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農業総合スレ

1とはずがたり:2003/08/06(水) 19:22
農業問題一般。土地制度その他

武部農相よ、農協を解体しよう!
http://kaba.2ch.net/giin/kako/993/993748216.html

武部農水相について語る・・・
http://kaba.2ch.net/giin/kako/1009/10090/1009030603.html

1408とはずがたり:2013/08/25(日) 09:55:41

若者らに農業のススメ 大阪府の支援制度で49人の「準農家」誕生
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/bizskills/snk20130824123.html
産経新聞2013年8月24日(土)15:25

 農業の担い手育成や遊休地解消を目指し、農家以外の人が小規模から農業経営に参入できる大阪府の「準農家制度」が人気を集めている。府が橋渡し役となって農地を貸し出し、収穫した作物を販売できる全国的にも珍しい仕組みで、これまでに49人の「準農家」が誕生。府内の農家戸数は10年前から約1割減少し、高齢化も深刻だが、制度開始で民間の遊休地計5・3ヘクタールの解消にもつながったという。

 府南東部の富田林市にあるイチゴ畑。蒸し暑いビニールハウスで苗の手入れをする大阪狭山市の米田哲治さん(40)は「試行錯誤の毎日。でもやりがいがある」と汗をぬぐった。

 米田さんは約2年半前、脱サラして農業経営を決意。土地を借りるため市役所などに相談したが、栽培技術などのノウハウを持たない米田さんがまとまった農地を確保するのは難しく、府の準農家制度を活用して約900平方メートルの農地を借りた。

 害虫被害などの苦労もあったが、昨年12月以降、イチゴ約800キロの収穫に成功。目標は会社設立という。

 同府羽曳野市の角田裕彦(やすひこ)さん(33)と妻の美由紀さん(32)も昨年2月から隣接する富田林市に約600平方メートルの農地を借り、ナスやトマトなどを栽培。日中は別の仕事に従事し、早朝と夕方に畑へ。無農薬にこだわってこれまでに約50種類を栽培し、直売所などで販売している。角田さんは「土地をどう借りればよいか分からなかったので、制度が農業を始めるきっかけになった。意欲のある若者も多く、担い手も増えるのでは」と話す。

 府内では農業従事者の約8割が60歳以上で、平成22年の農家戸数は12年から1割減の約2万6千戸。遊休地は20年の調査で千ヘクタールに上っている。

 府内の各市町村では自立した農業経営に必要な面積を定めているが、一般的には2千〜3千平方メートルの農地が必要とされ、資金や流通ルートの確保など土地取得のためのハードルも高い。このため、農地所有者が信頼して貸し出せるよう府が仲介する同制度を創設、府内各市町村と連携して小規模から農地を紹介し参入を促している。

 3回目となる募集を今月30日まで行っており、府農政室推進課は「地元の農家からアドバイスをもらえる機会も提供し、支援を充実させたい」と話している。

 ■準農家制度  担い手の育成や農地の効率的な利用のため、農業者以外の人が農業経営に参入できるよう大阪府が仲介して農地を貸し出す制度で平成23年に創設された。自治体などが行う農業研修や市民農園での栽培など一定期間農作業に関わった経験者を「準農家候補者」として登録し、希望に沿った農地を紹介する。現在の登録者は28〜79歳の95人で、これまでに49人が「準農家」となった。

1409とはずがたり:2013/08/26(月) 19:13:03
>農地の転用規制が厳しいため、工場がアジアなど海外に出ているという。

農地転用の仕組み整備を 全国市長会、農水相に提言
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/TKY201308260321.html
朝日新聞2013年8月26日(月)18:52

 全国市長会(会長=森民夫・新潟県長岡市長)は26日、独自にまとめた農地政策「再生農地等地交換制度」を林芳正農林水産相に提言した。市町村が耕作放棄地などを農地に再生した場合、同じ面積の農地を工場向けなどに使えるようにする制度を導入してほしいと、求めている。

 まとめ役の片岡聡一・岡山県総社市長によると、大地震対策で企業が工場を各地に分散する動きがあるものの、農地の転用規制が厳しいため、工場がアジアなど海外に出ているという。国の許可に基づく転用の仕組みを新たに整え、雇用確保につなげる狙いだ。

 農水省は、農地集約を進めるための法案を秋の臨時国会に提出する予定で、市長会は、その中に盛り込んでほしいと訴えた。片岡氏によると林農水相は、今後検討すると語ったという

1410とはずがたり:2013/08/27(火) 03:04:46

日・米・豪ビーフの味が違う要因/肉牛農家へのTPPの影響は?
http://thepage.jp/detail/20130826-00010002-wordleaf
2013/8/26 16:49配信
THE PAGE

 TPP交渉において、牛肉は日本側が関税維持を目指す重要項目の一つになっています。外国の牛肉は日本の牛肉よりも格段に安く、もし関税が取り払われたら、日本の農家は非常に厳しい状況に置かれるからです。

 日本は牛肉の多くを外国からの輸入に頼っています。全体の約60%が輸入牛、約40%が国産牛です。輸入牛の内訳は約66%がオーストラリア産、約23%がアメリカ産です。そのほかニュージーランド、メキシコ、カナダなどからも輸入されています(JETRO『アグロトレードハンドブック2012』による)。ただし、JAS法では外国で育ててもそれより長い期間日本で育てれば国産牛という扱いになるので、実際はもう少し外国から来た牛の割合が高いと考えられます。

肉牛の飼育方法が味に影響

 オーストラリアでは牛たちは広大な牧場で放牧され、豊かな自然の中でのびのびと育ちます。自然に育つ牧草が餌なので、人件費もそれほどかかりません。牛の左耳には目視できる番号札が、右耳には電子タグがついていて、どの親牛からいつどこで生まれ、どんな環境で育ったかという個体情報が16ケタの番号で記されています。コストの安さと徹底した品質管理で守られる安全性が、オージービーフの強みです。しかし、弱点がひとつあります。それは牧草を食べて育つことが原因とされる独特の臭いです。この臭いを苦手とする人は、少なくありません。

 アメリカ産の牛肉には、この臭いはありません。アメリカでは牛を育てるのに、穀物を主体に使っているからです。開拓期のアメリカでは、トウモロコシや大豆などを栽培する農家は余った穀物で豚を飼っていました。市場で穀物が高いときには穀物を売り、肉が高いときには肉を売ることができるため、農家の基本的な経営システムとなりました。やがて牛肉の需要が高まるにつれて牛の飼育が増えていきましたが、穀物を飼料とする方式は踏襲されました。現在、牛たちの多くはアメリカ中部の穀倉地帯に点在する、フィードロットと呼ばれる広大な肥育場で放し飼いにされています。農家は広大なフィードロットの中をトラックで走って、飼料を与えています。

 和牛の場合、子牛を育てて売る肥育農家が、母牛に子牛を産ませて売る繁殖農家から子牛を仕入れて、牛小屋で飼うケースが大多数です。餌は大麦、大豆、トウモロコシなどの穀物、小麦粉をつくるときに出る副産物のふすま、稲わらなどです。どの餌をどの時期にどのくらいの配合で与えるかは、農家それぞれで工夫しています。

 こうして生産された和牛には、桃やココナッツのような甘くてコクのある香りを出すラクトンなどの香り成分が大量に含まれ、加熱すると「和牛香」と呼ばれるおいしそうな匂いを放ちます。和牛香は焼くよりも煮たときに強く感じられるため、すき焼きやしゃぶしゃぶにはとくに適しています。

最も恐れるべきは「種牛」の流出

 TPPの交渉ではとくにオーストラリアとニュージーランドから、牛肉の関税撤廃を強硬に要求されています。これらの国の牧場は、日本で言えば「市」にあたる広さを持つのが普通で、なかには「県」に迫る広さを持つ牧場もあり、日本の農家が少々合理化を進めたくらいで対抗できるものではありません。「味」が武器になるとは言え、関税が撤廃されれば苦戦は避けられません。

 ただし、肉の味を決定するのは、餌や育て方だけではありません。最も根本的なものは、血統です。父牛から採れる精液から数多くの子牛が得られるため、日本でも優秀な種牛を手に入れた地方のブランド力が上がって評価が入れ替わる興亡の歴史が繰り返されてきました。優秀な種牛を数多く保持していることこそが、日本の強みです。

 最近はオーストラリアでも牧草で育てるグラスフェッド・ビーフのほかに、穀物を主体にしたグレインフェッド・ビーフの生産に力を入れるようになっています。和牛と地元の牛を掛け合わせた牛肉の生産に取り組む農家もあります。他国の農家も努力を続けているのですから、生産の現場では、何千万円、何億円積まれても、有望な種牛は海外へ売らないよう、注意してほしいものです。

(広沢大之助・社会科編集者)

1411とはずがたり:2013/08/29(木) 13:08:22
日本の漁業ひでぇ。。

惨憺たる日本の漁業
実は先進国では成長産業
分かりきった改革がなぜ進まない?
2013年08月19日(Mon)  勝川俊雄 (三重大学生物資源学部准教授)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3068

先進国で漁業は成長産業

 日本の漁業は衰退の一途を辿っている。日本の漁業従事者は、ピーク時の100万人が、現在は20万人を割りこみ、さらに減少を続けている。平均年齢は60歳を超えた。漁村の限界集落化が進んでいる。日本の漁業は、縮小再生産どころか、消滅しかねない状況である。

 漁業従事者の高齢化は、ここ数年間に始まったことではない。何十年も新規加入が途絶えた状況を放置してきた結果である。日本の漁業はすでに産業として成り立っておらず、一般の企業だったら、とっくに倒産している状態を補助金で維持している。漁業者の平均所得は、200万円程度。年金の足しにはなるが、これから家庭を持つ若者が、夢を持って参入できる環境ではない。

 漁業の存続には、漁業収入の改善が急務である。中長期的に安定した収入が期待できれば、後継者は必ず戻ってくる。北海道のホタテの養殖や、駿河湾の桜エビ漁業のように、安定して高い利益をあげている地域では、地元の若者が漁業を継いで、豊かな生活を送っている。後継者が順番待ちをしている浜もある。地域経済を支えられるような、自立した水産業を日本でも育てなければならない。

 日本では、「人件費の高い先進国では、一次産業は衰退するので補助金で支えないといけない」と広く信じられているが、そんなことはない。ノルウェー、ニュージーランド、アイスランド、米国、豪州など、多くの先進国で、漁業が持続的に成長している。これらの国では、漁業への補助金は、ほとんどない。世界的に見れば、むしろ、途上国よりも先進国の方が、漁業の収益性が高い。先進国なのに、漁業が衰退している日本の方が例外なのだ。

 先進漁業国は、次の2点を徹底している。
(1)漁獲規制で魚を十分に獲り残す
(2)獲れた魚を高く売る

 魚や貝などの生物資源は、子を産んで再生産するので、十分な親魚を残しておけば、半永久的に利用できる。現在の人間の漁獲能力は、自然の再生産能力を遥かに上回っているので、漁獲規制をしなければ、あっという間に獲り尽くしてしまう。長期的な漁業経営の観点からは、魚を多く獲ることよりも、しっかりと残すことが重要なのだ。漁獲量を増やさずに漁業の収入を増やすには、魚の価格を上げるしかない。当たり前の話なのだが、この2点ができている国の漁業は成長しているし、そうでない国の漁業は衰退している。

ここまで異なる日本と欧州の漁業

 サバ漁業を例に、日本の漁業が衰退する理由を考えてみよう。下図(※図省略)に、日本で最も重要な水産資源の一つであるマサバ太平洋系群の親魚資源量を示した。この資源は産卵場も回遊ルートも日本の排他的経済水域(EEZ)で完結しており、中国・韓国などの外国船は漁獲できない。日本が排他的に利用できる資源である。

 年齢別漁獲尾数推移のグラフをみると、1980年代からの乱獲で、資源の大部分を獲り尽くしてしまったことがわかる。普通の先進漁業国なら、禁漁にして資源の回復を待つところだが、日本は全く逆の方向に舵を切った。「親がいなければ、子どもを獲ればよい」という発想により、漁具メーカーと漁業者が共同で、稚魚を効率的に獲るための漁具を開発し、90年代にはすっかり未成魚中心の漁獲に切り替わった。

1412とはずがたり:2013/08/29(木) 13:08:32

 欧州のサバ資源は、十分な親が残るように漁獲規制されており、資源量が安定的に推移している。十分な親を獲り残した上で、自然増加した分だけを漁獲している。銀行預金でたとえると、元本には手をつけず、利子だけで安定して生活をしている状態だ。

 日本と欧州では、獲っている魚の年齢(サイズ)が全く違う。日本も70年代までは、欧州と同じような大型のサバが安定的に水揚げされていたのだが、90年代以降は、0歳、1歳といった未成魚が漁獲の中心を占めている。日本のサバが卵を産むのは2歳からだが、そこまで残る魚はごく一部である。サバの未成魚は、ローソクサバと呼ばれている。やせ細っており、食べるところがほとんど無い。日本人は、サバの未成魚を食べないので、一般消費者の目に触れずに、養殖のえさになるか、捨て値で途上国に輸出されるかのどちらかである。一方、欧州は十分な親を獲り残し、価値がある大型個体を中心に安定した漁獲を行っている。どちらが安定的に利益を出せる漁業かは、一目瞭然である。

 日本でも、大きくしてからサバを漁獲したら、どうなるだろうか。0歳のサバ(100グラム)を10尾漁獲しても、約60円の売り上げにしかならない。3年待って、500グラムの鮮魚サイズにしてから獲ると、自然死亡で3尾に減るが、1尾80円に価値が増える。3年間、海に泳がせておくだけで、漁獲重量は1.5倍、漁獲金額は4倍に増えるのである(下図:※図省略)。

 日本漁業の生産性は大幅に改善する余地がある。3歳で漁獲された魚は、すでに1回は卵を産んでいるので、資源の再生産にも寄与するのだ。

日本の漁業衰退は政策の失敗が原因

 サバなど多くの水産資源は、複数の都道府県の沿岸を回遊する。巻き網や、定置網など、多種多様な漁業が利用している。これらの漁業者が、顔を合わせる機会はない。漁業者が自主的に管理をするのは不可能である。意識の高い漁業者が、稚魚を獲るのを止めたとしても、他の漁業者が獲ってしまえば同じことだ。

 乱獲が放置されている日本では、魚が大きくなるまで残らない。「価値が出るまで待ってから獲る」という選択肢は日本の漁業者にはないのである。資源が減少していく中で、日本の漁業者にできる唯一の生き残り策は、ライバルより前に自分が獲ることである。日本の漁業者は、乱獲によって、自らの生活を破壊しているのだが、その根本原因は、公的機関がやるべき規制をしないからだ。

 漁業先進国の政策を参考に、国が何をすべきかを整理してみよう。

(1)漁獲枠の設定を改善する

 日本政府は、97年から、サバを含む7魚種に漁獲枠を設定しているが、資源の減少に歯止めがかからない。漁業者ががんばっても、獲り切れないような過剰な漁獲枠を設定しているからである。サバの場合も、未成魚中心の漁獲でも、毎年のように漁獲枠のかなりの割合が消化されずに残っている。過去には、マイワシの漁獲枠が、海にいる魚より多かったことさえある。これでは、資源保護効果は期待できない。

 適切な漁獲枠設定をしている欧州では、漁業者が漁獲枠一杯まで魚を獲っても、きちんと親魚が残っている。一方、日本のサバ漁業者は、漁獲量が漁獲枠に届かず、毎年、漁獲枠の3割程度を余らせているにもかかわらず、親が残らない。日本では、適切な漁獲枠設定ができないのだから、欧州の研究者を招聘して、彼らのやり方で、漁獲枠を設定すべきだろう。

(2)漁獲枠の個別配分

 日本の漁獲枠は、全体の総漁獲量を決めているだけであり、誰が漁獲枠を使うかは早い者勝ちである。漁獲枠を適正水準まで下げたなら、漁獲枠を巡る漁業者間の熾烈な競争を引き起こすのは目に見えている。

1413とはずがたり:2013/08/29(木) 13:08:51

 早い者勝ちの漁獲枠設定をしているのは、日本ぐらいである。他の主要漁業国は、漁獲枠をあらかじめ個々の漁業者に配分しておく方式(個別漁獲枠制度、IQ方式)に移行している(表参照:※表彰略)。漁獲枠を個人に配分しておけば、早獲り競争は起こらない。ノルウェーの漁業者は、漁獲枠の上限が決められる代わりに、相場を見ながら、大型の価値のある魚を狙って獲ることができる。だから、ノルウェーサバの品質は安定しているし、値段が安くならない。漁業の生産性を高めるには、個別漁獲枠制度の導入が不可欠だからである。お隣の韓国も、99年に個別漁獲枠制度を導入し、それ以降、沿岸漁業の漁獲量がV字回復している。

 個別漁獲枠制度を導入すると、漁業のコストが大幅に削減することが知られている。アラスカのカニ漁業は、05年に個別漁獲枠制度を導入してから、燃油消費量が半減している。筆者が現地の漁業者から話を聞いたところ、早獲り競争の時代は、ライバルよりも早く漁場に着くために、常に全速力で走っていたが、現在は一番燃費が良い速度で走っているということである。

 燃油代が上がるたびに、日本の漁業者はデモを行い、公的資金による補填を勝ち取ってきた。今年も、重油価格が80円/リットルを超えた場合は超過分の50%、95円/リットルを超えた場合は超過分の75%が、税金で補填される。

 日本のイカ釣り漁業は、強力な集魚灯をつかうので、燃油高騰の影響を受けやすい。イカを釣るだけなら、それほど多くの光量は必要がない。昔は、ローソクや50㍗の裸電球で、イカを釣っていた。現在の過剰な光量は、漁業者間のイカの争奪戦の結果である。誰かが抜け駆けして光量を増やすと、イカがそっちに集まってしまうので、他の漁業者も追従せざるを得ないのだ。

 個別漁獲枠制度を導入すれば、光量を増やしても、自分が水揚げできるイカは増えない。漁業者は、経費削減のため、必要最低限の光量まで落とすはずである。現在の2〜4割の光量が適正水準であると言われており、大幅な経営改善が期待できる。

 07年に燃油価格が高騰した当時、豪州の漁業管理当局のトップから、漁業政策について話を聞く機会を得た。豪州では、個別漁獲枠制度を規模の大きな漁業から導入している最中であった。燃油補填の要求がでてきたのは、個別漁獲枠制度を導入していない一部の漁業のみであった。豪州政府は、公的資金による燃油代の補填はせずに、個別漁獲枠制度を前倒しで導入して、燃油高騰を乗り切る方針を打ち出した。

 漁業者間の競争を放置したまま、補助金によるその場しのぎをした日本では、燃油の価格が上がるたびに、補助金の要求が繰り返されている。日本政府も、補助金による安易な問題先送りを繰り返すのではなく、豪州政府の問題解決型の姿勢を見習ってほしい。

日本が資源管理をしなかった理由

 麻生政権時代に、規制改革会議によって、個別漁獲枠制度の導入が議論されたことがあった。それに対する水産庁の回答は、次のようなものであった。

(1)日本では、漁業者による自主的なきめ細かい操業規制が行われており、公的機関が規制を導入して、漁獲競争を緩和する必要がない
(2)管理コストがかかるので難しい
(詳細は「http://www.jfa.maff.go.jp/j/suisin/s_yuusiki/pdf/siryo_20.pdf」参照)

 つまり、「現状でも問題がないし、お金もかかるから、やりたくない」ということだ。

1414とはずがたり:2013/08/29(木) 13:09:10
>>1411-1414

 日本全国、どこの浜に行っても、魚が獲れなくなった話ばかりである。水産庁が漁業者に実施したアンケートでも、「資源が減少している」と答えた漁業者が9割であった。サバに限らず、クロマグロや多くの魚種が、適正サイズになる前に大半が漁獲されている。非生産的な稚魚の奪い合いを、何十年も放置しておいて、「競争を緩和する必要がない」と開き直るのは、あまりにも無責任である。

 グラフ(※省略)は、主に先進国によって構成されるOECD(経済協力開発機構)の漁業補助金の金額を比較したものである。日本は、2位の米国、3位のEU全体を大きく引き離して、ダントツで1位である。これだけ多くの公的資金が投じられているのに、他国がやっていることが、なぜできないのだろうか。日本の場合は、予算が足りないのではなく、使い方に問題があるのだろう。

 こうした漁業問題の詳細は、『漁業という日本の問題』(NTT出版)にまとめてあるので、興味のある方はご参照いただきたい。

日本漁業に未来はあるか

 日本の漁業は瀕死の状態ではあるが、解決策はある。日本漁業が苦しんでいる問題は、世界的にはとっくに解決済みなのだ。病名は明らかであり、個別漁獲枠制度という治療法も確立されている。国がやるべき漁獲規制をすれば、日本の漁業は必ず復活する。逆に、乱獲を放置したまま、補助金による問題先送りを続ければ、漁業の衰退はどこまでも続くだろう。

 福島県の沿岸では原発事故以降、漁業が停止している。最近になって、試験操業を再開した。被災前は、何時間も網を引いても、それほど多くの魚が獲れなかったのが、現在はたったの15分で、網が破れそうになるほど魚が入る。適切な漁獲規制をすれば、日本の沿岸の魚は必ず戻ってくる。

 世界有数の国内市場があるのも日本の強みである。ノルウェーにはもともとサバを食べる文化がない。サバ加工のノウハウがなく、人件費が高いため、国内で加工による付加価値付けをするのは難しい。大型のサバを良い状態で漁獲して、すばやく冷凍するところまでが、ノルウェーの限界だ。日本は多種多様なサバ食文化があり、加工によって付加価値をつけることができる。

 漁業政策しだいでは、再び世界に冠たる水産王国となる可能性を持つ。その変化の鍵は国民が握っている。ノルウェーでも、ニュージーランドでも、資源管理を導入する際に、漁業者は猛反対をした。しかし、国民世論が乱獲を許さなかったので、資源管理を導入できたのである。資源管理によって漁業が儲かるようになると、5年もしないうちに漁業者のほとんどが漁獲規制を支持するようになった。

 乱獲に反対する国民世論が高まれば、日本の水産行政も、変わらざるを得ないだろう。資源管理の導入は、短期的に見れば痛みを伴うかもしれないが、長期的に見れば、漁業が持続的に発展するための唯一の方法なのだ。

 安倍内閣は、「攻めの農林水産業」という方針を打ち出している。従来のバラマキ行政をつづけるのか、それとも未来につながる漁獲制度改革を行うのか、今後の動きに注目したい。

1415とはずがたり:2013/08/31(土) 11:45:03

秋の味覚:猛暑で異変 サンマにコメ、マツタケは…
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20130830k0000e020233000c.html
毎日新聞2013年8月30日(金)12:03

 国内最高気温を更新し、猛暑日(35度以上)や大雨が続いた今夏。9月を前に秋の味覚が気になるが、猛暑の悪影響は出ないのか。【江畑佳明】

 秋といえばサンマ。今年は猛暑で日本近海の海水温が上昇して魚群が少なく、高値で取引されている。例年、最盛期には店頭に1匹100円以下で並ぶが、現在は同300〜700円のところも。

 京王百貨店新宿店の鮮魚コーナーでは、北海道産が2匹で780円。売り場担当者は「今年は『取れない、高い』でなかなか売れない。旬のものを多くの方に食べていただきたくて、企業努力で200円値下げしました。脂が乗ってくるのはこれからですが、大きくて身がふっくらしておいしい」と話す。大手スーパー・イオン(本社・千葉市)でも価格は198〜298円。全国さんま漁業協会(東京都港区)は「例年9月上旬には水揚げが増える」と期待する。

 23〜26日に集中的な豪雨に見舞われた米どころ、熊本県。JA熊本経済連によると、豪雨の被害はなかったが「今年のイネの生育は例年より1週間ほど早い。昨年、日本穀物検定協会の『米の食味ランキング』で全国1位に輝いた品種『森のくまさん』は、暑さへの耐性がなく、猛暑が今後も続くと米粒が乳白色に濁る高温障害にならないかが気になる。夜間の気温も下がってくれないとコメの甘みが出にくくなる」と心配する。

 猛暑による品質低下は各地で懸念され、石川県ではJAなどで作る営農協議会が、早場米のコメを昨年より1〜2日早く刈り取るよう農家に要請した。

 柿の生産量全国一で、シェア20%強を誇る和歌山県。同県伊都振興局農業振興課によると、強い直射日光を受けると生じる「日焼け」の被害が出ている。「日焼け」は果実表面の細胞が死に、茶色く変色。そこだけ成長しなくなるため実の形が崩れ、ひどいと出荷できなくなる。わせの柿の収穫は9月中旬から。担当者は「今年は日焼けが多いようです」とため息をもらす。

 気になるのがマツタケだ。全国一の生産地、長野県の県林業総合センターの担当者は「採取される山の地中の温度は高くても21〜22度で、8月の猛暑の影響はあまりない。気になるのは9月の残暑。高温の日が続くと、マツタケのつぼみが腐ってしまう」と話す。

 気象庁の予報では、今後1カ月の気温は全国的に例年並みから高めで、関係者はしばらく気をもみそうだ。

1416荷主研究者:2013/09/01(日) 14:06:57
>>1401
http://www.kahoku.co.jp/news/2013/08/20130830t12025.htm
2013年08月30日金曜日 河北新報
アイリスオーヤマなど精米会社を設立 亘理町と立地協定

協定を結んだ(左から)針生社長、大山社長、斎藤町長

 アイリスオーヤマなどが設立した精米会社「舞台アグリイノベーション」(仙台市)は29日、宮城県亘理町と精米工場の立地協定を結んだ。9月に建設工事を始め、来年4月に稼働する。初年度の売上高は、当初計画の4倍に当たる200億円を目指す。

 亘理中央地区工業団地の敷地5万3000平方メートルに、2階建て事務棟と4階建て工場を造る。延べ床面積は合わせて約6万200平方メートル。総事業費は約70億円を見込む。

 工場では、北海道と宮城、秋田、山形、新潟4県から集荷したコメを低温で精米し、小分けパックにして出荷する。従業員約50人は地元を中心に採用し、舞台アグリの本社機能も工場に移す。

 締結式には斎藤邦男町長らが参加した。舞台アグリ会長を兼ねるアイリスオーヤマの大山健太郎社長は「輸出も積極的に行いたい。1000億円規模の事業規模を目指す」と意欲を示した。

 共同出資する農業生産法人「舞台ファーム」(仙台市)の針生信夫社長も出席し、「減少が続くコメの消費を増やしたい」と語った。

 各地の農家や農業生産法人からコメを買い取るめどがついたといい、初年度の販売量は5万トンになる見通し。大山社長は「将来的には(集荷面などで)農協との連携も視野に入れたい」と述べた。

1417荷主研究者:2013/09/01(日) 15:46:51

http://www.chugoku-np.co.jp/News/Tn201308260047.html
'13/8/26 中国新聞
宍道湖シジミ、回復の兆し

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/nogyo/Tn20130826004701.jpg

 島根県は今春の宍道湖のヤマトシジミ資源量は全体で1万7849トンと、1997年の調査開始以来で最低だった昨春の1万5408トンを上回ったことを明らかにした。稚貝も昨年より増え、宍道湖漁協は将来的な資源の回復に期待を寄せている。

 漁獲対象(殻長17ミリ以上)の資源量は3895トンで、昨春の2895トン、過去最低だった昨秋の1725トンをいずれも上回った。殻長17ミリ未満も1万3954トンあり、そのうち殻長6ミリ未満の稚貝も平年の2倍ほど現れているという。

 県水産課などによると、水温や塩分濃度の変化▽アオコの少なさ▽漁獲制限―などが影響したとみられる。県の宍道湖保全再生協議会で分析し、詳細な原因を探る。

 宍道湖のシジミ資源は、調査開始後では2005年秋の7万6230トンをピークに減少傾向が続く。11、12年には、漁獲量で全国1位の座を青森県に譲っている。宍道湖漁協は「引き続き漁獲制限などを徹底し本格的な回復を目指したい」としている。

 県は6月18、24日に湖内125カ所で底泥を採り、資源量を推計した。

【写真説明】宍道湖とつながる大橋川でシジミ漁をする漁業者(松江市)

1418荷主研究者:2013/09/01(日) 16:00:53

http://www.sankeibiz.jp/business/news/130829/bsc1308290601010-n1.htm
2013.8.29 06:00 Fuji Sankei Business i.
丸紅、穀物輸送に自社船 価格競争力でカーギル追撃

丸紅が買収した米3位のガビロンが保有する穀物ターミナル。集荷網強化に加え、物流機能が取引の鍵を握る

 米国第3位の穀物メジャー、ガビロンを買収した丸紅が、自前の穀物専用船を2015年をめどに3隻投入することが、28日までに分かった。中国への北米やブラジルからの大豆やトウモロコシ輸入が急拡大すると判断した。

 輸送船を借り入れたりしていた穀物輸送戦略を転換、自社船投入でジャスト・イン・タイムの機動力を高める。穀物輸送で日本の商社が自社船を持つのは初めて。海上運賃の競争力を強化し世界最大手の穀物メジャー、米カーギルを追撃する。

 発注したのはパナマックスと呼ばれる7万重量トン級の穀物専用船で、通常のバラ積み船より約2割増しの積載能力を確保。愛媛県の今治造船が建造し、15年をめどに北米やブラジルと中国向け路線などに投入する。投資額は約90億円とみられる。

 穀物取引は産地と消費地の組み合わせを多く持ち、バイイングパワー(購買力)を発揮することが重要。中でも、長期チャーター船や港湾の効率運営による海上運賃が穀物の価格競争力を左右する。

