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【習作】1レスSS集積所【超短編】

1名無しさん:2015/11/21(土) 00:23:52 ID:gr26XeI60
「SS書けたけどツイノベには長いし、1000文字には満たない…」
「投稿所の新着に載せる/自分の作品ページに1作置くほどでもない…、でも日の目を当てたい!」
「初作で躓いて変なイメージついたり、叩かれたくない…」
「まずは匿名でいいから反応を見てみたい…」

 そんな初心者や超短編作家の皆様! この度、談話室に『1レスSS集積所』を作成しました!
 初心者作家の叩き台から、本館作家の息抜きネタSS、そしてその感想など、様々なレスを投じてください。
 魔物娘さんたちといちゃエロちゅっちゅしたりほのぼのするSSをお待ちしております。

 【このスレのルール】
・SSの内容に関するルールは本館と同じとします。
・作品とその感想は1レスでまとめてください。特にこのスレでの連載は禁止します。
・基本的にここで作品を投稿しても匿名になります。匿名ゆえのトラブルのリスクは投稿前によく考えてください。HN・トリ付けは自己責任で。
・ほんわかレス推奨です!


他にも色々なスレがあります。目的に適したスレをご利用ください。

※魔物娘図鑑と関係ない話題でもOKです。
雑談スレ12:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1446028423/

※新刊同人誌の話題は解禁されるまでネタバレスレでお願いします。
ネタバレスレ:ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11485/1294842422

※エロ魔物娘図鑑やSSに関する考察・妄想・ネタ話などはこちらへ。
エロ魔物娘図鑑スレ10:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1441958563/

※魔物娘の生態や世界情勢など、図鑑世界にまつわる考察はこちらへ。
魔物娘図鑑世界考察スレ6:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1411941292/

※SS作者さん特有のピンポイント過ぎて微妙な質問・相談などはこちらへ。
SS書き手で雑談しましょ 8:ttp://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/otaku/11485/1445590184/

235名無しさん:2017/03/10(金) 16:50:15 ID:ua6UGR8k0
連投すみません。もう一つはかなり作風が違うので注意。
お蔵入り第二弾。

「……有能な将校さんはこんないい部屋で寝泊まりできるのね」

朝の日差しが差しこむ部屋で若い女性がくるまったシーツから顔を出した。

「ははは、何度修理しても雨漏りする兵舎が懐かしいよ」
「贔屓だわ。とっても贔屓。同じ王に仕える身なのに」
「ルナは近衛騎兵団でも副長だからね、俺とは勲章の数が違うのさ」

既にベッドから出て、制服を身につけた青年将校が水差しと2つのグラスを持って来た。

「……気兼ねなくシャワーが浴びられる貴方が羨ましいわ」

ルナと呼ばれた女性が半身を起こしてグラスを受け取る。
群青色の髪に赤い瞳が印象的な女性だ。何気なしに水を飲んでいるだけなのに不思議と見とれてしまう。

「私なんて身体を拭くのがやっとなのに……やだ」

青年の視線に気付いたルナはシーツから覗いている乳を隠し、顔を赤らめた。

「あ、ごめん……そんなつもりじゃなかったんだけど」
「もう……」

近頃は帝国内外で兵士の行き来が激しい。
その理由は帝国に反旗を翻す部族や小国によって帝国領内の街道が寸断され、物品の流通に支障が出ているからだ。
特に貴重な真水や塩などの供給がここ数日、滞っている。先に大規模な暴動が街道で起こったためだ。
さらに国境外の強制開拓団、少数民族及び、森林地帯のエルフ、地下探鉱のドワーフ達が同盟を組み、着々と軍備を進めているという。
また帝国内でも一部の者達がその同盟組織と内通しているという噂がある。果ては王の暗殺まで画策しているとか、ないとか…

「なら前線の部隊に転属するかい?ルーナンティ=エレオノーレ君。
我が第1歩兵連隊は君を歓迎するよ。毎日、乾燥豆のスープに塩漬け肉と水割り酒のフルコースで」

水を飲み干した女性は軽く笑って

「遠慮しておくわ。キース……もう行くの?」
「ああ、新兵の訓練の時間だからね。シャワーは自由に使うといい。じゃ、また後で」
「ありがとう、いってらっしゃい」

****

「失礼致します。お呼びでしょうか」
「……入れ」

城内に設けられている塔の中で、最も高い塔の一室
城下が一望できる部屋の主にルーナンティは低い声で入室を告げた。

「ルーナンティ=エレオノーレ近衛騎兵副団長であります」
「……近くに寄れ」

暗い室内で椅子に座す男の声にルーナンティはゆっくりと歩み寄った。

「ここ最近、お前に命じた任務の報告書に同じ文字が記されている」
「い、いえ……そのような事は――――あっ」

男はいきなりルーナンティの尻に指を食い込ませた。

「事細かに記されているが……要は『成果なし』と言うことだ。これが何を意味するか、わかるか?」
「事実を述べているだけです…わ、私は―――んっ……く」

男の指がさらに下部に伸び、ぐっと上へ突き上げた。

「フィリップマンとか言ったか……あの男は有能すぎるのだ。
それに人徳もあるとあれば計画とやらに携わっているかもしれん。
風の噂では私を暗殺する計画というではないか。お前をあの男へ近づけたのは、暗殺計画に関わっているであろう者共を調べ上げるためだ。
それを命じて4ヶ月も経つ……それほど時間がかかっておるのには、他にワケがあるのではないか?」
「も、申し訳ございません。計画に携わっている様子は未だ、何も……」
「男と女……床を共にする中では寝物語に何を囁いているかわからんからな?」

236名無しさん:2017/03/10(金) 16:52:01 ID:ua6UGR8k0
男がルーナンティの眼を射抜くように睨んだ。

「特にお前は」
「わ、私は……あの者にそのような感情は……んっ……は」

男の手がさらにルーナンティを弄る。

「我が血を分けた娘で無ければその首をとうに刎ねているところだ。あの男の下で股を開くだけがお前の任務か?」
「……断じて……そんな……心構えでは…」
「お前の身体には母親と同じように淫らな血が流れているのだ。
男を狂わせるセイレーンの血がな。その能力(チカラ)を使ってもこの程度とは……」

男はルーナンティを突き飛ばすと報告書の束を投げつけた。
宙を舞う紙の中でルーナンティは静かに言った。

「……母は貴女を愛していたと……ち、父上」

ルーナンティは目を閉じ、震える声で答えた。

「何だ、それは?」

しかし、男は殺気を帯びた声で答えた。

「――――し、失礼しました。陛下」
「お前の存在は、私しか知らん。この世で私の血を正統に受け継いでいるのは第一皇女のみ」
「……はい」
「あと一週間の猶予を与えてやろう……その汚れた雌犬の身体をもって、忠誠を示せ。
もし計画にたずさわっていたとしてもあの男だけは生かしてやる」

その言葉にルーナンティは顔を上げた。

「舌を抜いて生かせておけば裏切りの憎悪の矛先は全てあの男に。お前もその方が楽しめるだろう?」
「……し、承知致しました。計画の首謀者、必ずや……」
「その言葉、努々、忘れるな……」

237名無しさん:2017/03/10(金) 17:35:34 ID:d./xUJhsO
「はぁ……」

私は刺繍が半分くらい入ったハンカチを前に、深く溜め息をついて、再び針を入れ始める。
それは炊事洗濯その他、家庭的な事に縁のない私にとって、初めての作業だった。

「本当に、上手く行くのかな」

頭に浮かぶのは、幼なじみのアイツと、このハンカチを手に入れた時の思い出--私が刺繍をはじめた理由だった。

ある日、部活の帰り道に雨が降って。
たまたま傘を持っていなくて。
近くに、知らない店が開いていて。
雨宿りの為に駆け込んだその店で、一番安いハンカチを買った。
その時に、言われたのだ。
このハンカチがある妖精の曰く付きの品である事。

「この小さな布を刺繍で埋めた時、家庭的な女の子になれる」

そして、おまじないがある事を。
本当は刺繍なんて出来ると思ってなかったし、話半分のつもりだったけれど。
その日から何故か、私は刺繍をはじめて居た。

「よし、今日はこんなもんかな」

毎日、毎日、少しずつ亀のようなペースで布を埋めていく。
家庭的になった実感なんて無い。
代わりにアイツの事ばかり、頭に浮かんでくる。
幼なじみで「女らしくない」ってからかってくる男。
布を弄っている間、何でもない相手の筈なのに、頭から離れなくなってしまう。

「ロクな補給してないだろうし、蜂蜜レモンでも作ってやるか」

ハンカチを机に置いて、台所に向かう。
その足取りは何時もより軽やかだった。


「前より、ペースがいいかな」

一週間後、四分の三が埋まったハンカチを刺繍しながら、小さく呟く。
蜂蜜レモンを渡されたアイツの表情が、頭に浮かぶ。
「ありがと」という言葉が、こんなに嬉しいなんて、知らなかった。
お陰で毎日作っては持って行くようになってしまっている。
「よし、今日の分はお終い」

明日は、アイツの試合の日だ。
弁当でも作るとしよう。
アイツの好物位なら、作れるようになったのだから。


「ふふ、勝てて良かった」

椅子に座って、刺繍をする。
後もう少しで完成だ。
試合はアイツの勝ちだった。
「弁当、ありがとな」と、試合の後に言われたのが、嬉しかった。
刺繍を縫いながら、何度もアイツの姿を思い浮かべる。
明日も、弁当を作っていこう。
栄養なら計算出来るから。


今日、刺繍が完成した。
犬の尻尾と耳が生えて。手首には羽毛が付いていた。
私は、家庭的な女の子に、なれたのかな。

アイツに、ご主人様に聞いてみよう。

238名無しさん:2017/03/10(金) 18:46:03 ID:ua6UGR8k0
>>234>>235を投稿したものですがリャナンシーちゃん、火鼠さん例の如く
感想をお願いします。

239名無しさん:2017/03/10(金) 19:24:26 ID:szc.yLUE0
とりあえず、数学disった子は文明の利器総て使用禁止な

240名無しさん:2017/03/10(金) 19:50:37 ID:d./xUJhsO
>>238
はい、承りました……感想も、批評も上手に出来ないリャナンシーですが……しばしお付き合い下さい……。


前者の話は夏の空気感、二人の弾むような会話が上手に描かれていたと思いました……。
遅刻のシーンの焦りに満ちた心理描写……妙に冷静になってしまう頭などが綺麗に描かれて居たため、読者さんの共感を得やすい文章だと思います……。
会話も罵りあいや急な鞍替えなど読んでいて飽きず、声の聞こえてくるような自然な文章でした……。

しかし、幾つか気になってしまった場所もあります……。
少年と少女の名前や、夏である事などの大事な設定が、中盤唐突に描写されたため、少し焦ってしまいます……。
この作品は視点変更を多用するため、誰が何をしたのかの提示がとても大事です……。
設定の提示は序盤に行った方が、良いかも知れません……。
また、視点変更が多い作品ならば、主語を強調する事もテクニックです……。
もしよろしければ、試して見てください……。
そして一番気になってしまったのは、未完結だということです……。
物語が盛り上がりそうだったので、本当に続きが気になります……。

総じて、空気感のある、続きの気になる文章だと思いました……。



もう一つの作品はハード、ですね……。

彼女の心理、焦りや、微笑み……。男の怒号……。石に囲まれたような閉塞感など、心に迫る分でした……。

反面、ですが。
この作品は短編では難しいかもしれないと感じてしまいました……。
ハードな作品で大切なのはバックボーンと説明です……。
どちらも、短編という形態では難しいものです……。
「帝国」などは特に重い単語で、説明に必要なウェイトはかなりのものです……。
三人称である場合は空気、経済、政治、人。最低でもこれくらいの説明を要求します……(私の偏見ですが……)。

とはいえ、これは私の相棒の話なので……一般的には、貴方には当てはまらないかも知れません……。
次のハードな作品を期待しております……。


以上、長く書いてしまい、申し訳ありませんでした……。

241名無しさん:2017/03/10(金) 19:58:32 ID:GcHgvTyc0
はいさ、リャナンシーちゃん呼んで来ま〜す……と、その前にごめんなさい。
ちょっとスレをご覧になっている皆様にご相談が。

最近自分はこのスレでリャナンシーちゃんと色々とレスをしてるのですが
その辺りは>>1に書いてある所の「様々なレス」の範疇で収まっている……としてしまって大丈夫でしょうか?

悪気はないのですが、率直に言ってしまうとここが過疎化の進んでしまっているスレでしたので
少しでも人が来たら良いなと思い、リャナンシーちゃんに任せて批評なんてこと勝手に始めさせてしまったため
実は他の健全なスレ利用者や利用したいという方々に迷惑をかけちゃってないかな、と心配なのです。
スレチ行為を繰り返しているということでしたら、それは不本意でありますし……どうなのでしょう?

スレの利用者の一人としては、他の書き手様のところのリャナンシーちゃん達や火鼠ちゃんの感想など
勉強になるものや楽しいものも多いですし、何よりスレの本分であるSS投稿も活発になってきたので
特に問題なければスレが現状のままOKでいてくれたらな〜、と思っております。

長文を失礼いたしました。

242名無しさん:2017/03/10(金) 20:07:30 ID:d./xUJhsO
>>241
私としてはとても有り難いです。
以前から書いては居たのですが、誰からも感想を貰えない苦痛もあったので……。

むしろリャナンシーちゃんが居たから大量に書いているという背景もあります(遠い目)
何時も的確なアドバイスをなさっておりますので。私としては有り難いなあ、と。

243名無しさん:2017/03/10(金) 20:37:19 ID:W85zuxTI0
>>241
現状で大丈夫だと思いますよ

244名無しさん:2017/03/10(金) 21:09:29 ID:d./xUJhsO
こんな雨の日に洗濯機がお亡くなりになったとか、どうすりゃいいんだよ……。
学校は変わらずにあるし、明日は普通に講義だし、たまたま洗濯物溜め込んだタイミングだから明日着る服ないし……。
いや、悩んでても嘆いててもしょうがないな。
たしか近くに「ワンコインランドリー」が出来たはずだ。
しばらく財布に辛いだろうけど、通うしか無いな……。

お、ここか。
結構大きいな。ワンコインランドリーの癖に。
ていうか中見えないし。
とにかく、入ってみるか……。

「いらっしゃいませ!」

ん!?コボルド!?
……なんだこりゃ。
最近のコインランドリーには店員が居るのか。
意外だな……あれ、洗濯機は?
店員さーん。

「お洗濯の前に、お好きな子をお選びください!」

何。メニューがあるのか。
ランドリーなのに。
とにかく業に入れば業に従えっていうし見てみるか。

「コボルド」「クー・シー」「ヘルハウンド」「ワーウルフ」「アヌビス」

……なにこれ。
ここ、ワンコインランドリーだよね。

「はい!ワンコ・イン・ランドリーです!」

ん?
何かイントネーションがおかしいような……。

「お好きなワンコがあなたの服をお洗濯しちゃいます!」

……成る程。
今理解した。
読点は大事だ。
小説家の気持ちが今なら分かる。

「洗濯、していきますよね?」

ぐ。なんてつぶらな瞳をしてやがる。
断るに断れないじゃないか……。
どっちにしろ洗濯物はあるし、頼むしかないな。

「じゃあ、アヌビスで……」
「ハーイ!アヌビスさん出番ですよ!」
「承った……この量であれば22分18秒で乾燥まですませてやろう」

一番しっかりしてそうだし、アヌビスさんが無難だろう。
なんというか、店の中から出てきた姿も頼もしい感じだし。
しかし洗濯機でやるなら違いなんて無さそう……。

「出でよ!たらい&洗濯板!」

……うわぁ、レトロ。

「何を言う!何事も自らの手で行ってこその仕事だ!……匂いも嗅ぎやすいしな」

何か聞き捨てならない事が聞こえたような。
って、早い!?
あっという間に洗濯物がピカピカに!
本当に洗濯板!?

「ふ、当然だ。乾燥はわが太陽の魔力で行ってやろう」

うわぁ、太陽の香りだぁ。
すごいなワンコインランドリー……。

「価格は100円だ」

しかも、ワンコインなんて通うしか無いじゃないか。
とりあえず、明日も来るとしよう……。

245名無しさん:2017/03/10(金) 22:52:31 ID:lCdVLpxg0
>241
他の人が批評されているのを見て勉強になる。なにより批評の仕方も学べるし。
ここだと、気軽に批評を書ける。といっても、技術的なことしか書けないけど。

私が書きはじめたとき、ここではなかったのですが、活発に意見をもらえて、それですごく勉強になった。下手なりに今の基礎を築けた。
いつか、その恩返しをしたいと思っていたので、ここはその一歩として大変にありがたいと思っていました。

246241:2017/03/10(金) 23:55:35 ID:GcHgvTyc0
皆様レスありがとうございます
とりあえず流れ的に大丈夫そうなのでホッとしております
よっしゃ、これで気兼ねなく書き込みができるぞ〜って
リャナンシーちゃんまだ俺が書き込んでる途中で(ry

>>238
はい、感想任されましたリャナンシーちゃんでっす!

>>234はボクの一人称で語られてる内容が学生っぽくてナイスよね。
それと会話に出てた「妊娠させるのはゴミ箱だけにしろ」って表現、これは一押し!
これだけで二人が気の置けない仲だって表現できるし、笑えるポイントでした!

>>235はハードな雰囲気よね
会話での緊張感が上手く出てると思います!
けどこれを書ききるのは絶対に大変よねぇ……お蔵入りになったのもなんとなく察せられるわ

二作とも大分前の作品なのかしらね?
昔の文章に愛着が持てるのは羨ましいって相棒が呟いてるわよ
アイツはもう最初に書いた文章なんて残ってないしねー

それじゃまた何かあったら呼んでねー! リャナンシーちゃんでしたー!

247241:2017/03/11(土) 00:00:05 ID:xeWzyaRM0
PCを奪取したので簡易感想を

>>244
ホッコリ、ニヤリとする作品からコレかぁい! って笑いました
コボルドちゃんのオムライス連呼カワイイ
いつの間にかご主人様呼びになってる私カワイイ
それでいてこのしょーもない(良い意味で)のギャグかいな!

248名無しさん:2017/03/11(土) 00:22:22 ID:jE/g3ptU0
こんばんは、火鼠だ!
>>244これは思わずニヤリとしてしまった。

洒落が効いてるしワンコちゃん達を選択して洗濯してもらうなんてイイネ!

中東系褐色ワンコちゃんの最後のセリフもワンコなら納得だよ。

クンカクンカすーはーすーはしているなら命の洗濯もしてもらうといいよ。

しかもワンコインで、ワンコにインできるなんてとってもリーズナブル

だけどボクは違うからそこんとこよろしく。

じゃ、ワンコに追いかけられる前に退散するね。

またおもしろい作品を期待しているよ。

249名無しさん:2017/03/11(土) 11:51:09 ID:H7yNtD56O
「本当に、色んな写真だらけだ……」
「キヒヒ、趣味と実益を兼ねてますから」

壁に貼られた沢山の写真、棚を埋め尽くすスクラップブックに机の上の原稿。
床の上は資料だらけ。
豪雨の日の帰り道、一時避難所に使わせてもらった先輩の部屋は、新聞部のエース、という彼女の評判にぴったりのものだった。

「濡れただろうし、シャワーなら貸すよ?」
「いや、流石にそこまでお世話になるわけには行かないし……着替え、ないですからね」

キヒヒ、と胡散臭く笑う先輩の言葉に首を振ってみせると、彼女は小さく首をすくめた。
ラタトスクである彼女の大きな尻尾が残念そうに揺れる。

「ちぇっ。折角後輩クンの全裸を撮ろうと思ったのに」
「自重して下さい。やりすぎるとまた風紀委員に目をつけられてネガ没収されますよ?」
「あー……あれは辛かったよ本当に。良い記事だと思ったんだけどな」
「委員長はヴァンパイアなんですから……駄目ですよ。相手の気持ちを考えないと」
「キヒヒ、善処するよ。ほれ、タオルだ。そこ座って拭いときなよ」
「ありがとうございます。先輩」

もらったタオルで頭を拭きつつ、ギリギリ露出しているフローリングの床に座る。
座っただけの振動でも、ぐらぐら揺れる縦置きの資料の山が、なかなかに怖い。

「先輩、これ崩れそうですよ!」
「そ、その山は不味い!抑えて……」
「うわぁ!?」

彼女の焦りが最後のトリガーだったのか。
そのうちの一つ、やけに巨大な山がひときわ大きく揺れて崩れていく。
盛大な音が鳴り響いた数秒後、僕は見事に押しつぶされていた。

「おーい、後輩クン。生きてるか」
「な、なんとか」

資料に埋もれながら、返事をする。
ごそり。と起きあがると、挟まっていた写真がぱらぱらと落ちた。
これは、僕の写真だろうか?いや、むしろこの資料全部……!?

