21(火) 23:37:04 ID:.UYyDnrw0
口では謝りつつも、手の動きはむしろ力を増していく。
彼は、先程の強気を見る影も無い。握られるだけで、尊厳を投げ打ってしまうような場所なんて、なんで付けているんだろう。

「アンタと私は同じって言ってたけど、私はこれぐらいで情けなく喘がないよ?こんなに喘がれると、ちょっと面白いね。
 ユカリが御執心だった気持ちも、分かるかも。だからこそ、男の子のここは大切に扱わないといけないんだけれど……アンタのは別にいいわよね?男の資格なんてないんだし。そうでしょ?」

口とは裏腹に。どうでもよさそうに、彼の睾丸を解放すると、足元の鞄から巨大なペンチを取り出す。
……アタシは、せめて、彼が直ぐに気絶できるように祈る。それだけしか、出来ない。

「私としては、アンタを殺しても飽き足らない気持ちもあるんだけど……ユカリが泣いて頼むからさ。命は奪わないであげる。
 でも、私の『弟』は今日限りでやめてもらうね……勘当って意味だけじゃないよ?ほら、コレで、物理的に止めてもらうから」

もう、見ていられない。アタシは目線を床に落とす。
―――本当はね、キミが一言でも謝ってくれたら、心を入れ替えると誓ってくれたら、この身に換えてもキミを庇うつもりだったんだけど。

命を奪うことだけは勘弁してくださいって。泣き喚いて、土下座して、アオイに縋りついて。
そう、泣きついたんだ。アタシは、彼女に。このままでは、『弟』が報復されてしまうって。殺されてしまうって。被害者のアオイなら、それを覆すこともできるって。
でも、せめてもの妥協点として、キミの『男としての命』を代償にしてもらうってところまでが精一杯だった。……オトコノコにとっては、どっちが良かったんだろう?
アタシには、『無い』から、痛みも、喪失感も、実際のところ分からない。それでも、『無くても』22年間近く生きてこれたから。生きていれば、きっと、いいことだってある筈だから。

彼女は気軽な様子で『弟』の睾丸を一つ冷たい鉄の塊に挟み、そのまま押しつぶす。
プチュリと軽い破裂音。アタシにとっては聞き慣れた音、オトコノコにとっては、永遠に忘れられないだろう音。
 
甲高い叫びが、目を逸らしても鼓膜を貫く。

「結構痛いんだね、潰されるのって。私は生まれたときから男子じゃなかったから、こんなのがお仕置きになるのか半信半疑だったけど。
 ほれ、情けなく踊るのを止めて、もう一つもさっさと潰させなさい。私も、さっさとこんなコト終わりにしたいんだけど」

平坦な声。耳を塞ぎたいけれど、ここから今すぐにでも逃げ出したいけれど。
拳を握り、目を見開いて、アタシは彼に向きなおる。真一文字に結んだ口は、悲鳴や命乞いを漏らさないため。

「あれ、意外ね。先に『抜かされちゃった』娘は、アンタも囃し立てる側だって言ってたけど。
 アンタには二重の意味で『関係無い』ことなんじゃないの?なんで、そんな泣きそうな顔をしているの?」

……何を、言ってるの?『弟』と、その他の男が同列なわけないでしょ?!

「ユカリ、アンタ、自分で気付いてないの?アンタだって、カズとそう変わらないよ。アンタがそんなヤツだって、思っても見なかったけど……この瞬間までは、ね。
 身内だから、弟だからって、コイツだけ気に掛けてる。骨を砕かれたコや、タマ抜かれたコは、所詮他人だからどうでもいいってこと?
 
 私だってアイツ等を庇うつもりはないけど。身内にだけ甘い……ちょっと違うか。
 身内が傷つくことで、自分が痛みを感じるのが辛い……カズは、私があのヒトに傷つけられる前にって『独善』であんなことをしたんでしょうけど。アンタが起こした『あの事件』だって同じ
 アンタ達は、自分の痛みにだけ敏感で、自分以外に対しては本質的に無関心。……結局、カズがアンタにも似たのかもね」

コイツを押さえておいて、と短い指示。アタシは、無言で従う。
『彼とアタシが同じ』、『独善的』、『他人に無関心』という言葉だけが、脳裏でグルグル、グルグル、タンゴを踊る。

170 名無しさん :2017/11/21(火) 23:38:09 ID:.UYyDnrw0
コツンと、彼女のペンチがアタシの股間に触れ、その冷たさに腰が砕けそうになる。
『潰されない』アタシでさえ、こんなにも恐ろしいのに、『弟』の恐怖を思うと心臓が止まりそうなほどに痛む。

「……コイツ、もうビビるとかビビらないとかって状態じゃないみたいよ?アンタは悲劇のヒロインぶってるけど、私と同じ、女だから結局『分からない』でしょ?
 ふぅ、もういいか。それじゃ、ね。姉ちゃんの最後の義務として、『弟』の不始末をつけさせてもらうね」

また、プチッという破裂音。あぁ、これでこのコは『弟』では無くなったのか……と思うと、落胆と喪失感が広がる。
結局、アオイはこのコを許してあげられなかった。このコも、アオイに謝ることができなかった。それだけが、とても、口惜しい。

「『償わせて』じゃ無くて、『許して』。『あのヒト』、いや、『傷つけた人たち』じゃなくて『私』に謝らせたかった。
 アンタ達、自分を中心に世界が回ってると思ってるんだね。本当に―――

続くは、アタシを糾弾する言葉、そして。
パキリ、と嫌な音。何故か、ソーセージのCMを想起させる、そして、とても不吉な未来をも告げるような、そんな音。

我に返ったアタシが見たのは。
彼女のペンチが、彼の、カズ君のペニスを毟り取っている光景だった。

―――三度目の、絶叫。

血が、流れる。アタシはまた我を失い、『弟』に飛びついて止血措置と応急措置を試みる。
アオイは彼のペニスをゴミのように投げ捨てると踵を返す。意識無く痙攣を続ける『弟』に一瞥もせずにこの場から去ろうとしているところだった。

「待って!待ってよ!このまま、お別れするつもりなの?!グスッ。せめて、せめて、最後の言葉ぐらいは、交わして、頂戴よぉ……
 こんな別れかたで、アオイは、ズズズ、これからの人生、自分の人生をどう歩いていくつもりなのよぉ……」

涙が止まらず、鼻水まで流れて、みっともない姿。
それでも、彼女にへばりつくような哀願をせずにはいられない。

だって、彼女も、今にも消えてしまいそうに見えたから。


「口を開けば、自分、自分、自分か……。私は、やっぱりアンタ達のことが理解出来ないよ。

 ……そうね。とりあえず、『抜かれちゃった』子には弟さんがいた筈だから、彼がイジメにあわないように手を尽くそうかなと思ってる。
 襲われた女の子……無理矢理アンタ達にあんなことさせられて、部屋に引きこもっちゃったからさ。彼女の話し相手もしないと、ね。
 他にも、カズたちに非道いコトされたヒトもいるし。『弟』がもういないんだから、私が代わりに償いをしないと」

―――そんな、グシュ、そんなコト聞いてないっ!!アオイの、アオイ自身の人生はどうなる、ズズズ、どうなるのか聞きたいの!
 分からない、分からないよぅ……ズズズ、アンタが一体何を考えているのか、頭の悪いアタシにはさっぱり分からないよぉ!!

アオイは振り返る。彼女の目にも涙が湛えられていて……彼女も『弟』を悼んでいると思って、アタシの涙は勢いを増した。
だけど。返されたのは、哀しみでは無く、怒りの言葉。

「私にだって、アンタ達がさっぱり分かんないよっ!!もう、私達の人生に関わってこないでっ!
 ユカリ、アンタ、自分の目の前で、ナメクジみたいに這い回ることしか出来なくなった人間を見せられたヒトの気持ちを考えたことがあるの?!
 二度と会いたくないと思ってた男の前に引き出されて、無理矢理にそいつを去勢させられたヒトの気持ち、少しでも察することは出来なかったの?!?

 同じ様な暴力を振るわせれば、それで清算は成り立つとでも思ってるの?!」

171 名無しさん :2017/11/21(火) 23:38:44 ID:.UYyDnrw0
「それでも、償いはさせないと―――」

「だからっ!なんで『アンタ達』がそれを決めんのよっ!!あんな押し売りみたいな真似までしてっ!!アンタ達の『世界』に巻き込まないでよっ!
 カズの命を人質にしてっ!私がやらなかったら、我儘な復讐の名目でっ、アンタ達がコイツを殺すつもりだったんでしょっ!!

 ―――だから、アンタが泣いてくれたとき、カズを説得してくれるって言ったとき、本当に、本当に嬉しかったんだから……で、何?
 結局は暴力で押さえつけて、無理矢理謝らせようとしただけ?ヒトを馬鹿にするのもいい加減にしなさいよっ!!

 ……………………感謝は、してるよ。本当に、絶対に分かり合えない人間が、この世には居るんだって実感できたもの」

初めて見る、彼女の激昂。
震え上がる自分と同時に、普段怒らない人が怒ると怖いって本当ねと冷静な感想を零す自分。
そして、本当は殺したくなかったんだと、カズ君が愛されていたんだと確認できて、喜ぶ自分が同居していた。
怒られている自分を、自分が観客として見ているような不思議な気分。

頭部に衝撃。彼女がペンチを投げつけてきたと気付いたのと、アタシの意識が身体に戻ったのは同時。
彼女は、まるで枕元にムカデでも見つけたときのような、胸糞悪いものを見る視線をアタシに注いでいた。

「……それをカズに言うのは止めておきなさい。理解できないでしょうから、コレにはただ従いなさい。
 ユカリ。ソイツはもう『弟』でもなんでもないから……アンタ達で好きにしても、私はもう何もいう資格がない。
 それに、ソイツの気質とココの環境は結構あってるみたいだし、願わくば、ココに骨を埋めてくれるといいと思うけれど。

 それじゃ。願わくば、二度と係わり合いにならなくてすむと、お互い良いわね」
 
決別の言葉。
その言葉だけ残して、アオイは再度踵を返す。アタシが返せるのは沈黙だけ。

そのまま、アオイが去るまでの間、アタシは只管、『弟』を抱きしめて震えていた。

172 名無しさん :2017/11/21(火) 23:39:23 ID:.UYyDnrw0
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「はいドーモー!僕の私の、アスカちゃんでーっすぅ!」

アニメみたいなキンキン声だって、意地悪なヒトは言うけれど。仕方ないじゃないですかぁ、地声なんですから。

ここは女子監舎の特別救護室。
勿論男子禁制ですけどぉ、『取られちゃった』系のヒトはぁ、一旦ココで預かることになってるんですぅ。
まぁ、問題無いですよねぇ、『男子』じゃないんですからぁ。勿論、『女子』でもないですけどねぇ。エヘヘ。

ベッドは三台、そのうち一つだけ使用中。あれれ?ユカリ先輩の、『弟』さんは何処かなぁ?あ、今は『妹』さんでしたっけ?

伏せているのは、『抜かれちゃった』コ一人だけ。お目当てのコは影も形も無くて、少し出鼻を挫かれた気分。

『抜かれちゃった』コは、死人みたいな無表情で虚空を見詰めている。
ま、『オトコのタマシイ』的なもの取られちゃったんですからぁ、オトコとしては死人で間違ってないんですけど。

それでも。金属バットのコは、もうマトモに歩けない片腕も動かないって状態らしいですしぃ、先輩の弟さんは『潰され』ちゃいましたしぃ、
他のコと比べると、キミは全然恵まれてるんですよぉ?要らないモノが失くなっただけなんですからぁ。
ウチには生まれたときから『ついてない』しぃ、『ついてる』から苦しんだコは知ってますけどぉ、『ついてなくて』苦労したコなんて見たことないですぅ。

「お〜い、ボクちゃん、挨拶には返事してくださいよぉ。寂しいじゃないですかぁ」

彼?は目線を動かさない。ここまで堂々と無視されると、ウチだってぇ、ちょっとイラってしちゃいます。

「あ、ウチのこと忘れちゃったんですかぁ?そんなぁ、一緒にタマタマちゃん抜かれた仲じゃないですかぁ。もう一度やってみせましょうかぁ?
 ほりゃほりゃ、『タマがー、タマがー』……なんちゃって。クネクネしながら、情けな〜い顔をするのが、ウケるコツですよぉ」

彼?が『抜かれちゃう』直前の様子を再演してあげる。
両手で股間を押さえると、必然的に両腕でおっぱいを強調する形になっちゃいますけどぉ、まぁ、眼福とでも思ってくださいねぇ。
なんて、もう『オトコノコ』じゃないから、どーでもいいんですかねぇ?

「そんな冷たい目で見なくてもいいじゃないですかぁ……タマタマついてないなりに、結構頑張ってモノマネしてるんですからぁ。
 それに、悪いことばっかじゃないでしょお?『オトコノコの痛み』を知る前に、『オトコノコの痛み』と無縁な身体になれたんですからぁ。
 ボクちゃんの先輩はぁ、『オトコノコの最大の痛み』と一緒に、オトコノコ止めさせられちゃったんですからぁ、それに比べれば大分マシですよぉ?
 
 これから、喧嘩で金的をやられちゃうことも無いんですしぃ……アタシも金的ないですけどぉ、下半身にそこまで注意しなくてもいいって結構気楽でいいですよぉ?
 もしかしたら、『ついてた』頃よりも強くなってるかも?なーんて、自分のタマタマも守れなかったコなんだから、強くなっても多寡が知れてますかねぇ?

 あ、そうそう。その先輩、どこに行っちゃったか教えてもらえません?」

173 名無しさん :2017/11/21(火) 23:39:57 ID:.UYyDnrw0

彼?は此方に顔を向ける。おおっとぉ、ようやく反応してくれましたかねぇ、とぬか喜び。
ボソボソと、聞き取れないぐらいの小声で何かを呟きだしてますけどぉ、ウチのお目当てのコの行方についてじゃ無さそうですぅ。 

「も〜、元気出してくださいよぉ。ちょ〜っと、タマタマちゃん抜かれちゃっただけじゃないですかぁ。
 ほら、ボクちゃんの先輩なんて、『オトコノコ』の部分、ぜ〜んぶ取られちゃったんですよぉ。それに比べれば、全然マシでしょう?」

彼?の顔を覗き込んで、慰めの言葉を掛けてあげたんですけど、それでもショックは和らがないみたい。
うわごとのように、『キンタマ返して、返してよぉ……』って繰り返すばっかり。もう!取られちゃったものはどうしようもないでしょ!
男らしく、ちゃーんと切り替えてよ、って、もう男じゃないから仕方無いですかぁ。それにぃ。

―――目的のコがいないなら、ちょっとこのコをからかってあげようかなって気分にもなっちゃいますぅ。


男性に触られるのは恥ずかしいですけどぉ、このコは男の子じゃないし。可哀想にって表情を作って、ウチの股間を触らせてあげます。

「えへへへ、ウチには元々キンタマついてないんでぇ、返してって言われても困っちゃいますよぉ。
 ほ〜ら、ボクちゃんと同じ。タマタマちゃんがついてない股間ですよぉ。えへへ、良かったですねぇ。男の人とお話ししてるとぉ、
 よくココに視線感じるんですけどぉ、触らせてあげることなんて滅多にないんですよぉ?ボクちゃんは、もう、オトコノコじゃないから、と・く・べ・つ☆」

押し付けた手は、為されるがまま。普通のオトコノコだったらぁ、何だかんだいいながらも、ワレメちゃんを弄くってきますけどぉ、
やっぱ、もう『関係無く』なっちゃったから、興味も湧かないんでしょうかねぇ?ちっちゃいチンチンも、ちっちゃいまま。

「もうオトコノコじゃないから、オンナノコ触っても興奮できないですよねぇ。うふふ、これで、性欲に負けて悪いことしなくても良くなりましたねぇ。
 男の子がイヤらしいのは仕方無いと思いますけどぉ。でも、お外でぇ、エッチな男子がぁ、勝手にウチのおっぱいとか、お股とかイジろうとしたときは―――

片手を伸ばし、このコのオトコノコの残骸を包み込む。

「こうやってぇ、ウチもオトコノコのタマタマちゃんで遊ばせてもらうことにしてたんですよぉ。って、あれあれ〜☆たーいへん。
 ボクちゃんのフクロの中に、タマタマちゃんが入ってないぞー?アスカちゃん、大ぴーんち!ほら、ギューっとしても、全然平気だぁ!

 えへへへ、ボクちゃん、ラッキーだったね?もしキンタマついてたら、これだけで悶絶してましたよぉ?」

フニフニ。グリグリ。彼?の股間に未練がましくぶら下がっている、用無しの部分を可愛がる。
いや、ラッキーだね?っていうのは本音ですよぉ?今もタマタマちゃんついてたら、ウチ、きっと歯止め利かなくなっちゃってましたからぁ。

「ボクちゃんのオトコノコ、何処かなぁ?ここかなぁ?あれぇ、何処にもないぞぉ?何処かで無くして来ちゃったんですかぁ?
 ボクちゃんは知らなかったかもしれないですけどぉ、オトコノコはみーんな、ココに大切なものぶらさげてるんですよぉ?えへへ、オトコノコのフリ、失敗しちゃいましたねぇ。
 でもでもぉ、オンナノコの穴だって空いてないしぃ……ボクはオトコノコなのかなぁ?オンナノコなのかなぁ?ウチにコッソリ教えてくれませんかぁ?ウフフフフ。
 なーーんて♪ゴメンね、泣かないでねぇ?でも、ウチがお外で遊んでた時は、『いっそ無ければ良かった』っていう子もたくさん居たんですよぉ?

 ウチには無いですけどぉ、経験は豊富でしたからぁ……何処が痛いかとか、とっても詳しいんですぅ。ほら、ココ。オトコノコはぁ、ココのフクロのぉ
 付け根ぐらいのところにあるぅ、タマタマちゃんと身体を繋いでいる部分。キミには無いですけどぉ、本当のオトコノコだったらココをコリコリってするだけでも、
 死にそうなくらい痛いらしいですよぉ。一回遊んであげたコは、ウチがコリコリってする時の手を見ただけで、縮みあがっちゃうって言ってましたぁ。

 ボクちゃんは心配しなくてもいいんですよぉ。ホラ、縮みあがるところが無いですもんねぇ。うふふ、ウチとお揃いですねぇ」

174 名無しさん :2017/11/21(火) 23:40:35 ID:.UYyDnrw0

自分の股間に彼?の手を押し付け、彼のフクロを握りながら、語りかける。
このコはハラハラと涙を流して(カワイイ!)、それでも只々、横たわったまま。

「時々ぃ、仕返ししてやるってコもいましたけどぉ、えへへ、ウチ、キン蹴りもチョー得意だったんでぇ、大体のコは股間押さえて青くなるのがオチでしたねぇ。
 オンナノコに対してタマタマの仕返しなんて出来るはずないのにぃ、何考えてたんでしょーねぇ?
 勿論、オンナノコからは、簡単にタマタマちゃんに仕返しできるんですよぉって再教育してあげてましたけどぉ、ふふ、とっても情けない顔して楽しかったですぅ」

でも、お外では流石に『ダメ』にしたことまでは無かったですけどぉ。先輩とは違って。
『ダメ』にされたらこうなっちゃうんだ、ってコトは、ココに来てから初めて知りましたぁ。きゃっ。

「ボクちゃんの先輩はぁ、もう、『男』って感じだったからぁ、今更『潰され』ちゃっても手遅れっぽいですけどぉ。アハハ、潰され損。最初から女に生まれてりゃ良かったのにぃ。
 キミはぁ、カワイイ顔してるんですからぁ、これからはオンナノコとして生きていけばいいんですよぉ。大丈夫です。
 もしお外であってたら、ウチ、絶対ボクちゃんをスカウトしてましたしぃ。上客になりそうな方々の顔だってぇ、五本の指じゃ数え切れませんよぉ」

ぺしぺし。たぷたぷ。柔らかいフクロを叩きながら、言葉を続ける。
あ、コレ、柔こくて、結構気持ちイイかもぉ……こっちでも『売れる』かもしれませんねぇ。

「それにぃ、オンナノコをオナホ代わりにしてたんですからぁ、オトコノコをバイブ代わりにされちゃうのも、因果応報ってやつじゃないですかぁ?」

―――その通りね。でもアスカ、アンタはあの稼業から足を洗ったんじゃなかったかしら?」

背後から声。この鬱陶しい響きはぁ、ユカリ先輩ですねぇ。今の今まで、ナニをしてたんですかねぇ?
それにぃ、ウチは欲しがるヒトと売りたがるヒトを取り持ってただけですぅ。アンタみたいなのと一緒にされるなんて、心外ですよぉだ。

内心を肚の底に沈め、営業に培った笑顔でアイツに向き直る。
こんな所で諍いを起こして、いいことなんて何も無い。それに、彼女がここに居て、『弟』さんが居ないってことは、つまりは出足が遅かったってコト。

「あ、先輩ぃ、お早うございまーすぅ!って、もぉ〜、冗談に決まってるじゃないですかぁ。真面目すぎぃ!
 ……そういえば、このコの先輩、コレからどうなるんですかぁ?てっきり、ココで仲良くお昼寝中だと思ってたんですけどぉ。

 潰されちゃったんですよねぇ?うわー、可哀想ですぅ。でも、見てみたかったなぁ……ウチの新ネタの参考になったかもしれないですしぃ」

鈍い破裂音。先輩が、平手で壁を叩く音。ふん、物に当たらないで欲しいなぁ、みっともない。

175 名無しさん :2017/11/21(火) 23:41:05 ID:.UYyDnrw0

「あのコはもう罰を受けたわ……アスカ、アンタはちょっとはヒトの痛みに鈍すぎる」

アハハハハハハハハ。誰の受け売り?クク、どの口でいうんですかぁ、ソレ。ウチのギャグよりも、ずっとイイですねぇ。
……それに。分からないのに、分かりようがないのに、『知った風な』同情をしようとしてる、アンタの方がよっぽど鈍感ですよぉ?

「痛みっていってもぉ、潰されちゃえるのはオトコノコだけじゃないですかぁ……ウチには想像もつかないしぃ、想像する必要もないですよぉ。
 ユカリ先輩だってそうでしょぉ?あ、ボクちゃんも、もう潰されることは無いから、怖がる必要ないですからねぇ」

侮蔑の言葉は呑み込む。それで、ソイツは結局どうすることにしたんですかねぇ?ま、想像はつきますけど?

「『弟』の面倒は、アタシが見ます……いや、アタシが見なきゃいけないの。これで答えになるかしら?
 これまで、ずぅっと放っておいた罪滅ぼしとして。これまでの行き違いを、消して失くしてしまうために。本当の姉弟になるために。
 ……幸い、時間ならたっぷりあるもの。アオイは、そう思って、アタシに『弟』を託してくれたんだと思う……姉妹みたいなものだから、言葉は無くても、分かるの」

B・I・N・G・O!って、馬鹿じゃないですかぁ?馬鹿じゃないですかぁ?もう『弟』さんじゃないってことをさておいても、また、独りよがりな考えで突っ走ってるだけでしょう。
今はいいですけどぉ、これから先、中年になってもぉ、老年になってもぉ、ソイツの面倒を見て生きてくつもりですかぁ?うわーお、ゾッとしないですねぇ。
それにぃ、そのコのお姉さんもぉ、きっとそんなコト考えちゃいないですよぉ?もう、自分の人生に関わって欲しくないだけ。
勿論、先輩、アンタにもですぅ。

「話はそれだけ?なら、もう退がりなさい」

……………………。別にいいか。合法的に、このオンナの知り合いを甚振れると思ったんですけどぉ、チャンスを逃しちゃったみたいですしぃ。
アンタと違って、ウチは二十歳になる前には、こんな不毛な場所からはオサラバしたいんですよぉ。そのためだったら、イイコにだってしますしぃ、黙れといわれりゃ黙りますぅ。
別にウチの身体を差し出したって構いませーん。減るもんじゃないですしぃ。

そもそも、こんなヘンテコな場所、長持ちするワケないですしねぇ。

ま、アンタほど凄惨な事件を起こしたわけじゃないからぁ、このまま行けばきっとそうなるでしょうけどぉ。
アンタみたいに、自分が罰せられなかった代償行為に、他人を罰するような不健康な生き方だってするつもりはないですしねぇ。
自分が自分を許せないのに、何で他人が罰を与えてくれて当然って顔してるんでしょね……そんなだから、ココ最近の不穏な空気だって、アンタ、全然読めてないでしょ?


「それじゃ、先輩。ウチはそろそろ退散しますねぇ。『妹』さんに、よ・ろ・し・く☆」

背後から怒気。ふん、いい気味。
ウチだって、久しぶりに面白いことができそうだって期待を挫かれて、ちょっと不機嫌なんですからぁ。

部屋からぬけると、雨模様。
高さそのものに圧しつぶされるような曇天は、まるで、空がウチの代わりに涙しているようにも見えましたぁ……ウチってば、ポエット♪

176 名無しさん :2017/11/21(火) 23:41:37 ID:.UYyDnrw0
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ここは閉じた鳥籠で。朽ちて果てていることに気付かれない獄舎。
これは、獄舎が崩れ落ちる、ほんの少し前に起きた、ほんの些細な出来事の一つ。

177 名無しさん :2017/11/21(火) 23:53:06 ID:.UYyDnrw0
以上です。

とりあえず、導入を短くしてみたのですが、どうでしょうか?

>>154のリクエストに応えたかったんですけど、常識改変系になると具体的なイメージが湧きませんでした。ごめんなさい。
今回の狂言回し役が何かやらかしたっぽいのは、リクエストに応えようと考えてみたプロットの名残です。

4つ程駄文を投下して、ある程度骨子は網羅したつもりなのですが、どんな組み合わせがいいんでしょうね?

・視点
群像劇系、男性視点×2、女性視点

・動機
仕事として(+性欲/拒否感をもちつつ)、成り行きで、性的好奇心で、義務感で
=他動的、他動的、能動的、能動的

・人物数(男複数 対 女1は勝てるわけねーじゃんと思ってしまって書けなかったので……)
多人数、男1対女1、男1対女2、男1対女1(入れ替わりアリ)

・抵抗
無し、有り、申し訳程度、有り

・年齢
同年代、年上、年上(サブ)と年下(メイン)、年上

自分で書いていると、いまいちピンと来ないので。

178 名無しさん :2017/11/22(水) 21:23:12 ID:h39zB/NY0
今回も素晴らしい作品だと思いました。
何度も読み直しています。
カズとユカリの戦う描写が好きで、タマの痛みについて理解はできないが、カズのタマを潰すことについては悩んでいるような感情がせめぎ合っている部分がよかったと思います。
アオイが淡々とタマや竿を潰す部分もよかったのですが個人的には身内のタマを潰すのであれば少し悩む描写も欲しかったところです。
個人的に好きな組み合わせは
女性視点
義務的に、彼氏や身内、元カレなどのタマを潰す
1対1がやはりいいかなと。
女複数対男1もありかと思います。
男複数対女1は現実離れしすぎてかなと。
抵抗はあった方が良いと思います。
普通〜激しく
年齢は同年代から年上であまりに対象が幼すぎるのはちょっとどうかなと思いまして、10代半ばから上がいいと思いました。

179 名無しさん :2017/11/23(木) 02:55:08 ID:5T8fXVJU0
どうにか弟を助けたいというユカリ視点があって、
その後にアオイやアスカがそのユカリを評することで、
ユカリの異常な独善、偽善が表れてて面白かった。
獄舎が崩れ落ちる(私刑の露見?)前ってことは、
結局ユカリはカズの側にいられないんだろうな。

フェチ的な面から言うと、もう少し攻められている睾丸そのものの描写が濃い方が好み。
地の文も登場人物が担ってるから、そんなところまで細かく描写できないんだろうとは思うけど。

180 名無しさん :2017/11/23(木) 19:17:29 ID:q2DCKslU0
マイナーなジャンルのssは10年後とかでも普通に読まれるので、セリフや文体はなるべくシンプルにしといた方がいいと思う。

181 名無しさん :2017/11/23(木) 22:57:21 ID:Y2fQEs2c0
リクエストは出来ればでいいので好きなように書いて欲しいんだぜ
今回も最高でした

視点は神視点・男視点・女視点それぞれに強みがあるけど、個人的に同一作品内では視点は固定して欲しいかな
同じ作品内で視点が動くとちょっと状況が把握しづらいかも
その他の組み合わせに関しては色んなシチュエーションの作品が読みたいのでお任せしたい
正直地力あるからどれ書いても抜けると思うw

182 名無しさん :2017/11/23(木) 23:00:17 ID:0IizhB7U0
圧倒的な体格差を玉への攻めで容易く覆せてしまう事実と、
玉責めされている男を心から哀れむ描写がとても好き。
欲を言えば179と少し被るが、玉が潰れる描写が鮮明になると嬉しいな・・・

183 名無しさん :2017/11/25(土) 20:13:32 ID:gwOvVO/E0
あんまりリアルな潰し描写・グロいのは遠慮したい

やはり男女の格闘対決で、肉体的に強いはずの男が、本来弱いはずの美女に、
男だけにある致命的急所(金的)責められて悶絶するのは倒錯感があり、最高のシチュ
金的の無い女の言葉責めや優越感描写も最高

他ならぬ自分自身も、幼少時に実体験(年上女と喧嘩して金的されて悶絶KO。ニヤニヤクスクス嘲笑されて、
とんでもない屈辱感を味わう)し、
以来、女を見下すS男から、M(金的フェチ)に180度変換してしまった恐ろしい経緯がある
肉体的にも精神的にも、女→男の金的はそのぐらいの破壊力がある

「婿にいくか」シリーズの続きも激しく期待してます

184 名無しさん :2017/11/25(土) 21:33:54 ID:yla.CPxE0
俺はリアルな潰し描写・グロいの大好きだからもっとやってほしい

185 名無しさん :2017/11/25(土) 21:57:47 ID:TPRzMSEQ0
エクストリームって126以降更新されてますか?

186 名無しさん :2017/11/26(日) 08:46:18 ID:Jxvc0Rjo0
俺はあまり潰しはリアリティに欠けるから好きじゃないかな
潰されたことに対する屈辱感みたいなものは実感がわかないし頭に入らない
玉を潰さなくても完全に気持ちを挫けさせて、男として最大限の屈辱を受ける
それで充分であるし、むしろそのほうが読んだ後味がすっきりして良い

色々言ったけど、好みの問題だからリクエストに答えなくても問題ない
作者様にお任せします

187 名無しさん :2017/11/26(日) 10:20:50 ID:DwBh3yw60
海外のCBT物にありがちなハンブラーを扱った作品とか、女性2人がそれぞれの奴隷のキンタマを綱引きさせて競い合うといったシチュエーションで書こうかと思ったが全く進まない。
誰か代わりに書いてくれ…

188 名無しさん :2017/11/26(日) 22:51:29 ID:ZWAb.th20
個人的にはスパリゾートの続きも気になる
あのシチュエーションすげえ好みだから是非書いて欲しい

189 名無しさん :2017/11/26(日) 23:14:27 ID:sTYnr3wU0
あまり拘ると玉責め小説からリョナ小説になっちゃうからね

190 名無しさん :2017/11/27(月) 00:29:34 ID:dEEcvsdE0
金蹴りフェチって物理的な性器破壊が好きというよりは精神的な倒錯の部分に興奮する人が多いからね
男にしかない急所を痛みの分からない女に蹴られる倒錯とか、大事な所を押さえて踞る情けない所を異性に見られる恥ずかしさとか
好みにもよるけどグロく残酷にすれば良いってものではないね

191 名無しさん :2017/11/27(月) 20:54:10 ID:jyVQo5dc0
100の言葉で好みを語る前に1の言葉でSSを書け

192 名無しさん :2017/11/28(火) 14:17:49 ID:fCxGM8z20
ここはとある実践的護身術教室
ニーソ女子「先生、こうですか?えいっ!」キ〜ン
先生男「ぐふっ………バ、バッチリ…」

1の言葉では難しいので三行にしてみたよ

193 <削除> :<削除>
<削除>

194 名無しさん :2017/11/29(水) 09:19:51 ID:cD1HV7j.0
すみません、議論スレに書くつもりが誤爆してしまいました。
お手数をおかけしますが削除して頂けるとありがたいです。
本当に申し訳ありません。

195 名無しさん :2017/12/14(木) 20:15:43 ID:aLtzVbVs0
全く書き込みがなくなった、過疎っているね。

196 名無しさん :2017/12/14(木) 22:07:11 ID:xk82w.6s0
基本淡々とSS投下して感想書く場所ですし
むしろ無駄に荒れなくて好都合

197 名無しさん :2017/12/24(日) 02:20:28 ID:YhhxKp1A0
書くの遠慮するとかは全くしなくてええんやで(チラッチラッ

198 名無しさん :2017/12/24(日) 11:02:18 ID:5ktNeAhI0
お前が書いてもええんやで?(チラッチラッ

199 名無しさん :2017/12/24(日) 21:29:45 ID:Sb.IIOM60
が、頑張ってみます

200 名無しさん :2018/01/21(日) 21:29:03 ID:SiuZmYeA0
何もしていないのに、いきなりクラスメイトの女子から思いっ切り金玉を蹴り上げられ、悶絶し、股間を押さえて蹲る男子と、
その男子の苦しむさまを見て嘲笑する蹴った女子。

「あ……ぐ……ぎぎ……」
「随分苦しそうだね〜。腰トントンしてあげよっか?w」
「うぅ……ぐ……」
「はい。トントントン」
「うあっ! あっ、あっ……」
「あ、余計金玉に響いちゃったかな?w まあちょっと狙ってやったんだけどねw」
「うぅう……」
「でも金玉蹴られたらそんなに痛いんだねー。大変だねー。蹴ったあたしが言うのもなんだけどw」
「…………(悶絶していて声が出せない)」
「じゃ、折角だからもう一回蹴ってあげるよ♪ 君もあたしに金玉蹴られて嬉しいんでしょ?」
「!?」
「ほら、早く立って! 10秒以内に立たなかったら君の金玉、今度はさっきの10倍の強さで蹴っ飛ばすからね! 
はい、いーち、にーい、さーん……」

以下、冒頭に戻る(繰り返し)。

201 名無しさん :2018/01/21(日) 23:04:32 ID:kcPnQIss0
いいね
こういう小規模な作品ももっと投下されていいと思う

202 名無しさん :2018/01/21(日) 23:58:04 ID:GqXqtCss0
久々の投下ありがたい。
長編もいいけど、短くて完結してるのも大事だな。
GJ!!

203 名無しさん :2018/01/22(月) 19:32:24 ID:EhUuDix.0
「ねえ。キミ、キャッチャーの子だよね?」
「えっ」

唐突に声を掛けられたので振り返ると、ソフト部のユニフォームを着た女子生徒が立っていた。
確かピッチャーで、ユミとかいう名前の子だ。

「そうだけど」
「良かったー。実はさ、ちょっとお願いがあるんだけど」
「? 何?」
「あたしの球、受けてくんない? 野球部の練習始まるまでで良いから」
「えっ」
「今週末、試合だから軽く投げときたくて……駄目かな?」
「そっちのキャッチャーは?」
「生憎、今日はいつもバッテリー組んでるコがお休みなの。お願い! ほんのちょっとだけでいいから」
「うーん。じゃあ練習始まるまでなら、良いよ」
「ホント!? やった! ありがとっ!」

特に断る理由も無いし、そういう事情なら協力してあげてもいいかと思った。
どうせ一年のグラウンド整備が終わるまでは暇だしな。

「あ、どうせならさ、そっちのボールで投げさせてもらってもいい?」
「え? 硬球で?」
「うん。あたし、中学入るまではリトルに居たから、実は硬球の方が慣れてるんだよね」
「そうなんだ。なら別にいいよ」
「ありがとう」

手に持っていた硬球を軽く投げると、なるほど確かに慣れた様子でキャッチした。
女子の硬球を受けた経験は無いが、いくらなんでも男子のピッチャーより速いはずも無いし、特に問題は無いだろう。

204 名無しさん :2018/01/22(月) 19:34:35 ID:EhUuDix.0
「じゃあ、行くねー」
「おう」

10メートルほど距離を取り、ユミが手を振る。
正確には知らんが、女子ソフトなら多分これくらいの距離だったはずだ。

やがてユミが大きく振りかぶる。ワインドアップだ。
てっきりアンダースローだろうと思っていたので多少面食らったが、確かにリトル出身だと言っていたな。
などと感心していると、ユミの右腕からシュッ、と球が放たれた。

「お」

そのスピードは俺の想定よりも遥かに、速――

「!」

次の瞬間、カクッ、と大きく球が落ちるのが見えた。
俺は咄嗟にグローブの位置を下げるが――

ユミの速球は、さらにその下まで落ち、



『ボグッ』



「……ッ!」

一瞬、脳天がかち割られたような衝撃。
暗転する世界。



――ユミの放ったフォークボールが自分の急所を直撃した、ということを認識するのに数秒を要した。

205 名無しさん :2018/01/22(月) 19:38:04 ID:EhUuDix.0
「う……ぐ……」

全身から脂汗が滲み出てくる感覚。
息が出来ず、声が出せない。

そんな中、喜色に満ちた明るい笑い声が俺の耳に届いた。

「あははは! 今、キンタマにジャストミートしたね〜あたしのフォーク!」

ケラケラと笑う、ユミの声。
こいつ、今、何て……?

急所の痛みがあまりにも強烈過ぎて、思考がまともに働かない。
しかしユミは構わずに続ける。

「実は今ね、キミのキンタマに直撃するように狙って投げたんだよ♪ 綺麗に落ちたでしょ?」
「…………!?」

狙って……投げた?
バカな。
そんなことが……。

「あはは、めちゃくちゃ苦しそ〜。硬球だもんね、これ。痛いよね〜w あはは、超ウケる〜♪」

顔を上げることもできず、ただ両手で股間を押さえたまま地面に突っ伏す事しかできない俺とは裏腹に、ユミは心底楽しそうに笑っている。
まだ息も絶え絶えだが、俺はかろうじて声を振り絞った。

「な……なんで、こんな……」
「あー。実はあたし、リトルの頃、よくわざとフォークをキャッチャーの男の子のキンタマにぶつけて楽しんでたんだよね」
「!」
「で、さっきふと急に、そういえばあれ、もうずっとやってないなー、久しぶりにやってみたいなーって思いついて。ただ、そんだけ」
「…………」

頭がくらくらしてきたのは、多分急所の痛みの所為だけではない。

206 名無しさん :2018/01/22(月) 19:42:40 ID:EhUuDix.0
「おーい、ユミー。何してんのー? もう部活始まってるよー」

遠くから、別の女子の声が聞こえた。
見ると、キャッチャーマスクを持った女子が立っていた。
その女子に向かって、ユミが大きな声で返事をする。

「ごめーん、カナー! すぐ行くねー!」
「あの子って……」
「ん? ああ。あたしとバッテリー組んでる、キャッチャーのカナだよ」
「今日は休みって、さっき……」
「ああ、あれウソ」
「…………」

悪びれもせずにそう言うと、ユミは未だ地面に蹲ったままの俺を尻目に、カナの方へと歩き出し、
一度だけ、くるりと振り返って言った。

「あ、そーだ。流石に一回ぶつけたくらいじゃ、まだつぶれてないよね? キンタマ」
「えっ」
「じゃあ、明日またキンタマにフォークぶつけてあげるよ。今度は本当につぶれちゃうかもしれないけど♪」
「…………」
「そんじゃーね。キンタマお大事に〜」

ぴらぴらと手を振りながら遠ざかっていくユミの背中を見ながら、俺は即刻、監督に外野手へのコンバートを申し出ようと心に誓った。




<了>

208 名無しさん :2018/01/23(火) 21:29:17 ID:WwEJbDrQ0
>>203
丁寧で好き
玉責めパートはこれくらいの長さにした方が話はまとまるんだよねぇ
でも抜けるかどうかを重視するなら責めの描写も長く取りたいし難しい

209 名無しさん :2018/01/24(水) 22:32:02 ID:krOuqCdQ0
そうは言っても量より質だと思う

210 名無しさん :2018/02/11(日) 03:04:59 ID:iztSKbj.0
スパリゾートの続きが読みたい(唐突)

211 名無しさん :2018/02/11(日) 12:47:57 ID:22GcWzvA0
『脅迫と賞罰』


「早く脚を開きなさいよ。あんたのキンタマ、思いっ切り蹴り上げてあげるから」
「う、うん……」

女子生徒に言われるがまま、男子生徒はおずおずと足を開いた。

「よ〜し」
「…………」

舌なめずりをする女子生徒。
緊張の面持ちを浮かべる男子生徒。

次の瞬間、

「おりゃあっ!」

ドグッ!

「ッ!?」

大きくしなった女子生徒の右脚が、男子生徒の股間に鋭くめり込んだ。
昔空手をやっていたというその女子生徒の蹴りは、脚の甲で男子生徒の二つの睾丸を的確に捉えていた。

「あ……あが……」

堪らず、男子生徒は膝をつき、地面に蹲った。
女子生徒は、そんな彼の様子を嗜虐と優越に満ちた表情で見下ろしている。

「あははっ。いたそ〜」
「……ッ……」

男子生徒は一声も発することができず、ただただ、苦痛に顔を歪めている。

「でも、これが好きなんでしょ?」
「…………」

今朝、通学途中の電車内で、男子生徒はスマホでyoutubeの動画を閲覧していた。
それ自体は普通の動画だったのだが、操作の途中で閲覧履歴をスクロールしていた際、彼が昨夜、家で観ていた大量の金蹴り動画のサムネイルが表示されていた。
不運にも、それを偶々近くに乗り合わせていた、このクラスメイトの女子生徒に覗かれてしまっていたのだ。

そして、以前空手をやっていた頃から、密かに男子の急所に興味を持っていたというこの女子生徒から、「皆に黙っていてほしければキンタマを蹴らせろ」と脅されたというわけだ。

「道場では、基本金的禁止だったから、思いっ切り蹴ったことなかったんだよね」
「…………」
「一度でいいから、思いっ切り蹴ってみたかったの。男子のキンタマ」
「…………」
「だから本当に運が良かったわ。まさかキンタマを蹴られたい男子が同じクラスに居たなんて」
「…………」
「でもこれ、脅しでもなんでもないよね。だってあんたにとってはご褒美なんだから。そうでしょ?」
「…………」

愉悦を声に含ませながら、一方的に話し続ける女子生徒とは裏腹に、男子生徒は未だ一言も発することができない苦痛の中に居た。
そもそも彼は、金蹴り動画自体は好きでよく観ていたが、自分が実際に蹴られたいという願望までは持っていなかったのだ。
そんな彼にとって、空手経験者のこの女子生徒による本気の金的蹴りは、まさに地獄の苦しみというほかないものだった。

だがそんな彼の苦しみなど露知らず、女子生徒はあっけらかんとした声で言った。

「さ、じゃあそろそろ回復したよね? もう一回蹴らせて」
「!? え……?」
「ん?」
「い、一回だけじゃ……」
「? あたし、そんなこと言った?」
「…………」

女子生徒は不思議そうに首を傾げた。
確かに「キンタマを蹴らせろ」とは言われたが、一回だけ、とは言われていなかった。

「で、でも……今言ったじゃないか。『一度でいいから、思いっ切り蹴ってみたかった』って……だから、もう……」
「ああ、うん。でも思ったよりずっと快感だったから、もっといっぱい蹴りたくなっちゃったの。別にいいでしょ? あんたにとってはご褒美なんだし」
「そ、そんな……」
「何? じゃあ皆にばらされたいの? あんたの趣味」
「! そ、それだけは……」
「じゃあ、早く立ちなさいよ。今度は、さっきよりももっと強く蹴ってあげる」
「!?」

しれっとそう言うと、女子生徒は意地悪そうな笑みを浮かべた。
『思いっ切り』と言っていたのに、どうやらまだ本気の蹴りではなかったらしい。

「早く脚を開きなさいよ。あんたのキンタマ、思いっ切り蹴り上げてあげるから」
「う、うん……」

女子生徒に言われるがまま、男子生徒はおずおずと足を開いた。





<了>

212 名無しさん :2018/02/12(月) 00:39:05 ID:9p/kP0Xc0
良かった

213 名無しさん :2018/02/12(月) 15:18:01 ID:oD///0360
『愉悦』①


「どうしたの? 痛いの? 苦しいの?」
「…………」

股間を手で押さえたまま、地面に四つん這いになっている男子生徒の顔を覗き込むようにしながら、女子生徒が笑顔で話しかけている。

「なんとか言いなさい……よっ!」

ドグッ!

「ぎゃっ!」

女子生徒は弾みをつけて、男子生徒の背後からその股間を蹴り上げた。
手の甲越しとはいえ、その衝撃は二つの睾丸にほぼダイレクトに伝わる。

「うあぁ……あ……」

男子生徒は股間を押さえたまま、さらに苦しそうに呻く。
女子生徒は、そんな彼の様子を嘲笑うように言う。

「あははっ。潰れちゃった?」
「うぅ……」
「流石に大丈夫よね。まだ二回しか蹴ってないもん」
「…………」

そう。ほんの一分前、男子生徒は、突然、背後からこの女子生徒によって股間を蹴り上げられたのだ。
ただ普通に体育館裏を歩いていただけの時に、だ。

こうして突然自分の急所を襲った鈍痛に対し、何が何だか分からないまま、本能的に防御体勢を取っていたのが冒頭の場面ということになる。
この女子生徒は男子生徒のクラスメイトだったが、特に親しいわけでもなく、話したこと自体ほとんどないという関係だった。

「一応言っておくけど、別にあたし、キミにうらみとかあるわけじゃないから」
「…………」
「ただ、『男子の金玉蹴りたいなー』って思ってた時に、たまたまキミが歩いてたから、蹴っただけ。そんだけだから」
「…………」

そんな意味の分からない理由で、自分はこんな理不尽な苦しみを味わわされているというのか。
男子生徒の心境は怒りを通り越してやるせなさに達していた。

「あ、『たまたま』ってなんか駄洒落みたいだね。たまたま歩いてたら、タマタマ蹴られちゃった〜って。あはは」
「…………」

全く笑えない駄洒落を言って、けらけらと笑う女子生徒。
男子生徒は、早くこの時が過ぎ去ってくれと願うばかりだったが、

「笑いなさい……よ!」

ドグッ!

「がはっ!」

先ほどと同じようなノリで、しかし確実に先ほどよりも強く、女子生徒はまたも男子生徒の股間を蹴り上げた。
もはや手の甲によるガードはほとんど意味をなしていなかった。

「ぐ……うぐ……」
「さっきからずっと、うぅーとかうぐーとか唸ってばっかりで、正直つまんないんですけどー?」

何故かご機嫌斜めになっている。
そんなこと言われても、と男子生徒は息も絶え絶えに口を動かそうとしたが、それより早く、女子生徒に足首を掴まれた。
右手で左の足首を、左手で右の足首を。

足を強引に引っ張り上げ、男子生徒を無理やり仰向けの体勢にする。
女子生徒は男子生徒を見下ろす体勢となり、意地悪そうににやりと笑うと、右脚を少し上げた。
ここまで来れば、何をされようとしているのかは馬鹿でもわかる。

思わず、男子生徒は股間を押さえる手にぎゅっと力を込めた。

「手、どけて」
「え……」
「このまましてほしい?」
「…………」

ひどく冷えた声で女子生徒は言った。
男子生徒は、観念したように股間から手を離した。
もはやこの状況では、なるべく彼女の意に沿う対応を取った方がよいと判断したのだ。

その瞬間、女子生徒は表情を緩め、

「いい子だね〜」

ズグッ

「あっ!」

右脚を男子生徒の股間に深く突き刺した。
睾丸に鈍い痛みが走る。

「ふふっ。去勢される犬や猫って、今のキミみたいな気持ちなのかな?」
「…………」

残酷な笑みを浮かべながら、女子生徒は足をぐりぐりと動かし、二つの玉を確実に踏みつけられる位置に据えた。

214 名無しさん :2018/02/12(月) 15:19:57 ID:oD///0360
『愉悦』②


「じゃあ、去勢手術始めちゃうね」
「っ……」
「電気・あんま〜っ」

ドドドドドドドドドドドド

「あ、あがっ、あっ!」
「あははは! おもしろーい!」

ドドドドドドドドドドドド

「あ、あひっ、あ、あっ」
「ほーらほら。去勢だぞー。金玉潰すぞー」

ドドドドドドドドドドドド

「あ……あ……」
「もっと苦しめー。もっと呻けー」

ドドドドドドドドドドドド

「あ………」
「もっとあたしを楽しませろー。金玉潰すぞー」

ドドドドドドドドドドドド

「…………」
「ん?」

ふと女子生徒が足を止めると、男子生徒は既に白目をむき、ぐったりとしていた。
どうやら気絶してしまったらしい。

「……なんだ。つまんないの。えいっ!」

ズドッ!

「かはっ!」

女子生徒は電気あんまの体勢のまま、男子生徒の金玉を強く踏みつけた。
反射的に、男子生徒は一瞬だけ反応したが、またすぐにがくっと項垂れた。

しかし、それがまた女子生徒の嗜虐心を刺激したらしく。

「……えいっ!」

ズドッ!

「かはっ!」

再度、しかし先ほどよりも強く、男子生徒の金玉を踏みつけた。
一瞬だけ覚醒し、またすぐにぐったりする男子生徒。

「あはは! おもしろーい!」
「…………」
「おらぁ!」

ズドッ!

「かはっ!」

一瞬だけ覚醒し、またすぐにぐったりする男子生徒。

「あははは! 起きろ!」

ズドッ!

「かはっ!」

また一瞬だけ覚醒し、またすぐにぐったりする男子生徒。

「あははは! 金玉潰すぞ!」

ズドッ!