 丸紅はこれまで、穀物輸送船を長期に借り入れたり、ブラジルの港湾運営会社を傘下に収めるなどして世界の穀物輸送網を築いてきた。ただ、最大手のカーギルは専用船を含め350隻を全世界に投入し、物流戦略でも大きく水をあけられていた。

 今後はブラジルなど生産地の集荷網を強化する一方で、中国や需要が急増するアジアや中東・北アフリカでも飼料工場や畜産加工など一貫生産体制の構築を進め、確実に供給力と売り先を確保する考え。

 丸紅の13年の穀物取扱量は前年比4.3%増の約2600万トンの見通しで、ガビロン分を加算すると約5500万トンとカーギルに次ぐ規模になる。

1419とはずがたり:2013/09/15(日) 09:11:18

サンマ漁:シーズン到来 漁好調 一方で事故も 北海道
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20130914k0000e040182000c.html
毎日新聞2013年9月14日(土)11:13

漁場が遠く、不漁が続いていた今季のサンマ漁だが、13日は全国で今季最大の約2713トン(漁業情報サービスセンターの速報値)が水揚げされた。2000トン超は9日に続いて今季2度目。北海道の東部4港は2085トンで、今週に入って好漁が続いており、ようやく本格的なサンマのシーズンが到来したようだ。一方、遠い漁場の影響で事故が多発しており、根室と釧路の両海上保安部は13日から、道東4港の全サンマ漁船を対象に、緊急の海難防止指導に着手した。

 ◇競り値急落

 根室市花咲港では13日、90隻(大型船6隻、小型船84隻)が今季最大の1951トン(同速報値)を水揚げし、岸壁にはサンマを満載したトラックやリフトがひしめき、港は活気に包まれた。

 大漁を受けて競り値も下落。午前7時の競りでは、高値で1キロ284円まで下がり、先週に比べ3分の1近くまで安くなった。

 地元漁業者によると、先週までは一昼夜かけて約500キロ沖まで魚群を追いかけていたが、今週半ば以降、片道6時間ほどの漁場でまとまった水揚げができるようになったという。

 歯舞漁協所属の第53よし丸(29トン)の中陣直樹船長(35)は「色丹島の南で36トンを取り、今年初めての満船だった」と話すものの、高値で売れる170グラム以上の大ぶりの魚は2〜3割にとどまり、「これでは大漁貧乏」と複雑な表情。今季は当初、大ぶりの魚が主体で、1キロ1300円の高値が付いたときもあったといい、浜値の急落に戸惑う。

 ◇指導中に発生

 サンマ漁船の事故が増えている。根室海保などによると、漁船の衝突事故(13日午前現在)は、大型船解禁初日の8月23日に花咲港内で起きた事故をはじめ、既に6件発生。人身事故と合わせた事故件数は計16件で、前年同期比の2倍近いハイペース。

 根室と釧路の両海保による緊急指導が13日早朝から始まったが、花咲港では、その最中に事故が発生。接岸中の福島県いわき市の大型船が、荷揚げ後に氷を積み込む作業中、甲板長(30)=同市=が足を滑らせて深さ約3メートルの船倉に落下、腰を強く打って入院した。

 緊急指導で根室海保職員からチラシと睡眠防止のガムを受け取った浜中漁協所属の「第25福栄丸」の清野毅船長(66)は「漁場が遠く、サンマもいないので長時間魚群を追いかけなければならず、疲れがたまっている。(事故が起きないよう)気を張って操業したい」と話した。【本間浩昭】

1420とはずがたり:2013/09/15(日) 09:12:19

気仙沼に待望のサンマ 平成で最も遅い初水揚げ
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/business/kahoku_K201309120A0M206X00003_090420.html
河北新報2013年9月12日(木)09:22

 宮城県気仙沼市の気仙沼魚市場に11日、サンマが初水揚げされた。魚群の南下が遅れたため昨年に比べて8日遅い水揚げとなったが、市場は待ちわびた秋の味覚の到来に沸き立った。
 石巻市の「第6安洋丸」(199トン)が入港し、北海道沖で捕れた約80トンを水揚げした。入札価格は1キロ当たり256〜320円で「品薄も手伝って、まずまずの値がついた」(市場関係者)という。
 安洋丸は東日本大震災では、気仙沼漁港に係留中に被災した。漁労長の三浦恵三さん(49)は「気仙沼には思い入れがあり、たくさん水揚げしたい」と語った。
 8月20日の漁解禁以降も漁場が遠く、気仙沼市によると、今季のサンマの初水揚げは平成に入ってから最も遅かった。同市の水産会社社長の岩渕光男さん(67)は「水揚げはまだかという問い合わせが相次いでいた。ようやく販売できる」と喜んだ。
 東京都目黒区で15日に開かれる人気イベント「目黒のさんま祭」気仙沼実行委員会のメンバー梅津覚太郎さん(64)は「気をもんでいたが、気仙沼のサンマを振る舞える見通しが立った」と胸をなで下ろした。

1421とはずがたり:2013/09/18(水) 18:53:37

日本のコメは大幅にコストダウンできる!
2013年07月29日(Mon)  田牧一郎 (田牧ファームズ代表)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2955

長年、米・カリフォルニアでコメの生産に携わり、ウルグアイにも進出しましたが、昨年から日本でも活動をはじめています。日本のコメ産業には改善の余地があるからです。成長の「のびしろ」が大きいとも言えます。日本政府もTPP交渉参加を表明して、「農業を成長産業にする」とし、「コメの輸出も可能な強い産業にする」と意気込んでいます。

 これまで、日本のコメ産業は、700%以上とも言われる関税をかけられながらも、後継者の減少や耕作放棄地の増加など内部崩壊の道をたどってきました。現状を守るのみではなく輸出産業に育てようとの政府の意欲は、大事なことです。ただし、日本の農産物の輸出額(2012年)はたった2680億円(輸入額は約5.4兆円)、うちコメの輸出はわずか約7億円にすぎません。一足飛びに輸出ではなく、やるべきは大幅なコストダウンだと考えています。

直播栽培は?日本でもできる

 日本国内でも、大面積での農地再整備などの巨額な投資をせずに、現状に即した形でコメの低コスト生産を行う方法があります。まず、「高反収品種の作付け」です。日本ではコシヒカリを代表に、高価格の品種が多く栽培されてきましたが、たくさん収穫できる品種に替えることがポイントになります。面積当たりの生産コストは、反収(1反=10アールあたりの収穫量)による大きな差はありません。高反収の可能性のある品種を作付けして、面積当たりたくさん収穫することで、重量当たりの生産コストを下げます。実際に味も良くコシヒカリより40〜50%反収の高い品種も、日本に存在します。

 次に「栽培方法を変える」ことです。苗を育てて、田に移して植える移植栽培から、水田に直接種を播く直播栽培に変えれば、移植に伴うほとんどのコストが削減できます。苗つくりには、種や床土の準備そして種播き作業から、芽を出した苗を簡易温室に運んで並べる作業もあります。苗を育てるための毎日の水管理と温度管理も時間のかかる作業です。育った苗を水田に運び田植え機に載せるまでの作業も伴います。これらの作業を直播

 直播栽培では1ヘクタールあたり40キロ程度の種子を消毒して水田まで運ぶ程度の作業で済みます。例えば、日本ならではの無線操縦ヘリを使ったコメつくりが、有望な技術になります。

 「コメの輸出」を将来の目標として掲げることは間違いではありませんが、世界の市場がそんなに甘いものではないことも認識しておく必要があります。

 高くても品質が良ければ売れるというのも幻想で、どうしても価格がモノを言うのです。海外の生産から流通・消費まで、実態を把握している人が、日本には少ないように感じます。海外のコメ事情に強いはずのコメ輸入をしている商社では、コメ担当者が定期的に代わり、各地のコメ業界の専門用語も知らず、海外の生産者や輸出業者とまともな会話も成立しないと聞きます。

 日本のコメ生産者の成功パターンで多いのは、地域のまとめ役的な立場で、補助金政策や所得補償の下支えを受けながら、経営の拡大を図るというものです。国際的な競争の中で産業をけん引する立場になることとは基本的に異なった能力を持った方々だと思います。農協やコメ卸業者など流通にかかわっている人々も、将来のコメ生産も含めたコメ産業全体を考えて事業を行っているとは思えません。

 弱い日本のコメ産業を強くしていく唯一の方法は、生産コストのカットという具体的な一歩を踏み出すことです。

1422とはずがたり:2013/09/18(水) 18:53:48

コメつくり
生産のアウトソーシングでコスト削減
2013年08月29日(Thu)  田牧一郎 (田牧ファームズ代表)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3042

コメつくりの基本技術として毎年の気象条件の変化に合わせた、「追肥(生育途中で施す肥料)」があります。特に安価な肥料を使って低コスト化を目指すときには、品種ごとに適した肥料を施すタイミングや量の判断が、非常に重要になります。

 当然、除草剤や殺菌剤の使用など、稲の病気を防ぎながら雑草対策もしなければなりません。高品質のコメをたくさん収穫するためには専門的な知識と経験が重要です。

 そのため、カリフォルニアでは農薬と稲の生理についての専門知識を持った技術者が生産者の依頼を受けて対象の水田を見て、農薬や肥料の使用種類と散布タイミングを提案しています。

 彼らは数千ヘクタールの稲を見ることができます。500ヘクタール以上の大面積でコメつくりをしている農場では、稲の生育期間中は肥培管理を専門に行う技術者も雇用しています。収入に直結する稲の栽培管理には、高度な知識が必要なことが認識されています。

 ウルグアイでも「農業エンジニア」という、生産者の栽培管理について指導・助言を行うコンサルタントが、数千ヘクタールの水田を見ています。

 専門家を活用することによって、農薬や肥料の厳格な使用管理が可能になります。さらに専門家のアドバイスによって、新しい技術や生産資材への対応も早くできることから、将来に継続できるコメつくりにつながります。

 専門家の的確な作業の指示で、水田では熟練した技術を持った作業者が、効率よい作業を大面積で行うことが可能になり、高品質なコメの反収(1反=10アールあたりの収穫量)増加が期待できます。作業の専門化と分業化によってコメつくりに使用する資材の節約と人件費の削減で、生産コストの削減を見込むことができます。

日本のコメ農家は?脱自作農をするべき

 日本では、コメ生産者に限らず、自ら農地を所有して耕し、自ら収穫する生産者が今もほとんどです。農作業用の機械を所有し自ら運転することも基本となっています。これが生産者の経営安定対策と食糧増産対策として、農地解放から戦後一貫してとられてきた自作農政策です。コメ生産者は稲の作付面積を拡大していく過程で、それらの作業を行うための機械や設備への投資を行ってきました。実は、これが現在の大規模コメ生産者の生産コストを下げさせない、大きな原因にもなっています。

 近年の農業機械はエンジン馬力が大きくなり、各種作業の自動化もすすみました。田植え機やトラクター、そしてコンバインなど稲作に使用する機械は大型化しており、その価格は非常に高価になっています。これらを減らすことが生産コストの大きな削減につながります。農機具メーカーとその販売店には死活問題になりますが、生産コストの削減には、避けて通れない大きな対策になります。

 先月号からお話ししている直播栽培についても、アウトソーシングすることで究極の低コスト化をすることができます。直播は、空からの散布が最も効率よく、短時間で作業が完了します。カリフォルニアの農作業用飛行機は、1時間に20ヘクタールの種まき作業をします。これを種まき適期に雨や強風の日を除き約1カ月間継続します。空からのコメの種まき作業代金は、1ヘクタール約1500円です。日本では田植え作業を委託すると1ヘクタールあたり約7万円かかります。

 日本のコメつくりは自作農主義を脱することで大きくコスト削減をすることができる可能性があるのです。

◆WEDGE2013年8月号より

1423とはずがたり:2013/09/21(土) 08:57:27

「朝食にコシヒカリ」条例 新潟・南魚沼市議会が可決
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/TKY201309200497.html
朝日新聞2013年9月21日(土)05:16

 コメのトップブランド「南魚沼産コシヒカリ」を普及させるにはまず地元から――。新潟県南魚沼市議会は19日、朝ご飯に地元産コシを食べることを盛り込んだ条例案を全会一致で可決した。来月10日に施行される。

 条例は5条からなり、南魚沼産コシを「世界に冠たるブランド農産物」として広めることが目的。具体的には、市は学校給食に用いるよう努め、農家は生産技術を上げる。合わせて家庭では子どもの体力、知力、学力アップのために、南魚沼産コシやその加工品を朝食にするよう勧めている。

 さらに、毎年10月10日を「コシヒカリの日」と定めた。「十」を重ね合わせると「米」の字に似ることをかけ、新米の収穫作業が落ち着く時期に設定した。JAや観光協会などと一緒に「新米イベント」を企画するという。

 提案した市議は「コメ離れに加え、他産地との競争が激しい。地元が先陣を切って南魚沼産コシのブランド力を守る宣言をしたかった」と話している。京都市議会が日本酒で乾杯する習慣を広める条例をつくったことを参考にしたという。

1424とはずがたり:2013/09/21(土) 08:58:25

コメ価格下落 震災以来、高止まり→需要減/25年産米、順調予想→余剰感
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20130919109.html
産経新聞2013年9月19日(木)07:57

 高止まりが続いていたコメの価格が下落してきた。高値による販売不振に加え、秋に収穫される平成25年産米の生育予想もおおむね順調で民間在庫の余剰感が強まっているためだ。卸業者などは値下がり覚悟で積み上がった在庫の放出に動きだしており、スーパーもコメをセールの目玉に据えるなど相場下落は店頭にも波及している。

 「コシヒカリ5kg1650円」。ダイエーいちかわコルトンプラザ店(千葉県市川市)で9月初旬、一般的な小売価格より約2割も安いコメが山積みされた。「安いね」。通りかかる家族連れなどが、次々とカートに載せていく。担当者は「これまでコメは高かったのでインパクトがあった」と手応えを語る。

 日本コメ市場によると、卸業者間で手持ちのコメを売買するスポット価格(7月上旬、60キロ当たり)は、24年産秋田県産「あきたこまち」が1万3990円、同年産茨城県産「コシヒカリ」が1万3917円と、昨年9月下旬より約2千円も下落。銘柄や取引量にこだわらなければ、安価なコメ調達が可能になった。

 東日本大震災後、コメは品薄懸念から高値で取引され、JAなどが卸会社に販売する相対価格は、24年産米で22年産より3千円以上高い1万6千円台で推移。その結果、昨年7月〜今年6月までの年間需要量は、前年同期比約4・3%減の778万5千トンとコメ離れが加速した。6月末の民間流通在庫は226万トンと、前年より2割以上も多い。

 さらに、25年産米の順調な生育が余剰感を強めている。民間調査会社「米穀データバンク」は、今秋の収穫量を「平年並み」と予想。農林水産省も8月15日現在の作柄を「やや良ないし平年並み」としている。卸会社などは、新米が出回る前の在庫減らしに本腰を入れ始めており、スポット価格の低下に拍車をかけている。

 最近は、小売りの在庫確保の姿勢も変わってきた。ある流通大手は「今年は収穫前契約を抑え、その都度安いコメを買い入れる」(仕入れ担当)スタンス。コンビニエンスストア大手も、「年間契約より下げ相場のスポット取引で、弁当などの製造コストを削減する」(幹部)構えだ。

 農水省は来年6月末時点での民間流通在庫を、今年より多い231万トンと見込む。新米価格も宮崎県産などの早場米が「だいたい2割安」(大手卸)で推移しており、秋以降も値下がりが進む可能性がある。

1425とはずがたり:2013/09/21(土) 09:30:07
一変し過ぎやろw
>12年産米が全国的に売れ残っていることから、新米を取り巻く環境は厳しく、懇談会は当初、ぴりぴりムードで進んだ。卸業者からは「新米の価格は消費者目線でつけてほしい」などと、JA側に厳しい注文が相次いだ。しかし、壇蜜さんの登場で、会場の雰囲気は一変。「販売には話題性が大事。売る気がアップした」と話す卸業者もいて、上々の新米販売の滑り出しとなった。

あきたこまちPR役に壇蜜さん JA懇談会に登場、騒然
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/nation/TKY201309060521.html
朝日新聞2013年9月7日(土)09:09

 【曽田幹東】JA全農あきたが大手の米卸業者に新米の販売戦略を説明する「秋田米懇談会」が6日、秋田市内であり、全国に流れる新CMやポスターがお披露目された。起用されたのは秋田出身のタレント、壇蜜さん(32)。今月下旬からお目見えするCMやポスターの中で天女姿で、あきたこまちをPRする。懇談会の最後には、壇蜜さん本人が舞台に登場。事前に知らされていなかった会議の出席者は驚き、その後、大きな拍手がおきた。

 壇蜜さんは「(天女役は)人間離れした表情が難しかった」と笑いを誘いつつ、「県を背負う仕事で責任重大。選んでいただいて光栄です」と話した。

 1984年に誕生したあきたこまちは来年30周年を迎える。他の産地に打ち勝つため、JA担当者は「美しいというだけでない『衝撃』がほしかった」と、起用の理由を説明した。CMでは米粒をつけた壇蜜さんの唇が大写しになったり、ポスターでは「あきたよ、目覚めなさい」と、生産者に情熱的なコメづくりを求めたり、内容も刺激的だ。

 12年産米が全国的に売れ残っていることから、新米を取り巻く環境は厳しく、懇談会は当初、ぴりぴりムードで進んだ。卸業者からは「新米の価格は消費者目線でつけてほしい」などと、JA側に厳しい注文が相次いだ。しかし、壇蜜さんの登場で、会場の雰囲気は一変。「販売には話題性が大事。売る気がアップした」と話す卸業者もいて、上々の新米販売の滑り出しとなった。

1426荷主研究者:2013/09/29(日) 23:49:01

http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20130904/CK2013090302000266.html
2013年9月4日 中日新聞
大規模経営に参入続々 浜松の耕作放棄地再生

日照りで苗が傷まないように散水する渥美さん(左)=浜松市西区坪井町で

 タマネギ栽培が盛んな浜松市西区の篠原地区で、遊休農地を借りて大規模経営に取り組む農家が増えている。高齢化で離農が進む中、若手の新規就農者が目立ち、借地面積は40ヘクタールと地区全体のタマネギ農地の4割に達した。耕作放棄地の再生利用とともに、産地間競争を勝ち残る取り組みと関係者も注目している。

 生でも食べられる極わせの白タマネギで知られる篠原地区は、県内最大のタマネギ産地だ。8月下旬から9月上旬にかけて、あちこちの畑で苗の栽培作業に追われている。「思っていたほど苦労はない。自分なりのアイデアでやりたいようにできる」と話すのは渥美隆裕さん(33)=南区高塚町。3年前に土木工事会社を退社し、篠原地区の西区坪井町に60アールの畑を借りた。

 農業の経験はなかったが、高校やJAの講習会に通う傍ら、先輩農家に栽培技術を学んだ。昨年は借地を1ヘクタールに増やして50トン出荷し、今年はさらに1.5ヘクタールに広げた。農家仲間と周囲の畑の土壌消毒を請け負ったり、苗の販売も手掛ける。「家族も十分養えるし、やりがいがある」という。

 規模拡大は、農地の集約を進めるJAとぴあ浜松(東区)の取り組み。耕作できなくなった畑をリストアップし、貸し手と借り手をマッチングさせる。国の農業経営基盤強化促進法を活用し、貸し手には10アール当たり年間1万2000円が支払われる。

 営農指導課係長の牧野公一さん(41)は「産地の衰退を食い止めるためには若手農家の育成と、規模拡大が必要」と話す。

 玉の柔らかさが売りの篠原地区のタマネギ栽培は、機械化が難しく手作業が主体。約900戸の生産者の平均年齢は70歳で、ほとんどが30アール以下の零細農家とあって、重労働の負担が栽培規模や出荷量の減少につながっていた。

 とぴあ浜松は4年前に事業を本格化。借地制度を利用する農家は70戸を超え、そのうち13個人・団体が1ヘクタール以上で作付けしている。3年前まで1人だった39歳以下が25人と若返りも進んだ。

 篠原地区は1月初旬から市場出荷が始まるが、機械化による大規模経営が進む九州地方が2月の早出し出荷に力を入れている。牧野さんは「若手農家の参入で活気も見られるようになった。専業でやっていける一定規模の農家を増やして産地の維持、発展に努めたい」と話している。

(赤野嘉春)

1427とはずがたり:2013/10/08(火) 18:29:45

キノコ:胞子が発光…宮崎で発見「新種の可能性も」
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20131005k0000e040191000c.html?fr=rk
毎日新聞2013年10月5日(土)10:26

 宮崎県綾町の照葉樹林で、胞子だけが発光するキノコの群生が見つかった。発見者は日本菌学会員で宮崎県職員の黒木秀一さん(48)。「アヤヒカリタケ」(仮称)と名付け、専門家が分類学上の調査をしており「新種の可能性もある」という。

 アヤヒカリタケは白色で高さ4〜5センチ、傘の直径は約1.5センチ。昨年7月、イチイガシの倒木に数百個が群生し、暗闇の中で傘や柄の部分が黄緑色に光っているのが見つかった。実際に光っているのは胞子だけで、全体が光って見えるのは柄から分泌される粘液に胞子が付着して発光しているためだった。また、胞子は水分のある場所では発光するが、乾燥した場所では発光しないという。

 傘や柄が光るキノコは国内でも十数種確認されているが、胞子が光るキノコはパプアニューギニアなど熱帯地方でしか見られず、黒木さんは「国内では初めて」と話している。【中村清雅】

1428とはずがたり:2013/10/22(火) 07:56:47

松永和紀のアグリ話
家畜排せつ物法施行で硝酸態窒素について考える
http://www.foocom.net/fs/aguri/519/
2004年11月10日

 今月1日、重要な法律が完全施行された。家畜排せつ物法である。畜産農家に家畜ふん尿の適正な処理や管理が義務づけられ、違反者には罰則が適用される。一見、消費者とかかわりのない地味な法律なので、マスメディアは全く取り上げなかったが、この法律、実は食や水の安全と大きな関係がある。

 日本で年間に発生する家畜排せつ物は、なんと約9000万t(2003年度)。5年前の調査では、8割強が堆肥などとして農地に入れられ、1割弱は浄化処理されたりメタン発酵発電などに利用されていた。残る1割が不適正処理分で、野積みされたり穴を掘って溜められていた(素掘りと呼ばれる)。

 「でも、たった1割でしょ?」と言うことなかれ。量にして約900万t。日本で出る食品廃棄物の年間発生量は1131万t(02年度)だから、それに近い量の有機性廃棄物が打ち捨てられている。畜産農家の経営は厳しくふん尿処理費用は大きな負担で、今後不適正処理が増えないとも限らない。

 そこで、堆肥化やメタン発酵発電などを進めようと定められたのが家畜排せつ物法だ。99年11月に施行されたが、施設整備などに時間と費用が必要なことから5年間の猶予期間も設けられ、04年11月1日から完全施行された。

 では、なぜ野積みや素掘りがいけないのか? 何が、食や水の安全と関係があるのか?野積みや素掘りでは、ふん尿が土にしみ込み河川や地下水脈に入って行く恐れがある。ふん尿にクリプトスポリジウム(原虫)が大量に含まれていたら怖い。クリプトスポリジウムは塩素耐性を持つため、水道原水として取水されると大規模な集団下痢症が起きる可能性もある。

 もっとも、浄水場では予防対策がとられており、発生確率は小さい。むしろ、リスクが大きいのは硝酸態窒素。今回は、目の前に迫った問題である硝酸態窒素に焦点を絞ろう。

 硝酸態窒素は硝酸性窒素とも呼ばれ、硝酸イオン(NO3-)の形態で存在する窒素のこと。農水省は「硝酸塩」という書き方だし、研究者もどの言葉を使うかまちまちなので混乱が起きているが、取り扱っている問題はすべて同じ。NO3-が多いか、少ないか、という話だ。

1429とはずがたり:2013/10/22(火) 07:57:04
>>1428-1429
 地球上の窒素は、生物の活動によって窒素ガスや窒素酸化物、アンモニア態窒素、硝酸態窒素、生物中のタンパク質など、さまざまに形態を変えながら循環している。家畜ふん尿中にも、タンパク質などとして大量の窒素が含まれており、土壌微生物などによって硝酸態窒素に変えられ、それがまた植物によって吸収され循環する。

 昔は、この収支のバランスがとれ、硝酸態窒素も環境中に低濃度で分散分布し、植物の養分となっていた。しかし、人口が増え家畜を飼う地域と作物を栽培する地域が分かれるようになり、循環しなくなった。家畜を飼う地域ではふん尿が捨てられ、硝酸態窒素になって環境中に広がる。また、作物を栽培する地域では、窒素が養分として足りないのでわざわざ化学肥料をやり、植物に使われなかった分がやっぱり硝酸態窒素として広がる。なんともいびつな構造になってしまった。

 こうして環境中への硝酸態窒素放出が増えると、何がいけないか?高濃度の硝酸態窒素を含んだ水によって重い症状が出るのは、生後3カ月未満の乳児だ。米国で1940年、ミルクを飲んだ乳児がチアノーゼを起こして皮膚が真っ青になった。調べたところ、硝酸態窒素が高濃度に含まれた井戸水でミルクを作っていたことが分かった。

 様々な研究が重ねられた結果、現在もっとも有力な説はこうだ。水に高濃度に含まれた硝酸態窒素は、大人の場合はほとんどがそのまま尿に出てしまう。しかし、乳児の場合は胃酸の分泌がまだ活発でなく胃の中の酸性度が強くないため、胃の中で微生物が増殖し、硝酸を亜硝酸に変える。この亜硝酸が血液中のヘモグロビンと結合してしまい、ヘモグロビンは酸素を運べなくなって、乳児は酸欠状態に陥りブルーベビーと呼ばれる状態になる?-。

 乳児が発症しないなどの条件を満たすように定められた水質基準は、硝酸態窒素及び亜硝酸態窒素が10mg/l 以下。水道は常にチェックされている。しかし、井戸水は心配だ。実際に、02年度の環境省調査で、全国の井戸の5.9%が基準を超過していた。

 ただし、注意が必要なのは、乳児に害があるからと言って即、「排除すべき憎っくき危険物質」にはならない、ということ。WHOは、成人には健康被害を与えないと結論づけている。人が生き続けるためには植物を育てなければならず、養分として硝酸態窒素も必要だ。

 今月完全施行された家畜排せつ物法の主眼は、ふん尿を上手に管理して使いやすい堆肥に変え、作物栽培をする地域で使ってもらい、断ち切られた循環を立て直すこと。だから、要注目なのだ。

 実は、窒素循環に関しては、もう一つ大きなトピックがある。野菜の硝酸塩問題だ。硝酸態窒素を作物が多く吸収している結果、日本では野菜の硝酸塩濃度が上昇している。農水省は低減を目指しており、今年度中に目標値の提言を行うことになっている。この数値によっては、農業現場が大混乱に陥る可能性もある。次回、ご紹介しよう。(サイエンスライター 松永和紀)

1430とはずがたり:2013/10/22(火) 07:58:34

>野菜中に含まれる硝酸態窒素はがんを引き起こす
>乳児に大量摂取させれば発症する
>大人には健康被害を与えない

>野菜の硝酸態窒素含有量自体は、確かに高い。

>野菜ジュース、トマトジュース、青汁、果実ジュースの合計80サンプルを、有機栽培表示と慣行栽培表示に分けて比較したところ、硝酸態窒素濃度に大きな差はなかった
製品にどの程度含まれてるかなんだけど

野菜の硝酸態窒素を巡るウソ
http://www.foocom.net/fs/aguri/521/
2004年11月17日

 野菜中に含まれる硝酸態窒素はがんを引き起こすが、硝酸態窒素は有機栽培の野菜に少なく、化学肥料を使う野菜に多い。だから、有機野菜は安全?-。この話、食品ビジネス関係者ならだれでも一度は聞いたことがあるのではないか。しかし、これは真っ赤なウソ。野菜の硝酸態窒素問題には、とにかく誤解が多いのだ。

 野菜の硝酸態窒素含有量自体は、確かに高い。国立医薬品食品衛生研究所の調査では、硝酸イオンとしてホウレンソウ1g当たり3560 ±552μg、同じくサラダ菜5360±571μg?-などの結果が出ている。小鉢に入ったホウレンソウのお浸し(50gとして換算)に178mgの硝酸イオンが含まれている見当だ。しかし、野菜の硝酸態窒素ががんを引き起こすとは、今のところ断言できない。これが1つ目のウソだ。

 硝酸が亜硝酸に変わると、体内で発がん物質であるニトロソ化合物を増やすとされている。が、硝酸がどの程度亜硝酸に変わるのかが分からない。硝酸の摂取量と胃がんや食道がんの発生頻度の関連を調べた論文もあるが、決め手となるような研究成果はない。一方で、野菜はビタミンやミネラル豊富で、がん予防効果があるという研究も数多くある。WHOは、野菜の硝酸態窒素は大人には健康被害を与えない、と結論付けている。

 だが、多くの国の研究者や政府機関の方針は「野菜は食べた方がよいが、その硝酸態窒素含有量はなるべく抑えたい」という点で一致しているようだ。なんといっても先週書いた通り、乳児に大量摂取させれば発症するし(日本では、3カ月未満の乳児には野菜を食べさせないが、欧米では食べさせる場合があるという)、がんもできれば予防には努めたい。

