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それは連鎖する物語Season2 ♯2
1
:
数を持たない奇数頁
:2014/09/05(金) 21:07:09 ID:LUyN3zHI0
つまりリレー小説なのだ
352
:
西口
:2015/01/22(木) 21:55:44 ID:EhZVbVLo0
無事飛び立った
いや、マジで面白いから本当に来月までずっとやってるかも
353
:
どあにん
:2015/01/23(金) 21:38:31 ID:EH8/mgUM0
流石にRPGツクールリレー作品参加しながらこっちはキツいな
もしかしたら2〜3日程遅れるかも知れぬ
354
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/27(火) 12:48:41 ID:YV3H9tys0
そろそろかな?
順番的にゲームの世界に旅行中な西口を飛ばして俺かな
内容次第だけも多分、きっと、暴走する可能性が極めて高いと伝えておこう
355
:
西口
:2015/01/27(火) 13:01:08 ID:fp8B9nYQ0
出来がお察しだったので復帰します(テノヒラクルー)
356
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/27(火) 13:05:35 ID:fp8B9nYQ0
二周目やる気起きねえよアレじゃ
一番好きになったキャラクターがスポット参戦で扱い最悪ってどういうことだクソッタレ
357
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/27(火) 19:50:20 ID:DIFGdlOI0
Oh……それはきつい
了解ですぜ。どあにん&西口待ちつつ暴走準備を整えとくわ
358
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/28(水) 17:59:38 ID:KjvDbQaE0
と言うわけで進捗の程はどうですか?
359
:
どあにん
:2015/01/28(水) 23:04:45 ID:QCMh3k7U0
もう少し待って頂きたい
>>353
から片っ方出来上がったん
遅番明けだが今全力で書いてる
360
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/28(水) 23:07:40 ID:KjvDbQaE0
おk、もう遅いしあまり根詰めすぎずにね
361
:
どあにん
:2015/01/28(水) 23:13:23 ID:QCMh3k7U0
兄ちゃんが竜とバトろうとしてる辺りまでは書けてるから
最悪そこでブン投げる
362
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 00:06:59 ID:Eg17dEm.0
ダミアン「お体に触りますよ…」
363
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 00:17:16 ID:3JbBKveM0
ソウジ「まるで蛇博士だな」
364
:
どあにん
:2015/01/29(木) 20:29:39 ID:ZIeM9lgg0
体調が変だと感じ始めたので投下
三馬鹿編は必ず終わらせる故ご容赦を……
「劔様……儂は長きに渡って夢想しておりました、この手で貴方様を葬る事を。
貴方様は我らの理想の障害、無視できぬ壁……故に貴方様は此処で永遠にお眠りを」
劔に突き刺さった機界の腕を捻り、臓器を破壊しようと五郎兵衛佐は目論む。
最新鋭の機界の腕は人間では覆せぬ圧倒的な力、そう思っていた。
モーターが作動を始め、筋繊維を破壊しながら回転を始めた刹那、劔はその下腹部に突き刺さる意志無き殺意を掴み止めた。
聞いた事の無いような音が辺りに響き渡る、五郎兵衛佐は危機を感じてその手を引き抜こうとしても微動させる事すら出来なかった。
「ご老人、玩具で遊ぶには少し歳を食い過ぎでは無いか……なぁ!」
震脚、発勁……大地の力と己の膂力を組み合わせた渾身の手刀。
タンパク質とカルシウムの塊は刃となって機界の腕を、派手な音と共に断ち切った
切断面から溢れだすドス黒い液体が劔の身体に振りかかるよりに疾く、五郎兵衛佐の懐に潜り込んだ。
息を吐き出し、大地を蹴った力をそのまま攻撃へと転じる、五郎兵衛佐が残った腕で防御を図るもあまりにも遅い。
地を蹴った脚は音すらも置き去りにして老人の皺が刻まれた顔の中央を捉えた。
骨が砕ける感触、水分が押し出される感触、付与した衝撃が頭部を強制的に運動させる。
人体の可動域を超えて首が回る、1回転、3回転、8回転、13回転。
15回転目前してズタズタになった筋繊維と極限まで捻れた皮膚の細胞が限界を迎えて千切れ飛ぶ。
そこでようやく音が耳に入る、人の頭部を宙を舞って結界にぶつかり砕け、血に塗れた脂肪塊がボタリと落ちた。
「次に死にたいのは、どいつだ?」
残る老害達を睨みつけた刹那、何かが空から急降下する音。
圧倒的な質量を誇る何かが、空から落ちてくる。
何か不味い事になったと、劔は咄嗟に空いた穴から結界の外へと飛び出した刹那
地震が起きたかのような凄まじい揺れ、まるで風船の如く割れる結界、舞い上がる砂埃。
哀れにも逃げ遅れた老人達も数人宙を舞い、無慈悲に地面へと叩き付けられた。
だが、そんな者達をも気にせず声を漏らす老人達は一斉にそれを向かって頭を地面へと付けてひれ伏した。
無駄にプライドばかりが大きい老害があそこまでひれ伏す存在、劔の腕が疼く。
自分を開放しろと言わんばかりの鼓動、皮膚が裂ける程爪を立ててその鼓動を抑えこむ。
「なるほど、これこそが老害が増長した原因か」
「おお、おお……竜よ、竜よ……!」
蒼色の鱗、巨大な羽、地を抉る強靭な爪、劔の腕に封じたそれと似たような物、竜が目の前に居る。
竜はそんな老人達を汚物を見るかのような冷たい目で一瞥した後、劔に瞳を向ける。
宝石の如く澄んだ青色の瞳、瞳孔が目まぐるしく収縮を繰り返すした後、視線だけを足元の老人達へ向ける。
「……頭首が見当たらぬようだが」
「賢しくも劔様の機転により取り逃がしまして……しかし貴方様の力を持っ」
言い切るよりも早く爪が地を抉り、足元に居た哀れな老人達は無残な挽肉へ変わり果てる。
守手四十七氏、長きに渡って伏神を支えつつも腐らせてきた老人達の終わりは、あまりに呆気無い最期。
劔は哀れな老人達だった物に対して、何の感慨も湧かなかった。
「与えられし役割も果たせぬ癖に強請る豚に生きる価値は、無い」
「成程、老害共が増長した理由はコレか……大凡ロクでも無い事を願ったのだ、ろうッ!」
反撃する間も与えずに倒しきる、抉られた腹部の傷も浅くは無い。
出血多量で動けなくなる前に戦いを終わらせる、吠えながら飛びかかる、悠然と佇まう竜目掛けて。
365
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 20:31:36 ID:5xcBqErM0
やったぜ
366
:
どあにん
:2015/01/29(木) 20:57:02 ID:ZIeM9lgg0
首が何回転もするのはバンビーナのあっち向いてホイ的なイメージで
367
:
どあにん
:2015/01/29(木) 20:58:44 ID:ZIeM9lgg0
此処までなんだ……
このままフートンで眠らせて貰う……
368
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:00:28 ID:YDb22o7.0
おやすみ
369
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:00:32 ID:/as1UMZ20
おっつおっつ。オフトゥンに包まれて、安らかな眠りをー
370
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:13:09 ID:5GFqqiL.0
どあにん乙
竜がここできたか
めちゃんこ激しい戦いになりそうだ
371
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:24:58 ID:Eg17dEm.0
どあにん乙
早ければ月曜には上げるぜ
372
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:28:05 ID:Eg17dEm.0
イヤサレッヤー
373
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 21:54:05 ID:unzppus60
乙ポニぜ
374
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 22:05:57 ID:Eg17dEm.0
とりあえず2kbほど書けたから多分明日にはいけるわ
Kの人のを見たいという願望を原動力に更に加速!