「かはっ!」
「あはははは!」

こうして女子生徒は、既に意識を失っている男子生徒の金玉を、何度も何度も、強く、かつ的確に踏みつけ続けた。
その地獄のような光景は30分以上にもわたって続いた。

そしていよいよ、金玉を何度踏みつけても男子生徒が何の反応も示さなくなると、女子生徒はようやく満足したような笑みを浮かべた。

「あー。今日はこのくらいでいいか。流石にちょっと疲れたし」

女子生徒はそう言って、掴んでいた足首をぽいっと離すと、白目を剥いたまま痙攣している男子生徒を放置して、体育館裏を後にした。




<了>

215 名無しさん :2018/02/12(月) 18:59:56 ID:GiEnXDgo0
シンプルで良い
女の子が普通に『キンタマ』って言っちゃうのはかなり好み

216 名無しさん :2018/02/12(月) 20:46:53 ID:Y/1rITBc0
良いんだけど長くした分ちょっと雑になってるのが気になる
全く同じ文章反復させるのは避けた方が良いと思う

217 名無しさん :2018/02/12(月) 22:55:35 ID:cZIh50cY0
個人的に感じたことだけど「男子生徒」とか「女子生徒」という表現よりも
適当でいいので何か名前があったほうが固さが抜けて良いと思う

218 名無しさん :2018/02/13(火) 01:18:21 ID:E9N2ifpI0
名前入れないといけないなんて文章上の規則はないから好きにすればいいと思うけどね
特に今回の作品は「女子生徒一般」が「男子生徒一般」を気まぐれで股間蹴って屈服させる所がポイントだしこれで良いと思う

219 名無しさん :2018/02/20(火) 01:09:49 ID:bPsQaFiw0
>>217
むしろ性を感じさせてすごくいい

220 名無しさん :2018/02/24(土) 04:15:32 ID:Txs3yP5c0
『スパイと女拷問官①』

ここはとある国の拷問部屋。

石造りの寒々しい室内には、両手両足を拘束された下着一枚の男が壁に貼り付けられている。

彼の名はリュウ。

リュウの逞しい体には痛々しくまだ新しい痣が浮かぶ。

リュウを痛めつけたのは、今まさに彼の顎を掴んだ、

「なー、さっさと吐けや、こら」

敵国の男達だった。

男はくちゃくちゃと口を動かし、リュウの顔を覗き込む。

「…………」

リュウは自国の命令を受け、敵国にスパイとして送り込まれたのだった。

しかし仲間の裏切りにより捕えられ、情報を吐き出す事を迫られている。

時には殴られ、蹴られ、食事すら満足に貰えない日々の中で、執拗に“堕ちる”事を迫られた。

それでもリュウは決して彼らに屈する事なく、地獄の責め苦を今日まで耐え続けてきた。

221 名無しさん :2018/02/24(土) 04:16:33 ID:Txs3yP5c0

「おらッ!」

リュウの沈黙に腹を書いた男は、痺れを切らしてリュウの腹を強かに打ち据えた。

「く、ッ……」

リュウの眉根が苦しげに歪む。

男はそれを見て、畳み掛ける様に質問を浴びせた。

「痛いだろ?なあ、お前の名前は何だ?どこの国から来た?上の野郎は誰だ?」

連日の痛みで朦朧とする頭の中、リュウは男から顔を背けた。

「……おい、聞いてんのか!」

それが癇に障った男は逆上し、力いっぱいリュウの腹部に蹴りを入れた。

「う、ぐッ、あ、ッ……!」

噛み殺した様な悲鳴が、爪先がめり込む度に一つ、また一つと漏れる。

「おら!言え!言え!殺されてーのか、おい!」

男が狂った様にリュウを蹴り、殴打する。

222 名無しさん :2018/02/24(土) 04:17:04 ID:Txs3yP5c0

しかし、リュウは男に殴られる度に祖国に対する服従心が強固になっていく。

痛みは鈍麻し、心が冷たくなっていく。

このまま、祖国の礎となれたら本望だ。

ふとそんな思いが浮かび、リュウは薄笑いを浮かべた。

男はこめかみを波打たせ、血走った目で拳を振り上げた。

「このッ……」

その時、男の肩に手が置かれた。

「やめろ、拉致があかねえ」

男達のリーダー格であろう、体格の良い男が首を振った。

「……す、すみません」

男は一歩下がり、リュウから離れる。

「情報源を枯らしてどうすんだ、もっと頭を使え」

リーダー格の男は軽く息を吐き、リュウを見据えた。

「こういうタイプはよお……そのままおっちんでもおかしくねえ」

リュウは黙って男を見つめ返す。

「……なあ?兄ちゃん」

「…………」

「はは、黙りか……このまま死ぬ気、ってのも当たらずも遠からずか」

男は一笑に付し、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「だが、死なせてやれねえ……」

男は何かの緊張を誤魔化す様に、そこで一拍置いて唾を飲み込んだ。

「……リンコ様を、呼んだからだ」

リンコ様。

その名前を漏らした瞬間、男達がどよめいた。

223 名無しさん :2018/02/24(土) 04:19:38 ID:Txs3yP5c0

「り、リンコさまって、もしかして」

「ひっ、ひいい!」

にわかに怯え、慌てふためく男達をリーダー格の男が一喝する。

「うるせえぞ!静かにしろ!」

しかし、彼もまた顔には深い怯えの色が浮かんでいた。

この場でただ一人リンコ様、を知らないリュウはぼーっとその会話を聞き流していた。

「……おいお前ら、リンコ様の道具は……」

リーダー格の男が沈痛な面持ちで口を開いた時、ノックの男が響いた。

「リンコ様、だ……」

そう誰かが呟き、

「し、失礼します!」

ドアが開いた。

拷問部屋に入ってきた女は上目に男達を見、ペコリと頭を下げた。

細い体躯にどことなく自身なさげな顔つき。

「リンコ様御無沙汰しております、今回はあちらでして、事前に伝達しました通りです」

「分かりました……何か変更は?」

「ありません」

「はい、ありがとうございます。お疲れ様でした」

「……はい」

小動物を思わせる彼女。

黙々と事務的会をする姿がリュウにはどうにも癪に感じられた。

リュウが睨むと、気圧された様にびくりと肩を震わせた。

そして、困った様に微笑みを浮かべた。

「えっ、と、あの……わたしはリンコ、って言います。もしかして、もう聞いてるのかな……」

リンコは言葉を一つ一つ選ぶ様に言い、男の中の一人に目を向けた。

「あの、わたしの道具は?」

「はっ、はいいッ!いい、今取ってきますですッ!」

リュウを足蹴にした男が叫び、飛び上がって部屋を出ていく。

リュウは手持ち無沙汰にするリンコをそっと横目で窺う。

224 名無しさん :2018/02/24(土) 04:20:29 ID:Txs3yP5c0

リンコは恐らく同世代の女性よりも稚い顔立ちだった。

甘い、とでも言えばいいのだろうか、庇護欲を擽る様な小狡い大きな目。

小さめながらもぷにっと主張する唇。

整った鼻筋。

リュウの目線は徐々に顔から下へと落ち、リンコの胸元の膨らみに留まる。

固めの布地がリンコの胸を押さえつけるが、それを跳ね返す様にして窮屈そうに収まっている。

当然ながら、捕えられていた間は禁欲だった。

そもそも、男達に休みなくリンチを受け続けていたリュウはそんな気に陥る事自体無かったが、久しぶりに見た女。

ほとんど無意識でリンコを視姦していると、彼女が自分を見つめた様な気がした。

リュウが自分を恥じて目を逸らそうとしたのと同時に、

「お、お持ち致しましたッ、リンコ様!」

けたたましくドアが開いた。

男が両腕で抱えた大きな箱。

リンコはそれを一瞥し、顎で床を示した。

ドスン、と音を立てて箱が置かれる。

リンコはしゃがみこみ、リュウ達に背を背けて中身の確認を始めた。

彼女の事を何も知らないリュウでさえも、部屋の中にただならぬ緊迫感が漂っているのが分かった。

「うん……ちゃんと全部ありますね」

リンコはおもむろに立ち上がり、

「それじゃ、皆さん退室して頂けますか?」

鋭い視線を男達に向けた。

「はいっ!リンコ様、失礼致しましたあ!」

「失礼致しました!」

男達は敬礼したかと思うと、我先に部屋を出ていく。

「……さて」

リンコはリュウに体を向けた。

そのまま距離を詰め、貼り付けにされたリュウを上目遣いに見上げる。

「っ……」

黒目がちな瞳がリュウを捉える。

「とっても痛そうですね……随分手酷くやられたみたいで」

リンコの柔らかい手がリュウの胸板に触れる。

「うっ、く……ッあ」

激しく痛めつけられた場所に触れられ、身を捩る。

「貴方を、人を苦しめたい訳じゃありません……いつも、わたしはとても申し訳なく思っています」

リンコはそんなリュウの様子を全く意に介さず、手を滑らかに動かす。

「う、ああ……っ」

鈍い痛みに、思わず腰を引く。

リンコはそっと手を離した。

「……ほんとに、ごめんなさい」

寂しげな表情を浮かべるリンコ。

しかし、その頬はうっすらと紅潮していた。

225 名無しさん :2018/02/24(土) 04:29:06 ID:Txs3yP5c0

リンコは思いっ切りリュウの股座を蹴り上げた。

「あああああぁぁああ!」

リンコの脚がしなり、爪先が的確にリュウの陰嚢を捕らえる。

力強く押し潰される。

陰嚢がひしゃげ、中の睾丸ごと潰れる。

スパーンッ、と、甲高い音が響いた。

「ああああっが、がああああッ!」

喉を枯らす様な絶叫が漏れる。

がくがくと震える股。

「ふふ、痛そう」

リンコはリュウの股の間に手を差し込み、陰嚢をたぷたぷと揺らす。

そんな微弱な振動すらも、リュウに追い討ちを掛ける。

新たな痛みが押し寄せる。

新鮮な痛みが何度も、何度も。

ズキンズキンと突き刺してくる。

「あひっ、ひっ、ああああ……!」

リュウはビクビクと背筋を跳ねさせ、懇願する様にリンコを見る。

精液をたっぷりと蓄えた、重みのある陰嚢が揺れる。

リュウは青ざめ、ガタガタと歯を打ち鳴らす。

「ふふ……男の情け、って言うやつですか?面白いですよね、男の人ってあんなに人をボコボコに殴れるのに……」

リンコは恍惚として、

「ここはッ、手出ししないんですからッ!」

「あああああぅあぁぁあーーッ!」

手に思いっ切り力を込め、握り潰した。

リュウの頭に強烈な電流が流れる。

スパークする様な痛み。

「でも女の人は普通に蹴れちゃうんです、自分はそんな痛み分かんないから」

手のひらが陰嚢を包み込み、力が入り、押し潰されていく。

ぐりぐり、ぎゅうううッ……。

何も考えられず、ただひたすらに泣き叫ぶ。

「あああああ!あっ!あっ!つ、潰れッ!やめてッ、やめてぐれええええええぇ!」


リンコは徐々に力を込めていく。

「そんなに痛いんですか、金玉。男の人って可哀想、ほんとに」

「やめでッ、やめえてえ!なっあああああ!」

リンコは、ふーん、と興味なさげに呟き、睾丸にコリッと爪を立てた。

爪がずにゅずにゅとめり込み、リュウの目の前に火花が散った。

「ひあああああああ!」

劈く様な悲鳴。

リンコは爪を離した。

「あああうぅぅ、うぅううう……ッ、あ、ぐぅうああぁ……」

ひゅーひゅーと息も絶え絶えに呼吸するリュウ。

226 名無しさん :2018/02/24(土) 04:30:17 ID:Txs3yP5c0

「ふふ……そんなに大事な所なのに、そんなに痛いのに……見て下さい、すっぽりわたしの手の中」

リンコの言葉通り、赤くなった陰嚢は片手に包まれてしまっている。

リュウは男のシンボルを女に文字通り握られてしまっている。

そして縮こまった陰茎ごと揉む様に、もみもみと手を動かした。

指先が蠢き、陰嚢に喰い込む。

「あおおおっ、おッ!うごおッ!」

固定された脚も手も、悶絶で揺れ動く。

しかし、外れることはなく金属具がカチャカチャと無機質な音を立てるだけだった。

リンコが手から力を抜く。

一瞬の解放感に息をついた。

「あが、は、はあはあ……」

「あなたのお名前は?」

一瞬の迷いを見せたが、リュウは従順に返答した。

「りゅ……リュウ」

「嘘じゃないですよね」

リンコの手がきゅっと窄まる。

それだけで、言い知れぬ恐怖がせり上がった。

「嘘じゃないぃッ!信じてくれっ、本当に本当だから、だからっ!」

リンコは苦笑いして必死なリュウを制す。

「わ、分かりました分かりました、リュウさん……ですね?」

可愛らしく小首を傾げるリンコに、リュウは半泣きでこくこくと頷く。

「この国に何をしに来たんですか?」

核心に迫る質問。

冷や汗が背中を濡らす。

緊張で乾いた口から、途切れ途切れに言葉を漏らした。

「……観光、だ」

リンコから笑顔が消える。

「バレバレの嘘つかないで下さいよ、舐めてるんですか」

「うぐあああああああああああッ!」

リンコはリュウの陰嚢を平手で力強く引っぱたいた。

「誰が、こんな、内戦続きの、緊迫状態の、中でッ、敵対している国に、観光なんかしに来るんです、かッ!」

パシッ、バシッ、バシンッ……。

どんどんと強まっていくリンコの叱咤。

「あああああ!ああッああ!あああいいいい!あああーーーッ!」

張り裂けんばかりの悲鳴。

陰嚢が手の平に思いっ切り叩かれ、叩かれた方向へとぶるんと揺れる。

かと思うと、すぐに新たにリンコの手の平が押し返す。

「ああぁあぁあああッ!ぎゃあああッ!」

「体だけ鍛えてても、ダメですよ?そんな見え透いた嘘ついて……ま、ここは鍛えられなかったみたいですけど」

リンコは力を込めて指先で陰嚢を弾いた。

「おっああああぁぁぁあああッ!」

227 名無しさん :2018/02/24(土) 04:32:29 ID:Txs3yP5c0

割れそうに痛い。

ズキズキと腫れ上がった玉が、余韻で惨めに震えている。

「五月蝿いです」

リンコの一言で、リュウの背筋が縮み上がった。

「ああおっ、おッ……ひ、ひッ……」

懸命に痛みを堪える。

リンコはそんなリュウを見つめながら、自身のポケットから何かを取り出した。

「う、ううッ……」

「じゃーん、これ何でしょう」

「……え……?」

リンコが持っているのは、小さな鍵だった。

リュウは目を丸くしながら、答えた。

「か……かぎ、か……?」

「ぴんぽん、大正解!正直に答えてくれたら外してあげます」

リンコは可愛らしく笑って、唖然とするリュウにしなだれかかった。

「正直に、答えてくれませんか……?」

ぴったりと胸を押し付け、指先でリュウの鍛えられた上半身を触る。

「あ、ふッ……くぅッ……」

「素敵な体……」

リンコはチロッと舌先でリュウの乳首を舐めた。

「んッ、はぁッ」

「可愛い……」

リンコがリュウの太ももを撫で回す。

柔らかい手の平が這い回る感覚に、堪らなく切なくなり始めた。

「うっ、ううッ」

「ふふ、大きくなっちゃってる」

あまりの気持ち良さに大きくテントを張るリュウの下腹部。

「脱がしますよ?」

「あ……」

リュウの陰部が全て露わになる。

リンコの前に晒し、外気に触れた事で、リュウの陰茎は更に大きさと硬さを増した。

リンコの手の平が竿を握る。

228 名無しさん :2018/02/24(土) 04:33:29 ID:Txs3yP5c0

「うっ……」

「おっきい、硬くてかっこいい……」

リンコにしこしこと優しく上下される度に、リュウはビクビクと反応を返した。

色じかけをされていると分かっていても、身体中を任せて快楽に身を捩る。

ものの数分で吐精欲求に襲われたリュウは息荒くリンコに訴える。

「あ、い、逝く、逝きそう、出そうだっ……」

「ねえ、教えてくれたらいかせてあげる……口でも受け止めてあげますよ……?」

リュウはその甘い誘いに口端から涎を垂らし、頷いた。

「おっ、おれはっ……スパイで、この国に来た……!はあっ、政府の内部構造を探る為に……っ!」

「なるほど、政府ですか。因みに何処の国の誰から?」

「あっ、〇〇国の、大臣の△△からぁ……!」

「へえ……」

「あっ、ああぁ、は、早くしゃぶって……」

「…………」

リンコがしゃがむ。

リンコの頭で自分の性器が隠れ、見えなくなる。

リュウが垂涎しながら待っていると、

「ふっぐう!?」

唐突に陰茎の根本を握られた。

すぐに冷たい感触が伝わった。

「……どうしてそんなに男の人って馬鹿なんですか?」

チャラ、と金属の音がする。

立ち上がったリンコ。

リュウの陰嚢は根元で縛る様に革具で固定されている。

リンコはそこから伸びるチェーンを握っていた。

「これ、なーんだ?」

「な……なっ」

「パラシュートストレッチャーて言うんですよ……ふふ」

そのチェーンの先端部には、丸い錘がぶら下がっている。

229 名無しさん :2018/02/24(土) 04:35:44 ID:Txs3yP5c0

「やっぱり金玉が悪いんでしょうねー、金玉があるから射精のことばっか考えるし……」

「や、やめ……」

「だから、こんなに弱いんですよ」

リンコは無慈悲に錘から手を離した。

ぷらん、と錘が垂れ落ちリュウの地獄が始まった。

「ああああああああああ!」

リュウの陰嚢が錘の重さで下へ、下へと引っ張られる。

「千切れるッ!ち、千切れぢゃうううう!」

「何甘いこと言ってるんですか?錘、まだ一つですよ?はーい、ふたつめー」

錘が取り付けられる。

更に下に引っ張る力が強くなる。

「ぎゃあああああッ!」

「みっつめー、これで何グラムくらいかなー?」

丸い錘が三つも取り付けられ、今にも引きちぎれそうに垂れ下がる陰嚢。

「あああああっ!いっ、いぎゃああああ!があッ!も、もう言ったがらああああ!外しで、はずじでえええ!」

リンコは四つ目の錘を持って、応えた。

「だって、別にあなたの金玉が千切れてもわたしには関係ありませんし。それに本当に千切れちゃった人もいますし……後始末もご心配なく」

その瞬間、リュウの眼前が反転した。

耳に入った言葉。

陰嚢が無くなり、不能にされた男。

興奮が頂点に達した。

今までに感じたことがない快感が突き抜け、脳を犯し、陰嚢が射精に合わせてきゅっと縮む。

陰茎がビクンビクンと激しく波打つ。

「あ、逝く、逝く、逝く逝く逝く逝く……!逝ぐううぅぅッ!」

リンコがリュウに目を向ける。

「え……きゃあッ!?」

230 名無しさん :2018/02/24(土) 04:36:19 ID:Txs3yP5c0

大量の白濁液が噴き出す。

「あ、あふっ……」

「…………」

そしてリンコの顔、手、胸、身体中をリュウの肉欲を体現するかのように汚した。

「まさか、自分の金玉が千切れるって聞いて射精したんですか……」

リンコは垂れ下がる錘を掴んだ。

そして引っ張ろうとした時あることに気がついた。

「流石に、ここまでの変態、は……?」

リュウは気絶してしまっていた。

陰茎からぴくぴくと残った精液を吐き出している以外、ピクリとも動かない。

「…………」

リンコは呆れと軽蔑を混ぜた様な顔でリュウからパラシュートストレッチャーを外す。

ビロビロに伸び切り、赤く腫れた陰嚢。

摘むと、まだ二つの玉が入っている事が分かった。

「もしかして、こっちも鍛えてたとか……?なーんて」

リンコはくすっと笑い、鍵でリュウの手枷と足枷を外していく。

「まだ色々道具はあったんですけどね……潰れるのが早いか、道具を全て試すのが早いか……」

最後の一つの拘束が解かれ、リュウは床に倒れ込んだ。

その時、遠慮がちなノックが響いた。

「はい?どうぞ」

「リンコ、様……」

リーダー格の男がおずおずと入ってくる。

「お……終わりましたか?」

「ええ、勿論」

「今日はその、遅かったので、心配で、無用だとは思いましたが……」

「大丈夫ですよ、バッチリ。名前はリュウ。〇〇国の△△大臣から命を受けたそうです」

リンコは自前のハンカチでリュウの精液を綺麗に拭い、乱れた着衣を整える。

「それ、汚いので片付けておいて下さいね」

リンコは道具に言っているのか、リュウに言っているのか分からない方を見つめ、服を翻して拷問室を出ていった。



231 名無しさん :2018/02/24(土) 04:40:38 ID:Txs3yP5c0
長くなってすみません…!
初めてなので拙い表現が多々あると思いますが、宜しければ是非お収めください

232 名無しさん :2018/02/24(土) 17:21:11 ID:3PQ2D8xY0
リンコさんのモデルに心当たりがある…
すごく良かったです

233 名無しさん :2018/02/24(土) 17:31:16 ID:dEzZFEyE0
すごく良い。
リンコさんの他の拷問シーンも見てみたい。

234 名無しさん :2018/02/25(日) 01:41:42 ID:LufDG.vU0
>>232
恐らくご想像の通りです、最初は意識していなかったんですが、もう十割〇くまさんですね…。さ〇まさん可愛い。少しでも楽しんで頂けたなら良かったです!

>>233
ありがとうございます、有難い言葉を頂けて嬉しいです!ニッチなジャンルなので大変ですよね…。自分も供給源になれたら良いなの思いで頑張ります。

235 名無しさん :2018/02/25(日) 01:44:47 ID:LufDG.vU0
『少年と女拷問官①』

「なーんとなく、ですけど……最近、視線を感じるんですよね」

リンコはお偉方との会食の最中に、ぽつりと漏らした。

大広間に招かれた沢山の客達。

大きなテーブルの上に置かれた前菜。

瑞々しい野菜と魚介の取り合わせが美しい一皿だった。

「し、視線ですか?」

既に手を付けていた部下が慌てて手を止め尋ねる。

「ええ、こんな時に言う話じゃないかもしれないんですけど……」

リンコは静かに厨房に目を向ける。

「……少し、気になって」

そんな彼女を引き戻す様に、

「まあ、リンコ殿は仕事が仕事ですからなあ……」

脂ぎった中年の官僚は言った。

そして隣の女に目をやる。

「なあ、あれはな」

女は男の視線を受けてくすりと笑った。

「うふふ、やだもうはしたないわ」

「…………」

リンコは静かに目を伏せ、皿に鋭くフォークを落とした。

丸々とした、赤いプチトマトの汁が弾け飛ぶ。

その場にいた、全ての者の顔が引き攣った。

「ごめんなさい、わたしったら」

リンコは微笑を浮かべ、口元を手で覆った。

「は、はは……」

中年の官僚は脂汗を浮かべ、曖昧に笑った。

その後は何事もなく進み、会食はお開きとなった。

客人が全員帰るのを見届け、スタスタと広間を出ていくリンコ。

「申し訳ございませんリンコ様っ、自分がいたのに、リンコ様があんなこと言われたのに、何も出来なくて」

部下はそんなリンコの後を必死に追いすがる。

「あー、はい、大丈夫ですよ」

「自分は今日程自分の無力さを呪ったことはありま」

リンコは素早く振り返り、鋭く部下の方向を指さした。

「も、申し訳、ございませんリンコ様……」

部下の脳裏に突き刺されたプチトマトが浮かんだ。

236 名無しさん :2018/02/25(日) 01:45:47 ID:LufDG.vU0

そして、リンコが男の睾丸をサディスティックにいたぶる情景。

ぷちり、と破裂する……。

「お許し下さいいいいい!」

部下は転がる様にリンコの元から逃げ出した。

リンコはそんな部下を見ることなく、指さした先から視線を逸らさない。

「そこ」

「…………」

リンコはため息をつき、腕を下ろした。

「何ですか?今さっきもわたしのことばかりずっと見てましたよね」

ゆっくりとカーテンに近づく。

細かく震えるカーテンに手をかける。

「……もう少し、上手く隠れたらどうでッ……!?」

開くと、そこにはへたりこんだ少年がいた。

「こ、子供……?」

リンコが目を瞬かせていると、少年の足元に水たまりが広がっていることに気がついた。

リンコの足先にまで広がる液体。

「えっ……えええええええっ!?」

リンコの叫び声と少年の泣き声が重なった。

「ね、もう泣かないで。どうしたの?」

リンコは自分の仕事部屋に少年を座らせ、彼の涙を優しく拭って微笑んだ。

少年はリンコの大きめの上着を着て、啜り上げている。

「君はコックさんなのかな?」

リンコが窓際に掛けた少年のコックコート。

リンコの手で綺麗に洗われたそれを見て、リンコは首を傾げた。

少年の首がこくりと縦に揺れる。

237 名無しさん :2018/02/25(日) 01:46:26 ID:LufDG.vU0

「そっかそっか、だから厨房にいたんだ、すごいねえ」

「でも、まだ、見習いだから……」

徐々に声を小さくする少年を励ます様に、リンコは少年の両手をぎゅっと握った。

「ううんそんなことないよ!すごいすごい!」

少年の頬が赤く染まる。

リンコはうんうんと頷き、少年の様子を窺う。

「それで……今までわたしのこと付けてたのって、君?」

「……ごめん、なさい」

「うーん、それはあんまりいい事じゃないなあ……」

リンコの表情が固くなる。

少年という立場を利用した他国からの刺客、はたまた国の内部崩壊を狙う反逆者。

目の前のあどけなさが残る少年を厳しく見据えた。

リンコの目から光が消える。

「お姉さんがどんな人なのか知ってるかなあ」

知らず知らずのうちにリンコの手に力が入り、少年の手を押しつぶす様に握っていた。

少年は掠れた声で答える。

「知って……る」

「そっかあ、そうなんだあ……ねえ」

リンコは声を低く落とした。

「どうして付きまとったりしたんですか?」

怯えきった表情で黙りこくる少年。

リンコは少年の手を握ったまま爪先を上げ、

「早く答えて下さいよ」

「……っ!」

彼の股の中心部に、ぴったりと押し当てた。

少年の額に冷や汗が一筋流れる。

238 名無しさん :2018/02/25(日) 01:48:10 ID:LufDG.vU0

リンコはふみふみ、と少年の股間を揉み込む。

「ご丁寧にわたしのことを調べ上げてくれたなら、この後のこと分かりますよね。出来るならばこんなことしたくないんですよ?」

リンコはぐっと力を入れた。

リンコの足先が少年の二つの睾丸を探し当てる。

「ふっ、うっ……!」

苦痛に顔を歪め、少年は体を攀じる。

リンコの足の指先が開く。

親指と人差し指の隙間が股座の奥へと潜り込む。

「これが睾丸。俗に言う金玉ですね、あなたが男の子である証拠」

そのまま、きゅっと指先で睾丸を挟み込んだ。

「あ……ッ!」

弾力のある玉がリンコの指の股に収まり、球形が歪む。

ひしゃげる睾丸。

少年はビクリと体を浮かせ、悲鳴と共に飛び上がった。

「ひあああぁあああッ!」

「逃げちゃダメですよー、男の子でしょう?」

リズム良く足の指が動き、開いて閉じてを繰り返す。

息つく暇もない、激痛の繰り返し。

鈍痛で痺れた玉を、ぎゅっと摘まれてはまた解放され、

「えいっ」

「あああああああ!」

無慈悲に足指で潰される。

ぶにゅっとした感触、即座に痛みと絶叫で応えてくれる男。

どうしてこんなに情けない器官がこんな場所に付いてるんだろう、と残酷な疑問がリンコの頭に湧いて、すぐに消える。

「ふふ、潰れちゃいそうですね」

おもむろにゆさゆさと足先で陰嚢を揺すると、少年は髪を振り乱して叫ぶ。

「ひいいいいいッ!ぐうッん!あああああ!」

金玉から伝わる痛みが下腹部に溢れ、上まで上り、頭を突き刺す。

リンコはまた足指で少年の陰嚢を挟み、口角を上げた。

「金玉って、何キログラムの圧力がかかると潰れちゃうか知ってます?」

「え……」

少年の顔がぐしゃりと歪んだ。

「ああぁごめんなざいごめんなざあああぁいいい!やめてッ!やめてやめてええええ!」

泣き喚く少年をリンコはニコニコと見つめる。

「一般的な睾丸は六十キロ前後で潰れると言われていますね。女の人の握力では無論、男の人でも早々出来ないんじゃないでしょうか」

「うっ、えぐ、うぎゅッ……」

239 名無しさん :2018/02/25(日) 01:48:50 ID:LufDG.vU0

「でーすーが」

リンコは足先を細かく動かした。

「それは金玉が袋で守られているから、とも言われています」

「え……あっ、あ……」

「また、睾丸自体が薄い膜で覆われているからでもあります。知ってましたか……まあどうでもいいんですけど」

リンコは睾丸をしっかりと挟み込んだ。

「うッ!う、あぁぁああぁ……!」

「そして、握り潰す、という行為は力の伝え方からして最も効率が悪いんです。ふふ、これって理科のお勉強になりますね」

今にもリンコの指先に捻り潰されそうな自分の金玉を見て、少年は気が遠くなるのを感じる。

「あ、ああっ、あ……」

「例えば、卵なんかでも。どんなに強い人が思いっ切り握っても割れません」

そう言えば卵みたいですね、とリンコは独りごちて笑った。

ダラダラと垂れる汗が少年の髪の中で熱気に変わり、篭っている。

赤く腫れ上がり肥大化した金玉から脳に激痛がドクドクと流し込まれる。

少年の身体中を危険信号が駆け巡る。

「流石のわたしもまだ握り潰したことはありません……握り潰したことは」

リンコは意味深に告げて、少年の手から自分の手を離した。

「言ってること、分かります?」

少年の頬に触れ、瞳を見つめる。

「つまり、指なんかでがっちりと掴んで、爪を食い込ませると」

それぞれの爪が挟み込んだ金玉を万力の様に押し潰す。

「先ほど言った卵の様に。睾丸は殻が砕ける様に外側が破れて、内側が弾けて、ぐちゃぐちゃに中身が潰れるんですよ」

「あ、ぁあああああ〜ッ!」

その途端、少年は力一杯泣き出した。

鼻水を垂れ流して、止まることのない涙で顔面を濡らしていく。

リンコは静かに彼を見守る。

「うっ、ひっ、ひッ、ぐ、ごめ、ごめんなさい、僕のあぞご、もう、虐めないで、ぐだざいお願いしまずッ……」

リンコは息を吐いた。

「……ねえもうさっさと言って下さいよ。あなたみたいな小便臭い子供の未来を奪っちゃうだなんてわたしの寝覚めが悪いじゃないですか……」

少年は涙で頬をぐしゃぐしゃに濡らし、赤らんだ顔を横に振って拒んだ。

リンコは面倒臭い、とでも言うように天上を見上げる。

少年の啜り泣きを聞き流しながら、リンコは考える。

そのまま暫く思いあぐね、唐突に少年に向き直った。

「じゃあ、あと三秒あげますね!」

いかにも名案を思いついた、そんな明るく弾ける様な笑顔。

240 名無しさん :2018/02/25(日) 01:50:27 ID:LufDG.vU0

「ふ、え……?」

目を輝かせてリンコは三本の指を立て、一本一本折り曲げていく。

少年がその手の動きに見蕩れていると、リンコは笑った。

「三秒カウントダウンしても言わなかったらあなたの金玉潰します。……あなたも真相も闇の中」

そして、指でぐっとすり潰すジェスチャーをしてみせた。

「上に一々報告するのも面倒なので。心配要りませんよ、わたしの愛すべき無能な部下があなたの素性さえも葬ってくれるでしょうから」

リンコはもう一度指を三本立てた。

「さーん……」

ふー、ふー、と少年の呼吸が荒くなる。

「にー……」

指が一本折り畳まれる。

一秒前よりも、確実に睾丸を挟み込む力が強まる。

「いーち……」

最後の指が、やけにゆっくりと下がっていく。

「ぜ」

瞬間、少年はせきを切った様に叫んだ。

「僕、リンコ様が好きでッ、それでッぼく、ずっと見てて、僕ッ、ぼ」

「……え」

リンコは目を点のようにして、少年を見ていた。

「えッ」

ぷちっ。

音などしないはずなのに、二人の頭には、確かに破裂音が響いた。

リンコ泡を吹く少年を見下ろす。

「……これは、明日は相当寝覚め悪いですね」



241 名無しさん :2018/02/26(月) 01:05:47 ID:7rC4hY7c0
初めて書いてみました。

【会社の同期】①

ラインで連絡があったのは突然だった。美和は会社の同期で、特別仲が良い関係ではないが、新人研修で同じグループになったりして、一緒に行動することが多かった。
俺の自宅の近くで飲んでいたらしく、あと一歩のところで終電を逃したらしい。
慌てて駅のホームから、俺とのラインに「ごめん、今夜泊まらせて」と送ってきた。
あまり女の子から人気を集めるタイプではなく、彼女ではない女友達を泊めた経験はなかったが、拒否する理由もないので、「狭くて汚い部屋だけど」と断った上で、受け入れた。


「全然、綺麗じゃん」
美和は窮屈そうにブーツを脱ぎながら、BGM代わりにテレビをつけようとした俺に声を掛けた。

「いや、慌てて片付けたんだよ。まぁゆっくりして」
「じゃあ、お言葉に甘えて。先に言っとくけど、変なことはしないでね」

美和は冗談めかして言いながら、シックな黒色のハンドバッグを置いて、椅子に腰掛けた。
取り引き先のお世話になった人たちと飲んでいたらしい。美和がジャケットを脱ぐと、
シャキッとしたワイシャツ姿になる。体のラインが出るような服装ではないが、
胸のあたりは程よく主張している。美和のスタイルが良いことは当然知っていたが、
俺は息を飲んでしまっていた。

242 名無しさん :2018/02/26(月) 01:07:26 ID:7rC4hY7c0
【会社の同期】②

もう12時を過ぎていた。酒には強い美和だったが、さすがに疲れていたようで、
大した世間話もしないうちに、

「あー、ごめんもう寝るね。シャワーは明日朝帰って、自分の家で浴びるから」

ショートカットの茶髪をかき上げながら美和はそう言うと、俺のベッドの隣に敷いておいた布団に飛び込んだ。

俺も明日は仕事で朝が早い。
少し暑かったのか、掛け布団をせずにうつぶせに横たわる美和のお尻あたりに一瞬目をやった後、静かに電気を消した。

美和は絶世の美女というほどではないが、愛嬌もあって同期でなかなか人気だった。
そんな美和が隣で寝ていると思うと、どうもいつもより寝つきが悪い。
だんだんと目が慣れてくると、うっすらと美和の体が暗闇に浮かび上がってきた。

美和はいつのまにか寝返りを打って、仰向けになっていた。
小柄な美和には男物が合わなかったので、そのままのゆったりとしたパンツ姿だ。

すー、すー、と美和の寝息が聞こえる。
はじめは美和の可愛らしい寝顔を優しく見守るように見ていたが、徐々に視線が下半身に移動していき、俺はいつの間にか美和の股の間あたりをじっと見ていた。
もちろん柔らかい胸も女性の象徴だが、股ぐらの部分がピタッと張り付いているところを見ると、俺は興奮を抑えられない性癖があるのだ。男にはもっこりと膨らんだあそこがあり、女には付いていないからこそ平らになる。

243 名無しさん :2018/02/26(月) 01:08:20 ID:7rC4hY7c0
【会社の同期】③


「少しだけなら・・・」

俺は強い衝動を抑えられず、身を乗り出して美和の股間にそっと手を触れた。

「うわ、付いてない」

心の中でそうつぶやき、2回、3回と指を短く往復させた。


「・・・オイ」

低い音だが、確かに女性の声が耳に突き刺さった。
声の方向に振り返ろうとした瞬間、美和がすごい勢いで起き上がると、俺の肩をつかんでベッドから引きずり降ろそうとした。

俺はあっけに取られながらもとっさに片足を床につき、踏ん張ろうとするー

ドスっ。

体の中心に衝撃が走り、脳みそが揺れた。
美和の膝が俺の股間にめり込む。思わず倒れこみそうになるところを手で支えられ、とどめのもう一発。美和のキックは少しズレていて、当たったのは2発とも右の玉だけだったが、これだけ強く蹴られれば、ダメージを受けた玉の数と痛みの強さは関係がない。

俺は完全にノックアウトされてしまい、大きく息をしながら下腹のあたりを抑えてうずくまる。

「信じられない。あんたそんな奴だったんだね」

美和の方も普段の寝床とは違いせいか、うっすらと意識が残っており、俺の愚行に気づいていたようだ。

244 名無しさん :2018/02/26(月) 01:09:32 ID:7rC4hY7c0
【会社の同期】④

「ううう」
なんとか返事をしようとするが、うなり声にしかならない。

「そんな痛いの? 私にはわからないけど。まぁ、そんなもの付いてるから、変なこと考えるんだよ」

美和は蔑んだ目でそう言いながら、俺の少し伸びた髪を掴んで持ち上げる。

「ほら。もう1回触ってみる?」

挑発するように言った美和が俺の片手を持つと、自分の股間を触らせる。

やっぱり付いてない。このどうしようもない痛みを発生させる根源が、目の前にいる女には付いていない。同じ痛みを与えようとしても、味わせることができない。

意識が朦朧とする中、そんな屈辱と興奮が入り混じった感情が湧き上がる。
なんとか我に返ろうと軽く息を吐くと、

「なに、興奮してんだよ」

膝立ちになっていた俺の股間に向かって、ボールを蹴るように足を振り上げると、
美和の背足が、今度は左の玉に直撃した。
パシーンとスナップの効いたキックは、男にとってあまりにむごいものだった。

先ほどを上回る鈍痛がこみ上げてきて、腹の奥の方をぎゅーと強く締め付ける。
男に生まれてしまったからこその痛みを、なんとか全身で受け止めようとするが、もう余力がない。

「果たして俺の玉は2つとも無事なのか」
今更そんな心配をしながら、俺の意識は遠のいていった。


「金玉蹴られただけで男は女に勝てないんだから。ほんとザコだよ」

ほとんど気を失っている俺に美和はそう吐き捨て、ジャケットと荷物を持って部屋から出ていった。


終わり

245 名無しさん :2018/02/26(月) 01:10:50 ID:7rC4hY7c0
以上です。
至らないところばかりだと思いますが、よろしくお願いします。

246 名無しさん :2018/02/26(月) 01:55:31 ID:uxy2mah20
>>245
最高です、この作品のように女性には付いていない点を強調する話はやっぱり良いですね。
物語の設定の点でも、会社の同期という今まであまり無いパターンで新鮮さがありました。
是非他の作品も読んでみたいです!

247 名無しさん :2018/02/26(月) 19:25:00 ID:ucdTmyME0
お二方乙
投下ラッシュの流れいいぞもっとやれ

248 ビューティーファイター :2018/04/18(水) 02:26:23 ID:3SMeoXXE0
金的ファイターを助けろと何度言ったら分かるんだ?

249 名無しさん :2018/04/23(月) 01:28:21 ID:..2z5org0
すっかり温かくなり金的の季節となりましたね

250 名無しさん :2018/04/23(月) 23:29:28 ID:Bjbp5h/s0
>>249
金的に季節はそこまで関係ないよ

251 名無しさん :2018/04/23(月) 23:32:28 ID:Bjbp5h/s0
>>248
それを言い換えると、「金的攻撃をして戦う人を助けろ」ってことだね
ところで、ここも最近は書き込みの頻度が低いな
気長に待つか

252 名無しさん :2018/04/24(火) 10:03:28 ID:iIlm4BOY0
ネタにマジレス

253 名無しさん :2018/04/25(水) 12:33:27 ID:W0ZC9aTY0
次に来るのはいつになるかな

254 名無しさん :2018/04/28(土) 00:28:28 ID:NYa6s8.A0
>>252>>250>>251に関する書き込みだね

255 名無しさん :2018/04/28(土) 00:29:28 ID:NYa6s8.A0
>>252>>250>>251に関する書き込みだね

256 名無しさん :2018/05/13(日) 20:22:24 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』①


「は? キンタマを蹴ってほしい?」
「ちょっ、こ……声大きいって」

怪訝そうに反芻した私を制するように悠馬が言う。

「いや、あんた今そう言ったじゃん」
「言ったけどさ……」

悠馬はもじもじと、恥ずかしそうに両手の指をくっつけたり離したりしている。乙女か。

「でも、なんでいきなり?」
「いや……その、カスミ、よく蹴ってるだろ。クラスの男子の……」
「キンタマ?」
「う、うん」

悠馬はさっきから、私が「キンタマ」と発声するごとに妙に恥ずかしそうにしてうつむく。
普通は逆だと思うんだけどな。男女。

「確かによく蹴ってるけど……あれはあいつらが悪いんじゃん。悠馬だって知ってるでしょ? 私、何の理由もなく男子のキンタマ蹴ったりしないわよ」
「う、うん。それはよくわかってるよ。三浦君とか田辺君とか、本当懲りないよね……はは」
「そうよ。昨日なんか、またホウキで私のスカートめくってきたんだから。昭和の小学生かっつーの。思いっ切りキンタマ蹴っ飛ばしてやったわ」
「ああ……見てたよ、それ。二人とも、すごく痛そうにしてたよね。ははは……」
「でもあんなの、どうせ演技じゃないの? そもそも私、そんなに強く蹴ってないし」
「いやー……どうかな。はは……」
「まあでもキンタマだしね。やっぱり軽く蹴っても痛いか。ま、私には男子のキンタマの痛みなんて分かんないんだけどね。キンタマ付いてないから」
「は、はは……」

いちいち赤面する悠馬の反応が面白く、ついつい意図的に「キンタマ」と連呼してしまう私。
とはいえ、そろそろ本題に入らないと昼休みが終わってしまう。

「で……さっきの続きだけど」
「うん」
「マジなの? 悠馬。私にキンタマを蹴ってほしいって」
「う……うん………」

悠馬は先ほどと変わらず、もじもじした仕草を繰り返している。

私と悠馬は、いわゆる幼馴染という関係だ。
幼稚園の頃から中学三年の現在に至るまで、ずっと一緒に居る。

昔から勝ち気で男勝りな私に対し、いつもうじうじ、なよなよしている悠馬はまるで女の子みたいで、小学校の頃はよく、クラスの男子達から「男女逆転カップル」なんてからかわれた。
ま、そんなこと言ってくる奴らは片っ端からキンタマ蹴っ飛ばし+電気あんま10分かけ続けの刑に処してやったけどね。あはは。

257 名無しさん :2018/05/13(日) 20:29:24 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』②


私が懐かしい思い出に浸っていると、悠馬がぽつぽつと話し始めた。

「カスミはさ、今でこそ……変なちょっかいをかけてきた男子くらいにしか、その、そういうことしてないけど……昔はそうでもなかったよね?」
「あー……そういえば、そうだったかも」

確かに言われてみれば、幼稚園とか小学校低学年くらいの頃までは、特に何の理由もなく、その辺の男子のキンタマを蹴っ飛ばしたり、電気あんまをかけたりして遊んでいたような気がする。
今思えば結構ひどい事をしていたようにも思うけど、まあ子どもの頃の話だしね。とっくに時効でしょ、時効。

「それで、その、僕にもよくやってたでしょ?」
「あー……そういえば、そうだったかも」

さらに思い出してみれば……幼稚園の頃、何かの拍子(些細な喧嘩でもしたんだっけか)で、悠馬の股間を蹴ってしまったとき、尋常ならざる痛がり方をしていたような記憶が……。

……そうか、あれが最初のきっかけか。

あのとき、「キンタマは男子の急所なんだ」ということを認識した私は、それからというもの、何かあっても、何もなくても、毎日のように悠馬のキンタマを蹴って遊んでいた。
さらに、テレビのバラエティ番組で知った電気あんまも、悠馬に毎日のようにかけて遊んでいた……。

「でも、それがどういう……?」

私は尋ねながら、じっと悠馬の顔を見る。
とはいえ、ここまでの流れでもうなんとなくわかっていたのだが、一応本人の口から聞きたかったのだ。

「いや、まあ、その……昔、カスミに……よく蹴られたり、かけられたりして……すごく痛かったんだけど、それが妙に、その……」
「気持ち良かったってこと?」

待ちきれずに聞いてしまった。

「…………」

悠馬は無言でコクリ、と頷く。

「マジかー……」

まあ、これまでの会話の流れから何となく察しはついていたものの、改めてはっきり認識すると、やはり嘆息せざるをえない。
まさか十年来の幼馴染が、こんな変態的な性癖を有していたとは。
しかもそれを目覚めさせたらしいのが、他ならぬこの私だったとは。

258 名無しさん :2018/05/13(日) 20:33:58 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』③


「……でもさ、私が悠馬のキンタマ蹴ってたのって、せいぜい小学校の低学年まででしょ? その後は私、蹴ってないと思うんだけど」
「うん」

流石の私も、小学校の中学年になる頃には、何も悪いことをしていない男子のキンタマを蹴ったりするのは良くないことだなと悟り、いつしか悠馬(およびその他の無害な男子達)に急所攻撃をするのはやめたのだ。
もちろん、くだらないちょっかいをかけてくるような奴らは別だけど。

「でも、いざやられないようになると、なんか、こう……」
「また前みたいにされたい、って思うようになっちゃったの?」
「うん」
「マジかー……」

ん? でも待てよ。
ってことは……。

「じゃああんた……小学校低学年の頃から今日まで、何年間もずっとそんなこと考えてたの?」
「うん」

うんって。

「じゃあ言えばよかったじゃん。別にキンタマくらいいくらでも蹴ってあげたのに」
「いや……流石にそれは……」
「恥ずかしい?」
「うん」

もう十年以上の付き合いになるが、未だにこいつの羞恥ポイントがよく分からん。

「じゃあ、なんで今になって言い出したのよ」
「いや……それが、自分でもよくわかんないけど……」

照れくさそうに頭をかきながら、悠馬は続ける。

「最近、カスミ、すごく可愛くなってきて……段々、自分の中の『またカスミに蹴られたい』っていう願望が、抑えられなくなってきて……」
「はぁ」

こんな文脈で可愛いとか言われてもな。

259 名無しさん :2018/05/13(日) 20:36:14 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』④


「それに今でも、カスミはちょっかいをかけてくる男子には、その……蹴ったり、かけたりしてて……」
「キンタマを蹴ったり、電気あんまをかけたり?」
「う、うん」

悠馬は頑なに目的語を省略しようとするので、それをあえて補う私。

「それで、その……そういうのを見てると、なおさら、抑えられなくなってきて……」
「ふーん」

悠馬は大まじめに話しているが、私には全く理解ができない。
大体キンタマを蹴られたいって時点で意味分からん。

「でも急所でしょ? 男子のキンタマって。普通に痛いんじゃないの」
「うん、まあ痛いんだけどね……」
「ふーん」

正直これ以上話を聞いても、私がこいつの性癖を理解するのは一生かかっても無理だろう。
そう結論付けた私は、

「まあいいや。要は私にキンタマ蹴ってほしいってことでしょ? いいよ。蹴ってあげるよ」
「! い、いいの?」

そんなに目を輝かすな。
幼馴染とはいえキモイわ。

「ご、ごめん」

しまった。
思わず声に出てしまったようだ。

「……別に、昔はよく蹴ってたわけだしね。ただ、まさかあんたの方から『蹴ってほしい』って頼まれる日が来るなんて夢にも思わなかったけど」
「ご、ごめん」
「いいって。じゃ、足開きなよ」
「う、うん」

少し緊張した面持ちで、足を肩幅ほどに広げる悠馬。
よく考えたら、いつもは鬱陶しい男子のキンタマを強制的に蹴り上げているだけなので、こんな風に「さあ蹴って下さい」みたいなシチュエーションでキンタマを蹴るのは初めてだった。

「……一応聞くけど、これ、思いっ切り蹴ってもいいの?」
「うん」
「本当に? 潰れても知らないわよ。キンタマ」
「うん」

うんって。
まあ、本人が良いならいいか。

260 名無しさん :2018/05/13(日) 20:41:13 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』⑤


「よーし。では……」

せっかくなら本当の本気、全身全力で蹴ってやろうと思い、私は悠馬の股間、キンタマがぶら下がっているであろう位置に視線を固定する。
仮に潰れても一個は残るでしょ。多分。

「……いくわよ」
「うん」
「――――」

私は右脚を勢いよく後方に跳ね上げると――……

「おりゃあっ!」

 ボグッ!

「!」

悠馬の身体が、一瞬浮き上がる。
男子にしては小柄な悠馬は、私とほとんど同じくらいの身長で、足だけなら多分私の方が長い。

全力で振り抜いた私の右脚は、悠馬の身体の正中線、即ち二個のキンタマを完全かつ的確に捉えていた。
実際に音が聞こえたわけではないが、擬音語を用いるなら「ミシミシッ」という表現がぴったりくる。
それほどに確かな感触――二つの玉が押しつぶされていくそれ――を、私は自分の右脚の甲に感じていた。

パンッ、と私は右脚を引き戻した。

次の瞬間、

「あ……あぐぅ……」

まるでB級バトル漫画で死んでいく雑魚キャラみたいな声を出しながら、悠馬が地面に膝を着けた。
そのままズシャッと、額まで地に着けてしまう。

「あ……あぁあ……」

悠馬は両手で股間を押さえたまま、地獄の底のような声で呻いている。
おそらく想定していた以上のダメージだったのだろう。

考えてみれば当たり前の事だった。

私が最後に悠馬のキンタマを蹴ったのは小学校低学年の頃だが、その後も私は、鬱陶しいちょっかいをかけてくる男子達のキンタマを毎日のように蹴り続けて今日まで来たのだ。
必然、キンタマを的確に捉える蹴りの精度も、蹴りの威力そのものも、悠馬が知る頃とは比べ物にならないくらい進化しているはずだ。
大体、体格も筋力も、この数年間で相当成長しているわけだし。

261 名無しさん :2018/05/13(日) 20:43:39 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』⑥


「はー……はー……」

悠馬は地面に額をつけたまま、肩で息をしている。

「…………」

そんな悠馬を見ていると、私は段々、自分が普段、他の男子のキンタマを蹴った時とは異なる感情を抱いていることに気付いた。

「……どうだった?」

蹲る悠馬を見下ろしながら、私は尋ねる。
おそらく、先ほどまでとは全く違う声色で。

「はー……はー……」

しかし、悠馬はまだ言葉を発することができない。
私は身体の奥が熱くなってくるのを感じた。

「答えなさいよ」
「!」

グリッ、と悠馬の頭を踏みつけた。
名状しがたい感情だった。

「ほら」

足に少し力を籠める。
より一層、額を地面に擦り付けるように、そのままグリグリと踏みにじる。

「……い……」
「い?」
「……いたい……」

蚊の鳴くような声だった。
ぞくぞくする。

私は悠馬の頭を踏みつけながら、笑った。

「あはは! そりゃそうでしょ。だってキンタマだもん。男の急所でしょ?」
「…………」
「でも、これはあんたの望んだことだからね? 怒ったりしないでよ?」

言いながら、私は悠馬の頭から足を離すと、そのまま背後に回った。

262 名無しさん :2018/05/13(日) 20:45:28 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』⑦


「よっ、と」

地面にしゃがみ込み、悠馬の両足首を掴むと、そのまま引っ張る。

「え……?」

まだキンタマのダメージが残っているのだろう、悠馬はされるがままになっている。

「せっかくだからこれもやってあげるよ」
「! か、カスミ、ちょっ……」
「おらっ!」

素早く、右脚を股間に強く突っ込む。

「あぐっ!」

悠馬が悶える。
まだダメージの残るキンタマだ。足の裏で押されるだけでも相当苦しいのだろう。

「あははっ!」

自分は一生味わうことの無い、無様な男子の苦痛に想像を巡らすと、面白くて仕方がなかった。

そう。

今、私は悠馬の両足首を持ち、悠馬の股間に自分の右脚をあてがっている状態だ。

「か、カスミ……きょ、今日は、もう……」

気付けば、悠馬は涙目になっていた。
でも今更泣き言を言ったって、もう遅い。


―――だって、これはあんたが望んだことでしょう?


「……今、思い出したわ」
「えっ?」
「何で昔、私が何の理由もなく、あんたのキンタマを蹴ったり、電気あんまをかけたりしてたのか……」
「…………」
「あんたの……悠馬の――……苦痛に歪んだ泣き顔を見るのが、好きだったから」
「!」

悠馬の顔が恐怖に変わる。
そうそう、そんな顔だった。

263 名無しさん :2018/05/13(日) 20:47:34 ID:NebC0mKk0
『幼馴染』⑧


「か、カスミ……! お、お願いだから……」
「はーい。じゃあ久しぶりの電気あんま〜っ」

私は悠馬の懇願を無視し、ありったけの力を右脚の振動に込めた。

 ガガガガガガガガガッ!

「! う、あ、あぐぇっ!?」
「あはは! 変な声〜!」

 ガガガガガガガガガッ!

「あ、あぎっ、あ、つ、つぶれ……」
「ん〜? どうしたの〜? キンタマつぶれちゃうの〜? でもさっき、つぶれてもいいって言ってたよね〜?」

 ガガガガガガガガガッ!

「あ、あぐぅ、あ、ああっ!」
「あははは! 大丈夫だって! 別に一個くらい潰れたって、死にはしないでしょ! ほ〜ら、もっと振動強くするわよー!」

 ドガガガガガガガガガガガガッ!!

「あ、あんっ! あ、ああああああっ!」
「あははは! もっと苦しみなさいよ! ほらほらほらほら!」


――……遠くで、昼休みの終了を告げるチャイムが聞こえた。


五時間目の授業、私は遅刻して先生に怒られた。
一方の悠馬は「体調不良」で保健室に直行したため、怒られず。

……なんか、理不尽な感じがする。

ま、いいや。
また今度、悠馬のキンタマ蹴って憂さを晴らそう。

後で聞いたけど、結局二個共潰れてなかったみたいだし。
結構頑丈なんだね。

あはは。






<了>

264 名無しさん :2018/05/13(日) 23:33:21 ID:upkW4yqU0

シチュエーションが好みど真ん中で最高だった

265 名無しさん :2018/06/14(木) 17:35:03 ID:hOmm4C3g0
>>111
すごい亀レスだけど本スレが荒れ始めてから見てなくて最近スレみたらここ発見して、このSS凄く良かったです。
自分もよく男性を去勢する組織の妄想してたから滅茶苦茶ツボだった
性差表現が良いし皆キャラがたっているから続編や同じ世界観のSSを是非読んでみたい。

266 名無しさん :2018/07/27(金) 13:26:29 ID:ZBgaXXW60
夜月さんpixiv退会しちゃったんだな

267 名無しさん :2018/07/27(金) 19:59:36 ID:FTWE9MBE0
大分前からな
もう一年近くになるんじゃないか

268 名無しさん :2018/07/27(金) 20:30:41 ID:Xg1CG6a20
何書いてた人だっけ
あまりお世話になった記憶がない

269 名無しさん :2018/07/28(土) 09:17:47 ID:3iBJtHQo0
外部の話題禁止だからアレだけど

上手いし書くの速いけど作品をしばしば削除する人だと思う
繊細なのかもだけど、ちょっと精神的に不安定なカンジあった

270 名無しさん :2018/07/31(火) 20:41:51 ID:l92wnPvI0
「ローカルルール(暫定)」だから、話し合って
そろそろ変えてもいい頃じゃないの?
このスレも定着してきたし

271 名無しさん :2018/08/01(水) 04:12:07 ID:CaAyOB0.0
それは管理人さんの意向次第

272 名無しさん :2018/08/01(水) 04:51:23 ID:rsVogR6A0
その為に議論スレがあるのでそっちでやろうか

273 名無しさん :2018/08/04(土) 22:37:52 ID:zdFOUNdg0
賛成
外部サイトの話題解禁の議論をしよう

274 名無しさん :2018/08/05(日) 15:23:32 ID:FPa71v820
別にいいんじゃないの?
外部サイトに迷惑かけないなら情報共有して活気がある方がいいと思う

275 名無しさん :2018/08/06(月) 00:05:11 ID:Cxq4A3ks0
今外部板の話題になってますが、エクストリーム空手の続きは別で投稿されてるというレスを見たのですが本当ですか?
貼って頂きたいです

276 管理人★ :2018/08/13(月) 20:52:59 ID:???0
ローカルルールに関してのご提案ありがとうございます
本日より批判所での外部サイトに関する書き込み禁止というルールを変更致します
詳しい注意事項はサイト上部の欄に掲載しましたので一読下さい
今後は皆様方の情報共有の場としてもご活用下さい
議論スレへの意見も一段落致しましたのでこちらにて報告させて頂きます

この件に関する疑問・意見等があれば気軽に議論スレに書き込み下さい
また、新たに問題が起こってしまった際には再度ルール変更をさせて頂くこともありますのでご了承下さい

277 名無しさん :2018/08/13(月) 23:07:08 ID:8hsa052I0
>>276
管理人さん、ありがとうございます。
引き続き、よろしくお願いします!