 また、野菜の硝酸態窒素濃度の高低は、環境汚染のバロメーターでもある。野菜の値が高ければ、土壌や水に窒素分が多く富栄養化が進むと予想される。
 特に熱心なのはEU。レタスとホウレンソウに基準値を設定している(例えば、11月〜3月に収穫されるホウレンソウは、3000μg/g、4月〜10月に収穫されるものは2500μg/g)。そのための栽培技術開発にも熱心だ。

 一方、日本は基準を設定しておらず、低減策は今のところ農家の自主性に任されている。そのためか、2つ目のウソが流布している。「有機栽培は、硝酸態窒素含有量が少ない」である。あるいは、それとは裏表の言い方である「野菜の硝酸態窒素過剰の原因は、化学肥料」と主張する人もいる。

 なぜウソか? 一口に有機栽培といっても、化学合成農薬や肥料を使わない、という原則があるだけで、方法は様々。科学的に見れば多様過ぎてひとくくりにできない。

1431とはずがたり:2013/10/22(火) 07:58:57
>>1430-1431
 それなのに、有機農業を信奉する一部の研究者や機関が自主発表した「有機栽培作物には低い」というデータが、一人歩きしている。だが、これらの実験結果は科学的な信頼性に欠ける。野菜に蓄積する硝酸態窒素の量は、与える肥料の状態や土壌条件、季節、光量などで大きく変動し、比較実験は極めて難しいはずなのに、実験の詳細が明らかになっていないからだ。一見、有機栽培と化学肥料栽培を比べているように見えても、別の原因によって量が違っている可能性がある。

 一方、日本土壌肥料学会の雑誌(2000年10月号)にも関連する報告が載っている。野菜ジュース、トマトジュース、青汁、果実ジュースの合計80サンプルを、有機栽培表示と慣行栽培表示に分けて比較したところ、硝酸態窒素濃度に大きな差はなかったという。

 私の見るところ、科学者のほとんどは、有機と慣行のどちらが硝酸態窒素をより多く蓄積するか、という区分けには意味がないと考えているようだ。植物の生理を考えれば、これは当たり前。有機質肥料や堆肥に含まれている窒素は、たんぱく質などの一部として存在しているが、土壌中で微生物によって分解されて硝酸態窒素になってから植物に吸収される。化学肥料も硝酸態窒素になってから吸収される。化学肥料であろうと有機質肥料であろうと、たくさんやれば硝酸態窒素を植物が吸収し大量に蓄積することには変わりがない。

 現在、農水省も野菜中の硝酸態窒素を下げる栽培技術を研究している。生産現場では、農水省がEUと同様に野菜の基準値を設定する、と盛んにささやかれている。私も先週、今年度に農水省が目標値を提言すると書いた。が、これは早とちりだった。正確には、今年度いっぱいで研究を終了し、その結果によっては努力目標を定める議論になるかも、だそうだ。

 どうもはっきりしない。国にしてみれば、安全基準を作る科学的根拠がない(EUは基準を設けているが、人体への安全を考えて、というよりも、政治的な思惑が絡んでいるという)。しかし、間違った情報を信じ込んでいる消費者の不安を鎮め、環境負荷軽減を目指すためにも、なんらかの目標は定めたい。でも、うっかり数字を出してそれが一人歩きし、野菜をいちいち測ってオーバーしたのしないのという騒ぎになるのは怖い?-。農水省の雰囲気はこんな感じではないだろうか。

 農水省の動きはともかくとして、「なんだ、食べても危険じゃないんだ」で、この問題を終わりにしてほしくない。視点を環境問題に少しずらして考えれば、子や孫の安全を現在の私たちが脅かしていることに気付く。単純なことだ。日本は大量の食料や飼料、肥料を輸入しており、輸出量はごくわずか。その結果、輸入分に含まれる窒素百数十万tが、毎年家畜ふん尿や生ゴミなどとして日本中に放出され続けている計算だ。食料自給率を上げる努力を怠り、このまま毎年放出し続ければ、水や土壌、野菜の硝酸態窒素の量が増え続けて行くのは確実だ。

 私たちの子や孫の時代には、粉ミルクを溶く水に国産水を使えないかもしれない。富栄養化で生態系が大きく変われば、食料自給がさらに危うくなる可能性もある。これこそ、「食の安全」の危機ではないのか?目の前の野菜に一喜一憂するのでなく、次の世代のために、輸入依存の体質や歪んだ窒素循環を変えることを考えたい、と思う。(サイエンスライター 松永和紀)

1432とはずがたり:2013/10/22(火) 08:49:08

出会い求め「農コン」 亀岡、稲刈りなどで交流印刷用画面を開く
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20131021000057

 亀岡で農業を営む男性と、農業に興味のある女性が農業を通して出会う「農コン」が20日、京都府亀岡市馬路町の水田などで開かれた。参加者は雨の中、一緒に稲刈りやサツマイモ掘りをし、次第に距離を縮めていた。

 市などでつくる亀岡地域農業再生協議会が昨年に続いて企画した。男性は26〜52歳の16人、女性は同市や京都市、大阪府、奈良県から21〜42歳の20人が参加した。

 馬路町の田んぼでは、男女で力を合わせて稲を刈った。慣れない鎌での作業を男性が手伝ったり、雨にぬれて重くなった稲の束を男性が積極的に稲木にかけるなどして農業経験をアピール。女性は今年の新米の品質や農作業の苦労などを尋ね、会話が弾んでいた。昼食には亀岡牛や地元野菜のバーベキューで盛り上がり、12組のペアが誕生した。

1433とはずがたり:2013/10/22(火) 15:14:06
>>1411-1414
購入した!
未だ読んでないけど。。
漁業利権に切り込み,我らが日本国民の財産である海洋資源を補助金乞食の漁民どもが食い尽くすのを断乎阻止せねばなるまいヽ(`Д´)ノ

1434とはずがたり:2013/10/23(水) 10:56:54

耕地面積、ピークの4分の3に=453万7000ヘクタール−農水省
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco_30&k=2013102200846

 農林水産省は22日、全国の耕地面積(2013年7月15日現在)が前年比0.3%減の453万7000ヘクタールだったと発表した。宅地への転用や耕作放棄地の増加などが要因。耕地面積は1961年をピークに一貫して減少し、ピークの約4分の3に減少した。
 農家の平均年齢は65歳を超え、高齢農家の引退に伴う耕作放棄地の発生防止は喫緊の課題となっている。農水省は14年度から農地中間管理機構(農地集積バンク)を活用した耕作放棄地の解消や田畑の大規模化を進める方針だ。(2013/10/22-19:17)

1435とはずがたり:2013/10/23(水) 10:58:43

「農地バンク」骨格決定=政府
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013100400339&g=eco&relid2=1_3
 政府は4日、首相官邸で「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長・安倍晋三首相)の6回目の会合を開き、農地の貸借を仲介して農地集積を進める「農地中間管理機構(農地集積バンク)」の骨格を決定した。全国47都道府県の農地保有合理化法人を改組して機構を整備する関連法改正案を臨時国会に提出する。(2013/10/04-11:30)

借り上げ面積に上限=農地バンクで意見−規制改革会議
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013091800965&g=eco&relid2=1_5
 政府の規制改革会議は18日、耕作放棄地や飛び地となった農地を集約して大規模化するために設置される「農地中間管理機構(農地バンク)」に関する意見をまとめた。税を投入して借り上げた農地が「塩漬け」となるリスクを低減するため、バンクが貸付先未定で管理する農地の面積に上限を設けることが柱。19日の会合に提示した上で、政府が11月末にもまとめる「農林水産業・地域の活力創造プラン」に反映させたい考えだ。(2013/09/18-22:36)

農地集約、所得補償で奨励を=一定面積以上の貸し手に−新浪ローソンCEO
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092500660&g=eco&relid2=1_1
 政府の産業競争力会議の民間議員を務める新浪剛史ローソン最高経営責任者(CEO)はインタビューに応じた。生産性向上を目指して、農地の大規模化を図る「農地中間管理機構(農地集積バンク)」について「集約の奨励策として、一定の面積(以上)の貸し手への所得補償を考えないといけない」と指摘。貸し手への優遇策を講ずることで早期の農地提供を促し、集約化を進めるべきだと強調した。(2013/09/25-16:30)

貸し出しは公募で決定=農地バンク創設で農水省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201309/2013092000725&g=pol&relid2=1_2
 農林水産省は20日、飛び地となった田畑や耕作放棄地を集約して農地の大規模化を進める「農地中間管理機構(農地集積バンク)」の制度設計の方針を産業競争力会議に示した。農地利用を希望する生産者を公募して貸出先を決定するほか、機構の公正な運営を確保するため、学識経験者らで構成する運営委員会を置く。
 機構は各都道府県に設置。小規模農家らから農地を借り上げ、機構が大区画化の工事を行った上で農業法人や新規参入する企業などに貸し出す。所有者の高齢化や死亡などで、今後耕作放棄地となる恐れがある農地も集約の対象とする。(2013/09/20-18:00)

1438とはずがたり:2013/10/29(火) 08:56:34

<減反>「段階的に廃止」 11月改革案…政府・自民検討
毎日新聞 10月25日(金)21時24分配信
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/study/2246/1354356742/863

 政府・自民党は25日、コメの生産量を抑えて価格を維持する生産調整(減反)を段階的に廃止する調整に入った。減反に協力した農家への補助金を縮小し、5〜10年後に廃止するほか、現在は国が設定しているコメの生産目標は廃止し、どれだけ生産するかの判断を自治体や農協に委ねる。減反廃止でコメが余れば、米価が下がり、零細・兼業農家が撤退に追い込まれる可能性がある。大規模農家に農地が集まれば、生産効率が高まると期待される。【中井正裕】

 政府は現在、減反参加を条件に、コメ農家に10アール当たり1万5000円の補助金を一律支給する「戸別所得補償制度」を設けている。民主党政権だった2010年度に導入し、12年度は98万戸に1552億円が支給された。ただ、耕作規模の大小に関わらず支援する制度のため、大規模農家を育てようとした過去の政策と逆行し、「ばらまき」批判もある。

 政府・自民党は、環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉の進展も見据え、零細な農業構造を支えてきた減反政策を抜本改革することで国内農業の競争力強化を図る。具体的には、減反の一律補助金を段階的に削減したり、補助金の支給対象を大規模農家に絞ったりすることを検討。北海道で作付面積10ヘクタール以上、他地域は4ヘクタール以上に限る案などが浮上している。減反補助金の削減で浮いた財源は、大規模化や効率化が進みにくい中山間地向け補助金に移行する。米価急落時に一定の収入を補償する収入保険制度の検討も急ぐ。

 減反政策は、コメの過剰生産による米価下落を防ぐため、1970年に導入。政府が毎年11月、主食用米の需給実績と見通しに基づいて都道府県に生産量の目標を配分し、市町村を通じて各農家に割り当てている。

 現在は国が生産量の目標を作り、都道府県に配分しているが、この役割を都道府県に移すなど、生産調整の主体をより現場に近い自治体や団体に下ろし、公的関与の度合いを薄めることも検討する。

 ただ、減反を廃止すれば、コメの過剰生産と米価下落を招く可能性がある。経営が悪化しかねない小規模農家などからは反発も招きそうだ。

■減反政策の歴史■
1963年 コメ需要量が年間1341万トンと戦後ピークに
  70年 農家に作付けしない面積を割り振る減反を開始
  95年 国がコメの需給・価格を調整する「食糧管理法」を廃止。民間が主体的に需給調整を行う食糧法に移行したが、減反政策は維持
2004年 減反面積から生産量の目標を配分する仕組みに変更
  09年 石破茂農相(当時)が減反政策の改革を検討するも、反発が強く頓挫
  10年 民主党政権が減反参加を条件に補助金を一律に支給する「戸別所得補償制度」導入。減反未達の罰則を廃止
  13年 政府・自民党が減反見直しに着手

1439とはずがたり:2013/10/29(火) 20:09:12

「近大マグロ」なら銀座でも戦える 飛ぶように売れる1万円の刺し身
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20131029503.html
産経新聞2013年10月29日(火)06:17

 希少価値で「海のダイヤ」とも呼ばれる高級魚クロマグロ。乱獲による資源減少で世界的に漁獲規制が厳しくなる中、近畿大学水産研究所(和歌山県)が世界初の完全養殖に成功した「近大マグロ」のブランドが浸透しつつある。百貨店がお歳暮商戦の目玉商品に取り上げ、JR大阪駅北側の複合ビル群「グランフロント大阪」(大阪市北区)では養殖魚専門店が大人気。着々と消費者との接点を拡大する近大マグロは、日本の食卓を席巻するかもしれない。

 関西でお歳暮商戦が始まった16日午前、高島屋大阪店(大阪市中央区)の特設コーナーに人だかりができていた。買い物客の目当ては「媛(ひめ)マグロ」。試食の刺し身は飛ぶようになくなっていった。媛マグロは大阪の鮮魚店、新魚栄の商品。近大マグロの稚魚を愛媛・宇和島に運んで成魚に育てたもので、「身が締まって赤身がおいしい」(同社)という。

 商品は100グラムずつ切り身を真空パックで小分けしたもので、価格は1万500円。高島屋は「お歳暮のついでに、自宅用として買う人も増えそうだ」と期待を寄せる。近大マグロ人気の火付け役は、4月26日にオープンしたグランフロント大阪だ。飲食店でトップクラスの集客を誇るのが、近大の養殖魚が味わえる専門店「近畿大学水産研究所」。開業から行列が絶えない盛況ぶりだ。

 人気は、近大マグロを中心にさまざまな養殖魚の刺し身が楽しめる2800円の盛り合わせ。「近大マグロは知っていたが、どこで食べられるのか知らなかった」という客がほとんどで、同店が“発信基地”になった格好だ。盛況を受け、近大などは年内にも東京・銀座に2号店を出店する計画。関西での知名度アップを追い風に、近大は「銀座でも戦える」と強気だ。

 一般的な養殖マグロは、天然の幼魚を捕獲して育てる「蓄養」タイプだが、近大マグロは卵を孵化(ふか)して育てる完全養殖だ。研究に着手したのは昭和45年。クロマグロは皮膚が弱く、うかつに触れないなどデリケートで、生態もよく知られていなかったため研究が難航したが、試行錯誤を繰り返し、平成14年に完全養殖を成し遂げた。

 蓄養の養殖マグロより2〜3割高いが、近大は天然物と遜色のない味だと自信をみせている。さらに近大はマグロのDNA解析を進め、生存力の強い個体を選んで育てる「選抜育種」に力を入れている。「将来的には消費者の要望に応じて赤身が多いものやトロが多いものなど、作り分けができるようにしたい」という。

 日本は世界のマグロ類の約3割、クロマグロでは約8割を消費するマグロの消費大国だ。しかしクロマグロは日本食ブームや新興国などでの消費拡大で、乱獲により個体数が減少し、世界的な漁獲量の削減措置が議論されている。一方で販売ルートを広げ、お目にかかることが増えてきた近大マグロ。生産拡大が順調に進み、日本の食卓を彩る日が近いのかもしれない。(中村智隆)

1440とはずがたり:2013/10/29(火) 20:09:55

宮崎県 キャビア量産成功 研究30年…チョウザメ完全養殖
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20131028027.html
産経新聞2013年10月28日(月)08:06
 ■世界的に品薄、新たな特産に

 フォアグラ、トリュフと並ぶ世界三大珍味の一つ、チョウザメの完全養殖と卵「キャビア」の量産に宮崎県が国内の自治体として初めて成功した。霧島連山に抱かれた小林市にある県水産試験場小林分場が昭和58年にチョウザメの養殖研究に着手して30年。試行錯誤を繰り返した結果、11月に宮崎産キャビアの本格販売を始める。乱獲で世界的に品薄状態が続く中、新たな特産品創生に期待が高まる。(津田大資)

                   ◇

 「ミスター稲野、水温を下げて、チョウザメに『冬』を与えていますか?」

 3年前、米カリフォルニア大学デービス校を訪れた小林分場の稲野俊直副部長は、チョウザメ研究の第一人者の指摘に、目からうろこが落ちる思いだった。

 当時、小林分場の研究は暗礁に乗り上げていた。

 「稚魚の人工孵化(ふか)は成功していましたが、どう育てても毎年、卵を宿すことは少なかった。ワラにもすがる思いで訪米したのです」

 小林分場は、豊富な湧き水を飼育プールで利用していたが、これがマイナスに働いていたのだった。

 湧き水は年間を通じて17度前後で、河川でいうと春ごろの水温だ。チョウザメは春に卵を宿し始め、夏に産卵する。卵を宿すには、一度水温を下げて、チョウザメに「冬」を体感させる必要があった。

 稲野氏らはアドバイスに従った。外気で冷やし、飼育プールの水温を10度以下にした。そして自然界と同様に「冬」から「春」そして「夏」になるよう、水温を徐々に上昇させた。

 平成23年の夏。冬を体感させたチョウザメの雌が一斉に卵を宿した。稲野氏は語る。

 「冬を与える。分かってしまえば簡単なことですが、たどり着くまでの道のりは長く、まさに『コロンブスの卵』でした」

                   ◇

 宮崎県がチョウザメの養殖研究を始めたのは、東西冷戦中の昭和58年に遡(さかのぼ)る。旧ソ連と日本の親善交流で、チョウザメとアユを交換した際、小林分場所が養殖に名乗りを上げた。

 当時、内陸部の漁業は危機を迎えていた。

 かつて小林市を中心にニジマスやアユの養殖が盛んだったが、食生活の変化で徐々に衰退していた。昭和40〜50年代に10軒程度あった養殖業者は、現在は1軒しか残っていない。

 ニジマスに替わる特産品を−。内陸漁業の存亡をかけて、小林分場はチョウザメの幼魚200匹をもらい受けた。だが、養殖は何度も壁にぶつかった。

1441とはずがたり:2013/10/29(火) 20:10:25
>>1440-1441
 旧ソ連からもたらされたのはベステルと呼ばれる交配種だった。平成3年、水産庁養殖研究所(当時)に次いで人工孵化に成功し、順調に進むかに見えた。

 だが、交配種のためか、代を重ねると奇形が生まれるようになった。

 小林分場は北米原産のシロチョウザメに研究対象魚を切り替えた。飼育に成功していた岩手県釜石市の第三セクターから5年、稚魚1万匹を買い取った。

 16年に全国で初めてシロチョウザメの人工孵化に成功した。そして卵を宿すための水温調整のノウハウ確立…。苦節30年、キャビア量産化にこぎ着けた。

                ×  ×  ×

 キャビアは世界的に品薄状態が続いている。

 チョウザメはユーラシアや北米大陸の寒冷地に広く生息し、キャビアはカスピ海やアムール川などロシア産が有名だ。

 ところが、1991年のソ連崩壊の混乱で管理態勢がずさんになり、カスピ海周辺で乱獲された。

 環境破壊も相まって個体数は激減し、国際自然保護連合はチョウザメ27種中23種を絶滅危惧種に指定した。天然キャビアの輸出入は、ワシントン条約で規制されている。

 規制によってキャビアの希少価値は上昇し、最高級品は1キロ80万円の値がつくようになった。需給のバランスが崩れたことで、密漁がますます横行するようになった。

 それだけにキャビア消費国である日本で、量産技術が確立した意味は大きい。

 宮崎県水産試験場小林分場は、チョウザメ養殖とキャビア量産の技術指導を県内事業者を対象に始めた。すでに19業者が数万匹のチョウザメを育てている。

 これら事業者はキャビアの製造販売を手がける「宮崎キャビア事業協同組合」を設立し、11月から販売を本格化する。

 国内から出荷することから、長期保存のための「低温殺菌」や「高塩分処理」が不要となり、キャビア本来の味が楽しめるという。卵の直径3・5ミリ以上の高級品は20グラム入り1万2千円と高額だが、組合には問い合わせが殺到している。

 今後はメスを多く生ませたり、より大量の卵をつくらせる品種改良が必要となる。小林分場の研究はこれからも続く。

1442とはずがたり:2013/10/29(火) 20:11:35

理大クエ、初出荷 岡山市中央卸売市場に “幻の高級魚”を養殖
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20131022062.html
産経新聞2013年10月22日(火)08:06

 魚の成長に必要な電解質を溶かした淡水を使って岡山理科大(岡山市北区)チームが養殖してきた「理大クエ」約70尾が21日、同市中央卸売市場へ初出荷された。同大では海水魚を海から遠い内陸で養殖する技術を確立しトラフグなどを出荷してきたが、クエの出荷は国内初だという。

 使用したのは「好適環境水」。自然の海水には約60種類の元素が含まれるのに対し、カリウムなどわずかな成分だけを淡水に溶かし海水魚を飼育。魚への負担が少なく病気にかかりにくく成長も早いといい、同大が平成18年に開発に成功した。

 この水を使って“幻の高級魚”とされるクエの養殖実験を始めたのは22年6月。3年4カ月かけて、体長8センチ体重10グラムの稚魚を40センチ2キロ近くにまで育てあげた。

 すでにトラフグやヒラメ、シマアジ、ウナギなどでは養殖が軌道にのり、海水に比べ約2倍の早さで成魚に育つという。同大の山本俊政准教授は「クエも海面養殖する半分の期間での出荷を期待したが、途中で成長が鈍るなど不確定要素のため時間がかかってしまった。次はもっとスピードをあげたい」と話した。

 将来的には海のない砂漠の国で養殖を可能にするのが同チームの目標。同准教授は「浄化循環処理など技術面では着々と進歩している」と胸を張った。

1443とはずがたり:2013/11/04(月) 16:27:32
どうせ自民党のやることだから農家へのばらまきに余り変化は無さそうだけど先ずは先に進めなしゃーないから一応方向性は評価。
それにしても海江田は未だばらまきなんか云ってるのか!?

減反廃止の機運高まる=政府・自民にも容認論−農政、転換期に
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201311/2013110100793&g=pol&relid2=1_1

 コメの生産調整(減反)廃止の機運が高まっている。林芳正農林水産相は1日、減反廃止を視野に制度改革を進める考えを表明した。環太平洋連携協定(TPP)の参加交渉など農業を取り巻く環境が激変する中、政府・与党内にも「日本農業の足かせ」と批判が強い減反は廃止もやむなしとの容認論が広がりつつある。保護から競争へ。減反開始から40年余を経て、日本の農業政策は転換期を迎えた。
 江藤拓農水副大臣は10月31日夕、減反やコメ補助金見直しを議論する自民党農林関係の会合に政府を代表して参加し、「いつの日かこれ(減反)が無くなる世界を目指さなければならない」とあいさつし、廃止に前向きな姿勢をにじませた。
 農水省がこの日、自民党に示した見直し案の柱は「需要や農家の判断で生産できる環境整備」。会合では拙速な見直しにくぎを刺す声は出たものの、かつてのように大物農林族議員の反発が相次いで紛糾する事態には至らなかった。(2013/11/01-17:54)

大規模農家に重点化=コメ生産の補助金で林農水相
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013102900267&g=eco&relid2=1_2

 林芳正農林水産相は29日の閣議後記者会見でコメ農家に支給している補助金の改革について、「小規模農家を含めて全てを対象とすることは、農地の集積を進めていく構造政策との関係で適切でない」と述べ、経営面積に一定の要件を設け支給対象を大規模農家に重点化する方針を示した。
 政府・自民党は、生産調整(減反)廃止を含む経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)の見直しを進めている。戸別所得補償制度は、生産調整に協力したコメ農家を対象に規模を問わず10アール当たり1万5000円の交付金を支給する仕組み。自民党は「バラマキ」と批判してきた経緯があり、見直しに合わせて交付対象を絞り込む方向だ。
 林農水相はまた、減反見直しについて「農家自らの経営判断による需要に応じた生産を促進する改革を進めていく」と述べた。(2013/10/29-10:51)

減反見直しを批判=海江田民主代表
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013102700207&g=pol&relid2=1_3

 民主党の海江田万里代表は27日夜、松山市内で記者団に、政府・自民党がコメの生産調整(減反)と補助金政策見直しの検討に入ったことについて「自民党の考え方は(農業経営の)大規模化だ。私たちは中山間地域の人たちにもしっかりと対応しなければならない(と考えている)」と批判した。
 民主党は政権担当時に農家の戸別所得補償制度を導入。安倍政権も、経営所得安定対策と名称を変えて同様の支援策を実施しているが、減反見直しと併せて廃止や減額が検討されている。(2013/10/27-20:52)

1444とはずがたり:2013/11/04(月) 16:29:13

コメ補助金、削減・廃止=自民に案提示−農水省
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013103101016&g=pol&relid2=1_2

 自民党は31日、農林関係の会合を開き、農家の経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)の見直しなどを協議した。農林水産省は会合で、コメの生産調整(減反)への協力を条件に支払う補助金について、2014年度から削減・廃止する案を提示。慎重派の議員からは早急な見直しに反発する声が出た。(2013/10/31-20:51)

現場の混乱避けて=コメ政策で農水相に要請−万歳JA会長
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013102900918&g=pol&relid2=1_2

林芳正農林水産相(右)にコメ政策の見直しをめぐり要請する全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長=29日午後、農林水産省
 全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長は29日午後、林芳正農林水産相を農水省に訪ね、コメの生産調整廃止を含む経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)の見直しについて「生産現場が混乱しない対応をお願いしたい」と伝え、慎重な検討を要請した。林農水相は「円滑な移行に意を用いてやっていきたい」と応じた。(2013/10/29-20:24)

小豆なども関税維持を=林農水相に要請−高橋北海道知事
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201310/2013103000890&g=eco&relid2=1_4

 北海道の高橋はるみ知事は30日、林芳正農林水産相を農水省に訪ね、環太平洋連携協定(TPP)交渉で小豆など北海道の農林水産分野における重要品目の関税を維持するよう強く求めた。
 高橋知事は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物(砂糖・でんぷん)の重要5項目以外にも、「小豆、インゲン、軽種馬、ホタテ、木材など重要なものがいっぱいある。しっかりと関税を守っていただきたい」と要請。林農水相は「北海道は全国に冠たる食料生産基地だ。しっかりと頭に入れてやっていく」と応じた。(2013/10/30-18:46)

1446とはずがたり:2013/11/10(日) 12:39:44

14年コメ生産、削減幅最大に 在庫急増で農水省検討
共同通信 2013年11月9日 17時26分 (2013年11月9日 17時30分 更新)
http://www.excite.co.jp/News/economy_g/20131109/Kyodo_BR_MN2013110901001744.html

 農林水産省は9日、2014年産米の生産を大幅に抑制する検討に入った。13年産が豊作で、在庫の急増が避けられないためだ。生産数量目標の削減幅は20万トン超となる公算が大きく、過去最大だった06年産と11年産の18万トンを上回る見通し。政府は18年度をめどに生産調整(減反)を廃止する方針だが、いったん需給を引き締め、米価の維持を狙う。
 ただ、政府は、減反廃止の地ならしとして14年度から減反補助金の減額を検討しており、減反に応じない農家が増える可能性もある。

1447とはずがたり:2013/11/10(日) 12:40:56

<減反5年後廃止>農地保全に新補助金…中小農家に転作促す
http://www.excite.co.jp/News/politics_g/20131106/Mainichi_20131107k0000m010101000c.html
毎日新聞社 2013年11月6日 23時48分 (2013年11月7日 02時23分 更新)

 政府・自民党は6日、5年後をめどに廃止するコメの生産調整(減反)で維持が難しくなる中山間地などの農地保全のため、「日本型直接支払制度」(多面的機能支払い)を来年度に新設する方針を固めた。地域の農家らによる農地維持活動に、政府が新たな補助金を支給する。また飼料用米や米粉用米、自治体が指定する重点作物などへの補助金を増額し、中小零細・兼業農家に主食用米からの転作を促す。ただ、財源は厳しく、いずれの措置も不十分になる可能性がある。

 農林水産省は同日、自民党の農林関係会合で減反を2018年度までに廃止するなどの案を示し、大筋了承された。1970年から半世紀近く続いた減反制度の大転換で、法改正や周知のため廃止まで5年の期間が必要だとみている。

 日本型直接支払いは農家らが組織的に市町村と協定を結び、▽あぜなどの保全管理▽水路の泥さらい▽農道の草刈り??をはじめとする農地の維持に取り組む場合、政府が補助金を支給。減反の廃止で競争が激しくなった際、耕作放棄による農地の荒廃を食い止める狙いがある。戸別所得補償などによる「収入補填(ほてん)」から「農地保全」の補助金に質的に転換する。

 補助金の額は、都道府県別と、農地の種類(水田、畑地、草地)別に基準を分ける。農地の維持が特に難しい中山間地では、今の補助金(中山間地域等直接支払い)を維持し、日本型直接支払いに上乗せする。

 ただ、日本型直接支払いの補助金は平地や中山間地などを問わず、広く支給される。農家らの活動組織へ交付されるため個々の農家にどれだけ渡るかも不明確だ。廃止される戸別所得補償(10アール当たり1万5000円)を補えなければ、中山間地を中心に離農者が急増する事態も懸念される。

 一方、減反などの廃止で減収が予想される中小零細・兼業のコメ農家は、まず農業を続けるかどうかの選択を迫られる。政府は減反廃止までの4年間に、(1)大規模農家へ土地を貸して収入を得る(2)補助金が増える飼料用米・米粉用米などに転作(3)農家が組織的に営農する「集落営農」に参加??への転換を促す。