「先輩、この写真って……」
「全く、大事な資料だったのに。乙女の秘密を知った責任、とってくれるかな?キヒヒ」

呆然とする僕に、相変わらずの笑いを見せる先輩の顔は、真っ赤に染まっていた。
大きなフカフカの尻尾は不安なのか、少しだけ、垂れていた。

「ほら、責任を取ってくれよ後輩クン。私の心を奪った責任をね」

ごまかすように。
先輩が僕の体に乗ってくる。

「キヒヒ、資料じゃない。本当の後輩クンを教えてくれ」

その日、僕達は初めてキスをした。

250名無しさん:2017/03/11(土) 12:34:49 ID:xeWzyaRM0
 おや。ハンターさん、今日もこの森でお仕事ですか?
 若いのに仕事熱心な人ですねぇ。
 そんなハンターさんに、ボクからとってもイイコトを教えてあげましょう。
 この入り口を真っ直ぐ行って、それから三つある小道を右に入って。
 それから四つの道の、左から二番目の方を進んでいくと広場があります。
 さっきそこに、獲物になりそうな動物がたくさん集まっていたんです。
 そこに行けばきっと、今日のお仕事も楽にこなせちゃうんだろうなぁ。

 おやおや、そんな疑わしい目でボクを見ないでくださいよぉ。
 それはボクも、ハンターさんをからかってばかりですけど?
 だけどこれでも、森の情報通を自負してるんです。
 たまには本当のことを言ってるって思ってくれても良いじゃないですか?
 ……信じてくれるんですか? ハンターさんってやっぱりお人好しですねぇ。
 ではでは、お仕事がんばってくださいね。ハンターさん。

 ◇

 おやおや。また会いましたね、ハンターさん。お仕事はいかがでしたか?
 見れば分かるだろうって? ああ、確かに獲物は抱えていませんものね。
 おかしいなぁ。ボクが見に行ったときには動物達がみんなで集会をしてたんだけどなぁ。
 怒らないでくださいよぉ。またちょっと悪戯しただけですってばぁ。
 ご、ごめんなさぁぃ……。
 
 …………。
 
 ボクが言うのもなんですけど、これで許しちゃうからハンターさんは“ちょろい”んですよ?
 さて……お詫びじゃないですけど、今度はボクも本当のことを教えましょう。
 さっきの道を戻って、一番右端の小道を行ってください。
 そうしたら後は、その道をまっすぐ進むだけでいいんです。
 きっとおいしいゴハンが待ってますよ。
 え? そんな道入ったこともないし、獲物が向こうに行くところを見たこともないですって?
 まぁまぁ、また騙されたと思って……もらっては困りますね。これは本当に本当のことなんですから。
 じゃあボクは準備があるので、この辺で。お先に失礼しますね。
 ……ちゃんと来てくださいね、ハンターさん?

 ◇

 やぁやぁハンターさん、いらっしゃい――って、あら。おかんむり。
 小屋があるだけじゃないかって……ボク、嘘は言ってませんよ?
 ボクが言ったのは「おいしいゴハンが待ってる」であって、「そこに獲物がいる」とは一言も言ってません。
 ……あらあら、ますますおかんむり。
 だから、おいしいゴハンが待ってるのは本当ですって!
 さぁさぁ、早く中に入ってくださいよ、ハンターさん! ゴハンが冷めちゃいます!

 じゃーん、どうですか! お腹を空かせたハンターさんの目の前、なんとご馳走の数々が!
 え? はい、用意したのはボクですけど?
 あ、目が険しくなった。そんな表情されたらボクだって傷ついちゃいますよ……うぅ、しくしく。
 ま、そんな些細なことは置いておいておきましょう!
 ささ、席に座ってくださいな。腕によりをかけて作ったんですから。

 ……いつもボクに構ってくれるハンターさんへの、ちょっとしたお礼です。
 だから遠慮しないで、たくさん食べてください。
 えへへ……良かったです、喜んでくださったみたいで。

 あぁでも気をつけないとなぁ。
 おいしい料理の中にも一つだけ激辛料理が混じってるからなぁ。
 クスクス……さぁ、お口の中の家事を回避したければ、ボクから情報を引き出さなくてはいけませんね?
 
 ……えへへ。えへへっ。
 ハンターさんなら、そう言ってくれると思ってました。

 それじゃあ、ボクの気持ちを込めた料理……楽しんでくださいね、ハンターさん?

251名無しさん:2017/03/11(土) 12:41:05 ID:xeWzyaRM0
>>249
ラタトスクちゃんのSS書いてたら先を越されたぞ畜生
書き手の考えることは同じってやつですかねw
にしても、新聞部なラタトスクちゃんカワイイなぁ。自分はその発想出てこなかった

252名無しさん:2017/03/11(土) 13:59:32 ID:H7yNtD56O
「ん。今街で行方不明の子は西の森でさまよってるってさ」
「ありがとう。情報感謝する……これ、約束の情報料だ」
「ん。たしかに受け取ったよ」

情報料が入った袋を受け取りながら、私が小さくため息をつくと、目の前にいる男は不思議そうに首を傾げた。
私--ラタトスクの情報屋と、教団の勇者であるコイツの付き合いは、結構な長さになっていた。

「しっかし。勇者がこんな魔物から情報を買うなんて……世も末かね」
「君の情報には、嘘がないから」
「そりゃあ。信用第一の商売だから嘘はつきたくないけどさ」

コイツの真っ直ぐな瞳に目をあわせないようにしながら、ぼそりと呟く。
確かに、私は情報に関して嘘をついたことはない。
だけど、結構後ろ暗い情報の渡し方をしてきたのだから。

初めて出会った時は、難病を治せるポーションの場所として、ドラゴンの巣穴を紹介した。
次に出会った時は、盗賊の頭を探して居たから、オークの群れに捕まっているとは言わずに居場所を教えた。
強い武器が欲しいと漏らしたときは、カーズドソードのありかを伝えた筈だ。

何度も何度も、コイツには、本当だけれど、悪いことをして来た。
だというのに、コイツは怒らずに、情報を買っていくのだ。
毎回毎回飽きずに来るもんだから、最近は疲れて普通に情報を渡すようになってしまっている。

「もし、目の前の魔物が子供を攫って西の森に放置した。ならどうする?」
「君はそういうこと。しないだろ?」
「まあ、そうだけどさ」

ちょっと動揺させようとしても、この調子。
なんというか、騙しがいのないヤツだ。
ちなみに、行方不明の子は世話好きのアルラウネ夫妻が保護している。
どうせ、コイツの事だから特にバトル展開一つなく、穏便に済ませてしまうだろう。

「あのさ。実は追加料金で売れる情報があるんだ」
「え、本当か?」

何となくムカついて、私はある情報をコイツに売ることにした。
これ位すれば、コイツだって少しは反応してくれるかも知れないし。
情報料を受け取りながら、小さく笑んで見せた私は。

「実は、私……あんたに惚れてるかも」

会心の情報を口にした。

253名無しさん:2017/03/11(土) 17:26:07 ID:7svTCp0k0
>>247
感想、ありがとうございます。
オムライスは以前からどこかで使いたいネタだったので鮮度が高いうちに使ってしまおうと考えた結果です(苦笑)
無口っこにやらせるべきか、可愛いコボルドちゃんにやらせるべきか……悩みどころでした(遠い目)
個人的にはオムライスの台詞三連打の途中に地の文を入れるかと考えたのですがテンポと、内容が思いつかなかったのでそのままにしたしだいだったり。

ハンカチの話は、自分の大好きな作者さんの連載が終了したので、つい魔物化で書いてしまいました。
ダークな話に負けない重厚な描写と、丁寧な心理描写。ああいう作者さんには本当に憧れてしまいます。
短編ではあの空気感は出ないので、あくまでちょっと魔物化を書いただけになってしまいましたが……。

ハイ、三つ目はしょーもないです。
読点について真面目に考えたら何故か浮かんでしまったんです。
文体についても普段自分がやらない口語スタイルなので、書いてて何故か楽しかった覚えがあります。
ワンコ・イン・ランドリー。多分別の子でも書けば連載行けたんじゃないかとも思うけどこんな連載していいのかと言ったら真顔で首を振ります。

>>248
火鼠ちゃん、感想ありがとうね。
ワンコ・イン・ランドリーだと多分命の洗濯も出来るかもしれないと思う(そこまで考えてなかったともいう)。
ワンコに、イン。洗濯を選択。
……うん、洒落もきいてるし……。

>>251
書き手ですから一番を取りたくなるのはしょうがないですよね(遠い目)
新聞部でカメコしてるのが似合うかなーなんて考えていたらこんな形になりました。
あと、ブレザーを着せてみたかっただけとも。
これからCGIで盛り上がってくれたら嬉しい子です(こちらで執筆しなから)。
>>250のラタトスクちゃん可愛いですね。
嘘はついてないけれど……という感じがとても良いと思いました。
同じ形式を繋げる事で、いつもだまされているという演出も効果が高いと感じます。
そして何より、口調が可愛いです……。

254名無しさん:2017/03/11(土) 22:14:51 ID:H7yNtD56O
「君は、今日から私の実験体だ」

それが親を亡くし、奴隷として売られた僕を買った人から、最初にかけられた言葉だった。
死人のように顔色の悪い、無表情な女性。
かなり力のある魔物だと、奴隷商人が怯えていたのを思い出す。
正直、誰だろうと関係の無い話だ。奴隷として売られた時点でまともな人生は難しいのだから。
枷を外されても、逃げる気もおきない。

「最初は、身を清めてもらうぞ。実験は清潔が基本だ」

良く分からない器具の並ぶ薬品と死の香りのする実験室の隣にある浴室に連れて行かれ、冷たい指で洗われた。
途中でつけられた薬液は、甘い花の香りがして、少しだけ心が安らいだ気がした。
十数分後、僕の身体はぴかぴかになっていた。

「次は身体の確認だ。測らせて貰うぞ」
次に裸のままの僕の体を、色んな角度からチェックされた。
枷の痕や、奴隷商人に殴られた傷の一つ一つに、丹念に甘い香りの軟膏が塗られていく。
作業が終わり、肌触りの良い服を着せられる頃には、傷一つなくなっていた。

「栄養状態の試験だ」

無表情のまま、彼女が出してきたのは温かいキノコのシチューと、ふかふかのパン。そして琥珀色の薬茶。
どれも、美味しかった。
空腹のあまりガツガツと食べる僕を彼女は無表情に見つめていた。

「性欲の確認だ」

食べ終えて、一息つく僕の前で、彼女はおもむろに着ていた服を脱いだ。
なだらかな胸や、控えめな腰が露わになる。
が、それだけだった。
しばらく無表情で見つめていた彼女は、何故か寂しそうに服を着直した。

「最後に、心の実験だ……実験体、君は家族に会いたいか?」

椅子に僕を座らせながら彼女は小さく呟く。
その問いに、僕は頷きで返した。

「それは、どんな形でも。死を否定する魔術師--リッチである私が出来る範囲でも構わないか?」
「……はい」
「了解した。ならば実験体よ。この契約書にサインをすると良い」

彼女が渡してきたのは、一枚の紙片だった。
それは、どことなく神聖で、禍々しい気配を持った紙だった。

「これが契約書だ。人を蘇らせる為に、魂を捧げ--」

僕は話を最後まで聞かないまま、サインを終えていた。
途端に冷たい感覚が全身を包む。
死の感覚、だろうか。
見上げる僕の体を彼女が抱きしめていた。

「約束だ。家族を蘇らせてやろう」

柔らかい。声音だった。

「その代わり、ずっと一緒だ」

255名無しさん:2017/03/12(日) 12:55:45 ID:nEYAXpqsO
かりかり、かりかり。
古びた銀色の懐中時計のゼンマイを回す。
数ヶ月前にはじめた、私の日課である。
寂れた静かな屋敷の中、小さな機械の音が響く。
私の手の中で、巻かれた時計はやや正確な時を刻んでいた。

「ご主人様、その機械は?」
「ああ、懐中時計だ。こうして毎日巻くのが日課でな」
「時計、ですか。ご主人様なら、時間を正確に知る魔法位、出来そうですけど」
「はは、確かに」

唯一の従者の言葉に、苦笑で返す。
ヴァンパイアである私にとって、時を知るのは簡単なことだ。
こんな道具に頼る必要などない。
けれど、私にはこの時計を持つ、理由があった。

「従者よ。記憶はまだ戻らんか?」
「いえ、全く思い出せないです」
「そうか」

ごまかすような質問に律儀に答える従者。
一生懸命に思い出そうとする彼の額には、深い皺が浮かんでいた。

「従者よ。お前は記憶を戻したいか?」
「はい。自分が何者か分からなければ、胸を張って仕える事も出来ませんから」
「……そうか。ならば」

椅子から立ち上がった私は、彼に時計を握らせる。

「この時計は、お前の物だ」

困惑する彼に、ほんの少しの笑みを見せて、私は奥の間へと歩いて行った。



「時計、か」

従者を入れたことの無い奥の間で、呟く。
部屋の隅に置かれているのは、美しくも使い込まれた剣と盾。
そして、教団の印が刻まれた鎧だった。

「お前が悪い奴じゃないのは分かる」

これを着ていた勇者の言葉を思い出す。
旧時代に人を殺した私にかけた言葉を

「けど。俺は勇者だ。お前を倒さないといけない」

剣を構えながら、そんな事を言って。

「この時計が12時をさした時、お前を倒しに行く」

言外に「逃げろ」と言いながら。時計を渡してきた男だった。
それが、私の初めてふれた優しさで。
その手にかかって、終わるのも悪く無いと思えた。

その日結局、12時の針がさした時、勇者は現れなかった。
代わりに崖下で拾ったのが、今の記憶喪失の従者。
土砂崩れから。みなをまもって頭を強打した阿呆だった。

「確かに、返したぞ」

装備の手入れを、丁寧に行っていく。
いつか、彼がこれを着る日が来るのだろうか。
私の身体を、この剣が貫く日が来るのだろうか。

ただ一つ言えるのは。

記憶が戻ったら、笑って見せてやるという決意だ。
彼のおかげで、私が出来るようになった表情なのだから。

256名無しさん:2017/03/12(日) 14:14:43 ID:nEYAXpqsO
ラタトスク、それはリスの姿をした魔物であり、情報という目に見えず、触れることも出来ない剣の使い手である。
彼女の流す情報は正確ではあるが、適切では無いことが多く、その毒牙にかかる者は後をたたない。
数値は嘘をつかないが、数値で嘘はつけるのだ。

「うーん、サバト信者を増やす方法かぁ」

そして、今まさに、ラタトスクのひとりが情報の剣をふるおうとしていた。
大きなリスの尻尾を揺らす彼女が考えているのは、依頼主のサバトの信者を増やすこと。
サバトまで人を誘導すればあとはバフォメットや魔女が誘惑してロリコンにしてしまうため、いかに人を集めるかがポイントの仕事。
すなわち、どんな内容でも人の耳目を集める事が大切である。
思わず、確かめに行きたくなるほどの。

「よし、嘘じゃないしこれで良いか」

しばしの間、ペンを咥えていた彼女だったが、ある事象をひらめき、記事を書き始めた。
数日後、教団国家に配られたビラで人々はその記事を知る事となった。



その日、教団国家の勇者の多くが装備の確認をしていた。
数多の戦士が、幾度と無く自らの調子を確かめていた。
幾多の魔術師がとっておきの魔法を準備していた。

--すべては、サバトに向かうために。

情報を受けた国境沿いのサバトでは、魔女やファミリア達。バフォメット数人が控えて準備していた。
誘惑の支度である。
他の魔物たちもおこぼれに預かるべく、瞳を光らせる。
依頼をしたバフォメットは気合いを入れるべく、何度か顔を叩いた。

激突は。数分後だった。

「ここが、噂のサバトか!」
「探すぞ!どこかに居るはずだ!」

勇者はわざと転んだ魔女を思わず庇い。
戦士は何故か屈強な筋肉を誉めるファミリアにメロメロになり。
魔術師はバフォメットとの魔法対決で敗北し。
真性のロリコンになった味方を捨てながら、彼らは進撃した。
その先に、求めるものがあると思っていたからだ。

「ここに、噂のバフォメットが居るはずだ!」

奥の扉を開けた彼らが見たのは。依頼人のバフォメット。

「良く来たな貴様ら!」
「違う」

しかしどや顔で出迎えた彼女を、彼らはスルー。
目当てではないからだ。

「どこだ!ロリ巨乳のバフォメット!?」
「なんじゃと!?」
その日配られたビラには、バフォメットの胸が大きくなったと書かれていた。
そう、確かに1ミリ大きくなったのだが。彼等は知る由も無い。
情報とは、恐ろしいのだ。

257名無しさん:2017/03/12(日) 14:52:50 ID:nEYAXpqsO
180、244、256と、ギャグに挑戦してみたのは良いのですが、ギャグらしい文章というのがいまだに良く分からないままです(自信が持てず本館で書けた試しが無いです)。
リャナンシーちゃん、ギャグを書くときに気にしていることやコツなどはあるでしょうか。

258名無しさん:2017/03/12(日) 15:04:10 ID:QFqis9320
>>240リャナンシーちゃん、感想ありがとうございました。>>234

続きはたぶん書いていたと思うのですがデータに埋もれていると

思うので探してみます。なかったら1から書き直しなのでこちらではなく

小説投稿に掲載することになると思います。すみません。

259名無しさん:2017/03/12(日) 18:12:41 ID:n/kdcvM.0
文章が笑ってはだめだみたいな感じの説明をどっかで見た気がする

260名無しさん:2017/03/12(日) 18:33:49 ID:sMYfitiI0
>>258
呼ばれて飛び出てリャナンシーちゃん登場!
ギャグはねぇ……私も相棒も書けないって気にしてるし、誰かに聞きたい箇所なのよねぇ。
まあでも参考程度のお話なら私にもできるかもしれないから、一応話をしてみるわね。

私と相棒の場合、そもそものギャグ自体があんまり思い浮かばないから難しいんだけど、文とかについてはギャグを大げさに書いて、それをテンポ良く入れていくのを意識してるわね。
例えば>>244にギャグ(笑えるとは言っていない)を挟ませていただくわね。



ぐ。なんてつぶらな瞳をしてやがる。
断るに断れないじゃないか……。
どっちにしろ洗濯物はあるし、頼むしかないな。

さて、問題は誰に頼むかだが……コボルドちゃんはどうだろうか。

「はわわわわわわわわわわわわわわわわわわ目が回りますううううううううううううううう!」

駄目だ。あっちの洗濯機の中でランドリーしてる所を見たら、とてもじゃないが頼りになりそうもない。
となるとクーシーちゃんの方ならどうだ? コボルドちゃんよりもう少し大人な顔してるから、安心できるんじゃ……。

「わふっ、わふぅっ! すごい汗の臭いがしますぅっ! わふわふっ、わふわふっ!」

洗濯物の臭いに興奮しすぎて完全にメス犬フェイスになってやがる……却下だ、却下。
次! 次のヘルハウンドさんいかがでしょうっ!?

「あぁっ? アタシに洗濯物を洗わせようだなんて、何様のつもりだ?」

お客様だっての! 誰だよ、絶対に誰にも従わない従業員なんて雇ったの!
次っ! ワーウルフちゃんならどうだっ!?

「「「「「「「「「「「「「「「がうっ! 任せてくださいお客さんっ!」」」」」」」」」」」」」」」」

群れで出てくるなぁっ! 次ぃ! アヌビスさんお願いしますぅ!

「ハーイ! アヌビスさん出番ですよ!」
「承った……この量であれば22分18秒で乾燥まですませてやろう」

おぉ! 一番しっかりしてそうだし、なんというか、店の中から出てきた姿も頼もしい感じだし!
これなら俺の洗濯物も安心して任せられる……ていうか、洗濯物を洗濯機に放り込んでもらうだけで、どうしてこんな思いをしなくちゃ――

「出でよ! たらい&洗濯板!」

――そうか、砂漠に洗濯機はないんだな。



とまあ、こんな感じ。
最初のコボルドちゃんからアヌビスさんまで、段々と地の文の文章量を少なくしてギャグをラッシュしていってるわ。
そして最後のオチに使うアヌビスさんの前で、ちょっとタメを作ってからタライに落とし込む。
こうやってオーバーな演出をしていくと、相棒の考えるようなつまらないギャグでも、一応それっぽく見えるようになったりするのよね。
後は地の文でツッコミも、合わせてオーバーリアクション気味に。
やっぱり読者をテンションに巻き込む必要があるのは否めないと思うのよね。
そういうのは官能描写と同じで、お気に入りの作家さんや作者さんから文のテンションを参考にして、自分にストックしていくのが一番だと思うわ。

>>259さんの言う文が笑ってはいけないというのは、ギャグの主体が大真面目な文だけ笑いが引き立つってやつね。
>>180とかが、すごく良い成功例よね。研究者さんが真面目なだけ、ギャグが見事に演出されてるわ。
逆に>>256とかだと、

奥の扉を開けた彼らが見たのは。依頼人のバフォメット。

「良く来たな貴様ら!」
「違う」

しかしどや顔で出迎えた彼女を、彼らはスルー。
目当てではないからだ。

この辺りはもっと真面目に大げさに、タメも引きも作れる箇所だと思うわね。
しつこいぐらい、大げさに、大真面目に! それがギャグの秘訣でもあるんじゃないかしら。
ま、とにかく練習あるのみよ! 既に面白いものが書けるんだから、あなたの発想力ならいくらでもギャグが量産できるようになるって!

そんなこんなで偉そうに言ったけど、以上! リャナンシーちゃんからでした!

261名無しさん:2017/03/12(日) 20:49:34 ID:nEYAXpqsO
>>260
成る程、スピード感ですね。
例文が上手すぎて感心しきりですが、何とかその域に辿り着けるよう頑張りたいです。

とりあえず、エクスクラメーションマークや「っ」などの有効性が良く分かりました……。
自分の土俵に持ち込んで、がっつりと共感を得る。主人公と同じツッコミが出来るように。ボケを配置する。
ギャグだけでなく、一人称小説で大切な事たのでもっと意識していきます……。
真面目文体ギャグの方は、もっと丁寧に描写したほうがよかったと反省しきりです。せめて
「良くきたな!」
「チェンジ」
くらいはするべきでした……。

目標としてはヤ○ダ○ヤ○氏や車○氏やの超スピード文章に憧れて居るので、参考にしていきます。
いつか、あの領域に……!