278 名無しさん :2018/08/14(火) 22:17:48 ID:eEM6qwdk0
じゃあ早速
>>275
自分も以前にそれ見て探したけど見付からず…恐らくデマだろうと結論して諦めた
是非復帰してほしいし続きも読みたいですねえ
もし実在して作者がリンクなり公表なりを禁じてないなら情報求みます

279 名無しさん :2018/08/15(水) 22:31:31 ID:3wztssbs0
>>275
「エクストリーム 金蹴り」で検索すると
「最強格闘王女伝説綾香」と言う長編小説が出てくる
金蹴り描写もあるけど、冒頭からストーリーが違う

280 名無しさん :2018/08/16(木) 10:57:52 ID:qw53qhV20
>>266-269
やっぱりここの住人は押さえてるよね
自分は群を抜いて好きだった
恐らく本職は女の子同士のプロレスとかマン蹴り電気アンマの股関攻撃だったんだけど
ミックスファイトも沢山書いてくれてて金蹴り描写も事細かにあった
男女差は勿論金的の性差表現も外さないし、情景やキャラ毎のセリフの作り込みも相まってそもそもの読み物としてのレベルが高かった
自分でもキモいけどべた褒めするくらいファンで退会された時は本気でショックだったわ

281 名無しさん :2018/08/17(金) 02:33:14 ID:r03mLeQ60
>>278
>>279
やっぱり無いんですね…
復活して欲しいものです
エクストリーム空手に限らず他にもまだ書き手がいればここで投稿して欲しい

282 名無しさん :2018/08/31(金) 23:25:11 ID:jCcZM/NU0
------------------------------------------------------------------------
(テロップ):まず、お名前と年齢を教えてください

「シノブです。21歳」「サツキ、18でーす」

(テロップ):このシリーズのご経験は?

「今回で46回目……よね?サツキさん」「いや、45回目ですよ、シノ先輩」
「え!あ、ゴメンなさい、45回目でした。1回はプライベートで」「他のシリーズも宜しくおにゃーしゃーす」

(テロップ):プライベートで?詳しく聞かせてもらえますか?

「その、ご縁のはじまりがそれで、18の時に」「サツキは、ガチなのってココに来てからですねー」

(テロップ):ココに来てからが初めてですか?不勉強で、どんな動画かは拝見できていませんが……素人とは思えないってもっぱらの評判ですよ?

「サツキさんは最初からシッカリしてましたから」「初めてって思って見直して頂けると、新しい発見が有るかも知れませんねー」

(テロップ):その格好は?

「ゴメンなさい、見苦しいですよね。あの、今回の主演の方が、昔の同級生で」「いいでしょ?私が通ってた学校の制服。可愛いって有名だったんですよぉ」

(テロップ):同級生!?彼氏ですか?

「……その、そんな感じです。繋ぎとめられなかったんですけど」「えー、ヒドーイ!それじゃ、リベンジですね、シノ先輩」
「そんなつもりは……私の魅力が足りなかったのが悪いんですから」「またまたー」

(テロップ):いや、本当にそうですよ。お二方とも、服に負けない美人さんじゃないですか。

「いえ、あの、困ります……」「あはは、先輩ったら照れちゃって。でもありがとーね♪オジサマったら、お上手☆で―――



-----------------------

283 名無しさん :2018/08/31(金) 23:25:42 ID:jCcZM/NU0
あの、シノブです。
導入部分を思い出しながら、次のステップに思いを馳せさせて頂いています。

ここは、『娯楽室』と呼ばれている場所。

カメラの前で、二人。サツキさんの受け答えは堂に入ったもので、見ているだけで惚れ惚れとしちゃいます。
それに引き換え、私ときたら。年甲斐も無く、制服なんて着て。目線は伏せがち、俯きがち。背中も丸めてしまって、我ながら情けない限りです。

必死に身を縮めようとしていたみたいですけど、傍目から見ると、無駄に大きな胸をやたらと強調しているようにしか見えません。
サツキさんは、清楚な女学生って言葉がピッタリなのに。私ときたら、張り詰めた胸元から、黒い色がクッキリと透けて、ふしだら……えーと、なんて言うんでしたっけ?
そう、とてもビッチっぽい……これ、使い方間違っていませんよね?

でも!あの、言い訳になっちゃうんですけど!でも、衣装併せの時は、ベージュの下着にしていたんです。透けちゃうから。
そうしたら、サツキさんから『極めて悪いと評価しました』とか、通販のレビューみたいなことを言われてしまって……、いや、私の責任ですよね。

小学生の頃から大きくて、エッチなコってレッテルを貼られていた身としては、コレ、本当に邪魔なんです。
あ、分かってほしいわけじゃないの。そんなに図々しいことは言えません。それに、皆が私のことをいやらしいって言うなら、きっとそれが正しかったんです。

大きいことは良いことです、なんて、サツキさんは慰めてくれます。遠い目をして。
本当は、私の方がリードしてあげないといけないのに。後輩にまで気を使わせてしまって……本当、自分が嫌になる。

昔から、私は皆に世話をかけっぱなし。今日だって、お二人をお相手しないといけないのに、無理を言って、『彼』だけを別枠にしていただいて。
それでも、皆、優しいですから。私は、いつも甘えっぱなし。皆さん、それは気づいているのでしょうけれど。。

あの時、私は裏切られた気分でしたけど……本当は、単に私に愛想が尽きただけだったんでしょう?貴方も。
恨んでなんかいません。私には、過ぎた幸せだったのですから。私も、貴方を少しでも幸せにできていたなら、それだけで―――

目線の先には、一人の男性。私にとっては、特別な顔です。サツキさんは、量産型っぽーいって評していましたけれど。
太平楽に高鼾のその姿。私なんかには望み得べくもない、平凡な日常を想起して、一抹の寂しさを覚えます。
あの頃は、部活でクタクタになっていたのでしょうその姿を見ながら、明日のお弁当の用意に頭を悩ませていましたっけ。

異常な点は、彼が一糸纏わぬ姿であるところでしょうか。
全裸で這い蹲っているべき立場が入れ替わっている。それだけで、彼に対して申し訳ない気持ちが沸いてきます・

「ほら、シノ先輩!しゃんとして!」

背中に平手の感触。知らず知らず、私はまた丸まっていたみたいです。目線を上げると、満面の笑顔の後輩。
眩しさに、思わず目を細めてしまうと、再度、バシンと背中を叩かれます。。

回りのカメラを見渡して、しょぼくれた顔をしていましたっけと反省。
とはいえ、隠しカメラですから、張り合いが無いって……あぁ、また、言い訳です。気持ちのネガティブスパイラル。

「先輩がそんなで、どーするんですか?!そんなんじゃ、この人も不安になっちゃいますよ?」

本当に、優しいコです。私の相方なんかには役不足もいいところ。
気を使わせてしまったことが情けなくて、それでも。意識的に背筋を伸ばして、決然と……そんな気合で、上を向きます。

284 名無しさん :2018/08/31(金) 23:26:12 ID:jCcZM/NU0
 天井で、大きなサーキュレータが回っています。最初は、何で扇風機が天井についているのかしらと不思議でした。
後で聞いたところだと、エアコンで冷えた室内の空気を攪拌するためなんだそうです。ウチにはエアコンも無かったですし、
無いのが普通だと信じていたので、実際のところ、今でも必要性は分からないのですけど、ね。これは秘密です。

この部屋に備え付けられたエアコンも、もう結構使い古されていて。長時間動かしていると、水漏れしてしまうんです。
床に敷き詰めた、真っ白いシーツに染みがついてしまうので、洗濯しているといつも閉口してしまうのですが。

もう一回。強めに背中を叩かれます。今回は、前についたお肉が揺れるほど、強い衝撃。
上の空だったのが見抜かれてしまったのでしょうか……恐る恐るサツキさんを見やると、彼女の視線は私に向けられていませんでした。

「う〜〜〜〜〜」

聞き慣れた声。あの人が、目を覚ましたみたい。瞬間、緊張が背筋を走るのを感じます。
いつものことで、これは彼のためでもあると信じているのですけれど、それでも。本当、駄目ですね、私は。

「シノブ……?」

胡乱な瞳で此方を見やると、彼の口から言葉が零れました。
ドクン、と。一拍だけ、心音が跳ね上がったのは、誰にも気付かれていないと信じたいです。

それでも。私の役立たずの口は、震えるばかりで何一つ言葉を発することが出来なくて。
あんなに、色々と話したいことがあったのにと、心だけが焦燥に苛まれるばかり。悔しくて、申し訳なくて、目尻に涙が滲む。

と。

「おはよう、おにーさん。ごきげんいかがですか?」

場違いなほどに、穏やかな声音。サツキさんの顔は微笑を湛えていて。
台本とは違う台詞だけれど、その言葉は彼と、そして私に対する思いやりに溢れていることは痛いほど分かりました。

彼女には、恐れ多くて頭が上がりません。きっと、あのコは笑って流すのでしょうけど。

なんで、私はああじゃないんでしょうか。彼女の様になれるのならば、何を捧げても悔いは無いのに……コレも、高望みですね。

異様な雰囲気を感じ取ったのか、『彼』の目線は右に、左にと泳いでいるみたい。
お揃いですね、と含み笑い。私も、彼を直視することが出来ないですし。ふふ、意外な共通点をみつけた気がして、少し心が軽くなる。

可笑しいですよね。私達には相違点があるから、こんなコトになっているのに。でも。

「ちょっと状況が呑み込めない……何事?というか、オマエ、シノブだろ?くそ、何がなにやら―――
「あ、じゃ、当ててみてくださいよ。おにーさん的には、どんな状況だと思います?コレ」

しどろもどろな彼が琴線に触れたのか、コロコロと笑いながらサツキさんは続ける。
箸が転がっても可笑しい年頃だからでしょうか。それとも、コレからの『お仕事』のことが楽しみだからなのかしら。

実を言うとね、私も楽しみなの。だって、私が人のために出来ることなんて、コレぐらいだから。
そういう意味では、『簡単な』作りをしている彼に、いや彼等には、感謝しているところもあるんです。

「分かんねーよ。ボッタのフーゾクか何か?オレ、入った覚えねーんすけど」
「アハハハハ、おにーさん、ニアピン賞。確かに、これから性的にスッキリさせてあげるわけですけどー」

サツキさんが目線で催促してくるのを感じて、再度、口を開きます。
先程とは打って変わって、自分でも驚いてしまうほど、流暢に言葉が流れるのは、心を整理する時間を頂けたから。
本当に、彼女には感謝してもしきれません。

「あのね、フジワラ君―――
「やっぱシノブじゃん。キレーになったね……なんて、オレがいうコトじゃないか」

そして、彼にも。あの時、私を選んでくれたことが、どれだけ支えになったか、貴方はきっと知らないでしょうけれど。
私なんかを選んでくれて、本当にありがとう。例え、直ぐに他のコの方を選びなおしたとしても、それでも。
選ばれたことがあるっていう事実だけで、私は今まで生きてこれました。

285 名無しさん :2018/08/31(金) 23:26:49 ID:jCcZM/NU0
「ありがとう。お世辞でも、嬉しいです。……コレは本心ですよ?私、嘘吐けるほど頭良くないので。知ってますよね?
 ……こんなトコロで会いたくは無かったです。これも、本当。
 
 あのね、貴方、借りちゃいけないところで、いっぱいお金を借りちゃいましたよね?私の実家みたいに」

「……………………………………」

返されたのは沈黙。お金の話が出た途端、彼から不機嫌なオーラが放たれたのを感じます。
膝が震えて、手汗が滲んで。それでも、彼のためだから。何時までも萎縮してはいられませんと、自身を突き動かします。

「せめて、誰かに相談すれば良かったのに……私に言ってくれれば、身体を売ってでも「そこまで堕ちちゃいねーよ」……ありがとう。
 でも、でも、ゴメンなさい。私が知ったときは、もう、こんな身体を売ったくらいじゃ、全然追いつかない状況になっちゃってたんです。

 そう。フジワラ君、その負債、貴方の身体で支払ってもらおうってことになってしまっているんです」
 
「……………………………………」

「『臓器売買』とか、『保険金』とか、怖いコト言ってる人たちも居たんですけど……。
 それだけはって泣きついて、償わせますからって、足りない分は私が身体で贖いますからって縋りついて……ふふふ、そんな目をしないでください。
 私が勝手なことをしただけですから。……それに、私なんかの身体が役に立つなら、幾らでも。感謝するのはこっちだと思ってます。
 
 それで、ですね。何とか、命だけは見逃して頂けたので」
「次は、おにーさんが身体で支払う番が来たってことですよ。つっても、返してもらうのは肉体労働力ですけど……
 ほら、いうでしょ?男はマグロで、女はお風呂で、みたいな。まぁ、今は男女平等の時代ですから……」
「こういうのは他の方々に悪いですけど、容姿や体力に優れない……本当にゴメンなさい!私がそう言ったわけじゃないんです!!
 あの、そういう方は、ちょっとしたところで強制労働していただくことになってるんです」

沈黙が続く。やおら、彼は胡坐から立ち上がり、天を仰いで顔を覆いました。

「ちょっと待ってくれよ、理解が追いつかない。誰も信じちゃくれねーけど、オレは金なんか―――」

零れた一言は、掛け値なしの本音でしょう。

「言い訳しなくても大丈夫ですよ、おにーさん。全部私達に任せてくれれば」
「えぇ。私は馬鹿ですけど、拙いなりに、きっとお互いに一番いいって方法を考えてきましたから」

顔を覆った手を外し、私達を凝視する。サツキさんはいいんでしょうけど、二十歳を越えて制服を着ている私は赤面してしまう。
また、身を縮めようと無駄な努力をして、反抗期な胸肉を暴れさせてしまい、更に赤面。見苦しいものを見せて、ゴメンね。

「どういうコトだ?強制労働?で、一番いい方法?時系列が上手く繋がらない。オマエ等と働くってことか?」
「いや、私達は終身刑みたいなものだし、流石におにーさんまでは巻き込めないですよぉ……。つまりですね―――
「フジワラ君が働きに行く前に、金目のものは全部没収させていただく……そういうコトで落ち着いてもらったんです」

彼は、パチクリと目を瞬かせる。そんなトコロは、3年前と変わらないんですね。
おこがましいって言われてしまうかもしれませんが、時折覗かせる、そういう無邪気なところ、好きでした。

「何言ってんだ?というか、ココまで剥いたら分かってんだろ?まだ金残ってってんなら、オレの方が教えて欲しいぐらいだ」

ダンッ!苛立った彼が床を踏み鳴らす音に、『ひゅい』みたいな声を上げて縮こまってしまう。説明が下手でゴメンなさい。
―――ちょっと、シノ先輩を怖がらせないで下さいよぉとか、サツキさんが口を尖らせているのを見ると、不甲斐なさに恐縮してしまいます。
―――知るかよ、これぐらいで怖がる方が変なんだろ!?って、フジワラ君も怒った口調。その通りすぎて、返す言葉もありません……。

恐る恐る目を開くと、二人とも気を取り直してくれたみたい。良かったです。
そのまま、サツキさんはさっきの話を続けてくれる。

286 名無しさん :2018/08/31(金) 23:27:22 ID:jCcZM/NU0
「女の子に何言わせようとしてるんですか、おにーさん。セクハラですよ!もう!ココで『金』持ってるのは、おにーさんだけ。
 一目瞭然でしょ?ほら―――

サツキさんの手が無造作に伸ばされて、2本の指が絡みつくのが見えます。私達とは無縁の、彼だけが持つ『金』の部分に。
一本の指に、一つの睾丸。サツキさんは、朗らかに、ソレの形を確かめようとしているみたい。想像の埒外だったのか、フジワラ君は呆けた顔。

「?おい、どこ触ってんだよ?!」

数秒の間をおいて、不機嫌な声。そういえば、お付き合いさせて頂いていた頃も、ソコを触られるのは嫌みたいでしたよね。
私も、嫌われたくなかったから、あの時は引き下がりましたけど……正直にいうと、興味津々だったんですよ。ふふ、皆が言うように、私、えっちなコだったんでしょう。
そういえば、あの時、ソコには男気が詰まっているんだって教えてくれましたっけ。ふふふ、今なら意味が分かります。けど、幼かった私にはさっぱりで……一緒に笑ってしまいましたね。

ちょっと、サツキさんに妬いてしまいます。それと、無防備にソレを許してしまう、フジワラ君にも。

見たくないという拒絶感と、見届けてあげたいという義務感。相反する気持ちに混乱している内にも、状況は進んでしまい。

「―――!!変なトコロ触んなっ、この変態女っ!!」
「へー、変なトコロなんですね、コレ。じゃ、心置きなく―――取り立てちゃいますっ」

『釣鐘抜き』って彼女は呼んでました。彼女の指が、楕円形の睾丸を包み込むように動いたのが分かります。
指先から、付け根まで。睾丸の裏側、奥まったところから先端まで。摩り下ろすように絞りつつ、入れ物ごともごうとする勢いで、引き抜かれます。
付け根にあるコリっとしたところに爪を差し込んで、睾丸を剥がし取るつもりでやるのがコツって教えていただきましたけど……如何せん、私には付いていない部分なので、よくは分かりません。

フジワラ君の顔色を伺うと、時間が止まったみたいな無表情。きっと、何をされたのか分かってないんだと思います。だって、男の方って、皆そんな顔をしますものね。
ここまでなら、私にだって分かります。突然、股間の隙間に指を差し込まれたら、私だって『何事?!』みたいな顔をしちゃうと思うもん。
でも、私で分かって上げられるのは、ココまで。気の毒だけど……

―――きゅぅ、と。睾丸と一緒に、威勢まで抜かれてしまったみたいな声が、彼の口から絞り出されます。
サツキさんはゆっくりと片手をあげてVサイン。完全に掛からなくても、男性はアレだけで動けなくなるというのは何度も目の当たりにしてきましたけど、
あのVサインは二つともやっつけちゃったよということ。ということは。

ゆっくりと、顔色が青く変わっていく。両膝が震えながらも揃えられ、お船が沈んでいくように、彼の身体も沈んで行きます。
ほんの少し、ほんの少しだけ、失望してしまう自分が情けないです。男の方である以上、睾丸はどうしようもないのに。フジワラ君は違うと、心の何処かで信じていたのかも知れません。
そして、その不幸に同情してしまう自分も。分かりっこない癖に、分かったような顔で哀れむなんて、傲慢この上ないと分かっているのに。

分かってあげられなくて、ゴメンなさい。でも、分からない私だからこそ、してあげられることもあるんです。

「おにーさん、気分が悪くなったら、遠慮せずに教えてくださいね?ほら、言葉にしてくれないと、どれくらい手加減すればいいのか分からないですから」

サツキさんは、彼の金的を抉った指をペロリと舐めて、あの人の唇をなぞっています。
優しい微笑み。元々、顔の造作が整っているコですけど、あの表情も負けず劣らず。私は、あの顔を見るだけで、元気を貰えた気がします。

ただ、可哀相に、男性特有の苦痛に晒されている彼には、それを堪能する余裕も無いみたいで。
とても見ていられず、二人の間に割って入ってしまいました。どんな言葉をかければいいのかも、私には分かっていないのに。
それでも。

287 名無しさん :2018/08/31(金) 23:27:54 ID:jCcZM/NU0
「ゴメンなさい、痛いんですよね。きっと。大丈夫ですか?おっぱい、揉みますか?少しは気が紛れるかもしれませんし……だらしないおっぱいで、申し訳ないですけど」

サツキさんは、フジワラ君の傍らにしゃがみこんで、両手で大事そうに覆われた、彼の股間を撫で擦っています。
「痛いトコ痛いトコ、飛んでけー」なんて、そこはかとなく不穏な台詞には笑ってしまいますけど。

彼の両手を取って、私の駄肉……こんな時にしか役に立たないんですから……に導こうとしましたが、彼の腕は頑として動きません。
私のおっぱい程度じゃ仕方無いですねと、少し寂しい気持ちになりましたが、見れば、視線はサツキさんに釘付け。

怯えた視線……改めて、他ならぬ彼がこんな顔をしないといけなくなる原因を何とかしてあげたいという気持ちが湧き上がるのを感じます。
私が。私が、何とかしてあげたい、と。

その視線に気が付いたのか、サツキさんはおもむろに立ち上がって、横から彼を覗き込みました。
口にはしませんでしたが、子供みたいな彼に『しょうがないなぁ、もう』と思っているのは私にも読み取れます。

「そんなに怯えなくてもいいじゃないですかぁ。ちょっとした悪戯なんですから♪男の子でしょ?」

その言葉のまま、自分の股間に指を添えて、先程と同じ動きを繰り返します。ほら、ほらと軽い掛け声。
男の子だからこそ痛いんでしょうけど……嘘も方便っていいますし。あれ?コレ、言葉の使い方が間違ってますね……私、バカでゴメンなさい。

彼女の動きは、男女の埋められない違いを示しているように、フジワラ君には見えているみたい。それが、とても、可哀相。
私なんかに哀れみを抱かれるというのもそうですし……それに、埋められないなんて勘違いに過ぎないんですから。

私は馬鹿ですけど、それだけは教えてあげられると思うと、少し、誇らしい気持ちになります。

「あた……当たり前だろ、クソが…………なんつーことを……」
「お言葉を返すようですけどね、おにーさん。これぐらいで痛がる方が変なんだろ?!ってコトじゃないですか?
 さっき、おにーさんが馬鹿にしてたシノ先輩だって、ここまで苦しんだりはしませんでしたよ?ね。先輩」
 
突然話を振られると、頭が真っ白になってしまいます。私は、彼の背中を擦ってあげることに専念したかったんですけど……。
でも、そうなんです。昔、せめて苦しみを共感できればと思って、同じことをしてもらったことがあるんです。

男性は皆、言葉にならないぐらいに苦しんでいましたから、実際にやられるときは、本当に覚悟していたんですよ。
お股のところがキュっとしてしまって……後でサツキさんにその話をしたら、ソレってキンタマが縮みあがったってことじゃないですかなんて笑われちゃいましたけど。
ふふ、でも、私も笑っちゃいました。縮みあがるも何も、元から無いのにねって。

無いからこそ、アレをやられたところで。

「そうでしたね……ゴメンなさい。私から見ても、ちょっとフジワラ君は大袈裟かなって……怒らないでくださいね。
 でも、アレ、単なるビンタみたいなものじゃないですか……脛をぶつけたときの方が、よっぽど痛かったです」
 
グルルルと、低い唸り声が聞こえて、私の口から、意図せず『ひゃ』と怯えた音が漏れ出します。
ちょっと和むからと思ったんですけど、その、逆効果でしたか。ゴメンなさい。でも、でも。今でこそ笑い話ですけど、当時は、
嫌がる彼女に無理矢理頼み込んで、あまりの呆気なさに『本気でやってよ』って怒ってしまって、その、大変だったんですよ。言い訳ですけど。
思い返すと、あの時、彼女は『手応えが無いよぉ』とか嘆いてみたり、『先輩にはこの技で抜く『鐘』が無いんだから当然ですっ」ってプリプリむくれたり。

『私も悶絶させてみて』なんて、先輩の立場を悪用したパワハラもいいところでしたね、と死にたくなってしまう。
いつか、愛想を尽かされてしまうか分からないし、そうなったら私が悪いんでしょうけど……そんな日は、こないで欲しいと願っています。

288 名無しさん :2018/08/31(金) 23:28:32 ID:jCcZM/NU0
回想に耽っている間に、彼は有る程度回復したみたいで。唸り声を上げながら身を起こしていました。
私がソレを認識したのは、彼が完全に立ち上がったあとで……常々、私は鈍くさいと言われていることを思い出し、また自己嫌悪。

一人で凹んでいる私は気にする価値も無いと思ったのでしょうか(実際、私には価値なんて無いですけど)、彼はサツキさんに襲い掛かろうとします。
男の子だけの急所は、意識しているのでしょう、いつでもカバーできるような体勢。摺り足でサツキさんとの距離を詰め―――

慌てず騒がず。自慢の後輩は、片手を閃かせて、自分よりも大きい相手の顔面を平手で打ちます。
何時見ても、惚れ惚れとしてしまう、鮮やかな一撃。私なんて、自分より大きい相手に立ち向かうぐらいなら、全てを諦める自信しかないっていうのに。

う、と一言。彼の両手が股間から離れ、顔面を覆わんとしたところで、間髪入れずに彼女の左足が翻ったのです。
私は、ただただ、彼の背中越しに後輩の勇姿を眺めることしか出来ていません。が、次に起きることを想像して、ギュっと目を瞑りました。

と。一向に甲高い悲鳴が上がらないことに違和感を覚えて目を開くと、彼は両手でサツキさんの蹴り足を押さえていました。
きっと、相手が何をしてくるのか見当をつけていたんでしょう。そういう、諦めない姿勢は、尊敬に値すると思います。でも、それでも。

サツキさんは、動じずにニコリ、と笑います。ククッと、喉を鳴らしている彼も、きっと笑っているのでしょう。
二人だけの世界。でも、私は。いや、だからこそ。

「ゴメンなさいっ!!!」


謝罪の言葉を叫ぶと、彼の背後。大きく開かれた彼の股間から覗く、その、私には無いサッカーボール的なものを、躊躇も容赦も無く、蹴り上げました。
爪先に、重量と滑った感触。慣れ親しんだソレと、柔らかい何かが、私の爪先と、彼の股間の骨に挟まれて、拉げていく感触。

水気を含んだ何かが破裂する感触が来ることを覚悟して、きつく目を瞑ります。幸いなことに、彼の睾丸はギュルリと動いて、私の爪先から流れてくれましたけど。
そして、先程聞くはずだった、甲高い悲鳴が轟いて。身を竦ませる私を文字通り尻目に、大木が倒れるかのように、彼はゆっくりと横倒しになっていきました。

申し訳なさと、僅かな達成感、そして、それでも私が何とかしないとという義務感が綯い交ぜになって、グルグルと巡るのを感じます。
ほんの少しでもいいから、その痛みを肩代わりしてあげたいという気持ち。そして、そんなコトは不可能だからこそ、してあげられることがあるという気持ち。

相反する気持ちに折り合いをつけるなんて、私の頭には荷が勝ちすぎます。
ただでさえ、のた打ち回って、全身で苦痛を表現している彼のことが心配で仕方が無いのに……自分でやっておいて、本当、身勝手ですよね。

「シノ先輩、ナイッシュー!」

両手でサムズアップ。朗らかな笑顔を向けてくるサツキさんに、縋るような視線を送ると―――

「あ、大丈夫ですよ、先輩。私の方からは、ちゃーんと潰れずに逃げてくトコ、見えましたから……よく出来てますよねーコレ。
 欲を言うなら、そもそもこんなトコに無かったら良かったんでしょうけど……なんでこんなトコに付いてるのか、女には分からないですねー」
 
肯定の言葉で、ハイビートを刻んでいた心の臓腑が、ほんの少し落ち着いていくのを感じる。
でも、でも。潰れてなければそれでいいってものでもないでしょう?こんな、みっともない姿を見せて、どれだけ心が傷ついているのか……想像するだけで、泣きそうになってしまう。
居た堪れない。恥ずかしいことじゃないんだよって、男の子はみんなそうなるんだよって慰めてあげたい。平気な顔が出来たら、そのコは男じゃないんだよって。

心に任せて、彼の傍らに跪くと、ゆっくり、ゆっくりと腰を叩いてあげました。
なんで股間を蹴られたのに腰を叩くのか、コレも私にとっては謎ですけれど……でも、コレで少しは楽になるっていうのなら。

お尻を高くあげて、土下座するような格好で、私達とは無縁の痛みに耐える姿。サツキさんも、吸い寄せられるように近付いてきて、彼の眼前にしゃがみこみます。
ライムグリーンの下着が露になって、私の方が赤面してしまったり。ソレ、お洒落なんでしょうか……私には、何か、お年寄りが着ている蛍光ベストみたいに見えるんですけど……。

彼の腰を叩きながら、安らかな口調を心がけて、慰めの言葉をかけます。

289 名無しさん :2018/08/31(金) 23:29:04 ID:jCcZM/NU0
「ゴメンなさい。本当に、ゴメンなさいね。痛かったでしょ?ソコの手加減の仕方、私は知らないですから……思いっきり蹴っちゃっいましたものね。
 大丈夫、恥ずかしくなんてないですよ?ソコが痛いのは、立派に男の子をしてるってコトなんですから……。ね。男の子じゃなかったら、一生、そんな痛みとは無縁なんですから……。
 痛いのは、男の子だって証拠。……そういえば、話が途中でしたね」

彼の気を紛らわせることが出来れば、なんでも良かったんです。
穏やかに、彼の顔を覗き込ませていただきます。キスが出来る距離。恋人の距離。あの日、私が見てしまった距離。

「理解して欲しいとはいいません……でも、コレがきっと一番いい方法だと思ったんです」

「先輩、時系列が滅茶苦茶……落ち着いて。ほら、おにーさんも。一緒に深呼吸して。ほら、すぅー、はぁー、って。
 もしかしてですけど、おにーさん、今までキンタマ蹴られたことってなかったんですかぁ♪うふふ、お揃いだったんですねぇ。私も、キンタマ蹴られたことって無いんですよぉ。
 まぁ、私は女の子だから?これからも蹴られることは絶対ないんですけど……ほら」

サツキさんは、見せ付けるように、自分の股間、パンツ越しに薄く盛り上がったお肉を抓んで、グリグリと揉みしだいています。

「おにーさんと違って、私、ここにそーんなオデキみたいなもの付いてないんです。だから、どれだけキンタマ苛めても、一生やりかえされる心配なんて要らないんです。
 一回、金的の痛みを知っちゃうと、怖くなっちゃうんでしょ。可哀相。私は絶対に知ることが出来ないから、これからも遠慮なくソコを苛めますけど。

 ……そんな顔しないでくださいよぉ。でね、優しい私達は、哀れなおにーさんにグッドニュースを持ってきてあげたんですから。ね、先輩」
 
グチャグチャになった頭の中が整理できたと思ったら、読んでいたみたいに、サツキさんから話の接ぎ穂を渡される。
……頭がイイ子ですよね。同じ人間なのに、どうしてこうも違うのか。殊更、私の出来が悪いだけだと、分かってはいるつもりなんですけど。

「フジワラ君、貴方、何をするつもりだって聞きましたよね……アレ、その、非常に心苦しいんですけど、その、ね。
 あの、コレから、ですね。取り乱さないで聞いて欲しいんですけど……その。貴方を去勢させていただこうと思っているんです」
 
ハテナマークが浮かんでいるのを感じる。マトモな人生を送っていると、畜産業でも無いと去勢なんて言葉、聞かないですものね。
ただ、彼が知らない言葉を知ってたという事実で、後ろ暗い優越感を感じてしまうのは、許してくださいね。知らない貴方の方が、正常なんですから。

「去勢っていうのは、雄の睾丸……有体に言えば、キンタマ。その、それを抜き取ってあげるっていうことです。
 別に潰してしまってもいいですし、その方が簡単なんですけど……潰されると、男の人って凄い苦しむから、見ていられなくて。
 
 それなら、潰すのはお仕置きするときぐらいに限定して、抜き取ってあげる方がいいのかなって。ちょっと大変ですけど、貴方もその方がいいですよね?」
 
純白のシーツを、彼から流れ出した脂汗が染め上げていく。些か蒸し暑いとはいっても、風邪を引いてしまわないか、すこし心配になってしまいます。
ガタガタと震えているのは、やっぱり寒いからでしょうか。それとも、タマタマを抜かれるのが恐い……これでも譲歩したつもりなのですけれど。

でも、結局、私達はタマタマ抜くって言われても恐がれない性別ですし……こればっかりは、彼自身に克服してもらうしか無いんです。
私よりも全然強い、フジワラ君なら大丈夫です!微力ながら、私だって、恐怖を克服するお手伝いは考えてきていますし!!
……まぁ、私の浅知恵には期待出来ないと言われると、押し黙るしかないですけどね。

それを、そのまま言葉に換えて彼に投げ掛ける。

「そんなに震えて……寒いんですか?空調の温度、あげた方がいいなら、気後れする必要ないですからね?
 それとも、恐いの?なら、大丈夫。無理矢理、取り上げてしまおうとは思ってませんから。そうですよね、サツキさん?」
「そーですよ、おにーさん。無理矢理奪うつもりなら、おにーさんが寝てる隙にちょん切っちゃうとか、そーだな。反応が見たいみたいな変態だったら、
 おにーさんが起きる前にギッチギチに拘束してから、ペンチとかで捻り潰したりとかしてますよ♪」
 
子供を寝かしつけるように、彼の腰を叩き続けます。少しでも落ち着いてくれれば、それだけで嬉しいです。

290 名無しさん :2018/08/31(金) 23:29:42 ID:jCcZM/NU0
「私、考えたんです。男の人がタマタマ抜かれてしまうのを恐がるのは、それが大切なモノだと誤解しているからじゃないかなって。
 ほら、ちょっと違うかもしれませんけど……私も力づくで貞操を奪われたとき……「うわ、おにーさん、サイッテー」あ、良いんです。彼に奪われたわけでは無いですし。
 その時も、失ってみると、あ、こんなものなんだって拍子抜けしちゃいましたし。男女は逆ですけど、きっと、貴方も、抜かれてみたら、呆気なさに笑っちゃうかもしれませんよ?」
 
「女に……何が分かる………………………………」

「分かりませんよ、何にも。だって、私達には生まれたときから『付いてない』部分なんですから。
 でも、『男の子』だってそうでしょう?逆に、『付いてない』女の気持ちは分からないでしょう?お互い様、ですよ。
 それに、分からないからこそ、してあげられることも有ると思うんです……恨まれてでも、してあげないといけないことが。だから」

緩々と。腰を叩いていた手を下ろして、彼の股間……お尻と足との間の、菱形に開いた窓みたいな隙間に捻じ込みます。
空間の奥に、大事そうに両手という殻で覆われたナニかを見つけて。可哀相に、痛みで力が入っていない脆い殻を抉じ開けて、中央の柔らかいものを掴み取らせていただきました。

「だから、ね。貴方が、気持ちよくコレとお別れが出来るように。こんなモノ要らないって、心から思えるように。
 最初から『こんなモノ要らない』って分かってる、女が。私達が、それを教えてあげようって考えたんです。
 
 いいアイデア、ですよね?貴方の魅力はこんなタマがあるからじゃないんだって、私は知ってますから。大丈夫ですよ」

軽く掌を閉じると、二つの柔らかい塊とその拍動を感じます。男を男たらしめるものが、こんな脆弱なものだなんてと思うと、愛おしさまで覚えてしまいます。
でも、ゴメンね。君達に恨みは無いんだけれど……ご主人様を解放するために、少し、一緒に遊びましょうね。

ゴリゴリと、掌で音が聞こえるような錯覚を覚えます。二つのソレを、お互いに擦り合わせ、摩り下ろさせていただいていく。
この場合って、右と左、どっちが痛いのでしょうか……コレも、私のお粗末な頭にとっては、永遠の謎です。

「ひぎィッ!!!ふぐぅッ!!」

彼に聞いてみようとしたのですけど、気の毒に。答えるどころでは無いみたい。
聞いてみたところで、持っていない私には分からないかもしれませんけれど……それでも、理解しようとしないと進歩のしないです。
私は愚昧ではありますが、いえ、だからこそ、躊躇っていては皆に置いていかれてしまいます。

なんて。少しでも危ないと思ったら、直ぐに固まってしまう私の言えたことではないかもしれませんね。
こう調子に乗りやすいところも、数え切れない私の悪癖の一つ。

「や、めろっ!違うっ!!オレは、借金なん、て!!!金なんて、必要じゃ、ない!!!」
「『金』、要らないのですか?それじゃ、遠慮なく―――ふふ、コーリ、コリ」

彼は、必死なのでしょう。何とか、私の手を、男性の果実から引き離そうと四苦八苦しています。
でも、それは徒労。睾丸を握られてしまうと、男の方って力を出せなくなってしまうみたいですから。ふふ。どうしようも無い状況に追い込まれることを、
『金玉を握られる』っていいますけど、アレ、上手いこと言っていたんですね。実際に握ってみるまで、言葉の意味はちんぷんかんぷんでしたけど。

それに、安心してください。だって―――

291 名無しさん :2018/08/31(金) 23:30:15 ID:jCcZM/NU0
「落ち着いてください。大丈夫、大丈夫ですよ。私の握力じゃ、キンタマ潰れることなんてありません、きっと。
 ただ、ちょっと苦しいだけですから。安心して、男性であるコトを堪能して頂いて結構です。
 
 コレで、こんなモノ要らないって思えたら、遠慮なく口にしてくださっていいですからね。笑いませんから。バカにもしません。
 だって、『要らない』っていうのが、共通認識になったってことでしょう。寧ろ、やっと分かってくれたんですねって、嬉しくなってしまうくらい。
 
 ほら、コリ、コリ、コリ。どうですか?要らなくなってきませんか?
 ……ふふ。一体どんな痛みなのか、一生分からないと思うと、ちょっと羨ましく思ってしまいますね」

亀のように頸を伸ばして、目を見開いて。その眼前では、サツキさんが、まだ自分の股間を見せ付けているみたい。
踊るように悶える彼に応えるように、片手で、自身の睾丸に囚われていない股間を揉みしだきながら、もう片手で慈しむように頭を撫でてあげています。

「ほら、おにーさん、見て。お揃いですよ?ほら、ほら。私も、お股、コリコリされてます……うふふ、可愛い。
 ゴメンね。私は、コリコリというより、フニフニって感じですけど。ほら、無いからさ。全然平気。いいでしょ?おにーさん、羨ましい?」
 
あの人が、その言葉に首肯してくれることを期待していなかったというと、嘘になります。
だって。もう、詰んでいる状態なんですから。これ以上我慢しても、お互い辛いだけでしょう。私だって、分からないなりに、心を痛めてるんです。
貴方のこんな姿は、見たくありませんでしたし。私のこんな姿も、見せたくはありませんでした。

……そして。暫く、彼に付いた『吹き出物』のお世話をしていると、一つの疑念が心を過ぎります。
もしかして。もう、慣れちゃったのでしょうか。睾丸の痛みは、決して慣れたり耐えたりは出来ないって聞いたことはありますけど、
私、ソレは大袈裟……正確にいうなら、眉唾物だと思ってます。だって、そんな、慣れることが出来ない痛みなんて、想像することも出来ないですもん。

だから、一旦。スルリと、彼の袋を解放して、右腕を股間から引き抜きました。
その刺激にせいなのでしょうか、どういう仕組みかは分かりかねますが、バネ仕掛けみたいに彼は立ち上がり、弾みで、私は尻餅をついてしまいました。
『きゃっ』と、年甲斐も無い悲鳴。大きく開脚した状態で黒い下着を晒す形になって、お耳汚し、お目汚ししてしまい、申し訳ありません。

鈍臭い私とは違って、サツキさんは彼に合わせて立ち上がっていました。
一瞬の睨みあい。そして。一呼吸の間を空けて、フジワラ君は、遮二無二右腕を振り回します。一生懸命で、いじましいですよね。

膠着状態で、金的を入れられてしまった先程の反省なのでしょうか。先制して殴ってしまおうと考えたのでしょうか。
暴力はあまり好きじゃないのですけれど、頑張って考えたんですねと思うと、関係ないのに誇らしい気持ちになってしまいます。

でも。それでも。
サツキさんは泰然自若とした様相を崩さず、下半身を突き出して、その反動で上半身を大きく仰け反らせていて。
フジワラ君の乾坤一擲の右フックは、彼女の鼻を擦るようにするのが精一杯。空しくも、空気を切ってしまいました。

愕然としているのが、足元からでも分かります。そのまま、金的の守備に回ろうとしていたのですが―――

ニコリと、サツキさんは彼に微笑みかけると、右拳を顔の高さまで持ち上げて、頸を傾げます。
ショートボブの髪が流れていく様は、微笑みと併せて、まるで大輪の花が咲いたみたい。一瞬、見惚れてしまいました。

そのまま。先の一撃をトレースするかのように、彼女もテレフォンパンチを一つ。
気取った言葉で、デジャヴュっていうんでしたっけ。全く同じように、彼も下半身を残して、上体を反らします。

同じじゃないのは、一箇所だけ。

292 名無しさん :2018/08/31(金) 23:30:46 ID:jCcZM/NU0
「ほいやっ」

気の抜けた掛け声と共に、左足が振り抜かれます。軽い声ではありますけど、右拳を振りぬく勢いを捻りにのせて、股関節から爪先までを鞭のように撓らせた一撃。
狙いはいうまでも無く、不恰好に晒された、男の子が『的』としてもっている、『金』のように大切に思っている部分。

爪先が、二つの敏感で脆弱な肉球を、それを包む袋を引っ掛けるのが見えます。袋が、ゆっくりと撓んでいくところも。
彼女の爪先は委細構わずに進んでいって、一瞬、袋が千切れちゃうんじゃと思うほど伸びきって。

グリンと、幻聴が聞こえる程に変形、自身を捉えた爪先から解放され、元の場所に戻されました。

恥骨に挟んで、押し潰さないようにと配慮しつつ、最大限に変形させることを主眼に置いた一蹴り。力任せしか能がなくて、ただ、潰れないでくださいって祈りながら蹴る私とは、次元が違う動き。
『ついてない』私は、見蕩れるだけで済みますけれど、その、『ついている』彼は―――危ない!

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッッ!!!!」

絶叫が迸るのと、私が再度彼の睾丸を捕まえたのは同時。男性であれば、アレを見せ付けられると自分のモノまで痛くなっちゃうでしょうけど、
コレについては、『ついてない』女の役得として、勘弁してくれると嬉しいです。

共感出来ないから、躊躇無く。彼が、再度そこを押さえる前に、先手をとって制圧します。
お尻側から手を差し入れ、思いっきり下に引き下ろします。その、上がっちゃったら下ろしたほうがいいかなって思ったのもありますけど。

足から力が抜けて、正座するみたいに座り込む彼と、その前で雄雄しくも仁王立ちの(可笑しいですね、女の子なのに)サツキさん。
まるで、先生に叱られる子供みたいなんて、場違いな印象を受けて、少し微笑ましい気分になってしまったり。

サツキ先生は、呆れたといった顔で、フジワラ君を見下ろして、溜息をつきました。

「おにーさん、学習能力って知ってます?シノ先輩だって、コレだけやれば少しは学びますよ……(ん?)……
 あのですね。なぁーんで、私と同じ方法で避けようとするんですか?さっき、見せましたよね?私には、金的付いてないんだよって。
 
 おにーさんは違いますよね?不公平かもしれませんけど、おにーさんには『金的』っていう弱点が、『まだ』あるんですから。
 『無い』私達とは違うんですから、ソコはず〜っと意識してないと駄目でしょ?女の子なら、全然平気でも―――

欺瞞です。いくら女だからとはいっても、股間を思いっきり蹴り上げられたら、それなりには痛いです。私だけ?……いや、そんなことは無いと思います。
少なくとも、全力で弁慶の泣き所を蹴飛ばされるのと、股間を蹴り上げられるの、どっちがいいって聞かれたら、どっちも嫌ですって即答する自信があります。

ただ、『女』の私が、『男』の痛みを理解出来ないように。『男』の彼は、『女』のサツキさんに平気って言われると、それを否定することは出来ないんでしょうね。
急所が有るのと無いのとは、どうしても視覚的に違いが分かってしまいますし……究極的にいうと、痛いとは言っても、それだけで即戦闘不能になるわけじゃないですし。

それは、彼女も分かっているんでしょう。でも、彼が諦めやすくなるように、あえて気丈に振舞っていると考えると、私も、足手纏いになるばっかりじゃ駄目と気合が入ります。
次は、どうやって『説得』しましょうかしらと考えていると、頭上から衣擦れの音。見上げると、サツキさんが、自然な所作でスカートと下着を脱ぎさっていました。

ぽい、と。彼女の下半身を覆っていた布が、放り投げられます。畳んであげたいと、刹那の雑念。
彼女の姿は、スレンダーな肢体、瑞々しいばかりの若さ、そして天然物の無毛の丘と相まって、ひどく倒錯的にも、そして神々しくも見えました。

「おにーさん、手、貸してください?」

息を呑んでいた彼が、恐る恐るといった様子で手を差し伸べます。不快な感情が巻き起こりましたけど、コレは、当然のこと。
私だって見惚れていたんですから、彼が呆けるのを咎めていい理由なんて有りません。そこまでの魅力が無い、自分をこそ責めるべき話なんですから。

差し伸べられた手に、惜しげもなく自身の女性器を弄らせる彼女を見て、私はどっちに嫉妬していたのでしょうね。

293 名無しさん :2018/08/31(金) 23:31:18 ID:jCcZM/NU0
「ほら、分かりますか?おにーさん。私には、今、おにーさんを苦しませている『悪者』がついてないって感じられますか?」

薄く盛り上がった丘と、中央の峡谷。そこに、無粋なものは何もないと、彼に示しているその姿。

「ほら、ココ、抓んでみてください。大丈夫、私は全然平気ですから。でも―――先輩?」

サツキさんに促され、言われるがままに、彼の睾丸を摺り合わせる作業に戻る。今回は、付け根にあるコリコリしたところを、親指の腹で押し潰すことも忘れない。
ヒッと、息を呑む音が聞こえましたけど……サツキさんは、自身の股間に添えられた手だけは、解放するつもりがないようでした。

「ほら、おにーさんは駄目ですよね?何でか分かりますか?ふふ、正解です。おにーさんは、私と違って、ココにとっても痛いものが付いてるからですね。
 それなら、もう、それ取っちゃってもいいんじゃないですか?ソレさえ無ければ、もう苦しまなくてもいいんですよ?嘘だと思うなら……私にやり返してみてください?
 出来ますか?出来ないですよね?いいんです、当たり前です。やり返す場所は、ココには無いんですから」
 
出来の悪い子に噛んで含めるように語り掛けている彼女は、先生どころか、母親のようにも見えてしまって。
先輩なのに、と。我が身を省みて、その不甲斐なさに歯噛みをしてしまいそうになります。

「おにーさんは、ソレが付いているのが当然と思っているのかもしれないですけど……ソレ自体が間違いなんです。
 私達にとっては、そんなモノが付いていないのが当然。自然なんです。だからこそ、おにーさんのためを思って、ソコを取り外して上げられるんです。
 
 それに、おにーさんがコレから行くところも―――

「えぇ。皆さん、ソコはスッキリしているハズです。……コレ、最初に説明しておくべきでしたね。本当、自分の段取りの悪さには辟易します……。
 あの、ですね。最初にも言いましたけれど、あの、貴方のキンタマはもう詰んでます。心苦しいんですけれど、その、胸が痛むのは確かなのですけど、コレ、諦めてください」
 
俯いてしまう。背中が丸まってしまう。威風堂々とした、サツキさんみたいには、私はなれない。
私に出来ることといったら―――

「コレからフジワラ君が行くところは、その、男女合同で、重労働を課されるところなんです。だから、その、増えてしまうと困りますよね?」

言葉を選ぼうとして、自身の語彙力の貧しさに気が遠くなる。

「だから、増えることが無いように、その、『加工』してから出荷するってことになるのですけど……」
「ね、おにーさん。分かるでしょ?女の子は、『加工』しようとしても、ほら。どうすればいいのか、分からないでしょ?
 その点、男の子だったら、『加工』は簡単。おちんちんとタマタマが付いたお股を、『私達と同じ形』にすればいいんだから」
 
気の毒に、とは思います。大変そうですね、とか、理不尽ですよね、とか。言いたいことは、いくらでもあります。
それでも、コレだけは。物理的に違いがある以上、私だけの思いでは、どうしようもないんです。

「本当に、ゴメンなさい……許して欲しいとは言えません。でも、それでも。殺されてしまうよりは、絶対にいいと思いましたから!
 ……貴方がタマを取られる程度なら、私は耐えられますけど。命まで取られてしまうなんて、とても耐えられる気がしなかったから!!

 私の我儘です。タマを取られるのが、男の方にとってどんな意味を持つのか、結局のところ他人事ですので……それなら。
 それなら、私は、貴方に生きていて欲しい。女の私にとっては、それが一番大事だと思ったんです!!!……だから、後悔はしていません。
 そして、貴方にも、後悔して欲しくない」
 
知らず知らずの内に、掌に熱と力が篭ります。ヤバいかもと憂う理性と、もうどうなってもいいと叫ぶ心と。
魂を搾り出されるような声をあの人が吐き出すのを聞いて、哀れみと、謝罪と、そして。こんなコトで、魂が搾り出されることなんて無いって確信と。
……だって、そうじゃないですか。じゃないと、タマが無い私達に、魂が無いみたい。そう。こんなモノ、単なる飾りなんです。

294 名無しさん :2018/08/31(金) 23:31:49 ID:jCcZM/NU0
「おにーさん、聞いてくださいね。分かってくださいね。おにーさんみたいな人に、そのオモチャは不相応なんです。だって、そうでしょう?守れてないでしょう?
 それなら、いっそ、取ってしまったほうが、おにーさんのためなんです。違いますか?取ってしまえば、『普通』の股間になれて、もうキンタマを守る必要だってなくなるんですよ?
 
 大丈夫。私達と一緒になるだけです。ソレ、付いていてイイコトなんて有りましたか?無かったでしょう?ソレのせいで、いやらしい思いに振り回されて、男の子の責任を押し付けられて……
 挙句の果てに、女の子の前で、惨めに蹲る羽目になって……あ、自分を卑下しないてくださいね。ココに来た男の子は皆、最後はそうなる……いや、そうなったんですから。
 
 ほら、息を整えてください……って無理ですか。不思議ですね。下半身の、それも、あんな小さなところを責められているだけで、何も出来なくなるなんて。
 でも、それも今日までの辛抱です。私達には最初から無いですけど、それに不満を覚えたり、不便を蒙ったりしたことなんて、一度も無いですよ。
 
 ね。最後ぐらいは、男らしく迎えましょう?観念してキンタマ差し出すのって、すっごい『男らしい』と思いますよぉ?」

……そりゃ、オンナには出来ないですものね。物理的に。差し出すモノが無いんだもの。

「フジワラ君、お願いです。一言、たった一言でいいんです。勇気を出して、『要らない』って言ってください。お願い、です、から……………………
 …………分かっていただけないなら、『抜かれる』のがそんなに嫌なら、いっそのこと、もう、ココで―――

両手に更なる力が篭っていきます。縦に、押し潰すように。10本の指を、すべて食い込ませるように。
私の握力じゃ足りないなんて、もう、知ったことじゃありません。彼のためになるなら、全身全霊の力を使い果たしても―――

穏やかな顔で、自身の秘所を擦らせる後輩と、必死の形相で彼のソレを押し潰さんとしている私。
長いような、短いような、そんな時間が消費されていき……

と。甲高い声で、意味を為す文字列が、彼の口蓋から流れ出してきて。私は、胸にこみ上げるものを感じました。

「分かった、分かったから、もう、止めて」

―――不安なんて感じなくてもいいんですよって。『普通』になるだけなんですからって。

シーリングで、サーキュレータが回っています。蛍光灯は、鈍い音を立てながら点滅しています。
薄暗い光の下、脂汗にまみれてのたうつ彼は、妙に艶かしくも美しい幻想の生き物のようにも、愚かしくも哀れな、死に切れない屍のようにも。

私が、私が責任を持って引導を渡してあげないといけない。愛すべき、聖餐の贄にも見えました。

295 名無しさん :2018/08/31(金) 23:32:26 ID:jCcZM/NU0
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(テロップ):丁度席を外されていますし、相方について教えていただけますか?

「相方って、シノ先輩のことですか?逆に、どんな印象でした?」

(テロップ):いや、いいですね〜。穏やかで控えめ、身持ちも固そうで、まさに大和撫子って感じです。
       なのに、あの柔らかそうなダイナマイトボディ!知的で清楚で淫乱で、ホント、男のユメっていうか。

「うわ、言葉古っ!それに、柔らかそうでも、あの人、きっと石で出来て―――おっと、放送コードに引っ掛かっちゃいますかね。テヘペロ。
 そんなに気になるなら、触らせてってお願いしてみたらどうです?あの人、きっと深く考えずに応じてくれますよ?