375
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 22:49:10 ID:Eg17dEm.0
ロリ暗殺者というものもいいですな、という事で増えそうキャラが
流石にやりすぎな気もするが
376
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:15:17 ID:.UwCc9Ek0
西口次第になるけど多分(最低でも文章的に)暴走しそうかなぁ
閑話程度に学院内での小話捻じ込んだりしつつ、多分騒動の大半を片付けてクロには後始末寸前で投げそうな気がする
気がするだけで未定だけどな
377
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:18:36 ID:5GFqqiL.0
騒動片付けてくれるなら後始末は俺に任せろー
378
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:25:11 ID:.UwCc9Ek0
言質はとったからこれで安心して大暴れ出来るぜ
とりあえず本当に西口次第でどの方向性で暴走するかが決まるというプレッシャーを掛けておく
379
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:27:50 ID:5GFqqiL.0
俺は学院に帰ってからやりたい放題させてもらうぜ!
380
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:29:07 ID:Eg17dEm.0
え、マジで
俺だまだ長引くつもりでいたんだが
381
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:33:04 ID:S2s8xKho0
俺ももう1〜2巡くらいするもんだとばかり
この流れで騒動が終結すると、ソウジくんが帰る頃には実家片付いてるような気がする
382
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/29(木) 23:35:11 ID:.UwCc9Ek0
いや、西口の文章量だといい感じのところまで持っていかれるかなって思ってたからさ
続けるつもりなら続ける感じで繋ぐけどな。まぁ、つまり西口は書きたいように書いて俺に押し付けてくれればおkって事だぜ
383
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 16:28:22 ID:m8KA5AKU0
三馬鹿が対竜戦を決着させるきっかけになる、みたいな流れにしたいとふと思った
384
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 18:02:12 ID:DefNsAu.0
あ、今日中は無理だ
やっぱり月曜でオナシャス
385
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 18:35:24 ID:m8KA5AKU0
むしろ昨日の今日で書き上がる方が異常に早いんだがな
もっとゆっくりでええねん
でないと遅筆の俺が余計際立つねん…
386
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:06:13 ID:DefNsAu.0
ちょっと思ったけど日本って竜全然いないんだよね
竜っていう概念自体が中国産ってのもあるんだろうけど
それ以上に蛇が神聖視されてるせい、ってのが大きそう
竜扱いされてる日本神話上の存在は大体蛇としての側面持ってる気がする
387
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:07:40 ID:9WZqFFpg0
西側の神話でも結構そうだと思う
388
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:09:49 ID:DefNsAu.0
西側の竜って邪悪の象徴めいた側面があるから
往々にして英雄とか聖人にぶっ殺されるよね
東洋では水の神格存在だからか神聖なものとして描かれる事多いけど
389
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:23:05 ID:9WZqFFpg0
西洋竜も蛇ベースのキメラだからね
邪悪の象徴というか、大きく見られてるからこそ、神々の踏み台にされてる感はある
クロノスに追い出されたオピオン、アポロンに殺されたピュトン
ゼウスにタイマンで勝ったテュポン、その妻のエキドナ
ギガスも下半身は蛇だそうで
390
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:26:08 ID:DefNsAu.0
神話以降でも聖ゲオルギウスにアスカロンでぶっ殺された毒っ吐きドラゴンやらがいるね
391
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:27:06 ID:DefNsAu.0
あ、あとヌアザを殺したクロウ・クルワッハも竜だったな
392
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:27:22 ID:9WZqFFpg0
ドラゴンの造形って割と後発なんかね
393
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:32:45 ID:DefNsAu.0
元ネタが蛇信仰だったはずだから、キリスト教の影響は強そう
たしかあそこの教義では蛇は悪いもののはずだから
とすると割と昔からあるんじゃない?
394
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:38:38 ID:9WZqFFpg0
蛇が神格化されていき、神々が超人的な力を持つように、蛇も怪物的に描かれてドラゴンの造形が誕生(まだ蛇扱い)
それを蛇でもないトカゲでもない、独自のドラゴンというジャンルで独立した、みたいな感じのはず
けど旧約聖書のリヴァイアサンは竜とも蛇とも言われたり・・・
基本神格化された蛇がドラゴンってことでいいんだろうな
395
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:42:14 ID:DefNsAu.0
まあ色々言ったけど、要はおにいちゃんの竜の名前(つけたのはお兄ちゃん)を蛇にしようと思っている
396
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 21:58:20 ID:yYbn9nx20
西洋竜ってトカゲじゃないの?
397
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 22:00:25 ID:DefNsAu.0
爬虫類とかその手の類を纏めてドラゴンって呼んでたって聞いた覚えがある
398
:
数を持たない奇数頁
:2015/01/30(金) 22:28:22 ID:HxW8dgR.0
爬虫類ってトカゲ(蛇)と鰐と亀しかいないらしいね
トカゲ(蛇)と鰐はドラゴンのイメージ強いが、亀型ドラゴンってほぼいないよね
昔の人は亀=爬虫類って発想がなかったのだろうか
399
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/01(日) 16:02:02 ID:K3JHvv3w0
暴走予定と言ったけど、環境がちょいと動きそうだからもしかしたらパスも辞さない状況に陥るかも分からん
多分パスに至る事はないとは思うけど念のため書いとく
400
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/01(日) 20:01:32 ID:.UVI7p3o0
え、マジで!?
さっさと書き上げなきゃやべえ!