 安倍政権は「農地の8割を10年間で担い手に集約する」のが目標で、減反廃止で多くの零細農家が廃業する可能性もある。政府は主食用米の過剰生産を防ぐため、現在10アールあたり8万円の転作補助金を増額。飼料用米などに転作すれば一定規模以上の農家は収入を確保できるとみる。規模拡大を図る農家や集落営農には別の補填制度を拡充するが、減反に参加する農業経営者(約98万件)の半数以上が対象外になる見通しだ。

 新しい補助金の財源は、農水予算が今年度並みと仮定すると、戸別所得補償の廃止で浮く約1600億円が柱。日本型直接支払いの対象農地は全国400万ヘクタール以上と、戸別所得補償の110万ヘクタールを大きく上回る。補助金は従来より「薄く広く」支払われる計算になり、実効性は不透明だ。【中井正裕、横田愛】

1448とはずがたり:2013/11/17(日) 19:30:04

>95年に食管制度がなくなった後は、農協にとって減反は米価維持の唯一の手段となっている
そうなんか。。

戦後農政の大転換「減反廃止」は
大手マスコミの大誤報
――キヤノングローバル戦略研究所研究主幹・山下一仁
http://diamond.jp/articles/-/44362

大手のマスコミがこぞって「減反廃止」を報道した。だが、戦後の農政の中核であった減反の廃止=高米価政策の転換が本当なら、農村や農協はハチの巣をつついたような騒ぎになっているはず。それが起こらないのはなぜか。今回の報道は減反政策の理解不足に端を生じた誤報だからである。農水省が打ち出そうとしている新たな政策は、むしろ減反の強化につながる。これでは、米価の引き下げも、主業農家への農地の集積・大規模化も実現しない。

なぜ農村も農協も平穏なのか

主要紙を含め、マスコミが一斉に“減反廃止”を報道した。

やました・かずひと
キヤノングローバル戦略研究所研究主幹/経済産業研究所上席研究員(非常勤)。東京大学法学部卒業。同博士(農学)。1977年農水省入省。同省ガット室長、農村振興局次長などを経て、2008年4月より経済産業研究所上席研究員。2010年4月よりキヤノングローバル戦略研究所研究主幹。主著に『企業の知恵で農業革新に挑む!―農協・減反・農地法を解体して新ビジネス創造』(ダイヤモンド社)、 『農協の大罪』(宝島社新書)、『日本の農業を破壊したのは誰か―農業立国に舵を切れ』(講談社)、『農業ビッグバンの経済学』(日本経済新聞出版社)、『環境と貿易』(日本評論社)など。

しかし、私は著名な経済学者や官僚OBの人から、「あの報道は本当なのですか?戦後農政の中核である減反・高米価政策が簡単になくなるとは、思えない。株式会社の農地取得ですら認めない農政が、減反の廃止を進んで提案するなんて信じられません」と、質問攻めにあった。

私の答えはこうだ。「その通りです。マスコミ報道は完全に間違っています。皆さんの直感の通りです。食管制度が廃止されたのは、ガット・ウルグァイ・ラウンド交渉があったからです。これだけの大転換を行うには相当な環境変化がなければなりません。そんなものは、今ありません。TPPでコメの関税は撤廃しないというのだから、減反を廃止して米価を下げる必要はありません。実は、減反は廃止するどころか、強化されます。一連の報道は、減反の本質が何かを全く知らないために起こった誤報です」。私の説明に彼らは肯いた。

戦後の農政は、農産物、特にコメの価格を高く維持することで農家の所得を守ろうとしてきた。これを戦後最大の圧力団体であるJA農協が強力にバックアップしてきた。

周知のようにJA農協は経済・信用(金融)・共済(保険)の3事業を総合的に行っている。経済事業は組合員(農家)の生産物の販売、肥料や農薬などの供給を行う事業である。このため米価を上げることで、これと比例する農協のコメ販売手数料収入も増加した。高米価の下で、コストの高い零細な兼業農家もコメを作り続けた。農地が出てこないので主業農家の規模拡大・コストダウンは進まず、コメ農業は衰退した。

しかし、兼業農家の滞留は農協にとって好都合だった。農業所得の4倍に達する兼業所得も年間数兆円に及ぶ農地の転用利益も、銀行業務を兼務できるJA農協の口座に預金され、農協は日本第二位のメガバンクとなった。減反による高米価こそが農協の発展の基礎である。農協がTPP大反対運動を展開したのは、関税が撤廃されて米価が下がれば、これまでの発展の基礎が危うくなるからである。

減反の本質とは、供給を減少させることで米価を高く維持することだ。減反廃止とは供給の増加による米価の低下である。もし、自民党・政府が減反廃止を提案したのであれば、農村はハチの巣を突いたような騒ぎとなり、自民党・政府はJA農協と全面戦争になっただろう。TPP反対運動と同じく大集会が開催され、永田町や霞が関はムシロ旗で埋まっているはずだ。

しかし、農協も農家も極めて平穏である。なぜか?自民党・政府の見直し案が減反廃止ではないことは、長年農政に関与してきた農協にはよくわかっているからだ。本件については、JA農協の機関紙である日本農業新聞が最も正確で冷静な報道をしている。同紙は減反廃止などという報道は一切していない。

1449とはずがたり:2013/11/17(日) 19:30:48
大手マスコミの大いなる誤解

なぜ、このような誤解が生じたのだろうか?私は、最初農水省が中途半端な見直し案を世間に農政の大転換だと高く売りつけようとしたのかと思った。しかし、減反廃止などと言うと、農協や自民党議員から大変な突き上げを食うことになる。農水省の担当課長に聞くと「私達は減反廃止など一言も言っていない」と、迷惑そうに答えた。自民党議員から廃止するのかと聞かれ、余計な説明が必要になったと困惑しているのだ。

そこで一連の資料を集めてみると、産業競争力会議に民間議員が出した資料に、国から都道府県、市町村、農家へのコメの生産目標数量の配分を廃止することを減反(生産調整)の廃止と受け止めていたような文章(「平成28年度には、生産目標数量の配分を廃止し、生産調整を行わないこととする」と記述)があった。マスコミ関係者はこれにとらわれてしまったようだ。

マスコミは、農水省が自民党に提出した「5年後を目途に、行政による生産目標数量の配分に頼らずとも、国が策定する需給見通し等を踏まえつつ生産者や集荷業者・団体が中心となって円滑に需要に応じた生産が行える状況になるよう、行政・生産者団体・現場が一体となって取り組む」という部分をとらえて、減反廃止を明記したと報道している。

大いなる誤解である。生産目標数量の配分を止めることは、イコール減反廃止ではない。実は、産業競争力会議やマスコミ関係者の理解とは異なり、今の減反制度では、生産目標数量の配分はなんら拘束力のない、意味のないものとなっている。これは、農水省が産業競争力会議に提出した資料からも、よくわかる。だから、農水省は生産目標数量の配分を止めると抵抗なく書くことができたのだ。

産業競争力会議の民間議員提案に、林農水大臣は次のように述べている。「生産数量目標の配分について、産業競争力会議では、28年度にも生産数量目標を廃止するというような意見も出されたと、こういうことは承知をしておりますが、既に、自主的に、選択制になっておるということで、かつてのような、ペナルティを伴った上での義務ということではなくなっておりますので、既に、そういうふうになっていることをまず申し上げた上で、更にですね、経営判断により需要に応じた生産を行える環境を更に整えていくということが大事だと、考えております」(不要な部分は筆者省略)。つまり、農水大臣は、生産目標数量は、既にペナルティーを伴わない、達成してもしなくてもよい、意味のないものになっていることを強調しているのだ。

そもそも国が生産目標数量の配分を止めて、農業者や農業団体の自主的な生産調整に移行する、つまり政府・行政の関与を止めて減反を農協に任せることは、2003年に政府・自民党で決定し、2007年度に実現していた。しかし、たまたま2007年度産米価が低落したため、西川公也衆議院議員を筆頭とする農林族議員の強力な要求によって、この政策変更は実施初年度で撤回され、国・都道府県・市町村が減反実施の主体となるという元通りの体制になってしまった。今回減反廃止と報道された生産目標数量の配分の廃止は、2007年度の姿に戻るだけである。2007年にどの報道機関も、当時の政策転換を減反廃止とは呼ばなかった。

今減反推進のコアになっているのは、減反面積に応じて払われる減反補助金(今の名称は「水田活用の直接支払交付金」)である。減反補助金を維持する以上、減反廃止ではないし、米価は下がらない。

1450とはずがたり:2013/11/17(日) 19:31:14

廃止されるのは戸別所得補償だけ

減反は1970年から始まった。食管制度(食管)の高米価政策によって、生産が増え消費が減り、コメが過剰になったからだ。食管の過剰在庫の処理に、政府は3兆円を費やした。当初は、生産を減らして食管が買い入れる数量を減らし、財政負担を減少させることが狙いだった。

農協は食管による無制限買い入れを主張し、減反に反対した。農協をなだめるために、政府は減反する水田面積に応じた補助金、アメを交付した。それでも過剰米を買い入れて飼料用等に処分するよりも安上がりだったからだ。のちに、減反補助金は余っている水田に麦や大豆などの作物を植え、食料自給率を向上させるという名目で交付される。減反ではなく転作だと言われるようになった。しかし、言葉は違っても、コメの生産を減らすという本質は同じである。

国から都道府県、市町村、農家へ、コメの生産目標数量(2003年度までは減反面積)が配分された。アメに加えて、減反に協力しない地域や農家には、翌年のコメの生産目標数量を減少(減反面積を加重)させたり、機械などの補助金を交付しないなどのムチ(「ペナルティ」と呼ばれた)も用意された。減反補助金も生産目標数量を遵守する農家にしか交付されなかった。例えば、1ヘクタールの水田農家が0.4ヘクタールの減反面積配分を受けている場合、0.4ヘクタール全ての水田で減反(他作物の作付)を達成しなければ、一切減反補助金は受けられなかった(なお、95年に食管制度がなくなった後は、農協にとって減反は米価維持の唯一の手段となっている)。

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民主党政権は、コメの生産目標数量と関連していたムチを止めた。農家が生産目標数量(割り当てられた減反面積全ての減反)を守らなくても、コメ以外のものを作付した(減反した)面積の部分には、減反補助金を交付することにした。先の例で、0.4ヘクタールの目標を達成しなくても、0.2ヘクタールでも減反していれば、0.2ヘクタール分の補助金を支払う仕組みに変更した。

2010年度から、生産目標数量を遵守する農家に、コメ作付面積に応じて10アールあたり1万5000円という戸別所得補償を導入した。つまり、生産目標数量の配分を戸別所得補償と関連付けたうえで、減反面積への減反補助金とコメ作付面積への戸別所得補償という、アメとアメの政策に変えたのだ。つまり、今の減反政策は、減反補助金と戸別所得補償という2つの柱で構成されているのだ。

この戸別所得補償を自民党は選挙中バラマキだと批判した。自民党にとって戸別所得補償廃止という既定路線が、今回の自民党・農水省の見直しにつながった。生産目標数量と唯一関連していた戸別所得補償が廃止されることは、生産目標数量が関連する政策や補助金が何もなくなることを意味する。つまり、コメの生産目標数量の配分は、制度上拘束力のない、全く意味のないものとなってしまうのである。

政府が生産目標数量の配分を行わないことと戸別所得補償を5年後に廃止することに目が奪われ、マスコミは減反廃止と書いた。戸別所得補償は、自民党政権となった今では「米の直接支払交付金」と呼ばれている。しかし、これは2010年度から始まったものであり、しかもコメの作付面積に支払うものであって、本来の減反補助金ではない。それなのに、言葉や名称に厳しい注意を払うNHKまでもが、これを“減反交付金”という造語で紹介し、戸別所得補償の廃止が即ち減反の廃止であるかのような報道をしている。1970年以来続いている、減反面積への減反補助金は依然として交付される。これは減反の廃止ではない。

1451とはずがたり:2013/11/17(日) 19:32:00
>>1448-1451
それだけではない。前回の自民党政権末期から、“水田フル活用”と称し、コメ農家には作りにくい麦や大豆に代えて、米粉や飼料用などの非主食用に向けられるコメを作付させ、これを減反(転作)と見なして、減反補助金を交付してきた。自民党・農水省はこの補助金を増額しようとしている。つまり、民主党が始めた政策を止めて、1970年から行ってきた自分達の政策を拡充・強化しようとしているのだ。主食用のコメの作付面積や量は今のままだろうから、主食用の米価は下がらない。むしろ、補助金が効きすぎて、非主食用のコメ作の収益の方がよくなれば、主食用の作付が減少し、主食用の米価が上がってしまうかもしれない。

価格は変動するので、仮置きの価格でおおまかに説明すると、本来、市場価格が8000円の主食用米価を減反で1万4000円に引き上げたうえで、その主食用価格1万4000円と、9000円の加工用米、3000円の米粉用米、1500円の飼料用米の価格との差を減反補助金で補てんしている。つまり、補助金を使って主食用の米価を上げたうえで、非主食用の米価を下げるという、とんでもないマッチポンプ政策だ。それでも米粉・飼料用の需要先が少ないので、非主食用の米価をさらに引き下げて需要・生産を増やそうとしている。つまり主食用のコメの作付が増えないようにするために、自民党は非主食用の作付を増やす補助金を増額しようとしているのである。

減反の廃止どころか、減反の強化

70年代は、生じた過剰米を飼料用にただ同然で処分した。今回はこの過剰米処理を飼料用などへの転作・減反という形で事前に行おうとしているのだ。それだけでなく、主食用のコメが余ると飼料用などへ供給すると農水省の文書は書いている。つまり、米価を維持するために、最終的には過剰米処理をするというのだ。

補助金の数字で示そう。主食用に販売した場合の10アール当たりのコメ収入は10.5万円くらいである。今の米粉の販売収入は2.5万円なので、これと主食用の収入との差8万円を交付している。現在米粉・飼料用のコメ作付面積は6.8万ヘクタールである。減反面積100万ヘクタールの1割にも満たないが、補助単価が大きいので、今でも544億円がこれだけに支払われている。

もし自民党が10アール当たり補助金単価を10万円に増やし、生産者がこれに応じて米粉・飼料用のコメ作付面積を20万ヘクタールに増やすと、総額2000億円となる。残りの80万ヘクタールの減反面積にこれまでと同じ補助金が支払われるとすると、減反補助金は4000億円になる。1600億円の戸別所得補償廃止で浮いた金をこちらに回そうとするものだ。戸別所得補償はコメ作付面積に対する補助金で、減反推進という観点からは間接的なものである。それを減反推進という観点からは直接的な、減反面積に応じた補助金に振り換えようというのだ。これは、廃止どころか、減反の強化だ。

それらの対策を打っても、米価が下がれば補てんする。その対象農家もこれまでは4ヘクタール以上の大規模農家などに限ってきたが、規模要件を撤廃して、小規模農家の集合体である集落営農でも規模に関係なく、受けられるようにするという。集落営農に参加する兼業農家にも価格保証をするので、農地は主業農家には集積しない。つまり、価格を高くして兼業農家を温存し、コメの構造改革を阻害するという従来の政策は、維持・強化される。

向う3年間は大きな選挙はないので安倍政権は思い切った政策を展開できるのではないかという考えもある。しかし、自民党議員が3年だけ議員でいればよいなどと思うはずがない。JA農協がまとめる農民票が3年後の選挙で対立候補に流れることは自民党候補にとって悪夢である。郵政についての小泉元首相のような覚悟や信念がなければ、戦後農政のコアである減反は廃止できない。減反廃止など簡単にできるものではない。冒頭の経済学者や官界OBの直観は正しいのである。

1452とはずがたり:2013/11/20(水) 13:36:14
TPP首席交渉官会合開幕 主食米の最低輸入量拡大も
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20131119005.html
フジサンケイビジネスアイ2013年11月20日(水)08:21

 日米など12カ国が参加する環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の首席交渉官会合が19日(日本時間20日未明)、米ユタ州ソルトレークシティーで開幕。24日まで関税の撤廃・削減や知的財産など協議が難航する分野を中心に議論し12月の閣僚会合での合意に道筋を付けられるかどうかが焦点だ。日本は関税協議で、農産品の重要5分野の輸入に低関税率の特別枠を設けることも視野に交渉進展を目指す。

 首席交渉官会合には日本から鶴岡公二氏が出席。12カ国は10月にインドネシア・バリ島で開いた首脳会合で、年内の交渉妥結に向け「残された困難な課題の解決に取り組む」ことで合意。交渉官らは10月下旬に米国と新興国の対立が激しい知財の作業部会を日本で開くなど、分野ごとに妥協点を探ってきた。

 全分野を統括する首席交渉官が集まる今会合は、作業部会で意見の隔たりが大きかった論点を協議。事務レベルで論点を最大限絞り込み、「閣僚(会合)に『これで妥結できる』という報告をしたい」(鶴岡氏)としている。ただ、日本にとっては厳しい交渉が予想される。最難関の関税協議で、ニュージーランドなどが関税全廃を要求しているためだ。

 このため林芳正農林水産相は19日の閣議後会見で、重要5分野の一定輸入量に低関税率の特別枠を設ける関税割当制度について、「TPPで議論の対象にしないということが決まったことはない」と述べ、検討対象とする考えを示した。

 5分野のうちコメでは、米国などから無税で輸入する特別枠「ミニマムアクセス(最低輸入量)米」の主食用米の枠を拡大する案も浮上。「聖域」としてきた5分野の部分的な関税引き下げで市場開放の姿勢を示し、各国の理解を得たい考えだ。

TPP、数量限定の「低関税枠」 政府、農産品5分野で設定検討
http://news.goo.ne.jp/article/businessi/business/fbi20131112002.html
フジサンケイビジネスアイ2013年11月13日(水)08:21

 政府は12日、環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、コメなど農産品の重要5分野について、輸入品の一定量までの関税率を低くする輸入枠を設定する方向で調整に入った。複数の交渉筋が明らかにした。米国などが求める農産品の関税削減に対し、関税率の低い輸入枠を提案することで市場開放の姿勢を示す一方、一定量を超えた部分では関税を維持することで国内農家の理解を得たい考えだ。

 政府が検討するのは「関税割当制度」。経済連携協定(EPA)などで相手国が貿易自由化を求める品目について、通常よりも低い関税率(特恵税率)の「特恵輸入枠」を認める手法だ。

 日本はこれまでのEPA相手国のうち、メキシコやチリ、ベトナムなど9カ国に47品目で特恵輸入枠を設定している。例えばTPPの重要5分野のうち牛肉では、メキシコからの輸入について通常の関税率(38.5%)を今年度は1万2000トンを上限に優遇税率(30.8%)を適用している。

 「高水準の自由化」を目指すTPP交渉では、国別に関税を守りたい品目が異なるため、2国間で協議が進んでいる。米国やニュージーランド、シンガポールなど日本以外の参加国は市場開放が進んでおり、全貿易品目のうち関税撤廃を約束する品目の割合(自由化率)は最終的に95%以上に達する見込みだ。

 日本はコメ、麦、牛・豚肉、乳製品、甘味資源の5分野以外のすべての品目の関税を撤廃しても自由化率が93.5%にとどまり、関税協議は難航が予想されていた。このため自民党が5分野を細かく分類した586の品目ごとに関税撤廃の可否を検討し、19〜24日に米国で開かれる首席交渉官会合での議論に備えていた。

 ただ、米国などは国内業界が求める牛肉の輸出拡大などを重視し、「自由化率にはこだわっていない」(交渉筋)との見方もあり、日本政府は相手国によっては特恵輸入枠を提案することで年内妥結に向けて関税協議を進展させる狙いだ。

1453とはずがたり:2013/11/20(水) 13:58:02

減反補助金:7500円に半減へ 自公合意
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20131120k0000e020200000c.html
毎日新聞2013年11月20日(水)12:32

 自民党と公明党は20日午前、国会内で農業政策担当者の実務者協議を開き、生産調整(減反)参加を条件にコメ農家に10アール当たり1万5000円を支払ってきた一律補助金を、来年度から10アール当たり7500円に引き下げることで合意した。2017年度まで7500円の単価を維持し、18年度に廃止する。政府は当初、来年度から5000円に減額する方針だったが、農家への影響を懸念する公明党に配慮し、減額幅を2分の1に抑えた。

 自民党は、同日午後の農林関係合同部会で見直し案を了承する見通し。月内に開かれる政府の「農林水産業・地域の活力創造本部」(本部長・安倍晋三首相)で正式決定する。

 コメの一律補助金は民主党政権が10年度に「戸別所得補償」として導入。昨年度はコメ農家に約98万件計1552億円が支払われた。政府は一律補助金の削減で浮く750億円を、農地を維持する地域活動に補助金を交付する「日本型直接支払い」や、飼料用米などの転作補助金の拡充に振り替える方針。

 公明党は参院選公約に一律補助金の維持を掲げており、来年度からの大幅削減に難色を示していた。自民、公明両党の実務者協議では、来年度の一律交付金について自民党は5000円、公明党は1万円を提示。最終的に7500円で歩み寄った。【中井正裕、横田愛】

1454とはずがたり:2013/11/20(水) 13:59:09

農地10アール最大3000円 保全へ新補助金、来年度創設
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20131115086.html
産経新聞2013年11月15日(金)07:57

 政府が来年度に創設する農地保全に向けた新しい補助金「日本型直接支払い」で、農地の維持・管理に充てる補助金支給額を、都府県の田の場合、10アール当たり2千〜3千円とする方向で調整に入ったことが14日分かった。新補助金は環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の妥結をにらんだ農業の競争力強化策の一環。26日に策定する総合的な農業再生計画「農林水産業・地域の活力創造プラン」に盛り込む予定だ。

 日本型直接支払いでは、用水路の泥を取り除く活動や農道の草刈りなど、農地の管理を支援する「農地維持支払い」と、農村の環境改善活動などを対象とする「資源向上支払い」の2種類の補助金を設ける。いずれも農地が近接する農家でつくる集落ごとに支払う想定で、平成26年度は予算措置、27年度から法的措置として支給する。うち、農地維持支払いでは田10アール当たりの支給額2千〜3千円で調整する。北海道では田10アールあたり1千〜2千円の支給を検討。また、畑の場合は都府県が10アール当たり1千〜2千円、北海道は数百〜1千円とする方向だ。

 一方、資源向上支払いは農地周辺の水路管理などを支援する現行の補助金「農地・水保全管理支払い」の一部を農地維持支払いに回した上で名称を変更して新設する。支給額は都府県の田の場合、10アール当たり2200円程度で、現在の4400円からは減額となる。

 政府はTPP妥結に向け、農地の大規模化など農業の競争力強化を進める。5年後にコメの生産調整(減反)を廃止する。減反した農家に支払う定額補助金も26年度から削減し、5年後には撤廃する方針だ。

 ただ農地の限られる山間部などや、高齢者が従事する零細農家では、大規模化に対応できず、農地が維持できなくなる恐れがある。政府は新補助金の創設で、農地の維持を図る。

 あわせて政府は、定額補助金の削減・廃止で浮いた財源を新補助金に充て、農地の維持・保全に対する支援を手厚くする考えだ。

1455とはずがたり:2013/11/20(水) 13:59:52

「米価下落」揺れる東北 政府、減反廃止方針
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/politics/kahoku_K201311120A0A103X00002_230426.html
河北新報2013年11月12日(火)06:10

 政府、与党がコメの生産調整(減反)を2018年度をめどに廃止する方針を打ち出し、東北の生産者らが今後の農政の動向を注視している。保護から競争重視へ大きくかじを切るコメ政策。好機と捉える大規模農家がある一方、米価下落を危ぶむ生産者は多い。米穀卸や加工業者は、外国産に比べ高値の国産米の価格下落を見込む。

◎賛・生産刺激、需要も喚起/否・収入打撃、小規模撤退

 青森県平川市の85アールの水田を営む兼業農家の男性(66)は「減反を廃止すれば米価は暴落する。小規模農家の退場を促そうとしている」と憤る。
 政府は環太平洋連携協定(TPP)交渉を見据え、農業の規模拡大による競争力強化を狙う。男性は「多くの小規模農家は大規模農業に適さない中山間地で営農する。やめれば耕作放棄地が増える」と危惧する。
 国は現在、経営所得安定対策に基づき、減反参加農家に10アール当たり1万5000円の補助金を支払う。12年産米で東北の生産者が受け取ったこの補助金は総額464億円。約1.5ヘクタールを作付ける平均的な販売農家1世帯当たり約23万円の計算になる。減反に合わせ、補助金は段階的に廃止される見通しだ。
 福島県農協中央会の庄條徳一会長は「戦後農政を短期間で覆せば、政府への信頼がなくなる。減反廃止、補助金削減だけでなく、農家所得を維持する政策も示してほしい」と強調する。
 減反は価格調整を担う半面、生産意欲をそいできたとの指摘がある。山形県鶴岡市の農業法人「鶴岡グリーンファーム」はことし、水田50ヘクタールのうち約15ヘクタールで主食用米を作付けできなかった。茂木良市社長は「減反廃止は賛成。農家がコメを作れないのはつらい」と語る。
 秋田県大潟村の「大潟村あきたこまち生産者協会」の涌井徹社長は減反の即廃止を求める。コメ増産が国策だった時代に入植。長年減反に参加せず、販路を築いてきた。
 「超多収品種の開発や耕地集積を進め、2倍の量を収穫できれば米価が半減しても手取りは同じ。外国産米が多い業務用米を国産米にしたり、米粉を普及させたりするのも必要だ」と、米粉用米などへの作付け転換を促す政府に同調する。
 年間約600トンのコメを扱う岩手米菓(岩手県紫波町)の佐々木嘉寿専務は「コメ作りを保護しすぎてきた。減反がなくなれば米価が下がり、いいコメがたくさん手に入る」。宮城県加美町の米穀卸ナカリの中村信一郎社長は「米価が下がればパンを食べていた人が、おにぎりを食べるかもしれない」と話した。
 政府、与党は月内にまとめる農業活性化策に減反廃止を明記する方針。急激な政策転換に自治体などの反発は強く、曲折が予想される。

[コメの生産調整(減反)] 主食用米が余って価格が下落しないよう生産量を調整する制度。政府が国内産米を全量買い入れていた1960年代後半に過剰在庫が発生し、71年に本格導入。農林水産省は11月ごろ、都道府県別に生産可能な数量を「生産数量目標」として配分する。2014年産米の目標は、13年産が豊作になったことなどから20万トン超の大幅削減が見込まれる。

[経営所得安定対策] コメや麦、大豆など販売価格が生産費を下回る作物を対象に差額を補助する制度。政府案ではコメの減反参加者を一律助成するコメの直接支払い交付金を14年度から減額して18年度に廃止。販売価格が過去の平均を下回った場合に助成する米価変動補填(ほてん)交付金は14年度に廃止する。

1456とはずがたり:2013/11/20(水) 14:00:33

政府のコメ減反廃止方針 東北選出議員、与野党逆転?
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/politics/kahoku_K201311080A0A203X00001_224617.html
河北新報2013年11月8日(金)06:10

 政府、与党がコメの生産調整(減反)を2018年度をめどに廃止する方針を固めたことに、東北選出の国会議員の間で賛否が交錯している。自民党議員が慎重な姿勢を見せる一方、日本維新の会とみんなの党の議員は早々に支持を表明。政府方針をめぐり与野党逆転の様相を呈している。

 7日の衆院農林水産委員会では、東北の野党議員から減反廃止に理解を示す意見が相次いだ。
 日本維新の村岡敏英氏(比例東北)は「高齢化、減収の進む農業には大転換が必要だ」と廃止方針を後押しした。政府批判を繰り広げた自民党の委員を引き合いに「私が与党なのか野党なのかわからない」と皮肉った。
 みんなの林宙紀氏(同)も「(減反廃止は)わが党の方向性と同じ」と理解を示した。
 コメどころから選出された自民党の議員は不満をくすぶらせる。金田勝年氏(衆院秋田2区)は、廃止方針を大筋で了承した6日の自民党農林関係の会合に出席。経営所得安定対策の補助金を18年度までに廃止する方針に対し「農家が不安を感じている。所得見通しがどうなるのか示してほしい」と強く求めた。
 各都道府県への生産数量目標の配分をやめて需給見通しの公表にとどめる案には、鈴木憲和氏(衆院山形2区)がコメ余りを招く可能性を指摘。「米価が下落すれば地域格差が生まれる。これで国土全体の均衡を図れるのか」と批判した。

1457とはずがたり:2013/11/21(木) 18:01:43

日本の魚輸入規制、12か国撤廃…韓国は強化
http://news.goo.ne.jp/article/yomiuri/world/20131121-567-OYT1T00192.html
読売新聞2013年11月21日(木)09:29

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて各国が導入した日本の水産物の輸入規制が、今年に入り、解除される動きが出てきた。

 日本の水産物輸出額は震災前の水準に戻りつつあり、安倍政権が掲げる「農林水産物の輸出拡大」の後押しとなりそうだ。

 農林水産省の統計によると、今年1〜9月の日本の水産物の輸出額(速報値)は、2010年同時期比で17%増の1575億円だった。今年3月に初めて10年の水準を回復し、その後も毎月、10年同時期比を上回っている。特にタイなどアジア向けのカツオ、イワシの輸出が増えている。

 日本の水産物を巡っては今年9月、韓国が福島第一原発の汚染水を理由に8県産の全面禁輸に踏み切るなど規制を強化した。一方で、ベトナムは同月、震災後に導入した輸入物の抜き取り検査などの規制を撤廃。同国への水産物輸出額は、規制があった12年も約118億円と米国、中国などに次いで5番目に多く、有力な輸出先だ。

 日本の主要マーケットである東南アジアでは、今年3月にマレーシアが輸入規制を撤廃。震災後、約50の国・地域が原発事故に関連した規制を導入したが、これでカナダ、メキシコ、ニュージーランドなど12か国が規制を完全撤廃した。

1458とはずがたり:2013/11/21(木) 18:02:15

「3大和牛」産地がタッグ=輸出後押しを政府に要望
http://news.goo.ne.jp/article/jiji/business/jiji-131118X989.html
時事通信2013年11月18日(月)17:17

 「3大和牛」として知られる松阪牛、神戸ビーフ、近江牛の産地の代表者は18日、牛肉輸出を後押しするよう政府に要望した。山中光茂松阪市長らが田村憲久厚生労働相、林芳正農林水産相を相次いで訪問し、BSE(牛海綿状脳症)対策として設定されている日本産牛肉の月齢制限の撤廃を輸出先の各国・地域に働き掛けるよう求めた。

 3大和牛の産地が、輸出振興でタッグを組むのは初めて。

 要望書によると、日本は国際機関の国際獣疫事務局からBSE対策を評価され、7月1日から検査対象の牛肉の月齢が「48カ月超」に緩和された。しかし、主要輸出先である香港やマカオ、タイ、シンガポール、アラブ首長国連邦(UAE)の5カ国・地域には、取り決めにより月齢30カ月未満の牛肉しか輸出できないという。

1459とはずがたり:2013/11/21(木) 18:03:33

政府輸入米は政府が国内向けに売ってんの?で,買付はどうやってんの?競争入札?

