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椿姫彩菜とセメンヤで考える、性について
142
:
神奈川一区民
:2010/11/03(水) 09:17:33
リッキー・マーティンさんが自伝を出版
プエルトリコ出身の歌手、リッキー・マーティンさん(38=写真)の自伝「Yo」(私)が2日、出版される。自伝で
マーティンさんはプエルトリコの少年時代から国際的なスター歌手になるまで、また、ゲイを告白したことなどを
生々しく書いている。
自伝は英語版とスペイン語版が発売され、1980年代の少年アイドルグループ「メヌード」時代からソロとしての
活動、90年代後半に英語で歌うようになったこと、今年3月のゲイのカミングアウト、代理母出産によって双子の
子供の父親になったこと、国連児童基金(ユニセフ)親善大使としての、また「リッキー・マーティン財団」を
通じての慈善活動などが描かれている。
マーティンさんはソロに転じてからの約20年間で、全世界で6000万枚以上のアルバムを売り上げ、
グラミー賞を5度受賞している。1999年には「リビング・ラ・ビダ・ロカ」が大ヒットした。
ソース
http://www.jiji.com/jc/a?g=afp_cul&k=20101102025918a
143
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:00:31
http://mainichi.jp/select/science/news/20101101ddm001040057000c.html
性分化疾患:乏しい支援 「男か女か、自分は何者?」 成人患者が苦悩
<追跡>
染色体やホルモンの異常で男性か女性かが明確に区別しにくい「性分化疾患」について、小児医療の分野で初の実態調査や診療の底上げが本格化してきた。日本小児内分泌学会は10月、過去5年間の受診者は未成年だけで少なくとも3000人に上ると公表。長年タブー視されてきた疾患にようやく光が当たり始めたが、成長後の患者への支援はなお乏しく、人知れず苦しむ人は後を絶たない。
<私の主治医はこの病気を診るのが初めて。心配です><子どもは望めませんか>
奈良県桜井市で内科クリニックを開業する岡本新悟医師(64)は性分化疾患の一種「クラインフェルター症候群」の患者から10年間で約800件のメール相談を受けた。思春期以降に気付くことの多い染色体異常の疾患で、約1000人に1人の割合で生じる。性器などは基本的に男性だが、人によっては乳房が膨らむ。ホルモンが不足し骨粗しょう症や内臓疾患になることもある。
性腺の疾患の治療に長く携わってきた岡本医師をインターネットなどで知り、九州から通院する人もいる。「治療を受けたいのに、どこを受診すればいいのか分からないという人が少なくない」と岡本医師は話す。
性分化疾患は出生後の性別判定を担う小児科でも専門医が少なく、成長後も診察できる医師はさらに限られる。患者を30年以上診てきた菅沼信彦・京都大教授は「時間をかけ患者の心と向き合わなければならない疾患のため、医師が敬遠しがちなのではないか」と指摘する。
*
「男でも女でもない。自分は何者なのか」。東京都内のグラフィックデザイナー(35)は男性的な発達が不十分で、小学生のころからいじめられた。20代になると内臓疾患を次々と発症。そのたびに医師らは「治りが悪い」と首をかしげたが「原因不明」「まあ大丈夫」で済まされた。
自分の体で何が起きているのか。ネットで調べるうちにクラインフェルター症候群を知り、2年前、大病院で染色体検査を受けた。思った通りだった。
病名は分かったものの、専門医が見つからない。人づてに聞いた薬を個人輸入して飲んだが、心も体も男性と女性の間を揺れ動き、頭痛や倦怠(けんたい)感が増すばかり。ネットで出会った患者仲間の情報で専門の小児科医を訪ねると「ここでは18歳以上は診られない」と経験豊富な泌尿器科を紹介された。今年5月に男性ホルモンの補充を始め、今はやっと自分を男性と感じられる。
同学会は今後も実態調査を続け、患者が直面している課題を探り支援に反映させる考えだ。しかし調査対象を小児科医に絞っているため、クラインフェルター症候群など成長後の患者は受診者の概数さえ把握できない。
グラフィックデザイナーが治療を始めて約半年が過ぎた。「随分遠回りしてしまった。何に迷ってきたのだろう」。階段を上るだけで息が切れた体は、富士山に登頂できるほど元気になった。それでも「おかしいと気付きながら、なぜどの医師も原因を探ろうとしてくれなかったのか」との思いは消えない。
専門医の一人、大阪府立母子保健総合医療センターの島田憲次医師(泌尿器科)は言う。「性分化疾患は男女どちらに決められて育っても不全感を抱いて生きていく。医療者が連携し、患者の人生を見守っていかなければならない」【丹野恒一】
==============
■ことば
◇性分化疾患
通常は男女どちらかで統一されている性器や性腺(卵巣・精巣)、染色体の性別がそれぞれあいまいだったり、一致せずに生まれてくる病気の総称。70種類以上あり、病態はそれぞれ異なる。「半陰陽」「両性具有」などとも呼ばれてきたが、蔑視(べっし)的な響きがあるとして、日本小児内分泌学会が昨年10月、この総称に統一することを決めた。
144
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:05:18
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040001000c.html
境界を生きる 性分化疾患/1 診断「100%の正答ない」
男か女か。人生を左右する重大な決定が新生児医療の現場で揺らいでいる。染色体やホルモンの異常により、約2000人に1人の割合で発生するとされる性分化疾患。医師たちはどのような判断を迫られ、患者や家族はどんな思いを抱えているのか。【丹野恒一】
◇染色体、生殖能力…要因複雑/ずさんな性別判定、今も
「あの子、女らしく育ってくれるだろうか」。東京都世田谷区の国立成育医療センター。性分化疾患の研究・治療で国内をリードする一人、堀川玲子・内分泌代謝科医長は、センターが開所した02年から診察を続けている一人の子の成長がずっと気になっている。
その子は生後約1年で、地方のある大学病院から「陰茎(ペニス)の発達異常がある男児だが、男性ホルモンをいくら投与しても大きくならない」と紹介されてきた。しかし、詳しく検査してみると染色体は女性型のXXで、子宮や卵巣もちゃんと備わっていた。男性ホルモンの過剰分泌が原因で女性の陰核(クリトリス)が陰茎のように肥大する病気と分かった。いわば、女の子が無理やり男の子にされようとしていたのだ。
両親と話し合い、性別と名前を女の子に変える法的手続きを取ることを決めた。家族は周囲にその事実を知られぬよう、県内の別の市に転居した。堀川医師は今も定期診察で年に2回その子に会うが、言葉遣いや様子は男っぽく、遊び相手も男の子ばかりという。「不必要で過剰な男性ホルモンを投与したからではないか」と心配でならない。
こうした事例はのちも続く。今年初め、別の大学病院から紹介されてきた子にも外性器の発達異常があった。判断が容易な症例ではなかったが、基本的な染色体検査さえされぬまま「どちらかというと外性器の形状が女に近い」という理由で女性と決めつけられていた。センターでの検査の結果、染色体は男性型のXY、不完全ながらも性腺は男性ホルモンを作っていた。
堀川医師は「どちらの例も、慎重に診断していれば、最初に選ぶべき性が逆だったはず」と表情を曇らせる。
*
医師の間でもタブー視されてきた性分化疾患が今以上に闇に置かれていた時代、患者はもっと低レベルの医療を受けざるを得なかった。日本小児内分泌学会性分化委員長の大山建司・山梨大教授は「男性器を形成するのが技術上困難だった80年代ごろまでは、医師の間では当然のように『迷ったら女にしろ』と言われていた」と打ち明ける。
特に、性分化疾患の中でも約2万人に1人と発生頻度が高く、外性器からでは男女の区別がつきにくい先天性副腎皮質過形成の場合は「当時の性別決定のうち、約15%は誤りだったとも言われている」。
ただし、原因が解明されてきた現在でも、容易には診断がつかないケースがある。染色体の異常の程度やホルモンの働き具合などが複雑に絡み合い、同じ病名がついても症状が全く違ってしまう。「どちらかの性で生殖能力があるか」や「将来、男女どちらだとより充実した性生活が送れるか」など、何を優先するかでも選ばれる性別は変わってくるという。「どうしても判断に迷うと、重圧で押しつぶされそうになる」「判定にはストレスを伴う」。ベテラン医師たちからもそんな本音が漏れる。
「この疾患ならば男性、これなら女性にするのが正しいという100%の正答がない。それが性分化疾患の難しさ」と大山教授は話す。
145
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:05:29
*
大阪府和泉市の府立母子保健総合医療センターでは90年代初め、あるトラブルがあった。
性別の判定が難しい子が生まれた。主治医は親に性別を決めるまでにはまだ時間がかかると説明したが、祖父は「性別がはっきりしないと田舎はうるさいので困る」と迫り、父親は「外に出せないような子だと近所でうわさになっている」と訴えた。
医師はせかされるように、この子は女性であると決めた。しかし、両親は出産直後、助産師が軽率に「とりあえず男でいきましょう」と言うのを聞いてしまっていたため、診断への不信感を長く引きずることになった。
同センターではこの問題をきっかけに、性分化疾患の疑いがある子が生まれたときの医療体制を決めた。子どもの症状を一人の医師が判断するのではなく、小児科や泌尿器科、産科、新生児科など複数の医師が集まり、それぞれの分野の経験と知識を出し合って結論を導き出す。
同時に、親に説明する際の留意点もまとめた。泌尿器科の島田憲次主任部長は「言葉の使い方一つで、親の受け止め方は違ってくる。『だと思う』といったあいまいな言い方はしないよう申し合わせた」と話す。
*
こうした取り組みはまだごく一部でしか行われていない。堀川医師は訴える。「顕在化している問題事例は氷山の一角に過ぎない。不適切な診断を受けたまま、つらい人生を歩んでいる人がたくさんいるだろう。医師は子どもたちの一生を決める責任を背負っている。まずはその自覚が必要なのです」=つづく(次回は性分化疾患の当事者の話です)
………………………………………………………………………………………………………
◇性分化疾患
人間は一般的に、外性器・内性器や性腺(卵巣、精巣)、染色体のすべてが男女どちらかの性で統一されているが、それぞれの性があいまいだったり、食い違って生まれてくる病気の総称。出生後、男女どちらが望ましいかを決めた後、ホルモン治療や性腺の摘出、外性器の形成手術などで、選んだ性に近づけていくことが多い。不適切な判断を減らすため、日本小児内分泌学会は10月、初の症例調査に乗り出し、性別決定までのガイドラインを策定する。
146
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:05:52
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040002000c.html
境界を生きる 性分化疾患/2 揺れ動く心と体
◇染色体混在、男性で出生届/20代…やっと女性化治療
心と体の性が一致せずに悩むのが性同一性障害。混同されやすいが、性分化疾患は体の性を決めるいくつかの要素(遺伝学的性、外・内性器の性、性腺の性など)が一致せず、それぞれが中間的だったりもする。心も体も男性と女性の間を揺れ動き、生きづらさを抱える人もいる。
「よく隠し通せたね」。関東地方でIT技術者として働く真琴さん(25)=仮名=は時々、高校時代の女友達にそう言われる。当時の真琴さんは男子生徒。本当のことを打ち明けられたのは卒業してからだった。「男女どちらかにはっきり属していたら、友達をだますようなことをしなくても済んだのに」。罪悪感に苦しんだ思い出がよみがえる。
真琴さんの体には卵巣や子宮があるが、染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。小さな陰茎(ペニス)があったためか、両親は男性として出生届を出し、男の子用のおもちゃを買い与えた。
しかし成長するにつれ、男の子の輪に入りづらくなった。中性的な雰囲気があるのか、小学校では「おとこおんな」といじめられた。
5年生の春、信じられないことが起きた。体育の授業中、足を伝って血が流れているのを女子に指摘された。生まれつきの異常があることは親から少しは聞いていたが、まさかの初潮。「ばれたら、いじめがひどくなる」。男子から「女みたいなにおいがする」と言われ、トイレ用の脱臭剤を下着に入れて登校した。
その半年後、朝礼で貧血を起こして倒れ、大学病院を受診した。そこでの事は今も深い心の傷になっている。
大勢の医師や医学生に取り囲まれる中、体中を検査された。男子学生たちが「インターセックス(性分化疾患)ってこんなふうなんだ」と、好奇の目を向ける。「私は見せ物じゃない」と言いたくても言えず、勇気を振り絞って検査の目的を尋ねた。返ってくるのは医学用語ばかり。「黙って従え」という意味と受け止めた。
*
中学に入ると、体力が男子についていけなくなり、親と医師の薦めで男性ホルモンの投与を受け始めた。どんどん男っぽくなる体が嫌だったが、喜ぶ両親を見ていると、治療をやめたいとは言い出せなかった。
心と体が乖離(かいり)し、気持ちをどう保っていいのか分からない。でも生理が来ると落ち着いた。大きくなった胸にさらしを巻いて隠していると「そんなことで悩むひまがあったら、受験勉強しなさい」と親に言われ、手術で胸を小さくされた。「また一つ、大切なものがなくなった」と思うと、病室のベッドで涙があふれてきた。
同級生たちに恋人ができていく。「異性と付き合うって、どんな感じだろう」。高校で女子から告白され、受け入れてみたこともある。自分が男か女かで揺れていては、長続きするはずがなかった。
大学に進んでからはホルモンバランスが崩れ、1年半の入院と自宅療養を強いられた。
*
随分と遠回りをしたが、真琴さんは最近やっと女性化のための治療を始めることができた。通院していた病院で出会った友達の一言があったからだ。「生きたいように生きなよ」。友達はその後、別の病気で亡くなった。
10年近くにわたる男性化治療で外見は男性に近づいてしまったが、初対面の人に女性とみられることが増えてきた。ふと気づくと、かつてのように性別のことばかり考えていない自分がいる。そのことがうれしい。【丹野恒一】=つづく(次回は性分化疾患の子を持つ親の話です)
147
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:06:38
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040003000c.html
境界を生きる 性分化疾患/3 子の性別、親が選んだ
◇食い違う診断、病院を転々/不安、自責…「娘は私を恨むだろうか」
東日本に住む敏子さん(37)=仮名=が長女美咲ちゃん(4)=同=の異変に気付いたのは生後5カ月の時だった。オムツを替えていると、陰核(クリトリス)がそれまでより少し大きくなっていた。「赤ちゃんって、こんなものかな」。それ以上深くは考えなかった。
その後、美咲ちゃんが風邪で小児科にかかった時、念のため医師に尋ねた。答えは「一人一人違う。いくらでもあること」。医師が言うのだから大丈夫。そう自分に言い聞かせた。
だが生後10カ月のある日、平穏な暮らしが揺らぎ始める。朝、かつてかかったことのある総合病院の小児外科を受診すると、医師が少し焦った様子で言った。「(陰核が)以前はこんな大きさじゃなかったはず。午後、小児科を受診してください」。胸がざわついた。
昼休み、待合ロビーで長椅子に腰掛けていると、先ほどの医師が静かに隣に座ってきて、こう告げた。「娘さんはもしかすると男の子かもしれませんね」
傍らで、つかまり立ちできるようになったばかりの美咲ちゃんが、窓から差し込む冬の日差しを受けて無邪気に遊んでいる。「この医師はいったい何を言ってるの?」。言葉が出ない敏子さんを残し、医師は立ち去った。
そして午後。診察室に入ると、小児科の部長が待っていた。思わず身構えたが、部長は自信なさげにパソコンに向かって症例を検索するばかり。そうこうするうちに血液検査の結果が出た。「問題なし。心配しなくていい」。ただし、陰核を小さくする手術だけは必要と言われた。
食い違う診断。安心できたと思うと突き落とされ、再び安心し、そしてまた……。医療への不信感が芽生えた。
その小児科部長に紹介された大学病院でも同じだった。初診で「異常ないと思います。念のため染色体の検査をしましょう」と笑顔を見せた内分泌医が、1カ月後に受診すると明らかに動揺している。「こんな子、診たことがありません。染色体検査では女か男か分からない。詳しい医師が関東にいるので……」
*
こうして美咲ちゃんの1歳の誕生日を前にたどり着いたのが、現在の主治医だ。太鼓判を押されて紹介された病院だけに、数々の検査の末に告げられた診断結果は重かった。
美咲ちゃんには子宮や膣(ちつ)はあるが、卵巣ではなく精巣がある。遺伝学的には男女の区別がはっきりせず、どちらかというと男性に近い。ホルモン治療をすれば月経が始まるけれど、妊娠はできない。合併症で低身長や難聴の症状が出る−−。
楽観主義の夫(34)はそれまで医師に何を言われようと「美咲に限って」と耳を貸さなかった。でもその日は違った。診察室を出てからも、口を開こうともしなかった。
約1カ月後、病院で今後の治療方針を話し合った。医師は夫婦に「女の子と男の子のどちらで育てたいですか」と尋ねてきた。動揺がおさまらない夫婦には、親が子どもの性別を選ぶということを不自然に思う余裕もない。「今まで通りに女の子として育てられるなら……」。医師はその答えを待っていたのか「既に女の子として養育している状況などを総合的に考えると、それがいいと思います」と言った。
それから1カ月もたたないうちに、まず精巣を摘出。陰核を小さくして外陰部をより女性らしくする手術も受けた。今後は経過観察を続け、低身長が著しくなれば成長ホルモン、思春期を迎えるころには女性ホルモンの投与を始めるという治療方針が立てられた。
148
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:06:49
*
いま、美咲ちゃんは多少病気がちながらも女の子として元気に幼稚園に通っている。しかし、友だちと遊ぶ様子を見ていて、敏子さんは気になってきた。かわいらしい服装を好む半面、男言葉を使うことがあり、昆虫が大好きで、人形遊びは嫌い。
主治医に検査結果を示された時、染色体や性腺の性についての説明は受けたが、心の性がどのように育つのかを聞いた覚えはない。「この子が将来、自分は女性ではないと思うようになり、手術を受けさせた親を恨むことはないのだろうか」。そしてこうも思うようになった。「男でもなく女でもない、生まれてきた体そのものが、この子には最も自然だったのではないか」
昨秋、インターネット上に性分化疾患の患者や家族が集うサイトを見つけ、悩みを書き込んでみた。「性別を決めるのが早すぎたのではないですか」「子どもの疾患を気遣うばかりに、家族の生活が回らなくなることもあります」。厳しい指摘もあったが、当事者にしか分からない思いや情報に触れ、暗闇から一歩抜け出せた。
サイトにはその後も社会から孤立した親たちの相談が絶えない。敏子さんは自然と、それに答え、支える立場になった。「あの不安を私は知っているから」【丹野恒一、写真も】=つづく(次回は6日、本人への告知をめぐる課題です)
◇性別意識する仕組みは
人間は自分自身をどのようにして男性(または女性)であると認識するのか。まだ十分ではないが、男性であることを意識するメカニズムは少しずつ解明されてきた。
受精卵から細胞分裂が進み精巣ができると、そこから男性ホルモンが分泌される。それを脳が浴びることで、成長後に自分を男性と認識したり、男性的な行動を取るようになるという考え方がある。一方、成育環境や体の外見をどう自覚するかも加わり、複合的に決まるという説もある。
女性と判定された性分化疾患の子から精巣を摘出しても、その前段階で脳が男性ホルモンを多く浴びていれば、意識は男性寄りになることもあるとみられる。性別判定の際にどこまで考慮すべきかが課題となっている。
149
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:07:56
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040005000c.html
境界を生きる 性分化疾患/4 告知…娘は命を絶った
◇「いつ、どう伝えたら」悩む親、医療現場 重い事実、求められる心のサポート
一昨年9月、西日本で一人の医学生が自ら命を絶った。自分に性分化疾患があると知って間もなくのことだった。悲しみの中にいる父親が「あの子が生きた証しを残したい」と、一人娘の21年の人生を記者に語った。
由紀子さん=仮名=は生後6カ月の時、卵巣ヘルニアの疑いで手術を受けた。自分も医師である父正継さん(54)=同=は手術に立ち会い、執刀医の言葉にぼうぜんとした。「卵巣ではなく、精巣のようです」
検査の結果、染色体や性腺は男性型だが外見や心は女性になる疾患(完全型アンドロゲン不応症)と分かった。夫婦は迷わず女性として育て、本人には「小さい時に卵巣の手術をした。生理はこないかもしれない」とだけ伝えた。
「出産も結婚も望めない。せめて一人で生きていける力をつけてやりたい」。両親の願いに応え、由紀子さんは医学部に合格。正継さんは「これで体のことを理解できるようになる。医者になるころにすべてを知るのが一番いい」と思った。だが、そうはならなかった。
大学1年生のクリスマス。由紀子さんは同級生から告白され、交際が始まった。翌春、初めての性交渉がきっかけで生理に似た出血が1週間続き、母親に相談した。正継さんは「昔の診断は間違っていたのではないか」と淡い期待を抱いた。改めて診察を受けようと、娘に初めて病名を伝えた。夏、由紀子さんは「誰にも知られたくない」と、遠くの病院で検査を受けた。
そこで告げられたのは、親子のわずかな望みをも断ち切る残酷なものだった。
染色体は男性型の「XY」。子宮や卵巣はなかった。「あの医者、どうしてさらっと『子宮はないね』なんて言えるの?」。そう憤る娘が痛々しかった。
診断から1カ月後。由紀子さんは下宿の浴室に練炭を持ち込み、自殺した。室内に遺書があった。「体のこと、恋愛のこと、いろんなことがあって……」。携帯電話には自殺直前に彼氏とやりとりしたメールの記録が残っていた。
由紀子さんは自分の疾患のことを彼氏に打ち明け、距離を置こうと切り出されていたという。まだ若い学生が抱えるには重すぎる事実だったのだろうか。
娘を失って2年。正継さんは今も「もし過去に戻ってやり直せるなら」と考えてしまう。思春期を迎える前に病気のことを話し、異性との付き合いを制限すべきだった。そのせいで多感な思春期に道を踏み外し、医学生の夢をかなえることも、恋をすることもできなかったかもしれない。「それでも、生きていてほしかった」
150
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:08:14
*
95年から性分化疾患の自助グループ「日本半陰陽協会」を主宰する橋本秀雄さん(48)は部分型アンドロゲン不応症で、心身が男にも女にもなりきれない。親からは何も聞かされずに育った。
自分の中の違和感に苦しんできた橋本さんは32歳の時、覚悟を決めて母親を問いただした。母親は一瞬たじろいだ後、言葉を絞り出すように話し始めた。
3歳になっても外性器が小さいままで、国立大学病院を受診すると「半陰陽」だと言われた。男性ホルモンを投与したが、効き目はなく、治療をやめてしまった−−。
それを聞いた橋本さんは「半狂乱になって母をののしった」。自分の体がどう診断され、何をされたのか。病院に問い合わせたが、30年も前のカルテは残っていなかった。大切なことが分からないままになった。
母親への思いが変わったのは、自助グループを作ってからだ。多くの親たちの苦しみに触れ「母も精いっぱいのことをしたのだろう」と思えるようになったという。
*
本人への告知をいつ、どのようにすべきなのか。医療現場も揺れている。医師たちは親に「本人には絶対に黙っていて」と口止めされる一方で、成長後に自分の疾患を知った子からは「なぜもっと早く教えてくれなかったのか」と非難されることも多い。
東京都内のある専門医は、前の主治医から引き継いだ20歳の女性に「中学生になったころ手術を受けた記憶がある。私には睾丸(こうがん)があって、それを取ったのですか?」とストレートに聞かれたことがある。言葉を選んで説明したつもりだが、女性は言葉に詰まり、ぼろぼろと泣き出した。
「詳しく知らないまま楽しく暮らせている人もいる。すべてを話すことがいいことなのか」。あれから10年近く、医師にはまだ答えが見つからない。
大阪府立母子保健総合医療センターの島田憲次医師は「思春期にはある程度話さねばならない。でも、どこまで明かすべきかは常に迷う。悩みは深い」と話す。
立ち遅れてきた性分化疾患の医療。心のサポートも急務となっている。【丹野恒一】=つづく(次回は性分化疾患とスポーツについてです)
………………………………………………………………………………………………………
■ことば
◇アンドロゲン不応症
精巣などから分泌されたアンドロゲン(男性ホルモン)は受容体と結びついて初めて外見や心を男性化させる。受容体の一部が機能しない「部分型アンドロゲン不応症」は心身ともに性別があいまいになる。全く機能しない「完全型」は外見上女性のため出生時に気づかず、生理が来ないことなどを機に染色体が男性型であると知る人も多い。
151
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:10:50
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040006000c.html
境界を生きる 性分化疾患/5 金メダリスト、さらし者に
◇陸上の南ア・セメンヤ選手 薬物と偽り性別検査 「染色体、すべてではない」
8月25日、南アフリカ・ヨハネスブルクのオリバー・タンボ国際空港。到着ロビーはベルリン世界陸上選手権女子八百メートルで優勝したキャスター・セメンヤ選手(18)を励まそうと駆けつけた市民でごった返した。その数、数千人。大歓声に戸惑いながらも、セメンヤ選手はVサインを高く掲げ「ありがとう、ありがとう」と繰り返した。
セメンヤ選手が優勝後、並外れた競技能力と筋肉質の体格などから性別を疑われた問題は祖国南アを揺さぶった。政府は「彼女が黒人であり、欧州勢をしのぐ活躍をしたためだ」と声明を出し、国連人権委員会に申し立てる意向も示した。アパルトヘイト(人種隔離)政策を克服した国民が人間の尊厳を侵す問題に敏感に反応したのは当然の成り行きだった。地元紙ザ・タイムズは「彼女の外見を創造したのは神様」との祖母マプシさん(80)の言葉を紹介した。
だが9月に入り、海外メディアが「医学的検査の結果、男性と女性の生殖器を持つ両性具有であることが分かった」と報道、性分化疾患の疑いを指摘した。南ア陸連が禁止薬物使用(ドーピング)検査だとうその説明をして性別検査を実施していたことも発覚。国際陸連は11月までは最終的な決定をしないとの姿勢で、真相はいまだ定かでない。
*
「なぜ彼女は世界のさらし者にされなければならなかったのか」。日本陸連医事委員の難波聡・埼玉医科大産婦人科講師(臨床遺伝学)は「スポーツの世界では繰り返されてきた問題。本人の尊厳のためにも情報がオープンにならないよう徹底されていたはず」と憤る。
難波医師によると、女性選手に一律の性別検査が行われた最後の五輪は96年のアトランタ大会だった。この時、検査した3387人のうち8人に男性型を示すY染色体があったという。それでも、全員が女子競技への参加を許された。なぜか。
女子競技では主に性別をめぐる二つのケースが問題になる。一つは男性が女性と偽って出場したり、何らかの事情で女性として育てられ紛れ込んでいる場合。もう一つが性分化疾患だ。メダルはく奪などの処分が下されるのは「偽り」がほとんどで、性分化疾患の場合は必ずしも処分されるわけではない。「染色体は判断材料の一つにはなるが、すべてではない。重要なのは男性ホルモンがどれだけ競技能力に有利に働いているかの判断」という。
世界陸上のように最高レベルの身体能力を持つ選手が集まる大会では、性分化疾患によって男性ホルモンが強く働いている女子選手が一般社会以上の割合で見つかるのは必然だ。難波医師は「世界の目が集まる場で女性選手が精神的に傷つけられることが繰り返されてはいけない」と話す。
*
セメンヤ選手の故郷は南アフリカ北東部にある小さな村だ。「プアレスト・プア」(最貧困地区)として知られ、電気、水道などの整備も進んでいない。親族の一人は「女の子として生まれ、育ててきた。私たちの自慢の子なのに、何が問題なのか」と訴える。
9月上旬に発売された地元の雑誌「YOU」はセメンヤ選手を特集した。表紙には黒いドレスにネックレスをつけた写真を掲載。本人はインタビューにこう語っている。「私は私であることが誇り」
海外メディアが「両性具有」と報じた翌日、セメンヤ選手は国内レースの出場を取りやめ、その後は公の場に姿を見せていない。【丹野恒一、ヨハネスブルク高尾具成】=つづく(次回は性別をめぐるさまざまな議論についてです)
152
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:11:24
http://mainichi.jp/feature/sanko/news/20091115org00m040007000c.html
境界を生きる 性分化疾患/6止 存在、認める社会に
◇「男と女」だけなのか 決定にモラトリアム必要 「個性…でも疾患」
「人間を男と女だけに分けるのは時代遅れ」「真ん中の性を認めれば、丸くおさまる」
日本小児内分泌学会が性分化疾患のある新生児の性別を判定するためのガイドラインを策定することが明らかになった先月末以降、インターネット上には性別を男女だけに分けるという大前提に疑問を投げかける書き込みが相次いでいる。
一見、非現実的にも思えるが、かつて同様の考えを論じた文章が医師や法律家の間に波紋を広げたことがある。日本生命倫理学会初代会長の星野一正・京都大名誉教授が00年に法律雑誌に載せた論文「性は『男と女』に分けられるのか」だ。
星野氏は日米両国で産婦人科医として数多くの分娩(ぶんべん)に携わり、性分化疾患の新生児にあいまいな性別判定をせざるを得なかった過去の反省に立ち「研究の進歩によって、ヒトを男女に二分して性別を正確に決定する基準を設定しようとすること自体が不可能に近いことが分かってきた」と指摘。そのうえで「男か女かのいずれかの性別のみを記録することを義務づけている現行の法律は即刻改正すべきだ」と言い切った。
星野氏と親交があった日本半陰陽協会主宰の橋本秀雄さんによれば「男にも女にも違和感を覚えてしまう多くの当事者の実態に即した考え方だったが『アメリカかぶれの机上の空論だ』と一笑に付す学者もいたようだ」。
この「空論」がすぐに受け入れられるほど社会は柔軟ではないが、患者が置かれた状況がこのままでいいとはいえない。
性分化疾患や性同一性障害がある人の診察経験が豊富な「はりまメンタルクリニック」(東京都)の針間克己院長も、性の男女二元論には懐疑的な立場だ。性分化疾患の患者が自ら感じる性別は、男女半々だったり、7対3だったりする。さらにそれが時々入れ替わる人や、年とともに変わる人もいるという。
こうした人たちを男性か女性か、明確に分けることはできない。でも社会生活を営むにはどちらかの性別を割り当てる必要がある。そこで針間院長は「性別判定には時間がかかるとの前提に立ち、性別が決まらないモラトリアム(猶予期間)の必要性を社会に訴えることこそが、今医師に求められているのではないか」と提言する。
*
こうした議論は当事者自身の目にはどう映っているのか。
男性ホルモンの不足で第2次性徴が全く来なかった大学3年生、裕司さん(22)=仮名=は女性と間違えられる外見を「ある意味で自分の個性」と感じつつも、もっと男性らしくなりたいと思い、男性ホルモンの投与を受けている。声が低くなり体毛が濃くなると、今度は予期しなかった喪失感を覚えたという。
そんな複雑さを抱える裕司さんだが「第三の性があってもいい」「そのままの自分に誇りを持って」との意見には違和感がある。「患者を気遣ってくれているのかもしれない。でも社会は男か女かの区別を前提として動いている。男性として生きたい自分にとって、今の状態は『疾患』以外の何物でもない」
性分化疾患の患者や家族たちは長い間、孤独な状況に置かれてきた。社会はどう向き合うべきなのか。「まずは存在を知ってほしい」。当事者の多くは訴える。【丹野恒一】=おわり
153
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:12:22
◆作家・精神科医、帚木蓬生さんに聞く
◇「無関心は恥になり、罪になる」
作家であり、現役の精神科医でもある帚木蓬生(ははきぎほうせい)さん=写真=は昨年、性分化疾患をテーマにした小説「インターセックス」(集英社)を刊行した。このテーマに挑んだ動機や伝えたかったメッセージを聞いた。【聞き手・丹野恒一、写真・渡辺亮一】
−−なぜこの病気を取り上げたのですか。
◆先端医療を手掛ける天才医師の暴走を描いた小説「エンブリオ」の続編テーマとして性転換について調べるうちに、この問題を知りました。資料を集めてみると医師の私でさえ知らないことばかり。これは書かねばならないと思いました。
−−反響は?