401
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/01(日) 20:05:54 ID:.UVI7p3o0
サトリんが死んだのは四、五年前だったか
402
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/01(日) 20:10:19 ID:K3JHvv3w0
一応動くとしたら2月3日以降だな。今のところどう動くか本当に予想がつかんのよね
>>401
聡治が中等部に転がり込む云々で、今が高等部二年だから大体それくらいだな
403
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 10:29:04 ID:vuZYJwwA0
現在12kbほど
いい感じの落しどころ見つけたら投下するわ
404
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:09:23 ID:vuZYJwwA0
一応投下できる程度には書いた
が、話が一ミリも進んでない
405
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:21:11 ID:2H5/4.YY0
wktkしておく
現在進行形で心身ともにくそったれな状況だが、西口が納得した上で投下するなら、まぁどうにかやってみるわ
明日急がしめで、明日以降こちらの状況が動くだろうから筆が進みにくいが頑張ってみる
406
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:22:50 ID:vuZYJwwA0
すまんKの人、俺がこれ以上書いたら確実にグダグダになる
後は任せた
407
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:24:12 ID:vuZYJwwA0
「いぇと、まあこりき、なべ」
唱える。「我が意の下に頭を垂れよ」、と。
呪文と言うにはあまりにも幽か。それ以前に、言語とすら言えぬ。乳飲み子の呻きに等しき『それ』は、口より発せられる「意思」。
言語という体系が成立するよりも、遥かに以前。歴史の霞の彼方に消えた、人がまだ自然と一体であった頃の名残。「原初の令」、言霊。
いかなる魔術的な意味合いも存在せぬそれは、翻せば、いかなる魔術的な干渉をも跳ね返す。人を超越した霊的存在と接触を試みる際に、それはほぼ唯一の矛にして盾となる。
「竜」を屈服させるには、必須とすら言える。
伏神劔の内側に漲る、野獣めいた衝動。いや、それは事実野獣なのだ。吠え叫び、猛り狂い、欲望のみを原動力として動く、「衝動のみで構成された形無き野獣」。それは意思を持つ暴力、人を侵す病。神を志す哀れなる魔、「竜」。
劔は己の内に横たわる、眼前にて威容を誇るモノと同種の存在に語りかける。いや、命じる。「我が意の下に頭を垂れよ」、と。
「竜」は叫ぶ。吠える。人間風情が何様のつもりだと、全力を込めて猛る。全身を押し潰されそうなほどの衝動が、彼の体内を駆け巡った。
だが彼は、それをねじ伏せる。「黙ってひれ伏し、俺に振るわれていろ。竜風情が」。
粗暴にし獰猛。けして折れず、曲がらぬ彼という「意」が作り出した言刃《コトノハ》に、人に寄らねば顕現すら出来ぬ竜などが抗えるはずも無い。彼の筋肉を引き千切らんとしていた衝動が、潮が引くかのように消えうせていく。
「黒鱗、世を犯す能をここへ。撃翼、地を踏み砕く能をここへ。珠瞳、草木薙ぎ払う能をここへ。鎧え、鎧え、鎧え。我が銘は天羽々斬。其を規定するその名の下、総てを疾く用立てよ」
――『悪路王』。
408
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:24:42 ID:vuZYJwwA0
蒼き竜が瞠目した事を、一体どれほどの者が認識できただろう。
彼の巨体から見れば、豆粒と形容して差し支えない、筋肉質な男。その内側から、山をも揺るがしかねない闘気が、殺意が、まるで濁流のように放たれているのに恐怖していると、一体どれほどの者が理解できただろう。
それほどまでに、蒼竜の行動は早かった。
『悪路王』。劔の「竜」を縛るその名をいい終わるか終わらないかの内に、それの爪は既に振り下ろされていた。
その巨体からは想像がつきそうも無いほどの俊敏さ。敵の眼前にいながら、悠長に言霊を紡いでいた劔の迂闊さを抜きにしても、それは驚嘆すべき物であった。
防げぬ、避けれぬ、弾けぬ。普通ならばそうなるはずだった。そう、普通ならば。
だが――
「護ッ!」
圧倒的質量の爪が劔を引裂くかに思えたその刹那、響いたその声は、幾重にも重なっていた。
精確には二十三重。半壊した会堂を抱く伏神邸の中庭を取り囲むように表れ出でた「彼ら」は、それぞれの年代や性別による声音の差はあれど、少しも乱れず、完全に同時に叫んでいた。
言葉は鍵となり、その漆黒の装束に織り込まれた書記魔術を起動する。二十三人が判を押したかのように翳した左手の、その延長線上にいる劔の眼前に、簡易障壁が術者の数だけ重なって展開する。
それは、劔と竜の爪の僅かな隙間のみを断つ局地的な物ではあったが、その部分の強度だけで言えば、夕霧の『晶結界・風花』にも匹敵する程の物であった。
人が放てる術式で、抉れてしまう強度。当然、竜の一撃を完全に防ぐ事などできよう筈も無い。
鋭き爪は、二十三層もの障壁をまるで紙でも引裂くかのように軽々しく砕いていく。一瞬だ。瞬きする時間を稼ぐ程度しか、その障壁には意味が無かった。
たかが一瞬。されど、一瞬。人が瞬き出来るほどの時間。
それだけ稼げれば十二分だ……!
空間を切り裂くかのように直進する閃光。銀色の尾を引くそれは、例えるならば飛翔する氷の鏃。伏神邸の家屋、その屋根にしゃがみ込んでいた夕霧の右手より放たれ、音も無く飛来する。
蒼竜の爪が結界を砕くよりも早くその左前足に突き立ったそれは、それとほぼ同時に、刹那の時すら経ずに四ツの術式を発動する。
一ツ、結界隔離。竜の左腕を包み込む。その内部で駆動する術式の影響を、外部に漏らさぬための措置。融解した氷の鏃が、その内部を水で満たす。
二ツ、呪詛・操作の複合術式「奪熱」。竜の巨大な足に内在する、膨大な熱エネルギーを奪い取り、絶対なる零度にて凍結させる。余波を受け、結界内を満たしていた水も凍る。
三ツ、奪い取った熱を、脆弱なる小結界にて隔離する。抽出された純粋なる熱エネルギーは、泡沫が如き矮小な空間にも、容易に収まった。
急激な温度変化に耐え切れず、蒼竜の爪に亀裂が走る。その時にこそ、彼女の術式が真価を発揮した。
小結界が、熱に耐え切れずに崩壊する。隔離した熱エネルギーが、結界内全体に満ちる。溶岩が如き高熱は、内部を満たす氷を融かし、蒸発させる。――一瞬で。
四ツ、反応促進。錬成魔法の加護を受け、文字通り爆発的な勢いで発生した水蒸気が、結界に尋常でない圧力をかける。その負荷に耐えかね、結界に小さな一穴が穿たれた。
途端、ピュウと言う甲高い音を立て、穿たれ穴から水蒸気が噴き出る。それは宛ら推進器の様に結界を、ひいてはそれに包まれた蒼竜の腕《かいな》を大きく動かし、その機動を無理矢理捻じ曲げる。
逸れた。
爪は劔の体に一条の傷すら付けること叶わず、横合いの地面を抉り取るのみであった。
409
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:25:05 ID:vuZYJwwA0
体勢を崩しそうになり、蒼竜は残る三足を踏んばり、何とかそれを押し留める。必然的に生まれる微かな硬直、隙。それが致命的な物にならなかったのは、単に運が良かったからだろう。
「悪路王」
烈風が吹き荒ぶ。不可視の力場が、劔の全身を覆う。蒼竜は翼を翻し、一息に飛び退った。伏神家の広大な中庭であればこそ、その巨体でも自由に動くことが出来る。