主食のコメ10万トン政府輸入枠、拡大検討 TPP交渉
http://news.goo.ne.jp/article/asahi/politics/TKY201311170298.html
朝日新聞2013年11月18日(月)04:59

 【編集委員・小山田研慈】環太平洋経済連携協定(TPP)の交渉で、農林水産省は主食(ごはん)用のコメの政府輸入枠10万トンを拡大する検討に入った。TPP交渉で米国はコメなどの関税をなくすよう求めているが、日本は関税の撤廃は難しいと考えているため代案を示す必要があると考えている。

 日本は世界貿易機関(WTO)の協定で、輸入米に1キロあたり341円の関税をかける代わりに政府が一定量を関税なしで輸入することになっている。今は年間約77万トン(米国産は最も多い36万トン)で、このうち主食用が約10万トンある。

 林芳正農林水産相は15日の記者会見で、この政府輸入枠について「(TPPの)議題から外れているということはない」と話し、輸入枠の拡大も含めて幅広く検討する考えを示した。

1460とはずがたり:2013/11/27(水) 09:01:05
こっちにも転載

901 名前:チバQ[] 投稿日:2013/11/26(火) 19:48:54
http://mainichi.jp/select/news/20131126k0000e020129000c.html
減反廃止正式決定:「国内農業」衰退に危機感 強化目指す
毎日新聞 2013年11月26日 11時04分(最終更新 11月26日 12時42分)

 政府がコメの生産調整(減反)を廃止する方針を決めた背景には、農家の高齢化や後継者不足など国内農業衰退に対する危機感がある。農地の6割を占める水田でのコメ生産を自由化することで、意欲のある農業経営者を数多く育成し、国内農業の強化を目指す。

 減反政策は、戦時中にできた食糧管理制度に基づくもので、主食のコメの生産・流通に国が責任を持つという考え方が根本にある。食管制度のもとでは、コメ生産者は経営判断を国に依存し、米価下落などのリスクも国が負っていた。1995年に食管制度が廃止され、2004年には作付けしない面積を割り当てる「減反」から、生産量の目標を配分する「生産調整」に移行したが、国による割り当てという食管制度の根幹は残っていた。

 政府が減反廃止方針を決めたのは今回で2度目だ。02年の米政策改革大綱では08年度に減反を廃止する目標を掲げたが、07年産米の値崩れなどが原因で立ち消えになった。コメ農家の間にコメ余りに歯止めがかからなくなるとの不安が生じたためだ。余っている水田をどうするのか、明確な将来像を描けない限りコメ農家の不安解消は難しい。

 政府は今回の減反廃止政策で、水田で飼料用米の生産を奨励する方針を示した。しかし、今回の政策が10月以降のわずか2カ月間で決まったこともあり、飼料用米の振興策には粗さが残る。飼料用米の保管場所や、配合飼料に加工する施設の整備、飼料用米の売り先の確保など今後詰めるべき課題が山積している。

 今回の減反廃止方針は、政府が進める農家の規模拡大や、農家が加工や販売を行う「6次産業化」と同一線上にある。農家の創意工夫で所得を拡大し、後継者を確保し、国内農業を持続可能なものにする方向性は間違っていない。減反廃止を円滑に進めるためには4年間の移行期間で丁寧な環境整備が求められる。【中井正裕】

1462とはずがたり:2013/11/27(水) 12:26:06

減反廃止:値崩れ募る不安 農家、コスト減に限界
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20131127k0000m020135000c.html
毎日新聞2013年11月27日(水)01:01

 「コメが値崩れすれば稲作を続けていけない」「国は10年先を見据えた政策を」。コメの生産調整(減反)廃止が26日、決定された。農地の集約を図り、国内農業の強化を目指すが、農家にとって手探りの船出になる。

 群馬県川場村でコシヒカリのブランド米「雪ほたか」を栽培する小林仁志さん(35)は今月、米カリフォルニア州の稲作地帯を視察した。刈り取り後の切り株が、見渡す限り続く光景に圧倒された。用水路の幅は川場村の数倍あり、種まき用の小型飛行機の滑走路もあった。「同じ土俵で戦っても、絶対勝てない」と実感した。

 小林さんは「株式会社雪ほたか」に出資する農家63戸のうちの1人。出資農家の水田面積は計23ヘクタールで将来は70ヘクタールへと大規模化を目指す。「雪ほたか」は5キロ4000円でも「毎年すぐに完売する」と自負するブランドだが、減反廃止でコメが余り、値崩れにさらされると「消費者が見向きしてくれなくなる」との不安も。山に囲まれた川場村は農地集約に限界があり、小林さんは「コストを大きく下げることはできない。さらに付加価値をつけるしかない」と語る。

 国は減反参加農家への補助金を来年度から半減し転作を促すが、農家にとって道のりは平たんではない。

 山形県真室川町で1985年、減反に応じてニラの栽培を始めた川又義弘さん(61)は「軌道に乗るまで何年もかかった。ほとんど利益がないこともあった」と振り返る。ニラは露地栽培で5月から10月まで4回収穫でき、副収入を得る糧として魅力的に見えた。しかし、肥料のやり方一つをとっても稲作とは異なり、何度も出荷時期の見極めを誤った。

 川又さんら地域挙げての努力もあり、町全体で72戸のニラ農家の年間生産額は3億円に上り、一大産地に成長した。しかし、担い手の高齢化で耕作放棄地は増え続けるなど課題も多い。川又さんは「ニラの栽培も30年かけてようやくここまできた。国は、少なくとも10年先を見据えた政策を」と注文をつけた。【塩田彩、前田洋平】

1463とはずがたり:2013/11/27(水) 12:45:28

EU、韓国にイエローカード=違法漁業対策が不十分
http://www.jiji.com/jc/c?g=int_30&k=2013112601003

 【ブリュッセル時事】欧州連合(EU)の欧州委員会は26日、韓国とガーナ、カリブ海のオランダ領キュラソー島に対し、違法漁業の取り締まりが不十分だとして警告を発した。(2013/11/26-23:53)

1464とはずがたり:2013/11/27(水) 12:50:32
>>1332とか

「保護から競争へ」減反見直し 米どころ九州にチャンス到来
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/nation/snk20131127064.html
産経新聞2013年11月27日(水)08:06

 ■TPP見据え競争力向上

 政府は26日、米の生産調整(減反)の制度見直しを正式決定した。環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)による関税撤廃を見据え、「保護から競争へ」と半世紀ぶりに、わが国の農業政策が大きく転換する。影響を危ぶむ農家も少なくないが、福岡県や熊本県など、市場評価の高いブランド米栽培を進める九州の米農家にとっては、競争を通じて、農業の収益性を高める千載一遇の好機となり得る。(津田大資、谷田智恒)
                   ◇
 「もともと、こんなに手厚い補助金がいつまでも続くとは思っていなかった。安い輸入ものが入ってきても、本当にうまいものを作れば、米に限らず必ず売れる」

 福岡県行橋市内で米15ヘクタールを生産する50代の男性はこう語った。減反廃止に賛成だ。

 男性は減反に応じ、九州で主流の品種「ヒノヒカリ」を生産している。今後、福岡県が開発したブランド米「夢つくし」「元気つくし」に育種を変更し、さらに稼ぐ農業を目指す計画を立てる。

 「夢つくし」は、25年産9月の価格が60キロあたり1万6832円で、全銘柄平均の1万4871円を1割上回る。栽培が軌道に乗れば、高品質な食材にこだわる外食産業との契約も期待できる。

 減反は、米余りと米価下落を防ごうと昭和45年に始まった。当初、米から麦・大豆への転作に応じた場合、転作面積に応じて補助金が農家に支払われてきた。米の栽培面積を減らすとともに、自給率の低い麦などの栽培を促す狙いだった。

 ところが、民主党政権下、同じ減反の名称でも、制度の色合いが大きく変わった。

 民主党は政権を奪った21年8月の衆院選で、マニフェスト(政権公約)の目玉として農家の「戸別所得補償制度」を謳った。

 このマニフェストに沿い平成22年度、減反に応じた農家すべてに米の作付面積10アールあたり1万5千円を支給する「戸別所得補償」が創設された。

 作付面積を減らした上で、米を栽培すれば無条件に補助金が支払われる。この制度は、転作をはじめ農家の努力を促すことはなかった。中小規模の米農家を保護した半面、収益力向上に必要な農地集約の障害となった。

 TPP後をにらみ、「勝つ農業」を目指す安倍政権は、農地集約をキーワードに掲げる。

 今回政府が決定した制度見直しは、戸別所得補償を平成26年度から半額にし、30年度に廃止することを柱としている。中小・零細農家が米づくりをやめることで、水田の集約を推し進め競争力の向上を狙う。

 ただ、意欲のある農家は、政策のさらに先に進んでいる。

 福岡県の場合、昭和55年の米産出額803億円が30年後の平成22年に374億円に減少。逆に野菜は448億円から750億円に増加した。補助金を得るために米生産を続けるより、収益性の高い野菜や果実に切り替えたからだ。

 熊本県はブランド米づくりを強力に進める。平成24年度産全国米の食味ランキングで3品種(森のくまさん、ヒノヒカリ、くまさんの力)が最高評価の「特A」を獲得した。栽培農家も増加している。

 こうした意欲のある農家にとって、減反廃止は自らの力で飛躍するチャンスとなる。

 また、今回の制度変更は、九州で盛んな畜産へのメリットも大きい。

 今回、主食用米から飼料用米への転作に伴う補助金を、これまでの10アールあたり8万円から、最大10万5千円に増額する。

 牛や豚などの飼料の大半は輸入トウモロコシに頼っている。トウモロコシから抽出するエタノールがエネルギー源として注目を集めたため、飼料価格は急騰した。さらに、産地の天候や為替レートで乱高下する。飼料価格は畜産農家の悩みの種となっている。

 国内の飼料米生産が進めば、より質が高く安定した畜産が可能となる。飼料米の転作は、米農家と畜産業者がともに恩恵を受けられる一石二鳥につながる。

 減反廃止は一時的に中小規模の米農家に打撃を与える。ただ、長期的な視野でみれば九州農業にとって、損失よりもメリットが高いといえる。

1465とはずがたり:2013/11/27(水) 12:54:19
>>1464
>今回の制度変更は、九州で盛んな畜産へのメリットも大きい。
>牛や豚などの飼料の大半は輸入トウモロコシに頼っている。トウモロコシから抽出するエタノールがエネルギー源として注目を集めたため、飼料価格は急騰した。
>さらに、産地の天候や為替レートで乱高下する。
>国内の飼料米生産が進めば、より質が高く安定した畜産が可能となる。
サンケイだから安倍ちゃんの提灯記事しか書かないけど,そんなに安く供給できるのか?が,課題。北陸辺りに飼料米の生産拠点を置く動きが出てこないかなー。。

減反廃止:飼料用頼みに危うさ 流通未整備、戸惑う農家
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20131127k0000m020133000c.html
毎日新聞2013年11月27日(水)00:57
 主食用米の生産量を国が各農家に割り当てる生産調整(減反)の廃止方針が正式に決まった。減反政策を本格導入した1970年以来のコメ政策の大転換で、生産者が自由に作る量を決める仕組みに移行。安倍晋三首相は「農家が自らの経営判断で作物を作れる農業を実現する」と強調した。環太平洋パートナーシップ協定(TPP)交渉で農産物の市場開放を迫られる中、農地集約と大規模化で、農業の競争力強化を目指す。一方、中小・零細農家の淘汰(とうた)も予想され、生産現場からは期待と戸惑いの声が上がっている。【中井正裕、横田愛】

 「主食用米の需要が減るなか、生産を続けていけるのか疑問だった」。コメ政策の見直し案を了承した25日の自民党の農林関係合同会議で出席議員から評価の声が上がった。

 政府の新たなコメ政策は、主食用米の生産量目標をなくす▽2014年度から主食用米の一律補助金を今の半分の7500円に減らす▽飼料・加工用米の転作補助金を最大年10万5000円(現行8万円)に増やす−−のが柱。転作を促すことで、主食用米の作りすぎによる米価急落を防ぐ。農地の環境保全などを支援する交付金「日本型直接支払い」も来年度に新設する。

 農林水産省によると、主食用米の約1割が飼料用米に切り替わった場合、全国の平均的な農業集落(耕地面積34ヘクタール)の所得は、主食用米部分では420万円から305.5万円に減る。逆に、飼料用米を含めた転作作物の収入が増加。日本型直接支払いを含めると、平均的な所得は今より約13%増える。「飼料用米にまじめに取り組めば所得が上がる」(自民党農林族議員)仕組みを用意し、減反廃止の環境を整える。

 だが、群馬県太田市の農家、天笠淳家(じゅんや)さん(41)は「銘柄米が少ない地域は、飼料用米の作付けに流れるだろうが、飼料工場などが整っていない」と懸念する。日本の飼料工場は、米豪からの原材料を運び入れやすい太平洋側に集中し、秋田、山形両県や北陸地方などの17都府県にはない。天笠さんは「急なかじ取りでは現場がついていけない」と話す。

 「飼料用米を増産しても、買い手はいるのか」。25日の自民党の合同会議に出席した議員からは「飼料用米頼み」の改革を不安視する声も相次いだ。

 また政府は来年度から、米価下落に伴う農家の減収を全額補填(ほてん)する制度を廃止し、生産者の拠出を前提に減収の9割を穴埋めする新制度に移行する。「収入保険」創設も検討する方針だが、制度設計はこれからだ。福井県越前市の農家、上嶋善一さん(62)は「安全網がなければ米価が下がった時の不安は解消しない」と語る。

 TPP交渉をにらみ、政府は「大きく強い農業経営」(林芳正農相)作りを急ぐ。だが、これまでの議論は補助金見直しが中心。競争力強化には、新規就農者を増やしたり、企業の参入を簡単にしたりするなどの規制改革も欠かせない。

 ◇経済界、成長に期待

 政府の新たなコメ政策について経済界は農業の成長産業化につながると評価している。大手企業の間でも地域農業との連携を探る動きが広がりそうだ。

 経団連はTPP交渉の妥結を見据えて、農業を国際競争力のある体質に変える必要性を訴えている。米倉弘昌会長も「農業問題は、コメの問題」としており、JAグループと連携し、コメの輸出拡大などで具体策を検討する方針だ。

 企業では農機大手のクボタが新潟や山形のコメ農家と提携し、香港やシンガポールへのコメ輸出に乗り出している。外食大手の吉野家ホールディングスも、牛丼用に使うコメの調達で福島県に地元農家と農業生産法人を設立。今後、減反廃止でコメを自由に作れるようになれば、企業の農業参入がさらに拡大する可能性がある。

1466とはずがたり:2013/11/27(水) 12:55:08

減反、半世紀ぶり転換 コメ政策「保護」から「競争」へ
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/business/snk20131127089.html
産経新聞2013年11月27日(水)07:57

 ■政府、新たな補助金で支援

 政府は26日、コメの生産調整(減反)を5年後をめどに廃止することを決め、減反の導入以来、約半世紀ぶりのコメ政策の大転換に乗り出した。コメ農家の保護を優先する農政から脱却し、農家に自由競争を促して農業を成長産業に育てるのが狙いだ。ただ、急速な政策転換についていけずに耕作を放棄する農家が続出する心配は拭えず、政府は新たな政策をどう「軟着陸」させるかが課題になる。(本田誠)

 「今回の決定は歴史的な転換だ。意欲と能力のある担い手に生産資源を集中して生産性をあげていく」

 甘利明経済再生担当相は同日の会見で今回の政策転換の意義をこう強調した。

 昭和45年に始まった減反はコメの作る量を減らして値段が下がらないようにし、コメ農家の生活を守る仕組みだ。自由にコメを作れないため、「農家のやる気をそぐ政策だ」との批判は常にあり、これまでも政府は段階的に見直してきた。民主党政権時代の平成22年度には、生産調整目標を達成できない場合の罰則を全面的に廃止し、農家に補助金を支払うことで減反に誘導する方式に変更した。

 それでも、抜本的な廃止にまで踏み込まなかったのは、選挙で農業票を失うことを恐れた与党の意向も大きい。

 今回の政策転換は、従来の政策を続けていては、国内農業がじり貧になるとの危機感がもはや無視できなくなるまで広がっていることを意味する。国内農業は、日本人の食生活の変化で減反を強化してもコメ消費の減少に追いつかない状態が続いている。農業従事者の平均年齢は65歳を超え、農家の数も250万戸とピーク時の半分以下に落ち込んだ。

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉の妥結をにらみ、海外から安い農産品が流入しても、対抗できる経営体力の強い大規模農家の育成が急務となっていることも今回の政策転換の背中を押した。

 減反廃止は、生産面積を広げて収益を上げたい農家には追い風になる。さらに政府は都道府県ごとに新設する「農地中間管理機構」に、狭い農地を集め意欲ある農家や企業に貸し出す仲介役を担わせる計画だ。

 ただ、コメの生産量の枠に縛られなくなった結果、農家がコメを作りすぎて価格が暴落する懸念は強い。政府は農家に適正な生産量を決定してもらうため、参考となる需給見通しを示す方針。

 加えて、これまでコメ生産の中心だった主食用米から需要増が期待できる飼料用米などへの転作を促す補助金も拡充する。

 農地の大規模化が難しい山間地や高齢の零細農家が減反廃止で打撃を受ける恐れも否めない。政府が農地保全を目的に新たな補助金「日本型直接支払い」を創設するのもこのためだ。

 農林水産省は補助金の見直し後、農業で生計を立てている世帯が多い集落の所得が全国平均で13%増えるとの試算を示しているが、これは飼料用米の生産が大幅に増えることが前提だ。山間地の農家の中には飼料用米の工場が近くになく、転作が難しい状況もある。

 今回の政策転換がかえって国内農業の土台を崩す結果とならないよう政府は今後、生産現場の動向を慎重に見極めていく必要がある。

1467とはずがたり:2013/11/27(水) 12:55:57

減反廃止:飼料・米粉用に転作促す 所得は13%増と試算
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20131126k0000m020084000c.html
毎日新聞2013年11月26日(火)00:33

 政府が25日、自民党の了承を得て固めたコメの生産調整(減反)廃止に向けた農家への補助金見直し案は、転作補助金の増額と、農地の維持を目的とした「日本型直接支払い」の新設が柱だ。政府はこの補助金改革でコメ農家に主食用米から飼料用米や米粉用米への転作などを促し、農家の体質強化を目指す。農水省は、全国の平均的な農業集落(耕地面積34ヘクタール)では、主食用米の1割が飼料用米に移行することなどで前年度より農村所得が13%向上すると試算している。【中井正裕、横田愛】

 政府・農水省が補助金見直し案を提示した25日の自民党の農林関係合同部会の会合では、補助金の水準に異論が出て、一部上積みされた。飼料用米と米粉用米の転作補助金は面積当たりの収穫量に応じて下限5万5000円、上限10万5000円を支払うと設定。また、自治体が指定する作物の補助金単価を上乗せできる「産地交付金」も増額する。

 政府は2018年度をめどに、主食用米の生産量を抑えて価格を維持する減反を廃止する方針。今回の転作補助金拡充でコメ農家が主食用米からの飼料用米や米粉用米に移行するかどうかが減反廃止のカギとなる。

 一方、来年度に新設する「日本型直接支払い」は、農道の草刈りや水路の泥上げなど農業者の共同活動に補助金を支払う「農地維持支払い」と、農村の環境保全など共同活動を支援する「資源向上支払い」の2種類の補助金で構成。

 「農地維持支払い」の都府県の10アール当たり単価は、水田3000円▽畑2000円▽草地250円。「資源向上支払い」の都府県の10アール当たり単価は水田2400円▽畑1440円▽草地240円。両方の支払いを受けた場合の補助金単価は、水田で計5400円、畑で計3440円となる。規模拡大が進む北海道の単価はいずれの支払いも3〜8割減額する。日本型直接支払いの財源は国が90%、都道府県が6%、市町村が4%を負担する方向で調整している。

 今回の補助金改革の背景には減反廃止を急ぐ安倍官邸の強い意向があり、自民党農林族は守勢に立たされた。党農業基本政策検討プロジェクトチームの宮腰光寛座長は了承した理由について「主食用米の需要が減少の一途をたどるなか、それに代わるコメを生産することが水田を維持し、農村を守ることにつながる」と語った。

 災害防止や生態系維持、農村の文化継承など農地の多面的機能に着目し、農地を維持する活動に補助金を支払う制度。自民党が昨年の衆院選公約で掲げた。水田、畑、草地それぞれに面積当たりの補助金単価を設定し、活動集落の耕作面積に応じて補助金が交付される。農村集落が農地維持に向けて市町村と協定を結ぶことが補助金支給の条件。日本型直接支払いは「農地維持支払い」と「資源向上支払い」の2種類の補助金で構成。「農地維持支払い」は農家の経営支援が目的で、農道の草刈りや水路の泥上げなど農業者の共同活動に補助金を出す。「資源向上支払い」は農村集落維持が目的で、現行の「農地・水保全管理支払い」を衣替えし、景観維持など農村の幅広い共同活動を補助する。

1468とはずがたり:2013/11/27(水) 12:56:27

コメ政策見直し 小規模農家、営農断念も 山形県影響分析
http://news.goo.ne.jp/article/kahoku/politics/kahoku_K201311260A0EA0XX00002_212125.html
河北新報2013年11月26日(火)06:10

 生産調整(減反)廃止を柱とする政府のコメ政策見直しで、山形県は25日、主食用米を生産する県内農家のうち「小規模農家は営農断念が多くなる」と影響を分析し、飼料用米などの生産を増やす支援策案を公表した。
 山形市であった県と農業団体、県市長会などでつくる米政策見直しプロジェクトチーム(PT)の会議で明らかにした。
 減反廃止に伴い、大規模農家は主食用米の生産拡大に向かうか、主食用米以外で収益確保を目指すか、対応は二極化すると分析。果樹との複合経営が多い中規模農家の場合は、集落営農への移行や離農なども含め、将来像は分かれると指摘した。
 支援策案では、政府が情報提供する需給見通しに基づき、コメの生産調整を継続する方針を盛り込んだ。主食用米は輸出の促進やブランド化戦略を強化する。飼料用米は輸送費の補助を検討し、地産地消を推進するとした。
 県米穀集荷協同組合の菊地芳和常務理事は意見交換で「コメを作っても仕方ないと思う農家と、もっとコメが作れると思う農家が現れる」と強調。県農協中央会の大武義孝農業振興推進室長は「需給と価格の安定は生産者、消費者ともに必要なこと」と述べ、生産調整の維持方針を評価した。
 オブザーバー出席した東北農政局の小林郁雄企画調整室長は「(減反参加の)交付金を減額し、その財源で、農地維持などの地域政策を手厚くする。予算の組み替えであり、良い政策はそのまま続く」と理解を求めた。

1469とはずがたり:2013/11/27(水) 13:01:31
>各農家の生産量が抑制されるため、価格の高い銘柄米の生産が優先され、コメ生産量はコシヒカリだけで全体の4割を占める。
>逆に主食用米の需要の3分の1を占める中食・外食業界向けの業務用米の生産拡大は鈍い。
>12年産の業務用米の価格が上昇した結果、中食・外食業界ではコメの使用量を減らしたり米国産米を利用したりする動きが拡大。
>コメ農家を守るはずの減反政策が国産米の消費減少を引き起こしている。

減反廃止:大規模化阻んだ40年 銘柄米偏重、消費減招く
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/business/20131127k0000m020134000c.html
毎日新聞2013年11月27日(水)00:59

 減反政策は、主食用米の生産量を抑制して価格を維持することで、コメ農家の経営を守ってきた。一方、米価を維持し、零細・兼業農家を保護したことが、農家の規模拡大を遅らせることにつながった。消費者のコメ離れが進むなか、特定の銘柄米に生産が偏り、中食・外食産業向けの業務用米の高騰につながるなどコメ市場のゆがみも生んだ。

 減反政策は1970年に本格導入された。戦後のコメ増産や食の多様化で60年代後半にコメ余りに転じ、余剰米の処理に巨額の財政負担が生じたことが契機となった。減反を達成できない地域は、農地整備事業を後回しにされたり、翌年の減反面積を増やされたりするペナルティーが設けられた。ペナルティーは2010年度に廃止されたが、過去の減反上乗せ分は、現在の生産量目標の割り当てにも影響を残している。

 また、機械化や化学肥料の普及でコメ生産に手間が掛からなくなったことで、コメ農家の兼業化が進んだ。現在、主要農産品では専業農家の占める割合が7〜9割だが、コメは4割。稲作は10〜15ヘクタール規模の生産効率が最も高いとされるが、コメ農家の平均耕作面積は約1ヘクタールにすぎない。

 各農家の生産量が抑制されるため、価格の高い銘柄米の生産が優先され、コメ生産量はコシヒカリだけで全体の4割を占める。逆に主食用米の需要の3分の1を占める中食・外食業界向けの業務用米の生産拡大は鈍い。12年産の業務用米の価格が上昇した結果、中食・外食業界ではコメの使用量を減らしたり米国産米を利用したりする動きが拡大。コメ農家を守るはずの減反政策が国産米の消費減少を引き起こしている。

 自民党が政権転落する前の08〜09年、石破茂農相(当時)は減反の「選択制」を検討した。農地の大規模化による競争を押し進める試みだったが、自民党農林族の反発で頓挫。だが、日本人のコメ消費量は過去50年間で半減、主食米の需要はさらに毎年平均8万トン減り続けている。減反政策を継続しても、日本農業が強くなる可能性はほとんどなかった。

1471とはずがたり:2013/11/28(木) 19:05:35

TPP「聖域」ゼロで日本の「主食」が崩壊する?
http://dot.asahi.com/news/domestic/2013103000049.html
(更新 2013/10/31 07:00)

 年内の合意をめざすTPP(環太平洋経済連携協定)の交渉が佳境を迎えた。自民党は当初、農産物の「重要5項目」を守ると言い続けてきたが、最近は譲歩しそうな雰囲気も漂う。この「聖域」の関税がなくなっても、農業は大丈夫なのか。日本にどんな影響を及ぼすのか。「聖域」をすべて守った場合と、すべて関税ゼロになった場合について、関西大学の高増明教授(国際経済学)に試算をしてもらった。

 最も衝撃的だったのは、関税をゼロにすると、生産額で「コメ」が77.76%減、「小麦」も76.42%減となることだ。主食の「壊滅」と言えよう。コメで見れば、いま関税は最大で778%かかっている。これがゼロになってしまっては、人件費が割安な新興国や、農地が広く機械化が進んだ米国などからの低価格の輸入米と互角に渡り合うのは難しいだろう。その証拠に、試算では米国のコメ生産額が2倍以上に増えた。

 その半面、「聖域」をすべて守れば、日本の農林水産業が受ける負の影響は微々たるものになる。最大でも「その他農産物」のマイナス1.92%だ。米国の変化も小さい。

 そして、政府の試算だ。たとえばコメの減少率について比べると、政府はマイナス32%として、悪影響は高増教授の半分以下だと見ていることがわかる。逆に、小麦などその他の項目は政府試算のほうが悪い結果を予測する。

 この違いは、高増教授が貿易の分析で一般的に使われるデータを用いたのに対し、政府試算の「農林水産物」は、農林水産省が算出した独自の減少額を計算式に組み込んでいるからだ。ともあれ、日本の農業は、規模拡大などでTPPに耐えられるようになるのか。東京大学大学院の鈴木宣弘教授(農業経済学)はこう予測する。

「コメ、小麦、サトウキビなどは土地の広さが値段に直結します。日本で最も強い生産力を持つ北海道で40ヘクタールの畑作をしても、1万ヘクタールの西オーストラリアと関税ゼロで競争しては、勝ち目はありません」

※週刊朝日 2013年11月8日号

1472とはずがたり:2013/11/29(金) 17:17:49
「キノコをたどって4」(11/29朝日夕刊より)

ドクツルタケ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%82%AF%E3%83%84%E3%83%AB%E3%82%BF%E3%82%B1

一命を取り留めた人によると味はいいそう,とのこと。
発症するのは時間をおいてから。内臓が壊死する。解毒剤無し。

スギヒラタケ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AE%E3%83%92%E3%83%A9%E3%82%BF%E3%82%B1