(テロップ):マジですかー。それじゃ、お願いしてみます。土下座の練習もしておいたほうがいいですかね?
       あー、あのおっぱいに顔を埋めて、深呼吸してみてーなー。

「あはは、ウケるー。いや、そこまででしたら、そのままヤラせてくれるかもしれませんね。ただ、気をつけてくださいね。
 あの人、ヤラせることより、ヤラかすことの方が多いですから……そんなトコロも可愛いんですけど。ウチのペットを思い出しますよぉ」
 
(テロップ):ペットですか……酷い言い草「オフレコ!オフレコでお願いしますぅ」はは、了解しました。
       あ、それでは準備が整ったようなので……



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296 名無しさん :2018/08/31(金) 23:32:56 ID:jCcZM/NU0
本当に、頑張ってみてよかったです……。

シノブです。あの、お手洗い……コホン、その、お花摘みに行かせて頂いていました。
だって、その、私達にとっては何時もの『仕事』ですけど、彼にとって一生に一回しか経験できない晴れ舞台ですから。
途中でおトイレに行きたくなったら、申し訳なさに死にたくなってしまいますもの……

今は、シャワーで身を清めさせていただいているところです。せめて、綺麗な体で見送ってあげたいというのも……自己満足かもしれませんが、人情でしょう。

熱い飛沫に晒されながら、先だっての遣り取りに思いを馳せます。

あの人の、男気ある決断。どれだけ勇気が必要だったのでしょう。私には、とても真似できません。
と、ソコまで思って、含み笑い。そういえば、真似しようとしても、女に生まれた私では不可能でしたね、と。

もし、私が男として生まれていたら、同じことが出来たのでしょうか。自分のタマを差し出すなんてこと。
想像すると、大したこと無い気がするのは、きっと、実際のところ私は女性で、アレに大した思い入れが無いから。

置かれた立場は似通っているのに、性別が違うだけで、ココまで分かり合えないんだね、と寂しい気持ちになってしまいます。

結局、私達と、彼は同じ穴の狢。いえ、そう考えることも図々しい。
借りてはいけないお金とはいえ、自分の意思でそうした彼と、それすら分からず、流されるまま、ココに辿り着いた情けない私では。

偉い人達の判断や、額にもよるらしいですけど……こんな時の末路は悲惨です。
男性であれば、強制労働から臓器提供まで。女性はマシで、若くて容姿に優れていれば、夜の街で働くという選択肢もありますけれど。

私達にいたっては、ソレにすら劣ります。最低な方々との運命共同体。共犯関係にまで成り下がってしまっているのですから。

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もう、記憶も曖昧になってしまいましたけれど……あの日。私と、母が住んでいたあばら家に来た『あの人』は、随分と荒んでいました。
母は水商売をしていたのですが、年齢には勝てず。それまで身体を酷使していたのもあって、常に臥せっていたのを覚えています。

物心ついたときから、父親は居ませんでした。母も、決して語ってはくれませんでしたが……薄々、彼女も分かっていないということは、気付いていました。

若い頃の散財癖が抜けなかったのか、生活は苦しく。私も、学校生活の合間を縫ってはアルバイトをしていたのですけれど、生まれつき要領が悪くて。
母が、昔日に知った、表立っては口に出せないことろでお金を工面したのも、突き詰めれば私の稼ぎが悪かったせいでしょう。

母は、よくそのように私を詰りましたし、私も概ね事実だと考えていたので、特に反論はしませんでした。

それでいて、私が高校を止めようとすることは頑なに反対していましたし……おかしな人、ですよね。
でも、私もそうかもしれません。蛙の子は蛙といいますか、矛盾を抱えた親子関係。
生活に不満はありませんでしたし、分相応と考えていましたけど……それでも、あの毎日から一番遠いイメージがあった、この口調が染み付いてしまったのですから。

いつしか、恐い人が家に出入りすることが多くなりました。いつも、同じ人。母から、取立てに来た人です。
仕事熱心な方、だったのでしょう。母を怒鳴りつけたり、殴りつけたり。その度に、私は、その人にしがみついて許しを乞うていました。

いつからでしょうか。その人が母を責めることを止めて、私に咥えさせたり、私を掻き抱いたりすることが増えたのは。
母は全てを諦めたような目で見ていましたが、私は特に不満は無かったんです。寧ろ、こんな身体を差し出したぐらいで、あの人が
乱暴を止めてくれるのであれば、有り難い話だとすら思っていました。

乱暴なことは嫌いです。自分がされたくないことは、人にもしてはいけない……コレだけは、私でも理解できる真理だと信じています。

297 名無しさん :2018/08/31(金) 23:33:31 ID:jCcZM/NU0
ふふ、フジワラ君は知らないでしょうけど、貴方とお付き合いすることになった時だけ、あの人は家に近寄らなくなったんです。
きっと、恐かったんでしょうね。母は、臆病者と蔑んでいましたけれど……ふふふ、どの口で言っていたのかしら。
私は、自分に勇気が無いことを自覚していたので、心の底で、少し共感していたのですけれど。

そして。フジワラ君が、賢明にも私に見切りをつけてから、数週間後。少しお酒を嗜まれていたのか、例に無く荒れた様子で、あの人が現れました。

眼前に厳つい顔。キスが出来る距離。恋人の距離。幸せになるべき女性と、彼との距離。私のような薄汚れた女と、『あの人』との距離。
こんな女だとは思わなかったぜ、と吐き捨てられて。あぁ、コレが私に相応しい境遇なんですねと、ただ、ただ一人、静かに納得をしていました。

暫くの間、母とあの人は、随分と激しく口論していた印象があります。母が、あの人を意気地なしと、そのタマは飾りかと、あの人はアバズレと、親子共々、売女だな、と。
そして。借金のカタに、私を連れて行き、色街に沈めると。もう、コイツには未練を感じない、と。

私は、ボケッと、その様子を見ていました。コレまでがいい夢だったんですね、と。あるべき人生に、コレから進んでいくんですね、と。
ただ、母はそうでは無かったみたいで。色街という言葉が出た瞬間、獣のような声を上げて、私に向き直った『あの人』に飛びついていました。

まぁ、今まで臥せっていた身ですから。目測を誤ったのか、力が足りなかったのか。引き倒すには至らず……ただ、ズボンとパンツを、ズルリと引き下げるだけで。
私の眼前に、彼の『男性たる所以』が、ブルリ、と晒されました。

きっと、ソコが分かれ道だったのでしょう。無我夢中で、なら、まだ救われたのでしょう。

でも、私は自分でも驚くほど冷静で。
まず、その時手にしていた、菜箸をお尻に突っ込んでしまおうかとしました。でも、お股に物を入れられるのは不快でしょうと取りやめて。
おちんちんに噛みついてしまおうかとも思いました。でも、あの人は、おちんちんを触っているとき、とても幸せそうだったので。可哀想と思い、取りやめて。

残った場所。私がされても、嫌じゃない部分。何のためについているのか、分からなかった部分。
私と同じ、『男気』を持っていない彼なら、無くしてもそこまで困らないのではと感じてしまった部分。

気付けば、あの人のおちんちんの下。ちょこんと付いていた袋に噛り付いていました。

―――シャワーの飛沫を浴びながら、身震いを一つ。私なりに処理した股間に手を伸ばして、ソレの形を確認します。
そこに、男性が持つような袋も、そしてその中身も存在しないことを、ゆっくり、ゆっくりと再確認して。

耳を劈く絶叫。私は、近所迷惑にならないかなと、困惑したことを覚えています。
家は町外れなので、余程のことが無い限り聞こえないのは分かっていましたが、その叫喚は距離すら軽く貫くようでした。

母は、あの人を羽交い絞めにして、「そのまま食い千切ってやりなさい」とかなんとか喚いていましたけど。
私としては、お祝いの時に奮発して買うスジ肉を噛んでいるような、何の変哲もない歯応えと、二人の温度差に呆れるばかりでした。

ただ。母ではなく、あの人の苦しみようが侘しくて。少しでも早く、楽にしてあげたいと、渾身の力を込めた。そんな、記憶があります。


気付いたときには、あの人は股間を抑えて蹲っていて。口一杯に、彼の一部を頬張った私と、彼の股間から夥しい赤色が広がっていました。
もともと汚れた床でしたけれど、カビが生えたら困るなと、見当違いのことを考えたりもしたのですが。

想像以上で、本当に、なんでそんなに苦しむのか分からない。悶える彼を見ていると痛ましさに胸が詰まってしまって。
口の中にあったものを吐き出して、彼の前に差し出したんです。

「あの、ゴメンなさい。お金、欲しかったんですよね……コレ、お金っていうか、貴方の『金』玉ですけど……どうぞ。
 本当、すみません。ウチ、金目のものはもう無くて。私も母も女性ですから、その、お股にも『金』を持っていないですし」
 
愕然としているあの人の背中を、優しく叩きながら、語り掛けました。

298 名無しさん :2018/08/31(金) 23:34:09 ID:jCcZM/NU0
「何に使うのか分からなくて……ゴメンなさい。貴方は男らしくないし、無くても困らないと思ったんですけど。コレ、『金』、お返ししますね……
 残りは、出来るだけ工面するように頑張りますから……

と、彼の両目からボロボロと大粒の涙が流れ出して、息を呑みました。男の人が泣くところなんて、初めてみたんですもん。
今にして思えば、その時はもう、男の人じゃ『無かった』んですけれど。あの頃は、おちんちんあれば男性だと思ってたんです。

轟音のような足音と怒号。先程の悲鳴を聞きつけたんでしょうか、私を連れて行こうと待機されていた方々が雪崩れ込んできたのが、次の瞬間。
私なんかのために待機されていたとは、恐縮するばかりですが……その方々は、眼前の光景に一瞬絶句。

二言三言言葉を交わしたかと思うと、私の腕を掴んで、そのまま連れて行ってしまいました。
最後に見た母は、涙を流していましたが……その意味は、未だに私には分かりません。もはや、定期的に行っている仕送りだけが、私と母との縁になっています。


―――連れて行かれた先は、独房と呼ばれていました。
 
私の処遇が決められるまで、ココで待つようにって言われていたのですが、独房というのは名ばかりでしたね。
饐えた匂いがする万年床には閉口しましたが……コレについては、全部の部屋のお布団を天日干しさせてくださいって頼み込んでみたり。
初めての、自分の部屋。初めての、エアコン。お湯が出る、蛇口。極めつけは、何もしなくても三食だされる、お肉やお魚がついたご飯。

こんな贅沢をしていいのかしらと、頬をつねっても目は覚めやらず……次第に、私はとんでもないことをしてしまったのではと恐怖を覚えました。
これは、話に聞く、死刑囚の最期の晩餐なのではないでしょうか、と。未だに、何を食べたらそうなるのって聞かれるのですけれど、胸とかお尻とかにばかり、
無駄にお肉が付いてしまう体質なので、太らせてから食べるつもりなんでしょうか、とか。


いえ、殺されることは別に良かったんです。もし、アレがとんでもないことだったのならば、最期に、一言。あの人に謝りたい。
ただそれだけが、心残りでした。

一週間ほどたったでしょうか、妙齢の女性がいらっしゃって、私は独房から解放されました。
キミは美人さんだし、お風呂に沈んでもらおうと思ったんだけど―――と語りかける彼女を遮るように、思いの丈を、あの人の様子を聞くと苦笑。
見たほうが早いね、と、『医務室』と呼ばれるところに案内されたんです。

そこに居たあの人は、見た目、健康そのもの。ただ、股間付近に包帯が巻かれ、管が伸びていて。そして、魂が抜け出たような瞳が印象的でした。

生気というものが抜け落ちた姿に狼狽したところ、付き添ってくださった女性が笑いながら、タマもがれると皆あーなるわよと告げられます。
理解できず、何でですか?と聞いたら、女には一生分からないし、分かる必要もないんじゃない?とのこと。

何か、重篤な後遺症でもと狼狽していると、単に、いやらしいコトが出来なくなっただけだよと教えられ、胸を撫で下ろします。
いやらしいコトはやり過ごすべき出来事であって、別に自分からする必要なんて無いと思っていましたので。

アレがあるから、いやらしいコトに振り回されるんですね、と。『あの人』が、男性が悪いのでは無く、アレが悪いのですね、と。
胸のつかえが取れたような気分になったのは、何故なんでしょうね。

あと、真っ直ぐ歩けなくなることもあるみたいよ、バランスが悪くなってと告げられたのですが、それについては未だに納得がいっていません。
自分の股間を押さえてタマが無いことを確認して、数歩進んでみても、バランスが何て感じることは無いですから。
それも男の子の不思議よねって、付き添いの方は笑っていました。

聞くところによると、あの人も私達と同じ、多重債務者だったそうです。
私達から取り立てられれば、ノルマ達成ということで、逸ったんじゃないかしら?返り討ちにあってちゃ世話無いけどねーと言われ、
なんとか解放してあげることは出来ないかと頼み込んだことも覚えています。だって、ウチには本当にお金が無かったのですから。

付き添いの方は本当に朗らかに笑う方で、もうアレじゃ使いようが無いから解放するよん、と、また、笑って答えてくれました。
その言葉で、胸を撫で下ろしたのは、仕方が無いことではないでしょうか?

299 名無しさん :2018/08/31(金) 23:34:45 ID:jCcZM/NU0
男としても使いようが無いってね♪という言葉を聞き返すと、つまりはタマが無いと妊娠させることが出来なくなるとのこと。
それだけですか、と私も苦笑。付いていた時にも、散々私を抱いていて、それでも私が孕むことは無かったんですから……やっぱり、無くても困らないところだったんですね、と。

解放される前に、言葉を交わしたくて、あの人の側に寄り添います。私を見て、瘧のように震える彼は、以前より愛おしく見えました。

「喜んでください。解放、して頂けるんですって。良かった……本当に良かったですね。
 大丈夫。おちんちんは未だ有りますし、そもそも、貴方のタマタマが無くなってても、誰も気にしたりしませんよ。

 現に、私も。貴方がタマ無し……こんな言葉でいいのでしょうか?になっても、別に、貴方に対する印象は変わりませんから。
 ふふ。むしろ、男らしくない貴方が有るべき姿になれたねって、嬉しいぐらいです。女の私と、お揃いですね。
 
 大丈夫、大丈夫。良かったんですよ。幸い、外見からは分からない場所、そうでしょう?」
 
彼の瞳に涙がたまって。そこで、「男気」が無くなるっていう意味が、少し分かった気がしました。
そして、彼が『男』の責任から解放されたことが嬉しくて、遮二無二、胸に掻き抱いて背中を叩きます。

「要らない『モノ』が無くなっただけで、解放されたんですから。本当に、本当に良かった……」

その様子に、付き添いの方は面白がるような視線を向けていました。

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「キミには、アタシ達、去勢班の仕事を手伝ってもらうことになったから」

『応接室』と呼ばれる部屋で、付き添いの方……今は班長とお呼びしている女性から、講習を受けます。

「去勢っていうのはね、簡単にいうと、キンタマ潰すこと。家畜を大人しくしたりするために、よくやることなんだけどね」

彼女は、世間話をするトーンで、右手を持ち上げると、グッと握り締めます。あ、アソコにキンタマがあるイメージなんですねと一人納得。

「キンタマ潰すと、寿命は延びるらしいし、言うコトもよく聞くようになるし、イイコト尽くめだと思うんだけどさ。
 個人差もあるけれど、性欲も無くなるみたいだよん。まぁ、性欲が残っているコからは、おちんちんも没収するんだけど。
 男の人って、自分にもキンタマ付いてるからか、『潰したり』『切ったり』って作業を嫌がるんだよ……世話が焼けるわよね」
 
なんでもないようなお話。私は、ただただ聞き入ります。

「なんつーのかな。自分が潰されるのを想像して、辛くなっちゃうんだって。私からしたら、使う予定ないキンタマなら、
 ついでに潰してあげてもいいのになって感じなんだけどさー。だから、『潰される』って心配しなくてもいい女が、コレ、やってあげるしかないってワケ」
 
へー。でも、それなら、私でもお役にたてそうです。あんなコト、今までのアルバイトよりも全然単純。

「いーねっ!いやね、アタシ的には偽善もいいトコで吐き気がするんだけど、いるんだよね。付いてないハズのタマが痛むとかいって、
 やたらと感情移入する子がさ……念の為気くけど、付いてないよね?」
 
おもむろに、股間に手を差し入れられましたけど。プロが確認してくれるなら安心ですねと考え、身を委ねます。

「反応薄いコだねー。ま、タマ無いってことは確認できましたよっと。でね。そういう仏心は命取りなの。
 ……これだけは、心して。男って、何の使い道もないタマでも、命懸けで守ろうとしてくるからさ。
 
 キミの前任のコは、それで命を落としたんだよ」

300 名無しさん :2018/08/31(金) 23:35:22 ID:jCcZM/NU0
まぁ、惜しむほどの命じゃないのですけど。それでも、その仏心というものの方が、理解に苦しみます。
……申し訳ありません。ずっと言われてきましたけれど、私、あまり頭の出来が良くないもので。

取り合えず、キンタマ付けて無くてもいいって判断された方のモノを潰せば良いってことで問題ないでしょうか?

「無問題!どっちかって言えば、男ってこんな不便なモノぶら下げててウケルーとか、そんなテンションでいーよ!
 アタシ達は一生無縁な痛みなのにねーとか考えると、ストレス解消にもなるし」

それも分かりかねます……誰かがしなければいけないことならば、粛々と潰して差し上げればいいのではないでしょうか……?

「……いーねっ!新しいっ!それじゃ、今日からキミも、アタシ達の一員だねっ!
 ―――去勢するところは、動画にとってるから。好事家に売ったりもするけど、もし裏切ったら、その動画……」
 
パソコンも、スマホも縁遠い人生でしたので、動画というのも良く分かりませんが……裏切るもなにも。
こんな私でも微力ながら世の中のお役に立てるなら、それ以上のことは望みません。

……それが、私の、この世界への第一歩。
後悔と未練を数珠繋ぎにした人生ですけれど。あの頃の私は、どれだけ甘ったれていたのでしょうね。

シャワーを止めて、再度、自分の股間を弄ります。21年間慣れ親しんだ、タマなんて無い、『普通』の股間。
それが『普通』だと、心の底から確認をすることだけが、私に次の一歩を踏み出させてくれました。

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『準備室』。『コンパス』、『ロデオ』、『テントウムシ』etcetc…

一見して用途が分からない器具が、雑然と転がっています。
気付いたときには整理整頓させていただいているのですけれど、他の方々はそんな意識は持ち合わされておられないようです。
私と違って有能なので、こんなコトに割いている時間は無いのでしょうね。

物思いに耽っていた私とは大違い。サツキさんは、既にテキパキと準備を進めていてくれました。
ライムグリーンの下着だけを身に付けたその姿。全身に薄い脂肪と健康的な筋肉を纏った彼女は、まるで芸術品のようで。

振り返って、私。私は裸ん坊。女性らしいといえば聞こえはいいですけれど、生きていくには不要な塊が胸に、お尻に。
そのくせ、お腹には全然脂肪は付きません……つくづく、貯えという概念と縁遠い女です。私にとっては、こんな脂肪は贅肉としか形容しようが無いのに。

薄着であったり、裸でいさせて頂いている理由は単純です。コレからの『お仕事』、どうしても返り血で汚れてしまいますので。
ご存知の方もいらっしゃるでしょうけど、血の染みはどうにも頑固で。なので、お仕事が終われば、直ぐシャワーを浴びてお終い、と出来るようにこの格好ということです。

無精者なので、私はいつも全裸で『お仕事』にあたらせていただいていますけれど、サツキさんは恥ずかしいんですって。
減るものでは無いですし気にせずとも(減るなら、私だって着込みます!)と訊ねたら、先輩は女を捨てすぎです!って叱られてしまいました。

『男』を捨てるお仕事なのに、『女』を捨てすぎって叱られていることが、とても可笑しかったことを覚えています。

今回、利用することにしていた道具はこちら。分厚いゴム盤の端に、梃子の原理を利用した大きなカッターが備え付けられたもの。
端的に言えば、手動の紙の裁断機です。学校で先生方が利用しておられるのを、見たことがある方も多いのではないかしら。

他の器具の例にならいますと、皆さんからは、コレは『ギロちんちん』って呼ばれています。最初は、内心悪趣味だと顔を顰めていましたけれど。
元となった『ギロチン』自体が、受刑者の苦痛を可能な限り軽減させようと作られたことを知った今では、的を射たネーミングですねと感心しきり。
皆さん、頭がよろしくくて、羨ましい限りです。

301 名無しさん :2018/08/31(金) 23:36:49 ID:jCcZM/NU0
……最初は、葛藤することも無かったのです。あの日の言葉の通り。
私達、『チーム』の元に送られてくるのは、敵対されていた組織の所謂『鉄砲玉』の方であったり、『チンピラ』の方であったり。
男性の『タマ』が司っている血の気に、骨の髄まで支配されてしまい、自分ではどうしようもないほど振り回されている方々でしたので。

私は、なんの疑念を抱くことも無く、コレは人助けなんですと思いながら、淡々と、悪意の源を磨り潰させていただいていました。
あの頃は、単純に、身動きが取れないように拘束された方の、私には無い部分をコンクリートブロックで挟んで、そのまま力を入れるといった方法で……特に、拘りも無かったのです。

拘束された男性から、流れ作業のように下穿きを取り去って。十人十色のモノをお持ちでしたけれど……共通されて付いている、二つのモノが入った袋を引き伸ばして。
養生テープで、その悪性のモノをコンクリートブロック上に固定して。『潰すので、歯を食いしばってくださいね』と一言。返事を聞く前に、両手でもったもう一つのブロックを思いっきり叩きつけて、押し潰す。

示し合わせたかのような、甲高い悲鳴、それでお終い。これだけで、『大人しく』なっていただけるなんて親切な作りをしていますね、なんて感想を抱いてみたり。
でも、その悲鳴は、澱のように、私の心の奥底に積もっていっていたのです。


月日は流れて。何でもないような人も、送られてくるようになりました。今にして思えば、あの場所に送られる方々だったのでしょう。
『感情移入する子がいる』という、班長の言葉が、フラッシュバックのように思い返されることが増えてきました。

痛みや、苦しみは分かりません。喪失感も。性格が変わってしまう……なんてコトに至っては、私の身体では完全に想像の範囲外です。
結局、分かりきったことなんです。私は、『潰すことを楽しめる』ような才能なんて無かった。『共感出来ない』という、欠落しか備えていなかった。

きっと、件の亡くなられた方は、その苦痛を見かねて『どうやったら潰さないであげられるか』を考えたのでしょう。
私は、『潰すこと』自体はその人のためと信じきっていましたから……『どうやったら痛み無く潰せるか』を考えはじめました。

それから、私なりの試行錯誤がはじまりました。何せ、潰す側ですので、納得行くまで何回でも出来るのですから。言い辛いのですが、気軽なモノという意識が無かったといえば嘘になります。
潰される側は、多くて二回(私は一回も経験できませんが)。その経験を無駄遣いするなんてトンでもないと、自身を戒める日々でもありましたけれども。

暖かみのある方法がいいかと思い、蹴飛ばして。掌と床に挟んで、押し潰して。
一息で終わらせたほうが痛みも少ないかもと思い、一瞬で。名残を惜しむ時間を与えたほうが未練が残らないかもと考えて、じっくりと。

丁度二つあるのですから、と。それぞれ、別の方法でお別れしていただいて、どちらが良かったかを聞いて回っていたこともありましたっけ。
個人的には、ゆったりとお喋りしながら、ジワジワと潰させていただくのが好きだったのですが……被験者の方からは大不評だったため、涙を呑んで取り下げたこともあります。

302 名無しさん :2018/08/31(金) 23:38:13 ID:jCcZM/NU0
その頃ですね。歩み寄ろうと思って、サツキさんに色々な技を掛けていただいたのも。
『鐘抜』のみならず、眩暈を覚えるほど色々なレパートリーを彼女は持っていて……感心すると同時に、そのどれもで苦しむことが出来ず(痛くはありましたよ?)随分もどかしい思いもしました。

無理は承知で。『共感できない』という欠陥を埋めたかったのだと思います。ただ、自分自身のためだけに。私は我儘で、ただ、自分のことしか考えられない子供だと、言い聞かされて育ちましたから。
「大切な場所なら、簡単には潰れませんよ」って。「簡単に潰れてしまったのは、どうでもいい場所だったからですよ」って。「たいしたことは無かったですよね」って。
でも、どんな慰めの言葉をかけても、私と彼等は、理解しあうことが出来なくて。

彼等が、物理的に、私達に歩み寄ってくれるのだから。私も、精神的に(物理的に生やすことは出来ないので)分かり合ってあげたかった。
これが、班長が仰っていた、忌むべき『感情移入』でも構いませんでした。でも。私程度では、その糸口すら掴めなくて。

陰部を剃毛しはじめたのも、その頃でしたっけ。『無い』というのがどういうことか、実物があれば安心して頂けるかもと考えたので。
その頃から、既に『仕事』は全裸でと決めていたので、コレについてはたいして抵抗はありませんでした。

結局、私に出来たのは。『更生』させた手間賃として頂いていた、ちょっとした報酬をお渡しさせていただくぐらい。金額は、きまって15000円……何故か、全額500円玉でした。
お給金のほぼ全てを仕送りにつかっていた私には大金でしたが……あの人にとって、キンタマを差し出すのに見合う額だったのでしょうか。

サツキさんは、『銀貨30枚なんて、洒落が効いてる』って笑っていましたけど。その額は、『神様』を買える額ですよって。
無教養な私には、一月分の食費程度にしか見えませんでしたが……そんなモノまで買えるのですかと、大層驚いて見せた記憶があります。

そして、最終的に分かったのが。その、タマを抜く……つまり、切り落としてしまう方が、潰されるよりも楽そうだということでした。
予想もしていませんでした。その、指を詰める方が、爪を剥がれるよりもいいみたいなこと?そんな、理不尽な、なんて腹を立てたことも懐かしい思い出。

『あの人』の男性としての最期を。鮮血にそまった我が家を、それを思い出すと、未だに足が竦んでしまうのに。
『無い』私でも、壊れた蛇口のように……ふふ、壊れる蛇口を取り外したからそうなるのに、変ですね……暗褐色の、錆びた匂いの液体が流れているのを見ると、幻痛を感じてしまうのに。

まぁ、私のことはどうでもいいのです。ただ、何時ものように黙って耐えればいいだけなので。
そこで、初めて、何故それがギロチンに由来する名前を冠しているのかを、理解しました。

私の使い方は、簡単です。コンクリートブロックで行わせていただいていた経験を生かして、対象者の方のおちんちんと、キンタマを化粧板に固定させていただいて。
そして、対象者の方ご自身で、カッターを押し込んでいただく……ただ、それだけ。

これは、私の経験則なのですが。絶対に、おちんちんや、キンタマを切断されることが無い女に、どうでもいいコトのように軽く奪われてしまうというのはとても屈辱的なようなので。
……思い詰め過ぎ、ですよね。確かに、ソレを頂くこと自体には、感慨を覚えることは無いですけれど。そんなに気負う必要はどこにも無いのに。奪われる側も、気楽な気分でいてくれれば、それが一番なのに。
苦悶に戦慄く姿を見ているときは、心の底から、男性として生まれてしまった不運に同情はしますけれども。

だから、せめて最期は自分の手で、と。勿論、お手伝いはします。
一息に切断した方が、結局は貴方のためですよ、と励まし。その、勇気の元が詰まっている部分から、本体の方に勇気を押し出してあげたりもして。
昔取った杵柄といいますか、色々試したことがある経験上、苦しみは分からなくても、苦しませ方であれば、下手な男性以上に熟知させていただいていましたので。

勇気の元といいながら、実態は空っぽで。最期まで、ご自身で始末をつけられない方は、そのまま潰させていただいています。
可哀想に、コレは外れだったんですねと、勇気も男気も入っていないハリボテのタマをつけていて、生きていくのは大変でしたよねと、労いの言葉をかけながら、ですけれど。

彼は、フジワラ君は、そんな心配は不要でしょうけどと笑いながら、カッターの刃の手入れをしていると、サツキさんが面白いものを見ましたといって、こちらを手招きしていました。

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303 名無しさん :2018/08/31(金) 23:38:53 ID:jCcZM/NU0
白昼夢から醒め、彼女を見ると、『準備室』内に備え付けられているモニターに釘付けになっている様子。
先だっても説明したかもしれませんが……『娯楽室』には、幾つか監視カメラが仕掛けて有るんです。その、『動画』を取るために。

所謂、人質?データ質?その、こういう『はいてく』なものは、未だに慣れることが出来ません。

モニターに写されたものは、剥き出しになった床板。そして、敷かれていたシーツが全て捲くられて、部屋の中央に見慣れない繭が出来ているところでした。

最初は、申し訳なく思いました。また、勝手に彼に重荷を押し付けてしまった、と。最期まで、邪魔な期待をかけてしまった、と。
そうですよね。男の子ですものね。きっと、今まであって当たり前だと信じ込んでいたものが無くなってしまうと思うと、寂しいんですよね、と。

可能なら、直ぐにでも、変わってあげたかった。彼が、シーツの中、寂寥感に包まれて泣いているんじゃないかと思った。
そして、決して変わってあげることが出来ないということに思い至って、そして、今まで『更生』させてきた方々への申し訳なさが湧き出してきて、
それだけで浮かれていた先程までの自分が許せなくなってしまって。

と。サツキさんが指差す方向、別のモニター。そこに写っていたのは。

丁度、入り口から死角になる場所。そこで待ち構える、信じていた『彼』の、勇ましくも……浅ましい姿でした。

「おにーさん、まだ諦めきれないみたいですね……クス。仕方が無い、世話の焼けるコですねぇ」

また、裏切るのですか、と。

柔らかい笑み。どうしようもない聞かん坊で、そしてそこが可愛くてたまらないと言外に語る、その顔を眺めながら。
瞬間、自分でもどうかしてしまったみたいと思うぐらいに、横隔膜あたりから吹き上がってきた黒い感情に、平衡感覚が狂うのを、他人事のように感じていました。
そして、何故か。脳裏に、顔が見えない誰かと、彼と繋がる映像が。

304 名無しさん :2018/08/31(金) 23:39:29 ID:jCcZM/NU0
―――バシィィンッ!!

静寂を切り裂いて、破裂音が一つ。唖然とした顔で、サツキさんが私を見やります。
私が、自分の頬を思い切り叩いた音。驚くほど大きな音で、自分自身もビックリしてしまいました。

ビックリついでに、落ち着いてきた思考を確認します。うん、良し。えぇ、そうです。只でさえ馬鹿なんですから、感情に呑まれてしまって良いことなんて有るわけが無い。
きっと、あのままでは……それこそ、たった一回(二回、ですかね)しか出来ない貴重な経験を、お互いに最悪な後味のまま終わらせてしまっていたでしょう。

だって、治らないんです。取り返しがつかないんです、去勢って。
何回もあの痛みを思い知らせるなんて残酷なことをしなくてもいいと、治らないことに内心感謝していたのも確かです。でも、この場では、それが、ただ、恐ろしい。

呆然としたサツキさん……珍しい姿を見せた彼女に、『ギロちんちん』では無く、『ロデオ』を準備するように伝えて。

私は、気合を入れなおします。多寡がしれた気合ではありますけれど、それでも。心を鬼にして、彼にお仕置きをしなければいけない、と。
どこか遠いところで、見なかったことにすればいいじゃないって、何も無かったことにしてちょん切っちゃえばいいんですよって、そんな弱気の虫が鳴いていましたけれど。
それは、きっとどうしようもないほどの亀裂をつくる道かもしれないと分かってはいました。それでも。

きっと、子供を躾ける親って、こんな気分なのかもしれませんね。
母も、こんな気持ちで私を見ていたのかしら。

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305 名無しさん :2018/08/31(金) 23:40:10 ID:jCcZM/NU0
女々しいことは、承知の上です。仕方が無いでしょう、女なのですから。

気合を入れたつもりでも、心臓は乱雑な拍動を刻んでいて。掌、足の裏が不快な湿り気を帯びていくのを感じます。
アレが、夢や幻であってくれれば、どれだけ良かったでしょう。何かの間違いにしてくださるのであれば、私は何だって捧げたでしょう。

鼻歌を歌いながら、平然と『娯楽室』の扉を開く後輩に、畏敬の念すら覚えてしまいます。
私ときたら、彼女がドアを解錠しようとしたとき、思わず縋りついてしまわないように、なけなしの精神力を総動員するしかなかったのに。

そして。開かれた扉の先に見えたのは。『準備室』で確認したままの、純白の繭。私とって、それは誰かの亡骸が包まれているようにも見えました。

彼女は委細構わず、飄々とした様子で歩を進め……

「ばあっ!!」「うおあぁぁぁぁ!!」

刹那。両手を掲げて、扉の陰、丁度、彼が身を潜めていた場所に振り返りました。

あの人は、とても驚いたでしょうね。それこそ、キンタマが縮みあがったのではないでしょうか。その感覚は、縮みあがるモノが無い私には確かめようが無いですけど。
その流れのまま、彼とサツキさんは組み合った様子です。扉の陰なので、私からは彼の肘から先しか見えません。

サツキさんは、前と同じく大股を開いています。如何せん下着のみですので、はしたないと心配する感情が一分。
素っ裸の我が身を省みて、下らないことをと考える感情が一分。そして、残りの感情は―――

先程から散々急所を責めさせていただいたので、彼は総身に力が入らないのでしょう。
不便ですね、と呆れつつ、だからこそ二人は今拮抗しているんですねと、私達にとって便利な作りになっている彼の身体に感謝。

このまま、あの人の金的を蹴り上げられればサツキさんの勝利。逆に、体勢を崩したその一瞬で、彼女を組み伏せたならフジワラ君の勝利。
誰も、私に気付いてはくれません。ふふ、私の人生そのものの、Deja vuってヤツですよね。コレこそが。

一歩、二歩、三歩と。扉の陰から身を晒すと、鏡写しのような体勢で、二人が相手の肩を押さえあっています。
キスが出来る距離。恋人の距離。あの日、私が奪われた距離。


「―――嘘吐き」


一言、自分でも、何を言ったのか分からない言葉が漏れ出て。そのまま、全力で。乱雑に、大雑把に。
ただ、全身全霊の力を込めて、私は、お二人の股間を蹴り上げました。

「きゃうッ!?」「ぎぅ!ふゥウウウゥウウウウウウ―――

結果を語る必要、有りますでしょうか?立てた爪先に、柔らかい感触。覚えのある重量が、足先と恥骨に挟まれて、変形していくのが分かります。
楕円形のナニかが、硬い骨に挟まれて、扁平な形に変わっていくところが。

脛には、柔らかい感触。女性らしい丸みを帯びた、後輩のお尻の感触です。そして。挟まれるものが『無い』から、ダイレクトに伝わる、恥骨の感触。

306 名無しさん :2018/08/31(金) 23:40:50 ID:jCcZM/NU0
蹴りぬくことは、出来ませんでした。非力な私では、サツキさんの重みですら耐えかねてしまいましたので。
ただ、爪先から流れ逃れる睾丸の感触を感じながら、あぁ、潰し損ねちゃいましたね、なんて、実感の抜けた感情を味わってみたり。

私が通常の体勢に戻らせていただくと、そのまま、彼女は内股に。股間を押さえて、か細い声をあげました。
彼は……崩折れるように床に伏せ、低い声をあげながら身を震わせていて。甲高い声になって頂くつもりでしたのに、と、少し残念な気分。

「痛ッ〜〜〜〜〜〜〜〜ちょっと、先輩!?」


サツキさんが、猛然と振り返ります。憤懣やるかたないという表情。
やはり、女性相手ならこの程度ですよね、と、うすぼんやりとした頭で得心していた気がします。

勢いのまま、食ってかかろうとしていた彼女は、私の顔をみて、風船が萎んでいくように大人しくなってしまって。
悼ましいという表情をして、両の頬に手が添えられて。何故か安心感と虚脱感、そして仄暗い爽快感。
手垢のついた表現で心苦しいですけれど。知らぬ間に、冷たいものが、頬を流れていていたことを、その時、はじめて理解しました。
悼むべきは私ではなくて、痛むべきは彼なのにと、不思議な気分になったのは何故でしょうか。

フジワラ君は、不憫なことに、苦しみようがサツキさんの比では無く。
シーツが剥がされた床板。所々、ササクレができているソレを転げまわると、棘が刺さったりしないかしらと、ささやかながらも案じてみたり。

「いい気味です」と、冷ややかな目で彼を見下ろす後輩の姿は、だからこそ、ほんの少し、癇に障りました。
私が、情けなくも涙を零してしまったのが悪いのに。理不尽ですよね、それだけで貴方が敵意を向けられるなんて。

涙を見ただけで、一体私の何が分かると―――いえ、やめておきましょう。これだって、理不尽極まりないですから。だって、自分だって分かっていないのに。
いや、そうじゃない。だって、私が悲しいのは。腹を立てているのは。

「浮気者。さっきは要らないっていってくださったのに、もう移り気ですか」

そう。私が怒っているのは、彼が自分の言葉に責任を―――いや、違います。……違う、筈。
私が怒っているのは、彼が、自分から『より苦しい』と思われる方を選ぼうとしているコトと、彼を説得しきれなかった自分自身に対して。
きっと、そう。だから。

307 名無しさん :2018/08/31(金) 23:41:26 ID:jCcZM/NU0
「チクショウ…………だから、人違いだって……」

彼の言葉は、意味を持たない泣き言だったのかもしれません。ただ、それは私が求めていた言葉ではなくて。
……逆に、あの日と同じ。一番聞きたくなかった言葉で。一体、私はどんな言葉を求めていたのでしょうね。自分でも、自分を理解できません。

軽く、背中を叩かれる感覚が。振り返ると、サツキさんが、どこか呆れたような、そして慈しむような顔を向けていて。
『しょうがないなぁ』なんて、そう語っている表情。そして、無言のまま、彼女は扉まで下がっていって……そのまま腕を枕に、胡坐をかいて座り込んでしまいました。
まだ痛むのでしょうか、軽くお股を擦る、その様子に申し訳なく思いながらも。その格好、とてもはしたないですよ、と差し出がましいにも程が有ることを考えてみたり。

ズルリと、背後で異音がなって。クルクルクルクル、バレリーナみたいと思いながら振り返ると、あの人は両脚で立てるぐらいには回復したようでした。
なんと声を掛ければよかったのでしょう?「潰してあげられず、ゴメンなさい」?「大したことなさそうで、安心しました」?「痛いなら、無理しないでくださいね」?
サツキさんからは、何の声も掛からず。ただ、思いのままにすればいいと、そんな視線だけを背中にうけます。

心に任せて、出てきた台詞は、コレ。



「ねぇ、フジワラ君。―――ケンカ、しましょう?」



意味が分からない。なんで、こんな言葉が出てきたのかが。それでも。
ほんの少し、背中の重荷が取れたような、そんな気がしました。


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308 名無しさん :2018/08/31(金) 23:42:08 ID:jCcZM/NU0
生まれたての小鹿みたい、何て、黴臭い表現をしてしまいすみません。
フジワラ君は、両膝をピタリと閉じて、片手で痛むところ―――気の毒に―――を押さえて。
片手だけ構えた、ファイティングポーズ。内股のその姿に、まるで女の子みたいという印象を受けて、内心で謝罪します。

だって、そのポーズは、男の子だからこそ強いられているのですものね。
それなのに、なんで女の子みたいな体勢になってしまうのか……手前味噌ですけれど、きっと、身体の方は男の子を止める覚悟が出来たのでしょうね、と感慨深くなってしまいます。
片手の隙間から、ひょっこりとおちんちんの先が顔を出しているのはお間抜けで……それすらも、愛おしいと感じてしまって。


お互いに裸ん坊で。なにもかにも、晒けだして、隠しごとなんて、何一つ無くて。
と、彼の視線が股間に注がれているのが分かりました。見飽きたでしょうとも思いますけれど、見返せば、今、私は正面で手を合わせていて。
染み付いた所作って怖いですね、と苦笑。女性なので、それだけで性器が完全に隠れてしまいますものね、と。

ゆっくりと、両手を横に開きます。今度こそ、隠すものなんて、何もありません。
視線が鋭くなって、こそばゆくなってしまいます。男性は、皆さん、ココに興味津々のようで……玩具を見詰める子供みたいと微笑ましく思います。
好きなだけご覧になってくださって結構ですよ。それにしても……皆さん、何故こんなトコロが好きなのでしょうね。

私にとっては、見慣れた場所。特に何もついてはいない、何の変哲もない、つまらない部分。そして……男性が、私に求める、全て。
不思議だな、とは思いますけれど、不満はありません。こんな私に価値を見出してくれるなんて、感謝こそすれ、蔑んだり、恨んだりする理由なんてありませんから。

ただ、何も無いココが羨ましいのかなと思うことは、正直、あります。きっと、内心、自分もこう有りたいと思っているのではないでしょうか、とも。
だからこそ、彼等はココを渇望して……だからこそ、私は、彼等の『期待に応える』生業を、まがりなりにも続けてこられたのです。

お返しに、と。私も、視線を同じ場所に注ぎます。私とは違う、その部分に。
ひぅ、と彼の喉が鳴って。無意識なのでしょうか、両手で。大きな身体を縮めるようにして、必死でソレを守ろうとしているのを見て、残念、ともう一回苦笑い。
老婆心ながらの忠告ですけれど……それでは、ケンカなんてできないのではないでしょうか。

彼との間合いを詰めていきます。とはいえ、私は身体を動かすのも得意な方ではないので、不恰好にですけれど。
裸足の足裏が、ペタペタと気の抜ける音をたてて……蹲った彼と私の背丈は同じぐらい。片手を振り上げて、思いっきり頭に振り下ろしたら、ポコンと軽い音がしました。

ポコポコ。ポコポコ。一打、一打を入れる度に、さまざまな思いが去来してくるのを感じて。
今まで溜め込んできた、耐え忍んできた何かを、彼に伝えることが出来ているような気がして。

ほとんどダメージは無いのでしょう。そも、体重が違いすぎますし。体格だって、彼が本気になったら、私なんて軽く払われてしまうでしょう。
男と女で埋められない差。叩いている、私の拳の方が痛くなってきて……反比例しているように、心が軽くなってきて。夢中になっていると、彼が一言、調子に乗るなよ、と。

両手で私の乱打を軽々と押さえたのと、ガラ空きになった『金的』に爪先が捻じ込まれたのと、どちらを先に認識されたのでしょうね。男と女で、埋めようが無い、差。

309 名無しさん :2018/08/31(金) 23:42:40 ID:jCcZM/NU0
『火男』のお面を思いださせる、歪んだ顔。足応えは、まだ『非男』にできてはいないわ、と伝えてきていましたけれど。
私の手首を握り潰そうとしていたかのような力が、大気に溶け出すように抜けていって。何回目、でしたっけ。膝をついて、『急所』を押さえる体勢に戻って行きました。
そこの脆さについては……経験は出来ずとも、知識としては知っています。今更、驚いたり、バカにしたりなんてしません。ですけど……その無用心さには、些か呆れてしまいます。

「フジワラ君……その、私、ケンカなんて初めてなのでよく知らないのですけれど……『金的』って、ケンカだと真っ先に狙われる場所じゃないんですか?」
「グゥゥゥゥ……ふざけんなよ、卑怯者ォッ……」

返されたのは、思いがけない言葉で。意味を飲み込めずに、目を白黒させていると、背後から長閑な声が届きます。

「シノせんぱーい、男の人って、なんでか、ケンカでソコだけは狙わないってルールがあるらしいですよぉ」

そうなのですか、と。途端に、無知故に、なにか失礼なことを仕出かしてしまったのかと思い、お尻がむず痒くなってしまいました。
幸いにも、続く言葉は、その不安を払拭してくださるもので。

「意味不明なんですけどぉ、なんか、自分でも痛さが分かるし、やり返されたら怖いしってコトで、そういう不文律があるんですって」

「良かった……それなら、痛さも分からない、やり返されることの決して無い、私達女性にとっては関係ないルールということですね……。
 ですって、フジワラ君。何か、反則的なことをしてしまったのかと心配だったのですけど、ふふ、ほっとしました。
 
 でも、一つだけ聞いてもいいですか?その、痛みが分かるなら―――

仰向けに横たわる彼。その股間目掛けて、思いっきり踵を踏み下ろします。あの人は、尺取虫みたいに、ぴょこんっと跳ねて、私の足から逃げていきましたけれど。
躊躇無くこういうことができるのも、痛みがわからない女性の特権ということなのかしら、なんて愉快になって。ふふ、愉快な気分っていうのも、久しぶり。

ガツン、ガツンと何回か踏みつけて。その度に、ぴょこん、ぴょこんと逃げ回って。ほうほうの態で、彼は再度立ち上がりました。

310 名無しさん :2018/08/31(金) 23:43:18 ID:jCcZM/NU0
「分かるなら、尚更、『金的』を狙うべきなんじゃないんですか?あ、勿論、相手が男性の場合ですけど……ホラ。ご覧の通り、女の『金的』は蹴れないですものね。
 あの、蹴っ飛ばす側の経験しかない私がいうのもなんですけれど、『金的』って便利ですよ?上手く入れば、たった1回で大勢も決まってしまいますし。
 私、コレをケンカで使ったのは初めてなんですけど……仕方ないじゃないですか!ケンカするぐらいなら、我慢すればいいって、そうやって今まで生きてきたんですから!
 でも、素人もいいところな私でも、ね。これだけで、勝てちゃうんですから。ふふ、男の人にとっては、残酷な話しですけれど。
 
 
 それに、ですね。秘密ですよ?ココだけの話、上手く入ると……グチャって感触があると……うふふふふ。ちょっと、スッキリした気分にもなれますし。
 その、蹴り潰された方も、一生スッキリするらしいので、ね。そのお裾分けなんでしょうか。フジワラ君は、どう思いますか」

タンッ、タンッ、タンッ。軽く助走をつけさせていただくと、渾身の力で、彼の……両手で覆われた膨らみを、掌ごと押し潰すつもりで蹴り上げます。
また、変な顔。いや、違いますよね。それって、本当は男らしい表情なんだって分かってますから。だって、男の人しか出来ない表情ですものね。

何度目か。またへたりこもうとして。私が、踏み潰させていただこうと上げた脚をみて、痛みに耐えて踏みとどまって。耐え切れず、ぴょん、ぴょんと飛び跳ねて。
あの踊りは、可愛らしくて大好きなのですけど、痛みが和らぐのでしょうか、私には、分かりかねます。……分かってあげようと四苦八苦していた頃が懐かしく思い出されます。
あのとき、サツキさんから、『金的』を蹴る方法を学んでいて良かった。本当、人生って何が幸いするか分からないものですね。

練習で、お互いに『無い』金的を蹴る真似事をしていたときは、運動神経の無さも相まって、うらぶれた気分にもなりましたけど。
それでも、『金的』の有無だけで、こんな私でも、フジワラ君に勝てるなんて……私には、コレしか無いのに。

「せんぱーい。単に、金的をもう苛められすぎてて、おにーさんの動きが鈍っていただけですからね。調子にのらないでくださいね?」

見透かしたような(実際に、見え透いていたのでしょう)サツキさんの言葉に、知らず背筋を伸ばします。本当に、調子にのりやすいのは、私の悪い癖。
調子に乗ってみたところで、それで成功したことなんて、これまで一度も無いのにね。

苦しむ彼をみて、罪悪感を感じないかと問われれば、感じると答えます。自分では、決して共感してあげることが出来ない、苦痛に悶えるあの人に、憐憫の情を覚えないのかと問われれば、答えは否。
でも、それでも。初めて、『傾聴』するのでは無くて。彼と、『対話』が出来ているという実感が湧き出て止まらず、自身の高揚を抑えることができないのです。

「フジワラ君、せっかく守っていたのに、それでも痛いんですか?それじゃ、何のために守ったのか、分かりませんよね?ふふ、もう答えをいっちゃいますと、守り方が間違っているんですよ。
 別に、難しいことじゃないんです。女の子なら、みーんな、実践している方法―――

飛び跳ねる彼を抱きとめて。全身を、その苦悶をうつしとる心算で抱きしめて。ニッコリと、彼を見上げて微笑みかけます。
不憫なことに、彼は恐慌状態に陥っているみたいで。早く、早く楽にしてあげてと、どこかで私が悲鳴をあげていて。まだ。まだ語り足りないと、別の私は歓声をあげていて。

その時です。意図してか否か、彼の右足が振り上げられて。太腿が、過たず、私の股間を突き上げました。思っていたよりも、柔らかい感触だなと感動したことを覚えています。
どうなったかって?いえ、どうにもなりませんよ。だって、私は『金的』の守りは完璧ですから。ふふ、ココを蹴り上げるのって、意外と難しいんですよねなんて、練習時代のことを思い返してみたり。
男女問わず、股間は『急所』といいますけれど。『急所』の度合いが違いすぎますよね。しかも、膝でもなく、太腿でだなんて。ふふふふ、可愛いですね。

先程のサツキさんの言葉が正しかったのでしょうか。蹴り上げたのが、『女』の股間であるにも関わらず、彼の動きが一瞬止まりました。禁忌を犯した、とでも思ったのでしょうか。
気にして頂かなくても、私は一向に構わないのですけど。その律儀さには、頭が下がります。

311 名無しさん :2018/08/31(金) 23:43:57 ID:jCcZM/NU0
「お上手ね。うふふ、ね。簡単でしょう。キーンって感じ、しましたか?ふふ、しませんでしたよね……ゴメンね。女には『金的』が通用しなくて。
 でも、男の人が相手なら、今のレベルでも一瞬は怯むと思いますよ?……初めてですもの、下手なのは当然です。そうだ!後で、私で練習してみましょうか、大丈夫、私は全然平気ですよ。
 
 ふふふ、その、ね。コレから、貴方には、力が入らない身体になって頂きますから……アレ、何でなんでしょうね?護身術の一つや二つ、覚えていた方がいいかもしれないですし、ね。

 そんなに恐がらないで。その頃には、貴方も私達と同じ。もう、その痛みを知ることはないし、絶対にやりかえされることがない肉体になっていますから。
 ―――そう。護身術と同じ。危ないところには近付かないのと同じように、危ないモノは持ち歩かなければいい。ね。これが、最高の守り方だと思いませんか?
 