両者の距離、およそ八メートル。もう先ほどの様な奇襲は通用しそうもない程の距離。
伏神劔の「変化」は、既に終了していた。
右腕。指先から肩口までを覆うのは、光沢など存在しない漆黒の竜鱗。どこか鎧めいた堅牢さを匂わせるそれは、彼の左腕が元々、丸太のように太かったせいもあろうが、左袖を突き破り、その全体を外気に晒していた。
「『竜』の力……!」
蒼竜は呻き、歯噛みする。まるで己の誇りを貶められたとでも言うように。
劔は口角を吊り上げ、ニィと笑った。
「相変わらずいい腕だな、夕霧。助かったぞ」
「どうも。信頼してくれるのは嬉しいけど、いい加減敵の前で無防備になる悪癖どうにかならないかしら? ひやひやするのだけれど」
心底ウンザリしたような口調で、夕霧は呟くが、劔はそれをまたも笑うことで受け流す。そうする事を分かっていたようで、夕霧は深々とため息を吐くだけで、そこで会話を終わらせた。
そんな劔の元へ、駆けてくる影がある。半壊した会堂から飛び出てきたそれは、胸元に長大な刀剣を抱いた、小柄な人間のものだった。
それは中庭を取り囲む集団と同様の装いをしており、頭のてっぺんからつま先まで、漆黒の装束で覆われており、性別や詳細な体つきすら特定できない。
だが一四〇にも届かぬ小柄な身長と、歩調から漲る若々しさ。刀の重さに振り回され、足取りが稀にもつれそうになっている所を見るに、幼年であろうことは想像に難くない。
影は劔の元まで行くと跪き、捧げ奉るかのように両手に乗せた刀を、スイ、と劔へと差し出した。
劔の表情から笑みが消える。
彼は何も言わず刀を受け取ると、間を置かず抜刀する。鯉口を切る清廉な音と共に表れ出でた刀身が、鞘からその身を表す先から、黒々と染まっていく。
それは劔の左腕のそれと同じく、光を反射せぬ黒。竜の力の影響を受けている事は、誰の目にも明らかであった。
「祢々、これをソウジに。対話も許可する」
一歩、進み出た劔は振り向きもせずに言う。そして後ろでに鞘を差し出し、落す。
祢々と呼ばれた影はそれを危なげなく掴むと、音もなく遠ざかって行った。
劔はそれを気配でもって確認すると、再び一歩踏み出す。つつ、大きく息を吸い込み、次の瞬間、それを全精力をこめて吐き出した。
「露払衆、任務復唱!」
すると、跪いていた二十三人の黒装束たちが一斉に立ち上がり、右手で作った拳を、心臓の位置に叩きつける。
「非戦闘員の保護、並びに四拾七氏配下の排除であります!」
先ほどと同様、一切乱れぬ完璧な斉唱であった。それを受けて、劔は一歩進みつつ、続ける。
「然り。これは露払衆最後の任務である。今日を堺に、伏神という呪はこの世より消えうせる。汝ら二十四剣、皆押並べて人へと還るのだ。一本たりとも折れること許さぬ! 散れ!」
「応ッ!」
一陣の風と共に、二十三の影と、夕霧はその場より掻き消えていた。
410
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数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:25:19 ID:vuZYJwwA0
「狗の躾が行き届いているようだな、伏神劔。頭領冥利に尽きるか?」
竜が嘲る。
その言葉に劔は憤るどころか、興味深そうに目を細めた。
「それを知っているという事は、貴様どうやら四拾七氏、ないしそれに近しい者、という事らしいな。一つ聞きたいことが出来たぞ、竜」
「答えると思うか?」
「答えぬのならそれでもいい。だが問わせて貰う。――お前は五年前、もうこちらに来ていたか?」
問いの意味が、理解できなかった。
蒼竜は怪訝そうに顔を歪め、無言だ。
劔は答えろと催促するでもなく、しばらくその表情を眺めていたが、やがて「……そうか」と小さく呟き、安堵にも似た表情を浮かべた。
「どうやらお前は、五年前の儀式とは何のかかわりも無かったようだ。良かったな、竜。貴様は一度殺すだけで済ませてやる」
右手に携えた刀を腰溜めに構え、伏神劔は轟然と言い放った。
蒼竜は、嗤う。笑う。哂う。
「図に乗るなよ、狗め。竜の力の片鱗を振るえるだけで得意顔とは、片腹痛いぞ!」
両翼が広がり、旋風が劔の頬を撫でた。
その風の中に、どこか刃めいた寒々しさを感じつつも、伏神劔は不動だ。その瞳に一片の容赦も、油断も無い。
「伏神家終代当主、伏神劔。一刀、馳走仕る……!」
411
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数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:25:44 ID:vuZYJwwA0
身内の醜態というものは、時として自分の痴態を拝まれるよりも心にクる。それを俺は今、痛いほど実感している。
朝霞はまだいい。実態がどうあれ、対外的には彼女は身内だ。だからこれはまだ大丈夫だ。何が大丈夫なのかは自分でも分からないが、兎にも角にもまあ大丈夫だ。
しかし今回は事情が違う。クロガネに見られた。同校生というだけで、何の戸籍上の繋がりもない後輩の少女に見られた。
泣き乱しながら孫を押し倒す祖父の姿を。しっかりばっちり淀みなく。
「ぬわああああああんソウジいいいいいいいいいいいん!! 心配したよおおおおおん! 何でこんな所にいるんだ! いや、そんな事より無事で良かったあああああああああああああんんんん!!!!!」
やめて。これ以上気まずい空気を流さないで。クロガネの同情的な視線が一層強くなるの。
……今の状況を説明しようと思う。
まずここは言わずもがなではあるが、山道だ。まだ伏神邸へは戻れていないが、位置関係から見てあと数分もしないうちに戻れるはずであった。
そんな俺を足止めした要素は三つ。
一つ。突如館のほうから響いた轟音と、それに伴う濃密な気配。俺はそれに覚えがあった。
「狡猾」竜ドネルクラル。学園で遭遇したあれと、その時に感じた気配は驚くほどにそっくりだった。
唯一つ違うことを上げるとすれば、あの時よりも濃密に思えたことくらいだろうか。まるでほぼ同じ位置に、一息に二体の竜が沸いたような、そんな気配だった。
背筋を怖気が駆け、思わず駆け出そうとした俺を押し留めるものがあった。
それが二つ目の要素。クロガネから貰った指輪が発光したのだ。
青白く光るそれに度肝を抜かれた俺は思わず足を止め、そちらに視線を向ける。すると、指輪の内部で簡易な書記魔術が起動し、空間に文字を投影し始めた。
「DS301/αSTATUEの転送を開始。指輪所持者は可能な限りその場に留まれ」
それは機界言語の簡潔な文章だった。
DSなんたらとかいう文字列の意味はさっぱり分からなかったが、クロガネが手ずから渡してきた物品だ。危険なものという事もないだろう。
それに、たしか危険があった場合には自立兵装だかいうものを転送するとか言っていた。恐らく今から送られてくるものはそれだろう。
伏神邸の事は心配だ。それこそヒッジョォーに心配だ。が、何せあそこには伏神楯一郎というよく分からない生き物が一匹いる。すぐにどうこうなるという事はないだろう。
そう判断し、俺は指輪の警告どおりにその場に静止した。
すると数秒も経たぬ内に、「それ」は現れた。
甲冑。
ずんぐりとした形状をしてはいるが、「それ」は家にもある人間界の前時代の鎧に酷似していた。
艶めく群青色のボディ。丸みを帯びた太い手足。稼動範囲が狭いように思えるが、なぜか正座した状態で唐突に出現したことを見るに、その類の心配は必要ないようだ。
座っている状態だというのに、その頭はこちらの顔を見下ろせるほど高い位置にあり、兜の奥で妖しく光る二つの赤光に見つめられていると、尋常でない威圧感を覚える。
危険はない。それは分かっているのだが、想像していたよりも巨大なそれに思わず圧倒されてしまい、俺は何を言ったらいいかしばし迷ってしまった。
412