かつては図鑑に食用と書かれていたが,2004年秋,秋田や山形県で急性脳症になるケースが相次ぎ19人が亡くなった。
ラットに腎臓を損ねたスギヒラタケを与えた結果,脳症以前に横紋筋融解症(発症メカニズム自体が未解明)を発症した。

横紋筋融解症
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%AA%E7%B4%8B%E7%AD%8B%E8%9E%8D%E8%A7%A3%E7%97%87

ニセクロハツ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8B%E3%82%BB%E3%82%AF%E3%83%AD%E3%83%8F%E3%83%84
橋本貴美子京都薬科大学准教授、中田雅也慶應義塾大学教授らにより、シクロプロペン誘導体の2-シクロプロペンカルボン酸(Cycloprop-2-ene carboxylic acid)が骨格筋の組織を溶解し、その溶解物が臓器に障害を与えることが判明した[2]。この物質は、有機性の生物毒の中では分子構造が最小の物質だという。

ニセクロハツの被害は西日本に集中していた。東日本でニセクロハツとして採取していたのは別種であった。

日本にあると見られるキノコは約1万種類。この内名前が付いているのは精々2〜3千種。

1473とはずがたり:2013/11/30(土) 14:45:58
【企業特集】富士通
半導体再編に続く試練
携帯電話が巨額赤字に転落
http://diamond.jp/articles/-/44984?page=5

キャベツの収穫量が30%アップ!
農業クラウドで新規顧客を掘り起こせ

宮崎県都城市で農業を営む新福青果の新福秀秋社長は、農業の効率化に長年、頭を悩ませていた。23歳のときに大手化学メーカーの会社員から転身し、実家の農家を継いだ。のどかな田園での暮らしを思い描いていたが、現実は甘くなかった。農家に休日はなく、脱サラ時に決めた「月に1度、ドライブか旅行にいく」という約束が守れないまま、妻はこの世を去った。

なぜ、ほかの産業では当たり前のことが農業ではできないのか。まず取り組んだのが、規模の拡大と法人化だった。近隣の農地を借りて収穫量を増やすとともに、従業員を雇うことで家族農業から脱却。定期的な休みを取れるなど、「会社員ならば当たり前」の就労環境の整備に力を入れた。

だが、手がける畑の数が増えるにつれ、管理にかかわる作業は膨大に増えていった。

畑は同じ作物を続けて植えると、土地が痩せたり病虫害が発生して収量が下がるため、栽培する作物を変えたり、休ませたりする必要がある。また、種まき、水やり、雑草取りなど、どの畑で何をやったのかという日々の作業や、成長していく作物の状態を記録しなければ、従業員に翌日の指示もできない。

とりわけ手痛いのが収穫忘れで、つぎ込んだ費用も手間がすべて無駄になる。「頭のなかで把握できる量には限界がある。畑の数が50を超えたとき、2か所で収穫忘れをしたこともあった」と新福社長は苦笑いしながら振り返る。

ひとまずパソコンの表計算ソフトで管理を始めてみたものの、約350ある畑一つ一つの日々の作業を記録するだけで、2、3時間はかかっていた。農作業後のこの仕事は、重荷だった。

すべての畑を効率よく生かすには、ITを活用するしかない――。そう考えて導入したのが富士通の農業クラウドだ。農業にITを組み合わせると、いったいなにが変わるのか。

新福青果の従業員たちは今、GPS付きスマートフォンを持ち歩いている。担当する畑に入ると、「13時20分、8番の畑で作業開始しました」といった具合に、どの畑で作業をしたかが自動で保存される仕組みになっている。従業員は畑に入るとまず、作物の状態をスマホのカメラでパチリ。手のひらと作物を並べて画面に収めることがコツといい、育った作物の大きさを把握するためなのだという。

作物を撮影して共有することで、初心者を育成する手間も減った。例えば、従業員がある畑のキャベツの色が薄いなど、異変を感じたとしよう。対処すべき異常なのか、それとも自然の変化なのか判断できない場合、これまではベテランがその畑まで行く必要があった。しかも、異変の報告もすべての畑作業が終わった後になるため対処は翌日以降になり、見落としてしまうこともあった。これが、即座に判断できるようになった。

また、畑近くに設置したセンサーが、気温や畑の土中の温度、水分量などを自動で記録してくれる。

こうして日々の畑の管理にかかわる作業は大幅に減ったが、効果はそれだけではない。作物を畑に植える日から収穫する日までを正確に管理することで、畑の活用が効率的になり、キャベツの収量は導入前と比べ約3割増えたという。「農業の作業管理の手間が10分の1になり、収穫忘れなどのミスも減った。初心者でも栽培に失敗しない、便利な世の中になった」と新福社長は顔をほころばせる。

農業クラウドを導入している農家の数はまだ多くないが、富士通イノベーションビジネス推進本部の深谷朋昭シニアマネージャによると、流通大手や食品加工会社などが興味を示しているという。直営農場から大量に農作物を仕入れる買い手にとって、定時、定量、定品質、定価格が期待できることが魅力に映っているのだという。

2013年度のクラウドビジネスの売上高の目標3000億円を掲げる富士通。富士通サービスビジネス本部の佐藤直人部長は「データセンターのクラウドのサービスは前年比200%〜300%で急成長中だ。既存の顧客にクラウドの活用を提案することがまだまだ主流だが、農業のような富士通の顧客がいない分野で、新しい活用法を生み出したい」と話している。

1474とはずがたり:2013/12/03(火) 21:13:23

TPP、国会決議に沿い交渉=安倍首相がJA全中会長に
http://www.jiji.com/jc/c?g=eco&k=2013120300702

全国農業協同組合中央会の万歳章会長(左)からTPPに関する緊急要請書を受け取る安倍晋三首相=3日午後、首相官邸

 安倍晋三首相は3日、首相官邸で全国農業協同組合中央会(JA全中)の万歳章会長と面会した。万歳会長は環太平洋連携協定(TPP)交渉に関し、重要農産物5項目の関税撤廃に応じないことを求めた衆参両院や自民党の決議を守るよう要請。安倍首相は「決議に沿って交渉していく」と応じたという。
 会談後、万歳会長は報道陣の取材に応じ、「政治は信頼であり、私は(首相を)信頼していると申し上げた」と述べた。(2013/12/03-18:33)

1475旧ホントは社民支持@鹿児島市:2013/12/05(木) 19:19:57
甘利氏、早期の舌がん TPP閣僚会合欠席へ
http://www.asahi.com/articles/TKY201312050258.html?ref=com_top6_1st
 甘利明経済再生相は5日夕、東京都内で記者会見し、医師から早期の舌がんと診断されたことを明らかにした。7日からシンガポールで開かれる環太平洋経済連携協定(TPP)の閣僚会合を欠席することも表明。閣僚は辞任せず、当面は治療に専念するとしている。
 安倍政権はTPP閣僚会合に、甘利氏の代わりに内閣府の西村康稔副大臣を派遣する。
 甘利氏は2日に体調不良で検査入院。検査の結果、舌がんと診断されたという。甘利氏によると、安倍晋三首相に辞意を伝えたものの慰留され、受け入れた。早ければ来週にも手術し、公務復帰の見通しは3〜4週間後としている。

1476とはずがたり:2013/12/12(木) 16:45:12

「無花粉」のヒノキ、神奈川・秦野市で発見
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20131211-OYT1T00238.htm?from=blist

神奈川県秦野市で見つかった無花粉ヒノキをもとに、挿し木で育てた苗木(10日、横浜市の神奈川県庁で)
 神奈川県は10日、花粉の出ない「無花粉ヒノキ」を同県秦野市の山林で発見したと発表した。

 突然変異で正常な花粉ができない個体とみられる。県によると、無花粉スギは1992年に富山県で発見されたが、ヒノキでは全国初という。県は挿し木で苗木を育てて普及させ、花粉症対策に役立てる方針だ。

 県自然環境保全センターが2011年から4074本のヒノキを調べ、昨年4月に無花粉ヒノキ(推定樹齢約40年、高さ約10メートル)を発見した。花粉のもとになる細胞が不均一で正常な花粉ができないという。11月に東京都内で開かれた森林遺伝育種学会で、専門家によって確認された。

 同センターは現在、約30本の苗木を育てており、4、5年後の品種登録を目指す。

(2013年12月11日14時27分 読売新聞)

1477とはずがたり:2013/12/12(木) 16:45:28


東京五輪と減反なしで…危機感あらわな過疎の町
http://www.yomiuri.co.jp/olympic/2020/politics/20131212-OYT1T00500.htm?from=y10

 「減反なし」と東京五輪が重なると、地方は過疎化に拍車がかかる?

 魚沼産コシヒカリの生産地、新潟県津南町の上村憲司町長は、11日の町議会一般質問でそんな危機感を披露した。

 2018年度をめどにコメの生産調整(減反)を廃止する国の農業強化策が決まり、町の農業への影響を問われた上村町長は「集約化しにくい地域ではコメ作りは厳しい状況になるだろう。山間地域農業に大きな影響が出る」と述べた。

 その上で、「20年の東京五輪開催(の準備)と減反廃止が同時期に進む。1970年に減反政策が始まり、その前の64年に東京五輪が行われたが、津南町では60〜70年の人口流出が最も激しかった。(同じことが起きるという)危機感として意識が出なければいいなと思う」と述べた。

(2013年12月12日15時52分 読売新聞)

1478チバQ:2013/12/12(木) 21:19:20
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1131/20131211_01.htm
産地間競争、戦略急ぐ/(上)地方の焦燥/飼料米転換に戸惑い

新たなコメ政策が発表された翌日、山形県は市町村などと飼料用米増産に向けた課題を話し合った=11月27日、山形市


 政府は40年以上続いたコメの生産調整(減反)を5年後をめどに廃止する方針を決め、歴史的な農政転換に踏み出した。安倍晋三首相は農業再生を成長戦略の柱に位置付け、「攻めの農政」に突き進む。保護から競争へ。政策の急旋回に翻弄(ほんろう)され、戦略の練り直しを迫られる東北の農政関係者の動きを追った。(報道部・小木曽崇、山形総局・長谷美龍蔵、東京支社・門田一徳)

<一足早く対応>
 政府が飼料用米への作付け転換を促す新コメ政策を発表する約2週間前。山形市内で11月11日、山形県内の農業関係者と県が、激しい議論を戦わせた。
 「対応にスピード感があるのは結構だが、いささか性急すぎる」
 「決まってから動くのでは遅い。山形県は一歩先を行く」
 飼料用米の増産にどう取り組むか。先走る県の姿勢に戸惑う農協や自治体担当者らに対し、地域間競争を見据える県は譲らなかった。
 コメ政策の見直し方針が急浮上したのは10月下旬。県はそれから約2週間後に、農業関係者を巻き込んだプロジェクトチームを設け、フライング気味に議論を始めた。
 新コメ政策の正式公表を受け、県はさらに議論を加速させた。
 「生産者が飼料用米の販売先を探すのは困難」「種子は十分に確保できるのか」。同27日に山形市内であった会合で、不安を口にする市町村担当者に対し、県は「開拓した需要先に飼料用米を提供できるよう、種子は十分に調達できる」と力を込めた。
 13年産主食用米の国内作付面積は152万2000ヘクタール。これに対し、飼料用米は2万1802ヘクタールにすぎない。市場拡大は見込めるが、当面の需要は限られる。販路や種子確保に向けた産地間の競争が、静かに幕を開けた。

<負担増の懸念>
 新たな交付金の財源をめぐる国と地方のせめぎ合いも始まった。
 「東日本大震災からの復興に取り組む県の財政は厳しい」。村井嘉浩宮城県知事は11月下旬、農林水産省で林芳正農相と会い、農地を守る活動を支援する「日本型直接支払い」の財源を全額国費とするよう求めた。
 政府は、半額を地方負担とする方向で検討を進める。地方の負担分は地方交付税措置する方針を打ち出すが、村井知事は「県拠出分が本当に措置されるか分からない」と警戒を緩めない。

<農協は危機感>
 農協グループは、首相官邸が突如仕掛けた「減反廃止」論争で、防戦一方だった。
 新コメ政策の公表直後、宮城県農協中央会の菅原章夫会長は「突然の話で現場は混乱している。補助金の減額は打撃だ」と苦悩をにじませた。
 競争激化で地域間格差が生じないような制度設計に望みをつなぎ、県中央会幹部は県選出国会議員への陳情を繰り返す。12月3日の要請活動では「環太平洋連携協定(TPP)とコメ政策で往復ビンタを食らった」と恨み節が漏れた。
 減反廃止まで5年。農協が従来の存在感を維持できるかどうか。「巨艦」の危機意識は強い。


2013年12月10日火曜日

1479チバQ:2013/12/12(木) 21:19:50
http://www.kahoku.co.jp/spe/spe_sys1131/20131211_02.htm
官邸主導、抵抗及ばず/(下)農林族の悲哀/重鎮去り発言力低下

生産調整の廃止方針などが議論された自民党の農林関係合同会議=11月25日、自民党本部


<議員は総攻撃>
 「所得倍増と言いながら、定額補助金を半減させる。この乖離(かいり)を農家にどう説明するのか」「地元に戻ると自民党は農業を捨てたと言われる」
 11月20日、自民党本部であった農林関係合同会議。コメの生産調整(減反)の参加農家に支給する10アール当たり1万5000円の定額補助金を半減する政府案に、「農林族」と呼ばれる議員たちは総攻撃を仕掛けた。
 幹部は「来週には首相に上げなければならない」と訴え、早期決着が安倍晋三首相の強い意向であることをにじませた。議論は荒れ、結論は同月25日に持ち越された。
 2018年をめどとした減反廃止方針と補助見直しが党に初めて知らされたのは10月31日。農政の大転換は官邸主導で周到に進められた。同日の合同会議の段階で大勢は決しており、農林族は抵抗のすべすらなかった。
 「10月31日の会合で反発がなかったことで財務省につけ込まれた」。元農水官僚の鈴木憲和衆院議員(山形2区)は振り返る。11月20日の会議の混乱は「議員が声を上げ、農水省が予算積み上げ交渉をしやすくする」(鈴木氏)という農林族の「演出」だった。

<消費者を重視>
 安倍政権はことし5月、今後10年間で農業所得を倍増させる方針を打ち出した。その道筋が明らかになるにつれ、農林族に突き付けられたのは、環太平洋連携協定(TPP)締結を見据えた保護農政からの脱却だった。
 自民党の農林族は、加藤紘一元衆院議員ら重鎮が次々と政界を去り、存在感の低下が著しい。合同会議の中堅議員は今回、反対議員の説得に回った。「首相の意向を意識した出世争い」(東北の議員)の様相を呈した。
 政策転換の影響が直撃する東北の農林族は1期目の若手が多く、発言力は乏しい。1次産業従事者の割合は1割を切り、農業票だけでは戦えない現実もある。
 数少ないベテランの一人の岸宏一参院議員(山形選挙区)は「農家より消費者を意識する都市型議員が増えた」と農村の代弁者の減少を嘆く。

<農家、蚊帳の外>
 党の合同会議は11月25日、仕切り直しの会合を開き、減反補助金の半減を了承した。「聖域」と言われた米価維持システムは、あっけなく崩れた。農林族が勝ち取った成果は、飼料用米の補助金上積みなど限定的だった。
 一連の議論の期間はわずか1カ月。蚊帳の外に置かれた農家は不満を募らせる。農水省で28日にあった審議会で農家代表の委員は「首相の言う『攻めの農政』とは、農家を責める農政か」と不信感をあらわにした。
 政府は間もなく、2014年度予算編成を本格化させる。金田勝年衆院議員(秋田2区)は「今回の決定は後々の選挙でじわじわ効いてくる。何としても農業予算を上積みしないといけない」と危機感をにじませた。


2013年12月11日水曜日

1480とはずがたり:2013/12/15(日) 16:03:25

日本の漁業は崖っぷち» 著者・コラム紹介
「魚がいても獲らない」
漁業先進国・ノルウェー
漁獲枠が大きすぎる日本
2013年12月02日(Mon)  片野 歩 (水産会社 海外買付担当)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3390

1481とはずがたり:2013/12/28(土) 10:42:00

農地バンク法が可決・成立
http://ameblo.jp/datsugenpatsu1208/entry-11729062292.html?fb_action_ids=558243154266360&fb_action_types=og.likes&fb_source=aggregation&fb_aggregation_id=288381481237582
2013-12-14 14:06:20

これだけでなく、先日上田のワークショップに参加した友人から「自家採取をやめるように行政から指導があった」との情報が入りました。

ご存じのように長野は自然農や有機農法の実践地も多く、安曇野ではシードバンクもあります
隣の北杜市では今年第8回GMOフリーゾーン全国交流会http://www.seikatsuclub.coop/activity/20130415.htmlも開かれています

アメリカにはFood Safety Modernization Actがあり、最初は全面的に(家庭菜園も含む)自家採種、販売を禁止するものでした
罰則は懲役10年です

しかし、個人や小規模農家の団体が団結して反対したことで販売額 $500,000未満の場合には除外されるという修正がなされました。
もちろん大企業からは反論があったわけですが...

日本の現状ではアメリカのように小規模農家や個人が一致団結して大企業に対抗しうる弁護士もついた信頼できる「団体」やそこにつながるための「ネットワーク」も不在のように感じます。

このような状態で次々と前倒しで法律と行政指導を走らされたら
「除外」規定を盛り込むことすらできないかもしれません。


自家採種禁止について
http://ameblo.jp/seedonetto0831/entry-11185402699.html

2010年11月にアメリカでS510法案 FDA食品近代化法が可決されました。
この法案が可決された今、TPP加盟、ISD条項にも含まれるという話になるようです。
そうすると、TPPに加盟した段階で大きな問題が出てきます。

一つは、小規模農家(年収50万ドル以下)を除いて、安全な農産物を供給する為に、農薬や化学肥料を使いましょう。
また、遺伝子組み換え以外の種はクリーンではありません。特に自家採種するとクリーンな種にならないから自家採種も保存も禁止しましょう。

という法案です。TPPと一緒にこんな法案が付いてきてしまうとに大変なことになります。

TPP締結で「家庭菜園?有機栽培?自然食品?逮捕します!」となる可能性が非常に高い
http://ameblo.jp/sunamerio/entry-11514619605.html
2013年04月20日(土)

独立行政法人 種苗管理センター
http://www.ncss.go.jp/main/gyomu/hinsyuhogo/hinsyuhogoQandA.html

1482とはずがたり:2013/12/28(土) 10:50:15
キムチを調べていて白菜に辿り着いてたhttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/study/2246/1043561199/620-622けど,後輩のfacebookにあった自家採取禁止>>1481からも交雑性で辿り着いた。
>現在でも育種家の課題であるハクサイの強い交雑性が原因と考えられている

思いもしないところで繋がっているねぇ♪

ハクサイ
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%82%AF%E3%82%B5%E3%82%A4

ハクサイ(白菜、学名Brassica rapa var. pekinensis)はアブラナ科アブラナ属の二年生植物。日本では冬の野菜として好まれ、多く栽培・利用されている。
結球する印象が強いが、しない品種も多い。中国語では「大白菜」と「小白菜」に分かれるが、日本でいうハクサイは前者の一部に限られ、チンゲンサイやシロナなども含まれる。英語の“Chinese cabbage”も広く中国野菜を意味し、日本で言うハクサイは"Napa cabbage"・"Nappa cabbage"(napaやnappaは日本語の菜っ葉が語源)に相当する。

概要

原種であるブラッシカ・ラパは、紀元前の中国に伝わると栽培されるようになり、様々な野菜を生んだ。7世紀の揚州で、華北のカブ(アジア系)と、華南のパクチョイが交雑して生じた牛肚菘(ニウトウソン、本草図経にある)が、最初のハクサイと考えられている(一説に新石器時代からというが、これは疑問)。
当初は結球性が弱く、白菜(シロナ)に近かったと見られる。16〜18世紀に掛け結球性を持つものが現れ、品種改良が進んだ結果、今日見られるハクサイが生まれた。

日本での栽培
ハクサイは日本料理の食材として多用されているが、日本で結球種のハクサイが食べられるようになったのは、意外にも20世紀に入ってからである。江戸時代以前から日本には度々渡来したが、いずれも品種を保持できなかった。これは、現在でも育種家の課題であるハクサイの強い交雑性が原因と考えられている。アブラナ科の植物は、近縁他種の花粉で受粉し交雑種を作りやすい特徴を持ち、交雑によって生まれたハクサイは、特に継続した採種が困難だった。

1483とはずがたり:2013/12/28(土) 11:05:21
現在は駆逐された仙台白菜と仙台白菜が駆逐した三河島菜。更に三河島菜が仙台で見付かって東京で復活。

仙台白菜
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%99%BD%E8%8F%9C

1921年(大正10年)に名取郡長町青物市場(地図)の阿部太平が初めて東京市場に出荷した。1923年(大正12年)9月1日に大正関東地震(関東大震災)が発生すると、甚大な被害を受けた東京府(現・東京都)に向けて宮城県農会が鉄道貨車7両分の白菜を送り出した。ところで、それまで東京において漬け菜の主流は三河島菜だったが、当時の主産地である東京府北豊島郡尾久町(現・東京都荒川区)周辺に、同地震で甚大な被害を受けた東京府東京市から移住者が殺到して急速に市街地化が進行した。すると、三河島菜の栽培地が宅地に取って代わられて減少し、その一方で仙台白菜が東京に大量移入される事態が同期して、漬け菜の主流は三河島菜から白菜へと変化した。仙台白菜は全国的に普及し、1932年(昭和7年)には貨車5068両で161万6353俵が県外に送り出された。

仙台白菜の全盛期は第2次世界大戦の前までである。戦時中に交雑のせいで品種が劣化し、復活は戦後占領期の1951年(昭和26年)になった。その頃には他の品種が登場し、仙台白菜は栽培が難しい、柔らかくて傷がつきやすいといった理由で敬遠され、市場から消えてしまった。

仙台白菜画像
https://www.google.co.jp/search?q=%E4%BB%99%E5%8F%B0%E7%99%BD%E8%8F%9C&espv=210&es_sm=122&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=HC--UtCBG5DckgWPsICoAw&ved=0CDoQsAQ&biw=1600&bih=774


「芭蕉菜」の名で残っていた
三河島菜(青茎) あおくきみかわしまな
http://noguchiseed.com/hanbai/tane/shosai/1430.html

江戸時代、荒川区三河島で誕生したが昭和初期に絶滅。仙台藩の足軽が、種子を江戸から仙台に持ち帰り「仙台芭蕉菜」として残っていた。

荒川区街の話題あれこれ
荒川区の伝統野菜「三河島菜」の復活へ
「三河島菜」の復活お手伝い
http://www.senjyu-machiya-chintai.com/blog/pg121.html

 絶滅したと思われていた荒川区ゆかりの伝統野草「三河島菜」の再興を目指し、区立尾久宮前小の児童が21日、市民グループ「江戸東京・伝統野菜研究会」の指導で、校庭の畑に種をまいた。
 三河島菜は江戸時代初期に名付けられたといわれ、葉は長さ60㎝にまで育つ。
 漬物に使われてきたが、ハクサイに押されて昭和の初めごろには作られなくなってしまった。
 種もなくなったと考えられてきたが、3年前に研究会の大竹道茂代表(68)が調べると、宮城県で今も作られている伝統野菜「仙台芭蕉菜」と同じだと分かった。江戸時代に伊達藩の足軽が、江戸から持ち帰ったものだという。
種を取り寄せ、研究会会員の農業、宮寺光政さん(63)が小平市の畑で栽培。そこで採れた種を使い、昨年から尾qs久宮前小でも栽培を始めた。
 この日は4年生31人が1人5粒ずつ種をまいた。宮寺さんは、水やりや間引きの仕方などを説明。平野杏美さん(9つ)は「枯れさせないよう、きちんと育てていきたい」と話した。
収穫は11月半ばから12月ごろ。
担任の藤塚真理絵教諭は「夏休みの宿題で、全員が三河島菜を使った料理を考えてきた」と収穫後を楽しみにする。区内のほかの小中学校でも、宮寺さんが作った三河島菜が給食に出る予定という。

1484とはずがたり:2013/12/28(土) 11:05:43

[東京菜時記] 三河島菜 30分で完売
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo23/news/20131222-OYT8T00050.htm

三河島菜30分で完売 荒川区ゆかりの江戸東京野菜「三河島菜(みかわしまな)」の販売会が21日、JR日暮里駅前広場(同区西日暮里)で開かれた。用意した172袋の三河島菜は30分で完売する盛況ぶりだった。

 三河島菜は冬の葉物野菜で、江戸初期に三河国からこの地域に伝わったとされる。今回、区が栽培を都立農産高校(葛飾区)に依頼し、園芸デザイン科の1年生が育ててきた。

 販売会は地元商店会の物産イベントで実施。ブースを設け、同校生徒が200グラム(100円)と400グラム(200円)の2種類を販売した。午前10時15分の開始前から約40人の行列ができた。1人で複数購入する人もいて、同45分には完売した。

 荒川区は三河島菜を観光資源としてPR中だ。来年1月27日から5日間、区役所食堂で特別メニューを提供する。区内の複数の飲食店でも開発中という。

(2013年12月22日 読売新聞)

「三河島菜」食べてみて…都立農産高生が生産
21日、日暮里駅前でPR
http://www.yomiuri.co.jp/gourmet/news/business/20131217-OYT8T00276.htm?from=popin

 東京都荒川区ゆかりの江戸東京野菜「三河島菜みかわしまな」をPRするイベントが21日午前10時から、同区のJR日暮里駅東口駅前広場で開かれる。

 都立農産高校(葛飾区)の生徒が育てた三河島菜は当日、生徒が販売も行う。

 三河島菜はアブラナ科の葉物で、江戸初期に三河国(愛知県)から伝わったとされる。全長30〜40センチで、大きいものでは1メートル近くになる。白菜のような結球はせず、緑の葉が外に張り出すのが特徴。明治以降は白菜に押されて姿を消した。

 荒川区は地域教育や区のPRの道具として三河島菜に着目し、2年前から区立小学校での栽培や料理教室を行ってきた。農産高には昨年に栽培を依頼し、今年度から本格的に取り組みが始まった。園芸デザイン科の1年生が10月上旬に種まきをし、約800株を栽培した。

 イベントでは、三河島菜を200グラム100円で販売する。収穫はこれからだが、100セット程度を用意する見込みで売り切れ次第、終了となる。「三河島菜のすいとん」「ピザ」など区立尾久宮前小の児童が考えた料理レシピも配布する。問い合わせは区観光振興課(03・3802・3111)へ。

(2013年12月17日 読売新聞)

1485とはずがたり:2013/12/28(土) 11:06:57
そういえばおかんがいってたけど,小松菜も東京の(首都高小松川線の)小松だそうな。

壬生菜は京都の壬生か?