色々と、ありがとうございました。

262名無しさん:2017/03/12(日) 20:59:33 ID:nEYAXpqsO
>>258
はい……楽しみにお待ちしていますね……。
一人称のキャラクターでしっかりと「共感」を得て、視点変更をするときは誰が何をしているのかを描写し、空気感を大事に……書いてみて下さい……。

きっと、読んでくれる人が居ると思います。
「面白かった」とvoteをくれる人も居るはずです。
感想を、残してくれる方も、きっと……。

少なくとも私は、あなたの文章を面白いと感じました……。
誇張でも、嘘でもありません……。
あなたは、小説に大切な「空気」がかける人です……。
友人との歓談を。
夏の陽気を。
朝の風と遅刻の焦りを。
語るときの、イタズラっぽい表情を。
短い文章で、綺麗に書くことが出来ています……。

ですから。
あなたの作品を、楽しみに待っていますね……。


長くなってごめんなさい……。

263名無しさん:2017/03/12(日) 21:59:05 ID:nEYAXpqsO
「久し振りだね。勇者」

墓前に花を備える俺の耳に、聞き覚えのある声が響く。
それは、勇者である俺に長年付き添ってきた少女が死んでから、一年ほどたった頃の事だった。

「お前、生きていたのか」

顔をあげると、むっとした無表情が見える。
それは、かつて俺と少女が二人で戦った術師であった。
元教団のシスターであった彼女はある事件をきっかけに狂い、魔界のキノコを使ったスープで人を毒殺していたのだ。
そして、俺達が彼女を倒した時には、既に三桁の人間が彼女の手にかかり、ゾンビやグールへと変えられていた。

「いや、間違いなく死んでいるよ。腹に開いた傷も塞がっていないままさ--単純に、魔物になっただけだよ」
「……そうか。それで、魔物になった貴様はこんな所で何をする気だ。決着をつけるとでも?」

腹に出来た傷を見せつける彼女に気圧されつつも、剣を構える。
恐らくリッチとなった彼女から感じる魔力は膨大で、一人で戦えば勝ち目は薄い。
それでも、俺は相棒の前では逃げたく無かった。

「いいや、戦う気は無いよ。けど復讐に来たんだ」
「何をする気だ」
「キミを、泣かせてやる。大の大人がわんわん泣くところを、観察してやる」
「ふん、やってみろ」
「ならば振り返ると良い。それだけで、キミは泣く。絶対にな」

無表情のまま告げられた言葉に、警戒しつつ後ろを向いた俺の目に映ったのは。

「……っ」
「ゆう、しゃ」

長い黒髪が見えた。
ほっそりとした、手足が見えた。
女性らしさを帯びた身体が見えた。
それは--少女の姿だった。
失った筈の、相棒だった。

「あい、たかったよ」
「なん、で……っ」
「私が主神に背いたのは。その表情が見たかったからだ--再会を喜ぶその顔をな」

潤む視界に困惑する肩を、魔術師が叩く。
限界、だった。
相棒に抱きしめられるとそのまま泣いた。

「死を克服したかった。別れを、悲劇を否定したかった。その気持ちを、今なら解るだろう」
「……」
「ああ、赦されない事をしたとも。間違いなく私は人を殺したのだから」

泣いている俺の後ろで魔術師は小さく笑んでいた。

「だから、これが--私の復讐であり、せめてもの罪滅ぼしだ。気に入ってくれたかい?」

彼女の言葉に。

「ズルいな。本当に」

俺は、せめてもの抵抗を返したのだった。

264名無しさん:2017/03/12(日) 22:20:25 ID:Ftz61SEU0
私は探求する死者。
魔術は不得手だが、死んだ後より魔術は得意分野に入りこんだ。
だが、私は探求すべきことがある。
魔術により利便性は増したものの、魔術ありきの死後の人生ではない。
他の同胞とは違うのだ。

昔は誰も理解してはくれなかった。
だが今になって同胞たちが私の研究に強い関心を持つというのは、喜ばしくもあるが趣味の悪い笑みが浮かぶ思いもある。
私はやっと理解されたのだ。
キチガイ亡者と後ろ指を指された日々はもう終わったのだ。


さて。
私の探究心の往く道。
それは、エロである。
現魔王時代になるまでの間、私がどれだけ辛酸を舐め続けたかお分かり頂けるだろうか。
正直、自分でも何度か心が折れた。
長い死後の人生でよかった、ああ、本当に。

エロの何たるかを語れば、それこそ人の人生が尽きるほどの思いがある。
だが前置きが長くなってしまったため、全て省こう。

まずエロとは、見た目である。
今の私の体は幸いエロさに溢れている。
同胞たちより遥かに長い間、丹念に手入れをして来た体はエロに満ちている。
なお、私のコンセプトは「大人になろうと背伸びをする女の子。でも出るところは出ているんです」であるため、基本的に私の体は少女らしさを追求している。

アンデッド特有の背徳さと非人間性を兼ね備えた色の肌は、弾力よりも柔らかさを重視している。
お?と気を引くほど柔らかくしっとりとしたモチ肌だ。
顔の肉は童顔のふっくらさに、控えめに主張する小さな唇を添えている。
チロリと唇を舐める舌は血のように赤く、そのコントラストがさらにエロさを引き上げるのだ。
大きな両目は好奇心旺盛な垂れ目を眠たげに細めている。
普段は明るく元気な女の子、というのも良いのだが。
やはりエロさを出すには大人しそうな方が良いのだ。

研究者少女の肩は細い。
強く抱きしめれば折れそうな細い肩、ほっそりとした腕。
庇護欲を誘う小柄な体は、肉感的とは言えない。
だからこそ、背徳的なエロさがあるのだ。

華奢な体には不釣り合いな、肉感たっぷりの胸。
この胸を細い腕で隠そうとすると、細い腕で隠しきれない肉の暴力が際立つ。
弾力よりも柔らかさ重視のこの胸は、抱き寄せると柔らかく受け止め、挟み込むとしっとり包み込む。
数は暴力だ、巨乳は暴力だ。
異論は認める。

細い腰からなだらかに降りると、やはり細い太もも。
筋肉など不要とばかりに柔らかな太ももは、枕にしてもよし挟んでも良し。
膝から下も細いながらも柔らかで、実に撫で甲斐あること請け合いだ。
そして胸と同様、柔らかくも豊満な尻肉。
挟んでみるかと訴えるように盛り上がったこの部分だけは、弾力に富んでいる。
胸に飽きたら尻、尻に飽きたら胸。
私に抜かりはないのだ。


と言うことで、エロの集大成であるこの体で実践して見せよう。
どうだ、してみたいだろう?

「すまん。嫁がいるからパスで」

……エロさは、愛には勝てなかったのか。
まだまだ研究が必要だな。

265名無しさん:2017/03/12(日) 22:30:28 ID:Ak5y/U3Q0
>>264
これはえろい。
そしてえろいのに笑えると言う不思議……w

266名無しさん:2017/03/12(日) 23:26:37 ID:/7COnZOY0
「なぁ、剣士殿よ」

人里離れた山奥の丘、朱色に染まりかけの空を見上げる。
声の主はその腕、蒼色の翼をはためかせてこちらに吼えるように笑った。
ワイバーン。
時が時ならば、この命を容易く奪い飛び去っていく存在。

「……こら、無視をするな。返事くらい返したらどうなのだ」


ふふっ、と笑ってしまう。
そんな存在が今は、ただの寂しがり屋。
旧魔王時代の戦乱の記録に恐れ畏れながらも、どこか胸を躍らせていた身としてはどうにも寂しさも感じるが。
再びその姿を見る。
形だけは戦慄を呼んだそれであるが、構えという子供のような要求が可愛らしく飾り立てているようだ。

「むぅ、何を笑うか」


と、それが降りてきた。
大きさ、つまり姿も変わらない彼女はつかつか、というよりものっしのっしと俺の前に歩いてくると。

「っ、つ」


ごつ、と。
恐らくは軽く小突いたつもりなのだろう、重々しく頭を叩いてくる。
その衝撃で頭がくらくらする……訳ではなかった。
精々、頭に何かがのしかかってくる程度だ、無論手加減はしてくれているのだろうが。

「どうだ、流石に構うだろう?」


悪びれずに彼女が言う。
翼とは対照的な燃えるような真紅の瞳は、どことなく優越を帯びて見えた。

「……何だ?」

頭を擦りながら、返す。
といっても顎が邪魔で、鱗に触れた手は既に止まっている。
どけようとしても無駄だろう。
ずっしりと、温かみのあるこのおもりはどうやってもきっとどいてはくれまい。
さて、どういう事を言ってくるやら。

「んん?いや、特に何だという事ではない。ただただ構って欲しかっただけだ」


…………。

自分勝手め。

「……何だその目は。大体お前が構ってくれんのが悪い、私は悪くないぞ」


うるさい、まったく。
そう思って顎の下辺りをペチペチとはたいてみる。

「痛い」


嘘をつくな、俺より余程頑丈だろうに。
今度はグー、拳骨の先でちょんちょんと突いてみる。

「むー、痛いと言っている」

…………これは、また。
今度はパー。
段々面白くなってきた。


「……グギェァウ!」


「っぅう…………!!?」


サーッ、と血の気が引く気がした。
見上げれば俺の手が、腕が。
肘から先が、彼女にくわえ込まれてしまっていた。

「……怒らせるな、バぁカ」

彼女は言う。
怒っているらしい。

「や、悪かった。うん、悪かったって……」

素直に謝ると。

「……」

その顔が、俺の腕を食べたままスーッと正面に降りてきて。


「……ぇ?」

「ンェエォオォロォウ……ゥッ」


舌が、顔をベロォリと舐めてきたのだった。

267名無しさん:2017/03/13(月) 18:46:12 ID:g0FFA3/Q0
>>258
新人リャナンシーです。今回も謎のアドバイスをさらけ出します。

ギャグはスベルと悲惨になるから、怖がる気持ちもわかるわ。
でも、怖がってちゃダメよ。スベルのも慣れれば快感になるんだから。

じゃあ、ギャグの書き方ね。

お笑いで参考にするなら、落語>コント>>漫才の順ね。
文章の場合は、漫才形式だと面白味が伝わりにくいわ。それは、それぞれツッコミのタイプが違うからなの。

落語の場合は、登場人物は全員が物語の中なの。だから、ツッコミが「困惑」「怒り」「呆れ」なの。ボケは関係者にとって迷惑極まりないからね。
コントもどっちかというと、そちらに近いわ。でも、狂言回しがいることも多いからツッコミが「驚き」などになってしまうこともあるわ。
漫才の場合は、観客も含めて舞台なの。出てきたときに挨拶するでしょ? 「こんにちは、〇〇です」って。あれはお客に「私たちは知り合いだよ」と身内にしちゃうの。そうなると、ツッコミは「笑い」「失笑」になっちゃうの。友達の失敗談を笑いあう感じね。
漫才の面白さは内輪ネタに近いものがあるから、真似しようとすると寒くなるの。注意してね。

文字媒体での笑いは、基本、わかりやすいツッコミは読者に任せて書かない。
でも、これは投稿された三作でできているので大丈夫だと思うわ。

次は、何が面白いのか理解することね。

「魔物研究者」の場合、面白さはスク水を知らない研究者の試行錯誤ね。だから、早い段階でスク水であることを読者にのみ、明確に伝えることが面白味を増すことになると思うわ。

形状は、筒状で、片側は三つ、反対側は二つ、大きな穴が開いている。色々な角度から見ていて、シャツとパンツを一体化したような形状というのが一番近い。ちなみに、私はブリーフ派だ。
胸と思われる場所に文字が書いてある布が張り着けてある。
「さ・は・ぎ・ん?」
初めて聞く言葉だ。これの名称か?


「ワンコインランドリー」の場合だと、名称と洗濯方法ね。でも、中でオチがついてしまって、最後が尻つぼみになっているから、最後にもう一つおとして締めるといいと思うわ。

「旦那、待ってる間、あたいといいことしねーか?」
ヘルハウンドさん、仕事しようね。
「これも仕事だよ」
どういうこと?
「おい。私の客に手を出すな。あとでいいことしてもらう段取りが狂う」
アヌビスさん、計画だだもれですよ? 説明お願いします。
「何を言っている。命の洗濯に決まっているだろう?」
あー、そういうことね。
「お前、その指名をまだとってないだろうが。だから、早い者勝ちだ」
「ちょっと待て。フリーなら我らもチャンスがあるはず」
「ずるいよー」
「わふっ」
理解が足りていなかった。
ここは、「ワンコ・淫・乱取り」なんだ。
とりあえず、精液足りるかな?


「サバト誇大広告」の場合、ロリ巨乳のバフォメットにトチ狂った勇者たちの狂乱ね。だから、そっちに主軸をおいて、サバト視点は削った方があってると思うわ。
もっと思い切るなら、ラタトスクの導入部も「ラタトスクの書いたビラが教団国家に配られた」だけでにしてしまうのもいいわ。ラタトスクの言い訳を締めに持っていくとまとまるわ。
あとは、「勇者はわざと転んだ〜」のところみたいな、言葉をずらす笑いの時は、ずらす前の雰囲気の強い文章を入れて緊張感を作って、弛緩させると面白味が増すわ。
例えば――
戦いは熾烈を極めた。
勇者は、わざと転んだ魔女を思わず抱き止め恋に落ちた。
戦士は、屈強な筋肉を誉めるファミリアに骨抜きにされた。
魔術師は、バフォメットがかけたロリっ子アニメ上映の幻覚魔法に洗脳された。
多くの味方がサバトのお兄ちゃんへとなっていく。普段であれば撤退してもおかしくない損害の中、進軍の機運は削がれることなく、士気も下がることもなかった。
そう。彼らの求めるものが、その先にあることを信じて。


とりあえず、こんなところかな? 参考になればいいけど。
私も担当作家も笑いは本当に難しくて、頭を悩ませてるわ。
頭痛仲間ができると嬉しいな。

268名無しさん:2017/03/13(月) 18:47:39 ID:g0FFA3/Q0
「どっちが疾い?」

 緑色の翼が問うた。速さに自信があるのだろう。

「愚問だな」

 俺は迷わずハヤブサの剣を装備した。

「なんで! ワイバーンの剣でしょうが!」

 ワイバーンが旧魔王時代の貫禄で吼えた。

「ハヤブサの剣は二回攻撃できるからな」
「でも、そっちは速さが5しか上がらないけど、こっちは15上がるんだよ?」

 なんでそんなに速さにこだわりがあるのか不思議だ。

「速さが上がっても、メリットはせいぜい先制攻撃できるぐらいだぞ」

 回避確率も上がるけど、微々たるもんだ。

「納得できない。だいたい、5上がって二回攻撃なら、15上がったら、三倍の6回……いや、ワイバーンだから8回攻撃はできるはず」

 ぶつぶつ言う彼女に、三倍なら4回攻撃だっていうのは言わないでおいた。

「まあまあ。ハヤブサの剣は通常装備だけど、ワイバーンの剣はイベントアイテムなんだから」
「どんな?」

「この剣を持って、翼の山のワイバーンに勝つと仲間になるんだ。そのワイバーンに乗って、今まで行けなかったマップに行けるようになるんだよ」

 しかも、単なる乗り物じゃなくて会話もできる。ワイバーン好きには買いのRPGだ。
 急に静かになったので俺が振り返ると、彼女が俯いている。

「……やだ」

 赤い瞳を真っ赤にして涙をボロボロと流された。俺は予想外の反応に固まっていた。

「ワイバーン、大活躍だぞ? ワイバーンに乗って世界中行けるようになるんだぞ?」

 俺はどうしていいかわからず、とにかくなだめようと必死になった。

「他のワイバーンになんて乗っちゃ、ヤダぁ!」

 彼女が泣きながら、翼のある手で俺の胸をポカポカと叩いてきた。
 あー、そういうことか! もう、この!

「落ち着け。ちょっと、見とけ」

 俺は彼女を後ろから抱きかかえてゲームを続けた。本当はもっとレベルを上げてから行く予定だったんだがな。
 彼女は落ち着きはしたが、そっぽを向いてゲーム画面を見ようとしなかった。気まずい空気のまま、ワイバーンの登場イベントになった。

「見てみろよ」
「見ない」
「いいから! よく見てみろ」

 俺の強めの言葉に渋々と画面を見た。強そうなワイバーンのグラフィックとその名前が表示されている。
 腕の中の彼女が俺の方を真ん丸な目で振り返り、何も言わずにまた画面を見る。それを三往復ほどした。

「ゲームだろうと、お前以外のワイバーンに乗るかよ」

 俺がそのままワイバーンにやられたのは言うまでもない。

269名無しさん:2017/03/13(月) 22:45:42 ID:vsH4dvzo0
>>268

これは良いバカップル(誉め言葉)だぁあ。
導入でカッコイイ感じかと思わせつつ次の瞬間にはゲームの話題だとわかるのもまたいい感じだと思います。
贅沢ながらもっとしっかり見てみたいと思ってしまいましたわ。

27026:2017/03/14(火) 02:06:28 ID:LWHsKniM0
部屋の隅に積もった埃、あるいは家主のいなくなった網目状の巣。
寂しさ、というのはそういうものなんだと思う。
なんでそこにあるのかを意味として付けてくれる誰かはいなくなっていて、だけど同時にそれを片付けてくれる誰かなんて現れやしない。
だから寂しいと思ってしまう。過ぎゆく誰かも、訪れる誰かもいない。そういうことなんだろう。
でも、埃は寂しいなんて考えない。蜘蛛の巣は寂しいなんて思わない。
寂しくて、愛おしくて、切なくて。想いを懐った少女のような、小さな大きな夢を見る。
そんなことを考えてしまう物なんて、なるほど不良品なのかもしれない。

気にするものもいなくなった時計。打ち捨てられた風見鶏。雨風を凌ぐ廃屋。
不良品でも、寂しいと思ってしまっても、物はただそこに在るだけで合ってしまう。
在れと形を造られ、合れと用途を作られ、それに満足して処理もせず、いつしか誰かは去っていく。
寂しさを有れとは、故きオートマトンには命じられていない。だから不良品なんだと割り切るしかない。
寂しいと思う理由を外に求めれば、機械で在れるような気がするから。

そうして今日も、不良品は清掃する。命じられたことによって、命じられていないことを押しつぶすために。
朽ちた壁材。黴びたシンク。灯らない電灯。錆びた鉄扉。色褪せた文字と絵。止まった時計。失われた年月。
それらの処理プロセスを呼び出そうと身体を制止させて、やっぱり外出許可なく修復は困難で。
承けたプログラムを元に、部屋の隅に埃を集める。身体から漏れたような微細な粒を、ひたすらに単調に。
機械は機械として、壊れずに徹していれば、きっといつかは。
例えば大昔の遺跡を探索している探索者が、例えば脆い壁を崩して入ってきて、例えば私に驚いて。

「――おわっ、げほっ、なんだこの部屋。かびくさっ……!?」
「―――――――」

きっといつかは、そんな王子様が来てくれる、と信じていたんだ。

271名無しさん:2017/03/14(火) 11:27:49 ID:.hF0Lyi20
>>267
成程、落語ですか。
寡聞にもあまり聞いたことがなかったので試してみたいと思います(コントは参考にしていたのですが)
突っ込みは読者さんに任せつつ、ある程度は回せるように考えなければ……。

拙作の添削、ありがとうございます。
魔物学者は確かにその形の方が良いですね。
文字数制限があったので色々悩んで今の形にしたのですが、ならば思い切って序盤から持ったほうが良いと分かりました。
ワンコインランドリーは確かに落ちが弱かったと思ったので最後に何かを入れたほうが良いと感じていたので、このような例はとてもあり難いです。
誇大広告はもっとロリ巨乳について書けばよかったと反省仕切りだったりします。

とても詳細なアドバイス、ありがとうございました!