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:26:00 ID:vuZYJwwA0
『ミスター、ご無事でしょうか?』
「……クロガネ、か?」
その巨体からは想像もつかない涼やかな声に、少し驚く。
『部分的に肯定です。この機体は私そのものではありませんし、私が操作しているわけではありません。
ですが、機体を通じた通信も出来ますし、アイカメラが捉えた映像はリアルタイムで私もモニタリングしています』
何を言っているのか、詳細には分からなかったが、文脈から考えるにこのデカブツは、携帯電話と同じような機能をも備えている、という事らしい。
『気付いていらっしゃるとは思いますが、竜が出現しました。事態が収拾するまで、この「アギョー・スタチュー」に護衛を務めさせたいのですが、構いませんね?』
やっぱり、そうなのか。クロガネが断言している以上、あの気配は勘違いの類ではない、という事だろう。
そしてその竜は、恐らくあの無人の集落と、伏神が抱える「闇」と、無関係ではないはずだ。
それを垣間見たものが絶望し、竜へと堕ちたのか。それとも竜が何らかの目的のために、あの状況を作り出したのか。それは分からない。
が、こんな狭い世界で、二つの異常事態が全く関係ない所で進行していた、と考えるほうが不自然極まりない。
間接的にせよ、直接的にせよ、あの竜は伏神が作った物、なのだろう。
ならば、ただ何もせずに護られている訳にはいかない。
「なあ、クロガネ。俺――」
「ソウジィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!」
はい死んだ! 今シリアスな空気が死んだよ!
横合いから弾丸のように飛んできた祖父に押し倒され、俺は地面に転がる。その上に覆いかぶさるようにして伏神楯一郎は奇怪な叫び声を上げた。
そして、冒頭の状況に戻る、という訳だ。
うーん、死にたい。機械を通じてすら伝わってくる、クロガネの哀れみの視線が刺さるようだ。
413
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:26:58 ID:vuZYJwwA0
以上
露払衆と劔に関する設定だけ個別に書きたいんだがいいだろうか
414
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 12:40:36 ID:2H5/4.YY0
おっつおっつ。とりあえず現実逃避の不貞寝という名の体力回復したら読んで、そこから調子次第で書き始めようかな
設定はばっちこいとだけ
415
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 13:04:09 ID:vuZYJwwA0
【露払衆】
名の通り、露を払う者達。
伏神家の影の実働部隊であり、闇そのもの。
構成員は皆名を捨て、銘と呼ばれる固有の符牒を与えられる。
例として、長船〇七や祢々切〇六など。
元々露払というのは、伏神の家が興ってから連綿と続く風習である
「真の世継に降りかかる災厄を一手に引き受ける為に産み出される子供」の事を指し
露払衆とはその世話と延命の為に傍につけられる者の事を表していた。
しかし、時代を経るにつれ、穢れ・災厄を背負った子供を寧ろ貴重な戦力として見るようになり
現在の様な形へと変質していった。
劔が頭領と呼ばれる理由もそこにある。
ある代、露払衆の頭領を務めていた当主の兄が突如反旗を翻し、実権を奪取するという事態が起こった。
当時の四拾七氏の人間によって鎮圧されはしたが、その事態を重く見た彼らと前当主により
露払の風習は凍結される次第となった。(代替手段は別に用意された)
しかし、聡治の父である巌斎はかつての伏神を取り戻さんと志し、その凍結を解除。
露払として伏神に仇為す者を悉く切り伏せよ、という思い「のみを」込めて、長男に劔と名づける。
そして聡治に兄として接させ、兄弟愛という物を学ばる事により心に枷をつけようと目論んだ。
結果は功を奏し、劔は露払の人間として文句無い働きをするまでになった。
聡里が死にいたり、聡治が家を出るまでは。
416
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 15:40:44 ID:2H5/4.YY0
K、再起動。心身ともにある程度回復したから書き始めていくわ
やろうと思った事が潰れたか……まぁいいや、切り替えるに限る
それにしても大分状況がごちゃごちゃしてきたなぁ。悉く苦手方面に傾いたから長引きそうだ
417
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 16:19:06 ID:vuZYJwwA0
げっ、マジかヤッチマッタ
418
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 16:41:07 ID:Rcy5p1520
乙ポニぜ
お兄ちゃん私設兵団持っとったんかぁ、いいね影の集団
Kとクロたん次第では俺のやりたい(放題な)展開に持っていけそうだ
419
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 16:53:33 ID:Rcy5p1520
というか確かクロガネって現地入りしてたっけか
戦闘はロボットに任せてクロガネ本人は暗躍させるのがベターかな
420
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 17:54:39 ID:2H5/4.YY0
んー……どうしようかなこれ本当に。今までで一番キツいパスかも分からん
これ露払衆は夕霧(その他周辺関係者も)確保して安全な場所まで離脱したって事でいいのかな。「周囲にまだ生き残りがいるぜヒャッハー!」な感じではなさそうだけど
とりあえず爺ちゃんGo villageにして、下山中にスタチューにPC押し付けつつ祢々回収して、屋敷突入でパスる感じかなぁ。今回は兄さんに触れないでおこう。あと学院の閑話捻じ込みどころじゃないわ
精神面が今くそったれだから、話動かそうとしたらどうしてもバッドになりそうだから、今回は暴れないでおく
421
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 17:57:41 ID:vuZYJwwA0
うん、そんな感じ。>露払衆は夕霧(その他周辺関係者も)確保して安全な場所まで離脱した
お兄ちゃんに気兼ねなく暴れさせようと思って
422
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 18:06:45 ID:2H5/4.YY0
把握。とりあえず今日中に書ける範囲でそぉい! するわ
明日以降暫くPC触れん可能性も浮上してきたしな
423
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 21:08:15 ID:ub9HU38c0
乙
まさかここまで強いとは思ってなかったすげぇwww
一瞬に応酬が詰まってて凄いバトルだこりゃ真似できん
424
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 22:07:40 ID:2H5/4.YY0
ごめん、今日を逃したら暫く身動き出来なさそうだから短いけど区切りがいいからぶん投げる
425
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 22:08:36 ID:2H5/4.YY0
大型犬に盛大に懐かれると、時折、こういう状況に陥るのだろう。
問題があるとすればじゃれ付いて来るのが犬ではなく祖父である事、そして家族間で行われるには過剰なスキンシップを、知人の化身とも表現できる存在に観察されている事であろう。