◆この疾患を持つ30代と思われる女性からの手紙が衝撃的でした。男性の外性器があり、誰にも知られないように生きてきたけれど、作品を読んで「自分だけではない」と知ったとのこと。母親でさえ気付いていなかったようで、物心がついてからは裸を見せないようにしているそうです。彼女は死ぬまで秘密にしていかねばならないのだろうと思うと、つらくなりました。
−−医師の立場で思うことは?
◆医学の世界で現状を変えていこうという声が大きくなっていかないのは、横のつながりが少ないからでは。そもそも医者というものは薬が効かない病気は初めから存在しないと思いがち。性分化疾患は医療のアキレスけんとも言えます。取り巻く状況は、放っておいたら50年変わらないでしょう。
−−読者に伝えたかったことは?
◆ある登場人物がこう語る場面があります。「無関心はとてつもない恥になり、ついには罪になる」。知らないことはいけないことで、知ろうとしないのは最もいけないことです。
154
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:17:34
http://mainichi.jp/select/science/news/20101101ddm013100024000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/1 手術3回、心と離れる体
◇本心、母に隠し続け/悩みに応える専門家必要
深夜、井端美奈子・大阪府立大准教授(母性看護学)の携帯電話に性分化疾患の若者たちからメールが届く。
<診察室では言えませんでした。今から電話していいですか>
染色体やホルモンの異常で男女の区別が不明確な性分化疾患は、思春期のメンタルケアが不可欠だ。家族も含めた支援を始めて3年。電話は時に2時間にも及ぶ。
今年最も心配したのは先天性副腎過形成の10代の少女だった。出生時に外性器が男性化していて手術を受けた。中学生になっても月経がないことなどを悩み、不登校に。その後彼氏ができて体が女性的でないと指摘されたのが心の傷となり、乳児期の手術を隠していた親へのうらみも重なってリストカットを繰り返していた。
悩みを知った井端さんは泌尿器科医に伝え、不完全な外性器をさらに女性らしくする手術が実施された。少女からその後届いたメールには、こうあった。<やっと普通の女性と同じスタートラインに立てました>
井端さんは「しっかり悩みを受け止められる専門家をもっと養成しなければ」と話す。親にも言えず悩みを抱えこんでいる若い患者は少なくない。
*
中国地方のグループホームで働くあかねさん(21)=仮名=には幼いころから「飲まないと死んでしまう」と言われてきた薬がある。親に隠れて服用をやめたのは高校に入ったころ。「これで死ねると思った。手首を切る勇気はなかったから」
あかねさんも生後間もなく先天性副腎過形成と診断された。1歳半と6歳で性器を女性化する手術を受け、ホルモンの分泌を調節する薬で男性化を抑えてきた。しかし中学2年のとき、女の子を好きになって悩み始めた。女子トイレに入るたびに、罪を犯しているような感覚に襲われた。
そのころまだ、母栄子さん(54)=同=はわが子の本心に気づいていなかった。
不妊治療がうまくいかず、結婚7年目にようやく授かった命。胸に抱いて感謝の気持ちに包まれたのもつかの間、別室に連れて行かれた。「女の子ですか?」と尋ねても「後で分かります」としか言われなかった。
病気の説明を受けた栄子さんは医師に「早めなら小さな手術で済む」と勧められ、従った。だがあかねさんの心は成長とともに、選んだ治療とは反対の性へ向かった。
最後の手術は高校3年の夏休み。前回に形成した膣(ちつ)を広げた。あかねさんは「無理やり女にされてしまえばあきらめがつく」とも思ったが、手術後、体と心の痛みで涙が止まらなかった。
そして昨夏、ささいな親子げんかがきっかけで、泣きながら告白した。「一生言わないつもりだったけど……」。今から男になりたいと言えば、母が苦しむと思ってきた。その思いを知った栄子さんは現実から逃げない覚悟を決めた。
心と体の性別が一致しない性同一性障害の医療で有名な岡山大を受診した。医師に「(女性化手術を)なぜ嫌だって言わなかったの?」と言われ、あかねさんは返す言葉がなかった。
男性として生きることを目指し、わが子が新たな治療に踏み出した日。栄子さんはブログに思いをつづった。
<私は産んだときからずっと幸せ。だから、生まれたときからあなたも幸せになってもらいたくてね。つらいことにも意味がある。あなたのものさしで幸せになってほしい>【丹野恒一】=つづく
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◇先天性副腎過形成
男性ホルモンが過剰に分泌する疾患で、約1万8000人に1人の割合で起きるとされる。女性として生まれた場合、性器が男性化したり、性格が男っぽくなる人もいる。海外では女性として生きている人の約5%が性別への違和感を持っているとの研究報告もある。
155
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:18:23
http://mainichi.jp/life/today/news/20101102ddm013100021000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/2 女子校進学後、戸籍「男」に
◇性別空欄で出生届/学校側は治療に難色
この夏、東日本の高校1年、空さん(15)=仮名=は、ずっと気になっていた出生時のことを母に尋ねた。母はこう教えてくれた。
「あなたが生まれてすぐ、お医者さんに『男の子にするより手術が簡単だから、女の子にしましょう』って勧められたの。でもお父さんとお母さんは悩んで『このまま育てて、本人に決めさせたい』ってお願いしたのよ」
空さんの体には卵巣と精巣がある。染色体は女性型と男性型が混在する「XX/XYモザイク型」。外見で男か女かを判断できなかったため精密検査を受け判明した。両親は性別欄を空欄にしたまま出生届を出した。医師は顔をしかめたという。
最初のハードルは幼稚園に入る時だった。制服を男女どちらかに決めなければならなかった。体が弱かったこともあり、両親はひとまず「女」を選んだ。
空さんは自分が男女どちらかを意識することもなく伸び伸びと育った。周囲にすすめられるまま、親族が卒業した中高一貫の女子校に進学した。
ところが入学1年目の宿泊行事でいきなり問題が起きた。大浴場で自分の体を見た同級生たちが騒ぎだしたのだ。他の人と一緒に入浴したのはこれが初めてだった。「本当は男なんじゃないの?」。その後もヒソヒソとうわさ話をされているような気がして、楽しかった学校が突然居づらい場所になった。
「自分はみんなと違う」と気付いてから、次第に「自分を女とは思えない」という気持ちが強まった。中学2年のとき、母親に打ち明けた。突然のことに両親は戸惑ったが、生きづらさを覚悟のうえで性別を保留にしてきたのはこの日のためでもあった。わが子が「男」を選んだ決断に反対はしなかった。
学校には入学前からこうなる可能性を説明していた。でも、いざとなると簡単ではなかった。「なぜこの学校に入ったのか」「お子さんの思い違いでは」。親子で呼び出されては、校長や理事長に厳しい質問を浴びせられた。
話し合いを重ね、中学3年の春、通学を続けられることになった。両親は空さんの戸籍を男性と届け出た。
そこから新たな問題が起きた。主治医に「すぐにでも男性ホルモンの補充を始めないと体に良くない。卵巣の摘出も急いだ方がいい」と言われたのだ。学校側に伝えると「あまり目立ってほしくない」と治療に難色を示された。8月からホルモン治療を始めたが、外見の変化を抑える程度にしているため、将来的に体に影響が出ないか不安だ。
心の支えになっている言葉がある。中学で退学を考えた時、担任教諭がこう言って踏みとどまらせてくれた。「人にはそれぞれ個性がある。他の人が何と言おうと、ありのままのあなたで、この学校にいてほしい」
*
性分化疾患では性的な成長が進む思春期に深刻な苦しみを抱えることが多い。いじめを恐れながら学校に通い続ける精神的な負担は、並大抵ではない。
「子どもたちの中に当事者がいることを認識してほしい」。奈良教職員組合は2月にセクシュアル・マイノリティーに関する教員向け冊子を作成した際、性分化疾患の説明を盛り込んだ。心と体の性別が一致しない「性同一性障害」は徐々に知られてきたが、性分化疾患は存在すら知らない教職員が多い。東優子・大阪府立大准教授(性科学)は「学校での対応を誤らないよう、教職員が正しい知識を持つことが必要だ。子どもたちにも『体の特徴は人それぞれ』と教えてほしい」と訴える。【丹野恒一】=つづく
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◇出生届の性別欄
男女の見分けが難しい子が生まれた際、医師が拙速に性別判定する例が後を絶たない。法務省によると、届け出期限は原則、出生から14日以内だが、性別と名前は空欄でも出せる。性別は届け出後でも、診断書を提出して家庭裁判所に認められれば変更可能だ。
156
:
チバQ
:2010/11/03(水) 15:18:50
http://mainichi.jp/life/today/news/20101103ddm013100195000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/3 成人後、女性化「パパは女?」
◇揺れる性別、「どう生きるか」模索
「お父さん、本当は女なんでしょ?」。小学4年生の一人娘が無邪気に聞いてくる。感覚的に分かるのか。これ以上「パパ役」を演じ続けるのは無理なのだろうか。
神奈川県に住むエンジニア(44)は6年前、思いがけず自分の疾患を知った。学生時代の持ち物を取りに実家に戻った日のこと。子どもができて自分自身が未熟児だったと思い出し、母に何気なく聞いてみた。「母子手帳、まだある?」
母はうつむき「小さな体にメスを入れていいのか、すごく悩んだんだけど……」と小声で話し始めた。出産直後、医師に「お子さんには男女両方の特徴がある。どちらにもできますよ」と言われたという。「男がもてはやされる時代だったから、男の子にしてもらったの。女の子のほうが良かった?」。母子手帳は出てこず、母に促され実家を出た。
暗い帰り道、涙をこらえきれず、川辺に長い間座り込んだ。
思い当たることはいくつもあった。10代のころは筋肉質のスポーツマンだったのに、20歳過ぎから柔らかな体つきになった。性交渉は嫌いで、職場結婚した妻(39)とは子どもを作ろうとした時だけ。30代半ばからは胸が膨らんできた。「不思議な現象のかけらが一つにつながり、パズルが完成したようだった」が、喜べるはずもなかった。
その日から周囲が違って見えるようになった。容姿、仕草、心。誰もが「男らしさ」「女らしさ」で輝いている。「こんな中間の人間は自分だけだ」と孤独感に襲われた。
どんな疾患で、どんな手術を受けたのか。生まれた病院を訪ねても記録は残っていなかった。検査を受け、染色体が男性型であることは分かった。それ以上知るのは怖かった。
救いは、妻があっさり受け入れてくれたことだった。「大丈夫。結婚前から男半分、女半分の人だと思っていたから」。自分は以前から家事が好きで、家族を引っ張るのは苦手。専業主婦の妻は冗談めかして「私が働こうか」と笑った。
女性化が進んだためか、腕力が衰え、体が覚え込んでいた力仕事が難しくなってきた。迷惑をかけぬよう同僚には事情を説明し、理解してもらっている。
女性的と言われるのが嫌だったのに、最近は「これは個性だ」と前向きにとらえている自分に気付く。「今の気持ちは男性と女性が半々。自分でも戸惑うことは多いけれど、本心を押し殺さず堂々と生きることが、いつか同じような人たちの力になると信じたい」
*
心の性別もはっきりしないことがある性分化疾患。男女に二分された社会の中で、悩み、迷いながら自分を見つける人たちがいる。
「自分がえたいの知れないもののような気がした」。東京都の田中彩さん(24)は男の子であることに小学2年生のころから違和感があった。中学に入ると胸が膨らんだ。うれしさの一方、男を演じるつらさが募った。
大学に入り、初めてメンタルクリニックを受診した。診断は心と体の性別が一致しない性同一性障害。さらに、男性的な発達が不十分で胸が膨らむこともある性分化疾患「クラインフェルター症候群」とも分かった。医師に「あなたは女性的な体なんだよ」と言われ、背負っていたものを下ろした思いがした。
しかし、当事者の集いに参加しても、同じ診断を受けた人は見つからない。「どう生きていけばいいのか」。女性として暮らす決意をしたが、両親の理解は得られず、仕事のストレスも重なりうつ病になった。
一度は職を失ったものの、今年9月、服飾関係の企業に障害者雇用枠で再就職を果たした。「男と女、どちらでもない中間から少しずつ女性の体に近づいていけるといい。生まれてきたからには、一生懸命生きる」【丹野恒一、五味香織】=つづく
157
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:33:06
ここかな?
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/11/post-1808.php
カンボジア「小児性愛天国」の悪名返上か
No Longer a Pedophile's Haven
取り締まり強化で欧米からの小児性愛者の検挙率は上がったが、もっと根深い問題が見えてきた
2010年11月17日(水)18時20分
ブレンダン・ブレイディ
この数カ月、カンボジアでは小児性愛者のニュースが紙面を賑わせている。少女17人(最年少は6歳だった)を買春したロシア人ビジネスマンは、刑期が17年から8年に短縮された。児童への性的虐待が疑われるスウェーデン人は母国メディアの取材に対し、カンボジアでは裁判官に賄賂を送って刑期を短縮させることがいかに簡単かを自慢げに語った。
同じく子供への性犯罪で現在、裁判にかけられているイギリス人は、05年に類似の容疑で十分な証拠あったにもかかわらず無罪となった男だ。性懲りもなくカンボジアに舞い戻ってきたということは、入国禁止の処罰もなかったらしい。
しかし、このような恥ずべき事態はこの数年で改善されつつある。時計の針を10年前に戻してみよう。イギリス人ロック歌手で小児性愛者のゲイリー・グリッターが、母国から逃げ出してカンボジアに移住してきた頃だ。彼以外にも外国人による小児性愛事件が目立っていた。こうしたことから、この東南アジアの貧しい国は「小児性愛者の格好の隠れ家」という悪名がついてまわるようになった。
当時は首都プノンペンの一画で子供たちが堂々と売られていた。NGOによる児童買春宿の捜査活動も、賄賂を受け取っている汚職警官のせいで失敗に終わるのが常だった。手ぬるい法律と現地の男たちの執拗な需要もあって、東南アジアは長く買春目的の旅行先になっていた。特にカンボジアは、長年にわたる内戦で、児童買春を規制する社会経済的・法的な土壌がまったく育たなかった。
しかしカンボジアは変わった。この国ではもはやグリッターのような男が何食わぬ顔で法を犯すことはできない。現地の活動家や欧米からの圧力を受けて、カンボジアは03年から取り締まりを強化し、その努力はさまざまな側面で成果を上げている。例えば、最近は欧米人の逮捕が地元の新聞で報じられる機会が多くなった。さらに米政府の人身売買監視国リストからも外され、おかげで国際援助を得られやすくなった。
取り締まりの網から漏れた地元民
「欧米の小児性愛者にとってカンボジアはもう安全な場所ではない」と、反小児性愛団体APLEのサムリーン・セイラ代表は言う。こうした変化は「わいせつ行為」で逮捕される人の増加にも表れている。APLEによれば、03年には8人だったのが昨年は36人に増えた。
APLEは買春目的の旅行者を追跡し、買春の証拠を集めて地元警察に渡している。だが問題はここで行き詰まりやすいことだ。カンボジアの警察や裁判所は、経験が浅い人材も多く資金も不足しているため、汚職や職務怠慢に走りやすい。
とはいえ、APLEによれば、こうした状況も改善されつつある。例えば、ある児童わいせつ行為事件を1年半前には「性行為に至らない愛撫」として審議を却下した裁判官が、今ではこの事件の審議に前向きだという。警察や司法に携わる人間が責任感を持ち始めている。
警察機能の向上で、欧米の小児性愛者の手口は巧妙になった。最近、別々の事件で逮捕された2人のイギリス人は児童保護のNGOを設立して、これを隠れみのに子供たちに悪さをしていたと見られる。プノンペン警察の人身売買撲滅・児童保護課のカオ・テア課長は、このような詐欺行為に警察当局はだまされないと自信を見せる。
「われわれは外国人による性的虐待を止めることができる。以前よりずっと経験をつんでいるからだ」と、テアは言う。それは本当だろう。だが人権団体は、外国人以上に厄介な存在が取り締まりの網から漏れていると指摘する。それは、児童買春市場に群がる地元民、つまりカンボジア人だ。
158
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:33:46
被害者に汚名を着せる文化
APLEによれば、03年以降に「わいせつ行為」などで逮捕された141人のうちカンボジア人は37人、他のアジアの国の出身者は19人しかいなかった。つまり141人のうち大半が欧米人だったということだが、実際はカンボジアで小児性愛犯罪に手を染める人の中で欧米人の割合はごくわずかだ。
児童保護NGOのECPATが10月に発表した報告書によれば、子供のときに売春していた人たちの多くが、客はカンボジア人だったと証言している。カンボジアにいる欧米人と地元民の割合を考えれば当然の結果にも思えるが、ECPATによればこれは「小児性愛は欧米人が犯す犯罪だという思い込み」を覆した。
「カンボジア人男性は、色白で見た目の若い美しい売春婦、つまり未成年を好む」と、ECPATカンボジア事務所のチン・チャンベアスナ代表は10月の会合で語った。さらに、これまで欧米人だけに目を向けてきたせいで、地元民による犯罪が見落とされてきたと付け加えた。
人身売買などの調査を行うNGO、SISHAのスティーブ・モリシュ代表は言う。「私が話した多くのカンボジア人男性は、相手は若いほうが良いと言い、それを隠すべきこととも思っていないようだった」
さらにカンボジアの文化では、事件の加害者よりも被害者のほうが風評で傷つけられやすい。今年発表された国際人権団体アムネスティ・インターナショナルのカンボジアについての報告書によれば、性的に虐待された少女は、地元社会から追放されることが多いという。一方で有罪となった加害者が汚名を着せられることはほとんどない。
こうした文化はそう簡単には変えられないため、政府はその犯罪が関心を集めやすい欧米人男性を標的にしてきなのだろう。だが人権擁護団体ヒューマン・ライツ・ウォッチのアジア局長代理フィル・ロバートソンはこう語る。「欧米人の小児性愛者は低い枝になった取りやすい果実。そろそろ高い木に登って地元の小児性愛者を捕まえるべきだ」
159
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:42:58
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101110ddlk43040458000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/上 将来の安心へ遺言作成 /熊本
◇パートナーに財産相続
「この中に遺言が入っているんです」。東京都郊外に住む50代男性は、地震など緊急時に持ち出すリュックサックを見せた。遺言は、同居する8歳年上の男性パートナーと5年前に作ったものだ。どちらかが死んだ後に遺産を相続するという内容が書かれている。
2人は同性愛の関係にある。50代男性は中学生のころから同性に好意があることを意識し始めた。25歳の時、親に「女性に興味がないから結婚しない」と話すと「おかしい。病院に行け」と言われた。今のパートナーは初めての「彼氏」で、20代後半から交際を始めた。一緒に住もうと賃貸マンションを探したが、男2人に対する世間の視線は冷たい。ようやく理解がある大家を見つけ住み始めたが、半年後に大家が病死。大家の妻は2人の居住に否定的で転居を余儀なくされた。
「新たな部屋は見つからず近い距離で別々にマンションを借り、食事などは互いの住居を行き来する生活を約20年続けた」
02年に相手男性が退職し、計2部屋分の家賃を負担するのが経済的に厳しくなった。03年にマンションを共同名義で購入した。「2人に法的な関係がないままでは、どちらかが亡くなった場合所有権が親族に渡ってしまう」。残された相手はどうなるのか、不透明な将来に思いを巡らす。
財産を守るには「公正証書遺言」を作成する方法があると知っていた。しかし、やり方がよく分からなかった。マンション購入の半年後にセクシュアルマイノリティー(性的少数派)向けサイトを開設していた熊本市の行政書士法人ウィズネスのホームページを見つけた。メールで相談を始め、同市内のホテルで行政書士と顔を合わせて話し合った。05年12月に公正証書ができた。「将来の安心が買えた」とほっとした。
ただ、遺言が指定できるのはあくまで死んだ後に限られる。病気や事故などでパートナーが入院した時、病室に入ったり、治療の意思を表明したりできるかは依然不透明だ。
2人で養子縁組し、正式に「家族」になることを検討している。「制度が変わるのは難しい。いつ病室に運ばれたり死んだりするか分からない。その時どうなるかが自分たちにとっては大事だ」。男性の不安は尽きない。
◇ ◇
通常の結婚なら当たり前に保障される遺産相続や医療方針決定などの権利が、同性パートナーには認められていない。当事者たちは年を重ねるごとに将来への不安を深めている。何を悩みどう生きていくのか。同性愛者や支援者の声を聞いた。【遠山和宏】
160
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:43:38
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101111ddlk43040608000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/中 「制度変わる実感ない」 /熊本
◇親にも打ち明けられず
「性同一性障害に対する世間の認識は変わったかもしれないけれど、(レズ)ビアンに対してはほとんど変わっていない」
佳美さん(36)と清子さん(33)=いずれも仮名=は約3年半前に交際を始め、直後から熊本市内の集合住宅で同居している。「もし制度で認められていれば結婚しているかもしれない」。清子さんは同性愛であることを親に打ち明けているが佳美さんは言っていない。一人っ子のため「子孫が残らないと親にがっかりされるのが怖い」という。
「彼氏いないの」「合コンに行こうよ」「結婚しないの」−−。周りの友人たちは気軽に声を掛けてくる。「一人が楽しいから」などと答えるが、誘いは煩わしい。「彼女がいる」ときっぱり言えたら楽だと思う。でも変な目で見られるのが怖くて周囲の多くの人には話していない。佳美さんは一時彼女を彼氏に置き換えて周りと話していたが、疲れてやめた。
佳美さんが印象に残っていることがある。2年前にあった清子さんの父の葬儀。結婚していれば義理の父親にあたり参列するのは当たり前だが、親族からは「来てくれてありがとう」と言われた。「熱心な友達という感じで見られていた。認められていない気がして切なかった」と振り返る。割り切れない気持ちのまま途中で会場を後にした。
2人が死と向き合う場面となれば事態はさらに深刻だ。日ごろから将来のことを意識しているわけではないが考えると不安になる。例えばパートナーが突然事故や病気で倒れたら−−。事故があれば警察は家族に連絡にする。だが法的に家族でないパートナーには連絡が来るかどうか分からない。特に佳美さんは親に清子さんとの関係を話していないため何かあった場合、清子さんに連絡がくるという確証はない。
佳美さんは「周囲が同性愛を認知し、理解してくれれば財産相続など将来の不安を取り除いてくれるようなパートナーとしての権利を保障する制度や法律もできるかもしれない」と話す。「ただ、現実にはテレビでも取り上げられないし、どこの政党もマニフェストに書いてない。変わるかもしれないという実感はない」と不安を語る。【遠山和宏】
161
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:44:01
http://mainichi.jp/area/kumamoto/news/20101112ddlk43040577000c.html
明日への不安:同性愛カップルの課題/下 「内面サポート機関必要」 /熊本
◇法律相談受ける中で実感
熊本市新大江の行政書士法人ウィズネスは5年前、セクシュアルマイノリティー(性的少数派)を対象にした専門サイトを開設した。城本亜弥行政書士が性同一性障害の友人から「法律的な相談をする所がない」と聞いたのがきっかけだった。
相談は財産関係が多い。結婚していれば相続は自然にできるが、同性のパートナーには権利がない。特に不動産がある場合「一緒に生活してきた場をパートナーに残したい」と相談してくるケースが多いという。
財産相続のためには大きく養子縁組と遺言作成という方法がある。養子縁組は戸籍上も家族になれるので法律的な権利を明確にするには最善のやり方といえる。相手が病気や事故で病院に搬送された場合、相手の家族と関係が悪いとそばにいられないこともある。養子縁組すれば「家族」として権利を主張できる。「一方で名字が変わることによる影響が考えられることや、将来的に同性婚が認められた場合、家族同士で結婚ができるのかという問題が生じる可能性がある」と、城本行政書士は指摘する。
公正証書の遺言作成は早ければ1週間程度でできる。パートナーの死後、実際に手続きをする遺言の執行者を行政書士や弁護士らの第三者に指定することで親族とトラブルが起きた場合も対応してもらえる。「ただ、あくまで死後の話であるためパートナーが病院に搬送された場合、治療方針など自分の主張ができない可能性は残る」という。
ウィズネスには年間50〜100件、メールを中心に問い合わせがある。20〜50代と幅広いが実際に手続きに結びつくのは40代以降が中心。紛争事案や裁判所手続など弁護士資格が必要な業務は、提携している弁護士事務所などに紹介している。
城本行政書士は「相談を受ける中で自分が何者であるか分からないなど、内面を悩んでいる人が多いことを実感した。自分たちは法律面でアドバイスをしていくこともできるが、内面をサポートするような機関が行政民間ともに充実していく必要がある」と話す。行政書士法人ウィズネスの連絡先とサイトは096・283・6000、
http://www.sexual
‐minority.net。【遠山和宏】
162
:
チバQ
:2010/11/20(土) 20:45:16
http://www.cnn.co.jp/usa/30000834.html
男女別学校、「男性でも女性でもない」学生に苦慮
2010.11.09 Tue posted at: 13:24 JST
アトランタ(CNN) 米国各地の男子校や女子校が、従来のような男女の区別に当てはまらない学生にどう対処すべきかという問題に直面している。
ケビン・マーフィーさんは2003年、マサチューセッツ州の女子大マウントホリオークカレッジに入学した。入学時は女性だったが、卒業する時は男性になっていた。
ジョージア州の男子校モアハウスカレッジに通っていたフィリップ・ハドソンさんは、自分の性別は男性にも女性にも当てはまらないという。
男性でも女性でもないという学生やトランスジェンダーの学生、性別を変更中の学生などが存在する中で、大学側が学生の性別を見極めるのが難しくなっている。マサチューセッツ州の女子校スミスカレッジに通うロスさんは、最近女性から男性に転換した。男子校のモアハウスでは昨年、生徒数人が女性の衣類やバッグ、ハイヒール姿でキャンパスに現れて問題になった。
ほとんどの学校には入学許可後のこうした生徒の扱いに関する規定がなく、在籍を認めるかどうかが論議になっている。
ホリオークカレッジの広報によれば、同校にトランスジェンダーなどの学生に関する規定はなく、あるのは「女性のみ入学を認める」という規定のみ。「女子を入学生として迎え、卒業生を送り出す。生徒はそれぞれに育っていく」という。
一方、男子校のモアハウスでは昨年、女性の装いを禁じる校則ができ、校内には禁止の掲示が張り出された。
同性愛やバイセクシュアルの学生でつくる団体「キャンパスプライド」会長のシェーン・ウィンドマイアーさんは「男性的男性という概念に当てはまらなくても成功は収められる。女性についても同じだ」と話している。
163
:
神奈川一区民
:2010/11/21(日) 23:59:44
【海外芸能】米レズビアン&ゲイ情報誌「OUT」が今年のキーパーソン100人を発表
LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダー)向けの米情報誌「OUT」が、
今年の各界のキーパーソン100人を選ぶ「OUT 100」を発表した。
なかでも栄えある“エンターテイナー・オブ・ザ・イヤー”に輝いたのは、今年3月に同性愛者であることをカミングアウトした
プエルトリコ出身の人気シンガー、リッキー・マーティン。ゲイであることを隠していることで、
長いあいだ抱えてきた重荷から自己を解放した勇気が評価された。
また、“ディーバ・オブ・ザ・イヤー”にフィギュアスケーターのジョニー・ウィアー、
“アーティスト・オブ・ザ・イヤー”に、トム・フォード監督作「シングルマン」や、
レズビアンの母親を演じた「The Kids Are All Right」に出演したジュリアン・ムーアが選ばれた。
映画&テレビ界からは、12月米公開予定の新作「ラビット・ホール(原題)」が高く評価されているジョン・キャメロン・ミッチェル監督、
2010年カンヌ映画祭パルムドール受賞作のタイ映画「ブンミおじさんの森」のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督、
フォックスの大ヒットシリーズ「Glee」のゲイの少年カート役のクリス・コルファー、
「グレイズ・アナトミー」のジョージ役で知られるT・R・ナイト、米ウォルト・ディズニー・スタジオのリッチ・ロス会長らがランクインした。
以下ソース:映画.com
http://eiga.com/news/20101118/6/
164
:
チバQ
:2010/11/23(火) 00:47:17
>>156
のつづき
http://mainichi.jp/life/health/news/20101104ddm013100012000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/4 職場の無理解「心壊れそう」
◇治療認められず退社/環境改善へ続く闘い
出勤前、鏡の前でネクタイを締める。映っているのは自分であって、自分でない。思わず目を背ける。
東京都に住むフリーターの圭さん(31)=仮名=はIT系専門学校で学んだ知識を生かし、8年前に都内のコンピューター会社に就職した。男性サラリーマンとして日々を送るうちに「本当の自分に近づきたい」との思いを抑えきれなくなり、入社3年目ごろから女性ホルモン剤を個人輸入して服用するようになった。
振り返れば「なぜ女でないのか」との疑問は小学校のころから続いていた。体の成長とともに男女両方の特徴が表れ、同級生からひどい言葉のいじめを受けた。以来、人とあまり話さず、集団の中ではなるべく目立たぬようにしてきた。
そんな気持ちを理解してくれる友人ができ、勧められたメンタルクリニックを受診すると、染色体検査で典型的な男性ではないことが分かった。「やはり完全な男ではなかったんだ」と安堵(あんど)し、医師に女性として生きたいと伝えた。
9カ月後、病院での女性ホルモン補充治療が始まった。主治医からは「戸籍も変えるなら、女性としての生活実績を積まなければならない」と言われた。しかし職場では男性のまま。治療により「体の中を流れるものが男から女に変わった感覚」が生まれ、現実とのはざまで自分が壊れそうだった。苦しみが少しでも和らげばと、髪を肩まで伸ばした。
ある日、本社の人事担当者から呼び出され「短髪にして膨らんだ胸もつぶさないと、仕事は与えられない」と注意を受けた。圭さんは診断名も治療内容もすべて明かし、ありのままの自分で働き続けたいと理解を求めた。会社の上層部で対応が協議され、数日後に告げられた結論は「女性の姿で働くことは、戸籍が女性になった時点で認める。それまでは一切、女性的なそぶりを見せず、常識ある一般的な男性でいること」というものだった。
会社の方針に従えば主治医が求める「女性としての生活実績」は積めない。戸籍変更への道が断たれると、職場にはいられなくなる。相矛盾する要求に答えが見つからない。「辞めろと言っているのと同じじゃないか。我慢して男として働くしかないのか……」。眠れぬ夜を重ねたすえ、自主退職を申し出た。
それから2年半。「もう一度定職に就きたい。でも、自分のような人間を認めてくれる会社があるとは思えない」。求職活動への一歩が踏み出せずにいる。
*
職場の廊下で、女性職員たちが自分のほうを見てうわさ話をしている。「あれが例の人でしょ?」。公務員として働く東京都の純さん(27)=仮名=は、そんな場面に出くわすたびに、いたたまれなくなる。
純さんは染色体異常による性分化疾患。子宮も卵巣もあるため女性として育てられたが、スカートは一度もはいたことがない。大学生のころ、メンタルクリニックで「心の性別は男性」と診断され、男性ホルモンの補充を続けている。戸籍はまだ変えておらず、仕事上は女性だ。