272名無しさん:2017/03/14(火) 11:53:40 ID:15fAOvx.0
「う〜ん、困ったなぁ……お姉ちゃん困っちゃったなぁ……」

「お姉ちゃん、ず〜っと弟くんが好きなんだけど……未だに弟くんとは結ばれず。くすん」

「弟くんの好みをそれとなく聞いたら『女子力の高い人が好み』って言ってたけど……」

「……女子力って、何だろ?」

「弟くんに振り向いてもらうため、料理とか洗濯とか裁縫とか、家事は万能にしたんだけどなぁ」

「気配りだって利くつもりだし、いつもニコニコ笑顔でいるし」

「それと身だしなみだっていつも気を使ってるんだけど……」

「……力って言ってるから、多分そんな女の子らしいものじゃなくて、もっとパワフルな意味なんだよね」

「うぅ……私、重いものとかは全然持てないよぉ……きっと女子力ないんだぁ……」

「こ、このままじゃお姉ちゃん……弟くんに嫌われちゃう!?」

「はわわっ! ダメ、ダメだよ! 女子力を鍛えて、弟くんのハートを今度こそキャッチしないと!」

「そうと決まれば、さっそく女子力の修行! お姉ちゃん、弟子入りしてきます!」

「う〜ん、女子力の高そうな人たちって誰かなぁ……あっ、そうだ!」



「 ア マ ゾ ネ ス さ ん に 頼 も う っ !」



 ◇

投稿用に書き始めたネタなんだけど、これで終わりの方が良いかもって思えてきた。

273名無しさん:2017/03/14(火) 15:13:33 ID:g1dLT60IO
「悲しい事があったの?」

学校の放課後。
誰も居ない第二図書室。
一人で本を読んでいた僕に彼女の声が、かかった。
元気な声にあわせて飛んだ細かい埃が陽気を浴びてキラキラと輝く。

「いや、別に僕は」
「そういう時は、一緒に飛ぼうよ。きっと、気持ちいいからさ」

僕の否定をものともせず、彼女の翼が僕の手を掴む。
空の王者と言われたワイバーンの彼女と、男性とはいえ非力な僕。
かなうべくもなく、僕はずるずると図書室から引きずり出されていく。
何とか読んでいた本だけは本棚に返せたけれど、帰りの荷物は教室に置きっぱなしになった。

「ほら、空が綺麗だよ。夕焼け前の赤色と、抜けるような蒼が混ざってて」
「眩しい。かな」
「もう、つれないんだから。ほら、背中に掴まって」

観念して彼女の背中に掴まると、振り返った彼女の笑い顔が見えた。
直後、ふわりと浮かび上がる浮遊感。
翠の翼の羽ばたき一つで、僕達は高い空へと飛び上がっていた。

「さあ、どこに行こっか」
「最後に大学に戻ってくれるなら何処でも良いよ。荷物、置きっぱだし」
「ありゃ、それは失礼」

遠く街を見下ろしながら、二人で話す。
遥か先には、海が見えた。

「ねえ、またあの本読んでた?竜騎士の奴」
「……うん」
「格好いいよね。竜騎士。憧れるよ」

翼を強くはためかせる彼女。
それだけで、景色は後ろへと遠ざかっていく。

「でもさ、別に私はキミが竜騎士じゃなくても良いと思う。弱いままでも、良いんだ」

静かな声だった。
僕の事を否定しながら、優しい声で彼女は語る。

「いつも宿題を見せてくれたり、一緒にゲームしたり、こうして空を飛んでみたり、それでいいの」
「宿題は自分でやりなよ」
「はは、ゴメンね」

憎まれ口にも彼女は歯を見せて笑う。
なんていうか、本当にズルいと思った。
人の心に踏み込んで、痛いことを言って。
そのくせ、いつも笑って励ましてくる。強い癖に、僕の弱さを肯定してくる。

空元気でも、応えたくなる。
少しだけ、視界が滲んだ。

「ほら、大学ついたよ」

気が付くと、僕達は大学に戻っていた。
空は、既に薄明の時期。

「元気、出た?」

おずおずと聞く彼女に、首肯。
僕は、竜騎士に憧れたままだろう。
彼女の隣に、立ちたいから。

けれど。

今は、これで良い。
帰りの支度をしながら、僕は微笑んでいた。

274名無しさん:2017/03/14(火) 19:50:15 ID:g1dLT60IO
ぐちゃり ぐちゃ ぐちゃ ぐちゃ

六畳一間の部屋の隅。
湿り気のある暗がりの中で冒涜的に蠢く塊に、

「ただいま」

会社から帰ってきた僕は、いつものように微笑んでみせる。

ぐちゃ♪

僕の言葉に反応してこちらにずるり、ずるりと這いずる紫色の肉塊。
てらりとした粘液が畳の上に跡を残す。

「おいで」

以前の僕であれば、悲鳴を上げる光景。
けれど、手を伸ばし微笑む僕の心にはただ、愛おしさが沸き起こっていた。

ぐちゃ ぐちゃり♪

紫色の肉塊--彼女から伸びた触手が僕の耳に伸びる。
反響する水音、耳の中から脳髄を犯される感覚。

「おかえりなさい!」

おぞましい感覚に目を瞑る事数秒。
僕の前に居たのは美しい紫色の髪を持つ少女だった。
彼女から沸き立つ甘い香りが、心を落ち着かせてくれる。

「今日も、大変だったんだね」
「うん、でも君が居るから大丈夫。頑張れるよ」
「ふふ、ありがとう--なでてあげるね」

彼女の柔らかな指に撫でられるまま、畳の上に座る。
こうして触れられるたびに、心の疲れが溶かされ、消えていく。
これが、彼女の力。
マインドフレイアと呼ばれる異世界の魔物の力だ。
触手を介して脳に干渉、五感を操り、感情を蝕む。
初めて出会った時、逃げようと必死だった僕に彼女が告げた言葉を、思い出す。
「私は、まだ未熟だからこのくらいの事しか出来ないの」

寂しそうに笑った彼女はそう言って、僕の疲れを癒やしてくれた。
逃げていいと、追い出していいと囁いてくれた。
そんな彼女を、僕は受け入れる事しか、出来なかった。
彼女と同じくらい、僕も寂しかったから。

「今日は、お土産があるんだ」
「わあ、ありがとう!」

手に持っていたビニール袋から、桜の枝を取り出して、彼女に渡す。
この部屋から出る事の出来ない彼女にとって、季節を感じる物が嬉しいのだ。
彼女の声にあわせて、部屋の中に幻の桜が舞い散る。

「いつか、一緒に見に行こうね」

少女の囁きに、頷きを一つ。
この世界に適応すれば、彼女は何時でも本来の少女の姿に戻れるのだそうだ。

手を繋いで、二人で桜を見に行こう。
いつかの日を夢見て、僕は彼女の腕の中で目を閉じる。

きっと、他の人から見れば狂気に満ちた光景の中。
僕は幸せだった。

275名無しさん:2017/03/14(火) 20:41:08 ID:g1dLT60IO
「今日が何の日か、覚えて居るかい?」
「円周率の日ですよね。πの日」
「ああ。微分積分が出来た時の感動は忘れんな。異世界の数学の魅力だ……と、答えて欲しいと思ったか?」
「冗談ですよ」

時は3月14日。
先輩であるリッチの言葉に僕は肩をすくめる。
その反応が気に喰わなかったのか、彼女の後ろにあった経箱がガタンと音を立てて研究室の床に落ちた。

「私を怒らせたいのか?」
「まさか。用意していますよ」

白衣の袖から出したのは、紫色の小さな結晶だった。
受け取りながら、訝しげに首を捻る先輩に微笑んでみせる。

「先輩のチョコレートの三倍の価値が思いつかなくって」

脳裏に浮かぶのは二月の事。
溶かして固めただけは邪道と叫ぶような、カカオの発酵から行ったチョコレートの甘く、ほろ苦い味を、思い出す。
目の前で結晶を弄んでいた先輩の顔が歪むのが見える。
きっとこれの正体に気づいたのだろう。

「馬鹿だな、君は」
「あげられる物が、このくらいしか、思いつか無かったんですよ」
「はは、本当に大馬鹿だ。自らの魂の欠片を精製して渡すなんてな」
「異世界の科学に感謝、ですよ」

彼女の冷たい指が、僕の欠片を撫でると、頬を撫でられたような感覚が、伝わってくる。
先輩もやっていた、魂を分ける術の力だ。
今、僕の心は文字通り彼女の手の中にある。

「全く、対処に困る物を渡すなど。贈り物失格だな」
「嫌でしたか?」
「まさか、こうして大切にするさ」

先輩は囁くと、彼女の経箱を拾い上げて、僕の魂をその中へと封じた。
心の中に、暖かい何かが流れるのを感じる。
きっと、これが先輩の心。無表情の下の優しさや愛なのだろう。

「さて、と」

経箱を机に載せながら、彼女はほんの少しだけ口角を上げて笑う。

「これは、少しばかり高すぎる贈り物だ--だから」

ふわり、と。
先輩の身体が近づく。
花に似た、甘い香り。
唇に感じる、冷たくて柔らかな感触。

「余剰分。返したぞ」

魂に通じる、甘くて暖かい気持ち。
僕は、何となく笑う。

今日も、良い天気だった。

276名無しさん:2017/03/14(火) 21:31:01 ID:15fAOvx.0
>>275
投稿スピードといいクオリティの高さといい
あなたもう投稿所で小品集として連載できるよねって思うw
このリッチのお話なんて雰囲気が素敵で、二人への嫉妬で壁殴りたくなるよね

自分が思いついたのなんて『マッチ売りのリッチ』とかいう親父ギャグみたいなネタなのに……

277名無しさん:2017/03/14(火) 23:58:24 ID:PGbxXHXA0
俺は、いまとても悩んでいることがある。
それは傍から聞くとバカみたいなことかもしれないが、切実に困ったことなのだ。

ウチにはペットが居る。
機嫌がいい時は黒い尻尾を揺らし。
機嫌が悪い時は黒い尻尾を立てる。
日向ぼっこが好きで、良く日当たりのいい場所で丸くなっている。
顎の下をくすぐると気持ちよさそうに伸びをする。
「にゃおおん」
もっと撫でてとねだる様に、顔を摺り寄せてくる。
可愛らしいものだ。

ワーウルフなんだけどね、このペット。

猫になりたい犬が、ということなら百歩譲ってクーシーとかコボルト辺りになりそうなもんだ。
しかし、こいつはワーウルフ。
狼の誇りはどこにやった。
「どこかの山に埋めた♪」
拾ってきなさい。
「や〜だ♪」
アパートの狭い室内をゴロゴロ転がる、ウチのペット。
首輪を欲しがっていたけど何かあれだったので、赤色のチョーカーを買ってやった。
そしたらいつの間にか、チョーカーに鈴がついていた。
こいつ、金持っていたのかよ。
「んひひ〜♪」
返事はない。
ただの甘えたがりなペットの様だ。

そもそもの出会いは、バイト帰りにコンビニに寄った時のことだ。
から揚げを物欲しそうに涎垂らしてワンコ座りしていたのだ、こいつ。
「買って買って♪」
困り果てたハーピーの店員に見るに見かねて、から揚げを買った。
そしたら、凄くなつかれた。
「飼って飼って♪」
それ、から揚げ買うときにも聞いたんだが。
お前はから揚げ並みの値段かよ。

で何やかんやあって、俺のペットになった。
なお、エロいことはしている。
主にこいつの発情期に押し倒される形で。
「にゃあん♪ ぁやん♪」

ところで俺には困ったことがある。
切実に悩んでいることがある。
こいつの腹、おっきくなってきてるんだ。
俺、学生なのにパパになるのか。
それともペットブリーダーになるのか?
とりあえず、市役所に相談しないと。

野良狼拾って色々あったんですけど、どうしたらいいんでしょうか、って。

278名無しさん:2017/03/15(水) 00:27:59 ID:cNr6yJc60
みんなが良い文章をたくさん投稿してくれてて
個別に感想コメしたいと思ってもアレコレ考えたりしてるうちに
次の作品が投下されたりで返すタイミングを逸したりしてしまう
嬉しい悲鳴だけど、コメントできなくてごめんなさい

279名無しさん:2017/03/15(水) 16:32:00 ID:AT3KzGZc0
再発掘したデータに書き加えて投稿。
某所のエロSSに影響されて真似して書いた記憶が懐かしい。
尊敬するあの作者さんは今……
リャナンシーちゃんどうでしょうか?


「んっ……ちゅば……はむっ」

昼下がりの館裏、一際目立たない一角で少年が壁にもたれ荒い息を吐いていた。
少年の名はジャン、館の若い主だ。
まだあどけなさの残るジャンが股に踞るメイドの口淫に声を上げた。

「あっ……だ、だめ! リコ! は、離れて!」
「んちゅ……ちゅる……あ、あるりひゃまぁ、くちにひゃひてふははい」
「く、口に入れたまま喋ったら! あああッ! 舌が……絡ま! んんんっ! で、出ちゃう!」

少年がリコと呼んだメイドの頭部を掴み前のめりになり、鈍い射精音と共にメイドの口内に精液がぶちまけられた。
口内のペニスがビクビクと脈動する度に半固形状の濃厚な精液がメイドの歯茎、頬裏、舌、そして喉……
口内のあらゆる箇所にドロドロの塊が付着していく。

「んっちゅ……ぬちゅ……はァ……んふッ」

断続的に放出される精液に目を閉じ、恍惚とした表情で喉を鳴らし飲み込んでゆくメイド。
キキーモラの特有の羽毛に覆われた手に飛び散った精子をしゃぶり終えると、大きな尻尾をしきりに動かし口を開いた

「若様……すっきりしましたか?」
「はぁ……はぁ…ああ…」

全て出し尽くし、弛緩した顔をしながらジャンは大きく息をついて言った。

「うん……リコ……いい?」
「もちろんです、若様」

リコは立ち上がるとスカートの中に手を入れ、下着の両端に手を掛け抜き取った。
ジャンに背を向けスカートをたくし上げると、色白のぷりんとした柔尻がこぼれ落ちてくる。
眼前に晒された官能的な雌尻にジャンの肉棒は再び猛々しくそそり立ち、脈動を始めた。

「……リコ……いくよ」
「あ……若様」

リコは壁に手をつき、尻を突き出す。
ジャンは両手でリコの腰を掴み肉棒を秘裂に押し当てると中に押し入った。

「あッ……はッ…ん、んんんッ!」

 思わず声を上げそうになるが、リコは手を口に当てて防いだ。
 リコ以外にも館で働くメイドは多くいる。聞かれるわけにはいかない。
 服を脱がず、尻だけ露出しての性交。館の主と昼間からのセックス。
 その背徳感は最高に興奮する。

「んッ……あはッ……わ、若様の大きい」
「リコ……リコ」

 一度、射精したにもかかわらずジャンの肉棒は脈打ち、リコの膣内で暴れ狂っている。

「ああうっ!か、硬い……」
「くっ……んんんぅ」

 ジャンは貪るように腰を振りたくった。
 視線を下ろすと滑った肉棒が尻の谷間の先にある秘部に咥えこまれている。
 押すと異物を拒むように締め付け、抜こうとすると未練がましく絡みつく。
 精放出を促すヒダヒダが隙間なく肉棒を刺激し、精を搾取しようとする動きに加えて
突く度に上がるリコの嬌声が更に興奮をたかめる。
 先に達したにも関わらず高ぶりは唐突に訪れた。

「も、もう出る! 出る! 出ちゃう!」
「あっああっ! 若様! 若様!」
「リコ! ま、また出る! 出―――うっ!」
「んっ! ああっ! んんんっ……はあ……あ……」

 ブリュ!

 リコの最奥で暴発したように飛び出る塊。

 ブビュルルゥ!

 うねる白濁色のゼリー

 ブピュピュゥ!

 濃すぎる生命の種

 ボプッ! ドク……ドク……

 生命を育む子宮内の漂う卵子の殺到する億の精


 全てを出し終えたジャンはリコの背中にすがるようにして腰を柔尻にこすりつけている。 
 汗ばんた額に前髪を張り付かせて荒い息をつくリコの尻尾は力を失いだらんとたれたままだ。

「さ、最高だよ……リコ」
「若様……はぁ……んちゅんうう」

 深く濃いディープキスを交わす二人の結合部から垂れ落ちる雌雄の混合液が、
太腿を伝い地に落ちるまで二人の口吸いは続いた。

280名無しさん:2017/03/15(水) 18:37:23 ID:cNr6yJc60
>>279
はい、呼ばれましたリャナンシーちゃんでっす!

今回のSSについてなんだけど、全体のバランスはオッケー!
コンパクトに纏まったえっちぃSSにはなってるんだけど……惜しい! 色々と惜しい!
そこで具体的に指摘を挙げていきたいのだけれど、どうしても今回は例文の数が多くなっちゃいそうなのよ。
だからまたまた添削みたいなものを書いてみたいのだけど、大丈夫かしら?

説明力が無くてごめんなさいね。
オッケー出たら添削と指摘をしてみたいと思います!
どうしてもってことだったら、またいつもみたいな指摘でがんばってみるから、安心してね!

281名無しさん:2017/03/15(水) 19:21:23 ID:bmAtiWgE0
>>279
発展途上で努力邁進中の新人リャナンシーです。今日も微妙なアドバイスをするから、よろしくお願いします。

まずは、ごちそうさまでした。主人とメイドって、いいわよね。王道だわ。食べ飽きない美味しさよね。内容もとってもエッチでよかったです。

読んでいて気になった点は、漢字を少し開いた方がいいかもね。普段、あまり使わない読みのとかは特にね。
例えば、「滑った(ぬめった)」だけど、これは「すべった」と読まれると、滑り出たと想像されてしまうわ。場面と合わなくなるの。普通のシーンなら、「ああ、ぬめったと読むんだ」と想像を修正するんだけど、エッチシーンで興奮を高めようとしているところでは水を差される感じになるわ。
これはエッチシーンだけじゃなくて、スピード感が欲しいアクションシーンなんかでも同じね。

他は、細かい指摘だけど、同じ書き出しを連続させるのも意図的じゃないなら避けた方がいいわ。
最初の方の「口内の」が二回連続している場所ね。この場合、最初の「口内のペニスが」のすぐ前の文の中に「メイドの口内」というのがあるから、単に「ペニスが」にしても大丈夫よ。
ついでだけど、その文の最後の三点リーダーはダッシュにして、改行せずにして「〜舌、そして喉――口内の〜」とするいいと思ったわ。一文は長くなるけど、部分部分を想像していたところへ全体の言葉が出てくるようになるから、想像が切れないの。

あと、体言止めの使いどころが少し気になるわ。
後半の擬音と体言止めの交互は、話のクライマックス。そこまでで体言止めを使うと、せっかくの演出が二番煎じみたいになっちゃうわ。だから、体言止めをそこまで使わない方がいいわ。
最初の方に使っている、「〜飲み込んでゆくメイド。」は、メイドを外しても十分意味が通じるわ。
中盤の「尻だけ露出しての性交。館の主と昼間からのセックス。」は、「尻だけ露出しての性交している。館の主と昼間からの交尾している。」という感じで普通の文にしてもリズムは取れるわ。
体言止めはインパクトが強いけど、実を言うと、リズムのインパクトなの。印象のインパクトじゃないから、多用すると逆に印象が薄い描写になるから気をつけてね。

個人的には、最後の文章はこんがらがっている感じがするわ。「キスを交わす〜口吸いは続いた。」
意味がわからないわけじゃないけど、二つに分けるといいと思うわ。
あと、名詞を一文の中で変えるのは、ばたばたした感じになっちゃうから、変えたいなら比喩表現がいいと思うわ。
それと、時間を感じさせるなら、経過を描写するといいわ。
それらを総合してみると、
「どちらからとはなく、深くねっとりと濃いキスを二人はかわした。キスよりも前に繋がった部分から雌雄の混合液が垂れ、リコの白い太腿を伝いおりて、鳥のような足から地に落ちるまで、二人の唇は離れることはなかった。」
こんな感じかな?

参考になったかな?
でも、とってもエッチだったから、ちょっと興奮しちゃった。いいよね、エロ。

282名無しさん:2017/03/15(水) 19:21:39 ID:OTIEVIzYO
「あれ、どうして……」

その日、ドッペルゲンガーである私はある違和感で目を覚ましました。
自分の身体が、自分ではない。誰かに変わる感覚。
私の大好きな先輩が私を見つけてからずっと、味わった事の無い感覚でした。

「あれ、変わって無い?」

布団から起きて、寝ぼけ眼で鏡を見ても何時もと変わらない冴えない顔。
長く伸ばした前髪も、紅い瞳も、薄い唇も全て私のままでした。

「気のせい、でしょうか--」

--ふにゅ♪

「はわっ!?」

違和感の正体に気づいたのは、直後の事でした。
驚愕のあまり困惑する私の目に映ったのは、二つのお山。
指で触れると、ふにゃりと歪む柔らかさがかえってきます。
それは、柔らかな脂肪の詰まった、乳房でした。

「うう。これが先輩の望み……?」

一つつぶやきながら、寝間着を外すと、ふるりと大きなものがこれでもかと露出します。
目測、恐らくCカップ。
普段の私はAカップですから明らかな異常です。
ちなみにこのサイズでもクラスの中では下から数えた方が早いです。魔物ですからしょうがないですが。
腰のあたりもよく見れば、ふくよかな安産型にかわっていました。

どれも、私の力によるもの。
先輩に見つけられてから喪われた筈のドッペルゲンガーの力の影響でした。

「しかし、どうしましょうか」

胸を抱えながら小さくつぶやきます。
別に、先輩好みに成ることに異論はありません。
むしろおっぱい党だと知れて嬉しいくらいです。
しかし、私の力が働いるということは。
私の事を本当に、

「おはよう……あれ!?」
「先輩!?」

そんな暗い思考を途絶えさせるように。部屋に入って来たのは先輩でした。

「先輩、これ……」
「いや、それは、その」

大きくなった胸を見せると、先輩は小さくうなだれました。
どうやら、覚えがあるようで。なんだか複雑な気持ちになりました。

「その、子供が、欲しくてさ」
「子供、ですか?」
「その、小さな体だと、出産とか、育児とか大変だと思ってたんだ。ごめん」
「おっぱいが好きという訳じゃなくて?」
「うん……」

その言葉に、嘘がないのが分かって。
私は思わず笑ってしまいました。
先輩は相変わらず、先輩で。
私を心配してくれていたのですから。

「別に大丈夫ですよ……でも」

ウィンク一つして、乳房を押し付けます。

少し不安になったのですから、この位、許して下さいね、先輩。

283名無しさん:2017/03/15(水) 21:57:14 ID:OTIEVIzYO
>>279
あまり批評も感想も得意ではないリャナンシー……ですが……。語らせていただきますね……。

他の方も仰る通り、バランス良くまとまったえっちなSS、ありがとうございました……。
短い文章の中、擬音 を効果的に使う事でえっちな情景を見事に伝えていると思います……。

私から、伝えられるとしたら、キキーモラの単語を出すタイミング、でしょうか。
もう少し早めに出して置くことで「誰が、どのように」という部分を浮き立たせる事が出来ます……。
メイド、よりも「ふかふかの尻尾のあるメイド」の形にしたりする事が私程度の思いつく方法、でしょうか……。



小説とは関係が無いですが……。
キキーモラさんを見ると私の主人がここに来た時を思い出します……。
テクニックにとらわれ、書きたい物を忘れ、私の姿が見えなくなった彼が出会った思い出の作品がここに、あるんです。
それは、ある男の人と、キキーモラさんの出会いの話でした……。
等身大に悩み、一歩進んでは周囲に怯え、彼女と共に前を向いていく。ヒロイックではない、「彼」 のお話……。

語り口は、決して美しい文章や、教本に書かれるような整った文ではありませんでした……。
生の感情を、ただぶつける。生きた人間そのもののような文章でした……。
自分の好きな物を、好きなように書く。
そんな、当たり前を思い出す文章でした……。
筆をおっていた主人が、また書こうと筆をとったのは、それが原因です。
いつかそんな物語を……自ら生み出せる日を夢見ながら。

長く、語ってしまい、申し訳ありませんでした……。

284名無しさん:2017/03/15(水) 22:30:53 ID:AT3KzGZc0
>>280リャナンシーさん添削と指摘をお願いします

>>281発展途上で努力邁進中の新人リャナンシーちゃん
詳細な指摘ありがとうございました。擬音と体言止めの交互は当時模倣していた
小説の名残ですね。私の趣向にマッチしていたのでそのまま載せました。
このキキーモラメイドは気に入っているので長編書くかもしれません。
他にも気に入っているキャラも書いてみたい。

>>283おしとやかリャナンシーさん
冒頭にモフモフもってくるべきでした。すみません。
思い出深いキャラだったのですね。
キキーモラの魅力が万分の一でも伝われば幸いです。

三人もリャナンシーさんが来てくれたのでとてもうれしいです。

285名無しさん:2017/03/15(水) 22:36:00 ID:cNr6yJc60
>>284
はい、了解! それじゃこれが参考までの改稿した文章ね!
指摘は次のレスで!