死んだ魚のような虚ろな眼をした聡治は、暫くの間現実逃避に徹する事に決めた。祖父がじゃれ付いているのは夢の話で、クロガネの機械甲冑《アギョー・スタチュー》に観察されているのも、夢の話なのだ――
そんな訳あるかと、じゃれ付いて来る楯一郎を思わず蹴っ飛ばした聡治は、転倒の衝撃で投げ出してしまったノートパソコンへ視線を向けた。投げ出した際に近くで剥きだしになっていた岩石に叩き付けられたらしく、樹脂製の外装には一条の亀裂が走っており、閉じられていたそれを開けば、液晶画面が見事に割れていた。
重要な情報源が失われた事に対して一瞬、思考が真白に染まる。それでも、僅かに残った理性が、授業で習ったパソコンの構造を思い返していた。
外装も液晶画面も所詮は飾りだ。記憶媒体となる部分が無事であれば、それを他の機材と接続する事で中身を確認出来る。
幸い叩き付けられたのは液晶側であり、記憶媒体などの重要部分が詰っている側は無傷だ。いや、外面的に無傷なだけで、中身は破損しているかもしれない。
それでも僅かに見えた希望に平静さを取り戻した聡治は、破損したノートパソコンを抱え上げると、思わず蹴っ飛ばしてしまった楯一郎の方へと視線を向けた。
流石にただの学生として平穏な日々を生きている聡治の蹴り程度では何ともないらしい。先程よりかは理性的な雰囲気を纏わせている楯一郎は、何事もなかったかのように立っていた。
視線が機械甲冑の方へと向けられている。深く刻まれた皺で全盛期の厳しさが薄れたとは言えど、双眸を細めると威圧感を感じる。その正体を精査するかのような視線に、機械甲冑が身悶えするかのように身動ぎした。
少々クロガネに言いたい事が喉元まで込み上げて来たが、嚥下。今は馬鹿げたやりとりをしている場合では、決してないのだ。
「……爺ちゃん、聞きたい事があるんだ」
意を決して告げれば、楯一郎の視線がじろりと聡治に向けられた。先程までの孫馬鹿っぷりは嘘のように掻き消えている。代わりに存在しているのは静か過ぎる気迫だ。
びくりと、聡治は身体を跳ねさせる。かつて伏神山に無断で立ち入って怒られた際とも違う、今まで見た事のない祖父の雰囲気に、自然と背筋が伸びる。
暫し無言のまま聡治を見ていた楯一郎だったが、大きな溜息と共に、雰囲気が和らぐ。それでも孫馬鹿の雰囲気を感じさせない程には張り詰めた雰囲気を纏っていた。
426
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 22:08:51 ID:2H5/4.YY0
「魔界人集落まで行って、きたんだ。……何だよ、あれ? 朝霞の知り合いが住んでるんじゃないのかよ」
兄である劔が、朝霞に嘘を教えていたという訳ではないだろう。わざわざ嘘を吐く理由もないし、電話も誰かの手助け無しでは扱えないような機械音痴が、ノートパソコンなどを置くはずがない。
そもそも、根本的に現状を理解してなお、何もしないという事は、聡治の知る劔の性格を考えるとありえない。良くも悪くも実直な気質であり、身内となる者が蔑ろ……以前の得体の知れない状況に追い込まれているのに、何もしないはずがないのだ。
聡治が家出して今日に至るまでに、劔が完全に変わってしまっているという例外を除けば、劔が状況を把握していないと考える他にない。
つまり何処かで情報が改竄されており、現在は伏神家に関する雑事から離れた視点にある楯一郎ならば、という聡治の希望は、直後に潰える。
何を言っているのだと、きょとんとした表情を浮かべた楯一郎を見て、聡治は眉を顰めた。
「聡治、何を言っているのだ? 集落はきちんと」
「だったら! ……だったら、ちょっと見てきてくれよ。俺だと分からない事でも、爺ちゃんなら何か分かるかもしれない」
怪訝な表情を浮かべる楯一郎だったが、数秒程聡治の眼を覗き込んで、冗談で言っているのではないと悟ったのか、無言で頷く。
「……聡治は先に帰ってなさい。此処まで来たのだ、道は分かるだろう?」
「分かった。劔兄さんの方も、何か不安だからな」
気をつけろと、短く告げた楯一郎は踵を返すなり、集落の方向へと駆けて行った。その足取りは老人にしては非常に軽快であり、はっきり言って聡治よりも速い。
あっという間に茂みに飲まれて消えた祖父をいつまでも眺め続ける事もなく、聡治は楯一郎とは逆、麓の方向へ身体を向ける。
そして走り始める寸前、ふと、機械甲冑へと視線を向ける。相変わらず正座の体勢だが、これは動けるのだろうかと、首を傾げかける。
『移動可能と質問前に回答しておきます。ミスター・ソウジが全力で逃げようとも、影のように追従しますのでご安心を』
何か嫌だなと感じつつも、動けないからこの場から動くなと言われるよりはましである。
斜面を駆け下りる最中に視線を後ろへやると、正座のまま、本当に影のように追従する機械甲冑に、聡治は思わず苦笑するのだった。
427
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 22:10:20 ID:2H5/4.YY0
2000文字って地味に一発で書き込めないのか……まぁとりあえずそんな感じでクロにパスするよ
とりあえず向こう一週間は無理っぽい。その先は分からんけど、(よほどふざけたペースで回ってこない限りは)次回までには落ち着いてるはず
428
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 22:13:54 ID:vuZYJwwA0
おお、Kの人乙
修羅場を乗り切ってくだされ
429
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/02(月) 23:11:54 ID:ub9HU38c0
乙
うーんどうしよう全く続きが思い浮かばない
430
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/09(月) 18:22:03 ID:CM2/c0rI0
粗製K。一週間無理っぽいとは言ったが本当に一週間無理とは思わなかったぜ
クロすまんな、焦りやら何やらでやらかしちまったようだぜ……
431
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/18(水) 10:15:01 ID:0mb1R6OU0
気付けば二週間以上すぎてたがクロたん無事かえ?
432
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/18(水) 21:57:41 ID:TiE8okaY0
すんませんパスさせてください
タタりんお頼み申す
433
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/18(水) 22:04:11 ID:LjcyhTw.0
お、おう
これクロたん初パスじゃね?
434
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/18(水) 23:52:54 ID:TiE8okaY0
そうだと思う
なんか1回パスしたら癖になりそうで怖かったから今まで踏ん張ってきたけどマジもぅ無理
最近全然ここに関われてないわ
435
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/19(木) 23:15:49 ID:dZUxbUxs0
クロたん……愛してるよ……ンヒュヒュヒュヒュ……グヒュッ……。
436
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/24(火) 19:20:01 ID:oEjaJs420
読み返しててふと思ったが、祢々たんが劔兄ちゃんから受け取った物って、もしかして鞘だけ?