 ふふふ。『金的』さえ無ければ、決してソコをヤられることは無いのです。でも、貴方は抜かれたくないそうなので」

キスが出来る距離。恋人の距離。あの日から、どこかで私が夢見ていた距離。

「申し訳ないのですけど」

心苦しさに目を伏せます。ただ、彼の心境を慮って、一瞬だけ。目線を上げて、彼を見上げて。不安が消え去ってくれればいいと、ニコリと微笑む。一言。

「潰しますね」

彼の頭を掻き抱いて、彼の腰を引き込んで。体中のバネをつかって、体中の思いを込めて。

「―――ゴメンなさいっ!!」

膝頭が、彼の太腿は感じられなかっただろう器官……睾丸を押し潰していくのを感じます。また、えんどう豆みたいに変形して。
膝と恥骨で、摩り下ろされていくように削られて。生き汚く、いじましくも、それでも自身を維持しようとして。限界まで潰れて、そのまま……

彼の頬が膨らんだかと思うと、吐瀉物が撒き散らされました。きっと、下を押し潰されて、上から漏れてしまったのでしょうね。可哀想に。
頭からソレを被ることになりましたけれど、不思議と不快感はありません。寧ろ、頑張ったねと、褒めてあげたいという気分の方が強いぐらいです。

結論からいうと、潰れてはいませんでした。まぁ、私にとってはどちらでも良かったんです。
……ですが、彼にとっては、ここで潰れていたほうが良かったんでしょうかね。それとも、一秒でも長い間、ぶら下げられた方が幸運なのでしょうか。
ふふ、分かんないです。私には。


口の端から泡を噴いて、失神してしまった彼。キレイに拭いて、身嗜みを整えて欲しい(裸ん坊なのに、身嗜みって変ですね)とサツキさんにお願いしたら、
彼女は既にその先を見越していて。次の『工程』で利用する、拘束具まで用意してくれていました。いつの間に、と今度は私が驚愕する番。

再度、シャワーを浴びついでに。『ロデオ』を準備するために、『準備室』に引き返す私。
甲斐甲斐しく、サツキさんがフジワラ君の身を清めているのを見ても、以前程の疑心と嫉妬は浮かび上がることはありませんでした。

―――また、脳裏に謎の映像。誰かと繋がる、彼のイメージ。ただ……お相手の顔は、何処と無く自分に似た面影がありました。

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312 名無しさん :2018/08/31(金) 23:44:33 ID:jCcZM/NU0
『ロデオ』という言葉で、皆様はどのようなモノを思い浮かべるのでしょうか。実際に、お馬さんを乗りこなすこと?もっと卑近に、公園にあったようなお馬さんの遊具?
それとも、大きな電気屋さんにあるような、あのグイングイン動く、椅子のような装置なのかしら。

この器具は、強いて言うなら、最後の例が近い……のでしょうか。実体は単純。大型の万力に、頑丈な土台が据え付けられただけの代物です。
遠目にみると、跳び箱が一番近いのでしょうかね。ハンドルに尻尾を模した意匠が施されていて、もう片方の終端には、お祭りで見たような、お馬さんの頭が取り付けられています。
そこに注目してみるなら、公園のお馬さんにも近いかもしれませんね。

台車を押して、『ロデオ』を運びます。『娯楽室』の扉を潜った先、両手両足の親指を括り付けられ、ブリッジのような体勢。目だけを覗かせた紙袋。
きっとその下では猿轡を噛まされていらっしゃるのでしょう。まるで、咎人のような出で立ちの彼と。

柔らかく微笑み、膝枕をした状態で、優しく彼の髪を手櫛で梳いている、サツキさんの姿が出迎えてくれました。

私のような下賎の者は、見ることすら許されないような、清廉な風景にも見えました。聖母に抱かれる殉教者を描いた、神聖な絵画かもしれない、とも思いました。。
―――そして、あの日、私が見てしまった、あの光景のみたいですね、とも。

今までの私であれば、きっと、耐え切ることが出来ず、そのまま逃げ出していてしまったかもしれません。
いつものように。そして、あの日のように。

ふふ、あの日を想起してしまったのは、『お馬さん』に一因があるのかも知れません。
フジワラ君……きっと貴方は知らないでしょう。あの日、私が独り、公園のお馬さんに腰掛けて、一晩泣いていたことなんて。

いいんです。ただ、私のお家にはお金が無くて。遊び道具なんて、公園の遊具しか知らなくて。
辛いことがあったら、そこで泣くことにしていた……なんて、単純に、私の都合。知ってもらおうなんて、自己中心的すぎますよね。

それでも、今回は。何故なのでしょうね、自分でも奇妙なほど落ち着いて、その情景を受け入れることが出来ました。
どんな話をしていたのでしょう。コレが終わったら、二人とじっくり話し合いたいですね、なんて、柄にも無いことを考えてみたり。

二人の下へ、足を進めます。猿轡のせいで、彼と言葉は交わせません。紙袋のせいで、彼の表情は伺えません。無性に悲しく感じますけれど、でも、コレは仕方が無いこと
これからの『お仕事』で、舌を噛んでしまっては大変です。だから、猿轡は彼のためにどうしても必要なモノ。
これからの『お仕事』で、悶え苦しむ顔を晒させるのは、彼のプライドを傷付けてしまうでしょう。だから、紙袋は、彼のためにどうしても必要なモノ。

313 名無しさん :2018/08/31(金) 23:45:11 ID:jCcZM/NU0
私の一時の感傷で、彼の一生の晴れ舞台を汚すなんて、それこそ、どうお詫びしても詫び切れませんから。私の感情なんて、些細なこと。
それでも、少しでも彼を感じ取れればと覗き込むと。暗渠から見返す目は、どうしようもない諦観に支配されていて。それが痛ましくて、彼に、コッソリと蜘蛛の糸を囁きます。
少しでも、希望を取り戻して欲しかったので。コレも、私の我儘なんでしょうね。

(大丈夫、安心して。信じられないかもしれないけれど……まだ助かる道はありますから)

現金なもので。その瞬間、彼の目は信じられないモノを見たかのように広がって。私は、(だから、大人しくしてくださいね)と耳打ちしながら、彼の御髪を整えました。
サツキさんは、見守るような視線を此方に向けつつも、沈黙を保ってくれていて。とても有り難かったことを覚えています。

サツキさんと私。女二人で協力して、彼を『ロデオ』に跨らせます。実感した、彼の大きさと逞しさ。画竜点睛を欠く、というべきでしょうか。ふふ、欠くとは正反対ですけれど。
彼の強さを、その一点だけで台無しにしてしまう、私には無い『部分』を恨めしくすら思ってしまいます。

彼は、状況の展開に追いつけないようで。これ幸いと、私達は、彼の両膝を土台に固定して。両腕を、フックを降ろして固定して。
あの人が我に返ったのは、私達が、彼が『彼』である理由を、ヒンヤリとした土台の溝に、嵌めこませていただき終わった時点だったみたいです。

「むふーっ!!むぐーっ!!!!」

頭を左右に振り回し、抗議の声と視線を私に向けるあの人。なんと言っているのかは聞き取ることはできませんが、差し詰め、「騙したのか」とか、「裏切り者」とか仰っているのでしょう。
当初から、恨まれることは覚悟の上でしたが……その様子は、私に心外だという思いを抱かせるのには十分でした。身勝手、ですね。

「早とちりしないでくださいね。私、嘘は言っていないつもりですから……コレ、『ロデオ』って言うんです。可愛いですよね」

私は、彼とは違うので。少なくとも誠実ではありたいと、そう願わせていただいているので……乏しい言葉で、懸命に状況を説明しようと頭を捻ります。

「使い方は簡単で……フジワラ君からは見えないでしょうけど、お尻の方についているハンドル……尻尾を回すと、そこの隙間が、ゆっくり、ゆっくり閉じていくんです。
 身も蓋もない言い方をしてしまうと、結局は単なる万力ですから……でも、ですね。コレのおかげで、タマタマ……タマのこともありますけど……取り留めた方もいらっしゃるんですよ?」

何を言っているんだ、と。とうとう狂ったのか、と。そして、コイツは元々狂っていたのか、と。無言で、かつ雄弁に。彼は私を問い詰めます。
翻って私は。言葉を発することが出来る状況にいるのに、上手く思いを伝えることが出来ず、ひとり、やきもきするばかり。

「その、別に驚いていただけるようなタネはありません……ゴメンなさい。単純に、潰すまでも無いかなって方が複数いらっしゃった時に、こう使っているというだけのことなんですけど……
 端的に言えば、そういう場合は、その方々全員に同時に跨っていただいて―――

彼は、全身で困惑を表現していて。私は、自分の語彙力の無さに、また頭が痛くなってきてしまう。

「でね。最後まで耐えたタマぐらいは、残しておく価値があるタマかもしれないから、助けてあげてもいいかな、みたいな使い方をすることもあるんですよぉ。
 ね、シノ先輩、そーゆーことを説明したかったんですよね?アハハ、まぁ、実際のところ、誰のタマが残るかなって、晩御飯のオカズを賭けて楽しむのがメインなんですけど……
 仕方ないでしょ、おにーさん。ココ、意外と娯楽が少ないんですよ」

314 名無しさん :2018/08/31(金) 23:45:53 ID:jCcZM/NU0
何かを察したのか、サツキさんが説明を引き継いでくださって。
私は彼女に甘えて、説明することを一旦止めて。懸命に、『ロデオ』の上に攀じ登ろうとします。大股を広げて、無様な姿。
気恥ずかしくなってしまいますけれど、如何せん、この小さな身体ではどうしようもないのです。本当、要らないところにばかりお肉がついてしまう、みっともない身体。
片足を、なんとか向こうに引っ掛けて。胸に吊るされた、無駄な重りが引っ掛かって。ただ、跨るだけでも四苦八苦。

形振り構ってはいられませんでしたけれど、何とか登りきることが出来たので。乱れた息を整えながらも、私は彼に相対しました。
今回は、私と彼とが鏡写し。だからこそ、男女の物理的な違いが、ただ、どうしようもないモノとして際立って。

「今回は、他に男性がいらっしゃらないので……僭越ながら、私がお相手を勤めさせていただきますね。
 ―――ね。助かる方法、ちゃんとあったでしょう?貴方は、ただ私よりも耐えればいいだけ。ただ、それだけで良いんです。大切な場所なら、耐えるぐらい簡単でしょう?
 
 ゴメンなさい。貴方は、もうこの道しか残されていないの。でも、寂しくはないですよ?私も、私も一緒に罰を受けてあげますから」
 
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!〜〜〜〜〜ッ!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

身も世もなく、とはこのことでしょうか。タマより先に、首がもげてしまうのではないかしらと心配になるぐらいに取り乱されて。
ただ、彼の、『彼』としての最後の勇姿を、一瞬たりとも見逃すまいと、私は見詰めることしか出来ませんでした。

キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。

暫しの間があって、彼がピタリと静止されました。何か、不具合があったのかしらと不安になっていると、そのままフルフルと震えだしたのが見えて、状況を理解。
私の身体では実感できません。そこには、空虚しかありませんから。察するところ、そろそろ、下の隙間に余裕が無くなってきているのですね。
彼の身に起きていることを想像しつつ。また、彼に語りかけます。だって、コレが『彼』と話せる最後の機会なんですから、どんなことでも、語っておきたいのですもの。

「その様子、タマタマと外壁が触れ合った頃合なんですね。意外と冷たくて、火照ったソコには気持ちよかったりしませんか?

 そこまで震えないで下さい。まるで、電気椅子に座らせているみたいで、罪悪感を覚えてしまいます……ほら、私を見て。私は、今の状況、安楽椅子に座っているのと変わりありませんよ。
 私よりも耐えなければいけないのに、ちょっと先が思いやられてしまいますね。あぁ、非難しているつもりはないのです。
 
 貴方は、はじめてなんですから、仕方がないの。―――そうだ!経験者として、コレから何が起きるのか、説明してあげますね。
 きっと、その方が、恐がらずにすむでしょうから……ふふ、まるで私がもう勝ったみたいな口ぶりで、ゴメンなさい。勝負なんて、終わってみないと分からないのに、ね」
 
両手の人差し指を、腰に当てて。内股を伝って、下に、下にスライドさせていきます。閉じていく場所より少し上。サツキさんと比べると、多少肉厚なソコに指を添えて。
彼とは違って、その下は空洞。『ロデオ』の背と、性器との距離が、埋まらない性差を象徴している、そんな気がしました。

「ココ、恥丘って呼ぶこと、ご存知でした?御自分の状況はご覧になれないみたいですけれど、今、丁度これぐらいの幅まで閉じてきているんです。
 まぁ、男性であれば、ご自身の目では確認できなくとも、感覚として分かりますよね。私では、物理的に不可能な感覚。ふふ、ほんの少しだけ、羨ましいです」

315 名無しさん :2018/08/31(金) 23:46:34 ID:jCcZM/NU0
キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
これが落ち着いた空気だと感じられてしまうのは、女性的な感性であるからでしょうか。両の指先に力を込めて、肉の襞を、半分ぐらいの厚みまで押し潰します。
彼は、縫い止められたように私のソレに視線を注いで。それなのに、震えは少しずつ大きくなっていって。

「あと少し。この程度の厚みになると、タマが変形をはじめるんです。その感覚は、女には分かりませんけど……男性は、皆様、とても激しく暴れだされます。
 ですから、状況の進み具合であれば一目で分かります。あ、耐えようとなんて為さらずとも結構ですよ?そも、耐えるなんて不可能だとも聞きますから。
 
 そのご様子が、まるで暴れ馬を乗りこなしているみたいですから……この器具、『ロデオ』って言うのです。
 作った方が言うには、このお馬さんは『セン馬』なんですって。ふふ、分かります、『セン馬』?貴方も、耐え切らないと、仲間入りしてしまいますよ?
 
 あらあら、そんなに怯えないでください。まだ、そこまで閉じてはいないでしょう?私は、毛筋ほどの恐怖も感じてはいませんよ?」
 
キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
今、どのあたりまで閉じたのでしょうか。やはり、こういう時、『実感出来ない』身は、不便ですね。

「もう少し締まると。その、おちんちんが勃ってきます。本能的なものらしいので、危機感は覚えなくてもいいですからね。
 まだ、物理的にも、精神的にも、壊れてしまったわけではないですよ。その、命(タマ)を獲られそうな状況だと、最後に子孫を残そうと、そうなるのですって。

 恥ずかしがることないですよ。みっともない顔を晒さないで済むよう、紙袋を被っていただいていますし……おちんちん最後の勇姿なんですから、見届けてあげて欲しいなって思います」
 
キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
彼から発せられる振動の、種類が変わってきているのを認識します。その姿を、網膜に焼付けるまで、凝視して。
私は、両の指先が白くなるほどの力で、自分のそれを押し潰しました。指の端に、冷たい金属の淵を感じて。ここまで締まってきていたのね、なんて他人事じみた感想を抱きました。

316 名無しさん :2018/08/31(金) 23:47:07 ID:jCcZM/NU0
「ゴメンなさい。私はまだ、全然平気なのですけど……そろそろ、みたいですね。いいんです。私のココには何も無いのですから、当然、かもしれませんね。
 見て下さい。私のココには、貴方と違って、絞め潰されるモノがついていないってことを。確認して、実感してください。
 ほら、ね。ここまで押し潰しても、私のコレは、そもそも閉じるところにすら届いていないでしょう。ふふ、ズルじゃないですよ?ココに、変なモノ付けているほうが、可笑しいだけ。
 
 ……実例からの予測ですけど、これぐらいまで締まったら、その、ね。睾丸が、弾けます。『男性』から解放……そうです。潰れてしまうということです。
 気休めにもならないかもしれませんけれど……その瞬間、おちんちんから白い汁と、紅い汁が漏れ出してきて、ちょっとおめでたい気分になれますよ。
 
 あ、それに、蹴り潰させていただく場合みたいに、ビシャッて破裂する訳でもないんです。だから、痛みも派手では無い、かも。
 その、キンタマって、皮厚のブドウみたいな造りをされていまして……ね。あ、その皮のこと、白膜って言うのですけれど。知ってました?
 
 その膜が、内圧に耐えられなくなったら……ブシューって、パンクするみたいに中身をお漏らししてしまって……男の子としての人生は、そこで中退。
 慰めになるのかは分かりかねますけど、比較的穏やかなお終いなのではないでしょうか……それでも、気の毒に、とても悶えられますけれど。やっぱり、ショックなのでしょうか。
 
 皆様、おいたわしい声を上げられて……馬じゃなくて騎手が嘶いたなんて嘯くコもいらっしゃいますけど、酷い話ですよね」
 
キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
両指を離して、割れ目を一撫で。そして―――

「最終的には、この割れ目ぐらいの幅になるまで絞めさせていただきます。けど、その前に気絶される方が大半ですから、気負わないでくださいね。
 目が覚めたときには、私達と同じ。こんな玩具に跨らされたところで、何一つ恐がらなくてもいい身体になれていますよ」

キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
『ロデオ』の名に恥じず。あの人の身体は、まるで踊り狂っているよう。悲しい。私は、何一つ分かってあげられないことが。
彼のおちんちんは、例に漏れず硬度を増していき―――口が裂けてもいいませんが、記憶していたよりも、それ、粗末なモノだったんですねと思ってしまいました。
あの頃は、ソレと、『あの人』のモノしか知らなかったんです。

そのまま、丹念に。丁寧に、ソレをしゃぶって、唾液を絡ませていきます。……焦燥感が、背筋を這って。だって、そこまで小さいとは思っていなくて。
私の股間は、全くと言って良いほど、湿り気を帯びてくれなかったものですから。本当に、持ち主に似て、肝心な時に役に立たないわね、と自分のソレを叱責して。

彼と違い、『ロデオ』に股間を囚われることが無い私は、僅かに腰を浮かせて。無理矢理、ソレを自身の胎内に捻じ込んでいました。

のたうつ彼を、両脚で。両手で抱きしめて。彼の苦痛を、少しでも分け与えてもらおうとして。潰される心配の無い、股間を彼に押し付けて。
ちょっとでもいい、彼の苦悶に近寄りたくて……それが叶わないということは、飽きるほど教えられてきたのに。でも、一欠けらでも、彼の痛苦を、彼の責め苦を、分かち合ってあげたくて。

317 名無しさん :2018/08/31(金) 23:47:39 ID:jCcZM/NU0
「分かりますか―――貴方は、この体位、好きでしたよね。感じられますか。私のおっぱいが、貴方の胸板で形を変えていることが。
 実感できますか?あなたの、その、おちんちんが、私を貫いていることが。ちょっとでも気持ちよくなってもらえるなら。その痛みを紛らわさせることだ出来るなら、それだけで幸いです。
 
 これが、これが、本当に、『男』の貴方が感じることができる、最後の女体です。だって、そろそろ―――」
 
もう、言葉は届いていないかもしれません。碌に濡れていないソコは、疼痛を私に訴えていて。それでも、彼が、今みているのでしょう地獄を鑑みると生温いさえと叱咤して。
彼の粗末さ故に、その疼痛さえも簡単に耐えられてしまうレベルでしかないことに落胆して。それでも。それでも、少しでも彼の気を紛らわせることが出来るなら、と。

本心としては、あわよくば。コレで、私が耐えられなくなってくれれば、と。何処かで期待していたのかもしれません。けれども。
……肉体的には、快感なんて全然無い。苦痛すら、ほとんど無い。でも、そのお粗末さこそが、幾らでも替えが利くものだという実感となって、僅かに心を慰めてくれたのを覚えています。

「ゴメンね。私のソコは、貴方のおちんちん程度なら、耐えられてしまう、みたい。残念だけど、貴方のキンタマは、もう命運が尽きてしまったみたいです。
 だから、せめて。この、『男』としての最期の感触だけは、何も考えずに、楽しんで、記憶しておいて、ください……
 
「〜〜〜〜ッ!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!
 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!〜〜〜ッ!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!」

キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
彼は全身を波打たせて。引きちぎれんばかりに頭を振り回して。ただ、それを気にも留めることなく、耳元に口を寄せて、一言。

思い返せば、この言葉に、私の感情の全てが込められていたんですね。

「フジワラ君、好き、だったよ。『初めて』をあげられなくて、ゴメンなさい。そして……『お終い』をくれて、ありがとう」

なにかが切れた感覚。暴れていた彼が静止し、魂が抜けていくように小さくなっていくような錯覚。
あぁ、今。潰れてしまったのですね、と。これから『彼』では無いなら、なんてお呼びすればいいのでしょう、と場違いな戸惑い。

私の股間は、持ち主に何の感慨を伝えてくることもなく。逆に、ズルリと、この人のおちんちんが、掻きだされていくのを感じていました。
このおちんちんも、取り外してしまうつもりですけど。それでも。私と出会ったとき、この人を『男の子』でいさせてくれてありがとう、と労いの言葉を掛けてあげたくなります。

数瞬の間しか、実際は無かったのでしょう。この人が、ソプラノで、最期の声を張り上げて。そのまま、先の比では無いほど、のた打ち回りはじめて。
私は、ただただ、この人にしがみついていました。最期の最期まで、一滴残さず、この人の『男性としての終着』を記憶しつくしてあげたいと、そう願って。

……ふふ、もう千切れても平気ですしね、なんて思ってしまったのは秘密です。

この人の、『最期』は私のモノ。これだけは、何処の誰にも、奪うことはできません。もう、『無くなった』彼からは、奪えません。
私だけの、絶対の、タカラモノ。

キュル、キュル、キュルと。無言で、サツキさんがハンドルを回す音が響いています。
―――また、脳裏に謎の映像。誰かと繋がる、彼のイメージ。その誰かは私だったのだ、と。今、ようやく理解できました。。


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318 名無しさん :2018/08/31(金) 23:48:16 ID:jCcZM/NU0
(テロップ):おい、コレは何の真似だ!外せ!

「あら、暴れると危ないですよ?」「何の真似って、オジサマ、今の動画、見ていたんでしょう?」

(テロップ):ふざけるな!!お前ら、なんつーことしやがる!!!

「何というコトと言われても……あ、手際が悪かったのでしょうか。ゴメンなさい」「あはは、本当に初見だったんだ。不勉強でしたね、オジサマ」

(テロップ):おい、何笑ってやがるんだ……まて、近付くな!!

「サツキさんから聞きましたよ?私のおっぱいに興味があるって。ですから―――」「手足の拘束は外せないから、お顔で堪能してね♪」

(テロップ):うぷ……

「はい、深呼吸。ふふ、満足していただけましたでしょうか。それでは」「そろそろ、この動画も仕上げにはいっちゃいましょーね」

(テロップ):止せ!やめろ!ズボンを脱がすな!やめ、やめ、やめて!!!

「大丈夫。ご覧になったでしょう。こんなモノ、簡単に失くせてしまうって。天井の染みでも数えていれば、直ぐですよ」「右からがいい?左からがいい?ねぇ、オジサマ、どっち?」

(テロップ):〜〜っ!!〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!

「今回は、手際よく行きましょうか。ふふ、ペロリ。それじゃ、失礼して、頂きますね―――」「お、オジサマ、右から齧られるみたいですよ。あはは、お覚悟ー☆」

(テロップ):〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!



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319 名無しさん :2018/08/31(金) 23:48:47 ID:jCcZM/NU0
一月ほどたって。容態が安定したという知らせをうけた私は『元彼』の病室へと向かいます。

ふふ。フジワラ君のこと、『元彼』って呼ぶことにしたんです。二つの意味がかかっていて、私にしては洒落ているんじゃないでしょうか。

足取りは軽く、心にいたっては、何処かに浮かれて飛び立ってしまいそう。
あの日、彼の股間にぶら下がっていたシコリといっしょに、私の胸にずっと痞えていたシコリも、何処かに消え去ってしまったかのよう。

思い返せば、妥協して、切り落としてしまわなくて、本当によかった。
あのおかげで、初めて、『元彼』と本気でケンカが出来ました。本気で、会話が出来ました。
もしかしたら、そこまで考えて、フジワラ君は、あんな真似をしたのでしょうか。本心から、感謝の念が溢れてしまってとまりません。

あの後、浮かれ気分のまま、何名かのモノを潰させていただいて……少し、悪いことをしましたね。
あまりに舞い上がった気分でしたので、取り外し方を考えて差し上げるのが面倒で……もう印象もおぼろげですが、次にお会いしたら謝罪しないといけません。

私の手には、お酒の瓶が一本。普段は全く嗜まないのですけど、今回ばかりは特別と、奮発させていただきました。
お酒も、特別。だって、取り外した『元彼』のモノが漬け込んであるのですから。ふふ、小学生の頃、男子がおちんちんを見せびらかしてくることがありましたけど、こんな気分だったんですね。
私も、もう私のものになったコレを、『元彼』にみせびらかしたいなんて、悪戯心が刺激されているのですから。二十歳も過ぎて、何を考えているのでしょうね。


『元彼』が、あの場所に送られてしまうまでの猶予は、あまり無いと分かっています。
でも、それでも。お酒を酌み交わしながら、つもる話を。3年間、短いようで長い、空白の時間を埋めてくれるような話を。

大丈夫。男と女の違いだって、ちゃーんと埋めることが出来たんですから。人生の空白だって、簡単に埋めちゃえると、信じています。

浮き足立って、踊るように。私は、『元彼』の病室の扉を開くと、そこから光が溢れ出てきました。
それは私達の前途みたいで。そう、私達は、これから。そう思うと、今までの全てが、この日のためにあったのかな、なんて。そう、思えました。


                                                             <<おしまい>>

320 名無しさん :2018/08/31(金) 23:54:11 ID:jCcZM/NU0
ご無沙汰しております。時間頼みですが、新鮮味も復活したかなと思って、一つ自作してみました。長いですね。
>>177
女性視点、義務的、女複数対男1、抵抗有り、同年代にしました。
>>179、182
描写を追加してみましたが、どうですかね。
>>181
視点固定させました。そしたら、時間軸が前後してしまうという不覚。
>>265
組織だった感じにしてみました。前書いたヤツとは設定は違いますが、如何でしょう。

オマケで。筆力不足で書ききれなかった、各人物はこんな設定でした。

シノブ:メンヘラ。11月4日生まれ。4Novでシノブです。蠍座。本編で色々喋っていたので、特に語ることもないです。悲劇のヒロイン病を拗らせて、死にます。

シノブの母:命懸けで娘を守ろうとして果たせなかった、健気な私という記憶を反芻しながら、それなりに人生を謳歌していました。
      心配しているのは、娘に彼氏が出来て仕送りが減らされてしまうこと。シノブの死で経済的に困窮しますが、働くぐらいなら死を選ぶと啖呵を切って、死にます。

サツキ:無敵の未成年様の内に、珍獣を愛でる感覚で参加しています。以前書いた、拳法的なヤツと絡めようと思ったのですが、蛇足と思って削りました。
    成人前に足を洗って、幸せな生活を謳歌するという人生設計。娑婆で暴れていた悪行の末路としてのお礼参りで、死にます。
    
班長、『あの人』:モブです。『あの人』という単語は、数箇所ダブルミーニングになっているところがあります。なんだかんだあって、死にます。
    
フジワラ君:被害者。シノブから貰ったお弁当が、米と草しか入っていないナイジェリア国旗のような彩りだったことに激怒。二股を決意。身体としては高レベルだったシノブと、
      器量はいま一つだけれど成金のお嬢様とで人生を謳歌していました。何時の間にか、どことなく重そうだと感じていたシノブがフェードアウトしてくれて、さらに人生順風満帆。
      シノブと連絡をとろうとしなかったのは、実際のところ厄介事になる確信があったからです。
      
      妊娠を機に彼女が性交渉を嫌がりはじめ、再度他の女の子を食い漁っていました。バレて、本編にいたります。ハメる側でもあり、嵌められる側でもあったんですね。死にます。
      
彼女:未登場。成金。ヤバイところと関わった報いで親の生業が破綻して、母子共々、死にます。

インタビュア:人間。LV2 N-N 2EXP 0魔貨
       ノーマル耐性。破魔無効、魅了、金的に弱い。
       保有スキル:パニックボイス、暴れまくり

321 名無しさん :2018/09/01(土) 15:37:38 ID:clVqbDAo0
GJ!!
今回も最高でした。練り込みがすごい!

322 名無しさん :2018/09/03(月) 00:37:33 ID:kakMOy/A0
とても素晴らしい小説でした!ありがとうございます

323 名無しさん :2018/09/03(月) 01:01:27 ID:LU3dMTYI0
最高!
本当にありがとう!!

324 名無しさん :2018/09/03(月) 09:35:31 ID:dIPqjU0.0
すごい大作
ありがたい…ありがたい

325 名無しさん :2018/09/06(木) 21:30:11 ID:dR1o8kV.0
ありがたや

326 名無しさん :2018/09/10(月) 23:32:43 ID:xT2wDwpo0
#秋の金玉潰し祭りがかなり良いSSになってしまっている

327 名無しさん :2018/09/11(火) 00:53:56 ID:dozlXIZA0
何その心ときめくタグ…と思って調べたらアホなフェミニストの発狂が元ネタか…
金的フェチ達のSS祭りかと思ったのに

328 名無しさん :2018/09/11(火) 02:42:44 ID:QyIeY3xA0
基地外共の話題はNG

329 名無しさん :2018/09/11(火) 10:22:47 ID:I4leb.RU0
しかし供給不足のジャンルなのだから
そういう所にも目を光らせて些細なものでも拾っていくことは大事だと思う
今回のそのタグは趣旨から外れてるっぽいけど
掲示板やコメント欄とかの体験談が結構良かったりするんだよね(内容の真偽はともかく)
少し無理矢理SSのことに絡めるなら、書くときの題材になったり、言い回しや表現の参考になったりもする

330 名無しさん :2018/09/12(水) 20:45:04 ID:7UO0IDNU0
ネカマのなりすましじゃなく本物の女性が書いたって点では価値があると言える

331 名無しさん :2018/09/15(土) 10:36:25 ID:B6bZXG9A0
古典太平記みたいなQ&Aのボイスがいいな
リアル女子の話を聞いている気分になる

332 名無しさん :2018/09/17(月) 01:09:55 ID:uUDLGLbE0
古典太平記の音声の再生数地味に凄いよね

333 名無しさん :2018/09/17(月) 02:01:06 ID:S592R6.g0
このフェチは小説か音声形式が移入しやすくて相性良いと思う

334 名無しさん :2018/09/17(月) 11:18:03 ID:Y.//nmf.0
配信1週間の初動で、再生4000回って
このジャンルでは稀だと思う
そもそも、視聴者がコアで、投稿数も少ないし

335 名無しさん :2018/09/17(月) 19:52:03 ID:Y.//nmf.0
何となく、有名どころの「闘えスキンネッドマン」を見たら
再生回数3100回位だった
やっぱり、4000回はすごい

336 名無しさん :2018/09/28(金) 00:35:52 ID:bFZ5VTw20
「どSな姉妹があなたの金○蹴っちゃうぞ!」は音声系の中では出色だと思う
声優の声質で若干好み分かれそうだけど

337 名無しさん :2018/09/28(金) 01:30:54 ID:cOF.2Gzg0
ただでさえ希少なジャンルなだけに台本の出来と声優の上手さがマッチしてる音声は殆ど無い
まあ萌えボイスなりで自分で依頼しろと言われればそれまでなんだけど

338 名無しさん :2018/12/02(日) 14:14:02 ID:k84s9jMA0
過疎りすぎやろ…

339 名無しさん :2018/12/02(日) 18:33:40 ID:FOTXufN60
気長にマターリすればいいじゃない?
みんなのオカズ事情は気になるけどね

340 名無しさん :2018/12/03(月) 09:42:37 ID:WALKShdE0
金蹴りSS界隈自体どこも更新無いのが痛い
金玉を蹴る女達復活して欲しい

341 名無しさん :2018/12/06(木) 01:31:42 ID:ZFlgWj1A0
自分で書いてみるか

342 名無しさん :2018/12/09(日) 09:34:58 ID:jOqnm3hk0
古典太平記の音声作品更新キタ
すでに再生回数500回越えているw

343 名無しさん :2018/12/09(日) 21:31:31 ID:LyrlFxcA0
>>342
SS好きにとっては、また貴重なSS書きが居なくなってしまった感があるけどね。
音声への方針転換で・・・。

344 名無しさん :2018/12/09(日) 22:08:21 ID:23weyfIU0
言われてみれば、最後にSSが出たのは
8月にアップされた帰国子女の女子が金蹴りする話だったね。
でも、音声専門にするとも言っていないし
そのうち、また小説も書いてくれると思う。

345 名無しさん :2018/12/10(月) 09:56:28 ID:yB68Rdkg0
まああの人は音声路線で良いと思うけどね
正直文章力は微妙だし、代わりに色々新しい事を開拓していけるのがあの人の強みな気がする

346 名無しさん :2018/12/11(火) 00:43:07 ID:uQNCFhUo0
同感

347 名無しさん :2018/12/11(火) 21:22:11 ID:weTyhgVA0
台本形式のが書きやすそうだし、むしろ音声に移行してくれたほうがありがたい

348 名無しさん :2018/12/11(火) 23:38:41 ID:r1kYDkyc0
久々の投稿です。
最近金的SS界隈に新作がないので、賑やかしになれば幸いです。


■二人の怪盗1

人気のない路地裏に一人の少女が佇んでいる。
漆黒のライダースーツから伸びる長い手足とくびれた腰。そして自己主張の激しい胸。
彼女の幼さが残る顔とは相反するように女の色香を醸し出している。
目元は黒い仮面で覆われているが、その輪郭から彼女が美少女であろうことが見て取れた。

「これが"ルピスの涙"……素敵ですね」

少女は手に持っていたウズラ卵大のの宝石を月にかざし満足そうに微笑んだ。

「尾行に気が付かないとはマヌケだな! 怪盗スカーレット!」
「誰ですか!?」

少女が背後からの突然の声に振り返ると、黒い影が突進してくるのが見えた。
彼女はそれを間一髪でかわした。

「他人のお宝を盗むなんて、ほめられた趣味ではないですね。怪盗リンクさん」

少女……スカーレットが先ほど突進してきた影に問いかけた。
彼女の手にあったはずの宝石は、黒い影……リンクの手に握られていた。

「盗まれるヤツが悪いに決まってるだろ」

リンクと呼ばれた少年は"ルピスの涙"を自慢げにかかげながらあざ笑った。
彼もスカーレットと同じく黒の衣装に身を包み、目元を仮面で隠していた。
そう、彼女と彼はこの街に暗躍する同年代の怪盗であった。

「悪いけど返してもらいます!」

スカーレットはリンクに向けて走り出した。
彼女の俊敏さは並の女性を遥かに凌ぐものであったが、先ほどの攻防から分かるように身体能力はリンクの方が上である。

「……へ、そのまま向かってきて、やっぱりマヌケだな」

当然リンクもそれを把握していた。
彼は彼女の突進を華麗にかわして力の差を見せ付けてやろうと余裕の笑みで身構えた。
しかしその余裕の笑みは突如驚愕へと変わった。
スカーレットがライダースーツのジッパーを、ヘソの下まで下げたのだ。スーツの下には下着の類は確認できず、彼女の白い透き通った肌を覗かせていた。

「うふふふ」

彼女は怪しい笑みを浮かべてさらに駆け寄る。
当然の帰結であるが、彼女の豊満な胸はライダースーツから飛び出し、ステップを踏む度に上下左右へ大きく揺れた。
張りのある大きな乳房の先には薄桃色の美しい突起が付いている。
男ならば誰でも目立追ってしまう光景。当然リンクも例外ではなかった。

349 名無しさん :2018/12/11(火) 23:39:16 ID:r1kYDkyc0
■二人の怪盗2
「あらあら、よそ見をしていると大事なお宝が盗まれてしまいますよ」

スカーレットの言葉で我に返った時には、彼女の美しい顔が眼前にあった。
そして彼女の細い指が"ルピスの涙"を彼の手から奪おうとする直前でもあった。
リンクは慌てて半身を捻り宝石を持っている手を彼女から遠ざける。
その瞬間----

「あはっ! いただいちゃいました! あなたの大事な大事な・た・か・ら・も・の……」
「ぐぁあ!!?」

スカーレットが耳元で囁いた突如、リンクの身体に稲妻に撃たれたような衝撃が走った。
彼の下半身は突如力を失い、支えを失った身体は四つん這いになって崩れ落ちた。

「ぉ、あぁ、ぅぁぁあ……あ……」

身体が無意識に痙攣し息が上手くできない。そこで彼はやっと自分の置かれた状況を把握した。
男の最大の急所……睾丸を蹴り上げられたのだ。

「ああああああぁぁぁあああっがああぁ!!!」

その事実を把握した刹那、彼の男性としての地獄の痛みに苛まれた。
自身の急所である睾丸自身からの激痛。そしてそこからジワジワ広がるように下腹部を覆う鈍痛。
どちらも生まれ初めて味わう地獄の痛みだった。
その激痛が波のように、あるいは同時に幾度となく彼を襲い続けた。

「あーあ、一応警告したんですけどね。リンクさんの宝物……殿方の大切なシンボルががら空きですよって」

這いつくばるリンクを見下すように、スカーレットは腰に手を当て仁王立ちで嘲笑した。
まだスーツのファスナーは戻しておらず、豊満な二つの乳房が露出している。
リンクが今顔を上げれば、絶景が拝めるのだが彼は睾丸からくる激痛に身動きが取れない。
先ほどまで圧倒的に有利だった状況が、たった一発の蹴りで覆されてしまった。

「ではリンクさん、このお宝は返してもらいますね……」

スカーレットは彼の脇に落ちている"ルピスの涙"を拾い上げると、激痛で痙攣している彼のしゃがみ込み耳元で囁いた。

「この一件で身に沁みたと思うのですが、リンクさんたち男の人はとてもとても大切な本来なら地下室の金庫にでもしまっておくような"宝物"を不用心に持ち歩かなくてはいけないんです」
「ぁうっ!!」

突然の感触にリンクは驚き喘いだ。
スカーレットが尻の側から彼の睾丸をズボン越しに撫で始めたのだ。
それはとても優しい手付きで痛みを加えるようなものではなかったが、リンクは今まで味わったことのない恐怖を感じた。
自身の男性としての生殺与奪を握られているので無理もない。

「しかもその"宝物"は両足の付根……股間なんていうどうしようもなく無防備な場所にぶら下げていないといけないんです。これはもう『狙って悶絶させて下さい』って催促しているようなものですよ」
「……」

スカーレットはリンクの二つの睾丸を撫でながら続ける。

「さっきの膝蹴りも手加減してあげたんですよ。私の全力疾走の膝蹴りなんて当てられたら、こんな骨はおろか筋肉にも守られてない、管一本と薄皮一枚でぶら下がってるプニプニの脆弱な肉塊なんて一瞬で潰れちゃうんですからね」

彼女は睾丸から手を離した。しかしまだリンクの傍から離れずにしゃがみ込んでいる。
俯向いて激痛に痙攣している彼にもその気配は感じとれた。

「ですから、今後は私のお仕事をあまり邪魔しないでいただけると助かります。伝えといていただけますか、リンクさんの股間に無様にぶら下げてるこの大事な大事な・キ・ン・タ・マ・にっ!!」
「はぐぉうっ!!!!?!??」

スカーレットはそう囁くとリンクの副睾丸を弾いた。しかも二本の指で均等に。気を抜いていたところへ急所中の急所へ打撃を加えられ彼の身体は大きく跳ねた。それと同時にスカーレットの放り出された乳房も小さく揺れた。

「うふふふ、それじゃちゃんと伝えといて下さいね」

スカーレットはリンクのシンボルを弾いた指を軽く舐めると、その指で"ルピスの涙"を摘み上げ胸の谷間に押し込み、スーツのジッパーを首元まで戻した。

その後もリンクはスカーレットと同じ国で怪盗を続けたが、彼女の獲物を横取りすることは一切しなくなった。
逆に彼女から横取りされることが多くなった。当然彼も抵抗したが勝率は芳しくないが当然である。
男であるリンクは女であるスカーレットにはない"守らなくてはならない宝"を股の下にぶら下げていなくてはいけないのだから。

350 名無しさん :2018/12/12(水) 14:36:35 ID:jHXqhGz.0
素晴らしかったです
男の悶絶する様子と、攻撃した女の佇まい、短いながらも読みたい情報がちゃんと書かれていて楽しめました
女であることを胸の描写で強調するのもまた良いですね
玉ピンした瞬間に揺れる表現、弾いた指を舐める、などの細かい仕草も好みです
乙でした〜

351 名無しさん :2018/12/12(水) 18:47:12 ID:v86RweEU0
乙でした
(二戦目からはファールカップ付けるんじゃね?とかは黙っておこう)

352 名無しさん :2018/12/12(水) 19:52:59 ID:ubIhPFC60
>>351
黙っとけよ

353 名無しさん :2018/12/13(木) 13:53:52 ID:T.6H315E0
ファールカップなんか付けたら機動力が落ちちゃうだろ!(棒読み)

久しぶりの投下乙です
お色気で油断させてからの金的という王道展開に性差表現もバッチリでお手本のようなSSだった

354 名無しさん :2019/01/01(火) 09:35:18 ID:6JT25GMA0
お正月から古典太平記で新作の音声作品が出ていて
うれしいと思ったら、昨日、再度更新があったんだな
金蹴り祭りでうれしい
除夜の鐘代わりで、煩悩も吹っ飛ぶぜ!

355 名無しさん :2019/01/14(月) 21:29:45 ID:GSvOdZkc0
新作SSが来たな
イラストは上出来

356 名無しさん :2019/02/02(土) 00:41:30 ID:ftGvlgME0
『長さ比べ』①


「絶対俺の方が長い!」
「何言ってんのよ。どう見たって私の方が長いじゃない」

二人の男女が言い合っている場所は、とある公立高校の放課後の教室。
掃除当番で残っていた二人の他には、誰もいない。

「何なら比べてみるか?」
「ええ、望むところよ」

普段から何かあればすぐ口喧嘩になってしまうこの二人は、今日もいつものように些細なことで言い合いになっていた。
男子生徒が「お前は高2になっても小学生みたいな胸のサイズだな」と言えば、女子生徒も「そういうあんたは高2になっても小学生みたいな身長ね」と言い返す。

そこからは先は、考えるより先に口が動く、いつもの展開だった。

「はあ? お前の方がチビじゃねーか!」
「ほとんど変わんないじゃん。それに脚だけなら私の方が長いし」
「バカかお前? 俺の方が長いに決まってるだろ!」

そして冒頭の会話に至ったという次第だ。

高校2年にもなる男女が互いの脚の長さを比べて言い合いをしているという、なんとも滑稽な状況だが、生憎ここは二人だけの世界。
ヒートアップしている二人には、自分達の姿を客観視する余裕は無かった。

「で、どうやって比べる?」
「立ったままだと分かりづらいわ。とりあえず座りましょう」
「よし」

二人はぺたん、とその場に座り込んだ。
最初は横並びになって脚を伸ばしてみたが、微妙に差が分かりづらい。

「これじゃあよくわからないわね……そうだ! 向き合って互いの脚を互い違いにすればいいのよ」
「ああ、そうだな」

二人は向かい合う格好になり、互いに互いの脚を挟み込む姿勢になった。

最初、二人は互いに距離を取っていた。
そうしないと、いずれかの脚が相手の股間に当たってしまう可能性があるからである。

だが、ここで女子生徒の方が何かに気付いた。

「……ねぇ」
「な、なんだよ」

そしておそらくは、男子生徒の方も気付いている。

「これ……やっぱり私の方が長いよね」
「え? そ、そんなこと……ないだろ」
「ふ〜ん?」

女子生徒はにやりと笑うと、座ったまま、少しだけ身体を男子生徒の方に近づけた。
もう少しで、上履きの裏が男子生徒の股間に当たりそうな位置だ。

「ほら」
「ぐ……」

対して、男子生徒の脚の方は、まだ女子生徒の股間まで距離がある。
それはすなわち、この勝負が女子生徒の勝ちであることを意味していた。

「ほら、認めなさいよ。このままだともう当たるわよ?」
「う……」

確かに、もはやこの状況での言い逃れは厳しい。
しかし、彼にも男のプライドがあった。

「ひ、引き分け……かな」
「は?」

女子生徒の眉が吊り上がる。

「引き分け……うん。引き分けだ」
「…………」

357 名無しさん :2019/02/02(土) 00:44:49 ID:ftGvlgME0
『長さ比べ』②


女子生徒は一瞬無言になった後、

「……あ、そう」

冷たい声で呟くと、さらに身体を男子生徒の方に近づけた。

「あっ!」

女子生徒の足裏は、完全に男子生徒の股間に密着した。
予想外の状況に、男子生徒は思わず声を上げた。

「これでもまだ、そんなことを言うの?」
「…………」

他方、男子生徒の脚はまだ女子生徒の股間に触れていない。
もはや勝敗は誰の目にも明らかだった。

「ほら、認めなさいよ。自分の負けを」
「…………」

しかしこの状況でもまだ、いや、こんな状況になってしまったからこそ、男子生徒はなおさら自分の負けを認めることができなくなっていた。

「ちょっと! 何とか言いなさいよ!」
「…………」

股間に足をあてがわれたまま、沈黙を貫く男子生徒。
その煮え切らない態度に、女子生徒も遂に我慢の限界を超えた。

「……あ、そ。そういうことなら……」
「え?」

女性生徒は男子生徒の両足首をつかんだ。

「! ちょ……」
「よい! しょーっ」
「!!」

そしてそのまま一気に、男子生徒の両足首を自分の方に水平に引っ張った。
男子生徒の股間に、女子生徒の脚が深く刺さる。

「い! ちょ……」
「ほ〜ら!」

ぐぐぐっと、女性生徒はさらに男子生徒の脚を強く引き付ける。

「! あ、あぐっ……」
「ほら、こ〜んなに強く引っ張っても、あんたの脚、まだ私に届いてないわよ?」
「あ、ぐぎぎ……」

女子生徒はあくまでも、『男子生徒の脚が自分の股間に達していない』という元々の勝負の結果を強調するが、男子生徒の方は、もはやそれどころではなくなっていた。

「あ、あああ……」

女子生徒の脚によって、自分の股間、それもちょうど急所の位置に強く圧をかけられている状態になっているためだ。
しかし当の女子生徒の方は、そんなことには微塵も思考が及んでいない。

もちろん、自分の脚が男子生徒の股間にめり込んでいること、そして男子生徒の股間に急所が付いていることは理解しているが、今のこの状態が男子生徒にどれほどのダメージを与えているかまでは認識できていないのだ。

「ちょっと! まだ認めないの?」
「い、いだ……」
「何?」
「いだい……」

これも男子生徒にとっては不運だったのだが、女子生徒の脚は、ちょうど彼の玉を恥骨に押し当てる形で圧迫していた。
男子生徒にとっては堪えようがない程の激痛である。

「痛い? 何が?」
「た……」
「た?」
「玉……」
「タマ?」

358 名無しさん :2019/02/02(土) 00:50:52 ID:ftGvlgME0
『長さ比べ』③


そこでようやく、女子生徒も事態に気付いた。

「あー、なんだ。タマって……そういうこと?」
「…………」

男子生徒は無言で頷く。

「ふ〜ん。ただ押し付けてるだけなのに、痛いんだ。蹴られたら痛いっていうのはよく聞くけど」

女子生徒は他人事のように言いながら、

「で、どうなの? 自分の負けを認めるの?」
「……それは……」

本当はもう脚の長さ比べなどどうでもよかったが、しかしこの体勢のまま自分の負けを認めると、もう一生この女子生徒には逆らえなくなってしまうのではないか。
そんな直感にも似た予感が、彼を一瞬躊躇させた。

「も〜、まだ認めないの? なら……これでどうだ!」

女子生徒は、さらに強く男子生徒の両足首を引っ張った。

「ぎゃあ!」

玉がさらに体内に押し込まれるような感覚に、男子生徒は思わず悲鳴を上げた。

「あはは! 痛そう!」
「う、うぅう……」
「ほらほら、このままだとあんたの金玉、身体ん中に入ったまま、戻って来なくなっちゃうかもしれないわよ?」

嬉しそうに言いながら、男子生徒の脚をぐいぐいと引っ張り続ける女子生徒。
男子生徒はもう限界だった。

「わ、わかった……俺の負け。俺の負けだ!」

半分泣きそうなその声を聞いて、女子生徒はようやく男子生徒の足首から手を離した。
男子生徒はすぐに股間に手を当ててうずくまる。

「うぅう……」
「あはは。金玉大丈夫? ちゃんと下りてきてる?」

勝負に勝った嬉しさと、目の前で苦しんでいる男子生徒の様子のおかしさがあいまって、女子生徒はケラケラと笑いながら尋ねる。

「でも変なの。別に蹴ったりしたわけでもないのに、そんなに痛いなんて」
「…………」
「もし、思いっ切り蹴っ飛ばしたりしたら……どれくらい痛いんだろう?」
「! な、何を……」

さらっと恐ろしいことを言う女子生徒に、男子生徒は思わず顔を青くする。

「あはは! 冗談だって! まあでも、もしまたあんたが私に変なことを言ったりしてきたら……」
「い、言わない! 言わないから!」
「ん?」
「い、言わない……です」
「よろしい」

すっかり覇気を失った男子生徒を見て、女子生徒は満足げに頷いた。
男子生徒は先ほどの予感の通り、もう一生、この女子生徒には逆らえなくなってしまったことを悟った。


「ほら、いつまでもうずくまってないで、早く立って! ……金玉蹴るよ?」
「ははいっ! すみません!」








359 名無しさん :2019/02/02(土) 22:23:52 ID:rweMfqL60
>>356
ナイス!
あとは評価が分かれると思うけど
少し男に欲情させた方が面白い。
例えば、今回は最初、異性を余り意識しない女子みたいだから
パンチラとか、竿狙いの電気あんまとか。

360 名無しさん :2019/02/03(日) 23:42:24 ID:yUupfZQw0
とても良い!
対等に見えてた力関係が、タマの存在の露呈により一瞬で崩壊…急所の威力と明暗を分けた男女の差を強く感じられました
知識としては知ってたけど、目の当たりにした実感によって利用できる急所だと意識した女の子が『目覚めた』瞬間を描いていて素晴らしいです
その後自分から普通に金玉って呼んじゃうのもとても萌えました
この二人がやがて恋仲になったとしても男の子は尻に敷かれちゃうんだろうなあと想像の余地があるいい引きでした

361 名無しさん :2019/02/04(月) 06:46:31 ID:4f1J5RTo0
乙です〜
個人的にはもう少し玉責めパートが欲しいけどちゃんと性差も描けてて良いSSだと思う

>>359
感想書く時の配慮なんだけど、「〜の方が面白い」とか断定的な表現使うと上からな印象になっちゃうから
「個人的には〜」とか「〜だと思う」とかあくまで自分の主観だという事を示す書き方にした方が良いかも
文章作法上の問題ならともかく内容は個人の好みだからね

362 名無しさん :2019/02/11(月) 22:04:01 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』①

いつものように山本さんの鋭い蹴りが僕の急所にめり込む。

「うっ……」

僕は呻きながら股間を押さえ、その場にうずくまる。

「ははっ。入ったなー今の」

嬉しそうな山本さんの声が頭上から響く。

放課後、体育館裏。

一昔前のラブコメ漫画ならヒロインから告白されてもおかしくないような秘密の場所で、僕は同級生の女子に急所を蹴り上げられて苦しんでいる。

僕と山本さんのこの歪な関係が始まったのは、今からもう一年ほど前になる。
高校最初の夏休みを前にした、7月のある日のことだった。

-----------------------------------

「おい、そこのお前」
「……え?」

その日の放課後、この体育館裏で、僕は不意に女子からそう呼び止められた。
少しドスを利かせた感じだったが、可愛らしい声だった。

「お前だよ。他にいねーだろ。バカ」
「…………」

不機嫌そうな顔でそう言っていたのが、同学年の山本さんだった。
顔は間違いなく美人の部類に入るが、いわゆるヤンキー系で、少し怖い感じの女子だった。

「……僕に、何か用?」

同学年といってもクラスも違うし、話したこともない。
ただ入学当初から、なんとなく怖い感じの女子がいるらしい、という程度で話は聞いていたので、一方的に認識はしていた。

「…………」

山本さんは僕の問いには答えず、無言で僕の方に近づいてくる。

参ったな、と僕は思った。

ゴミ捨て当番の帰り、単に近道だからという理由で通った体育館裏で、まさかこんなバッドイベントが待ち構えていたなんて。

……とはいえ。

僕はちら、と改めて山本さんの容姿を一瞥した。

第一印象、茶髪ロングの美人。
胸元のシャツを少し開けており(服の上からでもわかる程度には胸もそこそこあるようだ)、膝上15センチほどのミニスカ。
まさにザ・ヤンキー……というほどではないにせよ、ヤンキー「系」というカテゴリーには間違いなくあてはまるだろう。

黙っていれば十分モテそうだが、如何せん、このヤンキー「系」特有のオーラが男を寄り付かせない雰囲気を醸し出しているような気がした。

実際、どこかで男と一緒にいたという話は聞いたことがないし、そもそも彼女は他のギャルグループとつるんだりもしておらず、基本一人で行動していると聞いたこともある。
もし今の状況で、彼女のようなヤンキー「系」女子5〜6人に取り囲まれでもしたら、流石に多少は身の危険を感じるだろうが、今回はそんな心配も要らなさそうだ。

その他、胸がそれなりにありそうな以外はスタイルは全体的に細身。
身長は女子にしてはやや高い方だが、せいぜい僕と同じくらいだ。

仮に取っ組み合いになったとしても、特に意識するほどの体格でもない。

以上のような前提知識が僕を安心、もとい油断させたのは間違いない。
いくら多少ツッパっていても、女子は女子。
どうということもないだろう。

僕は本心からそう思った。

363 名無しさん :2019/02/11(月) 22:07:34 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』②

そんな僕の内心を知ってか知らずか、僕の真正面に立った山本さんは端的に言った。

「金、出せ」
「は?」

思わず聞き返してしまった。

「最初だから、今持ってる分だけで許してやる。出せ」
「……いや、何で僕が……」

まさか、一対一の状況で女子からカツアゲされるなんて。
よっぽど貧弱そうに見えたのかと思うと情けないやら腹立たしいやらだったが、流石にこんなのにまともに取り合ってはいられない。

他を当たってくれ、とでも言わんばかりに手を振り、その場を立ち去ろうとすると。

「ッ!?」

一瞬、何が起きたのか分からなかった。
軽く身体が浮き上がったような気がした。

目の前にいた山本さんが僕の股間……即ち、急所を蹴り上げたのだと理解したのと同時、僕は地面に崩れ落ちた。

「う、うぅう……」

両手で股間を押さえ、人目も憚らずに(といっても、この場には僕と山本さんしかいないのだが)呻く。

完全に不意を衝かれた。
正直油断していたのは事実だが、まさかノータイム・ノーモーションで物理攻撃を仕掛けて来るなんて思いもしなかった。

(それも、よりによって……)

こんな所を蹴らなくても、と思わずにはいられなかった。

股間から込み上げてくる鈍痛に、僕は為す術も無かった。
これまでも事故で股間を打ったりしたことは何度かあったが、こんな風に、誰かから思いっ切り蹴り上げられたことは今までなかった。

男子にすらされたことがないのに、まさか女子にされる日が来るなんて……。

過去、ここまで直撃といっていいほどのレベルの衝撃を急所に受けた経験が無かった僕は、暫く立ち上がることができなかった。
同時に、こんな無防備な状態を晒すのは危険過ぎるとも思ったが、意外にも山本さんからの追撃は無く、ただ嘲笑混じりの声が聞こえてきただけだった。

「あはは。効いただろ。最初から素直に出しとけばいいのに、バカなヤツ」
「…………」

やはり彼女は故意に僕の急所を蹴り上げたのだ。
流石にあれだけ的確に蹴っておいて、「ごめんごめん、当たっちゃった」は無いだろうと思っていたが。

ただ、同時に少し気になった。
いくら狙ったとしても、ほとんどノーモーションで、ここまで正確に男の急所を蹴り上げることができるものだろうか?

