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それは連鎖する物語Season2 ♯2

410数を持たない奇数頁:2015/02/02(月) 12:25:19 ID:vuZYJwwA0
「狗の躾が行き届いているようだな、伏神劔。頭領冥利に尽きるか?」
 竜が嘲る。
その言葉に劔は憤るどころか、興味深そうに目を細めた。
「それを知っているという事は、貴様どうやら四拾七氏、ないしそれに近しい者、という事らしいな。一つ聞きたいことが出来たぞ、竜」
「答えると思うか?」
「答えぬのならそれでもいい。だが問わせて貰う。――お前は五年前、もうこちらに来ていたか?」
 問いの意味が、理解できなかった。
蒼竜は怪訝そうに顔を歪め、無言だ。
劔は答えろと催促するでもなく、しばらくその表情を眺めていたが、やがて「……そうか」と小さく呟き、安堵にも似た表情を浮かべた。
「どうやらお前は、五年前の儀式とは何のかかわりも無かったようだ。良かったな、竜。貴様は一度殺すだけで済ませてやる」
 右手に携えた刀を腰溜めに構え、伏神劔は轟然と言い放った。
蒼竜は、嗤う。笑う。哂う。
「図に乗るなよ、狗め。竜の力の片鱗を振るえるだけで得意顔とは、片腹痛いぞ!」
 両翼が広がり、旋風が劔の頬を撫でた。
その風の中に、どこか刃めいた寒々しさを感じつつも、伏神劔は不動だ。その瞳に一片の容赦も、油断も無い。
「伏神家終代当主、伏神劔。一刀、馳走仕る……!」


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