437
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/24(火) 19:24:42 ID:Vm1LiBQ60
せやで
438
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/24(火) 20:30:58 ID:oEjaJs420
了解した
とりあえずソウジくんが祢々たんと遭遇してものすごい外道プレイ始めたから先に西口に謝っとくわ
439
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/24(火) 20:34:16 ID:Vm1LiBQ60
祢々の設定は身長以外一切決めてないから如何様にしていただいても構わないぜ
440
:
タタリ 1/3
:2015/02/26(木) 13:42:55 ID:9qe1ssXs0
本家への道のりを駆け下りるにつれ、ドネルクラルの時と同じ竜の気配がより強く感じられた。
隠密で山林を登っていた時に比べ、道なりに下りるのは流石に早い。数時間もかけた登山距離は、十数分で下山しきろうとしていた。
本家まではもう目と鼻の先だ。本格的に本腰を入れて事態に当たらねば、俺なんて木っ端も同然だ。一度吹き飛んだ右腕を押さえながら、山道から石段に差し掛かり、
「くせ者!」
頭上から、幼い少女の叫び声が聞こえ、漆黒の影──としか形容のしようもない──が稲妻の如き速度で木々を巡り、俺の背後を追従していたアギョー・スタチューへ飛来した。ルカとの戦闘訓練で培った俺の動態視力が、その手に懐刀らしき凶器を捉えた。
しかし、視線が追い付くのと、反応が間に合うのは全くの別問題である。指先一本すら反応する事あたわず、飛来する影の懐刀がアギョー・スタチューのアイカメラを正確に突く。
ギィン、と金属特有の甲高い悲鳴が朝の山林に劈く。事態を把握する暇もなく背後からの怪音に、思わず両手で耳を塞ぐという戦闘態勢にあるまじき反応を示してしまった。
「ソウジ様に近付く貴様は何奴だ」
黒装束の少女(?)らしき人物は俺とアギョー・スタチューの間に着地し、片手を広げて俺を庇う様に仁王立ちする。一瞬だけ、もう片手に持っていた懐刀を流し見て、即座に放棄する。
刀は折れており、影の直撃を受けたアギョー・スタチューは仰け反りつつも自動姿勢制御(ジャイロバランサー)の影響で何事もなかった様に身を起こした。そのアイカメラには傷一つついていない。
少女とアギョー・スタチューの視線が交錯する。ビリリと空気を震わせる程の、張り詰めた殺気が辺りに充満した。
と盛り上がってるところ悪いんだが、ここで一つばかり物申したい。俺はさっさと本家の様子を見に行きたいのだが、寄り道した魔界人集落では謎の集団失踪の痕跡を発見してしまうわ、クロガネの監視用ロボットが現れるわ、じいちゃんには押し倒されるわ、何かニンジャっぽいアトモスフィア漂う少女の攻撃を受けるわ、さっきから足止めばかり喰らいまくってそろそろストレスがマッハで堪忍袋の緒がぶっち切れそうなんだがもーどーすればいいんでしょうかねコレ。
「ってどいつもこいつもいい加減にしろよォ! 緊急事態なのに小イベント挟みまくってたら話すすまんだろうがァ!」
俺を守る様に立ち塞がった少女と、アギョー・スタチューのアイカメラが同時に俺に向き直った。あまりに無関係かつ唐突な絶叫を予期してなかったのだろう、アギョー・スタチューは定かではないが少女の黒装束ごしに見える目がまん丸に見開かれている。
「この状況を分かりやすく喩えるなら『○○分以内にダンジョン脱出だ!』って時間制限イベントで事ある毎にパーティ会話が発生したりエスケープ不能なイベント戦が乱発してるのに時間だけはきっちりカウントされてる様なもんだぞ! しかも状況はさっぱり整理されてないのにあれこれ謎が謎を呼びまくってていい加減フラストレーション溜まりまくるわ! 小イベント起こすならせめて一度に全部済ませろチックショウ! もはや何が何だかもうワケ分かんねぇよ!」
『ミスター。あまりの展開に錯乱されてる事については心中お察ししますが、錯乱しすぎて貴方の言動こそ理解不能です。ほら、木々の隙間から澄み渡る青空を仰ぎ見ながら深呼吸して落ち着きましょう、ヒッヒッフー』
俺の発狂じみた叫びとアギョー・スタチューから響く冷静なボケ倒しが飛び交う中、突如現れた少女はこの事態をどう処理したものか判別つかなかったのだろう、先程の剣呑な態度とは打って変わり急にオロオロしだした。アギョー・スタチューに対する妙な敵意とか、この現状に対応できず全部吹っ飛んだらしい。
彼女が何者かは知らないが、この後に及んで竜以外の存在が現れたという事は、彼女は味方……とまでは言わずとも、少なからず敵ではないだろう。現在の伏神家は全て敵だと仮定するなら、さっきから俺を守ろうとしている素振りも鑑みて兄さんの関係者かも知れない。
441
:
タタリ 2/3
:2015/02/26(木) 13:43:41 ID:9qe1ssXs0
「本家はすぐそこだし、重要なイベントが盛りだくさんで進む前に、ここらでいったん総集編(セーブ)しとくぞ! ここから先はノーリターンポイントっぽいしね!」
「え、あ、うぇ?」
オロオロする少女。思考はほどよくフリーズしかけてる模様。よし、俺とクロガネの華麗な機転で、便利なイベント進行係を獲得できた。いや半分くらいは本音だが、もうこの際、利用できるもんは出涸らしになるまで利用してやろう。俺もワルよのう。
「はい、それじゃまず、君の名前と所属は?」
「う、あ、……露払衆の一振り、の……祢々、です」
ようやく自分でも理解できる言語での話になったと思ったら、いつの間にか尋問されてる現状に脳が追い付いておらず、しどろもどろに答える事しか出来ない少女・祢々。嗚呼おいたわしや。でもそんなん俺にはカンケーないもんね! こちとら帰省途中から今の今までトラブル続きで八つ当たりできるなら何でもいいわ!