疾患のことは研修中に上司に説明したが、支給された制服は女性用。トイレは「制服時は女性用を」と指示され、人のいない時を見計らって使う。それでも外見が男性っぽくなっているので、守衛に通報されることがある。男女別の独身寮はあきらめ、自費でマンションを借りている。
今春、同じ職場に性同一性障害と診断された同僚が配属された。それまで純さんは資材室の隅で着替えていたが、連名で改善を要望した結果、カーテンが付けられた。
「職場も社会も、理解するどころか知ってさえくれない。今はまだ、自分の力で生きやすい環境を獲得していくしかない」。悔しさをこらえながらの闘いが続く。【丹野恒一】=つづく
165
:
チバQ
:2010/11/23(火) 00:47:44
http://mainichi.jp/life/health/news/20101105ddm013100019000c.html
境界を生きる:続・性分化疾患/5止 「独りじゃないよ」呼び掛け
◇当事者ら、ネットで発信/自助グループ設立も
大学病院のベッドで目覚めると、20人ほどの医学生に囲まれていた。医師が「この人の症状は……」と説明を始め、学生たちはチラチラと自分を見ながらメモを取り、気遣う言葉もなく立ち去った。
青森県むつ市の角本沙織さん(25)は性分化疾患の一種「先天性膣(ちつ)欠損症」だ。高校3年の夏、初潮が来ないため産婦人科で検査を受けて分かった。
自宅から離れた大学病院で膣の形成手術を受けた。「珍しい症例なので記録を残したい」と言われ、「他の患者の役に立つなら」と受け入れた。だが、あまり年齢が違わない学生たちの視線は耐え難かった。「自分はモルモットじゃない」。ベッドのカーテンを引き、声を殺して泣いた。
体外受精で帝王切開すれば出産は可能だが、子宮や卵巣の発達が不十分なためリスクを伴うと説明された。病棟の産科から赤ちゃんの泣き声が聞こえてくる。わが子を抱く母親に自分との違いを見せつけられ、うらやましくて、悔しかった。
病気のことを親友にも言えずに高校を卒業した。バーテンダーを目指し東京の専門学校に進み、大手町や銀座のバーでシェーカーを振った。男社会に食らいついていくのは心身ともにつらい。彼氏への「子どもを産んであげられない」との負い目も重なり、19歳でうつとパニック障害になった。
仕事に出られず引きこもる日々。インターネットに明け暮れるうちに、同じ疾患の人が集まるサイトを見つけた。苦しいのは自分だけではなかった。思えばバーテンダー時代に出会った客たちも、それぞれに悩みを抱えていた。「もう無理するのはやめよう。子どもが産めなくてもいい」。現実を受け入れてから、気持ちが楽になった。昨春、しっかり体を治そうと実家に戻った。
その年の夏、ベルリン世界陸上選手権女子八百メートルで優勝した南アフリカのキャスター・セメンヤ選手が女性であることを疑われ、世界的に報じられた。思いを伝えたくなり、ネット上で自分の病気を公表した。
<隠す必要も、自分を責めて生きる必要もどこにもない。死にたいくらい悩んで生きてる人もいるって事を、少しでいいからわかってほしい>
そんな文章に、多くのコメントが寄せられた。角本さんと同じ病気で手術を受けようか迷っている人、子どもを持てないことに悩む人もいた。一人一人に「頑張って」と返事を出した。
今は機会があれば病気のことを話している。「傷つきはしないか」と心配する両親の気持ちは分かる。それでも「自分が訴えることでみんながこの病気を知ってくれれば、多くの患者が生きやすくなる」と信じている。
*
性の問題をタブー視しがちな社会の中で、誰にも言えないコンプレックスにさいなまれ、将来を描けない。そんな現状を変えていこうという当事者たちの動きが少しずつ広がってきた。
北関東で暮らす起業家の男性(36)は今年2月、性分化疾患などで陰茎が発達しない人とその親でつくる自助グループ「石ころの会」(
http://isikoronokai.flxsrv.org/)
を設立した。
ネット上などで他の当事者や家族の話を聞くうちに「性分化疾患の人の多くが性的な発達障害を負っている。性生活への不安や深い孤独感を軽くできれば」と考えたのがきっかけだ。手紙で相談に応じたり、実際に会って胸の内を聞く。本人も親も、言葉にすることが自分と向き合う一歩になる。
名前の由来は金子みすゞの詩。「道端の石ころにも魂がある」との思いをこめた。まだ知名度は低いが「行き場のない人々の灯台」でありたい。【五味香織、丹野恒一】=おわり
166
:
チバQ
:2010/11/23(火) 00:49:34
http://www.sankei-kansai.com/2010/11/21/20101121-046365.php
「なぜ父親になれない」 性同一性障害男性、悲痛な叫び
女性として生まれ、性同一性障害のため性別を変えた大阪府東大阪市の男性(28)が、第三者の精子を使った人工授精で妻(28)との間に男児をもうけてから1年。嫡出子(ちゃくしゅつし)としての出生届が認められないため、男児には今も戸籍がないままだ。法整備が進まない中、夫婦は20日、大阪市内で初めて講演会を開き、「医療は進んでいる。法律も変わるべきだ」と訴えた。
男性は平成16年に性同一性障害と診断され、20年に戸籍の性別を変更し結婚。男性の実弟から精子の提供を受けて昨年11月、妻が出産した。夫婦は当時住んでいた兵庫県宍粟(しそう)市に出生届を出したが、宍粟市は「生物学的に親子関係は認められない」として受理を拒否。非嫡出子として届けるよう指示した。
今年1月には当時の千葉景子法相が「嫡出子で認める方向で検討する」と表明したが、その後、「生殖医療全体にかかわる案件で法改正も含めた検討が必要」と見解を翻した。
一向に議論が進まない状況に、夫妻は「国が動くのを待つだけではいけない」と自ら講演会を企画。「なぜ僕は父親になれないのか?」と題して、問題提起することにした。
この日、男性は父親になれないつらさを吐露。男児の出生届の受理を拒否された際には涙が止まらなかったといい、「性同一性障害で悩んでいたときでも泣かなかった。国に(自分たちの存在を)否定された気がした」と話した。
将来、息子に「父親」についてどう説明するのか―。「ありのままに伝えたい。息子が誰を父親と思うかは、息子が決めること。たとえ息子が(自分から)離れていくことになっても…」と声を詰まらせた。
男児が嫡出子として認められない根拠となっているのは、明治時代に制定された民法。男性は「医療は進んでいるのに、古い時代の状況に合わせたままなのはおかしい」と批判。全国で相次いだ高齢者の所在不明問題で、死亡後も戸籍上は生存している人が多数いた点に触れながら、「今を懸命に生きる息子には戸籍がない」と無念の思いを語った。
最後に男性は「父親になりたい。国に認められるまで頑張りたい」と決意を表明。妻も「私たちのような家族もあるのだと受け入れ、理解してほしい」と訴えた。
性同一性障害 自分が考える心理的な性別と、肉体的な性別が一致しない障害。自分の性に対し不快感を持ち、反対の性で日常生活を送ることを望む。原因は解明されていないが、胎児期のホルモン異常などが指摘されている。平成16年7月施行の性同一性障害特例法は①20歳以上②未婚③子供がいない―などの条件を満たせば、家庭裁判所に性別変更の審判を請求できると規定している。
(2010年11月21日 07:36
167
:
チバQ
:2010/12/05(日) 21:10:47
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2010/12/post-1841.php
台湾「売春合法化」とアジアの性産業
Red Light Fight: Sex Work in Taiwan
台湾の合法化は、社会秩序と売春婦の権利保護の間で揺れ動くアジア諸国に大きな影響を及ぼす可能性がある
2010年12月01日(水)18時14分
ジョナサン・アダムズ(台北)
台北で売春の世界に入ったのは、多額の借金がきっかけだった。初めは何度か失敗もしたが、今ではひと月に3000ドル稼げるときもある。
金は儲かるが、厄介な問題が1つあると、「ナディア」と名乗るこの女性は言う。警察だ。台湾では売春は違法とされるため、彼女はこれまで3日間の投獄を数回経験した。1000ドルの罰金を科せられたこともある。
しかし台湾では、1年後に売春の合法化が予定されている。そうなれば「もっと気楽に働けるようになる」とナディアは語る。「今みたいに警察にびくびくしなくて済む。脅迫されるかもしれないと脅える必要もなくなる」
台湾における売春の合法化は、社会秩序と売春婦の権利保護の間で揺れ動くアジア諸国に大きな影響を及ぼすかもしれない。現在、売春を合法としている国は70カ国以上。逆に違法としている国は100カ国以上に及ぶ。
アジアの買春ツアーのメッカといえばタイとフィリピンだが、いずれの国でも売春は違法。中国でも違法とされてはいるが、実際は見て見ぬふりをしたり、逆に厳しく取り締まったりと対応はまちまちだ。日本ではセックス以外の風俗は合法とされているため、性産業は活況を呈している。
セックスを買うのは合法
一方、台湾では8万〜10万人の女性が性産業で働いている(クラブやカラオケパブなどでセックス以外の性的サービスを行うホステスを含む)。売春の合法化をめぐっては、これまで女性の権利擁護派と労働者としての権利を訴える人々が対立してきた。
前者は風俗というものは女性を搾取し、人身売買や未成年者を巻き込むことにつながると批判する。対する後者は、風俗はすぐになくならないし、売春婦も他の労働者と同じように尊厳を守られるべきだと主張する。「彼女たちは社会に貢献しているのに、最低レベルの地位しか与えられない」と、日日春関懐互助協会(COSWAS)の簡嘉瑩(チエン・チャイン)は言う。他の国々で売春婦の権利擁護を訴える活動家も、この指摘に同調している。
台湾で問題なのは、売春に関する法律が形骸化していることだ。COSWASによれば、売春はかつて数十年にわたって合法とされていたが、90年代からは社会秩序維持法の下で刑罰化されてきた。売春斡旋業者、仲介人、人身売買業者は刑法に基づき5年以下の禁固刑あるいは3300ドル以下の罰金が課せられる。
しかし、買春客に対しては1つも罰則がない。つまりセックスを売ることは違法だが、買うことは合法なのだ。台湾の裁判所は09年、この状態に違憲判決を下し、来年11月までに改定するよう命じた。当局は売春の合法化に伴って、台北市内に合法の「セックスゾーン」を設けるか、売春婦5〜6人規模であれば市内のどこでも自営の売春宿を許可する方針をちらつかせてきた。
女性の権利擁護派はどちらにも難色を示している。むしろ法律は最低でも現状維持、可能なら買春を違法化し、売春婦がその道から抜け出せるよう手を差し伸べるべきだと言う。「彼女たちに他の選択肢を与えなければ。彼女たちが、生計を立てるためには体を売ることもやむをえないと考えないように」と、財団法人励馨社会福利事業基金会の創設者である王ユエ好(ワン・ユエハオ)は言う。
168
:
チバQ
:2010/12/05(日) 21:11:05
売春婦を狙うおとり捜査
一方で、COSWASは売春婦の一般的なイメージを改善しようと努めている。彼らの理想は、合法化で売春が堂々と行えるようになり、売春婦が社会的地位を獲得できるようになること。そうすれば斡旋業者を雇って自分たちの売込みを手伝ってもらったり、取り分を増やすことができる。
しかしそのためには、当局の対策はまだ不十分だとCOSWASは主張する。売春と買春の仲介業者も合法化されるべきだと言うのだ。「売春婦の安全を守るにはこの性産業を隅々まで合法化する必要がある」と、COSWASの王芳平(ワン・ファンピン)は言う。
彼らの話によれば、売春が合法だった当時、売春婦は稼いだ金額の70〜80%を受け取っていた(残りは仲介業者に渡っていた)。しかし現在は、彼女たちの取り分は60%だという。
いま売春婦にとって脅威なのは仲介業者だけではない。冒頭のナディアとCOSWASの話によると、台北では警察が友人や第三者にカネを払って売春婦に近付かせ、売春婦が値段の交渉を始めた途端に逮捕するという。「客」は罰金を課されたり拘束されることもなく、「目撃者」として扱われる。
COSWASは昨年、こうしたおとり捜査に対する抗議運動を行ったが、状況はほとんど変わっていないという。「客が怖いのではない。怖いのは警察」とナディアは語った。
(GlobalPost.com特約)
169
:
チバQ
:2011/01/28(金) 22:59:17
>>138
>>141
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2783772/6737109?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
ウガンダの同性愛活動家、殺害される 大衆紙の扇動が関係か
2011年01月28日 15:06 発信地:カンパラ/ウガンダ
【1月28日 AFP】ウガンダで同性愛者の人権擁護に取り組んでいた活動家の男性が26日、首都カンパラ(Kampala)の自宅で殺害されたことが、警察などの話で明らかになった。
デービッド・カト(David Kato)氏(43)は、自宅に侵入した何者かによって頭を数回殴られ、病院に搬送される途中で死亡したという。警察は、同氏が同性愛者であることと殺人とは無関係との見解を示している。
ただ、カト氏は前年、反同性愛を標ぼうする地元タブロイド紙ローリング・ストーン(Rolling Stone)に顔写真と名前を掲載され、「若者たちを同性愛者に勧誘している」と非難されていた。同紙は前年末にも、同性愛者の権利を求める活動家を「縛り首にしてしまえ」と扇動していた。
今回の事件を受け、国際社会には大きな衝撃が広がっている。バラク・オバマ(Barack Obama)米大統領は「深い悲しみを覚える」との声明を発表した。また、国際人権団体アムネスティ・インターナショナル(Amnesty International)は、同性愛者差別を無視してきたとしてウガンダ政府を非難した。
ウガンダでは同性愛が違法とされており、同性愛行為に死刑や終身刑を適用することを盛り込んだ厳罰化法案が国会に提出されている。(c)AFP/Ben Simon
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2768202/6356361
同性愛が違法のウガンダ、過激な反ゲイ紙 議会には死刑法案も
2010年10月22日 17:44 発信地:ワシントンD.C./米国
【10月22日 AFP】同性愛が違法とされ、極刑を含む厳罰化法案が国会に提出されているアフリカのウガンダで、同性愛に反対する論調の新タブロイド紙が「彼らを縛り首に」という見出しや、同性愛者の写真を掲載し、国内外で物議を醸している。
問題となっているのは、タブロイド紙ローリング・ストーン(Rolling Stone、米国の同名誌とは無関係)。10月2日号では目立つ同性愛者100人の身元を割り出すと約束し、さらに以前の号の見出しでは、同性愛者の権利を求める活動家は「縛り首にしてしまえ」と扇動した。
今週に入り、ウガンダのメディア委員会のポール・ムサカ(Paul Mukasa)委員長は同紙に、政府の認可が下りるまでこれ以上の発行を禁じると通告した。ムサカ氏は、発行を続けるための許可は下りるかもしれないが、発行済みの4号については、発行登録をしていなかったため違法であると述べた。
米国務省のマーク・トナー(Mark Toner)報道官は21日の会見で、「ゲイやレズビアン、バイセクシュアルの人たちに対する暴力を呼び掛けるウガンダのグループについて深く懸念する」と述べ、特にウガンダのローリング・ストーン紙に関する言及だったことを認めた。
法律で同性愛を禁じているウガンダでは、同性愛者であることで終身刑にもなりうる。さらに09年には、同性愛に死刑を科す法案までもが国会に提出された。
性的少数派の人権擁護を求めている活動家のユリウス・カグワ(Julius Kaggwa)氏は、人権団体からの表彰を受けるため訪米したニューヨークで20日、「同性愛嫌悪が人を殺す」と怒りをあらわにした。そして「法案からいくら死刑を除外したとしても、ウガンダでは依然、同性愛は死刑と等しい。同性愛者は社会的から切り離され、医療サービスも断られ、治療もできなければ家も持てない」と語った。(c)AFP
170
:
チバQ
:2011/01/28(金) 23:00:18
http://www.cnn.co.jp/world/30001632.html
ウガンダの同性愛活動家、撲殺される 米大統領が追悼
2011.01.28 Fri posted at: 10:23 JST
ウガンダ・カンパラ(CNN) アフリカ東部のウガンダで同性愛者の人権保護を訴えていた活動家、デービッド・カト氏が首都カンパラ近郊の自宅で撲殺された。同氏の弁護士が27日に明らかにした。カト氏は同国の大衆紙が昨年掲載した同性愛者の「手配リスト」で氏名や住所、顔写真を公表されていた。
弁護士によると、近所の住民がカト氏が死亡しているのを見つけ、当局に通報した。自宅からは現金や衣類の一部などがなくなっていたという。
この事件に関連して、カト氏の自宅付近で目撃されたタクシー運転手と、事件前に同氏と一緒にいた人物に対して逮捕状が出された。
カト氏の殺害と、同性愛者の人権擁護活動との関係は不明。反同性愛感情をあおった大衆紙の記事との関係も分かっていない。
オバマ米大統領はカト氏の死を悼み、「公正と自由を強く訴えた人物だった」とする追悼の談話を発表。ウガンダなどの政府に対し、事件を徹底捜査して犯人を検挙してほしいと呼び掛けた。
アフリカでは大半の国が同性愛を禁止しており、ウガンダでは違反した場合、禁錮14年の刑が定められているという。
171
:
チバQ
:2011/02/09(水) 00:49:39
http://www.afpbb.com/article/disaster-accidents-crime/crime/2784422/6768998?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
ウガンダの同性愛活動家殺害、男性使用人が自供
2011年02月04日 09:31 発信地:カンパラ/ウガンダ
【2月4日 AFP】ウガンダで同性愛者の人権擁護に取り組んでいた活動家、デービッド・カト(David Kato)氏が殺害された事件で、警察は3日、22歳の男が殺害を自供したと発表した。
警察によると、自供したのはエノク・シドニー・ンスブガ(Enoch Sydney Nsubuga)容疑者。カト氏の求めで性交渉に応じたものの、カト氏には事前に合意した報酬を支払う意志がないことがわかり、かっとなって金づちで頭を殴り、さらに金目のものを奪ったという。
警察は、2人の間に接点ができたのは前月の保釈査問会だったと見ている。カト氏はこの時、窃盗容疑で再拘留中だったンスブガ容疑者の身元引受人を買って出た。保釈後、容疑者はカト氏宅の使用人として働き始めたという。
警察は、殺害が「ヘイト・クライム(憎悪犯罪)」だった可能性を排除したわけではないとした上で、国民と国内メディアに、寛容になるよう呼びかけた。さらに、前週行われたカト氏の葬儀で反同性愛発言を行った英国国教会の司祭を非難した。
カト氏は前年、反同性愛を標ぼうする地元タブロイド紙ローリング・ストーン(Rolling Stone)に顔写真と名前を掲載され、「若者たちを同性愛者に勧誘している」と非難されていた。同紙は前年末にも、同性愛者の権利を求める活動家を「縛り首にしてしまえ」と扇動していた。(c)AFP
172
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:33:45
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110203ddlk01040194000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/1 /北海道
◆「プライド」
◇共生できる街を目指し 自分たちが動けば変わる
赤、青、オレンジ、黄色……。色とりどりの4000個の風船が一斉に青空へ舞い上がる。札幌駅前通を埋めた約1000人の性的マイノリティー(LGBT)の人たちとその支援者から、歓声が上がった。14回目を迎えた昨年9月のパレード「レインボーマーチ」。多様性の象徴である虹色の旗の下、LGBTの存在を知ってもらい、一般の人との共生を呼び掛けるイベントだ。
札幌でのパレードの創設者が、ススキノでゲイバー「Hearty Cafe」を営む桑木昭嗣(あきつぐ)さん(34)。10回目を区切りに実行委員を退いたが、今も生きづらさを抱える同性愛者らの相談に乗る、コミュニティーのリーダー的存在だ。
「ゲイは自分一人じゃないか」。13歳の時、男性が好きなことに気付いた桑木さんは、孤独感と、同性愛者であることを否定したい思いで苦しんだ。16歳で思い切ってゲイバーを訪れた。出会いが、世界を一変させた。
親しくなった友人と参加した「北海道セクシャルマイノリティ協会・札幌ミーティング」。そこでは月1回、勉強会が開かれていた。LGBTは生まれつきの性質なのに、法律や制度はそういう人が「いない」前提になっている。否定的な情報にさらされ続け、自己肯定ができず、自殺に至るケースも少なくない。最年少だった桑木さんが行き着いたのは「隠れて生きなきゃいけないのは、おかしい」という結論だった。
96年、2年前から東京で始まったパレードを参考に、札幌でのレインボーマーチ開催を仲間と企画した。地方都市では初めての試みだったが「自分たちの街でやらないと意味がない」と考えた。
反発は、コミュニティー内からも出た。ゲイバーに足を運ぶと客に無視された。「周囲にゲイだとばれるじゃないか」と非難してくる人もいた。実行委員会には匿名の中傷文書が届き、パーティーを開くと「参加者がクスリやってますよ」と110番される嫌がらせに遭った。企業の協賛金集めの際は、病院でもらった精神安定剤を飲みながら奔走した。
第1回のマーチには約200人が参加。7回目の03年には、春に就任した上田文雄市長が参加し「皆さんを歓迎します」とあいさつした。うれし涙を流す仲間たち。自分たちが動けば世の中は変わる−−。桑木さんは、そう実感した。
引退後も、パレードの関連イベントに店を貸し、後輩の指導などに当たる。前回07年の統一地方選では、代表を務めるNPOで、知事選と市長選の立候補者と各政党にLGBT政策に関するアンケートを実施した。活動を支えているのは、ゲイとしての誇り、「ゲイプライド」だ。
「自分は子どもを残せないけど、これから出てくるゲイの子たちが自分にとっての子ども。その子たちがあるがまま認められる、住みやすい虹の街を作りたい」。孤独から抜け出したくて、初めて店を訪ねて来る若い子を、桑木さんは勇気をたたえて、こう出迎える。「よく来たね」=つづく
◇
全国で最多のレインボーマーチが開かれている札幌。そこで生きるLGBTの人たちの日常を追った。【中川紗矢子】
==============
■ことば
◇LGBT
レズビアン(女性同性愛者)▽ゲイ(男性同性愛者)▽バイセクシュアル(両性愛者)▽トランスジェンダー(心と体の性が一致しない人)を指す。こうした性的指向は基本的に先天的だというのが学説の主流だ。同性愛に関しては、ポータルサイトのインターネット調査で、日本人の4%が該当し、潜在的な可能性がある人を含めると9・6%に上るとのデータもある。
173
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:34:16
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110204ddlk01040156000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/2 /北海道
◆家族
◇相互理解へ、壁壊そう 仲間集い協力できる場に
昨年11月の昼下がり。札幌・ススキノのゲイバー「Hearty Cafe」で、男女の若者と年配の女性たちが、お菓子と飲み物を出して談笑していた。3カ月に1回開かれる「レインボーファミリーカフェ」。若者たちはゲイやレズビアンなどの性的マイノリティー(LGBT)、もてなしているのは彼らの母親たちだ。
LGBTは基本的に生まれつきの性質だが、同じセクシュアリティー(性的指向)の人が家族にいる場合はほとんどなく、思いを共有することが難しい。そのため最も重要なはずの親子や家族間での相互理解が、高いハードルになっている。レインボーファミリーは、そうした壁を取り払い、家族間の問題を協力して解決していこうと始められた。
レインボーファミリー代表の伊井義弘さん(36)が、ゲイであることを親にカミングアウトしたのは25歳の時だ。思春期に同性にひかれ、19歳で雑誌に載っていたゲイサークルに恐る恐る電話し、仲間たちに出会えた。しかし家族には言えない。「札幌の恥だから、街から出て行け」と勘当された友人もいた。「親に言うの、どうしよう?」。打ち明けられる家族は、愛犬のシェリーだけだった。
実は母(61)も、伊井さんが「男友達と住む」と言って実家を出て行ったことから、息子はゲイじゃないかと、ひそかに感じていた。1年以上、1人で悩み続けた末の結論は「世間がどうあれ、親子だから何も変わらない」。だから息子から電話で告白された時も、穏やかな気持ちで言うことができた。「ゲイでもあんたは私の子ども。安心して帰っておいで」
伊井さんには札幌で毎年秋に開くパレード「レインボーマーチ」の活動をともにする相談相手がいて、母も理解してくれた。自分の場合はうまくいったが、それでもお互いつらかった。「当事者にも、打ち明けられた家族にも、相談し交流できる場が必要だ」と考え、00年にレインボーファミリーの前身組織を発足させた。
札幌のレインボーマーチで使われる旗は、他の地域と異なり、虹を表す6色に白が加えられている。白に「亡くなった仲間への追悼」と「苦しみと戦う仲間たちとの共存のしるし」の意味を込めたという旗をデザインしたのは、06年に43歳で自殺した西沢裕敬さん。レインボーファミリーのメンバーだった。母和子さん(70)は、一人息子を失った今も活動に参加し、皆に「お母さん」と慕われる。
パレードの日には、西沢さん親子が発案した、札幌名物となっているおにぎり販売のコーナーができる。裕敬さんがなぜ命を絶ったのか、今となっては分からない。それでも「全国からマーチに来る仲間が集い、楽しめる場所にしたい」という息子の思いは、継いでいきたい。6色そろうと虹色になるエプロンを着けながら、和子さんは息子と仲間が結んだ絆の輪が、より広がることを願っている。
「何千人ものお母さんが、エプロンを着けて堂々と会場を歩ければいいな」=つづく
174
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:34:51
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110205ddlk01040216000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/3 /北海道
◆HIV感染
◇正面から向かい合う 仲間とともに啓発活動
雨が降り続いていた。09年5月、札幌市内の民間検査施設。1週間前、友人と受けたHIV(エイズウイルス)の検査結果について、医師は「これは陽性を意味します」と告知した。平常心を保とうとしたが、玄関を出ると吐き気に襲われた。誰とも話さずに帰宅するとパソコンを開き、ブログを開設してその日の出来事を詳細に書き込んだ。そうしないとこの先、闘えない気がした。
同性愛への嫌悪感を「ホモフォビア」という。こうした感情は異性愛者だけが持つのではない。同性愛者は外部の目に加え、自身の中にも培われたホモフォビアにも苦しめられるケースが多い。龍太さん(31)=仮名=も、ゲイの自分を肯定できず、自暴自棄になってネットで出会った男性とコンドームを付けないセックスをした時期があった。
幼い頃に両親が離婚し、道内の農村地帯の祖父母宅で育った。居場所がなくなるのが怖くて「優等生でないといけない」と思っていた。思春期になり彼女もできたが、性的に興奮できず、自分のセクシュアリティー(性的指向)を自覚した。「社会から見られている優等生の自分」と「社会から隠しているゲイである自分」。そのはざまで苦しんだ。
転機は、札幌に来て数年がたった25歳の時に見たレインボーマーチだった。参加する勇気はなく、見物客に紛れて遠くから眺めた。明るい日差し、色とりどりの風船、笑顔で堂々と歩く人たち……。「楽しそうだな。すげえなあ」。いつ死んでもいい、との凍った心が溶け「一人じゃない。これでいいんだ」と感じた。
コミュニティーに参加し、仲間もできた。「HIVは人ごとじゃない。身近な問題として考えないと」。そう思うようになった矢先、荒れていた頃の性行為でHIVに感染していたことを知った。
日本は先進国で数少ないHIV感染者やエイズ患者の増加国だ。09年の新規感染者・患者数は7年ぶりに前年を下回ったものの、10年前の1・7倍の1452人。札幌市内でも累計で173人の感染・発症報告がある。うち約7割は同性間の性的接触が原因で、ゲイコミュニティーでの感染リスクは依然高い。
日常生活で感染する心配はまずないのに、偏見は今も強く、ゲイの間でもそれは残る。龍太さんは「マイノリティーの中のマイノリティーになってしまった」との思いも抱くが、勉強会の開催など、当事者にしかできない啓発活動を仲間と続けている。人とつながること、そこから生まれる自己肯定感が、何より必要だと思うからだ。
一生手放せない薬。吐き気や頭痛などの副作用はつらい。家族にも打ち明けられていない。それでも龍太さんには、身近な友人や、ブログを見て応援してくれる全国の仲間がいる。「前を向いて、正面からHIVと向かい合っていきたい」。エイズ予防月間の12月。その手には、患者支援の「レッドリボン」をかたどったリストバンドが巻かれていた。=つづく
175
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:35:16
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20110207ddlk01040089000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/4 /北海道
◆性同一性障害
◇家族の応援に感謝 仲間のために行動を
面接官が「えっ?」と驚いた表情で、履歴書の性別欄と自分の格好を見比べた。「またか……」。女性の体で生まれたが、心は男性という性同一性障害の小幡直輝さん(36)は、何度も落胆を味わった。勤めていた保険会社では断トツの営業成績だった。なのに合併を機に退職し、誘いを受けた企業の面接を受けると、すべて不採用。「前例がない」との文書を送ってきた会社もあった。
「面倒くさいな。自分でやっちゃえ」と、30歳で起業。有限会社「だいち」の社長として、居酒屋や食品販売など幅広い事業を展開する。多忙な仕事の合間には、学校などへ性同一性障害の講演に出向き、所属する経営者団体でも、自分の状況をオープンにして同じ仲間への理解を求めている。
性同一性障害は、性的マイノリティー(LGBT)の中では理解が進んでいる方だ。04年には戸籍の性別を変更できる特例法が施行され、09年までに約1700人が認められた。だが、性転換手術を受けていることや、子供がいないことなど厳しい要件があり、医療や支援の体制も十分とは言えない。直輝さんも戸籍の名前は変えられたが、手術していないため性別は「女」のままだ。
直輝さんは物心付いた頃から、自分を男の子だと思っていた。スカートをはかされているのが不思議で「そのうちチンチンが生えてくる」と考えていた。小学校には青やグレーのジャージーで通い、いつも短髪だった。
小4で迎えた初潮。頭の中が真っ暗になった。女性らしくなっていく自分の体に、どうしてもなじめない。胸が目立つのが嫌で、猫背になった。思春期に入るとけんかに明け暮れ、高校は1年の夏で自主退学。「これからは男として生きよう」と、白糠町の実家を離れ帯広へ出た。髪形をリーゼントにし、土木作業の仕事をした。
そんなわが子を、母良子さん(64)はなかなか受け入れられなかった。男の格好で帰省した直輝さんから「頭の中は男なんだ」と告白されたが、理解できない。土砂降りの中、「帰ってくるな」と追い出したこともあった。「男の子だと考えると、小さい頃からの行動の理由が分かる」と納得できたのは、それから2年がたっていた。
直輝さんは現在、隔週で道内唯一の専門外来がある札幌医大病院に通い、ホルモン療法を受けている。健康保険は利かず、生命保険に入るのも難しい。
積極的に自分を語るのは、親から絶縁される人もいる中で、家族に応援してもらえることへの感謝があるからだ。以前メディアの取材を受け、顔を出すかどうか相談した際、良子さんは「あんたは犯罪者じゃない」としかった。恵まれている分、仲間のために行動したいと思う。
直輝さんが経営する札幌・ススキノの居酒屋は、良子さんが切り盛りする。気っ風のいい温かい人柄が、客を和ませる。親子にとっても、仲間にとっても、大切な場所だ。=つづく
176
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:35:40
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110209ddlk01040159000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/5 /北海道
◆自殺未遂
◇「自分は何者」葛藤の末 「生」へつなげた母の支え
両親と暮らすマンションの自室。手首をT字カミソリでえぐるように刺すと、真っ赤な血が流れた。それを見ながら「心の苦しみより、体の痛みで紛らわしている方がマシだ」と思った。3年前、23歳を迎えたばかりの春。祥平さん(25)の最初の自傷行為だった。