1486荷主研究者:2013/12/29(日) 00:31:03

http://www.at-s.com/news/detail/861928531.html
2013/12/3 15:14 静岡新聞
静岡県産ミカン、好スタート 他産地品薄追い風

今季販売の出足が好調な県産わせミカン=11月上旬、浜松市北区のJAみっかび柑橘選果場

 今季の県内産ミカンは、販売の出足が好調だ。出荷を終えた極わせ品種は前年に比べて「数量増・単価高」傾向で、わせ品種も同様に推移する。他県産地からの供給量が予想を下回るとみられ、本県産への需要が高まりそうだ。主力の「青島」販売が16日に迫り、生産者は収益増に期待を寄せる。

 「極わせ、わせと良い流れで来ている。青島も高単価を望みたい」。竹平智範三ケ日町柑橘出荷組合長(57)=浜松市北区=は、主力品種の出荷を目前に控え、期待感を強めている。

 JA静岡経済連によると、今季の県内産極わせミカンは数量(2932トン)、1キロ当たり単価(183円)とも前年実績を約20%上回った。わせも、数量は微増ながら単価は約10%高とまずまずの出足となっている。

 ことしは全国的に生産量の多い「表年」の一方、本県は数量が少ない「裏年」に当たる。だが、「他県産地の一部は果実の傷みが目立ち、数量を下方修正した」(経済連柑橘果樹課)という。

 経済連は改植などを推奨し、表年と裏年の数量格差是正に取り組んできた。本県は5年前から、5万?5万5千トンの計画的な出荷実績を続けている。

 今年は夏の高温、干ばつで小玉化などが懸念されたが、久野一彦課長は「果実は大きく、糖度、酸度のバランスも絶妙で食味が良い。青島らしい仕上がり」と品質の高さも強調する。

 11月28日に静岡市で開かれた販売対策会議では、年明け販売が主力の県産青島について、県内外の市場関係者から安定出荷を求める声が相次いだ。

 昨季はミカンの販売不振により、本県生産者は軟調相場に泣かされた。竹平組合長は「昨年の分を取り戻したい」と意気込んでいる。

1487荷主研究者:2013/12/29(日) 00:46:29

http://www.kahoku.co.jp/news/2013/12/20131208t12025.htm
2013年12月08日日曜日 河北新報
ビジネス構築苦戦 被災農地再生「コットンプロジェクト」

若林区荒浜の被災農地で行われた収穫作業は1時間足らずで終わった

 宮城県沿岸部の被災農地の再生を目指し、綿花の栽培と綿製品の商品化に取り組む「東北コットンプロジェクト」が苦戦している。ビジネスモデル構築の最終年と位置付けた今シーズンも、低温や度重なる台風で収量が伸び悩んだ。それでも綿が取り持つ人的な交流は確実に広がり、関係者は手応えを感じている。

 仙台市若林区の被災農地で11月中旬にあった3年目の収穫作業には、東京などから約400人が集まった。広さ2.2ヘクタールの畑で綿の実が開いたのはわずか。作業は1時間足らずで終わった。

 農業生産法人荒浜アグリパートナーズの渡辺静男代表は「収量は目標の5分の1の200キロにも満たないだろう。ことしは除草剤を散布する認可を受け、期待していたのだが…」と肩を落とす。

 綿は1ヘクタール当たり1トンが収益を出す目安。プロジェクトに参加する県内の3農地で、水準を満たした産地はなかった。

 名取市の1ヘクタールで栽培する耕谷アグリサービスの収量は、昨年の50キロ余と同水準の見通し。担当者は「梅雨の寒さで生育が遅れた」と説明する。

 東松島市内で今季初めて2ヘクタールを作付けしたイーストファームみやぎ(美里町)は、目標の3割の300キロを見込む。「相次ぐ台風や秋の厳しい冷え込みで実が思うように開かなかった」と言う。

 綿は塩害に強いが、本来は温暖な地域に適する植物。梅雨や秋にぐっと冷え込む寒冷地では育ちにくい。県農業・園芸総合研究所は「県内での露地栽培には収量に限界がある」と指摘する。

 プロジェクトは東日本大震災発生後に紡績会社などが発案した。過去2年も大雨や害虫の発生で収量は低迷。収穫した綿でタオルやTシャツなどを作り、雇用拡大や産業創出を図る狙いがある。

 収量は思うように伸びなかったものの、プロジェクトを介した人的交流が被災農家を支える。

 荒浜アグリーパートナーズは製品化されたタオルなどの売り上げが100万円を超えた。作業に訪れた際に米や野菜を購入してくれるボランティアも多い。市内で開催されるイベントの物販部門に呼ばれる回数も年20件近くに及ぶ。

 渡辺代表は「復興の象徴の綿が人と人をつないでいる」と話す。イーストファームみやぎも「綿の産地として知名度が向上すれば、被災地ツーリズムを確立することが可能だ」と期待する。

1488とはずがたり:2013/12/29(日) 23:32:13

2013.12.24 09:16
収獲増に期待、光合成促進させる「気孔」拡張に成功 名古屋大
http://www.iza.ne.jp/kiji/life/news/131224/lif13122409210000-n1.html

 名古屋大トランスフォーマティブ生命分子研究所は、遺伝子操作により、植物が光合成に必要な二酸化炭素(CO2)を取り込む表皮上の穴「気孔」を、通常より大きく開かせることに成功したと発表した。光合成が促進され、植物の生産量も増加すると確認。23日に米科学アカデミー紀要電子版に論文を掲載した。

 研究所の木下俊則教授(植物生理学)によると、気孔の開口を制御する世界初の技術で「農作物の収穫増や、バイオ燃料の生産拡大が期待されるほか、CO2削減にも貢献できる可能性がある」としている。

 気孔は一対の「孔辺細胞」でできた口のような形状。光合成では、孔辺細胞の光受容体が太陽光を受け、細胞膜にある「プロトンポンプ」という酵素を活性化。すると外部からカリウムが吸収されて浸透圧が上昇し、水が流入する結果、孔辺細胞が膨張し気孔が開くという。

1489とはずがたり:2013/12/30(月) 23:33:26

九州はなぜ農業王国となり得たか? 環境に適応、肉牛・野菜へ転換
http://sankei.jp.msn.com/economy/news/131118/biz13111821110022-n1.htm
産経新聞
2013.11.18 21:09

九州の品目別産出額
ttp://tohazugatali.web.fc2.com/nogyo/biz13111821110022-p1.jpg

 環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉やコメの減反見直しなど、日本の農業は歴史的な転換期を迎えている。農業産出額が全国の2割に達する九州は、収益性の高い野菜や肉牛の産出額が過去30年で大幅に増加し、農業の衰退を食い止めてきた。なぜ「農業王国」となり得たのか。TPP加盟後の農業の勝機は九州にある−。(津田大資)

 1兆6126億円。九州7県の平成22年産農業産出額は、全国産出額(8兆2551億円)の2割を占めた。産出額は農業の“売上高”にあたり、22年産の数字は域内最大の企業、九州電力の売上高に匹敵する。

 人口1310万人の九州の農業産出額は、関東農政局管内の1兆9221億円に次いで全国2位だ。関東農政局が1都8県計4479万人を抱えることを考えれば、九州農業の存在感の強さがわかる。

 九州農業の強烈な存在感は、産業としての競争力の高さが裏付けとなっている。

 昭和55年から平成22年までの30年間で、農業産出額は、全国で20%も減少した。これに対し、九州の低下幅はわずか5%。足腰の強靱(きょうじん)さが伺える。

 一方、耕地面積が30アール以上または年間の農産物販売額が50万円以上の「販売農家数」は、全国・九州とも30年でほぼ半減した。

 この結果、九州の販売農家戸数当たりの産出額は、677万円と、全国平均506万円を大きく上回った。離農した人々が多い半面、農業の生産性が向上し、1戸当たりの収入は増加したといえる。

 環境の変化に適応し、生産性を高める。これがキーワードだった。九州の農家は市場ニーズに即し、商品ラインアップを変化させてきた。

 30年前、九州の農業産出額のトップは米(3640億円)だった。

 だが現在、1位は野菜(4222億円)だ。鶏(2060億円)、肉用牛(1991億円)が続き、米は1740億円に過ぎない。30年前と比較し、野菜は1.7倍、肉用牛40%増と伸びが目立つ。

 米余りを背景に昭和45年、生産調整(減反)が始まった。九州の農家は「漫然と米を作る時代は終わった」と、いち早く対応した。消費量が多く収益性も高い野菜や果実へ転換を進めた。

 この結果、イチゴ「博多あまおう」やイチジク「博多蓬莱」のほか「はちべえトマト」(熊本)など、高品質で全国に通用するブランド化に成功した野菜・果実が次々と登場した。

 福岡県豊前市の農業、松本克己さん(63)は「減反の補助金もいずれはなくなり、米価が上がる見込みはないと思っていたから、収益性の高いレタスやトウモロコシ、茶の生産に転換してきた。今後も、この流れは続くだろう」と語った。

 一方、もともと米作がそれほど盛んではなかった南部九州は、和牛に注力した。

 鹿児島や宮崎の和牛は高級食材として、国内市場を席巻するまでに育った。さらに、販路を拡大し、アジアの富裕層をターゲットにした輸出もじわりと拡大している。

 両県は芋焼酎の販売増と連動し、原料のサツマイモ栽培も増加した。

 ブランド化と6次産業化を進めた結果、宮崎、鹿児島両県の農業産出額は、農業冬の時代にあって8〜9%増加した。「勝つ農業」を先駆けて実践したといえる。

 民間シンクタンク、九州経済調査協会の南伸太郎研究主査は「九州の農産物は国内他地域への移出が大きく、自動車や半導体など九州の得意分野と同様に『稼ぐ産業』の1つ。今後、就農者を増やし、作物の生産管理を徹底した上で大規模化を図れば、さらなる利益向上が期待できる」と九州農業の潜在能力を評価する。

 離農や高齢化など課題が山積するとはいえ、九州のように適応力と競争力をもつ農業は、さらに「勝ち組」となる可能性を秘めている。

1490とはずがたり:2014/01/05(日) 18:40:43
2010年の記事

米価急落で不満が噴出!戸別所得補償の矛盾
http://toyokeizai.net/articles/-/5331
2010年11月17日

日本随一のコメ産地・新潟県に激震が走っている。農林水産省が10月20日に発表したコメの品質検査結果によると、新潟の2010年産米のうち最高品質の「一等米」比率は19%と、1978年の検査開始以来最低となった。全国平均も64%と前年比2割低下。夏場の酷暑で白濁などの被害が出たのが原因だ。

コメの等級は水分量や形、成熟度などによって1〜3等に分けられ、一つ等級が下がるごとに一俵(60キログラム)当たりの価格は1000円下落する。新潟県はこの事態を受けて特別融資を実施。9月末に設けた特別相談窓口には3週間あまりで200件以上の相談が寄せられ、その大半が資金繰りなどの切実なものだ。

状況は他県でも変わらない。「農家にとって3重苦の年」。岩手県の鳥喰(とりばめ)生産協業の大和章利・組合長はため息をつく。酷暑により品質低下だけでなく収穫量が減少、コメ価格も下落した。結果、全国農業協同組合連合会(JA)から新米の価格を想定して農家に渡される「前払い金」は大和さんの場合、一俵8700円と、昨年から3300円減少。

コメ価格下落の背景には過剰在庫など複数の要因がある。が、ここへ来て民主党の目玉政策として今年度から始まった「戸別所得補償制度」が、卸売業者などによる農家への値下げ要請を加速させていると問題視する声が高まっている(図)。

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/nyogo/img_b08625387d62ea3b3ae49a713531a119103349.jpg

 同制度では減反に参加したコメ農家に対して10アール当たり一律1万5000円を提供、さらに収穫期から翌年1月までのJAなどの出荷団体から卸売業者への販売価格(相対価格)の全国平均が過去3年の平均を下回った場合、その差額分を変動分として支払う。今年度の農水省の予算は5618億円で約130万件が加入している。

「補償」に目をつけた卸売業者から「補償分を下げて、と言われた」とある農家は打ち明ける。過剰在庫が多い岩手や福島、質が低下した新潟などでは前払い金が大きく減り、変動分が支払われても収入減となる農家が出てくると予想される。

前出の鳥喰生産協業の今年度の利益は補助金収入を入れても昨年比約4割減の574万円。来年4月に変動分が加算されても一俵当たり600円の収入減になると試算する。大和さんは「所得補償と言いながら所得減になるのはおかしい」と憤る。

自民党時代には米価急落を避けるためコメの需給調整を行うこともあったが、民主党は価格維持のための需給調整を否定。「在庫を多く抱えるJAが政府に調整の圧力をかけるため、あえて前払い金を低く設定している」(農水省関係者)と見る向きもある。ただ、コメ卸大手は「在庫が重いだけでなく販売も鈍い。米価が持ち直す材料はない」と断言する。

全農家対象の「バラまき」 大規模農家ほど苦境に?

戸別補償は価格下落だけでなく、中期的な農家経営にも悪影響を及ぼすと危惧する声も多い。新潟で農家の経営コンサルティングを行う近藤信税理士によると、経営に協力する農家10軒のほとんどが今年度は減収となる見込み。…

自公政権下の07年…全農家を対象にする補償制度から、効率的な経営を推進するため大規模農家に対象を絞る補助政策へと、大きく舵を切った。「選択と集中」により農業法人化が加速するなど一定の成果があった。近藤氏の顧客も近隣の兼業農家などから農地を賃借し、大規模化を進めてきた。

 ところが今回の戸別所得補償では全農家対象に逆戻り。しかも今年のような不作の場合、大規模農家ほど損失が拡大しかねない。近藤氏は「小規模で片手間にやっている人を同水準で補償する手法はバラまき」と批判する。

実際、近藤氏の顧客の一人、新潟市内で農業法人を経営する藤田道雄さんは経営方針の転換を決めた。これまで周辺農家から土地を借りて農地を拡大してきたが、米価下落を受け、作業効率の低い2、3の農地の契約を打ち切る交渉を始めた。…

藤田さんの今年の所得は、転作用に作付けしたネギの価格高騰で前年比1割減程度にとどまる見込みだ。だが、来年の経営計画はコメの価格次第と、先は見えない。

「今の農業は補助金頼みのうえ、制度が毎年変わるばくちのようなもの。…」。

頼みの綱は中国研修生など安価な労働力だ。農水省は戸別所得補償による所得増で11年以降、新規就農者が8・4万人増え農業活性化につながると見る。だが、農家は一様に「こんな米価ではありえない」と冷ややかだ。

…農水省は来年度には補償対象を畑作にも拡大する予定で9160億円を概算要求した。戸別補償は矛盾を抱えながら、次のステップへ移ろうとしている。
(麻田真衣 =週刊東洋経済2010年11月6日号)

1491とはずがたり:2014/01/05(日) 18:41:36

減反廃止は名ばかり、迷走を続けるコメ農政
転作補助金を残したまま強いコメ農業は作れない
http://toyokeizai.net/articles/-/27151
柿沼 茂喜,福永 宏 : 2013年12月29日

迷走を続けるコメ農政

「農業を成長産業にするために、減反の廃止を決定した」──。

12月10日の会見で安倍晋三首相は自信満々にこう語っていた。しかし、「減反廃止」とは名ばかりのものだ。

政府は今回、国が主食米の生産目標を農家ごとに割り当て、生産数量を抑制することによって価格を維持する減反政策について、5年後の廃止を決定した。併せて、民主党政権が2010年度から始めた戸別所得補償制度による補助金を14年度から半分に減らし、18年度に廃止する。

減反面積を順守したコメ農家に補助金が支払われる所得補償制度は、減反の大きなインセンティブになってきた。それをやめて、生産調整の割り当てもなくすとしたため、多くのメディアが「減反廃止」「50年ぶりの農政大転換」と騒ぎ立てた。

だが、今回の“大転換”にはカラクリがある。

ポイントは、主食米の代わりに麦、大豆などを作った場合、生産量に応じて支払われる転作補助金が維持されることだ。おまけに、飼料用米や製菓・製パンに使われる米粉用米など、非主食米に転作した際に支払われる補助金は増額される(表)。

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補助金の拡大でコメ農家の転作が進めば、主食米の生産量は減る。農林水産省出身で農業政策に詳しいキヤノングローバル戦略研究所の山下一仁研究主幹は、「今回の措置は、減反廃止どころか減反強化そのものだ」と批判する。

補助金をなくして、本当に減反を廃止すれば、コメ農家は生産量を増やして収入の拡大を図る。供給量の拡大でコメ価格が下落し、コストの高い小規模農家は撤退を余儀なくされ、結果的に、大規模農家へ農地が集約されるだろう。だが、現実はそうした構図になりそうもない。

減反政策が始まったのは1970年。当時、食糧管理(食管)法で政府がコメを全量買い上げていたが、高く買って安く販売業者に卸すため、食管会計は万年赤字。それを補填する財政負担が重く、生産量を減らすことで、負担の軽減を図った。78年からは転作補助金を導入し、減反を事実上、義務づけてきた。

95年の食管法廃止で、減反はコメ価格の下落を防ぐ生産調整カルテルとして機能するようになり、意味合いは変わった。生産量の抑制で主食米の価格を高止まりさせ、コメ農家の所得を守ることが目的となったのだ。

1492とはずがたり:2014/01/05(日) 18:42:10
>>1491-1492
その後、民主党政権下では“改悪”が加わる。まず、減反を守らなくても、転作面積に応じて補助金が支払われるようになった。同時に、減反の順守を条件として、戸別所得補償制度も導入された。これで、小規模兼業農家がコメ作りを継続しやすくなった。

小規模な第2種兼業農家は家計を給与などの農業以外の収入に頼っている。コメ作りだけ見ると多くの場合、補助金を含めても収支トントンか赤字。補助金のおかげでコメ作りを続けられるが、こうした農家は廃業しても困らない。農地を大規模農家に貸し出せば、地代収入が得られるからだ。

しかし、今回の補助金増額を受けて、小規模農家は主食米よりも有利な非主食米への転作を進める可能性が高い。これでは一向に大規模農家への農地の移動・集中が起こらない。むしろ、減反の“強化”で主食米の生産量が減り、コメの価格が維持され、競争原理の働かない従来の仕組みが温存されてしまう。

その証拠に、減反政策を全力で支えてきた農業協同組合(農協)は至って平穏だ。農協を構成する小規模農家が追いやられる政策ならば、猛反発するはず。ところが、農協を束ねる全国農業協同組合中央会は、今回の政策が「減反廃止」と位置づけられることについて、「誤認に基づく報道」とコメントしている。こうした見解こそ、彼らにとって不利益変更のない改革であることを示すものだろう。

減反が続く本当の理由

減反は大規模農家の生産拡大・効率化を阻害するだけでなく、消費者には二重の負担を強いている。補助金という財政負担(税金)と、高いコメを買わされる家計負担だ。

転作補助金の拡充で財政負担がさらに増える可能性もある。13年度のコメ関連予算は4200億円で、内訳は戸別所得補償1700億円、転作補助金2500億円。前出の山下氏は、「飼料用米や米粉用米への転作が増えれば、転作補助金は2倍以上に膨らむ」と見る。戸別所得補償が廃止されて、コメ関連予算が減るのかには疑問符がつく。

千葉県柏市で作業受託分を含む約90ヘクタールの田んぼを抱える農業生産法人、沼南ファームの橋本英介取締役は、「転作補助金もなくし、自由に主食米を作らせるべきだ」と訴える。補助金の廃止でコメの価格は今より下がるが、「小規模農家が農地を手放すのでそれを借り受け、経営をさらに大規模化して競争力を高められる」(橋本氏)。

減反政策が事実上、継続・強化される背景には、農協、農水省、族議員という既得権者のトライアングルがある。小規模だが豊かな兼業農家の預金を元手にしたローン、共済などからの金融収益は、農協の主要な経済基盤で、組合員農家の数がそれを支えている。農水省にとっても農家の数は予算獲得におけるパワーの源泉であり、族議員の議席もまた、得票数は農家数に依存している。こうした「数」への依拠が、小規模農家の退出と大規模農家のさらなる拡大を阻んでいる。

転作補助金もなくして、コメの生産を完全に自由化すれば、増産による価格低下と大規模農家への生産集中によるコスト低下が同時に起こる。そこで生産の原動力となる一定規模以上の主業農家に限って、価格低下による所得減を補償する直接支払制度を設けておけばいい。

既得権者のトライアングルを温存する、うわべだけの農政改革では、コメ農業の体質強化は望むべくもない。

(12月24日発売の週刊東洋経済2013年12月28日−2014年1月4日新春合併特大号 核心リポート01)

1493荷主研究者:2014/01/12(日) 14:50:57
水揚げ量はピークの1988年には81万9千トンもあったのに2013年は9万8千トン弱になったのか…。すごい落ち込みだな。

http://cgi.daily-tohoku.co.jp/cgi-bin/news/2013/12/31/new1312310901.htm
2013/12/31 09:00 デーリー東北
八戸港13年水揚げ、1954年以来10万t割れ

ttp://tohazugatali.web.fc2.com/nogyo/img1312310901_l.jpg

 八戸市水産事務所は30日、2013年の八戸港水揚げ実績をまとめた。数量は9万7591トン(前年比13%減)。台風や低気圧の影響によるしけでの漁船の稼働率低下、大中型巻き網の水揚げ減が響き、1954年以来、59年ぶりに10万トンを割った。金額は196億7154万円(5%増)で、2年連続で200億円に届かなかった。全国主要魚市場ランキング(暫定)では数量、金額共に7位。数量は前年より一つ順位を下げた。

 主要魚種別では、イカ3万2965トン(27%減)、102億5098万円(4%増)。サバ3万9791トン(2%減)、47億5519万円(20%増)。数量が減少、金額は加工原料の在庫不足などで増加した。

 1キロ当たりの平均単価は、イカ310円(91円増)、サバ119円(22円増)。

 漁業種別では、イカ釣りは1万9224トン(26%減)、69億8621万円(4%増)。数量は、中型船による船凍スルメイカが11月以降の水揚げ増で持ち直したが、アカイカ漁の不振、ペルーイカの水揚げゼロが響き、大幅にダウンした。

 小型船の近海の生スルメイカは2325トン(5%減)、8億3033万円(8%増)。

 同港主力の中型底引き網は、1万8369トン(11%増)、39億342万円(11%増)。うちスルメイカが7395トン(8%減)で、平均単価は55円増加した。

 大中型巻き網は4万9319トン(17%減)、62億1535万円(2%増)。うち八戸沖など三陸での漁獲が3万2277トン(39%減)、37億9358万円(25%減)。しけなどで水揚げ日数が前年よりも減り、八戸沖でのサバの漁場形成期間も短かったため、数量、金額共に低迷した。

 一方、道東沖など遠海は1万7042トン(156%増)、24億2176万円(131%増)。大幅に増加し、三陸の不足分を補った。

 現状について、ある水産関係者は「地元船の水揚げだけでは先が見えている。さまざまな漁業種での県外船の積極的な誘致も必要」と課題を指摘する。(福山拓司)

1494とはずがたり:2014/01/19(日) 17:04:31

福岡九州クボタ:精米機に残ったコメ販売
http://news.goo.ne.jp/article/mainichi/nation/20140117k0000e040273000c.html
毎日新聞2014年1月17日(金)13:35

 農機具販売会社「福岡九州クボタ」(福岡市南区)が、福岡県内の営業所に併設するコイン精米機に残っていたコメを回収した上で他のコメと混ぜて「ブレンド米」として約4000キロを販売していたことが分かった。販売に際して回収米が含まれていることの表示や説明をしておらず、農林水産省は昨年12月、日本農林規格(JAS)法などに基づき行政指導した。同社は購入した個人や飲食店に謝罪し代金返還や商品回収を行った。

 同社によると、コイン精米機は、玄米を入れて代金を投入すると不純物やぬかなどを取り除き白米に精米するもので、福岡市や飯塚市など福岡県内の11営業所に併設。主に農家が自宅用に利用しているという。機械内には除去物に混ざって玄米も残り、同社が定期的に回収していた。

 2012年12月から、回収米を精米し直し、他のコメと混ぜて「ブレンド米」と称して自社店舗などで販売。1キロ約350円で、昨年10月まで計3908キロ(約120万円)を売ったという。混入した回収米は全体の約4割を占めていたとみられる。この間、福岡市内の飲食店14店や個人37人が購入したが、同社は回収米が含まれていることを説明していなかった。

 同社は外部からの指摘を受けて販売を中止し、11月に農水省に申告した。同社は農機具メーカー大手「クボタ」の関連会社。今後は管理態勢を徹底し再発防止に努めるという。【松本光央】

1495荷主研究者:2014/02/02(日) 01:08:22

http://www.iwate-np.co.jp/cgi-bin/topnews.cgi?20140113_4
2014/01/13 岩手日報
水揚げ量は3万トン割れ 本県サンマ、14年ぶり
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 2013年の本県のサンマ水揚げ量は1999年以来、14年ぶりの3万トン割れ(2万1865トン、前年比37%減)となった。東日本大震災で魚市場や水産加工施設が被災した直後の11年比でも30%減。全国的に不漁で、高水温による漁場の遠さや頻発した台風が要因という。単価は高値で推移し、水揚げ金額は前年比28%増の37億6580万円を記録した。

 全国さんま棒受網漁業協同組合(全さんま)のまとめによると、13年の港別の最終水揚げ実績は大船渡1万4585トン(前年比28%減)、宮古5545トン(同47%減)、釜石1055トン(同57%減)、久慈680トン(同54%減)。山田と大槌はゼロだった。

 一方、10キログラム当たり平均単価は前年比ほぼ倍の1722円。水揚げ高はこの10年で、10年度(約50億円)に次ぐ高さだった。

 全国の水揚げ量は14万7819トン(前年比32%減)と、14年ぶりに15万トンを下回った。全さんまは不漁の要因を「高水温のため魚群が遠くの沖合にあった」とし、秋に台風が相次いだことも出漁隻数に影響したとの見方を示す。さらに、サバやイワシが好漁だったことから、サンマを含むこれらの漁獲量が気候変動などで周期的に交互に増減する「魚種交代」の可能性も指摘する。

1498とはずがたり:2014/02/08(土) 08:38:56
米騒動期の日本のように発展段階の低い国では農業保護は出来ない。
農業保護への財政出動が出来る程財政力が高まり食糧価格が高止まりしても大丈夫な程中産階級が豊かになったのか,タイは?

5614 名前:チバQ 投稿日: 2014/02/06(木) 20:42:50
http://mainichi.jp/select/news/20140207k0000m030059000c.html
タイ:コメ買い取り滞り…農家の反政府デモ同調も
毎日新聞 2014年02月06日 20時01分

 【バンコク岩佐淳士】反政府デモによる混乱が続くタイで、インラック政権が支持基盤とするコメ農家からも政権批判が噴出し始めた。農家の所得向上を目指した「コメ買い取り制度」による支払いが滞っているためで、農家らは6日、首都バンコク近郊の商務省などで抗議運動を行った。反政府デモと同調する動きもあり、政権はますます苦境に追い込まれている。

 「生活を返せ、金を返せ!」。6日午後、商務省前には農家ら約1000人が集まり、コメ代金の早期支払いを訴えた。反政府デモを行う反タクシン元首相派グループも駆けつけ、抗議に参加した。

 政府は2011年、事実上、市場価格より高値で米を買い取る制度を始めた。しかし、1300万トンの在庫と1兆円を超える損失を抱え、農家100万人に対し1300億バーツ(約4017億円)の支払いが滞る。中部ラーチャブリー県から来たソムポンさん(36)は「昨年11月に売った23万バーツ(約71万円)分が支払われていない。生活のため牛を売り、夫は出稼ぎに行った」と訴え、「政権与党の支持者だったがもう信用できない」と不満を爆発させた。制度を巡る汚職疑惑も浮上し、南部パトゥンタニ県のソムソンさん(54)は「政府に金がないのは汚職で抜き取られているせいだ」と憤った。

 抗議運動は政権が地盤とする北部でも散発し、一部は6日、国王に嘆願書を提出した。

1499とはずがたり:2014/02/08(土) 16:14:36

九州沖EEZに中国漁船“侵攻”違法操業が急増 「大きな魚がたくさん獲れる」 長崎
http://news.goo.ne.jp/article/sankei/region/snk20140207064.html?fr=rk
産経新聞2014年2月7日(金)08:06

 九州沖東シナ海の日本の排他的経済水域(EEZ)内で、中国漁船による違法操業がなお後を絶たない。水産庁九州漁業調整事務所が昨年拿捕(だほ)した外国漁船13隻のうち中国漁船は6隻に上る。6日も中国の底曳き網漁船「浙●漁23910」(288トン)が、漁業主権法違反の疑いで拿捕された。かつて韓国と漁業戦争を引き起こした中国人漁業者は、日本のEEZ内に確実に“侵攻”しつつある。(田中一世)

 「日本のEEZ内は中国より大きな魚がたくさん獲れる。大きい方が高く売れるのでこれからも日本のEEZ内で操業したい…」

 水産庁漁業取締船「白鴎丸」に拿捕された「浙●漁23910」の船長、許軍祥容疑者(37)=現行犯逮捕=は、取り調べに対してこう供述した。

 浙●漁は6日、長崎県の五島列島・女島の南西約80キロのEEZ内で操業し、実際は14・1トン漁獲量があったのに、操業日誌に2・0トンと過小に記載した疑いが持たれている。

 EEZ内での他国の漁船操業は許可制となっている。日本は中国、韓国、ロシアとそれぞれ2国間で漁業協定を結んでおり、漁船総数の上限や、船ごとの漁獲量などが細かく定められているのだ。

 水産庁九州漁業調整事務所は2008〜2012年の5年間で、管内の東シナ海や日本海で無許可操業や漁獲量超過などの容疑で外国漁船計59隻を拿捕した。このうち韓国漁船が53隻、台湾漁船が2隻、中国漁船は4隻にすぎなかった。

 ところが2013年に入ると、EEZ内で操業する中国漁船数が急増した。日中境界に近い五島列島沖のEEZ内で6隻を拿捕。水産庁の取締船が停船を命じたのに逃走した中国漁船も10隻あった。

 水産庁の担当者は「EEZ内は許可取得が面倒なため、かつては日本のEEZ内で操業する中国漁船は少なかった。昨年から急激に増えたのは、中国のEEZ内で漁船が増えすぎたため、日本側にはみ出してきているとみられる」と説明する。

 中国側が漁場を広げる背景には、中国内での魚需要の高まりがある。

 かつて中国で海水魚は高級食材だったが、経済発展により国民の所得が増えた上、流通・保存技術が向上したことにより、内陸部でも海水魚が人気を集めるようになった。

1500とはずがたり:2014/02/08(土) 16:15:11
>>1499-1500
 国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によると、2000年の中国内での海産物消費量は3150万トン、漁船数は約48万7千隻だった。これが2009年には消費量4236万トンに増え、漁船数も67万2千隻になった。現在はさらに増えているとみられる。

 中国沿岸部だけで、13億5000万人の胃袋を満足させる漁獲量を賄うことはできない。

 FAOによると、中国沿岸漁業の漁獲量は、1990年の578万トンから2000年に1255万トンと2倍以上に増えたが、その後は頭打ちとなり、07年は1191万トンに微減した。北京に近い渤海や、上海に近い舟山群島周辺などかつての好漁場は、ほぼ枯渇状態といわれる。

 このため、中国漁船は好漁場を求めて東進を始めた。まず狙われたのが、韓国のEEZだった。

 これに伴い、中韓の漁船のトラブルも急増した。2011年12月には、中国漁船を拿捕しようとした韓国海洋警察庁の隊員が中国人漁師に刺殺される事件が起きた。翌年10月、今度は中国漁船の船員が、海洋警察庁隊員が撃ったゴム弾に当たり、死亡した。

 次に狙われたのが。日本のEEZだった。

 4、5年前から日中のEEZが重なり合う「中間水域」で、従来の底曳き網やイカ釣り漁船だけでなく、強力な集魚灯で魚群を大型網の中に集め、ホースで根こそぎ吸い取る「虎網漁船」が急増した。

 日本はEEZ内で、水産資源を一気に枯渇させる虎網漁を禁じているが、水産庁の監視の目をかいくぐって侵入してくるケースもある。

 2010年9月、沖縄・尖閣諸島付近で中国漁船が海上保安庁の船に体当たりする事件が起きたのも、こういう背景がある。

 水産庁にも、日本の漁業者から中国漁船の取り締まり強化するよう要請が急増している。水産庁は、取締船を2014年度末までに現在の41隻から44隻に増強する計画だ。

 五島列島の日本人漁業者は「中国漁船は乱暴で何をしでかすかわからない。近寄ってきたらその場を離れるしかない」と嘆く。

 「漁業戦争」に敗れた韓国南部全羅南道のベテラン漁師はかつて産経新聞の取材に「やつらは次に必ず日本の海に行く。私らの海が奪われたのもあっという間だった」と語った。

 今その時が来ている。

●=山へんに令

1501とはずがたり:2014/02/09(日) 15:05:01
読んでて日本の漁業は何をしているのかと苛々してきた。何でこれらが実現しないのか?漁民の反論が聞きたい。どうせ漁業権と云う特権にあぐらをかいて殆ど何も考えていないんちゃうか?!ヽ(`Д´)ノ

船もとっとと大型化せえ。自民党の利権政治と結託した日本の行きすぎた弱者保護行政は困ったもんだ。。

日本の漁業は崖っぷち
漁業者は「14年ぶりのサンマ不漁」を嘆くべき?
水揚げ数量減でも金額アップ!
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3559
2014年02月03日(Mon)  片野 歩 (水産会社 海外買付担当)

2013年のサンマの水揚げは14.8万トンでした。水産業界紙では「14年ぶりの不漁」と水揚げの減少が強調されていました。確かに過去10年間の平均25万トンを大幅に下回り、近年のピークだった2008年の34万トンの半分以下の数量にとどまりました。水揚げ数量が例年になく少なかったのは事実ですが、果たしてこれは漁業者にとって本当に厳しい結果だったのでしょうか?