「そっか、祢々ちゃんね。……女だよな? 俺らはこれから伏神の家のゴタゴタにクビ突っ込もうと思ってるが、あんたはいったい何しに来たんだ? つーか味方なのか?」
「は、……はっ! 劔様の指示により、ソウジ様を筆頭に、伏神本家に残っていた非戦闘員を安全な場所まで誘導する任を仰せつかっております!」
「やっぱり兄さんの関係者か。しかし、何だね。君の受けた任務を完全に無視する形になって申し訳ないんだが、俺は本家に行こうと思うんだ」
「なりません! 現在、劔様は蜥蜴の様な奇怪な物の怪と交戦しております! ソウジ様は事態が収拾するまで御身の安全を最優先すべきです! その為に私が参りました!」
ここに来てようやく理性を取り戻した祢々ちゃんが、膝を突いて頭(こうべ)を垂れながら、真摯に意見を述べる。うぅん、もうちょっと混乱してくれてた方がこちらとしても話が早くて助かるんだが。
しかしトカゲの化け物ときたか。これでクロガネと祢々ちゃんの双方から、異なる経路で竜の情報が出てきたとなれば、もう疑いの余地はないな。非常に不本意だが、竜の恐ろしさは身を持って理解している。仮に今回出現した竜がドネルクラルと遜色ない暴威であるとするなら、それを屠るには同じく竜でなければ叶わぬだろう。
その予測を力業でなんとかしてしまいしうな理外の埒外の存外な化け物は、さっきすれ違ってしまったところだ。
祢々ちゃんの剣幕に圧倒されてしまい、話の取っ掛かりを見失ってしまった感は否めない。服従のポーズのまま微動だにしない祢々ちゃんをどうしたものか、アギョー・スタチューに視線を送る。無言のまま、チュインチュインとアイカメラが明滅する。俺の判断に任せる、って意味と受け取ろう。
「とりあえず、現在の戦況を整理しよう。まず家の方では兄さんが竜と交戦中、俺とクロガネ──そこの機界の傀儡は俺の仲間だ──で竜退治に参戦しようと思ってて、爺ちゃんは魔界人集落の調査、夕霧さんや朝霞は露払衆とやらに避難誘導されてると。……伏神の老害連中はどうしてる?」
「劔様の手により」
「なるほど。邪魔だてはないって事ね。……魔界人集落の集団失踪と、集落に安置されてたノーパソの謎が残ってる訳で……そうだクロガネ、アギョー・スタチューでこのノーパソを解析できたりしないか?」
『戦闘機能に重点を置いた機体ですので、高度な電脳魔法(ハッキング)は行えませんが、一応の申し訳程度の機能なら備わっております』
「構わない。謎を謎のままにしておくのはどうも性に合わなくてな。一歩でも前進できるきっかけになるならそれに越した事はない」
手荷物になっていたノーパソをアギョー・スタチューに投げ渡す。巨体のずんぐりした指で器用にノーパソをキャッチしたアギョー・スタチューは、腹部のコンソールを開いてノーパソを繋ぎ、そのまま収納した。放電しきっていたし、まずはアギョー・スタチューからある程度電力を供給しなくては起動すらできないだろう。
さて、ここからが本番だ。
442
:
タタリ 3/3
:2015/02/26(木) 13:44:29 ID:9qe1ssXs0
「時に祢々ちゃん。君は俺を安全な場所まで避難させる事が任務なんだよね」
「肯定です」
「聞きたいんだが、安全な場所ってのはどこを指してるんだい?」
「はっ? いえ、それはもちろん上伏の町ですが……」
「そこに敵性戦力はいないと言いきれるかい? 今朝方、俺は諸事情により書記魔法の地雷原を時には無力化し、時には迂回して山林を歩き回っていたんだが、俺とは別の不審人物が地雷を起爆させていた。これは兄さんや君たちにも認識できていない勢力がいるって事にならないかい?」
「そ、そんな事が……ですが、しかし……」
まぁ、地雷に引っかかってた奴はだいたい想像つくんだがね。というか不本意ながら知人だ。言わないけど。
「そこのアギョー・スタチューは恐らく、君よりよほど戦力になるのは、先の不意打ちで理解しただろう? 俺としては今しがた初めて存在を知った露払衆よりよほど頼りになる護衛なんだが、君たち露払衆がアギョー・スタチューより有能である証明はできる?」
「あぅ、あぅう……」
「一連のやり取りを見ていただろう? 魔界人集落に不審な機械があって、それを解析もしてくれるのがコイツだ。戦闘力も君が不意打ちで証明してくれた通り、ちょっとやそっとじゃ傷一つつかない。加えて、麓の町には君たちが認知できていない伏兵がいないとも限らない。状況の変化をいっさい無視して何かあった場合に君は責任を取れるのかな? 切腹一つじゃ済まないんじゃないの?」
「う、う、……ひぐっ」
「ああ、勘違いしないでくれ。君が悪い訳ではないし、責めてる訳でもない。ただ戦況は絶えず変化する。受けた任務を第一に遂行する事が兄さんへの忠誠心という訳ではなく、柔軟に対応して任務を完了する事こそ至上だと思わない?」
「ぐす、ひっく……そ、ソウジ様、の……お、っしゃる、通り、すん、です……」
「何より、俺は兄さんの勝利を確信しているが、万に一つも兄さんが負けてしまえば上伏の地のどこにも安全地帯なんてないんだ。だったら、万が一をなくす為のささやかな手助けをしたいんだが、君はどう思う?」
「そ、そんな事、私には、決め、決められ……ふぇえ……」
「もちろん、君にも立場はあるだろう。だから折衷案だ。君はこのまま俺を護衛してくれ。そして、俺は現在この場で最も安全だと思ってる兄さんの元へ行く。そしてこの機械には兄さんの手助けをしてもらおう。現状を客観的に鑑みて、最も効率の良い行動だと思うけど、どうかな?」
「くすん、ひぐっ、うええええん!」
こちらの理論武装に対抗できるだけの要素を持ち合わせておらず、覆面の内側で号泣し始めた祢々ちゃん。アギョー・スタチューのアイカメラがめちゃくちゃ非難がましい冷たい視線を送ってくるがガンスルーでございます。勝てばよかろうなのだ。
泣きじゃくる少女の手を引き、その背後にアギョー・スタチューを侍らせ、俺はようやくこの場を収められた事で後腐れなく決戦に臨む事ができようと言うものだ。
『……幼い少女を言葉責めで泣かせて悦に浸るとは、なかなかの弩クソ変態ヤロウですね。ミスターの評価を大幅に改めざるを得ません』
緊急事態ゆえ致し方ない。ここは超法規的処置って事で温情を要求する。
443
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/26(木) 13:47:43 ID:9qe1ssXs0
ソウジくんド変態外道プレイにハマるの巻
どあにん任せた
444
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/26(木) 14:34:50 ID:2bCFyFLQ0
タタリン乙
やっぱりソウジくんは変態じゃないか(呆れ)
445
:
数を持たない奇数頁
:2015/02/26(木) 15:06:04 ID:9qe1ssXs0
鞘について完全に失念してた
まぁ祢々ちゃんそれどころじゃなかったしいいか
446
:
どあにん
:2015/02/26(木) 18:02:35 ID:q9XhsW7U0
承った
じっちゃと三馬鹿の話を進める 予定だ
447
:
どあにん
:2015/03/07(土) 20:44:23 ID:sebwPvW60
進捗は思わしく無いが……なんとか間に合わせる
448
:
数を持たない奇数頁
:2015/03/07(土) 22:35:43 ID:pkSchBqQ0
ツクールで忙しそうだし、実際忙しいだろうから無理ない範疇でね
449
:
数を持たない奇数頁
:2015/03/07(土) 22:46:49 ID:VfwCi7Jw0
無理そうなら西口にブン投げればいいよ
450
:
数を持たない奇数頁
:2015/03/08(日) 18:15:58 ID:VUmtoc7Y0
「ドアニン=サンは甘えが酷すぎる!いやーっ」
451
:
どあにん
:2015/03/11(水) 23:22:02 ID:jIzmNyJw0
明日くらいにはできそうデェス
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