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【習作】1レスSS集積所【超短編】

236名無しさん:2017/03/10(金) 16:52:01 ID:ua6UGR8k0
男がルーナンティの眼を射抜くように睨んだ。

「特にお前は」
「わ、私は……あの者にそのような感情は……んっ……は」

男の手がさらにルーナンティを弄る。

「我が血を分けた娘で無ければその首をとうに刎ねているところだ。あの男の下で股を開くだけがお前の任務か?」
「……断じて……そんな……心構えでは…」
「お前の身体には母親と同じように淫らな血が流れているのだ。
男を狂わせるセイレーンの血がな。その能力(チカラ)を使ってもこの程度とは……」

男はルーナンティを突き飛ばすと報告書の束を投げつけた。
宙を舞う紙の中でルーナンティは静かに言った。

「……母は貴女を愛していたと……ち、父上」

ルーナンティは目を閉じ、震える声で答えた。

「何だ、それは?」

しかし、男は殺気を帯びた声で答えた。

「――――し、失礼しました。陛下」
「お前の存在は、私しか知らん。この世で私の血を正統に受け継いでいるのは第一皇女のみ」
「……はい」
「あと一週間の猶予を与えてやろう……その汚れた雌犬の身体をもって、忠誠を示せ。
もし計画にたずさわっていたとしてもあの男だけは生かしてやる」

その言葉にルーナンティは顔を上げた。

「舌を抜いて生かせておけば裏切りの憎悪の矛先は全てあの男に。お前もその方が楽しめるだろう?」
「……し、承知致しました。計画の首謀者、必ずや……」
「その言葉、努々、忘れるな……」


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