13年連続で年間3万人を超える国内の自殺者数。動機は「失業」「健康問題」などに分類され、セクシュアリティー(性的指向)との関連は統計に出ない。だが世界保健機関(WHO)が00年に公表したカウンセラー向けの「自殺予防の手引き」は、同性愛などの性的指向を危険因子の一つに挙げている。
宝塚大看護学部の日高庸晴准教授(医療行動科学)らが01年に大阪の繁華街で約2000人の若者に行った自殺未遂調査では、ゲイやバイセクシュアルの男性の自殺未遂率が異性愛者の男性の約6倍に達し、いじめ被害者や薬物使用経験者よりもリスクが高かった。「マイノリティーであるがゆえに受ける過度なストレスや葛藤が原因と考えられる」と日高准教授は指摘する。
端正な顔立ち。学業優秀でクラシック音楽にも造詣が深い。16歳の時にはセクシュアリティーを自認し、同性の恋人がいた。しかし半年ほどすると、大きな不安に襲われた。「自分は何者なんだろう。この先どうなるんだろう」。本やネットで調べても、未来像が見えなかった。
次第に不眠やうつ、パニック障害に苦しむようになった。進学校で知られる高校を中退し、部屋にひきこもった。「どうしてこんなふうに産んだ? もう1回、おなかに引っ込めてくれ」と、母涼子さん(53)を何度も責めた。出口の見えない日々は何年も続き、自傷行為はカッターナイフや包丁にエスカレート。首をつったこともある。
そんな息子に、涼子さんは寄り添い続けた。夜通し話を聞き、徹夜で出社することもしばしば。暴れて家中の物をひっくり返しても、黙って片付けた。「死んでるんじゃないか」と心配になり、息子の部屋が怖くてのぞけない日もあった。
どん底から抜け出せたきっかけは、昨夏の祖母(81)の死だった。小さい頃は一緒に暮らしてかわいがってくれ、祥平さんの生き方も理解してくれた。人はいつか死ぬ、ずっと支えてくれている母もいつかはいなくなる、と初めて実感した。「気持ち的にも、経済的にも、自分でやっていけるようにしないと」と思い、初七日を過ぎたころから気力がわいてきた。「もう後悔は嫌だ」
初めて就いた今の仕事は、ゲイ向けの水商売。職場は家族のようで、理解し合える仲間もできた。好きなピアノは今も続け、月2回は声楽を習い、パソコンで作曲にも取り組む。最近、将来養子を育てるのもいいな、と考えるようになった。
涼子さんは「まだ不安もいっぱい」と言いながら、息子の自立への一歩を「すごい進歩」と喜ぶ。死のうとしながら生きられた理由を祥平さんに尋ねると、照れくさそうに母に目をやった。「この人がいたから」=つづく
177
:
チバQ
:2011/02/10(木) 23:36:10
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20110210ddlk01040261000c.html
レインボーマーチが聞こえる:性的マイノリティーの日常/6止 /北海道
◆レズビアン
◇仲間の孤独、救いたい 自分を偽らず堂々と
札幌・ススキノにあるレズビアンバー。カフェのようなかわいらしい造りの店内で、20〜30代の女性の笑い声が響く。「バレンタインにチョコ交換しよ。300円以内ね。コンビニはダメだよ」「ええっ? 制限多いなあ」。おしゃべりの輪の中心にいるのが山田陽子さん(26)。毎秋行われる性的マイノリティー(LGBT)によるパレード「レインボーマーチ札幌」で、女性唯一の実行委員を2年間務めた。
職場でわざわざカミングアウトはしていないが、レズビアンであることを隠してもいない。「私たちの世代は差別されるという感覚はあまりないんです」。だが、そう言える自分は恵まれていることも分かっている。
出身は福島県。中学生の時、初めて好きな同級生の女の子ができた。一緒に帰ったり、手紙の交換をしたりして1年ほど付き合ったが、周りの目を気にした相手は徐々に離れていった。同性を好きになる自分を「異常者なのかな」と悩み、家族にも秘密にした。
帯広の大学に進学すると、ネットのオフ会などでレズビアンの友人ができた。博識で、人間としても魅力的な先輩たち。誇りを持てるようになり「自分を偽らずに生きたい」と強く思った。
3年の冬、母(58)に認知症の症状が出た。「孫が、孫が……」と口にする母。1人で介護する父(58)の姿が切なかった。帰郷して就職しようかと相談すると、父は言ってくれた。「帰ってきたら、田舎だから堅い生き方しかできない。自由な方がいいだろ。好きなことをしろ」
その1年半前、父はささいなことで口論になった娘から「レズビアンなんだ」と打ち明けられていた。当時は「そうか」としか言えず、LGBTに関する本を何冊も読んで真剣に考えた。彼女の苦しみを、自分に置き換えて考えるのは難しい。ただ「異性を愛するか同性を愛するかは、他人がとやかく言うべきではない」と自然に思えた。
陽子さんは父に背中を押され、札幌で就職。レインボーマーチの仲間と交流し、LGBT全体の社会的問題を考えるようになった。
レズビアンは、タレントなどが活躍し一定の「市民権」を持つゲイと比べ、いまだに奇異の目で見られがちだ。その理由の一つを、陽子さんは女性の経済力の弱さだと考える。結婚しない女性は身分が不安定になりがちで、隠さず堂々と生きたり、権利を主張できたりする人は多くない。札幌市内にゲイバーが約40軒あるとされるのに対してレズビアンバーは3〜4軒しかなく、表に出てくる当事者の少なさを物語る。
両親を残し故郷を離れたことへの罪悪感は今もある。だからこそ、陽子さんは2人が与えてくれた今の居場所を大事にし、仲間の孤独は救いたいと思う。
「異性を好きだったら楽だったろうな、とは思う。けど、同性を好きになるのは、すごく自然。もう一回生まれ変わってもレズビアンになりたい」。バーの天井で、多様性の象徴である虹の飾りが静かに揺れていた。=おわり
◇
この連載は中川紗矢子が担当しました。
178
:
神奈川一区民
:2011/02/20(日) 18:56:07
【芸能】人気モデルのHIROMIが同性愛をカミングアウト 「愛には形も色もルールもない」
雑誌「Happie nuts」で活躍する人気モデルが、2月17日発売の「Happie nuts」4月号で、
同性愛であることをカミングアウトした。
女性と交際中であることを告白したのは、人気モデルのHIROMI(ヒロミ)。
ボーイッシュなルックスと中性的な雰囲気がファンから人気を集めている。
彼女の恋人は雑誌モデルとしても活躍中のAURA(アウラ)。
誌面ではHIROMIと上半身裸のAURAが美しい2ショットを披露している。
過去には、男性との交際経験もあるというHIROMI。
初めは女性と付き合っていることを隠しており、苦しい日々が続いていたそう。
そんなHIROMIが初めて同性愛をカミングアウトしたのは、元「Happie nuts」モデルの星あや。
HIROMIは当時について「話した瞬間、今までの苦しい気持ちが一気に吹き飛んで、自由になれた気がした」と振り返る。
さらにHIROMIは自身のブログで誌面について触れており、
「恋人のアウラさんの上半身を脱がせたのは“素”を表現したかったのです」とコメント。
そして「まだ、日本には同性愛に対してまだ偏見が強く残っているけど、愛には形も色もルールもない」と、
同じ悩みを抱える人々やファンへ向けて強いメッセージを送った。
ブログには、「ひろみちゃんとアウラちゃんのページめっちゃ綺麗ですよ☆すごく引き付けられました!
ありのままのひろみちゃんが私は大好きです (*´Д`*)」、「2人とも凄い綺麗だね!最高だよ( *`ω´)」、
「同性愛の偏見で苦しんでる人にヒロミンやアウラさんがエールを送ったと思いますよ(^^)」 など、
ファンからの暖かいコメントが殺到している。(モデルプレス)
■HIROMI プロフィール
本名:新畑博美
生年月日:1990年3月21日生まれ(20歳)
身長:163cm
血液型:A型
出身地:フィリピン
趣味:DJの練習、音楽鑑賞
特技:変顔
趣味:絵
好きなブランド:GLAD NEWS、GHOST OF HARLEM、GILFY
好きな音楽:R&B、HIP HOP、ROCK
アーティストLil'B(リルビー)の専属バックDJをつとめる。
ソース:モデルプレス
http://mdpr.jp/021132789
179
:
神奈川一区民
:2011/02/20(日) 19:07:12
【音楽】「ゲイの応援歌なんか、絶対に歌わせない! 」猛反対を押し切りヴィレッジ・ピープルの「Y.M.C.A.」をカバーした西城秀樹
今では考えられないが、'70〜'80年代は歌手本人の希望よりもレコード会社や所属事務所によって、
売り出すイメージや曲目を決められるケースが多かった。中にはジャズ風な歌が歌いたかったのに、
演歌に転向させられた者もいたという。そんな制約の多い時代にトップアイドルだった西城秀樹が、
どうしても歌いたい曲を周囲から大反対されていた。
1972年にデビューした西城秀樹は“ワイルドで、セクシー”というイメージで、
楽曲や振り付け、衣装も作り上げられた。それは同じ頃に活躍していた“歌の上手い”野口五郎、
“可愛らしい”郷ひろみとの差別化を図るため、レコード会社が考え出した路線だった。
彼ら三人は「新御三家」と呼ばれ、一世を風靡する。
「絶叫型」と呼ばれた感情を込めた激しい歌い方が定番だった西城に、転機が訪れる。
レコーディングに訪れたアメリカで偶然カーラジオから流れた曲に、西城は心を奪われた。
それはディスコ音楽で世界的ヒットを飛ばしていたヴィレッジ・ピープルの、「Y.M.C.A.」である。
彼は歌詞ではなく、元気が出る明るい曲調に惹かれたのだ。
日本に帰り、試しにコンサートなどで「Y.M.C.A.」を原曲の英語で歌うと、観客の反応も良かった。
なんといってもファンと一体感が味わえることができた。
西城は「この曲をカバーして、シングルを出したい。」と、レコード会社に直訴する。
ところが「アイドルが、こんな歌を歌えるわけ無いだろう!」と、担当者は全く取り合ってくれない。
なぜなら、ヴィレッジ・ピープルはゲイを象徴するバンドとして有名で、
「Y.M.C.A.」はゲイの応援歌として認識されていた。
ゲイに対する偏見が今よりも大きく、時代を代表するアイドルが、
初めてカバーする曲にはできない―と猛反対されたのだ。
だが初めて「自分で歌いたい」と思い、主張した曲である。西城は絶対に諦めなかった。
英語が堪能だったマネージャーに“若者に向けた応援歌”として、日本語の詞をつけてもらった。
何度もレコード会社に足を運び、ようやく西城の念願が叶い『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』として発売され、
彼自身の最大のヒット曲となる。
2月15日の『解禁!マル秘ストーリー〜知られざる真実〜』(TBS系)では、西城秀樹がうれしそうに語る。
「自分が選んだ『YOUNG MAN (Y.M.C.A.)』が今も歌い継がれ、いつまでも古臭くならない。この曲を選んで、本当に良かった。」
この番組の司会・堺正章が、「歌いたくない曲を歌うのって、楽しくないんだよね…。」とボソッと言葉にしたのが、歌い手の真実だろう。
(TechinsightJapan編集部 みやび)
ソース:Techinsight Japan
http://japan.techinsight.jp/2011/02/saijyouhideki_yangman1102152222.html
180
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:07:19
もう このタイトルの時点で産経はわかってないと思う。
線を越えるんじゃなくて、線なんてないんだって
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110219/trd11021916010012-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
第2部 性(1)(上)上司、同僚…3年かけ「女に」
2011.2.19 15:54 (1/2ページ)
周囲の理解の中、秋本紗戸子は男と女の境界を踏み越えた=埼玉県和光市(大西正純撮影)
仕事の打ち合わせが終わった深夜、上司に性同一性障害の診断書を見せた。
「ゆくゆくは女性に性別を変えたいと思います」
本田技術研究所(埼玉県和光市)の秋本紗戸子(さとこ)(57)は平成12年3月、初めて社内で打ち明けた。上司は受け入れてくれたが、「周りはダメかもしれないぞ」と案じた。
上司、同僚、部下。約3年かけて1人ずつ説明し、最後は部署を統括する常務だった。食堂前で呼び止めると、常務は「聞いていたよ」とほほ笑んだ。「これで会社で働いていける」。涙があふれた。
施設の一角には専用ロッカーが設けられ、改名と性別適合(性転換)手術を済ませた。18年9月には性同一性障害特例法に基づいて戸籍の性別も変更。本田技研工業広報部は「ホンダには国籍、性別にかかわりなく社員を平等に扱うフィロソフィー(基本理念)がある。特別なことはしていない」と説明する。
性同一性障害と診断された時、秋本には結婚して20年の女性(58)がいた。その後に離婚したが、今も同居する。女性は「本人が悪いわけじゃないから怒りや憎しみはない。友達同士の同居人」と話す。
周囲の理解の中、男と女の境界を踏み越えた秋本は「自分の恵まれた環境を伝えることで社会の偏見が少しでもなくなれば」と実名を出すことに応じた。
埼玉医科大(埼玉県毛呂山町)が国内で初めて正式な性転換手術を実施した10年以降、性同一性障害に対する認識は広まっていったが、患者が戸籍の性別変更を求めた訴訟では敗訴が相次いでいた。
患者や支援者の働きかけで、自民、公明など当時の与党3党のプロジェクトチームが、家庭裁判所で性別変更の審判を受けられるようにする性同一性障害特例法案をまとめ、15年に議員立法として国会に提案。衆参とも全会一致で可決・成立し、16年に施行された。
21年度末までに1711人が同法に基づいて性別を変更した。しかし、社員の性別変更を受け入れた、ある上場企業の関係者は複雑な胸中を漏らす。
「社員全員に理解があるとはかぎらないし、今後も同様に対応できるか分からない。当事者の職種、職場の状況次第だ」 =敬称略
◇
医療技術の進歩と法整備で、先天的であったはずの性別は今や、選択すらできる時代になったが、十分な診察もなく安易な手術が行われるなど看過できない事態も起きている。「男」と「女」という概念が溶解する中、両者の境界をめぐる性の現状を報告する。
181
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:08:09
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110219/trd11021916310013-n1.htm
第2部 性(1)(下)履歴書の性別欄が怖い
2011.2.19 16:28 (1/2ページ)
周囲の理解の中、秋本紗戸子は男と女の境界を踏み越えた=埼玉県和光市(大西正純撮影)
本田技術研究所(埼玉県和光市)の秋本紗戸子(さとこ)(57)は平成15年11月、女性への性別変更に向けて会社で改名手続きを行った。名前が入った社内のメールアドレスも変更され、秋本は案内メールを同僚たちに送った。すぐに63人から返信がきた。
「紗戸子さん、おめでとう」
秋本はこれらの返信メールを印字して会社の机の引き出しで大切に保管する。
「私にとって宝物です」
性同一性障害を周囲に告白するかどうか悩む当事者は多い。必ずしも秋本のように理解が得られるとはかぎらないからだ。
■ □
「仮にここで認められたとしても、これから先、変な先生を受け入れるところはないよ」
15年、東日本の山あいにある村の夏祭り。地元小学校に勤務していた男性教諭(40)は肩の下まで髪を伸ばしていた。長髪を見とがめた教育委員会の教育長は教諭が性同一性障害と知り、不快感をあらわにした。「なぜ、採用試験の時に長い髪で受けなかったんだ。今になって伸ばすなんてズルい」
職員数が10人に満たない小さな学校では同僚から病気への理解を得ていた。教諭はいったん髪を切ったが、性別変更への望みは強くなっていった。
17年秋、「女性になりたい」と教委の幹部に相談すると、返答は「精神疾患として休職扱いにする。3年ぐらい休んで戸籍の性別も変えてほしい」。休職して見知らぬ土地に移り住んだ。スカートをはいて引っ越しのあいさつに回り、新しい人生が始まった。
性別適合(性転換)手術と性別変更を終え、20年春に都会の養護学校に復職。一部の同僚には過去を打ち明け、受け入れられた。
教諭は「学校は保護者と子供ありきだから、どこも私を引き受けたくなかっただろう。教委や学校がリスク覚悟で動いてくれたから、今も子供と向き合える」と感謝している。
当事者らで作る一般社団法人「gid.jp」(東京)代表の山本蘭(53)はいう。「研究員、IT技術者など技術を生かせる仕事や公務員は受け入れられやすい。一方で就職できなかったり、職場で仕事を与えられなかったりする人も多い」
大阪市の無職、山中あき(42)は履歴書の性別欄が怖い。名前と顔写真は女だが戸籍上は男。男に印を付けると書類選考で、女に印を付けると面接で落ちる。悩んだ末に「男・女」の「・」に印をつけた。やはり書類選考で落ちた。
かつて食品メーカーの営業マンだった山中は男として働くことが苦痛で退社した。浴室で下半身に不安と吐き気を覚え、性同一性障害と診断された。貯金を切り崩しながらホルモン治療を進め、17年3月に改名した。
それ以降、90社以上の求人に応募したが不採用が続いている。昨年2月に物流会社に女性として履歴書を出し、性同一性障害を伏せて採用されたこともあった。しかし−。
採用から数日後。現場責任者と保険加入の手続きを進める際に性同一性障害を告白した。山中が「女性として生活している」と説明すると、責任者は顔をしかめた。
「そういう人と分かっていたら採用しなかった。性別詐称なので、これです」。責任者は両手の人さし指で×印を作った。
山中は生活保護を受けている。性転換手術と性別変更をして働きたいが、カネがない。家族とは疎遠という。「私は暗闇の中で孤独です」 =敬称略
■性同一性障害 心と体の性別が一致しない障害で原因は解明されていない。英語の「Gender Identity Disorder」の頭文字を取り、GIDと略される。患者は1万人以上と推定され、岡山大学病院の患者への調査では自殺を考えた人の割合が約6割に達した。性同一性障害特例法に基づき、(1)婚姻していない(2)未成年の子がいない(3)性別適合(性転換)手術を受けている−などの要件を満たせば、家裁で戸籍の性別変更の審判を受けられる。
182
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:09:15
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110220/trd11022017430014-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
第2部 性(2)安易な手術 転換後は戻れず
2011.2.20 17:40 (1/3ページ)
女性になるため、中野由佳=仮名=はタイで性別適合手術を受けた(荻窪佳撮影)
平成22年1月、男性から女性になる性別適合(性転換)手術のためタイに出国した関東地方の飲食店従業員、中野由佳(29)=仮名=に不安はなかった。
性同一性障害と診断されてから約1年。全身麻酔による手術は約6時間に及んだ。目覚めて傷口の熱を感じたとき、「長い道のりが終わった」と安堵(あんど)した。
患者の多くがタイに飛んでいる。タイでの手術をコーディネートする会社は複数あり、うち「アクアビューティ」(大阪市)は15年から22年2月まで約750件の手術を実現させた。
背景にタイの手術件数の多さや技術の高さに加え、日本では手術までに時間がかかることが挙げられる。日本では性別を変える治療を慎重に行うためのガイドラインがあり、基準を満たして手術を行える医療機関は少ない。手術の順番待ちも長く、初診から手術まで平均3〜4年かかる。
中野は手術までの手順をガイドラインに従った。「手術で幸せになるとはかぎらない。外見や人間関係で不幸になる人もいる。ガイドラインは当事者が後悔しないために作られているから、従うべきだと思う」
■ □
性同一性障害の治療の中でも、特に生殖機能を失い、性の境界を越える性転換手術の実施は、不可逆であるだけに慎重さが求められる。
「胸がふくらんできたら違和感があって…。ホルモン剤、やめようと思う」
数年前、岡山大学病院ジェンダークリニックの医師、中塚幹也(49)を訪ねてきた20代の男性は、困惑していた。男性は診断を待てず、インターネットで購入した女性ホルモン剤を服用していたのだ。
性同一性障害は、同性愛や女装といった趣味の範疇(はんちゅう)と誤解されがちだ。中塚はいう。「性同一性障害は自分が男か女かという性自認が身体の性別と違うこと。性自認が揺らぐ人もおり、慎重に診断してから治療を始めなくてはいけない」
ナグモクリニック名古屋院(名古屋市)を訪れた30代の男性は、性同一性障害の診断を得ていないが、「睾丸だけでも取って」と訴えた。同様の患者は毎日のように訪れるという。
院長の山口悟(40)は「生殖機能が永遠に絶たれるということをよく考えて」と男性を諭した。
だが、ネット上では「効果的に女性化」などと睾丸摘出手術の広告の文句が躍る。山口は「ガイドラインを無視した手術が横行している」と憂えている。
■ □
埼玉医科大は10年に、国内で初めてガイドラインを順守した正当な医療として性転換手術を実施。大阪府立大准教授(ジェンダー研究)の東(ひがし)優子(44)はこの時期を転換期と位置づける。「性同一性障害は遠い世界の出来事だったが、医療問題として報道されることにより、『身近な存在で差別をしてはいけない』という認識が広まった」
13年にはテレビドラマ「3年B組金八先生」で性同一性障害の女子生徒が登場。モデルとなったライターの虎井まさ衛(47)は「ドラマの力は大きい。10年たつのに『金八を見た』といわれる」と驚く。
15年には戸籍の性別変更を認める性同一性障害特例法が成立。議員の説得に奔走したGID(性同一性障害)学会顧問で弁護士の大島俊之(63)は「国のお墨付きを得た意義は大きい」と振り返る。
東はこんな見方を示す。「反対の性別を望む主張が、既存の『男らしさ』『女らしさ』の概念と衝突しないと受け止められ拒絶されなかった。性差があいまいになることへの社会の嫌悪は強い」 =敬称略
■診断と治療のガイドライン 日本精神神経学会が作った性同一性障害の診断・治療指針。医療機関側に順守の義務はないが、患者の後悔を防ぎ、スムーズな社会適応を促すために従うことが望ましいとされる。(1)2人の精神科医により診断を確定(2)精神科の治療を経ても性別違和感が続いた場合に身体的治療に移行(3)ホルモン治療は18歳以上、性別適合(性転換)手術は20歳以上が対象(4)医療機関は同手術の実施について医師や法曹関係者らで構成する判定会議で慎重に検討すること−などを求めている。
183
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:10:08
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110221/trd11022116020018-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
第2部 性(3)生殖機能も“移植”? 倫理的課題も
2011.2.21 15:59 (1/3ページ)
会見で子供の嫡出子認定を求める性同一性障害の当事者ら=昨年12月、東京・永田町
昨年3月、車内でハンドルを握る妻に「子供がいてもいいかも」と話しかけた。驚いた妻は「いいの?」と聞き返した。8月、妻は第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)で妊娠した。
かつて女性だった神奈川県の自営業の夫(35)は、性別適合(性転換)手術を経て性別を変更。同じ年齢の妻は以前から子供を産んで育てたいと思っていたが、「他人の精子をもらうことは夫を否定することになると思い言い出せなかった」。そんな妻の様子を感じ取った夫が切り出したのだ。
妻のおなかの中では最近、毎日のように赤ちゃんが動く。妻は喜びをかみしめる。出産予定日は今年5月。夫は赤ちゃんの入浴方法などを学ぶ教室に通い、心の底から「俺の子供だ」と思っている。
■ □
「戸籍がない状態を目の当たりにして、子供の存在も否定されている感じがする」。昨年12月、東京・永田町で開かれた記者会見。性別変更した関東在住の男性は言葉を詰まらせた。
男性夫妻には昨年、AIDでもうけた乳児がおり、嫡出子として出生届を出そうとしたが受理されなかった。会見には同じ境遇で子供が無戸籍となっている大阪府の会社員、前田良(28)と、あの神奈川県の夫婦の姿もあった。
民法772条には「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」と書かれており、夫婦の間に生まれた子供は嫡出子と認定される。法務省によると、772条はAIDによる出産を想定していないが、出生届を受ける窓口ではAIDによる出産か確認できず、嫡出子としての届け出が受理されるのが一般的だ。
しかし、性別変更した男性が夫の場合は戸籍の記載で性別変更が分かるため、「夫の子でないことが明らかであり、今の法制では非嫡出子として受理する」(法務省担当者)という。
「改善に取り組む」。平成22年1月、当時の法相、千葉景子は明言した。だが法務省は現在、「厚生労働省がAIDを含む生殖補助医療に関するガイドラインを定めた後、親子関係の法制に関する検討が進められる」との立場だ。
ゲタを預けられた格好の厚労省は「生殖補助医療に関する法規制は行政機関ではなく、国会で議論されるべきだ」と主張。両省の主張はかみ合わず、無戸籍児への対応は棚上げ状態だ。
この状況下、神奈川県の夫婦は子供を嫡出子として届け出るつもりだが、受理される見込みは低い。「AIDで生まれたほかの子供と平等に扱ってほしい」
■ □
精巣や卵巣を摘出する手術は患者から生殖能力を奪う−。この常識を覆そうとしているのが、岡山大病院形成外科の准教授、難波祐三郎(50)だ。
5年前からラットを使って精巣と卵巣の移植実験を始めた。異性間移植が成功すれば、性同一性障害を抱える患者が定期的に続けるホルモン投与をしなくて済むという発想が出発点だ。
すでに雄ラット同士の精巣移植は成功しており、移植後の精巣からは新たに男性ホルモンと精子が作られている。
性転換する女性に、男性から性転換する患者の精巣を移植し、自らの遺伝子を持った男性ホルモンと精子を形成する−。難波はそんな未来像を思い描いてこういう。「生まれてきた以上、自分の遺伝子を残したいのは本能だ」
本来は不可逆である生殖機能を性転換患者に移植することは、“神の領域”への侵食とならないか。性の境界では今、新たな倫理的課題が人類に突き付けられている。 =敬称略
■非配偶者間人工授精 第三者の精子を妻の子宮に注入し、妊娠・出産を試みる生殖補助医療。英語の「Artificial Insemination by Donor」の頭文字を取り、AIDと略される。国内では昭和23年に初めて実施され、1万人以上が生まれたとされる。日本産科婦人科学会のガイドラインでは、(1)対象は法的に婚姻している夫婦(2)精子提供者は匿名とし、医師は提供者の記録を保存する(3)営利目的での精子提供を禁止−などを定めている。
184
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:11:28
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110224/trd11022417280011-n1.htm
第2部 性(4)草食 欲望は「ムダ」 セックスに嫌悪も
2011.2.24 17:19 (1/3ページ)
友達から“草食系”と呼ばれる菊池良=東京・新宿(緑川真実撮影)
女性と付き合ったことも、セックスをしたこともない。肌に触れたいという欲望すら感じない。東京都内の私立大学に通う菊池良(23)は友達から“草食系”と呼ばれる。
生殖機能を失いながら子供を持つことを望む性同一性障害の患者がいる一方、セックスそのものへの関心を失う若年男性の姿も目立つ。
菊池は月に1度ぐらい性欲がわき、インターネットのアダルト動画を見る。その度に「ムダなことをした」と後悔する。そんな菊池が今、初めて片思いをしている。年下の女子大学生のことを毎日考える。「一緒にいて、いつでも話せて、向こうも話しかけて、みたいな関係になりたい」。性的な対象として見ることはない。
平成20年秋。東京都の会社員、沢矢あい(32)=仮名=は、交際中だった大学3年の男性(23)と繁華街を歩いた時、風俗店の看板が目に入った。「社会人になったら行く?」と冗談で聞くと、普段は物静かな男性が必死の形相で叫びだした。
「ヤダ、ヤダ、ヤダ。男の欲望を抑えられないことは許せない。汚いことだ」
男性は一緒に泊まっても別々に寝ようとするなどセックスにも消極的だった。1年半の交際でセックスは月1、2回ペース。沢矢は「草食系男子が増えると世の中が無機質になり、子供も減る」と憂う。
厚生労働省研究班の昨年9月の調査によると、セックスに無関心・嫌悪する男性の割合は2年前と比べ16〜19歳で17・5%から36・1%、20〜24歳で11・8%から21・5%と倍増した。
調査を担当した日本家族計画協会の北村邦夫(60)は、「セックスに限らず、男女間のコミュニケーションを面倒と考える人が増えている」と懸念する。
希薄な男女関係を示すデータもある。国立社会保障・人口問題研究所が17年に18〜34歳の未婚男女を対象に行った調査で「異性の友人や恋人がいない」と答えた男性は約52%、女性は約45%。同研究所の佐藤龍三郎(59)は「不安定な経済状況の中で若者がパートナーを見つけて支え合い、カップル内でセックスを含め親密さが高まってくれれば」と期待する。
一方、動物行動学研究家の竹内久美子(55)はこんな見方を示す。「草食系は子孫を残せず、いずれはいなくなる。どんな時代も子孫を残す者が勝ち残り勢力を拡大する」
■ □
「今は乾燥して肌がかゆくなるので互いの背中をかく」。1月下旬、千葉県浦安市のあべメンタルクリニックを訪れた30代の夫婦に、院長の阿部輝夫(66)はスキンシップの「宿題」を出した。夫婦は結婚して5年余り。1度もセックスをしていなかった。だが2人は「夫婦仲はいい」と口をそろえたという。
阿部が受けたセックスレス相談は元年の10件から22年は180件と急増。約7割が男性に起因、多くが性欲低下だ。阿部は「純粋に性欲がない。原因は分からない」と説明する。
「3年も付き合ったのに一度もセックスがなくて寂しい。結婚したらセックスをしてくれますか」
ネット上の「恋人・夫婦仲相談所」に数年前、20代の女性が書き込んだ。所長の二松まゆみ(50)は「相手も問題意識を持たないと解消されない」と考えており、女性には「結婚するだけでセックスレスは解消しない」と回答した。女性は結局、結婚した。その2年後、女性から二松にメールが届いた。「希望は裏切られた。まだ1回もセックスをしていない。子供もほしいのに」 =敬称略
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:12:19
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110225/trd11022516100019-n1.htm
第2部 性(5)胸、声変わり 学校イヤに
2011.2.25 16:05 (1/3ページ)
性別に違和感を覚え続けていた少女(右)は、母親と一緒に岐阜から上京して新しい生活を始めた=東京都内(古厩正樹撮影)
膨らむ胸と、生理が嫌だった。岐阜の田舎町に生まれた少女は漠然とした心と体の違和感を覚えていた。中学3年の時、友達の家で初めて化粧をした。「心が変わるかも」。こう思ったが気持ち悪いだけだった。
平成20年3月。卒業式の数日前に、「女の子が好き」と母親(44)に打ち明けた。「否定したらこの子は傷つく」と思った母親は数日後、職場に向かう車の中でひとり泣いた。
「こいつがあるから…」。高校1年の時には制服のスカートを破った。母親は担任に「性同一性障害だと思う」と相談した。しばらくして女子用の制服のズボンも用意されたが、周囲の目が気になり、引きこもりがちになった。
学校に行かずソファで寝ころぶ少女に母親は「このままではダメになる」。2人は21年10月、環境を変えるため東京に飛び出し、通信制の高校に編入した。
18歳になった少女は、勉強の傍ら新聞を配達する。短髪の頭にタオルを巻き、胸の膨らみを押さえつける特殊なシャツを着て自転車のペダルをこぐ。「シャツは毎日着ている。着ないと不安で外に出られない」
■ □
21年3月、神奈川県内の小学校の卒業式で、少年は学校で初めてはいたスカートのしわをしきりに伸ばした。新しく考えた女の子の名前で先生に呼ばれても返事ができない。見守っていた母親(47)は「緊張している」と思った。でも少年は笑顔だった。
少年は教科書に、本名ではなく女の子の名前を書くこともあった。小学6年の夏、母親の前で「自分の心にウソはつけない」と泣いた。精神科医からは性同一性障害と診断された。
相談に乗ってくれた小学校の校長は中学校側に女子生徒として扱うよう掛け合った。「これから助けてあげてほしい」。卒業式直前には同級生たちにこう呼びかけた。中学校に入学した少年は、女子の制服に喜んだ。髪にカールをかけ、おしゃれも楽しんだ。女子トイレに入るときは、同級生が付き添ってくれた。