見た目が少しヤンキー系であることを除けば、山本さんはどこにでもいそうな普通の女子高生なのに……。

そんな僕の疑問を読み取ったかのように、山本さんは続けて話した。

「私、中学まで空手やってたんだ」
「!」

その情報は初耳だった。

「試合では当然金的禁止なんだけどさ。練習中、私は面白いからしょっちゅう男子の金玉蹴って遊んでたんだ」
「…………」

当たり前のように話すその声に、僕は背筋がぞくっと寒くなる心地がした。
まるで武勇伝を語るように、山本さんは続ける。

「男子達もバカでさ。明らかに悪いのは私なんだから、『山本さんに金玉蹴られました』って、親とか師範とかに言えばいいのに、言わないんだよ。男のプライドってヤツかな? はは」
「…………」

その気の毒な男子達の気持ちは、僕にもよく分かる。
僕だって、今のこの状況――「同級生の女子に急所を蹴られて苦しんでました」――なんて、恥ずかし過ぎて親にも先生にも言えない。

「でも玉蹴られた男子ってどうしても動きが鈍くなるから、師範もすぐ気付くんだよ。『どうした? 金的入ったのか?』って。でも男子達は『はい。練習でちょっと当たっちゃって……』とかもごもご言うだけで、私の名前は絶対出さない」
「…………」
「だから、私はどれだけ男子の金玉を蹴って遊んでても、一切お咎め無しだったってわけ。いやー、楽しかったな。あれは」
「…………」

この瞬間、僕ははっきりと理解した。

この山本さんという人は、男子の急所を攻撃するのに何の抵抗感も罪悪感も抱いていない。
ただ「自分の身体には付いていない、遊ぶと面白い玩具」という程度の認識しか持っていないのだ。

「とまあ、ずっとそんな風に遊んでたからさ。私、上手いんだよ。玉蹴るの。痛かっただろ? 実際」
「…………」

ともかく、これで合点がいった。
ただのヤンキー系女子にしては、異常なまでに的確に、僕の急所を蹴り上げたことが。

364 名無しさん :2019/02/11(月) 22:09:17 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』③

「さ、もう十分回復しただろ? 立てよ」

次の瞬間、山本さんはまた最初のような少しドスを利かせた感じの声になった。
元々の声が可愛らしい感じなので、正直この声単体ではそこまでの迫力は無いのだが、今の僕に恐怖心を与えるには十分だった。

「う……」

回復しただろ? と山本さんは言ったが、もちろんこんな短時間で回復するはずはない。
僕はまだ痛みの残る股間を庇うようにしながら、よろよろと立ち上がった。

「あははっ。何よろついてんだよ。子鹿かお前は」

山本さんは楽しそうに笑う。
僕をこんな状態に陥れた張本人がよく言う……。

「じゃあ、金出せ」
「…………」

すっかり忘れていたが、そういえば僕は彼女にカツアゲされていたのだった。

「小銭は勘弁してやるから、札だけ全部出せ」
「わ……わかった」

この時、僕の精神は既に山本さんに支配されていたのかもしれない。
その気になればもっと抵抗することもできたのかもしれないが、あまり深く考えることも無く、財布から千円札を二枚取り出して渡した。

「二千円ねぇ……」

山本さんは不満そうに僕から金を受け取りつつ、

「まあ、最初だからいいか。次からは五千円用意しとけよ」

そう言った瞬間。

「うっ!?」

山本さんはまたしても、ノーモーションで僕の股間を蹴り上げた。
たまらず、再び崩れ落ちる僕。

「三千円足りなかったから、三回な。あと二回蹴るから」
「………!?」

む、無茶苦茶な……。

全身を脂汗が伝う。
というか、最初に「今持ってる分だけで許してやる」って言ってなかったか……?

いや、この際それを置いたとしても、さっき一回蹴られてるのに……。

様々な疑問や疑念が渦巻いたが、僕はすぐに考えるのをやめた。
もう考えるだけ無駄だと、本能的に悟ったからだ。

365 名無しさん :2019/02/11(月) 22:15:58 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』④

「よし。もういいだろ。立て」
「…………」

僅かとはいえ、回復のためのインターバルを挟んでくれるのは、彼女なりの最低限の優しさなのかもしれない。

しかし如何せん、僅か過ぎた。
おまけにさっきより短くなってるし……。

「うぅ…………」

ほとんど回復していない状態で、僕は再び立ち上がる。
自分でもまだこうして立つことができるのが不思議だった。

「足、開け」

言われるがままに、足を開く。

「はい、ラスト2!」

ドスン、と山本さんの足の甲が僕の股間にめり込む。

「うっ……」

うずくまる僕。
まるで何度も同じネタを繰り返すコントのようだ。

「おー。今の、きれいに入ったなー。痛かっただろ?」
「…………」
「分かるんだよな。上手く入った時って。こう、玉が二つとも足の甲の上に『ぐにっ』って乗った感じがしてさ。こうなると痛いんだよな〜すっごく!」
「…………」

山本さんはしたり顔で、うん、うんと頷きながら言っている。
どれだけ痛いか知らないくせに……とは口が裂けても言えない僕だった。

「でもヘンだよな、金玉って。何でこんな急所がこんな蹴りやすい位置にぶら下がってるんだ? どう考えても身体の中に入ってた方が安全だろ」
「…………」

そんなこと、こっちが聞きたいくらいだ。

「よし。次で最後だ。立て」

言われるがままに立ち上がる。
山本さんにより既に都合三回も急所を蹴られている僕は、痛みと吐き気と眩暈で思考力はほぼゼロになっていた。

「開け」

命じられるがままに足を開く。

「これで、ラストッ!」

ミシミシッ、という擬音語が似つかわしいほどの勢いで、僕の二つの玉は山本さんの足の甲で綺麗に掬い上げられた。

「うっ……」

一瞬、目の前が真っ白になった。
いっそこのまま気絶できたら良かったのにとすら思ったが、残念ながらそれは叶わず、僕ははっきりした意識を持ったまま、この日四度目の――それも最上級の――苦しみを味わうこととなった。

「はっ……あっ……あっ……!」

地面に額を擦り付け、両手で股間を押さえたままひたすら呻く。
もしこんな惨めな姿がSNSで拡散されたら、僕はきっと自殺するだろう。

だが山本さんは僕の姿を写真や動画に撮ったりはしなかった。
その代わりに、嬉しそうにこんなことを言った。

「あはは。今の一番効いただろ? 最後だから、ちょっとだけ本気で蹴ったんだ」
「…………」

道理で……。
これまでの三回の蹴りも相当なものだったが、最後のそれは群を抜いていた。

……というか、今ので「ちょっとだけ」……?

眩暈がしたのは、きっと痛みのせいだけではないだろう。
山本さんは楽しそうに続ける。

「しかも男にとって一番痛い、フクコーガンってとこを狙って蹴ったんだ。地獄の苦しみだろ?」
「…………」

副睾丸、という言葉を聞いたことはあったが、そんな急所の中の急所だったとは知らなかった。
男の自分ですら知らないような急所の知識を、まさか同級生の女子から、それも身をもって教わる日が来ようとは……。

「じゃあ、今日はこれで。お前、明日からは毎日財布に五千円入れとけよ。こうやって金玉蹴られたくなかったらさ。はは」

最初に声を掛けてきた時の不機嫌面はどこへやら、山本さんは実に楽しそうな笑みを浮かべながら、うずくまったままの僕にそう言い残して去って行った。

366 名無しさん :2019/02/11(月) 22:20:58 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』⑤

-----------------------------------

そんな風に僕と山本さんが出会ってから、もう一年以上になる。
高校二年生に進級してもなお、僕達のこの歪な関係は続いている。

頻度にして月に2〜3回、僕は山本さんからいつものこの体育館裏に呼び出されると、儀式のようにその日財布に入っている千円札をあるだけ差し出す。
彼女は五千円用意しておけと毎回言うが、そもそも僕の毎月の小遣いが五千円なので、当然の事ながら毎回足りない。

足りない分は、千円ごとに金的蹴り一回のペナルティ。
最後の一回以外は、彼女曰く「50〜60%程度の力」で蹴り、最後の一回だけは「70〜80%程度の力」で、それも副睾丸を狙って蹴り上げるというのが習慣だ。

ちなみに、これは暫く経ってから知ったことだが、彼女が「最後の一蹴り」をそれまでより強い力で蹴るのは、「最後の一回なら、蹴ったらそれで終わりだから。それまでだと、回復するまで待ってやらないといけないから」ということだった。

つまり、やはりあのインターバルは、僕が最初の日に感じた通り、彼女なりの優しさだったということだ。
ただ実際、回復にはほとんど意味をなさない程度の時間しか与えられないので、事実上、ほとんど意味の無いインターバルとなっているのだが……。

「さあ、もういいだろ。立て」
「う……」

今日も短めのインターバルが終わり、僕は再び立ち上がる。
とはいえ、今日は幸いにも三千円入っていたので、金的蹴りは二回で済む。

(……って、なけなしの三千円巻き上げられて、そのうえ二回も急所蹴られて、これのどこが『幸い』なんだ……?)

いつものように疑問が一瞬頭をもたげるが、やはり深くは考えない。
考えても意味は無いし、考えても結局僕はこうして山本さんの前に立って足を開くことになるからだ。

そう。
今ではもう「開け」と言われるまでもなく、彼女の前に立ったら条件反射のように足を開いてしまう自分がいた。

「じゃ、いっくぞ〜。せーのっ!」
「うっ!」

ドスン、と深く、山本さんの足の甲が僕の股間にめり込む。
山本さんの蹴りは本当に的確で、正確に僕の玉(しかもこれは最後の一回なので副睾丸)だけにダメージを与えることができる。

「あ……」

いつものようにうずくまる僕。
この一年間、何百回と山本さんに急所を蹴り上げられてきたけど、この「最後の一回」だけは本当にいつまで経っても慣れる気配すらなく、まさに「地獄の苦しみ」と言うほかない。

「ぷぷっ。いたそ〜」

僕の急所を蹴った後、山本さんは本当に嬉しそうに笑う。
でもそれは本当にそれだけで、うずくまる僕の頭を踏ん付けたり、背中やお腹を蹴ったりするようなことはしない。

多分彼女は、単純に『玉を蹴られて苦しんでいる男』を見るのが好きなのだろう。
変な事を言うとまた余分に急所を蹴り上げられそうな気がするので、確かめたことは無いけれど。

「あー。面白かった。じゃあまた明日な」

山本さんはまだうずくまっている僕に笑顔で手を振ると、そう言って去って行った。

(また明日、ね……)

基本的に、山本さんは気まぐれだ。
今日みたいに「また明日」と言いつつ、1〜2週間も音沙汰が無いことなんてしょっちゅうだし、逆に「また来週な」なんて言った次の日から三日連続で呼び出されたこともある。

だから、僕はもう深く考えるのはやめた。

考えても意味が無いし、山本さんに呼び出されたら最後、僕はこの体育館裏に足を運ぶ以外の選択肢は無いのだから。
たとえ財布の中に、千円札が一枚も入っていない日であったとしても。

367 名無しさん :2019/02/11(月) 22:24:26 ID:UjBvFcQQ0
『金的上手の山本さん』⑥

――翌日。


昨日、山本さんに二回蹴り上げられた急所の痛みがまだ少し残っている。
今日は体育の無い日で良かった。

……とはいえ、当の山本さんに呼び出されたら元も子も無いんだけど。

そんなことを考えていた矢先だった。

「あっ」

僕は思わず足を止めた。
廊下の反対方向から、山本さんがこちらに向かって歩いてきていたのだ。

「? どした?」

僕の隣にいた友人が尋ねる。

「い、いや……なんでもない」
「?」

僕には当然気付いているだろうが、山本さんは表情一つ変えずにつかつかと歩いてくる。

そもそも、僕達二人は同じ学校で同じ学年だ。
クラスこそ違えど、こうして「いつもの場所」以外でニアミスするのは一度や二度の事ではない。
現に僕達はその都度、赤の他人のような顔をしてすれ違ってきた。

……いや、実際、今も赤の他人のようなものだけど。

とにかく、僕達は表向きには何の接点も無いのだから、他人のように通り過ぎる以外に取り得る選択肢なんて無いのだ。
もっとも、昨日の今日ですれ違うのは何となく気まずいような気はするけれど。

一歩、二歩。
僕達は互いに互いを見ようとはせず、各々の歩みを進める。

それは一瞬の偶然だった。

僕の左隣を歩いていた友人が、何の気無しに、僕とは反対側の窓の外に目をやった。
その瞬間、僕の右側ですれ違う直前の山本さんがにやりと笑った。

「えっ」

ドスッ、と、山本さんの足の甲が僕の股間にめり込んだ。

「…………!」

山本さんはすぐに足を引く。
時間にして1秒も無かっただろう。

「あ、あ……」

僕はその場にうずくまりそうになるのを必死に堪える。
そんな僕の様子を愉しむように、山本さんは僕の右側を通り過ぎる瞬間、そっと耳打ちした。

「今日、来いよ」

それだけ言い残すと、何事も無かったように通り過ぎて行った。
ほどなくして、友人が僕の方に向き直る。

「……ん? どした? お前」
「え、い、いや……別に、何も」
「何もって……え? なんかいきなり顔色悪くなってねぇ?」
「な、なってないって。は、はは……」
「?」

友人は訝しそうにしていたが、それ以上追及しようとはしなかった。
まさかほんの一瞬目を離した隙に、隣を歩いていた友人がすれ違いざまに女子に急所を蹴り上げられていたなど、想像だにしないだろう。

僕は急所の鈍痛を堪えながら、なるべく平静を装って廊下を歩いた。

今日もまた、山本さんの気まぐれに支配される放課後が待っている。








368 名無しさん :2019/02/11(月) 23:58:27 ID:LbN82ZUs0
>>365
ここすき

369 名無しさん :2019/02/15(金) 22:13:52 ID:SnK2MDZE0
良かった乙乙
続編が欲しくなる引きですね(チラッチラッ

370 名無しさん :2019/02/21(木) 02:01:50 ID:LHWBgZWI0
タイトル名からして、からかい上手の高木さんを思い出す
書いてみたいけど俺には文才ないわww

371 名無しさん :2019/03/18(月) 14:48:03 ID:V9KSMS9g0
金玉を蹴る女達復活しとるやんけ

372 名無しさん :2019/03/18(月) 20:51:35 ID:8u0jV4NY0
もう諦めて最近更新確認してなかったから助かるわ

373 名無しさん :2019/03/22(金) 21:09:24 ID:3l1OGRb20
>>371
グッジョブすぎ!!!
更新に3週間も気づかなかったw

374 名無しさん :2019/05/02(木) 15:59:43 ID:TWgbPKzI0
いつもお世話になっています
令和もよろしくお願いします

375 名無しさん :2019/05/04(土) 23:25:37 ID:EF7lyctQ0
令和記念に何か無いですかね…

376 名無しさん :2019/05/06(月) 09:34:09 ID:bW/F4bMI0
今月に入って更新があったのは古典太平記だけですね。
季節外れのひな祭りの音声作品と言うのがツボでした。

377 名無しさん :2019/05/06(月) 13:25:43 ID:2vaqAbvo0
前はそれなりに投稿されてたけど以前の書き手はどこでやってるのですかね

378 名無しさん :2019/05/06(月) 20:13:25 ID:MKBxFYRs0
焦らず待ちましょうよ
書き手がいなくてもスレが存在しているだけで幸せなこと

379 名無しさん :2019/05/15(水) 11:19:46 ID:YGGCvqb20
過去の作品をサルベージするのも楽しいぞ
2ちゃん時代のスレにはSSが大量に眠ってるからな

380 名無しさん :2019/05/22(水) 19:37:18 ID:offtDZHI0
>>379
おすすめ教えてほしい

381 名無しさん :2019/06/16(日) 18:03:54 ID:uWFC6vzM0
ttps://www.youtube.com/watch?v=WbZpG0dRKk0&t=1273s

"金蹴り"にハマる女性が急増中♡ディープな大会にグラドル三宿菜々が"女王様"として潜入!「思ってたよりも楽しめた自分が怖い」|『給与明細』#53

382 名無しさん :2019/07/06(土) 07:46:25 ID:1sQfL5F.0
親の敵の武士に金蹴りして首を取り
墓前に報告する音声って、すごい斬新だよな
そもそも墓前報告する金蹴りボイス自体ないだろう

383 名無しさん :2019/07/06(土) 22:25:26 ID:ERTaLx1Q0
何の話か知らんけどどうでもいい部分を斬新にする意味はあまり無い

384 名無しさん :2019/07/07(日) 11:10:56 ID:YvCxrL6M0
>>383
古典太平記のコメント欄にあったリクエスト
冷静に指摘されると、たしかにそのとおり

385 名無しさん :2019/07/15(月) 11:19:27 ID:1wOypGKE0
今回の古典太平記の感想コメを見ていて気になったんだけど
スマホでボイス動画を見ている人って
電車の中とかでもイヤホンを付けて見ているの?

386 名無しさん :2019/07/15(月) 11:31:34 ID:51YurzzM0
しかしどこも動き無いな
嫁婿の人がpixivで再開したけどそれも結構前だし

387 名無しさん :2019/07/15(月) 11:57:16 ID:y0/HwmD.0
一瞬、金玉を蹴る女達が更新再開したけど、また止まって音沙汰なし
今、定期的に更新しているのは、しっぽの練習帳と古典太平記位だろう
寂しい

388 名無しさん :2019/07/15(月) 21:35:54 ID:51YurzzM0
一時期ここにたくさん投下してくれたダークな作風の人も最近見ないなぁ
抜ける上に話もすごく考えられてて好きだったのに

389 名無しさん :2019/07/15(月) 22:37:59 ID:JXIdl3KE0
ぜいたくを言うと、たまには金蹴りイラストも見たい
金蹴りドアップで描いてある物がイイ!

390 名無しさん :2019/07/16(火) 20:52:21 ID:S/KMKWTA0
前いたエクストリームの人とか嫁婿の人とか好きだったわ
このスレの存在を知らないとか?

391 名無しさん :2019/07/16(火) 21:09:57 ID:Td0eCJbg0
嫁婿の人はここにも投下してる
エクストリームの人は分からないけど普通に力尽きたんだと思う

392 名無しさん :2019/07/18(木) 02:08:34 ID:xkeyOhoo0
ロッカーの中に隠れてたら見つかった話とかスパリゾートとか未だに待ってる

393 名無しさん :2019/07/18(木) 12:02:43 ID:33w0PoxE0
>>392
ロッカーの中の話って何?
見たい

394 名無しさん :2019/07/18(木) 20:39:09 ID:NeqOhf2Q0
導入が丁寧なだけに続きが気になるよね

395 名無しさん :2019/07/27(土) 15:52:18 ID:fmD6PwHo0
女子が一方的に話して、男キャラのセリフがない物も
SSに分類される?

396 名無しさん :2019/07/27(土) 23:31:38 ID:oiSdH3B.0
自分はアリだと思う

397 名無しさん :2019/08/09(金) 00:21:38 ID:d4dJevAs0
過去の遺作を見て楽しむのも限界だわ
執拗に責めるのも好きだけどエクストリーム空手みたいに互いの心理の描写みたいな方に重きを置くのが好きだった

398 名無しさん :2019/08/09(金) 23:49:26 ID:Yyl/2HJ.0
むかーし、むかしの読み物。アーカイブにぶちこんで貰えば。
読めなくなってるのも多数。保健室の話が好きだったわ(´・ω・`)

ttp://raq1.tlcnet.com/users/tamahimeden/bbp/toukou/syousetsu/index.html

399 名無しさん :2019/08/13(火) 04:33:22 ID:.mKf1WhY0
超気になるけど見れない

400 名無しさん :2019/08/13(火) 22:00:02 ID:AywWQ/120
>>398
さんくす
しっかり潰してるの多くて良かった

401 名無しさん :2019/08/14(水) 01:08:26 ID:guJ4BSnE0
見れないんだが

402 名無しさん :2019/08/17(土) 00:22:34 ID:0nXKin3U0
>>398
こんなサイトが昔にあったとは知らなかった。
潰す所までやる話は滅多に見かけないのでとても貴重。
ありがとうございました。

403 名無しさん :2019/08/18(日) 17:22:38 ID:WwJ7W2Cw0
俺も初めて知った
昔から色々なキーワードで検索掛けていたけど
なぜ見つからなかったか、謎
まだ埋もれているサイトがあるかも知れない

404 名無しさん :2019/08/28(水) 01:28:03 ID:Kz.LC5KE0
みれない・・・

405 名無しさん :2019/08/28(水) 11:06:03 ID:8pWVXYSQ0
普通に見ることはできないんじゃないか? たぶん。
アーカイブにぶち込めって書いてるし。web archiveで見るよろし。
なんていうかゲイの人って文章力高いね。今は亡き?kekkoのHPに
男男物を書く人が男女物を書いていくつか投稿してたけど、
抜きん出た品質の高さだったわ。

406 名無しさん :2019/08/28(水) 16:46:44 ID:MeSGLwDQ0
というかこの界隈自体が創作力低いんだよね
絵描ける人も文章書ける人も少ない
ゲイの玉責めだって相当なニッチジャンルだろうに作品の質も量も段違いで辛いわ

407 名無しさん :2019/08/28(水) 20:15:21 ID:9ui1o7uc0
スカトロやグロリョナの方が需要、供給、知名度も高いというね。
それに対して玉責めは「ずっと書(描)き続ける人」が殆どいない。

408 名無しさん :2019/08/29(木) 00:02:20 ID:4pBkok0w0
>>406-407
羨望や悲観するのは分かりますが、もう少し書き方はありませんか
界隈全体を貶める意図はないとは思いますが、創作力や継続力が低いなどと言うのはいかがなものかと

続くようでしたら、SSスレに相応しくないと思いますので議論スレで返信します

409 名無しさん :2019/08/30(金) 11:22:22 ID:trBYA3x.0
古典太平記のボイス作品は素晴らしいですね。
管理人さんを尊敬します。

410 名無しさん :2019/08/30(金) 15:33:33 ID:OWkLNXqI0
『ド聖さん』ってブログはどうなん?

411 名無しさん :2019/08/30(金) 18:49:38 ID:trBYA3x.0
>>410
金蹴りよりも強制射精に力を入れている感じ

412 名無しさん :2019/08/30(金) 22:55:23 ID:kUEEx8m20
同時にエロもとなるとそうなるんだろなぁ
もしくは女勝ちの表現を金的以外にも出したいからとか

413 名無しさん :2019/08/31(土) 09:54:41 ID:jZuYWpIY0
男女物と男男物の混載で思い出したけど、ここのスレ民的に英語コンテンツってどんな扱い?
読むのに時間がかかるから発掘するのは手間だし、過疎状態なのはたぶん変わらんけど、手を
付けてないなら未開拓の金鉱みたいなもんだと思う。俺は一時期夢中になった。

414 名無しさん :2019/08/31(土) 18:56:19 ID:t9bH4J1A0
>>413
海外サイトは全然手をつけていない
TOEICの勉強でもしようかと思い始めた

415 名無しさん :2019/08/31(土) 23:26:54 ID:Dxgvetdg0
>>408
おっしゃる通り貶す意図は全く無く事実を言っただけですね
特別棘のある言い方はしてない筈ですし、正直何がそこまで気に障ったのかさっぱり分かりませんが議論スレで話したいなら応じます

416 名無しさん :2019/09/02(月) 12:45:03 ID:F8tubvc20
だったら自分でレベル高いのいっぱい作ってくださいとしか
てことだと思うけど

417 名無しさん :2019/09/04(水) 00:47:50 ID:pVVLfx8c0
ss作るより、古典太平記みたいにセリフ集にして音声化する方が、創作のハードルも低いしコンテンツとして需要ある気がする

418 名無しさん :2019/09/04(水) 23:24:13 ID:5wlh/Zjk0
たしかにQ&Aを読み上げるだけなのに興奮するよな
DVDとかでも掘り下げて経験談を語ってくれるものは見たことないし
盲点を突かれた感じ

419 名無しさん :2019/09/05(木) 13:02:21 ID:nyMrbgwc0
台詞だけ作って依頼するのも一つの手ではあるんだけどねぇ
何なら絵描いて貰って良い訳で
ただやっぱり自分で創作出来る人が多い方が影響力はあるし、あわよくばそれでこのフェチに目覚める人が増えれば供給も多くなって万々歳なんだけどなぁ
それが目的でSS書いてた時期もあるし

420 名無しさん :2019/09/05(木) 21:22:05 ID:2P5AFYjY0
古典太平記の1番新しいボイス作品が1番好き
ただ、恋愛テクでも古典でもないよなw
でも、ボイスを聞いた女性がSっ気に目覚めてくれると
それはそれでうれしい

421 名無しさん :2019/09/12(木) 10:23:43 ID:YlwbkGTo0
昔pixivで艦これとかミックスファイト倶楽部とか
ミックスファイトのシリーズ物を書いていた人もう一度復活しないかなぁ。
金蹴り率かなり高かったしフェチのツボついていたし
それでいて男と女どっちが勝つか分からない感じがすごく良かったのに。
なんで消してしまったんだ・・・

422 名無しさん :2019/09/12(木) 19:11:13 ID:OcuRl3XA0
エクストリーム好きだったんだけどな…

423 名無しさん :2019/09/12(木) 20:25:30 ID:rSecAIv.0
エクストリームとか嫁婿の良いところはやられた男が無闇に叫ばないところ
自分のプライドとかで声を押し殺すも我慢できない感じが本当にすき
ついでに言うと設定が高校生くらいで多感な時期なのもいい
復活してくれー

424 名無しさん :2019/09/12(木) 21:20:33 ID:C1HWPqzk0
昔あったらしいけど、あなたに○○ついていますか?
みたいな名前のサイト。URL知ってる人いないかね。
今だったらアーカイブでみれそうなんだけど。

425 名無しさん :2019/09/12(木) 22:27:58 ID:8wui0XE60
-------------

こんな思いを噛み締めるのは、自分が最後でありますように------

-------------


「〜〜〜〜♪」

軽快とは言い難い調子の鼻歌が響く。鬱蒼とした森の中、俺以外の気配は露ほども感じない。
いや、生き物ならば掃いて捨てるほどいるのだろうが。その姿を視認することは全くといっていいほど無かった。

「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜♪」

なんという歌なのかは知らない。歌詞の意味も分からない。生まれる前の曲だってことは知ってるが、それだけ。
自慢じゃないが、俺と英語は縁遠い。それこそ、俺と女ぐらい......自分で言って悲しくなってくるな。ただ、切なげなメロディーが脳裏に焼きついて消えてくれない。
そういう経験、アンタ達だって覚えがあるだろう?

昼前に街を発って、もう日も大分傾いた。シャツが身体に貼りついて、無言のまま不快感を訴えてくる。グラサンの下、目に入りそうな汗を拭う。
俺が不機嫌だと察してか、煩いほどだった蝉の声も、こころなしか控えめになったような気がする。とはいえ、あくまで気がする、程度だが。

少し前に乗り捨てた原チャのコトを恨めしく思う。オンボロもいいトコロで、だが目的地までは持つと考えていたがとんだ見込み違いだ。
持ち主の顔は忘れた。多少腕力に訴えさせてもらったが、快く譲ってくれたと認識している。アイツも、あのガラクタを買い換えるいい機会になっただろう。
思い入れだとか、愛着だとか。そんなモノは幻想で不要だ。そんなモノがあるからこそ、人は終わりにへばりついて離れられない。

スマホで確認すると、目的地までは1kmを切っていた。平地の1kmは気にもならないが、山道ならば話は別だ。
しかも、人跡が絶えて久しい獣道。正直、後悔しないといえば嘘になる。だが、ここまできて戻るのも業腹だ。進退窮まって惰性で歩みを進める。まさに俺の人生だな、と冷笑。

GPSだけを頼りに進む俺が生まれ育ったのは、どこにでもあるような地方都市。俺が生まれる前に、死んでしまった都市だった。
よくある限界集落のように、派手に消滅したわけじゃない。主要産業であった鉱山が廃れ、緩やかに活気を失っていったというだけの話。

景気が冷えれば、人心も荒む。当然だろう?朝っぱらから、暇とエネルギーだけを持て余した大人が街をふらついてんだから。
人心が荒めば、治安はお察しだ。そこかしこで小競り合いやら、殴り合いやら。誰もが自分を持て余していて、持て余したもののぶつけ先を求めていた。
コミュニケーションの通貨は、言葉と暴力。物心ついてからそういう環境で育った俺には極めて自然、だが実際は世紀末だったんだろうな。
西暦が、千年紀が切り替わった後に世紀末を迎えるなんてな。皮肉だが、あの遅れた街には相応しかったのかもしれない。

荒廃のピークは、俺が中学に上がる直前。5〜6年ほど前か。他所では中々起きないだろうコトが、ここでは日常茶飯事だった。
例えば。一つしかない高校で殺人事件。女生徒が、男子生徒を殺した。例えば、街の名士の娘が精神を病み、それが原因で一家とも街を追われた。
どこかネジが狂ったような出来事が立て続けに起きては、日常に溶けて流される。そういう日々を送ると、ネジが外れた日々そのものが日常に変わる。
幸いなのは、麻薬が蔓延しなかったことぐらいか。モラルが高かったわけじゃない。単に、この街は病みすぎていて採算が取れると思われなかったのだろう。

で、だ。そのまま病状が進行するとどうなると思う。答えは簡単。街も死ぬのさ、人間と同じように。
見込みのあるヤツほど早めに見切りをつけて去っていく。若い連中は潮が引くように消えていく。沈む船からネズミが逃げ出すみたいにな。

426 名無しさん :2019/09/12(木) 22:28:35 ID:8wui0XE60
で、残るのは。俺たちみたいなロクデナシ、他所では生きていけないだろう底辺連中や、流されるまま惰性で生きているゾンビどもだけだ。
街は既に末期の状態で。誰かが、死に水をとってやらないといけない。だが、屍のような連中は、誰も街を看取ろうとはしない。

腐っても故郷だ。腐敗が進みすぎて白骨になっていても、街が死んだとは認めたくないのかもしれない。俺もそうだから、気持ちは分かる。そして、だからこそ気分が悪い。
―――誰か。誰かが、この街に引導を渡さなければならない。そう、誰もが思っていた。それは、ココに何の思い入れも無く、だからこそ無慈悲に終わらせることが出来る誰か、だ。
救世主願望、とでも呼ぶのだろうか。世紀末も四半世紀近く経ち、それでもこの街はメシアが到来するのを待っていた。

と、目の前が開ける。獣道から、踏み固められた道に。何故そう思ったかって?タイヤ痕があったからさ。
上方は深緑の天蓋で覆われていて、成程、航空写真じゃ分からない筈だ。ほっとしたか?いや、馬鹿馬鹿しい。むしろ落胆したね。
車輪の轍から、この先には人間が住んでいるというのは明白だったから。そういえば、俺が誰で、何をしているのか言ってなかったな。


名前は、鷹ノ上 隆一。年齢は18……性別は見ての通り、男だ。高校は辞めた。入って二月と保たなかったけど、中退といっていいのかね?
ほんの数年前には人死にさえ出したというのに。入学した頃は事勿れ主義者しかいなかった。退屈って概念が顕現したらば、さしずめあんな感じなんじゃないかね。
気に食わないヤツをぶん殴ったら、それで停学だと。いや、参ったね、実際のトコロ。この街だと、ありふれたコミュニケーションの一つだって当然知っているだろうに。

実家との縁が切れたのも、その頃だったかな。親父とお袋、そして妹が一人。皆、俺と違って頭の出来が良かったんだろう。
それまで散々厄介事を起こしてきた長男の面倒は、もう見きれないっていうわけだ。頭の宜しい妹を、あんな高校にやれないってのもあったのかもな。
とにかく。それを契機に家族もこの街を捨て。あとは俺が、この街の申し子みたいな俺一人が残されたってわけさ。

別に怨んじゃいないさ。むしろ、感謝している。俺は生まれつき身体が壮健頑丈だったからな。身長も無駄に薄らでかく180はゆうに超えてる。
身体がでかくて頑丈だというのは、ココで生き抜くのには何よりの財産だ。暴力に勝れば大抵の無茶は通せる。少なくとも、この街ではな。
だからこそココは住みよくて。だからこそココを捨てる踏ん切りがつかないのかもしれないと思うと良し悪しだけどな。

向かっているのは、所謂ところのお化け屋敷。いや、この年齢で肝試し。情けなくて、逆に怖いし笑ってしまう。
彩色された泥水が出てくると専らの評判、行きつけの場末、くたびれた盛り場で旧いツレ。谷崎のアホから聞いた冗談が全ての起点だ。

ソイツが言うには、この街の外れ、山を一つほど越えたところに呪われた神社があるらしい。そこには幽霊か山姥か……はたまた精神異常者か。
恐ろしい化け物が潜んでいて、訪れた男は皆、想像を絶する恐怖を味わうらしい。ビビりあがる余り、性格まで変わっちまったヤツも居る、とか何とか。

この街に住んで久しい俺でも聞いたことが無い与太話。そんなモンがあるなら町興しにでも使ったらどうだ、と笑い飛ばす。
だが、珍しくソイツは引かず。スマホで地図を見ると、確かに噂の場所には何らかの建物が存在するようにも見える。

詳しく聞けば。ソイツも野次馬根性旺盛なクズどもの御多聞に漏れず、実際にソコまで行ってきたらしい。マジで幽霊がいたぜ、と真剣な表情で告げてくる。鬼火と共に現れた、と。
どんなヤツだ?野郎か、女か、と聞けば、そこで途端に下卑た笑いに変わり、女だった、と笑い出した。何やら、女の幽霊に下半身を見せ付けてから、一目散に逃げ帰ってきたのだとか。

キチガイかお前は、と問えば、幽霊にチンコを見せ付けた勇者と呼んでくれ、と笑って返される。御立派なモノを拝めて未練も消えたろと言われ、粗品でよく言う、寧ろ本物見たいって未練ができたんじゃねーか、と返す。
視線を合わせて、沈黙一つ。そして、爆笑。今度、一緒に見せ付けにいかねーか、と誘われ、ホモかテメーは、と混ぜっ返す。また爆笑。

……ま、そのときはそれで話しは終わり。高校の友人の消息を話す方に話題は移った。
高校を辞めた時点で、俺と連中の接点は切れていて、それでも知り合いの現状を聞くのは心落ち着くような気分になる。

427 名無しさん :2019/09/12(木) 22:29:25 ID:8wui0XE60
こんな場所だ。街を去ったヤツ、揉め事に首を突っ込んで、下らない事故で命を落としたヤツ。人生、一期一会だという言葉は、ココでは生の現実だ。
俺にも、幼馴染が居た。餓鬼の頃は、コイツと結婚すんのかな、と朧気に想像していたのを覚えている。小学、中学とずっと一緒だったソイツとも、高校中退で縁が切れた。

縁を切りたかったわけじゃない。ただ、ある日、ふっつりと音信が途絶えたのだ。死んだ、とは聞いていない。幾ら田舎でも、桜田門組はしっかり仕事をしていて。
流石に、死人が出たならばニュースやら何やらで耳に入る。俺が、新聞の地方欄にだけは目を通すのも、そういう理由だ。つっても、自分で取ってるわけじゃないけどな。

最後の記憶は、クラスの前で立ち塞がった姿。何処で聞きつけたのだろうか、俺が高校を辞めるという噂は風よりも速く広まっていた。
まぁ、基本は腑抜けの群れ、烏合の衆だ。大体の連中は、『和』を乱す異物が消えるって清々とした面をしていたぜ。

だが、アイツは違った。隆一、一時の感情に流されないで、将来のことを考えて、と懇願してきた。
いつもそうだった。俺が誰かを殴るときも、自分が殴られたときをと考えろと。喝を入れてやろうとしたときも、入れられることを考えろ、と。
正直、辟易したこともあった。でも、なんだろうな。不思議と、嫌いにはならなかった。それこそ、腐れ縁ってヤツだと勝手に思ってた。

あの時は……そうだ。顔面に一発、拳を叩き込んでやったんだっけ。偉そうなお題目を唱えておきながら、それで終わり。
未練がましく俺の足にしがみついてきたが、軽々と振り払って。恨めしげな視線に、やり返せねぇ方が悪いと吐き捨てて。意気軒昂、揚々と高校から凱旋したんだっけか。

まぁ、意見の相違を腕力で通すなんてコト、俺にとっちゃ呼吸みたいなもんで。……?女を殴るのはいいのかって?……?何が駄目なんだ?
弱いから?か弱いから、守るべきなんじゃって?―――ハァ、馬鹿なこというんだな。逆だろ?弱いから、殴られるんだ。通り魔だってそうだろ?ヤクザやら何やらじゃなくて、弱いヤツが襲われるだろ?
弱いってことは、何をされても仕方が無いってことだ。やり返されるかもしれないなら、やらない。弱いモノを襲うなってのは、弱い連中が、『自分がやられたくない』から唱えるお呪いに過ぎない。

『強い』ヤツが似たようなお題目を唱えたって、ソイツがやられりゃ『お題目』なんて吹っ飛んじまう。自分じゃない『強者』は、『弱者』と食い合ってろっつーのが正直なトコロさ。
食物連鎖と同じだ。弱者は数だけはいるから……残酷な話だぜ。つまり、幾らでも替えが聞くってコトだからな。ま、せいぜい、群れて、物悲しく傷を舐めあっていればいい。ソレぐらいは許してやるさ。俺は優しいからな。

幼馴染も……ミヅキも所詮はそんな連中の一人で。腐れ縁は切れないハズだったが、それ以来。アイツが弱虫の輪から抜けられず、結局疎遠になったんだったな。
とはいえ、多少の風の便りもあったが……ある日、消息を絶って、それっきり。ん?やけに詳しいなだと?―――そうだな。何でだろうな。謝りたいと思ったことは天地神明に誓って無いハズだが……俺、何をしたかったんだろうな。
退屈だったからか。きっと、そうだ。死んだ街には刺激なんて無くて。女も男も、若いヤツは大体都会に行っちまって。あるのは、不味い模造酒だけ。俺が今、曰くつきの廃墟に向かっているのもそれが理由だ。

428 名無しさん :2019/09/12(木) 22:30:02 ID:8wui0XE60
轍に沿って歩く。ぬかるんだ道は不快感を刺激して、それでも歩みを止めはしない。遠く、何かの灯が見えて、それが目的地だと理解する。
知ってるか?退屈は人を殺す。生きるには、刺激が必要だ。噂の廃屋……実際には誰か住んでるみたいだが……あの場所の話、街の誰もが知らなかった。いや、歳を食った奴らは知っていたのかも。だが話したがらなかった。
曰く、前段の『街を去った』名士の持ち物だったらしい……辺りの山々も含めてな。街を去って、それでも頑なに『ソコ』だけは、その一帯だけは手放さなかったらしい。

年嵩の連中は、『さもありなん』という顔をしていた。つまり、ソコには『手放せない』理由があることは明白で。だったら、好奇心がビンビンに刺激されるってのも自然の道理だろ?
だが……蓋を開けるとガッカリだ。大山鳴動してネズミ一匹ってトコか……単純に、ソイツが街を偲ぶための別荘なのかもしれないな。俺のダチも、結局ただの変態だったっつーわけだ。ま、コレはアイツの知り合いみんな知ってるけどな。

べチャべチャと音を立てて進むと、ボロボロに崩れた土塀に行き着く。不自然な人工物。自然がソレを呑み込まんとしているのか、何かの芽が生え蔦が絡まり茸も生して、森の一部と一体化しつつある。
一昔前は立派な山門だったのだろうソレも朽ち果てて、奥に見える社殿……神社だったのか、ココは……ソレも今日明日にでも自然に還りそうだ。俺の街に相応しい、死んだ建造物だ、そう思った。そして、死んだとも自覚出来ていない。

足を踏み入れると、糞の臭いと味噌の匂い。予期せぬ闖入者に驚き慌てたのか、鶏が騒ぎ立てる音が聞こえる。左手にはプレハブのこじんまりとした物置、そして左手奥にも多少は見れた平屋が見える。
外にはプロパンボンベが幾つかと、横付けされた軽トラ。味噌の香りはそこから漂ってきているらしい。何の気無しに、その建物に歩み寄ると―――いや、違うか、ココまで来て手ぶらで帰れるかと―――背後から、清廉な声が聞こえた。

「当家に、何か御用でしょうか―――?」

振り返ると、ソコには。お目当ての幽霊が居た。

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429 名無しさん :2019/09/12(木) 22:31:00 ID:8wui0XE60
いや、幽霊の正体見たり枯れ尾花っつーのはこういうコトを指すのだろう。

身長は170cm無いぐらいか?年齢不詳、若々しくは見える。女にしては長身だ。化粧などはしていないのだろう、薄らと目の下に隈が出来ているのも分かる。
だが、恐ろしい程に容姿は整っていた。碧為す黒髪というのはこの出で立ちを指すのか。薄暗い中、黒光りするように艶々とした毛髪を右肩で束ねて。
出で立ちは、殆ど裸に近い。薄い身体の上、更に薄い襦袢。真っ白い襦袢を申し訳程度に羽織っている。頭に三角巾的なものがついていれば、文句の出しようが無い程度には完成された幽霊だ。

ただ、一点。画竜点睛を欠くのは、普通に足が生えていること。襦袢の下からババむさい下着と、『無い』ことで存在を主張する『女』が覗き。そこから、瑞々しい太腿が伸びているのが見える。

幽霊だ、山姥だの噂になったのも頷ける。こんな山奥で、やぶからぼうにコイツに出食わせば俺だってそう思うかもしれない。多少冷静なら……下着の上に襦袢のみ羽織った姿で、精神異常者だと誤認するやも。
だが、話はきっと単純だ。ココの住人が予期せぬ訪問者に驚いて、着の身着のまま、上っ張りだけを羽織って様子を見に来た、それだけのコトなのだろう。鶏舎も落ち着きを取り戻し、隣に家庭菜園が拵えてあるのが見えた。

「あの、聞こえていらっしゃいますでしょうか?お役所の方、ですよね?何か御用件が―――」

幽霊モドキは現状を把握できていないらしい。ポヤポヤとした空気を保ったまま、見当外れの問いかけを投げてくる。おいおい、俺が役所の人間に見えるか、と内心苦笑。役所は、街で唯一のマトモな職場だ。俺とは縁遠い。
極彩色のアロハに、膝丈、白の短パン。履いているのは、ゴム製のサンダル。あれだけ歩かされていなければ、髪も逆巻いた金髪で……グラサンと併せ、どう贔屓目に見てもチンピラ、半グレ。ヤクザと思われたって不思議じゃない。

茫洋とした雰囲気の女が、所在無く手持ちの行燈を揺らす。鬼火の正体はコレか。他人事ながら心配になってしまう程の無頓着さ。俺がその気になるだけで、次の瞬間には土の味を堪能させてやることが出来るというのに。
いや、コレだけの肢体を持っているんだ。組み伏されて犯されるコトに対する危機感ぐらい抱いてもいいんじゃないか?そうなっていないのは、単純に俺が硬派だから……というか、やり方を知らないからだ。
……死にたいなら笑えばいい。風俗なんて洒落た場所、あの死んだ街にゃ無いのさ。若い女は直ぐに出て行ってしまうし、それに。そも女連中は、暴力の価値を、中々正確に評価することも出来ないようだからな。

女が一歩進み、俺の顔を下から覗きこむ。物怖じしない様子、だが無防備が過ぎるんじゃないか?誰かから危害を加えられるなんて想像もしていないのか、そもそも何をされても構わないと思っているのか。女からは読み取れない。
襦袢の併せは緩く。この体勢からだと、決して豊満とは言えない、むしろ俎板と形容して差し支えない胸元がどうしても視界に入ってくる。覗くつもりはないとはいえ、見えてしまう。チラチラと。
―――俺は女じゃないから知らないが。家で寛ぐときは、その、ブラジャーって着けないモンなのかね。つまりは、何だ。その、桜色の―――靴が。……靴?靴だと?!


「曲者ーーーーッ!!!!」


背後から。また、背後からだ。今回は、何処か聞き覚えのある声が響いた。ただ、その声に払う注意は霧散していた。何故か―――簡単だ。見下ろす俺の視線の先……股間から、足が生えていたから。
一拍遅れて、身体が衝撃を知覚する。グラサンが外れ、どうしようもない悪い予感が全身を駆け巡る。何をされたか……理性では分かりきっている!キンタマを、蹴り上げられたんだ!そして、理性が認めたくないと叫んでいるのも分かる。

あらまぁ、と。女が口を覆って声を漏らす。股間から覗く足は、密着した女の股間をも同時に蹴り上げる……なんてことは無く。出っ張った部分が無いからこそ、紙一重の距離で静止。密着した女は、他人事のような態度を崩さない。
もしも。本当に意味が無いもしも、だが。目の前の人間が『男』だったなら……二人仲良く蹲っていたような蹴りだった。当たらなくとも。股間の直前を蹴り足が通過したなら、男なら腰を引いただろう。女は、女だからこその無反応。

また、一拍空いて。耐え難い激痛と虚脱感が、股間から全身に充填されていくような感覚を覚え、堪えきれず、膝から崩折れようとしたところで。後ろの誰かが腰にしがみつき、引き倒すようなタックルを掛けてきた。
先ほどの一撃が無ければ意に介す必要も無い程度の衝撃だが、『金的』を蹴り上げられた状態では抵抗すること値わず、そのままうつ伏せに組み伏されてしまう。腿裏に、重量感のある肉塊の感触二つ、それで背後の誰かが女だと理解。

430 名無しさん :2019/09/12(木) 22:31:44 ID:8wui0XE60
いや、『ソコで』っつーのは語弊があるな。あんな、血も涙も無い蹴りをタマに叩き込めるのは、タマの痛みを知らない女に決まってる。だがその時は、その『タマ』の痛みに全身が満たされていて……そこまでは思考が回らなかった。

「このッ、腐れ変質者がッ!性懲りも無くッ、まーたこんな山奥にまでッ―――このまま絞め落としてやるから覚悟しなさいッ!!!!」

絞め落とすって聞いて、どんなコトをされるとイメージする?頚動脈を絞めて、意識をブラックアウトさせる……アンタが女なら、それだけで正解だ。だが、男なら―――
俺もその時初めて知ったよ。背後の女は俺の短パン、右裾から右手、左裾から左手を入れて、あろうことか、俺のタマを締め上げはじめたんだ。外そうにも……敵の身体は背後、太腿に上半身を乗せた体勢で両腕が届かねぇ。
そもそも、キンタマを握り締められて身体に力を入れられるワケがねーだろ?これも、女にゃ分からないと思うがさ。

男だったら、さ。最初の一撃で勝負あったって分かっただろう。生憎、俺に急襲を掛けてきやがった何者かは女で―――後で聞いたところだと、初撃でダメージを与えられたかどうか、半信半疑だったんだそうだ。
流石に潰すまで行ったら勝ったって思うけど、と笑い。そうは言っても、実際に潰した経験あるわけじゃないけどね、なんてはにかむ。悪びれなくのたまったソイツの顔に、俺のタマが縮み上がっちまったのは仕方が無いことだろう?
ともかく、この時はソイツが誰かも分からずに、地臥で必死に藻描いていたワケだ。

再度。あらあらまぁまぁ。頭上から能天気な声が降ってくる。距離にして1メートルも無いだろう。目と鼻の先で起きている修羅場に対して、何処か遠くの出来事としか認識出来ていないような、幽霊女が溢した声だった。

助けを求めようと顔を上げると……背後の誰かと揉み合いになった弾みだろうな、女の帯が外れ、前が全開に……晒された股間が、彼女は俺を苦しめている器官……タマなんて持ち合わせていないと無言の内に主張していて。
唐突に理解しちまう。俺のタマがどんな目に遭わされているのか……それに共感できる人間は、四方1km以内に誰もいないのではということを。背筋に、ヒヤリ、という感覚が走る。
当然共感できない背後の誰かは、五指を俺の肝心な部分に突きたてるようにして、ゴリゴリとソコを責め立ててくる。股間が痛み、激痛が腹痛にまで波及しつつあるのを、ソイツは全く感知しようともしていない。出来ない。
思わず許しを乞おうとして……激昂しているらしいソイツに、この感覚をどう伝えればいいのか分からず、言葉に詰まる。苦悶していると、更に肝が冷える台詞が投げつけられてきた。

「右のが大事?!左のが大事?!片方で勘弁してあげるけど……今度また来たら、残った方も潰してやるからねッ!!!女になりたくなかったら、二度とその面見せないことねッ!!」
「えーと、ミヅキちゃん?確かに女性はおタマタマ持ち合わせておりませんが……逆に男性がおタマタマを失くしたからって女性になるわけじゃありませんよ?」

調子外れの指摘が幽霊から零れたが、要点はソコじゃない。苦痛に煩悶し、朦朧とする頭の中に響いたのは聞き覚えのある名前で。
畜生、お前、昔からそーゆートコ潔癖なヤツだったよな、と恨む。怒りの理由は、つまり、田崎が……あの頭蓋骨に名産の蟹味噌が詰まっているようなアホが、チンコ見せつけに来たからだな、と。俺、関係ねーよ、とも。
郷愁と恐怖と、様々な感情が綯い交ぜになった俺が放てたのは、一言だけ。幼馴染の……片瀬 海月の名前。

「ミ、ミヅ、キ―――??」

「え?何よ……って、ちょっと何?アンタ、もしかして隆一?何でこんなトコロに―――って、ちょっと?大丈夫?!?」

テメェでタマキン握っておいて、大丈夫も何も無いもんだ。だが、驚いた拍子に海月の親指がタマの裏側―――副睾丸って言うらしい―――に突き立てられ。俺は、魂を搾り出される思いをしながら失神した。

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431 名無しさん :2019/09/12(木) 22:32:19 ID:8wui0XE60
「だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜からさ、マジでゴメンって!この通り!許してつかぁさい!!」

何で、こうなったんだろうな。失神していたのは、極短い時間だったらしい。幽霊……高屋敷 櫻子と名乗った……と海月は二人で、俺を母屋へと運び込んでいた。
クソ、このクラゲ女が……と憤懣遣るかた無い表情を崩さない俺に、数年振りに顔を見た幼馴染が拝み倒さんとばかりに頭を下げてきて。何故クラゲかって?そりゃ、海月って書いたらクラゲって読むだろーが、普通。

金的ってヤラれると気力が萎えるのな。そうじゃなければ、もう一回拳の味を思い出させてやったんだが……とても、そんな気になれない。そして、女の海月はそんな男の仕組みは知らないのだろう、俺の様相が意趣返しかと思っての謝罪。
餓鬼の頃は雰囲気への流されっぷりからクラゲだクラゲだと囃したてていたが、数年振りに相見えた彼女は、その、身体の一部がソレこそクラゲを抱えこんだように膨らんでいて……あぁ、そうだよ。オッパイがだよ!!
それを直視し難い、クソ、我ながら童貞臭いぜ、というのもあり。俺は視線を反らしたまま、ぶっきらぼうな憎まれ口しか叩けない。あの乳が気になるにも程があるだろ、あの海月だぞ?!正気かよ、俺。

「まさか、お前がそんな変態だったなんて知らんかったぜ。ぐ……。男日照りが過ぎて、自制出来ずに握っちまったってか?」

嘘だ。我慢出来そうに無いのは俺だ。握りたいのは、揉みしだきたいのは海月の乳だ。股間から時折差し込むような痛みを感じるが、それを押してでもアイツを押し倒したい、と思ってしまう。
そういえば。アイツ、自分がされたら嫌なコトは、他人にしては行けないって金科玉条の如く言っていたっけか。なら、俺がされて嬉しいことは、アイツも嬉しいんじゃないか、なんて愚にもつかない考えすら浮かんで。
ただ、そんな俺の気持ちを知ってや知らずや。憮然とした態度を崩さない俺を段々と面倒くさく思って来たのか、海月の謝罪と心配の中にも、何処と無く険が交じってくる。
いや、険の中にも心配が混じるといったほうが正しいかな?海月はそういう女だった。

「もう、わざとらしく痛がる振りなんてしちゃって……!結構時間も経ったし、もう平気でしょ?……ホント、大丈夫?駄目そうなら言ってね?アタシ持ってないから、言ってくれないと分かんないよ?」

両腕で胸を押さえ込むような形でコチラを覗き込んでくる。自然、視線は彼女の谷間に吸い寄せられ……気力を総動員して引き剥がす。何でだろうな。見たいんだから、ガン見すればいいじゃねーかって俺の心は言っているのに。
首よ折れよ、とばかりに顔を反らす俺に、海月はまた不満げな表情。むー、大人げない、と口を尖らせる。それでも男なの、タマタマ付いてるの、と非難の口調。おいおい、謝罪は何処いったんだよ?