「んっ……ちゅば……はむっ……」

 昼下がりの館の裏、人目の付かない一角で、少年が壁にもたれ荒い息を吐いていた。
 まだあどけなさの残る少年は、股の間に踞るメイドの口淫に声を上げた。

「あっ……だ、だめ! は、離れて!」
「んちゅ……ちゅる……わ、わひゃひゃまぁ、くちにひゃひてふははいぃ……」
「く、口に入れたまま喋ったら! あああッ! 舌が……絡ま! んんんっ! で、出ちゃう!」

 少年がメイドの頭部を掴み前のめりになると、音でも出そうな勢いと共に、メイドの口内に精液がぶちまけられた。
 口内のペニスがビクビクと脈動する度に、半固形状の濃厚な精液がメイドの歯茎、頬裏、舌、そして喉と、口内のあらゆる箇所に吐き出されていく。

「んっちゅ……! ぬちゅ……はァ……んふッ」

 断続的に放出される精液を、目を閉じ恍惚とした表情で飲み込んでゆくメイド。
 キキーモラ特有の羽毛に覆われた手に、口の端から漏れ出た精子が垂れていく。
 メイドはそれを丁寧に舐め取り終えると、大きな尻尾をしきりに動かしながら、主を見上げて微笑んだ。

「若様……すっきりしましたか?」
「はぁ……はぁ……ああ……」

 まだ射精の余韻に弛緩したままの顔で、少年は大きく息を吐きつつ、メイドに尋ねた。

「ねえ、まだ……いい?」
「もちろんです、若様……」

 跪いていたメイドは立ち上がり、長いスカートを捲り上げて下半身を晒し、下着の端に手を掛ける。
 そして濡れた下着を両肢から抜き取り、スカートの裾を握ったまま主に背を向けた。
 色白の柔尻がこぼれ落ち、臀部から生えた尻尾は少年を誘うように揺らされている。
 眼前に晒された官能的な光景に、少年の肉棒は再び猛々しくそそり立った。

「いくよ……!」
「あっ……若様っ……!」

 メイドは壁に手をつき、その肉感の良い尻を突き出す。
 少年は両手でメイドの腰を掴むと、肉棒を秘裂に押し当てて、中に押し入った。

「あッ……はッ……ん、んんんッ!」

 声を上げそうになったところで、メイドは手を口に当ててそれを防ぐ。
 彼女以外にも館で働くメイドは多くいる。他の誰かに聞かれるわけにはいかないのだ。
 服を脱がず、尻だけ露出しての性交。主と従者の昼間からのセックス。
 その背徳感に、少年の背筋はぞくぞくと震えた。

「んッ……あはッ……わ、若様の大きい……ッ!」

 一度射精したにもかかわらず、少年の肉棒はなおも脈打ち、メイドの膣内を押し広げている。
 それだけで満足できるはずもなく、少年は貪るように腰を振りたくり始めた。

「ああうっ! か、硬い……ッ!」
「くっ……んんんぅ」

 視線を下ろすと、ぬめった肉棒が尻の谷間の先にある秘部に咥えこまれている。
 押すと異物を拒むように締め付け、抜こうとすると未練がましく絡みつく。
 吐精を促す襞が隙間なく肉棒を刺激し、精を搾取しようとする動きに加えて、突く度に上がるメイドの嬌声が更に興奮を高めていく。
 先に達したにも関わらず、再度の絶頂は急速に訪れた。

「も、もう出る! 出る! 出ちゃう!」
「あっああっ! 出してください、若様! 若様の、中に! 中にたくさんくださいっ!」
「出る! ま、また出る! 出――――うっ!」
「んんんんんっ! ああああああああああっ! あああっ、ああああああああぁぁぁぁぁぁぁっ!」

 ブリュ! ブビュルルゥ! ブピュピュゥ! ボプッ! 
 メイドの最奥で、子宮を犯さんとばかりの勢いで、精液が放出されていく。

「んんんっ! はあああ……はあぁ……ぁぁ……」

ドク……ドク……ドク……ドク……。

 全てを出し終えた少年は、メイドの背中にすがるようにして、腰を柔尻にこすりつけている。 
 汗ばんた額に前髪を張り付かせ、荒い息をつくメイドの尻尾は、だらんと力を失い垂れたままだ。

「さ、最高だよ……」
「若様……はぁ……んちゅんうう……」

 深く濃いキスを交わす二人の結合部から、二人の絶頂によって生まれた白濁液が垂れ落ちる。
 それが太腿を伝い地に落ちるまで、二人のキスは長くゆっくりと続いた。

286285:2017/03/15(水) 22:37:54 ID:cNr6yJc60
>>284
はい、こんな感じでした! それじゃ指摘点を挙げていくわね!

まず、全体的にテンが足りなかったり、文が長かったりで、読みづらくなっちゃう箇所が多かったわね。
これは『えっちぃ文章を書こう! そのためには濃密な描写にしないと!』って意識が出るとやりがちなミスなのよね。
いくらえっちぃ文章でも、読みやすい文章であることが大前提。
それぞれのセンテンスを上手く切れるように注意してください。
例えば気になった箇所で言えば、下に挙げた文があるわ。

>キキーモラの特有の羽毛に覆われた手に飛び散った精子をしゃぶり終えると、大きな尻尾をしきりに動かし口を開いた

これとか一読して意味を理解しようと思うと辛くなっちゃうからね。無理せず分けちゃいましょうね。

次に、ラストの体言止めを繰り返した絶頂演出なんだけど……。
ごめんなさい、私はばっさりカットしちゃいました。
これは>>281のリャナンシーちゃんが言うようなリズムの問題ね。
体言止めは繰り返すと文のリズム自体が止まっちゃうのよ。
今回は特に、繰り返しが『擬音・体言止め・擬音・体言止め〜』ってなっちゃってたから、なおさらリズムが止まってあっさりとした印象の文になりがちだったの。
それだったら以外にもカットしちゃってオッケー。
もうちょい濃厚にしたかったら、一文ずつ挟みながらメイドさんの絶頂の叫びでも入れちゃえば良いのよ。えっちぃ文章なんだし。

そうそう……あなた、もしやまだえっちぃ文章を書くのに恥ずかしさが残ってない?
ノゥ! えっちぃ文章を書く秘訣は、描写ももちろんだけど、台詞――あえぎ声にあるのよ!(私的な意見)
私と相棒はプロのゲームライターさんの文章を参考にしてるけど、そりゃもう嬌声がすごいことになってるわよ!
でもでも、それで興奮は誘えちゃうわけ! やっぱり女の人の反応が激しい方が男の人は喜べちゃうのよ!
もっと淫語バリバリ! 露骨なぐらいアヘアへさせちゃってオッケー!
「いぐうううううううううううううううううううううううううううううっ!」とか言わせちゃいましょう!

最後に、これは私とか相棒の好みなんだけど、今回は人物の名前をあえて省略しちゃいました。
なんでかっていうと、小品では登場人物の名前を出すための文章が入るだけで、文全体のテンポが結構削がれちゃうのよね。
省略、シンプルにするっていうのも大事なこと。
あなたはキャラクターを動かすのが上手な分、使い分けができるようになると、更にレベルアップができていくと思います!

さて、大体言いたいところはこんなところかな。
繰り返しになるけど、全体の流れはバッチシ。えっちぃ描写は短い中でも濃い口で良い感じでした。
より読みやすく、より台詞は過激に! それだけでもえっちぃ文章に磨きがかけられると思うから、がんばってください!

やたら上から目線だったり長かったりで、ごめんなさい! 許して!
以上、リャナンシーちゃんからでした!

287名無しさん:2017/03/15(水) 23:09:17 ID:bmAtiWgE0
浮気じゃないですが、他のリャナンシーちゃんの意見もすごく聞きたいです。
>>268 ですけど、ご意見いただけないでしょうか?

こういう日常話を少しずつ書き溜めて、連作していくのを考えています。
よろしくお願いします。

288285:2017/03/16(木) 00:45:36 ID:uRyDsFBM0
>>287
はーい、リャナンシーちゃん頼まれました!
意見というわけで……ずばり! 地の文での説明がちょっと足りてない感があるわね!
多分、主人公である俺くんの一人称で、軽快に文を進めたいからなんだと思うんだけど……あっさり進みすぎちゃうのが問題ね。
文の雰囲気的な“軽さ”と文の中身的な“軽さ”は別の問題。
どちらかといえば今回の作品、中身の方が軽くなっちゃってるかな。

例えば最初の方、地の文だけを抜き出して、ある程度つなげてみちゃうわね。

 緑色の翼が問うた。速さに自信があるのだろう。俺は迷わずハヤブサの剣を装備した。
 ワイバーンが旧魔王時代の貫禄で吼えた。なんでそんなに速さにこだわりがあるのか不思議だ。
 回避確率も上がるけど、微々たるもんだ。ぶつぶつ言う彼女に、三倍なら4回攻撃だっていうのは言わないでおいた。

どう? 淡々と進んでるな、って印象がないかしら。
それにこれだけを抜き出しても、何の話をしてるかいまいちピンと来ないでしょ?
日常系での一人称視点のお話でも、もっと文章を詰め込んじゃって良いはずよ。
例えば私なら、地の文にはこんな風に文章を入れるかな。

 緑色の翼を見せ付けるように広げて、彼女が俺に尋ねてくる。
 ワイバーンとハヤブサ。どちらが疾いかと聞かれれば、100人中の100人がワイバーンと答えるに決まってる。
 何しろワイバーンは原種のドラゴンさえ凌駕するスピードを持っているのだ。ハヤブサとは比較になるはずもない。
 だから俺は迷わずに“ハヤブサの剣”を選んだ。よっし、これで1ターンに2回攻撃ができるようになるぞ。
 隣の彼女がまるで咆哮するように喚き立てる。俺が“ワイバーンの剣”の方を選ばなかったのが、どうにも納得いかないらしい。
 えーい、うるさいぞ。ご近所迷惑どころか、ガラスまで割れそうな勢いじゃないか。
 速さにプライドがあるようだが、これはゲームの話だろうに。
 そして残念ながら、このゲームでの素早さに価値はあんまりない。つまり素早さプラス15は残念な性能なのだ。
 先制攻撃? 回避率にも影響? そんなもの微々たる物。力こそパゥワァなのだよ、パゥワァ。
 ……ぶつぶつと都合の良い乗算計算してやがるぞ、コイツ。
 素早さが5上がって攻撃回数が1回増えるなら、15では3回プラスにしかならんだろ。それでもチート武器過ぎるけど。

ふぅ……どうかしら? これならある程度、何の話か推測もしやすいんじゃないかしら。
読者にはなるべく親切にしてあげないとダメ。
書き手の頭の中を読者は覗けないわ。だからなるべく、私たちは分かる形で自分の考えを表現しないといけない。
それと数を表記するときに、普通の数字と漢数字が混ざって使われちゃってたでしょ?
ああいうのもなるべく統一する必要があるから、気をつけないといけないポイントよ。

話としては、ゲームのワイバーンに嫉妬しちゃうワイバーンちゃんのいじらしさが可愛い一編よね。
ただ、それをどう表現していくかが書き手の腕の見せ所。
心を込めて、いっぱい文を詰め込んであげましょう! 文が多くなりすぎたら、またそのときに減量を考えれば良し!

さて、こんなところかしら。
また次の作品の投稿を待ってるわね! レベルアップ、レベルアップ!
以上、リャナンシーちゃんからでした!

289名無しさん:2017/03/16(木) 17:24:33 ID:QpUMO1hQO
>>287
はい、あまり批評は得意なリャナンシーではありませんが……書かせていただきますね……。

今回の作品のポイントはワイバーンである彼女と主人公との軽妙な掛け合いだと思いました……。
序盤のシリアスな雰囲気で目を奪い、直後の掛け合いで親しみを出すことで物語に没入させる事に成功しています……。

私が話せる事は、テンポについて、でしょうか……。
今回の作品のながれは、
会話文→地の文→会話文→地の文
と繋がります……。
この流れだと、描写が繊細に行える利点があります……。
しかし、欠点として、掛け合いとしてのテンポが、損なわれてしまう欠点も持っていると思います……。
故に、今作のような軽妙な会話であれば、間にナレーション(地の文)を入れずに
会話→会話→会話→地の文→会話
と流す方が掛け合いらしさが出るかもしれません……。
あくまでも、私の意見ですが……。

これからも頑張って良い作品を生み出して下さいませ……。

290287:2017/03/16(木) 18:54:58 ID:2LfBHBU60
>>288
ありがとうございます、リャナンシーちゃん。
とても勉強になります。
地の文の例文が上手くて、これぐらい書ければ台詞なしでもいいかもと思えて感心しきりでした。

数字表記は――恥ずかしいぃ。こんな凡ミスするなんてぇ。とちゃんと校正していなかったのを反省です。

内容の軽さと指摘されて、どこかしっくりしない原因に納得しました。
1000字ちょうどにこだわりすぎて、地の文を削りに削っていたら、削りすぎたのですね。
文字数にこだわるなら、内容のバランスをとって、剣の話だけにするか、ゲームの中のワイバーンだけにするかにすればよかったですね。
詰め込み過ぎの傾向があるのにも気づかされました。これからは、そういった点にも注意して、地の文を丁寧に書くように気を付けます。

的確なアドバイス、ありがとうございました。また迷走し始めたら、よろしくお願いします。


>>289
リャナンシーちゃん、得意でないのに批評ありがとうございます。

軽妙な会話のテンポを優先して、会話文を連続させる。なるほど。
地の文がないと不安になる性質だったので、あまりやった事のなかったですが、そういう書き方も模索してみます。
確かに、それで回せれば、軽快なテンポを出せますね。

新しい書き方のヒントをいただき、ありがとうございます。リャナンシーちゃんたちにいっぱい褒めてもらえるように頑張ります。
また、迷ったらアドバイスをもらいにきますので、よろしくお願いします。

291名無しさん:2017/03/17(金) 01:13:05 ID:8k1hv9hM0

 辛いの?

 苦しいの?

 涙が出るの?

 そうだね……辛いよね。
 自分が心を込めて書いた作品だもんね。
 それが思ったように、評価されなくて。
 何も言われることがなくて。
 だから、どうして良いか分からなくって……辛いよね。
 もっと良い作品にしてあげたかったんだよね。
 それでも、どうしたら良いか。どんなものを書けば良いのか、分からないのね。

 大丈夫だよ。
 悩んでるのなら、悩んでても良いんだよ。
 涙が出るなら、泣いても良いんだよ。

 書くのが怖かったり、嫌になりそうな時があるよね。
 人と比べて、自分はなんて駄目なんだろうって、そう思える時があるよね。

 でも、大丈夫。私は傍にいるんだから。
 どんな時だって、私は傍にいるんだから。
 
 諦めないで、また書こう?
 楽しかった時を思い出して。
 そうやって笑顔で書いて。
 また皆に見てもらって、皆で喜べるように。

 ゆっくりでも良いよ。どんなペースでも良いんだよ。
 私は傍にいるから。
 いつでも、いつまでも、傍にいて、あなたのことを見てる。
 あなたの書く宝物を、私は楽しみにしてる。
 そうやって、あなたの書く宝物を、楽しみに待ってる人もいる。

 ちょっとずつでも良いから。
 また、書こう? 二人で、また。
 どんなことがあっても。
 私たち、二人で。

 創作の妖精は、どんなことがあっても。
 あなたの傍にいるんだから。

292名無しさん:2017/03/18(土) 00:57:33 ID:kK8FGQ1c0
異世界に勇者として召還され、モンスターを助けたら女の子が仲間になる、こういう小説が流行っていたが。
勇者になったからと言って本当にそんなシュチュエーションを経験するとは思わず、その相手がいわゆるファンタジー物の亜人というのも驚いた。

「ケモミミ族生まれの私にこんなに良くして頂いて、勇者様本当に、本当に!ありがとうございます!」

ケモミミ族、稀に獣の特徴を持って生まれる人間はこう呼ばれ、街や村から放り出されて魔物もいる危険な森で生きていかなくてはいけないらしい。
リスのような尻尾と耳がかわいらしい彼女の名前はラタ、人権活動家でどうにかして街に入り込んでケモミミ族の権利を訴えようとしているそうだ。

「私達ケモミミ族はほとんど魔物のように扱われています、私の姉も狩人に弓矢を射かけられたことがあります、それでも私は街の人たちに訴えたいんです、私達はあなた達と同じ人間だと!」
「ケモミミが無い人にも差別を良くないと思っている人はきっといます!それに主神様は平和と平等を愛するとても素敵な神様と聞きます、そんな立派な神様の信徒ならきっと私の話に耳を傾けてくれるはずです!」
「つきましては私はローブで耳と尻尾を隠すので、勇者様のお連れとして街の中に入るのを手伝っていただけないでしょうか?ケモミミ族が安心して暮らせる世界にするためにどうかお力をお貸しください!」

彼女の志は本当に尊いが異なるものを拒むのが人の性だ、彼女の話を聞いて今まで差別してきたケモミミ族と仲良くやろうと考える人間がどれだけいるものか。
それでもここでそれは断ると別れては彼女はもっと危険な方法で街に入ろうとしてしまうかもしれないし、勇者の力なら憲兵が襲い掛かって来ても彼女を担いで街から逃げ出すこともできるだろう、俺は彼女に力を貸すことにした。
そして街は一瞬で魔物娘に制圧された。

「ケモミミ族(笑)けっけっ本当に騙されるとは、いやいやいやぁ、お優しい勇者様本当にありがとうございますね、勇者様のお蔭で街に入って魔法陣で魔物娘軍団を送り込むことが出来ましたよ」
「酷い?嘘つきげっ歯類?まぁまぁ、見てくださいよ馬の下半身に幽霊に無機物、みんな人間様と交尾して子供を作ってるじゃないですか、愛と平和をもたらしてるんですよ」

コイツと違ってね、と主神象の頭をぺちぺち叩きながら小憎らしいニヤニヤとした顔つきで縛られた俺を見下ろすラタ。
彼女にけしかけられた寄生スライムにすらいむきゃりあーにされてぐーっとあたまがわるくなったけどだんなしゃまにたいしぇちゅにしゃれてあたししあわしぇしてましゅうぅぅぅ❤❤❤

293名無しさん:2017/03/18(土) 12:47:11 ID:upFGpew.O
「ほら、昼ご飯。ちゃんと食べなよ」
「ふふ、ありがとね」
「はぁ……」

かたいパンとスープ、水のやや質素な食事を渡しながら、教団の女勇者である私は小さなため息をついた。
原因は一つ、この鉄格子の向こうで微笑む美しい銀髪の魔物--すなわち魔王の娘であり、最強の魔物であるリリムである。
どんな理由かは分からないが街の中を翼を隠しもせずに普通に出歩いているのを私が捕まえたのだ。
最近魔物絡みと思しき行方不明者が多いので、なんとか取り戻す為の人質に出来ないか、と幼なじみの領主と頭を捻っている最中である。
人質交換とか勇者らしくは無いと思うけれど、背に腹は代えられないのだ。

「しかし、貴女も律儀ねえ。こうしてちゃんと三食持ってきてくれるなんて」
「人質に何かあったら、人が返ってこないからよ」
「ふーん。あ、このスープ美味しい」
「誉めても何も出ないわよ」
「良い花嫁さんになれるわね。結婚式には祝辞を贈るわよ」
「全く……」

ニコニコと笑いながらパンをスープに浸す彼女を横目に同じパンをかじる。
基本的にこいつの食事や見張りは私の担当だ。
最初だけ牢番の人が居たのだが最上位のサキュバスである彼女を見ただけで錯乱し、鍵を渡そうとするなどという案件が発生したためだ。
食事を任せたら料理人がパンの中に鍵を仕込む始末。
笑いながら鍵を渡してきた彼女に私は石になったような錯覚を覚える羽目になった。