順調に進むかに見えた中学生活だったが、2年生の少年は今、学校を休みがちだ。第2次性徴による声変わりに苦しみ、「おはよう」の一言が言えない。母親はこれからの体の男性化を心配している。
■ □
大阪医科大ジェンダークリニックで1月18日、第2次性徴を止める「抗ホルモン剤」投与の同意書に兵庫県内の小学6年の男児と母親が署名した。同クリニック准教授、康純(こう・じゅん)(48)が「次に来たとき始めよう」と話しかけると、性同一性障害の男児はうれしそうにうなずいた。
女の子として小学校に入学した男児は5年の時、たまたま口の周辺に毛が1本生えていたのを見つけ、ひげが生え始めたと思い込んで「死んだ方がマシ」と泣きじゃくった。定期的に測っていた血中の男性ホルモンは昨夏、第2次性徴の影響で数値が著しく増えた。康は親子と話し合い、抗ホルモン剤投与を決断した。
思春期の身体の変化を一時的に止める治療には慎重論があり、治療方法を定める日本精神神経学会のガイドラインには盛り込まれていない。同医科大では倫理委員会で慎重に検討を重ね、実施を決めた。
康は「この治療は世界的には標準的な治療の一つとなっており、可能性をつぶしてはダメだ」と訴える。
多くの患者を診察してきた「はりまメンタルクリニック」(東京)院長、針間克己(45)は懸念する。「周囲と発育状況が違うことに苦しむ可能性もあり、十分なケアが必要。今後、治療環境が整わない医療機関で安易に行われないかが心配だ」=敬称略
■抗ホルモン剤 精巣や卵巣を刺激する脳下垂体に働き、性ホルモンの生成や分泌を抑える作用がある。大阪医科大が投与を決めた「LH−RHアゴニスト」は、声変わりや月経といった「第2次性徴」が異常に早く現れる思春期早発症の治療にも使用されており、製造元の武田薬品によると、副作用はほぼないという。性同一性障害の治療では、岡山大病院が女子高生に投与した例がある。女子高生は18歳で投与を中止して男性ホルモン剤の投与に切り替え、20歳で乳房切除と性別適合(性転換)手術を受けた。
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:13:12
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110226/trd11022620350013-n1.htm
第2部 性(6)分化 「男か女か分からず生まれ困ってる」
2011.2.26 20:31 (1/4ページ)
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「女にしか渡さないはずなのに、なぜおれに?」
繁華街で手渡された小さな袋。ポケットティッシュだと思って受け取ったものは、生理用ナプキンの試供品だった。
さいたま市の文筆業、石巻拓海(41)=仮名=は幼い頃からよく女性に間違われてきた。ホルモンや染色体の異常により、男女の特徴をさまざまな組み合わせで持つ性分化疾患の患者だ。
「半陰陽なら自分で性を選べる」。石巻はある日、同じ疾患を抱える患者の輪を広げるために開設している自身のブログに、こんな書き込みがあるのを目にして思った−。「性を自分で選んで生まれてくる人なんていない。男女どちらか分からない状態で生まれてきたから困っている」
大阪府の橋本秀雄(49)は「オバハンみたいなオッサンやろ」と大きな声で笑う。ふっくらとした体つき、薄いひげ…。性分化疾患の自助グループ「PESFIS」を主宰する。
生まれつき小さかった男性器は3歳になっても発達せず、男性ホルモンの投与を受けた。だが効果はなく、その後、治療は行われてこなかった。橋本はそのことを知らずに育った。違和感を覚え続けてきた橋本が32歳で聞き出すまで、母親は疾患の話を一切しなかった。
「普段は下着で隠しているから関心が遠のいていくのだろう。あるがままを受け入れたなんてきれいなものじゃない。あきらめたということ、親も自分も」
■ □
「性の問題は隠しておきたいこと。子供は親に教えてほしいという場合が多く、親から本人に伝えることが自立に繋がることも研究から分かってきているが親は隠したがる」
こう話す国立成育医療研究センター(東京)の研究所部長、緒方勤(54)は普段タブー視されている「性」に関する疾患と向き合う難しさを指摘する。
「性に対する秘匿性、特殊性が正しい知識の普及を困難にしている」
かつて《半陰陽》《両性具有》などと呼ばれていたこれらの疾患は平成21年、日本小児内分泌学会が性分化疾患と呼称を統一した。
「男」と「女」が存在する社会の中、子供を性差の境界上に置いて性別をあやふやにしたままの状態で育てていくことは、ほとんど不可能といえる。
性分化疾患の患者を20年間診察してきた大阪府の男性医師(63)は「(性分化疾患の患者は)珍しいため出生時に診て混乱する医師がほとんど」と指摘して、こう続けた。「少し前まで、男性器が小さいなどの場合は手術が簡単だということで、女性としての道を勧める医師もいた」
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:13:34
■ □
「社会が性分化疾患を夢物語のように思っている」。都内のモデル、中島静(34)=仮名=は憤る。中島には、子宮や卵巣とともに男性のような外性器もある。
14歳のころ「こんな体で生きていていいのか」と悩んだが、翌年、夢だったモデルの仕事を始めてから気にならなくなった。
中島の場合、治療も特に必要なく、望めば子供も持てる。気にかかるのはむしろ、ほかの患者のことだ。高校生のころに会った患者の少女は男性のようになる外見に悩み、自殺未遂を繰り返していた。
中島は性分化疾患が知られていないことがもどかしい。
「体の疾患としてホルモンバランスがおかしかったり薬を飲んでないと生きられない人たちが、もっと社会に受け入れられてほしい」
=敬称略、第2部おわり
(この連載は高橋裕子、高久清史、田中佐和が担当しました)
■性分化疾患 性染色体の構成や精巣、卵巣といった性腺など、男女の性別を決める身体の特徴をさまざまな組み合わせで持ち、性別判定が難しい疾患の総称。疾患数は60種類以上、国内の患者数は約6500人と推計されている。不妊の傾向が強く治療をしなければ生命に関わる場合もある。原因や将来的な発達を踏まえ、出生後早い時期に養育する上での性を決められるよう厚生労働省研究班は昨年12月、国内初となる初期診療の手引きを公表。今後、より科学的根拠の高い指針の作成を目指す。
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:15:25
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110106/bdy11010610420001-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(1)生の境界・NICUで救われるミラクルベビー
2011.1.2 22:18 (1/3ページ)
長男が入院していたNICUを訪れた横浜ベイスターズの村田修一。予定日より4カ月早く生まれ体重400グラム台だった乳児と家族を励ました=平成22年12月8日、神奈川県立こども医療センター(篠原那美撮影)
相模原市の小児科医、小口(おぐち)弘毅(59)のもとには毎年正月、患者だった子供たちから年賀状が届く。
大学病院内の新生児集中治療室(NICU)で20年間、小さな命と向き合ってきた小口。体重1000グラム未満の超低出生体重児に、特別な愛着を抱いている。
「この双子の兄弟は今や元気な大学生。心停止した1人に心臓マッサージしたときは、もうダメだと思ったけどなあ」
年賀状の片隅に記された双子の名前は「生(しょう)」と「命(めい)」。小口は2人のように生死の境界を乗り越えた子供たちを“ミラクルベビー”と呼ぶ。小さな命を救う境界も変わってきている。
●
横浜ベイスターズの主砲、村田修一の長男、閏哉(じゅんや)(4)もミラクルベビーの一人だ。
平成18年2月7日、閏哉は712グラムで生まれた。妊娠23週だった村田の妻、絵美が破水して総合病院に運ばれてから12日目だった。総合病院で、村田は産科医から告げられた。
「23週で生まれたら9割の子が亡くなる。生き残れた1割のうち9割は大きな障害が残る」
NICUの保育器が母親の子宮代わりとなった閏哉の様態は、生後7日目に急変した。腸に穴が開き、手術しないと命が危なかった。搬送先の神奈川県立こども医療センターで、村田は大きな選択を迫られた。閏哉は腹の中で大量に出血。輸血しても止まらず、手術に耐えられる見込みは低いといわれたからだ。
「助けられると思うからこそ、赤ちゃんに痛みを強いる治療もする。でも、赤ちゃんが弱ってくると治療は暴力ではないかと悩むこともある」。同センターの新生児医、豊島勝昭はそう述べて続けた。「救命が困難になったら、治療を差し控えて残された時間を家族で大切に過ごすという選択もあるのではないか」
村田は閏哉の生命力を信じた。輸血で全身の血液は5回ほど入れ替わった。3日目、ようやく止血が始まり、腸の手術に臨むことができた。「閏哉は生死の瀬戸際で、何度も少ない確率の方へすり抜けてくれた。支えてくれた全ての人に感謝している」。昨夏、村田は閏哉にグローブがほしいとせがまれた。「あのちっちゃな息子と、キャッチボールができるようになるなんて、ね」とはにかんだ。
豊島はいう。
「医者は神様にはなれない。よく『先生にお任せします』といわれるが、親として子供にどうしてあげたいのかという願いを聞きながら一緒に決めていきましょうとしかいえない。医学が進歩し続ける今だからこそ、死生観をそれぞれが持つことが必要だと感じる」
189
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:15:37
●
日本の新生児医療は世界トップレベルといわれる。だが、超低出生体重児の生存率が向上する一方、同じようにNICUで治療を受けながら、重い障害を抱えて生きていく子供もいる。
小口がNICUで診た新生児の中に、脊髄髄膜瘤(りゅう)と水頭症という先天疾患を抱えた女児がいた。成長しても歩行障害と排尿、排便障害が残る可能性があった。「どんな子供にも生きる権利がある」。小口は手術の必要性を訴えたが、父親は治療を拒否。「こんな身体で、お嫁にもらってもらえますか」。切り替えされ、説き伏せる言葉を失った。
頭に水がたまってパンパンにはれていたけれど、ニコニコよく笑う子だったという。「手を尽くしても救えない命はある。でも、あの子はどうだったんだろう」。女児は水頭症の手術を受けられないまま、生後8カ月で亡くなった。
●
「つらいことばかりなのに、こんなに頑張らせる必要があるのでしょうか」。神奈川県の主婦、田中聡子(39)=仮名=も、NICUの医師に泣きながら訴えたことがある。
定期検診で「子供のおなかに水がたまる胎児水腫」と診断され、29週目に緊急帝王切開で出産。長男はNICUへと運ばれた。
むくみのせいで気管が狭く自力で呼吸ができなかった長男は、生後6カ月で気管切開の手術を受け、呼吸は楽になったが、たんの吸引なしには生きられない身体になった。未熟児網膜症で全盲とも言われ、「もうこのまま…」と思ったこともあった。それでも−。
6歳の長男は今、養護学校に通う。「身体は不自由で目も見えないけど、『学校に行こう』と語りかければ笑顔を見せてくれる。悲しいことばかりじゃない。この子なりに楽しいこと、うれしいことが分かっているみたいです」=敬称略
190
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:16:30
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110106/bdy11010610420002-n1.htm
ボーダー その線を越える時】
(2)死の境界…「自分らしく」最期は自然に
2011.1.3 17:59 (1/3ページ)
ALSという難病患者の清水富久雄さん=千葉県習志野市(三尾郁恵撮影)
不自由を覚悟して「生きる」か、尊厳を保ちながら「死ぬ」か−。
生死を分ける境界に直面したとき、究極の選択を迫られる瞬間がある。以前ならば自然に死を迎えた状態も、医学の進歩により人工呼吸器や胃ろう(胃に直接栄養を送る装置)を付けることで、生き長らえることが可能となったからだ。
千葉県習志野市の清水富久雄(49)も10年前、その境界線に立った。自宅6畳間のベッドに横になった清水の体はやせ衰え、のどには人工呼吸器のチューブ。室内にはプシュー、プシューという呼吸器の無機質な音が繰り返し響く。
平成11年、筋萎縮性側索硬化症(ALS)という難病を発症した。全身の筋肉がやせ衰える病気で、治療法はない。2年後には全身不随となり、食事や呼吸もできなくなった。呼吸器を付けて全身不随のまま生きるか、それとも付けずに死んでいくか−。ALS患者の約7割は「死」を選ぶ。
しかし、清水は「人には生まれてきた意味がある」と生きる決断をした。
声も出せない体だが、文字盤と目線で一文字ずつ懸命に意思を伝える。わずかに動くほおで器用に障害者用のコンピューターも操作する。2カ月に1回程度、介護系専門学校に出向き、臨時講師として自身を“教材”とした介護の実践授業に一役買うなど、生きがいも見つけた。
「死にたいと思ったのは病気を告知されたときくらい。私は笑って生きていけると思ったから、生きることを選んだ」
おまけの人生
肺がんと闘う横浜市の三浦秀昭(54)は昨年6月、医師から余命3カ月と宣告された。幸い今も命はつなぎ止めているが「着実に時間は無くなっている」と感じている。
それでも生きる希望は捨てない。自身の動画映像と近況を毎日、インターネットで発信。「闘う自分の姿を発信することで他のがん患者に勇気を与えたい」からだ。「死のボーダーはあきらめない気持ち。あきらめたときにボーダーはある。だから僕は悔いのない所まで生き続けたい」
一方で、「自分らしく生きられないなら…」と、呼吸器などの延命治療を拒否し、自らの意志で死のボーダーを超える決断をした人もいる。
大阪市西区の島田多壽子(70)は約3年前、卵巣がんが見つかった。2度の再発後、根治は無理と告げられた。
《呼吸器などの延命治療はせず、痛みだけ取り除いてほしい》
手紙に書いて、主治医と家族に渡した。家族に苦しんでいる顔を見られたくなかった。葬儀費用も娘に託した。身辺整理をしたら楽になった。
今では入院や検査の合間を見つけては趣味の旅行に出かける。「これからはおまけの人生。だから何をしても楽しいし、何を見ても感慨深い。病気は嫌だけど事故で急に死ぬのとは違う。ある意味、こんなに良い老後はない」と笑う。
長年B型肝炎を患ってきた名古屋市南区の斎藤セツ子(71)も、延命治療を拒否する一人だ。「体が悪くなれば、生きていても良いことはないと思ってしまう。最期は自然に死にたい。機械の力を借りて生きるのは自然じゃないもん」
できぬ後戻り
死をめぐる選択は後戻りできない。それは「生きる」場合も同じだ。呼吸器や胃ろうなど回復して外せることもあるが、回復しなければ途中で外すことができない。治療の中止が死に直結するため、取り外した医師が殺人罪に問われかねないからだ。この現実が、究極の選択をさらに難しいものにさせている。
東京都府中市の会社員、稲田正俊(59)=仮名=は、脳卒中で倒れて植物状態となった母(91)を6カ月以上、介護した。母は胃ろうを付け、意思表示もできない状態で6カ月以上生き続け、昨年12月29日、永眠した。
「母を蛇の生殺しのような状態にしてしまった。もう楽にしてあげたい」。介護をしながら何度も思った。しかし、治療を中断できない以上、「看病を喜んでくれているはず」とも言い聞かせた。手を握ると目に涙を浮かべることがあった。苦しみの涙にも、喜びの涙にも映った。
医療の発展は自然の摂理であった死の境界すら人の手で操れるようになってきた。人工多能性幹細胞(iPS細胞)の台頭など、理論上は死なない体も可能だ。それは生きる希望や喜びを享受できる半面、新たな苦しみを生み出す危険性もはらんでいる。=敬称略
191
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:20:12
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110106/trd11010610430015-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(3)男と女の境界・オカマキャラ、草食系男子の氾濫、その先に…
2011.1.5 07:49 (1/3ページ)
「オカマキャラ」で脚光を浴びるマツコ・デラックス(大西史朗撮影)
「話すきっかけがつかめない。どうしたらいいのやろう」
昨年12月、晴れた日曜の昼下がり。家族連れでにぎわう京都市内の動物園で、会社員の男性(34)は、1人でゾウを見ながら戸惑っていた。
スーツにダウンジャケット、ピカピカに磨いた靴。京都市などが主催したお見合いイベントにめかし込んで参加した。男女各5人のグループで動物園を散策していたが会話の糸口をつかめないまま、グループから離れてしまった。
本来、おもしろい話をして人を楽しませるのが好きなはずなのに、どう話しかけて良いか分からない。「なかなか難しい」とつぶやいた。
イベントの定員は男女各100人。男性は368人が応募し、母親が申し込んだケースもあった。一方、女性は1140人が殺到。抽選で絞り込まれた。
「話しかけても一問聞いたら一言答えて終わり。“一問一答”みたい。私、落ち込んでいます」
大きな目に華やかな長い巻髪がよく似合うエステ店経営の女性(33)。自己紹介が書かれた名札を見て、映画鑑賞が趣味の男性に「最近、何見た?」と声をかけた。すると男性は「最近、見ていないんだ」と一言。会話は終わった。
「友達が申し込んだ」「友達の代理で」と消極的な男性たち。結婚したいという気持ちが前提ではないのか。もどかしさが募る。
「もっと『肉食系』の男性がいればいいのに…」
〝ナヨナヨ〟
「肯定的な意味で『草食男子』と言ったのに、悪い形でブレークした」
「草食男子」の名付け親でコラムニスト、深澤真紀(43)は、言葉が意図しない使われ方をされてきたと感じている。
深澤の考える草食男子とは「見えを張るための消費や恋愛に血道を上げない若い男性」。お金があってもむやみにブランド品は買わない。女性とも友情が築け、美容や家事にも関心を持つ。
それがいつの間にか「草食系」は意欲がなく消極的であるなど、“ナヨナヨ”とした男性像として使われるようになった。
平成21年秋、マガジンハウスの女性向け情報誌「ハナコ」の男性版「ハナコフォーメン」が創刊された。頭皮や髪を手入れする男性向けの「ヘッドスパ」特集の掲載店には、予約が殺到するほどだった。
13年前まで出版社の編集者だった深澤は、上司に「本の装丁を女性向けにすると男性に売れない」とよく言われた。「もし当時、同じ企画を出したら、『なぜ男性向けがハナコなんだ』と怒られたはずだ」
競馬、立ち飲み、スイーツ…。男性も女性も楽しんでいる。「『男(女)だから○○する』といった性差のボーダーはもうない。女がおしゃれして女を装うように、今後は男を装う男がさらに増えるだろう」
異形なもの
「西麻布の店に行かなくてすむし、殴られなくてすむ。(デュエットするなら)海老蔵、海老蔵、海老蔵!」
昨年12月、家庭用カラオケゲームの新商品発表会に登場した女装のコラムニスト、マツコ・デラックス(38)は、東京・西麻布のカラオケバーで殴打された歌舞伎俳優、市川海老蔵(33)を引き合いに出し、会場の笑いを誘った。
テレビでは女装した男性の「オカマキャラ」が脚光を浴びている。深澤は、人気の背景に性差が薄れたことがあるとみている。
だが、当のマツコはオカマキャラ人気について、別の見方をする。「中庸なものが氾濫している中で分かりやすく異形なのよ、オカマは。異形のものを見たい、感じたいという欲望に応えられたのでは」
「草食系」男子の台頭はひとえに、「戦争がないから」だと言い切る。
古代から男性は戦い、女性が家庭を守るものだった。「何千年とかけてできたのが、今の男女の差。日本人にとって戦争が遠い存在になり、性差も薄れた。働かない主夫が普通になるとか、男と女が本当の意味で対等になる時が来てもおかしくないという気配を感じる」
“ゲイの聖地”として知られる東京・新宿2丁目も変わった。男の世界だった界隈に、若い女性グループの甲高い声が響く。
昭和48年ごろからこの地で働いてきたバー経営、ゲイの洋ちゃん(73)は懐かしむ。「昔は閉じられた世界で、限られた人がくるところだった。それが楽しかったのよ」=敬称略
192
:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:21:14
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110106/bdy11010610440003-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(4)性の境界 「なぜ僕は父親になれないのか」
2011.1.5 18:58 (1/3ページ)
性転換手術後、女から男に戸籍を変えた前田良(左)。子供は第3者の精子提供により妻(右)が出産した(奈須稔撮影)
長年、自分に違和感を与え続けてきた子宮が体内から取り出されたとき、高揚感はなく淡々としていた。
性別適合(性転換)手術の分野で、世界有数の手術数と技術を誇るタイ・バンコクのヤンヒー病院。平成20年2月、病室のソファに腰掛けていた。手には摘出直後の子宮を撮影した写真があった。「ほんまになくなったんやな」
その翌月、性同一性障害特例法に基づき、性別を男に変えた大阪府東大阪市の会社員、前田良(28)。女から男への境界を越えた実感は、「ようやく男に戻れた」という安堵感を生んだ。
「なんで女なんやろ」。幼稚園のころから疑問を抱いていた。中学、高校と進学する中で違和感は増し、制服のスカートがたまらなくイヤだった。髪を少年のように刈り込み、周囲からは「男女(オトコオンナ)」と揶揄された。
高校卒業後は警備会社に就職したが「制服のスカートを着る女」で居続けることに苦しみ数カ月で退職。「名前を男に変えたい」と両親に相談したが、母は泣き出し、父は「お母さんを泣かすな」と諭した。
19歳の時から、親に内緒で男性ホルモンの注射を受け始めた。低く変わっていく声、生え出したひげ。体に変化が表れる分、親との距離が広がった。16年、心と体の性別が違う「性同一性障害」と診断された。特例法に基づき性別を変えるためには、性別適合手術を済ませる必要があった。
タイの病室では前田に寄り添う交際中の女性(29)の姿があった。術後は痛みでうなされる前田の背中をさすり、寝ずに介抱した。性別を男性に変え、この女性を妻にしなければ−。約2カ月後に結婚し、両家の家族が祝福してくれた。「ようやく普通の男として暮らせる」。だが、厳しい現実が待っていた。
「子供が欲しい」と言い出したのは前田だった。手術を行い、ホルモン投与を続ける自分は長生きできないかもしれない。「僕が死んでも、妻を支えてくれる子供を残したい」
生殖能力がない前田。夫婦が選んだ道は第三者の精子を使う非配偶者間人工授精(AID)だった。21年11月4日、体重2310グラムの男の子が産声を上げた。前田は病室で、出産を終えたばかりの妻と抱き合い、涙を流した。
民法772条には「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」と規定。この一文から、不妊治療として行われるAIDで生まれた子は一般的に「嫡出子」として扱われる。
前田も、当時住んでいた兵庫県宍粟(しそう)市の市役所に嫡出子として出生届を出そうとした。だが「生物学的に親子関係は認められない」と指摘され、父親の欄を空欄にして「非嫡出子」として届けるよう指示された。
養子縁組の道もあったが、嫡出子扱いを求め続けた。22年1月には当時の法相、千葉景子が「改善に取り組みたい」と表明したが、その後の進展はない。生まれてから1年余りがたつ息子には、いまだに戸籍がない。
日本精神神経学会などによると、19年末現在で性同一性障害と診断された患者数は約7000人に上り、未受診者を含めると1万人以上と推定される。16年7月の特例法施行後、21年度末までに1711人が戸籍上の性別変更を行った。
「一番若い患者は2年前に5歳だった男の子。最初は短パンだったがスカートをはくようになり、会うたびに見た目やしぐさ、言葉遣いが女の子になっていった」。性同一性障害の診断を行う埼玉医科大かわごえクリニックの医師、塚田攻(おさむ)(60)は明かす。
男児は今、小学2年生。経過観察中で性同一性障害の診断は下していないが、小学校側の理解もあり女児として扱われている。塚田が小学生に性同一性障害の疑いがあると診断したケースは十数例に及ぶが、そのうち数人が学校で望んだ性別として通学している。
全国的にも、鹿児島県内の中学2年の女子生徒や、兵庫県内の小学校6年の男児が同様の扱いを受けている。塚田は「子供が引きこもりや不登校にならずに済んでいる」と歓迎する一方で、懸念も募らせる。
「ひげが生えたり胸が膨らんだりする第2次性徴が表れたとき、周囲との人間関係に葛藤するかもしれない。その試練を乗り越えてくれればいいが」=敬称略
「国が男性と認めてくれたのに、なぜ一般の男性と同じに扱ってくれないのか。なぜ父になることを許してくれないのか…」
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:22:13
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110106/crm11010618050100-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(5)国籍の境界「私は日本人かそれとも…」
2011.1.6 17:58 (1/3ページ)
「中国帰国者定着促進センター」では、来日したばかりの中国残留孤児二世らが半年間、日本語の基礎や生活習慣を学ぶ=埼玉県所沢市(矢島康弘撮影)
「船から見える風景を見て『間違って来たな』と後悔しました。これが『地上の楽園』かって…」
福井県出身の斉藤博子(69)は在日朝鮮人の夫一家と1961年6月、北朝鮮に渡った。
だが、北朝鮮で目にしたのは日本では見たこともないボロをまとった人々。子供は垢(あか)で真っ黒だった。在日朝鮮人の帰還事業促進のため、朝鮮総連が盛んに喧伝していた「地上の楽園」はどこにもなかった。
「キム・パクスン」に改名させられ、日本語も話せなくなった。「ほかの日本人妻と日本語で話すと監視役の班長からすぐ警察に通報がいった」。最も困窮したのは主席だった金日成が死亡した94年以降。夫も亡く、盗品の銅線をヤミで売ってしのいだ。北朝鮮で生まれた三女は98年に餓死。長女と次女は銅線のヤミ売買で逮捕され、その後、長女の死亡が伝えられた。
「日本に行ってみないか。2、3年働いて帰ればいい」。死線と国境を越えた中国で2001年、ブローカーが持ちかけてきた。条件は「妹をあなたの娘に偽装して連れ出してくれ」。同年8月、“偽の娘”と成田空港に立った。
その後もブローカーから催促され、男女2人を入国させた。偽装入国した3人は風俗店などで荒稼ぎを始めた上、「もっと戸籍を貸せ」と催促され、嫌気がさして警察に出頭。09年、執行猶予付き有罪判決が下された。「戸籍ぐらいは、と思った。北朝鮮では人殺し以外は何でもしたから」
一方で日本での生活に違和感も覚える。「日本人は冷たくなった。隣の人が何をしているか関心も払わない」。斉藤は北朝鮮に残してきた家族への思いも切れることはない。
父の故郷で
「お父さん中国人?」。ライターの城戸久枝(34)は小学生のころ、同級生から聞かれた。「絶対違う。日本人だよ」。むきになって否定した。
父、城戸幹(かん、69)は終戦時の混乱で中国黒竜江省に一人取り残され、中国人養父母に育てられた残留孤児だ。国交正常化前の1970年、残留孤児の存在も知られていない祖国に帰り、地元・愛媛で結婚。次女として久枝が生まれた。
久枝は大学のとき、「父が中国で過ごしたことを何も知らない」と中国の大学に留学した。
「日本語も話せず中国人といわれる。私たちは何人なのか」。帰国者は政府関係者に中国語で鬱積した気持ちをぶちまけた。
首都大学東京准教授で「中国帰国者二世、三世の会」会長の大久保明男(42)はいう。「子供の方が先に日本の生活に慣れる。一世は言葉もできず、家庭内でも威厳が保てずに家族の構造が壊れてしまう」
大久保自身、残留孤児の父と中国人の母に伴われ、小学6年で来日した際、「自分が中国人だ」ということを突き付けられた。成田空港に着くと、人民服姿の自分たちを珍しげに見る視線を感じた。
中国人とみられないように、外では中国語を話すのを控えた。1年半しかたたずに両親が「なじめない」といったん中国に戻った。
中国の中学で今度は「日本人が来た」と周囲から騒がれた。「日本人を演じるしかなかった」
自分は日本人か、それとも中国人か−。国籍の境界を考える。悩みが完全に解消したわけではない。だが、今はこう思う。
「日本人か中国人の一方を捨てたり、中途半端な状態には甘んじたくない。双方の国を深く理解している自負はある。限りなく中国人であり、日本人でありたい」 =敬称略
幹の養母一家は家族の一員としてすんなり迎え入れてくれた。だが、嫌でも「日本人である」現実に直面する。授業中に中国人学生から「戦争で日本が何をしたか知っているのか」と詰問された。幼児からも「日本鬼子(リーペン・グイズ)」と日本人をののしる言葉を浴びせられた。
「ただの日本人ですね」。帰国後、東京で帰国者二世の集まりに参加した際、「日本生まれだ」と伝えるとこう切り返された。周囲は皆中国生まれで中国語が飛び交っていた。「日本生まれの残留孤児二世」という特殊さを知った。
双方を理解
「チュウゴクザンリュウコジ、タスケテクダサイ」。帰国者が発するこんな棒読みの日本語を耳にして久枝はがくぜんとしたことがある。2005年、政府に支援を求める訴えに同行したときのことだ。「帰国して10年や20年は過ぎているのに…」
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:22:59
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110107/crm11010717580110-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(6)罪の境界 慣れ、保身…「抜け出せない」
2011.1.7 17:49 (1/4ページ)
毎日店に立ち、客に頭を下げ続ける元大嶽親方の鎌苅忠茂=東京都江東区清澄(栗橋隆悦撮影)
「アリ地獄に入ったらなかなか抜け出せない。ずるずる負けていたから…」。野球賭博に関与したとして昨年7月、日本相撲協会に解雇された元大嶽(おおたけ)親方=元関脇貴闘力=の鎌苅(かまかり)忠茂(43)は賭博にのめり込んでいた現役当時をこう振り返った。「ギャンブル依存症。治すには相当のショック療法が必要だった」
鎌苅が賭博にはまったのは20年前のことだ。先輩から「ギャンブルをやらなきゃ相撲が強くならない」と言われた。「博打(ばくち)なら何でもやった」。海外のカジノで1回に2千万円賭けたこともあった。野球賭博はマージャンや競馬の延長。
「悪いという感覚はなかった」。だが、思わぬ事態を招く。「誰が(賭博を)やっていたか証拠はある。1億円払え」と暴力団幹部らが鎌苅の仲介をしていた元大関琴光喜の田宮啓司(34)を脅し、事件が雑誌を通じて漏れた。
当初は「分からないに越したことはない」と協会にも関与を否定したが、自ら責任を取ろうと決めた。
「このまま定年の65歳までこっそり生きていくより、辞めようと思ったときは気持ちが楽だった。ほっとしている自分がいる。こういう形で分かってよかったのかもしれない…」
昨秋、焼き肉店を相次ぎ開店した。「肉一つ売って100円もうけるのがどれだけ大変か分かった」。結果的に「生活そのものだった相撲」を自分から奪ったギャンブルを断った。「ありがとうございました」。鎌苅は毎日、店に立ち客に頭を下げ続けている。
ウソ重ねて
「世界中の格闘家の夢と思ってきたK−1がなくなるのが堪えられなかった」。格闘技イベント「K−1」創始者で興行会社「ケイ・ワン」元社長の石井和義(57)は、事件当時の心境をこう語る。
平成5年の最初のイベント以来、K−1はテレビ各局が大みそかの放映を競い合い、絶大な人気を得る。絶好調の最中だった13年、東京国税局がケイ・ワン関係先の一斉捜索に入った。
親交があった旧イトマン元常務、伊藤寿永光(すえみつ)=イトマンの特別背任事件で懲役10年が確定=に相談すると、伊藤は「このままではK−1がなくなる」と告げ、米元プロボクサー、マイク・タイソンとの違約金で資金を使ったことにするという偽装工作を持ちかける。「一か八か、これしかない」と乗った。
1年半後に脱税容疑などで東京地検特捜部に逮捕され、18年、最高裁で懲役1年10月の実刑が確定する。
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:23:29
「ウソでウソを塗り重ねた。自分を信頼してくれる人の顔をまともに見られなかった。この1年半は孤独な闘い。人生でこんなに苦しいことはなかった」
事件は石井ら旧経営陣らの罪と認定され、K−1消滅は免れた。「自分だけは大丈夫と思っていた。捜索を受けたときは最悪の入り口でしかなかった。このとき(の判断)から悪い方、悪い方に転がり落ちた」
原点戻れず
北海道の食肉加工販売会社「ミートホープ」元常務取締役の赤羽喜六(75)が異常に気付いたのは、社長の田中稔=詐欺罪などで懲役4年が確定=に招かれ、7年に入社して間もなくのことだった。
ビーフカレー用の肉として羊肉を出荷、クレームが相次ぐ。「取り違えて出荷した。そういうことにしとこうや」との田中の言葉に偽装を感じ取った。「不思議と罪悪感はわき上がらなかった」