と。襖が開く音と共に、櫻子が麦茶を載せた盆を携えて姿を現した。いいトコのお嬢様なのだろう、少なくとも、苗字が三文字なら大抵名家だ……実例が俺だな、なんて冗談めかして問うたところ、実際そうだと聞かされて仰天する。
街を去った名士の一人娘だそうだ。何故、そんなヤツが人里離れたこんな場所に封じられているのかは見当もつかない。色々ありまして、と櫻子は笑うが、それ以上自分から語ろうとはしなかった。

心ココに有らず、といった風情はそのまま。まぁ、病んだ街だ。病んだ令嬢がいても何も可笑しくは無いだろう。

今の彼女はジャージ姿。色やデザインから見て、懐かしきは俺の高校のジャージ。ウチのはほぼ新品だが、ソレは海月のお古といったところだろうか。彼女のために誂えたように身体にフィットしたソレは、まるで第二の皮膚にも見えた。
まぁ、アレだ。誤解を怖れずに形容するなら……今の櫻子は、着古されたジャージの空気とも相俟って、相当な年季と、鉄筋もかくやという程の筋金が入ったニートに見えた。馬子にも衣装って、逆だとこーなるんだな。

「あ、先輩!聞いてくださいよ、隆一ったら臍を曲げちゃって―――」

432 名無しさん :2019/09/12(木) 22:33:56 ID:8wui0XE60
海月は、櫻子のコトを先輩、と呼んでいた。聞けば、歳の頃は24……確かに、干支半周分も年嵩なら先輩と読んでも差し支えないだろう。ま、櫻子も十分俺の守備範囲だ、と内心で評点。自己満足だよ、いいだろ別に。
二人が並ぶと、上半身の一部の差が残酷なまでに顕現する。マジ、上半分だけだと、同じ性別だって思えないかもな。ま、金的をやられついでに言うならば……二人とも、下半身は俺と違う、この痛みとは無縁の身体なんだろうが。
あらまぁあらまぁ、と櫻子が言葉を発する。口癖か?喧嘩は良くないですね、と呟いて。俺と海月に手招き。なんだろな、不思議と人を従える雰囲気を醸し出していて、幼子のように二人で櫻子の前に並んでしまう。すると。

頭が真っ白になった。次に脳裏を過ぎったのは、『意外と硬い』という素朴な感想。そこで、ようやく何が起きたのかを把握する。櫻子が俺の右手を取ると、海月の股間に突っ込んだのだ、と。
海月の方は、何が起きたのか理解が追いついていないらしい。酸欠の金魚のように、口をパクパクと開いて閉じて……そこから意味を為す言葉は出てこない。まぁ、言葉が出ないのは、俺も一緒だ。きっと、同じような表情なのだろう。

「はい。喧嘩両成敗ってコトで……隆一さんも握り返して、それでお仕舞い。仲直り。先程のことは、これで水に流してしまいましょうね」

グイグイと、俺の掌を海月の股間に押し付ける。掌から、アイツの、女の股間の感触が伝わってくる。『無い』、『やり返せない』ということも。だが……女性器を触るのは初めてで。それ以上に、新鮮な感覚が俺を満たした。
これが女の―――と呟いたところで、ツイてるのはもっと下だよ、と呆れた声が海月から。彼女も状況を理解したのだろう、いいよ、握り返しても、と余裕綽々の表情になる。とはいえ、顔は紅葉よりも真っ赤だが。

何て返すのが正解だったんだ?童貞には荷が勝ちすぎんだろ……出来るわけねぇだろ、と呟くのが精一杯。何でですか?と何食わぬ顔で問う櫻子に、そもそもキンタマ付いてないじゃねぇか、とボソボソと告げる。
海月は、ムカつくことに得意満面。『やり返せねぇ方が悪い』ってアンタの台詞だったわよね、と勝ち誇った表情に腹が立つ。何でまだ覚えてるんだよ、そんなコト。男らしく―――いや、女だったか、と触覚が伝えてくる現実を堪能。
怒ればいいのか?喜べばいいのか?混乱の極致にある俺を尻目に、やり返せないなら仕方ありませんね、と櫻子が告げる。知ってたくせに、と海月が不満の声をあげると、そりゃ、当然私も女性ですから、と櫻子が悪びれず応じる。
隆一がこうなってないのは、アタシの優しさのお陰だかんねと海月が嘯けば、それって優しさなんでしょうか……と櫻子が混ぜっ返す。いや、怒るべきトコロなんだろうな、コレ。だが、思わぬラッキースケベ展開に脳味噌が付いていけない。
自然と俺の勢いも鎮まる……痛ッ!畜生、まだタマが痛みやがる。でも、でも、だ。タマが無い股間を触ったのは初めてで……愚息が痛いほど主張しそうになるのを、腰を引いて隠す。海月には知られたくない、そう思って。何故だろうな。

そのまま、自然と三人で卓袱台を囲む。簡素なサラダと、白米のご飯に新鮮なタマゴ。酒は無い。肉類として、ボソボソと筋張った鶏……カシワっていうんだったか?が供されて、閉口しながらも咀嚼する。
コケ悟朗?と愕然とした表情で海月が呟くと、櫻子が何てことの無いような顔で首肯する。もう歳でしたし。海月ちゃんのお友達なら、ちゃんと御持て成ししないとと思いまして、と。
ヨヨヨ、アタシの大切なコケ悟朗が、と海月が泣き真似。こんなコトなら隆一の大切なトコロ、交換がてらに貰って置けばよかったよ……と冗談を飛ばすが、あのな、全く笑えないからな、その冗句。
櫻子は、『大切なトコロ?』と小首を傾げて疑問符を浮かべ。いや、ピュアなのはいいけどさ、マジでマイペースだな、アンタは、と心底呆れる。こういう夕餉って、何年振りだろうな。全く、記憶の片隅にだって残ってないぜ。

プツン、と微かな音。櫻子がテレビをつけて、液晶から変わり映えのしないニュースが流される。曰く、また。米の国で、田舎町銃の乱射事件があったらしい。
何一つ苦労なんてしたことが無いだろうアナウンサーは、滑稽なほど畏まった顔でその知らせを読み上げていて。ソレだけで大金を貰ってるのかよ、と。見る度に、腹が立って仕方が無くなる。
そんな奴らが……田舎町で、閉塞感に絞め殺されそうになって銃に逃げた連中を非難するのかよ、ってな。実際のトコロは知らないが……田舎町での乱射事件を見るたびに、俺は自分の身につまされるような気がするんだ。

「物騒ねー。もう鉄砲なんてぜーんぶ取り上げちゃえばいいのに」

433 名無しさん :2019/09/12(木) 22:34:32 ID:8wui0XE60
俺の気持ちも知らずに。完全に、遠い世界の絵空事を眺めているような温度感。海月が毒にも薬にもならないコメントを吐くのが聞こえて……止せばいいのに反論してしまう。

「どーやって取り上げるんだよ……今の御時勢に刀狩か?海月の脳内とセンスは戦国時代でも、現実的には無理だろーよ。むしろ、乱射するようなヤツだけピストルを隠し持って、治安が悪化するんじゃねーのか?」

平素なら絶対にしないだろう、ニュースを見ながらの意見交換。仲間内でAVの品評会をすることはあれど、ニュースだぜ?頭が沸いちまったとしか思えねぇだろ?俺もそうだ。
俺から投げ返された異見に、むぇー、とへちゃげるような声を上げながら海月が突っ伏した。あのな。そのな、そのへちゃげてへしゃげて変形してるオッパイ、マジで男には目の毒だからな?俺の前以外ではやるなよ?

「私だったら……法律で、銃弾に100発に1発は不良品を混ぜるようにルールを決めますね。考えなしに危険物を振り回してたらどうなるか、やっぱり身体で覚えてもらわないと」

櫻子が乗ってくるが、それもまた現実性に乏しい、というか夢物語のような提案で。呆れて二の句が継げない俺の替わりに海月が突っ込みを入れる。

「えー、先輩、ソレって危なくないですかー?」
「危ないからいいんですよ。いつ暴発して大変なコトになるか分からないってなれば、きっと、皆様自発的にピストルを捨ててくれると思うんです。ただただ取り上げるんじゃ駄目。身体で、危なさを実感して頂かないと」

いや、さ。だったら、銃弾も家内制手工業で作るだろ、どー考えても。阿呆か。禁酒法の時代だってそーだっただろーが。と、様々な物言いが頭を巡るが、特に口に出したりはしない。
何でだろうな、何だかな。ただ、居心地が良かったんだ、この空間の。海月も櫻子も、別にマジの反論が欲しいわけでもないようで。単に、テレビを肴に喋くりたいってだけなんだろう。それが、心地よかった。
……タマは未だ痛むがな!主に海月のせいで!!お前等が、もう済んだコトみたいな面してられんのも、付いてないからってだけだからな!!!

しばしの歓談、そして談笑。まぁ、いくらムカついたところで、この痛みを伝える術なんて無いんだ。遠くから、梟の鳴く声が響いた頃合で、櫻子が席を立つ。
何でも、寝つきが悪いから?彼女は離れで寝ることにしているらしい。最初、物置だと思った建物が離れなんだそうな。だからこそ……二方向から、櫻子と海月は現れたんだと遅ればせながら納得する。
夜が明けたら麓まで送って差し上げますね、と笑顔を見せる櫻子に、一抹の寂しさを感じる。それこそ、自分で自分の正気を疑ったね。でも、信じ難いことに……俺は名残惜しさを感じてしまっているらしい。

それを察したのか、海月から渡された提案は完全に俺の予想の外からのもので。耳を疑ったね。アイツ、俺もココに住んだらどうかって言い出したんだ。曰く、アイツも居候らしい。
いや、居候の身分で厚かまし過ぎんだろ……と愕然とする。こんな女だったっけか?と疑問符を浮かべ、半眼でアイツを睨むと……頬に手をあて、あらあらと櫻子は呟いて、あにはからんや、それもイイかもしれませんねと言い切りやがった。

434 名無しさん :2019/09/12(木) 22:35:40 ID:8wui0XE60
語れば、ココは神社や、まして廃屋なんかでは無く、古い道場で……道場跡地の間違いだろ?とからかうと、海月が凄い目で睨んできやがった……視線が下がり、思わず股間を押さえる……櫻子は違いありませんね、と笑って流したが。
いや、人が出来てるね、と俺も笑う。多勢に無勢だよー、と海月が膨れっ面になって。その顔も可愛いぜ、なんて歯が浮くような台詞が口を衝きそうになり、慌てて呑み込む。なんか俺、キャラが変わってきてないか?

櫻子曰く、教えているのは護身術。門下生は海月一人。時折、他の道場に招かれては、演舞や講習をすることもあるらしい。正直、それだけでは食べていけないので……仕送りと、自給自足頼りですけどね、と薄ぼんやりとした笑み。
でも、天職だと思っていますと独り語る櫻子を見て、一人合点。何てことは無い、お嬢様の我儘で潰れそうな道場に住まわせてもらってるっつーオチかよ、と。なら色々と納得だ。年頃の娘、外聞も悪いだろうから街中では無く、街外れ。
下手に悪評をばら撒かないように、僻地に仕送りと共に封じて……本人だけは、満足みたいだが。開かれた座敷牢みたいなモンかってな。まぁ、それはいい。そこまでは良かったんだ。

和気藹々とした雰囲気はソコまでだった。何の気はなしに、櫻子が溢した妄言……

「やっぱり。護身術は『弱い方』のためのものですから。隆一さんも入門してくださるというなら、私としても安心です」

そうだ。アイツは、櫻子は、俺のコトを弱いって評しやがったんだ。確かに……タマをやられて不様を晒したがな。女に、弱いって言われる筋合いはねぇ、そう思った。それも、あんな不意打ちで、だ。
こんな話しを知ってるかい?野生動物ってのは、自分がどんなに弱っていても、敵に弱った姿は見せないんだそーだ。弱いと思われると、舐められると、組みし易しと侮られ、四方八方から襲われる。『死』に、直結する。
櫻子は、そして海月も。あの街から離れて久しいから、忘れてしまっていたのだろう。アソコで生きるということと、野生で生きるということの間には、毛筋程の差も無いってコトを。『強い』は、俺のアイデンティティだった。

空気が瞬間冷凍されたように冷える。櫻子は、その変化すら良く認識していないようで、あら?と一言漏らしただけだったが……海月は心配そうな目で此方を見やってきているのが分かった。
本当、どうかしていたんだ。普段なら、そのまま卓袱台を引っくり返して殴りかかっていた。だが、暖かい団欒を味わってしまって、ソコまでする気にはなれなくなっていた。だから、バシン、と卓袱台を叩くのに留まる。

そこまで来れば、いかに浮世離れした櫻子でも雰囲気の変化に気付けたのだろう……だろうか?彼女が纏う空気感は小揺るぎもしなかったが、神妙な面持ちで卓袱台の前に座りなおす。
海月は、まだ心配そうな顔で、俺と櫻子の顔を相互に見やりながら……「止めなよ、隆一」と声を掛けてきて。知ったことか、そう思いつつも、その言葉が俺に実力行使を思いとどまらせる。

何をしたかって?いや、言いたくねぇな。思い返せば、ダセェにも程がある。他人が同じことをしたならば、墓場を掘り返しても弄ってしまうような振る舞い……つまりは、アレだ。語ったんだよ、武勇伝をさ。
それも素面で、だぜ。クッソみっともねーだろ……笑えよな。でも、あの時は……櫻子に、そして何より、海月に軽んじられたんじゃないかって思って、頭に血が上っていたんだ。逆上っつーやつだな。

ぬるま湯に浸かって生きてきた連中にとっては、寝物語の中の出来事だろうが……あんな街で無頼を気取ってたんだ。そりゃ、それなりに色々あるさ。
草臥れた酒場、1対多で大立ち回りを演じたこともある。ビール瓶でぶん殴られたことも。腐れ縁の谷崎に助っ人を頼まれて、他校にバイクで突っ込んだこともあったっけか。果たしあいなんてまどろっこしくてさ。
ヤクザと殴り合いをしたことだってあれば、警官に囲まれたことだってある……まぁ、そん時は臭い飯を食う羽目になったけどな。でも、アンタ達よりは随分と修羅場を潜っているんだぜ、俺は、と。

俺が一つ二つと語る度に、海月は呆れ果てたといった様子で溜息をつき。櫻子は、まぁ、アイツの感情は良く分からん、あらあらまぁまぁ、と相槌を打つ。随分と、危ないことをされてきたのですね、と問われ。性分なんだよ、と返す。
一頻り語りを終え、俺がアンタ達に教わることなんてあると思うか?と凄む。海月は気圧されたように黙り込む。ただ……俺を侮辱しやがった張本人は、お澄まし顔。色々とご教授しないといけないことが出来ました、と世迷言を。

「先輩―――
―――大丈夫、です。ミヅキちゃんは何も心配しなくて大丈夫ですよ?勿論、隆一さんも……生活に困るような大怪我なんてさせませんから、ね?」

435 名無しさん :2019/09/12(木) 22:36:16 ID:8wui0XE60
もう、売り言葉に買い言葉だ。気遣う言葉に気色ばむ俺に人差し指を一つ。櫻子は、それでも悠然とした態度を崩さぬまま、明日、道場でお話ししましょうね?と微笑みながら退室していく。
ズキリ、とキンタマが痛むが、それをおくびにもださず。まぁ、未だキンタマが痛むとは思ってもいないだろう女共にどれだけの効果があるのかは疑問だが……いや、逆に。痛む素振りを見せたらば侮られるのか?どーでもいいか。
背を向けた櫻子に食って掛かろうとすると、さらに背後から海月が止める。抱きつき制止され、背中に二つ、尋常じゃない存在感を主張する膨らみを認識する。……何でだろうな。男は単純で……それだけで俺の勢いは削がれてしまった。

母屋に残されたのは俺と海月の二人。俺がキレると何をするか分からないってこと、海月は痛いほど知ってるだろうから……櫻子を心配しているのだろう。
保護欲、というのだろうか。痛ましげな顔をした海月に、そんな顔をして欲しくない、そう思った。だから、笑顔で……多少引き攣っていたかもしれないが……彼女の頭を軽く叩くと、俺は冷静だよ、と告げる。
確かにムカつき度はパないが……殺すまではしないから。オマケして、顔面だけはセーフにしてやっておくから、と。男としての約束だ、と伝えると、そんな話じゃない、と逆に食って掛かられる。

「隆一、アンタ、武術を修めた人間と立ち会ったことあるの?どーせ、齧ったことがある程度の連中と喧嘩したことがあるって程度じゃないの?」

率直に言おうか?鼻白んだね。冷めた。海月は、俺の心配をしていると理解してしまったから。だからこそ引けないと、そう思った。アイツに弱いと思われるのだけは耐えがたかった。だから、告げる。
心の芯は冷え切っていて、なのに頭の中は煮え滾るようで。激情が流れ出すのを必死で押さえながら、言葉を投げていく。

「お前、俺が勝てないとでも思ってんのか?何年幼馴染やってきたんだ、海月。そもそもだ……格闘技が何で男女分けられてるんだと思う?なんで、体重差なんて区分けがあるんだと思う?心配するなら……お前の先輩の方だろう?」
「でも……心配だよ、隆一のコト。絶対に勝てっこないもの……今からでも謝るってことには出来ないワケ?」
「クドイな!お前、マジで俺が勝てないとでも思ってんのか?お前も、俺が『弱い』って!?泣き虫クラゲの海月が、か?!」

口調が荒れる。俺を心配する一言一言が、俺を後戻りできない境地に追いやっていく……いや、違うな。窮地に追いやられているのは、櫻子の方だ。まったく、とんだ後輩を持っちまったもんだな、同情を禁じえないぜ。
彼女は俺の説得が不可能だと思い知ったのだろう。唇を噛み締め、下を向く。そりゃ、四六時中、自分より強いヤツと顔付き合わせてれば、強さの過大評価もしちまうだろうよ。
だが……俺は櫻子に負ける気は微塵もしなかった。あんな細腕、華奢な矮躯で。俺に有効打なんて入れられるとはとても思えなかった。ま、夕方みたいに?タマキンに一撃を入れられれば別だが……正対しておいて喰らうか?馬鹿馬鹿しい。

自分で熱くなって、自分の熱に自家中毒を起こしていたんだろうな。馬鹿馬鹿しいがてら、一つ、海月に提案をしてみる。断られて当然だ、と思ったソレを、アイツは表情を変えないまま「いいわよ」と首肯してみせた。
マジかよ!と歓喜が俺を満たす。頭に昇った血が、液化した喜びに変化し……言ってみるもんだな、と満足してしまい……その日の話は、ソコでお仕舞い。何を聞いたか。……まぁ、いいか。簡潔な話しだ。俺が聞いたのは―――



「なら。俺が勝ったら、海月。お前、俺の女になれよ?」



ただ、それだけ。

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436 名無しさん :2019/09/12(木) 22:38:07 ID:8wui0XE60
我ながら単純明快に出来ているモンだ。酒も煙草も抜け、その朝は久方振りに清々しい気分だった。
昨日の告白染みた戯事の残熱が未だ身体を駆け巡っていて。これからのコトが無ければ、森を駆け巡っては歓喜の雄叫びをあげてしまいたいような気分だった。

あー、そうだな。長々と済まなかったな。ココまでが、思い出話だ。といっても、別に聞いてくれって頼んだわけじゃないけどな?
そして、これからが。俺の、新しい人生のはじまり。海月がいうには、十時頃に道場に来て欲しい、そう櫻子から伝言を受けたらしい。激しい運動になりますから、朝ご飯はそれからですね、とも。
まぁ、食べれたらの話しですけど……と、何処まで人を見下せば気が済むのか。その言葉を聞かされたとき、俺は、もう何度目か分からない激昂と共に、離れに怒鳴り込もうとしてしまった。

そうしなかったのは海月の手前というのもあるし……彼女の、先輩は全然悪気なんてないから、そーゆー人だから、とフォローになるのか疑わしい取り成しを無碍にしたくは無かったというのもある。
軽く湯を浴びて、屈伸。準備運動を行う。昨日と同じ下着、一度汗に塗れた服装なのは余りいい気分では無かったが。女物の下着でよければ替えあるけど、と冗談めかしていった海月に、冗談じゃない、そう返す。

頼もう!確か、道場破りってこーすんだろ?なんて、付け焼刃の知識で道場の扉を押し開くと―――櫻子が俺の度肝を抜くのは何度目なんだろうな。頭が可笑しい女がいるというのも、あながち間違った評じゃないのかもしれない。
そこには……小さいサイズのワンピース水着に無理矢理肢体を押し込んでみた、といった出で立ちの彼女が。アンビバレントに、凛、とした様子で正座していた。ぶっちゃけていいか?俺、溜まりすぎて狂ったのかと思ったぜ、正味な話。

彼女は俺を視認すると、昨夜俺が逆上していた様子を露ほども覚えていないといった振る舞いで相好を崩す。よく眠れましたか?と問いかけ、おかげさまでな、と返すと心の底から安堵したような表情になった。
やはり、慣れないと動物達が五月蝿いでしょうから、と微笑みながら直立する。慣れれば可愛らしいモノですけどね、と言葉を繋ぐ。私、寝付きが悪いからよく聞くんです、と語ってくるが……いや、コレも実際目の毒だな。

櫻子は、海月と比べると胸部の装甲が薄く……その分長身で。立ち上がると、その、水着の股間部分が引き伸ばされるように形を変えて。何だったか?ハイレグっつーのか?競泳水着?エグいって言えばいいんだっけか?昔のAV用語でさ。
海月というモノがありながら、と言われるかもしれないが、仕方が無いだろう?男なんだから。俺の視線は、櫻子の股間部分に、追加の穴を開けんばかりの勢いで注がれてしまい。

「―――?何か、変でしょうか?私、女性ですから―――ココに変なモノなんて付いていないハズなのですが」

視線を意に介さず……違うな。純粋に、『有る』ならまだしも、何故『無い』コトに興味が示されているのか疑問だという表情で、彼女は己が股間部分を弄る。昨日のミヅキちゃんと同じですよ、と語るとはなしに語りつつ。
小狡いな、とせせら笑う。あれだけ偉そうなこと言っておいて、色仕掛けかよ、と。櫻子は、また疑問が増えたという顔をして。色仕掛けと言われましても、私、ミヅキちゃんほど若くは無いですし、おっぱいも無いですよ?との返答。
視線を下げて、平たい、申し訳程度の膨らみしか視認できない胸部を揉む……いや、それは物理的に不可能で。櫻子が、自身のその部分を不思議そうに撫で擦っているのが見えた。

じゃ、その格好は何なんだ、と問えば。昔、柔道場に出稽古にいったとき、胴着を掴まれて右に左に振り回されて手も足も出なかったので、掴まれないような格好にしたんですと、一応は理屈を伴った回答。
『道』が泣くぜ、と伝えると、『術』でしかないですからね、ウチはと微笑み返される。『道』なんて御立派なモノは、私に教える資格なんてない……手に余ります、とも。ほんの刹那、微笑みに寂しさが入り交じったような気がした。

「一応、聞いておくぜ?ルールは―――
―――ルール無用、です。護身の場ではルールなんて無いでしょう?隆一さんの経験でも……」

437 名無しさん :2019/09/12(木) 22:39:41 ID:8wui0XE60
OK、そこまで聞けば十二分だ。俺は無造作に踏み込むと、大雑把に右腕で櫻子を薙ぐ。技?要らねぇよ。この体重差だ、どう防ごうと吹っ飛ぶだろ?当然さ。正拳じゃなく、面を制圧する意図の攻撃だ。
勿論、避けられると想定していた。屈めば、そのまま前蹴りをお見舞いしてやろうってさ。ソレが入れば、もう勝負有りだ。確かに、金的は男だけの急所だがな。女は、何処にあたっても致命的だろ、そう慢心して。

結論から言おうか?慢心が足りなかったのかもな。俺の一撃は苦も無く櫻子のガードの上から直撃し、彼女は2メートルほども後ろに吹き飛ぶ。手応えの軽さから、後ろに飛んだんだろうとは理解したが……それでも、彼女は顔を顰める。
そりゃそうだ。両腕、痺れちまったんじゃないか?と揶揄すれば、お気遣いありがとうございます、と場違いな礼。そのまま両腕を構え直すが、おい、隠せてねえぜ?真っ赤に腫れちまってんじゃねえか。内出血を防いだだけで特筆もんだな。
下手な男だったら、今の一撃で完全に戦意喪失してるぜ。それでも。俺から見たら雑魚の部類だがな……ま。海月には、あの弱虫にとっては、それだけで越えられない壁に見えたのかも知れねぇな、なんて。

追撃に移る。再度。丸太のような腕での横薙ぎ。昨日の恐怖が鮮明で、無防備に蹴りを放つ気分にはなれない。アレが無ければ……もしかしたら、キンタマにカウンターでも喰らってたかもなと思い、海月に感謝。
蹴りを入れるならコンボの〆だな、なんて独りで櫻子を料理するレシピを考えつつ振るわれた鉄槌を今度はいなそうとして、再現VTRか何かのように。櫻子はまたもや吹っ飛ばされる。甘ぇよ。小手先でどうにかなる筋力差じゃねーだろ?

三撃目、惨劇のはじまりだ。もう鼻歌交じりで歩を進めると、再度、いや三度。右手を突き出すと、大きく横へ薙ぐ。流石に、いや、ようやくか?防げないと学習したのか、彼女は身を沈めてその一撃をかわす。
大股を広げて……躊躇は精々一呼吸分程度だ。俺を蔑んでくれた礼、釣りはいらない。これぞ意趣返しってヤツだよ、と。俺は左脚を振り上げて、櫻子の股間を蹴り上げようとする。顔面は打たないっつったけど、コレは約束してねーよな?

と。彼女の腰がうねるように動き、重心が後ろへと遷移した。それこそ、男であればかわしきれていない程の紙一重の差で、俺の左脚は空を切る。ペシ、と彼女の股間に、爪先の先が当たって。引っ掛かるものが無く、撫で上げる。
体幹の強さか、バランス感覚なのか。櫻子は、自身の股間を襲った衝撃を気にとめることも無く……そりゃそうだろ?女なんだから……俺の左脚の下に身体を滑り込ませてくる。俺が脚を引くと、圧に耐え切れず体勢を崩して―――

ペシン、と音がした。俺には、コリッという感触が伝わる。体勢を崩しながら……猫のような形に変わった櫻子の手掌が、俺の股間に差し入れられていたと認識したのは、ほぼ同時。
指先に睾丸を引っ掛けて、そのまま股間から掻きだすように打ち込んだのだ、と気付いたのも、ほぼ同時。俺の爪先蹴りよりも、随分と軽い一撃、だが。ソコを打たれたと認識すると、俺の思考が一瞬止まる。昨日の地獄を思い出す。

大したダメージじゃなかったんだ、正直な話。完全に崩れた体勢から、苦し紛れのように放たれた掌打。だが……その思考の空白は、何よりも致命的だった。
ぷちゅ、と言う音が聞こえてきたような気がした。直ぐに、それが完全な錯覚だと分かるが……それは、一足先に体勢を立て直した櫻子が。俺とは違い、刹那の躊躇も無く。左足の甲で、俺のキンタマをカチ上げた直後だった。
俺は、完全に静止。全精神力を持って、喉元までせり上がってきた悲鳴を呑み込む。こんな声、海月に聞かせるわけにはいかない、と耐えた俺を待っていたのは。情け容赦無い追撃、俺の金的に叩き込まれた、櫻子の右足の甲だった。

背足っていうんですよ、と。子供相談室の解説員のような口調で櫻子が呟く。彼女には微塵の逡巡も無く……弱点が晒されていたので、当然のごとく狙いました……ソレ以上の感情は発していない。アイツにとっては、ただソレだけ。
俺にとっては―――

「ッ!!!!グ!!!ググ!!ググゥ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!」

438 名無しさん :2019/09/12(木) 22:40:19 ID:8wui0XE60
本能的に、両膝を絞る。両手で気付かぬ内に股間を抑え、反射的に窄められた喉から、発したくなかった……海月には聞かせたくなかった、甲高い悲鳴が押し留めようもなく流れ出していく。
舐め腐っていた。慢心し切っていた。苦痛と共に後悔は止め処なく溢れ、そしてそれら全てが後の祭りだと実感する。確かに、男の方が筋力に優れ、体重に優れ。油断しなければ、順当に櫻子を叩き伏せられたハズだった。
俺が失念していたのは……だからこそ、男だからこそ、逆に。ただの一撃で地に伏すしかない急所を、男だけがぶら下げていたということ。警戒はしていた……だが、思えば、幾ら警戒しても警戒し過ぎるということは無かったハズだ。

櫻子は、曖昧な視線を保ったまま。ただ、蛇口を捻れば水がでるように。議論の余地も無く、金的を蹴り上げられれば、当然男性はそうなりますよねぇ、と。その双眸で言外に語っていた。
完全に他人事として捉えている視線。実際、彼女にとってはどうしようも無く他人事。決して、同じ経験をすることは無い……忌々しいことに!だが、その事実に怨みを置くほどの余裕すら、先だっての一撃は俺から奪い取っていて。

あらあらまぁまぁ、と聞き飽きた感嘆詞。映画の登場人物が苦境に陥っている、そんな距離感で心配そうな視線を送ってくる。彼女の様子は常日頃と何ら変わりが無く、この痛みと彼女の距離はそれだけあるのだ、と絶望してしまう。
お辛そうですね、おいたわしいことです……と口元を押さえながら告げる台詞に嘲笑の気配は欠片も無く。それが、無味乾燥な社交辞令という印象を更に強めてくる。

「御自分が危ないモノを持ち合わせていると、身に沁みて御理解頂けたのではないですか?恥ずかしく思うことはありませんよ。男性は、皆ソコが『弱い』のですから。隆一さんが気付くべきなのは、もっと別のコト―――」

金的を打たれると、沈静作用があるつったな。だが、俺は。何度目か分からない激昂を覚えていた。ココに来て、何回俺の脳内血管がブチ切れたのか、もう数えることすら馬鹿馬鹿しい。
絶対に聞かせたくないみっともない悲鳴を。絶対に聞かれたくない、特別な人に聞かれてしまったかもしれないという恐れでもあり。睨めあげた先、悲鳴を上げさせた張本人の股間に、その原因となるモノが無いせいでもあった。
俺の視線を感じ取ったのか、櫻子は股間の前で組んでいた両手を開いて、急所が無いソコを、ご丁寧にもよく見えるように蹲る俺に突き出してくる。『無い』こと御確認されたいのでしたら、どうぞ、と癇に障る一言を添えて。

「その痛みを、相手に絶対に味あわせ返すことが出来ない……遣る瀬無いですよね。よく、分かります。その痛み自体は一生理解出来ないと思いますけれど……その気持ちだけは、痛いほどに」

戯言を、と怒髪天を衝く思いがする。一生味わうことが無いと言っておきながら、舌の根も乾かぬうちに『気持ちは分かる』だと?矛盾しているだろ?
精神が肉体を凌駕するという言葉を聞いたコトがある。読んだこと、か?何処のマンガだったような、記憶は曖昧だ……俺が読んだ経験があるっつーなら、マンガだろうと当たりをつけただけ。
完全に、プッツンきちまったよ、と怒りに身を任せて立ち上がる。そこで、思い知らされたのは。

「ほら、キーン!……危ないコトが御好きだとは伺いましたが、金的をお持ちの御身体で不用意に立ち上がられますのは、その……。趣向を通り越して無謀、ですよ?ちょっと反省していてくださいね」

間髪入れず。立ち上がるのを読んでいたのか、櫻子が右足を振りかぶったヤクザキックの要領で、股間を押さえる両手の更に上から、ガード毎押し潰すような蹴りを入れてきて。
男なら……分かるだろ?女でも、覚えておいた方がいい。『金的』は蹴り上げには弱いが、蹴り下ろしには意外と鈍感なことを。奥まった場所にあるから、そも蹴り下ろしはあんまり上手く当たらないんだ。
それこそ、平素なら。魔法のように、銀の弾丸のように『金的』が一撃必殺だと信仰しているような女は、頼みの綱が通用しないことに混乱したまま、禁域を侵そうとした報いを受けて叩きのめされるのが常だった。
だが、昨日今日と散々に痛めつけられた俺のタマにはその程度の衝撃でも十分。分かってやったワケじゃないんだろ、と。女だもんな、分かるわけがない。そう彼女を恨めしげに睨みながら、俺の身体は床に沈み込む。

439 名無しさん :2019/09/12(木) 22:40:54 ID:8wui0XE60
その想定も甘かったようで。畜生!俺は何処まで見積もりがヌルイんだ、と自分の不甲斐無さを噛み締めたのは、櫻子が世間話のように次の言葉を投げかけてきたあとだった。

「普通なら前蹴りは効果が薄いのですけど……金的のダメージって尾を引かれる御様子ですからね。昨日今日、アレだけ虐められたのですから、コレでも十分にお効きになりますでしょう?」
「テメェ……テメェ、全部分かってて―――???」

瞳孔が開き、焦点が合わさっていない櫻子の瞳。何処を見ているのかも茫洋として掴めないソレが、まるで『男』の全てを見通しているような錯覚を覚えて背筋を冷やす。
彼女はそんな俺の様子をみやると、あらあらまぁまぁ、と。両手を併せて小首を傾げ、表情に困ったかのようにニッコリと微笑む。その口から放たれたのは、全く雰囲気にそぐわない恐ろしい言葉。

「お苦しみが実際どんなモノなのかは分かりませんよ?私には『金的』ありませんから……ただ、どんな衝撃でどういった反応をされるのか、積み重ねで学んできたというだけです」

と、片手を猫の手のように構えると、バシン、と自分の股間を叩く。最初に俺の股間を打ったのと完全に同じ攻撃……だが。櫻子には金的が無いが故に、まるで平然とした様子を崩さない。

「例えば、ですね。こんな感じに金的を打つと、男性って動きが止まるんです。軽く、で十分。勿論、男性のみですよ?女には効きません。覚悟する猶予?が与えられるからだって御説明頂いた殿方もいらっしゃいましたっけね。
 ……打たれた後に、何の覚悟がご入用なのでしょうね。不思議ですけど、まぁ、私から見たら、ね。申し訳無いのですが、隙だらけとしか言い様が無い状態です。そうなるとどうされるのか……体験、されましたよね?」

ああ、文字通り『身に沁みる』程にな、クソ女。動きを止めて本命を入れるのが勝ちパターンだってのか?えげつない、汚い真似をしやがるぜ。

「汚い、と仰られましても……同じコトをされても、私は別段汚いとは思いませんよ。勝負なのですから、弱い部分が狙われるのは当たり前でしょう?特に、隆一さんは『男性』なのですから……特に『弱い』部分、しっかり守らないと。
 話が逸れちゃいましたね。動きが止まったら……お説教の気分の時は、手を差し入れておタマタマを握ります。それだけで……ふふっ、いつも微笑ましいと思うのですが、それだけで男性、為す術が無くなってしまうのですよね。
 
 教導を続けたいときには……先ほどご体験なされたように、背足で金的を跳ね上げます。軽く、ですよ?そうしないと、教導どころでは無くなってしまうので……仕方が無いことだと分かっていますから、恥ずかしがらないで下さいね?」
「軽く、だと―――」
 
軽く?軽く、だと。アレでか?『その部分』に対する男女の余りの認識の違いに、立ち眩み……いや、座り眩みか。眩暈がするような感覚を覚え、気が遠くなりそうになる。
アイツは、櫻子は。俺にコレほどまでの痛みと屈辱を与えておきながら、それを単なるワンポイントアドバイスの一環としてしか捉えていない。

「えぇ、軽く、です。お仕置きが必要だと感じましたら、背足では無く膝……ココ、この部分です……抱きつくようにして、膝でおタマタマ、身体の奥に蹴りこむようにカチ上げます。その反応、未経験、なのですね?
 折角ですし、後でコレも体験しておきましょうか。効果覿面、ですよ?皆様、涙に鼻水まで流して悶絶なされますから……失禁なされる方も。その時になれば、最初のは『軽く』打たれただけだったんだなぁって分かって頂けると思います。

 ―――そして。もう。会話の余地もないかしら、なんて思ってしまったときは」

ブン、と風を切る音。何気ない動作で櫻子が膝を振り上げた音だ。その動きは淀みなく流麗で、相当、その攻撃方法に習熟しているのだと、遠目にも分かる。

440 名無しさん :2019/09/12(木) 22:44:59 ID:8wui0XE60
「逆に、ね。奥では無く、手前にカチ上げます。恥骨……分かります?腰骨の股間部分……ほら、昨日のミヅキちゃんの硬い部分、アソコです。女の子の方が、恥骨の場所は分かりやすいですね。邪魔なモノがないから、実際に触れますし。
 ソコとおタマタマを挟み込んで……気の毒ですけど、ぷちって、ね。潰します。コツさえ知っていれば、意外と簡単に潰れますよ?ぱちゅッて。この場合は、効果覿面というより、天罰覿面といった反応になりますね。
 
 ……?潰すコトに対する感想、ですか?事例毎に覚えているワケでは無いのですが……御期待に沿えず、申し訳ありません。ただ、強いて言うなら」

441 名無しさん :2019/09/12(木) 22:51:21 ID:8wui0XE60
それこそ、タマが縮みあがるようなコトを平然と。海月は、『未だ』潰した経験は無い、そう言っていた。櫻子は、違う。明らかに『経験者』……こんな言葉があるのか知らないが、『去勢処女』を捨てた人間だ。

442 名無しさん :2019/09/12(木) 22:53:14 ID:8wui0XE60
「……安心する、でしょうか。感想のコトです。私、おタマタマをキチンと潰して差し上げた日だけは―――」

眉根と寄せて、困り顔3笑顔7といった複雑な表情を櫻子が浮かべる。俺は、恐怖4困惑3激昂3の絶妙なブレンドの顔になっているのだろう。彼女はボンヤリとした印象を保ったまま、俺の顔色を気にする様子も無い。

「―――安心して、グッスリ眠れるんです」

言葉に反して。瞬間、哀しみが4、笑顔が7といった形に櫻子の表情が歪むが、文字通り一瞬のコトだ。俺は、そんなコトを気にする余裕も無い。
ザリガニのように後ろに下がり、目の前の『男殺し』から距離を取る。何時でも丸まれるように意識しつつ……言うコトを聞きたがらない身体を、キンタマの抗議を無視して引き起こす。
予想とは異なり、櫻子が追撃を仕掛けてくることは無かった。遠い目をして、今では無い何時かを眺めているような表情。幽霊のような。彼女が現世に戻ってきたのは、俺が立ち上がり体勢を整えなおしたのとほぼ同時。

「あのまま寝ていただいていて結構でしたのに。金的、まだお痛みになるのでしょう?」

それとも、先程の言葉で怖がらせてしまったのかしら。櫻子が、頬を押さえて溜息をつく。ごめんなさいね、一言の謝罪。ご自分のが潰される想像をしてしまったのでしょう?私、そんな想像したこと無くて、気が回りませんでした、と。
ただ、逆説的にですね。『分からない側』の私は、いざ『潰す』と決めたら躊躇無く出来ますよ、なんて縁起でもない言葉が零れてくる。その余裕、洒落にもならなければ演技にも見えない。

何度立ち上がっても、這い蹲らせることは容易だと考えているのかと思っていたが。全く違った。気遣わしげな目線を俺に向けてくる櫻子は、もう、勝負はついた、そう認識しているのだと理解する。
その慢心、その油断!さっきまでの俺と相似形に見え、俺と同じ苦渋を舐めさせることは出来ないという事実に歯噛み。股間から鈍痛が響き、立ち上がったものの未だ満足に動けそうに無い。だから、言葉で時間を稼ぐ。

「テメェみたいな、な。男を舐めきった女の靴を舐めるなんて、男の沽券「股間の間違いでは?」ッせーな、茶々を入れんな。沽券、だよ、沽券に関わるんだ」

股間を押さえ、みっともない格好だってコトは自覚している。ハラハラとした様子で此方を見やる櫻子に、視線だけで闘志を失っていないと訴える。と、相手は何か納得したような表情を浮かべ。

443 名無しさん :2019/09/12(木) 22:54:19 ID:8wui0XE60
「あ、お話しでおタマタマの痛みが治まるまで引き伸ばそうってコトですか……そんな、謀を巡らせなくても、ちょっと待ってって言ってくだされば幾らでも待ちますのに……。でもまぁ、好都合かもしれませんね。
 私としても、隆一さんにお話ししておきたいこと、たくさん有りますから」

お見通し、かよ。つくづく、癇に障る女だ。ピ、と人差し指を挙げ。何か、子供に注意するような、道理の分からぬ駄々っ子に言い聞かせるような調子で、櫻子の言葉は続く。だが、その内容は。

「……私、男性を下に見てなんておりませんよ?寧ろ、強さを尊敬しているぐらいです……脆い急所をお持ちにも関わらず、胸を張って生きていらっしゃるのですから。私だったら、到底無理な芸当だと、そう思っております。
 男性の不幸は。コレが、隆一さんに伝えたかったことでもあるのですが……『金的』を持ち合わせている、ソレそのものでは無いのです。そんなコトでは無く……『弱い』男性も、『強い』男性も、一律で急所をぶら下げていること。
 
 お強い方なら、いいでしょう。身体の壮健さとトレードオフの関係なのかもしれません。私風情なんて、軽く捻れるような方であれば……実際、沢山いらっしゃいましたよ、そんな方」

あの女が侮辱しているのは、『男』では無い、アイツが侮辱しているのは、他ならぬこの『俺』だ。沸々と、腹の底から流れ出る苦痛が、マグマに変わって行くような感覚。

「女は弱い、これも真実だと思います。ですが……『弱い』私と、『弱い』上に『金的』まで持たされた隆一さん……立会いの結果が、何よりの答えになりますよね?異論があれば、御自由に仰ってください。
 だから、だからこそ。『弱い』隆一さんにも、護身の術が必要だと考えたのです。これが昨日の真意……御理解頂けましたでしょうか?『弱さ』を捨てられないのなら、せめて守る技術は身に着けておいて頂かないと……ね?
 
 生憎、股関節、全身の動きの起点。とても狙われ易く……防ぎにくい場所でしょう?女にとっては有り難い限りですけど、男性にとっては……防ぐことも出来ない『弱い』男性にとっては。それは、とても不幸なコト」

全身の血が、沸騰を通り越して爆発したかと思った。股間が、キンタマが喧嘩に際する禁域だとしたら。今の櫻子の言葉、『弱い』という一言は俺にとっての禁句。ズケズケと無神経に、触れてはならないモノを踏み躙る女に虫唾が走る。
全身全霊でファイティングポーズを構える。何か、お気に触ってしまったのでしょうか、と所在無さげな櫻子。何が気に触ったかって?全部だ、全部だよ。お前の全てが気にいらねぇ。

櫻子の視線が俺の股間に伸び。右手が差し出されると、ぷちっと擬音を発して握り締められる。そのジェスチャーが何を指しているのかを感じ取ってしまい、思わず俺は腰を引く。櫻子が、失笑。
怖いでしょうに無理をなさって、と。ポツリ、同情の言葉が漏れる。私には知る由も無い恐怖ですけど、と相変わらずあの女は一言多い。

「危険なコトに突っ込んでいくコトを、勇気とは呼ばない、そう思います。逃げると判断することの方が、よっぽど勇気が必要だとも。隆一さんは違うのですか?」
「男にとっちゃ違うのさ。まぁ、女のテメェには一生分からないだろうがな。男の意地ってヤツだよ」

無論、嘘だ。コレが街でのどうでもいい喧嘩なら、とっくにケツを捲くって逃げてる。お礼参りは後日をお楽しみに、ってヤツだな。だが、今回は、今回だけはそうもいかない。
海月の顔が浮かぶ。ココで勝てば、俺のモノになる女の顔が。櫻子の顔が浮かぶ……眼前に本人、ノホホンとした顔で立ち尽くしてやがるがな……どうにも落とし前をつけないと、前に進めない女の顔が。

444 名無しさん :2019/09/12(木) 22:54:49 ID:8wui0XE60
あらま、とまた意味の無い音節。そして、また。何か納得したような顔になると、櫻子から、また。本人は意図しないのだろう、だが、聞き逃せない侮蔑の言葉が。

「ミヅキちゃんとの約束のコトを仰られてます?それでしたら、入門すると一言いってくだされば、私が負けたコトにして口裏を合わせても構いませんよ?といいますか、もうソレしか方法、残って無くないでしょうか?」

何で、ソレを知っているんだ、と愕然とするのは一瞬。アイツ、今度は。俺のみならず、海月まで馬鹿にしやがった。今度こそ、もうどうなってもいい、アイツはボッコボコに叩き伏せると腹を括る。
また何か地雷を踏んだとことまでは理解したんだろうな。どうしても、駄目ですか―――と消え入るような声の櫻子。駄目だよ、もう決別したんだ。すると。櫻子は神妙な顔に変わって、こちらを正視してきて。

「……分かりました。残念です、とても。でも、仕方がありませんね……考え直して欲しかったのですが、無理、なんですよね。……そう、ですか。分かりました。守る技術、身に付けて頂くつもりは更々無い、そう仰るのでしたら」

哀しみを湛えた顔で、笑う。

「……もう、『弱さ』を捨てていってもらうしか無いんですね。昨日のピストルの話と同じ。危なさを十分に実感して頂いてから―――つまり、ですね」

分かりますよね、と寂しげに告げられるが。もう、決別は済んだんだ、と。昨日の団欒は暖かかったぜ、と内心で最後の礼を言って―――と、なのに。続けられた言葉には。俺の動きを完全に止めるだけのインパクトがあった。

「隆一さん―――

445 名無しさん :2019/09/12(木) 22:55:26 ID:8wui0XE60










「貴方のキンタマ、潰します」

446 名無しさん :2019/09/12(木) 22:56:13 ID:8wui0XE60
なぁ、アンタ。自分より遥かに技量が勝る相手に、キンタマ潰すって宣言されたコト、あるかい?アンタが女なら、一生分かんねぇだろうし……男でも、実際経験してみないと、その空恐ろしさは理解出来ねぇだろうな。
タマが無い生活。アンタが女なら、それは普段通りなんだろうさ。櫻子や、海月と同じくな。だが、男なら―――な、想像つかねぇだろ?沸騰した血液が、泡だった状態のままに凍結しちまったような気がしたぜ。

タマを、潰す。言葉にしてみれば、単純な単語二つなんだろう。だが、その言葉が与える印象は……男と女で、あまりにも異なる。男なら、キンタマ潰されるぐらい覚悟の上で一矢報いてみせてみろ?オーケー、アンタは女か?
男だっつーなら……タマ打ったことが無い、幸せな人生を送ってきたんだろうな。羨ましいぜ。実際、白熱した戦いで脳汁がアドレナリンに完全に置換されて、結果、決着がついた後にタマが潰れてたコトに気付くって例もあったそうだが。
俺にゃ、無理だ。覚悟が云々っつー話しじゃない。何故、俺が引かない、引けないのか。単純に、それが理由。海月の顔が……乳が脳裏に浮かぶ。いざアイツを手にいれたところで、タマ失くしてたら世話が無い。

怒りと恐怖が渾然一体となって、俺の反応が一手遅れる。櫻子は、未だに何の動きも見せないように見えて……気付いた時には目と鼻の先、至近距離まで迫ってきていた。
摺り足だと気付いたのは、彼女の視線、未だに焦点を定かに結ばないそれが、俺の両目を射抜いているのを感知した直後。頭部の上下動が全く無かったため、アイツの初動が、起こりが全く読めなかった。

感情の天秤が一気に傾いたよ。恐怖、恐慌の側にな。櫻子は、タマを潰すという言葉に……その行為に一切深い意味を見出していないようで。そして、あの女が自発的に……『返し』じゃない行動を起こしたのも初めてで。
虚を衝かれたわけじゃない。単純に俺の反応を掻い潜って、苦も無くアイツは懐に。俺のタマの命運は、タマがどうなろうと知ったこっちゃない、櫻子に完全に掌握されちまった、そんな予感。ケツ穴に氷柱がぶッ刺されたような悪寒。

必死こいて一歩下がると、半呼吸前まで睾丸が震えていた場所を、櫻子の右手が撫で上げるように通過したのが分かった。もう、反撃どころじゃない。櫻子もソレを認識してか、力任せの攻め。反射的に、膝を絞ると、下から衝撃。
俺の股間のサッカーボールを蹴り上げて、男としてのサドンデスつまりは突然死。俺の男の人生をゴールに叩き込まんと、ゴールデンゴールを狙った蹴りが運良く膝で阻まれたのだと分かった。

「ま、待ってくれ。ノーボール・ノーライフだ……分かるだろ」

何を言おうとしたんだろうな。俺の啖呵も男の威勢も、去勢目前という現実の前ではこんなにも無力なのか。混乱の極致で、命乞い、いや、タマ乞いか。情けない台詞が口を衝く。櫻子はソレを微笑んで受け止める。

「ノーボールのライフ、未だ経験なされてないですよね?ノーボールの先達として言わせて貰えば―――

また、次は左手。その股間にキッチリ差込んで、ボールを捻じ切って差し上げましょう、未練が残らないようにね、と。そんな意思が込められたコークスクリューを、両手を下げることで辛うじて弾く。

―――先達として言わせて貰えば、結構お気楽でいいモノですよ?ノーボール。女性ならではの悩みは確かにありますけど……隆一さんは、女性になるわけじゃないですものね」

気楽に言ってくれる。そりゃ、お前は気楽だろうよ?だが、俺の方は!櫻子の視線が、再度、俺の顔面を射抜く。心が通じ合い、互いに埋めようが無い差が、性差があることを否応無く実感させられる。
アイツは、このまま。俺の顔面を打ってこようとしている。そして、股間を覆う手が外れたら―――遠慮なく、俺の『男』を外すつもりだ、と。股間を強く押さえ、目を細めて一撃に備える。もう、何とか耐える、それしかない。

「かはっ……」

……息が詰まった。衝撃の大元は、上腹部、鳩尾。貫き手で横隔膜を強かに痛打され、本能的に酸素を求めて喘ぐ、と。

「ごほっ!!」

蛇のように軌道を変えた櫻子の貫き手が、伸ばされた俺の首の中央、丁度喉仏のあたりを衝く。無名ではありますけど……ココも男性特有の急所です、と一人言が。
息が、出来ない。それでも酸素を取り込もうと、パクパクと口の開け閉めを行っていると……視界に火花が散った。櫻子が、鼻っ柱に頭突きを入れてきたのだと理解したのは、鼻を両手で抑え、大きく仰け反った後で。

447 名無しさん :2019/09/12(木) 22:57:01 ID:8wui0XE60
腹に、滑らかな水着の触感が。それに包まれた、ささやかな、本当にささやかな膨らみの感覚が。背に、俺を抱え込むように回された、櫻子の両腕の感触が。
櫻子の言葉を、思い出す。『分からない側』の私は、いざ『潰す』と決めたら躊躇無く出来ますよ、その言葉は時間差を伴って、死刑宣告のように俺に響いた。だから、恥も外聞もかなぐり捨て、必死に乞う。

「許して……」
「駄目です」

口調こそはニコヤカに、言下の否定。ズドン、と。鈍い音が響いた。タマが押し込まれる感覚がして呆けてしまう。不気味な静寂。まるで、幼子が爆発的に泣き喚く前に、静かに息を吸い込んでいるような―――


その時、確かに。俺の股間を起点に、世界に罅が入っていくのが見えたんだ。




「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」




気絶するなどと生易しいことは出来なかった。これも、櫻子の想定通りなのだろう。恒星が炸裂しそうな衝撃が股間から迸り、俺は爆発寸前の超新星を両手で押さえ込もうとしているのだと錯覚してしまう。
激痛という形容など生温い。苦しみだとか、後悔だとか。絶望、だとか。言葉で包装された負の概念から虚飾が全て取り去られ、その、負のイデアとでも呼ぶべき何かが、俺の股間に顕現したようだった。
床を転がり、転がり、痙攣。全身で苦痛を訴える。涙と鼻水が止め処なく溢れる。それでも、それでも。苦しみの一厘ほどですら、その行動で表現出来ているとは思えなかった。

「先だってお伝えした通り、コレが『お仕置き』の蹴りです。どうです?初撃、小手調べだったって実感して頂けたのではないでしょうか。
 ふふ。女性である身としては、足先で蹴り上げるか、膝で蹴り上げるかの差異でしかないので。ピンとはこないのですが……その反応を拝見する限り、御理解頂けたようで何よりです」

俺を地獄に突き落とした女は。俺が掴まれて、地獄に引きずりこまれようとしている部分など存在しない股間を無防備に……それこそ自慢げにひけらかして、得意気な顔を見せる。
いや、ひけらかしている意識など無いのかもしれない。櫻子にとっては『存在しない』のが自然で。だからこそ、ソコを自慢するなどといった考えが彼女の脳内に存在していないようだった。

「ですが……今からその反応だと、実際に潰して差し上げたときが思いやられますね……。あの、きっと、もっと苦しいですからね。無い私には見当もつきませんが……リアクション、激烈ですから。
 私などに気を遣わず、存分に悶えて叫んで頂いて結構ですからね。みっともない、なんて気にしないで下さいね?男性は、皆そうなるのが自然、恥ずかしがることなんて無いですから」
 
これで―――これで!?まだ、足りないっていうのかよ?!これだけの苦痛……これまでの人生の全ての痛苦を束ね合わせても比較にならない激痛を味わわせて、それでも、まだ?!
俺の口から、意味を為す言葉は吐き出されない。だが……その視線からいいたいことを読み取ったのか。櫻子は俺の腹を蹴り転がし、仰向けにすると、失礼、と一言。ドスン、と腹の上に横座りの体勢になって。

「あの―――苦痛のコト、私に言われても困ります。分かりませんから。それに……信じてもらえないかもしれませんが、私、痛みが少なければ少ないほどいいと、そう願っているんですよ?」

何を言っているのか分からないという表情になったのを察したのだろう。彼女は、さらに説明の句を継ぐ。

448 名無しさん :2019/09/12(木) 22:58:14 ID:8wui0XE60
「目的は『潰してあげる』ってコトで……率直にいうと、ですね。ですから、去勢の際の苦痛などは、単なる付属物、副産物なんです。私にとって。だから……潰すときはいつだって、早く楽になって欲しい、そう祈っています」

そこで一区切りついたのか。俺の下半身に向き直ると、ズルリ、と下穿きを、トランクスごと膝まで下ろす。見ーつけたっ♪と、童女の如き笑い声が一つ。無意識か、ちょっと小振りな方ですね、と。残酷な言葉を、ポツリと溢す。
地雷を踏んだと思ったのだろう。実際、俺にはそんな戯言に取り合う余裕など毛筋程も無かったがな。慌てた口調で、女性はサイズを気にしませんから、大丈夫、とフォローを入れて……いや、小さいって意味じゃなくて、と再度慌てる。
その、そうです!これから潰れて無くなってしまうんですから、サイズなんて関係ありません、と力強い宣言。誰かに聞かれたら、前は御立派なモノが付いてましたよって偽証して差し上げますから!って、それもフォローじゃないだろう?