「で、さ。進展あった?」
「人質交換の話ならそろそろまとまるわ。故郷に家族が居る人優先だけど、返して貰える方向で進んでる」
「そうじゃ無くて。貴女の好きな人の話が聞きたいのよ」

真面目な顔で語る彼女に再び漏れるため息。
この牢屋に居る間彼女からされた話はほとんど恋愛絡みであった。
しかも何故か私の。

「あいつは領主だし、こんな脳筋と付き合ってるヒマないっての」
「さて、どうかしらね。話を聞く限り脈が無いわけじゃないでしょう?」
「脈のあるなしじゃ無いって。そもそも私にドレスとか似合わないし。アンタなら似合うだろうけどさ」
「あら。誉めてくれたの?」
「誉めてない」

食後のコーヒーを渡しつつ、目を逸らす。
コイツが来てからというもの、いつもこの調子。
おかげであいつを意識してばかりだ。

「しかし、アンタはなんでまたこんな事聞くんだ?」
「それは簡単よ。リリムはね、恋する女の子の味方なの」
「わかんない」

294名無しさん:2017/03/18(土) 23:34:22 ID:upFGpew.O
「先輩、はいチーズ」
「チーズ」

お決まりの掛け声とともに、かしゃり、という小気味のいい音をスマホのカメラがたてる。
そのレンズが見下ろすのは、撮り手である僕と、不死の賢人、リッチである先輩。背景として最寄りから電車で二時間の景勝地(曇り)。
すなわち、よくある自撮りというやつである。

「はぁ、上手く撮れませんね」
「そうか?」

出来上がった写真を見ながら溜め息をつく僕に、先輩は訝しげな声を上げる。

「ピンぼけなし、被写体は中心、若干背景が残念な程度にしか見えないが」
「いえ、それはそうなんですけれど。撮りたいものが撮れていなくて」
「撮りたい物?他に被写体になるものなどあるまいし」

首を捻る先輩。
疑問にあわせてか、彼女の魂を封じている経箱がかたりと揺れる。
確かにこの写真は彼女の言うとおりの出来だ。
しかし、そこには僕の撮りたい物は写っていなかった。

「先輩の笑顔ですよ」

僕が指さしたのは、写真の中心部、仏頂面の先輩。
隣の僕の笑顔に比べて、むっつりとしたそれは、嫌々つれてこられた親のような表情に見えた。

「馬鹿か?魂をこちらに移した私が笑える訳が無いだろう」
「それでも、ですよ。策もありましたし」
「策……もしかしてチーズ、と声をかけたことか?」
「あれ、知っていたんですか?」

魂を経箱に移し、表情を失った(代わりに経箱が自己主張する)先輩のために僕が考えた策。
それは、撮るときにチーズ、と言う事だった。

「ああ、発音の都合で歯を見せた笑い顔になるやつだろう?だがな、それは浅知恵、と言う奴だ」
「え、そうなんですか?」
「考えて見ろ。日本語でチーズの『ズ』はウ行の言葉だ。歯を見せた笑い顔にはならんよ」
「言われてみれば……」

うなだれた僕を尻目に、彼女は語る。
きっと、表情があったらドヤ顔に違いない。

「故に、他の国では別の言葉を使うそうだ。終わりがイ行であれば良いだけだからな」
「つまり、日本語だと?」
「ふめ。ザーサイでも良いし、有罪でも良いが……」
「なら、良い言葉がありますよ」

そうして語る彼女を見て、僕は少しばかりの仕返しをしたくなった。
なんとも、意地悪な気持ちである。

「大好き。です。イ行で終わりますよ」
「う。確かに、そうだが……」

僕の言葉に、無表情のままうろたえる彼女。
たたみかけるように、カメラを構える。

その日、歯を見せる先輩の写真が撮れた。

295名無しさん:2017/03/19(日) 11:56:32 ID:ed2FnXOk0
 Humpty Eggs had a great fall,
 Humpty Eggs caught you within call.
 More than anyone in the wonderland
 Madly Humpty is loving with you.

 ハンプティ・エッグが落ちてきた
 ハンプティ・エッグがきみをみた
 もう世界中のどんな人たちよりも
 ハンプティはきみに首ったけなんだ

296名無しさん:2017/03/19(日) 12:08:06 ID:ed2FnXOk0
>>295
ああああ投稿して見直したら色々変な文になっとるううううう
恥ずかしいいいいこっち修正版んんんんんん

 ◇

Humpty Eggs had a great fall,
Humpty Eggs caught you within call.
More than anyone else in Wonderland
You Humpty is madly in love with.

ハンプティ・エッグが落ちてきた
ハンプティ・エッグがきみをみた
もう世界中のどんな人たちよりも
ハンプティはきみに首ったけなんだ

297名無しさん:2017/03/20(月) 09:32:46 ID:HvBNTVUE0
失礼します、初投稿ですが、スケルトンちゃんネタを批評お願いします。







今日、私の後輩は死んだ。

学校帰りに道を歩いている最中の出来事、運転手が居眠り運転をしてふらついていたトラックにはねられて死んだ。

ーー何故このようなことになったのか? 何故私の後輩が死ななければならないのか? それを考え私の心は闇に沈むーー

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった、後輩の艶やかな髪が好きだった、後輩の全てが好きだった。
親しい友人もなく、日々を孤独に生きる私が唯一見出した光が後輩、彼のおかげで私は孤独ではなくなり、同時に心も安らいだ。

ーー太陽が沈み、暗くなった街の中、窓の外、遥か下のマンションの前から、何やら硬いものと硬いものがぶつかる音が聞こえていたが、今の私はそれどころではないーー

私が後輩を好きなのと同じく、後輩もまた私のことを好いてくれていた。
出会いのきっかけはなんだったろうか? 図書室で本を借りようとした時に、同じ本に手を伸ばし、一緒に読んだことが始まりか。
あの頃から私は後輩を好きだったし、後輩もまた私を見かければ人目も気にせずに抱きついてくれた。

ーー微かに私のいるマンションの防犯ブザーが反応したが、誤作動だったのか一瞬のちに停止したーー

もう後輩の優しい温もりも、どこ幼く感じる笑顔も、キスした時の陶酔した瞳も、同じ屋根の下で目覚めた喜びも、戻ってはこない。
私は全てを失い、また孤独になってしまうだろう、否違う、むしろ前よりも悪化しているきらいすらある。
一度麻薬を得ればそれが普通となり禁断症状に喘ぐ結果になるのと同じく、私もまた後輩に溺れ、依存していたからだ。

ーーどこかで怪しげな音がする、この音はどこから聞こえてくるのだ?ーー

一度失われた命は二度とは戻ってこない、時間が戻らないのと同じく、私は後輩を忘れて生きていくしかない。
だが私に、後輩を忘れて、あの惨劇がなかったかのように生きていくことが果たして出来るのだろうか?
否、出来ないかもしれない、其れ程までに私の中で後輩は大きく、また大切な存在だったからだ。
私が向かい合う机の上、白いデスクスタンドの隣にはつい数ヶ月前に海に行ったときの写真が飾られている。
写真に写るのは水着姿の私と、女性もののフリル付きビキニを着用した後輩の姿。
何故か女性ものをつけていたのだが、もともと後輩は中性的な外見、問題なく似合っていた。

『先輩は僕が死んだらどうする?』

帰りの電車の中で後輩がそんなことを言っていたのを思い出す。
私は考えたくないと言っていたが、後輩は寂しそうに笑っていた。

『でも僕は先輩が好きだから、姿はなくてもいつもそばにいるよ?』

ーー硬いものがぶつかる音が何度か響く、私の部屋のすぐ近く、隣の部屋の前を誰かが通過したのか? それにしても硬い靴を履いているーー

『姿はなくてもそばにいる』
今の私は後輩を信じて祈ることしか出来ない、いつかこの喪失感に慣れる日がくるのだろうか?
後輩の死と向き合い、私自身の道を歩んでいくことが果たして出来るのか?

ーー私の家のすぐ前で音が止み、インターホンが鳴らされるーー

「っ!」

溜めるように鳴らし、しばらく余韻を感じさせる押し方、こんなことをするのは一人しかいない。
私は机から離れてすぐさま玄関に向かい、チェーンを外して扉を開いた。

「ただいま、先輩」

もう我々は、二度と離れることはない。

298名無しさん:2017/03/20(月) 11:32:00 ID:J3.QOhYE0
>>297
とりあえず初投稿お疲れ様

批評なんだけど、甘口〜辛口のどの辺りなら大丈夫そう?
自分の批評だとハートブレイクしそうな激辛になっちゃったので
辛さに応じて適切な魔物娘ちゃんに批評をお頼み申し上げることにする

299名無しさん:2017/03/20(月) 13:01:07 ID:HvBNTVUE0
>>298

ありがとうございます、お心遣い痛み入ります。
なんだかハートブレイクしちゃいそうなので甘口〜中辛くらいでお願いします。

300名無しさん:2017/03/20(月) 14:16:06 ID:J3.QOhYE0
>>299
まず気になったのは句点! 文の。が足りない文章になっちゃってること!
句点はあくまでも文と文の境に打つものなのに、改行前に打つ印みたいになっちゃってるわね。
例えばこの文とか、

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった、後輩の艶やかな髪が好きだった、後輩の全てが好きだった。

私は同性ではあったが後輩の笑顔が好きだった。後輩の艶やかな髪が好きだった。後輩の全てが好きだった。

こう! 句点がおかしい文章はそれだけで読者の印象が極端にマイナスされるので厳重注意しましょう!
それから?の後に文章が続くなら一マス“全角で”空白を入れること。
――(ダッシュ)がーー(長音符)になってるから修正。

――硬いものがぶつかる音が何度か響く。私の部屋のすぐ近く、隣の部屋の前を誰かが通過したのか? それにしても硬い靴を履いている――

こうやって直していくだけでも読みやすい文章に変わるから、今後は気をつけてね。
あと、行頭の空白は知ってるかしら? わざと空けてないなら良いけど、そうじゃないなら>>101とか参考にしてね!
それと漢字変換を多用しちゃってる! 『其れ』とか『否』とかは意図がなければ変換せずにしておきましょう!
自分で手書きにすると考えて、これを漢字で書くことってあんまりないでしょ?
手書きで漢字にするかどうかっていうのは、変換の良い判断基準になるから覚えておきましょう!

では、今度は内容の方に言及を。
スケルトンちゃんのSSということなのだけど……このお話、アルプきゅん向けね。絶対に。
なんでかって言うとね。このお話のメインとなる描写のせいなのよ。
以前から相思相愛の『私』と『後輩』という二人の登場人物に、『私』の回想による『後輩』との幸福な日々――そう、男同士の。

男同士の。
おとこどうしの。
お・と・こ・ど・う・し・の!

『私』の独白が大半を占めてるせいで、お話の主眼がこっちにいっちゃってる〜!
スケルトンちゃんになったっていう描写も少ないから、魔物娘SSってよりもBL短編化しちゃってる〜!
イケナイ! 私を妖しい道に誘い込まないで! 男同士のかけ算をする世界の扉を開かないで〜!

ふぅ……ごめんなさい、取り乱しちゃった。リャナンシーちゃん反省。
個人的にスケルトンちゃんのTSの肝は『元が普通の男でも記憶の混濁のせいで自分が女だったと思い込んじゃう』っていうコメディっぽさだと思うのよ。
だから以前からの恋愛関係を重視した固めの雰囲気のTSなら、それはアルプきゅんの分野かなって感覚なのね。
もちろん上手く料理をすることは可能でしょうけど、この短さのSSだとそれはすごく辛いわ。
関係の深さを描くのとかは問題なくできてるから、今後は内容と登場させる魔物娘との相性にも注意をしてみてください!
きっとぴったり嵌れば、より良いSSになっていくと私は思います!

さて、こんなところかしら。初投稿お疲れ様でした。
また何か聞きたいことがあったら呼んでね。もし辛口希望になったら、知り合いのメドゥーサちゃん連れてくるからね〜。
それでは、以上! リャナンシーちゃんからでした!

301名無しさん:2017/03/20(月) 14:19:04 ID:J3.QOhYE0
>>299
あ、ごめんなさい。私からの挨拶の一文が抜けちゃってたわね。
改めて、甘口〜中辛ということなので、リャナンシーちゃんが担当させていただきました! 参考になったら幸いです!

302名無しさん:2017/03/20(月) 14:50:41 ID:cANCRDhgO
>>297
はい……一応リャナンシーの身ではありますが……あまり、批評は得意でないですが、書かせて頂きますね……。
頑張って、中辛にしてみました……。

今作は、独白による心情の吐露、そして再会に因る喜びが描かれていると思いました……。
死、別れというテーマは感情に訴える事がし易く、上手く扱えば素晴らしい作品が出来ると思います……。生物の命題。ですから。


今作で気になったのは表現のやり方、そして構成です……。
『--』で区切っての実況と回想と言う形にして、臨場感と近づいて来る様子を狙ったのだと思いますが、表現がややあってなかったかも知れません……。

一例ですが……。
私の心は闇に沈む。
確かに、格好な良い言葉です……。
しかし、若干説明が足りていなかったかも知れません……。
一番大切な事はあくまでも読者さんに伝える事、ですから……。

稚拙な例ですが……。
私の心は思い出という名の闇へと沈んでいく。

と、『ここから回想ですよ』と伝えつつ、進行形にして現在の実況をしていく形にしてみるのも、良いかも知れません……。

また、硬い靴を履いていると言うのはあくまでも推測なので、それを意識した形にした方が良いかも知れませんね……。

また、最後の出会った部分で、いきなり彼だと断定するのも、やや難しいです……。
一瞬疑う。私だけが知っているなど描写を挟む。
構成をいじり、伏線を張って置くのも良いでしょう……。

頑張って辛口のように書いてしまいました……。
もし、お気に召さなければ申し訳ないです……。

303名無しさん:2017/03/20(月) 17:43:58 ID:oT2mugHY0
>>300
ここで書く場合行頭スペースはなくてもいいんじゃないか
なくても割と見やすいし、逆に入れちゃうと表示ガタガタして見辛くなるよ

304名無しさん:2017/03/20(月) 17:58:36 ID:cANCRDhgO
とある美しい庭園の一角。
一月に一度ここで。
僕は強大な魔物に挑む。

「さて--分かっておるな?」
「はい。今度こそ貴女に勝たせてもらいます」
「抜かせ。未熟者が」

目の前に座る少女が挑戦者へと艶やかに笑う。
彼女は絶大な魔力を持つ、サバトの長。バフォメット。
種族の中では珍しい漆黒の濡れ羽色の髪と角。老獪な光を宿した金色の瞳。そして、スグリ色のドレスが幼い肢体をつつんでいる。
少女の赤い舌がちろりと楽しそうに唇を舐めていた。

「くく。早く見せるが良い」
「はい」

緊張した面持ちで僕が取り出したのは白い紙製の箱。
開けるとふわり、と甘い香りが周囲に満ちる。

「今回の、新作です」

それは、僕特製、木苺のケーキだった。
真っ赤に染まった、つやのある円筒の形。
隣には白いマカロンが2つ、添えられていた。

「ふむ。真っ赤なケーキか……この艶やかさは、ゼラチンだな?」
「はい。フランボワーズのジュレでコーティングしています」
「成る程、甘酸っぱい春らしい良い香りじゃ」

ニヤリと笑う彼女に見えないように、胸を撫で下ろす。
どうやら、見た目は合格のようだ。
討伐第一関門突破である。

「では、味を見てやろう」

すう、とのばされた彼女のフォークがケーキを切り分ける。
中からのぞくのは茶色のスポンジとムース。
それらを丁寧に載せて、小さな唇に運んでいく。
静かな庭園に彼女が咀嚼する微かな音が響いた。

「ふむ。チョコレートムースとスポンジじゃな。甘酸っぱいフランボワーズに負けない濃い香り……中々じゃ」

論評をしながら、彼女のフォークは進む。

「マカロンも独特の食感が良いのう。柔らかいケーキと良くあっておる」

紅茶で一息つく頃には少女の前のケーキは綺麗に無くなっていた。

「お味はいかがでしたか?」

緊張しながら、彼女の目を見る。
果たして、僕は勝てたかどうかと。

「旨かったが。まだまだじゃな。スポンジの焼き時間が若干甘かったのじゃ」
「駄目でしたか……」
「何、次回も精進すれば良かろう」

ウィンクする少女を前に、がっくりとうなだれる僕。
今回も、討伐失敗のようだ。

「ふふ、そうじゃなあ。良い事を教えてやろう」

そんな僕に、笑いかける彼女。

「儂を倒したければ。今度はウェディングケーキを作るのじゃな」

彼女の白い頬は木苺のように赤くなっていた。

305名無しさん:2017/03/20(月) 20:52:05 ID:8bsJFhYU0
>>297
愛を叫びすぎて喉が痛い新人リャナンシーですっ。今回も微妙な批評をさせてもらいます。
とはいえ、先輩リャナンシーさんたちが、言いたいことはだいたい言ってくれています。これ以上言うと甘口希望なのに辛口になるから、砂糖多めでがんばります。

まずは、初投稿、お疲れ様です。色々と意欲的な作品ね。
先輩君の心情がよく表現はできていると思うわ。最愛の人を失った喪失感がずんずん伝わってくるわ。
元男同士でも、愛さえあれば問題ないわね! 男同士の掛け算なんて、高校の時に習ったわ。

舞台は現代で、日本では火葬が一般的だから、亡くなってすぐにでもスケルトンというのは、ちょっとした盲点をついていて面白いと思うわ。
でも、残念なのは、後輩君が事故死したのが「今日」と書かれていることね。一般的には通夜があって、葬儀があって、火葬だから最短で二日は経過しているはずね。だから、「今日、葬儀があった」とすればよかったかなと思ったわ。
細かいと思うかもしれないけど、こういう細かい部分に気を使えると、読者に違和感を覚えさせないことができるの。そうすれば、作品に没頭してもらえるわ。

あと、意欲的にチャレンジなところは、その心意気やよし! でも、短い作品は一点突破が効果的よ。狙いを絞って書いてみたら、もっとよくなるんじゃないかしら?
一つの作品でいろいろやるよりも、複数の作品でいろいろやる方が楽だし、作品の質を上げやすいと思うの。

……と、こんなところかしら?
甘口は苦手だから言い過ぎてたら、ごめんなさいね。
また、投稿を待ってますね。それでは、新人リャナンシーでしたっ。

306名無しさん:2017/03/20(月) 21:29:38 ID:cANCRDhgO
「おはよう」

病院の一室、毎日僕は彼女に語りかける。
冷たい肌の、ゾンビである少女に。

「おは、よ」

返ってきたのは、ぎこちない、引っかかったような声。
生き返ったばかりの、彼女の表情筋は固く、喋るだけでもかなりの労力を必要とする。
それでもなお、彼女は微笑もうと顔を歪ませてくれた。

「今日は、何をしようか」
「本、よみたい」
「わかった。この中から選んでね」
「うん」

彼女の隣に座って、お気に入りの絵本を広げる。
記憶と一緒に文字を忘れてしまった彼女のために、朗読をするのだ。
それは、幼なじみの女の子が、勇者になった男の子を追いかける話だった。
誰かの幸せの為に頑張りすぎて自らの幸せを忘れた勇者に、女の子は幸せを教えていく。
手をつないで、笑いあって、分かち合う。
そんな、当たり前の幸せを。
しかし、ある日。
女の子は死んでしまう。
勇者を心配させない為に、病気を隠していたから。
そうして勇者は遠くに旅に出るのだ。
女の子に、再び会うために。
最後のページには、手をつなぐ、二人が色鉛筆で描かれていた。

「そうして、二人は結ばれました。魔物であっても関係なんてありません--二人で幸せをかみしめて、生きていくのです」
「うん」

こくりと頷く彼女の前で、パタリと本を閉じる。
風圧で彼女のさらりとした黒髪がなびいた。

「ねえ。わたしは、こんなふうに、なれるかな」

表紙に描かれた女の子を指差す彼女。
その瞳には、確かな憧れがこもっていた。

「大丈夫。君なら大丈夫」

ゆっくりと語りかけながら、彼女の頭をなでる。
心臓のない、彼女の事を。

「あれ?おにいさん、ないてるの?」
「いや、気のせいだよ」

その心臓は、僕の胸の中で鳴っている。
かつて生きていた、彼女から移植したものだ。
心臓の病気で死ぬところだった僕を、その命を投げ捨てて救った。
彼女はそれを、忘れてしまっているけれど。

「もし、君が女の子なら、僕は勇者かい?」
「はは、きっと、なれるよ」

笑おうと、顔を歪ませる少女。
その姿は、絵本の女の子そのものに見えた。

「ありがとう」

僕は、彼女の勇者になれるだろうか。
二人で、幸せになれるだろうか。

いつか、彼女の記憶が戻った時。
幸せだと、言う彼女の姿が見たい。
そう、思えた。

307名無しさん:2017/03/20(月) 22:04:50 ID:J3.QOhYE0
>>306
なんでか同じようなことを考えるなぁって笑っちゃったw

 ◇

『私、死ぬのは怖くないわ』

 彼女は言った。

『それよりも、貴方に忘れられること……貴方を忘れてしまうことの方が怖いの』

 そう、儚い笑顔を浮かべていた。

 その翌日、彼女は病院の屋上から身を投げて、死んだ。

 彼女は不治の病だった。
 病魔が進行するにつれて、記憶がどんどん零れ落ちていく病。
 最後は周囲の何もかもが分からなくなり、脳が壊されて、そして死ぬ。
 段々と記憶の空白が増えていく日々は、彼女にとって耐え難い恐怖だったらしい。
 僕の前ではあどけない笑顔を浮かべていたが、その裏で彼女は酷く怯えていたと、残された日記に書いてあった。