ある精肉会社幹部は「産地は肉の状態を見て決まる。肉質が良ければ、神戸牛になるんだ」と口にした。「うちだけじゃない。善悪を考える感覚が麻痺(まひ)していた」
取引先に呼びつけられ、粘ついた肉を突き付けられたこともあった。「温度管理に問題があったんではないですか」。ウソが口をついて出た。偽装を自分で追及することを避けてきたのは「自分が加担していることを認めたくなかったから。自分への評価を失うことへの恐れもあった」。
赤羽は18年に退社し、告発に踏み切る。だが、この決断も「正義感もひったくれもない」と言い切る。他の従業員の内部告発の動きを察知していた。「このままでは自分も捕まってしまう。積極的に告発する姿を示す必要があった」。家族経営を強める会社への不満もあったともいう。
「慣れがあり、保身があり、生活のための給料もある。正しい商品を売るという原点に戻れなかった」
罪に至る境界はどこか、自問自答が続く。=敬称略
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:24:23
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110108/crm11010822520151-n1.htm
(7)モンスターの境界 他者を思いやる美意識の欠如
2011.1.8 22:38 (1/3ページ)
理不尽なクレームに対応するため、警察OBを採用している東京慈恵医大病院(伴龍二撮影)
「病気が治らず、仕事を辞めた。医者のせいだ」。平成22年3月上旬、東京慈恵医大病院に元患者を名乗る女が電話をかけてきた。
「仕事を辞めなければいけなくなった。補償金として100万円支払え」「患者を殺しに行こうと思う」
電話を受けた女性職員は「次回までに院内で協議する」と伝え、指定した日時に電話をかけるよう依頼。電話を切るとすぐ、「院内交番」と呼ばれる渉外室に報告した。同病院は増加する理不尽なクレームなどに対応するため、16年から警察OBを採用し、現在は4人が対応にあたっている。
報告を受けた渉外室顧問の横内昭光(66)は即座に警察に通報。指定日時に電話をかけてきた埼玉県内の40代の女が恐喝未遂容疑で逮捕されたが、通院していたのは17年も前のことだった。
いつでも医者は病気を診てくれる、いつでも病気を治してくれる−。そんな期待が裏切られたと思った瞬間、患者は“モンスター”へと変貌する。
「待ち時間が長い」「大部屋の隣のベッドの患者がうるさい」。患者からのこうしたクレームに加え、見舞客が酒に酔ってトラブルを起こすこともある。「大きなトラブルにならなければいいが…」。現場に向かうたび、足取りが重くなるという横内は語る。
「相手を思いやる気持ちが足りず、ちょっとした信頼関係すら築けずにトラブルになるケースが多い。本来なら自分たちが必要とされなくなるのが理想だが」
●
22年11月15日、千葉県船橋市内を走行していた船橋新京成バスの車内で、携帯電話の使用を注意された会社員の女(34)が、事件を起こした。
女はバスが出発した途端に大声で電話を始め、乗務員の警告も無視。複数の乗客が注意して女は通話をやめたが、「何で私ばかり注意するの! あの人も注意しなさいよ」などと“逆ギレ”し、約15分間にわたって怒鳴り散らしたという。
たまりかねた乗務員が乗車拒否を宣告。女に途中で降りてもらおうとしたが、女は「金を払っているから乗車する権利がある」などと拒絶。男性客の1人が再度「いい加減にしろ」と一喝すると、催涙スプレーをまき散らした。車内が白く煙り、慌てた乗務員が前後のドアを開放すると女は走って逃げた。
「こんなトラブルの対応まで想定しないといけないのか…」。バス会社の男性社員は頭を抱えた。
女は傷害容疑で逮捕後、処分保留で釈放されたが、調べに対し「注意した方が悪い」などと供述。逮捕されたことに最後まで納得いかない様子だったという。
●
日本学校教育相談学会事務局長で東京都立川市立立川第一中校長、嶋崎政男(59)のもとには毎年、“モンスターペアレント”と呼ばれる保護者についての多くの相談が寄せられる。
「修学旅行の記念写真で娘の写真写りが悪い」とクレームをつける▽子供の非行のことで呼び出すと「休業補償」として金銭を要求する▽夜中に何時間も電話をして担任教諭を精神的に追いつめる…。
かつては保護者から信頼され、児童・生徒らの指導を任されていた学校を取り巻く環境は、ここ10年あまりで大きく変化した。
嶋崎は保護者が“モンスター化”する原因について「自己中心的な親が増え、『言った者勝ち』の風潮が蔓延(まんえん)し、モラルのないクレーム時代が始まっている」と分析する。
一方で別の見方もある。大阪大で12月4日に開かれた研究会。大学教授など有識者が集まる中で、娘が部活中に倒れ、意識不明となった兵庫県内の公務員の男性(48)が講演した。
「学校が原因や責任、再発防止策を明らかにしないので尋ねると、モンスターペアレント扱いされた。学校という場所は閉鎖的で、当たり前のことを指摘しただけで白い目で見られる」
学校の対応に納得できなかった男性は結局、22年4月に事実究明と損害賠償を求めて提訴した。
研究会の代表も務める大阪大大学院人間科学研究科教授の小野田正利(55)はいう。
「明らかにおかしい学校の論理を保護者に押しつけているケースもある。学校側の初期対応のまずさが保護者の要望を苦情に、苦情をいちゃもんにアップさせる場合もある」
相手の立場に立って思いやる−。当たり前と思われるこの美意識の欠如が、モンスター化する境界の底流にある。 =敬称略
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:
チバQ
:2011/03/06(日) 20:25:22
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110109/crm11010918510083-n1.htm
【ボーダー その線を越える時】
(8)情報の境界・ネット上の公開は正義?
2011.1.9 18:47 (1/3ページ)
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約1200件もの“事故物件”を公表しているサイト「大島てる CAVEAT EMPTOR」(松本健吾撮影)
「また死なない詐欺か」「見ず知らずの人の自殺を本気で止めようとする人なんて滅多(めった)にいませんよ。匿名掲示板なら特に」「こういう構ってちゃんが一番うざい。さっさと死ねよ」。昨年11月4日、ネット掲示板「2ちゃんねる」に《来週自殺します》と題したスレッド(話題)が立てられると、こんな書き込みが相次いだ。
仙台市の金融機関に勤務する男性(24)が立てたスレッドで、「8割方死ぬ気。2割思いとどまっている。2割をこのスレッドでプレッシャーをかけることではねのける」と理由を書き込んでいた。
男性は同月7日に動画サイト「ユーストリーム」に登場し、生中継で心境を吐露した。「生きるんだ!」「誰かはやくとめて!」。思いとどまらせようとする書き込みも続いたが、9日午前5時半ごろ、自宅アパートのベランダで、男性が首をつるシーンが流れた。宮城県警は男性が書き込んでいた金融機関に問い合わせて身元を確認。午前8時半ごろ、警察官が死亡した男性を発見した。
サイトの運営会社によると、中継の視聴者は4700人に上ったが、県警によると、自殺前後に110番を通じた通報は確認されていない。「中継段階で把握しても素性や真偽の確認が先になり、すぐには動けないだろう」。県警幹部は対応の限界をこう指摘した。
◇
「平成20年4月4日、港区六本木6丁目○−○ ○レジデンス14階、首つり自殺」「22年5月2日、港区西新橋1丁目…、転落死」
「大島てる CAVEAT EMPTOR(ケイビアット・エンプター)」と題したサイトでは、自殺や死亡事故、殺人があったマンションなど首都圏の“事故物件”を公表している。その数は約1200件。
ラテン語の格言で「買い主をして注意せしめよ」の意味を持つサイトを運営する大島学(32)は公開理由を説明する。「事故物件と知らずに住んでいる人が多い。高額な分譲で買ってから知ったらどうなりますか。情報は全部出さなければいけないはずだ」
「○○ホテルで自殺がありました。事故防止のためにあえて公表すべきと連絡しました」。当初、大島は裁判を傍聴したりして情報収集していたが、サイトが注目されだすと、こんな情報がツイッターなどを通じて頻繁に寄せられるようになった。一方、自殺のあった物件の持ち主から「事実は確認できない」との削除要請のほか、「価値が下がるから載せないで」「子供が学校でいじめられる」との苦情も相次ぐ。それでもやめるつもりはない。
「すべての情報にすべての人がアクセスできるようにすべきなんです。それが透明性の高い社会を作ることにつながる」と大島は強調する。告発サイト「ウィキリークス」創始者の「政府を正直にすることに貢献している。個人は誰一人傷つけていない」との主張や、沖縄・尖閣諸島沖の中国漁船衝突映像を流出させた元海上保安官の「国民の誰もが見る権利がある」との弁明と重なる。大島はいう。「自己責任を貫くには情報が開示されていなければいけない。あくまで自己責任だ」
◇
「スーパーでCD万引しているとこ目撃」「あいつの家は貧乏だから食料ぱくってる」。東京都内の専門学校に通う滝口達也(19)=仮名=は高校のとき、生徒らが独自に立ち上げた「学校裏サイト」にこんな書き込みがあると友人から告げられた。
事実無根で、サイト管理者に削除を求めたが、書き込みは次々現れた。あるとき、携帯に1日何百件もの迷惑メールが殺到し、事態の深刻さを知った。「了解です。あなたを買います」というメールも届いた。送信者に問い合わせると、同性愛者のサイトに「僕を自由にしてください」との書き込みと携帯メールアドレスが記されていたという。
携帯の自己紹介ページ「プロフ」が原因で、勝手に電話番号やアドレスが書き込まれていた。なぜ個人情報が流出したかは分からない。数人しか知らない情報もあり、親しい仲間にも疑いの目を向けた。「腹の底では何を考えているんだろう」と人の目を見て話せなくなった。ネットとも距離を置くようになったが、携帯は手放せない。気付くと携帯をいじっている。
いまはこう思う。「ネットの世界って人間の底の部分、汚い部分がこれでもかって出ている。だから引き込まれてしまう。沼みたいに…」 =敬称略
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チバQ
:2011/03/06(日) 20:27:10
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110303/trd11030301150000-n1.htm
【ボーダー その線を越える時 読者の声】
「転換」すべて解決しない 男女逆転は少子化遠因に
2011.3.3 01:13 (1/3ページ)
「男」と「女」の境界をめぐる多様な性の現状を報告する連載「ボーダー その線を越える時 第2部 性」(2月20〜22、25〜27日付)に、多くの読者からメールなどで意見をいただいた。
●本来の性で産めたら
連載6回のうち4回は、心と体の性別が一致しない性同一性障害について報告した。
《病気として診断された以上、治療は必要だと思います。それでも転換(性別適合手術)したからといって本人の問題がすべてクリアになるわけではなく、厳しい人生が待っていることも確かです》
女性医師はこう指摘して次のように続けた。《私の子供が性同一性障害なら転換手術も拒否できないでしょう。本人がそれで少しでも楽になれるなら、と自分を納得させます。そして、本来の性で産んであげられなかった自分を責め続けるでしょう。ただし、愛した男性がそうだったら、戸惑うと思います》
体が男性で心が女性という性同一性障害の読者からは《社会の人々はもっと、性というものの多様性や、それ以前に「性とは何か」という根本的な命題に対して考え直さなければならない時期になっていると強く感じます》と訴えた。
一方、健康管理士一般指導員の男性は《性同一性障害の治療として「体の性に心の性を合わせる治療」が好ましいことは明らかです。性別適合手術は本来の治療の方向性である「体の性に心の性を合わせる」という治療を断念させる「有害な治療法」であると思います》と強調した。
●自ら告白したくない
連載では、セックスに対して無関心だったり、嫌悪感を抱いたりする若年男性が多いことにも触れた。
高校教諭の男性(51)は《男子がおとなしくなってきたのとは対照的に、女子が活発になってきました。恋愛にもセックスにも前向きな女子が目立つようになりました。かつては男子が優位であった性体験率も、女子に逆転されてしまいました。女子が男子化し男子が女子化しているのです。未婚率の上昇や晩婚化、ひいては少子化の遠因になるのではと懸念しています》と、教育現場で自身が感じてきたことを記した。
占い師の女性は《セックスどころか恋愛、結婚に対して消極的な人が増えていると感じます。そうした相談がとても多い。恋愛は片思いばかり。相手が好きだけど、告白は自分からしたくない。告白をして今の関係が壊れるのが怖い。関係が変わることを恐れていては、2人の関係も進まないと思うのですが…》
199
:
チバQ
:2011/03/07(月) 21:58:12
自分が産経が嫌いという色眼鏡で見てるからかもしれないが、
毎日の連載に比べて否定的という印象を持ってしまうんだが。
200
:
チバQ
:2011/06/02(木) 23:15:08
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2803203/7280953?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
全世界で同性愛への許容度高まる、国際比較調査
2011年05月30日 15:20 発信地:ワシントンD.C./米国
【5月30日 AFP】世界の国々の大半で同性愛への許容度が高まっていることを示す調査結果を、米シカゴ大学(University of Chicago)の社会調査機関が発表した。
同大の全国世論調査センター(National Opinion Research Center、NORC)の報告は、異なる国々で1988〜2008年の10年間に実施された5件の調査をもとに、31か国における同性愛に対する態度の一般的な潮流を分析したもの。
調査結果によると、同性愛への許容度は4か国を除いて27か国で高まっていた。許容度が高かった国のトップ5は、オランダ、デンマーク、ノルウェー、スイス、ベルギーだった。
前回の調査時よりも同性愛への許容度が低下していた4か国は、キプロス、チェコ、ラトビア、ロシア。また、許容度リストの下位半数を占めた国々は、旧社会主義国7か国のほか、東アジアや中南米諸国、南アフリカ、トルコなどだった。(c)AFP
201
:
チバQ
:2011/06/02(木) 23:15:40
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20110524/dms1105241250014-n1.htm
エイズ患者が東海、中国、四国で増加 同性愛者は約半数2011.05.24
Tweet 昨年1年間に新たにエイズを発症した患者は469人で、調査が始まった1984年以来、最多となったことが24日までにわかった。厚生労働省のエイズ動向委員会が明らかにした。
HIV感染が新たに判明した人は1075人で過去3番目に多かった。また、保健所などで感染の有無を検査した件数は13万930件、保健所が相談を受けた件数は16万4264件で、いずれも2年連続で減少した。
「感染しても治療すれば発症を抑えることができる。無関係と思わず、早めに検査を受けてほしい」と同委員会。感染経路は同性間の性的接触によるものが49・0%、異性間の性的接触が27・1%。地域別では東海、中国、四国地方で患者の増加が顕著としている。
202
:
チバQ
:2011/06/02(木) 23:16:22
http://www.cnn.co.jp/world/30002928.html
ネパール、国勢調査に「第3の性別」の選択肢
2011.06.01 Wed posted at: 10:48 JST
カトマンズ(CNN) ネパールで今月、約560万世帯を対象に実施されている国勢調査に、男性、女性とは別に「第3の性」の選択肢が導入された。わずか3年前には同性愛行為を犯罪として罰していた同国の社会が、急速な変化を遂げている。
「女児として生まれたが、成長するにつれ自分は男だと感じるようになった。今では完全に男性と自覚している」と話すディル・ブドゥジャさん(35)は、この変化を歓迎する性的少数者のひとりだ。国勢調査で第3の性別が認められるのは、世界初のケースとされる。
同国の議員として初めて同性愛者であることを公表した活動家、スニル・バブ・パントさんによれば、当局はパントさんらが法廷闘争も辞さない姿勢で要求した結果、選択肢の導入に応じたという。
同国では2007年、最高裁が国に対し、性的指向に基づく差別や同性愛行為の禁止を撤廃するよう求める決定を下した。この決定により、国が発行する身分証明書には第3の性別が記載できるようになっていた。
最高裁はまた、同性間結婚の合法化を検討する委員会の設置を命令。09年に発足した委員会は国内各地やノルウェーなどを訪れ、近く南アジア初とされる同性婚合法化を提言する見通しだ。
ブドゥジャさんは、自身を含め50〜60組のカップルが、同性婚合法化の当日に結婚しようと待ち構えていると語った。
203
:
チバQ
:2011/06/02(木) 23:16:55
http://www.cnn.co.jp/world/30002899.html
同性愛者のパレード計画で衝突、30人以上拘束 モスクワ
2011.05.29 Sun posted at: 12:45 JST
(CNN) モスクワ中心部で28日、同性愛者の権利を主張するパレードを計画したグループ「ゲイロシア」が極右組織メンバーらと衝突し、30人以上が警察に拘束された。
同グループによると、活動家らはクレムリンや市庁舎の前に集まっていた。横断幕や旗を取り出したところで極右の襲撃を受けたという。
モスクワ市警察によれば、拘束されたのは同性愛支持の活動家18人と反対派14人。警察報道官はCNNに、同グループはパレードの許可を得ていなかったと述べた。
拘束者の中には、米国人のダン・チョイ、アンディ・サイヤー両氏や、フランス人のルイ・ジョルジュ・タン氏ら、外国の著名活動家が含まれている。
同グループは6年前から毎年、パレードの許可を求める申請を続けている。だが宗教団体や極右組織が反対を申し立て、市当局はこれを理由に禁止の決定を下していた。
欧州人権裁判所は昨年10月、ロシア当局がモスクワでの同性愛者パレードを認めないのは違法と判断し、同国に罰金を科した。
204
:
チバQ
:2011/06/04(土) 19:56:00
>>169-171
2610 名前:チバQ 投稿日: 2011/06/03(金) 23:29:55
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2011/05/post-2088.php
ウガンダ独裁大統領と反ゲイ法案
Uganda Protests As Museveni Sworn In
反政府デモのなか4期目をスタートしたムセベニ大統領のもと、同性愛死刑法案は可決されるのか
2011年05月13日(金)16時38分
アンドルー・メルドラム
ウガンダで5月12日、2月の大統領選で4選を果たしたヨウェリ・ムセベニ大統領の就任式が行われるなか、抗議デモが発生した。食料や燃料価格の高騰に加えて、既に25年に及んでいる長期政権への反発がデモの要因だ。
自身の支配に反対する勢力の撲滅を誓ったムセベニ。その姿は、どんな手段を使ってでも権力の座にしがみつこうとするアフリカの独裁的指導者にどんどん近づいているようだ。ジンバブエのロバート・ムガベ大統領が就任式に参列したことが、何よりもそれを物語っているだろう。
この日、ケニアに滞在していた野党指導者のキザ・ベシジェ元内相も突如、ウガンダに帰国。多くの支持者が首都カンパラに到着したベシジェを歓喜の声で迎えるなか、治安部隊との衝突も起きた。2月の大統領選に立候補していたベシジェは選挙結果を受けてムセベニの不正を主張し、反政府運動を展開。これまで何度も当局に拘束されている。
ゲイ弾圧にアメリカ福音派の影
一方、13日には悪名高い反同性愛法案の審議が再開される。同性愛者の死刑を盛り込んだ同法案が最初に提出されたのは09年。以来、国内で物議を醸すのはもとより国際社会からも非難されている。
はたして死刑の条項は削除されるのか? 身内の同性愛者を当局に届け出ない家族に対する実刑も避けられないのか? そもそも同性愛であることは罪なのか? 同法案の行方に世界の耳目が集まっている。
ムセベニによるベシジェや反体制派に対する弾圧の強化と同様、ウガンダ社会の同性愛者に対する弾圧も激化している。ウガンダでの反同性愛運動の高まりには、同国を往来して集会を開くなどしているアメリカの福音派宣教師らが関係していると言われている。
ちなみにムセベニとベシジェは共に国民抵抗軍の戦士としてオボテ政権と戦った仲だ。しかも当時ベシジェはムセベニの主治医でもあった。かつての友情関係は今や、完全な敵対関係に変わっている。
(GlobalPost.com特約)
205
:
チバQ
:2011/06/12(日) 00:44:10
http://sankei.jp.msn.com/world/news/110611/mds11061114490008-n1.htm
ゲイ大行進 同性愛認められないイスラエルに数万人集結
2011.6.11 14:43
10日、イスラエル中部テルアビブで行われた同性愛者の祭典「ゲイ・プライド・パレード」で、大型トラックの上で踊る参加者(共同)
イスラエルのテルアビブで10日、同性愛者が人権尊重などを訴える恒例の祭典「ゲイ・プライド・パレード」が開かれ、数万人が集まった。参加者らはトラックの荷台で踊ったり、繁華街を練り歩いたりした。
イスラエル国民の大半はユダヤ教徒。同性愛は基本的に認められないが、米ネット検索大手グーグルが宗教色の濃い同性愛者団体を後援するなど風向きが変わってきた。男性(30)は「日常生活では何の問題もない」と語った。(共同)
206
:
チバQ
:2011/06/12(日) 14:51:22
http://www.newsweekjapan.jp/newsroom/2011/04/post-218.php
日本初の「ゲイ議員」が誕生
2011年04月26日(火)18時39分
統一地方選が終わったが、今回、日本で初めて同性愛者であることを公言する「ゲイ議員」が誕生した。東京・豊島区議の石川大我と中野区議の石坂わたるだ。
性的少数者であるLGBT(レズビアンやゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の政治家としては、世田谷区議の上川あや(今回3期目の当選)が有名だ。彼女は生物学的な性別と本人が自認する性別が一致しない性同一性障害で、戸籍の性別も男から女に変えている。
ニューズウィーク日本版は06年、「ゲイ in Japan」という特集を掲載した。「ゲイ人」レイザーラモンが「ふぉ〜〜」とやっていた頃である。その時に取材をさせてもらったのが石川で、当時は何人かの仲間と一緒に、ピアフレンズというゲイの若者向けの友達作りイベントを開催していた(ピアフレンズは今はNPO法人となり、その輪もずいぶん広がっている)。
その後、NHKの番組に出演したり、千葉県の人権関係の委員を務めたりと少しずつ活動の場を広げる石川を見て、いつか政治家をめざすのだろうと密かに思っていた。
しかし、同性愛者を公言して、政治の場に立つことはとても難しいことだと思う。色眼鏡で見られることもあるし、その当事者の権利拡大が第一義なのだろうと思われて支持が広がりにくい面もあるからだ(一般に同性愛者の割合は人口の5%くらいといわれる)。
政策を訴えるうえで、多くの候補者は自らの経験や立場を強調する。例えば母親であること、介護の場で働いてきたこと、弁護士の経験......。すべて社会生活につながるものだが、これが同性愛者という立場の場合、どうしても「男が好きな男」「女が好きな女」と、いわゆる「性癖」としてとらえられがちだ。
しかし同性愛をセックスの面からだけ考えるのは間違っている。結婚制度や家族制度という社会の基礎となるさまざまな制度がからんでくる話だし、お年寄りや障害のある人なども含めた広い意味での社会的弱者の問題にもつながる。
世界的には同性愛を公言している政治家はけっこういる。仏パリのドラノエ市長(男)や独ベルリンのウォーウェライト市長(男)、米テキサス州ヒューストンのパーカー市長(女)、アイスランドのシグルザルドッティル首相(女、国家首脳として初めて同性結婚)などなど。彼らについての話を、ニュースや新聞で見たり読んだりしたことはあるはずだ。
ところが、今回のゲイ議員誕生についてはあまりニュースになっていないような気がする。社会の変化の象徴として画期的な出来事だと思うのだが。
――編集部・大橋希
207
:
チバQ
:2011/06/19(日) 17:30:16
http://www.cnn.co.jp/usa/30003092.html
ニューヨーク州下院が同性婚を合法化する法案を可決
2011.06.16 Thu posted at: 13:08 JST
(CNN) ニューヨーク州下院は15日、同性間の結婚を認める法案を80対63の賛成多数で可決し上院に送った。上院では接戦が予想されている。
クオモ同州知事の事務所によればこの法案は、同性のカップルに法的に結婚する権利のみならず、「現在、異性婚のカップルにのみ限定されている多くの権利、給付、保証」を認めるものだという。
「ニューヨーク州における真の平等の達成に向けた非常に大きな一歩だ」と、ダニエル・オドネル州下院議員(民主党)は言う。オドネル議員は、自分と同性のパートナーとの結婚が法律上も認められるべきだと主張してきた人物だ。
15日の下院では、宗教、伝統、習慣、家族といった観点からの議論が行われた。民主党の議員らは賛成の立場から、同性婚は基本的人権の一つであり、人々に幸福をもたらすものだと主張した。一方、共和党議員は自分たちは同性愛に非寛容なわけではないとしつつも反対の立場を取った。
ニューヨーク州上院は2009年に同性婚を合法化する法案を否決している。オドネル議員によれば、同様の法案が下院で可決されるのは4回目だ。
現在、同州上院では2人の共和党議員を含む31人の議員が法案に賛成している。共和党議員がもう1人賛成に回らなければ可決はできない。
これまでに、同性同士の結婚を法的に認めているのはマサチューセッツ、コネティカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャーの5つの州とワシントンDCだ。
208
:
チバQ
:2011/06/26(日) 21:18:59
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPJAPAN-21891420110626
米NY州も同性婚合法化、「反乱」舞台では数百人が歓喜
2011年 06月 26日 09:05 JST
[アルバニー(米ニューヨーク州) 24日 ロイター] 米ニューヨーク州議会上院は24日、同性同士の結婚を認める法案を賛成33、反対29で可決した。同州のクオモ知事が同日夜、法案に署名し成立した。
同法案は民主党のクオモ知事主導のもと提出された。合法化は全米6州目で、同性婚を認める州としては、ニューヨーク州の人口が最大。
クオモ知事は記者会見で「今日の採決は全米にメッセージを与えることになる。これは、われわれが歩む道を示し、それを行うべき時は今だ。(同性婚は)達成可能で、もはや夢や憧れではなくなった。あなた方は急速な進展を目撃することになると思う」と述べた。
1969年に警察が家宅捜索を行ったことで暴動に発展し、現代の同性愛者の権利運動に火をつけた事件「ストーンウォールの反乱」の舞台となったニューヨーク市内のゲイバー「ストーンウォール・イン」前には、数百人が集まり法案可決を喜んだ。
209
:
チバQ
:2011/06/26(日) 21:19:39
http://www.cnn.co.jp/usa/30003186.html
同性婚合法化州の住民、ニューヨークが加わり倍増
2011.06.26 Sun posted at: 11:26 JST
ニューヨーク州オールバニ(CNN) 米ニューヨーク州で24日、同性カップルに異性婚カップルと同等の権利を付与する法案が成立したことにより、米国内で同性婚が合法化された州の住民は2倍以上に増えた。
2010年の国勢調査によると、同州の人口は1937万8102人。一方、すでに同性婚を認めていたマサチューセッツ、コネティカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャー各州と首都ワシントンの人口は計1567万1450人だった。
ニューヨーク州では合法化にカトリック司教らが抗議文を発表するなど、反対意見も根強い。クオモ知事は24日深夜の会見で、上院の採決で賛成に回った共和党議員4人を「勇気ある人々」とたたえた。
210
:
チバQ
:2011/06/26(日) 23:12:09
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011062602000031.html
全米6州目 来年大統領選争点浮上も
2011年6月26日 朝刊
【ニューヨーク=長田弘己】米ニューヨーク州上院は二十四日夜、同性婚を法律上で認める法案を賛成三十三、反対二十九で可決した。米メディアが伝えた。クオモ知事も署名を済ませ、成立した。三十日後に施行される。
同性婚を認める州としては六番目だが、その中でニューヨークは人口が最も多く、政治的な影響力も大きいだけに、来年の大統領選でも争点になりそうだ。
オバマ大統領は最近、同性カップルも男女のカップルと同じ権利を持つべきだと発言したが、同性婚の合法化については州レベルの問題として一線を画していた。今回の結果が全米に波及すれば、連邦レベルで合法化を求める政治的圧力となる可能性がある。
同性婚を合法化しているのは、マサチューセッツ、コネティカット、アイオワ、バーモント、ニューハンプシャーの五州とコロンビア特別区(首都ワシントン)。
米紙ニューヨーク・タイムズ(電子版)によると、最近の世論調査では、ニューヨーク州で58%の市民が同性婚を支持していた。
法案はクオモ知事が提出。民主党多数の下院では十五日に可決されたが、共和党多数の上院で審議が紛糾し、採決が先延ばしになっていた。
ニューヨーク州では二〇〇九年にも同様の法案が審議されたが、上院が否決して、成立しなかった。
211
:
チバQ
:2011/06/27(月) 22:53:49
http://www.cnn.co.jp/usa/30003195.html
NYで恒例の同性愛者パレード 結婚合法化を祝う
2011.06.27 Mon posted at: 10:50 JST
ニューヨーク(CNN) 同性カップルの結婚を認める州法が先週成立したニューヨークで26日、同性愛者ら性的少数者らの誇りをうたう毎年恒例のパレードが実施された。
参加者らはニューヨーク市マンハッタンの5番街を行進し、1969年に警察の強制捜査に同性愛者が反発した暴動の舞台、グリニッジ・ビレッジを通過した。
同性婚合法化法案に署名したばかりのクオモ知事もパレードに参加。記者団に、同州の進歩的な政策は全米の手本になると語った。同法は同性カップルに州レベルで異性婚カップルと同等の権利を付与する内容で、7月24日に発効する。
英リバプールからニューヨークを訪れているという少女(17)は「平等になるのはいいことだと思う。皆同じ人間だから」と話した。パレードのためにニュージャージー州から駆け付けたという参加者(49)は「(同性婚合法化は)ニューヨークが6州目。これからも多くの州が後に続くだろう」と述べた。
コスタリカからパレードを見に来た男性(44)は「ニューヨークのような大きな州がつい立法に踏み切ったのは喜ばしいこと」と語った。
一方、カトリック教会による合法化反対運動を率いてきたティモシー・ドーラン大司教は同日朝、同性愛者らへのメッセージを問う質問に「皆さんを愛している。ニューヨークの人々全員の健康と幸福を祈っている」と答え、自身らの立場は「同性愛反対」ではなくて「結婚制度支持」だと強調した。
212
:
チバQ
:2011/06/27(月) 23:22:48
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110627-00000012-reu-int
南米でも同性愛パレード、サンパウロは世界最多300万人超
ロイター 6月27日(月)14時2分配信
6月26日、ブラジルのサンパウロで、毎年恒例の同性愛者らのイベント「ゲイ・プライド・パレード」が行われた(2011年 ロイター/Nacho Doce)
[サンパウロ 26日 ロイター] ブラジルのサンパウロで26日、毎年恒例の同性愛者らのイベント「ゲイ・プライド・パレード」が行われた。
ブラジル当局によると、参加者は300万人以上で世界最大規模。15回目となった今年も、多彩なコスチュームを着た参加者が、同市中心部のパウリスタ通りを埋め尽くした。
同様のパレードは米ニューヨークやサンフランシスコ、南米コロンビアのボゴタなどでも開かれた。
213
:
チバQ
:2011/07/02(土) 20:23:15
http://www.sankeibiz.jp/macro/news/110702/mcb1107020502004-n1.htm
同性婚、NY州経済刺激 合法化で式場、宿泊に内外から大挙集結 (1/2ページ)2011.7.2 05:00
.