そのまま、更に腹の上で半回転。所謂、騎乗位に近い体勢になる。軽々と、力が入らない俺の両手を引き剥がすと、後ろに身体を傾け……あろうことか、俺のタマを掌底で床に押し付け、揉み込みはじめる。
体勢を崩した関係上、必然的に眼前、目の前に櫻子の股間が突き出される形になる。分かるか、あの絶望が。俺の目の前に晒されたソコには、キンタマのキの字もない。タマなんて自分とは無関係です、と素知らぬ形をしていたんだ。

「おうっ!!はうっ!!ぐはっ!!ぐひっ!!!」

櫻子の身体が俺の上で弾むたび、汲めども尽きぬ内臓痛がポンプで汲み上げられ、撒き散らされているような気分だった。脱力した両腕で櫻子を押し退けようとして……それは叶わず。
櫻子の両腕を外そうとしても、跨る彼女の両脚が、肢体が、俺の両腕を阻んで届かせず。空しく、櫻子の下腹部……性器は俺の腹筋との間で隠されていて……何も無い、下腹部としか形容出来ないソコを空しく引っかく。
こそばゆいのか、恥ずかしげにクスクスと笑う彼女は、笑い声の下、早速『予習』とは感心ですね、と揶揄とも賞賛とも付かぬ言葉を投げてくる、『無い』とはどういうことか、心いくまで存分に確認してくださいね、とも。

また真顔に戻って……股間を弄る俺の手に、時折噴出しそうになりながらも……彼女は、何でもないことのように告げる。俺に、獄卒からの託宣が下される。

「……苦しめたくないといっておいて、恐縮ですが……コレも、必要なコトなんです。おタマタマって意外と弾力がありまして……蹴り上げて、隆一さんの体重をお借りするならば、直ぐに潰してあげられるのですけど。
 その、もう、お立ちになれませんよね?いいんです。ちょっと、調子に乗った私が悪かったんです。隆一さんは、何も悪くない……で、ですね。このままだと、踏み潰すときに多少梃子摺ってしまうかもしれませんので―――

健気にも頑張る子供を見るような目、慈しむ目で俺を見下ろして。

―――下拵え、です。この程度で潰れた事は今までありませんから、ちょっとだけ、ちょっとだけ我慢してください?」

「ふっ!ひっ!!あっ!!ぎぃぃぃぃッ!!!」

リズミカルに、俺の睾丸……腫れあがり、少しの衝撃でも電撃のような痛みが走る器官を容赦無く揉みしだく。男では出来ない、女しか出来ない拷問だと思った。手の先、睾丸の無い櫻子の股間が言外にその通り、と主張していた。

「言いましたよね?タマタマ握られると、男性はもう為す術が無いって……受け入れてください、コレ、だから急所なんです、潰しやすいように、外にはみ出ているのもそう。潰すって決められたら、無駄な抵抗が出来なくなるのもそう」

違う、と。何かで読んだことがある。睾丸が外に出ているのは、単に精子が熱に―――

―――眉唾ものです。だって、ウチの鶏……雄鶏のコトです、みんな人より体温が高いですけど、タマなんて飛び出てないですもん。昨日の夕飯の、コケ悟朗だってそうでした」

449 名無しさん :2019/09/12(木) 22:58:45 ID:8wui0XE60
櫻子の股間に揉みこめるものは無く。彼女は、躊躇無く俺のキンタマを揉み潰していく。この激痛は、俺しか感じることが無い、そう痛感すると、鼻の奥がツ-ンとした。餓鬼の頃、理不尽ばかり感じていたことを思い出す。

「隆一さんしか、感じられないからこそ。せめて、痛みを感じる回数は、少なくてすむように。横着せず、シッカリ揉み込んであげないと、ね。貴方のため、貴方のためなんです。面倒臭がってなんて、いられません」

弾む息の下、櫻子の言葉が続く。涙が一筋、左目から溢れた。あらあらまぁまぁ、と久方振りの台詞。大丈夫です、と。男の子じゃなくなるんですから、変な意地なんて張らなくていいんです、とズレた励まし、そして。
唐突、本当に唐突だ。櫻子の目に光が戻って、意識が現世に戻ってきたと直感する。何故か、それは分からない、でも。

「まだ、しばらく掛かりそうですから……少し、昔話をしましょうか」

そう言った櫻子の目には、俺がハッキリと写しだされている。理由は分からない、だが、理解ってしまった。

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450 名無しさん :2019/09/12(木) 22:59:23 ID:8wui0XE60
「私にも、高校生だった時代があるんです……隆一さんたちの先輩、OGってことになるのかしら?驚くことは無いでしょう?あの下らない街に、高校なんて一つしか無いんですから」

滔々と語りはじめる。視界に俺が写っていながら、彼女は遠くの誰かを見ているようだった。

「校内暴力華やかなりし時代ってヤツでした。本当、反吐がでそう。ミヅキちゃんが言うには、今は少しは落ち着いたんですってね。……正直に言って、嫉妬してしまいます。

 私は、あの頃既に護身術を修めていて……○○道の××流ってヤツ。ふふ、風評被害になっちゃいますから、実名は避けますね。実際、事故でしたが……道場で、その、男の方を『終わらせた』コトもありました。
 知ってましたか?金的を潰された後の処置が悪いと、男性って亡くなってしまうコトもあるんです。あ、隆一さんは心配しないでいいですよ?後始末、私はちゃーんと何すればいいのか熟知していますから。
 
 で、ね。狭い街でしょう?その噂も瞬く間に校内に広まっていて……気付くと、女子生徒達の顔役、みたいな身の丈に合わない立ち位置にいたんです」
 
無くなっても生活に支障は無いのに、意地悪な作りですよね、と微笑む。支障が無いといえるのは、櫻子が女だからだ。と。世界の半分は女ですよ。達観したように、彼女が笑う。
揉む手は緩めず、それなのに寂寥感を表情に滲ませて。せめて、語るか揉むかどちらかに―――いや、語るのみにして欲しい。

「そんなに辛いんですか……ふふ、もう少しの辛抱ですからね。男の子のウチは、我慢しましょう?まぁ、男の子で無ければ、そもそも我慢する必要も無い痛みなんですけれど……男の子を止めるまでの、我慢。 
 で、ですね。未熟だった私は、その立ち位置に満足していたんです。今思い返すだけで、顔から火を噴きそうですが……『か弱い』女子生徒を守るのが、自分の責務だと、そう思っていました」
 
泣き笑いのような顔。そして。

「初恋も、知りました。ケンタロウ君という方で。身体的には弱くても、精神的には非常にお強い方、でした。気高い人、尊敬できる人、でした。揉め事に首を突っ込んで、自分が殴られても解決したことを喜べるような方。
 初対面は最低最悪。私の前で、ケンタロウ君がキンタマを抑えて青い顔、蹲っていたのを覚えています。当然でしょう、男性だったので。あの頃の私は天狗で。男なんて、股間を蹴れば一発の生き物だって嘯いていました。

 あの人は、懲りなかった。それでも、何度も私の前に立ち塞がって……何度地面を転がっても、それでも。逆に、私の方が心配してしまったぐらいです。あんなに蹴られて大丈夫なのかしら、と。自分で蹴っておきながら、非道い話。
 ……噂では、私は冷血非道で。何人のタマを潰したのか数え切れない、なんて怖れられていましたけど。本当のトコロは、潰すなんて考えたくも無い、そう思っていました。潰してしまった方の悶絶具合を見ていたから、尚更のこと」

本当に、未熟、と。櫻子の右目から、一筋の涙が流れて。ココで俺も理解する。哀しみをトリガーに、彼女が正気を取り戻したことを。いや、コレを正気と呼んでいいのだろうか。揉み込む手は、未だに止まらない。

451 名無しさん :2019/09/12(木) 23:00:20 ID:8wui0XE60
「何の変哲も無い冬の晩でした。粉雪が散らつく、澄んだ空気。曇天で、少し憂鬱だな、と思ったことを覚えています。忘れもしない、あの日。

 もう名前を思い出せませんが、一人の女生徒がいました。単に、思い出したくないだけかも知れません。貴方様にも興味を持っていただけるように伝えると……とても、整った容姿をした方でした。
 物静かで、喧嘩なんてしたこともないような方。ショートカットが良く似合う、清楚な方。だからこそ、私とはまったくと言っていいほど接点がありませんでした。
 
 あの腐った街で。物静かなんて何の足しにもなりません。知っているでしょう?よく、からかわれているのを見ていました。ストレスを貯めていたのでしょう。でも、暴力で発散するなんて、思いつきもしなかったのでしょうね。
 ……後で知ったのですが、ご両親が不仲だったそうです。お父様がリストラされてしまい離婚調停中だった、とか。それが、最後の一押しだったのでしょう」
 
唐突に、話題が変わる。だが、櫻子の動きは変わらず、リズミカルに身体を上下させ、絶えず睾丸を圧迫してきて。俺は、チカチカと点滅する意識の中、彼女の独白を聞くしかない。

「―――切欠は、万引きだったそうです。ドラッグストアで、他愛も無い化粧品を手にとって、そのまま。自慢ではありませんが……いや、寧ろ、恥ずべきことですが。あの街では、珍しいことではないでしょう。
 ただ。ただ、それを、ケンタロウ君が見ていた。運命というものを、今でも恨んでいます。何故、何故彼だったのでしょうか。話しを戻しますと……ケンタロウ君は、それを看過することが出来なかった。
 
 ドラッグストアから抜けて。人気の無い通りまで辿り着いたときに、声を掛けられたそうです。そう、掛けてしまった。想像はつきます。一目があるところで詰問したく無かったのでしょう。ですが、全てが裏目に出てしまった」
 
泣きそうな声。泣きたいのはこっちだ。なのに、櫻子の声は、どこか吸い込まれるような響きを纏っていて。いや、彼女自身が、その日の記憶に吸い込まれているのだろう。
俺の睾丸を圧迫する彼女の動きが止まる。泣き笑いの顔で此方をみやると、自嘲するような口調で告げた。


「……ご存知でしたか?『内臓破裂して死亡』ってニュース……結構な割合で、『睾丸破裂』……キンタマが潰れて死んでしまったことを指しているって」


櫻子の涙腺が決壊する。ポタポタ、と俺の胸に涙が落ち、脂汗と混ざって異様な臭気を放つ。

「彼女が男だったら……事態の重大さに気付けたのでしょう。いや、少なくとも喧嘩慣れしていれば、そこまで行きつく前に引くことが出来たのかも知れない。でも、でも、それでも。そうは、ならなかった。
 ……彼の苦しみようを見て、怖くなって逃げた、そう言っていました。そして、不安になって、私に連絡を入れてきた……腐っても、顔は売れていましたからね。折り合いの悪いご両親には頼れなかったのでしょう。

 駆けつけたときには、ケンタロウ君は。もう、冷たくなっていました。ちらついた粉雪よりも、彼の身体の方がずっと冷たい……今でも夢に見ます」

だったら、何でだ!苦痛の奥底で、俺の脳裏を疑問符が埋め尽くす。そんな経験をしたなら―――進むべきは、真逆の方向だろう?

452 名無しさん :2019/09/12(木) 23:00:58 ID:8wui0XE60
「アイツを呼び出して、報いを与えようとしました。あの人が感じただろう苦痛を、思い知らせてやりたい、と。お笑い草、ですよね。でも、あの時は。臓腑が煮えくり返って、そんなコトにも思い至らなかった。
 死んでたよ、と一言。彼女が身を竦ませるのに併せて踏み込んで、全力で股間を蹴り上げる。……ふふ、起点は一緒。結果もそうです。タマが無い股間をおさえて、情けなく地面にへたり込む。違いは、ただ一点だけ。

 ……?勿論、女だって股間は急所ですよ?会陰、と呼ぶのですが……その、叩かれたり握られたりでは響かないので、脱出するのは諦めてくださいね、隆一さん。骨、骨盤を覆う筋肉が少ない部分ですから……脛とかと一緒です。
 
 違いは一点。ケンタロウ君を死に至らしめた、蹴り上げられたキンタマが破裂するという過程。『無くなる』というその過程だけは、あの女に。蹴り上げてからへたり込むまでの間に、絶対に介在させることが不可能で!!
 
 分かりますか?イヤイヤながら幾つも潰してきて……初めて。心の底から、キンタマを潰してやりたいと思った相手に!絶対にやり返せないと痛感したときの遣る瀬無さを!!
 
 その女、ですか?さぁ?鑑別所だか、少年院だかに送られたと聞きました。潰したからだなんだとかそんな瑣末な話しでは無く、『人殺し』ですからね。ご両親も離婚されたそうですが……もう、何の興味もありません」

一瞬の激昂。櫻子が感情を表に出したのは、それが最初で最後。渾身の力でタマを握り締められ、彼女の絶叫の伴奏のように、俺も魂を絞られるような悲鳴をあげる。
そして、小康。櫻子の全身が脱力し、絶好のチャンス、それでも。俺の全身はそれ以上に……それこそ、全ての骨が砕け散ってしまったかのように力が入らず、抵抗するにも抵抗できない。

「……ようやく、悟ったんです。守らないといけないのは、『か弱い』女子生徒では無かったと。『か弱い』上に、『金的』なんていう致命的な弱点を抱えた、男子生徒の方だったんだって」

話の着地点が全く見えない。櫻子の独白と行動は、字義通り正反対のベクトルを示していた。何故、それが『俺のキンタマを潰す』なんて暴挙に繋がるんだ?!

「後悔、しているんです。六年なんてあっという間。あの日の出来事は、一日足りとも私の脳裏から消えたことはありません。毎日、寝付く前に悪夢を見て飛び起きます。本当に、何で、何で。
 何で、私が。私が先に。ケンタロウ君のキンタマを、何できちんと潰してあげられなかったんだろうって!!」

悄然とした様相で零れた言葉、俺はそれを咀嚼することが出来ない。目を白黒させていると、委細構わず櫻子は語りを継いだ。

「―――そうでしょう?私だったら、潰してあげた後の手当てだって、きちんと出来た。死なせてしまうなんて、絶対にしなかった。
 私が潰してあげていれば……あんな女にキンタマを蹴り潰されて、死んでしまうことなんて天地がひっくり返ったって有り得なかった!だって、先に潰しておけば。あの女と同じ。キンタマが無ければ、潰されようもなかった!!
 
 潰されるなんて有り得ないほど『お強い』なら、それでいいんです。その『弱さ』を知って、自分で守ろうとされるなら、それでもいいんです。でも、どちらでもない方は……私が、私が何とかして差し上げないと!!」



『こんな思いを噛み締めるのは、自分が最後でありますように------』



魂から搾り出されたような独白。俺は、場違いにも、田崎の話を思い出していた。山姥……というより、バーバ・ヤーガ、亡霊。過去に囚われた、幽霊。いや、全部ひっくるめて、精神異常者。
アイツの評が、全て正鵠を射ていたことに驚きを隠せない。この女は、この女は。―――完全に、イカレてやがる……!!!

453 名無しさん :2019/09/12(木) 23:01:46 ID:8wui0XE60
キュ、と俺のタマが縮み。掌で感知したのか、櫻子が怖がらなくても大丈夫ですから、と微笑む。今日まで、今日までですからね、と。今まで、良く頑張りましたね、沢山褒めてあげますからね、と。

「あの野生にも劣る街で……大変だったでしょう。隆一さんがお好きな、自然の摂理って言葉で包めば……野生動物は、強い『雄』が、『数多の雌』を独占することも珍しくないそうです。あの街は、その典型。
 根腐れしていて、もう手の施しようがありません。変わるなんて不可能。誰かが引導を渡してくれることを待ちながら、変わることなく惰性で動き続けるしか無い……なら。自分が変わる他ないのです。
 ……もう、いいでしょう?人間なのですから、人間らしく。虚勢なんていらない。野蛮な街の掟は、野蛮な方々に任せておけば宜しいのです。隆一さんは、一足先に足を洗ってしまいましょう?私も、協力は惜しみませんから―――」
 
正気、いや狂気か。生気が蒸気のように櫻子から抜けていって、また茫洋とした表情に戻る。ムカつくとしかいえなかった表情。今は、恐怖しか感じない。
なのに、なのに。何故か、俺の愚息が痛いほどに勃起しているようだった。海月の顔が脳裏に浮かぶ。こんなトコロで去勢されるわけには行かない、そう叱咤された気持ちがして。

「違いますよ?おタマタマが潰れそうになると、自然と勃起されるのです。そろそろ、そろそろ、ですね」

一刀両断。その気力を、櫻子は一言でバッサリと切って落とす。微笑みを絶やさぬまま立ち上がると―――最早全身に力が入らない、俺の両脚を小脇に抱えて壁を向く。俺に尻を向けた体勢で……タマに、踵を乗せる。

もはや人聞きなど知ったこっちゃなかった。恥も外聞も無かった。やめてくれ、と。せめて、一度だけでも使わせてくれ、そう懇願する。
海月の顔が、去来する。彼女の乳と股間の感触が。だが―――屈辱的にも程が有ることに―――もう、櫻子でも良かった。ただ、童貞のまま去勢されたくは無かった。

櫻子から、苦笑が齎される。

「私は一向に構いませんが……ミヅキちゃんのモノ、横取りするわけにも行きませんからね。大丈夫。セックスだけが絆じゃありません。隆一さんは、セックス……性と性交、両方をこれから失いますが……それだけ。
 日常生活に問題はありませんよ。だって、そうでしょう?今までも経験が無かったのですから、それが『これからも』になるだけ。大したことじゃありません」
 
頼むよ。せめて、女の味を、一度だけでも―――あらまぁ、と驚いた調子で櫻子が声を上げた。
男という性の浅ましさに顔から火が出るような心地すらする。櫻子はそんな俺を軽蔑することもなく……ニコヤカな表情、慈愛の表情を保っているのだろう。だが、学習した。その顔は、また碌でもないことを言い出す顔だ。

「女性器に御執心なのですね……それでは。長話にお付き合いいただいたお礼も兼ねて―――おちんちんも、ちょん切ってしまいましょうね?邪魔なモノが無くなったら、出来るだけ女の子のっぽく整形してあげますから。
 ふふ、もし触りたくなったら、幾らでもご自分のを弄繰り回せますよ?流石に穴までは無理ですけど……男性として18年、でしたっけ?生きてきたのですから、次は女性として生きてみるのも、ええ、乙なモノかも知れませんね」

貴方も、男性を諦めるいい機会になるでしょう。思い入れだとか、愛着だとか。そんなモノは幻想で不要なのです、と。そんなモノがあるからこそ、人は終わりにへばりつくのですから―――何処かで聞いた台詞が告げられて。
踵に体重がかけられ。とうとう、俺の『男』が終焉を向かえると、頭では無い。本能が警告音を大音声で鳴らし、その癖に対処方法は一向に伝えてこない。やきもきとしていると、櫻子が最後通告を伝えてきた。

お目覚めになられましたら、もう男の子では無いですから。そうだ!ご褒美に、本物の女性器も見せてあげますね、と含み笑いの櫻子。ミヅキちゃんには内緒ですよ、と振り返り、悪戯っぽい微笑を湛える。

「それでは……行きます。これだけ柔らかくなっていれば、一瞬で済みますよ。よく、耐えましたね。あとは、もう一踏ん張り……一緒に、頑張りましょうね?」

何が、何が一緒にだ、と。抗議の声を上げようとした刹那。

454 名無しさん :2019/09/12(木) 23:02:21 ID:8wui0XE60









「ぷっちゅん」








櫻子から、軽い声、そして。これまでの地獄が児戯だと嘲笑うような。痛いでは無い。もう、怖い、でも無い。寒い、とでも形容すべき感覚が。俺の股間から全身を。稲妻の如くに駆け巡った。



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455 名無しさん :2019/09/12(木) 23:03:00 ID:8wui0XE60
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!!!!!!!」

道場の方角から、聞きなれた怪鳥音。あー、隆一ったらご愁傷様、とおどけて両手を合わせてみせる。チーン!……アレ?チンは取られちゃったんだっけ?キンの方だけ?ま、どっちでもいっか。
アタシ、片瀬 海月は。嗾けた身の上な関係上、多少の申し訳なさを覚えつつ、隆一の『男』の冥福を祈る。とはいえ、『男』じゃなくなったから何なのってトコでもあるんだけど。
アイツ、単純だからさ。アイツの方が弱いから心配って焚き付ければ、絶対ムキになって喧嘩売るって思ったのよね。結果は、聞いての通りだけど。

何ていえばいいのかな?ほら、アタシにとってはタマなんて無いのが当たり前で。だから、タマを取られたって出来事の重みは正直良く分からない。男じゃなくなる?そもそも、アタシは生まれたときから違うけど?
時々さ、タマが無いってどういう感覚なんだよって聞かれることがあるけど……マジ、変態チックだよね。実際のトコ、『無い』って感覚は無だ。ほら、人間だって、尻尾が無いってどんな感覚って聞かれたら、無としかいえないでしょ?
『無い』って感覚自体が無いからさ。無くなったって言われても、ふーん、ぐらいで終わっちゃうのよね。で、それが何なのって具合でさ。

ただ、男が『無い』ってことに興奮するのは、多少分かる。アタシだって、男の股間に『真ん中の穴が無い』ってこと確認するのは好きだもん。不思議な気分と、性差ってヤツを感じちゃう。

久し振りに会った幼馴染は、以前よりも更にアルファシンドローム……ボス犬症候群を拗らせていて、もう手のつけようが無かった。狂犬は、飼い犬になる前に去勢しないとね、程度の軽い気持ち。

ジャラジャラと、足元で鳴子が鳴るのが分かる。遠くで、聞きなれた声……隆一じゃない。隆一じゃなくて……あのアホの、田崎だ。どうやら、罠にかかったらしい。

いや、ちょっと違うかな。男がキンタマ潰されて……みっともなく、全身汁塗れで悶絶してるのを見てるときだけは、『無い』って実感するかも。ぶっちゃけ、その感覚は結構好き。
何てゆーかさー、普段当たり前のように享受している『安心』ってヤツを、全身で実感できる気がするのよね。あ、アタシには『無い』から、絶対にあんな目になんて合わされないな、なーんて。


ズキリ、と胸が痛む。……正直、アソコまでやらせるつもりは無かった。もし、隆一から何かキンタマ以上のモノを奪おうというなら、きっと止めていた。流石に可哀相だよ、と。タマだって……ちょっと気の毒だと思ったもの。
引き止めたときも、本当のトコロ。数回、道場でタマキン蹴っ飛ばしてやれば、今まで虐められていた鬱憤も晴れるかなって、それぐらい軽い気持ちだったんだ。ただ……あの武勇伝が、どうにもこうにもいけなかった。

先輩の空気がさ、どんどん硬くなってたの、分からなかったでしょ?隆一。アンタ、アタシのオッパイばーっか見てたもんね。バレてないと思ってた?
あの人は……隆一が死に急いでいるように見えたんでしょう。で、止めないとって、そう思った。タマタマ潰せばね、気性も落ち着くし……なんでなのかな?まぁ、止めるには最適の処置だったんでしょ。

456 名無しさん :2019/09/12(木) 23:03:31 ID:8wui0XE60
あの人、アタシじゃ止めらんないよ。街の人達だって、薄々なにが起きているのか知ってるんだろうけど……腫れ物扱いで寄ってこないでしょ?
何でアタシはここにいるかって?まぁ、色々あったのよ。街の人達ほど賢くなかったからさ。先輩も隆一も、あの街のことを悪し様に罵るばっかだけど……そういう強かさ、アタシは好きだ。

鳴子が鳴った方へ、歩を進める。ズキズキと痛む胸は、体調を崩したせいだろうか。隆一の、隆一のクセに、アタシを真っ直ぐ見据えちゃって……アンタの女になれですって?まったく、笑っちゃうわ……ホント、ウケる。
もう、彼は男じゃない。それだけの事実なのに、妙にアタシの気が沈んだ。後悔はしていない、何処に後悔する理由があるのか分からない、それでも。


遠くで、田崎が宙吊りになっているのが見えて。胸の痛みを押し殺して、歩を進める。討ち取ったり〜〜なんて、隆一のコトが無ければ叫んでいたかも知れない。
別にアイツのことなんて。昨日まで、何とも思ってなかったハズなのに。


―――まぁ、いいか。隆一が、『去勢され童貞』を卒業したなら。アタシは、アソコの馬鹿で『去勢処女』を捨てよう。そう考える。
アタシが潰したワケじゃない。アタシに潰されたワケじゃない。でも、同じ日に、童貞処女を卒業……初体験を経験する。そんな距離感が、アタシ達には似合っている、そんな気がした。

それに、ね。隆一だって、潰され体験を慰めあえるヤツがいた方が気が楽でしょ?いっつもアンタ達つるんでたし。アタシも先輩も、その体験だけは共有できないからさ。『元』男子って、タマ無しって呼ぶだけで傷付いた顔するもんね。
単なる事実だし、アタシはそんなこと言われても、当然でしょ?としか……いや、それすら思わないか。タマって何のことって疑問符を浮かべちゃうかも。あまりに実生活と関係無さ過ぎてさ。

胸の痛みを押し殺し、釣られて藻描く馬鹿へと駆け寄る。また来るって言ってたと、教えてくれた隆一に感謝……つっても、昨日の今日とはねー。
明日は隆一と二人。仲良くタマ無しの股間をおさえて、ベッドで寝てるわよ。

空は高く、風は幾分かの涼気を孕んでいて。今日はいい日だ、きっと明日もいい日だね、と。アタシは、柄にも無くそんなコトを考えたんだ。ふう。アタシの話は、ここで終わり!バイバイ!!



                                                                                         <おしまい>

457 名無しさん :2019/09/12(木) 23:05:56 ID:8wui0XE60
ご無沙汰してます。一年振り?書き込むときは投下と一緒に、って決めてるので。

一書き手としては、アレですね。感想さえ頂ければ大満足です。ただ、パターン煮詰まるので……
こんなのがいいなってのがあったら、参考にしたりしなかったりします。それだけです。

458 名無しさん :2019/09/13(金) 00:11:32 ID:QC2d4EBE0
上手くてビックリした
この1/10の力もない自分が辛くなるくらい上手い

唯一気になったのは、ケンタロウは毎日のように強い女と手合わせしてたのに一切学習してない(ド素人相手なら対処できたのでは?)のかってこと
一方的にボコられてただけかもですが
つまらないこと言って申し訳ないです

459 名無しさん :2019/09/13(金) 20:08:05 ID:PEMuQOWI0

最後を海月の独白にして隆一と対比にするのとかすごいなって思う
それでいてフェチのツボもしっかり押さえてるし

460 名無しさん :2019/09/14(土) 02:33:53 ID:pxgQuLN.0
すごく良い
攻め執拗ながらも攻めすぎない感じでいい
一々不自然に叫ばないのもいい
ただ褒めてばかりだと良くないと思うので一点だけ言わせてもらうと終始男側の独白みたいな感じだったけどセリフ調の方が良かった
まぁ才能の無いやつの戯言だと思ってください
ここ最近の大作です有難うございます

461 名無しさん :2019/09/14(土) 16:26:48 ID:VsvdS2us0
すごく良かったです。
性差が出ていて男がいかに苦しんでいるかの心理描写もあり興奮しました。

462 名無しさん :2019/09/15(日) 20:56:19 ID:ISC8UWWU0
最初の方の殺人事件の話とか隆一の独白とかが
伏線になってて良かった
女を殴るのがダメとかケンタロウが殴られても気にしないとか、女生徒がそれまで暴力沙汰と縁遠かったとかで
ケンタロウが女生徒の突然の暴発で不意打ちで死んだんだろうとか
色々想像の余地があったし良くできてる

どうでもいいですが、これまでの作品だと義務のようにパイパン出されてましたけど改宗したんでしょうか
教徒としてちょっと隆一が気の毒だったので

463 名無しさん :2019/09/15(日) 23:41:09 ID:p7vQyz8I0
pixivの好みの作家さんは皆消えてしまった…
この界隈にいると定期的にSSを投稿してくれる、話を完結させてくれる、この2つがどれ程有難いか身にしみるよ

464 名無しさん :2019/09/19(木) 09:49:25 ID:ErjeUfeE0
最高でした
最近の渇きが少し癒えた感じがしました

議論スレかもだけど書き手の継続力よりも読み手の継続させ力の問題な気がする
感想書く奴少ないしだから渋行く人多いんじゃね?

465 名無しさん :2019/09/20(金) 16:24:52 ID:KwbTBnXI0
素晴らしいの一言です。
引き込まれるように何度も読んでしまいます。
事が終わった後の海月のモヤモヤとした感じがすごくよかったです。
また次を楽しみにしています。

466 名無しさん :2019/09/21(土) 21:57:44 ID:k7iYdw3c0
力作の長編とてもよかったです
最初は片方で勘弁してやるって言ってたのにとばっちりで両方潰される田崎カワイソス

467 名無しさん :2019/09/24(火) 03:29:12 ID:2gx.q0uY0
みんなどこでオカズを見つけてるんだろうって思う
書いてくれた作者さんに感謝!
しかし読む側にも文才が無いと難しいね

468 名無しさん :2019/09/30(月) 08:17:59 ID:j632R3.U0
>>421
ミックスファイト倶楽部は良かった…
どこかに保存されてないかなぁ

469 名無しさん :2019/10/14(月) 19:18:16 ID:lidSZUtE0
私の名前?うーん、秘密っ♪。好きに呼んでくれていいよぉ?あ、でも可愛い名前がいいかなー。
大丈夫、心配しないで。おにーさん、きっと、忘れられない顔と名前になるからさ。うん、それは絶対そう。

というか、おにーさんも不運だったよね。でも、いい勉強になったんじゃない?ほら、お母さんから教わらなかった?知らない人に、ホイホイ付いて行っちゃだめだよって。
お菓子あげるからとか、玩具あげるからって言われてもね。攫われて、酷い目に合わされちゃうかもしれないって思えば考え物でしょ?

あ、ワケが分からないって顔してるね。いや、単純な話しだよ。おにーさんが呑んでたお酒に一服盛ってさ。デロデロになったキミを介抱する体で連れてきたの。

ここ?ここ、ラブホだよ?防音設備が整ってるみたいだから、おにーさんが泣いても喚いても誰にも聞こえない……にひひ、どう?怖くなっちゃった?
ココ、SMとかにも対応してるんだ。前に下見に来たとき確認したから。って、おにーさんの今の状態見れば、説明しなくても一目瞭然か。あはははは。大の字に磔にされちゃって、なんか可愛いね。

ん?何をするつもりだって?そりゃ、裸の男女がホテルにいるんだから、やることなんて一つでしょ?イ・ケ・ナ・イ・コ・ト♪
おにーさんさ、SMって興味ある?え?虐められるのには興味ないって?ふふ、ですよねー。いや、重畳、重畳。話しててそう思ったんだ。だからおにーさんに決めたんだけど。

ふふ、いい身体してるね。筋肉質で、ガッチリしてる。私とは全然違う、男の人の身体。見てるだけで興奮しちゃうなー。ほれ、スリスリ〜。ふふ、お肌はガサガサだね。
おにーさんも見てよ、私の身体。ちゃーんと、下の毛まで処理してきたんだよ?違うでしょ、おにーさんのと。ね、何処が違うと思う?ふふ、シンキングターイム!制限時間は〜、十秒!!

10.9、8、7、6、5、4、3、2、1……はい、答えをどうぞ!ん?ふざけてないで拘束を外せって?……ん〜ッ、残念!不正解です!罰ゲームッ!!それっ!!!!

キーン!!!

……ふふ、凄い顔。いつみても、キンタマ蹴られた男の顔ってステキ……♪ふふ、特別サービスだよ?オマケに、もう一発!!てやっ!!!

キーン!!!

あはははは!!!目玉が零れ落ちそう。そんなに痛いの〜?私、『ない』から分っかんな〜い♪それじゃ、確認のために……もう一回ッ!!せいやっ!!!!

キーン!!!

470 名無しさん :2019/10/14(月) 19:19:23 ID:lidSZUtE0
は、あはは、あははははははははは!!!すっごい悲鳴。大丈夫だよ〜。心配しなくても、この部屋は防音だから、誰かに迷惑かけちゃうことなんてないですよ〜。
ふふ、もう一回って洒落込みたいトコだけど、まずは感想聞いてみようかな?どう?タマタマ痛いでちゅか〜?うふふ、そうなんだ。そんなに痛いんだ……なんて、アタシには全然分かんないんだけど。ゴメンね?
ほら、見てよ。アタシの両脚の間……おにーさんみたいな弱点、ぶら下がってないでしょ〜?というか、アタシから見たら無いのが普通でさ。そんなトコに急所くっつけてるおにーさんが変なんだけど、さっ!!!

キーン!!!

ぶふっ……ゴメンゴメン。人が話してる最中にもブラブラ揺れてたからさ。キンタマちゃん、構ってほしいのかな〜って思って。はは、また悶えてる。可愛い〜〜〜♪
え?こんなコトされる謂れは無いって?それ聞く〜?おにーさん、自分の胸に聞いてみたら?分からないなら……ほらっ!!

キーン!!!

ひひ、痛そう〜。キンタマ付いてる側は大変だ。アタシは付いてない側だけど。ほらほら。見える?アタシ、タマとかチンなんて変なモノ持ってないって。で、何でか分かった?まだ?そっかー……とりゃっ!!

キーン!!!

ほらほら。早く答えないと……物理的に、キンタマ蹴られない身体になっちゃうぞ〜。ふふ、大ヒント。どう?何でこんな目に合わされてるのか分かった?え?心当たりなんてない?そう……ていっ!!!

キーン!!!

あーあ。もう悶絶しちゃって答えるもなにもないか〜。タマタマあると大変ね〜。ま、明日には……ともかく!正解は〜、おにーさんにタマタマが付いてるからでした〜。わー、どんどんぱふぱふ〜!!
いや、そりゃそーでしょ。キンタマ無かったら、キンタマ蹴られるも何もないもん。アタシ、キンタマ蹴られたことなんて一度も無いよ?無いもん。キンタマ攻撃なんて、アタシには全然効きませーん。

というか、女にやってもキンタマ攻撃じゃないよね。何て呼べばいいのかな……おにーさん、何かいいアイデアある?無い?ん?何?止めろ、ふざけるなって。あはは、いいよねー。アタシ、そういうの大好き、だ、よっ!!

キーン!!!

でも、もっと好きなのは……男の人がタマタマ虐められて、どうしようも無くなって言いなりになっちゃうのを見るときかな〜。ふふ、どういうことか、おにーさんも直ぐに分かるよ。
そういうの見てると、アタシ、女に生まれて良かったって心底思うもの。気持ちいいよ?男の人にはわからない、女の快感ってトコかな〜?おにーさんは、女に生まれればよかったって噛み締めてね?ほらっ!!

キーン!!!

ひひ、ひひひひふふ、あっはっは!!スッゴイ暴れよう。男の子に生まれちゃって残念でちたね〜。でも大丈夫だよ?仕上げまで終われば、おにーさんも、『おにーさん』じゃ無くなってるから。
え?どういう意味って……んまたまたー。青い顔して、分かってるク・セ・に♪うん。タマタマ、アタシが貰っちゃうってコト♪良かったね〜、これでおにーさんも、明日から金蹴りに脅えなくて済みますよ〜、なんちゃって。

471 名無しさん :2019/10/14(月) 19:19:58 ID:lidSZUtE0
犯罪?訴える?いや、どうぞどうぞとしか言えないけど……別にアタシを訴えても『元おにーさん』が『おにーさん』に戻るなんて無理だよ?タマ無しちゃんのまま。
というか、そもそもアタシ、もうお尋ね者だし。?あ、単にもう訴えられてるよってコト。写真見る?ほら、この『おにーさん』とこの『おにーさん』と……タマタマ貰っちゃったコにタレこまれてるからさ。

うーん、スマホや銀行が使えないのは不便かなー。ほら、アタシのスマホ、もう写真とる専用みたいになってるし。GPSが狂っちゃってるのは逆に都合がいいんだけどさ。
おにーさんも、アタシの被害者団の一員にでもなれば?みんなタマ無しだから、きっと仲良くなれると思うな。ただ……っ!!

キーン!!!

ふふ、皆、その痛みをもう味わえない身体になってるからさ。おにーさんが仲間外れにされないように、アタシがちゃーんと、ぷくく、新しい扉を開いておいてあげる。感謝はいいよ〜。
アタシだって、その痛みを味わえないんだし。あはは、女の子の特権の、お裾分け、ってトコだねっ♪お金が持つ限り、あっちにフラフラ、こっちにフラフラして、男の人をキンタマから解放してあげてるの。

とはいえ、そろそろ蓄えも限界なんだけど……悲しい。え?お金なら払うから、このまま解放してくれって?え〜、なんかソレって強盗で、ガチ犯罪者じゃん。ちょっと引くんですけど〜。
いや、タマ潰しも犯罪なんだけどね?自分には無いからさ、なーんか、悪いコトしてるって実感が全然ないんだよね〜。あーあ、お兄さん可哀相。こんな変な女に誘拐されちゃって……ま、身代金貰えば解放してあげるけどさ。
ん?身代金、幾らだって?ぶふっ、またまた、んまーたまたー♪分かってるでしょ?おにーさんの身代金は―――

―――こーれ♪おにーさんの股間にひっついてる、『金』のボール、ふ・た・つ・ぶ♪


ふひひ、おにーさんったら、震えちゃって。タマタマの入れ物、掌で包まれたのがそんなに怖いの?アタシ的には、暖かくていい手触りなんだけどなー。ほら、コリコリコリ。あはは、身を捩ってる♪
普通はコレ、ひんやりしてるんだけど……ガンガン蹴っ飛ばしたからさ、ちょっと腫れちゃったのかな?ま、どうせ今日で無くなるんだし、どうでもいいよね?

ん。何でこんなコトするんだって……さっき答えたでしょ?何?逆?何でアタシがこんなコトするのかって?そりゃ、したいから、としか言いようが無いんだけど。
子供の頃ね、ガキ大将的な男子とケンカしたことがあってさ。まぁ、ちょっと好きな子だったんだけど……ね、思いっきりキンタマ蹴っ飛ばしたら、一撃で蹲って泣いちゃって。

女で良かったって思った。アタシ、女なんだって。蹴られるタマなんて、ほら!何処にもついてないんだぞって。なんだかエッチな気分になっちゃって。

丁度、護身の授業でさ。変な人に襲われたら、股間を蹴っ飛ばして逃げましょうみたいなコト習ったから、つい試しちゃったんだけど……スッゴイ反応で、なんか興奮しちゃって。でも、あの授業も片手落ちよね。
だって、ほら。この部屋だと、変な人ってアタシだけど……アタシ、別に蹴っ飛ばされても効かないもん。もう一回見る?普通に痛いだけ。逆に蹴っ飛ばしてきた子に……ふふ、男の子ならだけど……大変なコトしちゃうかも。
女の子だったらぶん殴ってお仕舞いかな〜。ほら、アタシと同じで蹴っ飛ばして欲しそうなトコ無いもんね。あ、話しが逸れちゃったね。

472 名無しさん :2019/10/14(月) 19:20:31 ID:lidSZUtE0
で、キンタマ蹴るのに嵌っちゃってさ。アタシは全然平気なのに、男の子は脆いよねって。もう、中学ではキチガイの金蹴り女だって、学校中の男子に怖れられてたんだから、
失礼しちゃう話しよね〜。キンタマ蹴られるのが嫌なら、自分で取っちゃえばいいのに。何?男にとっては大切な場所?アタシ、男じゃないから分っかりませーん。馬鹿みたい。誰もアンタ達のキンタマなんて必要としてないよ。

ゴリっ!!

おっと、つい力入っちゃった。おにーさんのタマタマ、ゴリっていったよ?痛かった?ゴリってなったらどう痛いのか、言ってくれないと分かんないよ?アタシ、ゴリッどころかコリってなるモノもないからさ。
と言っても、胸のあの部分はコリコリしてきちゃったけど……興奮してさ……ここは、別に触っても気持ちイイだけ。ほら、おっぱいスリスリ〜、どう、固くなってるの分かる?

でもさー、何か学校中で問題になっちゃったんだよね。お母さん呼び出されて苦情を言われたみたいだし。アタシ、ママに呼び出されてビンタされたもん。バシッバシッて何回も。アンタ、最低ねって言われてさ。
変な話だと思わない?なんで、ママにもキンタマなんて無いのに、他人のタマのために怒るのよ?まぁ、ママにタマあったら、アタシ速攻で蹴り上げてたけど……逆にね。無いから、手も足も出なかった。

で、ギガにムカついたからさ。なんか都合よく100万円ぐらいはお金持ってたし……お年玉貯金ね。コレ使って、全国でタマ落としツアーをしてやろうって思って家を飛び出したの。
いつかは潰してみたいって思ってたけど、流石にソレはねって我慢してた。でも、こうなれば我慢する必要も無いかなって。掴まるまでに幾つ潰せるか、記録を狙ってみても面白いかもって思ったんだよ。

え?年?……15だけど?見えないでしょ。お酒飲んでも誰にも注意されないし。おにーさん、呑み屋で口説いてきたもんね。幾つに見えた?二十歳ぐらい?そうでちゅよー、コレ、JCのおっぱいでちゅよーなんつって。
どうなの?若いと嬉しいモノ?何でなのかな……プレミア感なの?ねー、どうなの、おにーさーん。


………………………………へぇ、そんなコト言うんだ。こんなコトしてママに顔向けできるのかですって?へぇー、ふぅーん。おにーさん、勇敢だね。キンタマ、アタシに掴まれてんのに。
はぁ、もういいよ。完全に萎えた。もう、おにーさんのタマは潰すから。抵抗も説得も無駄だよ?タマ潰しされると、男の人はどうしようも無くなるみたいだからさ。女には効かないのにね。

本当は、もっと甚振って愉しみたかったんだけど、醒めちゃった。っておっと。危ないなぁ……だーかーらっ!!今更暴れてみても駄目!!

ゴリゴリゴリゴリッ!!!

ほらね?無駄だって。男子はキンタマ握られちゃうとどうしようもないの。女子は平気だけど……握られようが無いし。勉強になったね?男の子は、タマ握られちゃったら負け。もう駄目。
女の子の気分次第で、どうされちゃっても文句言えないの。で、アタシ結構ムカついてるから……おにーさんのタマは、このまま、ぶちゅって潰しちゃう。止めて?もう遅いよ!男らしく、タマ潰されて泣きなさい!

473 名無しさん :2019/10/14(月) 19:21:49 ID:lidSZUtE0
……っと、準備しないとね。ん?コレ、結束バンド。これで袋の付け根縛って……これでヨシ!いや、アタシ優しいからさ。奪うのは『男の命』で勘弁してあげよっかなって。感謝してよね。
タマ潰れるとショック死しちゃうっていうじゃない……知らなかったの?そーらしいよ?不思議だよね、女には元から無いのに。で、それってさ。一つは、出血多量による血圧低下のショック死……タマ、内臓だからね。
ここ潰すと、沢山血がでちゃうんだよ。経験者のアタシが言うんだから、ホントよ?で、それを防ぐために、予め袋の付け根をギュって縛っておくの。

あとはね、急激な苦痛によるショック死……血圧が上がっての心不全とかだって。寒い日に熱々のお風呂に入って死んじゃうみたいなコトかな?実際はどうなんだろうね。潰されたコトないから分かんないな。
ま、アタシは潰されることなんて一生無いし、ふふ、おにーさんとは違って♪おにーさんは、これから潰されちゃうんだよ?感想はどう?命乞いしてみる……別に聞くつもりはないけど。

これは、予め痛めつけておいてあげれば防げるかなって。駄目でも、一応、このホテルにはAEDあったし。ちょっとぐらいは蘇生療法試してみてあげる……まぁ、コレが必要になったコトは今まで無いけどさ。

で、コレが秘密兵器ーっ!!って、そこらで拾った小石なんだけど……分かるかな、おにーさん。結構ゴツゴツしてるよね?ふふふふふ、コレとおにーさんのタマタマ一緒に揉み込むと、楽しみ、あっという間に潰れちゃうの。
これね、江戸時代の護身グッズにさ、中に棘が生えた鉄の指輪みたいのがあって、そこから思いついたんだ。チョー賢くない?お侍さんのお嫁さんとかが嵌めてたらしいよ?襲われとき、その棘で暴漢のタマ挟んで潰せるようにって。

あはは。時代が変わっても人が考えることって似たり寄ったりだよね……何?止めて?謝るから?土下座もするから?……ふふふふふふ、だーめ。あんなにイキってたのに、タマ潰されるとなると怖いんだ。
勇気だしてよ。男でしょ?アタシ、女だけどさ、タマ潰されるってなっても全然怖いとは思わないよ……ぷくくく、当然か。潰されるタマ無いんだもの。大丈夫、おにーさんもそうなるだけ。

よし!!準備完了!じゃ、覚悟はいい?あはは、女になりたくないって、心配しないで。タマ無くなっても女にはならないよ。
キンタマ潰された経験がある女なんて、この世に一人もいないもん。だって、元からキンタマなんて変なもの付いてないんだからさ。おにーさんは、女にタマ取られちゃった、間抜けなオカマちゃんになるだけ。
え?そこは男にとって本当に大事なトコだから止めてくれって?うーん、じゃ、男辞めればいいんじゃない?その伝だと、男じゃなければ大切じゃないってことよね?現にアタシにとっては全然大事じゃない場所だし。

そんなに大事ならさ、自分で守ってみなさいよね〜。別にソコ全然大事じゃない、アタシに守ってもらおうなんてムシが良すぎない?偉そうに説教までしておいてさー。
でも、まぁ二つとも一遍に潰してあげるから、うん、ソコも感謝してよね。仏心ってヤツ?ほら、アタシには検討つかないけど、タマ潰れるのってとっても痛くて苦しいらしいじゃない?で、さ。
その痛みを知ったまま、タマ抱えて生きてくのって怖いでしょ?だから、二度と同じ思いをしなくていい身体にしてあげるの。無ければ怖がらなくていいでしょ?アタシ、潰される恐怖なんて一回も感じたこと無いよ?


じゃ、そろそろいいかな。行くよ?アタシとは一生無縁な苦しみで、みっともなく足掻く様、よーく見せてね?…それっ!!!


グジュリ……ッ!!

474 名無しさん :2019/10/14(月) 19:22:22 ID:lidSZUtE0
あは、は、は、ははっはははっははは!!スッゴ!!あんなにカッコつけて説教してたのに、みっともなーい!恥ずかしーい!!打ち上げられたお魚みたいに跳ね回ってる!!
……いやー、いつ見てもいいもんですなー。ふふ。『無い』自分のアソコ弄りながらだと、殊更に格別な見世物ですわい。

で、おにーさんのタマ袋は……うん、大丈夫みたい。内出血で膨らんできてない。なら、もういいかな。これ以上、アタシが責めたい部分残ってないし。
じゃ、あとは警備員さんとか、係の人が来たら、事情を説明して助けてもらってね?

それじゃね、おにーさん。タマタマ無くなっちゃったけど、元気出してね。世界中の半分の人は元からタマなんてないんだから、別に特別な人になったわけじゃないんだよ?
女の子に、タマ無しタマ無しって虐められたら、オメーだってタマ無しじゃねーかって言い返していいからね?女の子は、タマ無しにそんなコト言われても誰も気になんてしないからさ。

宣言通り、忘れられない夜になったよね。じゃ、バイバイ。
                                                                                      <おしまい>

475 名無しさん :2019/10/14(月) 19:23:40 ID:lidSZUtE0
ひと月ぶりに覗いてみたら、前作の感想が沢山あって嬉しくなったので。とはいえ、何か投下と一緒じゃないと書き込まない縛りを勝手にしてるので、突貫で一つ上げてみました。
あと、前作誤植ありますが、脇役Aの名前は田崎としておいてくださいませ。

>>154
亀にもほどがありますが、『睾丸を蹴って欲情する女』ってキャラ付けすごい楽なんです。結構類型化が進んでいるので。上手い人は味付けの妙で凄く魅力的なキャラに仕上げられてますよね。
>>395,396
女キャラのセリフのみって試みが実験的で面白い気がしたので、やってみました。いや、悪くないというか、書くのが楽ですね。このサイズなら二時間ぐらいでした。
というか、書いてみて思ったんですが、咽せかえるようなボイス販売サイトのサンプル臭。
>>458
だいたい462さんが書いている通りで想定していました。もっというと、女子生徒の中で金的が流行ったのは櫻子がやりまくってたからです。
彼女も薄々それに気付いていて、だからこそ自分の責任に耐え切れず、曖昧な状態になって明後日の方向に迷走しているイメージです。
>>460
独白とセリフ調の差異がよく分かりません。独白=セリフ調=一人称では?読解力が無く申し訳ないです。
>>462
その教えに背信したわけでは無いのですが、その神のご神体染みた方がこう仰られたので……。
 (|)<隆一は男性としての運用をしておりませんので、心配ありません。

476 名無しさん :2019/10/15(火) 00:51:40 ID:hQznbA0s0
いつもあなたの作品を楽しみにしています。
今回も最高でした。

欲を言えば、
潰されることって現実にはそうそうなくて、男に危機感とか現実感がいまいち湧かない場合が多いと思いますが(そこから恐怖を与えていく描写の筆力も素晴らしいと思いますが)、
まず1つ潰してから、男に恐怖と取り返しのつかない現実を分からせた上で、ゆっくりと追い詰めながらもう1つも容赦なく…というのが見られたらもう死んでもいいです

477 名無しさん :2019/10/17(木) 12:25:38 ID:zjMQKhwc0
投下乙でした
さり気ない「ついてない」女性の部分を弄りながらの玉責め描写にかなりグッときました
同じ股間でも地獄の苦しみを感じる男と快感を得る女性の対比がとても映える…

478 名無しさん :2019/10/18(金) 23:13:04 ID:8vj8F8yc0
なくなってしまったのかもしれませんが
オリジナルやリトバス等の二次創作があった金蹴りの小説サイト名知りませんか?
金蹴り 小説でググったらすぐ出てきたような気がするのですが思い出して読もうとしても見つからない…

479 名無しさん :2019/11/05(火) 07:01:29 ID:IIqtD5pA0
あー、あったな懐かしい
黒塗り背景のシンプルなデザインのとこだよね

今どっかにブクマ残ってないか探したけどだめだった
多分ドメイン切れてるんじゃないかなぁ
昔アーカイブ見た記憶があるからリンクさえ分かれば見れそうではある

480 名無しさん :2019/11/09(土) 00:06:34 ID:6Tlywl0A0
過去スレにあったこれかな。まだ見れる

【金蹴り】女が男を金的攻撃で倒すSS 2【電気按摩】
ttp://pele.bbspink.com/test/read.cgi/eroparo/1295229329/646

481 名無しさん :2019/11/10(日) 18:23:20 ID:SWFli7RA0
たぶんチェリーバスターズかな?
ttp://s6.artemisweb.jp/cherryhurts/top.html

482 名無しさん :2019/11/11(月) 21:50:50 ID:1jDy/xX.0
ありがとうございました
昔のHPは消えてるのが増えてきてリンク忘れてると本当に見つからないです

483 名無しさん :2020/01/13(月) 00:11:36 ID:a.GNHank0
遅くなりましたが、みなさんあけおめです
近年は金的小説が不景気で寂しい限りですが、今年は活気に満ちる年になればいいですね

484 名無しさん :2020/02/03(月) 00:43:53 ID:DqKN8Qwo0
うむ

485 名無しさん :2020/03/27(金) 13:23:55 ID:SymrAxs20
ここ以外で良質なSSに期待できる場所ってpixiv以外にある?


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