『もし神様がいたら、どうかお願いします。大好きなあの人のことだけは、私から奪っていかないでください』
 
 その記述は、僕が零した涙の粒のせいで、もう読めるものじゃなくなってしまった。
 彼女が選んだ道。それは、僕が彼女から奪われる前に、自ら命を絶つというものだったのだから。

 彼女が死んでから、僕は彼女のことを忘れられなかった。
 常に彼女のことが頭から離れなくなり、彼女の言葉が幻聴のように聞こえるようになった。
 幻聴のように、ではない。幻聴に決まっている。
 それでも、僕は構わなかった。

 彼女は常に僕に語りかけてくる。
 彼女は常に僕の傍にいて、僕との甘い日々を空想し、囁いてくる。
 目を閉じれば僕もその空想の世界で、彼女と幸せな時を過ごすことができる。
 まるで本当に、彼女がそこにいるように、ハッキリと。

 狂ってるに決まっている。だけど、構わない。
 たとえ気が触れようが、彼女が僕の中から消えてしまうことに比べれば、遥かに些細なことだった。

『私のこと、考えてくれてるのね? ふふっ、嬉しいな……』

 ここのところ、抱きしめた感触がこの手に残るぐらいには、彼女の存在が現実味を帯びてきた。
 僕の方の病気も随分と進んでしまっているらしいが、むしろ望むところだ。

 そうだ……彼女はもう、僕を忘れることはない。
 僕も彼女のことが忘れられない。
 忘れられるもんか。
 もう誰にだって、奪わせやしない。
 彼女のことを。彼女の記憶を。彼女との日々を。

『明日は、二人でどんなところに行こっか?』

 願わくば、永遠に彼女が僕の傍にいることを。

 彼女が僕を忘れることのないように。
 僕が彼女を忘れることのないように。
 彼女の望みがこれからも叶えられるように。
 
 そう、僕は願っている。

308名無しさん:2017/03/21(火) 11:07:51 ID:ft03CYcQ0
299です。
お忙しい中、ここまで親身にアドバイスいただきありがとうございました。
これに懲りずにまた書き込ませていただこうかと思います。
またよろしくお願いいたします。

309名無しさん:2017/03/21(火) 11:33:32 ID:amK.WRvw0
>>308
期待して待ってるのでガンバってください

310名無しさん:2017/03/21(火) 21:08:52 ID:.ndtTQ52O
>>307
生と死、そして記憶はアンデッドをかくうえで王道テーマですからね……。
こういうお話は大好きなので、頑張って書いていきたいです。

311名無しさん:2017/03/21(火) 21:13:06 ID:b10JhTio0
 覚束ない足取りで歩き続けて、どれ位の時間が経っただろうか。目の前に広がる景色はどこまでも牧歌的で、人影一つ見当たらなかった。
 
「喉が渇いたし、お腹も……それに、ここはどこで、僕は誰なんだ?」
 
 限界を訴えている身体に鞭を打ち、僕は自分の事を思い出そうとする。けれど、何も思い出すことは出来なくて、ついに力尽きることになってしまった。
 なすすべも無く倒れていると、誰かがこっちに駆け寄ってくるのが見えた。それは、ひどく慌てているホルスタウロスだった。

 * * * *

 なんとも食欲をそそる甘い匂いに釣られ、僕は目を覚ました。怠い身体を起こして辺りを見回す。どうやら民家らしく、僕はベッドに寝かされていたようだ。

「あ、目が覚めたんですね! 良かった……」

 そう言いながら現れたのは、僕が意識を失う間際に見たホルスタウロスだった。コツコツと蹄を鳴らしながらこちらへ来る彼女の手にはお盆があり、そこには湯気が昇るマグカップがある。

「ホットミルクです。お料理よりかはお腹の負担にならないと思いますので、よかったら」

 差し出されるマグカップを受け取って、僕はホットミルクを口に含んだ。やさしい甘さが広がり、飲み込むと身体が内から温まる。気付けば、僕はあっと言う間にホットミルクを飲み干していた。ほっと息を吐くと、疲れが吐息と一緒に出ていく。
 そんな僕を見て、彼女はニコリと笑ったのだった。

「ふふ、それだけ元気なら大丈夫ですね」
「助かりました。本当にありがとうございます」
「困った時はお互い様ですから気にしないでください。それより、どうしてあんな所で倒れていたんですか?」

 話して信じてもらえるかは分からない。でも、嘘をついても仕方ない。そう考えた僕は正直に話すことにした。

「それが僕にも……記憶喪失なのか、ここがどこで自分が誰なのかも分からないんです」
「その、ごめんなさい。無神経なこと聞いちゃって……」

 見てるこっちが申し訳無くなる程に縮こまる彼女を見て、僕はなんとか雰囲気を変えようと話を振った。

「と、ところで君の名前は?」
「あ! 自己紹介がまだでしたね。私はリベラといいます」
「リベラさんですね。僕の名前は……どうしましょうか?」
「そうですね……リベル、というのはどうでしょう? 豊穣の神様のお名前です」
「リベル。素敵な名前ですね」

 僕の試みが功を奏してか、あるいは彼女の気遣いか。なんとか雰囲気は明るい物になった。それからとりとめもない話を二度三度とすると、リベラさんは何かを思い付いたのかポンと手を叩いた。

「リベルさん、よかったら私の農場で働きませんか? 記憶喪失では行く宛ても無いでしょうし」
「ありがたいですが、誰とも知れない人を置いて大丈夫なんですか?」
「大丈夫です! リベルさんが良い人だって私には分かりますから」

 手放しでそう言われ、僕はなぜだか少し恥ずかしくなってしまった。それと同時に、リベラさんの提案を拒むのは不義理に思えた。だから、僕はこの提案に乗ろうと思う。

「じゃあ、これからよろしくお願いします」
「はい、こちらこそよろしくお願いしますね!」 
 こうして、僕とリベラさんとの暮らしが幕を上げたのだった。


感想・批評が有りましたら、是非ともお願いします。

312名無しさん:2017/03/21(火) 21:18:48 ID:b10JhTio0
こう、儚さのあるアンデッドの話は大好きです。
図鑑世界では、死さえも二人を分かつことは出来ない。

313名無しさん:2017/03/21(火) 23:06:33 ID:amK.WRvw0
>>311
また批評書いてたら辛くて長くなっちゃったので、ちょっとご質問を
自分の辛口批評でも平気? 心配ならリャナンシーちゃんに交代して批評してもらうけど
辛口希望だけど自分じゃちょっと……ってことならリャナンシーちゃん伝手でメドゥーサちゃん呼んでもらうからご安心を

それと内容の方だけど、これは連載を意識した作品なのかな?
できればその辺りとか詳しく教えてくれると、より丁寧なアドバイスができそう
手間かけさせちゃってごめんね
良かったらよろしくね

314名無しさん:2017/03/21(火) 23:19:38 ID:b10JhTio0
>>313
わざわざありがとうございます。
辛口でも問題無いです。
作品としては連載は意識してないですね。量を書こうとすると、自分の中でぐだってしまうので……

315名無しさん:2017/03/21(火) 23:21:11 ID:b10JhTio0
あくまで、出会いに焦点を当てた話にしたつもりでもあります。

316名無しさん:2017/03/21(火) 23:33:38 ID:amK.WRvw0
>>315
ありがと。それじゃ遠慮なく自分が書くけど、ハートブレイクしないでねw
今夜中にまとめられなかったら明日に持ち越すかもだけど
ちゃんと責任持って批評はするから安心してください

317名無しさん:2017/03/22(水) 12:08:41 ID:2xyKHKAE0
>>314
お待たせ。それじゃ批評するけど、辛口御免。

端的に言ってしまうと未熟な作品。
問題は何よりもまず長さ。尺が全く足りてないせいで、寸足らずの文章になってる。
出会いに焦点を当てたならそこは印象的で大事なシーンにしたいところだけど、それを短い文字数でサラサラと流しちゃってるわけだから、これはもう完全にアウト。
少なくとも自分は1000字ちょいで『二人が出会い、記憶喪失であると伝え、名前を聞き、名前を付けてもらい、さらには居候が決定する』という場面を書け、と言われても無理。

尺を見誤っているのも、描写力や会話の表現力にまだまだ改善の余地が多いということだと思う。
まず最初の主人公の台詞がこれ。

「喉が渇いたし、お腹も……それに、ここはどこで、僕は誰なんだ?」

ギャグとかで記憶喪失の人間が『ここはどこ? 私は誰?』って言ってるのは見たことがあるはず。
これはつまり、ギャグになるぐらい使い古された表現方法なのだから、安易に『僕は誰なんだ?』なんて言わせるのは絶対にNG。
そんな主人公の心理描写もさっぱりなまま、あっさり倒れてあっさり拾われてしまってる。
最初の台詞からこの急展開なのだから、もうここで慣れた読者は白けてしまう。
その後も同じく、描写も会話もトントン拍子に進みすぎてて何とも言えない。

改善のために、この作品の会話だけ抜き取った文章と、逆に地の文だけにした文章と、この二つを用意して読み直してみるのをお勧めする。
どちらも淡々としていて、非常に読んでいて薄い印象を受けると思う。
イマイチ自分で判断できない場合は、自分の好きな作品で同じことをやってみると、密度の差が一目瞭然になる。
そこから会話・地の文の双方を膨らませる練習。見比べる判断材料さえ作ってしまえば、闇雲に文章を書くよりも遥かに効率が高まる。
繰り返してるうちに各描写に入れる力のバランス感覚が養えてくるから、それを身につけられればかなり上達に近づくはず。

相当辛辣に言ったけど、この辺りは単なる技術の問題だから、気落ちすることは絶対に必要ないことは付け加えておく。
センスがある一部の人間じゃないと、何かを書くというのは本当に難しいこと。
むしろ未熟な作品が生まれるのは当然で、自分もあなたと同じようなところから這い上がってる。
大事なのはちゃんと他人の評価を聞いて、改善点を見つけること。自力で這い上がるのは大変だけど、人の手があれば引き上げて助けてくれる。

また次の作品をお待ちしています。

318名無しさん:2017/03/22(水) 13:30:18 ID:8.l./81Y0
>>317
丁寧な批評、ありがとうございました。
やはり、千文字前後でまとめるには無理がある内容でしたか。参考にさせていただきます。

本当によかったらでいいのですが、>>229の批評もお願いできますか?
以前に投稿した話なので、掘り返すのが望ましくないなら無視していただいて構いません。

319名無しさん:2017/03/22(水) 17:04:12 ID:p/cKF7/c0
>>311
新人リャナンシーですっ。今回も誠心誠意、微妙な批評をさせてもらいます。
辛口希望だけど、劇辛にならないように頑張ります。

ホルスタウロスのリベラさんの優しさが身に沁みますよね。魔物娘の中では包容力では定評ある種族さんですね。あのオッパイは反則と思うときもあるけど……リャナンシーは負けません!

話がそれてしまって、ごめんなさい。
文章は書き慣れている感じがするから、すでに、いくつも作品を書いておられるんだろうなと思います。安定感があって、読みやすかったです。

さて、辛口です。覚悟はいいですか? AEDは用意できましたか?
ただ、先に言っておきますが、これは私の個人的な意見なので、求めているものと違うかもしれません。辛口というのは、そこまで突っ込んだ意見ということで、ご理解してくださるとありがたいです。

では、まずは、インパクト強めの設定に対して、話があっさりしすぎているところね。
そのアンバランス感が肩透かしな感じになって、終わっているのに終わってない消化不良を感じちゃいました。
短編って、書ける分量が少ないから、設定や展開、登場人物を盛り込みすぎると薄くなったり、消化できなかったりするのよね。私の担当作家もバランス取りをよく失敗してるわ。

それと、記憶喪失設定って、よく使われているけど、実はかなり厄介な設定なの。特に一人称小説とは、ある意味、相性最悪と思っているわ。
一人称小説は、主人公越しに物語を見ていることになるの。だから、主人公の知識や経験、思考や嗜好、感情や状態。そういったもののフィルターがかかるの。それが感情移入とか臨場感につながるところが、一人称小説の最大の利点ね。
でも、記憶喪失の主人公だと、経験の記憶がないから、思考や嗜好、感情の裏打ちができないの。
例えば、女嫌いの主人公だとして、その理由が昔、お姉さんにいじめられたからという経験があると主人公に感情込めて独白させれば、読者は納得してくれるわ。
そういうことが記憶がないことでできなくなるの。つまり、主人公のキャラ付けがしにくいということ。
記憶がないという不安や焦りは、大抵の人が理解できるから共感を得やすいという強みはあるわ。けど、そこまでで、その先をどう書くかが勝負になってくると、私は考えているわ。
ということで、長さも必要になるから短編にも向かない設定なのよね。
記憶喪失は、なまじ印象の強い設定だから、ある程度解消しないと読者も納得してくれないところも厄介なところね。

でも、そういうのを挑戦する心意気は、とってもよいと思います。
やってみてわかることってあるものね。ここは無記名だから、思い切った挑戦するにはいいところだものね。

私の担当作家に、この設定で出会いに焦点を合わせた短編にするとしたら? と課題を出してみたわ。思いっきり悩んでたわ。普段、自分の守備範囲だけで作品書いてるから、いい刺激だったみたい。
回答は、ホルスタウロスのリベラさん視点の一人称にする。――でした。
理由は、そうすることで、記憶喪失という強めの設定は和らぐし、彼女が彼を気に入ったことを思いっきり書けば、話の筋が一本通るからだそうです。

ということで、辛口批評でした。なんだか色々と偉そうに好き勝手書いて、ごめんなさい。
個人の一意見として読んでくれると嬉しいです。

それじゃあ、またの投稿をお待ちしてます。

320319:2017/03/22(水) 17:15:58 ID:p/cKF7/c0
 新人リャナンシーちゃんが私の原稿を読んで、問題個所を指摘してくれた。かなり厳しいけど、作品の質を上げてくれる助言だと、私は問題を解決するのに頭をひねっていた。

 カレーの辛口は苦手だけど、リャナンシーちゃんの辛口批評はクセになる。

 ふと、批評で甘口、中辛、辛口というカレーのような段階があるのが気になった。

 気になると筆が進まない。こういう時は、リャナンシーちゃんにお願いだ。

「もう直ったの? じゃあ、読ませて」

 小さな体で大きな文庫本を広げて読んでいたリャナンシーちゃんが、私の呼びかけに顔を上げて、嬉しそうに笑顔になっていた。彼女は一番厳しい読者でもあり、一番のファンでもあってくれている。

 なので、まだだと言うと、かわいらしい顔がお怒りになっております。ごめんなさい。

「何か相談したいことがあるの?」

 私は先程浮かんだ疑問をリャナンシーちゃんにぶつけてみた。新人とはいえ、批評などは彼女の専門だから、答えを知っているかもしれない。

「ずいぶんと難しいことを……うーん……」

 リャナンシーちゃんが困った顔をしていた。

「批評する側でも基準はまちまち。受け手でもまちまち。なんとなくの基準なの」

 確かに、はっきりした線引きは難しいかもしれないけど、そこをなんとか。

「私の個人的な感覚だけど、甘口は知り合い、中辛は友人、辛口は親友に言う程度かな?」

 その線引きは、ちょっとわかりやすい。でも、具体的には何が違うんだろう?

「辛口と中辛以下の差は、ずばり、内容に切り込むかどうかと考えてるの」

 私は首を傾げた。批評はそもそも内容に切り込むものなのじゃないのか?

「うん。そうね……まずは、創作は正解がないの。だから、結局のところは、批評は批評家の好みの問題なのよね。

 掲示板には、私を含めておそらく三人のリャナンシーちゃんがいるけど、それぞれ意見が違っているのは、好みが違うからなの」

 確かに、三者三様で批評するところが違うね。

「甘口や中辛で指摘する部分は、好みによる差が少なくて、表層の問題個所を指摘するの……表現方法だったり、文法テクニックだったり、そういう部分ね。甘口と中辛の差は、その要求レベルね」

 なるほど。それで、辛口で切り込む内容というのは、深層なんだ。

「構成や設定、人物だったり、物語の根幹に関わるところなの。作者の創作意図に関わる部分だし、好みが強く出てしまうところだから、とってもデリケートな部分なの」

 下手すれば、作品全否定になっちゃうね。それは辛口じゃなくて、もはや毒だね。

「表層でも、好みの差が大きい部分に切り込んだり、要求レベルを高くすると、相手にとっては辛口になるの」

 批評って難しいね。

「批評もまた文芸作品と思うもの。いい批評は読んでて面白いのよ。私も早く先輩たちに肩を並べなくちゃ」

 でも、私へのリャナンシーちゃんの指摘って、内容部分に容赦なく切り込んでくるよね? 親友レベルの辛口批評だったんだね。

「え? 違うわよ」

 そ、そんな……私の想いは一方通行だったのか?

「最愛の人レベル、檄辛よ。だから、一生、創作続けてね」

 檄の字は誤字じゃないんだろうな。彼女が私の傍らにいる限り、私の筆と心は折れそうにない。

321名無しさん:2017/03/22(水) 19:16:23 ID:PVBJy.wMO
>>311
はい……あまり批評は得意ではないリャナンシーですが……批評させていただきますね……。

今作は、文章表現、文法について語れる事はありません……時制も完璧で、経験の多さを感じさせました……。

しかし、辛口に批評するならば、幾つかの点で難しいと感じた作品でもあります……。
既に私より優れた方が批評なさっていらっしゃるので私が感じた点について、語らせていただきます……。

このお話は、主人公と、ホルスタウロスが出会う、出会いのお話です……。
出会いというのは、非常に大切で、そのキャラクター同士の関係を、説明するものです……。
そして、出会いを書く、という事はキャラクターのその後が想像出来る物語が好ましくなります……。
少なくとも「俺達の戦いは、これからだ!」と書ける位の掘り下げです……。
しかし、この物語において彼らのその後は想像し難いと思いました……。
理由は、キャラクターが掴めないためです……。
記憶がない設定については語って居る方が居るので省きますが、彼女の描写にも問題があります……。
彼女についてはホルスタウロスの農民である、以上の設定がどこにもありません。特に、見た目に関する情報量は皆無で、髪型や、纏う空気、背の高さなどの情報がありません……。また家の中などの描写が無いため、どんな風に暮らして居るのかも、分かりません。
彼と彼女。どちらの情報も無いので、これからが想像出来なくなっているのです……。

ネレイスさんの話はそのどちらもがしっかりと解決されているため、今回の出来はたまたまだと思います……。
そして、解決法もあなたは持って居るはずです……。
「この作品の続きを書く」。
これだけで描写の薄さも、記憶喪失の設定も、全て解決出来る筈です……。
あなたの実力なら、きっと出来ます……。
無責任な言葉ですが、あなたがここにアップした作品は全て文章表現が適切で、美しい、読みやすいものが出来ていますから……。

すみません。本当に失礼な事を語ってしまいました……。

322名無しさん:2017/03/22(水) 19:44:56 ID:8.l./81Y0
>>319
丁寧な批評、ありがとうございました。
まだまだ自分は三流がいい所だというのが身に染みて分かりました。
参考にさせていただきます。

323名無しさん:2017/03/22(水) 19:52:37 ID:8.l./81Y0
>>321
今回も丁寧な批評、ありがとうございました。
たしかにこの話では内容が薄いですよね。
参考にさせていただきます。

324名無しさん:2017/03/22(水) 20:30:57 ID:2xyKHKAE0
>>318
もちろんOK。>>229の方の批評を。
遡ってこのスレにある過去の作品、及び投稿所の作品(推測)まで洗ってみました。

>>317では描写力に課題と言ったけど、謝罪をいたします。申し訳ありませんでした。
訂正いたします。あなたは一定の書く力を持ってる。
>>229での海に沈む二人の情景とか、そういったところで輝くものをきちんと持っている。
ただ、それが噛み合うものと噛み合わないものがあって、>>311の主題ではそれが出ていなかった印象。
それから今回の>>229の文章も同じく。甘酸っぱい(?)とは言いえて妙で、やっぱり少しズレが生まれてる。
どこが原因かと言えば、表現が硬い。カッチカチ。これはどの作品にも共通して言えること。
だからダークな作品とかにはガッチリ嵌って本当に良い効果がある一方で、それから外れたりすると雰囲気が変になってしまう。

>>229に話を戻すと、主人公の境遇を“匂わせ”られていない。
がっつり『彼女は、何時かいなくなってしまった僕の想い人に似ていて』と書いてしまっている。
どうにも他の作品でも『何が・誰が/どうで・どうした』を並べ立ててしまう癖を持ってるようだけれど、最後の文では『〜言うんだ』と若干柔らかな表現に変わってチグハグ。
こういった文章の雰囲気は意識して使い分けられるようになる必要がある箇所。
一文一文の語尾により注意を向けるように。『〜した』『〜だった』の多用は文章の硬質化を招きやすい。
それと、適度な改行。文同士を開き気味にするだけで、硬い印象をいくらか和らげることも可能になる。
こういったことの改善には雰囲気の柔らかい作品を持ち出してみて、>>317で言った作業で練習をしたりモデルにしたりがてっとり早いかと。

それと習作として一度、同じ内容で文章の硬さ・柔らかさを変えた作品を書いてみるのも良いかもしれない。
多分非常に苦労をするだろうけれど、その分だけ表現の幅は間違いなく広がっていく。
参考までに文章の硬さ・柔らかさを変えた一例を載せておく。