沿道で「ありがとう、クオモ知事」のプレートを掲げる市民6月26日、ニューヨーク(いずれもAP)【拡大】
. 同性同士の法律上の結婚を認める州法が6月24日に成立したことを受け、米ニューヨーク州では同性婚の増加が州経済の起爆剤になるとの期待が高まっている。州の内外から結婚を望む同性のカップルが大挙して押し寄せ、式場や宿泊施設の利用のほか税収面でも大きな恩恵をもたらすとみられているからだ。一方、早くから合法化に踏み切った州からは実際の経済効果を疑問視する声も上がっている。
◆恩恵は約230億円
同性婚の合法化直後の6月26日、同性愛など性的少数者による毎年恒例のパレードがニューヨークの中心部で行われた。ベネズエラからパレードの見物に訪れたヘアスタイリストのホセ・ガルシアさん(37)と同い年のパートナー、エドガル・モラレスさんは、早ければ年内にもニューヨーク州へ移住する計画があると話す。「結婚する自由を手に入れるため」に決断したという。ベネズエラでは同性同士の結婚は認められていない。
ニューヨーク州選出の民主党系無所属議員で構成される委員会が5月公表した調査によると、同性婚の合法化が同州にもたらす経済効果はおよそ2億8400万ドル(約230億円)。税金や手数料による収入は2680万ドルが見込めるという。同委員会は州内で同居する同性のカップル4万3000組のうち約半数が結婚すると試算。州外からはそれを上回る数のカップルが訪れるとみている。
サンフランシスコに本拠を置く権利擁護団体、イコーリティ(平等)・カリフォルニアの事務局長代行を務めるジム・キャロル氏は「同性婚は間違いなく経済的恩恵をもたらす」と言い切る。カリフォルニア州では、同性婚が合法とされていた2008年6月17日からの約5カ月間、米国中から同性のカップルが訪れたことで花束や衣装といった物品から宿泊、式場レンタルなどのサービスに至るまで、関連する需要が激増したという。
同州は08年11月4日に行った住民投票で、同性結婚権の廃止を求めた州憲法改正案を可決。現在はこれを禁じている。サンフランシスコ市当局の主席エコノミスト、テッド・イーガン氏によれば、当該期間に同市が発行した同性婚を対象とする結婚許可証は5152通。これらのカップルのうち55%は市外在住者だったという。同氏は09年の法廷証言で、同性婚の禁止により市経済が年間3500万ドルの経済損失を被るとの予測を示している。
◆自治体の財政改善
米国勢調査局の09年のデータによると、未婚の同性カップル世帯の平均年収は10万4000ドルと、男女夫婦世帯の同9万3000ドルを上回る。相対的に裕福な同性婚世帯が増えれば地域経済は活性化し、自治体の財政改善にも寄与する。ニューヨーク州の無所属議員から成る前述の委員会は、同性婚合法化の下で州の福祉給付が8100万ドル削減される可能性もあると試算している。
全米最多の人口を抱えるニューヨーク市のブルームバーグ市長はすでに、同性のカップルをターゲットにした市場開拓キャンペーンを計画。市マーケティング部門の広報担当者は「新たなキャンペーンによって巨額の経済効果がもたらされるだろう」と自信をのぞかせる。同市の観光産業が稼ぎ出す年間収入は310億ドル。
一方で、合法化がもたらす経済効果は同性婚の擁護派によって誇張されている側面があるとの見方も出ている。03年から同性婚を認めているマサチューセッツ州の権利擁護団体、マスレジスタンスを率いるブライアン・カメンカー氏は、同性カップルの大量流入により医療やDV(家庭内暴力)問題への対応コストが膨らんだと指摘。また、「慣習の違いによる対立」を避けるため州外へ引っ越す男女夫婦も一部見受けられると語った。(ブルームバーグ Christopher Palmeri、William Selway)
214
:
チバQ
:2011/07/02(土) 20:23:51
http://www.yomiuri.co.jp/entertainment/music/mnews/20110630-OYT8T00386.htm
レディー・ガガ「愛と受容の限界広げる」
東日本大震災の被災地支援イベントに出演した米国の人気歌手、レディー・ガガが28日、東京都内でインタビューに応じた。
過激なファッションで注目されるが、普段の衣装も「ステージとそんなに変わらない。人生すべてがパフォーマンス・アートだと思っているし、すべての瞬間、自分が舞台に立っていると思っている」と語った。
同性愛者の権利など、社会的問題について発言している点については、「一人のアーティストとして、そして一人の女性として、この世の中をよりよい場所にする責任が、自分にあると思っている」。人それぞれ個性があり、違いがある。だから特別な人間はおらず、皆平等だ、との考えを披露した。
「アートの限界を押し広げ続けることができれば、愛と受容の限界も押し広げることができる」。過激な表現の裏には、そんな強い思いがある。
(2011年6月30日 読売新聞)
215
:
チバQ
:2011/07/18(月) 19:43:18
http://www.afpbb.com/article/entertainment/entertainment-others/2812617/7489910
レディー・ガガ、同性愛者支援をたたえられシドニー名誉市民に
2011年07月13日 08:47 発信地:シドニー/オーストラリア
【7月13日 AFP】オーストラリアのシドニー(Sydney)は12日、同性愛者の権利向上に対する「揺るぎない支援」をたたえ、同市を訪れている米歌手レディー・ガガ(Lady Gaga)に名誉市民の称号を贈った。
ガガは、1000人のみを招待した1回限りのコンサートのため、シドニーに滞在していた。
「レディー・ガガは、シドニーの同性愛者コミュニティーの力強い存在であり続けている」
同市のクローバー・ムーア(Clover Moore)市長はこのように語り、シドニーの理想と精神を尊重する功績を挙げた人物として、ガガに名誉市民の称号を贈ると宣言した。
シドニーで毎年開催される同性愛者の祭典「マルディグラ(Mardi Gras)」は有名だが、オーストラリアの法律では同性婚は認められていない。
ガガは11日のテレビ番組に出演し、「首相に聞こえるように声を上げよう。平等になりたいと叫ぼう」と訴えた。(c)AFP
216
:
チバQ
:2011/07/23(土) 09:55:41
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011072300102
同性愛者規制、9月に撤廃=「米軍さらに強くなる」−オバマ大統領
【ワシントン時事】オバマ米大統領は22日、声明を出し、昨年末に成立した同性愛者軍務禁止規定撤廃法を施行する準備が整い、議会に通知したと発表した。軍の受け入れ準備完了の認定・通知から60日後に効力を発するとの同法の規定に基づき、9月20日以降、同性愛者であることを公言しても軍務に就くことができる。
大統領は声明で、同性愛者に対するこれまでの対応は「公正と平等という米国の精神に反する」と指摘。同法施行により「米軍はさらに強くなり、世界最強の戦う軍隊でいられる」と強調した。(2011/07/23-09:25)
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217
:
チバQ
:2011/08/14(日) 20:36:35
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2011081302000205.html
セサミの2人に同性婚を ネット署名8000人番組は否定
2011年8月13日 夕刊
【ロサンゼルス=共同】一九六九年から続く米国の幼児向け教育番組「セサミストリート」の人気キャラクター二人について、インターネット上で、男性同士という設定だが結婚させてほしいという署名運動が盛り上がり、番組を制作する団体が否定のコメントを出す騒ぎとなっている。
この二人は、いたずら好きで丸顔のアーニー=写真(右)、(AP=共同)=と、まじめでやさしい面長のバート=同(左)。同じ部屋に暮らす親友という設定だ。
署名の呼び掛けが行われているのは、同性愛者や移民の権利擁護、環境保護など多分野で署名を集め、社会運動を支援するサイト「チェンジ・ドット・オルグ」。米イリノイ州の人物が、二人が結婚すれば同性愛者に対する偏見をなくすのに役立つと訴えている。呼び掛けが始まったのは四日。十日ごろから米大手メディアで次々に紹介され、十二日までに八千人以上が署名した。
ただ、番組を制作する非営利団体「セサミ・ワークショップ」は十一日、交流サイトの同団体のページに「二人は、違う者同士でも仲良くなれることを教えるために作られたキャラクター。人形であり、性的な指向はありません」との声明を掲載。二人が結婚する展開はないとの立場を示した。
218
:
名無しさん
:2011/08/14(日) 21:21:26
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2819491/7626033?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
同性愛者の高齢者問題に立ち向かうケベック州、カナダ
2011年08月11日 19:39 発信地:モントリオール/カナダ
【8月11日 AFP】カナダ・ケベック(Quebec)州政府と同性愛者の権利擁護団体「Fondation Emergence」が9日、高齢の同性愛者や性転換者を介護する際のガイドラインを公表した。
ガイドラインを作成した理由について、「Fondation Emergence」のローラン・マカッチョン(Laurent McCutcheon)代表は、「同性愛者を公言した最初の世代はいま、高齢期に差し掛かっているが、再び同性愛者であることを隠した生活に戻りたくないと願っている」と説明した。
ガイドラインの発行は、同性愛者の幸福な老後生活を促進する目的で州政府が40万カナダドル(約3100万円)を投じて展開しているキャンペーンの一環で、パンフレットやポスターも製作された。
ガイドラインでは、介護担当者に対し、性的指向や性同一性障害などに関わらず、介護室内の全介護者の人権を尊重するよう求めている。
ケベック州政府で高齢者問題を担当する閣僚のマルグリット・ブレ(Marguerite Blais)氏は、キャンペーンが「ホモフォビア(同性愛嫌悪)や高齢者虐待との戦い」の助けになると語った。(c)AFP
219
:
名無しさん
:2011/08/14(日) 21:22:58
http://www.asahi.com/international/update/0813/TKY201108130140.html
初めて認められた「愛」 差別認めたカストロ氏誕生日に
キューバで13日、性転換した元男性とゲイのカップルの結婚式が行われる。2人は、13日に85歳になるフィデル・カストロ前国家評議会議長への「誕生日プレゼント」として、この日を結婚式に選んだ。かつてゲイを差別した、と昨年責任を認めた前議長への敬意を示したのだという。
AFP通信などによると、カップルは、2007年に性転換手術を受けたウェンディ・イリエパさん(37)と、元修道士でHIV感染者のイグナシオ・エストラダさん(31)。2人は「私たちはキューバ初のゲイ同士の結婚式を挙げます。キューバの新しい幕開けになる」と話す。
キューバの法律では、いまだに同性愛者同士の結婚は認められていない。ウェンディさんは手術後、女性としての身分証明書が政府から発行され、結婚が認められたという。キューバでは1960年代には同性愛者は労働キャンプに収容されるなど強い差別があったという。(サンパウロ=平山亜理)
220
:
チバQ
:2011/09/18(日) 21:24:18
>>120
>>131
http://sankei.jp.msn.com/life/news/110918/trd11091818000008-n1.htm
「同性愛者への理解を」 札幌で800人が行進「ゲイもレズビアンも元気に生きている」
2011.9.18 17:59
性的少数者への理解を求めるイベント「レインボーマーチ札幌」で、行進する同性愛者ら=18日午後、札幌市中央区
同性愛など性的少数者への理解を求めるイベント「レインボーマーチ札幌」が18日、札幌市であり、全国から集まった約800人が、仮装するなどして大通公園やススキノを行進した。
参加者は雨の中、スパンコールをあしらったドレスやアニメのキャラクターなど思い思いの衣装を身にまとい、約1.6キロを行進。「お父さん、あなたの息子はゲイです」とプラカードを掲げたり、「ゲイもレズビアンも元気に生きている」と呼び掛けたりして、理解を訴えた。
東京都の男性会社員(30)は「沿道の人が一緒に歩いてくれたり、声援を送ってくれたりしてうれしかった」と声を弾ませた。
実行委員長の佐々木雅俊さん(24)は「性的少数者は、まだまだ認知されていない。勇気を出してカミングアウトしてほしい」と話している。
221
:
チバQ
:2011/09/21(水) 23:30:03
>>216
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011092000943
同性愛者軍務禁止を撤廃=18年間の規制に幕−米国防総省
【ワシントン時事】米国防総省は20日、同性愛者であることを公言して軍務に就くことを禁止した規定を撤廃した。
米国はクリントン政権下の1993年、自ら同性愛者と公言しない限り勤務を黙認する「聞かざる、言わざる政策」を導入したが、これまでに約1万4000人以上が同性愛者を理由に除隊させられた。オバマ大統領は規制は差別的だとして、撤廃を公約していた。(2011/09/20-20:34)
--------------------------------------------------------------------------------
222
:
チバQ
:2011/10/30(日) 19:01:53
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2011102900291
5万人がゲイパレード=アジア最大級、差別打破訴え−台北
【台北時事】台北市中心部で29日午後、アジア最大級のゲイパレードが行われた。主催者発表によると、昨年の約3万人を大幅に上回る約5万人が台湾各地や海外から参加。参加者は総統府周辺を練り歩き、同性愛者ら性的少数者の人権保護などを訴えた。
9回目となるパレードのテーマは「差別を打ち破ろう」。主催者団体は「同性愛者の人権をめぐる状況は遅々として改善しておらず、差別事件が後を絶たない」と指摘。学校教育の場で、性的少数者に対する権利保護を指導する授業を取り入れるよう当局に求めている。
パレードには日本からも多くの人が参加。中には、今年3月の東日本大震災の被災者に向けて台湾から多額の義援金が送られたことに対する感謝のプレートを掲げる姿もあった。(2011/10/29-18:57
223
:
チバQ
:2011/11/21(月) 23:13:53
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1071749960/903
903 :チバQ:2011/11/20(日) 21:18:14
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111120-00000526-san-soci
同性婚の米総領事は「正直に生きたい」と言った
産経新聞 11月20日(日)18時23分配信
【大阪から世界を読む】
来秋の米大統領選で同性婚が争点のひとつになりそうだ。結婚を男女に限った連邦法についてオバマ米大統領が憲法違反との判断を示したからだ。実は、今年9月に着任した大阪・北区の米国総領事館でパトリック・リネハン総領事(58)は、日系ブラジル人のエマーソン・カネグスケ氏(39)と同性結婚していることを公にし、総領事館のホームページでも紹介している。同性婚について、そのリネハン氏にインタビューした。
色眼鏡がなかったといえば嘘になる。
「繊細な問題でインタビューを受けていただき、ありがとうございます」。遠回しに切り出したら「いえいえこれは繊細な問題じゃなくて、生活なんです」と答えが返ってきた。
「ハズバンド(夫)」として紹介されたカネグスケ氏は、リネハン氏と同じような落ちついた男性だった。ブラジル空軍の航空管制官をやめて来日し、2002年、当時は大使館報道官だったリネハン氏と東京のスポーツバーで出会った。
大使館官舎で一緒に暮らしはじめ、次の勤務地のブラジルに同伴、さらに次に赴任したカナダで2007年に結婚した。大阪には在ソウル大使館を経て、今年9月に着任した。
これまでの総領事が夫人を同伴していた場面でリネハン氏は、カネグスケ氏を伴う。広島市の平和記念公園を訪れた際には、二人並んで原爆慰霊碑に花をささげた。
そもそも取材の興味は同性婚を公表している総領事という珍しさだ。米国では大統領選の争点にもなるテーマだ。よし1本記事になるぞ。興味本位、そんな不純な動機があったかもしれない。
こんな記者にリネハン総領事は「オネストでありたい」と何度も言った。「自分に正直に生きること」と理解した。同性愛者であることは生まれ持ったものであり、嘘をついたり隠したりすることは正直ではないのだ。
米国社会は長く同性愛者に「正直」に生きることを許さなかった。同性愛の公表は社会的に抹殺されることを意味した。総領事が政府職員になった1984年でさえ、同性愛とわかると職を奪われたのだという。
オバマ大統領は今年2月、結婚は男女間に限るとした1996年成立の連邦法は憲法違反だとの判断を示した。連邦レベルの合法化に向けた動きに、共和党支持層の中から強い反発が出てくることは必至だ。来年秋の大統領選挙で、大きな争点に浮上する可能性もある。
もっとも、米国全体としては急速に同性愛者を受け入れる方向に変化している。リネハン氏の立場にたてば、「正直に生きる」ことを許す社会になりつつあるのだ。全米に同性カップルは約65万世帯もある。
今年6月、ニューヨークが全米で6番目の同性婚を認める州になった。2004年のマサチューセッツ州が最初。50州のうちたった6つかと思うが、人々の意識の部分では大変動が起こっていた。
世論調査会社ギャラップによる数字。1996年は「賛成27%、反対68%」で、反対が圧倒的多数派だった。しかし、反対がこの時が最高であり逆に賛成はこの時が最低。15年後の今年は「賛成53%、反対45%」。反比例を続けてきた賛否は逆転した。
若い世代に賛成派が多い。遠からず賛成が反対を圧倒するであろう傾向はデータから読み取れる。数十年後に振り返ってみると、賛成派と反対派が均衡していたのが現代、ということになるのかもしれない。
均衡を象徴的に現すのがカリフォルニア州の例だ。2008年に州最高裁判所が認めた同性婚が同年の住民投票によって覆された。その後は連邦レベルの法廷に持ち込まれ、賛否両派の熾烈(しれつ)な争いが続いている。
米コロンビア大学のアレキサンダー・スティーレ教授がニューヨークタイムズ紙に寄せたエッセーに、こんな記述を見つけた。
「黒人、女性、ヒスパニックそして同性愛者…。排他されてきたグループは次々と米国に受け入れられ、平等な権利を与えられ、主流に取り込まれてきた」
224
:
チバQ
:2011/11/21(月) 23:14:12
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1071749960/904
2004年米国大統領選スレ
904 :チバQ:2011/11/20(日) 21:18:45
同性愛者への権利付与を歴史の流れに位置づけた説明は、わかりやすい。
米国はかつて奴隷にしていた黒人を大統領に擁するまでになった。そのオバマ大統領が「キリスト教徒としては同性婚に抵抗がある」吐露している。一方で「同性愛者へ権利付与については、人後に落ちない唱道者だ」とも主張した。
アダムとイブから世界ができたと信じるクリスチャンにとって、同性婚には複雑な思いもあるのだろう。大統領も自らの「色眼鏡」を、理性で取り払おうとしているのだ。
そんな強い信心は記者にはない。ただ慣れていないだけなのかもしれない。
日本での同性愛者としての生活についてリネハン氏は「とても受け入れられやすい国だ」という。「マイハズバンド(私の夫)」とカネグスケ氏を紹介すると相手の驚きや戸惑いが伝わってくることがあるが、それは一瞬。「日本人はあまり表情には出さずすぐ理解してくれる。否定的な反応は全くない」と言った。
カネグスケ氏、リネハン氏と向き合って1時間ほど話すうちに、色眼鏡を取ることなど、簡単なことに思えてきた。
リネハン総領事はフェイスブックで活動を公表している。訪れてみてほしい。http://www.facebook.com/ConsulGeneralOK
(坂本英彰)
225
:
チバQ
:2011/12/07(水) 22:59:27
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111207-00000054-reut-int
「米国外でも同性愛者の権利向上を」、オバマ大統領が訴え
ロイター 12月7日(水)12時10分配信
12月6日、オバマ米大統領は、米外交官と海外援助団体の職員らにスピーチし、海外でも同性愛者の権利向上に向けた活動を推進するよう訴えた。カンザス州で撮影(2011年 ロイター/Kevin Lamarque)
[ワシントン 6日 ロイター] オバマ米大統領は6日、米外交官と海外援助団体の職員らにスピーチし、海外でも同性愛者の権利向上に向けた活動を推進するよう訴えた。
ホワイトハウスが発表したメモによると、オバマ大統領は海外の同性愛者や性転換者が受けている暴力や差別に深い憂慮を示し、こうした被害を食い止める努力が必要だと述べた。
オバマ大統領は2008年の大統領選で同性愛者らの大きな支持を受け、再選を狙う来年の選挙でも支持を得たい考え。米国では同性婚の合法化をめぐり各地で裁判も行われているが、同大統領はこの問題について、決定を下すのは連邦政府ではなく州政府だとの立場を示している。
一方、米人気歌手のレディー・ガガさんはこの日、ホワイトハウスを訪問。オバマ大統領とは面会しなかったが、同性愛者であることを理由にしたいじめの禁止などについて政策担当者と意見を交わした。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20111207-00000082-jij-int
「同性愛者の権利は人権」=国際社会に擁護推進訴え―米長官
時事通信 12月7日(水)14時18分配信
【ワシントン時事】クリントン米国務長官は6日、ジュネーブの国連欧州本部で10日の世界人権デーを前に演説し、「同性愛者の権利は人権であり、人権は同性愛者の権利だ」と宣言、同性愛者など性的少数者の権利擁護に向けた国際協調を呼び掛けた。
一方、オバマ大統領は6日、米政府の関係省庁に対し、外交政策や対外援助を通じて性的少数者の人権擁護の推進を指示する覚書を出した。人権問題を外交の柱に掲げるオバマ政権が、性的少数者を迫害する国々に改善を迫っていく姿勢を鮮明に打ち出した形だ。
クリントン長官は演説で、同性・両性愛者や身体的な性と自身の性認識が異なるトランスジェンダーなど「LGBT」と呼ばれる性的少数者の保護が「今日残された人権課題の一つ」と言明。世界中でLGBTが違法な存在として逮捕・処刑されたり、暴行を受けて殺害されたりしていると懸念を示した。
また、宗教や政治上の理由で多くの国にとって繊細な問題である点に理解を示しつつ、「LGBT市民の人権を認める地球規模の合意を達成するため、努力しなければならない」と訴えた。
http://www.cnn.co.jp/showbiz/30004848.html
レディー・ガガさん、ホワイトハウスでいじめ問題を語る
2011.12.07 Wed posted at: 14:01 JST
(CNN) 米人気歌手レディー・ガガさんは6日、ホワイトハウスを訪問し、市民参加窓口の担当者らといじめ対策について語り合った。
政権当局者によると、オバマ大統領はカンザス州を訪問中で会談できなかった。
ガガさんは今年、14歳のファンの少年がいじめを苦に自殺したことに衝撃を受け、ツイッターに心情を書き込んだ。数日後、カリフォルニア州シリコンバレーにあるシェリル・サンドバーグ・フェイスブック最高執行責任者(COO)の邸宅で開かれた非公開のパーティーでは、オバマ大統領との会話でいじめ問題を取り上げ、大統領の進める対策に感謝の意を表していた。
ホワイトハウスでは今年、教師や生徒、保護者、政策担当者らを招いていじめ対策を協議する会議も開かれている。
226
:
チバQ
:2011/12/08(木) 00:11:12
http://www.cnn.co.jp/world/30004770.html
同性愛禁止法案が上院通過、違反者は禁錮14年 ナイジェリア
2011.12.01 Thu posted at: 12:47 JST
(CNN) ナイジェリアの上院は29日、同性愛を禁じる法案を可決した。これに先立ち英国のキャメロン首相は、同性愛者の権利を侵害する国からは援助を引き揚げると通告し、アフリカ各国が反発を強めていた。
ナイジェリアの法案は同性愛を禁止し、違反者には14年の禁錮を科す内容。同性愛者の権利保護団体を取り締まる目的で、同性愛を「ほう助」した者に対し10年の禁錮刑を定めた条項も盛り込まれた。下院での採決を経て、ジョナサン大統領が署名すれば成立する。
アフリカでは英国の植民地時代に持ち込まれた法律と文化的背景の影響で多くの国が同性愛を禁止し、罰金や禁錮などの刑罰を定めている。
この問題をめぐってキャメロン英首相は11月に、「英国の援助は、性的指向を理由に国民が訴追されるかどうかを鑑みて条件を厳しくすべきだ」との談話を発表。これに対してアフリカ各国の指導者は、植民地政策的だとして強く反発していた。ジンバブエのムガベ大統領は、同性愛者の権利を要求するキャメロン首相は「邪悪」だと発言している。
227
:
チバQ
:2011/12/15(木) 23:29:37
http://sankei.jp.msn.com/world/news/111213/amr11121310170004-n1.htm
【今、何が問題なのか】
同性愛者の擁護推進へ…「違法国」への援助ストップも
2011.12.13 10:13 (1/3ページ)[性]
オバマ米政権が外交政策を通じて、世界で同性愛者ら性的少数者の人権擁護を推進すると“宣言”した。援助の条件にするなどして改善を求めていく。男女や人種の平等、言論の自由度などと同様、各国と付き合う上での物差しにするわけだ。中東、アフリカには、同性愛を違法とする国も少なくなく、摩擦を懸念する声もある。きょうのテーマは「同性愛者の擁護求める」とした。
性的少数者には「レズビアン」、「ゲイ」の同性愛者、「両性愛者」、身体的な性と自身の性認識が異なる「トランスジェンダー」が含まれ、米国ではこれらの頭文字をとって「LGBT」と総称される。バラク・オバマ米大統領(50)は6日、米政府の関連省庁に覚書を出し、外交政策や対外援助を通じて彼らの人権擁護を推進するよう指示した。
オバマ政権が「宣言」
この日、ジュネーブの国連欧州本部にある国連人権理事会で、ヒラリー・クリントン米国務長官(64)が「世界人権デー」(12月10日)に向けた特別演説を行うことになっていた。クリントン長官は演説で、オバマ大統領から指示があったとし、米政府として今後、世界で性的少数者の人権擁護を推進していくことを明らかにした。
クリントン長官は、同性愛者らが違法な存在として罰せられたり、暴行を受け殺害されたりしているとして懸念を表明。宗教や政治上の理由から、多くの国で微妙な問題である点に理解を示しつつも「性的少数者への差別をなくすことは今日残された人権課題の一つ。彼らの人権を認める地球規模の合意を達成するため努力しなければならない」と述べた。
クリントン長官はまた、米政府が300万ドル(約2億2500万円)を拠出、性的少数者の人権擁護に取り組むNGOを支援する国際基金を設置することを明らかにした。
人権課題の一つ
米メディアによると、クリントン長官の演説のテーマは事前には明らかにされなかった。人権理事会の理事国の中には、性的少数者を認めない国も多く、テーマが分かっていたら、これらの国の外交官が事前に議場から退席する事態が予想されたからだ。AP通信は、クリントン長官の演説の最中、彼らは「石のように無表情」で、終わるとすぐ議場を後にしたと伝えている。
BBCによると、今年10月、デービッド・キャメロン英首相(45)が、「同性愛者の権利を認めていない国については、援助を打ち切る可能性がある」と発言したところ、ガーナやウガンダ、ジンバブエといったアフリカ諸国から怒りの声が上がった。クリントン長官は演説で、「同性愛者は欧米の発明品ではなく、どこの社会にもいる。家族や友人、隣人の中にいるのだ」と強調した。
価値観押しつけ?