大漁で単価下落、供給過剰にも

 2012年と比較すると、2013年の水揚げ数量は32%の減少でした。しかし、単価が95%も上昇したために、水揚げ高は230億円となり、前年比で36%も上昇しているのです。釣り大会であれば、たくさんの数を釣った方がよいでしょう。しかし漁業者にとっては、経済的な面からすればたくさん獲って単価が下がるより、少ない量でも水揚げ金額が多い方がよいはずです。

 先に述べたサンマは、近年の漁獲量のピークが34万トンで、その漁獲高は231億円です。14年ぶりの不漁と言われている2013年と近年のピーク時とは、ほぼ同じ水揚げ金額なのです。水揚高=数量X魚価です。たくさん獲っても単価が安くなれば、肝心の金額は増えません。

 それどころか、処理能力を上回る水揚げが続いて休漁したり、流通段階で供給過剰により相場が下がり、水産加工業者、荷受業等が損失を出したりと混乱を招くだけでなく、経済的な損失が随所で発生していたります。消費者にとっては、安く購入できることになるのでよい面はあるのですが、大漁で供給過剰となり「またサンマか!」となってしまっては、獲られたサンマも浮かばれません。

いい加減な日本のTAC

 図1は、2000年からの水揚げ数量と金額をまとめたもの(1〜12月)です。これを見てお分かりの通り、数量が多いからといって必ずしも水揚げ金額が多いわけではありません。近年で最高の水揚げ金額は、2000年の331億円、第2位は2002年の328億円ですが、ともに、これらの年度は、上記過去10年の平均水揚げ数量の25万トン以下であることに注目してください。

 日本の場合、漁業で成長している国々とは異なり、TACが実際に漁獲可能な数量より大幅に多く設定されています。これではTAC(漁獲枠)=漁獲量ではないため国内外であてにされない上に(図2参照)、全ては漁模様次第で大漁祈願という状態です。2013年度もTAC33.8万トンに対して消化は14.8万トンと半分以下。これではTAC自体が信頼されませんし、価値もありません。


 ノルウェーを始めとするTAC=漁獲量が当たり前の国々の場合は、TACの増減で漁獲される前の魚の相場が上下します。もちろん、たくさん獲れた方が漁師としては気持ちが良いと思いますが、単価の下落により肝心の水揚げ金額が少なくなってしまっては意味がありません。「名を捨てて実を取る」かどうかなのです。

 水揚げが減っても、水揚金額は増えるというケースは、漁業先進国のノルウェーでも同じように起こっています。2009〜2011年のノルウェーでのニシン漁獲は約100万トンから60万トンへと40%も減少しました。しかし、単価が約2倍に上昇し、水揚げ金額自体は22%増の約500億円(31億ノルウェークローネ)と上昇したのです。これなら漁獲の減少に対し漁業者に不満があるはずはありません。

1502とはずがたり:2014/02/09(日) 15:05:18

 尚、TACが減らされる際には、小型の漁船群ほど削減率が低くなり保護されています。科学者が資源保護のために控えめなTACの勧告をすると、困るのは魚価が上がって高い魚を買わざるを得ない輸入業者であり、その魚を買う日本の消費者にも影響があるのです。水揚げ「数量」の減少を強調する日本と異なり、同じ水産業界紙においても、ノルウェー水産物審議会(NSC)は2013年の輸出を金額で過去最高の610億クローネ(約1兆円)と成果を「金額」で表現しています。

 同国は2012年比で17%の増加と成長を続けています。一方で数量は230万トンと前年比で9%減少しているのですが、特に言及していません。漁業に取って重要なのは数量なのか金額なのか? いうまでもなく金額の方なのです。ちなみにノルウェーのエリザベス・アスペーカー漁業大臣は2060年までに、ノルウェー水産物の輸出金額は、記録を更新した2013年の10倍の規模、つまり約10兆円になる潜在力を持っていると2013年1月にコメントしています。

「大型漁船は乱獲につながる」?
規制すべきは「漁獲量」

 日本の漁船は、海外の漁船に比べて概して小さいと言われています。特に漁船の大きさはトン数で制限されているため、極力居住空間を狭めて、漁獲能力を高めた漁船を建造してきました。漁船で働く人の環境より、1匹でも魚を多く獲れる船にしてきたのです。その劣悪な環境のために、漁業者が減ってきたということは否めないと思います。

 ここで、漁業先進国と日本の根本的な考え方の違いについてご説明しましょう。日本では、漁船の大型化⇒漁獲圧力の上昇⇒乱獲という構図になってしまうために、漁船の大型化を懸念します。一方でノルウェーを始めとする国々の漁船は大型化しています。大型化しても資源が減少する問題は起こらず、むしろ安定しています。そして、儲かっているため大変豪華で漁船とは思えない船が増えています。漁業は高収入と、労働環境の良さで若者を惹きつけるのです。

インプットコントロールか
アウトプットコントロールか

 なぜ、このような違いが起こっているのでしょうか? 結論から言えば、規制すべきなのは「漁獲量」であって「漁船の大きさ」ではないからです。

 どんなに大きな漁船を造っても、肝心の「漁獲量」を押さえておけば問題ありません。北欧で巨大な漁船が海に浮かんで漁をしていても魚が減らないのは、「規制」すべきポイントを押さえているからです。日本はインプットコントロール(漁船の大きさ、禁漁期間等、漁獲努力量の規制)を重視しますが、漁業先進国はアウトプットコントロール(漁獲量の規制)の重要性を認識しています。漁船の大きさと漁獲量の関係は、この違いによる必然であり、さらに言い換えれば自主管理制度の限界、そしてきちんとした個別割当制度の有無の差です。

 日本で行われている自主管理を機能させるには、もともとの戦闘能力(=漁獲能力)を抑えておかねばなりません。漁船の大きさといういわゆる漁獲能力を抑えることでインプットコントロールを続けているのです。インプットコントロールされている漁船は、漁期や漁船の大きさの制限等のルールの中で、できるだけたくさん獲るという競争を強いられることになります。つまりインプットコントロールにおいては、漁船の大型化はその制度の維持のために最も抑えるべき要因の一つになるのです。

 一方で、アウトプットコントロールにより資源管理をしている北欧の国々にはどのようなことが起こっているのでしょうか? それぞれの漁船や漁業者が漁獲してよい数量は厳格に決まっています。大型、中型、小型といった漁船のカテゴリーがあり、例えば40億円もするノルウェーの大型巻き網漁船が本気で漁獲すれば、サバ、ニシンや他の資源はひとたまりもありません。しかし、漁獲できる量が個別に決まっていて、それを守ることが得になることを漁業者は経験から熟知しているので、そのような事態は起こりません。

1503とはずがたり:2014/02/09(日) 15:05:36
>>1501-1503
中国の虎網船団の影響と小型のサバ

 大型巻き網船の中には、巻き網だけでなく、中層トロールも兼ね備える船もあります。サバやニシンといった魚を一度に2,000トン獲る漁船も多く、「そんなに獲って品質は大丈夫なのか?」と思われるかもしれませんが、漁獲した魚を海水で冷やして運ぶタンクによる鮮度維持能力の向上、漁船のスピードが速くなったことで水揚げ地への迅速なデリバリーを可能にしています。漁船の大型化によるメリットを享受して成長を続けているのです。一回の漁獲量が増えることで、漁に出る回数が減り、燃油の大きな節約にもなっています。

 日本の漁船はすでに20年以上の船齢となって老朽化しているものが大半を占めてしまっています(2012年 66.3%)。現状の資源管理制度では漁業自体が持続性があるとは言い難いために、新しい船を造るにしても、翌年に漁がどれだけあるかわからないので、投資リスクはかなり高いと思います。

 東シナ海等のサバ・アジといった魚種の資源量の低下の原因とされている、ここ数年で急増した中国の虎網船団などは、できるだけ短期間で漁船に対する投資分を回収しようとしますので、必然的に漁獲圧力を高めてしまいます。2013年の西日本巻き網船団の漁獲量は3年連続の不漁で5.6万トンと過去最低を記録してしまいました。しかし水揚げしたサバの主体は何と約8割がローソクと呼ばれる餌用にしかならない小型のサバです。残念なことに虎網船団の影響を受けている日本の漁船も、小型のサバを獲ってしまっています。日本は日本で、その漁獲内容に大きな問題があるのです。

近隣諸国で科学的な相互管理の仕組みを

 虎網の問題はここ数年の話です。日本の漁船の獲り過ぎでサバの資源が減少したことがわかるグラフがあります。(「ノルウェー式の資源管理は日本の水産資源復活に直結するか?」参照)。大儲けしているノルウェーを始めとする北欧の漁船では、99%以上のサバが、価格が高い食用向けにされていることは前回ご説明した通りです。中国を始めとする近隣諸国との資源管理に関する実現性の高いTACの設定を行い、まずは資源を回復させる手段を早急に講じないと、確実に共倒れの方向に進んでしまいます。

 具体的には、科学的な根拠をベースに、中国、台湾、韓国、日本にそれぞれに魚種ごとのTACを割り振り、漁船にはVMS(衛星通信漁船管理システム)を設置し、誰にでもわかる相互管理を実施。漁船は高い価格を払う国に水揚げできるようにする。ただし、最低半分は自国での水揚げを行う等、すでに北欧の国々の間では実施されていて、かつ資源回復と水揚げ高に貢献度が高い方策を実施していけば、各国の利益が増え、かつ漁業が持続的になっていくのです。

 この状況をこのまま放置すれば、各国の競争で資源が枯渇し、回復するにしても数十年を要する取り返しがつかない事態となってしまうことでしょう。資源が安定する政策が実施されれば、漁業は儲かる産業に再び生まれ変わります。そして、インプットではなく、肝心のアウトプット(漁獲量)を管理すれば、船を大型化しても、資源には問題ないことがわかります。

 さらに北欧のように若者が働きたい環境になれば、漁業に対する後継者も出てきます。まさに進め方次第で、漁業だけでなく地域経済も大きく左右する紙一重の状態です。そしてその最大の課題は、偏見をなくし成功している国々から学びそれを実施できるかどうかなのです。

1504とはずがたり:2014/02/09(日) 15:38:40
日本の漁師たちの悲痛な叫び
「乱獲を止められない」「食えない仕事を継がせる親はいない」
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/2776
2013年05月02日(Thu)  片野 歩 (水産会社 海外買付担当)

2011年の世界の水産物総生産量が、FAO(国連食糧農業機関)から発表されました(図1)(世界水産物生産量推移のグラフも参照)。数量は、前年比6%増の1億7,800万トンとなり、10年連続で過去最高を更新しています。漁業生産は4年ぶりに前年を上回り、養殖は1961年以来成長を続けています。

 これが成長を続けている世界の水産業の実態です。国別では、漁業・養殖共に中国が首位。日本は、漁業で前年の5位から7位へ、養殖で9位から12位に順位を落とし、水揚げ量は年々減少しています。そこには、残念ながら1972年から1988年までの実に17年間もの間世界最大の漁獲量を誇っていた姿はありません。

 また、農林水産省によると2012年の漁業就業者数(岩手、宮城、福島の3県を除く)は、17万3,660人で、前年より4,210人(2.4%)減少しています。特に60歳以上の漁業者が占める割合は、前年より0.9%増加し51.5%と半分以上となっています(図2)。海面漁業(遠洋漁業、沖合漁業、沿岸漁業、海面養殖業の総称)の経営体数は約9万の経営体で、この内、個人経営体は95%を占めています。経営体数も前年比で2.5%減少しています。誰がみても、非常に厳しい産業になっていることは明確だと思います。

自画自賛する日本の漁業

 ところが日本の水産白書(平成23年版)には、「資源管理の成功には地域をまとめるリーダーの存在や社会的連帯の存在が大きく貢献しており、共同管理が世界の漁業問題の有効な解決策となり得る」「我が国においては、古くから漁業者が水産資源を共同で管理しており、その基本理念が現在の漁業制度に引き継がれています。我が国の漁業は、世界的に見ても共同管理の先取りともいうべきものです。」と、2011年の科学雑誌ネイチャーに紹介されている、とあります。

 しかしながら、ご説明した通り、世界の水産物の供給が年々増え続けているのとは対照的に、日本では毎年水揚げの減少が続いているのです。「日本は世界第6位の広大なEEZ(排他的経済水域)を持ち、世界3大漁場の一つを有する」という地政学的な内容は変わっていないのに、水揚げが減少しているのだから、日本の漁業には何か根本的な大きな間違いがあるのではないだろうか? と気付くはずです。海の広さが変わらないのに魚の水揚げが、不自然に減っているのですから。

 世界で数多くの成功例を見てきている筆者には、ネイチャーで紹介されている例は、自画自賛ではないかと思えるのです。「世界に評価されている」というやり方を続けることで、果たして漁業は本当に良くなるのでしょうか?

米国は政府主導の厳格な資源管理

 ちなみにサイエンスに掲載したのは米国の大学ですが、そもそも米国の資源管理は、個別割り当てを徹底してきています。パシフィックホワイティング(タラの1種)を始め、個別割当ての実施後に水揚げ金額も資源も増えている報告が出ています。同魚の親魚の資源量は、1.5百万トンと前年を40%上回り、2013年の資源量は、20年ぶりの高水準になったと算出されています。

 米国は、パシフィックホワイティングでの結果が出た2011年のタイミングで、漁獲対象の528魚種にTACを設定する方針を出しています。その後TACは、同様に個別割当てとなっていき、資源と水揚げ金額を増やしていくことでしょう。その内、既に15魚種が個別割り当てに移行しています。米国の資源管理は共同管理などではなく、政府主導の厳格な資源管理政策に基づいて漁業を持続的にさせているのです。

 一方、日本では、まるで第二次世界大戦末期の大本営発表のように「日本は負けていない!このままで戦えば勝てる!」といった具合に、「日本の漁業、資源管理はうまくいっているのだ」という、一部の例外を除き、事実と異なる情報が常識になってしまっている気がしてなりません。そしてその犠牲者は、漁業者の皆さんや我々日本国民なのです。

 補助金としての税金も投入され続けます。来年はさらに高齢化が進んで行くことも、既にわかり切っていることなのです。漁業においても日本の高齢化は世界では異常なレベルです。多くの水産業で成功している国々は、とっくにやり方を変えており、若い人が漁業に従事し続けています。だからこそ、成功を収めたお手本通りに変えていかなければ、日本の漁業は先が見えてしまいます。

1505とはずがたり:2014/02/09(日) 15:38:59
「食えない仕事を継がせる親はいない」

 北海道から九州にかけて13人の漁師の話をまとめた『聞き書き にっぽんの漁師』という本があります。2001年の出版なので、ノルウェー式の個別割当てによる成功の話を始めとする、資源管理の重要性に関する話題が出始める前に出版された本です。著者の塩野米松さんは、13人の聞き書きを終わって、並べてみたときに背筋が寒くなる日本の現実が浮かんできたといっています。

 聞いた方の全員が声をそろえて言っていたことは「今の人は大変だな。昔は良かった」ということでした。会った方のほとんどは後継者を持っていませんでした。その訳を聞いたところ、答えは皆同じで「漁業では食べて行けなくなった。食えない仕事を継がせる親はいない」。資源さえ安定していれば、すぐそばに海があって仕事ができるのに、漁師がいなくなっているのです。

 随所に数多く出てくるキーワードがあります。それは「乱獲」という言葉です。漁業者の方々は、認めたくはないものの、原因が第一に乱獲にあったことを本当は分かっていたのです。漁具や漁船が進化して行けば、獲れる量が多くなります。資源がある内は、魚が獲れて幸せです。水産業も発展します。

 しかしながら、この幸せな状態は、決して長続きしません。漁獲能力が、魚が増えていく速度を超えてしまった時点で、水産業のあらゆるバランスが水産資源の減少傾向とともに崩れていくのです。獲れる魚の量が減れば、さらに無理に獲ろうとして、魚が卵を産める大きさに成長する前に獲りつくしてしまいます。

 こんなことをすれば、魚がいなくなって自分たちに跳ね返って来ることを漁業者は知っているのです。しかし、その責任の所在を、環境など自分たち以外のせいにすることによって、原因が曖昧になり、魚を無作為に獲りすぎた加害者(=漁業者)が被害者に入れ替わってしまうのです。

 しかし実は、有効な資源管理の政策を行わなかった為政者が本当の加害者であり、漁業者は加害者である一方で、犠牲者でもあります。水産資源を持続的に利用できる自主管理が、日本全体の水揚げに占める割合はほんの僅かに過ぎません。日本では、漁業者・学者・行政・流通業者が一体になって科学的な資源管理に取り組んでいる先進的な例が、新潟の甘エビで、2011年から知事からのトップダウンで実施されています。しかしこれは例外に過ぎません。取るべき施策に早く気付き、これと同様の試みが全国に広がっていくことを強く望みます。

資源回復? 秋田のハタハタ
漁業者の本音は…

 日本で資源回復の成功例として、秋田のハタハタの例が挙げられることがあります(図3)。ほとんど魚がいなくなってしまい、禁漁期間(1992〜1994年)を設けて水揚げが再開されています。絶滅近くまで魚を獲りつくされてしまっていた時に、禁漁期間を設定した行政側のご苦労は大変なものであったと思います。前掲の本の中で、ハタハタの漁師の方の話が出てきています。その中には、科学的な資源管理をしていなかったために地域ごと衰退してしまった例が読み取れます。

(要約)「ハタハタが一番獲れなくなったのは、禁漁の2〜3年前から禁漁の前の年。これまで周期で獲れないことはあったが、あの時はそうではないと思うな。なぜそういう海になってしまったかと聞かれたって、我々の商売(漁業)のせいだけではない。やっぱり環境が変わって来たのではないか?漁師もバカだから、買う人が来ればなんぼでも揚げて、買い手がいなくなるまで獲った。最終的に傷んでしまって、海に投げた(捨てた)。いま思えば、まあ魚がいなくなったのは罰よ。今の言葉で言えば乱獲だった。禁漁になる前の年なんかはほとんど揚がらなかった」

「その時、行政の方で、これではだめだから休んだらという話があった。三年間の禁漁をやりますよって。私ら漁師が自分で「禁漁しましょう」って旗揚げてやったことではない。行政はその時、猛反発にあった。補償はあったが僅かなもの。私らは自ら犠牲になった。解禁後は獲り放題にしたかというとそうではない。行政の方で漁獲枠を漁協ごとに配分される。ある程度ハタハタは増えてきたのだから、もっと漁師に恩恵を与えるような対策を組んでくれるならいいのだが、頭から管理型漁業だとか行って漁師に対して何も補償がない」

「若い人は気の毒だ。魚はいないし、腕次第で獲れるってこともない。規制、規制でがんじがらめ。自分に後継者はいない。息子は漁師をやらないといっている。農業と同じで、漁師も若い人にはいい仕事ではない」

1506とはずがたり:2014/02/09(日) 15:39:32
>>1504-1506
 藻場の埋め立てにより、ハタハタの産卵場が減ってしまったという環境要因は確かにあると思います。しかし、漁業者自身は、捨ててしまうほどの量の魚を産卵場で待ち構えて獲ってしまえば、乱獲で資源が減ってしまうということを分かっていたのです。産卵場を狙って獲り続けて激減してしまった北海道のニシンと同じケースです。しかし「乱獲」という魚が減った最大の原因が「環境の変化」という魔法の言葉により、原因が曖昧になってしまいました。

 しかも、せっかく(仕方なくでも)禁漁に協力して魚も増えてきたのに、解禁後は獲り放題にさせないと不平を言っているのです。乱獲をして資源を減らしてしまったという自覚がなくなり、加害者が被害者と入れ替わってしまっています。

 実際に資源が回復したかといえば図からも分かるように、かつて1960年代には2万トン前後水揚げされていたものが、近年は3,000トン前後の水揚げとなっています。本当の回復というのは、諸外国の例を見ると、資源量がもっと増えて、せめて1万トン位の水揚げを持続的にできるようになって始めて言えるのかも知れません。世界の資源回復の成功例が漁業者にきちんと知らされていれば、資源回復の重要性、「儲かる漁業」への転換など、今までの認識を変えることができたでしょう。ご子息も漁業に将来性を感じ、後を継がれる可能性があったのかも知れません。

悲鳴をあげる漁業者
分かっていても止められない乱獲

 ハタハタは一例に過ぎませんが、前述の本で紹介された全国13人の方々の漁業者の話は、共通した話題が実に多く出てきます。「乱獲」「獲りすぎ」「資源枯渇」「何年もつか」「若い人は気の毒」、「後継者がいない」といったことばが、頻繁に出てきます。登場した方々のコメントには以下のようなものがあります。

 「漁獲量が落ちるのは当然です。卵を産んで魚が成長するよりも、人間の技術の方が上、魚は毎年減少傾向になるわけ(沖縄)」、「日本中魚が減っているのかなあ。やっぱり獲りすぎでしょうか(福岡)」、「小さなイカを釣っても捨てないといけないので、罪の意識を感じます(対馬・イカ)」、「魚が減った原因は乱獲です(瀬戸内)」、「資源は減ってきているね。魚体も今年は特に小さい。秋に網漁をして稚魚を網で獲ってしまっている(土佐・カツオ)、「魚は減っている。やっぱり乱獲、それから沿岸の汚染(石川県)」、「獲る人は獲らねばならないのだから、自分では制限が難しい。獲らせるほうがもっと指導をしなければ。小さいサンマは捨ててきた。なぜそういう乱獲をさせるのか、獲る人より獲らせる方がしっかりしないからだと思う(岩手・サンマ)」

 漁業が衰退していくパターンは、だいたい日本中どこでも同じです。 「はじめの内は魚が多いので、魚は獲れる。そしてもっと獲るために漁具が進化していく。漁業者はどんどん投資してもっと魚を獲ろうとする」。ここまでは、右肩上がりで成長が続きます。

 そして今度は、「資源が減り始めて、魚が小さくなり価値が低い魚が増える。卵を産める大きさに成長していない魚でも、獲り続けるため水揚げ数量は減少し、水揚げ金額も減少して行き、そして「獲れない、売れない、安い」という最悪の状態に陥ります。最後は、後継者がないという状態になるのです」。残念なことに北海道〜九州まで全国で、様々な魚種や漁場で同じ過ちが繰り返されているのではないかと危惧します。

 漁業者は、長年にわたり悲鳴を上げていたのです。誰かにこの乱獲を止めて欲しいと。しかし、自分としては分かっていても止められない。行政が規制をしようとすれば、目の前の生活のことを考えて猛反対してしまう。しかし、現在のやり方が如何に良くないのかは自分たちが一番よく分かっているのです。後継者がいない理由もよくわかっているのです。

「百聞は一見にしかず」 海外の成功例を参考に

 この状況を打破するためには「百聞は一見にしかず」で、先入観なしでノルウェーを始めとする海外での成功例を見て、良い点を取り入れれば、明るい未来が見えてくるはずです。しかし残念ながら日本の水産業はガラパゴス化してしまっており、世界の趨勢とは違う方向に向かってしまっていることは、前述の数字にもはっきりと出ています。

 世界で真に成功している国々の実態を見たり、聞いたりして、それに気づいた多くの方々が発信を続けることで、多くの国民が政策の誤りに気がつき、世論を変えることで、日本の水産業は復活できるのです。すでに、多くの方々がこの問題に気がつき始めています。

1507とはずがたり:2014/02/09(日) 15:42:30

「魚がいても獲らない」
漁業先進国・ノルウェー
漁獲枠が大きすぎる日本
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3390
2013年12月02日(Mon)  片野 歩 (水産会社 海外買付担当)

秋はサバに脂がのって美味しくなる季節です。2013年夏〜秋、大型中心だった昨年と異なり小型のサバが多くなっているという大事なことに気が付かねばなりませんが、北海道では35年ぶりにサバの漁獲が2万トンに達し、釧路や八戸がサバの水揚げでにぎわいました。昨年の6船団より漁船が増加し、20船団にそれぞれ約1000トンが配分されました。

「北海道でサバ漁復活!」とはいかず……

 この事実だけを考えると、「そうか、北海道でサバがたくさん獲れるようになってよかったな、今後に期待できるかも?」と思われるかもしれません。漁業者には2万トンの漁獲枠が割り当てられて、水揚げがその数量に達したことも、喜ばしいことのように思えます。

 しかし、現在の日本の資源管理方法のままでは、北海道でのサバ漁復活とは、残念ながら簡単にはいかないことでしょう。今は東日本大震災で太平洋のサバ漁に様々な形で漁獲圧力が弱まったことで、乱獲を減らすことになり、結果としてサバの資源を増やす機会となっていると考えられます。一方で、同じサバでも、東シナ海近辺では、虎網船団と呼ばれる中国船が大量にサバの魚群を獲りだしたことで、日本に回遊してくるサバが急に減少していると言われています。枯渇してしまう前に、中国をはじめとする近隣諸国と、早急に水産資源管理をしていかねばなりません。

 サバだけに限りませんが、魚は獲る量を減らせば増えるし、たくさん獲ってしまえばどんどん減っていってしまうのです。同じく秋になってサバを獲り、儲かって仕方がないノルウェーと日本のサバ漁とは、漁業のやり方や水産事情が大きく違うのでご紹介しましょう。

漁獲枠が大きすぎる日本

 まず大きな違いは、漁獲枠(TAC)の設定にあります。上記の日本では2万トンというのは、そもそも枠の設定が大きすぎるのです。昨年34年ぶりに9000トン獲れたわけですが、それが最初から、その数量の倍ほどの2万トンでは、科学的に管理された数字というより、漁業者から不満が出にくくするための、目標漁獲数量のようなものに思えます。

 水産庁からの「メジマグロを食べないで」で話題になったクロマグロの漁獲枠(『クロマグロも崖っぷち 水産庁「メジマグロ食べないで」のワケ』参照)も、日本海で自主的に設定された2013年の漁獲枠は、2012年の漁獲数量が580トンであったのに対し2000トン設定と、もともと大きすぎました。これでも自主管理の枠内に収まっており、結果として昨年より多い1300トンが獲れてよかったという内容になっています。ただし2004年以降で2000トンを超えたのは僅か2回しかなく、これも北海道でのサバ漁同様に目標漁獲数量のようなもので、管理しているようで管理になっていません。設定する側も、そのことは分かっているはずです。

 日本の漁獲枠は、海外の漁獲枠制度とその運用を知っている関係者にとっては「あり得ない」制度とその運用なのです。実際に漁獲されると推測される数量よりも多く割り振られているケースが大半で、しかも水揚げ数量が増加を始めると、漁が中断しないように漁獲枠も増やしてしまいます。

 使い切れないお小遣い(漁獲枠)をもらって文句を言う子どもはいないでしょう。しかし、結果として親の生活(水産資源)が苦しくなってしまいます。一方、毎月決められたお小遣いを渡していき(個別割り当て方式)、一時的に家計が苦しい時は、理由をきちんと説明して我慢してもらう(正しい情報を提供と漁獲枠の減少)ということをしていれば、適切な金銭感覚が身につきます。

 残念ながら前者が日本の漁業を象徴であるのに対し、後者は個別割当制度に基づいて漁業を行っているノルウェーをはじめとする漁業先進国の姿なのです。日本のやり方で、親にとってひとつだけ良い点があります。それは、親が子どもに「お小遣いが少ない!」と文句を言われないことです。しかしそれでも、結局はお金が無くなってしまい文句が出てきます。そしてそれが様々な形で補助金として税金から補われることにもなることでしょう。これは、子供が悪いのでしょうか? 悪いのは、放任して管理をしていない親(国)の方ではないでしょうか?


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