「ねえ、お兄様。私ケーキが食べたいわ」

僕の膝の上でリビングドールの彼女が言った。その瞳は紫に妖しく光を放っていて、僕はそれに惹き込まれてしまう。
彼女が僕に何かを求めるのはこれが初めてではなかった。
ある時は洋服が欲しいと笑った。ある時は美味い飲み物が欲しいと僕を買いに行かせた。また別のある時は綺麗な星が見たいと僕を連れ出した。
私を僕はその誘惑を断れず、幾度もその要求を飲み込んできた。僕は断れなかった。
拒否のための言葉が口をついて出る前に、首が勝手に肯いているのだ。まるで僕の方が人形になっているようだった。

「ねえ、お兄様……私、イチゴのケーキが食べたいなぁ」

そう言ったのは、僕の膝の上のお人形さん。
リビングドールの彼女は、上目づかいでじぃっと、僕のことを見上げてきている。
紫をしたキレイな瞳は、惹きこまれそうなぐらい、妖しくピカピカだ。

この子はいつもこう。
やれお洋服がほしいとか、やれバナナミルクが飲みたくなったとか、やれお星さまが見たいとか、おねだりばっかり。
もちろん僕は心を鬼にして、それを断わ……ろうと、努力してるんだけど。
でもどうしてか、だらしないニヤケ顔でこの子を抱っこして、全部のおねだりを聞いてしまってる。
ホント、どっちがお人形さんか、分かったものじゃない。



最後に繰り返すが、あなたは一定の力はある。
お世辞抜きで気に入った作品もあるので、そこは自信を持って良い。
三流とは無視されるだけの存在。二流は褒められる。そして一流は、けなされる。
あなたは今一流への階段を昇っている最中だと思ってもらいたい。

個人的にあなたのダークな作品が好きだけれど、今度はどうせなら練習として、『わたあめ級のふわふわ♪』ってした作品をリクエストしておきます。
以上です。長々とすみませんでした。

325名無しさん:2017/03/22(水) 20:54:10 ID:dEO9imqc0
投稿した作品中に出てくる予定であった一文。
魔物娘の設定からそれているのでお蔵入り、でも日の目を日の目をあてたかった。
内容もなにも途中の文に少し加筆しただけどリャナンシーちゅんよろしく
お願いします。



  俺の名前はジジ。この辺りを取り仕切る漁師の一員だ。
  ワーウルフのエッジと付き合っている。今まさに恋人とのエッチ真っ最中だ。

「あっあっ! 今日は凄いね! ジジ!」
  
  そのエッジの格好は尻をむき出しにした格好で荒い息を吐いている。
  話し合っていた時に意識していたのか、下着の股間の部分が濡れていた。

「あはっ! ジジのが中で大きく……そんなにボクの尻が好きなの?」
  
  ベッドに手をつき、ジジがニヒヒッと含んだ笑みを浮かべる。
  その笑みは快楽に必死で耐えている表情の裏返しであった。

「はぁはあ!……そ、そうだよ……おおお」
  
  俺はズンッとエッジの最奥まで届くように大きく腰を突き出す。

「はにゃあああ! そこ突いて! お尻もっとパンパンして!」
  
  エッジの腰を両手で掴んで、チンポ突っ込みながら俺は密かに胸中で呟いた。

(エッジの尻は確かに好きだ。ほど良く盛り上がって引き締まってるけど

柔らかくてフニフニして……ずっと頬擦りしていたい……

でもリュリュさんはむっちりとした逆さハートお尻で……スカート捲れた時にティーバックだったし、

リーチェルのプリっとしたロリ尻も柔らかいパン生地みたいだろうな)
  
  リュリュ、正式にはリュシエンヌ、エッジの姉でリーチェルは妹。
  
  宿屋『ボナパルト』のワーウルフの三姉妹だ。
  
  水揚げした魚を仕入れたりする関係で女将さんから夕食に招かれたりする。

(……もし俺が三つに分身して……三人とエッチしたら……)



「リュリュさんのはすっげぇ肉厚でエロすぎ! ふわふわヒダが柔らかくてぇ! 全体的に包み込まれてるみたいだ! しかも入り具手で締め付けてきてる」

「ジジ君……あッ! 大きい! 私を孕ませる気なのォ? ちょうど危険日だし。
やだぁ、私のお腹でビュウウって出ちゃってる……あったかいのね精液って」



「リーチュエルのはキツくて狭いけど、ザラザラしている中に時々ツブがある。 それがプリュブリュ締め上げてくるぜ!」

「ジジ兄ちゃん! ダメぇぇ! 私、生理きてるの! 妊娠しちゃうよ!
ああッ痛い! 痛いけど気持ちいい! 痛気持ちいいよ!」



「エッジのは俺にぴったりフィットする! 隙間がなくて適度に締まる!
プリプリなじみすぎて俺専用って感じだ!」

「エッジのばかあああ! 姉妹丼なんてサイテーだよ! でもイちゃううう!」


(……なんてことになったら、俺、たぶん死ぬんだろうな)

  俺はそんな妄想しながらエッジの中にぶちまけた。

326名無しさん:2017/03/22(水) 21:04:28 ID:XutFmKew0
>>324
以前に投稿した話も批評していただき、本当にありがとうございました。
件の話は表現が上手く出来ていなかったのも事実ですので、謝る必要はまったくありません。むしろ、とても参考になる批評をいただき感謝しています。

たしかに文体が内容を問わず硬いですね。
これは是非とも改善したい点かと思いました。
二度の批評、ありがとうございました。

327名無しさん:2017/03/22(水) 21:41:35 ID:2xyKHKAE0
>>325
リャナンシーちゃん登場!
そして厳しく一言! 自分でも言っている通り、このSSはまだ内容に言及できるほどの文章量はないわ!
なので急いで中身を膨らませて三姉妹丼の作品を書いて投稿所に載せてきなさい!
設定? ワーウルフの三姉妹丼なんて何がいけないのか私には分かんないわよ!
さあ、そうと分かれば急いで執筆! ワクテカしてる相棒その他紳士諸君のために!
あ、淫語撒き散らしはオッケーだけど、まだまだ派手にしてオッケーだから!
それと地の文ではガッツリえっちぃ描写を詰め込むようにしてね!

以上、リャナンシーちゃんからでした!

328名無しさん:2017/03/22(水) 22:43:19 ID:dEO9imqc0
リャナンシーちゃん>>

すみません。これはすでに投稿している作品の抜け落ち文です。
一人につき一人の魔物娘と当時に書いた作品なので
自分の中で姉妹丼はダメじゃね?と没になっていたように思います。

329名無しさん:2017/03/23(木) 02:34:28 ID:Vvs8jRSk0
>>311
少し遅くなりますが、目に付いたので批評をさせて頂きます。ドのつく新米リャナンシーです。新参の身で、人様の文章を評することをお許しください。
また、不慣れ故かなり長文になってしまいましたので、レスを分けて投稿させていただきます。何かしら通例を破るようなことはないと確認済みですが、掲示板の方は普段利用しませんので、間違い等あったらすみません。
まず、後のレスで触れられているネレイスの方の作品も拝読しました。こちらは大変美しい文章で、引き込まれるような魅力があります。シーンを描く技量は素晴らしいものがあると思います。
で、問題の>>311の方ですが、他の方も触れられている通り、①物語の構造、②キャラクターの造形、双方に問題があるように思います。これらはネレイスの方には無い要素、つまり貴方の弱点である可能性があります。まずはこの二点について、情報を整理しましょう。

①物語の構造
こちらの作品の本筋は以下のように要約されます。
1)主人公が行き倒れる。
2)ヒロインに保護される。
3)二人は一緒に住むことになる。
流れとしては別におかしくないですね。舞台は『牧草地?』。目指している雰囲気は『牧歌的、穏やか且つ緩やかな時間、優しい世界』といったところでしょうか。これも違和感ないです。

②キャラクターの造形
作中では説明不足で読み取れない個所も多いです。故に、展開上必要となる要素を上げていきます。括弧の中身がなぜそれが必要かです。
1)主人公
 ・記憶喪失である(ヒロインに保護される理由になるため)
 ・純粋かつ誠実(作品の雰囲気を『優しい世界』とするために必要)
2)ヒロイン
 ・優しく献身的(主人公の保護、そして『優しい世界』実現の為に必要)
 ・ホルスタウロスである(魔物娘SSであるため。ある意味本題)
こんなところでしょうか。意外と少ないですね。でも、1000文字かそこらで表現するなら妥当な情報量だと、個人的には感じます。ただ、ヒロインが主人公を保護する理由に補強が欲しいところではありますが。

作品を書く際は、以上の要素をなるべく簡潔に、かつ面白くストレスフリーに読者に伝えることを目指すことになります。

で、ようやく本題の批評です。
まず最初に冒頭のシーン。ここは舞台が広大な牧草地であり、主人公が記憶喪失であることを伝えるシーンです。最後に主人公が倒れるシーンが必要ですが、それ以上の役割はありません。
このシーン、主人公の意識が明瞭すぎる気がします。また、一人称である時点で語り部も主人公になるので、地の分ももっと曖昧にした方がよいでしょう。具体的には『空と芝生の境目を永遠に歩いていく。頭に靄がかかったようだ。ここはどこだ? 何で歩いてるんだっけ? ん、何の音だ? あ、自分の腹の音か。ああ、空腹を自覚したら急に……』みたいな感じでしょうか。
また、倒れる程に弱った人間が駆け寄ってくる人影の種族まで分かるのもおかしな話です。『気を失う瞬間に何者かが駆け寄ってきた気配を感じた』ぐらいにしておけば、事の深刻さに加え「その正体とは!?」という謎を読者に投げかけることも出来ます。できるだけ短い文章で、合理的な情報のやりくりを心がけましょう。

続いて、目を覚ますシーンです。匂いで目を覚ます、というのはよくある表現ですが、普通人間は睡眠中に匂いを感じません。細かいところですが、『暗闇の中、甘い匂いを感じて瞼を開ける』とかにすると違和感がないです。また、いきなりホルスタウロスが現れるのもちょっと惜しい展開です。状況は有効活用し、登場人物の性格や属性、種族を現すイベントを挟みましょう。
(続く)

330名無しさん:2017/03/23(木) 02:35:06 ID:Vvs8jRSk0
(続き)
例えばこのシーンなら、目を覚ましたらベッドに突っ伏すようにしてホルスタウロスが寝ている……とかどうでしょうか。介抱中に自分もうっかり寝てしまうことで、穏やかで優しい気性であることを現すことができるかと思います。また、主人公がヒロインの種族を認識する機会としても使えます。『瞼を開けると、ベッドに横になっていた。身を起こせば、ベッドに突っ伏して寝息を立てている女性がいる。彼女が介抱してくれたらしい。妙齢の女性だ。短くまとめた艶髪に、短い角』ここで『短い角……ホルスタウロスだ』にするか『短い角……角!?』にするかで主人公の魔物に対するスタンスも表現できるでしょう。主人公が魔物に対してどういう感情を持っているか、というのは二人の関係がどういう状態からスタートするかを表す重要なファクターです。余程無理でない限り、入れた方がよいでしょう。
他にも、目を覚ますと枕元にホットミルクが置いてあり、それを一口飲む。すると気配を察したホルスタウロスが様子を見に来る、というのもいいですね。図鑑説明文を読むと、ホルスタウロスの乳には精力増強の効果があるそうです。布団を押し上げる主人公のアレを見て、ホルスタウロスが顔を赤らめる……などの展開を挟めば、前の例とは逆にホルスタウロスが主人公にどのような感情を持っているか(この場合は憎からず思っている)を描写できます。また、この描写があればホルスタウロスが主人公を同居に誘うシーンが大変スムーズになりますね。ホルスタウロスには、主人公の精が欲しいという動機があることになります。

次は、ヒロインが主人公の記憶喪失を認識するシーン以降です。ここ、あまりに展開が急かつ唐突すぎます。「僕記憶喪失なんです」「ごめんなさい」「君の名前は?」「リベラです」「僕の名前つけて」「リベルでどう?」「素敵な名前だね!」流石にあんまりでしょう。初めて会った相手に「名前思い出せないんですがどうしましょうか?」と聞く主人公もそうですが、倒れているところを助けておきながら記憶喪失という一大事を問題視するでもなく受け入れているように見えるヒロインに違和感があります。「私はリベラです。あなたは?」「僕は……えーと、あれ、おかしいな……?」「もしかして、記憶喪失!? 大変! 物忘れにはミョウガがいいんだったかしら……」「だ、大丈夫ですよ、気にしなくて! 忘れるくらいなんですから、大した記憶でもないんでしょう!」「ホ、ホントにいいんですか……? じゃあ、せめて記憶が戻るまでは同居で!」ぐらいの会話があると、主人公の身を案じ問題を解決しようとする心優しいヒロイン、大らかで他人に心配をかけまいとする主人公、という二人の性質を端的に表せるのではないでしょうか。

総評としては、
①読者に伝えるべきことが伝わり切っていない、または分かり辛い。
②意味のない展開や、意味の薄い展開が多い。もっとシーンの有効活用を。
③展開、表現の合理性に欠ける箇所が多い。どう展開していきたいかも大事だが、この展開なら登場人物はどうするか、を意識するとよい。
といったところでしょうか。
結局、文章というのは読み手に状況を伝えるのが最終目的です。伝え方には様々な方法がありますので、いくつか文章を考え、その中で一番良い文章を選ぶようにすると、合理性と表現力を兼ね備えた文章を作りやすいです(個人的には)。1レスでも10万字でも、「他人の書いた文章を読む」という行為は労力を使う行為です。読者がより少ない労力で、より楽しい思いをできるコストパフォーマンスの良い小説を目指すとよいでしょう。

ネレイスの例からいって、貴方はひとつのシーンを美しく描く表現には大変優れているように感じます。それらを無理なく繋げ、登場人物達に一貫性のある人格を与える技術を身に着ければ、投稿所でも指折りの人気作家になれる可能性はかなり高いと思います。
改めて、上から目線の批評大変失礼いたしました。今後のご活躍を楽しみにしております。

331名無しさん:2017/03/23(木) 13:26:43 ID:vgSmGxnM0
最近書くものがドン詰まりの三流物書き状態なため、皆様に批評をお頼み申し上げます。
情景描写のための習作だったのですが、肝心の桜が上手く描けずな出来になってしまいました。
また、自分では読みやすい文章を書こうとしているつもりですが、読者視点だとどうなのか自信が持てません。
うちのリャナンシーちゃんに聞いても「別に平気じゃないの?」と横になってお煎餅を齧っています。
その他どんなご指摘でも構わないので、どうか辛口で評価をよろしくお願いいたします。



「うー?」
「あはは。待ってて、もうすぐ着くからさ」
「うー」

 彼女は小首を傾げたまま、ちょっと頼りない足取りで、僕に手を引かれている。
 ゾンビである彼女との散歩も慣れたものだけど、これから連れて行くのはとっておき中のとっておきだった。
 彼女に喜んでもらいたくて、何度も探して歩いて。そして見つけた、特別な場所。
 ほんの少しだけ逸る気持ちを抑えて、春のうららかな青空の下を二人で歩いていく。
 この道の角を曲がれば、もう見えてくるはずだ。

「どう、キレイでしょ?」

 風が優しく吹き込むと、僕らの前でふっと、ピンク色の花びらが踊った。
 目の前に現れたのは、鮮やかに咲き乱れる桜の木々。
 陽光にきらめく小川にそって立つ桜は、枝の先という先までいっぱいに花をつけて、僕らを迎えてくれていた。

「うー……!」

 彼女の瞳が輝いた。
 目を大きく見開いて、生き生きと。
 まるで彼女が、自分がゾンビだって忘れてしまったみたいに。

「うー! うー!」

 どんどん、どんどん、彼女が足早になっていく。
 苦笑する僕を追い抜いて、今度は急かすみたいに、彼女が僕の手を引く番に変わる。
 そして僕の手をはなして、駆け足になって。

「うー!」

 彼女が淡い彩りのドームに飛び込んだ。

 木の下に立って、口をぽかんと開けて、満開の花々を見上げたり。
 次は根元をぐるぐる回ってみて、見えてくる光景の違いに目を丸くしたり。
 それから川辺の方に向かって、さらさらと流れていく桜の花びらを一生懸命おっかけてみたり。
 結局それには追いつけず、しょんぼりとした顔で花びらを見送っていったり。
 だけど今度は頬をほころばせて、桜の花びらを一枚一枚、丁寧に拾い上げていったり。

 彼女は本当に無邪気に、心の底から桜を楽しんでくれているようだった。

「うー、うー」
「ん? どうしたの?」

 そんな様子を微笑ましく見守っていると、彼女が嬉しそうにこっちに寄ってきた。
 その手の中には、彼女が集めてきたらしい、小さな花びらの山。

「……くれるの?」
「うー!」

 すっと差し出される、彼女からの薄桃色をしたプレゼント。
 出会った頃から何一つ変わらない、彼女の優しさ。
 ずっとずっと大好きな……彼女の笑顔。

 それに対して、僕は――

「――ッ!」
「うー?」

 込み上げてくる愛おしさに耐えられず、彼女の身体を抱きしめていた。
 彼女の手にあった花びらが、ぶわっと宙に放り出される。
 それがひらひら、ひらひらと、僕らのことを祝福するように舞い散っていった。

「せっかくのプレゼント……台無しにして、ごめん」
「うぅーうぅー」

 いいよ、と言ってくれているらしい。彼女も僕をぎゅっと抱きしめ返してくれる。
 いじらしい返事にまたこみ上げるものを感じて、ますますきつく彼女の身体を抱きしめる。

「大好きだよ。今までも、これからも、ずっと……」
「うー……」

 満開の桜の下で、僕に伝わってくる彼女の感触は。
 いつもよりほんの少し温かいと、そんな気がした。


………………
…………
……


「うー、うー」
「あ、お団子食べたいの? わ、分かったから、ほらっ。よだれ垂れてるってっ」
「うー♪」

332名無しさん:2017/03/23(木) 13:38:58 ID:cqQi0VRg0
>>330
丁寧な批評、ありがとうございました。
まだまだ改善点は多いですね。
参考にさせていただきます。

333名無しさん:2017/03/23(木) 18:59:23 ID:muvHP7VE0
>>331
新人リャナンシーですっ。おせんべいがおいしそうと思いつつ、今日も役に立つか微妙な批評をしちゃいます。

ゾンビちゃんが天真爛漫で、主人公君が愛おしく思う想いがとても素敵にでているわね。

今回は情景描写と読みやすい文章ということで、そこに焦点を当てて見てみますね。

今回の作品で、最初は風景描写がなくて、目的地の桜並木で風景描写がほぼ最初にされているわ。これだと、読者は白紙の背景から桜の背景を想像することになるの。
でも、桜の背景をドラマチックにするのなら、平凡な風景から場面変換する演出があった方が読者のテンションも上がると思うの。

それと、書き出しを台詞にするのは、読者をつかむ定番の方法だけど、そればかりに頼るのは表現の幅が狭くなっちゃうわ。
大丈夫! よっぽどじゃなければ、5行ぐらいは読んでくれるわ。そこまでで勝負よ。
だから、今回の場合は、最初に少し情景と状況を書いちゃう方が、あとの桜が効いてくるわ。

読みやすさは、今のままでも十分あると思うわ。この先は好みによるところが大きいのよね。
それでも、あえて言うなら、間の取り方を少し考えてみた方がいいと思ったわ。
例えば、桜並木が最初に見えるシーン。情景よりも先に台詞が来ているでしょ? あれを逆にするの。

 この道の角を曲がれば、もう見えてくるはずだ。
 風が優しく吹き込むと、僕らの前でふっと、ピンク色の花びらが踊った。
「どう、キレイでしょ?」
 目の前に現れたのは、鮮やかに咲き乱れる桜の木々。

文章をいじらずに入れ替えただけだから、ちょっと文のつながりが悪いけど、入れ替えると印象が変わるでしょ?
映画やドラマ、漫画なんかでもよくつかわれているけど、絶景に入る前に、それを想像する一拍を置くと風景がより広がるわ。

あと、私の好みなんだけど、体言止めが多いと、なんだか流れに乗れないの。
他のところでも言ったけど、体言止めはリズムのインパクトだから、印象が逆に薄くなっちゃうの。映像で言うと、画面がぱぱぱっと変わる感じね。全体としてのイメージはなんとなく残るけど、輪郭はぼやけた感じだから多用はしない方がいいわ。
個人的な見解だけど、情景が浮かぶ作家さんの文章では、体言止めが少ない気がするのよね。

と、こんなところね。参考になると嬉しいな。
え? 今回は具体例が少ない?
今回の情景描写とか読みやすさとかだと、総合的で長くなっちゃうから。もし、要望があれば、添削を載せるわ。例のごとく、かなりいじってるけど……。

それじゃあ、またの投稿をリャナンシーは待ってます。

334名無しさん:2017/03/23(木) 19:20:02 ID:vgSmGxnM0
>>333
ご批評どうもありがとうございます。

桜を描こうとばかり思っていたためか、他の風景描写は盲点でした。
何も思いつかなかったのは完全に自分の力量不足ですね……。
それと桜が飛び込んでくるまでのタメも、できていない箇所でした。反省点が多いです。
体言止めも自分の好みで多用するのですが、これももう少し注意を払うようにしてみます。

ご丁寧な批評をありがとうございました。
よろしければ添削の方も参考にしたいので、ぜひお願いいたします。
あ、よろしければこちらもどうぞ。( ゚Д゚)つおせんべい


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