オバマ大統領がこのタイミングで、世界の性的少数者支援を打ち出したのは、2012年の大統領選をにらんでのこととみられる。性的少数者へ支援表明は、彼らばかりでなく、人種や宗教などさまざまなカテゴリーの少数派に「少数者への配慮」を象徴的にアピールすることになるのだ。
オバマ大統領は国内の性的少数者支援で実績を残している。米国防総省は9月、同性愛者と公言して軍務につくことを禁じた規定を撤廃した。米政府は、米軍内の根強い差別意識を踏まえ、同性愛者であることを「聞かない、言わない」を条件に同性愛者の入隊を容認していた。カミングアウトしないことを強いたのだ。オバマ大統領は差別的だとし規定の廃止に動いた。
性的少数者の人権擁護を諸外国に求めていくことには反対論もある。中東の米国の重要な同盟国であるサウジアラビアでも同性愛は違法。同盟国との関係に波風が立つ恐れがある。AP通信は「米国の価値観の押しつけととられ、敵意を抱かれることになりかねない」との米国の同性愛者支援活動家の意見を紹介している。(谷口隆一/SANKEI EXPRESS)
228
:
チバQ
:2012/01/26(木) 12:05:05
http://www.47news.jp/CN/201201/CN2012012601000240.html
嫡出子として受理をと申し立てへ 戸籍の性別変更の父
性同一性障害で戸籍の性別を女性から変えた大阪府東大阪市の男性(29)が、第三者との人工授精で妻との間に生まれた男児(2)を嫡出子として認めないのは不当として、東京家庭裁判所に不服を申し立てる方針であることが26日、男性への取材で分かった。
男性は27日に本籍のある東京都内の区役所に男児の出生届を提出し、受理されなかった場合は家裁に不服を申し立てる。
男性は2008年に戸籍の性別を変更し結婚。男性の実弟の精子を使った人工授精で翌年に男児が生まれた。夫婦は当時住んでいた兵庫県宍粟市に出生届を提出したが、同市は嫡出子としての受理を拒否。
2012/01/26 11:02 【共同通信】
229
:
チバQ
:2012/01/27(金) 22:29:15
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120127/amr12012714280004-n1.htm
米有力議員が同性婚へ 引退のフランク氏、29歳年下の男性と
2012.1.27 14:26
米民主党の有力者バーニー・フランク下院議員(71)の事務所は26日、同性愛者であることを公表しているフランク議員が、5年来のパートナーである男性ジム・レディ氏(42)と近く結婚することを明らかにした。米メディアが伝えた。
同性婚が認められている地元マサチューセッツ州で結婚式を開く予定という。
フランク議員は今期限りでの引退を表明している。1987年に同性愛者であることを連邦議員として初めて自ら公表し、権利向上に取り組んできた。金融規制改革法の共同提案者としても知られる。(共同)
230
:
チバQ
:2012/01/30(月) 12:40:31
http://mainichi.jp/select/world/archive/news/2012/01/30/20120130ddm012040023000c.html
性転換:生き方広がる 「先進国」タイの現状 就職先多彩に、急速な社会進出
性転換者としての苦労を語るアンさん=西尾撮影 タイの新興航空会社「PCエア」に昨年12月、男性から女性に性転換した客室乗務員4人がデビューした。タイでは30年以上前から性別適合(性転換)手術が本格的に行われ、最近は性転換者の社会進出が急速に進んでいる。日本からも性同一性障害に苦しむ多くの人が手術を受けるために訪れている。「性転換先進国」タイの現状と問題点を見た。【バンコク西尾英之】
「航空会社の客室乗務員になることが、子供のころからの夢だった。夢を実現したことを誇りに思います」。世界で初めてとみられる、客室乗務員デビューを果たした性転換者、PCエアのチャヤティーサさん(24)は地元メディアにそう語った。
日本人観光客にも人気の「ニューハーフショー」などの影響もあり、タイはもともと性転換者の受け入れに寛容だというイメージがある。しかし、つい最近まで性転換者が就く職業といえば、娯楽産業や美容・化粧品業界など一部の分野に限られていた。
大学を卒業した10年前に男性から女性への性転換手術を受けたアンさん(32)が、最初に味わったのは挫折だった。ビジネス英語を身につけ、地元の大手ホテルに就職を希望したものの性転換者だと分かった途端に門前払いを食らった。
小規模な旅行代理店に就職したアンさんは「『性転換者だから』と言われないように懸命に働いた」という。地元記者によると、性転換者を巡る社会の雰囲気が大きく変わったのは、この10年ほどのことだ。「それまでは性同一性障害であっても、社会的にはそれを隠して生きてきた人が多い。しかし、彼らはもともと社交的で話し上手。商売も人間関係を築くのもうまい。保守的な部分が残るタイ社会も、彼らの社会進出が進む中で受け入れざるを得なくなった」と指摘する。
アンさんの就職を拒んだ大手ホテルは、最近になって性転換者の採用を受け入れた。地元の主要メディアにも、性転換手術を受け「新しい性」で働く人がいる。「今では新しい性を公にできない職業は、警察や軍、公務員ぐらい」(地元記者)だ。
日本が04年の性同一性障害特例法の施行で、性転換手術を受けた人の戸籍上の性別変更が可能になったのに比べ、タイでは依然、手術後も法的な性の変更ができないなど政府の対応は遅れている。「一番大きな問題は、私たちは法的に男性と結婚できず、財産管理などの問題で夫婦として法的保護が受けられないこと」。3年前に知り合った男性と近々「結婚」予定のアンさんは、政府に対応を強く求める。
231
:
チバQ
:2012/01/30(月) 12:41:00
◇手術費用安く、診断も1日で
タイで性転換者の社会進出が進んだ背景には、地元医療機関が競って性転換手術に乗り出し、競争から手術費用が下がって多くの人が手術を受けられるようになったこともある。アンさんによると、10年前には最低でも15万バーツ(約37万円)かかった男性から女性への転換手術は、今ではほぼ半額で受けることが可能だという。
バンコクで性転換手術を受ける日本人は現在、年間300〜400人に上っている。日本人がタイでの手術を選択する最大の理由も、その費用の安さだ。「あっせん会社による日本人の付き添い費用を含め、全部で100万円弱。日本でなら倍はかかる」。昨年10月、バンコク市内の病院で女性から男性への転換手術を受けた東京都内の自営業者(35)はそう話した。
日本に比べタイでの手術にはもう一つの利点がある。タイでも日本でも手術を受けるためには精神科医による「性同一性障害である」との診断書が必要。日本での診断には1年はかかるが、タイでは最短で1日でも可能で、少しでも早く手術を受けたい患者にとって、時間を大幅に短縮できる。
だが拙速な診断に基づく手術は、最悪の場合、後になって患者に性転換への後悔をもたらしかねない面もある。78年以来、4000人の転換手術を行ったタイの性転換医療の第一人者、プリチャー医師(69)は「手術は厳格な実施基準に基づいて行われねばならない」と、安易な手術の実施には警鐘を鳴らす。
==============
■ことば
◇性同一性障害
心と体の性別が一致せず悩むことで、世界保健機関(WHO)の診断基準に基づき診断される。手術には事前に長期のホルモン治療が必要。高額な費用が治療・手術をためらわせている面もあり、日本精神神経学会などは昨年11月、性転換手術について「単なる美容目的ではなく、就学や就労など社会参加に大きな役割を果たしている」として、厚生労働相に対し保険適用を求める要望書を提出した。
毎日新聞 2012年1月30日 東京朝刊
232
:
チバQ
:2012/02/16(木) 21:09:38
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120216/amr12021608480000-n1.htm
同性カップルが審査勝ち抜く エンパイア最上階で初の結婚式
2012.2.16 08:34
エンパイアステートビルの最上階で永遠の愛を誓う同性カップル(AP)
米ニューヨークの高層ビル「エンパイアステートビル」の最上階で14日、同性カップルの結婚式が初めて行われた。米メディアが伝えた。過去20年間、審査を勝ち抜いた数組のカップルが毎年、エンパイアステートビルの最上階で結婚式を挙げてきたが、同性カップルが選ばれたのは初めて。今回は、ニューヨークに住む男性カップルとアラスカ州の女性カップルがほかの2組とともに地上約400メートルで永遠の愛を誓った。
233
:
チバQ
:2012/02/16(木) 21:12:31
http://www.afpbb.com/article/life-culture/life/2857149/8420088?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
性暴力の標的にされるレズビアンたち、南アフリカ
2012年02月13日 17:16 発信地:GUGULETHU/南アフリカ
【2月13日 AFP】リカンバ・セキソさん(仮名、29)が従兄の部屋を掃除をしていると、従兄が部屋に入ってきた。従兄は戸を閉め、鍵をかけ、リカンバさんを暗闇と恐怖の中に閉じ込めた。そして、かかっていた音楽のボリュームを上げ、リカンバさんの「性的指向を矯正するのだ」と称して性的な暴行を加え始めた。「彼がわたしを暴行したのは、わたしがレズビアンだから。女は女とではなく、男とこういうことをするんだ、と言って」。この従兄に2度も暴行され、リカンバさんは妊娠し子どもを産んだ。
南アフリカのレズビアンたちは、常に女性に対する暴力にさらされている。中でもレズビアンを異性愛者に「矯正」するという口実で、レイプのターゲットにされるのだ。リカンバさんによると「わが家に胸のある男は要らない」と言われ、実の父親にレイプされたレズビアンもいる。
リンデカ・ストゥロさん(25)は4回も襲われた経験を持つ。その都度、反撃したのでレイプはされずに済んできたが、最初に襲われたときは足を折り、1か月入院した。ストゥロさんは性暴力が年々ひどくなっていると感じている。昨年は友人がごみ箱に詰め込まれた遺体となって見つかった。「毎年みんなに同じことを言われる。おまえはレイプされるぞ、レイプされるぞ、レイプされるぞって」。レズビアンはみな処女だと思われており、「美味しい獲物」と見られているのだと言う。
■「警察も守ってくれない」
同性愛者の権利に関する南アフリカの姿勢は、法的な面では評価できる。平等性は憲法で保障されており、2006年には世界で5番目に同性婚を認める国となった。
しかしアパルトヘイト(人種隔離政策)時代、黒人居住区だった地域は今も概して保守的だ。伝統的にも宗教的にも男らしさという概念へのこだわりが強烈に存在し、同性愛はまったくと言ってよいほど理解されていない。
レズビアンたちは家族から追放されるだけでなく、警察にも守ってもらえない。レズビアンに対するヘイトクライム(憎悪に基づく犯罪)に遭ったことを届け出ても、警官は同僚と笑っているだけだ。
その一方で、政府は対策チームを作り、レズビアンに対する暴力が横行する地域を中心に職員たちの教育を行い、性被害の撲滅に取り組み始めた。
「政府も非常に深刻な問題だと捉えている」と話すトラリ・トラリ(Tlali Tlali)法務省報道官は、「ヘイトクライムを犯す者には、いかなる余地も与えるべきではない。わが国の憲法とその価値観を無視するものだからだ」と糾弾している。また、トラリ報道官は「法の執行権限を持つ機関の一部に問題があることは承知している」と警察側の問題点も認めている。
政府の対策チームは、「同性愛者はアフリカ人らしくない」「同性愛者は男性から女性を盗む者だ」といった考え方を変える対処方法を奨励している。
234
:
チバQ
:2012/02/16(木) 21:12:54
■「伝統的な概念」が性暴力を生む
キリスト教の施設で同性愛者の避難所となっている「iThemba Lam」のブレルワ・パンダさんは、「伝統的な文化のために、旧黒人居住区に住む女性たちは、より犠牲となりやすい。その最たる脅威がレイプだ。さらに、同性愛者への理解がないコミュニティでは、周囲の人たちにその事実を認めさせるという大きなチャレンジにも直面する」と語る。
状況は少しずつ変わりつつあるとは言う。だが、同性愛者への理解があるケープタウン(Cape Town)周辺とは比べものにもならない。
「あそこ(ケープタウン)だったら女同士、人前で手をつないだり、キスをしてもなんでもない。けれど黒人居住区だったところで同じことをすれば、身を危険にさらすことになる」とストゥロさんさんは言う。そこでレズビアンの女性たちは、夜遅くは出歩かない、隙をみせることになるアルコール類は飲まない、女性らしい服や仕草を心がけるといった自衛策をとっている。家族を喜ばせるために、男性と付き合っているレズビアンさえいる。
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(Human Rights Watch、HRW)は、レズビアンやバイセクシュアル(両性愛)の女性や、性別の自己認識が生来の性と異なるトランスジェンダーの男性が直面している暴力の脅威に対し、南アフリカの法律はまったく意味をなしていないと批判している。
レイプ被害の統計のうち、レズビアン嫌悪によるものがどれほど混ざっているのかは明らかではないが、2010〜2010年の1年間に警察に被害の届出があったレイプの件数は、男性の強姦被害者も含めて5万6272件だった。実に9分に1回、レイプが発生していた割合だ。
ケープタウンでは前々週、レズビアンの女性を殺害した男4人に対し、禁錮18年の刑が下った。裁判が何度も遅れた事件だったが、権利擁護を訴える活動家たちは、同性愛者に対する暴力の重罰化の前例となると歓迎している。(c)AFP/Justine Gerardy
235
:
名無しさん
:2012/03/28(水) 00:32:54
http://jp.reuters.com/article/entertainmentNews/idJPTYE82M01U20120323
マドンナがロシアの反同性愛条例を批判、「ばかげた非道行為」
2012年 03月 23日 11:35 JST
[モスクワ 22日 ロイター] 今夏にコンサートツアーでロシアを訪れる米人気歌手マドンナが、プーチン首相の出身地サンクトペテルブルク市が最近導入した反同性愛条例を「ばかげた非道行為」だと批判し、現地公演でも同条例に反対を訴えると明らかにした。
この条例は3月に法制化され、公共の場で同性愛を打ち明ける行為などに対して罰金を科す内容が盛り込まれている。サンクトペテルブルク当局は、同性愛の「宣伝」は「未成年者(18歳未満)の健康や道徳、精神的成長を害する」としている。
これに対し、8月にロシアツアーを行うマドンナは、自身のフェイスブックページで「同性愛コミュニティーを支援するためにサンクトペテルブルクに行く」とコメント。この問題をコンサートでも取り上げる意向を明らかにした。
旧ソ連時代には禁錮刑対象の犯罪行為と見なされていた同性愛は、ロシア政府の下で1993年に非犯罪化された。ただ、社会的には依然として同性愛に対する偏見が根強く残っている。
236
:
チバQ
:2012/03/28(水) 00:34:36
http://www.47news.jp/CN/201203/CN2012030301001665.html
受刑者に長髪、女性服を許可 法務省が性同一性障害に配慮
性同一性障害で心は女性なのに、男として刑務所に収容された受刑者が不満を訴えるケースが相次ぎ、法務省は3日までに、刑事施設の処遇方針をあらため、全国の刑務所などで障害に配慮した対応を始めた。収容者の要望に応じて服装や髪形、入浴に配慮し処遇の改善を進める。
新指針は、性同一性障害の収容者に対して(1)診療と居室(2)入浴や身体検査時の対応(3)衣類・髪形など―について配慮するよう規定。
収容先の刑務所は、従来通り戸籍上の性別に従うが、居室は希望によって単独室とし、個別での入浴も許可。戸籍上は男性でも長髪や女性用下着、シャンプーなどの所持を新たに認めた。
2012/03/03 19:06 【共同通信
237
:
チバQ
:2012/03/31(土) 19:57:52
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120331-00000043-mai-soci
<性同一性障害>受刑者への「ホルモン治療不要」通達に批判
毎日新聞 3月31日(土)15時1分配信
刑務所や拘置所内の性同一性障害の収容者について、法務省がホルモン療法を行う必要はないとする処遇指針をまとめ、全国の施設に通知していたことが分かった。ホルモンは体を心の性別に近づけるほか健康維持の役割もあり、医療関係者は「治療を中断すると深刻な問題を引き起こす恐れがある」と問題視している。【丹野恒一】
処遇指針は昨年6月1日付で、同省矯正局成人矯正課長と矯正医療管理官の連名で通知された。性同一性障害の受刑者らの医療措置や居室、入浴、身体検査、衣類、調髪、カウンセリングなどの標準的な対応を記している。
このうち医療措置では、収容施設で性同一性障害を診断するのは「対応困難」とした上で、ホルモン療法についても「極めて専門的な領域に属する」「実施しなくても収容生活上直ちに回復困難な損害が生じるものと考えられない」と、医療措置の範囲外だとした。
性同一性障害学会理事長の中塚幹也・岡山大教授(産婦人科学)は「治療をやめると性ホルモン欠落状態になる。1週間ほどで更年期症状が表れ、数カ月でかなり重い骨粗しょう症になる」と指摘。また「女性の体であることを強く自覚させる月経が嫌で、自殺を考える患者も少なくない。ホルモン療法を止めれば月経が再開してしまう」とも懸念する。
当事者団体の「日本性同一性障害と共に生きる人々の会」は「女性の心を持った人を男性収容者の中で処遇するなど、指針は他にも問題点が多い」(山本蘭代表)とし、改善の要望書を近く、法務省に提出する予定。
同省矯正局は「健康上の問題が起きたという報告はなく、仮にあれば個別に判断して治療は行う。ただ、原則として認めてしまうと『胸を大きくしたいから女性ホルモンが必要』というわがままのような要求まで通ることになる」と話す。
同省によると、昨年末現在で医師から性同一性障害と診断されたり、同様の傾向があったりする収容者は全国に約40人。収容施設は、心の性別ではなく戸籍の性別で分けている。
★性同一性障害 身体的な性別と心理的な性別が一致せず、強い違和感に苦しむ疾患。精神科的な治療だけでは苦痛の改善は困難とされ、多くの当事者が男性・女性ホルモンの投与を受けている。04年に特例法が施行され、戸籍の性別変更が認められるようになったが、生殖器の切除、摘出など厳しい条件が付いている。国内に1万人以上いると推計されている。
238
:
名無しさん
:2012/04/01(日) 13:41:01
http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/120226/waf12022607000001-n1.htm
【大阪から世界を読む】
スカートをはいて、男性と結婚したい… 「先進国」タイのニューハーフたちの苦悩
2012.2.26 07:00 (1/6ページ)[大阪から世界を読む]
タイ・パタヤにあるショークラブ「ティファニーズ劇場」のリハーサルで踊るニューハーフの男性=2012年2月10日(ロイター)
昨年12月、ニューハーフに寛容だといわれるタイで、航空会社「PCエア」の運行開始とともに、男性から女性に性転換した客室乗務員(CA)4人が一斉にデビューした。「ニューハーフの先進国」タイでは珍しくないと思いきや、正式なCA採用は世界で初めてらしい。現実の社会活動となると保守的な企業が多く、ニューハーフの働き口はタイでも多くはない。一方で、日本では最近、大阪市出身のはるな愛さんらタレントが一昔前に比べ絶大な“市民権”を獲得している。ニューハーフを取り巻く環境は日タイとも確実に変化している。(菅澤崇)
女らしさの求道者たち
バンコクの夜を映し出す歓楽街の一つに欧米人好みのパブやバーが並ぶパッポン通りがある。車で20分ほど離れたナナという界隈と並び、タイ語で「カトゥーイ」と呼ばれるニューハーフが数多く集まる所だ。
“彼女”たちのモデルのような、自信を持った足の運びは、魅惑的で、何より女性よりさらに女性らしい。思わず、微笑ましくもなる。
5年前、バンコクに駐在していたころ、ニューハーフとすれ違うたび、「女性らしさを追究する求道者みたいだな」と思ったものだ。慣れてくると、飲食店街や娯楽産業の店だけでなく、有名デパートでも化粧品売り場などで見かけるようになる。1年もすると、言葉や服装だけなら幅はもっと広がると知り、日本でもっていた「ニューハーフ観」など完全に変わってしまった。
タイは本当にニューハーフ先進国?
興味がわくから、真面目に調べたことがある。
本当に世界で最もニューハーフが多い国なのか。性転換手術の技術は本当に先進的なのか。そんな「都市伝説」を一旦忘れて保健省や文化省などに問い合わせたが、公式には人数のメドすらはっきりしない。世界一の規模の中華街をかかえ、経済を中国系が牛耳りながら、タイの人口の何割程度が中国系なのか皆目わからないのと同じで、堂々巡りなのだ。
2007年の夏だったと思う。そんな疑問が昂じて、タイの最高学府の国立チュラロンコン大学で日本文学の教鞭をとるサオワラック・スリヤウォンパイサーン准教授に、取材ついでに、ニューハーフについて話をうかがったことがある。
「さて、教授陣に性転換者はいないと思いますが…。でも女性の言葉づかいだったり、普段少しリラックスしてスカートをはいたりするくらいなら、文学部の教授でみると1割か少し切る程度はいるかもしれません」
当時大学生の娘を育てる母親であり、教育者でもあったサオワラックさんのお話は貴重だった。
「気分を害するようなことはしませんし、研究がしっかりしている人もいます。私は昼食を取りながら一緒に仕事の話をするのも抵抗ありませんね。近頃では性転換者を題材にした論文も出てきたでしょう」
タイではどちらかといえば、ライフスタイルとして受け入れられていて、やはり日本よりは進んでいるように感じたものだ。
239
:
名無しさん
:2012/04/01(日) 13:41:30
「女性の服を着たい」
国内有数のニューハーフショーを上演するティファニー劇場のあるタイ東部の観光地パタヤで、コンテストに上位入賞し、性転換手術も済ませてステージに立つ大学生にインタビューしたこともある。
「小学生のころから女性の服を着たいとずっと思っていて。でも、親にも打ち明けないままの手術となると前日になっても迷いはありました」と話すその大学生の話は痛々しく、隣にいたタイ人支局員は最後は真顔で何度もうなづいていた。その後も機会をみてカトゥーイに話を聞くうちに、こうした人の多くが、「親の気持ち」を想像以上に真剣に考え、悩みとしていることも知った。
別の支局員の話として、生まれ育ったタイ東北部の田舎では、小学生のころ身体測定の記録表に男子、女子に加えて「どちらでもない」という性別欄があったとも聞いた。学校全体では数人いて、先生は普通に接していたし、いじめも記憶にないという話も印象的だった。
男性との結婚願望
二十数年前、大阪でニューハーフショーのパブが爆発的に人気が出たことを思い出した。女性が客として訪れても面白いというように、ニューハーフは話し上手で退屈させない。面白いことだからこそ大阪なら流行する。
〝大阪出身〟のニューハーフたちも少なくない。ティファニー劇場主催の「ミス・インターナショナル・クイーン2009」を日本人で初めて制したタレントのはるな愛さん。さらに遡ってニューハーフ草分けのカルーセル麻紀さんも大阪での仕事経験がある。タイのニューハーフに対する寛容さはどこか大阪と通じるところがあるのかとも思えてくる。
ただ、日タイを比べて、法整備については日本が先を行く。日本では2004年に性同一性障害特例法が施行され、手術後には戸籍上も性別の変更が可能となったが、タイはまだこのハードルを越えていない。
サオワラックさんに話を聞いたころ、ちょうどニューハーフの複数のグループが動き、タイで初めて法案として国会に提出されたが通過はしなかった。話を聞いたカトゥーイからは「何が恥ずかしいかって、パスポートの自分の男の顔を人に見せるのが困るし、男性と結婚ができないのが問題なんです。残念です」と聞いたのを覚えている。
年間300人の性転換希望者
現在、日本人の性転換希望者はバンコクだけで年間300人を下ることはないという。性転換手術も需要が伸びるなかで、過去10年のうちに費用が、半額程度(約30万円)程度になったといわれ、性同一障害の診断書があれば、性転換はかなり容易になっている。
ただ、ニューハーフの社会進出は、周囲が寛容なタイでも公務員や軍などではまだ例がない。タイが巷で言われるように本当に性転換の「先進国」になるのは、まだ少し先のことなのだ。
240
:
チバQ
:2012/04/04(水) 23:50:48
1559 名前:チバQ 投稿日: 2012/04/04(水) 23:37:26
>>1529
http://www.j-cast.com/mono/2012/04/04127828.html
「同性利用もOK」と正式回答 東京ディズニーリゾートの結婚式プラン
2012/4/ 4 19:35
東京ディズニーリゾート(運営・オリエンタルランド)は、新プラン「ディズニー・ロイヤルドリーム・ウエディング」を2012年3月23日発表しているが、その後、宝塚歌劇団出身のLGBT活動家・東小雪さんが電話で「女性同士のカップルがウエディングドレスを着て利用可能か」と質問したところ、東京ディズニーリゾート側から、米本国「ウォルト・ディズニー」に確認したうえで「可能」との"公式見解"が届いたという。東さんが4月2日にブログで経緯を明かしている。
回答によれば、「男性同士」の場合はタキシードを着用となるが、男女それぞれ同性同士の場合、キリスト教式の挙式は教義の理由から行えないとのことだ。
東京ディズニーリゾートは以前、東さんが電話で行った同じ質問に対して、「同性カップルの場合一方が男性に見える格好で、もう一方が女性に見える格好でないと利用できない」と回答し、ツイッター上で話題になっていた。<モノウォッチ>
241
:
チバQ
:2012/04/26(木) 21:55:03
http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20120426/dms1204261544018-n1.htm
“ゲイのカリスマ”東郷健さん死去…79歳2012.04.26
元「雑民党」代表で、「ゲイのカリスマ」と呼ばれた雑誌編集者の東郷健(とうごう・けん、本名健=たけし)氏が1日、前立腺がんのため東京都中野区の自宅で死去していたことが分かった。79歳。葬儀・告別式は親族で済ませた。喪主は長男・優(ゆう)氏。
兵庫県出身の東郷氏は関西学院大卒。兵庫県姫路市や東京・新宿でゲイバーを経営したり、雑誌「ザ・ゲイ」編集長を務めた。同性愛者や障害者らへの差別撤廃を訴える活動を展開する一方、衆・参院選挙や東京都知事選に立候補した。いずれも落選したが、「NHKはホモ王国」「男が男を愛してなぜいけない」「平気でウソをつく政治家の方が変態」などと、過激な政見放送で話題を呼んだ。
1983年の参院選で、NHKが政見放送の一部を差別語としてカットしたのは違法として提訴したが、敗訴。個人観賞用にわいせつ物を海外から持ち込んだ「税関ポルノ訴訟」でも有罪判決を受けた。
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